JP2012162601A - オーバーコート用光硬化性樹脂組成物、オーバーコート用光硬化性エレメント、導電膜基板の製造方法及び導電膜基板 - Google Patents

オーバーコート用光硬化性樹脂組成物、オーバーコート用光硬化性エレメント、導電膜基板の製造方法及び導電膜基板 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性繊維によって形成された導電層を有する導電パターン付基板の高温高湿条件での信頼性を向上させることができるオーバーコート用光硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】基板と、当該基板上に樹脂硬化層を介して設けられ所定の導電パターンを有し導電性繊維を含有する導電層と、を備える導電パターン付基板の前記導電層が設けられている側にオーバーコート層を形成するためのオーバーコート用光硬化性樹脂組成物であって、イオン吸着剤を含む、オーバーコート用光硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、オーバーコート用光硬化性樹脂組成物、オーバーコート用光硬化性エレメント、導電膜基板の製造方法及び導電膜基板に関する。
パソコンやテレビの大型電子機器からカーナビゲーション、携帯電話、電子辞書等の小型電子機器やOA・FA機器等の表示機器には、液晶表示素子やタッチスクリーンが用いられている。これら液晶表示素子やタッチスクリーン、さらには太陽電池には透明導電電極材が必要となっている。
従来、透明導電電極材には、可視光に対して高い透過率を示すことから、ITO(Indium−Tin−Oxide)、酸化インジュウム、及び酸化スズ等が用いられている。これらは、透明導電被膜として最適であり、液晶表示素子用基板等の電極として主流になっている。
液晶表示装置においては、透明導電膜を配線、又は画素電極、又は端子の一部等として用いている。そのため、透明導電膜のパターニング方法としては、透明導電膜を形成後、フォトリソグラフィー法によりレジストパターンを形成し、ウエットエッチングにより膜をパターニングする方法が用いられる。エッチング液としては、ITO及び酸化インジュウム膜に対しては、塩酸と塩化第二鉄の2液よりなる混合液が最もよく用いられてきた。
ところで、ITO膜や酸化スズ膜は、一般にスパッタ法により形成されるが、スパッタ条件の違い、すなわち、スパッタパワー、ガス圧、基板温度、雰囲気ガスの種類等により膜の性質が変わりやすいことが知られている。
上記のスパッタ条件の変動による透明導電膜の膜質の違いは、膜をウエットエッチングする際のエッチング速度のばらつきの原因となり、透明導電膜のパターンニング不良が発生し、製品の歩留り低下を招くことがある。また、スパッタとレジスト形成からエッチングと工程が長く、コスト面でも大きな負担となっている。
最近、上記の問題を解決するために、ITO、酸化インジュウム、及び酸化スズ等に替わる材料を用いて透明な導電パターンを形成する試みがなされている。このような技術として、例えば、下記特許文献1には、支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられ導電性繊維を含有する導電層と、該導電層上に設けられた感光性樹脂層と、を備える、感光性導電フィルムを用いた導電パターンの形成方法が開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、種々の基材上にフォトリソグラフィー工程で直接導電パターンを簡便に形成できる。
国際公開第10/021224号パンフレット
しかしながら、上記特許文献1記載の手法により形成した配線パターンは、ITO、酸化インジュウム、及び酸化スズ等を用いて形成した配線パターンと比較して、導電繊維層の高温高湿条件での信頼性の点において改善の余地があることから、ITO、酸化インジュウム、及び酸化スズ等を用いて形成した配線パターンの用途に置き換わるまでには至っていない。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、導電性繊維によって形成された導電層を有する導電パターン付基板の高温高湿条件での信頼性を向上させることができるオーバーコート用光硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。本発明はまた、当該オーバーコート用光硬化性樹脂組成物を用いたオーバーコート用光硬化性エレメントを提供することを目的とする。本発明はさらに、上記オーバーコート用光硬化性樹脂組成物を用いた導電膜基板の製造方法及びこれにより製造された導電膜基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、基板と、当該基板上に樹脂硬化層を介して設けられ所定の導電パターンを有し導電性繊維を含有する導電層と、を備える導電パターン付基板の上記導電層が設けられている側にオーバーコート層を形成するためのオーバーコート用光硬化性樹脂組成物であって、イオン吸着剤を含む、オーバーコート用光硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物は、上記構成を有することにより、基板と、当該基板上に樹脂硬化層を介して設けられ所定の導電パターンを有し導電性繊維を含有する導電層と、を備える導電パターン付基板の前記導電層が設けられている側にオーバーコート層を形成させた場合において、導電パターンを高温高湿条件での信頼性に優れるものとすることができる。すなわち、本発明のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物によれば、導電性繊維によって形成された導電層を有する導電パターン付基板の高温高湿条件での信頼性を向上させることができる。本発明者らは、当該オーバーコート用光硬化性樹脂組成物がこのような効果を奏する理由の一つを以下のように推測する。本発明のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物は、イオン吸着剤を含むことを特徴とする。これにより、導電性繊維の信頼性低下の一因であるイオン性不純物がイオン吸着剤により補足され、高温高湿条件での信頼性が向上すると考えられる。
ところで、上記特許文献1記載の技術は、感光層を有する導電パターンを転写するため、パターンと基材の段差によって、パターンが浮き出して見え、ガラスのような均一で透明なものにはなっていないという問題があった。
しかしながら、本発明のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物によれば、導電パターン付基板の前記導電層が設けられている側にオーバーコート層を形成させた場合において、上記の段差を解消することができ、導電パターンを実用上十分に不可視化されたものとすることができる。
本発明のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物においては、上記イオン吸着剤が、陽イオン交換体又は陰イオン交換体の少なくとも一方を含むことが好ましい。
イオン吸着剤がこのようなものを含むと、導電パターンの高温高湿条件での信頼性がより向上する。
本発明はまた、支持体と、当該支持体上に設けられ上記オーバーコート用光硬化性樹脂組成物からなる光硬化性樹脂層と、を備える、オーバーコート用光硬化性エレメントを提供する。
このようなオーバーコート用光硬化性エレメントは、上記オーバーコート用光硬化性組成物からなる光硬化性樹脂層を備えるため、高温高湿条件での信頼性に優れる導電膜基板の形成材料として有用である。
本発明はまた、基板と、当該基板上に樹脂硬化層を介して設けられ所定の導電パターンを有し導電性繊維を含有する導電層と、を備える導電パターン付基板の上記導電層が設けられている側に、上述のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物から形成された光硬化性樹脂層を設ける工程と、光硬化性樹脂層に活性光線を照射する工程と、を備える導電膜基板の製造方法を提供する。
このような、方法によれば、高温高湿条件での信頼性に優れる導電膜基板を容易に形成することができる。また、当該方法によれば、実用上十分に不可視化された導電パターンを容易に得ることができる。
上記導電膜基板の製造方法においては、上記光硬化性樹脂層が、上述のオーバーコート用光硬化性エレメントを用いて設けられることが好ましい。
このような製造方法によれば、高温高湿条件での信頼性に優れる導電膜基板をより容易に形成することができる。また、当該方法によれば、実用上十分に不可視化された導電パターンをより容易に得ることができる。
本発明はまた、上述の導電膜基板の製造方法により製造された導電膜基板を提供する。
このような導電膜基板は上述の方法により製造されるため、高温高湿条件での信頼性に優れるものとなる。また、このような導電膜基板においては、導電パターンを実用上十分に不可視化されたものとすることができる。
本発明によれば、導電性繊維によって形成された導電層を有する導電パターン付基板の高温高湿条件での信頼性を向上させることができるオーバーコート用光硬化性樹脂組成物を提供することができる。本発明によればまた、当該オーバーコート用光硬化性樹脂組成物を用いたオーバーコート用光硬化性エレメントを提供することができる。本発明によればまた、上記オーバーコート用光硬化性樹脂組成物を用いた導電膜基板の製造方法及びこれにより製造された導電膜基板を提供することができる。
本発明のオーバーコート用光硬化性エレメントの一実施形態を示す模式断面図ある。 感光性導電フィルムの好適な例を示す模式断面図である。 本発明の導電膜基板の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。また、本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。同様に「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリロイル」とは「アクリロイル」及びそれに対応する「メタクリロイル」を意味する。
[オーバーコート用光硬化性樹脂組成物]
本実施形態のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物は、基板と、当該基板上に樹脂硬化層を介して設けられ所定の導電パターンを有し導電性繊維を含有する導電層と、を備える導電パターン付基板の上記導電層が設けられている側にオーバーコート層を形成するためのオーバーコート用光硬化性樹脂組成物であって、イオン吸着剤を含むものである。当該オーバーコート用光硬化性樹脂組成物によれば、基板と、当該基板上に樹脂硬化層を介して設けられ所定の導電パターンを有し導電性繊維を含有する導電層と、を備える導電パターン付基板の前記導電層が設けられている側にオーバーコート層を形成させた場合において、導電パターンを高温高湿条件での信頼性に優れるものとすることができる。すなわち、このようなオーバーコート用光硬化性樹脂組成物は、導電性繊維によって形成された導電層を有する導電パターン付基板の高温高湿条件での信頼性を向上させることができる。また、当該オーバーコート用光硬化性樹脂組成物によれば、導電パターンを実用上十分に不可視化されたものとすることができる。
以下、当該オーバーコート用光硬化性樹脂組成物が含有する成分について詳細に説明する。
(イオン吸着剤)
イオン吸着剤は、イオン吸着能を有する材料であれば、特に制限はないが、陽イオン交換体又は陰イオン交換体の少なくとも一方を含むことが好ましい。イオン吸着剤がこのようなものを含むと、導電パターンの高温高湿条件での信頼性がより向上する。
上記陽イオン交換体は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジルコニウム系、スズ系、アンチモン系及びチタン系の陽イオン交換体が挙げられる。中でも、ジルコニウム系及びアンチモン系の陽イオン交換体が好ましい。
アンチモン系の陽イオン交換体としては、イオン選択性が大きく、共存するイオンから特定のイオンが分離できるものが好ましく、耐熱性、耐有機薬品性、耐水性の良いものがより好ましい。具体的には、例えば、IXE300(東亜合成株式会社製、商品名)が挙げられる。
ジルコニウム系の陽イオン交換体としては、イオン選択性が大きく、共存するイオンから特定のイオンが分離できるものが好ましく、耐熱性、耐有機薬品性、耐水性の良いものがより好ましい。具体的には、例えば、IXE−800(東亜合成株式会社製、商品名)が挙げられる。
上記陰イオン交換体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ビスマス系、マグネシウム・アルミニウム系、ジルコニウム系及び鉛系の陰イオン交換体が挙げられる。中でも、ビスマス系、マグネシウム・アルミニウム系の陰イオン交換体が好ましく、マグネシウム・アルミニウム系のイオン交換体がより好ましい。
マグネシウム・アルミニウム系の陰イオン交換体としては、例えば、IXE700(東亜合成製、製品名)が挙げられる。
ここで、上記陽イオン交換体及び上記陰イオン交換体は、金属酸化物であることが好ましい。なお、当該金属酸化物の表面は帯電していてもよい。
(その他成分)
本実施形態のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物は、イオン吸着剤以外の成分として、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含有することが好ましい。本実施形態のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物がこのような成分を含有すると、導電パターンの高温高湿条件での信頼性がより向上する。以下、これらの成分について詳細に説明する。
<バインダポリマー>
上記バインダーポリマーとしては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アミド樹脂、アミドエポキシ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。アルカリ現像性に優れる観点から、アクリル樹脂が好ましい。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなバインダーポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のα−位又は芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエーテル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸及びプロピオール酸が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、下記式(1)で表される化合物、及びこれらの化合物のアルキル基に水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等が置換した化合物が挙げられる。
CH=C(R)−COOR …(1)
ここで、式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。上記炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。
上記式(1)で表される化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸プロピルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステルが挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記バインダーポリマーは、アルカリ現像性をより良好にする観点から、カルボキシル基を有することが好ましい。カルボキシル基を有するバインダーポリマーは、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。カルボキシル基を有する重合性単量体としては、上述したような(メタ)アクリル酸が好ましい。
バインダーポリマーが有するカルボキシル基の比率は、使用する全重合性単量体に対するカルボキシル基を有する重合性単量体の割合として、アルカリ現像性とアルカリ耐性のバランスを図る観点から、12〜50質量%であることが好ましく、12〜40質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることが更に好ましく、15〜25質量%であることが特に好ましい。このカルボキシル基を有する重合性単量体の割合が12質量%未満であるとアルカリ現像性に劣る傾向があり、50質量%を超えるとアルカリ耐性に劣る傾向がある。
バインダーポリマーの重量平均分子量は、機械強度及びアルカリ現像性のバランスを図る観点から、20000〜300000であることが好ましく、40000〜150000であることがより好ましい。重量平均分子量が、20000未満であると耐現像液性が低下する傾向があり、300000を超えると現像時間が長くなる傾向がある。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定され、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算された値をいう。
上記バインダーポリマーは、1種を単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーが挙げられる。
<エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物>
エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を有し、光架橋可能なものであれば特に制限はないが、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物;多価アルコールにα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物;ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらの中で、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、「BPE−500」(新中村化学工業株式会社製、商品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、「BPE−1300」(新中村化学工業株式会社製、商品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記多価アルコールにα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14であり、プロピレン基の数が2〜14であるポリエチレンポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記ウレタンモノマーとしては、例えば、β位にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物、トリス[(メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート]ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO、PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、「EO」はエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有する。また、「PO」はプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する。EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、「UA−11」(新中村化学工業株式会社製、商品名)が挙げられる。また、EO、PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、「UA−13」(新中村化学工業株式会社製、商品名)が挙げられる。
<光重合開始剤>
光重合開始剤としては、使用する露光機の光波長と、機能発現に必要な波長とがあうものを選択すれば、特に制限はないが、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等のオキシムエステル化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物、オキサゾール系化合物が挙げられる。また、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。これらの中でも、透明性の見地からは、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1等の芳香族ケトン化合物や1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]等のオキシムエステル化合物がより好ましい。これらは、単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物がバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含有する場合において、オーバーコート用光硬化性樹脂組成物中のエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物の含有割合は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の総量100質量部に対して、30〜80質量部であることが好ましく、40〜70質量部であることがより好ましい。この含有割合が30質量部未満では光硬化が不十分となり、塗膜性が不十分となる傾向があり、80質量部を超えるとフィルムとして巻き取った場合、保管が困難となる傾向がある。
また、本実施形態のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物がバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含有する場合において、オーバーコート用光硬化性樹脂組成物中の光重合開始剤の含有割合は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の総量100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。この含有割合が0.1質量部未満では光感度が不十分となる傾向があり、30質量部を超えると露光の際に組成物の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不十分となる傾向がある。
さらに、本実施形態のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤等の添加剤を、単独で又は2種類以上を組み合わせて含有することができる。本実施形態のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物がバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含有する場合においては、オーバーコート用光硬化性樹脂組成物中の上記添加剤の含有量は、バインダーポリマー及び光重合性化合物の総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部であることが好ましい。
本実施形態のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物におけるイオン吸着剤の含有量は、オーバーコート用光硬化性樹脂組成物の全質量を基準として、0.1〜70質量%であることが好ましく、0.5〜60質量%であることがより好ましく1.0〜50質量%であることが更に好ましい。
上記オーバーコート用光硬化性樹脂組成物は、例えば、オーバーコート用光硬化性エレメントの形成に用いることができる。以下、オーバーコート用光硬化性エレメントの好適な実施形態について説明する。
[オーバーコート用光硬化性エレメント]
図1は、本発明のオーバーコート用光硬化性エレメントの一実施形態を示す模式断面図ある。図1に示すオーバーコート用光硬化性エレメント100は、支持体(支持フィルム)21と、支持体21上に設けられた光硬化性樹脂層11と、光硬化性樹脂層11上に設けられた保護フィルム31と、を備える。ここで、光硬化性樹脂層11は、本実施形態のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物からなる層である。なお、図1においては、保護フィルム31を備えるオーバーコート用光硬化性エレメント100を例示しているが、本実施形態のオーバーコート用光硬化性エレメントにおいては、保護フィルム31は省略することもできる。このようなオーバーコート用光硬化性エレメント100は、上記オーバーコート用光硬化性組成物からなる光硬化性樹脂層11を備えるため、高温高湿条件での信頼性に優れる導電膜基板の形成材料として有用である。以下、各層について説明する。
(支持体21)
支持体21としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルムが挙げられる。これらのうち、透明性や耐熱性の観点からは、ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが好ましい。なお、これらの重合体フィルムは、後に光硬化性樹脂組成物層から除去可能でなくてはならないため、除去が不可能となるような表面処理が施されたものであったり、材質であったりしてはならない。
支持体21の厚みは、5〜300μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましく、15〜100μmであることが更に好ましい。支持体21の厚みが、5μm未満であると、機械的強度が低下し、オーバーコート用光硬化性エレメントに導電パターンを形成した感光性導電フィルムを積層する際や、現像前に支持体を剥離する際に支持体が破れやすくなる傾向があり、一方、300μmを超えると、解像度が低下する傾向や価格が高くなる傾向にある。
(光硬化性樹脂層11)
光硬化性樹脂層11は、例えば、上述のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物を、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤と混合し、固形分10〜60質量%程度の塗布液を調整した後、当該塗布液を、支持体21上に塗布し乾燥させることにより形成することができる。
塗布液の支持体21への塗布方法に特に制限はないが、例えば、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等の公知の方法が挙げられる。
また、乾燥温度は70〜150℃程度であることが好ましく、乾燥時間は、5〜30分間程度であることが好ましい。なお、後の工程での有機溶剤の拡散を防止するとの観点からは、乾燥後の光硬化性樹脂層中の残存有機溶剤量は、2質量%以下であることが好ましい。
光硬化性樹脂層11の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜400μmであることが好ましく、5〜200μmであることがより好ましい。この厚みが1μm未満であると工業的に塗工が困難となる傾向にあり、400μmを超えると光透過の低下による感度が不十分となり転写膜の光硬化性が低下する傾向にある。
(保護フィルム31)
保護フィルム31の材質に特に制限はないが、保護フィルム31と光硬化性樹脂層11との間の接着力は、保護フィルム31を光硬化性樹脂層11から剥離しやすくするために、光硬化性樹脂層11と支持体21との間の接着力よりも小さいことが好ましい。
また、保護フィルム31は、低フィッシュアイのフィルムであることが好ましい。なお、「フィッシュアイ」とは、材料を熱溶融し、混練、押し出し、2軸延伸、キャスティング法等によりフィルムを製造する際に、材料の異物、未溶解物、酸化劣化物等がフィルム中に取り込まれたものである。
保護フィルム31の厚みは、1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、5〜30μmであることが更に好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。保護フィルムの厚みが1μm未満であるとラミネートの際、保護フィルムが破れやすくなる傾向があり、100μmを超えると価格が高くなる傾向がある。
オーバーコート用光硬化性エレメント100は、例えば、そのままの平板状の形態で、又は、円筒状などの巻芯に巻きとりロール状の形態で貯蔵することができる。なお、この際、支持体21が最も外側になるように巻き取られることが好ましい。
また、オーバーコート用光硬化性エレメントが保護フィルム31を有してない2層構成である場合、このようなオーバーコート用光硬化性エレメントは、そのままの平板状の形態で貯蔵することができる。
巻芯としては、従来用いられているものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックが挙げられる。またロール状に巻き取られたオーバーコートフィルムの端面には、端面保護の観点から端面セパレータを設置することが好ましく、加えて耐エッジフュージョンの観点から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、オーバーコートフィルムを梱包する際には、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
以上、オーバーコート用光硬化性エレメント100の好適な実施形態について説明したが、本発明のオーバーコート用光硬化性エレメントは上記実施形態に限定されるものではない。例えば、オーバーコート用光硬化性エレメントは、光硬化性樹脂層11と、支持体(支持フィルム)21との間に、接着層、ガスバリア層等の層をさらに有していてもよい。
上記オーバーコート用光硬化性樹脂組成物及びオーバーコート用光硬化性エレメント100は、例えば、導電膜基板の製造に用いることができる。以下、導電膜基板の製造方法の好適な例について説明する。
[導電膜基板の製造方法]
導電膜基板は、例えば、基板と、当該基板上に樹脂硬化層を介して設けられ所定の導電パターンを有し導電性繊維を含有する導電層と、を備える導電パターン付基板の上記導電層が設けられている側に、本実施形態のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物から形成された光硬化性樹脂層を設ける工程と、上記光硬化性樹脂層に活性光線を照射する工程と、を備える方法により製造できる。このような方法によれば、高温高湿条件での信頼性に優れる導電膜基板を容易に形成することができる。また、当該方法によれば、実用上十分に不可視化された導電パターンを容易に得ることができる。以下、各工程について、必要に応じ図面を参照しつつ、より詳細に説明する。
まず、基板と、当該基板上に樹脂硬化層を介して設けられ所定の導電パターンを有し導電性繊維を含有する導電層と、を備える導電パターン付基板の製造方法について説明する。
上記導電パターン付基板は、例えば、支持体と、当該支持体上に設けられ導電性繊維を含有する導電層と、当該導電層上に設けられた感光性樹脂層と、を備える感光性導電フィルムを、基板上に上記感光性樹脂層が密着するようにラミネートするラミネート工程と、基板上の上記感光性樹脂層の所定部分に活性光線を照射する露光工程と、露光した感光性樹脂層を現像することにより導電パターンを形成する現像工程とにより製造できる。
ラミネート工程においては、まず、感光性導電フィルムを準備する。
図2は、上記感光性導電フィルムの好適な例を示す模式断面図である。図2示す感光性導電フィルム10は、支持体1と、当該支持体1上に設けられ導電性繊維を含有する導電層2と、当該導電層2上に設けられた感光性樹脂層3と、を備える。このような感光性導電フィルムとしては、例えば、上記特許文献1に記載のものが挙げられる。
支持体1としては、例えば、上記オーバーコート用光硬化性エレメント100の支持体21として例示したものが挙げられる。
導電層2に含有される導電性繊維としては、例えば、金、銀、白金などの金属繊維、及びカーボンナノチューブなどの炭素繊維が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。導電性の観点からは、金繊維又は銀繊維を用いることが好ましい。金繊維及び銀繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。更に、形成される導電膜の導電性を容易に調整できる観点からは、銀繊維がより好ましい。
導電層2の厚みは、導電膜基板の用途等により異なるが、1μm以下であることが好ましく、1nm〜0.5μmであることがより好ましく、5nm〜0.1μmであることが特に好ましい。導電層2の厚みが1μm以下であると、450〜650nmの波長域での光透過率が高く、パターン形成性にも優れ、特に透明電極の作製に好適なものとなる。
感光性樹脂層3としては、例えば、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物から形成されるものが挙げられる。ここで、バインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤としては、例えば、上記オーバーコート用光硬化性樹脂組成物が含み得る成分として上述したもの等が挙げられる。
そして、ラミネート工程においては、準備した感光性導電フィルム10を、基板20上に感光性樹脂層3が密着するようにラミネートする(図3の(a))。
ここで、ラミネート工程は、例えば、感光性導電フィルムを、加熱しながら感光性樹脂層側を基板に圧着することにより積層する方法により行なわれる。なお、この作業は、密着性及び追従性の見地から減圧下で積層することが好ましい。感光性導電フィルムの積層は、感光性樹脂層及び/又は基板を70〜130℃に加熱することが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa程度(1〜10kgf/cm程度)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。また、感光性樹脂層を上記のように70〜130℃に加熱すれば、予め基板を予熱処理することは必要ではないが、積層性をさらに向上させるために基板の予熱処理を行うこともできる。
露光工程においては、基板20上の感光性樹脂層3の所定部分に活性光線を照射する(図3の(b))。
露光工程での露光方法としては、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像状に照射する方法(マスク露光法)が挙げられる。活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。また、Arイオンレーザ、半導体レーザ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものも用いられる。更に、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。また、レーザ露光法などを用いた直接描画法により活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよい。
ここで、導電層2上の支持体(支持フィルム)1が活性光線に対して透明である場合には、支持体1を通して活性光線を照射することができ、支持体1が遮光性である場合には、支持体1を除去した後に感光性樹脂層3に活性光線を照射する。
また、基板20が活性光線に対して透明である場合には、基板20側から基板20を通して活性光線を照射することができるが、解像度の点で、導電層2側から導電層2及び感光性樹脂層3に活性光線を照射することが好ましい。
現像工程においては、露光した感光性樹脂層3を現像することにより導電パターンを形成する。これにより、基板20上に、パターニングされた導電膜(導電パターン)2aが形成される(図3の(c))。
ここで、現像工程では、感光性樹脂層3の露光部以外の部分が除去される。具体的には、導電層2上に透明な支持体(支持フィルム)1が存在している場合には、まず支持体1を除去し、その後、ウェット現像により感光性樹脂層3の露光部以外の部分を除去する。これにより、所定のパターンを有する樹脂硬化層3a上に導電性繊維を含有する導電層2aが残り、導電パターンが形成される。
ウェット現像は、例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤系現像液等の感光性樹脂に対応した現像液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により行われる。
現像液としては、アルカリ性水溶液等の安全かつ安定であり、操作性が良好なものが用いられる。上記アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが用いられる。
また、現像に用いるアルカリ性水溶液としては、0.1〜5質量%炭酸ナトリウム水溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウム水溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウム水溶液、0.1〜5質量%四ホウ酸ナトリウム水溶液等が好ましい。また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
また、水又はアルカリ水溶液と一種以上の有機溶剤とからなる水系現像液を用いることができる。ここで、アルカリ水溶液に含まれる塩基としては、上述の塩基以外に、例えば、ホウ砂やメタケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1、3−プロパンジオール、1、3−ジアミノプロパノール−2、モルホリンが挙げられる。有機溶剤としては、例えば、3アセトンアルコール、アセトン、酢酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
水系現像液は、有機溶剤の濃度を2〜90質量%とすることが好ましく、その温度は、現像性にあわせて調整することができる。さらに、水系現像液のpHは、レジストの現像が十分にできる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、pH8〜12とすることが好ましく、pH9〜10とすることがより好ましい。また、水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量添加することもできる。
有機溶剤系現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロエタン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、引火防止のため、1〜20質量%の範囲で水を添加することが好ましい。
上述した現像液は、必要に応じて、2種以上を併用してもよい。
現像の方式としては、例えば、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。これらのうち、高圧スプレー方式を用いることが、解像度向上の観点から好ましい。
ここで、現像工程において形成された導電パターンは、現像後に必要に応じて、60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm程度の露光を行うことにより更に硬化させてもよい。
以上のようにして、基板と、当該基板上に樹脂硬化層を介して設けられ所定の導電パターンを有し導電性繊維を含有する導電層と、を備える導電パターン付基板を製造することができる。次に当該導電パターン付基板を用いた導電膜基板の製造方法について説明する。
導電膜基板は、導電パターン付基板の上記導電層2aが設けられている側に、本実施形態のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物から形成された光硬化性樹脂層を設ける工程(以下、場合により「第1工程」という)と、上記光硬化性樹脂層に活性光線を照射する工程(以下、場合により「第2工程」という)と、を備える方法により製造できる。以下、第1工程及び第2工程についてより詳細に説明する。
第1工程としては、例えば、本実施形態のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物又は本実施形態のオーバーコート用光硬化性エレメントを用いて、導電パターン付基板の上記導電層2aが設けられている側に光硬化性樹脂層を設ける方法が挙げられる。
オーバーコート用光硬化性樹脂組成物を用いて光硬化性樹脂層を設ける方法としては、例えば、上記オーバーコート用光硬化性樹脂組成物を、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤と混合し、固形分10〜60質量%程度の塗布液を調整した後、当該塗布液を、導電パターン付基板の上記導電層2aが設けられている側に塗布し乾燥させる方法が挙げられる。
ここで、上記オーバーコート用光硬化性樹脂組成物は、用いる感光性導電フィルム10における感光性樹脂層3と、同じバインダーポリマーを含有することが好ましく、同じバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含有することがより好ましい。オーバーコート用光硬化性樹脂組成物がこのようなものを含有すると、形成されるオーバーコート層と、導電パターンとの屈折率の差異を小さくできることから、導電パターンをより確実に不可視化できる。同様の観点からは、上記オーバーコート用光硬化性樹脂組成物が含有する成分のうち、イオン吸着剤を除いた成分の組成が、用いる感光性導電フィルム10における感光性樹脂層3の組成と同じであることが特に好ましい。
オーバーコート用光硬化性エレメント100を用いて光硬化性樹脂層を設ける方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
オーバーコート用光硬化性エレメント100が保護フィルム31を有する場合には、保護フィルム31を除去した後、オーバーコート用光硬化性エレメント100を加熱しながら光硬化性樹脂層11側を、導電パターン付基板の上記導電層2aが設けられている側に圧着することにより積層する。なお、この作業は、密着性及び追従性の見地から減圧下で積層することが好ましい。オーバーコート用光硬化性エレメント100の積層は、光硬化性樹脂層11及び/又は基板20を70〜130℃に加熱することが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa程度(1〜10kgf/cm程度)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。また、光硬化性樹脂層11を上記のように70〜130℃に加熱すれば、予め基板20を予熱処理することは必要ではないが、積層性をさらに向上させるために基板20の予熱処理を行うこともできる。
ここで、オーバーコート用光硬化性エレメント100における光硬化性樹脂層11は、用いる感光性導電フィルム10における感光性樹脂層3と、同じバインダーポリマーを含有することが好ましく、同じバインダーポリマー、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び光重合開始剤を含有することがより好ましい。オーバーコート用光硬化性樹脂組成物がこのようなものを含有すると、形成されるオーバーコート層と、導電パターンとの屈折率の差異を小さくできることから、導電パターンをより確実に不可視化できる。同様の観点からは、オーバーコート用光硬化性エレメント100の光硬化性樹脂層11が含有する成分のうち、イオン吸着剤を除いた成分の組成が、用いる感光性導電フィルム10における感光性樹脂層3の組成と同じであることが特に好ましい。
高温高湿条件での信頼性に優れる導電膜基板をより容易に形成することができるとの観点及び実用上十分に不可視化された導電パターンをより容易に得ることができるとの観点からは、上記光硬化性樹脂層はオーバーコート用光硬化性エレメント100を用いて設けられることが好ましい。
第2工程においては、上述のように設けた光硬化性樹脂層を露光することで、光硬化性樹脂層を硬化させ、導電パターン付基板の導電層2aが設けられている側に、本実施形態のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物の硬化物からなるオーバーコート層50を形成する。これにより、導電パターン付基板の導電層2aが設けられている側に、オーバーコート層50を備える導電膜基板40を得ることができる(図3の(d))。なお、露光の際に、光硬化性樹脂層上に支持体が存在する場合においては、存在する支持体(支持フィルム)が活性光線に対して透明であれば、支持体を通して活性光線を照射すればよく、当該支持体が遮光性である場合には、支持体を除去した後に光硬化性樹脂層に活性光線を照射すればよい。
活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。また、Arイオンレーザ、半導体レーザ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものも用いられる。さらに、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。
以上、本実施形態の導電膜基板40の製造方法について説明したが、当該方法により製造された導電膜基板40は、高温高湿条件での信頼性に優れるものとなる。また、このような導電膜基板40においては、導電パターンを実用上十分に不可視化されたものとすることができる。また、このような導電膜基板40は、例えば、フラットパネルディスプレイやタッチスクリーン等の液晶表示素子や、太陽電池等の装置に用いることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに制限されるものではない。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[感光性導電フィルムの作製]
(導電層塗液の調製)
純水に、ポリオール法で合成した銀繊維(直径約5nm、長さ約5μm)を0.2質量%、及び界面活性剤としてドデシル−ペンタエチレングリコールを0.1質量%の濃度となるように分散し、導電層塗液を作製した。ポリオール法による銀繊維の合成方法を下記に示す。
〔ポリオール法による銀繊維の合成〕
2000mLの3口フラスコに、エチレングリコール500mLを入れ、窒素雰囲気下、マグネチックスターラーで攪拌しながらオイルバスにより160℃まで加熱した。ここに、別途用意したPtCl2mgを50mLのエチレングリコールに溶解した溶液を滴下した。そして、4〜5分攪拌した後、AgNO5gをエチレングリコール300mLに溶解した溶液と、重量平均分子量が40000のポリビニルピロリドン(和光純薬工業株式会社製)5gをエチレングリコール150mLに溶解した溶液とを、それぞれの滴下ロートから1分間で滴下し、その後160℃で60分間攪拌して、反応溶液を得た。
上記反応溶液が30℃以下になるまで放置してから、アセトンで10倍に希釈し、遠心分離機により2000回転で20分間遠心分離し、上澄み液をデカンテーションした。沈殿物にアセトンを加え攪拌後に前記と同様の条件で遠心分離し、アセトンをデカンテーションした。その後、蒸留水を用いて同様に2回遠心分離して、銀繊維を得た。得られた銀繊維を光学顕微鏡と電子顕微鏡で観察したところ、繊維径(直径)は約5nmで、繊維長は約5μmであった。
(感光性樹脂の調製)
表1に示す材料を同表に示す配合量(単位:質量部)で配合し、感光性樹脂組成物を調製した。
Figure 2012162601
ここで、表1中、アクリルポリマーAは、メタクリル酸:メタクリル酸メチル:アクリル酸エチル:スチレン=20:50:20:10の重量比率のアクリルポリマーである。当該アクリルポリマーAの合成方法を以下に示す。
〔アクリルポリマーAの合成方法〕
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メチルセロソルブとトルエンとの混合液(メチルセロソルブ/トルエン=3/2(質量比)、以下、「溶液s」という)400gを加え、窒素ガスを吹き込みながら撹拌して、80℃まで加熱した。一方、単量体としてメタクリル酸100g、メタクリル酸メチル250g、アクリル酸エチル100g及びスチレン50gと、アゾビスイソブチロニトリル0.8gとを混合した溶液(以下、「溶液a」という)を用意した。次に、80℃に加熱された溶液sに溶液aを4時間かけて滴下した後、80℃で撹拌しながら2時間保温した。さらに、別途用意した100gの溶液sにアゾビスイソブチロニトリル1.2gを溶解した溶液を、10分かけてフラスコ内に滴下した。そして、滴下後の溶液を撹拌しながら80℃で3時間保温した後、30分間かけて90℃に加熱した。90℃で2時間保温した後、冷却してバインダーポリマー溶液を得た。このバインダーポリマー溶液に、アセトンを加えて不揮発成分(固形分)が50質量%になるように調製し、バインダーポリマー溶液を得た。得られたバインダーポリマーの重量平均分子量は80000であった。
次いで、上記の方法で得られた導電層塗液を、50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、帝人(株)製、商品名「G2−50」)上に25g/mで均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で3分間乾燥して、導電層を得た。導電層の乾燥後の膜厚は、約0.1μmであった。
次に、感光性樹脂の溶液を導電層の形成された50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥した後、ポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製、商品名「NF−13」)で覆い感光性エレメントを得た。感光性樹脂層の乾燥後の膜厚は、5μmであった。
[導電パターンの形成]
125μm厚のポリカーボネート基板を80℃に加温し、その表面上に感光性導電フィルムを、ポリエチレンフィルムを剥離しながら感光性樹脂層を基板に対向させて、120℃、0.4MPaの条件でラミネートした。ラミネート後、基板を冷却し基板の温度が23℃になった時点でPETフィルム面にライン幅/スペース幅が800/80μmの櫛型電極パターンを有するフォトマスクを密着させた。そして、高圧水銀灯ランプを有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名「EXM−1201」)を用いて、露光後、室温(25℃)で15分間放置し、続いて、支持体であるPETフィルムを剥離し、30℃で1質量%炭酸ナトリウム水溶液を30秒間スプレーすることにより現像した。現像後、銀繊維を有する導電膜のライン幅/スペース幅800/80μmの櫛型電極パターンをPET基材上に形成した。
[オーバーコート用光硬化性エレメント(オーバーコートフィルム)の作製]
表2に示す材料を同表に示す配合量(単位:質量部)で配合し、光硬化性樹脂組成物を調製した後、当該光硬化性樹脂組成物の溶液を19μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥した後、ポリエチレン製の保護フィルム(タマポリ(株)製、商品名「NF−13」)で覆いオーバーコート用光硬化性エレメントとしてのフィルムA〜Dを得た。なお、フィルムA〜Dにおける光硬化性樹脂層の乾燥後の膜厚は、40μmであった。
Figure 2012162601
ここで、表2中のアクリルポリマーAは、表1中のアクリルポリマーAと同様にメタクリル酸:メタクリル酸メチル:アクリル酸エチル:スチレン=20:50:20:10の重量比率の上述のアクリルポリマーである。
[実施例1]
上述のように形成した銀繊維のパターンを有する1mm厚のポリカーボネート基板を80℃に加温し、その表面上に、フィルムAを、ポリエチレンフィルムを剥離しながら光硬化性樹脂層を基板に対向させて、120℃、0.4MPaの条件でラミネートした。ラミネート後、基板を冷却し基板の温度が23℃になった時点でPETフィルム面に高圧水銀灯ランプを有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名「EXM−1201」)を用いて、1000mJ/cmの露光量でフィルムAにおける光硬化性樹脂層を光硬化させた。露光後、室温(25℃)で15分間放置し、続いて、支持体であるPETフィルムを剥離することで、導電膜基板を得た。
[実施例2]
フィルムAに替えて、フィルムBを用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電膜基板を得た。
[比較例1]
フィルムAに替えて、フィルムCを用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電膜基板を得た。
[比較例2]
フィルムAに替えて、フィルムDを用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電膜基板を得た。
[比較例3]
フィルムAを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして導電膜基板を得た。すなわち、上述のように形成した銀繊維のパターンを有する1mm厚のポリカーボネート基板を比較例3の導電膜基板とした。
[信頼性試験]
直流電源を取付けた恒温恒湿層(エスペック製LHU−113)に実施例1、2及び比較例1〜3で作製した導電膜基板(櫛型電極)を接続し、60℃、90%RHで5Vの直流電圧を印加し、基板の抵抗値を経時測定した。断線までの時間を評価し、信頼性を評価した。評価結果を表3に示す。
[パターン見えの評価方法]
(実施例1、2、比較例1、2)
1mm厚のポリカーボネート基板を80℃に加温し、その表面上に上記方法により得られた感光性導電フィルムを、ポリエチレンフィルムを剥離しながら感光性樹脂層を基板に対向させて、120℃、0.4MPaの条件でラミネートした。ラミネート後、基板を冷却し基板の温度が23℃になった時点で、PETフィルム面にライン幅/スペース幅が1mm/25μmの配線パターンを有するフォトマスクを密着させた。そして、高圧水銀灯ランプを有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名商品名「EXM−1201」)を用いて、200mJ/cmの露光量で導電層と感光性樹脂層を光硬化させた。
続いて、形成した導電パターン上に、オーバーコート用光硬化性エレメントとしてのフィルムA〜Dを、ポリエチレンフィルムを剥離しながら光硬化性樹脂層を基板に対向させて、上記感光性導電フィルムのラミネートと同様の条件で、ラミネートした。ラミネート後、基板を冷却し基板の温度が23℃になった時点でPETフィルム面に、上記感光性導電フィルムと同様の条件で露光し、光硬化性樹脂層を光硬化させ、オーバーコート層を形成した。このようにして得られたライン幅/スペース幅が1mm/25μmでありオーバーコート層で保護された導電パターンを目視で観察し、パターンが可視か不可視かを判断した。評価結果を表3に示す。
(比較例3)
オーバーコート用光硬化性エレメントによりラミネートを施す前の導電パターンを目視で観察し、パターンが可視か不可視かを判断した。評価結果を表3に示す。
Figure 2012162601
以上のとおり、フィルムA又はBを用いてオーバーコート層を形成した実施例1,2の導電膜基板は、フィルムC又はDを用いてオーバーコート層を形成した比較例1,2の導電膜基板及びオーバーコート層を形成しなかった比較例3の導電膜基板と比較して、断線までの時間が飛躍的に長く、高温高湿条件での信頼性に優れることを確認した。
また、実施例1,2のいずれも絶縁基板上に形成された導電パターンのパターン見えは生じなかった。
1,21…支持体、2…導電層、2a…導電パターン、3…感光性樹脂層、3b…樹脂硬化層、10…感光性導電フィルム、11…光硬化性樹脂層、20…基板、31…保護フィルム、40…導電膜基板、50…オーバーコート層、100…オーバーコート用光硬化性エレメント。

Claims (6)

  1. 基板と、当該基板上に樹脂硬化層を介して設けられ所定の導電パターンを有し導電性繊維を含有する導電層と、を備える導電パターン付基板の前記導電層が設けられている側にオーバーコート層を形成するためのオーバーコート用光硬化性樹脂組成物であって、
    イオン吸着剤を含む、オーバーコート用光硬化性樹脂組成物。
  2. 前記イオン吸着剤が、陽イオン交換体又は陰イオン交換体の少なくとも一方を含む、請求項1に記載のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物。
  3. 支持体と、当該支持体上に設けられ請求項1又は2に記載のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物からなる光硬化性樹脂層と、を備える、オーバーコート用光硬化性エレメント。
  4. 基板と、当該基板上に樹脂硬化層を介して設けられ所定の導電パターンを有し導電性繊維を含有する導電層と、を備える導電パターン付基板の前記導電層が設けられている側に、請求項1又は2に記載のオーバーコート用光硬化性樹脂組成物から形成された光硬化性樹脂層を設ける工程と、
    前記光硬化性樹脂層に活性光線を照射する工程と、を備える導電膜基板の製造方法。
  5. 前記光硬化性樹脂層が、請求項3に記載のオーバーコート用光硬化性エレメントを用いて設けられる、請求項4に記載の導電膜基板の製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載の導電膜基板の製造方法により製造された導電膜基板。
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WO2018008599A1 (ja) * 2016-07-05 2018-01-11 日立化成株式会社 感光性導電フィルム、導電パターンの製造方法、導電パターン基板及びタッチパネルセンサ

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