JP5606769B2 - 導電膜及びその製造方法、並びにタッチパネル及び集積型太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は、導電膜及び導電膜の製造方法、並びにタッチパネル及び集積型太陽電池に関する。
クリーンなエネルギーとしての太陽電池が注目されている。特に、原材料の使用量の少ない薄膜太陽電池に関しては、今後太陽電池の普及に欠かせないものとなっている。一方、太陽電池の変換効率を高くすることは、省スペース、低コストの観点からも重要であり、数多くの研究がなされている。地球に降り注ぐ太陽光のあらゆる波長の光を電気エネルギーに変換すべく、より長波長の光を吸収できる工夫がなされている。例えば、短波長から長波長の吸収を持つ材料を組み合わせた、所謂タンデム型、又はCIGS太陽電池などのような長波長の吸収量が多い材料の検討が行われており、高効率化の進歩が得られている。このように変換効率向上のために長波長の光吸収の改善の検討がなされている。この際、太陽電池を電気エネルギーとして取り出すための役割を担っている透明電極の光吸収(光透過率)も重要となってくる。
一般に、太陽電池の透明電極として用いられているITO(酸化インジウムスズ)や酸化亜鉛は、導電性付与のため主にN型ドーパントが施されているが、導電性を上げるためドープ量を増やすと長波長の透過率が低下するという問題点がある。しかし、長波長の吸収が高い太陽電池を用いる場合には、長波長領域の吸収のための光が透明電極を通過できないため効率アップの妨げとなっていた。このため、酸化物に添加するドープ元素、ドープ量の工夫により長波長の透過率を改善する試みがなされている。しかし、これではまだ不十分であり、更なる透過率の改善が望まれている。一方、近年携帯ゲーム機などの普及により急速に需要が拡大しているタッチパネルにおいては、透明導電材料としてITOが広く利用されている。しかし、前記と同様に長波長領域の透過率が低いことに起因する色味、及びタッチパネル特有の問題として、筆圧耐久性が課題となっていた。
前記課題を解決するため、例えば銀ナノワイヤーを含む透明導電膜が提案されている(特許文献1参照)。この提案は、透明性、低抵抗、使用金属量の低減の面では優れているが、有機溶剤を用いた高温中での合成が一般的である。生成した銀ナノワイヤー径の太さに起因し、ヘイズが高く、コントラストの低下が著しいこと、また、空気最表面層へ光硬化樹脂などのコーティングを施さない限り、実用的な耐久性が得られず、そのコーティングにより抵抗が上がってしまう、面内の抵抗の均一性が低下するなどの問題があり、更なる改良が望まれている。
一方、パターニングされた透明導電膜は表示素子、太陽電池用電極などの多くの部分で使用されている。一般に、パターニングされた透明導電膜は、要求される特性、主に導電性、透明性、パターニング特性などから、もっぱら酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛を蒸着やスパッタなどのドライプロセスにより形成する。その後、プラズマ等のドライエッチング、又はポジ/ネガ型レジストを併用し、透明導電パターンを作製するという製造方法となっている(特許文献2及び3参照)。
しかし、この製造方法では、透明導電パターンを形成するため、レジスト塗布とその現像、導電膜のエッチング等の多数の工程、及び真空を必要とする大掛かりな設備、多段階の薬液処理が不可欠であり、最終性能の更なる向上のみならず、昨今の環境・エネルギーの観点からもプロセスの簡略化が強く望まれている。
これらの問題に対し、銀ナノワイヤー等の導電性繊維を含む導電層を分散媒と同一又は別層に配置しこれをフォトリソグラフィによってパターニングすることにより、比較的簡便な方法でパターニングされた透明導電膜を得る方法が提案されている(特許文献4参照)。
しかし、本発明者らが検討した結果、銀ナノワイヤー等の導電性繊維を含む導電層をフォトリソグラフィによりパターニングした場合、パターンエッジからはみ出した銀ナノワイヤーがパターンエッジ近傍に一部残存することにより、パターン品質が劣化するという新たな問題点を知見した。特に、パターンエッジからはみ出した銀ナノワイヤー部分が接触することにより、狭いスペース間隔で導電パターンを配置することが困難になるという新たな課題を見出した。
したがって、絶縁性が著しく改善でき、高透過性、低抵抗であり、可撓性が向上した導電膜、及び簡易にファインなパターンを形成できる導電膜の製造方法、並びに筆圧耐久性及び可撓性が向上したタッチパネル、及び変換効率が向上した集積型太陽電池の速やかな提供が望まれているのが現状である。
米国特許出願公開2007/0074316号明細書 特開2010−21137号公報 特開2009−503825号公報 米国特許出願公開2008/0292979号明細書
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、絶縁性が著しく改善でき、高透過性、低抵抗であり、可撓性が向上した導電膜、及び簡易にファインなパターンを形成できる導電膜の製造方法、並びに筆圧耐久性及び可撓性が向上したタッチパネル、及び変換効率が向上した集積型太陽電池を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが、フォトリソグラフィによりパターニングした場合、パターンエッジからはみ出した導電性繊維がパターンエッジ近傍に一部残存することにより、パターン品質が劣化するという新たな課題、特にパターンエッジからはみ出したワイヤー部分が接触することにより、狭いスペース間隔で導電パターンを配置することが困難になるという新たな課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、はみ出した導電性繊維に対して、薬剤等を用いてエッチング処理することによって除去することが考えられるが、高い透明性及び高い導電性を両立するために薄層であり、かつ少ない分散媒で導電層が配置された導電膜に適用すると、薬剤によってパターン部分の導電性繊維までも除去されてしまい、はみ出した導電性繊維のみを選択的に除去することが困難であることを知見した。
そこで、本発明者らが、パターンエッジからはみ出した導電性繊維を選択的に除去する方法について更に鋭意検討を進めた結果、好ましくは、意外にも(1)パターニングされた導電膜を液中に浸漬して超音波照射すること、又は(2)パターニングされた導電膜をハロゲン化物イオン含有溶液に接触させることにより、パターンエッジ粗さが5μm以下となり、簡易にファインなパターンを形成でき、高い透明性及び導電性を確保できることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 基材と、該基材上に少なくとも導電性繊維を含む導電層とを有してなり、
前記導電層がパターン形成されており、パターンエッジ粗さが5μm以下であることを特徴とする導電膜である。
<2> 導電層が分散媒を含有し、該分散媒の合計含有量Aと、導電性繊維の含有量Bとの質量比(A/B)が0.1〜5.0である前記<1>に記載の導電膜である。
<3> 導電性繊維が、平均短軸長さが100nm以下であり、かつ平均長軸長さが5μm以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載の導電膜である。
<4> 導電性繊維が、金属ナノワイヤーである前記<1>から<3>のいずれかに記載の導電膜である。
<5> 金属ナノワイヤーが、銀を含有する前記<4>に記載の導電膜である。
<6> 光透過率が、70%以上である前記<1>から<5>のいずれかに記載の導電膜である。
<7> 表面抵抗が、0.1Ω/□〜10,000Ω/□である前記<1>から<6>のいずれかに記載の導電膜である。
<8> 基材上に少なくとも導電性繊維を含む導電層を有する導電膜における前記導電層にパターンを形成する第1のパターニング工程と、
形成されたパターンのエッジからはみ出した導電性繊維を除去する第2のパターニング工程と、
を含むことを特徴とする導電膜の製造方法である。
<9> 第2のパターニング工程が、第1のパターニング工程でパターニングされた導電膜を液中に浸漬して超音波照射することにより行われる前記<8>に記載の導電膜の製造方法である。
<10> 導電性繊維が銀を含有し、第2のパターニング工程が、第1のパターニング工程でパターニングされた導電膜をハロゲン化物イオン含有溶液に接触させることにより行われる前記<8>から<9>のいずれかに記載の導電膜の製造方法である。
<11> 導電層が感光性化合物を含有し、
第1のパターニング工程が、前記導電層を露光して、現像することにより行われる前記<8>から<10>のいずれかに記載の導電膜の製造方法である。
<12> 導電層の基材側の面、及び導電層の基材を有さない側の面のいずれかに感光層を有し、
第1のパターニング工程が、前記感光層を露光して、前記感光層及び前記導電層を現像することにより行われる前記<8>から<10>のいずれかに記載の導電膜の製造方法である。
<13> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の導電膜を用いたことを特徴とするタッチパネルである。
<14> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の導電膜を用いたことを特徴とする集積型太陽電池である。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、絶縁性が著しく改善でき、高透過性、低抵抗であり、可撓性が向上した導電膜、及び簡易にファインなパターンを形成できる導電膜の製造方法、並びに筆圧耐久性及び可撓性が向上したタッチパネル、及び変換効率が向上した集積型太陽電池を提供することができる。
図1は、パターンエッジ粗さの求め方を説明するための、パターニング後の導電パターンを上から眺めた模式図である。 図2は、タッチパネルの一例を示す概略断面図である。 図3は、タッチパネルの他の一例を示す概略説明図である。 図4は、図3に示すタッチパネルにおける導電膜の配置例を示す概略平面図である。 図5は、タッチパネルの更に他の一例を示す概略断面図である。 図6は、試料No.1−1のデジタルマイクロスコープによる観察結果を示す写真である。 図7は、試料No.1−2のデジタルマイクロスコープによる観察結果を示す写真である。 図8は、試料No.1−12のデジタルマイクロスコープによる観察結果を示す写真である。 図9は、露光パターンを微細化した試料No.1−1のデジタルマイクロスコープによる観察結果を示す写真である。 図10は、露光パターンを微細化した試料No.1−2のデジタルマイクロスコープによる観察結果を示す写真である。
(導電膜)
本発明の導電膜は、基材と、該基材上に少なくとも導電性繊維を含む導電層とを有してなり、感光層、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明においては、前記導電層がパターン形成されており、該パターンの種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、文字、記号、模様、図形、配線パターン、などが挙げられる。
前記パターンの大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することがで
きるが、ナノサイズからセンチメートルサイズのいずれの大きさであっても構わない。
前記導電層のパターンにおける、パターンエッジ粗さは5μm以下であり、3μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。前記パターンエッジ粗さが、5μmを超えると、狭いスペース間隔の導電パターンにおいてパターン間が接触して電気的にショートしたり、パターンエッジからはみ出した部分の導電性繊維が劣化して着色等の問題を生じたりすることがある。
ここで、前記パターンエッジ粗さは、パターンエッジの平均線を長さ100μmに渡り含むエッジ領域を抽出してこれを各区画が平均線長さ10μmずつ含むように10区画に分け、各区画においてパターンエッジ平均線から導電性繊維がはみ出した部分までの距離の最大値と、パターンエッジ平均線からパターン内側方向のパターンエッジまでの距離の最大値と、の和に相当する距離の最大幅を求め、得られた各区画の最大幅の中から上位5番目までの最大幅の平均値を算出し、これをパターンエッジ粗さと定義する。ただし、パターンエッジの平均線の全長が100μmに満たない場合は平均線に沿ってパターンエッジ領域を均等に10分割し、各区画においてパターンエッジ平均線から導電性繊維がはみ出した部分までの距離の最大値と、パターンエッジ平均線からパターン内側方向のパターンエッジまでの距離の最大値と、の和に相当する距離の最大幅を求め、得られた10区画の最大幅の中から上位5番目までの最大幅の平均値をパターンエッジ粗さと定義する。
図1は、パターンエッジ粗さの求め方を説明するための、パターニング後の導電パターンを上から眺めた模式図である。図1において、パターンエッジを平均線に沿って平均線長10μmを含む領域に分割し、各区画において、パターンエッジ平均線から導電性繊維がはみ出した部分までの距離の最大値と、パターンエッジ平均線からパターン内側方向のパターンエッジまでの距離の最大値と、の和に相当する距離の最大幅を求める(図1におけるW1、W2、W3)。この操作を10区画に渡り行い、W1〜W10までのパターンエッジ平均線から導電性繊維がはみ出した部分までの距離の最大値と、パターンエッジ平均線からパターン内側方向のパターンエッジまでの距離の最大値と、の和に相当する距離の最大幅の中で、上位5番目までの値の平均値を求め、これをパターンエッジ粗さとする。図1では平均線が直線の場合を例示したが、平均線が曲線の場合も同様である。
前記平均線からの距離を求める方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば光学顕微鏡、デジタルマイクロスコープ、又は走査型電子顕微鏡(SEM)等の観察により求めることができる。
前記導電層のパターンエッジ形状が、図1のように平坦ではなく荒れた形状になる現象は、パターニングをネガ型のフォトリソグラフィで行った場合を例にすると、現像によって本来除去されるべき未露光部分の分散媒及び導電性繊維が、意に反して現像後に残存しているためと考えられる。この原因は推定も含めて述べると次のように考えられる。即ち、露光部と未露光部にまたがって導電性繊維が存在すると、その導電性繊維は部分的に露光部の分散媒に固定されているために現像で溶出することができず、その導電性繊維は未露光部にはみ出した部分も含め残存することになる。また導電性繊維が未露光部にはみ出して存在すると、そのはみ出した導電性繊維をきっかけとして、周囲に存在する未露光部分の分散媒が導電性繊維への吸着等により現像での溶出効率が低下するために、一部が残存することになる。このようにして、繊維状の物質を含む物質に対してフォトリソグラフィによるパターニングを行うと、パターンエッジは露光パターンから逸脱した荒れた形状となると考えられる。この問題はネガ型のフォトリソグラフィ以外のパターニング方法、例えばポジ型のフォトリソグラフィ、熱、電磁波、電子線等の部分照射によるアブレーションあるいは粒子、流体等の部分照射による分散媒の部分的除去を行うパターニング方式においても、繊維状物質がパターン境界にまたがって存在することにより同様に生じ得ると考えられる。
<導電層>
前記導電層は、少なくとも導電性繊維を含み、分散媒、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<<導電性繊維>>
前記導電性繊維の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中実構造及び中空構造のいずれかであることが好ましい。
ここで、中実構造の繊維をワイヤーと呼ぶことがあり、中空構造の繊維をチューブと呼ぶことがある。
平均短軸長さが5nm〜1,000nmであって、平均長軸長さが1μm〜100μmの導電性繊維をナノワイヤーと呼ぶことがある。
また、平均短軸長さが1nm〜1,000nm、平均長軸長さが0.1μm〜1,000μmであって、中空構造を持つ導電性繊維をナノチューブと呼ぶことがある。
前記導電性繊維の材料としては、導電性を有していれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属及びカーボンの少なくともいずれかであることが好ましく、これらの中でも、前記導電性繊維は、金属ナノワイヤー、金属ナノチューブ、及びカーボンナノチューブの少なくともいずれかであることが好ましい。
−金属ナノワイヤー−
前記金属ナノワイヤーの材料としては、特に制限はなく、例えば、長周期律表(IUPAC1991)の第4周期、第5周期、及び第6周期からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属が好ましく、第2族〜第14族から選ばれる少なくとも1種の金属がより好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、及び第14族から選ばれる少なくとも1種の金属が更に好ましく、主成分として含むことが特に好ましい。
前記金属としては、例えば、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、これらの合金などが挙げられる。これらの中でも、導電性に優れる点で、銀、及び銀との合金が好ましい。
前記銀との合金で使用する金属としては、白金、オスミウム、パラジウム及びイリジウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記金属ナノワイヤーの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円柱状、直方体状、断面が多角形となる柱状など任意の形状をとることができるが、高い透明性が必要とされる用途では、円柱状や断面の多角形の角が丸まっている断面形状であることが好ましい。
前記金属ナノワイヤーの断面形状は、基材上に金属ナノワイヤー水分散液を塗布し、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより調べることができる。
前記金属ナノワイヤーの平均短軸長さ(「平均短軸径」、「平均直径」と称することがある)としては、100nm以下であることが好ましく、5nm〜45nmがより好ましく、10nm〜40nmが更に好ましく、15nm〜35nmが特に好ましい。
前記平均短軸長さが、5nm未満であると、耐酸化性が悪化し、耐久性が悪くなることがあり、100nmを超えると、金属ナノワイヤー起因の散乱が生じ、十分な透明性を得ることができないことがある。
前記金属ナノワイヤーの平均短軸長さは、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均短軸長さを求めた。なお、前記金属ナノワイヤーの短軸が円形でない場合の短軸長さは、最も長いものを短軸長さとした。
前記金属ナノワイヤーの平均長軸長さ(「平均長さ」と称することがある)としては、5μm以上であることが好ましく、5μm〜40μmがより好ましく、5μm〜30μmが更に好ましい。
前記平均長軸長さが、5μm未満であると、密なネットワークを形成することが難しく、十分な導電性を得ることができないことがあり、40μmを超えると、金属ナノワイヤーが長すぎて製造時に絡まり、製造過程で凝集物が生じてしまうことがある。
前記金属ナノワイヤーの平均長軸長さは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均長軸長さを求めた。なお、前記金属ナノワイヤーが曲がっている場合、それを弧とする円を考慮し、その半径、及び曲率から算出される値を長軸長さとした。
前記金属ナノワイヤーの製造方法としては、特に制限はなく、いかなる方法で製造してもよいが、以下のようにハロゲン化合物と分散添加剤とを溶解した溶媒中で加熱しながら金属イオンを還元することによって製造することが好ましい。
前記溶媒としては、親水性溶媒が好ましく、例えば、水、アルコール類、エーテル類、ケトン類などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコールなどが挙げられる。
前記エーテル類としては、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
前記ケトン類としては、例えば、アセトンなどが挙げられる。
前記加熱時の加熱温度としては、250℃以下が好ましく、20℃〜200℃がより好ましく、30℃〜180℃がより好ましく、40℃〜170℃が更に好ましい。
前記加熱温度が、20℃未満であると、前記加熱温度が低くなる程、核形成確率が下がり金属ナノワイヤーが長くなりすぎるので金属ナノワイヤーが絡みやすく、分散安定性が悪くなることがあり、250℃を超えると、金属ナノワイヤーの断面の角が急峻になり、塗布膜評価での透過率が低くなることがある。
必要に応じて、金属ナノワイヤー形成過程で温度を変更してもよく、途中での温度変更により、金属ナノワイヤーの核形成の制御や再核発生の抑制、選択成長の促進による単分散性向上の効果を向上させることができる。
前記加熱の際には、還元剤を添加して行うことが好ましい。
前記還元剤としては、特に制限はなく、通常使用されるものの中から適宜選択することができ、例えば、水素化ホウ素金属塩、水素化アルミニウム塩、アルカノールアミン、脂肪族アミン、ヘテロ環式アミン、芳香族アミン、アラルキルアミン、アルコール、有機酸類、還元糖類、糖アルコール類、亜硫酸ナトリウム、ヒドラジン化合物、デキストリン、ハイドロキノン、ヒドロキシルアミン、エチレングリコール、グルタチオンなどが挙げられる。これらの中でも、還元糖類、その誘導体としての糖アルコール類、エチレングリコールが特に好ましい。
前記水素化ホウ素金属塩としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウムなどが挙げられる。
前記水素化アルミニウム塩としては、例えば、水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムカリウム、水素化アルミニウムセシウム、水素化アルミニウムベリリウム、水素化アルミニウムマグネシウム、水素化アルミニウムカルシウムなどが挙げられる。
前記アルカノールアミンとしては、例えば、ジエチルアミノエタノール、エタノールアミン、プロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノプロパノールなどが挙げられる。
前記脂肪族アミンとしては、例えば、プロピルアミン、ブチルアミン、ジプロピレンアミン、エチレンジアミン、トリエチレンペンタミンなどが挙げられる。
前記ヘテロ環式アミンとしては、例えば、ピペリジン、ピロリジン、Nメチルピロリジン、モルホリンなどが挙げられる。
前記芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、N−メチルアニリン、トルイジン、アニシジン、フェネチジンなどが挙げられる。
前記アラルキルアミンとしては、例えば、ベンジルアミン、キシレンジアミン、N−メチルベンジルアミンなどが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどが挙げられる。
前記有機酸類としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、アスコルビン酸又はそれらの塩などが挙げられる。
前記還元糖類としては、例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、スクロース、マルトース、ラフィノース、スタキオースなどが挙げられる。
前記糖アルコール類としては、例えば、ソルビトールなどが挙げられる。
前記還元剤によっては、機能として分散添加剤、溶媒としても働く場合があり、同様に好ましく用いることができる。
前記金属ナノワイヤー製造の際には、分散添加剤と、ハロゲン化合物又はハロゲン化金属微粒子とを添加して行うことが好ましい。
前記分散添加剤と、ハロゲン化合物との添加のタイミングとしては、還元剤の添加前でも添加後でもよく、金属イオンあるいはハロゲン化金属微粒子の添加前でも添加後でもよいが、単分散性のよりよい金属ナノワイヤーを得るためには、ハロゲン化合物の添加を2段階以上に分けることが好ましい。
前記分散添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ基含有化合物、チオール基含有化合物、スルフィド基含有化合物、アミノ酸又はその誘導体、ペプチド化合物、多糖類、合成高分子、これらに由来するゲルなどが挙げられる。これらの中でも、ゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアルキレンアミン、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共重合体が好ましい。
前記分散添加剤として使用可能な構造については、例えば、「顔料の事典」(伊藤征司郎編、株式会社朝倉書院発行、2000年)の記載を参照できる。
また、使用する分散添加剤の種類によって、得られる金属ナノワイヤーの形状を変化させることもできる。
前記ハロゲン化合物としては、臭素、塩素、ヨウ素を含有する化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウムなどのアルカリハライドや下記の分散添加剤と併用できる化合物が好ましい。
前記ハロゲン化合物によっては、分散添加剤として機能するものがありうるが、同様に好ましく用いることができる。
前記ハロゲン化合物の代替としてハロゲン化銀微粒子を使用してもよいし、ハロゲン化合物とハロゲン化銀微粒子を共に使用してもよい。
前記分散添加剤と、ハロゲン化合物又はハロゲン化銀微粒子とは、同一物質で併用してもよい。前記分散添加剤と、ハロゲン化合物とを併用した化合物としては、例えば、アミノ基と臭化物イオンを含むHTAB(ヘキサデシル−トリメチルアンモニウムブロミド)、アミノ基と塩化物イオンを含むHTAC(ヘキサデシル−トリメチルアンモニウムクロライド)などが挙げられる。
前記脱塩処理は、金属ナノワイヤーを形成した後、限外ろ過、透析、ゲルろ過、デカンテーション、遠心分離などの手法により行うことができる。
−金属ナノチューブ−
前記金属ナノチューブの材料としては、特に制限はなく、いかなる金属であってもよく、例えば、前記した金属ナノワイヤーの材料などを使用することができる。
前記金属ナノチューブの形状としては、単層であってもよく、多層であってもよいが、導電性及び熱伝導性に優れる点で単層が好ましい。
前記金属ナノチューブの厚み(外径と内径との差)としては、3nm〜80nmが好ましく、3nm〜30nmがより好ましい。
前記厚みが、3nm未満であると、耐酸化性が悪化し、耐久性が悪くなることがあり、80nmを超えると、金属ナノチューブ起因の散乱が生じることがある。
前記金属ナノチューブの平均長軸長さは、5μm以上であることが好ましく、5μm〜40μmがより好ましく、5μm〜30μmが更に好ましい。
前記金属ナノチューブの製造方法としては、特に制限はなく、いかなる方法で製造してもよく、例えば、米国出願公開2005/0056118号明細書等に記載の公知の方法などを用いることができる。
−カーボンナノチューブ−
前記カーボンナノチューブ(CNT)は、グラファイト状炭素原子面(グラフェンシート)が、単層あるいは多層の同軸管状になった物質である。単層のカーボンナノチューブはシングルウォールナノチューブ(SWNT)、多層のカーボンナノチューブはマルチウォールナノチューブ(MWNT)と呼ばれ、特に、2層のカーボンナノチューブはダブルウォールナノチューブ(DWNT)とも呼ばれる。本発明の導電性繊維において、前記カーボンナノチューブは、単層であってもよく、多層であってもよいが、導電性及び熱伝導性に優れる点で単層が好ましい。
前記カーボンナノチューブの製造方法としては、特に制限はなく、いかなる方法で製造してもよく、例えば、二酸化炭素の接触水素還元、アーク放電法、レーザー蒸発法、熱CVD法、プラズマCVD法、気相成長法、一酸化炭素を高温高圧化で鉄触媒と共に反応させて気相で成長させるHiPco法等の公知の手段を用いることができる。
また、これらの方法で得られたカーボンナノチューブは、洗浄、遠心分離、ろ過、酸化、クロマトグラフ等の方法により、副生成物や触媒金属等の残留物を除去することが、高純度化されたカーボンナノチューブを得ることができる点で好ましい。
前記導電性繊維のアスペクト比としては、10以上であることが好ましい。前記アスペクト比とは、一般的には繊維状の物質の長辺と短辺との比(長軸長さ/短軸長さの比)を意味する。
前記アスペクト比の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子顕微鏡等により測定する方法などが挙げられる。
前記導電性繊維のアスペクト比を電子顕微鏡で測定する場合、前記導電性繊維のアスペクト比が10以上であるか否かは、電子顕微鏡の1視野で確認できればよい。また、前記導電性繊維の長軸長さと短軸長さとを各々別に測定することによって、前記導電性繊維全体のアスペクト比を見積もることができる。
なお、前記導電性繊維がチューブ状の場合には、前記アスペクト比を算出するための直径としては、該チューブの外径を用いる。
前記導電性繊維のアスペクト比としては、10以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50〜1,000,000が好ましく、100〜1,000,000がより好ましい。
前記アスペクト比が、10未満であると、前記導電性繊維によるネットワーク形成がなされず導電性が十分取れないことがあり、1,000,000を超えると、導電性繊維形成時やその後の取り扱いにおいて、成膜前に導電性繊維が絡まり凝集するため、安定な液が得られないことがある。
前記アスペクト比が10以上の導電性繊維の比率としては、全導電性組成物中に体積比で、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、75%以上が特に好ましい。これらの導電性繊維の割合を、以下、「導電性繊維の比率」と呼ぶことがある。
前記導電性繊維の比率が、50%未満であると、導電性に寄与する導電性物質が減少し導電性が低下してしまうことがあり、同時に密なネットワークを形成できないために電圧集中が生じ、耐久性が低下してしまうことがある。また、導電性繊維以外の形状の粒子は、導電性に大きく寄与しない上に吸収を持つため好ましくない。特に金属の場合で、球形などのプラズモン吸収が強い場合には透明度が悪化してしまうことがある。
ここで、前記導電性繊維の比率は、例えば、導電性繊維が銀ナノワイヤーである場合には、銀ナノワイヤー水分散液をろ過して、銀ナノワイヤーと、それ以外の粒子とを分離し、ICP発光分析装置を用いてろ紙に残っている銀の量と、ろ紙を透過した銀の量とを各々測定することで、導電性繊維の比率を求めることができる。ろ紙に残っている導電性繊維をTEMで観察し、300個の導電性繊維の平均短軸長さを観察し、その分布を調べることにより、平均短軸長さが200nm以下であり、かつ平均長軸長さが1μm以上である導電性繊維であることを確認する。なお、ろ紙は、TEM像で平均短軸長さが200nm以下であり、かつ平均長軸長さが1μm以上である導電性繊維以外の粒子の最長軸を計測し、その最長軸の2倍以上であり、かつ導電性繊維の長軸の最短長以下の長さのものを用いることが好ましい。
ここで、前記導電性繊維の平均短軸長さ及び平均長軸長さは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)や光学顕微鏡を用い、TEM像や光学顕微鏡像を観察することにより求めることができ、本発明においては、導電性繊維の平均短軸長さ及び平均長軸長さは、透過型電子顕微鏡(TEM)により300個の導電性繊維を観察し、その平均値から求めたものである。
<<分散媒>>
本発明において分散媒は、前記導電層の導電性繊維以外の全ての成分を意味する。前記導電層における分散媒の合計含有量A(1種のみの場合は単独の含有量)と、前記導電性繊維の含有量Bとの質量比(A/B)は、0.1〜5.0であることが好ましく、0.5〜3.0であることがより好ましい。前記質量比(A/B)が、0.1未満であると、導電性繊維の凝集による導電性や透過率・ヘイズ等の光学特性の劣化、導電層の力学強度や基板との密着性の劣化、特にフォトリソグラフィを用いた第1のパターニングで得られるパターンの品質(露光パターンの忠実再現性)の劣化等の問題を生じたりすることがある。前記質量比(A/B)が、5.0を超えると、導電性繊維間の接触点数の減少による導電性の低下や、ヘイズ、光透過率などの光学特性の劣化を生じることがある。
本発明において分散媒は、露光により画像を形成する機能を導電層に付与するか、又はそのきっかけを与える化合物を含むことが好ましく、具体的には、(1)露光による酸を発生する化合物(光酸発生剤)、(2)感光性のキノンジアジド化合物、(3)光ラジカル発生剤等を挙げることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、感度調整のために、増感剤などを併用して用いることもできる。これら以外の成分としては、後述するポリマー、モノマー、分散剤、溶媒、架橋剤、界面活性剤、酸化防止剤、硫化防止剤、金属腐食防止剤、粘度調整剤、防腐剤等の各種の添加剤などが挙げられる。これらの成分は、必要に応じて適宜含んでいてもよい。
−(1)光酸発生剤−
前記(1)光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
前記(1)光酸発生剤としては、例えば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートなどが挙げられる。これらの中でも、スルホン酸を発生する化合物であるイミドスルホネート、オキシムスルホネート、o−ニトロベンジルスルホネートが特に好ましい。
また、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物を樹脂の主鎖又は側鎖に導入した化合物、例えば、米国特許第3,849,137号明細書、独国特許第3914407号明細書、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号の各公報等に記載の化合物を用いることができる。
更に、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等の各明細書に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
−(2)キノンジアジド化合物−
前記(2)キノンジアジド化合物としては、例えば、1,2−キノンジアジドスルホニルクロリド類、ヒドロキシ化合物、アミノ化合物などを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られる。
前記1,2−キノンジアジドスルホニルクロリド類としては、例えば、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドなどが挙げられる。これらの中でも、感度の点ではナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドが特に好ましい。
前記ヒドロキシ化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4’-[1-[4-[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル]フェニル]−エチリデン]ビスフェノール、などが挙げられる。
前記アミノ化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3’−ジアミノ4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、などが挙げられる。
前記1,2−キノンジアジドスルホニルクロリドとヒドロキシ化合物及び/又はアミノ化合物は、1,2−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基とアミノ基の合計が0.5〜1当量になるように配合されることが好ましい。脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい割合は、1/1〜1/0.9の範囲である。好ましい反応温度は0℃〜40℃、好ましい反応時間は1〜24時間である。
反応溶媒としては、例えばジオキサン、1,3−ジオキソラン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
前記脱塩酸剤としては、例えば炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられる。
前記キノンジアジド化合物としては、例えば、以下の構造を有する化合物を挙げることができる。
ただし、前記式中、Dは、独立して、水素原子又は以下の置換基のいずれかである。
ただし、各々の化合物において少なくとも1つのDが、前記のキノンジアジド基であればよい。
前記(1)光酸発生剤、及び前記(2)キノンジアジド化合物の配合量は、露光部と未露光部の溶解速度差と、感度の許容幅の点から、後述するポリマーの総量100質量部に対して、1質量部〜100質量部が好ましく、3質量部〜80質量部がより好ましい。
なお、前記(1)光酸発生剤と、前記(2)キノンジアジド化合物とを併用してもよい。
本発明においては、前記(1)光酸発生剤の中でもスルホン酸を発生する化合物が好ましく、下記のようなオキシムスルホネート化合物が高感度である観点から特に好ましい。
前記(2)キノンジアジド化合物として、1,2−ナフトキノンジアジド基を有する化合物を用いると高感度で現像性が良好である。
前記(2)キノンジアジド化合物の中で下記の化合物でDが独立してH又は1,2−ナフトキノンジアジド基であるものが高感度である観点から好ましい。
−(3)光ラジカル発生剤−
前記導電層は、光を直接吸収し、又は光増感されて分解反応若しくは水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する光ラジカル発生剤を分散媒として用いることができる。光ラジカル発生剤は波長300nm〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。
前記光ラジカル発生剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。光ラジカル発生剤の含有量は、導電層全体に対して、0.1質量%〜50質量%であることが好ましく、0.5質量%〜30質量%がより好ましく、1質量%〜20質量%が更に好ましい。該数値範囲において、良好な感度とパターン形成性が得られる。
前記光ラジカル発生剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば特開2008‐268884号記載の化合物群が挙げられる。これらの中でも、トリアジン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルホスフィン(オキシド)系化合物、オキシム系化合物、イミダゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物が露光感度の観点から特に好ましい。
前記トリアジン系化合物としては、例えば2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トジクロロメチル)一s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ナトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ベンゾフェノン系化合物としては、例えばベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アセトフェノン系化合物としては、例えば2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などが挙げられる。市販品の具体例としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア907などが好適である。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記イミダゾール系化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、米国特許第4,311,783号、米国特許第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、などが挙げられる。
前記オキシム系化合物としては、例えばJ.C.S.Perkin II(1979)1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報記載の化合物等が挙げられる。具体例としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアOXE−01、OXE−02等が好適である。
前記アシルホスフィン(オキシド)化合物としては、例えばチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPOなどが挙げられる。
これらの中でも、露光感度と透明性の観点から、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]が特に好ましい。
前記導電層は、露光感度向上のために、光ラジカル発生剤と連鎖移動剤を併用してもよい。
前記連鎖移動剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、N−フェニルメルカプトベンゾイミダゾール、1,3,5−トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等の複素環を有するメルカプト化合物、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン等の脂肪族多官能メルカプト化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記連鎖移動剤の含有量は、前記導電層全体に対し、0.01質量%〜15質量%が好ましく、0.1質量%〜10質量%がより好ましく、0.5質量%〜5質量%が更に好ましい。
−ポリマー−
前記ポリマーとしては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。
これらの中でも、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものが好ましく、また、酸解離性基を有し、酸の作用により酸解離性基が解離した時にアルカリ可溶となるものが特に好ましい。
ここで、前記酸解離性基とは、酸の存在下で解離することが可能な官能基を表す。
前記ポリマーの製造には、例えば公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。前記ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めることができる。
前記線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましい。
前記側鎖にカルボン酸を有するポリマーとしては、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等であり、更に側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。
これらの中でも、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が特に好ましい。
更に、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体や(メタ)アクリル酸/グリシジル(メタ)アクリレート/他のモノマーからなる多元共重合体も有用なものとして挙げられる。該ポリマーは任意の量で混合して用いることができる。
前記以外にも、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクレート/メタクリル酸共重合体、などが挙げられる。
前記アルカリ可溶性樹脂における具体的な構成単位としては、(メタ)アクリル酸と、該(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体とが好適である。
前記(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、例えばアルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。これらは、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート又はアリール(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、CH=CR、CH=C(R)(COOR)〔ただし、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリマーの重量平均分子量は、アルカリ溶解速度、膜物性等の点から、1,000〜500,000が好ましく、3,000〜300,000がより好ましく、5,000〜200,000が更に好ましい。
ここで、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて求めることができる。
前記ポリマーの含有量は、前記導電層全体に対し5質量%〜90質量%であることが好ましく、10質量%〜85質量%がより好ましく、20質量%〜80質量%が更に好ましい。前記含有量の範囲にあると、現像性と金属ナノワイヤーの導電性の両立が図れる。
−分散剤−
前記分散剤は、前記導電性繊維の凝集を防ぎ、分散させるために用いる。前記分散剤としては、前記導電性繊維を分散させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適否選択することができ、例えば、市販の低分子顔料分散剤、高分子顔料分散剤を利用でき、特に高分子分散剤で導電性繊維に吸着する性質を持つものが好ましく用いられ、例えばポリビニルピロリドン、BYKシリーズ(ビックケミー社製)、ソルスパースシリーズ(日本ルーブリゾール社製など)、アジスパーシリーズ(味の素株式会社製)などが挙げられる。
前記分散剤の含有量としては、前記ポリマー100質量部に対し、0.1質量部〜50質量部が好ましく、0.5質量部〜40質量部がより好ましく、1質量部〜30質量部が特に好ましい。
前記含有量が、0.1質量部未満であると、分散液中で導電性繊維が凝集してしまうことがあり、50質量部を超えると、塗布工程において安定な液膜が形成できず、塗布ムラが発生することがある。
<基材>
前記基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、透明ガラス基板、合成樹脂性シート、フィルム、金属基板、セラミック板、光電変換素子を有する半導体基板などを挙げることができる。これらの基板には、所望により、シランカップリング剤などの薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着などの前処理を行うことができる。
前記透明ガラス基板としては、例えば、白板ガラス、青板ガラス、シリカコート青板ガラスなどが挙げられる。
前記合成樹脂製シート、フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミド、などが挙げられる。
前記金属基板としては、例えば、アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板などが挙げられる。
前記基材の全可視光透過率としては、70%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。
前記全可視光透過率が、70%未満であると、透過率が低く、実用上問題となることがある。
なお、本発明では、基材として本発明の目的を妨げない程度に着色したものを用いることもできる。
前記基材の厚みとしては、1μm〜5,000μmが好ましく、3μm〜4,000μmがより好ましく、5μm〜3,000μmが更に好ましい。
前記厚みが、1μm未満であると、塗布工程においてのハンドリングの困難さに起因し、歩留まりが低下することがあり、5,000μmを超えると、ポータブルなアプリケーションにおいて、前記基材の厚みや質量が問題となることがある。
−感光層−
本発明においては、前記導電層が分散媒としての感光性化合物を含有しない場合には、前記導電層の基材側の面、及び前記導電層の基材を有さない側の面のいずれかに感光層を有することが好ましい。
前記感光層は、感光性化合物を少なくとも含み、ポリマー、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記感光性化合物及びポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば前記導電層と同様なものを用いることができる。
前記感光層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜100μmであることが好ましく、0.05μm〜10μmであることがより好ましい。
(導電膜の製造方法)
本発明の導電膜の製造方法は、第1のパターニング工程と、第2のパターニング工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
<第1のパターニング工程>
前記第1のパターニング工程は、基材上に少なくとも導電性繊維を含む導電層を有する導電膜における前記導電層にパターンを形成する工程である。
前記第1のパターニング工程の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばフォトリソグラフィ法、熱、電磁波、電子線等の部分照射によるアブレーションあるいは粒子、流体等の部分照射による分散媒の部分的除去を行う方法、又はこれらの組み合わせなどが挙げられる。これらの中でも、フォトリソグラフィ法が特に好ましい。
前記フォトリソグラフィ法としては、例えば(1)前記導電層が分散媒としての感光性化合物を含有する場合には、第1のパターニング工程が、前記導電層を露光して、現像することにより行う方法、(2)前記導電層の基材側の面、及び導電層の基材を有さない側の面のいずれかに感光層を有する場合には、第1のパターニング工程が、前記感光層を露光して、前記感光層及び前記導電層を現像することにより行う方法、又はこれらの組み合わせなどが挙げられる。
前記(1)の方法によれば、導電膜の層構成を単純化でき、また導電層と外部との導通が行いやすくなるという観点で好ましい。
前記(2)の方法によれば、導電層の基材を有さない側の面に感光層を有する場合には、感光層によって導電層を外的刺激(例えば光、湿度、圧力、ガス等)から保護しやすくなるという観点で好ましい。
本発明の導電膜は、前記第1のパターニング工程よって得られるパターンにおいて、パターンエッジ粗さを悪化させる原因となるパターンエッジからはみ出した導電性繊維及び分散媒を除去するために、以下に説明する第2のパターニング工程を経て形成されることが好ましい。
<第2のパターニング工程>
前記第2のパターニング工程は、前記第1のパターニング工程で形成されたパターンエッジからはみ出した導電性繊維を除去する工程である。
前記第2のパターニング工程としては、(1)超音波照射による方法、(2)エッチング液による溶解、(3)オゾン照射、(4)陽極酸化による溶解、又はこれらの組み合わせなどが挙げられる。
この際、導電性繊維、必要に応じて分散媒の除去は、導電層のパターンエッジからはみ出した部分のみを選択的に除去することが、パターン部の導電性を損なわないために好ましい。特に、導電性向上に対し有利となる分散媒の減量、あるいは透過率向上に有利となる導電層の薄層化は、第2のパターニング工程においてパターンの導電性繊維や分散媒にダメージを与え、導電性を損なう恐れがあり、注意が必要である。これらの中でも、導電性繊維に金属を用い、これを酸化力の強いエッチング液による溶解によって除去することは、パターン部の金属の溶解を回避することが困難となる。
この場合、前記導電層と同形状になるようにパターニングされた導電性繊維を含まない保護層を導電層の上部に形成することが、パターン部の導電性繊維へのダメージを回避することに対し有効となる。しかし、導電膜の層構成の単純化及び導電層と外部との導通のし易さの観点からは、導電層上部に保護層を形成せずに第2のパターニング工程を実施することが好ましい。このような観点から、(1)超音波照射、(2)エッチング液による溶解が特に好ましい。
前記(1)の超音波照射は、パターン部の導電性をほとんど損なうことなく、また特殊な処理液を必要とせずにパターンエッジ粗さを劇的に改良でき、第2のパターニング工程の方法として最も好ましい方法である。
前記超音波照射の条件としては、特に制限はなく、超音波の出力、周波数、導電膜の構成により変化して一概には規定できないが、前記超音波の周波数としては5kHz〜10GHzが好ましく、10kHz〜1MHzがより好ましく、15kHz〜400kHzであることが更に好ましい。本発明において、前記超音波とは、人が聞くことを目的としない弾性波のことを意味し、人間が聞こえる範囲の周波数も含めることとする。前記超音波の出力は、10W〜10kWが好ましく、100W〜2kWがより好ましい。前記超音波の照射時間は、1秒〜1時間が好ましく、10秒間〜10分間がより好ましい。
前記超音波を照射する方法としては、溶液中で導電膜に超音波を照射することが好ましく、市販の超音波洗浄機を好ましく利用できる。また超音波の照射は導電膜に対しバッチ式で照射しても、基材を搬送しながら連続的に照射してもよい。
前記超音波照射時に用いる浴の溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水、有機溶剤いずれも好ましく用いることができるが、環境影響が少なく防爆対応の必要ない水が特に好ましい。また、浴の組成としては、特に制限はなく、水によって好ましく第2のパターニングが可能であるが、有用と考えられるあらゆる添加剤を含有可能である。具体的には、界面活性剤、消泡法剤、硬化剤、防錆剤、防食剤、酸化剤、酸化防止剤、還元剤、酸、アルカリ等を目的に応じて好ましく含有させることができる。また、前記第1のパターニング工程としてフォトリソグラフィを用いる際に、露光後の現像を超音波照射しながら行うことによって、第1のパターニング工程と第2のパターニング工程を同時に行うことも好ましい。
前記(2)のエッチング液による溶解としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ハロゲン化物イオン含有溶液をエッチング液として用いる方法が好ましい。塩化ナトリウム溶液等のハロゲン化物イオン含有溶液に第1のパターニング工程後の導電膜を浸漬することにより、パターンエッジからはみ出した導電層が選択的に除去できる。その機構については定かではないが、推定を含めて述べると、ハロゲン化物含有溶液の中で導電層の局所電池が形成され、導電性繊維が陽極酸化によって除去された可能性があると考えられる。
前記ハロゲン化物イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、フッ化物イオン等のハロゲン化物イオン、更にはシアン化物イオン、チオシアン化物イオン等の擬ハロゲン化物イオンも用いることができる。これらの中でも、塩化物イオンが特に好ましい。
前記ハロゲン化物イオンの対イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオンなどが好適である。これらの中でも、Na、K等のアルカリ金属イオンが特に好ましい。
前記ハロゲン化物イオン含有溶液としては、塩化ナトリウム溶液、塩化カリウム溶液、塩化アンモニウム溶液、及び塩化カルシウム溶液の少なくともいずれか1種を含む溶液であることが好ましく、コスト、環境影響の観点で塩化ナトリウム溶液が特に好ましい。
前記ハロゲン化物イオン含有溶液における前記ハロゲン化物イオンの含有量としては、1質量%〜30質量%であることが好ましく、2質量%〜15質量%であることがより好ましい。
前記ハロゲン化物イオン含有溶液を用いたエッチング方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、第1のパターニング工程後の導電膜を、ハロゲン化物イオン含有溶液中に浸漬し、室温で攪拌しながら1分間〜5分間処理することが好ましい。処理後の導電膜は、イオン交換水の流水によりリンスを行い、乾燥する。
本発明の導電膜の表面抵抗は、0.1Ω/□〜10,000Ω/□であることが好ましく、0.1Ω/□〜1,000Ω/□であることがより好ましい。前記表面抵抗が低いこと自体に弊害は無いが、0.1Ω/□未満であると、光透過率の高い導電膜を得るのが困難になることがあり、10,000Ω/□を超えると、通電時に発生するジュール熱による断線を生じやすくなったり、配線の上流と下流で電圧降下が生じタッチパネルに用いる際の面積が制限されるなどの問題を生じることがある。
ここで、前記表面抵抗は、例えば得られた各導電膜を、表面抵抗計(三菱化学株式会社製、Loresta−GP MCP−T600)を用いて、表面抵抗を測定することができる。
本発明の導電膜の光透過率は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。前記光透過率が、70%未満であると、タッチパネル等の画像表示媒体に用いる際に導電パターンが目立ってしまい画像の品質を損ねたり、輝度低下を補償するために消費電力を増加させる必要が生じる等の弊害が生じることがある。
ここで、前記透過率は、例えば自記分光光度計(UV2400−PC、島津製作所製)により測定することができる。
本発明の導電膜は、絶縁性が著しく改善でき、高透過性、低抵抗であり、簡易にファインなパターンを形成できるので、例えばタッチパネル、ディスプレイ用電極、電磁波シールド、有機又は無機ELディスプレイ用電極、電子パーパー、フレキシブルディスプレイ用電極、集積型太陽電池、表示素子、その他の各種デバイスなどに幅広く適用される。これらの中でも、タッチパネル、表示素子、集積型太陽電池が特に好ましい。
<表示素子>
本発明で用いられる表示素子としての液晶表示素子は、前記のようにして基板上にパターニングされた本発明の前記導電膜が設けられた素子基板と、対向基板であるカラーフィルター基板とを、位置を合わせて圧着後、熱処理して組み合わせ、液晶を注入し、注入口を封止することによって製作される。このとき、カラーフィルター上に形成される導電膜も、本発明の前記導電膜を用いることが好ましい。
また、前記素子基板上に液晶を散布した後、基板を重ね合わせ、液晶が漏れないように密封して液晶表示素子が製作されてもよい。
なお、前記液晶表示素子に用いられる液晶、即ち液晶化合物及び液晶組成物については特に制限はなく、いずれの液晶化合物及び液晶組成物をも使用することができる。
(タッチパネル)
本発明のタッチパネルは、本発明の前記導電膜を用いている。
前記タッチパネルとしては、前記導電膜を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面型静電容量方式タッチパネル、投射型静電容量方式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネル等が挙げられる。
前記表面型静電容量方式タッチパネルの一例について図2を用いて説明する。該図2において、タッチパネル10は、透明基板11の表面を一様に覆うように透明導電体12を配してなり、透明基板11の端部の透明導電体12上に、図示しない外部検知回路との電気接続のための電極端子18が形成されている。
なお、図2中、13は、シールド電極となる透明導電体を示し、14、17は、保護膜を示し、15は、中間保護膜を示し、16は、グレア防止膜を示す。
透明導電体12上の任意の点を指でタッチ等すると、前記透明導電体12は、タッチされた点で人体を介して接地され、各電極端子18と接地ラインとの間の抵抗値に変化が生じる。この抵抗値の変化を前記外部検知回路によって検知し、タッチした点の座標が特定される。
前記表面型静電容量方式タッチパネルの他の一例について図3を用いて説明する。該図3においてタッチパネル20は、透明基板21の表面を覆うように配された透明導電体22と透明導電体23と、該透明導電体22と該透明導電体23とを絶縁する絶縁層24と、指等の接触対象と透明導電体22また透明導電体23の間に静電容量を生じる絶縁カバー層25からなり、指等の接触対象に対して位置検知する。構成によっては、透明導電体22,23を一体として構成することもでき、また、絶縁層24又は絶縁カバー層25を空気層として構成してもよい。
絶縁カバー層25を指等でタッチすると、指等と透明導電体22又は透明導電体23の間の静電容量の値に変化が生じる。この静電容量値の変化を前記外部検知回路によって検知し、タッチした点の座標が特定される。
また、図4により、投射型静電容量方式タッチパネルとしてのタッチパネル20を透明導電体22と透明導電体23とを平面から視た配置を通じて模式的に説明する。
タッチパネル20は、X軸方向の位置を検出可能とする複数の透明導電体22と、Y軸方向の複数の透明導電体23とが、外部端子に接続可能に配されている。透明導電体22と透明導電体23とは、指先等の接触対象に対し複数接触して、接触情報が多点で入力されることを可能とされる。
このタッチパネル20上の任意の点を指でタッチ等すると、X軸方向及びY軸方向の座標が位置精度よく特定される。
なお、透明基板、保護層等のその他の構成としては、前記表面型静電容量方式タッチパネルの構成を適宜選択して適用することができる。また、タッチパネル20において、複数の透明導電体22と、複数の透明導電体23とによる透明導電体のパターンの例を示したが、その形状、配置等としては、これらに限られない。
前記抵抗膜式タッチパネルの一例について図5を用いて説明する。該図5において、タッチパネル30は、透明導電体32が配された基板31と、該透明導電体32上に複数配されたスペーサ36と、空気層34を介して、透明導電体32と接触可能な透明導電体33と、該透明導電体33上に配される透明フィルム35とが支持されて構成される。
このタッチパネル30に対して、透明フィルム35側からタッチすると、透明フィルム35が押圧され、押し込まれた透明導電体32と透明導電体33とが接触し、この位置での電位変化を図示しない外部検知回路で検出することで、タッチした点の座標が特定される。
(集積型太陽電池)
本発明の集積型太陽電池は、本発明の前記導電膜を用いている。
前記集積型太陽電池(以下、太陽電池デバイスと称することもある)としては、特に制限はなく、太陽電池デバイスとして一般的に用いられるものを使用することができる。例えば、単結晶シリコン系太陽電池デバイス、多結晶シリコン系太陽電池デバイス、シングル接合型、又はタンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池デバイス、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウム燐(InP)等のIII−V族化合物半導体太陽電池デバイス、カドミウムテルル(CdTe)等のII−VI族化合物半導体太陽電池デバイス、銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池デバイス、色素増感型太陽電池デバイス、有機太陽電池デバイスなどが挙げられる。これらの中でも、本発明においては、前記太陽電池デバイスが、タンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池デバイス、及び銅/インジウム/セレン系(いわゆる、CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(いわゆる、CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(いわゆる、CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池デバイスであることが好ましい。
タンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池デバイスの場合、アモルファスシリコン、微結晶シリコン薄膜層、また、これらにゲルマニウムを含んだ薄膜、更に、これらの2層以上のタンデム構造が光電変換層として用いられる。成膜はプラズマCVD等を用いる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(合成例1)
<バインダー(A−1)の合成>
共重合体を構成するモノマー成分としてメタクリル酸(MAA)7.79g、ベンジルメタクリレート(BzMA)37.21gを使用し、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5gを使用し、これらを溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)55.00g中において重合反応させることにより、下記式で表されるバインダー(A−1)のPGMEA溶液(固形分濃度:45質量%)を得た。なお、重合温度は、温度60℃乃至100℃に調整した。
分子量はゲルパーミエイションクロマトグラフィ法(GPC)を用いて測定した結果、ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)は30,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.21であった。
(調製例1)
−銀ナノワイヤー水分散液の調製−
予め、下記の添加液A、G、及びHを調製した。
〔添加液A〕
硝酸銀粉末0.51gを純水50mLに溶解した。その後、1Nのアンモニア水を透明になるまで添加した。そして、全量が100mLになるように純水を添加した。
〔添加液G〕
グルコース粉末0.5gを140mLの純水で溶解して、添加液Gを調製した。
〔添加液H〕
HTAB(ヘキサデシル−トリメチルアンモニウムブロミド)粉末0.5gを27.5mLの純水で溶解して、添加液Hを調製した。
次に、以下のようにして、銀ナノワイヤー水分散液を調製した。
純水410mLを三口フラスコ内に入れ、20℃にて攪拌しながら、添加液H 82.5mL、及び添加液G 206mLをロートにて添加した(一段目)。この液に、添加液A 206mLを流量2.0mL/min、攪拌回転数800rpmで添加した(二段目)。その10分間後、添加液Hを82.5mL添加した(三段目)。その後、3℃/分で内温75℃まで昇温した。その後、攪拌回転数を200rpmに落とし、5時間加熱した。
得られた水分散物を冷却した後、限外濾過モジュールSIP1013(旭化成株式会社製、分画分子量6,000)、マグネットポンプ、及びステンレスカップをシリコーン製チューブで接続し、限外濾過装置とした。
銀ナノワイヤー分散液(水溶液)をステンレスカップに入れ、ポンプを稼動させて限外濾過を行った。モジュールからの濾液が50mLになった時点で、ステンレスカップに950mLの蒸留水を加え、洗浄を行った。前記の洗浄を伝導度が50μS/cm以下になるまで繰り返した後、濃縮を行い、銀ナノワイヤー水分散液を得た。
得られた調製例1の銀ナノワイヤーについて、以下のようにして平均短軸長さ、平均長軸長さ、アスペクト比が10以上の導電性繊維の比率、及び銀ナノワイヤー直径の変動係数を測定した。結果を表1に示す。
<銀ナノワイヤーの平均短軸長さ(直径)及び平均長軸長さ>
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の銀ナノワイヤーを観察し、その平均値から銀ナノワイヤーの平均短軸長さ及び平均長軸長さを求めた。
<銀ナノワイヤーの短軸長さの変動係数>
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、銀ナノワイヤーの短軸長さを300個観察し、その平均値から銀ナノワイヤーの短軸長さを計測し、その標準偏差と平均値を計算することにより変動係数を求めた。
<アスペクト比が10以上の銀ナノワイヤーの比率>
各銀ナノワイヤー水分散物をろ過して銀ナノワイヤーとそれ以外の粒子を分離し、ICP発光分析装置(株式会社島津製作所製、ICPS−8000)を用いてろ紙に残っている銀の量と、ろ紙を透過した銀の量を各々測定し、平均短軸長さが50nm以下であり、かつ平均長軸長さが5μm以上である銀ナノワイヤーをアスペクト比が10以上の銀ナノワイヤーの比率(%)として求めた。
なお、銀ナノワイヤーの比率を求める際の銀ナノワイヤーの分離は、メンブレンフィルター(Millipore社製、FALP 02500、孔径1.0μm)を用いて行った。
(製造例1)
−ネガ型導電層組成物の調製−
調製例1の銀ナノワイヤーの水分散物へ、ポリビニルピロリドン(K−30、和光純薬工業株式会社製)と1−メトキシ−2−プロパノール(MFG)を添加し、遠心分離の後、デカンテーションにて上澄みの水を除去し、MFGを添加し、再分散を行い、その操作を3回繰り返し、銀ナノワイヤーのMFG分散液Ag−1を得た。最後のMFGの添加量は銀の含有量が、銀1質量%となるように調節した。
ネガ型フォトレジスト(光硬化性組成物)として、下記組成物を調製した。
合成例1のバインダー(A−1)0.241質量部、感光性化合物としてのKAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製)0.252質量部、感光性化合物としてのIRGACURE379(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)0.0252質量部、架橋剤としてのEHPE−3150(ダイセル化学株式会社製)0.0237質量部、メガファックF781F(DIC株式会社製)0.0003質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)0.9611質量部、及び1−メトキシ−2−プロパノール(MFG)44.3質量部、前記銀ナノワイヤーのMFG分散液Ag−1を54.1質量部加え、攪拌し、得られた組成物を感光性組成物(1)とした。
ここで、分散媒の合計含有量Aと、導電性繊維の含有量Bとの質量比(A/B)が1.05であった。
−導電膜の作製−
次に、得られたネガ型導電層組成物を、塗布銀量が0.05g/mになるように厚み75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布し、室温にて乾燥させることにより、導電膜を得た。
得られた導電膜に対して、以下の方法により、フォトリソグラフィによる第1のパターニング工程を行った。以上により、試料No.1−1を作製した。
−第1のパターニング工程−
エッジ粗さを測定するためのパターニング領域(矩形パターン及び数字)及び光学特性、導電特性測定のための透明領域を含む光学マスクを用い、密着露光を行った。露光は、高圧水銀灯i線(365nm)を100mJ/cm(照度20mW/cm)露光を行った。露光後の水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社製)の1.0質量%現像液(CDK−1を1質量部、純水を99質量部の希釈した液、25℃)でシャワー現像30秒間を行い、未露光部を除去した。シャワー圧は0.04MPa、露光パターンが出現するまでの時間は15秒間であった。
<試料No.1−2>
試料No.1−1の第1のパターニング工程後の導電膜に対し、超音波洗浄機(アズワン株式会社製、USD−4R)を用い、イオン交換水中で40kHz、160Wの条件で2分間超音波を照射した。次いで、イオン交換水の流水により1分間リンスを行った後、乾燥して、試料No.1−2を作製した。
<試料No.1−3>
試料No.1−2において、40kHz、160Wの条件で0.5分間超音波を照射した以外は、試料No.1−2と同様にして、試料No.1−3を作製した。
<試料No.1−4>
試料No.1−2において、40kHz、160Wの条件で5分間超音波を照射した以外は、試料No.1−2と同様にして、試料No.1−4を作製した。
<試料No.1−5>
試料No.1−2において、28kHz、160Wの条件で5分間超音波を照射した以外は、試料No.1−2と同様にして、試料No.1−5を作製した。
<試料No.1−6>
試料No.1−1の第1のパターニング工程後の導電膜に対し、30質量%の塩化ナトリウム水溶液中、25℃で攪拌しながら5分間エッチング処理を行った。次いで、イオン交換水の流水により1分間リンスを行った後、乾燥することにより、試料No.1−6を作製した。
<試料No.1−7>
試料No.1−6において、30質量%の塩化ナトリウム水溶液中、25℃で攪拌しながら2分間エッチング処理を行った以外は、試料No.1−6と同様にして、試料No.1−7を作製した。
<試料No.1−8>
試料No.1−6において、30質量%の塩化ナトリウム水溶液中、25℃で攪拌しながら1分間エッチング処理を行った以外は、試料No.1−6と同様にして、試料No.1−8を作製した。
<試料No.1−9>
試料No.1−6において、10質量%の塩化ナトリウム水溶液中、25℃で攪拌しながら5分間エッチング処理を行った以外は、試料No.1−6と同様にして、試料No.1−9を作製した。
<試料No.1−10>
試料No.1−1の第1のパターニング工程後の導電膜に対し、下記組成のエッチング液A中、25℃で攪拌しながら30秒間エッチング処理を行った。次いで、イオン交換水の流水により1分間リンスを行った後、乾燥することにより、試料No.1−10を作製した。
−エッチング液A−
・エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニム・・・2.71g
・エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物・・・0.17g
・チオ硫酸アンモニウム(70質量%)・・・3.61g
・亜硫酸ナトリウム・・・0.84g
・氷酢酸・・・0.43g
・水を加えて全量1,000mL
なお、ここで示されるエッチング液Aは一般的なハロゲン化銀写真感光材料用の漂白定着液を希釈した組成であり、銀に対し強い酸化力を有していた。
<試料No.1−11>
試料No.1−10において、エッチング液A中、25℃で攪拌しながら1分間エッチング処理を行った以外は、試料No.1−10と同様にして、試料No.1−11を作製した。
<試料No.1−12>
試料No.1−10において、エッチング液A中、25℃で攪拌しながら1分30秒間エッチング処理を行った以外は、試料No.1−10と同様にして、試料No.1−12を作製した。
次に、作製した試料No.1−1から試料No.1−12について、以下のようにして、パターンエッジ粗さ、表面抵抗、光透過率、ヘイズ値、及び可撓性を測定した。結果を表2に示す。また、試料No.1−1及び1−2について、デジタルマイクロスコープ(VHX−600、キーエンス株式会社製、倍率2,000倍)で観察した。試料No.1−1の観察結果を図6に示す。試料No.1−2の観察結果を図7に示す。
図6及び図7の結果から、図6のパターンエッジからはみ出した銀ナノワイヤーが、図7では選択的に除去されて、ファインパターンが形成できていることが分かった。
また、試料No.1−12のデジタルマイクロスコープによる観察結果を図8に示した。図8の結果から、パターン部の導電性繊維の密度が、図7で示される試料No.1−2に対し減少していることが分かった。
<パターンエッジ粗さ>
デジタルマイクロスコープ(VHX−600、キーエンス株式会社製、倍率2,000倍)を用い、作製した各導電膜について、以下のようにして、パターンエッジ粗さを求めた。
パターンエッジの平均線を長さ100μmに渡り含むエッジ領域を抽出してこれを各区画が平均線長10μmずつ含むように10区画に分け、各区画において平均線から距離の最大幅を求め、得られた各区画の最大幅の中から上位5番目までの最大幅の平均値を算出し、これをパターンエッジ粗さと定義した。ただし、パターンエッジの平均線の全長が100μmに満たない場合は平均線に沿ってパターンエッジ領域を均等に10分割し、各区画において平均線のからの最大幅を求め、得られた10区画の最大幅の中から上位5番目までの最大幅の平均値をパターンエッジ粗さと定義した。
図1はパターンエッジ粗さの求め方を説明するための、パターニング後の導電パターンを上から眺めた模式図である。図1において、パターンエッジを平均線に沿って平均線長10μmを含む領域に分割し、各区画において、平均線からの距離の最大幅を求めた(図1におけるW1、W2、W3)。この操作を10区画に渡り行い、W1〜W10までの平均線からの距離の最大幅の中で、上位5番目までの値の平均値を求め、これをパターンエッジ粗さとした。なお、図1では平均線が直線の場合を例示したが、平均線が曲線の場合も同様である。
<解像度の評価>
各導電膜の解像度を評価するため、試料No.1−1及び試料No.1−2について、更に露光パターンを微細化し、パターン幅及びパターン間隔の幅(即ち、ライン/スペース幅)をともに4.5μmとした部分を含む領域につき前述のデジタルマイクロスコープによって観察した結果を図9及び図10に示す。図9は、試料No.1−1のデジタルマイクロスコープによる観察結果を示す写真、図10は、試料No.1−2のデジタルマイクロスコープによる観察結果を示す写真である。
図9及び図10の結果から、試料No.1−2はライン/スペース幅がこの露光パターンでも導電部間が分離できており、約4.5μmの良好な解像度を有しているのに対し、試料No.1−1はパターン間の分離が行えておらず、解像度が不足していることが分かった。
<光透過率の測定>
得られたパターニング処理後の各導電膜を、ガードナー社製ヘイズガードプラスを用いて、C光源下のCIE視感度関数yについて、測定角0°で測定した。
<表面抵抗の測定>
得られたパターニング処理後の各導電膜を、表面抵抗計(三菱化学株式会社製、Loresta−GP MCP−T600)を用いて、表面抵抗を測定した。
<ヘイズ値の測定>
得られたパターニング処理後の各導電膜を、ガードナー社製ヘイズガードプラスを用いて、ヘイズ値(%)を測定した。
<導電膜の可撓性>
各導電膜の可撓性を評価するために、試料No.1−1〜試料No.1−12を直径10mmの円柱状のアクリル樹脂上に導電膜を外向きに巻きつけて3日間放置後、各導電膜のパターンエッジ粗さ、表面抵抗、光透過率、及びヘイズ値を測定し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
○:3日間放置後、パターンエッジ粗さ、表面抵抗、光透過率、及びヘイズ値に変化なし
×:3日間放置後、パターンエッジ粗さ、表面抵抗、光透過率、及びヘイズ値の少なくともいずれかに変化あり
表2の結果から、第2のパターニング工程としては超音波洗浄が最も好ましく、塩化ナトリウム溶液への浸漬も好適であることが分かった。強い酸化剤としてEDTAを含むエッチング液Aでは、エッジ粗さは改良できるが、シート抵抗値の低下が観察される。
また、試料No.1−1から試料No.1−12は、十分な可撓性を有していることが分かった。このことは、巻きつけ向きを内向きに変更した場合も同様であった。
(実施例2)
実施例1において、ネガ型導電層組成物を、以下のようにして調製したポジ型導電層組成物に代え、更に露光及び現像条件を変更した以外は、実施例1と同様にして、試料No.1−1からNo.1−12に対応する試料No.2−1から試料No.2−12を作製した。
作製した試料No.2−1から試料No.2−12について、実施例1と同様にして、エッジ粗さ、表面抵抗、光透過率、及びヘイズ値を測定した。結果を表3に示す。
−ポジ型導電層組成物の調製−
ポジ型フォトレジスト(光可溶化性組成物)として、下記組成物を調製した。
合成例1のバインダー(A−1)0.402質量部、分散媒としての下記構造式で表されるTAS−200(エステル化率66%、東洋合成株式会社製)0.228質量部、架橋剤としてのEHPE−3150(ダイセル化学株式会社製)0.192質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)5.17質量部、1−メトキシ−2−プロパノール(MFG)221質量部、及び前記銀ナノワイヤーのMFG分散液Ag−1を41.0質量部加え、攪拌し、得られた組成物を感光性組成物(2)とした。
得られた感光性組成物(2)を、塗布銀量が0.075g/mになるように厚み0.7mmの無アルカリガラス上にワイヤーバーコーターを用いて塗布し、室温にて乾燥させることにより、導電膜を得た。ここで、分散媒の合計含有量Aと、導電性繊維の含有量Bとの質量比(A/B)が1.55であった。
<露光及び現像工程(第1のパターニング工程)>
エッジ粗さを測定するためのパターニング領域(矩形パターン及び数字パターン)及び光学特性、導電特性測定のための透明領域を含む光学マスクを用い、密着露光を行った。露光は、高圧水銀灯i線(365nm)にて150mJ/cm(照度20mW/cm)の条件で露光を行った。露光後の導電膜を、0.4質量%のTMAH水溶液(23℃)にてパドル現像を90秒間行い、露光部を除去した。現像後の導電膜を室温で乾燥させた後、高圧水銀灯i線(365nm)にて300mJ/cm(照度20mW/cm)の条件でポスト露光を行い、更に170℃にて10分間ポストベイクを行った。
表3の結果から、第2のパターニング工程としては超音波洗浄が最も好ましく、塩化ナトリウム溶液への浸漬も好適であることが分かった。強い酸化剤としてEDTAを含むエッチング液Aでは、エッジ粗さは改良できるが、シート抵抗値の低下が観察される。
(実施例3)
−タッチパネルの作製−
試料No.1−2の導電膜に対し、露光パターンを図4で示される市松模様パターンに変更したことのみ異なる方法によって導電膜を作製し、表面抵抗、エッジ粗さ、透過率、ヘイズ値の特性が試料No.1−2と実質同一であることを確認した。この導電膜を用いて作製したタッチパネルを使用した場合、透過率の向上により視認性に優れ、かつ、導電性の向上により素手、手袋を嵌めた手、指示具のうち少なくとも一つによる文字等の入力又は画面操作に対し応答性に優れるタッチパネルを製作できることが分かった。なお、タッチパネルとは、いわゆるタッチセンサ及びタッチパッドを含むものとする。
タッチパネルの作製に際しては、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日発行、株式会社テクノタイムズ)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に記載の公知な方法を用いた。
(実施例4)
<集積型太陽電池の作製>
−アモルファス太陽電池(スーパーストレート型)の作製−
試料No.1−2の導電膜の作製方法に対して、支持体をPETからガラス基板に変更した以外は、同様にして、導電膜を作製した。
得られた導電膜の上部にプラズマCVD法により厚み約15nmのp型、前記p型の上部に厚み約350nmのi型、前記i型の上部に厚み約30nmのn型アモルファスシリコンを形成し、前記n型アモルファスシリコンの上部に裏面反射電極として厚み20nmのガリウム添加酸化亜鉛層、前記ガリウム添加酸化亜鉛層の上部に厚み200nmの銀層を形成し、実施例4の光電変換素子を作製した。
(実施例5)
<集積型太陽電池の作製>
−アモルファス太陽電池(スーパーストレート型)の作製−
実施例4において、試料No.1−2の導電膜を試料No.2−2の導電膜に代えた以外は、実施例4と同様にして、実施例5の光電変換素子を作製した。
(実施例6)
<集積型太陽電池の作製>
−CIGS太陽電池(サブストレート型)の作製−
試料No.1−2の導電膜の作製方法に対し、支持体をPETから下記の方法で作製した支持体に変更した以外は、同様の方法によって、導電膜を作製した。
−支持体の作製方法−
ガラス基板上に、直流マグネトロンスパッタ法により厚み500nm程度のモリブデン電極、前記電極の上部に真空蒸着法により厚み約2.5μmのカルコパイライト系半導体材料であるCu(In0.6Ga0.4)Se薄膜、前記Cu(In0.6Ga0.4)Se薄膜の上部に溶液析出法により厚み約50nmの硫化カドミニウム薄膜を形成した。これを支持体として用いた。
導電膜を作製した後、該導電膜の上部に直流マグネトロンスパッタ法により厚み約100nmのホウ素添加酸化亜鉛薄膜(透明導電層)を形成し、光電変換素子を作製した。
(実施例7)
<集積型太陽電池の作製>
実施例6において、試料No.1−2の導電膜を試料No.2−2の導電膜に代えた以外は、実施例6と同様にして、実施例7の光電変換素子を作製した。
<太陽電池特性(変換効率)の評価>
作製した実施例4から7の各太陽電池について、AM1.5、 100mW/cmの疑似太陽光を照射することで太陽電池特性(変換効率)を測定した。結果を表4に示す。
本発明の導電膜は、絶縁性が著しく改善でき、高透過性、低抵抗であり、可撓性が向上し、簡易にファインなパターンを形成できるので、例えば、タッチパネル、ディスプレイ用帯電防止、電磁波シールド、有機又は無機ELディスプレイ用電極、電子ペーパー、フレキシブルディスプレイ用電極、フレキシブルディスプレイ用帯電防止、太陽電池、その他の各種デバイスなどに幅広く利用可能である。

Claims (14)

  1. 基材と、該基材上に少なくとも導電性繊維を含む導電層とを有してなり、
    前記導電層がパターン形成されており、パターンエッジ粗さが5μm以下であることを特徴とする導電膜。
  2. 導電層が分散媒を含有し、該分散媒の合計含有量Aと、導電性繊維の含有量Bとの質量比(A/B)が0.1〜5.0である請求項1に記載の導電膜。
  3. 導電性繊維が、平均短軸長さが100nm以下であり、かつ平均長軸長さが5μm以上である請求項1から2のいずれかに記載の導電膜。
  4. 導電性繊維が、金属ナノワイヤーである請求項1から3のいずれかに記載の導電膜。
  5. 金属ナノワイヤーが、銀を含有する請求項4に記載の導電膜。
  6. 光透過率が、70%以上である請求項1から5のいずれかに記載の導電膜。
  7. 表面抵抗が、0.1Ω/□〜10,000Ω/□である請求項1から6のいずれかに記載の導電膜。
  8. 基材上に少なくとも導電性繊維を含む導電層を有する導電膜における前記導電層にパターンを形成する第1のパターニング工程と、
    形成されたパターンのエッジからはみ出した導電性繊維を除去する第2のパターニング工程と、
    を含むことを特徴とする導電膜の製造方法。
  9. 第2のパターニング工程が、第1のパターニング工程でパターニングされた導電膜を液中に浸漬して超音波照射することにより行われる請求項8に記載の導電膜の製造方法。
  10. 導電性繊維が銀を含有し、第2のパターニング工程が、第1のパターニング工程でパターニングされた導電膜をハロゲン化物イオン含有溶液に接触させることにより行われる請求項8から9のいずれかに記載の導電膜の製造方法。
  11. 導電層が感光性化合物を含有し、
    第1のパターニング工程が、前記導電層を露光して、現像することにより行われる請求項8から10のいずれかに記載の導電膜の製造方法。
  12. 導電層の基材側の面、及び導電層の基材を有さない側の面のいずれかに感光層を有し、
    第1のパターニング工程が、前記感光層を露光して、前記感光層及び前記導電層を現像することにより行われる請求項8から10のいずれかに記載の導電膜の製造方法。
  13. 請求項1から7のいずれかに記載の導電膜を用いたことを特徴とするタッチパネル。
  14. 請求項1から7のいずれかに記載の導電膜を用いたことを特徴とする集積型太陽電池。
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