JP2008210780A - 分散型el素子及びその製造方法 - Google Patents

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貴祐 樋口
Akinori Nagai
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Abstract

【課題】透明導電層と発光層の間に、樹脂成分中に導電性微粒子を含有する透明誘電体層を有することを特徴としており、発光が均一であり、輝度低下を抑制でき、絶縁破壊が起こり難く、さらに薄膜化が可能な分散型EL素子を提供することができる。
【解決手段】透明基材の上に透明導電層、発光層、誘電体層及び背面電極を順次積層してなる分散型EL素子において、透明導電層と発光層の間に、樹脂成分中に導電性微粒子を含有する透明誘電体層を設けることを特徴とする分散型EL素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、分散型EL(Electroluminescence)素子及びその製造方法に関する。
分散型EL素子は、高電界下で加速された発光体中の電子が発光体原子に衝突して発光体原子を励起し、この励起状態が基底状態に戻るときの発光現象を利用した素子である。分散型EL素子は、面発光するという特徴からLCDのバックライト、時計の文字盤、各種照明、表示素子等への利用が進められている。
分散型EL素子の一般的な構造は、特許文献1の発明に開示されているように、透明電極上に発光層、誘電体層及び背面電極を順次積層した構造である。前記構造の場合、透明電極と発光層が接触しているため、発光層の接触部分は経時劣化が起こり易く、その結果として、発光輝度が低下するまたは発光が不均一となるといった課題がある。また、前記構造において、電極間に交流電界を印加したときの絶縁破壊を防止するには、誘電体層を厚くしなければならないといった課題もある。
また、特許文献2には、透明電極と発光層の間にパラジウム膜を形成したEL素子に関する発明が開示されている。パラジウム膜の形成は、発光層の経時劣化には効果があるが、パラジウム膜の形成は、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング法等により行われるため、製造工程が煩雑になりやすくまた生産性にやや劣るといった課題がある。
また、特許文献3や特許文献4には、透明電極と発光層の間にシアノエチル化樹脂またはポリエステル樹脂からなる有機樹脂層を形成したEL素子に関する発明が開示されている。有機樹脂層の形成は、発光層の経時劣化には効果はあるが、有機樹脂層自体の誘電率が十分に高くはないため、EL素子の発光輝度が低くなるといった課題がある。
また、特許文献5には、透明電極と発光層の間にフッ素樹脂薄膜を形成したEL素子に関する発明が開示されている。フッ素樹脂薄膜の形成は、発光を均一にする効果はあるが、フッ素樹脂薄膜自体の誘電率が十分に高くはないため、高輝度が要求される用途には十分満足するものではない。
特開昭63−301487号公報 特開昭62−18254号公報 特開昭59−151799号公報 特開平3−133091号公報 特開2000−82584号公報
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、発光が均一であり、輝度低下を抑制でき、絶縁破壊が起こり難く、薄膜化が可能であり、さらに製造工程が簡単な分散型EL素子を提供することにある。
本発明は、透明基材の上に透明導電層、発光層、誘電体層及び背面電極を順次積層してなる分散型EL素子において、透明導電層と発光層の間に、樹脂成分及び導電性微粒子を含有する透明誘電体層を設けることを特徴とする分散型EL素子に関する。また、本発明は、透明基材上に透明導電層を形成する工程、前記透明導電層の上に樹脂成分及び導電性微粒子を含有する透明誘電体塗料組成物を塗布・乾燥することにより透明誘電体層を形成する工程、前記透明誘電体層の上に発光塗料組成物を塗布・乾燥することにより発光層を形成する工程、前記発光層の上に誘電体塗料組成物を塗布・乾燥することにより誘電体層を形成する工程、及び前記誘電体層の上に背面電極を形成する工程をこの順で有する分散型EL素子の製造方法に関する。
本発明の分散型EL素子は、透明導電層と発光層の間に、樹脂成分及び導電性微粒子を含有する透明誘電体層を有することを特徴としており、本発明によれば、高い発光輝度を有し、発光が均一であり、絶縁破壊が起こり難く、さらに薄膜化が可能な分散型EL素子を簡単な製造工程で得ることができる。さらに本発明の製造方法は視認面である透明基材側から積層するため、発光層の視認面側の界面を平滑にすることができ、その結果得られる分散型EL素子は、発光面の輝度にばらつきがない均一な発光を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について図を参照して説明する。図1は本発明の実施形態に係る分散型EL素子の断面図である。
図1の分散型EL素子は、透明基材1の上に透明導電層2、発光層3、誘電体層4及び背面電極5を順次積層してなる分散型EL素子において、透明導電層2と発光層3の間に、樹脂成分及び導電性微粒子を含有する透明誘電体層6を設けている。
透明基材1は、通常当該分野で使用されている透明基材であれば特に限定することなく使用できる。例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル板等が挙げられる。
透明導電層2は、通常当該分野で使用されている透明導電層であれば特に限定することなく使用できる。例えば、インジウム錫酸化物(以下「ITO」と略すことがある)、酸化インジウム、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)等からなる薄膜等が挙げられる。
発光層3は、通常当該分野で使用されている発光層であれば特に限定することなく使用できる。例えば、発光材料及び樹脂成分を含有する発光塗料組成物からなる層が挙げられる。発光材料としては、例えば、硫化亜鉛(ZnS)を母体材料とし、賦活剤として銅(Cu)、マンガン(Mn)、銀(Ag)等、共賦活剤として、アルミニウム(Al)、ヨウ素(I)、臭素(Br)、塩素(Cl)等を添加したもの等が挙げられる。樹脂成分としては、特に限定されるものではない。樹脂成分としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂;シアノエチル化プルラン、シアノエチル化セルロース、シアノエチル化サッカロース、シアノエチル化ポリビニルアルコール、シアノエチル化フェノキシ樹脂等のシアノエチル化樹脂;フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン樹脂等のフッ素化樹脂等が挙げられる。また、樹脂成分として上記樹脂等と反応する硬化剤を配合することもできる。硬化剤としては、例えば、イミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤、イソシアネート硬化剤、メラミン硬化剤等が挙げられる。硬化剤を配合することは、形成される膜を架橋膜とし、他の層との混層を抑制することができる点から好ましい。
誘電体層4は、通常当該分野で使用されている誘電体層を使用することができる。例えば、高誘電体材料の薄膜、樹脂成分からなる層、高誘電体材料及び樹脂成分からなる層等が挙げられる。高誘電体材料としては、例えば、酸化ケイ素(SiO)、オキシ窒化珪素(SiON)、窒化珪素(Si)、酸化アルミニウム(Al)、酸化イットリウム(Y)、タンタル酸バリウム(BaTa)、酸化タンタル(Ta)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)、ニオブ酸鉛(PbNb)等が挙げられる。樹脂成分としては、例えば、発光層3の説明において列記した中から適宜選択して使用することができる。
また、誘電体塗料組成物として、後述する透明誘電体塗料組成物を用いてもよい。誘電体層4を透明誘電体塗料組成物からなる層とすれば、薄膜かつ高誘電率の層を得ることができ、その結果、高発光輝度のEL素子を得ることができるため好ましい。
背面電極5は、通常当該分野で使用されている背面電極であれば特に限定することなく使用できる。例えば、アルミニウムなどの金属シート;金、アルミニウムなどの金属若しくはITOなどの導電性金属酸化物の蒸着膜又は該蒸着膜を積層したプラスチックシート;銀、アルミニウムなどの金属粉末またはITOなどの導電性金属酸化物を樹脂または溶剤中に分散した導電性ペーストの塗布膜等が挙げられる。
透明誘電体層6は、樹脂成分及び導電性微粒子を含有する透明誘電体塗料組成物から形成することができる。透明誘電体層は樹脂成分中に導電性微粒子が分散した構造をしていることが好ましい。
導電性微粒子は、形成される透明誘電体層6の透明性を損なうことのない範囲で従来公知の導電性微粒子を使用することができる。具体的には、インジウム錫酸化物(以下「ITO」と略すことがある)、酸化インジウム、酸化錫、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)等の金属酸化物が好ましい。
また、導電性微粒子は表面処理されていることが好ましい。導電性微粒子を表面処理することにより、導電性微粒子を絶縁化することができるため、形成される透明誘電体層の絶縁性を損なうことなく、透明誘電体層中の導電性微粒子の含有量を高くすることができる。その結果、高い比誘電率を有する透明誘電体層を形成することができる。
表面処理の方法は特に限定されず従来公知の方法が使用できる。具体的には、例えば、導電性微粒子の表面に、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシチタン等の金属アルコキシドをゾル―ゲル反応により金属酸化物として析出することにより表面処理する方法;導電性微粒子をシランカップリング剤と反応させることにより表面処理する方法;シランカップリング剤を介して樹脂により導電性微粒子を表面処理する方法;導電性微粒子と樹脂を機械的に混合して表面処理する方法;導電性微粒子の表面に珪酸ナトリウム等の珪酸塩、アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸塩等をpHを調整して金属酸化物として析出させることにより表面処理する方法等が挙げられる。
導電性微粒子の平均粒子径は、10nm〜2000nmが好ましく、10nm〜500nmがさらに好ましい。導電性微粒子の平均粒子径がこの範囲であれば、透明誘電体層の透明性を高度に維持することができる。ここで、導電性微粒子の平均粒子径は、レーザー回折散乱法によって測定される体積基準粒度分布のメジアン径(d50)であって、例えば日機装社製のマイクロトラック粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
また、導電性微粒子の含有量は、形成される透明誘電体層の絶縁性及び誘電率の点から、透明誘電体層中に5〜40Vol%の範囲で含有されることが好ましく、10〜30Vol%の範囲であればさらに好ましい。なお、表面処理された導電性微粒子の含有量においては、表面処理部分を除いた導電性微粒子のみの量を基準に計算する。
透明誘電体塗料組成物に含有される樹脂成分は、特に限定されるものではなく、例えば、発光層3の説明において列記した中から適宜選択して使用することができる。特に比誘電率の点から、シアノエチル化プルラン、シアノエチル化セルロース、シアノエチル化サッカロース、シアノエチル化ポリビニルアルコール、シアノエチル化フェノキシ樹脂等のシアノエチル化樹脂が好ましい。さらに、樹脂成分としてこれら樹脂と反応する硬化剤を配合することもできる。硬化剤としては、例えば、イミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤、イソシアネート硬化剤、メラミン硬化剤等が挙げられる。硬化剤を配合することは、形成される膜を架橋膜とし、他の層との混層を抑制することができる点から好ましい。
また、透明誘電体塗料組成物は、性能を損なうことのない範囲で、他の成分として、溶剤、顔料分散剤、表面調整剤等を含有していてもよい。
透明誘電体層6の静電容量密度は、発光輝度の点から2×10−9F/cm(2nF/cm)以上であることが好ましく、4×10−9F/cm(4nF/cm)以上であればさらに好ましい。ここで、静電容量密度σは、AC5V、周波数1kHzの条件で測定される静電容量の値を電極面積で除した値であり、静電容量の値は、例えば、日置電機社製のLCR HiTester 3532−50を用いて測定することができる。
透明誘電体層6の比誘電率は、発光輝度の点から20以上であることが好ましく、30以上であればさらに好ましい。ここで、比誘電率は、前記静電容量密度σ(F/cm)、層の厚さd(m)、及び真空の誘電率e=8.82×10−12(F/m)を下記式1に代入することにより算出される値である。
比誘電率=(10,000×σ×d)/e 式1
また、透明誘電体層6は、色合いの変化や発光輝度の低下を抑制する点から、発光層3が発光する波長範囲における光線透過率が80%以上であることが好ましい。
透明誘電体層6の厚さは特に限定されるものではないが、絶縁性を損ねることなく高い静電容量密度を有する透明誘電体層を得ることができる点及び絶縁破壊が起こり難くかつ発光輝度の高いEL素子を得ることができる点から、好ましくは0.3〜50μmの範囲、さらに好ましくは0.5〜10μmの範囲、特に好ましくは0.8〜7μmの範囲である。
本発明の分散型EL素子の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、透明基材1上に透明導電層2、透明誘電体層6、発光層3、誘電体層4及び背面電極5を順に積層する製造方法;背面電極5の上に誘電体層4、発光層3、透明誘電体層6、透明電極層2及び透明基材1を順に積層する製造方法;透明基材1から順に発光層3までの各層を積層したものと背面電極5の上に誘電体層4を積層したものを張り合わせて製造する方法等が挙げられる。
特に、透明基材1上に透明導電層2を形成する工程、前記透明導電層2の上に樹脂成分及び導電性微粒子を含有する透明誘電体塗料組成物を塗布・乾燥することにより透明誘電体層6を形成する工程、前記透明誘電体層6の上に発光塗料組成物を塗布・乾燥することにより発光層3を形成する工程、前記発光層3の上に誘電体塗料組成物を塗布・乾燥することにより誘電体層4を形成する工程、及び前記誘電体層4の上に背面電極5を形成する工程をこの順で有する製造方法が、工程が簡単な点及び発光層の視認面側の界面の平滑性の点から好ましい。以下にこの製造方法を詳細に説明する。
まず透明基材1の上に透明導電層2を形成する。形成方法は特に限定されるものではなく公知の方法が使用できる。具体的には、例えば、透明基材1の上に透明導電性ペーストを塗布・乾燥して透明導電層2を形成する方法、透明基材1の上に透明導電薄膜を蒸着により形成する方法等が挙げられる。
続いて、透明導電層2の上に、樹脂成分及び導電性微粒子を含有した透明誘電体塗料組成物を塗布・乾燥し、透明誘電体層6を形成する。塗布方法は、膜厚が均一であり、かつ平滑な塗面を得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。具体的には、例えばエアスプレー塗装、スピンコート、カーテンコート塗装、ロールコート塗装、スクリーン印刷等をあげることができる。乾燥条件は、透明誘電体塗料組成物中に含まれる溶剤を十分に除去する条件、又は硬化剤を含有する場合には樹脂と硬化剤が反応する条件であれば、特に限定されるものではなく適宜決定することができる。
続いて、前記において形成した透明誘電体層6の上に、発光塗料組成物を塗布・乾燥し、発光層3を形成する。塗布方法及び乾燥方法は、特に限定されるものではなく、前記透明誘電体層の形成方法と同様の方法を採ることができる。
続いて、前記において形成した発光層3の上に、誘電体塗料組成物を塗布・乾燥し、誘電体層4を形成する。塗布方法及び乾燥方法は、特に限定されるものではなく、前記透明誘電体層の形成方法と同様の方法を採ることができる。
さらに、前記において形成した誘電体層4の上に、背面電極5を形成する。背面電極の形成方法は、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、金、アルミニウムなどの金属を誘電体層の上に蒸着する方法、アルミニウムなどの金属シートと誘電体層をラミネートにより接合させる方法、銀、アルミニウムなどの金属粉末またはITOなどの導電性金属酸化物を樹脂または溶剤中に分散した導電性ペーストを誘電体層4の上に塗布した後、乾燥して形成する方法等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
表面処理導電性微粒子の調製例
表面処理導電性微粒子(a)の調製
NanoTek ITO−R(シーアイ化成社製、商品名、ITO微粒子、平均粒子径30nm)10gを脱イオン水90g中に配合し、硝酸でpH4に調整した後、2時間超音波分散を行った。分散後、分散液を40℃に保持しながら攪拌し、その分散液にテトラエトキシシラン13gをゆっくりと滴下した。滴下終了後、40℃に保持したまま、4時間さらに攪拌し、その後、脱イオン水及びアセトンを用いて洗浄、減圧乾燥を行い、表面処理導電性微粒子(a)を得た。得られた表面処理導電性微粒子(a)について、光電子分光法にて組成分析を行い、ITO微粒子にシリカが表面処理されていることを確認した。
表面処理導電性微粒子(b)の調製
NanoTek ITO−R 10gをイソプロパノール90g、脱イオン水0.1gの溶媒中に配合し、2時間超音波分散を行った。分散後、チタンテトライソプロポキシド3.5g配合し、さらに超音波分散を2時間行った。その後、イソプロパノールで洗浄、減圧乾燥を行い、表面処理導電性微粒子(b)を得た。得られた表面処理導電性微粒子(b)について、光電子分光法にて組成分析を行い、ITO微粒子に酸化チタンが表面処理されていることを確認した。
表面処理導電性微粒子(c)の調製
NanoTek ITO−R 10g、ジョンクリル862(商品名、ジョンソンワックス社製、アクリル樹脂)4g及び塩化ナトリウム100gを混合し、遊星ボールミルで5時間分散した。その後、80℃の温水に入れ1時間攪拌し塩化ナトリウムを溶解させた。溶解後、濾過を行い、さらに脱イオン水で洗浄、乾燥を行い、表面処理導電性微粒子(c)を得た。得られた表面処理導電性微粒子(c)について、透過型電子顕微鏡にて観察を行い、ITO微粒子が樹脂により表面処理されていることを確認した。
透明誘電体塗料組成物の調製例
透明誘電体塗料組成物(A−1)の調製
シクロヘキサノン溶媒中にシアノレジンCR−S(信越化学工業社製、商品名、シアノエチル化プルラン)を溶解させた固形分20重量%の樹脂溶液40.5g及び表面処理導電性微粒子(a)6.2gを混合し、スキャンディックスにて12時間分散を行い、透明誘電体塗料組成物(A−1)を得た。
透明誘電体塗料組成物(A−2)の調製
シクロヘキサノン溶媒中にシアノレジンCR−Sを溶解させた固形分20重量%の樹脂溶液26.6g、表面処理導電性微粒子(a)9.2g及びシクロヘキサノン14.7gを混合し、スキャンディックスにて12時間分散を行い、透明誘電体塗料組成物(A−2)を得た。
透明誘電体塗料組成物(B−1)の調製
シクロヘキサノン溶媒中にシアノレジンCR−Sを溶解させた固形分20重量%の樹脂溶液40.5g及び表面処理導電性微粒子(b)5.9gを混合し、スキャンディックスにて12時間分散を行い、透明誘電体塗料組成物(B−1)を得た。
透明誘電体塗料組成物(B−2)の調製
シクロヘキサノン溶媒中にシアノレジンCR−Sを溶解させた固形分20重量%の樹脂溶液26.6g、表面処理導電性微粒子(b)8.8g及びシクロヘキサノン14.7gを混合し、スキャンディックスにて12時間分散を行い、透明誘電体塗料組成物(B−2)を得た。
透明誘電体塗料組成物(C−1)の調製
シクロヘキサノン溶媒中にシアノレジンCR−Sを溶解させた固形分20重量%の樹脂溶液40.5g及び表面処理導電性微粒子(c)6.1gを混合し、スキャンディックスにて12時間分散を行い、透明誘電体塗料組成物(C−1)を得た。
透明誘電体塗料組成物(C−2)の調製
シクロヘキサノン溶媒中にシアノレジンCR−Sを溶解させた固形分20重量%の樹脂溶液26.6g、表面処理導電性微粒子(c)9.0g及びシクロヘキサノン14.7gを混合し、スキャンディックスにて12時間分散を行い、透明誘電体塗料組成物(C−2)を得た。
透明誘電体塗料組成物(D−1)の調製
シクロヘキサノン溶媒中にシアノレジンCR−Sを溶解させた固形分20重量%の樹脂溶液40.5g及びNanoTek ITO−R 5.9gを混合し、スキャンディックスにて12時間分散を行い、透明誘電体塗料組成物(D−1)を得た。
誘電体塗料組成物(E−1)の調製
シクロヘキサノン溶媒中にシアノレジンCR−Sを溶解させた固形分20重量%の樹脂溶液43.6g及びチタン酸バリウム(和光純薬社製)5.3gを混合し、スキャンディックスにて12時間分散を行い、誘電体塗料組成物(E−1)を得た。
発光塗料組成物の調製
シクロヘキサノン溶媒中にシアノレジンCR−Sを溶解させた固形分20重量%の樹脂溶液7.4g、GlacierGLO GGS42(オスラムシルバニア社製、商品名、発光材料)5.5g及びシクロヘキサノン22.1gを混合後、攪拌し、発光塗料組成物を得た。
実施例1〜7 分散型EL素子の作成
ITO膜による透明導電層を形成した電極つきのガラス基材(3cm×3cm)のITO膜面上に、表1の各透明誘電体塗料組成物をスピンコートにより塗布し、140℃のホットプレート上で乾燥を行い、膜厚5μmの透明誘電体層を形成した。続いて、透明誘電体層上に上記で調製した発光塗料組成物をエアスプレー塗装により塗布し、140℃のホットプレート上で乾燥を行った。さらに、塗布、乾燥を合計8回行い膜厚50μmの発光層を形成した。続いて、再び表1に示す各透明誘電体塗料組成物をスピンコーターにより塗布し、140℃のホットプレート上で乾燥を行い、膜厚5μmの誘電体層を形成した。さらに誘電体層上に金を蒸着し、実施例1〜7の分散型EL素子を作成した。
比較例1
透明誘電体層を形成しないこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の分散型EL素子を作成した。
比較例2
透明誘電体層において、透明誘電体塗料組成物の代わりにシクロヘキサノン溶媒中にシアノレジンCR−Sを溶解させた固形分20重量%の樹脂溶液を用いること以外は実施例1と同様にして、比較例2の分散型EL素子を作成した。
比較例3
透明誘電体層及び誘電体層において、透明誘電体塗料組成物の代わりに、シクロヘキサノン溶媒中にシアノレジンCR−Sを溶解させた固形分20重量%の樹脂溶液を用いる以外は実施例1と同様にして、比較例3の分散型EL素子を作成した。
比較例4
透明誘電体層及び誘電体層において、透明誘電体塗料組成物の代わりに、誘電体塗料組成物(E−1)を用いる以外は実施例1と同様にして、比較例4の分散型EL素子を作成した。
Figure 2008210780
(注1)チタン酸バリウムの含有量(vol%)
評価試験
下記方法により各評価試験を行った。評価結果を表1に示した。
(1)透明誘電体層の静電容量密度及び比誘電率の算出
・静電容量測定用試料の作成
ITO電極を形成したガラス基材(電極面積:1cm×1cm)上に、表1に示す各誘電体塗料組成物をスピンコーターにより塗布し、140℃のホットプレート上で乾燥を行い、膜厚5μmの透明誘電体層を形成した。続いて、ITO電極と対になるように透明誘電体層上に金を蒸着し(電極面積:1cm×1cm)、静電容量測定用試料を作成した。
・静電容量の測定及び静電容量密度の算出
上記で作成した静電容量測定用試料について、AC5V、周波数1kHzの条件で静電容量を測定した。測定には、日置電機社製のLCR HiTester 3532−50を用いた。さらに、静電容量の値を電極面積で除して静電容量密度σを算出した。
・比誘電率の算出
前記式1より、各試料の比誘電率を算出した。
(2)透明誘電体層の光線透過率の測定
厚さ2mmのガラス板上に、表1の各透明誘電体塗料組成物をスピンコートにより塗布し、140℃のホットプレート上で乾燥を行い、膜厚5μmの透明誘電体層を形成した。測定には日立計測サービス社製スペクトロフォトメーターU−3000を用い、波長550nmにおける光線透過率を測定した。リファレンスとして同ガラス板を用い、下記式から透明誘電体層の光線透過率を求めた。
(透明誘電体層の光線透過率)=[(ガラス板付き透明誘電体層の光線透過率)/(ガラス板の光線透過率)]×100
(3)分散型EL素子の発光輝度測定
分散型EL素子それぞれに実効電圧100V、1kHzの交流電圧を印加し、初期発光輝度を測定した。輝度測定には、コニカミノルタ社製の輝度計LS−110を用い、分散型EL素子の発光面の中心から垂直方向に5cm離れた位置で測定した。
(4)面発光の均一さ
分散型EL素子それぞれに実効電圧100V、1kHzの交流電圧を1000時間印加したときの面発光の均一さについて、目視により評価した。評価基準は以下のとおりである。
均一 :発光面全体が均一な明るさで発光している
不均一:発光面の所々に発光していない箇所がある
本発明の一実施形態に係る分散型EL素子の断面図である。
符号の説明
1:透明基材、2:透明導電層、3:発光層、4:誘電体層、5:背面電極、6:透明誘電体層

Claims (9)

  1. 透明基材の上に透明導電層、発光層、誘電体層及び背面電極を順次積層してなる分散型EL素子において、透明導電層と発光層の間に、樹脂成分及び導電性微粒子を含有する透明誘電体層を設けることを特徴とする分散型EL素子。
  2. 透明誘電体層の静電容量密度が2×10−9F/cm以上である請求項1記載の分散型EL素子。
  3. 透明誘電体層の比誘電率が20以上である請求項1記載の分散型EL素子。
  4. 導電性微粒子を、透明誘電体層中に5〜40vol%含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の分散型EL素子。
  5. 樹脂成分がシアノエチル化樹脂を含有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の分散型EL素子。
  6. 導電性微粒子が金属酸化物からなる請求項1乃至5のいずれか1項に記載の分散型EL素子。
  7. 導電性微粒子がインジウム錫酸化物からなる請求項1乃至6のいずれか1項に記載の分散型EL素子。
  8. 導電性微粒子が表面処理されてなる請求項1乃至7のいずれか1項に記載の分散型EL素子。
  9. 透明基材上に透明導電層を形成する工程、前記透明導電層の上に樹脂成分及び導電性微粒子を含有する透明誘電体塗料組成物を塗布・乾燥することにより透明誘電体層を形成する工程、前記透明誘電体層の上に発光塗料組成物を塗布・乾燥することにより発光層を形成する工程、前記発光層の上に誘電体塗料組成物を塗布・乾燥することにより誘電体層を形成する工程、及び前記誘電体層の上に背面電極を形成する工程をこの順で有する分散型EL素子の製造方法。
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