JPH11199846A - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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JPH11199846A
JPH11199846A JP10012052A JP1205298A JPH11199846A JP H11199846 A JPH11199846 A JP H11199846A JP 10012052 A JP10012052 A JP 10012052A JP 1205298 A JP1205298 A JP 1205298A JP H11199846 A JPH11199846 A JP H11199846A
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weight
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polymer
composition according
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JP10012052A
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English (en)
Inventor
Makoto Sakurai
良 桜井
Takahiro Matsuse
貴裕 松瀬
Hideshi Kotsubo
秀史 小坪
Teruo Miura
映生 三浦
Yasuhiro Morimura
泰大 森村
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ポリビニルアルコールをアセタール化し
て得られるポリビニルアセタール樹脂の側鎖に脂肪族不
飽和基を導入してなるポリマーを主成分とすることを特
徴とする接着剤組成物。 【効果】 本発明の接着剤組成物は、ポリビニルアセタ
ール樹脂の側鎖に脂肪族不飽和基を導入したポリマーを
主成分とする熱又は光硬化性接着剤であるため、透明
性、耐候性に優れ、特に有機過酸化物又は光増感剤によ
る架橋構造を有するため、耐熱性、耐湿熱性、透明性が
向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板と金属板或
いは金属板と他材料との接着などに用いられる熱又は光
硬化性の接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
金属用の接着剤としては、 (1)エポキシ系、アクリル系、ウレタン系、2液混合
タイプもしくは1液の無溶剤液状反応型接着剤 (2)熱可塑性樹脂を用いたホットメルト接着剤 が知られている。
【0003】しかし、(1)の液状の接着剤は、複雑な
形状のものを接着するのには良いが、板状のもの、特に
大きい板状のものを接着する場合、板体と板体との間の
接着剤中の空気抜き、或いは端部における接着剤のはみ
出し等の問題がある。また、(2)の熱可塑性樹脂を用
いたホットメルト接着剤は、押し出しやカレンダーでフ
ィルムやシート状で提供することができ、上記の(1)
のような問題点はないものの接着力が弱く、耐久性に乏
しく、耐熱性についても問題がある。
【0004】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
建築、自動車、土木、電子、電気等の産業分野で一般的
に広く使用される材料等、特に金属板と金属板又は他材
料とを上記のような問題を解消して強固に接着すること
ができる接着剤組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、ポリビニルアルコールをアセタール化して得られ
るポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール
樹脂の側鎖に脂肪族不飽和基を導入すること、特にビニ
ルブチラール単位、ビニルアルコール単位及び酢酸ビニ
ル単位から構成されるポリビニルブチラール樹脂の前記
ビニルアルコール単位の側鎖水酸基をアクリル酸、メタ
クリル酸等で酸変性することより脂肪族不飽和基を導入
して得られたポリマーを主成分とし、特にこれに有機過
酸化物又は光増感剤を架橋剤(硬化剤)として使用する
ことにより、そして好ましくはシランカップリング剤、
更にはエポキシ基含有化合物を添加することにより、硬
化時に架橋構造が形成されると共に、高い接着性が得ら
れ、耐久性、耐熱性を大幅に向上させることができるこ
とを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0006】即ち、本発明は、下記の接着剤組成物を提
供する。 請求項1:ポリビニルアルコールをアセタール化して得
られるポリビニルアセタール樹脂の側鎖に脂肪族不飽和
基を導入してなるポリマーを主成分とすることを特徴と
する接着剤組成物。
【0007】請求項2:ポリアセタール樹脂がポリビニ
ルブチラール樹脂である請求項1記載の接着剤組成物。
【0008】請求項3:前記ポリマーが、ビニルブチラ
ール単位、ビニルアルコール単位及び酢酸ビニル単位か
ら構成されるポリビニルブチラール樹脂の前記ビニルア
ルコール単位の側鎖水酸基を酸変性することにより脂肪
族不飽和基を導入したものである請求項2記載の接着剤
組成物。
【0009】請求項4:アクリル酸又はメタクリル酸に
より酸変性した請求項3記載の接着剤組成物。
【0010】請求項5:ポリビニルブチラール樹脂のビ
ニルアルコール単位が3〜70モル%である請求項3又
は4記載の接着剤組成物。
【0011】請求項6:前記ポリマー100重量部に対
し、有機過酸化物及び/又は光増感剤を0.1〜10重
量部添加した請求項1乃至5のいずれか1項記載の接着
剤組成物。
【0012】請求項7:前記ポリマー100重量部に対
し、シランカップリング剤を0.01〜5重量部添加し
た請求項1乃至6のいずれか1項記載の接着剤組成物。
【0013】請求項8:前記ポリマー100重量部に対
し、エポキシ基含有化合物を0.1〜20重量部添加し
た請求項1乃至7のいずれか1項記載の接着剤組成物。
【0014】請求項9:前記ポリマー100重量部に対
し、アクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有
化合物及びアリル基含有化合物のうち少なくとも1種を
0.01〜50重量部添加した請求項1乃至8のいずれ
か1項記載の接着剤組成物。
【0015】請求項10:前記ポリマー100重量部に
対し、炭化水素樹脂を1〜200重量部添加した請求項
1乃至9のいずれか1項記載の接着剤組成物。
【0016】この場合、上記接着剤組成物は金属用とし
て好適に用いられる。本発明による接着剤組成物はシー
ト状で提供することができ、広い面積の金属板と金属板
或いは金属板と他材料とを板厚精度よく、しかも端部の
はみ出し等がないように容易に接着することができる。
また液状でも提供でき、材料に塗布、乾燥後、被着体と
貼り合わせ、硬化接着することもできる。
【0017】以下、本発明について詳述すると、本発明
の接着剤組成物は、ポリビニルアルコールをアセタール
化して得られるポリビニルアセタール樹脂の側鎖に脂肪
族不飽和基、例えばビニル基、アリル基、メタアクリル
基、アクリル基等を導入してなるポリマーを主成分とし
て含有する。
【0018】この場合、ポリビニルアセタール樹脂とし
ては、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。このポリ
ビニルブチラール樹脂は、下記式(1)に示すように、
ビニルブチラール単位A、ビニルアルコール単位B及び
酢酸ビニル単位Cから構成され、上記脂肪族不飽和基は
これら単位A,B,Cのいずれの側鎖に導入されていて
もよいが、ポリビニルアルコール単位Bの側鎖に導入さ
れているものが好ましい。このポリビニルアルコール単
位Bの側鎖への脂肪族不飽和基の導入は、該側鎖水酸基
を酸変性することによって行うことが好ましく、この酸
変性に用いる酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、
ステアリル酸、マレイン酸、フタル酸などが挙げられ、
下記式(2)に示すように脂肪族不飽和結合を導入する
ことができる。
【0019】
【化1】 (式中、Rは水素原子又はアルキル基、R’はアルケニ
ル基等の脂肪族不飽和基又はこれを含有する基を示
す。)
【0020】なお、上記式(1)において、ビニルアル
コール単位Bは好ましくは3〜70モル%、より好まし
くは5〜50モル%、更に好ましくは5〜30モル%で
あり、3モル%より少ないと酸変性の反応性が悪く、7
0モル%より多いと耐熱性、耐湿性が劣る場合が生じ
る。
【0021】本発明による接着剤組成物には、その硬化
のために有機過酸化物又は光増感剤が添加できる。添加
される有機過酸化物としては、70℃以上の温度で分解
してラジカルを生ずるものであればいずれも使用可能で
あるが、半減期10時間の分解温度が50℃以上のもの
がより好ましく、成膜温度、調製条件、硬化(貼り合わ
せ)温度、被着体の耐熱性、貯蔵安定性等を考慮して選
択使用することができる。
【0022】使用可能な有機過酸化物としては、例えば
2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロキシパ
ーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、ジクミルパーオキサイド、α,α´−ビス(t−ブ
チルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−
4,4´−ビス−(t−ブチルパーオキシ)バレレー
ト、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキ
サン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオ
キシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、
メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−ジメチル
ヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート、ブチ
ルハイドロパーオキサイド、p−メタンハイドロパーオ
キサイド、p−クロルベンゾイルパーオキサイド、ヒド
ロキシヘプチルパーオキサイド、クロルヘキサノンパー
オキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイル
パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、クミルパ
ーオキシオクトエート、サクシニックアシッドパーオキ
サイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シ(2−エチルヘキサノエート)、m−トルオイルパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシイソブチレート、2,4−ジクロルベンゾイル
パーオキサイドなどが挙げられる。
【0023】有機過酸化物としては、これらのうちの1
種を単独で又は2種以上を混合して用いることができ、
その添加量は上記ポリマー100重量部に対し0.1〜
10重量部であることが好ましい。
【0024】また、本発明の接着剤組成物の硬化のため
に添加される光増感剤(光重合開始剤)としては、水素
引き抜き型開始剤、分子内開裂型開始剤、α−ヒドロキ
シアルキルフェノン型開始剤、α−アミノアルキルフェ
ノン型開始剤などのラジカル光重合開始剤が好適に用い
られる。
【0025】水素引き抜き型開始剤として、例えばベン
ゾフェノン、オルソベンゾイル安息香酸メチル、4−ベ
ンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、イソ
プロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、エ
チル−4−(ジエチルアミノ)ベンゾエートなどを挙げ
ることができる。
【0026】分子内開裂型開始剤として、例えばベンゾ
インエーテル、ベンジルジメチルケタールなどを挙げる
ことができる。
【0027】α−ヒドロキシアルキルフェノン型開始剤
として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、アルキルフェニルグリオキシレート、ジエ
トキシアセトフェノンなどを挙げることができる。
【0028】α−アミノアルキルフェノン型開始剤とし
て、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルフオリノプロパン−1、2−ベンジル−2−
ジメチルアミノ−1−(4−モルフオリノフェニル)−
ブタノン−1、アシルフォスフォンオキサイドなどを挙
げることができる。
【0029】上記の光増感剤は1種を単独で又は2種以
上を混合して用いることができ、添加量は、上記ポリマ
ー100重量部に対し0.1〜10重量部とすることが
好ましい。なお、上記有機過酸化物と光増感剤とは併用
することができる。更に、本発明の接着剤組成物には、
接着促進剤としてシランカップリング剤を添加すること
ができる。このシランカップリング剤としてはビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキ
シ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリク
ロルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β
−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ランなどがあり、これらの1種を単独で又は2種以上を
混合して用いることができる。これらシランカップリン
グ剤の添加量は、上記ポリマー100重量部に対し通常
0.01〜5重量部で十分である。
【0030】また更に、本発明の接着剤組成物には、上
記シランカップリング剤以外のエポキシ基含有化合物を
接着促進剤として添加することが好ましい。このような
エポキシ基含有化合物としては、トリグリシジルトリス
(2−ヒドロキシエチレン)イソシアヌレート、ネオペ
ンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキ
サンジオールグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェ
ニルグリシジルエーテル、フェノール(EO)5グリシ
ジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエー
テル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸
グリシジルエステル、グリシジルメタクリレート、ブチ
ルグリシジルエーテル等が挙げられる。またエポキシ基
を含有したポリマーをアロイ化することによっても同様
の効果を得ることができる。これらエポキシ基含有化合
物は1種を単独で又は2種以上を混合して用いることが
でき、添加量は上記ポリマー100重量部に対し通常
0.1〜20重量部で十分である。
【0031】また、本発明の接着剤組成物には、その物
性(機械的強度、接着性、光学的特性、耐熱性、耐湿熱
性、耐候性、架橋速度)などの改良や調節のために、ア
クリロキシ基、メタクリロキシ基又はアリル基含有化合
物を添加することができる。
【0032】この目的に供せられる化合物としては、ア
クリル酸あるいはメタアクリル酸誘導体、例えばそのエ
ステルやアミドが最も一般的である。この場合、エステ
ル残基としては、メチル、エチル、ドデシル、ステアリ
ル、ラウリルのような炭素数1〜24、特に1〜18の
アルキル基の他に、シクロヘキシル基などのシクロアル
キル基や、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチル
基、2−ヒドロエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基等のハロゲン置
換、水酸基置換、アミノ基置換、その他の置換アルキル
基などが挙げられる。また、アクリル酸又はメタクリル
酸とエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコールと
のエステルも同様に用いられる。アミドとしては、ダイ
アセトンアクリルアミドが代表的である。更に、多官能
架橋助剤としては、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、グリセリン等のアクリル酸又はメタクリ
ル酸エステルも用いることができる。また、アリル基含
有化合物としては、トリアリルシアヌレート、トリアリ
ルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソフタル酸
ジアリル、マレイン酸ジアリル等が挙げられ、これらの
1種又は2種以上の混合物が、上記ポリマー100重量
部に対し0.01〜50重量部、好ましくは0.01〜
30重量部添加して用いられる。0.01重量部未満で
あると前記機械的強度向上という改良効果を低下させる
ことがあり、50重量部を超えると接着剤の調製時の作
業性や成膜性を低下させることがある。
【0033】なおまた、本発明の接着剤組成物には、加
工性や貼り合わせ等の加工性向上の目的で炭化水素樹脂
を添加することができる。この場合、添加される炭化水
素樹脂は天然樹脂系、合成樹脂系のいずれでも差支えな
い。天然樹脂系ではロジン、ロジン誘導体、テルペン系
樹脂が好適に用いられる。ロジンではガム系樹脂、トー
ル油系樹脂、ウッド系樹脂を用いることができる。ロジ
ン誘導体としてはロジンをそれぞれ水素化、不均一化、
重合、エステル化、金属塩化したものを用いることがで
きる。テルペン系樹脂ではα−ピネン、β−ピネンなど
のテルペン系樹脂のほか、テルペンフェノール樹脂を用
いることができる。また、その他の天然樹脂としてダン
マル、コーバル、シェラックを用いても差支えない。一
方、合成樹脂系では石油系樹脂、フェノール系樹脂、キ
シレン系樹脂が好適に用いられる。石油系樹脂では脂肪
族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、
共重合系石油樹脂、水素化石油樹脂、純モノマー系石油
樹脂、クマロンインデン樹脂を用いることができる。フ
ェノール系樹脂ではアルキルフェノール樹脂、変性フェ
ノール樹脂を用いることができる。キシレン系樹脂では
キシレン樹脂、変性キシレン樹脂を用いることができ
る。
【0034】上記炭化水素樹脂の添加量は適宜選択され
るが、上記ポリマー100重量部に対して0〜200重
量部であり、1〜200重量部が好ましく、より好まし
くは5〜150重量部である。
【0035】以上の添加剤の他、本発明の接着剤組成物
には、老化防止剤、紫外線吸収剤、染料、加工助剤等を
本発明の効果を妨げない範囲で添加することができる。
【0036】本発明の接着剤組成物の被着体となる金属
としては、鉄、アルミニウム、スズ、ニッケル、クロ
ム、ステンレス、銅、亜鉛、真鍮等が挙げられる。これ
らの金属を接着させるためには、上述したラジカルを発
生する架橋剤を添加するが、架橋助剤、シランカップリ
ング剤、エポキシ基含有化合物などを上記ポリマーに添
加することが好ましい。ここで、鉄、アルミニウム等の
比較的接着し易い金属の場合にはその配合量の許容範囲
はかなり広く、一方、銅、鉛などの比較的軟らかい金属
の場合には添加する架橋剤、架橋助剤によって接着剤層
の架橋密度を上げ過ぎる(ゲル分率で98%以上)と、
金属と接着剤層との剛性が異なり、接着界面に歪みが生
じ易く、接着性が低下する場合が生じ、逆に架橋前の量
を減らし過ぎると十分な接着性が得られないおそれがあ
る。
【0037】従って、本発明による接着剤組成物を製造
する場合、被着体によって接着剤の架橋密度、接着付与
剤の量を制御することが好ましいが、通常架橋密度はゲ
ル分率で10〜98%、特に20〜96%であることが
好ましい。なお、このゲル分率の測定法は、80℃の熱
トルエンによる抽出前後の重量変化率から算出した値で
ある。
【0038】本発明を実施するには、上記ポリマーと上
述の添加剤とを均一に混合し、押出機、ロール等で混練
した後、これをカレンダー、ロール、Tダイ押出、イン
フレーション等の成膜法により所望の形状に成膜して用
いることができる。なお、成膜に際しては、ブロッキン
グ防止、被着体との圧着を容易にするため等の目的で、
エンボス加工が施されていてもよい。
【0039】上記のようにして得られたシートは、常法
により部材と貼り合わせることができる。例えば熱プレ
スによる貼り合わせ法、押出機、カレンダーによる直接
ラミネート法、フィルムラミネーターによる加熱圧着法
等の手法を用いて積層することができる。
【0040】また、各構成成分を部材に何ら影響を与え
ない溶媒に均一に溶解させ、部材の表面に均一に塗布
し、他の部材と仮圧着した後、もしくはそのまま熱又は
光硬化させることができる。
【0041】なお、本発明の接着剤組成物の硬化条件と
しては、架橋剤(硬化剤)として有機過酸化物を用いた
場合、用いる有機過酸化物の種類に依存するが、70〜
170℃、特に70〜150℃で2〜60分、特に5〜
30分とすることが望ましい。また、硬化は、好ましく
は0.01〜50kgf/mm2、特に0.1〜20k
gf/mm2の加圧下で行うことが推奨される。
【0042】また、光増感剤を用いた場合、硬化条件と
しては、光源として紫外〜可視領域に波長を有する多く
のものが採用でき、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、
ケミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マ
ーキュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱
灯、レーザー光等が挙げられる。照射時間は、ランプの
種類、光源の強さによって適宜選定されるが、数十秒〜
数十分程度である。また、硬化促進のために予め積層体
を40〜120℃に加温し、これに紫外線を照射しても
よい。また、硬化は、好ましくは0.01〜50kgf
/mm2、特に0.1〜20kgf/mm2の加圧下で行
うことが推奨される。
【0043】
【発明の効果】本発明の接着剤組成物は、ポリビニルア
セタール樹脂の側鎖に脂肪族不飽和基を導入したポリマ
ーを主成分とする熱又は光硬化性接着剤であるため、透
明性、耐候性に優れ、特に有機過酸化物又は光増感剤に
よる架橋構造を有するため、耐熱性、耐湿熱性、透明性
が向上する。また、シランカップリング剤、エポキシ基
含有化合物の添加により、熱硬化に伴う接着性が向上
し、初期接着力、熱的安定性に優れる接着力が得られる
と共に、架橋剤及び架橋助剤の添加量を自由に変化さ
せ、架橋密度を制御できるため、接着剤の設計が多種多
様に行え、金属とあらゆる部材との接着性が得られる。
【0044】従って、本発明の接着剤組成物は、例えば
屋外使用されたり、傷がつき易い場所で使用される金属
板の表面を保護する目的で金属板に例えばポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリエ
チレン−ビニルアルコールなどの透明フィルムを貼り合
わせる際の接着剤として有効であり、これにより耐熱
性、耐湿熱性に優れた貼り合わせ接着が可能となり、し
かも接着剤組成物が無色透明であるため、金属板の色な
ど、外観を損うことがない。
【0045】
【実施例】以下、実施例と比較例とを示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0046】[実施例1〜4、比較例1]表1に示す各
成分をエタノ−ル/トルエン(50/50)中でそれぞ
れ均一に混合溶解し、樹脂濃度30%のトルエン溶液を
調製した。この溶液を25μmの厚みのポリイミドフィ
ルム上にリバースロールコータを用い、ドライ厚み25
±1μmの膜厚精度の熱硬化性接着剤層を有するラミネ
ート体を作製した。このラミネート体を表1に示す被着
体間に介装して積層体とし、脱気用袋に入れた後、脱気
し、その状態のまま100℃のオーブン中で30分間保
持した。この加熱終了後、サンプルを袋より取り出し、
接着直後及び85℃,85%RH,500時間保持した
後(経時)での接着力を各サンプルより1インチ幅に切
り出し、引張試験機にて100mm/minの引張速度
で引張試験を行うことにより測定した。結果を表1に示
す。
【0047】
【表1】
【0048】[実施例5,6、比較例2]表2に示す各
成分を用い、実施例1と同様にして積層体を作製し、こ
れを80℃に加熱した熱プレス機によって15分間予備
加熱硬化させた。この積層体のセパレーター側から4k
WのUVランプ(水銀)を30秒間照射して光硬化させ
た。その後、実施例1と同様にして接着力を測定した。
結果を表2に示す。
【0049】
【表2】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコールをアセタール化し
    て得られるポリビニルアセタール樹脂の側鎖に脂肪族不
    飽和基を導入してなるポリマーを主成分とすることを特
    徴とする接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアセタール樹脂がポリビニルブチラ
    ール樹脂である請求項1記載の接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 前記ポリマーが、ビニルブチラール単
    位、ビニルアルコール単位及び酢酸ビニル単位から構成
    されるポリビニルブチラール樹脂の前記ビニルアルコー
    ル単位の側鎖水酸基を酸変性することにより脂肪族不飽
    和基を導入したものである請求項2記載の接着剤組成
    物。
  4. 【請求項4】 アクリル酸又はメタクリル酸により酸変
    性した請求項3記載の接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 ポリビニルブチラール樹脂のビニルアル
    コール単位が3〜70モル%である請求項3又は4記載
    の接着剤組成物。
  6. 【請求項6】 前記ポリマー100重量部に対し、有機
    過酸化物及び/又は光増感剤を0.1〜10重量部添加
    した請求項1乃至5のいずれか1項記載の接着剤組成
    物。
  7. 【請求項7】 前記ポリマー100重量部に対し、シラ
    ンカップリング剤を0.01〜5重量部添加した請求項
    1乃至6のいずれか1項記載の接着剤組成物。
  8. 【請求項8】 前記ポリマー100重量部に対し、エポ
    キシ基含有化合物を0.1〜20重量部添加した請求項
    1乃至7のいずれか1項記載の接着剤組成物。
  9. 【請求項9】 前記ポリマー100重量部に対し、アク
    リロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物及
    びアリル基含有化合物のうち少なくとも1種を0.01
    〜50重量部添加した請求項1乃至8のいずれか1項記
    載の接着剤組成物。
  10. 【請求項10】 前記ポリマー100重量部に対し、炭
    化水素樹脂を1〜200重量部添加した請求項1乃至9
    のいずれか1項記載の接着剤組成物。
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