JP2003151357A - 透明導電板、その製造方法及びタッチパネル - Google Patents

透明導電板、その製造方法及びタッチパネル

Info

Publication number
JP2003151357A
JP2003151357A JP2001351544A JP2001351544A JP2003151357A JP 2003151357 A JP2003151357 A JP 2003151357A JP 2001351544 A JP2001351544 A JP 2001351544A JP 2001351544 A JP2001351544 A JP 2001351544A JP 2003151357 A JP2003151357 A JP 2003151357A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transparent conductive
film
thin film
adhesive layer
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001351544A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahito Yoshikawa
雅人 吉川
Taichi Kobayashi
太一 小林
Hideshi Kotsubo
秀史 小坪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2001351544A priority Critical patent/JP2003151357A/ja
Priority to PCT/JP2002/010408 priority patent/WO2003032332A1/ja
Priority to US10/491,568 priority patent/US7534500B2/en
Priority to CNB028197739A priority patent/CN1301510C/zh
Priority to KR1020047004879A priority patent/KR100905478B1/ko
Publication of JP2003151357A publication Critical patent/JP2003151357A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明導電板において、高分子フィルムからの
透明導電薄膜の脱落、剥離を防止し、密着性、耐久性に
優れた透明導電板およびこれを用いたタッチパネルを提
供する。 【解決手段】 透明基板、接着剤層、高分子フィルム及
び透明導電薄膜が、この順で積層されてなる透明導電性
フィルムであって、前記接着剤層がポリオレフィン系樹
脂からなることを特徴とする透明導電板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タッチパネル及び
タッチパネルに有利に使用することができる透明導電薄
膜が形成された透明導電板、及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】指で押したり、専用ペンで描画したりす
ると、その部分が対面電極と接触し、通電して信号が入
力される抵抗膜式タッチパネルは、小型、軽量、薄型化
に有利であることから、各種の家電製品や携帯端末の入
力機器として広く用いられている。
【0003】抵抗膜式タッチパネルは、ガラスやプラス
チックなどの厚い基板上に透明電極を形成してなる下部
電極の上に、高分子フィルムにアンダーコート層、透明
導電薄膜を形成してなる上部電極を、透明導電薄膜が対
面するようにスペーサー(マイクロドットスペーサー)
を介して積層したものであり、上部電極の表示面を指や
ペンで押すと、上部電極と下部電極とが接触して通電
し、信号が入力される。なお、上部電極の表面には、基
材高分子フィルムの保護のために通常ハードコート層が
設けられている。
【0004】特開平2−66809号公報には、基材/
粘着剤/基材/透明導電層の積層体が記載され、粘着剤
によって応力を緩和された透明導電薄膜が記載されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、タッチ
パネルの耐久性を向上させるため鋭意検討した。上記公
報の粘着剤を用いた積層体では、粘着剤(接着剤)とし
てポリウレタン、ゴム等を使用しているが、本発明者の
検討によると、タッチパネルの耐久性がまだ不十分であ
ることが明らかとなった。即ち、上記積層体を用いた上
部電極の表面を、ペンや指の入力を繰り返し行うと、透
明電極の経時的ひび割れや高分子フィルムからの剥離、
脱落が生じることを見出した。このような損傷により電
気抵抗値の均一性などの電気特性が失われ、優れた耐久
性が得られない。本発明者のさらなる検討によると、こ
のような損傷は、基材/粘着剤/基材における基材に通
常使用されるPET(ポリエチレンテレフタレート)と
粘着剤(接着剤層)との密着性が不充分であるため発生
する場合が多いことが分かった。
【0006】本発明は、このような問題を解決し、長期
間の使用においてもプラスチック基板と接着剤層との間
の剥離が発生せず、透明導電薄膜の損傷がなく、耐久性
に優れ、かつ簡易に製造できるタッチパネル、及びこの
タッチパネルに有用な透明導電性フィルムを提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【発明を解決するための手段】本発明は、透明基板、接
着剤層、高分子フィルム及び透明導電薄膜が、この順で
積層されてなる透明導電性フィルムであって、前記接着
剤層がポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする
透明導電板にある。
【0008】接着剤層のポリオレフィン系樹脂が、エチ
レンと、酢酸ビニル及び/又は(メタ)アクリレートと
の共重合体からなることが好ましい。
【0009】接着剤層のポリオレフィン系樹脂が、エチ
レン/酢酸ビニル共重合体の熱重合架橋膜或いは光重合
架橋膜からなることが好ましい。これにより膜が、特に
強靱となり、耐久性が向上する。強靱な接着剤層の弾性
率は、一般に1×10〜1×10Pa、好ましくは
1×10〜1×10Pa、特に好ましくは1×10
〜1×10Paにある。
【0010】高分子フィルムは透明性に優れたフィルム
であれば良く、特に限定されるものではない。高分子フ
ィルムの好ましい材料としては、、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)、アクリル樹脂、ポリカーボネー
ト、トリアセチルセルロース等の光学フィルムを挙げる
ことができる。これにより耐久性が向上する。
【0011】透明導電薄膜が、酸化インジウム、酸化ス
ズ、酸化亜鉛、インジウムドープ酸化スズ(ITO)、
アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、アルミニウムド
ープ酸化亜鉛から選択される少なくとも1種の化合物か
らなることが好ましい。これにより良好な電導性が得ら
れる。
【0012】高分子フィルムと透明導電薄膜の間に、ア
ンダーコート層が積層されることが好ましく、透明導電
薄膜の上に、保護層が設けられていることが好ましい。
これにより耐久性が一層向上する。また透明基板はプラ
スチック基板又はガラス板であり、プラスチック基板
は、アクリル樹脂(特にポリメチルメタクリレート)、
ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフ
ィン系樹脂又は非晶性ポリオレフィン樹脂であることが
好ましい。プラスチック基板の方が耐衝撃性が優れてい
る。
【0013】本発明は、また高分子フィルム及びその上
に設けられた透明導電薄膜を含む上部電極と、透明基
板、接着剤層、高分子フィルム及び透明導電薄膜がこの
順で積層されてなる下部電極とを、透明電極同士を対向
させて、スペーサを介して貼り合わされてなるタッチパ
ネルであって、上部電極が、上記のいずれかに記載の透
明導電板を含むことを特徴とするタッチパネルにもあ
る。透明基板は一般にプラスチック板またはガラス基板
である。
【0014】上部電極は、ペンや指でタッチパネルに入
力する際、上部電極が大きい力を受けて変形するだけで
なく、下部電極もその力を間接的に受ける。このため
に、下部電極も透明導電薄膜の脱落、剥離を生じやす
い。本発明の接着剤層を設けることにより、この負荷を
和らげることができるが、この負荷により接着剤層と高
分子フィルム及び透明基板との密着性を低下させること
がある。本発明の接着剤層は、このような緩衝作用を有
しながら、且つ接着剤層と高分子フィルム及び透明基板
との密着性を維持することができるものである。従っ
て、透明導電薄膜、脱落、剥離、層間の剥離を生じな
い、耐久性を有する本発明の接着剤層を有する透明導電
板を、下部電極に使用することが適当である。
【0015】従って、本発明の透明導電板を下部電極と
して使用することにより、耐久性に優れたタッチパネル
を得ることができる。
【0016】また、上記透明導電板(透明基板がプラス
チック基板の場合)は、プラスチック基板、接着剤層、
高分子フィルム及び透明導電薄膜が、この順で積層され
てなる透明導電板の製造方法であって、透明導電薄膜を
設けた高分子フィルムの該膜の形成されていない表面に
接着剤層形成材料を塗布し、塗布された高分子フィルム
を、成形金型に、透明導電薄膜が金型面に対向するよう
に導入した状態で、プラスチック基板用樹脂を射出成形
することにより、高分子フィルムとプラスチック基板用
樹脂とを一体化することを特徴とする透明導電板の製造
方法(透明導電性プラスチック板の製造方法)により有
利に得ることができる。この方法は接着剤がポリオレフ
ィン系樹脂を用いない透明導電性プラスチック板の場合
にも適用できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明の透明導電性フィルムの一
例を示す断面図である。本発明の透明導電板は、透明基
板1上に、接着剤層2を介して表面に透明導電薄膜4を
有する高分子フィルム3が設けられている。透明導電薄
膜4の上にはマイクロドットスペーサ5が設けられてい
る。スペーサはタッチパネル作製のために上部電極と貼
り合わせる際に必要である。上記接着剤層は本発明のポ
リオレフィン系樹脂からなる層である。これにより、透
明導電薄膜上に与えられた負荷を吸収し、透明導電薄膜
の高分子フィルムからの脱離を防止する。さらに、この
負荷により通常接着剤層と高分子フィルム及び透明基板
(特にプラスチック基板)との剥離をもたらすが、本発
明の接着剤層においてはこれらの層間の密着性が向上し
ており、このような欠点も解消されている。特にポリオ
レフィン系樹脂を架橋させて使用した場合に、その効果
は大きいものとなる。
【0019】図2は、本発明の透明導電板を下部電極に
用いたタッチパネルの一例を示す断面図である。上記の
図1で示した本発明の透明導電板を下部電極に使用し、
この下部電極と、一方の表面にハードコート層9を有
し、他方の面にアンダーコート層7を介して透明導電薄
膜6が設けられた高分子フィルム8からなる上部電極と
を、透明導電薄膜同士対向させて貼り合わせられ、タッ
チパネルが構成されている。図2から明らかなように、
ポリオレフィン系樹脂からなる本発明の接着剤層2が、
外部の負荷を緩和するため、透明電導層への負担を大幅
に軽減している。ハードコート層9(好ましくはハード
コート層を有する高分子フィルム)と高分子フィルム8
との間に接着剤層を設けても良い。
【0020】上記本発明の接着剤層2は、ポリオレフィ
ン系樹脂からなり、適度な弾性率を有し、密着性に優れ
たものである。このため、この本発明の透明導電性フィ
ルムを下部電極として使用したタッチパネルを繰り返し
使用した際、本発明の接着剤層により透明電極への負荷
が緩和され、且つ前述のように層間の良好な密着性が維
持され、十分な耐久性を得ることができる。即ち、本発
明の接着剤層の設置により、上部電極の表面を、ペンや
指の入力を繰り返すことによる、透明電極の経時的ひび
割れや高分子フィルムからの剥離、脱落を有効に防止す
ることができる。透明導電薄膜の表面には、保護層を設
けても良い。
【0021】本発明において、高分子フィルム3,8の
材料として、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチ
ルメタクリレート(PMMA)、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート(PC)、ポリスチレン、トリアセテート
(TAC)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリビニルブチラール、金属イオン架橋
エチレン、メタクリル酸共重合体、ポリウレタン、セロ
ファンなどが挙げられるが、特に強度面でPET、P
C、PMMA、TAC、特にPETが好ましい。
【0022】上記高分子フィルムの厚さは、透明導電性
フィルムの用途などによっても異なるが、タッチパネル
の上部、下部電極としての用途には、一般に13μm〜
0.5mm程度とされる。この高分子フィルムの厚さが
13μm未満では、上部電極としての充分な耐久性を得
ることができず、0.5mmを超えると得られるタッチ
パネルの厚肉化を招き、また上部電極としての柔軟性も
損なわれ、好ましくない。
【0023】透明基板1は、一般にガラス板又はプラス
チック基板である。プラスチック基板の材料としては、
アクリル樹脂(特にポリメチルメタクリレート)、ポリ
カーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン
系樹脂又は非晶性ポリオレフィン樹脂を挙げることがで
きる。その厚さは、一般に50μm〜0.5mm、好ま
しく50μm〜0.5mmの範囲である。
【0024】透明導電薄膜4,6としては、ITO(ス
ズドープ酸化インジウム)、ATO(スズドープ酸化ア
ンチモン)、ZnO、AlドープZnO、SnO等の
酸化物系透明導電薄膜が挙げられるが、特にITOが好
ましい。
【0025】透明導電薄膜4,6は、その膜厚が薄すぎ
ると充分な導電性を得ることができず、過度に厚くても
導電性は向上せず、成膜コストが上昇する上に透明導電
性フィルムの厚みが厚くなって好ましくない。このた
め、透明導電薄膜の膜厚は1〜500nm、特に5〜1
00nmであることが好ましい。
【0026】透明導電薄膜は、常法に従って成膜するこ
とができるが、一般的にはスパッタリング法で成膜する
のが好ましい。
【0027】本発明では、上記透明導電薄膜4を有する
高分子フィルム3の裏側に、透明基板1が、本発明の接
着剤層2を介して貼り付けられる。
【0028】本発明の接着剤層2を形成する材料として
は、ポリオレフィン系樹脂、例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレンと他のモノマー(例、酢酸ビニ
ル、アクリレート、メタクリレート、無水マレイン酸、
マレイン酸)との共重合体等を挙げることができる。好
ましいポリオレフィン系樹脂としては、(I)酢酸ビニ
ル含有率が20〜80質量%であるエチレン/酢酸ビニ
ル共重合体、(II)酢酸ビニル含有率が20〜80質量
%で、アクリレートモノマー及び/又はメタクリレート
モノマーが0.01〜10質量%であるエチレン/酢酸
ビニル共重合体、(III)酢酸ビニル含有率が20〜8
0質量%で、無水マレイン酸及び/又はマレイン酸が
0.01〜10質量%であるエチレン/酢酸ビニル共重
合体を挙げることができる。これらの共重合体(I)〜
(III)は、メルト・フロー・レート(MFR)が、1〜
3000、特に1〜1000、とりわけ1〜800を有
することが好ましい。
【0029】これらの共重合体(I)〜(III)におい
て、酢酸ビニル含有率は、上記のように20〜80質量
%の範囲が好ましいが、特に20〜60質量%が好まし
い。酢酸ビニル含有率が20質量%より低い場合は、加
熱による架橋(硬化)させる際に十分な架橋密度が得ら
れれず、一方80質量%を超えると、(I)及び(II)
のエチレン/酢酸ビニル共重合体においては、樹脂の軟
化温度が低くなり、貯蔵し難くなるため、実用上問題が
ある。また、(III)のエチレン/酢酸ビニル共重合体で
は、接着強度、耐久性が著しく低下する。
【0030】さらに、(II)エチレンと、酢酸ビニル
と、アクリレートモノマー及び/又はメタクリレートモ
ノマーとの共重合体において、アクリレートモノマー及
び/又はメタクリレートモノマーの含有率は、上記のよ
うに一般に0.01〜10質量%、特に0.05〜5質
量%である。(メタ)アクリレートモノマーの含有率
が、0.01質量%より低いと接着力の上昇が十分でな
く、10質量%を超えると加工性が低下する場合があ
る。
【0031】アクリレートモノマー及び/又はメタクリ
レートモノマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸
と、炭素原子数1〜20個、特に1〜18個の脂肪族ア
ルコール(エポキシ基等の置換基を有していても良い)
とのエステル、例えばメチルアクリレート、メチルメタ
クリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレートを挙げることができる。
【0032】また、(III)エチレンと酢酸ビニルと無
水マレイン酸及び/又はマレイン酸との共重合体におい
て、無水マレイン酸及び/又はマレイン酸の含有率は、
一般に上記のように0.01〜10質量%であり、特に
0.05〜5質量%であることが好ましい。無水マレイ
ン酸等の含有率が0.01質量%を下回ると接着力が十
分に向上せず、一方10質量%を超えると加工性が低下
する場合がある。
【0033】本発明の接着剤層を構成するポリマーは、
上記エチレン/酢酸ビニル系共重合体(I)〜(III)を
40質量%以上、さらに60質量%以上、特に100質
量%(即ち全て)含むことが好ましい。ポリマーが、上
記エチレン/酢酸ビニル系共重合体(I)〜(III)以外
のものを使用する場合、その例として主鎖に20質量%
以上のエチレン及び/又はプロピレンを含有するオレフ
ィン系ポリマー、ポリ塩化ビニル、アセタール樹脂等を
挙げることができる。
【0034】上記エチレン/酢酸ビニル系共重合体等の
ポリオレフィンを熱重合架橋するための架橋剤として
は、一般に有機過酸化物が使用される。
【0035】有機過酸化物としては、70℃以上の温度
で分解してラジカルを発生するものであれば、どのよう
なものでも使用することができる。有機過酸化物は、一
般に、成膜温度、組成物の調整条件、硬化(貼り合わ
せ)温度、被着体の耐熱性、貯蔵安定性を考慮して選択
される。特に、半減期10時間の分解温度が50℃以上
のものが好ましい。
【0036】この有機過酸化物の例としては、2,5−
ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミ
ルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオ
キシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾ
イルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテー
ト、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−ジメ
チルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート、
t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイ
ドロパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサ
イド、ヒドロキシヘプチルパーオキサイド、クロロヘキ
サノンパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、
デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、クミルパーオキシオクトエート、コハク酸パーオキ
サイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シ(2−エチルヘキサノエート)、m−トルオイルパー
オキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレーオ及び
2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドを挙げるこ
とができる。有機過酸化物は一種使用してもよく、二種
以上組み合わせて使用しても良い。有機過酸化物の含有
量は、EVAT100質量部に対して0.1〜5質量部
の範囲が好ましい。
【0037】上記エチレン/酢酸ビニル系共重合体等の
ポリオレフィン系樹脂を光で架橋する場合、上記過酸化
物の代わりに光増感剤(光重合開始剤)をポリオレフィ
ン系樹脂に対して一般に0.1〜10.0質量%使用さ
れる。
【0038】上記光重合開始剤の例としては、ラジカル
光重合開始剤が一般に使用され、例えばベンゾフェノ
ン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−
4’−メチルジフェニルサルファイド、イソプロピルチ
オキサントン、ジエチルチオキサントン、4−(ジエチ
ルアミノ)安息香酸メチル等の水素引き抜き型開始剤;
ベンゾインエーテル、ベンゾイルプロピルエーテル、ベ
ンジルジメチルケタール等の分子内開裂型開始剤;2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
アルキルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセト
フェノン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン型;2−
メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モ
ルフォリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチル
アミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−
1等のα−アミノアルキルフェノン型;及びアシルフォ
スフィンオキサイドを挙げることができる。光重合開始
剤は上記のものを単独で、又は2種以上組み合わせて使
用することができる。
【0039】本発明の接着剤層は、接着促進剤としてシ
ランカップリング剤を含有することが好ましい。シラン
カップリング剤の例として、ビニルエトキシシラン、ビ
ニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メ
タクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、ビニルト
リアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げること
ができる。これらの中で、γ−(メタクリロキシプロピ
ル)トリメトキシシランが特に好ましい。これらシラン
カップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組
み合わせて使用しても良い。また上記化合物の含有量
は、ポリオレフィン系樹脂に対して0.01〜10質量
%で使用されることが好ましい。
【0040】さらに接着促進剤としてエポキシ基含有化
合物を含有させても良い。エポキシ基含有化合物として
は、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジル
エーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエー
テル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシル
グリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フ
ェノール(エチレンオキシ)グリシジルエーテル、p
−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸
ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステ
ル、グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエー
テルを挙げることができる。これらは、単独で使用して
も、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。また上
記化合物の含有量は、ポリマーに対して0.1〜20質
量%で使用されることが好ましい。
【0041】接着剤層の種々の物性(機械的強度、接着
性、透明性等の光学的特性、耐熱性、耐光性、架橋速度
等)の改良あるいは調整、特に機械的強度の改良のた
め、アクリロキシ基含有化合物、メタクリロキシ基含有
化合物及び/又はアリル基含有化合物等を含んでいても
よい。
【0042】使用するアクリロキシ基含有化合物及びメ
タクリロキシ基含有化合物としては、一般にアクリル酸
あるいはメタクリル酸誘導体であり、例えばアクリル酸
あるいはメタクリル酸のエステルやアミドを挙げること
ができる。エステル残基の例としては、メチル、エチ
ル、ドデシル、ステアリル、ラウリル等の直鎖状のアル
キル基、シクロヘキシル基、テトラヒドルフルフリル
基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒ
ドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプオ
ピル基を挙げることができる。また、エチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとアクリ
ル酸あるいはメタクリル酸のエステルも挙げることがで
きる。
【0043】アミドの例としては、ジアセトンアクリル
アミドを挙げることができる。
【0044】多官能化合物(多官能架橋助剤)として
は、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトール等に複数のアクリル酸あるいはメタクリル酸
をエステル化したエステル、トリアリルシアヌレート、
トリアリルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソ
フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリルを挙げることが
できる。
【0045】これらのアクリロキシ基等を含有する化合
物は、単独で又は2種以上の混合物として、前記ポリマ
ーに対して一般に0.1〜50質量%、好ましくは0.
5〜30質量%の量で使用される。50質量%を超える
と接着剤調整時の作業性或いは塗布性を低下させる場合
があり、0.1質量%未満ではこれらの化合物の添加効
果が得られない。
【0046】さらに、加工性、貼り合わせの等の工場の
目的で炭化水素樹脂を接着剤中に添加することができ
る。この場合、添加される炭化水素樹脂は天然樹脂系、
合成樹脂系のいずれでも差支えない。天然樹脂系ではロ
ジン、ロジン誘導体、テルペン系樹脂が好適に用いられ
る。ロジンではガム系樹脂、トール油系樹脂、ウッド系
樹脂を用いることができる。ロジン誘導体としてはロジ
ンをそれぞれ水素化、不均一化、重合、エステル化、金
属塩化したものを用いることができる。テルペン系樹脂
ではα−ピネン、β−ピネンなどのテルペン系樹脂のほ
か、テルペンフェノール樹脂を用いることができる。ま
た、その他の天然樹脂としてダンマル、コーバル、シェ
ラックを用いても差支えない。一方、合成樹脂系では石
油系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂が好適に
用いられる。石油系樹脂では脂肪族系石油樹脂、芳香族
系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、水
素化石油樹脂、純モノマー系石油樹脂、クマロンインデ
ン樹脂を用いることができる。フェノール系樹脂ではア
ルキルフェノール樹脂、変性フェノール樹脂を用いるこ
とができる。キシレン系樹脂ではキシレン樹脂、変性キ
シレン樹脂を用いることができる。上記炭化水素樹脂等
のポリマーへの添加量は適宜選択されるが、上記ポリマ
ーに対して5〜150質量%が好ましく、より好ましく
は5〜50質量%である。
【0047】本発明の接着剤層は、例えば、上記材料を
適宜配合して、均一に混合した後、その混合物を、押出
機、ロール等で混練した後、カレンダー、ロール、Tダ
イ押出、インフレーション等の製膜法により所定の形状
に製膜して用いることができる。より好ましい本発明の
接着剤の製膜方法は、各構成成分を良溶媒に均一に混合
溶解し、この溶液をシリコーンやフッ素樹脂を精密にコ
ートしたセパレーターにフローコート法、ロールコート
法、グラビアロール法、マイヤバー法、リップダイコー
ト法、スプレーコート法等により支持体上に塗工し、溶
媒を乾燥することにより製膜する方法である。そして支
持体から剥離して接着剤層(未架橋)を得る。
【0048】本発明の透明導電板を得るために、プラス
チック基板(又はガラス板)と、透明導電薄膜を有する
高分子フィルムBを、上記(架橋型)接着剤層で貼り合
わせる。貼り合わせは、前記接着剤層を形成する際に、
カレンダー、ロール、Tダイ押出、インフレーション等
より、同時に行っても良いし、これらの層をロール等に
より加熱押圧して貼り合わせることができる。貼り合わ
せた後、接着剤層中の気泡を除去するために、加圧加熱
脱気、減圧加熱脱気処理を行うことが好ましい。加圧脱
気は、オートクレーブ等のような加圧加熱チャンバー中
に貼り合わせた積層フィルムを入れ、脱気させる。架橋
型接着剤を用いた場合は、脱気後に、架橋させる。
【0049】あるいは本発明の透明導電板は、下記のよ
うに製造することが好ましい。透明導電薄膜を設けた高
分子フィルムの該膜の形成されていない表面に接着剤層
形成材料を塗布し、この塗布された高分子フィルムを成
形金型に導入した状態(透明導電薄膜と金型面を対向さ
せた状態で)で、プラスチック基板用樹脂を射出成形す
る。これにより、高分子フィルムとプラスチック基板用
樹脂とを一体化することができる。架橋を成形時に行う
ことも可能である。
【0050】架橋を行う場合は、熱架橋では、用いる架
橋剤(有機過酸化物)の種類により異なるが、一般に7
0〜150℃、好ましくは70〜130℃の温度で、一
般に10秒〜120分、好ましくは20秒〜60分の時
間の条件で行うことができる。脱気後、光により架橋す
る場合は、光源として紫外〜可視領域に発光する多くの
ものが採用でき、例えば超高圧、高圧、低圧水銀灯、ケ
ミカルランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、マー
キュリーハロゲンランプ、カーボンアーク灯、白熱灯、
レーザー光等を挙げることができる。照射時間は、ラン
プの種類、光源の強さによって一概には決められない
が、数秒〜数分程度である。また、硬化促進のために、
予め積層体を40〜120℃に加熱し、これに紫外線を
照射してもよい。
【0051】また、接着剤層により貼り合わせ時の加圧
力についても適宜設定することができ、一般に0〜50
kg/cm、特に0〜30kg/cmの圧力が好ま
しい。
【0052】本発明の透明導電薄膜上には、保護層を設
けることができる。保護層は、例えばSiCx、SiC
xOy、SiCxNy、SiCxOyNz(x、y、z
は整数)からなる薄層であることが好ましい。
【0053】保護層の層厚は、用いた材料、透明導電フ
ィルムに要求される光透過率、必要とされる耐久性など
に応じて適宜決定されるが、保護層の膜厚が過度に薄い
と保護層を形成したことによる透明導電薄膜の保護効果
を充分に得ることができず、逆に過度に厚いと透明性が
低下したり、透明導電薄膜の導電性が低下したりする上
に透明導電フィルム自体の厚さも大きくなり、好ましく
ない。従って保護層は1〜1000nmの膜厚、特に1
〜100nmであることが好ましい。保護層はポリマー
からなるものでも良い。
【0054】保護層は、上部電極または下部電極の透明
導電薄膜上に成膜することができ、上部電極または下部
電極の一方のみに成膜することにより、同種の透明導電
薄膜による親和性を遮断し、透明導電薄膜の耐擦傷性を
高めることができる。
【0055】上部電極用の透明導電性フィルムは、高分
子フィルムの透明導電薄膜を成膜する面とは反対側の面
に、高分子フィルムをペンまたは指の入力より保護する
ため、ハードコート層1が形成されていることが好まし
い。このハードコート層としては、従来から使用されて
いる紫外線硬化性樹脂、熱硬化性シランを用いて系する
ことができる。ハードコート層は、例えばアクリル樹脂
層、エポキシ樹脂層、ウレタン樹脂層、シリコーン樹脂
層等である。通常その厚さは1〜50μm程度である。
【0056】また、透明導電薄膜は高分子フィルムに直
接成膜してもよいが、高分子フィルムと透明導電薄膜と
の間にアンダーコート層を介在させてもよく、このよう
なアンダーコートを形成することにより高分子フィルム
に対する透明導電薄膜の密着性を高め、透明導電薄膜の
剥離を防止することができる。
【0057】アンダーコート層は、前記保護層でも用い
られた材料を用いて蒸着により形成することができる。
或いは、例えばアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポ
キシ系樹脂などの樹脂層や、有機ケイ素化合物の加水分
解物などを塗布することにより形成することができる。
アンダーコート層の塗布成膜は、所望の組成の塗液を例
えばバーコーターで、高分子フィルムにコーティングす
ることによりなされる。
【0058】高分子フィルムにアンダーコート層を成膜
するのに先立ち、形成される薄膜の接着強度を高めるた
めに、高分子フィルムの表面に、常法に従ってプラズマ
処理、コロナ処理や溶剤洗浄などの処理を施してもよ
い。
【0059】また、透明導電性フィルムの光学特性の向
上を目的として、ハードコート層の表面をアンチグレア
加工したり、AR処理したりしてもよい。
【0060】ハードコート層の表面には、反射防止層を
設けることもできる。
【0061】反射防止層としては、例えば下記のものを
使用することができる。
【0062】(a) 高屈折率透明薄膜/低屈折率透明
薄膜の順で各1層ずつ、合計2層に積層したもの、
(b) 高屈折率透明薄膜/低屈折率透明薄膜を2層ず
つ交互に、合計4層に積層したもの、(c) 中屈折率
透明薄膜/高屈折率透明薄膜/低屈折率透明薄膜の順で
各1層ずつ、合計3層に積層したもの、(d) 高屈折
率透明薄膜/低屈折率透明薄膜の順で各層を交互に3層
ずつ、合計4層に積層したもの。ここで、高屈折率透明
薄膜としては、ITO(スズインジウム酸化物)又はZ
nO、AlをドープしたZnO、TiO、SnO
ZrO等の屈折率1.8以上の薄膜を採用することがで
きる。また、低屈折折率透明薄膜としては、SiO
MgF、Al、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、
シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の屈折率が1.6以下の
薄膜を用いることができる。また、上記の低屈折率無機
微粉末を含む有機バインダー系塗料(屈折率1.5以
下)を塗布して得ることもできる。
【0063】これらの高、低屈折率膜の膜厚は、光の干
渉により可視光領域での反射率を下げるために、適宜決
定されるが、これは積層膜の層数、使用材料、中心波長
により異なる。例えば、4層構成の場合、透明基板側の
第1層の高屈折率膜が5〜50nm、第2層の低屈折率
膜が5〜50nm、第3層の高屈折率膜が50〜100
nm、第4層の低屈折率膜が50〜150nmの範囲に
あることが好ましい。また、このような反射防止膜の上
に、さらに汚染防止膜を形成して、表面の耐汚染性を向
上させるても良い。この汚染防止膜としては、フッ素系
樹脂薄膜、シリコーン系樹脂薄膜(膜厚1〜1000n
m)が好ましい。
【0064】スペーサの素材としては、例えば光硬化性
樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられ、透明導電薄膜上に例え
ば印刷成形される。
【0065】本発明の透明導電板は、タッチパネルの下
部電極としての用途の他、透明スイッチングデバイス、
その他の各種の光学系透明導電性フィルムの用途に有効
に使用することができる。
【0066】
【実施例】[実施例1] (1)サンプルの作製 厚さ38μmのPETフィルムの表面を減圧下にプラズ
マ処理した。処理は、アルゴンガスを100ml/分で
流しながら、真空下(13.3Pa)に、高周波電源
(13.56MHz)にて100Wで10分間行った。
その後、マグネトロンスパッタリング装置にて、ターゲ
ットとしてシリコンを用い、下記の成膜条件下に膜厚1
0nmのケイ素化合物薄膜(アンダーコートとして)を
形成した。この薄膜の上に、さらに同じマグネトロンス
パッタリング装置にて、ターゲットとして酸化スズ10
質量%含有ITO板を用いて、膜厚20nmのITO透
明導電薄膜を形成した。これにより透明導電性フィルム
を得た。
【0067】上記マグネトロンスパッタリングによるI
TO薄膜の形成は、アルゴン流量:50cc/分、酸素
ガス流量:3cc/分、真空度:0.5Pa、DC投入
電力:2kW、成膜時間:60秒(基板回転速度:10
rpm)の条件で行った。
【0068】次に、エチレン/酢酸ビニル共重合体(ウ
ルトラセン710,東ソー(株)製、酢酸ビニル含有
率:28質量%)の15質量%トルエン溶液を調製し、
このエチレン/酢酸ビニル共重合体に対して0.5質量
%の1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、2.0質量%のグリシ
ジルメタクリレート及び0.5質量%のγ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシランを添加し、十分に混合
した。
【0069】得られた塗布液を、透明導電性フィルムの
透明電導膜のない面に塗布し、射出成形機内に透明電導
膜を金型面に対向させて裁置し、これにPMMA(ポリ
メチルメタクリレート)樹脂を射出し、130℃で5分
間保持した後、取り出した。このようにして、タッチパ
ネル用透明導電板を得た。
【0070】上記で熱架橋したEVA(エチレン/酢酸
ビニル共重合体)熱架橋型接着剤層の弾性率4.5×1
Paであった。
【0071】[比較例1]実施例1において、PMMA
樹脂と、透明導電性フィルムとを、ポリウレタン系接着
剤の層(弾性率2.5×10Pa)により貼り合わ
せ、架橋させた以外、同様にしてタッチパネル用透明導
電板を得た。
【0072】(耐久試験)得られたタッチパネル用透明
導電板の上に、上部電極としての透明導電性フィルムを
裁置し、下記の摺動筆記試験を行った。
【0073】250gの荷重下に入力用ペン(ポリアセ
タール樹脂ペン:先端0.8R)で、透明導電性フィル
ムの表面を、10万回摺動する試験を行った。
【0074】(1)密着性 その後、PETフィルムと接着剤層との剥離の状態を観
察し、明らかに剥離が見られるのを不良、見られないの
を良好とした。
【0075】(2)電気抵抗値の変化率 また摺動試験後、フィルムの電気特性を測定し、試験前
に対する電気抵抗値の変化率が50%未満の場合を良好
とし、50%以上変化した場合を不良と評価した。
【0076】 表1 密着性 電気抵抗値の変化率 実施例1 良好 良好 比較例1 不良 不良
【0077】表1より、本発明によれば、長期使用して
も、PETフィルムと接着剤層との剥離の発生が無く、
また摺動試験後、透明導電板上の電気特性を劣化させな
いことから、耐久性に優れた透明導電性フィルムであ
り、タッチパネルの下部電極として使用しても同様に優
れた耐久性を示すと言える。尚、ガラス板(厚さ0.5
mm)と、透明導電性フィルムとを貼り合わせた市販の
透明導電性板と、実施例1のプラスチック板の耐衝撃性
を比較するため、それぞれ1mmの高さからコンクリー
ト面に落下させたところ、市販の透明導電性板のみ破壊
した。また上記耐久性試験も不良であった。
【0078】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明の透明導電板及
びこれを有するタッチパネルは、透明導電薄膜(上部電
極)の表面を、ペンや指の入力を繰り返し行っても、透
明電極が経時的にひび割れや高分子フィルムからの剥
離、脱落が生じることがほとんどなく、従って電気抵抗
値の均一性などの電気特性が維持されており、耐久性の
優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明導電板の一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の透明導電板をタッチパネルの下部電極
として用いたタッチパネルの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 接着剤層 3、8 高分子フィルム 4、6 透明導電薄膜 5 マイクロドットスペーサ 7 アンダーコート層 9 ハードコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/32 B32B 27/32 Z G06F 3/03 320 G06F 3/03 320G 3/033 360 3/033 360H // B29K 23:00 B29K 23:00 25:00 25:00 33:04 33:04 69:00 69:00 105:32 105:32 B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 31:00 31:00 Fターム(参考) 4F100 AA17D AA25D AA28D AA33D AG00A AK01A AK01C AK03A AK03B AK25A AK42C AK45A AK68B AK70B AR00A AR00D AS00E BA04 BA05 BA10A BA10D CB00B EH362 EH461 EH66D EJ05B GB41 JA12A JG01D JK07B JL11B JM02D JN01A JN01D YY00B 4F206 AA03 AA10 AA13 AA21 AA28 AD05 AD08 AD20 AD34 AE03 AG01 AG03 AH33 AH81 JA07 JB13 JF05 5B068 AA33 BB06 BC07 DE15 5B087 AA04 CC14 CC37 5G307 FA02 FC02 FC05

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板、接着剤層、高分子フィルム及
    び透明導電薄膜が、この順で積層されてなる透明導電性
    フィルムであって、前記接着剤層がポリオレフィン系樹
    脂からなることを特徴とする透明導電板。
  2. 【請求項2】 接着剤層のポリオレフィン系樹脂が、エ
    チレンと、酢酸ビニル及び/又は(メタ)アクリレート
    との共重合体からなる請求項1に記載の透明導電板。
  3. 【請求項3】 接着剤層のポリオレフィン系樹脂が、エ
    チレンと、酢酸ビニル及び/又は(メタ)アクリレート
    との共重合体の重合架橋膜からなる請求項1に記載の透
    明導電板。
  4. 【請求項4】 接着剤層のポリオレフィン系樹脂が、エ
    チレン/酢酸ビニル共重合体の重合架橋膜からなる請求
    項1〜3のいずれかに記載の透明導電板。
  5. 【請求項5】 接着剤層の弾性率が、1×10〜1×
    10Paである請求項1〜4のいずれかに記載の透明
    導電板。
  6. 【請求項6】 高分子フィルムが、ポリエチレンテレフ
    タレートからなる請求項1〜5のいずれかに記載の透明
    導電板。
  7. 【請求項7】 透明導電薄膜が、酸化インジウム、酸化
    スズ、酸化亜鉛、インジウムドープ酸化スズ(IT
    O)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、アルミニ
    ウムドープ酸化亜鉛から選択される少なくとも1種の化
    合物からなる請求項1〜6のいずれかに記載の透明導電
    板。
  8. 【請求項8】 高分子フィルムと透明導電薄膜の間に、
    アンダーコート層が形成されている請求項1〜7のいず
    れかに記載の透明導電板。
  9. 【請求項9】 透明導電薄膜の上に、保護層が設けられ
    ている請求項1〜8のいずれかに記載の透明導電板。
  10. 【請求項10】 透明基板がプラスチック基板又はガラ
    ス基板である請求項1〜9のいずれかに記載の透明導電
    板。
  11. 【請求項11】 プラスチック基板が、アクリル樹脂、
    ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフ
    ィン系樹脂又は非晶性ポリオレフィン樹脂からなる請求
    項10に記載のフィルム。
  12. 【請求項12】 高分子フィルム及びその上に設けられ
    た透明導電薄膜を含む上部電極と、プラスチック基板、
    接着剤層、高分子フィルム及び透明導電薄膜がこの順で
    積層されてなる下部電極とを、透明電極同士を対向させ
    て、スペーサを介して貼り合わされてなるタッチパネル
    であって、下部電極が、上記請求項1〜11のいずれか
    に記載のプラスチック板であることを特徴とするタッチ
    パネル。
  13. 【請求項13】 プラスチック基板、接着剤層、高分子
    フィルム及び透明導電薄膜が、この順で積層されてなる
    透明導電板の製造方法であって、透明導電薄膜を設けた
    高分子フィルムの該膜の形成されていない表面に接着剤
    層形成材料を塗布し、塗布された高分子フィルムを、成
    形金型に、透明導電薄膜が金型面に対向するように導入
    した状態で、プラスチック基板用樹脂を射出成形するこ
    とにより、高分子フィルムとプラスチック基板用樹脂と
    を一体化することを特徴とする透明導電板の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記接着剤層がポリオレフィン系樹脂
    からなる請求項12に記載の製造方法。
JP2001351544A 2001-10-05 2001-11-16 透明導電板、その製造方法及びタッチパネル Pending JP2003151357A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001351544A JP2003151357A (ja) 2001-11-16 2001-11-16 透明導電板、その製造方法及びタッチパネル
PCT/JP2002/010408 WO2003032332A1 (fr) 2001-10-05 2002-10-07 Film transparent electroconducteur, son procede de fabrication, et ecran tactile y relatif
US10/491,568 US7534500B2 (en) 2001-10-05 2002-10-07 Transparent electroconductive film, method for manufacture thereof, and touch panel
CNB028197739A CN1301510C (zh) 2001-10-05 2002-10-07 透明导电性薄膜、其制造方法以及触摸面板
KR1020047004879A KR100905478B1 (ko) 2001-10-05 2002-10-07 투명 전도성 필름 및 터치패널

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001351544A JP2003151357A (ja) 2001-11-16 2001-11-16 透明導電板、その製造方法及びタッチパネル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003151357A true JP2003151357A (ja) 2003-05-23

Family

ID=19163845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001351544A Pending JP2003151357A (ja) 2001-10-05 2001-11-16 透明導電板、その製造方法及びタッチパネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003151357A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004070737A1 (ja) * 2003-02-03 2004-08-19 Bridgestone Corporation 透明導電性フィルム、透明導電板及びタッチパネル
JP2005216692A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Sekisui Jushi Co Ltd 樹脂成形品およびその製造方法
JP2009255503A (ja) * 2008-03-18 2009-11-05 Toppan Printing Co Ltd プラスチック成形品の製造方法およびプラスチック成形品
CN102001206A (zh) * 2009-08-27 2011-04-06 住友化学株式会社 透明树脂层叠板
KR101251344B1 (ko) 2011-08-02 2013-04-05 한국과학기술원 고분자 화합물 필러 구조체를 이용한 3차원 전극 및 그 제조방법
KR101274096B1 (ko) * 2011-03-07 2013-06-13 주식회사 디엠케이 기포제거방법

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004070737A1 (ja) * 2003-02-03 2004-08-19 Bridgestone Corporation 透明導電性フィルム、透明導電板及びタッチパネル
JPWO2004070737A1 (ja) * 2003-02-03 2006-05-25 株式会社ブリヂストン 透明導電性フィルム、透明導電板及びタッチパネル
US7438978B2 (en) 2003-02-03 2008-10-21 Bridgestone Corporation Transparent conductive film, transparent conductive plate, and touch panel
JP4646131B2 (ja) * 2003-02-03 2011-03-09 株式会社ブリヂストン 透明導電性フィルム、透明導電板及びタッチパネル
JP2005216692A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Sekisui Jushi Co Ltd 樹脂成形品およびその製造方法
JP4575676B2 (ja) * 2004-01-30 2010-11-04 積水樹脂株式会社 樹脂成形品の製造方法
JP2009255503A (ja) * 2008-03-18 2009-11-05 Toppan Printing Co Ltd プラスチック成形品の製造方法およびプラスチック成形品
CN102001206A (zh) * 2009-08-27 2011-04-06 住友化学株式会社 透明树脂层叠板
KR101274096B1 (ko) * 2011-03-07 2013-06-13 주식회사 디엠케이 기포제거방법
KR101251344B1 (ko) 2011-08-02 2013-04-05 한국과학기술원 고분자 화합물 필러 구조체를 이용한 3차원 전극 및 그 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7534500B2 (en) Transparent electroconductive film, method for manufacture thereof, and touch panel
US7438978B2 (en) Transparent conductive film, transparent conductive plate, and touch panel
US10266733B2 (en) Optically clear hot melt adhesives and uses thereof
US20130194221A1 (en) Resin film with pressure-sensitive adhesive layer, laminated film, and touch panel
TWI602707B (zh) Gas barrier film laminate, method of manufacturing the same, and electronic device
KR20030025914A (ko) 대전방지 하드코트용 조성물, 대전방지 하드코트, 그제조방법 및 대전방지 하드코트를 갖는 적층체 필름
WO2007052485A1 (ja) 導電性積層フィルム、タッチパネル用電極板、タッチパネルおよび導電性積層フィルム用粘着剤
KR20160048862A (ko) 경화성 아이소부틸렌 접착제 공중합체
KR101628118B1 (ko) 터치패널용 고굴절률 점착필름
KR100973240B1 (ko) 이방성 도전 필름
KR101907238B1 (ko) 점착제층을 포함하는 터치 스크린 패널
JP2005036205A (ja) 表面保護フィルム、透明導電性フィルム、及び表示装置
JP2003151357A (ja) 透明導電板、その製造方法及びタッチパネル
JP2002003751A (ja) 帯電防止ハードコート用組成物、帯電防止ハードコート、その製造方法、及び帯電防止ハードコート積層体フィルム
JP4208454B2 (ja) タッチパネル用透明導電性フィルム及びタッチパネル
JP4627815B2 (ja) 粘着フィルム
KR101385040B1 (ko) 점착제 조성물, 점착필름, 그 제조방법 및 이를 이용한 디스플레이 부재
JP2003115220A (ja) 透明導電性フィルムおよびタッチパネル
KR101907237B1 (ko) 광학용 점착제 조성물 및 점착 필름
JP3622804B2 (ja) 液晶表示装置用接着剤組成物
KR101735842B1 (ko) 정전용량방식 터치패널용 화질향상필름
JP2003115221A (ja) 透明導電性フィルムとタッチパネル
KR101406084B1 (ko) 내충격성 및 고투과성을 가진 속경화형 탄성 수지 조성물 및 그의 제조 방법
JP2001164206A (ja) 異方性導電フィルム
KR101385039B1 (ko) 점착제 조성물, 점착필름, 그 제조방법 및 이를 이용한 디스플레이 부재

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071030

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080304