JP2015049797A - 透明導電性積層体、タッチパネル、および、透明導電性積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造工程の流れを簡素にすることのできる透明導電性積層体、タッチパネル、および、透明導電性積層体の製造方法を提供する。【解決手段】透明導電性積層体10は、基板11と、第1の透明電極層12aと、基板11を挟んで第1の透明電極層12aと対向する第2の透明電極層12bと、を備える。第1の透明電極層12aおよび第2の透明電極層12bの各々は、繊維状の金属から構成されて導電性を有する電極部13a,13bと、基板11に沿って、電極部13a,13bを含めた領域に広がる樹脂部14a,14bと、を含み、第1の透明電極層12aおよび第2の透明電極層12bの少なくとも一方が含む樹脂部14a,14bは、可視領域以外に波長を有する光を吸収する機能を有する。【選択図】図1
Description
本開示の技術は、透明導電性積層体、透明導電性積層体を備えたタッチパネル、および、透明導電性積層体の製造方法に関する。
近年、電子機器の入力デバイスとして、静電容量方式のタッチパネルが広く用いられている。投影型静電容量方式のタッチパネルは、静電容量の変化を検出するための2つの電極を備えている。2つの電極は、例えば特許文献1に記載のように、1枚の透明な基板を挟んで対向している。これらの電極は、基板に成膜された透明な導電膜がパターニングされることによって形成される。
ところで、基板に成膜された導電膜をパターニングする方法の1つとして、フォトリソグラフィを用いる方法が普及している。こうした方法では、導電膜の上に形成されたレジストが露光・現像されることにより、レジストに電極のパターンに応じたパターンが形成される。そして、レジストのパターンに沿って導電膜がエッチングされることにより、導電膜がパターニングされて、電極が形成される。
ここで、互いに対向する2つの導電膜が、互いに異なる形状にパターニングされるとき、まず、一方の導電膜の上にレジストが形成されて、そのレジストがパターニングされる。次いで、他方の導電膜の上に他のレジストが形成されて、他のレジストがパターニングされる。こうしたパターニングの繰り返しでは、互いに異なる工程である露光と現像とが交互に繰り返されるため、透明導電性積層体の製造の煩雑さを増している。
本開示の技術は、製造工程の流れを簡素にすることのできる透明導電性積層体、タッチパネル、および、透明導電性積層体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する透明導電性積層体は、基板と、第1の透明電極層と、前記基板を挟んで前記第1の透明電極層と対向する第2の透明電極層と、を備え、前記第1の透明電極層および前記第2の透明電極層の各々は、繊維状の金属から構成されて導電性を有する電極部と、前記基板に沿って、前記電極部を含めた領域に広がる樹脂部と、を含み、前記第1の透明電極層および前記第2の透明電極層の少なくとも一方が含む前記樹脂部は、可視領域以外に波長を有する光を吸収する機能を有する。
第1の透明電極層の電極部と第2の透明電極層の電極部とがフォトリソグラフィによって形成される際には、第1の透明電極層の電極部を形成するためのレジストと、第2の透明電極層の電極部を形成するためのレジストとが、基板を挟んで対向する位置に設けられる。上記構成によれば、一方のレジストを露光するために照射された光のうち、レジストに吸収されなかった光を第1の透明電極層の樹脂部、および、第2の透明電極層の樹脂部の少なくとも一方が吸収する。したがって、一方のレジストに対する露光光が他方のレジストに到達することが抑えられるため、2つの透明電極層の電極部が互いに異なるパターンを有する場合であっても、2つのレジストの現像前に、2つのレジストをまとめて露光することができる。その結果、レジストの形成や露光や現像等の工程を、透明電極層が形成される面ごとに繰り返す製造方法と比較して、製造工程の流れを簡素にすることができる。
上記透明導電性積層体において、前記光を吸収する機能を有する前記樹脂部は、紫外領域の波長の光を吸収することが好ましい。
実用上、レジストの露光を紫外領域の波長の光によって行うことには困難が少ない。上記構成によれば、可視領域以外に波長を有する光を吸収する機能が、実用上好ましい形態で実現される。
実用上、レジストの露光を紫外領域の波長の光によって行うことには困難が少ない。上記構成によれば、可視領域以外に波長を有する光を吸収する機能が、実用上好ましい形態で実現される。
上記透明導電性積層体において、前記光を吸収する機能を有する前記樹脂部は、紫外線吸収剤または紫外線吸収機能を有する樹脂を含むことが好ましい。
上記構成によれば、樹脂部に紫外領域の波長の光を吸収する機能を適切に付加することができる。
上記構成によれば、樹脂部に紫外領域の波長の光を吸収する機能を適切に付加することができる。
上記透明導電性積層体は、波長400nmにおける光線透過率が60%以上であり、かつ、波長365nmにおける光線透過率が20%以下であることが好ましい。
上記構成によれば、樹脂部による紫外領域の波長の光を吸収する機能が適切に実現される。したがって、紫外領域の波長の光を主とする光によってレジストが露光される場合に、一方のレジストに対する露光光が他方のレジストに到達することが適切に抑えられる。
上記構成によれば、樹脂部による紫外領域の波長の光を吸収する機能が適切に実現される。したがって、紫外領域の波長の光を主とする光によってレジストが露光される場合に、一方のレジストに対する露光光が他方のレジストに到達することが適切に抑えられる。
上記課題を解決するタッチパネルは、上記構成を有する透明導電性積層体を備える。
上記構成によれば、タッチパネルの備える透明導電性積層体を、簡素な流れの製造工程にて製造することができる。
上記構成によれば、タッチパネルの備える透明導電性積層体を、簡素な流れの製造工程にて製造することができる。
上記課題を解決する透明導電性積層体の製造方法は、基板の表面側に、繊維状の金属を含む第1の金属層を形成する工程と、基板の裏面側に、繊維状の金属を含む第2の金属層を形成する工程と、前記第1の金属層に樹脂を含む溶液を塗布して、前記第1の金属層と樹脂部とからなる第1の透明導電層を形成する工程と、前記第2の金属層に樹脂を含む溶液を塗布して、前記第2の金属層と樹脂部とからなる第2の透明導電層を形成する工程と、前記第1の透明導電層の面上と、前記第2の透明導電層の面上とにレジストを形成する工程と、前記第1の透明導電層の面上に形成されたレジストと、前記第2の透明導電層の面上に形成されたレジストとを露光する工程と、感光した前記レジストを現像する工程と、現像された前記レジストから露出する前記第1の透明導電層をエッチングして前記第1の金属層の一部を除去し、現像された前記レジストから露出する前記第2の透明導電層をエッチングして前記第2の金属層の一部を除去する工程と、を含み、前記第1の透明導電層および前記第2の透明導電層の少なくとも一方が含む前記樹脂部は、可視領域以外に波長を有する露光光を吸収する機能を有する。
上記課題を解決する透明導電性積層体の製造方法は、第1の基板の表面側に、繊維状の金属を含む第1の金属層を形成する工程と、第2の基板の表面側に、繊維状の金属を含む第2の金属層を形成する工程と、前記第1の金属層に樹脂を含む溶液を塗布して、前記第1の金属層と樹脂部とからなる第1の透明導電層を形成する工程と、前記第2の金属層に樹脂を含む溶液を塗布して、前記第2の金属層と樹脂部とからなる第2の透明導電層を形成する工程と、前記第1の基板の裏面と前記第2の基板の裏面とを貼り合わせる工程と、前記第1の透明導電層の面上と、前記第2の透明導電層の面上とにレジストを形成する工程と、前記第1の透明導電層の面上に形成されたレジストと、前記第2の透明導電層の面上に形成されたレジストとを露光する工程と、感光した前記レジストを現像する工程と、現像された前記レジストから露出する前記第1の透明導電層をエッチングして前記第1の金属層の一部を除去し、現像された前記レジストから露出する前記第2の透明導電層をエッチングして前記第2の金属層の一部を除去する工程と、を含み、前記第1の透明導電層および前記第2の透明導電層の少なくとも一方が含む前記樹脂部は、可視領域以外に波長を有する露光光を吸収する機能を有する。
上記方法によれば、一方のレジストを露光するために照射された光のうちレジストに吸収されなかった光を、第1の透明導電層の樹脂部、および、第2の透明導電層の樹脂部の少なくとも一方が吸収する。したがって、一方のレジストに対する露光光が他方のレジストに到達することが抑えられるため、2つの透明導電層が含む金属層に互いに異なるパターンが形成される場合であっても、一方のレジストに形成されるパターンが他方のレジストに形成されるパターンに影響を与えることが抑えられる。そして、2つのレジストの現像前に、2つのレジストをまとめて露光することが可能となる結果、レジストの形成や露光や現像等の工程を、透明導電層が形成された面ごとに繰り返す製造方法と比較して、製造工程の流れを簡素にすることができる。
本開示の技術によれば、透明導電性積層体の製造工程の流れを簡素にすることができる。
図1〜図11を参照して、透明導電性積層体、タッチパネル、および、透明導電性積層体の製造方法の一実施形態について説明する。本実施形態において、透明導電性積層体は、タッチパネルの構成部材の1つである。
[透明導電性積層体の構成]
図1を参照して、透明導電性積層体の構成について説明する。
図1に示されるように、透明導電性積層体10は、透明な基板11と、基板11の表面に形成された透明電極層12aと、基板11の裏面に形成された透明電極層12bとを備えている。2つの透明電極層12a,12bは、基板11を挟んで対向している。透明電極層12aは第1の透明電極層の一例であり、透明電極層12bは第2の透明電極層の一例である。
図1を参照して、透明導電性積層体の構成について説明する。
図1に示されるように、透明導電性積層体10は、透明な基板11と、基板11の表面に形成された透明電極層12aと、基板11の裏面に形成された透明電極層12bとを備えている。2つの透明電極層12a,12bは、基板11を挟んで対向している。透明電極層12aは第1の透明電極層の一例であり、透明電極層12bは第2の透明電極層の一例である。
基板11としては、例えば、ガラスや樹脂フィルムが用いられる。樹脂フィルムに用いられる樹脂は、形成されたフィルムが成膜工程および後工程にて基板に要求される強度を有し、表面の平滑性が良好であれば、限定されない。樹脂フィルムに用いられる樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、環状ポリオレフィン、または、ポリイミド等が挙げられる。基板11は、透明導電性積層体10の薄型化を図るとともに基板11の可撓性を保持するために、10μm以上200μm以下であることが好ましい。
基板11は、種々の添加剤や安定剤を含んでもよい。添加剤や安定剤としては、例えば、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、または、易接着剤等が挙げられる。基板11に対しては、基板11に積層される層と基板11との密着性を向上させるために、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、または、薬品処理等が施されてもよい。
透明電極層12aは、複数の導電領域13aと複数の非導電領域14aとを有している。同様に、透明電極層12bは、複数の導電領域13bと複数の非導電領域14bとを有している。導電領域13a,13bは、電極部の一例である。
導電領域13a,13bは、金属製のナノワイヤー等の繊維状の金属を含んでいる。繊維状の金属としては、例えば、金、銀、銅、または、コバルト等が用いられる。導電領域13a,13bに含まれる繊維状の金属は、導電領域13a,13b内で互いに接触しており、これによって、導電領域13a,13bは導電性を有している。
透明電極層12aは、例えば、X方向に延びる複数の導電領域13aが、X方向と直交するY方向に間をあけて並設されたパターンに形成されている。非導電領域14aは、複数の導電領域13aの間の領域であって、導電領域13aの各々と絶縁されている。透明電極層12aと対向する透明電極層12bは、例えば、Y方向に延びる複数の導電領域13bが、X方向に間をあけて並設されたパターンに形成されている。非導電領域14bは、複数の導電領域13bの間の領域であって、導電領域13bの各々と絶縁されている。導電領域13a,13bの各々は、例えば、網目状や、帯状に形成される。
導電領域13a,13bの各々は、導電領域13a,13bに形成される静電容量の変化を、電流の変化によって検出する回路に接続されている。人の指等が導電領域13a,13bに接近すると、静電容量が変化する。この静電容量の変化が検出されることに基づいて、人の指等の接触位置が判定される。
また、透明電極層12aは、樹脂を主成分とする樹脂部15aを有している。樹脂部15aは、基板11の表面に沿って、導電領域13aおよび非導電領域14aを含めた透明電極層12aの全域に広がっている。同様に、透明電極層12bは、樹脂を主成分とする樹脂部15bを有している。樹脂部15bは、基板11の裏面に沿って、導電領域13bおよび非導電領域14bを含めた透明電極層12bの全域に広がっている。透明電極層12a,12bが樹脂部15a,15bを有することによって、導電領域13a,13bからの繊維状の金属の脱離が抑えられるとともに、透明導電性積層体10の機械的強度が向上し、また、繊維状の金属が保護されて耐久性が向上する。
樹脂部15a,15bに含まれる樹脂としては、特に限定されないが、透明性と適度な硬度と機械的強度を有する樹脂が好ましい。具体的な例としては、3次元架橋の期待できる3官能以上のアクリレートを主成分とするモノマーや架橋性オリゴマー等の光硬化性樹脂を用いることが好ましい。
3官能以上のアクリレートモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、または、ポリエステルアクリレート等が用いられることが好ましく、特に、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレートおよびポリエステルアクリレートのいずれかが用いられることが好ましい。これらのアクリレートモノマーは、単独で用いてもよいし、2種以上のモノマーを併用してもよい。また、これら3官能以上のアクリレートの他に、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリオールアクリレート等のアクリル系樹脂を併用することが可能である。
架橋性オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、または、シリコーン(メタ)アクリレート等のアクリルオリゴマーを用いることが好ましい。具体的な例としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、ポリウレタンのジアクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
樹脂部15a,15bには、重合開始剤等の添加剤が混合されていてもよい。
重合開始剤として光重合開始剤を添加する場合、ラジカル発生型の光重合開始剤として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタール等のベンゾインとそのアルキルエーテル類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン類、メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、4,4−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、または、アゾ化合物等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上の重合開始剤を混合して用いてもよい。さらに、これらの光重合開始剤は、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等の第3級アミンや、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸誘導体等の光開始助剤等と組み合わせて使用することができる。
重合開始剤として光重合開始剤を添加する場合、ラジカル発生型の光重合開始剤として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタール等のベンゾインとそのアルキルエーテル類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン類、メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、4,4−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、または、アゾ化合物等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上の重合開始剤を混合して用いてもよい。さらに、これらの光重合開始剤は、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等の第3級アミンや、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸誘導体等の光開始助剤等と組み合わせて使用することができる。
透明電極層12a,12bは、樹脂部15a,15bにて、レジストを露光するための光を吸収する機能を有する。レジストを露光するための光は、レジストの種類や光源の種類によって異なるが、通常、紫外領域の波長(約200nm〜約380nm)と可視領域の波長(約380nm〜約780nm)の光が用いられることが多い。したがって、樹脂部15a,15bは、上記の領域の光を吸収することが好ましい。特に、樹脂部15a,15bが紫外領域の光を吸収すると、実用性が高められるため好ましい。
樹脂部15a,15bが光を吸収する機能を有することによって、基板11を挟んで形成された2つのレジストを露光する際に、一方のレジストを露光するために照射された光のうち、レジストに吸収されなかった光を樹脂部15a,15bが吸収する。したがって、一方のレジストに対する露光光が他方のレジストに到達することが抑えられる。
樹脂部15a,15bは、光吸収材料を含んでいる。紫外領域の光を吸収するために用いられる光吸収材料としては、紫外線吸収剤や紫外線吸収機能を有する樹脂等が挙げられる。光吸収材料は、樹脂部15a,15bに含まれる樹脂への紫外線吸収剤の混合や、樹脂部15a,15bに含まれる樹脂と紫外線吸収機能を有する樹脂との共重合によって、樹脂部15a,15bに付加される。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、サリシレート系、トリアジン系、または、シアノアクリルレート系等の紫外線吸収剤が挙げられる。具体例としては、例えば、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤として、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体等が挙げられる。また、例えば、トリアジン系の紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソ−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン等やこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、単独で用いてもよいし、2種以上の紫外線吸収剤を混合して用いてもよい。
紫外線吸収機能を有する樹脂は、上記のベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、サリシレート系、トリアジン系、シアノアクリルレート系等の非反応性紫外線吸収剤に、ビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基等の重合性二重結合を有する官能基や、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、または、イソシアネート基等を導入した化合物である。これらの樹脂と、樹脂部15a,15bに含まれる樹脂とを共重合させることにより、紫外線吸収機能を有する樹脂部15a,15bが得られる。
上記の光吸収材料は、単独で用いてもよいし、2種以上の材料を混合して用いてもよい。例えば、吸収できる光の波長が異なる複数の光吸収材料を用いることによって、広い波長領域で光を吸収することができる。
透明電極層12a,12bの厚みは、繊維状の金属の環境試験に対する耐久性が保持され、また、金属が脱落しない厚みであれば特に限定されない。ただし、透明電極層12a,12bが厚すぎると、金属が樹脂に覆われて導電性が低くなる。これらの理由から、透明電極層12a,12bの厚みは、30nm以上300nm以下であることが好ましい。
透明導電性積層体10は、波長400nmにおける光線透過率が60%以上であり、かつ、波長365nmにおける光線透過率が20%以下であることが好ましい。光線透過率が上記の範囲であると、紫外領域の波長の光によってレジストが露光される場合に、一方のレジストに吸収されなかった光が他方のレジストに達することが的確に抑えられる。また、こうした効果を高めるためには、透明電極層12a,12bの波長400nmにおける光線透過率が80%以上であり、かつ、波長365nmにおける光線透過率が20%以下であることが好ましい。
また、透明導電性積層体10の積層方向において、透明電極層12aの導電領域13aと透明電極層12bの導電領域13bとが重なる部分と、透明電極層12aの非導電領域14aと透明電極層12bの非導電領域14bとが重なる部分との全光線透過率の差が1.5%以下であり、かつ、透過色相b*差が2.0以下であることが好ましい。全光線透過率および透過色相差が上記の範囲内であれば、透明電極層12aの導電領域13aと透明電極層12bの導電領域13bとが互いに異なるパターンに形成された場合でも、パターン形状が目立たなくなるため、タッチパネルにおける視認性が向上する。
また、透明導電性積層体10は、150℃30分間における熱収縮率が0.5%以下であることが好ましい。熱収縮率が上記の範囲内であれば、製造工程で加えられる熱によって積層体が収縮することが抑えられる。その結果、透明電極層12aと透明電極層12bとのパターンの位置ずれが抑えられる。
なお、透明導電性積層体10は、基板11と透明電極層12aとの間や、基板11と透明電極層12bとの間に、他の層を備えていてもよい。他の層としては、例えば、基板11と透明電極層12a,12bとの密着性を高めるための層や、透明導電性積層体10の機械的強度を補強するための層等が挙げられる。
図2に示されるように、基板11の表面側の透明電極層12aには、接着層を介してガラス等からなるカバー層30等が積層されて、タッチパネル31が構成される。カバー層30の表面が、人の指等の接触面となる。さらに、基板11の裏面側の透明電極層12bには、液晶パネル等の表示パネル32が積層されて、タッチパネル31と表示パネル32とから表示装置33が構成される。
[透明導電性積層体の製造方法]
図3〜図11を参照して、透明導電性積層体の製造方法について説明する。
図3に示されるように、まず、基板11の表面に金属層16aが形成される。金属層16aは、繊維状の金属が分散された溶液が基板11に塗布されることによって形成される。繊維状の金属を分散させる溶剤は、水、もしくは、アルコール系、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の親水性の高い溶剤が好ましい。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上の溶剤を併用してもよい。
図3〜図11を参照して、透明導電性積層体の製造方法について説明する。
図3に示されるように、まず、基板11の表面に金属層16aが形成される。金属層16aは、繊維状の金属が分散された溶液が基板11に塗布されることによって形成される。繊維状の金属を分散させる溶剤は、水、もしくは、アルコール系、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の親水性の高い溶剤が好ましい。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上の溶剤を併用してもよい。
金属層16aの形成方法としては、スピンコート法、ローラコート法、バーコート法、ディップコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、または、ニーダーコート法等の塗布方法や、スクリーン印刷法、スプレー印刷法、インクジェット印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、平版印刷法等の印刷方法等の公知の方法が用いられる。
図4に示されるように、次に、金属層16aの上に樹脂部15aの構成材料を含む溶液が塗布されて、金属層16aと樹脂部15aとからなる透明導電層17aが形成される。樹脂部15aの構成材料を溶かす溶剤としては、上述の主成分のアクリレートを溶解する溶剤であれば特に限定されない。溶剤の具体的な例としては、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、または、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上の溶剤を併用してもよい。
金属層16aに塗布された溶液は、金属層16aが含む繊維状の金属の隙間にも浸透する。塗布方法には、先に例示した金属層16aの形成方法と同様の公知の方法が用いられる。塗布方法は、金属層16aの形成方法と同じ方法であってもよく、異なる方法であってもよい。
図5に示されるように、次に、基板11の裏面に金属層16bが形成される。金属層16bは、金属層16aと同様の方法で形成される。そして、金属層16bの上に樹脂部15bの構成材料を含む溶液が塗布されて、金属層16bと樹脂部15bとからなる透明導電層17bが形成される。透明導電層17bは、透明導電層17aと同様の方法で形成される。なお、金属層16aは第1の金属層の一例であり、金属層16bは第2の金属層の一例である。また、透明導電層17aは、第1の透明導電層の一例であり、透明導電層17bは、第2の透明導電層の一例である。
図6に示されるように、次に、基板11の表面側において、透明導電層17aの面上にレジスト18aが形成され、基板11の裏面側において、透明導電層17bの面上にレジスト18bが形成される。
レジスト18a,18bとしては、ネガ型のレジストを用いてもよいし、ポジ型のレジストを用いてもよい。レジスト18a,18bには、公知の材料が用いられ、レジスト18a,18bは、公知の方法によって形成される。
図7に示されるように、次に、レジスト18a,18bに光を照射する2つの光源21a,21bの間に、レジスト18a,18bが形成された積層体が配置される。基板11の表面側において、レジスト18aと光源21aとの間には、レジスト18aに近い方から、透明電極層12aの導電領域13aのパターンに応じたパターンを有するマスク19aと、特定の波長の光を遮断する光学フィルター20aとが、この順に配置される。基板11の裏面側において、レジスト18bと光源21bとの間には、レジスト18bに近い方から、透明電極層12bの導電領域13bのパターンに応じたパターンを有するマスク19bと、特定の波長の光を遮断する光学フィルター20bとが、この順に配置される。
そして、光源21aからレジスト18aに対して光が照射されてレジスト18aが露光されるとともに、光源21bからレジスト18bに対して光が照射されてレジスト18bが露光される。レジスト18aの露光とレジスト18bの露光とは同時に行われる。あるいは、レジスト18aの露光と、レジスト18bの露光とは、レジスト18aの現像前、かつ、レジスト18bの現像前であれば、各別に行われてもよい。このとき、光学フィルター20a,20bによって特定の波長の光が遮断されるため、レジスト18a,18bは、光源21a,21bから発せられた光のうちの特定の波長の光を除いた光によって露光される。
ここで、透明導電層17a,17bの樹脂部15a,15bが光を吸収する機能を有しているため、光源21aから光学フィルター20aを介してレジスト18aに照射された光のうち、レジスト18aに吸収されなかった光は、透明導電層17a,17bの樹脂部15a,15bに吸収される。したがって、光源21aからレジスト18aに照射された光が積層体を透過してレジスト18bを感光させることを抑えることができる。また、光源21bから光学フィルター20bを介してレジスト18bに照射された光のうち、レジスト18bに吸収されなかった光は、透明導電層17a,17bの樹脂部15a,15bに吸収される。したがって、光源21bからレジスト18bに照射された光が積層体を透過してレジスト18aを感光させることを抑えることができる。そのため、2つのレジスト18a,18bの露光が、これら両方のレジスト18a,18bの現像前にまとめて行われても、一方のレジストを露光するための光が積層体を透過して他方のレジストを感光させることが抑えられる。
また、光学フィルター20a,20bによって遮断される光の波長と、樹脂部15a,15bが吸収する光の波長とを調整することによって、レジストを露光するための光の選択的な設定と吸収とが可能になる。例えば、光学フィルター20a,20bが可視領域の波長の光を遮断し、樹脂部15a,15bが紫外領域の波長の光を吸収するように構成される。この場合、露光光は可視領域以外の波長を有する光となり、レジスト18a,18bは、光学フィルター20a,20bを通過した紫外領域の波長の光によって露光される。そして、一方のレジストに吸収されなかった光は、樹脂部15a,15bに吸収される。このように、光学フィルター20a,20bによって遮断される光の波長と、樹脂部15a,15bが吸収する光の波長とを調整することによって、レジスト18a,18bの露光と不要な露光光の吸収とが的確に行われる。
上述のように、光学フィルター20a,20bが可視領域の波長の光を遮断し、樹脂部15a,15bが紫外領域の波長の光を吸収する場合、光学フィルター20a,20bの波長365nmにおける光線透過率が80%以上であることが好ましい。光学フィルター20a,20bの光線透過率が上記の範囲であれば、レジスト18a,18bが紫外領域の波長の光によって露光される。したがって、一方のレジストを露光するために照射された光のうち、レジストに吸収されなかった光が樹脂部15a,15bによって適切に吸収される。
また、レジスト18a,18bの特性によって、光学フィルター20a,20bを通過した光によってレジスト18a,18bが十分に感光しない場合には、光学フィルター20a,20bの波長400nmにおける光線透過率が、0.1%以上30%以下の範囲で調整されることが好ましい。
図8に示されるように、レジスト18a,18bが露光されることによって、レジスト18a,18bが感光する。
図9に示されるように、次に、レジスト18a,18bがネガ型の場合には、レジスト18a,18bの感光していない部分が現像液によって除去される。あるいは、レジスト18a,18bがポジ型の場合には、レジスト18a,18bの感光した部分が現像液によって除去される。これにより、レジスト18a,18bに、マスク19a,19bに応じたパターンが形成される。すなわち、レジスト18a,18bに、透明電極層12a,12bにおける導電領域13a,13bのパターンとして設定されたパターンが形成される。
図9に示されるように、次に、レジスト18a,18bがネガ型の場合には、レジスト18a,18bの感光していない部分が現像液によって除去される。あるいは、レジスト18a,18bがポジ型の場合には、レジスト18a,18bの感光した部分が現像液によって除去される。これにより、レジスト18a,18bに、マスク19a,19bに応じたパターンが形成される。すなわち、レジスト18a,18bに、透明電極層12a,12bにおける導電領域13a,13bのパターンとして設定されたパターンが形成される。
図10に示されるように、次に、レジスト18aのパターンに応じて、透明導電層17aの露出部分がエッチングされ、レジスト18bのパターンに応じて、透明導電層17bの露出部分がエッチングされる。エッチング方法は、酸やアルカリへの積層体の浸漬等、公知の方法が用いられる。これにより、透明導電層17a,17bのうち、レジスト18a,18bに覆われていない部分では、繊維状の金属が腐食することによって金属層16a,16bが除去され、樹脂部15a,15bが残る。その結果、透明導電層17a,17bにて、レジスト18a,18bに覆われていない部分に非導電領域14a,14bが形成され、レジスト18a,18bに覆われている部分が導電領域13a,13bとなる。これにより、透明導電層17aが含む金属層16aがパターニングされて透明電極層12aが形成される。また、透明導電層17bが含む金属層16bがパターニングされて透明電極層12bが形成される。なお、非導電領域14a,14bは、導電領域13a,13bと絶縁された状態であればよく、非導電領域14a,14bにおいて、繊維状の金属は完全に除去されていなくてもよい。
図11に示されるように、次に、レジスト18a,18bが除去される。これにより、透明導電性積層体10が得られる。
なお、上記の各工程は、ロール・ツー・ロール方式によって行われることが好ましい。これによれば、透明導電性積層体10を効率よく製造することができるため、透明導電性積層体10の製造にかかる時間が短縮される。
なお、上記の各工程は、ロール・ツー・ロール方式によって行われることが好ましい。これによれば、透明導電性積層体10を効率よく製造することができるため、透明導電性積層体10の製造にかかる時間が短縮される。
[作用]
上述の透明導電性積層体、タッチパネル、および、透明導電性積層体の製造方法がもたらす作用について説明する。
上述の透明導電性積層体、タッチパネル、および、透明導電性積層体の製造方法がもたらす作用について説明する。
上述のように、透明電極層12a,12bが有する樹脂部15a,15bが光を吸収する機能を有しているため、一方のレジストを露光するために照射された光のうち、レジストに吸収されなかった光を樹脂部15a,15bが吸収する。その結果、一方のレジストに対する露光光が他方のレジストに到達することが抑えられる。したがって、2つの透明電極層12a,12bの導電領域13a,13bが互いに異なるパターンを有する場合であっても、一方のレジストに形成されるパターンが他方のレジストに形成されるパターンに影響を与えることなく、基板11を挟んで対向する2つのレジスト18a,18bを、これら両方のレジスト18a,18bの現像前にまとめて露光できる。結果として、レジストの形成や露光や現像等の工程を、透明導電層17a,17bが形成された面ごとに繰り返す製造方法と比較して、透明導電性積層体10の製造に要する工程が削減されるため、透明導電性積層体の製造工程の流れが簡素である。
また、2つのレジスト18a,18bがほぼ同時に露光されるため、レジスト18a用の露光マスクの位置と、レジスト18b用の露光マスクの位置との整合によって、レジスト18aのパターンと、レジスト18bのパターンとの位置合わせが可能になる。それゆえに、例えば、先行して形成された一方のレジストの微細なパターンの位置を検出し、その検出結果と、他方のレジスト用の露光マスクの位置とを整合させる位置合わせと比較して、2つのレジスト18a,18bに形成されるパターンの位置合わせが容易になる。したがって、透明電極層12a,12bの導電領域13a,13bを微細なパターンに形成することも可能となり、ひいては、タッチパネルにおける接触位置の検出の感度や精度が向上される。また、導電領域13a,13bが微細なパターンに形成されることによって、パターン形状が目立たなくなるため、タッチパネルの視認性が向上する。
また、繊維状の金属から導電領域13a,13bが形成されるため、透明電極層12a,12bとなる金属層16a,16bを塗布によって形成することができる。その結果、スパッタリング等によって膜を形成する場合と比較して、簡易に成膜ができることに加え、ロール・ツー・ロール方式による成膜が可能となるため、透明導電性積層体10の生産効率が高められる。
また、本実施形態では、透明電極層12a,12bの樹脂部15a,15bに、光を吸収する機能が付与されている。従来から、透明電極層12a,12bの導電領域13a,13bが繊維状の金属から形成される場合、導電領域13a,13bを保護するために、繊維状の金属の上に樹脂が塗布される。こうして形成される樹脂部15a,15bに光を吸収する機能を付与することによって、光を吸収する機能のみを有する層を別に設けて構成部材を増やすことなく、透明導電性積層体10による露光光の吸収が可能となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)一方のレジストに対する露光光のうち、レジストに吸収されなかった光を透明電極層12a,12bの樹脂部15a,15bが吸収する。したがって、一方のレジストに対する露光光が他方のレジストに到達することが抑えられるため、2つのレジストを、これら両方の現像前にまとめて露光できる。その結果、製造工程の流れを簡素にすることができる。
(1)一方のレジストに対する露光光のうち、レジストに吸収されなかった光を透明電極層12a,12bの樹脂部15a,15bが吸収する。したがって、一方のレジストに対する露光光が他方のレジストに到達することが抑えられるため、2つのレジストを、これら両方の現像前にまとめて露光できる。その結果、製造工程の流れを簡素にすることができる。
(2)実用上、レジスト18a,18bの露光は、紫外領域の波長の光と可視領域の波長の光を発する光源21a,21bによって行われることが好ましい。したがって、樹脂部15a,15bが紫外領域の波長の光を吸収する機能を有すると、樹脂部15a,15bにおける可視領域以外の波長を有する露光光を吸収する機能が、実用上好ましい形態で実現される。また、樹脂部15a,15bに紫外線吸収剤または紫外線吸収機能を有する樹脂が含有されることによって、紫外領域の波長の光を吸収する機能を樹脂部15a,15bに適切に付加することができる。また、透明導電性積層体10の波長400nmにおける光線透過率が60%以上であり、かつ、波長365nmにおける光線透過率が20%以下であると、樹脂部15a,15bによる紫外領域の波長の光を吸収する機能が適切に実現される。
(3)光学フィルター20a,20bの波長365nmにおける光線透過率が80%以上であって、透明導電性積層体10の波長400nmにおける光線透過率が60%以上であり、かつ、波長365nmにおける光線透過率が20%以下である。こうした構成によれば、光学フィルター20a,20bを透過する光の波長と、樹脂部15a,15bが吸収する光の波長とが合わせられるため、レジスト18a,18bの露光と不要な露光光の吸収とが的確に行われる。
上記の実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・図12に示されるように、基板11が複数の層を有していてもよい。図12に示される透明導電性積層体22では、基板11が2つの副基板11a,11bと、副基板11aと副基板11bとを貼り合わせる粘着層23とから構成される。副基板11aは、第1の基板の一例であり、副基板11bは、第2の基板の一例である。粘着層23に用いられる樹脂としては、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、または、ゴム系樹脂等が挙げられる。粘着層23には、クッション性や透明性に優れた樹脂を用いることが好ましい。
・図12に示されるように、基板11が複数の層を有していてもよい。図12に示される透明導電性積層体22では、基板11が2つの副基板11a,11bと、副基板11aと副基板11bとを貼り合わせる粘着層23とから構成される。副基板11aは、第1の基板の一例であり、副基板11bは、第2の基板の一例である。粘着層23に用いられる樹脂としては、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、または、ゴム系樹脂等が挙げられる。粘着層23には、クッション性や透明性に優れた樹脂を用いることが好ましい。
こうした透明導電性積層体の製造方法では、副基板11aの表面に金属層16aが形成され、金属層16aに樹脂部15aの構成材料を含む溶液が塗布されて透明導電層17aが形成される。また、副基板11bの表面に金属層16bが形成され、金属層16bに樹脂部15bの構成材料を含む溶液が塗布されて透明導電層17bが形成される。そして、副基板11aの裏面と副基板11bの裏面とが粘着層23によって貼り合わせられる。以後、先の図6〜図11に示される工程と同様の工程を経て透明導電性積層体22が製造される。すなわち、この場合も、基板11を挟んで対向する2つのレジスト18a,18bが現像前にまとめて露光されるため、製造工程の流れを簡素にすることができる。
・2つの樹脂部15a,15bのうち、一方の樹脂層のみが光を吸収する機能を有していてもよい。こうした構成によっても、上記(1)の効果は得られる。
・2つの樹脂部15a,15bが吸収する光の波長が互いに異なってもよい。こうした構成によれば、広い波長領域で光を吸収することができる。
・2つの樹脂部15a,15bが吸収する光の波長が互いに異なってもよい。こうした構成によれば、広い波長領域で光を吸収することができる。
10,22…透明導電性積層体、11…基板、11a,11b…副基板、12a,12b…透明電極層、13a,13b…導電領域、14a,14b…非導電領域、15a,15b…樹脂部、16a,16b…金属層、17a,17b…透明導電層、18a,18b…レジスト、19a,19b…マスク、20a,20b…光学フィルター、21a,21b…光源、23…粘着層、30…カバー層、31…タッチパネル、32…表示パネル、33…表示装置。
Claims (7)
- 基板と、
第1の透明電極層と、
前記基板を挟んで前記第1の透明電極層と対向する第2の透明電極層と、を備え、
前記第1の透明電極層および前記第2の透明電極層の各々は、繊維状の金属から構成されて導電性を有する電極部と、前記基板に沿って、前記電極部を含めた領域に広がる樹脂部と、を含み、
前記第1の透明電極層および前記第2の透明電極層の少なくとも一方が含む前記樹脂部は、可視領域以外に波長を有する光を吸収する機能を有する
透明導電性積層体。 - 前記光を吸収する機能を有する前記樹脂部は、紫外領域の波長の光を吸収する
請求項1に記載の透明導電性積層体。 - 前記光を吸収する機能を有する前記樹脂部は、紫外線吸収剤または紫外線吸収機能を有する樹脂を含む
請求項1または2に記載の透明導電性積層体。 - 波長400nmにおける光線透過率が60%以上であり、かつ、波長365nmにおける光線透過率が20%以下である
請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明導電性積層体。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明導電性積層体を備える
タッチパネル。 - 基板の表面側に、繊維状の金属を含む第1の金属層を形成する工程と、
基板の裏面側に、繊維状の金属を含む第2の金属層を形成する工程と、
前記第1の金属層に樹脂を含む溶液を塗布して、前記第1の金属層と樹脂部とからなる第1の透明導電層を形成する工程と、
前記第2の金属層に樹脂を含む溶液を塗布して、前記第2の金属層と樹脂部とからなる第2の透明導電層を形成する工程と、
前記第1の透明導電層の面上と、前記第2の透明導電層の面上とにレジストを形成する工程と、
前記第1の透明導電層の面上に形成されたレジストと、前記第2の透明導電層の面上に形成されたレジストとを露光する工程と、
感光した前記レジストを現像する工程と、
現像された前記レジストから露出する前記第1の透明導電層をエッチングして前記第1の金属層の一部を除去し、現像された前記レジストから露出する前記第2の透明導電層をエッチングして前記第2の金属層の一部を除去する工程と、を含み、
前記第1の透明導電層および前記第2の透明導電層の少なくとも一方が含む前記樹脂部は、可視領域以外に波長を有する露光光を吸収する機能を有する
透明導電性積層体の製造方法。 - 第1の基板の表面側に、繊維状の金属を含む第1の金属層を形成する工程と、
第2の基板の表面側に、繊維状の金属を含む第2の金属層を形成する工程と、
前記第1の金属層に樹脂を含む溶液を塗布して、前記第1の金属層と樹脂部とからなる第1の透明導電層を形成する工程と、
前記第2の金属層に樹脂を含む溶液を塗布して、前記第2の金属層と樹脂部とからなる第2の透明導電層を形成する工程と、
前記第1の基板の裏面と前記第2の基板の裏面とを貼り合わせる工程と、
前記第1の透明導電層の面上と、前記第2の透明導電層の面上とにレジストを形成する工程と、
前記第1の透明導電層の面上に形成されたレジストと、前記第2の透明導電層の面上に形成されたレジストとを露光する工程と、
感光した前記レジストを現像する工程と、
現像された前記レジストから露出する前記第1の透明導電層をエッチングして前記第1の金属層の一部を除去し、現像された前記レジストから露出する前記第2の透明導電層をエッチングして前記第2の金属層の一部を除去する工程と、を含み、
前記第1の透明導電層および前記第2の透明導電層の少なくとも一方が含む前記樹脂部は、可視領域以外に波長を有する露光光を吸収する機能を有する
透明導電性積層体の製造方法。
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