JP2013200994A - 透明導電性フィルム、タッチパネル及び透明導電性フィルムの製造方法 - Google Patents

透明導電性フィルム、タッチパネル及び透明導電性フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】静電容量式タッチパネルとして用いた際にも、透明導電膜の有る部分と無い部分の光学特性差が小さいために、パターンによる視認性の低下が抑制された透明導電性フィルムを提供することにある。
【解決手段】透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方に導電層が設けられた導電性フィルムにおいて、基材上に硬化膜が積層された部分(A)と、基材上に硬化膜及び透明導電膜がこの順に積層された部分(B)を有し、硬化膜と透明導電膜の屈折率差が0.3以下であり、基材上に硬化膜が積層された部分(A)のJIS−K−7105で規定されるヘイズが1%〜5%の範囲であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、入力デバイスとして取り付けられるタッチパネルに用いられる透明導電性フィルム、その透明導電性フィルムの製造方法及びその透明導電性フィルムを用いたタッチパネルに関する。
近年、様々な電子機器のディスプレイ上に入力デバイスとして透明なタッチパネルを取り付けるようになってきている。このタッチパネルの方式としては、抵抗膜式、静電容量式等が挙げられる。特に、静電容量式のタッチパネルはマルチタッチが可能であり、モバイル機器などの用途に多く採用されている。この種の静電容量式のタッチパネルは、基板の表面及び裏面にそれぞれX座標及びY座標のパターンを形成した透明導電膜が形成され、これが金属配線パターンを介して回路に接続される構造になっており、表面の透明導電膜と裏面の透明導電膜との間の電圧変化を検知できるようになっている。
また、透明導電膜としては、可視光透過率が高く、表面電気抵抗の低いこと、環境特性に優れていることから、インジウム系酸化物であるITO膜が主に用いられている。この透明導電膜としてのITO膜の製造方法としては種々の方法が存在するが、主にスパッタリング法であり、真空中に希薄な不活性ガスを導入し、直流または高周波放電で発生した不活性ガスイオンをITOターゲット材表面に加速衝突させ、ターゲットを構成する原子や分子を表面から叩き出し、基板上にITO膜を付着形成するようにしている。スパッタリング法は、ある程度大きな面積でも、表面電気抵抗の低い導電層を形成できる点で優れるが、成膜速度が遅く、生産効率の向上が課題となっている。また、低抵抗化のためには、厚く均一なITO膜を形成しなければならず、その結果、光透過率の減少、コストの高価格化、形成プロセスにおいて高温処理が必要になる等の問題があり、特に、フィルム上での低抵抗化には限界があった。さらに、ITOはその材料としてのインジウム資源が枯渇の懸念があり、代替材料が求められている。このようにITO膜は製膜過程において、その製造に多くの複雑な工程を必要としており、製造効率を飛躍的に向上させることが困難であり、製造コストを抑制、低下することに限界があった。
このため、透明導電層の導電性を形成する材料としては、ITO膜の代わりに、室温、大気圧下で導電膜の塗布が可能であり、簡易なプロセスで導電膜を形成することができる導電性微粒子を含有した塗料を使用することが提案されている。例えば、特許文献1にはカーボンナノチューブを、特許文献2にはπ共役系導電性高分子を、特許文献3には金属ナノワイヤーを透明導電材料として使用することが提案されている。
また、透明導電層のパターンを形成する手法としては、レジストフィルム貼り付け、露光、現像、ケミカルエッチング、レジストフィルムの溶液中における剥離等の透明導電層に順次施す工程を有するフォトリソグラフィー工法が知られている。また、導電性微粒子を含有した塗料を用い、基板上にスクリーン印刷法等の印刷技術を利用したパターン化方法を用いて、透明導電層パターンを形成する方法が知られている。しかしながら、これらの特許文献1〜3に記載の透明導電性フィルムは、透明導電膜をパターニングした際、透明導電膜が有る部分と無い部分との光学特性差が大きいために、パターニングした箇所が強調され視認性が悪化してしまうという問題があった。
特許第3665969号公報 特開2007−172984号公報 特開2009−70660号公報
本発明は、上記の従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、透明導電膜として導電性微粒子を含有した塗料を塗布することで形成し、かつ透明導電膜を有する部分と無い部分の光学特性の差を小さくすることによって、パターンによる視認性の低下が抑制された透明導電性フィルム、その透明導電性フィルムの製造方法及び透明導電性フィルムを用いたタッチパネルを提供することにある。
そして、本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を行い、以下に述べる手段を用いることによって、上記課題を解決できることを見出した。すなわち、
請求項1に記載の発明は、透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方に導電層が設けられた導電性フィルムにおいて、基材上に、硬化膜及び透明導電膜がこの順に積層された層構成を有し、硬化膜と透明導電膜の屈折率差が0.3以下であり、基材上に硬化膜が積層された部分(A)のJIS−K−7105で規定されるヘイズが1%〜5%の範囲であることを特徴とする透明導電性フィルムである。
請求項2に記載の発明は、前記基材上に硬化膜が積層された部分(A)と、基材上に硬化膜及び透明導電膜がこの順に積層された部分(B)のJIS−K−7105によるb*の差が1.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性フィルムである。
請求項3に記載の発明は、前記透明導電膜が、導電性微粒子を含有した塗料を塗布することで形成され、基材上に硬化膜が積層された部分(A)と、基材上に硬化膜及び透明導電膜がこの順に積層された部分(B)にパターン化されたことを特徴とする請求項1または2に記載の透明導電性フィルムである。
請求項4に記載の発明は、前記硬化膜が、金属酸化物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性フィルムである。
請求項5に記載の発明は、前記金属酸化物が、チタニウム、亜鉛、ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電性フィルムである。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の透明導電性フィルムの製造方法である。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の透明導電性フィルムを用いたタッチパネルである。
本発明によれば、透明導電膜として導電性微粒子を含有した塗料を塗布することで形成し、かつ、透明導電膜を有する部分と無い部分の光学特性の差を小さくすることによって、パターンによる視認性の低下が抑制された透明導電性フィルムを提供することができる。
本発明の透明導電性フィルムの構成の一例を示す模式的断面図である。 本発明の透明導電性フィルムでの透明導電膜のパターン例(X座標)の説明図である。 本発明の透明導電性フィルムでの透明導電膜のパターン例(Y座標)の説明図である。
以下、本発明の透明導電性フィルムについて説明する。図1中、1は本発明で用いる透明プラスチックフィルム基材であり、この透明プラスチックフィルム基材1は、有機高分子をフィルム状に溶融押出し、又は溶液押出したものをフィルム状に成形し、必要に応じて長手方向及び/又は幅方向に延伸、熱固定、熱弛緩処理を施したフィルムである。この透明プラスチックフィルム基材1の原料としての有機高分子樹脂は、成膜工程および後工程において十分な強度があり、表面の平滑性が良好であれば、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、環状ポリオレフィン、ポリイミド等が挙げられる。その厚さは、部材の薄型化と基板の可撓性とを考慮し、10μm以上300μm以下程度のものが用いられる。
透明プラスチックフィルム基材1に含有される材料としては、上記材料の他に、基材の表面に周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤、易接着剤などが使用されてもよい。また、薄膜との密着性を改善するため、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理などを施してもよい。
本発明で用いる硬化膜(層)2は、透明プラスチックフィルム基材1に機械的強度を持たせ、または光学特性を調整するために設けられる。硬化膜2に用いられる樹脂としては特に限定はしないが、透明性と適度な硬度と機械的強度を持つ樹脂が好ましい。具体的には3次元架橋の期待できる3官能以上のアクリレートを主成分とするモノマー又は架橋性オリゴマーのような光硬化性樹脂が好ましい。
3官能以上のアクリレートモノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ポリエステルアクリレート等が好ましい。特に好ましいのは、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレートおよびポリエステルアクリレートである。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用しても構わない。また、これら3官能以上のアクリレートの他にエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリオールアクリレート等のいわゆるアクリル系樹脂を併用することが可能である。
架橋性オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等のアクリルオリゴマーが好ましい。具体的にはポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、ポリウレタンのジアクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等がある。
また、硬化膜2は金属酸化物材料3や光重合開始剤等の添加剤を含有したものでもよい。金属酸化物材料3としてはチタニウム、亜鉛、ジルコニウム、アンチモン、インジウム、スズ、アルミニウム、珪素、リン及びフッ素からなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を含有するものが好ましい。具体的には、五酸化アンチモン、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、リンドープ酸化スズ(PTO)、アンチモン酸亜鉛(AZO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)、酸化スズ、ATO被覆酸化チタン、アルミニウムドープ酸化亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等が挙げられる。これらの金属酸化物は、2種類以上を併用しても差し支えない。
そして、金属酸化物の種類や添加量を制御することにより、高屈折率の硬化物を製造することが可能である。硬化物の屈折率は、透明導電膜との屈折率差を小さくするという観点から、1.5以上であることが好ましく、より好ましくは1.5〜2.1、さらに好ましくは1.6〜2.0である。
硬化物の最適な屈折率を達成する方法としては、使用する金属酸化物として酸化チタン(屈折率2.5〜2.7)、酸化ジルコニウム(屈折率2.4)、酸化亜鉛(屈折率1.95)などが好ましい。
また、パターニング部分を見えにくくすることを目的に下記条件を満たすように硬化物層中に金属酸化物を含有させることが好ましい。
硬化膜と透明導電膜の屈折率差が0.3以下であり、基材1上に硬化膜2が積層された部分(A)の、本願出願時で適用される最新のJIS−K−7105で規定されるヘイズが1%〜5%の範囲であることが好ましい。この範囲である場合、パターンを形成しても、パターン形状が目立たなくなり、視認性が向上する。さらに、基材1上に硬化膜2が積層された部分(A)と、基材1上に硬化膜層2及び透明導電膜4が、この順に積層された部分(B)の本願出願時で適用される最新のJIS−K−7105によるb*の差が1.0以下であることが好ましい。この範囲である場合、パターン形状がさらに目立たなくなり、視認性がより向上する。
光重合開始剤を添加する場合、ラジカル発生型の光重合開始剤として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタールなどのベンゾインとそのアルキルエーテル類、アセトフェノン、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、などのアセトフェノン類、メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類、チオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2、4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類、ベンゾフェノン、4、4−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類及びアゾ化合物などがある。これらは単独または2種以上の混合物として使用でき、さらにはトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなどの第3級アミン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸誘導体等の光開始助剤などと組み合わせて使用することができる。
上記光重合開始剤の添加量は、主成分の樹脂に対して0.1重量%以上10重量%以下であり、好ましくは0.5重量%以上5重量%以下である。下限値未満ではハードコート層の硬化が不十分となり好ましくない。また、上限値を超える場合は、ハードコート層の黄変を生じたり、耐候性が低下したりするために好ましくない。光硬化型樹脂を硬化させるのに用いる光は、紫外線、電子線あるいはガンマ線などであり、電子線あるいはガンマ線の場合、必ずしも光重合開始剤や光開始助剤を含有する必要はない。これらの線源としては、高圧水銀灯、キセノンランプ、金属ハライドランプや加速電子などが使用できる。
また、硬化膜2の厚みは、特に限定されないが、0.5μm以上15μm以下の範囲が好ましい。
硬化膜2の形成方法は、主成分である樹脂、金属酸化物材料、光重合開始剤を溶剤に溶解させ、ダイコーター、カーテンフローコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、スピンコーター、マイクログラビアコーター等の公知の塗布方法で形成する。
溶剤については、上記の主成分の樹脂を溶解するものであれば特に限定しない。具体的には、溶剤として、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、等が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明における透明導電膜4としては、繊維状のものが好ましく、その中でも分岐がなく、ほぐれやすく、かつ繊維状物質の均一な分布密度を得やすく、その結果、繊維と繊維のからまりの間に大きな開口部を形成し、良好な光透過率を実現することができるワイヤー状のものが好ましい。このような形状をした導電性物質の例としては、カーボンナノチューブやワイヤー状の導電性金属である金属ナノワイヤーを挙げることができる。本発明で金属ナノワイヤーとは、形状が直線または曲線の細い棒状で、材質が金属であるナノメートルサイズの微細な導電性物質である。微細な導電性物質が繊維状、好ましくはワイヤー状であると、それらが互いに絡み合って網の目状となることで、少ない量の導電性物質であっても良好な電気伝導経路を形成することができ、導電性層の抵抗値をより低下させることができ好ましい。さらに、このような網の目状を形成した場合、網の目の隙間部分の開口が大きいので、たとえ繊維状の導電性物質そのものが透明でなかったとしても、塗膜として良好な透明性を達成することが可能である。
金属ナノワイヤーの金属として、具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、オスミウム、イリジウム、白金、金が挙げられ、導電性の観点から銅、銀、白金、金が好ましい。
これら微細な導電性物質を分散して透明導電性塗料を形成するための分散媒である液体としては特に限定されることなく、既知の各種分散媒を使用することができる。例えば、ヘキサン等の飽和炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、エチレンクロライド、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等を挙げることができる。また、分散媒の種類により、分散剤を使用することもできる。これら液体は、単独でも2種類以上の混合したものでも使用することができる。
また、分散媒として水も使用が可能である。水を用いる場合には透明基体表面が疎水性の場合は水をはじきやすく、透明導電性塗料を塗布する際に、均一な膜が得られにくい。このような場合には、水にアルコールを混合するとか、あるいは疎水性の透明基体への濡れ性を改善するような界面活性剤を選定し、添加することで均一な膜を得る。また、用いる分散媒としての液体の量は、特に制限されず、前記微細な導電性物質の分散液が塗布に適した粘度を有するようにすればよい。例えば、前記透明導電性物質100重量部に対して、液体100〜100,000重量部程度と広範囲に設定可能であって、前記透明導電性物質と分散媒の種類、使用する撹拌、分散装置に応じて適宜選択することができる。
上記原料を用いて透明基体上に透明導電性塗膜を形成するためには、図1のように透明導電性物質と分散媒と必要に応じて樹脂を含有する分散液を透明基体上に塗布し、乾燥して、透明基体上に均一な導電性塗膜を形成する。
塗布方法としてはスプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットコート、スクリーンコート、ディップコートなど公知の塗布方法を用いることができる。
透明導電層の膜厚は薄すぎると導体としての十分な導電性が達成出来なくなる傾向にあり、厚すぎるとヘイズ値の上昇、全光線透過率の低下等で透明性が損なわれる傾向にある。通常は10nm〜10μmの間で適宜調整を行うが、金属ナノワイヤーのように導電性物質そのものが透明でない場合には、膜厚の増加によって透明性が失われやすく、より薄い膜厚の導電層が形成されることが多い。この場合きわめて開口部の多い導電層であるが、接触式の膜厚計で測定したときに平均膜厚として10nm〜500nmの膜厚範囲がこのましく、30nm〜300nmがより好ましく、50nm〜150nmが最も好ましい。
透明導電膜4には図2又は図3のようなパターンを施す。すなわち、形成されるパターンは図2又は図3において示される、黒色で表した導電性パターン領域と、白色で表した非導電性パターン領域とからなり、図2は透明導電性フィルム上での透明導電膜のパターン(X座標)を示し、図3は透明導電性フィルム上での透明導電膜のパターン(Y座標)を示す。図2又は図3のように、導電性パターン領域は、導電層Cと接しており、電圧変化を検知できる回路に接続されている。人の指等が検出電極である導電性パターン領域に接近すると、全体の静電容量が変化することから回路の電圧が変動し、接触位置の判定ができる。そして、図2又は図3のパターンを貼り合せ、互いに直交するように組み合わせ、電圧変化検知回路と接続することにより、2次元の位置情報が得られる。
透明導電膜4のパターン形成方法としては、透明導電膜4上にレジストを塗布し、パターンを露光・現像により形成した後に透明導電膜4の一部を化学的に溶解させるフォトリソグラフィによる方法、真空中で化学反応により気化させる方法、レーザーにより透明導電膜を昇華させる方法などが挙げられる。パターンの形成方法は、パターンの形状、精度等により適宜選択できるが、パターン精度、細線化を考慮し、フォトリソグラフィによる方法が好ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明の有用性について具体的に説明する。但し、これらの実施例は本発明をそれに限定するものではない。
<実施例1>
透明プラスチックフィルム基材としてポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、A4300−125)を用い、一方の面に、下記組成の硬化膜形成用塗液をマイクログラビアコーターで塗布し、60℃で1分間乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化膜を形成した。
[硬化膜形成用塗液の組成]
樹脂 :KAYARAD PET−50(日本化薬社製) 100重量部
金属酸化物:OZC−3YC(酸化ジルコニウム、住友大阪セメント社製) 50重量部
開始剤 :イルガキュア184(チバ・ジャパン社製) 4重量部
溶剤 :酢酸エチル 150重量部
続いて、硬化膜上に、透明導電膜形成用塗液として金ナノワイヤーをダイコート法で塗布し、60℃で1分間乾燥させて透明導電性フィルムを作製した。さらに、フォトリソグラフィ法により図と同様に透明導電膜のパターンを形成した。
<実施例2>
硬化膜形成用塗液の金属酸化物としてMT−100S(酸化チタン、テイカ社製)を使用した、という以外は実施例1と同様に導電性フィルムを作製し、透明導電膜のパターンを形成した。
比較例
<比較例1>
硬化膜形成用塗液に金属酸化物を含有させない、という以外は実施例1と同様に導電性フィルムを作製し、透明導電膜のパターンを形成した。
<比較例2>
硬化膜形成用塗液の金属酸化物としてAEROSIL130(酸化ケイ素、日本アエロジル社製)を使用した、という以外は実施例1と同様に導電性フィルムを作製し、透明導電膜のパターンを形成した。
<比較例3>
硬化膜形成用塗液の金属酸化物としてAluminium Oxide C(酸化アルミニウム、日本アエロジル社製)を使用した、という以外は実施例1と同様に導電性フィルムを作製し、透明導電膜のパターンを形成した。
透明導電性フィルムの性能は、下記のようにして測定した。
(1)ヘイズ
本願出願時で適用される最新のJIS−K−7105で規定される方法を用いてヘイズの測定を行った。なお、パターニングした透明導電性フィルムの透明導電層の無い部分(A)に対して測定を行った。
(2)b*値
本願出願時で適用される最新のJIS−K−7105で規定される方法を用いてb*値の測定を行った。なお、パターニングした透明導電性フィルムの透明導電層の有る部分(B)及び透明導電層の無い部分(A)に対して測定を行った。
(3)視認性
パターニングした透明導電性フィルムに対して、様々な角度からパターニングの見え方を評価した(表1)。
Figure 2013200994
○: パターニングがほとんど見えない
△: パターニングが少し見える
×: パターニングが見える
上記表1の結果より、本発明の範囲を満足する実施例に記載の透明導電性フィルムは、透明導電層をパターニングしても、パターニングされた部分が強調されることがないため、液晶ディスプレイ等の表示体の前面に配置して用いた際に、視認性に優れるものであった。
一方、硬化膜の屈折率が適切に配置されていない比較例に記載の透明導電性フィルムは、パターニングされた部分とされていない部分が見えるために視認性が劣った。
本発明は、静電容量式タッチパネルとして用いた際にも、透明導電膜の有る部分と無い部分の光学特性差が小さいために、パターンによる視認性の低下が抑制された透明導電性フィルム、透明導電性フィルムの製造方法、及び透明導電性フィルムを用いたタッチパネルとして利用が可能である。
1…透明プラスチックフィルム基材
2…硬化膜
3…金属酸化物材料
4…透明導電膜層
A…基材上に硬化膜が積層された部分
B…基材上に硬化膜及び透明導電膜が積層された部分
C…導電層

Claims (7)

  1. 透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方に導電層が設けられた導電性フィルムにおいて、
    基材上に硬化膜が積層された部分(A)と、基材上に硬化膜及び透明導電膜がこの順に積層された部分(B)とを有し、硬化膜と透明導電膜の屈折率差が0.3以下であり、基材上に硬化膜が積層された部分(A)のJIS−K−7105で規定されるヘイズが1%〜5%の範囲であることを特徴とする透明導電性フィルム。
  2. 前記基材上に硬化膜が積層された部分(A)と、基材上に硬化膜及び透明導電膜がこの順に積層された部分(B)のJIS−K−7105によるb*の差が1.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性フィルム。
  3. 前記透明導電膜が、導電性微粒子を含有した塗料を塗布することで形成され、基材上に硬化膜が積層された部分(A)と、基材上に硬化膜及び透明導電膜がこの順に積層された部分(B)にパターン化されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の透明導電性フィルム。
  4. 前記硬化膜が、金属酸化物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
  5. 前記金属酸化物が、チタニウム、亜鉛、ジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の透明導電性フィルムを用いたタッチパネル。
  7. 透明プラスチックフィルム基材上に硬化膜及び透明導電膜をこの順に積層し、透明導電膜をパターン形成することにより、基材上に硬化膜が積層された部分(A)と、基材上に硬化膜及び透明導電膜がこの順に積層された部分(B)を有した請求項1〜5のいずれかに記載の透明導電性フィルムの製造方法。
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KR20170116911A (ko) * 2016-04-12 2017-10-20 삼성에스디아이 주식회사 투명 도전체 및 이를 포함하는 디스플레이 장치

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KR20170116911A (ko) * 2016-04-12 2017-10-20 삼성에스디아이 주식회사 투명 도전체 및 이를 포함하는 디스플레이 장치
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