JP6089860B2 - 透明導電性フィルム - Google Patents

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本発明は、入力デバイスとして取り付けられるタッチパネルに用いられる透明導電性フィルム、及び透明導電性フィルムを用いたタッチパネルに関するものである。
近年、様々な電子機器のディスプレイ上に、入力デバイスとして透明なタッチパネルが取り付けられている。タッチパネルの方式としては、抵抗膜式や静電容量式等が挙げられる。特に、静電容量式は、マルチタッチが可能であり、モバイル機器等の用途に多く採用されている。この静電容量式のタッチパネルは、基板の表面及び裏面にそれぞれX座標及びY座標のパターンを形成した透明導電膜が金属配線パターンを介して回路に接続され、表面の透明導電膜と裏面の透明導電膜との間の電圧変化を検知できるような構造となっている。
従来より、透明導電膜としては、可視光透過率が高いこと、表面電気抵抗が低いこと、環境特性に優れていることから、インジウム系酸化物であるITO膜が主に用いられている。透明導電膜としてのITO膜の製造方法は、種々の方法が存在するが、主にスパッタリング法が用いられる。スパッタリング法は、真空中に希薄な不活性ガスを導入し、直流又は高周波放電で発生した不活性ガスイオンをITOターゲット材表面に加速衝突させ、ターゲットを構成する原子や分子を表面から叩き出し、基板上にITO膜を付着形成する方法である。このスパッタリング法は、ある程度大きな面積でも、表面電気抵抗の低い導電層を形成できる点で優れているが、成膜速度が遅く、生産効率の向上が課題となっている。また、低抵抗化のために厚く均一なITO膜を形成しなければならず、その結果、光透過率の減少、コストの高価格化、形成プロセスにおいて高温処理が必要になる等の問題があり、特にフィルム上での低抵抗化には、限界があった。さらに、材料としてのITOは、インジウム資源枯渇の懸念があり代替材料が求められている。このようにITO膜は、製膜過程においてその製造に多くの複雑な工程を必要としており、製造効率を飛躍的に向上させることが困難で、製造コストを抑制、低下することにも限界があった。
このような事情に鑑みて、透明導電膜の導電性を形成する材料としては、ITO膜の代わりに、室温、大気圧下で導電膜の塗布が可能であり、簡易なプロセスで導電膜を形成することができる導電性微粒子を含有した塗料を使用することが提案されている。例えば、特許文献1にはカーボンナノチューブを、特許文献2にはπ共役系導電性高分子を、特許文献3には金属ナノワイヤを、透明導電材料として使用することが提案されている。
特許第3665969号公報 特開2007−172984号公報 特開2009−70660号公報
透明導電材料として特に金属ナノワイヤを使用した場合、金属ナノワイヤの表面には耐久性を高めるための硬化膜が必要である。しかし、特にタッチパネルとして透明導電性フィルムを使用する場合には、入力信号を伝達するために硬化膜表面に金属配線を施す必要があるが、この場合、透明導電材料と金属配線材料との間の接触抵抗が上昇し、動作に不具合を生じる問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、その目的は、硬化膜の表面のみを無機化させることにより、基材と硬化膜との間及び硬化膜と金属配線との間で高い密着性を持ち、かつ透明導電材料と金属配線との間で接触抵抗が上昇しない透明導電性フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を行い、以下に述べる手段を用いることによって上記課題を解決できることを見出した。
本発明の一態様は、透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に、金属微粒子を含む透明導電膜と、硬化膜とをこの順に積層した透明導電性フィルムであって、硬化膜の透明導電膜と反対側の面から厚さ方向30nm以内の範囲の炭素原子の含有率X(C30)と珪素原子の含有率X(Si30)とが式(1)の関係であり、硬化膜の透明導電膜と反対側の面から厚さ方向40nm以上の範囲の炭素原子の含有率X(C40)と珪素原子の含有率X(Si40)とが式(2)の関係であることを特徴とする。
X(Si30)/X(C30)≧0.28 ・・・(1)
X(Si40)/X(C40)≦0.23 ・・・(2)
上記透明導電性フィルムでは、透明導電膜に含有される金属微粒子が金属ナノワイヤであることが好ましい。
また、上記透明導電性フィルムの透明導電膜には、導電性パターン領域と非導電性パターン領域とを生成するパターン処理が施されていてもよい。
また、上記透明導電性フィルムの硬化膜の上に、金属配線が形成されていてもよい。
なお、上記透明導電性フィルムを用いてタッチパネルを構成することが可能である。
本発明によれば、硬化膜の表面のみを無機化させることにより、基材と硬化膜との間及び硬化膜と金属配線との間で高い密着性を持ち、かつ透明導電材料と金属配線の間で接触抵抗が上昇しない透明導電性フィルムを実現することができる。
本発明の一実施形態に係る透明導電性フィルムの構成の一例を示す模式断面図 透明導電膜のパターン例(X座標)の説明図 透明導電膜のパターン例(Y座標)の説明図
以下、本発明の透明導電性フィルムについて説明する。
本発明の一実施形態に係る透明導電性フィルム10は、図1に示すように、透明プラスチックフィルム基材1と、透明プラスチックフィルム基材1の少なくとも一方の面にパターン形成された金属微粒子を含む透明導電膜2と、パターン形成後の透明導電膜2上に成膜された硬化膜3とを備える。
本発明で用いる透明プラスチックフィルム基材1は、有機高分子をフィルム状に溶融押出し又は溶液押出しを行ってフィルム状に成形し、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に延伸、熱固定、熱弛緩処理を施したフィルムである。有機高分子の樹脂としては、成膜工程及び後工程において十分な強度があり、表面の平滑性が良好であれば、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、環状ポリオレフィン、ポリイミド等が用いられる。透明プラスチックフィルム基材1の厚さは、部材の薄型化と基板の可撓性とを考慮し、10μm以上300μm以下程度のものが用いられる。
透明プラスチックフィルム基材1に含有される材料としては、上記材料の他に、透明プラスチックフィルム基材1の表面に周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤、易接着剤等を使用してもよい。また、薄膜との密着性を改善するため、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理等を、透明プラスチックフィルム基材1の表面に施してもよい。
また、透明プラスチックフィルム基材1には、必要に応じて次のような表面処理を行ってもよい。すなわち、耐摩耗性、耐擦傷性、耐溶剤性、耐汚染性、耐光性、耐候性等を付与したハードコート処理等の薄膜をコーティングすることができる。
本発明における透明導電膜2に含まれる金属微粒子としては、例えば、金、銀、銅、パラジウム、白金、アルミニウム、及びニッケル等のいずれかを含有する金属微粒子、又はこの金属を含む合金の微粒子を用いることができる。金属微粒子の中でも、繊維状で、枝分かれがなく、ほぐれやすく、かつ繊維状物質の均一な分布密度を得やすいため、繊維と繊維のからまりの間に大きな開口部(隙間)が形成されるワイヤ状のものが、良好な光透過率を実現することができるという点で好ましい。このような形状をした導電性物質の例としては、カーボンナノチューブやワイヤ状の導電性金属である金属ナノワイヤを挙げることができる。本発明で金属ナノワイヤとは、形状が直線又は曲線の細い棒状で、材質が金属であるナノメートルサイズの微細な導電性物質である。微細な導電性物質が、繊維状、好ましくはワイヤ状であれば、複数の導電性物質が互いに絡み合って網の目状となる。これにより、少ない量の導電性物質であっても良好な電気伝導性を有する経路を形成することができ、透明導電膜2の電気抵抗値をより低下させることができ好ましい。さらに、このような網の目状を形成した場合、網の目の隙間部分の開口が大きいので、たとえ繊維状の導電性物質そのものが透明でなかったとしても、塗膜として良好な透明性を達成することが可能である。
金属ナノワイヤの金属として、具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、オスミウム、イリジウム、白金、金が挙げられ、導電性の観点から金、銀、銅、白金が好ましい。
これら微細な導電性物質を分散させた透明導電膜2の成膜に用いられる透明導電性塗料を形成するための分散媒である液体としては、特に限定されることなく、既知の各種の分散媒を使用することができる。例えば、ヘキサン等の飽和炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、エチレンクロライド、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等を挙げることができる。また、分散媒の種類により、分散剤を使用することもできる。これら液体は、単独で使用することもできるし、2種類以上の混合したものを使用することもできる。
また、分散媒として、水も使用可能である。水を用いる場合には、透明プラスチックフィルム基材1の表面が疎水性の場合は、水をはじきやすく、透明導電性塗料を塗布する際に、均一な透明導電膜2を得ることが難しい。このような場合には、水にアルコールを混合するか、あるいは疎水性の透明プラスチックフィルム基材1への濡れ性を改善するような界面活性剤を選定して添加することで、均一な透明導電膜2を得ることができる。用いる分散媒としての液体の量は、特に制限されず、上記微細な導電性物質の分散液が塗布に適した粘度を有するようにすればよい。分散媒としての液体の量は、例えば、透明導電性物質100重量部に対して、液体100〜100,000重量部程度と広範囲に設定可能であって、透明導電性物質と分散媒の種類、使用する撹拌、分散装置に応じて適宜選択することができる。
上記原料を用いて透明プラスチックフィルム基材1上に透明導電膜2を形成するためには、導電性物質と分散媒と必要に応じて樹脂を含有させた分散液を透明プラスチックフィルム基材1上に塗布した後、乾燥させることで、透明プラスチックフィルム基材1上に均一な透明導電膜2を形成することができる。塗布方法としてはスプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットコート、スクリーンコート、ディップコート等公知の塗布方法を用いることができる。
透明導電膜2の膜厚は、薄すぎると導体としての十分な導電性が達成できなくなる傾向にあり、厚すぎるとヘイズ値の上昇、全光線透過率の低下等で透明性が損なわれる傾向にある。透明導電膜2の膜厚は、通常は10nm〜10μmの間で適宜調整を行うが、金属ナノワイヤのように導電性物質そのものが透明でない場合には、膜厚の増加によって透明性が失われ得やすい。そのため、より薄い膜厚の透明導電膜2を形成することが好ましい。この場合、きわめて開口部(隙間)の多い透明導電膜2にするが、接触式の膜厚計で測定したときの平均膜厚として10nm〜500nmの膜厚範囲が好ましく、30nm〜300nmがより好ましく、50nm〜150nmが最も好ましい。
透明導電膜2には、図2又は図3に示すようなパターンが形成される。透明導電膜2に形成されたパターンは、黒色で表した導電性パターン領域12(透明プラスチックフィルム基材1上に硬化膜3及び透明導電膜2が積層された領域)と、白色で表した非導電性パターン領域11(透明プラスチックフィルム基材1上で透明導電膜2がエッチングされた領域)とからなる。導電性パターン領域12は、金属配線13を介して電圧変化を検知できる回路に接続されている。人の指等が検出電極である導電性パターン領域12に接近すると、全体の静電容量が変化することから回路の電圧が変動し、指などの接触位置が判定できる。図2又は図3に示すパターンを貼り合わせ、互いに直交するように組み合わせて、電圧変化を検知できる回路と接続することにより、2次元の位置情報が得られる。
透明導電膜2のパターン形成方法としては、透明導電膜2上にレジストを塗布し、パターンを露光・現像により形成した後に、透明導電膜2を化学的に溶解させるフォトリソグラフィによる方法、真空中で化学反応により気化させる方法、レーザーにより透明導電膜を昇華させる方法、等を用いることができる。透明導電膜2のパターン形成方法は、パターンの形状、精度等により適宜選択できるが、パターン精度、細線化を考慮し、フォトリソグラフィによる方法が好ましい。
硬化膜3は、透明プラスチックフィルム基材1及び金属配線13との密着性が良好であることが要求される。そのため、プラスチックフィルムである透明プラスチックフィルム基材1側が有機系の性質を持ち、金属である金属配線13側が無機系の性質を持つことが望ましい。
硬化膜3には、有機珪素化合物を含有した光硬化性樹脂が用いられる。光硬化性樹脂は、硬化の際に表層(透明プラスチックフィルム基材1に接してしない面)の炭素原子が減少するタイプのものが望ましいが、厚さ方向で透明プラスチックフィルム基材1側の炭素の含有比率を高くし、金属配線13側は珪素の含有比率を高くする制御ができるのであれば、これに限らない。プラスチックフィルムである透明プラスチックフィルム基材1側の炭素の含有比率を高くして有機系の性質を持たせ、金属である金属配線13側の珪素の含有比率を高くして無機系の性質を持たせることにより、それぞれの界面の密着性が良くなるようにする。
硬化膜3は、光重合開始剤等の添加剤を含有していてもよい。硬化膜3に含まれる光重合開始剤としては、ラジカル発生型の光重合開始剤として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタール等のベンゾインとそのアルキルエーテル類、アセトフェノン、2、2、−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、等のアセトフェノン類、メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類、チオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2、4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、4、4−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類及びアゾ化合物等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上の混合物として使用でき、さらにはトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等の第3級アミン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸誘導体等の光開始助剤等と組み合わせて使用することができる。
上記光重合開始剤の添加量は、主成分の樹脂に対して0.1重量%以上10重量%以下であり、好ましくは0.5重量%以上5重量%以下である。下限値未満の場合では、硬化膜3の硬化が不十分となり好ましくない。また、上限値を超える場合は、硬化膜3の黄変を生じたり、耐候性が低下したりするため好ましくない。光硬化型樹脂を硬化させるのに用いる光は、紫外線、電子線、あるいはガンマ線等であり、電子線あるいはガンマ線の場合、必ずしも光重合開始剤や光開始助剤を含有する必要はない。これらの線源としては、高圧水銀灯、キセノンランプ、金属ハライドランプや加速電子等が使用できる。
また、硬化膜3の厚みは、特に限定されないが、50nm以上500nm以下の範囲が好ましい。下限値未満の場合では、透明導電膜2の保護が不十分となり好ましくない。また、上限値を超える場合は、透明導電膜2と金属配線13との間の電気抵抗が高くなるため好ましくない。
硬化膜3は、主成分である樹脂、有機珪素化合物、光重合開始剤を溶剤に溶解させ、ダイコーター、カーテンフローコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、スピンコーター、マイクログラビアコーター等の公知の塗布方法で、この溶剤(硬化膜形成用組成物)を透明プラスチックフィルム基材1上に塗布することにより形成する。
本発明における硬化膜3は、透明導電膜2と反対側の面から厚さ方向30nm以内の範囲における炭素原子の含有率X(C30)と珪素原子の含有率X(Si30)とが、X(Si30)/X(C30)≧0.28の関係であり、透明導電膜2と反対側の面から厚さ方向40nm以上の範囲における炭素原子の含有率X(C40)と珪素原子の含有率X(Si40)とが、X(Si40)/X(C40)≦0.23の関係であることが、好ましい。
X(Si30)/X(C30)<0.28であると、金属である金属配線13側の珪素の含有比率が低いために、硬化膜3と金属配線13との間の密着性が悪化したり、透明導電膜2と金属配線13との間の接触抵抗が上昇してしまったりして、好ましくない。また、X(Si40)/X(C40)>0.23であると、透明プラスチックフィルム基材1と硬化膜3との間の密着性が悪化するため、好ましくない。
また、硬化膜3を形成する際には、必要に応じて適当な溶剤で希釈してよい。溶剤については、上記の主成分の樹脂を溶解するものであれば特に限定されない。具体的には、溶剤として、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、等が挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
金属配線13は、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、及び、ITOのいずれかを主成分とする導電層であり、硬化膜3の上に形成される。例えば、金属配線13は、スクリーン印刷、オフセット印刷、あるいはインクジェット印刷のような印刷法を用いて形成し、金属粒子を焼結させるための加熱処理を行うことで形成される。
以下に、実施例を挙げて本発明の有用性について具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
<実施例>
透明プラスチックフィルム基材1としてポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、A4300−125)を用い、一方の面に、透明導電膜2を形成するための塗液として金属ナノワイヤの水分散体(シグマアルドリッジ社製、716944)をダイコート法で塗布し、60℃で1分間乾燥させて透明導電膜2を形成した。次に、透明導電膜2上に、硬化膜を形成するための硬化膜形成用塗液としてハードコート塗液(日本曹達社製、NH−1000G)をマイクログラビアコーターで塗布し、60℃で1分間乾燥させ、メタルハライドランプにて紫外線を照射し、硬化膜3を形成した。硬化後の硬化膜3の膜厚は200nmであった。このとき、紫外線照射量の調整により、X(Si30)/X(C30)とX(Si40)/X(C40)とを、下記の表1のようにして硬化膜3を形成した。なお、X(Si30)及びX(C30)は、それぞれ透明導電膜2から厚さ方向30nmの部分の珪素原子及び炭素原子の含有率であり、X(Si40)及びX(C40)は、それぞれ透明導電膜2から厚さ方向40nmの部分の珪素原子及び炭素原子の含有率である。続いて、下記パターニング方法により透明導電膜2のパターンを形成した。以上のようにして透明導電性フィルム10を作製した。
[パターニング方法]
フォトリソグラフィ法
レジスト :ドライフィルムレジスト(日立化成社製、ME−3315)
露光 :高圧水銀100mJ/cm2
現像液 :1%炭酸ナトリウム 50℃
エッチング液:王水系エッチング液 30℃
剥離液 :3%水酸化ナトリウム 50℃
透明導電性フィルム10について、金属配線13として銀ペースト(太陽インキ社製、AF−6100)をスクリーン印刷にて形成した後、以下の性能を実施した。
[評価方法]
1.密着性(硬化膜3と金属配線13との間)
JIS K5600に準拠し、金属配線13面側の塗膜に1mm間隔の切り込みを縦横11本ずつ入れて100個の碁盤目を作成した。各サンプルにセロハンテープ(登録商標)を貼り付け、消しゴムで複数回擦り付けて密着させた後テープを引き剥がし、塗膜が剥離せず残存した格子の目数を確認した。剥離した格子が全く無ければ○、1マスでもあれば×とした。
2.密着性(透明プラスチックフィルム基材1と硬化膜3との間)
JIS K5600に準拠し、硬化膜3面側の塗膜に1mm間隔の切り込みを縦横11本ずつ入れて100個の碁盤目を作成した。各サンプルにセロハンテープ(登録商標)を貼り付け、消しゴムで複数回擦り付けて密着させた後テープを引き剥がし、塗膜が剥離せず残存した格子の目数を確認した。剥離した格子が全く無ければ○、1マスでもあれば×とした。
3.接触抵抗
デジタルマルチメーター(フルーク社製、Fluke179)を用いて、透明導電膜2と金属配線13との間の接触抵抗を測定した。
表1の結果より、硬化膜3中のX(Si30)/X(C30)が0.28以上であれば、硬化膜3と金属配線13との間の密着性は良好でさらに接触抵抗が低くなった。これは、硬化膜3の金属配線13側において珪素の含有率が高まったために界面が無機化して金属配線13との密着性が良くなったためと考えられる。
同じく、硬化膜3中のX(Si40)/X(C40)については0.23以下であれば、硬化膜3と透明プラスチックフィルム基材1との密着性が良好であった。これは、硬化膜3の透明プラスチックフィルム基材1側において炭素の含有率が一定以上のために、界面の有機成分が高い状態にあるために透明プラスチックフィルム基材1との密着性が良くなったためと考えられる。
Figure 0006089860
1 透明プラスチックフィルム基材
2 透明導電膜
3 硬化膜
10 透明導電性フィルム
11 非導電性パターン領域
12 導電性パターン領域
13 金属配線

Claims (5)

  1. 透明プラスチックフィルム基材上の少なくとも一方の面に、金属微粒子を含む透明導電膜と、硬化膜とをこの順に積層した透明導電性フィルムであって、
    前記硬化膜の前記透明導電膜と反対側の面から厚さ方向30nm以内の範囲の炭素原子の含有率X(C30)と珪素原子の含有率X(Si30)とが式(1)の関係であり、
    前記硬化膜の前記透明導電膜と反対側の面から厚さ方向40nm以上の範囲の炭素原子の含有率X(C40)と珪素原子の含有率X(Si40)とが式(2)の関係であることを特徴とする、透明導電性フィルム。
    X(Si30)/X(C30)≧0.28 ・・・(1)
    X(Si40)/X(C40)≦0.23 ・・・(2)
  2. 前記透明導電膜に含有される金属微粒子が金属ナノワイヤであることを特徴とする、請求項1に記載の透明導電性フィルム。
  3. 前記透明導電膜には、導電性パターン領域と非導電性パターン領域とを生成するパターン処理が施されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の透明導電性フィルム。
  4. 前記硬化膜の上に、金属配線が形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の透明導電性フィルムを備えた、タッチパネル。
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