JP2014063444A - 透明導電性フィルム、タッチパネル、及び透明導電性フィルムの製造方法 - Google Patents

透明導電性フィルム、タッチパネル、及び透明導電性フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透明導電膜のパターニング性及び透明導電膜の耐久性が良好な透明導電性フィルムを提供する。
【解決手段】透明導電性フィルム10は、透明プラスチックフィルム基材1と、透明プラスチックフィルム基材1の少なくとも一方の面にパターン形成されて、金属微粒子を含む透明導電膜2と、パターン形成後の透明導電膜2上に成膜された硬化膜3とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力デバイスとして取り付けられるタッチパネルに用いられる透明導電性フィルム、その透明導電性フィルムを用いたタッチパネル、及びその透明導電性フィルムの製造方法に関するものである。特に、静電容量式のタッチパネルに用いた際の透明導電膜のパターニング性及び透明導電膜の耐久性が良好な透明導電性フィルム、その透明導電性フィルムを用いたタッチパネル、及びその透明導電性フィルムの製造方法に関するものである。
近年、様々な電子機器のディスプレイ上に入力デバイスとして、透明なタッチパネルが取り付けられている。タッチパネルとしては、抵抗膜式、静電容量式等の形式がある。特に、静電容量式はマルチタッチが可能であり、モバイル機器などの用途に多く採用されている。静電容量式のタッチパネルは、基板の表面及び裏面にそれぞれX座標及びY座標のパターンを形成した透明導電膜が、金属配線パターンを介して回路に接続され、表面の透明導電膜と裏面の透明導電膜との間の電圧変化を検知できるような構造となっている。
従来より、透明導電膜としては、可視光透過率が高く、表面電気抵抗の低いこと、環境特性に優れていることから、インジウム系酸化物であるITO膜が主に用いられている。透明導電膜としてのITO膜の製造方法は、種々の方法が存在するが、主にスパッタリング法が用いられる。この製造方法では、真空中に希薄な不活性ガスを導入し、直流または高周波放電で発生した不活性ガスイオンをITOターゲット材表面に加速衝突させ、ターゲットを構成する原子や分子を表面から叩き出して、基板上にITO膜を付着形成している。スパッタリング法は、ある程度大きな面積でも、表面電気抵抗の低い導電膜を形成できる点で優れているが、成膜速度が遅く、生産効率の向上が課題となっている。また、低抵抗化のためには、厚く均一なITO膜を形成しなければならず、その結果、光透過率の減少、コストの高価格化、形成プロセスにおいて高温処理が必要になる等の問題があり、特に、フィルム上での低抵抗化には、限界があった。さらに、材料としてのITOは、インジウム資源枯渇の懸念があり、代替材料が求められている。このようにITO膜は製膜過程において、その製造に多くの複雑な工程を必要としている。そのため、製造効率を飛躍的に向上させることが困難で、製造コストを抑制、低下することにも限界があった。
このような事情に鑑みて、透明導電膜の導電性を形成する材料としては、ITO膜の代わりに、室温、大気圧下で導電膜の塗布が可能であり、簡易なプロセスで導電膜を形成することができる導電性微粒子を含有した塗料を使用することが提案されている。例えば、特許文献1には、カーボンナノチューブを、特許文献2には、π共役系導電性高分子を、特許文献3には、金属ナノワイヤーを透明導電膜の材料として使用することが提案されている。
特表2004−526838号公報 特開2007−172984号公報 特開2009−70660号公報
ところで、透明導電膜のパターンを形成する手法として、レジストフィルム貼り付け、露光、現像、ケミカルエッチング、レジストフィルムの溶液中における剥離等の透明導電膜に順次施す工程を有するフォトリソグラフィ法が知られている。
他方、透明導電膜の材料として、特に金属ナノワイヤーを使用した場合、金属ナノワイヤーの表面には耐久性を高めるための硬化膜が必要である。硬化膜は、金属ナノワイヤーを保護する機能を持っているが、ケミカルエッチングによるパターニングの際には、金属ナノワイヤーのエッチングを阻害する。そのため、金属ナノワイヤーを含む透明導電膜を形成した後、硬化膜を形成し、フォトリソグラフィ法による透明導電膜のパターニングを行った場合、パターニングが困難であるという問題があった。
本発明の目的は、上記の従来の問題点に鑑み、透明導電膜のパターニング性及び透明導電膜の耐久性が良好な透明導電性フィルムを提供することにある。
本発明者らは上記課題に対して鋭意検討を行い、以下に述べる手段を用いることによって、上記課題を解決できることを見出した。
第1の発明は、透明フィルム基材と、透明フィルム基材の少なくとも一方の面にパターン形成されて、金属微粒子を含む透明導電膜と、パターン形成後の透明導電膜2上に成膜された硬化膜3とを備えていることを特徴とする透明導電性フィルムである。
第2の発明は、第1の発明において、金属微粒子が金属ナノワイヤーである。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、硬化膜が熱硬化樹脂あるいは光硬化性樹脂を含有する。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの透明導電性フィルムを備えたタッチパネルである。
第5の発明は、透明フィルム基材上の少なくとも一方の面に透明導電膜及び硬化膜を有する透明導電性フィルムの製造方法であって、透明フィルム基材上に金属微粒子を含む透明導電膜を形成する第1工程と、第1工程後に、透明導電膜をパターニングする第2工程と、第2工程後に、透明導電膜上に硬化膜を形成する工程とを備えている製造方法である。
第6の発明は、第5の発明において、第2工程では、フォトリソグラフィ法を用いて透明導電膜をパターニングする。
本発明によれば、金属ナノワイヤーを含む透明導電膜を形成した後、フォトリソグラフィ法による透明導電膜のパターニングを行い、その後に硬化膜を形成することによって、透明導電膜のパターニング性及び透明導電膜の耐久性が良好な透明導電性フィルムを提供することができる。
本発明の実施の形態における透明導電性フィルムの構成の一例を示す模式断面図 透明導電膜のパターン例(X座標)の説明図 透明導電膜のパターン例(Y座標)の説明図
以下、本発明の実施の形態の透明導電性フィルム10について説明する。実施の形態の透明導電性フィルム10は、図1に示すように、透明プラスチックフィルム基材1と、透明プラスチックフィルム基材1の少なくとも一方の面にパターン形成されて、金属微粒子を含む透明導電膜2と、パターン形成後の透明導電膜2上に成膜された硬化膜3とを備えている。この透明導電性フィルム10は、透明プラスチックフィルム基材1上に金属微粒子を含む透明導電膜2を形成する第1工程と、第1工程後に透明導電膜2をパターニングする第2工程と、第2工程後に透明導電膜2上に硬化膜3を形成する工程とを行うことにより製造される。透明導電膜2に含ませる金属微粒子として金属ナノワイヤーを用いることができる。また、硬化膜3に熱硬化樹脂あるいは光硬化性樹脂を含有させることができる。また、第2工程では、フォトリソグラフィ法を用いて透明導電膜2をパターニングすることができる。
本発明で用いる透明プラスチックフィルム基材1は、有機高分子をフィルム状に溶融押出し又は溶液押出しをしてフィルム状に成形し、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に延伸、熱固定、熱弛緩処理を施したフィルムである。上記有機高分子の樹脂としては、成膜工程および後工程に対して十分な強度があり、表面の平滑性が良好であれば、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、環状ポリオレフィン、ポリイミド等を用いることができる。透明プラスチックフィルム基材1は、部材の薄型化と基板の可撓性とを考慮し、10μm以上300μm以下程度の厚さのものが用いられる。
透明プラスチックフィルム基材1に含有される材料としては、上記材料の他に、基材1の表面に周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤、易接着剤などを使用してもよい。また、薄膜との密着性を向上させるため、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理などを基材1の表面に施してもよい。
本発明における透明導電膜2としては、繊維状の導電性物質により形成されることが好ましい。繊維状物質の中でも、枝分かれがなく、ほぐれやすく、かつ繊維状物質の均一な分布密度を得やすいために、繊維状物質同志のからまりの間に大きな開口部(隙間)が形成されるワイヤー状のものが、良好な光透過率を実現することができるという点で好ましい。このような形状をした導電性物質として、例えば、カーボンナノチューブや、ワイヤー状の導電性金属である金属ナノワイヤーを用いることができる。本発明で金属ナノワイヤーとは、形状が直線または曲線の細い棒状で、材質が金属であるナノメートルサイズの微細な導電性物質である。微細な導電性物質が、繊維状、好ましくはワイヤー状であれば、複数の導電性物質が互いに絡み合って網の目状となる。これにより、少ない量の導電性物質であっても、良好な電気伝導性を有する経路を形成することができ、透明導電膜2の抵抗値をより低下させることができ好ましい。さらに、このような網の目状を形成した場合、網の目の隙間部分の開口が大きいため、たとえ繊維状の導電性物質そのものが透明でなかったとしても、塗膜として良好な透明性を達成することが可能である。
金属ナノワイヤーの金属として、具体的には鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、オスミウム、イリジウム、白金、金が挙げられ、導電性の観点から金、銀、銅、白金が好ましい。
これら微細な導電性物質を分散させた透明導電膜2を形成するための塗料を形成するための分散媒である液体としては、特に限定されることなく、既知の各種の分散媒を使用することができる。例えば、ヘキサン等の飽和炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、エチレンクロライド、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等を用いることができる。また、分散媒の種類により、分散剤を使用することもできる。これら液体は、単独で使用することもできるし、2種類以上の混合したものを使用することもできる。
また、分散媒として、水も使用可能である。水を用いる場合には、透明プラスチックフィルム基材1の表面が疎水性の場合は、水をはじきやすく、透明導電性の塗料を塗布する際に、均一な透明導電膜2を得ることが難しい。このような場合には、水にアルコールを混合するか、あるいは、疎水性の透明プラスチックフィルム基材1への濡れ性を改善するような界面活性剤を選定して添加することで均一な透明導電膜2を得ることができる。用いる分散媒としての液体の量は、特に制限されず、上記微細な導電性物質の分散液が塗布に適した粘度を有するようにすればよい。分散媒としての液体の量は、例えば、前記導電性物質100重量部に対して、液体100〜100,000重量部程度と広範囲に設定可能であって、前記導電性物質と分散媒の種類、使用する撹拌、分散装置に応じて適宜選択することができる。
上記原料を用いて透明プラスチックフィルム基材1上に、透明導電膜2を形成するためには、図1に示すように、導電性物質と分散媒とに必要に応じて樹脂を含有させた分散液を、透明プラスチックフィルム基材1上に塗布した後に、透明プラスチックフィルム基材1を乾燥させることで、透明プラスチックフィルム基材1上に均一な透明導電膜2が形成される。
塗布方法としては、スプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットコート、スクリーンコート、ディップコートなど公知の塗布方法を用いることができる。
透明導電膜2の膜厚は、薄すぎると導体としての十分な導電性を達成出来なくなる傾向にあり、厚すぎるとヘイズ値の上昇、全光線透過率の低下等で透明性が損なわれる傾向にある。透明導電膜2の膜厚は、通常は10nm〜10μmの間で適宜調整を行うが、金属ナノワイヤーのように導電性物質そのものが透明でない場合には、膜厚の増加によって透明性が失われ得やすい。そのため、より薄い膜厚の透明導電膜2を形成することが好ましい。この場合、きわめて開口部(隙間)の多い透明導電膜2にするが、接触式の膜厚計で測定したときに平均膜厚として10nm〜500nmの膜厚範囲が好ましく、30nm〜300nmがより好ましく、50nm〜150nmが最も好ましい。
透明導電膜2には、図2又は図3に示すようなパターンが施される。図2又は図3に示すように、透明導電膜2にパターンを施すことにより、黒色で表した導電性パターン領域12(基材1上に硬化膜3及び透明導電膜2が積層された領域)と、白色で表した非導電性パターン領域11(基材1上で透明導電膜2がエッチングされた領域)とが形成される。導電性パターン領域12は、導電性パターン領域12に接続された金属配線13を介して、電圧変化を検知できる回路に接続されている。人の指等が検出電極である導電性パターン領域12に接近すると、全体の静電容量が変化することから回路の電圧が変動し、指などの接触位置の判定ができる。図2又は図3に示すパターンを貼り合せたり、互いに直交するように組み合わせたりして、電圧変化を検知できる回路と接続することにより、2次元の位置情報が得られる。
透明導電膜2のパターン形成方法としては、透明導電膜2上にレジストを塗布し、パターンを露光・現像により形成した後に、透明導電膜2を化学的に溶解させるフォトリソグラフィによる方法、真空中で化学反応により気化させる方法、レーザーにより透明導電膜2を昇華させる方法、などを用いることができる。透明導電膜2のパターン形成方法は、パターンの形状、精度等により適宜選択できるが、パターン精度、細線化を考慮し、フォトリソグラフィ法による方法が好ましい。
本発明で用いる硬化膜3は、透明導電膜2を保護し、また透明導電性フィルム10に機械的強度を持たせるために設けられる。硬化膜3に用いられる樹脂としては、特に限定はしないが、透明性と適度な硬度と機械的強度を持つ樹脂が好ましい。具体的には、3次元架橋の期待できる3官能以上のアクリレートを主成分とするモノマー又は架橋性オリゴマーのような光硬化性樹脂が好ましい。
3官能以上のアクリレートモノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ポリエステルアクリレート等が好ましい。特に好ましいのは、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレートおよびポリエステルアクリレートである。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用しても構わない。また、これら3官能以上のアクリレートの他にエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリオールアクリレート等のいわゆるアクリル系樹脂を併用することも可能である。
架橋性オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等のアクリルオリゴマーが好ましい。具体的にはポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、ポリウレタンのジアクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等を用いることができる。
硬化膜3は、光重合開始剤等の添加剤を含有してもよい。光重合開始剤を添加する場合、ラジカル発生型の光重合開始剤として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタールなどのベンゾインとそのアルキルエーテル類、アセトフェノン、2、2、−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、などのアセトフェノン類、メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類、チオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2、4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類、ベンゾフェノン、4、4−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類及びアゾ化合物などを用いることができる。これらは、単独または2種以上の混合物として使用でき、さらにはトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなどの第3級アミン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸誘導体等の光開始助剤などと組み合わせて使用することができる。
上記光重合開始剤の添加量は、主成分の樹脂に対して0.1重量%以上10重量%以下であり、好ましくは0.5重量%以上5重量%以下である。下限値未満では硬化膜3の硬化が不十分となり好ましくない。また、上限値を超える場合は、硬化膜3の黄変を生じたり、耐候性が低下したりするため好ましくない。光硬化型樹脂を硬化させるのに用いる光は、紫外線、電子線、あるいはガンマ線などであり、電子線あるいはガンマ線の場合、必ずしも光重合開始剤や光開始助剤を含有する必要はない。これらの線源としては、高圧水銀灯、キセノンランプ、金属ハライドランプや加速電子などが使用できる。
また、硬化膜3の厚みは、特に限定されないが、50nm以上500nm以下の範囲が好ましい。下限値未満では透明導電膜2の保護が不十分となり好ましくない。また、上限値を超える場合は、透明導電膜2と金属配線13との間の電気抵抗が高くなるため好ましくない。
硬化膜3は、主成分である樹脂、金属酸化物材料、光重合開始剤を溶剤に溶解させて、ダイコーター、カーテンフローコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、スピンコーター、マイクログラビアコーター等の公知の塗布方法で塗布することにより形成する。
硬化膜3の形成に用いる溶剤については、上記の主成分の樹脂を溶解するものであれば特に限定されない。具体的には、溶剤として、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、等を用いることができる。これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明の有用性について具体的に説明する。但し、本発明は、実施例に限定されるものではない。
<実施例>
透明プラスチックフィルム基材1として用いるポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、A4300−125)の一方の面に、透明導電膜2を形成するための塗液(透明導電膜形成用塗液)として金ナノワイヤーの塗液をダイコート法で塗布し、60℃で1分間乾燥させて透明導電膜2を形成した。続いて、下記パターニング方法により透明導電膜2のパターンを形成した。さらに、透明導電膜2上に、下記組成の硬化膜3を形成するための塗液(硬化膜形成用塗液)をマイクログラビアコーターで塗布し、60℃で1分間乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化膜3を形成した。硬化後の硬化膜3の膜厚は、200nmであった。以上のようにして、透明導電性フィルム10を作製した。
[パターニング方法]
フォトリソグラフィ法
レジスト :ネガ型レジスト
露光 :高圧水銀100mJ/cm2
現像 :1%炭酸ナトリウム
エッチング:王水系エッチング液
剥離 :3%水酸化ナトリウム
[硬化膜形成用塗液の組成]
樹脂 : KAYARAD PET−50(日本化薬社製) 100重量部
開始剤 : イルガキュア184(チバ・ジャパン社製) 4重量部
溶剤 : 酢酸エチル 2000重量部
<比較例1>
透明プラスチックフィルム基材として用いるポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、A4300−125)の一方の面に、透明導電膜形成用塗液として金ナノワイヤーの塗液をダイコート法で塗布し、60℃で1分間乾燥させて透明導電膜を形成した。続いて、透明導電膜上に、実施例と同様の組成の硬化膜形成用塗液をマイクログラビアコーターで塗布し、60℃で1分間乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化膜を形成した。硬化後の硬化膜の膜厚は、200nmであった。さらに、実施例と同様のパターニング方法により、透明導電膜のパターンを形成した。以上のようにして透明導電性フィルムを作製した。
<比較例2>
透明プラスチックフィルム基材として用いるポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、A4300−125)の一方の面に、透明導電膜形成用塗液として金ナノワイヤーの塗液をダイコート法で塗布し、60℃で1分間乾燥させて透明導電膜を形成した。さらに、実施例と同様のパターニング方法により透明導電膜のパターンを形成した。以上のようにして透明導電性フィルムを作製した。
透明導電性フィルムの性能は、下記のようにして評価した。
[パターニング性]
透明導電性フィルムをパターニングする際、エッチングに要する時間を測定し、パターニングの容易さを以下のように判定した。
エッチングに要する時間が3分以下の場合:○
エッチングに要する時間が3分以上10分以下の場合:△
エッチングに要する時間が10分以上の場合:×
[耐久性]
透明導電膜の初期状態での表面抵抗値(R0)を測定し、以下の条件で環境試験を行った。そして、環境試験後の表面抵抗値(R1)を測定し、環境試験の前後における表面抵抗値の変化率(R1/R0)を算出した。
耐熱試験:温度85℃、時間240時間
耐寒試験:温度−40℃、時間240時間
耐湿熱試験:温度60℃、湿度95%RH、時間240時間
表1の結果より、本発明の実施例に記載の透明導電性フィルム10は、パターン形成時のパターニング性が良好であり、かつ、環境試験の前後の表面抵抗値の変化率が小さく、耐久性が良好であった。
一方、硬化膜の形成後にパターン形成を行った比較例1に記載の透明導電性フィルムは、エッチングに要する時間が長く、エッチング加工性が困難であった。また、硬化膜を形成していない比較例2に記載の透明導電性フィルムは、環境試験の前後の表面抵抗値の変化率が大きく耐久性が悪かった。
本発明は、タッチパネルに用いられる透明導電性フィルムなどに有用である。
1 透明プラスチックフィルム基材
2 透明導電膜
3 硬化膜
10 透明導電性フィルム
11 非導電性パターン領域
12 導電性パターン領域
13 金属配線

Claims (6)

  1. 透明フィルム基材と、
    前記透明フィルム基材の少なくとも一方の面にパターン形成されて、金属微粒子を含む透明導電膜と
    前記パターン形成後の前記透明導電膜上に成膜された硬化膜とを備えていることを特徴とする透明導電性フィルム。
  2. 前記金属微粒子が金属ナノワイヤーであることを特徴とする、請求項1に記載の透明導電性フィルム。
  3. 前記硬化膜が熱硬化樹脂あるいは光硬化性樹脂を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の透明導電性フィルム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の透明導電性フィルムを備えたタッチパネル。
  5. 透明フィルム基材上の少なくとも一方の面に透明導電膜及び硬化膜を有する透明導電性フィルムの製造方法であって、
    前記透明フィルム基材上に金属微粒子を含む透明導電膜を形成する第1工程と、
    前記第1工程後に、前記透明導電膜をパターニングする第2工程と、
    前記第2工程後に、前記透明導電膜上に前記硬化膜を形成する工程とを備えていることを特徴とする透明導電性フィルム。
  6. 前記第2工程では、フォトリソグラフィ法を用いて前記透明導電膜をパターニングすることを特徴とする、請求項5に記載の透明導電性フィルム。
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