JP4769627B2 - 無機分散型エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Description
この素子の特徴は、大面積を均一に発光できることや、フィルム状の光源として、薄く軽量で、ある程度の曲げ等が可能なこと、さらには加工形状の自由度が高いことから設置場所を選ばず、簡便な方法で、壁、円柱、床、天井等に設置できることにあり、これらの使用法が、期待されている。
すなわち本発明は下記の構成により達成された。
透明導電膜と蛍光体層を有し、かつ該透明導電膜と該蛍光体層の間に少なくとも一層の中間層を有するエレクトロルミネッセンス素子において、該蛍光体層が銅をドープした硫化亜鉛、セレン化亜鉛またはそれらの混晶を含む蛍光体粒子を含み、該蛍光体粒子が、周期律表の13族の元素としてGa、InおよびTlから選ばれる少なくとも1種の元素と、15族の元素としてN、P、SbおよびBiから選ばれる少なくとも1種の元素を含有し、該透明導電膜の抵抗率が、10Ω/□以下であることを特徴とする無機分散型エレクトロルミネッセンス素子。
(2)
前記13族の元素がGaであり、前記15族の元素としてN、PおよびSbから選ばれる少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする(1)に記載の無機分散型エレクトロルミネッセンス素子。
(3)
前記透明導電膜が、フィルム又はプラスチック基板上に形成されており、かつ酸化錫を含有していることを特徴とする(1)又は(2)に記載の無機分散型エレクトロルミネッセンス素子。
(4)
前記銅をドープした硫化亜鉛、セレン化亜鉛またはそれらの混晶を含む蛍光体粒子が、Ag及び/又はAuを含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の無機分散型エレクトロルミネッセンス素子。
(5)
前記銅をドープした硫化亜鉛、セレン化亜鉛またはそれらの混晶を含む蛍光体粒子がPd及び/又はPtを含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の無機分散型エレクトロルミネッセンス素子。
(6)
前記銅をドープした硫化亜鉛、セレン化亜鉛またはそれらの混晶を含む蛍光体粒子が、体積加重平均球相当径10μm以下で変動係数30%以下の粒子であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の無機分散型エレクトロルミネッセンス素子。
本発明は上記(1)〜(6)に関するものであるが、参考のためにその他の事項も記載した。
本発明の無機分散型エレクトロルミネッセンス素子は透明導電膜と蛍光体層を有し、蛍光体層が銅をドープした硫化亜鉛、セレン化亜鉛またはそれらの混晶を含む蛍光体粒子を含み、該蛍光体粒子が、周期律表の13族(旧IIIB族)の元素及び15族(旧VB族)の元素から選ばれる少なくとも一種の元素を含有することを特徴とする。
混晶を用いる場合の組成比に関しては、特に制約は無い。結晶として安定であれば良い。
本発明で用いる蛍光体粒子には、更に、Ag及び/又はAu、あるいはPd及び/又はPtをドープすることもまた好ましい。
〔1〕銅をドープした硫化亜鉛、セレン化亜鉛またはそれらの混晶を含む蛍光体粒子の体積加重平均球相当径(以下、粒子サイズということもある)は、20μm以下、好ましくは、15μm以下で特に好ましくは、10μm以下である。ただし下限は、30nm以上が好ましい。また、体積加重平均球相当径の変動係数は、40%以下が好ましく、特には30%以下が好ましい。
本発明における体積加重平均球相当径とは、単純数平均ではなく、粒子個々の体積を各粒子の球相当径に加重して球相当径の平均値を出したものであり、一般に粒度分布計測等において採用される特性値である。
本発明に好ましく用いられる透明導電膜の表面抵抗率は、10Ω以下であることが好ましく、0.01Ω/□〜10Ω/□が更に好ましい。特に0.01Ω/□〜1Ω/□が好ましい。
透明導電膜の表面抵抗率は、JIS K6911に記載の方法に準じて測定することができる。
すなわち、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロースベース等の透明フィルム上に、インディウム・錫酸化物(ITO)や錫酸化物、酸化亜鉛等の透明導電性物質を蒸着、塗布、印刷等の方法で付着、成膜することができる。
この場合、耐久性を上げる目的で透明導電膜表面を酸化錫を主体の層とすることが、好ましい。
透明導電性物質の好ましい付着量は、フィルム又はプラスチック基板に対して、100質量%〜1質量%、より好ましくは、70質量%〜5質量%、さらに好ましくは、40質量%〜10質量%である。
本発明のEL素子において、透明導電膜には一般的に用いられる任意の透明電極材料が用いられる。例えば錫ドープ酸化錫、アンチモンドープ酸化錫、亜鉛ドープ酸化錫、フッ素ドープ酸化錫、酸化亜鉛などの酸化物、銀の薄膜を高屈折率層で挟んだ多層構造、ポリアニリン、ポリピロールなどの共役系高分子などが挙げられる。
これとは異なる方法となるが、金属細線の代わりに、100nm以下の平均厚みを有する金属薄膜を金属酸化物と積層して本発明に適した透明導電膜とすることができる。金属薄膜に用いられる金属としては、AuやIn、Sn、Cu、Niなど耐腐食性が高く、天延性等に優れたものが好ましいが、特にこの限りではない。
これらの複層膜は、高い光透過率を実現することが好ましく、具体的には70%以上の光透過率を有することが好ましく、80%以上の光透過率を有することが特に好ましい。光透過率を規定する波長は、550nmである。
光の透過率に関しては、干渉フィルターを用いて550nmの単色光を取り出し、一般に用いられる白色光源を用いた積分型光量測定やスペクトル測定装置を用いて測定することが出来る。
本発明に用いる蛍光体粒子の母体材料は、硫化亜鉛、セレン化亜鉛またはそれらの混晶を含む。
本発明に用いられる蛍光体粒子の体積加重平均球相当径は、体積加重相当径が20μm以下、好ましくは、15μm以下で特に好ましくは、10μm以下である。ただし下限は、30nm以上が好ましい。
本発明の蛍光体粒子の平均粒子サイズや変動係数は、例えば堀場製作所製・レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920のような、レーザー散乱による方法を用いて測定することができる。ここで、粒子サイズはメジアン径を指すものとする。
第1の焼成によって得られる中間蛍光体粉末をイオン交換水で繰り返し洗浄してアルカリ金属ないしアルカリ土類金属及び過剰の付活剤、共付活剤を除去する。
次いで、得られた中間体蛍光体粉末に第2の焼成をほどこす。第2の焼成は、第1の焼成より低温の500〜800℃で、また短時間の30分〜3時間の加熱(アニーリング)をする。
これら焼成により蛍光体粒子内には多くの積層欠陥が発生するが、微粒子でかつより多くの積層欠陥が蛍光体粒子内に含まれるように、第1の焼成と第2の焼成の条件を適宜選択することが好ましい。
本発明に用いる粒子は、この頻度が50%を超えるものが好ましく、さらに好ましくは、70%を超えるものが好ましい。頻度は、高いほど良い。積層欠陥の間隔は、狭いほど良い。
ここで言う頻度とは、全観測粒子数で5nm以下の間隔で10層以上の積層欠陥を含む破片粒子の観測個数を割った値に100を乗じたものである。
またWO02/080626号パンフレットに記載のごとく、発光中心を含むコア部と非発光のシェル部からなる2重構造化することで、光取り出し効率を高める技術を好ましく用いることができる。
非発光シェル層の形成方法として、レーザー・アブレーション法、CVD法、プラズマCVD法、スパッタリングや抵抗加熱、電子ビーム法などと、流動油面蒸着を組み合わせた方法などの気相法と、複分解法、ゾルゲル法、超音波化学法、プレカーサーの熱分解反応による方法、逆ミセル法やこれらの方法と高温焼成を組み合わせた方法、水熱合成法、尿素溶融法、凍結乾燥法などの液相法や噴霧熱分解法なども用いることができる。
特に、蛍光体の粒子形成で好適に用いられる、水熱合成法、尿素溶融法や噴霧熱分解法は、非発光シェル層の合成にも適している。
上記素子構成において電極間距離のバラツキを中心線平均粗さRaとして見たとき、蛍光体層厚みdに対して(d*1/8)以下の平滑性を有していることが好ましい。
本発明の無機分散型エレクトロルミネッセンス素子は、透明電極層と蛍光体層及び/又は、背面電極と反射絶縁層との間に少なくとも1層の中間層を有することが好ましい。
中間層は有機高分子化合物または無機化合物、またはこれらが複合されていても良いが、有機高分子化合物を含む層を少なくとも1層有することが好ましい。
中間層の厚みは10nm以上100μm以下が好ましく、より好ましくは100nm以上10μm以下であり、特に好ましくは100nm以上1μ以下である。
中間層は実質的な透明性(好ましくは波長550nmの透過率が70%以上、より好ましくは80%以上)を有する範囲で、種々の機能を付与するための添加物を有していても良い。例えばチタン酸バリウム粒子などの誘電体、または酸化スズ、酸化インジウム、酸化スズ−インジウム、金属粒子などの導電体、または染料、蛍光染料、蛍光顔料、または本発明の効果を失わない程度(無機分散型エレクトロルミネッセンス素子全体の輝度のうち30%以下)の発光体粒子を存在させても良い。
また中間層が無機化合物の層と有機高分子化合物の層の組み合わせで構成されているものも好ましい。
中間層の有機高分子化合物が軟化点の高い(例えば200℃以上)化合物である場合、透明電極層や蛍光体層との密着性を改良するなどの目的で、軟化点の低い有機高分子化合物を含む別な中間層を併用することも好ましい。
本発明の用途は、特に限定されるものではないが、光源としての用途を考えると、発光色は白色が好ましい。
発光色を白色とする方法としては、3原色または補色関係に発光する複数の蛍光体を混合する方法が好ましい。(青−緑−赤の組み合わせや、青緑−オレンジの組み合わせなど)また、特開平7−166161号公報、特開平9−245511号公報、特開2002−62530号公報に記載の青色や青緑色発光の蛍光体と蛍光顔料や蛍光染料を用いて発光の一部を緑色や赤色に波長変換(発光)させて白色化する方法も好ましい。さらに、CIE色度座標(x,y)は、x値が0.30〜0.4の範囲で、かつy値が0.30〜0.40の範囲が好ましい。
本発明における白色の実現は、主な発光ピークとして2つのピーク波長を有する2波長ピーク型の発光を指す。具体的には、青緑領域の発光ピークと赤領域の発光ピークを持つ発光パターンを有することになる。この場合、青緑領域の発光ピークは、520nm以下にあることが好ましく、また赤色領域の発光は、590nm以上にあることが好ましいが、特に赤色発光のピークは、600nm以上にあることがより好ましい。
この赤色発光のピーク強度に対し、650nmに置ける発光強度は、相対的に0.40以上0.75あることが、好ましい。特に好ましくは、0.45以上0.60以下が好ましい。
本発明の無機分散型エレクトロルミネッセンス素子の蛍光体層の上部には、蛍光体層からの光線透過率が70%以上であり、外部からの光線に対するヘイズ値が、30%以上に設計された反射防止層を有することができる。特に光線透過率は、80%以上が好ましい。ヘイズ値は、50%以上がより好ましい。光線透過率を規定する波長は、550nmの光に対する値で定義される。
これらの反射防止層は、フィルム状で本発明の無機分散型エレクトロルミネッセンス素子上に貼り合せて用いても良いし、透明導電膜層の支持体の反対側に設定されてもよい。通常最外層となる防湿フィルム上に設定されても良い。
光を取り出さない側の背面電極は、導電性の有る任意の材料が使用出来る。金、銀、白金、銅、鉄、アルミニウムなどの金属、グラファイトなどの中から、作成する素子の形態、作成工程の温度等により適時選択されるが、その中でも熱伝導率が高いことが重要で、2.0W/cm・deg以上であることであることが好ましい。
また、EL素子の周辺部に高い放熱性と通電性を確保するために、金属シートや金属メッシュを用いることも好ましい。
本発明のEL素子は、適当な封止材料を用いて、外部環境からの湿度の影響を排除するよう加工することが好ましい。素子の基板自体が十分な遮蔽性を有する場合には、作成した素子の上方に遮蔽性のシートを重ね、周囲をエポキシ等の硬化材料を用いて封止することが好ましい。また、面状素子をカールさせないために両面に遮蔽性シートを配しても良い。素子の基板が、水分透過性を有する場合は、両面に遮蔽性シートを配することが好ましい。
このような遮蔽性のシートは、ガラス、金属、プラスチックフィルム等の中から目的に応じて選択されるが、例えば特開平2003−249349に開示されているような酸化珪素からなる層と有機高分子化合物からなる多層構成の防湿フィルムを好ましく用いることができるし、3フッ化塩化エチレン等も好ましく用いることができる。
これらのEL素子を作成する際に、防湿フィルムより内部に、吸水層を設けることも可能である。給水層は、ナイロンやポリビニルアルコール等の吸水性が高く、水分保持能力が高い素材からなることが、好ましい。透明性が、高いことも重要である。透明性さえ高ければ、セルロースや紙の様な素材も好ましく用いることが出来る。
特開平4−230996や特開平11−260557に記載の如くフィルムによる防湿だけでなく蛍光体粒子を金属酸化物や窒化物で被覆することで、防湿性を向上させることも好ましく併用することが出来る。
本発明の無機EL素子は誘電体物質を含む誘電体層を有していてもよい。誘電体物質は、薄膜結晶層であっても粒子形状であってもよい。またそれらの組合せであっても良い。誘電体物質を含む誘電体層は、蛍光体粒子層の片側に設けてもよく、また蛍光体粒子層の両側に設けることが好ましい。
誘電体層は、誘電率と絶縁性が高く、且つ高い誘電破壊電圧を有する材料であれば任意のものが用いられる。これらは金属酸化物、窒化物から選択され、例えばTiO2,BaTiO3,SrTiO3,PbTiO3,KNbO3,PbNbO3,Ta2O3,BaTa2O6,LiTaO3,Y2O3,Al2O3,ZrO2,AlON,ZnSなどが用いられる。これらは均一な膜として設置されても良いし、また粒子構造を有する膜として用いても良い。
薄膜結晶層の場合は、基板にスパッタリング等の気相法で形成した薄膜であっても、BaやSrなどのアルコキサイドを用いたゾルゲル膜であっても良い。粒子形状の場合は、蛍光体粒子の大きさに対し十分に小さいことが好ましい。具体的には蛍光体粒子サイズの1/3〜1/1000の大きさが好ましい。
本発明には、特開平9−22781に記載されている酸化セリウム等の無機化合物を用いることができる。また有機化合物を用いることができる。
本発明においては紫外線吸収剤としてモル吸光係数の高いトリアジン骨核を有する化合物を用いることが好ましく、例えば、以下の公報に記載の化合物を用いることができる。
これらは、写真感光材料に好ましく添加されるが、本発明でも有効である。例えば、特開昭46−3335号、同55−152776号、特開平5−197074号、同5−232630号、同5−307232号、同6−211813号、同8−53427号、同8−234364号、同8−239368号、同9−31067号、同10−115898号、同10−147577号、同10−182621号、独国特許第19739797A号、欧州特許第711804A号及び特表平8−501291号等に記載されている化合物を使用できる。
本発明のEL素子は、蛍光体層を、少なくとも一方が透明で、対向する一対の電極で挟持した構成をもつことが好ましい。蛍光体層と電極の間に誘電体層を隣接することが好ましい。
蛍光体層は、蛍光体粒子をバインダーに分散したものを用いる。バインダーとしては、シアノエチルセルロース系樹脂のように、比較的誘電率の高いポリマーや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ化ビニリデンなどの樹脂を用いることができる。特にここで重要なことは、これらの樹脂のガラス転移温度が、40℃よりも充分高いことである。これらの樹脂に、BaTiO3やSrTiO3などの高誘電率の微粒子を適度に混合して誘電率を調整することもできる。分散方法としては、ホモジナイザー、遊星型混練機、ロール混練機、超音波分散機などを用いることができる。
本発明の電源の態様として好ましいものの例としては、特願2006−005318、特願2005−04442、特願2005−04443、特許第3236236号、特開2005−62924、特開平6−225546、特開平7−65952、特開平7−170760、特開平8−45663、特開平8−250280、特開平9−322560等に記載のものが挙げられる。
平均粒子径30nmの硫化亜鉛(ZnS)粒子粉末25gと、硫酸銅をZnSに対し0.2モル%と塩化金酸を0.003モル%とNa2[Pt(OH)6]を0.005モル%添加した乾燥粉末に、融剤としてNaClおよびMgCl2と塩化アンモニウム(NH3Cl)粉末を適量、並びに酸化マグネシウム粉末を蛍光体粉末に対し20質量%アルミナ製ルツボに入れて1200℃で1.0時間焼成(第1焼成)したのち降温した。そののち粉末を取り出し、ボールミルにて粉砕分散した。さらに超音波分散を行ったのち、ZnCl2 5gと硫酸銅をZnSに対し0.05モル%添加したのちMgCl2を1g加え、乾燥粉末を作成し、再度アルミナルツボに入れて650℃で6時間焼成(第2焼成)した。このとき雰囲気として10%の酸素ガスをフローさせながら焼成を行なった。
焼成後の粒子は、再度粉砕し、40℃のH2Oに分散・沈降、上澄み除去を行なって洗浄したのち、塩酸10%液を加えて分散・沈降、上澄み除去を行い、不要な塩を除去して乾燥させた。さらに10%のKCN溶液を70℃に加熱して表面のCuイオン等を除去した。
さらに6Nの塩酸で粒子全体の10質量%に相当する表面層をエッチング除去した。
第2焼成時に粒子に、表1の如くドーパントとなる化合物を添加し蛍光体粒子A−2〜A−15を得た。
平均粒子サイズが0.02μmのBaTiO3微粒子を、30質量%の比率で有機溶媒に溶解したシアノレジン液に分散し、誘電体層の厚みが30μmになるように厚み100μmのアルミシート上に塗布し、温風乾燥機を用いて120℃で1時間乾燥し、誘電体層を形成した。
(蛍光体層の形成)
上記蛍光体粒子A−1〜A−15を、シンロイヒ社製蛍光染料FA−007と300cd/m2の発光時にCIE色度座標でx=3.3±0.3 y=3.4±0.3となる様、30wt%濃度のシアノレジン(シアノエチルプルラン 軟化点140℃)液に分散し混練し、上記の誘電体層上に厚みが60μmになるよう塗布した。
蛍光体層の上に、平均粒子サイズが0.02μmのBaTiO3微粒子を誘電体層の場合の1/5の量、シアノレジン液に分散した塗布液を用い、0.5μmの厚みになるよう塗布して中間層を形成した。
ITO(インジウム錫酸化物)をスパッター蒸着し、乾燥した表面抵抗率8Ω/□の導電性フィルムを作製し、その上にシアノレジンを0.1μm以下の厚みに印刷した。上記素子の透明電極部とアルミの背面電極部から、それぞれ厚み80μmの銅アルミシートを用いて外部接続用の端子を取り出した後、素子を凸版印刷社製の防湿フィルムGXフィルムと挟んで真空脱気しながら熱圧着した。素子のサイズは、発光面積が、0.5m2となる様に四角形成型した。この様にして蛍光体粒子A−1からA−15を用いて15種類の素子A−(1)からA−(15)を作成した。
この様にして作成した無機分散型エレクトロルミネッセンス素子を100V400Hzで駆動した際の初期輝度を測定した。こののち素子を流れる電流を一定に保つべく電圧と周波数を以下の関係が成り立つよう、連続して500時間駆動した後の初期輝度に対する相対輝度を調べた。
透明導電フィルムとして実施例1に記載したものと同様にITO(インジウム錫酸化物)をスパッター蒸着し、表面抵抗率を80Ω/□とした透明導電フィルムを作成した以外は、実施例1と同様にして素子B−(2)からB−(15)を作成したところ、素子A−(1)に対しては、500時間連続駆動後の輝度の低下が少なかったが、素子A−(2)から(14)に対しては、素子B−(2)から(14)は、低下が大きかった。
実施例1の蛍光体A−2〜A−15において塩化金酸を0.003モル%とNa2[Pt(OH)6]を0.005モル%を添加する代わりにAgNO3を0.003モル%とPdCl2を0.005モル%を添加したこと以外は、全く同様にして作成した蛍光体C−2〜C−15を作成し、これらを用いて無機分散型エレクトロルミネッセンス素子を作成し、その特性を実施例1の場合と全く同様に評価したところ本発明の素子は、比較例A−1に対しいずれも輝度と耐久性向上が確認され良好な性能が得られた。
実施例1で作成した蛍光体のうちA−1及びA−3、4、6に関し篩をかけることでいずれも体積加重平均球相当径6.3μm、変動係数20%の粒子を抽出し、実施例1とまったく同様にして無機分散型エレクトロルミネッセンス素子を作成したところ蛍光体A−1をベースにした素子に対しA−3、4、6をベースにした素子は、初期輝度が25%以上高い結果を得た。
Claims (6)
- 透明導電膜と蛍光体層を有し、かつ該透明導電膜と該蛍光体層の間に少なくとも一層の中間層を有するエレクトロルミネッセンス素子において、該蛍光体層が銅をドープした硫化亜鉛、セレン化亜鉛またはそれらの混晶を含む蛍光体粒子を含み、該蛍光体粒子が、周期律表の13族の元素としてGa、InおよびTlから選ばれる少なくとも1種の元素と、15族の元素としてN、P、SbおよびBiから選ばれる少なくとも1種の元素を含有し、該透明導電膜の抵抗率が、10Ω/□以下であることを特徴とする無機分散型エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記13族の元素がGaであり、前記15族の元素としてN、PおよびSbから選ばれる少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする請求項1に記載の無機分散型エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記透明導電膜が、フィルム又はプラスチック基板上に形成されており、かつ酸化錫を含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の無機分散型エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記銅をドープした硫化亜鉛、セレン化亜鉛またはそれらの混晶を含む蛍光体粒子が、Ag及び/又はAuを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無機分散型エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記銅をドープした硫化亜鉛、セレン化亜鉛またはそれらの混晶を含む蛍光体粒子がPd及び/又はPtを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無機分散型エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記銅をドープした硫化亜鉛、セレン化亜鉛またはそれらの混晶を含む蛍光体粒子が、体積加重平均球相当径10μm以下で変動係数30%以下の粒子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の無機分散型エレクトロルミネッセンス素子。
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