JP2001135150A - 透明導電性フィルム、及びこれを用いたエレクトロルミネッセンスパネル及びタッチパネル - Google Patents
透明導電性フィルム、及びこれを用いたエレクトロルミネッセンスパネル及びタッチパネルInfo
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Abstract
かつ透明導電性薄膜と基材である二軸延伸ポリエステル
フィルムとの付着力に優れた透明導電性フィルム、及び
これを用いたエレクトロルミネッセンスパネル及びタッ
チパネルを提供する。 【解決手段】 二軸延伸ポリエステルフィルムの少なく
とも片面に透明導電性薄膜が積層された透明導電性フィ
ルムであって、二軸延伸ポリエステルフィルムの表面オ
リゴマー量が0.5mg/m2以下であることを特徴と
する透明導電性フィルム。透明電極として前記透明導電
性フィルムを用いたことを特徴とするエレクトロルミネ
ッセンスパネル及びタッチパネル。
Description
エステルフィルムを用いた透明導電性フィルム、及びこ
れを用いたエレクトロルミネッセンスパネル及びタッチ
パネルに関するものである。
化インジウム、インジウム−スズ複合酸化物、酸化亜鉛
などに代表される透明な導電性薄膜を形成した透明導電
性フィルムは、その導電性を利用した用途、例えば、液
晶パネル、エレクトロルミネッセンスパネルといったフ
ラットパネルディスプレイや、タッチパネルの透明電極
など電気、電子分野の用途に広く使用されている。
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポ
リオレフィンなどの各種プラスチックフィルムが用いら
れているが、耐熱性、表面平滑性、接着性等の点で、二
軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが最も多く
使用されている。
や液晶ディスプレイの大型化・高精細化にともない、透
明導電性フィルムの高性能化が求められている。
ポリエチレンテレフタレートを基材とした透明導電性フ
ィルムは、次のような課題を有していた。
ルムの表面にオリゴマーが存在すると、前記フィルムに
透明導電層薄膜を形成させた際に、この表面オリゴマー
の影響により前記フィルムと透明導電性薄膜との付着力
が不十分となることが分かった。そのため、エレクトロ
ルミネッセンスパネルやタッチパネル等の透明電極に用
いた際に、使用時の応力により透明導電性薄膜が剥離し
てしまうという問題があった。特に、ペン入力用タッチ
パネルに透明導電性フィルムを用いた場合、スペーサー
を介して対向させた一対の導電性薄膜同士が、ペン入力
による押圧で強く接触するため、薄膜にクラックや剥離
がより生じやすくなり、電気抵抗が増大したり、断線を
生じたりする。また、エレクトロルミネッセンスパネル
やタッチパネル等の透明電極として二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートを基材とした透明導電性フィルムを使
用する場合、回路加工等の印刷工程で100〜150℃
の加熱が必要である。しかし、この工程を経た従来の二
軸延伸されたポリエチレンテレフタレートを基材とした
透明導電性フィルムは、前記加熱工程時に二軸延伸ポリ
エチレンテレフタレートフィルムから析出するオリゴマ
ーの影響で、透明導電性薄膜の表面抵抗率が上昇してし
まうという問題があった。さらに、曇価の上昇や白色状
の外観欠点が発生するという問題もあった。これらは、
得られた製品の視認性低下や発光輝度低下につながるこ
とから、改善が望まれていた。
み、加熱工程後でも表面抵抗率の変化が少なく、かつ透
明導電性薄膜と基材である二軸延伸ポリエステルフィル
ムとの付着力に優れた透明導電性フィルム、及びこれを
用いたエレクトロルミネッセンスパネル及びタッチパネ
ルを提供することにある。
状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決す
ることができた透明導電性フィルム、エレクトロルミネ
ッセンスパネル及びタッチパネルとは、以下の通りであ
る。
リエステルフィルムの少なくとも片面に透明導電性薄膜
が積層された透明導電性フィルムであって、二軸延伸ポ
リエステルフィルムの表面オリゴマー量が0.5mg/
m2以下であることを特徴とする透明導電性フィルムで
ある。第2の発明は、前記ポリエステルフィルム中の環
状3量体の含有量が5000ppm以下であることを特
徴とする第1の発明に記載の透明導電性フィルムであ
る。第3の発明は、前記二軸延伸ポリエステルフィルム
と透明導電性薄膜との付着力が10g/15mm以上で
あることを特徴とする第1または第2の発明に記載の透
明導電性フィルムである。第4の発明は、透明電極とし
て第1〜3の発明に記載の透明導電性フィルムを用いる
ことを特徴とするエレクトロルミネッセンスパネルであ
る。第5の発明は、透明電極として第1〜3の発明に記
載の透明導電性フィルムを用いることを特徴とするタッ
チパネルである。
れたポリエチレンテレフタレートフィルム表面に透明導
電性薄膜を設けた際に、透明導電性薄膜の表面抵抗率が
上昇したり、透明導電性薄膜の付着力が低下する原因
が、フィルム表面に存在するオリゴマーであることに着
目し、鋭意検討を行った。その結果、フィルム原料とな
るポリエチレンテレフタレートレジン中の環状3量体の
含有量を減少させること、及び原料レジンを再溶融して
からフィルム製膜工程でのキャスティングまでの滞留時
間を短縮することが、フィルム表面オリゴマー量を0.
5mg/m2以下にするのに極めて有効であることを解
明した。
ム、及びこれを用いたエレクトロルミネッセンスパネル
及びタッチパネルにおける実施の形態を詳細に説明す
る。
二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
−2,6−ナフタレート又はこれらの樹脂の構成成分を
主成分とする共重合体が用いられるが、中でもポリエチ
レンテレフタレートから形成された二軸配向フィルムが
特に好適である。
樹脂として、ポリエステル共重合体を用いる場合、その
ジカルボン酸成分としてはアジピン酸、セバシン酸等の
脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フ
タル酸、及び2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香
族ジカルボン酸、トリメリロット酸及びピロメリロット
酸等の多官能カルボン酸等が用いられる。また、グリコ
ール成分としてはエチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコー
ル及びネオペンチルグリコール等の脂肪酸グリコール;
p−キシレングリコール等の芳香族グリコール;1,4
−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール;
平均分子量が150〜20000のポリエチレングリコ
ール等が用いられる。好ましい共重合体の比率は20%
未満である。20%以上ではフィルム強度、透明性、耐
熱性が劣る場合がある。また、上記ポリエステル系樹脂
には、各種の添加剤が含有されていても良い。添加剤と
して、例えば、帯電防止剤、UV吸収剤、安定剤、抗菌
剤等が挙げられる。また、本発明の透明導電性フィルム
の基材となる二軸配向ポリエステルフィルム中には、透
明性の向上及び光学欠点の減少の点から、不活性粒子を
含有させないことが好ましい。
料であるポリエステル樹脂ペレットの固有粘度は、0.
45〜0.70dl/gの範囲が好ましい。固有粘度が
0.45dl/g未満であると、耐引き裂き性向上効果
が悪化しやすくなる。一方、固有粘度が0.70dl/
gを超えると、濾圧上昇が大きくなり高精度濾過が困難
となりやすくなる。
ィルムの表面オリゴマー量を0.5mg/m2以下とす
るために、ポリエステル樹脂を製造する際に低オリゴマ
ー化処理を行うことは重要な手段の1つである。ポリエ
ステル樹脂として、ポリエチレンテレフタレート樹脂を
例に挙げて説明する。
フタレートフイルム含有オリゴマー量の低減のために、
まず原料レジンを窒素などの不活性ガス雰囲気下、1.
0MPaより高く2.0MPa以下、より好ましくは
1.0MPaより高く1.4MPa以下の加圧下で、1
80℃以上250℃以下、より好ましくは200℃以上
230℃以下に加熱し、12時間以上36時間以下の低
オリゴマー化処理を行うことが有効である。
反応による着色などの障害が発生し、水蒸気が存在する
と加水分解反応によってポリエチレンテレフタレートの
重合度が低下しフイルムの強度低下などの障害が発生す
る。不活性雰囲気の気圧が1.0MPaより低い場合に
は、外気とともに酸素や水蒸気が侵入しないよう特別に
設計された装置が必要となり、2.0MPaより高い気
圧下で処理をしても低オリゴマー化の効果は変わらな
い。
高いと、レジンの融着や溶融、変色などの障害を招き、
180℃より低いと十分な低オリゴマー化効果が得られ
ない。処理時間が12時間より短いときも十分な低オリ
ゴマー化効果が得られず、36時間より長く処理を続け
ても、フイルムの熱処理によるヘイズ上昇に及ぼす効果
は変わらない。
触媒活性を低下させる失活処理たとえば、酸化、還元、
水和などの化学処理、およびまたは音波、電磁波照射な
どの物理処理により、触媒活性を低下または失わせる処
理を行っても良い。また、ポリマーのアルコール末端に
例えばエーテル化などの化学修飾を施して環状3量体な
どのオリゴマー再生反応を抑止しても良い。
生抑止処理を行わない場合、フィルムの製造のために原
料レジンを再溶融した際に、時間の経過とともにオリゴ
マーが再生しやすくなる。従って、再溶融してから押し
出し冷却するまでの滞留時間を20分以内、より好まし
くは12分以内に制御することにより、フィルム製膜後
のフィルム中の環状3量体含有量を5000ppm以下
にし、フィルム表面オリゴマー量を0.5mg/m2以
下とするのに有効である。
れた方法が取られるが、溶融物を回転冷却ドラム上にダ
イスからシート上に押し出し、シート状溶融物を回転冷
却ドラムに密着させながら、急冷してシートとする公知
の方法が適用することができる。例えば、シート状溶融
物にエアナイフを使用する方法や静電荷を印荷する方法
等が好適である。これらの方法では後者の静電荷印荷法
が厚み均一性の点から特に好適である。このシート状物
のエア面の冷却をする方法としては、公知の方法が適用
することができ、例えばシート面に槽内の冷却用液体に
接触させる方法、シートエア面にスプレーノズルで蒸散
する液体を塗布する方法や高速気流を吹きつけて冷却す
る方法を併用しても良い。
加熱したロールで長手方向に縦延伸倍率が2.5〜5.
0倍となるよう延伸して、一軸配向ポリエチレンテレフ
タレートフィルムを得る。また、縦延伸は少なくとも2
段階にわけてもよい。さらに、フィルムの端部をクリッ
プで把持しながら、80〜180℃に加熱された熱風ゾ
ーンに導き、乾燥後幅方向に2.5〜5.0倍に延伸す
る。引き続き160〜240℃の熱処理ゾーンに導き、
1〜60秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了させる。
この熱処理工程中で必要に応じて幅方向あるいは長手方
向に1〜12%の弛緩処理を施してもよい。
レンテレフタレートフィルムの少なくとも片面に易接着
層を設け、その後少なくとも一軸方向に延伸・熱固定処
理することが好ましい。このインラインコート法により
積層された易接着層に、易接着性樹脂及び基材ポリエス
テルフィルムと屈折率の近い適切な粒径の微粒子(例え
ば、球状シリカ、乾式法シリカ、シリカーアルミナ複合
粒子など)を含有させ、易接着層表面に凹凸を付与する
ことで、滑り性、巻き取り性、耐スクラッチ性を改善す
ることができる。このため、基材のポリエステルフィル
ム中に微粒子を含有させる必要がなく、高透明性を保持
することができる。
フタレートフィルムの厚みは、10〜300μmである
ことが好ましく、さらに好ましくは70〜260μmで
あり、特に好ましくは100〜200μmにあるのがよ
い。フィルムの厚みが10μm未満ではフィルムに腰が
ないため、加工工程で皺の発生等取り扱いがしにくくな
る。一方、300μmを越えると、製品厚さが厚くなり
すぎ、プラスチックフィルムベースの良さである薄型パ
ネルとならない。
透明性及び導電性の両機能をあわせもつ材料であれば特
に制限はないが、代表的なものとしては、酸化インジウ
ム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウム−スズ複合酸化
物、スズ−アンチモン複合酸化物、亜鉛−アルミニウム
複合酸化物、インジウム−亜鉛複合酸化物等の薄膜があ
る。これらの化合物からなる薄膜は、適切な作成条件を
選ぶことで、透明性と導電性をあわせもつ透明導電性薄
膜とすることができる。
としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、
イオンプレーティング法、スプレー法などが知られてお
り、上記材料の種類および必要膜厚に応じて適宜の方法
を用いることが出来る。
を用いた通常のスパッタリング法、あるいは、金属ター
ゲットを用いた反応性スパッタリング法等が用いられ
る。この時、反応性ガスとして、酸素、窒素、水蒸気等
を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を
併用してもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲
で、基板に直流、交流、高周波などのバイアスを印加し
てもよい。蒸着法、CVD法などの他の作成方法におい
ても同様である。
00nmの範囲が好適である。5nm未満の厚さでは導
電性が不十分となり、500nmを越えるような厚みで
は光線透過率が不十分となる。
は、10〜50000Ω/□であることが好ましい。透
明導電性フィルムの表面抵抗率を10Ω/□未満にする
ためには、透明導電性薄膜の膜厚を厚くする必要があ
り、その結果光線透過率が不十分となる。一方、表面抵
抗率が50000Ω/□を越える場合には、タッチパネ
ルやエレクトロルミネッセンスパネルの透明電極として
機能しない。
透過率は、80%以上であることが好ましい。透明導電
性フィルムの光線透過率が80%未満では、タッチパネ
ルやエレクトロルミネッセンスパネルに用いた際の品位
が不十分となり好ましくない。
エステルフィルムと透明導電性薄膜との付着力は、10
g/15mm以上であることが好ましい。これは、前記
低オリゴマー化処理をしたポリエステル樹脂を使用する
ことにより、二軸延伸ポリエステルフィルムの極表面に
オリゴマーに起因する脆い層を形成されにくくすること
や、フィルム製造工程中でオリゴマーを物理的に除去す
る粘着ロールを設けたりすることなども有効である。
薄膜上に蛍光体層、誘電体層、背面電極を積層すること
で、エレクトロルミネッセンスパネルが得られる。
を主成分とする蛍光体粒子とフッ素樹脂、シアノエチル
セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹
脂またはそれらの混合物を使用するのが代表的である。
蛍光体粒子にアルミナ、シリカ等の金属酸化物のコート
品が使用される場合もある。
ネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタ
ン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化
鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛、
酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸
化モリブデン、酸化鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸
化バリウム、酸化ハフニウム、酸化タリウム、酸化タン
グステン、酸化白金、酸化ビスマス、チタン酸バリウ
ム、チタン酸鉛、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウ
ム、タンタル酸リチウム、硫酸鉛、炭化シリコン、硫酸
ストロンチウム、硫化亜鉛、窒化シリコン、臭化銀、塩
化銀等の誘電体粒子、またはそれらの混合物とフッ素樹
脂、シアノエチルセルロース系樹脂、ポリエステル系樹
脂、アクリル系樹脂、またはそれらの混合物を使用する
のが代表的である。
導電性金属粉末、またはそれらの混合物とポリエステル
系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、またはそれら
の混合物を使用するのが一般的である。
スクリーン印刷法やロールコーティング法が一般的に使
用される。
導電性薄膜上に回路加工を施し組み合わせることでタッ
チパネルが得られる。タッチパネルの加工方法として
は、上部電極用に該透明導電性フィルムの導電面に必要
により回路加工のためのレジストインキを形成し、硫
酸、塩酸、塩化鉄、塩化銅等のエッチング液を使用し回
路を形成する。寸法変化を抑制するため、予め加熱処理
することも可能である。
たはそれらの混合物に代表される導電性インキを使用
し、引き回し回路を印刷する。次に、下部電極用に該透
明導電性フィルムまたは透明導電性硝子に必要により上
部電極同様の加工を施す。上部電極または下部電極のい
ずれか一方にスペーサを形成する。得られた上部電極と
下部電極の少なくとも一方の接触部に絶縁インキを形成
後、粘着剤等にて貼合わせタッチパネルスイッチとす
る。
クリーン印刷法が代表的であるがそれに限定されるもの
ではない。
的に説明する。
た。ジメチルテレフタレート95部、ジメチルイソフタ
レート95部、エチレングリコール35部、ネオペンチ
ルグリコール145部、酢酸亜鉛0.1部および三酸化
アンチモン0.1部を反応容器に仕込み、180℃で3
時間かけてエステル交換反応を行った。次に、5-ナト
リウムスルホイソフタル酸6.0部を添加し、240℃
で1時間かけてエステル化反応を行った後、250℃で
減圧下(13.3〜0.27hPa)で2時間かけて重
縮合反応を行い、分子量19500、軟化点60℃のポ
リエステル樹脂を得た。
水分散液を6.7部、重亜硫酸ソーダでブロックしたイ
ソシアネート基を含有する自己架橋型ポリウレタン樹脂
(B)の20%水溶液(第一工業製薬製:商品名エラス
トロンH−3)を40部、エラストロン用触媒(第一工
業製薬製:商品名Cat64)を0.5部、水を47.
8部およびイソプロピルアルコールを5部、それぞれ混
合し、さらにアニオン性界面活性剤を1重量%、コロイ
ダルシリカ(日産化学工業社製:スノーテックスOL)
を5重量%添加し塗布液とした。
膜 公知の連続重合法で得られた、固有粘度が0.64dl
/gのポリエチレンテレフタレート(PET)を、1.
1MPaの窒素気流下、220℃で24時間熱処理し、
固有粘度が0.64dl/g、環状3量体の含有量が3
000ppmのPETレジンを得た。このレジンをポリ
エステルフィルムの原料レジンとし、265℃で再溶融
し、溶融樹脂を濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)
が15μmのステンレス製焼結濾材を用いて濾過し、滞
留時間6分でスリットダイから押し出し、表面温度が3
0℃のチルロール上で急冷固化し、未延伸フィルムを得
た。次に、このキャストフィルムを加熱されたロール群
及び赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差
のあるロール群で長手方向に二段階に分け総縦延伸倍率
3.4倍で延伸して一軸配向PETフィルムを得た。そ
の後、前記塗布液を濾過粒子サイズ(初期濾過効率95
%)が25μmのフェルト型ポリプロピレン製濾材で精
密濾過し、リバースロール法で片面に塗布、乾燥した。
塗布後引き続いて、フィルムの端部をクリップで把持し
て、130℃に加熱された熱風ゾーンに導き乾燥した
後、幅方向に3.8倍に延伸し、さらに230℃で熱固
定して、片面に易接着層を有する厚さ188μmの二軸
配向PETフィルムを得た。易接着層の最終塗布量は固
形分量で0.1g/m2であった。
接着面の反対面)にインジウム−スズ複合酸化物からな
る透明導電性薄膜を30nmの厚さで製膜した。このと
き、ターゲットにはスズ10重量%含有したインジウム
合金をターゲットに用いて、印加電力を2W/cm2と
した。また、Arを130sccm、O2を70scc
m流し、0.4Paの雰囲気下でDCマグネトロンスパ
ッタリング法で成膜した。
けること以外は実施例1と同様にして二軸延伸ポリエス
テルフィルムを得た。さらに、ポリエステル樹脂(東洋
紡績(株)製、バイロンRV280)0.7重量部、イ
ソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)
製、コロネートL)0.3重量部、溶剤として、メチル
エチルケトン70重量部、トルエン29重量部からなる
コート液を上記の低オリゴマー処理を施したフィルムの
易接着面の片面に、バーコート法を用いてコーティング
した。使用したワイヤーバーは3番であった。コーティ
ングされたフィルムは、130℃で30分間熱処理を施
した。コーティング厚さは、0.1μmであった。さら
に、この上に実施例1と同様に透明導電性薄膜層を設け
た。
電面上に、発光体層、誘電体層、背面電極、の順に各々
スクリーン印刷、乾燥して、エレクトロルミネッセンス
パネルを作製した。このとき、透明導電性薄膜の電極取
出部は印刷せず残しておいた。
に対して、20gのフッ素エラストマー(ダイキン工業
(株)製、ダイエル)を溶解させ、さらに200gの硫
化亜鉛発光体粉体(オスラム・シルバニア社製、カプセ
ルタイプ#30)を分散させたインキを使用した。ま
た、印刷には#200の刷版を使用した。この後、15
0℃で45分間、乾燥を行なった。乾燥後の厚さは25
μmであった。
にチタン酸バリウム粉体を分散したペースト(藤倉化成
(株)製、ドータイトFEL−615)を用い、#20
0の刷版を用いて発光層上にスクリーン印刷した。この
後、150℃で45分間乾燥を行なった。乾燥後の厚さ
は25μmであった。
洋紡績(株)製、DY−152H−30)を#250の
刷版を用いて誘電体層上にスクリーン印刷した。この
後、150℃で30分間乾燥を行なった。乾燥後の厚さ
は20μmであった。
の透明導電性薄膜と背面電極間に、100Vrms、4
00Hzの正弦波を印加し発光させた場合、発光はパネ
ル内で均一であり良好であった。
電性薄膜上に、導電性インキ、絶縁インキを各々スクリ
ーン印刷後、乾燥し、タッチパネル用上部電極を作製し
た。導電性インキには銀ペースト(東洋紡績(株)製、
DW−250H−5)を使用し、#250の刷版でスク
リーン印刷後、150℃で30分間乾燥した。
(株)製、FC−230G−23)を使用し、#250
の刷版でスクリーン印刷後、UVを500mJ照射し、
次いで150℃で30分間乾燥した。得られたタッチパ
ネル用上部電極の端子間抵抗は均一であり、動作は良好
であった。
をポリエステルフィルムの原料レジンとして使用する以
外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリエステルフィ
ルムを得た。さらに、実施例1と同様に透明導電性薄膜
層を設けた。
てフィルムを得た。さらに、実施例1と同様に透明導電
性薄膜層を設けた。
明導電性薄膜層上に、実施例3と同様に、発光体層、誘
電体層、背面電極、の順に各々スクリーン印刷、乾燥し
て、エレクトロルミネッセンスパネルを作製した。実施
例3と同様の評価を行なった結果、透明導電性薄膜と背
面電極間に100Vrms、400Hzの正弦波を印加
し発光させた際に、パネル内に不点灯部位が存在した。
明導電性薄膜上に、実施例4と同様に、導電性インキ、
絶縁インキを各々スクリーン印刷後、乾燥し、タッチパ
ネル用上部電極を作製した。得られたタッチパネル用上
部電極は部分的に抵抗値が異なり動作不良が見られた。
法について説明する。
の試験片を15ccのクロロホルム中に30℃で20分
間浸漬し、その溶液の240nmにおける吸光度を分光
光度計((株)日立製 U−3500)で測定し、予め
作成した検量線から表面オリゴマー量を算出した。単位
は、mg/m2で示した。
し、全光線透過率をヘイズメーター(日本電色(株)
製、NDH−1001DP)を用いた測定した。
料をヘキサフルオロイソプロパノール/クロロホルム混
合液に溶解し、さらにクロロホルムを加えて希釈する。
これにメタノールを加えてポリマーを沈殿させた後、濾
過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルホルムアミドで定
容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテレフタレ
ート単位から構成される環状3量体を定量した。
し、4端子法にて測定した。測定機は、三菱油化(株)
製:Lotest AMCP−T400を用いた。
ーフィルムをポリエステル系接着剤を用いて、厚み75
μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにラミネー
トし、付着力測定用積層体を作製した。この付着力測定
用積層体のアイオノマー面と透明導電性フィルムの透明
導電性薄膜面を対向させ、130℃でヒートシールし
た。この積層体を付着力測定用積層体と透明導電性フィ
ルムとを180度剥離法で剥離し、この際の剥離力を付
着力とした。この時の剥離速度は、1000mm/分と
した。
ルムである二軸延伸ポリエステルフィルムは、表面のオ
リゴマー量が0.5mg/m2以下と少ないため、透明
導電性フィルム製造時の回路加工等の印刷工程で熱処理
を行なっても、表面抵抗率の上昇が小さく、かつ前記フ
ィルムと透明導電性薄膜との付着力が強い透明導電性フ
ィルムを得ることができる。また、前記透明導電性フィ
ルムを透明電極として使用することにより、耐久性に優
れ、視認性や品位の低下のないエレクトロルミネッセン
スパネルやタッチパネルを得ることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 二軸延伸ポリエステルフィルムの少なく
とも片面に透明導電性薄膜が積層された透明導電性フィ
ルムであって、二軸延伸ポリエステルフィルムの表面オ
リゴマー量が0.5mg/m2以下であることを特徴と
する透明導電性フィルム。 - 【請求項2】 前記ポリエステルフィルム中の環状3量
体の含有量が5000ppm以下であることを特徴とす
る請求項1記載の透明導電性フィルム。 - 【請求項3】 前記二軸延伸ポリエステルフィルムと透
明導電性薄膜との付着力が10g/15mm以上である
ことを特徴とする請求項1または2記載の透明導電性フ
ィルム。 - 【請求項4】 透明電極として請求項1〜3記載の透明
導電性フィルムを用いることを特徴とするエレクトロル
ミネッセンスパネル。 - 【請求項5】 透明電極として請求項1〜3記載の透明
導電性フィルムを用いることを特徴とするタッチパネ
ル。
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