JP2004127820A - 透明導電性フィルム、透明導電性シートおよびタッチパネル - Google Patents

透明導電性フィルム、透明導電性シートおよびタッチパネル Download PDF

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Toshiyuki Otani
大谷 寿幸
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Abstract

【課題】カラー液晶搭載のタッチパネル付きディスプレイとして用いた際に、色表示性に優れ、ギラツキ等の視認性の低下がない透明導電性フィルムまたは透明導電性シート、及びこれらを用いたタッチパネルを提供する。
【解決手段】透明プラスチックフィルム基材および透明導電薄膜からなる透明導電性フィルムであって、前記透明プラスチック基材を構成する少なくとも1つの層に色素を含有することを特徴とする透明導電性フィルム。また、前記記載の透明導電性フィルムの透明導電性薄膜面とは反対面に、粘着剤を介して透明樹脂シートを貼り合わせてなる透明導電性シート。さらに、前記透明導電性薄膜を有する一対の透明導電性フィルムまたは透明導電性シートからなるパネル板を透明導電性薄膜が対向するようにスペーサーを介して配置してなるタッチパネル。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は透明プラスチックフィルム基材を構成する少なくとも1つの層に色素を含有し、前記透明プラスチックフィルムの少なくとも片面に透明導電薄膜を積層した透明導電性フィルムまたは透明導電性シート、及びこれらを用いたタッチパネルに関するものであり、特にカラー液晶搭載のタッチパネル付きディスプレイに用いた際に、色表示性および視認性に優れた透明導電性フィルムまたは透明導電性シート、及びこれらを用いたタッチパネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
透明プラスチックフィルム基材上に、透明でかつ抵抗が小さい薄膜を積層した透明導電性フィルムは、その導電性を利用した用途、例えば、液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイなどのようなフラットパネルディスプレイや、タッチパネルの透明電極など、電気、電子分野の用途に広く使用されている。
【0003】
近年、携帯情報端末やタッチパネル付きカラーノートパソコンの普及によともない、従来以上にタッチパネルをカラー表示ディスプレイとともに用いることが多くなり、色表示性および視認性に優れたタッチパネルが要求されるようになってきた。
【0004】
タッチパネルをカラー液晶搭載の携帯情報端末やカラーノートパソコンに組み込んで使用する際に、色表示性は、タッチパネル、すなわち構成部品である透明導電性フィルムおよび透明導電性ガラスの視認性に大きく影響される。特に、白色表示は、透明導電性フィルムおよび透明導電性ガラスの視認性の影響を受け、従来品では茶黄色に見えるという問題があった。したがって、色表示性に優れた無彩色な透明導電性フィルムおよび透明導電性ガラスが、強く要望されている。
【0005】
このような状況のもと、色表示性に優れた無彩色な透明導電性フィルムを得るために、透明プラスチックフィルム基材と透明導電性薄膜の中間層に金属アルコキシドを加水分解および縮合してなる光干渉性を有する層を形成した透明導電性フィルムが開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかしながら、これらの透明導電性フィルムをタッチパネル付きディスプレイ用に使用した際に、表示色や透過率は向上するものの、微小なギラツキが発生し、視認性が低下するという新たな問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平2000−301648号公報
【特許文献2】
特開平2001−296404号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、本発明の目的は、上記の従来の問題点に鑑み、カラー液晶搭載のタッチパネル付きディスプレイとして用いた際に、色表示性に優れ、かつギラツキ等の視認性の低下がない透明導電性フィルムまたは透明導電性シート、及びこれらを用いたタッチパネルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決することができた透明導電性フィルム、透明導電性シートおよびタッチパネルとは、以下の通りである。
【0009】
すなわち、本発明の第1の発明は、透明プラスチックフィルム基材および透明導電薄膜からなる透明導電性フィルムにおいて、前記透明プラスチック基材を構成する少なくとも1つの層に色素を含有することを特徴とする透明導電性フィルムである。
【0010】
第2の発明は、前記透明導電性フィルムの全光線透過率が80%以上、CIE表色系でのa値が−1〜1、b値が−1〜3であることを特徴とする第1の発明に記載の透明導電性フィルムである。
【0011】
第3の発明は、前記色素が500〜650nmに吸収ピークを有することを特徴とする染料または顔料であることを特徴とする第1または2の発明に記載の透明導電性フィルムである。
【0012】
第4の発明は、前記透明導電性薄膜が、インジウム−スズ複合酸化物またはスズ−アンチモン複合酸化物からなることを特徴とする第1〜3のいずれかの発明に記載の透明導電性フィルムである。
【0013】
第5の発明は、前記透明導電性フィルムの透明導電性薄膜面とは反対面に、ハードコート層を積層することを特徴とする第1〜4のいずれかの発明に記載の透明導電性フィルムである。
【0014】
第6の発明は、前記ハードコート層が防眩性を有することを特徴とする第5の発明に記載の透明導電性フィルムである。
【0015】
第7の発明は、前記ハードコート層に低反射処理を施したことを特徴とする第5または6の発明に記載の透明導電性フィルムである。
【0016】
第8の発明は、第1〜7のいずれかの発明に記載の透明導電性フィルムの透明導電性薄膜面とは反対面に、粘着剤を介して透明樹脂シートを貼り合わせることを特徴とする透明導電性シートである。
【0017】
第9の発明は、前記透明導電性薄膜を有する一対のパネル板を透明導電性薄膜が対向するようにスペーサーを介して配置してなるタッチパネルにおいて、少なくとも一方のパネル板が第1〜8の発明のいずれかに記載の透明導電性フィルムまたは透明導電性シートからなることを特徴とするタッチパネル。
【0018】
本発明の透明導電性フィルムは、透明プラスチックフィルム基材と透明導電性薄膜からなり、かつ前記透明プラスチックフィルム基材を構成する少なくとも1つの層に色素を含有する。
【0019】
さらに、前記色素は、染料または顔料であり、プラスチック基材の透明性の観点から粒子径が100nm以下であることが好ましい。本発明では透明プラスチック基材を構成する層の少なくとも1つの層に特定波長に吸収ピークを有する色素を含有させることにより、透明導電性フィルムの色表示性および視認性を向上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(基材)
本発明で用いる透明プラスチックフィルム基材とは、有機高分子を溶融押出し又は溶液押出しをして、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルムであり、有機高分子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン4、ナイロン66、ナイロン12、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルファン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、セルロースプロピオネート、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ノルボルネン系ポリマーなどが挙げられる。
【0021】
これらの有機高分子のなかで、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、シンジオタクチックポリスチレン、ノルボルネン系ポリマー、ポリカーボネート、ポリアリレートなどが好適である。また、これらの有機高分子は他の有機重合体の単量体を少量共重合したり、他の有機高分子をブレンドしてもよい。
【0022】
本発明で用いる透明プラスチックフィルム基材の厚みは、10μmを越え、300μm以下の範囲であることが好ましい。基材フィルムの厚みの下限値は、ペン入力耐久性の点から70μmであることが特に好ましい。基材フィルムの厚みが10μm以下では機械的強度が不足し、特にタッチパネルに用いた際のペン入力に対する変形が大きくなる傾向があり、耐久性が不十分となりやすい。
【0023】
一方、基材フィルムの厚みの上限値は、ペン入力時の荷重の点から260μmであることが特に好ましい。基材フィルムの厚みが300μmを越えると、タッチパネルに用いた際に、フィルムを変形させるためのペン入力時の荷重が大きくなりやすい。
【0024】
本発明で用いる透明プラスチックフィルム基材は、本発明の目的を損なわない範囲で、前記フィルムをコロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、オゾン処理などの表面活性化処理を施してもよい。
【0025】
(下地層)
また、本発明で用いる透明プラスチック基材は透明導電性薄膜との密着性を向上させるために、透明プラスチック基材の透明導電性薄膜を設ける面に、(1)硬化型樹脂、または(2)イオン性基を含有する樹脂、からなる下地層を設けることが好ましい。
【0026】
(1)硬化型樹脂
硬化型樹脂は、加熱、紫外線照射、電子線照射などのエネルギー印加により硬化する樹脂であれば特に制限はなく、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。生産性の観点からは、紫外線硬化型樹脂を主成分とすることが好ましい。
【0027】
このような紫外線硬化型樹脂としては、例えば、多価アルコールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレート樹脂、ジイソシアネート、多価アルコール及びアクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルなどから合成されるような多官能性のウレタンアクリレート樹脂などを挙げることができる。必要に応じて、これらの多官能性の樹脂に単官能性の単量体、例えば、ビニルピロリドン、メチルメタクリレート、スチレンなどを加えて共重合させることができる。
【0028】
また、透明導電性薄膜と硬化物層との付着力を向上するために、硬化物層を表面処理することが有効である。具体的な手法としては、カルボニル基、カルボキシル基、水酸基を増加するためにグローまたはコロナ放電を照射する放電処理法、アミノ基、水酸基、カルボニル基などの極性基を増加させるために酸またはアルカリで処理する化学薬品処理法などが挙げられる。
【0029】
前記の紫外線硬化型樹脂、光重合開始剤は、それぞれに共通の溶剤に溶解して塗布液を調製する。使用する溶剤には特に制限はなく、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのようなアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのようなエステル系溶剤、ジブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのようなエーテル系溶剤、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのようなケトン系溶剤、トルエン、キシレン、ソルベントナフサなどのような芳香族炭化水素系溶剤などを単独に、あるいは混合して使用することができる。
【0030】
塗布液中の樹脂成分の濃度は、コーティング法に応じた粘度などを考慮して適切に選択することができる。例えば、塗布液中に紫外線硬化型樹脂、光重合開始剤の合計量が占める割合は、通常は20〜80質量%である。また、この塗布液には、必要に応じて、その他の公知の添加剤、例えば、シリコーン系レベリング剤などを添加してもよい。
【0031】
本発明において、調製された塗布液は透明プラスチックフィルム基材上にコーティングされる。コーティング法には特に制限はなく、バーコート法、グラビアコート法、リバースコート法などの従来から知られている方法を使用することができる。
【0032】
コーティングされた塗布液は、次の乾燥工程で溶剤が蒸発除去される。塗膜を乾燥した後、プラスチックフィルムに紫外線を照射することにより、紫外線硬化型樹脂が架橋・硬化して硬化物層を形成する。硬化物層の厚みは、生産性の観点から、15μm以下であることが好ましい。
【0033】
(2)イオン性基を有する樹脂
また、イオン性基を有する樹脂は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、メタクリル樹脂、ウレタンアクリル樹脂、シリコンアクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリシロキサン樹脂などが好ましい。これらのうち、その生産性の観点から、ポリエステル樹脂が好ましい。
【0034】
樹脂中のイオン性基の含有量は、20〜1000eq/tonの範囲が好ましい。イオン性基の含有量が20eq/ton未満では付着力が低下しやすく、1000eq/tonを越える場合は耐湿熱性等が低下しやすくなる。また、架橋構造を有しない場合には耐熱性が不足する場合がある。
【0035】
透明導電性薄膜の下地層として用いられる前記ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸類と多価アルコール類からなる。ポリエステル樹脂の構成成分である多価カルボン酸類としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、スルホテレフタル酸、およびまたはそれらの金属塩、アンモニウム塩などの芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、等の不飽和脂肪族、および、脂環族ジカルボン酸等を、また多価カルボン酸としては他にトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の三価以上の多価カルボン酸等を例示できる。
【0036】
ポリエステル樹脂の他の構成成分である多価アルコール類としては、脂肪族多価アルコール類、脂環族多価アルコール類、芳香族多価アルコール類等を例示できる。
【0037】
脂肪族多価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ジオール類、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエルスリトール等のトリオールおよびテトラオール類等を例示できる。
【0038】
脂環族多価アルコール類としては、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメタノール等を例示できる。
【0039】
芳香族多価アルコール類としては、パラキシレングリコール、メタキシレングリコール、オルトキシレングリコール、1,4−フェニレングリコール、1,4−フェニレングリコールのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物等を例示できる。
【0040】
さらに、ポリエステルポリオールとして、ε−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られる、ラクトン系ポリエステルポリオール類等を例示することができる。
【0041】
これらのほかに、ポリエステル高分子末端の極性基を封鎖するために、単官能単量体をポリエステルに導入してもよい。
【0042】
単官能単量体としては、安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息香酸、n−ドデシルアミノカルボニル安息香酸、ターシャルブチル安息香酸、ナフタレンカルボン酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、サリチル酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリル酸、およびこれらの低級アルキルエステル、等のモノカルボン酸類、あるいは脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂環族アルコール等のモノアルコールを用いることができる。
【0043】
本発明において、透明導電性薄膜の下地層として、イオン性基を有するポリエステル樹脂を用いる場合、ポリエステル樹脂は、前記の不飽和単量体を必須成分とし、他の成分はポリエステル樹脂のガラス転移温度、モノマーとの相溶性、等により適宜選択される。
【0044】
ポリエステルに導入されるイオン性基としては、スルホン酸アルカリ金属塩基、あるいはスルホン酸アンモニウム塩基を有するモノあるいはジカルボン酸等を好ましく用いることができる。また、その他に、例えばカルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカルボン酸アンモニウム塩基を有する単量体、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基もしくはそれらのアンモニウム塩、金属塩等のアニオン性基、または第1級ないし第3級アミン基等のカチオン性基単量体などを用いることができる。
【0045】
カルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカルボン酸アンモニウム塩基を導入する場合には、ポリエステルの重合末期にトリメリット酸等の多価カルボン酸を系内に導入することにより高分子末端にカルボキシル基を付加し、さらにこれをアンモニア、水酸化ナトリウム等にて中和することによりカルボン酸塩の基に交換する方法を用いることができる。
【0046】
また、スルホン酸アルカリ金属塩基あるいはスルホン酸アンモニウム塩基を有するモノあるいはジカルボン酸を含有することによりこれらのイオン性基をポリエステル樹脂に導入することができる。塩としてはアンモニウム系イオン、Li、Na、K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩があげられ、特に好ましいものはK塩またはNa塩である。これらのなかで、例えば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、あるいはメタナトリウムスルホ安息香酸を用いることが好ましい。また、カルボン酸塩の基とスルホン酸塩の基を使用しても良い。
【0047】
前記ポリエステル樹脂としては、例えば、以下に示すポリエステル樹脂が挙げられる。
【0048】
a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類と、エチレングリコールを0〜90mol%、プロピレングリコールを100〜10mol%とから得られるポリエステル樹脂
【0049】
b)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類と、2,3−ブタンジオールを5〜80mol%、エチレングリコールを95〜20mol%とから得られるポリエステル樹脂
【0050】
c)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類と、C2〜C4の脂肪族系グリコール類を70〜95mol%、トリシクロデカン骨格を有するモノあるいは多価アルコール類5〜30mol%とから得られるポリエステル樹脂
【0051】
d)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類と、C2〜C4の脂肪族系グリコール類を70〜95mol%、ヒドロキシメチルトリシクロデカンを5〜30mol%とから得られるポリエステル樹脂
【0052】
e)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類と、C2〜C4の脂肪族系グリコール類を70〜95mol%、トリシクロデカンジメタノールを5〜30mol%とから得られるポリエステル樹脂
【0053】
f)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類と、C2〜C4の脂肪族系グリコール類を70〜95mol%、シクロヘキサン骨格を有するモノあるいは多価アルコール類を5〜30mol%とから得られるポリエステル樹脂
【0054】
g)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類と、C2〜C4の脂肪族系グリコール類を70〜95mol%、シクロヘキサンジオールを5〜30mol%とから得られるポリエステル樹脂
【0055】
h)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類と、C2〜C4の脂肪族系グリコール類を70〜95mol%、水添ビフェノールを5〜30mol%とから得られるポリエステル樹脂
【0056】
i)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類と、C2〜C4の脂肪族系グリコール類を70〜95mol%、水添ビスフェノールAを5〜30mol%とから得られるポリエステル樹脂
【0057】
j)ナフタレン骨格を有するモノあるいは二価以上のカルボン酸1〜20mol%を含む芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類と、C2〜C4の脂肪族系グリコール類を70〜100mol%、脂環族系単量体0〜30mol%を含有する多価アルコール類、とから得られるポリエステル樹脂
【0058】
さらに、前記の芳香族系単量体は、テレフタル酸及びイソフタル酸であることが好ましい。テレフタル酸とイソフタル酸の組成比は、90/10〜40/60[mol%]が好ましく、さらに好ましくは80/20〜50/50[mol%]であり、特に好ましくは85/15〜60/40[mol%]である。
【0059】
イオン性基含有単量体をポリエステル樹脂に導入し、ポリエステル樹脂にイオン性基を与えた場合、透明導電性薄膜との付着力が強固なものとなる。イオン性基含有単量体としては、前述したスルホン酸アルカリ金属塩基あるいはスルホン酸アンモニウム塩基を有するモノあるいはジカルボン酸等を好ましく用いることができる。さらに、例えば、カルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカルボン酸アンモニウム塩基を有する単量体、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基もしくはそれらのアンモニウム塩、金属塩等のアニオン性基、または第1級ないし第3級アミン基等のカチオン性基単量体などを用いることができる。
【0060】
カルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカルボン酸アンモニウム塩基を導入する場合には、ポリエステルの重合末期にトリメリット酸等の多価カルボン酸を系内に導入することにより高分子末端にカルボキシル基を付加し、さらにこれをアンモニア、水酸化ナトリウム等にて中和することによりカルボン酸塩の基に交換する方法を用いることができる。
【0061】
これらイオン性基の含有量は、スルホン酸基およびまたはその塩の基を含め、前記ポリエステル樹脂に対し、20〜1000eq/tonの範囲が好ましく、さらに好ましくは20〜500eq/tonの範囲であり、特に好ましくは50〜200eq/tonの範囲である。イオン性基の含有量が20eq/ton未満では付着力が低下しやすく、1000eq/tonを越える場合は耐湿熱性等画低下しやすくなる。また、架橋構造を有しない場合には耐熱性が不足する場合がある。
【0062】
さらに、前記イオン性基を有する樹脂を含む塗布層の厚さは、接着性の点から、0.005〜0.2μmとすることが好ましい。また、塗布層の厚さの下限値は、透明導電層薄膜との付着力の点から0.01μmとすることがさらに好ましい。一方、塗布層の厚さの上限値は、接着性の点から0.15μmとすることがさらに好ましい。前記塗布層の厚さが、0.2μmを超えると、接着性が低下しやすくなる。また、0.005μm未満では、連続した膜になりにくいため透明導電層薄膜の付着力が不足する傾向がある。
【0063】
イオン性基を有する樹脂を含む塗布層を基材に形成することで、透明導電性薄膜と下地の前記塗布層との付着力を10g/15mm以上とすることが可能となる。
【0064】
イオン性基の含有量が20〜1000eq/tonである樹脂を透明なプラスチックフィルム上に積層するためには、コーティング法を用いることが好ましい。コーティング法としては、エアドクタコート法、ナイフコート法、ロッドコート法、正回転ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ビードコート法、スリットオリフェスコート法、キャストコート法などが用いられる。架橋構造を付与する場合には、コーティング後に加熱もしくは紫外線、電子線照射によりエネルギーを印加する。
【0065】
また、長手方向および幅方向に二軸延伸後、冷却、熱固定を行って得た透明なプラスチックフィルム上に、イオン性基を含有する樹脂を積層するには、二つの延伸段階の間、すなわち二軸延伸操作の長手方向および幅方向への延伸の間で、コーティングする、いわゆるインラインコーティング法を適用してもよい。
【0066】
また、硬化性高分子をコーティングするに先立ち、本発明の目的を損なわない範囲で密着性をさらに高めるために、プラスチックフィルムにコロナ放電処理、グロー放電処理などの表面処理を施してもよい。
【0067】
(色素)
本発明で用いる色素としては、染料および顔料を用いることができる。前記色素としては、例えば、アントラキノン系、フタロシアニン系、インジゴイド系、チアジン系、オキサジン系、アジン系、インダミン系、インドフェノール系、トリフェニルメタン系などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、耐光性、色彩等の観点から、フタロシアニン系およびアントラキノン系が好ましい。
【0068】
また、前記色素の吸収ピークは、500〜650nmに存在することが好ましく、さらに好ましくは530〜630nmであり、特に好ましくは570〜620nmである。吸収ピークが500nm以下の場合、CIE表色系でのb値を−1〜3の範囲にするとa値が1以上となってしまい、ディスプレイに組み込んだ際、赤色がかって好ましくない。また吸収ピークが650nm以上の場合b値を−1〜3の範囲にするとa値が−1以下となってしまい、緑色がかって好ましくない。
【0069】
本発明においては、透明導電性フィルムのCIE表色系でのa値は−1〜1、b値が−1〜3の範囲であることが好ましい、さらに好ましくはa値が−0.5〜0.5、b値が−1〜1の範囲である。a値、b値が上記範囲外にあるとディスプレイに組み込んだ際に、白色表示が青色以外に着色され、好まれない。
【0070】
また、染料および顔料の含有量は、これらを含有させる層の厚みによるが、全光線透過率が80%以上、好ましくは85%以上であれば問題ない。全光線透過率が80%未満であるとディスプレイに組み込んだ際にディスプレイが暗くなり、画面がみづらくなる。
【0071】
(透明導電性薄膜)
本発明で用いる透明導電性薄膜としては、透明性及び導電性をあわせもつ材料であれば特に制限はないが、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、インジウム−スズ複合酸化物、スズ−アンチモン複合酸化物、亜鉛−アルミニウム複合酸化物、インジウム−亜鉛複合酸化物、銀および銀合金、銅および銅合金、金等が単層もしくは2層以上の積層構造したものが挙げられる。これらのうち、環境安定性や回路加工性の観点から、インジウム−スズ複合酸化物またはスズ−アンチモン複合酸化物が好適である。
【0072】
透明導電性薄膜の膜厚は4〜200nmの範囲が好ましく、特に好ましくは5〜100nmである。透明導電性薄膜の膜厚が4nmよりも薄い場合、連続した薄膜になりにくく良好な導電性を示しにくい傾向がある。一方、200nmよりも厚い場合、ディスプレイに組み込んだ際の色表示性と透明性を両立することが困難となる。
【0073】
本発明における透明導電性薄膜の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、スプレー法などが知られており、必要とする膜厚に応じて、前記の方法を適宜用いることができる。
【0074】
例えば、スパッタリング法の場合、酸化物ターゲットを用いた通常のスパッタリング法、あるいは、金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法等が用いられる。この時、反応性ガスとして、酸素、窒素、等を導入したり、オゾン添加、プラズマ照射、イオンアシスト等の手段を併用してもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、基板に直流、交流、高周波などのバイアスを印加してもよい。
【0075】
(ハードコート層)
また、タッチパネルとした際の最外層(ペン入力面)の耐擦傷性をさらに向上させるために、透明プラスチックフィルムの透明導電性薄膜を形成させた表面とは反対面(タッチパネルとした際の最外層のペン入力面)に、ハードコート層を設けることが好ましい。前記ハードコート層の硬度は、鉛筆硬度で2H以上であることが好ましい。2H未満の硬度では、透明導電性フィルムのハードコート層としては耐擦傷性の点で不十分である。
【0076】
前記ハードコート層の厚みは0.5〜10μmであることが好ましい。厚みが0.5μm未満では、耐擦傷性が不十分となりやすく、10μmよりも厚い場合には生産性の観点から好ましくない。
【0077】
前記ハードコート層に用いられる硬化型樹脂組成物は、アクリレート系の官能基を有する樹脂が好ましく、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多官能化合物の(メタ)アクリート等のオリゴマーまたはプレポリマーなどが挙げられる。多官能化合物としては、例えば、多価アルコール等が挙げられる。
【0078】
また、反応性希釈剤としては、エチル(メタ)アクリート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用できる。
【0079】
本発明では、オリゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を混合することが好ましい。
【0080】
また、前記ハードコート層に用いられる硬化型樹脂組成物としては、ポリエステルアクリレートとポリウレタンアクリレートとの混合物が特に好適である。ポリエステルアクリレートは塗膜が非常に硬くてハードコート層として適している。しかしながら、ポリエステルアクリレート単独の塗膜では耐衝撃性が低く脆くなりやすいという問題がある。そこで、塗膜に耐衝撃性及び柔軟性を与えるために、ポリウレタンアクリレートを併用することが好ましい。すなわち、ポリエステルアクリレートにポリウレタンアクリレートを併用することで、塗膜はハードコート層としての硬度を維持しながら、耐衝撃性及び柔軟性という機能を具備することができる。
【0081】
両者の配合割合は、ポリエステルアクリレート樹脂100質量部に対し、ポリウレタンアクリレート樹脂を30質量部以下とするのが好ましい。ポリウレタンアクリレート樹脂の配合割合が30質量部を超えると、塗膜が柔らかくなりすぎて耐衝撃性が不十分となる傾向がある。
【0082】
前記の硬化型樹脂組成物の硬化方法は、通常の硬化方法、すなわち、加熱、電子線または紫外線の照射によって硬化する方法を用いることができる。例えば、電子線硬化の場合は、コックロフトワルトン型、ハンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線等が使用される。また、紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハイライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
【0083】
さらに、電離放射線硬化の場合には、前記の硬化型樹脂組成物中に光重合開始剤や光増感剤を含有させることが好ましい。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類などが挙げられる。また、光増感剤としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等が好ましい。
【0084】
ハードコート層に防眩性を付与するためには、硬化型樹脂中にCaCOやSiOなどの無機粒子を分散させたり、ハードコート層の表面に凹凸形状を形成させることが有効である。例えば、凹凸を形成するためには、硬化型樹脂組成物を含む塗液を塗工後、表面に凸形状を有する賦形フィルムをラミネートし、この賦形フィルム上から紫外線を照射し硬化型樹脂を硬化させた後に、賦形フィルムのみを剥離することにより得られる。
【0085】
前記の賦型フィルムには、離型性を有するポリエチレンテレフタレート(以後、PETと略す)等の基材フィルム上に所望の凸形状を設けたもの、あるいは、PET等の基材フィルム上に繊細な凸層を形成したもの等を用いることができる。その凸層の形成は、例えば、無機粒子とバインダー樹脂からなる樹脂組成物を用いて基材フィルム上に塗工することにより得ることができる。
【0086】
前記バインダー樹脂は、例えば、ポリイソシアネートで架橋されたアクリルポリオールを用い、無機粒子としては、CaCOやSiOなどを用いることができる。また、この他にPET製造時にSiO等の無機粒子を練込んだマットタイプのPETも用いることができる。
【0087】
この賦型フィルムを紫外線硬化型樹脂の塗膜にラミネートした後紫外線を照射して塗膜を硬化する場合、賦型フィルムがPETを基材としたフィルムの場合、前記フィルムに紫外線の短波長側が吸収され、紫外線硬化型樹脂の硬化が不足するという欠点がある。したがって、紫外線硬化型樹脂の塗膜にラミネートする賦型フィルムの透過率が20%以上のものを使用することが必要である。
【0088】
(低反射処理)
また、タッチパネルに用いた際に可視光線の透過率をさらに向上させるためにハードコート層上に、低反射処理を施してもよい。この低反射処理は、ハードコート層の屈折率とは異なる屈折率を有する材料を単層もしくは2層以上に積層することが好ましい。
【0089】
単層構造の場合、ハードコート層よりも小さな屈折率を有する材料を用いるのが好ましい。また、2層以上の多層構造とする場合は、ハードコート層と隣接する層は、ハードコート層よりも大きな屈折率を有する材料を用い、この上の層にはこれよりも小さな屈折率を有する材料を選ぶのがよい。このような低反射処理を構成する材料としては、有機材料でも無機材料でも上記の屈折率の関係を満足すれば特に限定されない。例えば、CaF、MgF、NaAlF、SiO、ThF、ZrO、Nd、SnO、TiO、CeO、ZnS、In、などの誘電体を用いるのが好ましい。
【0090】
この低反射処理は、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法などのドライコーティングプロセスでも、グラビア方式、リバース方式、ダイ方式などのウェットコーティングプロセスでもよい。
【0091】
さらに、この低反射処理層の積層に先立って、前処理として、コロナ放電処理、プラズマ処理、スパッタエッチング処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、プライマ処理、易接着処理などの公知の表面処理をハードコート層に施してもよい。
【0092】
(透明導電性樹脂シート)
本発明の透明導電性フィルムを用い、透明導電性薄膜を形成していない面と粘着剤を介して透明樹脂シートと積層することで、タッチパネルの固定電極に用いる透明導電性積層樹脂シートが得られる。すなわち、タッチパネルの固定電極の基板をガラスから透明樹脂シートに変更することで、軽量かつ割れにくいタッチパネルを作製することができる。
【0093】
前記粘着剤は透明性を有するものであれば特に制限はないが、例えばアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤などが好適である。この粘着剤の厚さは特に制限はないが、通常1〜100μmの範囲に設定するのが望ましい。粘着剤の厚みが1μm未満の厚さの場合、実用上問題のない接着性を得るのが難しく、100μmを越える厚さでは生産性の観点から好ましくない。
【0094】
この粘着剤を介して貼合わせる透明樹脂シートは、ガラスと同等の機械的強度を付与するために使用するものであり、厚さは0.05〜5mmの範囲が好ましい。前記透明樹脂シートの厚みが0.05mm未満では、機械的強度がガラスに比べ不足する。一方、厚さが5mmを越える場合には、厚すぎてタッチパネルに用いるには不適当である。また、この透明樹脂シートの材質は、前記の透明プラスチックフィルムと同様のものを使用することができる。
【0095】
(タッチパネル)
図1に、本発明の透明導電性フィルムを用いた、タッチパネルの例を示す。これは、透明導電性薄膜を有する一対のパネル板を、透明導電性薄膜が対向するようにスペーサーを介して配置してなるタッチパネルにおいて、一方のパネル板に本発明の透明導電性フィルムを用いたものである。
【0096】
このタッチパネルは、ペンにより文字を入力した時に、ペンからの押圧により、対向した透明導電性薄膜同士が接触し、電気的にONの状態になり、タッチパネル上でのペンの位置を検出することができる。このペン位置を連続的かつ正確に検出することで、ペンの軌跡から文字を認識することができる。この際、ペン接触側の可動電極が本発明の透明導電性フィルムを用いると、色表示性および視認性に優れるため、色表示性および視認性に優れたタッチパネルとすることができる。
【0097】
なお、本発明の透明導電性フィルム及び透明導電性シートを使用して得た、ガラス基板を用いないプラスチック製のタッチパネルの断面図を図2に示した。このプラスチック製のタッチパネルは、ガラスを用いていないため、非常に軽量であり、かつ、衝撃により割れたりすることがない。
【0098】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、透明導電性フィルムの性能および視認性は、下記の方法により測定した。
【0099】
(1)カラー(L値、a値、b値)
JIS−K7105に準拠し、日本電色工業(株)製ZE−2000を用いて、標準の光C/2でカラーL、a、b値を測定した。
【0100】
(2)視認性
作製した透明導電性フィルムを蛍光灯下で様々な角度に傾けながら、目視によりギラツキの程度を以下の2段階で評価した。
○:ギラツキが全く見られない
×:ギラツキが見られる
【0101】
(3)全光線透過率及びヘイズ
JIS−K7105に準拠し、日本電色工業(株)製NDH−1001DPを用いて、全光線透過率及びヘイズを測定した。
【0102】
(4)表面抵抗率
JIS−K7194に準拠し、4端子法にて測定した。測定機は、三菱油化(株)製 Lotest AMCP−T400を用いた。
【0103】
(5)付着力
厚み40μmのアイオノマーフィルムを、ポリエステル系接着剤を用いて、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにラミネートし、付着力測定用積層体を作製した。この付着力測定用積層体のアイオノマー面と透明導電性フィルムの透明導電性薄膜面を対向させ、130℃でヒートシールした。この積層体を付着力測定用積層体と透明導電性フィルムとを180度剥離法で剥離し、この剥離力を付着力とした。この時の剥離速度は1000mm/分とした。
【0104】
(6)分光特性
自記分光光度計(日立U−3500型)を用い、波長300〜800nmの範囲の分光特性を測定した。
【0105】
実施例1
光重合開始剤含有アクリル系樹脂(大日精化工業(株)製、セイカビームEXF−01J)100質量部に、溶剤としてトルエン/MEK(質量比:8/2)の混合溶媒を、固形分濃度が50質量%になるように加え、撹拌して均一に溶解した。さらに、アントラキノン系染料(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、ORACET VIOLET TR、Color Index Solvent Violet 13)1質量部を加え、攪拌して均一に溶解し、塗布液を調製した。
【0106】
両面に易接着層を有する二軸配向透明PETフイルム(東洋紡績(株)製、A4340、厚み188μm)の片面に、上記で調製した塗布液を塗布層の厚みが5μmになるように、マイヤーバーを用いて塗布した。80℃で1分間乾燥を行った後、紫外線照射装置(アイグラフィックス製、UB042−5AM−W型)を用いて紫外線を照射(光量:300mJ/cm)し、塗膜を硬化させた。次いで、180℃で1分間の加熱処理を施して、揮発成分の低減を行なった。
【0107】
また、この硬化物層を積層した二軸配向透明PETフィルムを真空暴露するために、真空チェンバー中で巻き返し処理を行なった。このときの圧力は0.002Paであり、暴露時間は20分とした。また、センターロールの温度は40℃とした。
【0108】
次に、この硬化物層上にインジウム−スズ複合酸化物からなる透明導電性薄膜を成膜した。このとき、スパッタリング前の圧力を0.001Paとし、ターゲットとして酸化スズを5質量%含有した酸化インジウム(三井金属鉱業(株)製、密度7.1g/cm)を用いて、2W/cmのDC電力を印加した。また、Arガスを130sccm、Oガスを10sccmの流速で流し、0.4Paの雰囲気下でDCマグネトロンスパッタリング法で成膜した。ただし、通常のDCではなく、アーク放電を防止するために、日本イーエヌアイ製RPG−100を用いて5μs幅のパルスを50kHz周期で印加した。また、センターロール温度は50℃として、スパッタリングを行った。
【0109】
また、雰囲気の酸素分圧をスパッタプロセスモニター(伯東製、SPM200)にて常時観測しながら、インジウム−スズ複合酸化物薄膜中の酸化度が一定になるように酸素ガスの流量計およびDC電源にフィートバックした。以上のようにして、厚さ22nmのインジウム−スズ複合酸化物からなる透明導電性薄膜を堆積した。
【0110】
<タッチパネルの作製>
この透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上にプラズマCVD法で厚みが20nmのインジウム−スズ複合酸化物(酸化スズ含有量:10質量%)からなる透明導電性薄膜(日本曹達(株)製、S500)を用いた。この2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して、配置しタッチパネルを作製した。
【0111】
実施例2
実施例1において、アントラキノン系染料をフタロシアニン系顔料に変更すること以外は実施例1と同様な方法で透明導電性フィルムを作製し、次いでタッチパネルを作製した。
【0112】
実施例3
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製、バイロンRV280;イオン性基量120eq/ton)2.5質量部及びイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートL)2.0質量部及び溶剤として、メチルエチルケトン67質量部、トルエン28.5質量部、アントラキノン系染料(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、ORACET VIOLET TR、Color Index Solvent Violet 13)0.25質量部を混合し塗布液を得た。次に、上記で調整した塗布液を、両面に易接着層を有する厚さ188μmの二軸配向透明PETフィルム(東洋紡績(株)製、コスモシャインA4350)の片面に、バーコート法(ワイヤーバー:No.3)を用いてコーティングし、180℃で1分間熱処理を施した。アントラキノン系染料を含有する塗布層の厚みは、乾燥後で0.3μmであった。
【0113】
上記フィルムの染料含有塗布層面側に、実施例1と同様にしてインジウム−スズ複合酸化物薄膜を成膜した。さらに、この透明導電性フィルムを用いて、実施例1と同様にしてタッチパネルを作製した。
【0114】
実施例4
(下地層用塗布液の調整)
光重合開始剤含有アクリル系樹脂(大日精化工業(株)製、セイカビームEXF−01J)100質量部に、溶剤としてトルエン/MEK(質量比:8/2)の混合溶媒を、固形分濃度が50質量%になるように加え、撹拌して均一に溶解し、下地層用塗布液を調製した。
【0115】
(染料含有PETの作製)
一方、アントラキノン系染料(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、ORACETVIOLET TR、Color Index Solvent Violet 13)を1000ppm含有し、粒子を実質上含有しない、固有粘度が0.61dl/gであるポリエチレンテレフタレート(PET)を作製した。
【0116】
(易接着層用塗布液の調整)
基材となるPETフィルムに易接着層を設ける際に用いる塗布液は、下記の方法にしたがって調製した。
ジメチルテレフタレート95質量部、ジメチルイソフタレート95質量部、エチレングリコール35質量部、ネオペンチルグリコール145質量部、酢酸亜鉛0.1質量部および三酸化アンチモン0.1質量部を反応容器に仕込み、180℃で3時間かけてエステル交換反応を行った。次に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6.0質量部を添加し、240℃で1時間かけてエステル化反応を行った後、250℃で減圧下(10〜0.2mmHg)で2時間かけて重縮合反応を行い、数平均分子量19500、軟化点60℃の共重合ポリエステル樹脂を得た。
【0117】
得られた共重合ポリエステル樹脂の30%水分散液を6.7質量部、重亜硫酸ソーダでブロックしたイソシアネート基を含有する自己架橋型ポリウレタン樹脂の20質量%水溶液(第一工業製薬(株)製、エラストロンH−3)を40質量部、エラストロン用触媒(第一工業製薬(株)製、Cat64)を0.5質量部、水を47.8質量部およびイソプロピルアルコールを5質量部、それぞれ混合し、さらにフッ素系界面活性剤(大日本インキ化学(株)製、メガファックF−142D)を1質量%、コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、スノーテックスOL)を5質量%添加し、易接着層用塗布液とした。
【0118】
(基材の易接着PETフィルムの作製)
原料ポリマーとして、前記で作製した、アントラキノン系染料を含有し、粒子を実質上含有していない、固有粘度が0.61dl/gのPETのペレットを、135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した。その後、押し出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出しして、表面温度20℃に保った金属ロール上で急冷固化するとともに、冷却ロールとの接触面とは反対側のフィルム表面には高速気流を吹きつけて冷却し、厚さ2632μmのキャストフィルムを得た。なお、溶融PETを押出し時に、異物除去用濾材として、濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が15μmのステンレス製焼結濾材を用いた。
【0119】
次に、このキャストフィルムを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に3.5倍延伸して一軸配向PETフィルムを得た。
【0120】
次いで、前記易接着層形成用塗布液を濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が25μmであるフェルト型ポリプロピレン製濾材で精密濾過し、リバースロール法で両面に塗布、乾燥した。この時のコート量はいずれも0.01g/mであった。塗布後引き続いて、フィルムの端部をクリップで把持して、130℃に加熱された熱風ゾーンに導き乾燥した後、幅方向に4.0倍に延伸し、両面に易接着層を有する、厚さ188μmの二軸配向PETフィルムを得た。
【0121】
(易接着PETフィルムへの下地層の塗設)
次に、前記アントラキノン系染料含有二軸配向透明PETフイルム(厚み188μm)の片面に、乾燥後の塗膜の厚みが5μmになるように、前記の下地層形成用塗布液をマイヤーバーにより塗布した。80℃で1分間乾燥を行った後、紫外線照射装置(アイグラフィックス製、UB042−5AM−W型)を用いて紫外線を照射(光量:300mJ/cm)し、塗膜を硬化させた。さらに、180℃で1分間の加熱処理を施して揮発成分の低減を行ない、実施例1と同様にしてインジウム−スズ複合酸化物薄膜を成膜した。また、この透明導電性フィルムを用いて、実施例1と同様にしてタッチパネルを作製した。
【0122】
実施例5
実施例1において、染料を含有させなかったこと以外は実施例1と同様な方法で、二軸配向透明易接着PETフィルム基材/硬化物層からなる積層体を作製した。次いで、硬化物層面とは反対面に、ハードコート層樹脂としてポリエステルアクリレートとポリウレタンアクリレートとの混合物からなる紫外線硬化型樹脂(大日精化工業(株)製、EXG)を乾燥後の膜厚が5μmになるようにグラビアリバース法により塗布し、溶剤を乾燥させた。この後、160Wの紫外線照射装置の下を10m/分の速度で、前記ハードコート層/二軸配向透明易接着PETフィルム基材/硬化物層からなる積層体を通過させることにより、紫外線硬化型樹脂を硬化させ、ハードコート層を形成させた。次いで、180℃で1分間の加熱処理をおこない、揮発成分の低減を行った。
【0123】
このハードコート層/二軸配向透明PETフィルム基材/硬化物層からなる積層体の硬化物層上に、実施例1と同様にしてインジウム−スズ複合酸化物薄膜を成膜した。さらに、この透明導電性フィルムを用いて、実施例1と同様にしてタッチパネルを作製した。
【0124】
実施例6
実施例1において、染料を含有させないこと以外は同様にして、二軸配向透明PETフィルム基材/硬化物層からなる積層体を作製した。この積層体の硬化物層面とは反対面に、ハードコート層樹脂としてポリエステルアクリレートとポリウレタンアクリレートとの混合物からなる紫外線硬化型樹脂(大日精化工業(株)製、EXG)とアントラキノン系染料を含む溶液を乾燥後の膜厚が5μmになるようにグラビアリバース法により塗布し、溶剤を乾燥した。なお、アントラキノン系染料(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、ORACET VIOLET TR、Color Index Solvent Violet 13)は、前記紫外線硬化型樹脂に対し1質量%含有させた。
【0125】
次いで、表面に微細な凸形状が形成されたPETフィルムのマット賦形フィルム(東レ(株)製、X)をマット面が紫外線硬化型樹脂と接するようにラミネートした。このマット賦形フィルムの表面形状は、平均表面粗さ0.40μm、山の平均間隔160μm、最大表面粗さ25μmである。
【0126】
このようにラミネートしたフィルムを160Wの紫外線照射装置の下を10m/分の速度で通過させ、紫外線硬化型樹脂を硬化させた。次いで、マット賦形フィルムを剥離して、表面に凹形状加工が施され防眩効果を有するハードコート層を形成させた。次いで、180℃で1分間の加熱処理をおこない、揮発成分の低減を行った。
【0127】
この防眩性ハードコート層/二軸配向透明PETフィルム基材/硬化物層からなる積層体の硬化物層上に、実施例1と同様にしてインジウム−スズ複合酸化物薄膜を透明導電性薄膜として成膜した。さらに、この透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、実施例1と同様にしてタッチパネルを作製した。
【0128】
実施例7
実施例6と同様にして、防眩性ハードコート層/二軸配向透明PETフィルム基材/硬化物層/透明導電性薄膜層からなる積層体を作製し、次いで、この防眩性ハードコート層上に、順次TiO薄膜層(屈折率:2.30、膜厚15nm)、SiO薄膜層(屈折率:1.46、膜厚29nm)、TiO薄膜層(屈折率:2.30、膜厚109nm)、SiO薄膜層(屈折率:1.46、膜厚87nm)を積層することで反射防止処理層を形成した。
【0129】
TiO薄膜層は、チタンをターゲットに用いて、直流マグネトロンスパッタリング法で、真空度を0.27Paとし、ガスとしてArガスを500sccm、Oガスを80sccmの流速で流すことにより形成させた。また、基板の背面には0℃の冷却ロールを設けて、透明プラスチックフィルムを冷却した。このときのターゲットには7.8W/cmの電力を供給し、ダイナミックレートは23nm・m/分であった。
【0130】
SiO薄膜は、シリコンをターゲットに用いて、直流マグネトロンスパッタリング法で、真空度を0.27Pa、ガスとしてArガスを500sccm、Oガスを80sccmの流速で流すことにより形成させた。また、基板の背面には0℃の冷却ロールを設けて、透明プラスチックフィルムを冷却した。このときのターゲットには7.8W/cmの電力を供給し、ダイナミックレートは23nm・m/分であった。さらに、この透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、実施例1と同様にしてタッチパネルを作製した。
【0131】
実施例8
実施例1において、染料を含有させないこと以外は実施例1と同様にして、透明導電性フィルムを作製した。この透明導電性フィルムを、アントラキノン系染料(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、ORACET VIOLET TR、Color Index Solvent Violet 13)を1質量%含有させたアクリル系粘着剤を介して、厚みが1.0mmのポリカーボネート製のシートに貼り付けて、透明導電性積層シートを作製した。この透明導電性積層シートを固定電極として用い、実施例4記載の透明導電性フィルムを可動電極に用いて、実施例1と同様にしてタッチパネルを作製した。
【0132】
比較例1
実施例1において、染料を含有させないこと以外は、実施例1と同様にして透明導電性フィルムを作製した。さらに、この透明導電性フィルムを用いて、実施例1と同様にしてタッチパネルを製作した。
【0133】
比較例2
両面に易接着層を有する二軸配向透明PETフイルム(東洋紡績(株)製、A4340、厚み188μm)の片面に、二層からなる光学干渉層を積層した。すなわち、まずテトラブトキシチタネート(日本曹達(株)製、B−4)をリグロイン(和光純薬工業(株)製の等級が一級品)とブタノール(和光純薬工業(株)製の等級が特級品)の混合溶媒(質量比:1/1)で希釈した塗液を用いてロールコーティングし、130℃で2分間熱処理して、膜厚41nm、屈折率1.82のTi含有層を形成した。
【0134】
次に、前記Ti含有層上に下記組成からなる塗液を用いてロールコーティングし、130℃で5分間熱処理して、膜厚約51nm、屈折率約1.47のSi含有層を形成した。すなわち、イオン交換水720質量部と2−プロパノール1080質量部と酢酸46質量部を混合した後に、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製、KBM403)480質量部とメチルトリメトキシシラン(信越化学(株)製、KBM13)240質量部とN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製、KBM603)120質量部を順次混合し、3時間攪拌して前記アルコキシシラン混合液の加水分解、部分縮合を行い、さらにイソプロピルアルコールと1−メトキシ−2−プロパノールとの混合溶媒(質量比:1/1)で希釈し、前記Si含有層形成用の塗液とした。
【0135】
次に、前記光学干渉層が積層されたフィルム表面に実施例1と同様にして導電性フィルムを作製した。さらにこの導電性フィルムを用いて、実施例1と同様にしてタッチパネルを製作した。
【0136】
【表1】
Figure 2004127820
【0137】
表1の結果より、実施例1〜8記載の透明導電性フィルムおよび透明導電性シートは、カラー液晶搭載のタッチパネル付きディスプレイ用として用いた際に色表示性に優れ、ギラツキ等の視認性の低下は見られなかった。
【0138】
一方、比較例1記載の透明導電性フィルムおよび透明導電性シートは、カラー液晶搭載のタッチパネル付きディスプレイ用として用いた際に色表示性が悪かった。比較例2記載の透明導電フィルムをカラー液晶搭載のタッチパネル付きディスプレイとして用いた際には色表示性は優れていたが、ギラツキ等の視認性の低下が見られた。
【0139】
【発明の効果】
本発明の透明導電性フィルムは、透明プラスチックフィルム基材上を構成する少なくとも1つの層に、色素(好ましくは、500〜650nmに吸収ピークを有する染料または顔料)を含有しているため、前記透明導電性フィルムをカラー液晶搭載のタッチパネル付きディスプレイとして用いた際に、色表示性及び視認性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明導電性フィルムを用いた、タッチパネルの例の説明図である。
【図2】本発明の透明導電性フィルムを用いた、ガラス基板を使用しないタッチパネルの例の説明図である。
【符号の説明】
10 透明導電性フィルム
11 透明プラスチックフィルム基材
12 硬化物層
13 透明導電性薄膜
14 ハードコート層
20 ビーズ
30 ガラス板
40 透明導電性シート
41 粘着剤
42 透明樹脂シート

Claims (9)

  1. 透明プラスチックフィルム基材および透明導電薄膜からなる透明導電性フィルムであって、前記透明プラスチック基材を構成する少なくとも1つの層に色素を含有することを特徴とする透明導電性フィルム。
  2. 前記透明導電性フィルムの全光線透過率が80%以上、CIE表色系でのa値−1〜1、b値が−1〜3であることを特徴とする請求項1記載の透明導電性フィルム。
  3. 前記色素が500〜650nmに吸収ピークを有する染料または顔料であることを特徴とする請求項1または2記載の透明導電性フィルム。
  4. 前記透明導電性薄膜が、インジウム−スズ複合酸化物またはスズ−アンチモン複合酸化物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
  5. 前記透明導電性フィルムの透明導電性薄膜面とは反対面に、ハードコート層を積層することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
  6. 前記ハードコート層が防眩性を有することを特徴とする請求項5記載の透明導電性フィルム。
  7. 前記ハードコート層に低反射処理を施したことを特徴とする請求項5または6記載の透明導電性フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の透明導電性フィルムの透明導電性薄膜面とは反対面に、粘着剤を介して透明樹脂シートを貼り合わせることを特徴とする透明導電性シート。
  9. 前記透明導電性薄膜を有する一対のパネル板を透明導電性薄膜が対向するようにスペーサーを介して配置してなるタッチパネルにおいて、少なくとも一方のパネル板が請求項1〜8のいずれかに記載の透明導電性フィルムまたは透明導電性シートからなることを特徴とするタッチパネル。
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