JP5084723B2 - 樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法および樹脂付きスクリーン印刷用マスク - Google Patents

樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法および樹脂付きスクリーン印刷用マスク Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法及び樹脂付きスクリーン印刷用マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器の小型、多機能化に伴い、電子基板の高密度化や配線パターンの微細化が進められており、電子基板への電子部品の高密度実装化が広く行われている。この電子基板への電子部品の高密度実装化においては、電子基板面に電子部品を実装するためにクリーム半田を印刷し、半田端子に電子部品を搭載した後にリフロー炉で加熱して半田付けを行う。上記クリーム半田の印刷方法としては、スクリーン印刷による工程が広く用いられている。一般的に、スクリーン印刷は、パターン状の開口部が形成されたスクリーン印刷用マスクを印刷すべき被印刷基板の上面にセットし、スクリーン印刷用マスク上にクリーム半田等のペースト材を供給してスキージによって掻き寄せることによって、ペースト材を開口部を通してパターン状に転写印刷する方法である。
【0003】
スクリーン印刷用マスクには、例えば、エマルジョン型スクリーン印刷用マスク(メッシュマスク)、メタルマスク、ソリッドマスク、サスペンドマスク等がある。
エマルジョン型スクリーン印刷用マスクは、図10に示すように、緯糸15aと経糸15bとからなる網目状のメッシュ層13に感光性乳剤14を塗布し、感光性乳剤14にパターン露光を行うことで、スクリーン印刷用の開口部2を形成してなるものである。エマルジョン型スクリーン印刷用マスクは、パターン露光及び現像処理により簡便に作製することができる。
【0004】
メタルマスクは、メタルプレートに印刷パターンに対応した開口部を形成してなるものである。開口部の形成方法には、エッチング法、レーザ法、アディティブ法、機械加工法等がある。
【0005】
図11は、エッチング法によるメタルマスク作製方法の一例である。この方法では、メタルプレート10(図11(a))の両面に感光性樹脂層21を形成した後(図11(b))、開口パターンを形成させたフォトマスク(図示せず)を重ね合わせて、パターン露光及び現像処理を行って、開口部に相当するメタルプレート表面を露出させる(図11(c))。その後、残存する感光性樹脂層21をエッチングレジスト22として使用して、エッチング処理によって開口部のメタルプレート10を除去する(図11(d))。続いて、エッチングレジスト22の除去を行って、開口部2を有するスクリーン印刷用マスク1を作製する(図11(e))。エッチング法は、パターン露光、現像処理、エッチング処理でスクリーン印刷用マスクを作製できるため、低コストであるという利点がある。
【0006】
図13は、レーザ法によるメタルマスク作製方法の一例である。この方法では、メタルプレート10(図13(a))に、レーザ加工によって所望の開口部2を直接形成して、スクリーン印刷用マスク1を作製する(図13(b))。レーザ法では、フォトマスクを用いずに、設計データから直接加工できるため、短納期での作製が可能であるという利点がある。
【0007】
図14は、アディティブ法(電鋳法)によるメタルマスク作製方法の一例である。ベース基材9の上にメッキレジスト層23を形成し(図14(a))、その後、メッキレジスト層23で覆われていないベース基材9上にメッキを行って、メッキ金属層16を形成する(図14(b))。続いて、メッキレジスト層23及びベース基材9の除去を行って、スクリーン印刷用マスク1が得られる(図14(c))。アディティブ法は、工程に時間がかかり、生産性が低く、コストも高くなるが、微細な開口パターンの形成が可能であり、バンプマスク等のより高精細な印刷が必要な用途に用いられている。
【0008】
ソリッドマスクは、開口されていないメタルプレートに、ハーフエッチング処理もしくはアディティブメッキ処理等を行うことで、メタルプレートの片側にメッシュパターンを形成し、反対側に開口部のパターンを形成させてなるスクリーン印刷用マスクである。
【0009】
サスペンドマスクは、平織りのメッシュ上にアディティブメッキ処理等によって、開口部パターンを形成させてなるスクリーン印刷用マスクであり、開口部を有するメタルプレート(すなわちメタルマスク)を平織りのメッシュ上に貼り付けて作製する場合もある。
【0010】
メタルマスク、ソリッドマスク、サスペンドマスクは、メタルプレートを用いて作製しているため、エマルジョン型スクリーン印刷用マスクと比較して、寸法安定性に優れている。
【0011】
最近の電子基板への電子部品の高密度実装化にともない、スクリーン印刷に対しても、より高密度かつ高精細なパターンの印刷が求められてきている。しかし、従来のスクリーン印刷用マスクの中には、高密度かつ高精細なパターンに対して、抜け不良なしに、適正な転写量でペースト材を転写印刷することができない場合があった。
【0012】
例えば、エマルジョン型スクリーン印刷用マスク(図10(b))では、厚膜の感光性乳剤14を用いると、パターン露光時にメッシュ層13による乱反射が発生し、パターンの解像性が低下するという問題があった。したがって、高密度かつ高精細なパターンの印刷のためには、感光性乳剤14の膜厚を薄くする必要がある。一方、一般的に、スクリーン印刷用マスクの開口部2の体積を大きくすると、ペースト材の転写量を増やすことができるため、印刷パターンのサイズ(スクリーン印刷用マスクの開口部面積)が決まっている場合、転写量を増すためには、スクリーン印刷用マスクの膜厚を厚くする必要がある。従って、高密度かつ高精細なパターン印刷のために感光性乳剤14の膜厚を薄くすると、エマルジョン型スクリーン印刷用マスクの膜厚も薄くなるために、充分な転写量でペースト材を転写印刷することができなかった。
【0013】
エッチング法で作製したメタルマスク(図11(e))では、メタルプレート10を両面からエッチングしていくため、開口部の断面形状を詳細に観察すると、図12のように、テーパーが生じて中央部が凸となっており、印刷時におけるペースト材の抜け不良の原因となっていた。メタルプレート10の板厚が厚くなったり、開口部2が微細になったりするほど、この問題は顕著となる。そのため、高密度かつ高精細なパターン印刷に用いるときには、メタルプレート10の板厚を薄くしなければならないという制約があり、充分なペースト材の転写量が得られないことがあった。また、感光性樹脂層21の膜厚が厚すぎると、エッチング液の液回り性が悪くなるため、エッチング処理の均一性が悪化し、スクリーン印刷用マスクとしての品質が悪化するという問題もあった。
【0014】
レーザ法で作製したメタルマスク(図13(b))では、メタルプレート10の材質や板厚等を考慮した最適な加工条件でレーザ加工を行わないと、開口部2の内壁面の平滑性が悪化し、ペースト材の抜け不良が発生し、高密度かつ高精細な印刷パターンに対応できなくなる。また、加工条件が合わないと、開口部2の形状自体が設計データからずれるという問題が発生することがあった。また、最適な加工条件でレーザ加工が行えた場合であっても、より高密度かつ高精細なパターンの印刷に用いる場合には、レーザ加工時に発生したバリを除去して表面を平滑化させるために、機械研磨や電解研磨、化学研磨等の研磨処理工程が更に必要となり、手間がかかってしまっていた。
【0015】
以上のように、高密度かつ高精細なパターンに対して、抜け不良なしに、適正な転写量でペースト材を転写印刷する目的のためには、開口部内壁面の平滑性が高く、高密度かつ高精細なパターンに対応した微細な開口部形状を有し、かつ厚いスクリーン印刷用マスクが求められている。
【0016】
ところで、印刷パターンが高密度かつ高精細となってくると、スクリーン印刷用マスクと被印刷基板との密着性が重要となってくる。スクリーン印刷用マスクと被印刷基板との間に隙間が生ずると、印刷時にペースト材が開口パターンからはみ出して滲みが発生することになる。図15は、スクリーン印刷工程において、良好に印刷が行われた場合を示す概念図である。図16は、スクリーン印刷工程において、被印刷基板の凹凸による密着性不良によって、滲みが発生した場合を示す概念図である。図15と図16において、(a)が印刷時の状態で、被印刷基板5の上にスクリーン印刷用マスク1を重ね、その上にペースト材8をのせてからスキージ7で掻き寄せることによりスクリーン印刷用マスク1の開口部を通して、ペースト材8を被印刷基板5上へ転写印刷させている。図15(b)では、被印刷基板5の表面の平滑性が良いため、マスク1の開口部に充填されたペースト材8がそのまま転写されており、良好な印刷が行われている。図16(b)では、被印刷基板5の表面の平滑性が悪いため、ペースト材8の滲みが発生してしまっている。このように、滲みが発生すると、隣り合うパターン同士でブリッジ短絡等の欠陥が発生する可能性が増し、良好な品質の印刷ができない結果となる。
【0017】
この密着性の問題を改善する目的で、スクリーン印刷用マスクの被印刷基板との接触面に樹脂層を形成した樹脂付きスクリーン印刷用マスクが提案されている。樹脂付きスクリーン印刷用マスクを用いたスクリーン印刷工程を図17に示す。図17(a)に示すように、スクリーン印刷用マスク1の被印刷基板5との接触面に樹脂層3が設けられているために、表面の平滑性が悪い被印刷基板5に対しても、樹脂付きスクリーン印刷用マスク4が密着し、ペースト材8の滲みを防いでいる。そのため、良好なペースト材8の転写印刷が可能となっている(図17(b))。
【0018】
特に、メタルマスク、ソリッドマスク、サスペンドマスクのようなスクリーン印刷用マスクは、被印刷基板との接触面が金属で形成されているため、エマルジョン型スクリーン印刷用マスクと比較して、被印刷基板との間の密着性に劣り、被印刷基板の種類やパターンの密度、スクリーン印刷用マスクの剛性等によっては、滲み等の欠点が発生しやすいという問題があった。
【0019】
メタルマスクに樹脂層を形成した樹脂付きスクリーン印刷用マスクの例としては、エッチング法でメタルマスクを作製した後に、感光性樹脂層を塗布等の手法で形成し、開口パターンを形成したフォトマスクを重ねてパターン露光を行い、その後、現像処理を行うことで、感光性樹脂層に開口部を形成したものが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2報参照)。上記方法で得られたマスクにより、被印刷基板との密着性が向上し、滲み等の問題が改善される。しかし、メタルマスクの開口部とフォトマスクの開口パターンとの位置あわせを正確に行うことが難しく、メタルマスクの開口部と感光性樹脂層の開口部とに位置ずれが発生し、印刷位置精度や転写性が悪くなるという問題が発生していた。
【0020】
また、樹脂付きスクリーン印刷用マスクの作製方法として、開口部を有するメタルマスクに、同一パターンの開口部を有する樹脂フィルムを貼り合わせる方法も知られているが、この方法においても、貼り合わせる際に位置ずれが発生し、印刷位置精度や転写性が悪くなるという問題が発生する(例えば、特許文献3参照)。
【0021】
ここで、図18を用いて、スクリーン印刷用マスクの開口部と樹脂層の開口部との位置ずれを説明する。図18(a)は、樹脂付きスクリーン印刷用マスク4を樹脂層3面から見た透視図であり、スクリーン印刷用マスク1の開口部2のエッジ部19の位置と、樹脂層3の開口部2のエッジ部29の位置とがずれている。距離Xは、スクリーン印刷用マスク1の開口部2の重心位置18と、樹脂層3の開口部2の重心位置28とのずれを表している。また、図18(b)は、図18(a)の線A−A’で切断した樹脂付きスクリーン印刷用マスクの断面図である。このように、スクリーン印刷用マスク1と樹脂層3の開口部2がお互いにずれた断面形状であると、ペースト材を適正な位置に印刷することができない。さらに、スクリーン印刷用マスク1の開口部2の一部分が、樹脂層3の鍔によって塞がれているため、ペースト材転写量が減少するという結果も招いてしまう。
【0022】
スクリーン印刷用マスクと樹脂層の開口部で位置ずれが発生しない樹脂付きスクリーン印刷用マスクの作製方法も提案されている。第1の例として、図11に示したエッチング法によりメタルマスクを作製する際に、エッチングレジスト22として使用した感光性樹脂層21を剥離せずに、そのまま樹脂層とする方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。この方法によれば、スクリーン印刷用マスク1の開口部2の位置は、エッチングレジスト22によって規定されているため、両者の開口部2はほぼ同位置に形成される。よって、開口部の位置ずれの問題は解消される。しかし、この樹脂付きスクリーン印刷用マスクを用いてスクリーン印刷を行うと、エッチングレジスト22として使用した後の感光性樹脂層21は、摩耗や変形が発生しやすく、印刷品質が低下するという問題が発生する。また、この方法は、エッチング法以外のスクリーン印刷用マスクの作製方法には適用することができないという課題がある。
【0023】
スクリーン印刷用マスクと樹脂層の開口部で位置ずれが発生しない樹脂付きスクリーン印刷用マスクの作製方法の第2の例として、開口部を有しないメタルプレートと開口部を有しない樹脂層(例えば、ポリイミド樹脂層)とを積層した後、YAGレーザ等によるレーザ加工によって、樹脂層とメタルプレートを一括開口する方法が開示されている(例えば、特許文献5参照)。この方法によれば、メタルプレートと樹脂層との開口部の重心位置のずれはなく、精度良く同じ位置に開口部の形成が可能である。また、樹脂層側からレーザを照射することで、樹脂層の開口幅をメタルプレートの開口幅よりも広くして、ペースト材印刷時の印圧(充填圧)を軽減し、滲みを改善させる効果も記載されている。
【0024】
しかし、レーザ加工時の熱の発生により、メタルプレートと樹脂層において、熱歪みや熱変形が発生し、スクリーン印刷用マスク自体が歪んだり、開口部が変形したりする場合があった。また、樹脂層とメタルプレートを一括開口するための加工条件は、メタルプレートのみを開口する場合の加工条件とは必ずしも一致しない場合がある。その際には、最適条件からずれた加工条件でメタルプレートを開口することになり、メタルプレート開口部の内壁面の平滑性が悪化してしまい、印刷時のペースト材の抜け不良等の問題を引き起こすことがあった。また、レーザ加工の条件を考慮すると、メタルプレートと樹脂層の厚みに対して制約があり、スクリーン印刷を行う上で最適な板厚のスクリーン印刷用マスクを作製することができない場合もあった。つまり、メタルプレートと樹脂層をレーザで一括開口する方法では、安定に精度良く開口部を形成することが難しかった。
【0025】
スクリーン印刷用マスクと樹脂層の開口部で位置ずれが発生しない樹脂付きスクリーン印刷用マスクの作製方法の第3の例として、メタルプレートと樹脂層との積層板を用いて、まずは、感光性樹脂層を利用してメタルプレートのエッチング処理を行い、その後、開口部に相当する樹脂層を除去する方法が開示されている(例えば、特許文献6参照)。この方法では、メタルプレートを片側からエッチングするため、図12に例示したメタルプレートを両側からエッチングして作製されたメタルマスクよりも、更に開口部内壁のテーパーが大きくなり、ペースト材の抜け不良といった問題が発生することがあった。
【0026】
位置ずれの発生しないスクリーン印刷用マスクの作製方法の第4の例としては、開口部を有するスクリーン印刷用マスクに光分解性樹脂からなる樹脂層を設け、反対側から開口部を通して露光を行い、その後現像処理を行って、開口部の樹脂層を除去する方法も知られている(例えば、特許文献7参照)。この方法では、全ての開口部に対して平行に露光を行うことが難しく、スクリーン印刷用マスクの開口部の位置によっては、スクリーン印刷用マスクと樹脂層との開口部で位置ずれが発生してしまうことが避けられなかった。
【0027】
また、バンプマスク等のような極めて高密度かつ高精細なパターンのスクリーン印刷用マスクは、主にアディティブ法により作製されたメタルマスクが用いられる。アディティブ法のメタルマスクに対しても、被印刷基板との密着性を改善するために、樹脂層を形成するという試みがなされているが、上述の第1〜4例で説明した方法は使用することができない。つまり、アディティブ法で作製したメタルマスクに位置ずれなく樹脂層を形成することはできていなかった。
【0028】
加えて、サスペンドマスクや、ソリッドマスクのように、開口部にメッシュ層を有するスクリーン印刷用マスクにおいても、上述の第1〜4例で説明した方法を使用することはできず、位置ずれなく樹脂層を形成して被印刷基板との密着性を改善させるということはできていない。
【0029】
樹脂層とスクリーン印刷用マスクの開口部の位置精度のほかに、樹脂付きスクリーン印刷用マスクでは、被印刷基板の種類や印刷パターン、ペースト材転写量等の条件に合わせて、スクリーン印刷用マスクの板厚や樹脂層の厚みを、それぞれ独立に最適設定できるようになっていることが好ましい。
【0030】
上述の第1〜4例で説明した位置ずれのない樹脂付きスクリーン印刷用マスクの作製方法では、厚みの設定に自由度がないという欠点がある。第1の例では、メタルマスクの開口部内壁のテーパーができるだけ発生しないようにするためや、高密度かつ高精細なパターンに対応した開口部を形成するために、感光性樹脂層の厚みとメタルマスクの板厚の両方を薄くすることが望ましい。第2のレーザ加工の例では、レーザ加工条件によって、メタルプレートの板厚と樹脂層の厚みに制約がある。第3の例でも、メタルマスク開口部のテーパーを小さくするためには、メタルプレートの板厚を薄くする必要がある。また、メタルプレートと樹脂層の積層板からスクリーン印刷用マスクを作製する場合には、市販されている入手が容易な積層版を利用するのが好ましいが、その場合にはメタルプレート板厚と樹脂層厚みに制約がある。第4の例でも、光分解性樹脂に充分な光量で露光するためには、メタルプレートの板厚や樹脂層の厚みを薄くすることが必要となる。つまり、第1〜4例では、メタルプレートの板厚と樹脂層厚みを自由に設定することができないばかりでなく、樹脂層とメタルマスクを合わせた厚みも薄くなってしまうことがあり、その結果、ペースト材の転写量が不十分となる場合があった。
【0031】
樹脂付きスクリーン印刷用マスクに求められるもう一つの要件として、繰り返しスクリーン印刷を行った場合に、印刷枚数の増加やハンドリングの仕方が原因となって、樹脂層部分に欠けや傷等の損傷を発生させたとき、樹脂層のみを再生できることが挙げられる。位置ずれのない上記のスクリーン印刷用マスクの作製方法において、第1〜3例では、メタルプレートと樹脂層を積層してから、メタルプレートの開口部を形成していくため、樹脂層のみを再生することができず、スクリーン印刷用マスクを最初から作り直す必要が生じ、手間と時間がかかってしまうという問題があった。
【0032】
このように、樹脂付きスクリーン印刷用マスクでは、スクリーン印刷用マスクと樹脂層の開口部で位置ずれがないこと、色々な種類のスクリーン印刷用マスクに対して樹脂層を形成できること、スクリーン印刷用マスクと樹脂層の厚みを自由に設定できること、損傷が発生した樹脂層を簡単に再生することができること等が求められているが、従来の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの作製方法では、これら全ての要件を満たすことができていない。
【0033】
さて、次にスクリーン印刷用マスクの開口部形状の設計上の課題を説明する。スクリーン印刷用マスクの開口部形状には、円形、楕円形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、ひょうたん形、ダンベル形等の様々な形状がある。スクリーン印刷用マスクを作製する場合には、設計データを作成する必要があるが、このデータ設計の工程にできるだけ時間をかけないことがより好ましい。また、高密度かつ高精細パターンで、特に、半田端子等の印刷のように矩形の開口部を有するスクリーン印刷用マスクを作製する場合、矩形の角部ではペースト材の抜けが悪くなるため、データ設計の工程で角部を丸める(すなわち曲率半径を大きくする)作業が行われている。
【0034】
矩形の開口部の角部に丸みをつけるデータ設計上の処理について、図19を用いて説明する。図19(a)は、小さな曲率半径Raで角部を丸めた開口部2の形状を示している。図19(b)は、大きな曲率半径Rbで角部を丸めた開口部2の形状を示している。図20(a)は、図19(a)に示した開口部2形状を有するスクリーン印刷用マスク1を用いて、ペースト材8のスクリーン印刷を行った後のスクリーン印刷用マスク1の状態を表している。図20(b)は、図19(b)に示した開口部2を有するスクリーン印刷用マスク1を用いて、ペースト材8のスクリーン印刷を行った後のスクリーン印刷用マスク1の状態を表している。
【0035】
小さな曲率半径Raの場合には、図20(a)に示すように、スクリーン印刷用マスク1の開口部2の角部にペースト材8のつまりが発生する。そのため、充分なペースト材転写量が得られなかったり、また、繰り返しスクリーン印刷を行うと、角部にたまったペースト材8が、何らかのきっかけで一度に転写されて、異常転写となったりする問題があった。大きな曲率半径Rbの場合には、図20(b)に示すように、ペースト材8のつまりは改善されて、転写量は安定する。しかし、曲率半径を大きくしすぎると、開口面積が小さくなりすぎてしまい、逆に、充分なペースト材転写量が得られなくなってしまうという問題があった。このように、角部を丸めるためのデータ設計には、最適な開口部形状を決めるまでに、労力と時間が費やされるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0036】
【特許文献1】
特開平3−57697号公報
【特許文献2】
特開平9−315026号公報
【特許文献3】
特開昭54−10011号公報
【特許文献4】
特公平6−96355号公報
【特許文献5】
特開2001−113667号公報
【特許文献6】
特開2005−144973号公報
【特許文献7】
特開平8−258442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0037】
本発明の第1の課題は、高密度かつ高精細なパターンであっても、滲みや抜け不良なしに、適正なペースト材転写量を良好に転写印刷することができ、スクリーン印刷用マスクの開口部と樹脂層の開口部との位置ずれがなく、色々な種類のスクリーン印刷用マスクに対して樹脂層を形成することができ、スクリーン印刷用マスクと樹脂層の厚みを自由に設定でき、かつ損傷を受けた樹脂層部分のみを再生することも可能な樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法を提供することである。
【0038】
また、本発明の第2の課題は、簡便なデータ設計でも、滲み、抜け不良、異常転写といった問題なしに、適正なペースト材転写量を良好に転写印刷することができる形状を有する樹脂付きスクリーン印刷用マスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0039】
本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、スクリーン印刷用マスクの一方の主表面上にラミネート加工によって樹脂層を被覆する工程と、スクリーン印刷用マスクの開口部と略同位置に位置する前記樹脂層の一部をセルフアライメントで除去して樹脂層に開口部を形成する工程とを含む方法により、上記第1の課題を解決し得ることを見出し、また、上記方法により得た樹脂付きスクリーン用マスクにより、上記第2の課題を解決し得ることを見出して、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
【0040】
すなわち、本発明は、
(1)開口部を有するスクリーン印刷用マスクの一方の主表面上に、前記開口部と略同位置に開口部を有する樹脂層が設けられてなる樹脂付きスクリーン印刷用マスクを製造する方法であって、
前記スクリーン印刷用マスクの一方の主表面上にラミネート加工によって樹脂層を被覆する工程と、
前記スクリーン印刷用マスクの開口部と略同位置に位置する前記樹脂層の一部をセルフアライメントで除去して樹脂層に開口部を形成する工程
とを含み、
前記樹脂層が光架橋性樹脂からなることを特徴とする樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法、
(2)前記開口部を有するスクリーン印刷用マスクが、アディティブ法で作製してなるメタルマスク、レーザ法で作製してなるメタルマスク、エッチング法で作製してなるメタルマスク、メッシュマスク、サスペンドマスクおよびソリッドマスクから選ばれるいずれか1種である上記(1)に記載の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法、
)光架橋性樹脂が、(A)カルボキシル基を含有するバインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物および(C)光重合開始剤を含有してなる上記()に記載の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法、
)前記樹脂層の一部をセルフアライメントで除去する工程が、スクリーン印刷用マスクの樹脂層を設けた側とは反対側の主表面から樹脂層除去液を供給することにより行われる上記(1)に記載の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法、
)前記スクリーン印刷用マスクの一方の主表面上に樹脂層を被覆する工程の後、樹脂層に開口部を形成する工程の前に、樹脂層上に電着樹脂層を形成する工程をさらに含み、
前記電着樹脂層が、前記スクリーン印刷用マスクの開口部と略同位置に位置する樹脂層部分以外の樹脂層上に被覆され、
前記樹脂層の一部をセルフアライメントで除去する工程が、前記スクリーン印刷用マスクの樹脂層および電着樹脂層を設けた主表面側から樹脂層除去液を供給することにより行われる上記(1)に記載の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法、
)前記樹脂層の一部をセルフアライメントで除去する工程が、前記スクリーン印刷用マスクの開口部と略同位置に位置する前記樹脂層の一部を薄膜化させた後に樹脂層除去液を供給することにより行われる上記(1)に記載の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法、
)樹脂層除去液が、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる少なくとも1種を含む水溶液である上記()〜()のいずれか1項に記載の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法、
)得られる樹脂付きスクリーン印刷用マスクにおいて、樹脂層に形成される開口部の面積が前記スクリーン印刷用マスクの開口部面積よりも大きい上記(1)〜()のいずれか1項に記載の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法、
)得られる樹脂付きスクリーン印刷用マスクにおいて、
スクリーン印刷用マスクの開口部と樹脂層の開口部とが略同形状を有しており、
樹脂層の開口部面積がスクリーン印刷用マスクの開口部面積より大きく、かつ、
スクリーン印刷用マスク開口部のエッジ部から、該開口部近傍の樹脂層のエッジ部までの距離をオフセット幅としたときに、スクリーン印刷用マスクの開口部輪郭における曲率半径が小さな部分のオフセット幅が、スクリーン印刷用マスクの開口部輪郭における曲率半径が大きな部分のオフセット幅よりも小さい()に記載の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法、
10)樹脂層を構成する樹脂が光架橋性樹脂を含み、かつ、
前記スクリーン印刷用マスクの開口部と略同位置に位置する前記樹脂層の一部をセルフアライメントで除去して樹脂層に開口部を形成する工程後に、樹脂層の耐性化処理を行う上記(1)の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法
提供するものである。
【0041】
【発明の効果】
本発明の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法により、上記第1の課題を解決することができる。本発明の方法は、スクリーン印刷用マスクの一方の主表面上にラミネート加工によって樹脂層を被覆する工程と、スクリーン印刷用マスクの開口部と略同位置に位置する前記樹脂層の一部をセルフアライメントで除去して樹脂層に開口部を形成する工程とを含み、開口部の樹脂層をセルフアライメントで除去するものであるため、スクリーン印刷用マスクの開口部と樹脂層の開口部との間で位置ずれが発生しないという秀逸な効果が達成できる。
【0042】
また、本発明の方法では、先に開口部を有するスクリーン印刷用マスクを最適な製造条件で作製することができるので、内壁面の平滑性や開口部形状の寸法精度等が良好なスクリーン印刷用マスクに対して樹脂層を形成することができ、さらに、スクリーン印刷用マスクの板厚も自由に設定できる。
【0043】
樹脂層をラミネート加工により形成することで、滲みの発生を抑制しつつ、任意の厚みを有するラミネートフィルムを選択して、樹脂層の厚みを均一にかつ自由に設定することもできる。
【0044】
さらに、樹脂層を設けずに使っていたスクリーン印刷用マスクに、樹脂層を形成することも可能となる。これにより、一旦印刷に用いたスクリーン印刷用マスクについて、密着性をさらに改善させて再印刷を行う場合や、ペースト材の転写量を変更する必要が生じた際などに、新たにスクリーン印刷用マスクを作製し直す必要がない。同様に、試作したスクリーン印刷用マスクで試し印刷をした後に、樹脂層を順次形成して転写量の後調整が可能となるという効果も有する。加えて、樹脂層部分に損傷があった場合などに、スクリーン印刷用マスクを作り直すことなく、樹脂層部分のみ再生することができる。
【0045】
本発明の樹脂付きスクリーン印刷用マスクにより、上記第2の課題を解決することができる。本発明の樹脂付きスクリーン印刷用マスクは、本発明の方法により得られたものであるため、簡便なデータ設計でも、滲み、抜け不良、異常転写といった問題なしに、適正なペースト材転写量を良好に転写印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法を表す断面図である。
【図2】本発明の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法を表す断面図である。
【図3】本発明の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法を表す断面図である。
【図4】樹脂付きスクリーン印刷用マスクにおけるスクリーン印刷用マスクの開口部と樹脂層の開口部とのずれを表す説明図である。
【図5】非円形(矩形)の開口部を有する樹脂付きスクリーン印刷用マスクのオフセット幅の説明図である。
【図6】スクリーン印刷の工程を表す断面図である。
【図7】本発明の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの説明図である。
【図8】スクリーン印刷の工程を表す断面図である。
【図9】スクリーン印刷の工程を表す断面図である。
【図10】エマルジョン型スクリーン印刷用マスクの作製工程を表す断面図である。
【図11】エッチング法によるメタルマスクの作製工程を表す断面図である。
【図12】エッチング法に作製したメタルマスクの断面図である。
【図13】レーザ法によるメタルマスクの作製工程を表す断面図である。
【図14】アディティブ法によるメタルマスクの作製工程を表す断面図である。
【図15】スクリーン印刷の工程を表す断面図である。
【図16】スクリーン印刷の工程を表す断面図である。
【図17】樹脂付きスクリーン印刷用マスクを用いたスクリーン印刷の工程を表す断面図である。
【図18】樹脂付きスクリーン印刷用マスクにおけるスクリーン印刷用マスクの開口部と樹脂層の開口部とのずれを表す説明図である。
【図19】非円形(矩形)の開口部の加工形状についての説明図である。
【図20】非円形(矩形)の開口部のスクリーン印刷後のペースト材の残りの様子を示す説明図である。
【図21】従来の方法による樹脂付きスクリーン印刷用マスクの説明図である。
【図22】従来の方法による樹脂付きスクリーン印刷用マスクの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
先ず、本発明の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法について説明する。
本発明の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法は、開口部を有するスクリーン印刷用マスクの一方の主表面上に、前記開口部と略同位置に開口部を有する樹脂層が設けられてなる樹脂付きスクリーン印刷用マスクを製造する方法であって、
前記スクリーン印刷用マスクの一方の主表面上にラミネート加工によって樹脂層を被覆する工程と、
前記スクリーン印刷用マスクの開口部と略同位置に位置する前記樹脂層の一部をセルフアライメントで除去して樹脂層に開口部を形成する工程
とを含むことを特徴とするものである。
【0048】
以下、本発明の方法を、電子基板上へのクリーム半田等のペースト材のスクリーン印刷を行う例を基に説明するが、本発明の趣旨に反しない限り、以下の例に限定されるものではない。
【0049】
本発明の方法において、開口部を有するスクリーン印刷用マスクは、片面にペースト材をのせ、スキージで掻き寄せることでペースト材を被印刷基板に転写することができるものであれば、いずれの方式で作製したスクリーン印刷用マスクも使用することができる。メタルマスク(エッチング法、レーザ法、アディティブ法、機械加工法等の方法により作製してなるもの)、エマルジョン型スクリーン印刷用マスク(メッシュマスク)、ソリッドマスクや、サスペンドマスク等、いずれのものも使用可能である。
【0050】
特に、スクリーン印刷用マスクとしてアディティブ法で作製してなるメタルマスクを用いた場合、これまで困難であったアディティブ法で作製したメタルマスクへの樹脂層形成を良好に達成することが可能となる。
【0051】
また、スクリーン印刷用マスクがレーザ法で作製してなるメタルマスクである場合には、レーザ法で最適な条件でメタルマスクの加工を行った後に所望の厚みの樹脂層を位置ずれなく形成することが可能となるため、レーザ法によるスクリーン印刷用マスクの生産性の良さを落とさずに、開口部内壁平滑性や開口部形状が良好な樹脂付きスクリーン印刷用マスクを得ることが可能となる。また、研磨処理工程等の樹脂層形成面の平滑化処理を簡略化することも可能となる。
【0052】
さらに、スクリーン印刷用マスクがエッチング法で作製してなるメタルマスクである場合には、微細なパターンのエッチングを行うために薄い板厚のメタルプレートを用いたとしても、メタルマスク作製後に、樹脂層の厚みを適正に調整すれば、所望のペースト材転写量が得られるようになり、エッチング法の低コストという利点を維持しながら、良好な樹脂付きスクリーン印刷用マスクを得ることが可能となる。
【0053】
スクリーン印刷用マスクがメッシュマスク等のメッシュ層の上に開口部を有するスクリーン印刷用マスクである場合には、パターン露光を用いた場合の乱反射等といったメッシュ層による弊害なしに、開口部を有するスクリーン印刷用マスクに対して、樹脂層を位置ずれなく形成することができる。これにより、密着性を向上させるとともに、樹脂層の厚みを適正に調整することで、所望のペースト材を所望量転写印刷できる樹脂付きスクリーン印刷用マスクを得ることができる。
【0054】
スクリーン印刷用マスクは、ニッケル、銅、クロム、亜鉛、鉄等の金属、これらの金属を主成分とする合金からなるものが好ましく、例えば、ステンレススチールからなるものを好ましく用いることができる。
【0055】
スクリーン印刷用マスクがメッシュ層を有するものである場合、メッシュとしては、金属線を平織りにした金属メッシュ、樹脂線を平織りにした樹脂メッシュ、ニッケル等の金属をアディティブ法(電鋳法)によってメッシュ状に析出したもの、各種平織りメッシュに金属メッキを施し、交点を固定して寸法安定性を改善させたメッキスクリーンと呼ばれるメッシュ等を挙げることができる。
【0056】
スクリーン印刷用マスクは、通常平板形状を有しており、上記金属や合金の単層体または積層体からなる平板状形状を有していてもよい。スクリーン印刷用マスクの厚みは30〜400μm程度であることが好ましい。
【0057】
スクリーン印刷用マスクの開口部形状については特に制限なく、例えば、円形状、楕円形状、正方形、長方形、菱形、台形等の四角形状や、五角形以上の多角形状の他、ひょうたん形、ダンベル形等の不定形等を挙げることができる。また、スクリーン印刷用マスクの開口部の大きさは、一般的な表面実装において数百μm〜数十mmであることが好ましく、高密度実装において30〜300μmであることが好ましく、開口部のピッチ間隔は、高密度実装において50〜500μmであることが好ましい。
【0058】
本発明の方法において、ラミネート加工とは、すでにシート状に形成されている樹脂層シート(ラミネートフィルム)をスクリーン印刷用マスクに熱圧着させることを意味し、ラミネート加工により樹脂層を設けることで、スクリーン印刷用マスクとの密着性が確保され、かつ、熱や圧力によってスクリーン印刷用マスクに歪みが発生することもない。
【0059】
ラミネート加工法としては、均一な厚みでのラミネートができるのであれば、いずれの方法でも使用可能であるが、熱ロールを用いてラミネート加工を行うことが好ましい。ラミネート加工温度は、40℃から150℃が好ましく、60℃から120℃がより好ましい。また、加工圧力は、熱ロールでのラミネートの場合には、線圧力で、1N/cmから100N/cmが好ましく、5N/cmから50N/cmがより好ましい。
【0060】
本発明の方法においては、上記ラミネート加工により、開口部を有するスクリーン印刷用マスクの一方の主表面に樹脂層を被覆する。
【0061】
本発明の方法において、樹脂層を構成する樹脂としては、スクリーン印刷用マスクとの密着性、化学的強度、機械的強度を有している樹脂であれば特に制限されないが、後述する樹脂層除去液により溶解除去可能な樹脂であることが好ましい。
【0062】
このような樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラール等のビニルアセタール樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン及びその塩化物、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンイソフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル変性アルキッド樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエステル誘導体等の樹脂等を挙げることができる。
【0063】
また、樹脂層は、クリーム半田等のペースト材やスクリーン印刷用マスク洗浄液に対する耐久性、機械的強度をもたせるために、樹脂層を紫外線等硬化性や加熱硬化性を有する樹脂により構成することもでき、特に樹脂層が光架橋性樹脂からなるものであることが好ましい。紫外線硬化性や加熱硬化性を有する樹脂により樹脂層を構成することにより、後述する樹脂層への開口部形成処理を行った後に、紫外線照射を行って樹脂層を硬化させることで、耐性化処理を効率良く施すことができ、これにより、耐久性の高い樹脂付きスクリーン印刷用マスクを得ることができる。
【0064】
光架橋性樹脂としては、紫外線照射前には、後述する樹脂層除去液に対して可溶であり、紫外線照射後には硬化してスクリーン印刷時の耐久性が得られるものであればいずれのものも使用可能であるが、カルボキシル基を含有するバインダーポリマー(A)、分子内に少なくとも1個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含むものであることが好ましい。
【0065】
カルボキシル基を含有するバインダーポリマー(A)としては、分子内に少なくとも1個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物(B)と共に光架橋可能な重合体であればよく、特に制限されないが、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂といった有機高分子が挙げられ、これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよいが、後述する樹脂層除去液としてアルカリ水溶液を用いた場合、樹脂層除去液への溶解性が高いことから、(メタ)アクリル系樹脂を用いることが好ましい。
【0066】
(メタ)アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリレートに由来する構成単位を有するもの挙げることができ、上記樹脂を構成する(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0067】
また、カルボキシル基を含有するバインダーポリマー(A)としては、分子内に重合可能なエチレン性不飽和基を有するバインダーポリマーであることがより好ましい。分子内に重合可能なエチレン性不飽和基を有するバインダーポリマーとしては、上記(メタ)アクリレートとともに、エチレン性不飽和カルボン酸およびその他の重合性単量体に由来する構成単位を有するものを挙げることができる。上記エチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸や、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸、それらの無水物やハーフエステルを挙げることができる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸が特に好ましい。また、上記その他の重合性単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エトキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ビニルトルエン、酢酸ビニル、ビニル−n−ブチルエーテル等を挙げることができる。
【0068】
分子内に重合可能なエチレン性不飽和基を有するバインダーポリマーは、不飽和基1モル当たりの樹脂グラム質量を表す二重結合当量が400〜3000であることが好ましい。二重結合当量が400未満である場合、保存安定性が悪化し易く、一方、3000を超えると、硬化の際に多量のエネルギーを必要とする場合がある。
【0069】
また、分子内に重合可能なエチレン性不飽和基を有するバインダーポリマーとしては、上記(メタ)アクリル酸エステル、エチレン性不飽和カルボン酸およびその他の重合性単量体に由来する構成単位を含むアクリル系共重合樹脂に、脂環式エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物あるいはエポキシ基含有脂肪族エチレン性不飽和化合物を付加させたものを挙げることができる。脂環式エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物およびエポキシ基含有脂肪族エチレン性不飽和化合物は、1分子中に1個の重合性不飽和基と、それぞれ脂環式エポキシ基、脂肪式エポキシ基とを有する化合物である。具体的には、メチルメタクリレートとアクリル酸及び/又はメタクリル酸との共重合物にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた共重合樹脂を好適に使用することができる。
【0070】
また、分子内に重合可能なエチレン性不飽和基を有するバインダーポリマーは、その分子内に水酸基を含有していてもよい。この水酸基と重合可能なエチレン性不飽和基とを有するバインダーポリマーは、水酸基を有する樹脂に重合可能なエチレン性不飽和基を導入することにより得られる。水酸基を有する樹脂としては、ポリオール化合物又はそのアルキレンオキサイド付加物、エポキシ基の側鎖をもつ芳香族化合物等のオキサイド付加物等が挙げられる。ポリオール化合物としては、高温時の熱分解性に優れる点でポリグリセリンが好ましい。
【0071】
上記水酸基を有する樹脂に導入する重合可能なエチレン性不飽和基を有する化合物としては、水酸基とエステル化反応するカルボキシル基又は付加反応するイソシアネート基を有する化合物が挙げられる。カルボキシル基を有するものとしては、フリーのカルボキシル基を有するものの他、エステル化されたカルボン酸エステル基を有するものでもよく、前者としては、(メタ)アクリル酸、後者としては、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が代表例として挙げられる。イソシアネート基を有する化合物としては、(メタ)アクリル酸とアルキレン多価アルコールから得られるヒドロキシ(メタ)アクリレートとジイソシアネート化合物(例えば、イソホロンジイソシアネート)から得られるイソシアネート基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0072】
上記水酸基及び重合可能なエチレン性不飽和基を有するバインダーポリマーの水酸基価は、アルカリ水溶液に対する溶解性と耐久性の点から、50〜800KOHmg/gであることが好ましい。また、水酸基価と同時に酸価を制御することも有効であり、無水酢酸等の酸無水物を添加し、水酸基の一部をエステル化することもできる。
【0073】
カルボキシル基を含有するバインダーポリマー(A)の酸価は、30〜500mgKOH/gであることが好ましく、100〜300mgKOH/gであることがより好ましい。後述する樹脂層除去液としてアルカリ水溶液を用いた場合、この酸価が、30mgKOH/g未満では溶解までの時間が長くなる傾向があり、一方、500mgKOH/gを超えると光架橋した部分のアルカリ水溶液に対する耐久性が低下する傾向がある。
【0074】
また、2種以上の高分子を組み合わせてなる、カルボキシル基を含有するバインダーポリマー(A)としては、例えば、異なる共重合成分を有する2種類以上の高分子を組み合わせたもの、異なる質量平均分子量を有する2種類以上の高分子を組み合わせたもの、異なる分散度(質量平均分子量/数平均分子量)を有する2種類以上の高分子を組み合わせたもの等を挙げることができる。
【0075】
カルボキシル基を含有するバインダーポリマー(A)の質量平均分子量は、10,000〜150,000であることが好ましく、10,000〜100,000であることがより好ましい。質量平均分子量が、10,000未満ではアルカリ水溶液に対する耐久性が低下する傾向があり、一方、150,000を超えると溶解までの時間が長くなる傾向がある。
【0076】
分子内に少なくとも1個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物(B)としては、上記カルボキシル基を含有するバインダーポリマーと共に光架橋可能なものであればよい。例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物;グリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物;分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー;ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート;γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β′−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物;(メタ)アクリル酸アルキルエステル、EO、PO変性ノニルフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで、EO及びPOは、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドを示し、EO変性された化合物は、エチレンオキサイド基のブロック構造を有するものであり、PO変性された化合物は、プロピレンオキサイド基のブロック構造を有するものである。これらの光重合性化合物は単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0077】
また、分子内に少なくとも1個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物(B)として、分子内に3個以上の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物を使用して、架橋点を増やすことにより、さらに高効率に架橋させることもできる。分子内に3個以上の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレートのうち少なくとも1種を含有するものが挙げられる。分子内に3個以上の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物として、その構造中にポリアルキレンオキサイド基を含まない化合物を使用することにより、スクリーン印刷に使用するスクリーン印刷用マスクのクリーニング液が樹脂層へ浸透することを抑制することができる。
【0078】
分子内に少なくとも1個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物(B)として、分子内に3個以上の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物を用いる場合、分子内に3個以上の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物は、分子内に少なくとも1個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物(B)の総量に対して60質量%以上配合され、かつ、カルボキシル基を含有するバインダーポリマー(A)及び分子内に少なくとも1個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物(B)の総量に対して20〜60質量%配合されていることが好ましい。光重合性化合物(B)の総量に対する配合量が60質量%未満では、繰り返し行われるクリーニングに耐えるに十分な架橋密度を形成するのが難しくなる傾向がある。また、バインダーポリマー(A)および光重合性化合物(B)の総量に対する配合量が20質量%未満では、光感度が不十分となる傾向があり、60質量%を超えると、膜表面のタック性が顕著になるだけでなく、硬化後の樹脂層が脆くなる傾向がある。
【0079】
光重合開始剤(C)としては、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。上記2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体における2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は、同一であって対象な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0080】
樹脂層には、必要に応じて、上記(A)〜(C)以外の成分を含有させてもよい。このような成分としては、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤(染料、顔料)、光発色剤、熱発色防止剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱硬化剤、表面張力調整剤、撥水剤及び撥油剤等が挙げられ、各々0.01〜20質量%程度含有することができる。これらの成分は1種を単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0081】
樹脂層は、必要に応じて、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル等のエステル類、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶剤又はこれらの混合溶剤を含有させてもよい。
【0082】
カルボキシル基を含有するバインダーポリマー(A)の配合量は、上記バインダーポリマー(A)および光重合性化合物(B)の総量に対して40〜80質量%であることが好ましく、45〜70質量%であることがより好ましい。40質量%未満では光架橋した部分の化学的強度、機械的強度が低くなる傾向がある。また、被膜性が悪くなるという問題がある。80質量%を超えると光重合性が低下することがある。
【0083】
分子内に少なくとも1個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物(B)の配合量は、上記バインダーポリマー(A)および光重合性化合物(B)の総量に対して20〜60質量%であることが好ましく、30〜55質量%であることがより好ましい。20質量%未満では、光感度が不十分となる傾向があり、一方、60質量%を超えると、膜表面のタック性が顕著になるだけでなく、硬化後の樹脂層が脆くなる傾向がある。
【0084】
また、光重合開始剤(C)の配合量は、上記バインダーポリマー(A)および光重合性化合物(B)の総量に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.2〜10質量%であることがより好ましい。配合量が、0.1質量%未満では光重合性が不十分となる傾向があり、一方、20質量%を超えると、露光の際に光架橋性組成物の表面で吸収が増大して樹脂層内部の光架橋が不十分となる傾向がある。
【0085】
光架橋性樹脂が、カルボキシル基を含有するバインダーポリマー(A)、分子内に少なくとも1個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含むものである場合、上記バインダーポリマー(A)、光重合性化合物(B)及び光重合開始剤(C)は、光架橋性樹脂中に80〜100質量%含まれることが好ましく、90〜100質量%含まれることがより好ましく、95〜100質量%含むことがさらに好ましい。
【0086】
上記樹脂層の被覆に用いられる光架橋性樹脂からなるラミネートフィルムとしては、例えば、市販の回路形成用ドライフィルムや、ソルダーレジスト形成用ドライフィルム、感光性ポリイミドフィルム、スクリーン印刷用直間法フィルム等の光架橋性樹脂フィルムが挙げられる。
【0087】
樹脂層を構成する樹脂が光架橋性樹脂を含む場合、後述するセルフアライメントにより樹脂層の一部を除去して樹脂層に開口部を形成した後、紫外線照射処理による耐性化処理を施して樹脂層に機械的強度を付与することにより、ペースト材料やスクリーン印刷用マスクのクリーニング液に対する耐久性を更に一層向上させることが可能となり、繰り返し複数枚のスクリーン印刷を行った際にも、良好な印刷結果を維持することが可能となる。
【0088】
紫外線照射処理は、高圧水銀灯、超高圧水銀灯等の光源を用いて活性光を照射して行う。光量は、0.5〜20J/cmであることが好ましく、1〜10J/cmであることがより好ましい。光量が0.5J/cm未満では、樹脂層中の光重合性化合物に未反応の不飽和基が残存し、十分な硬度の樹脂層が得られない傾向がある。一方、20J/cmを超えると、樹脂層中の光架橋反応は飽和に達するため、これ以上の光量は不要である。
【0089】
また、紫外線照射処理の後に加熱処理による耐性化処理を施すことによって、さらに耐久性を向上させることもできる。加熱処理は、光架橋性樹脂中に微量に残存した未反応の光重合性化合物の蒸発を促し、他方では、架橋反応も進行し、さらに高密度な三次元架橋を形成させることができる。加熱温度は、120〜170℃であるのが好ましく、140〜160℃であるのがさらに好ましい。加熱時間は、10〜90分間行うのが好ましい。
【0090】
樹脂層の厚みt(図4参照)は、0.1〜200μmであることが好ましく、1〜100μmであることがより好ましい。この樹脂層の厚みは、印刷すべき被印刷基板に対して、適正な転写量のペースト材が転写印刷されるように、スクリーン印刷用マスクの板厚を考慮して決定される。樹脂層の厚みが200μmを超えると、その分、スクリーン印刷用マスクの厚みを薄くする必要があり、寸法安定性やハンドリング性が劣ってくる場合がある。また、逆に樹脂層の厚みが0.1μmよりも薄くなると、スクリーン印刷用マスクと被印刷基板との充分な密着性改善効果が得られなくなる場合がある。
【0091】
後述するように、アルカリ水溶液を樹脂層除去液として使用する場合には、アルカリ水溶液に対する溶解性が高い樹脂を樹脂層として使用する。アルカリ水溶液を樹脂層除去液として使用する場合、樹脂層としては酸価が1mgKOH/g以上、より好ましくは10mgKOH/g以上の樹脂を好適に用いることができる。
【0092】
本発明の方法では、スクリーン印刷用マスクを製造してから樹脂層を形成するため、スクリーン印刷用マスクの開口加工後に、追加工を行ってから、樹脂層の形成を行うことも可能である。例えば、追加工としては、電解研磨、化学研磨、機械研磨等の研磨処理や、フッ素樹脂コーティングやシリコン樹脂コーティング等の開口部内壁面も含めたスクリーン印刷用マスク表面に対する表面処理等が挙げられる。
【0093】
逆に、スクリーン印刷用マスクの作製時に、被印刷基板接触面の研磨処理を行っていた場合、樹脂層を形成することによって所望の被印刷基板接触面の平滑性が得られるときには、スクリーン印刷用マスクの作製時の研磨処理を省くことも可能である。
【0094】
本発明の方法において、樹脂層の一部をセルフアライメントで除去するとは、スクリーン印刷用マスクに設けられている開口部の位置を利用して、除去すべき樹脂層部分を位置合わせしつつ、樹脂層を除去することを意味する。
【0095】
本発明の方法においては、樹脂層の一部をセルフアライメントで除去する工程が、スクリーン印刷用マスクの樹脂層を設けた側とは反対側の主表面から樹脂層除去液を供給することにより行われることが好ましい。樹脂層除去液による湿式処理を用いることで、スクリーン印刷用マスクの板厚、寸法の大小にかかわらず、良好かつ均一に高い生産性で樹脂層の除去を行うことが可能になる。
【0096】
上記方法による、樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造例を図1を用いて説明する。開口部2を有するスクリーン印刷用マスク1(図1(a))の一方の主表面に、樹脂層3及びマスキング層31をラミネートにより形成する(図1(b))。次いで、上記樹脂層を設けた側とは反対側の主表面から樹脂層除去液を供給して、第1面の開口部2の樹脂層3を除去する(図1(c))。この際、樹脂層3のスクリーン印刷用マスク1とは反対面にマスキング層31があるため、開口部2以外の樹脂層3が樹脂層除去液によって除去されることはない。続いて、マスキング層31の除去を行って、樹脂付きスクリーン印刷用マスク4が得られる(図1(d))。マスキング層31は、樹脂層3をラミネートした後に形成することもできるが、あらかじめ、樹脂層3と一体として形成しておき、ラミネートによって、樹脂層3と共にスクリーン印刷用マスク1に熱圧着する方法が、生産性の点からも好ましい。
【0097】
上記樹脂層除去液としては、樹脂層を溶解又は分散可能な液であり、使用する樹脂層の組成に見合った液を使用する。樹脂層除去液によって、樹脂層に開口部を形成する。樹脂層除去液は、マスキング層を溶解しない液か、あるいは、マスキング層を溶解する液であっても、樹脂層を適正量分だけ溶解する条件において、マスキング層が膨潤したり、形状が変化したりすることがない液を使用する。また、スクリーン印刷用マスクに対しても、溶解や膨潤、形状変化等を起こさせない樹脂層除去液を使用する。樹脂層除去液としては、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩や、リン酸又は炭酸アンモニウム塩等の無機塩基性化合物の水溶液のほか、エタノールアミン、エチレンジアミン、プロパンジアミン、トリエチレンテトラミン、モルホリン等の有機塩基性化合物を使用することができる。樹脂層除去液としては、特に、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる少なくとも1種を含む水溶液を用いることが好ましい。
【0098】
樹脂層除去液の供給方法としては、ディップ処理装置、両面シャワースプレー装置、片面シャワースプレー装置等を利用する方法を挙げることができる。樹脂層の除去では、樹脂層に対する溶解性を制御するため、樹脂層除去液の濃度や温度、樹脂層除去液を供給する際のスプレー圧等を調整する必要がある。樹脂層除去液は、スクリーン印刷用マスクの樹脂層を設けた側とは反対側の主表面からマスクの開口部を通して供給し、樹脂層に樹脂層除去液が接触するようにできればよい。樹脂層の除去は、樹脂層除去液による処理に続いて、水洗や酸処理を行うことによって、速やかに停止させることができる。
【0099】
樹脂層を除去するための処理条件(温度、スプレー圧、時間)は、樹脂層の溶解の程度に合わせて適宜調整される。具体的には、処理温度は10〜50℃が好ましく、15〜40℃がより好ましく、15〜35℃がさらに好ましい。また、両面シャワースプレー装置、または片面シャワースプレー装置を使用する場合、スプレー圧は0.05〜0.5MPaとすることが好ましく、0.1〜0.3MPaとすることがさらに好ましい。
【0100】
マスキング層としては、樹脂層除去液に対して不溶性又は難溶性である樹脂や金属等を使用することができる。マスキング層を構成する樹脂としては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラールの様なビニルアセタール樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン及びその塩化物、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンイソフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル変性アルキッド樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエステル誘導体等の樹脂が利用できる。汎用性の点から、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等を好適に使用することができる。マスキング層を構成する金属としては、銅やアルミニウム等を使用できる。マスキング層としては、簡便性や面内の均一性の点から金属よりも樹脂を用いることがより好ましい。マスキング層は、フィルム形状として、樹脂層と一体化して基板上に形成するようにすれば、工程上、簡便で安定に樹脂層とマスキング層を形成できるので好ましい。アルカリ水溶液を樹脂層除去液として使用する場合、マスキング層の酸価は、樹脂層の酸価の十分の一以下、好ましくは百分の一以下である樹脂を好適に使用することができる。
【0101】
本発明に用いられる樹脂層とマスキング層とを一体に形成する方法としては、あらかじめ、マスキング層となるフィルム状支持体に樹脂層を形成し、ラミネータにより開口部を有するスクリーン印刷用マスクにラミネートする方法を好適に使用することができる。
【0102】
また、図1では、メタルマスク等のメッシュ層を有しないスクリーン印刷用マスクでの例を説明したが、図10のようなメッシュ層を有するスクリーン印刷用マスクに同様に樹脂層を形成してその一部を除去することもできる。
【0103】
セルフアライメントで樹脂層の一部が除去されることにより形成される樹脂層の開口部は、スクリーン印刷用マスクの開口部に対して、重心位置のずれを少なくすることができる。重心位置のずれ(図18(a)の距離X)は5μm以内、好ましくは3μm以内とすることができる。また、上記セルフアライメントにより、印刷用マスクに設けられている開口部の形状を利用して、除去すべき樹脂層部分の形状を規定することも可能となる。
【0104】
本発明の方法においては、スクリーン印刷用マスクの一方の主表面上に樹脂層を被覆する工程の後、樹脂層に開口部を形成する工程の前に、樹脂層上に電着樹脂層を形成する工程をさらに含み、前記電着樹脂層が、前記スクリーン印刷用マスクの開口部と略同位置に位置する樹脂層部分以外の樹脂層上に被覆され、前記樹脂層の一部をセルフアライメントで除去する工程が、前記スクリーン印刷用マスクの樹脂層および電着樹脂層を設けた主表面側から樹脂層除去液を供給することにより行われることが好ましい。
【0105】
上記方法による樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造例を図2を用いて説明する。開口部2を有するスクリーン印刷用マスク1(図2(a))の一方の主表面上に、樹脂層3をラミネートにより形成した後(図2(b))、スクリーン印刷用マスクの開口部2と略同位置に位置する樹脂層部分以外の樹脂層3上に電着樹脂層32を形成する(図2(c))。次に、樹脂層除去液を樹脂層および電着樹脂層を設けた主表面側から供給することで、開口部2に面する樹脂層3の除去を行う(図2(d))。続いて、必要な場合には、電着樹脂層32の剥離除去を行い、樹脂付きスクリーン印刷用マスク4が作製される(図2(e))。
【0106】
上記電着樹脂層は、樹脂層除去液に対して不溶性または難溶性であり、電着法に使用可能な樹脂で形成されていればいずれの樹脂を使用することもできる。例えば、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラールの様なビニルアセタール樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびその塩化物、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンイソフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル変性アルキッド樹脂、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエステル誘導体等の樹脂を挙げることができる。
【0107】
電着樹脂層の形成にあたっては、電着樹脂層に用いられる樹脂を粒子状態で分散させた分散液を使用する。粒子は、正または負に帯電している。分散媒体としては、水や電気絶縁性液体を使用することができ、電気絶縁性液体としては、直鎖状もしくは分枝状の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素、およびこれらのハロゲン置換体が挙げられる。例として、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられる。商品名として、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL(EXXON社製)、IPソルベント1620(出光興産株式会社製)等がある。これらの高絶縁性媒体は、単独または混合して用いることができる。分散媒体として水を使用した場合、電着樹脂層は、適当な酸価を有する高分子を主成分とし、有機アミン等で中和されて、水中において帯電したコロイド粒子を形成する。電気絶縁性液体を使用した場合、各種の樹脂が粒子状態で、電気絶縁性液体中に分散されている。粒子には電荷制御剤を含有させることができ、その荷電は、電着樹脂層形成時のバイアス電圧の正負に応じて正、負を使い分ける必要がある。このような電気絶縁性液体中に電着樹脂層形成用樹脂を分散させた液としては、電子写真用湿式トナーを好適に用いることができる。
【0108】
電着樹脂層は、例えば、以下のようにして形成される。樹脂層を被覆したスクリーン印刷用マスクの各主表面に対向するように現像電極を設置し、スクリーン印刷用マスク表面の樹脂層と現像電極との間に電荷を有する樹脂粒子を分散させた液を充填し、適正な電界を現像電極とスクリーン印刷用マスクとの間に印加することで、樹脂粒子を電着させ、電着樹脂層を形成する。電着樹脂層の膜厚は、電着条件(樹脂粒子の電荷及び印加電圧、処理時間、樹脂粒子分散液供給量等)を制御することで決定することができる。電着法によって付着した樹脂粒子は、加熱、圧力、光、溶剤等によって、樹脂層上に定着されて、電着樹脂層となる。
【0109】
電着樹脂層を形成するためには、スクリーン印刷用マスクも、少なくとも樹脂層を形成する主表面が導電性であるものを用いる必要がある。このような構成とすることで、樹脂粒子は、開口部のない表面(非開口部の表面)に向かってより大きな電界を受け、非開口部の樹脂層表面の樹脂粒子付着量が、開口部の樹脂層表面の樹脂粒子付着量よりも多くなる。電着条件を適正に調整することで、樹脂粒子付着量をコントロールすることができる。開口部の樹脂層表面では、樹脂層が完全に被覆されない不十分な樹脂粒子付着量とし、非開口部の樹脂層表面では、樹脂層を完全に被覆するのに十分な量の樹脂粒子付着量が得られるように設定する。その結果、樹脂層除去液を供給することにより、電着樹脂層によって覆われていない開口部の樹脂層のみ除去することが可能になる。電着条件とともに、樹脂層除去液による除去条件をコントロールすることによっても、樹脂層の開口幅を所望の値にコントロールできる。開口部の樹脂層を除去した後、必要な場合には、電着樹脂層の除去を行い、樹脂付きスクリーン印刷用マスクが作製される。
【0110】
樹脂層及び樹脂層除去液は、上記樹脂層及び樹脂層除去液の中から、電着樹脂層の形成及び樹脂層の除去に悪影響を及ぼさないものを選択することができ、樹脂層除去液の供給方法、除去条件の具体例についても上述したものと同様のものを採用することができる。
【0111】
この方法では電着樹脂層の付着状態を適正にコントロールすることによって、樹脂層の開口状態(除去すべき樹脂層の範囲)を良好にコントロールすることができる。よって、所望の樹脂層の開口部面積、樹脂層の開口部形状を得ることが可能となり、良好な印刷品質を達成できる樹脂付きスクリーン印刷用マスクが得られる。
【0112】
また、図2では、メタルマスク等のメッシュ層を有しないスクリーン印刷用マスクでの例を説明したが、図10のようなメッシュ層を有するスクリーン印刷用マスクに樹脂層を形成して、その一部を除去することもできる。
【0113】
本発明の方法においては、樹脂層の一部をセルフアライメントで除去する工程が、前記スクリーン印刷用マスクの開口部と略同位置に位置する前記樹脂層の一部を薄膜化させた後に樹脂層除去液を供給することにより行われることが好ましい。
【0114】
上記方法による樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造例を図3を用いて説明する。開口部2を有するスクリーン印刷用マスク1(図3(a))の一方の主表面上に、樹脂層3をラミネート加工により被覆した後、スクリーン印刷用マスク1の開口部2と略同位置に位置する樹脂層3の一部を薄膜化させる(図3(b))。次に、樹脂層除去液を供給することにより、薄膜化された樹脂層3の一部を除去して、樹脂付きスクリーン印刷用マスク4が製造される(図3(c))。樹脂層3の薄膜化は、熱処理、加圧処理、減圧処理等によって行うことができる。熱処理による場合、樹脂層の種類にもよるが、通常、40℃以上150℃以下、より好ましくは、60℃以上120℃以下で処理を行う。また、熱処理により薄膜化を行う際に、先に樹脂層を被覆した側とは反対側のスクリーン印刷用マスクの主表面上にも樹脂層を被覆して、マスク開口部2内の空気を密閉状態とし、その空気の熱膨張を利用して、マスク開口部2に接する樹脂層3の一部を薄膜化することもできる。開口部2の樹脂層3の膜厚を薄くした後に樹脂層除去液による処理を行うことで、開口部2の樹脂層3を除去することができる。この場合、樹脂層除去液は、スクリーン印刷用マスクのいずれの主表面から供給してもよい。
【0115】
本法により樹脂層の一部を除去する場合も、樹脂層及び樹脂層除去液は、上述したものの中から、樹脂層の薄膜化や樹脂層の除去に悪影響を及ぼさないものを選択することができ、樹脂層除去液の供給方法、除去条件の具体例についても上述したものと同様のものを採用することができる。
【0116】
また、図3では、メタルマスク等のメッシュ層を有しないスクリーン印刷用マスクでの例を説明したが、図10のようなメッシュ層を有するスクリーン印刷用マスクに樹脂層を形成して、その一部を除去することもできる。
【0117】
本発明の方法においては、得られる樹脂付きスクリーン印刷用マスクにおける、樹脂層に形成される開口部の面積が、スクリーン印刷用マスクの開口部面積よりも大きいことが好ましい。
【0118】
図4(a)は、本発明方法により得られる樹脂付きスクリーン印刷用マスクの一例を樹脂層側から見た平面図であり、図4(b)はその断面図である。スクリーン印刷用マスク1の開口部2において、樹脂層3のエッジ部29からスクリーン印刷用マスク1のエッジ部19までの距離Do(以下、オフセット幅と呼ぶ)をDo>0にすることで、ペースト材の印圧(充填圧)が低減するとともに、被印刷基板のペースト材接触面積が増加して、ペースト材の滲みや抜け不良を改善することができる。
【0119】
上記オフセット幅Doは、0.1〜200μmであることがより好ましく、0.5〜100μmであることがさらに好ましい。ただし、印刷する被印刷基板の種類、スクリーン印刷用マスク及び樹脂層の種類、スクリーン印刷用マスク及び樹脂層のパターン形状、ペースト材の種類、ペースト材の転写量、スクリーン印刷条件等によって、オフセット幅Doの最適値は異なってくる。オフセット幅Doが0.1μmよりも小さくなると、印圧低減効果及び被印刷基板側のペースト接触面積を増やすことによる抜け不良改善効果が充分に発揮されなくなってくる。また、オフセット幅が200μmよりも大きくなると、高密度実装のための高精細なパターンの形成が困難になってくる。
【0120】
オフセット幅Doを制御する方法として、2種類の樹脂層除去液(樹脂層除去液a及び樹脂層除去液b)を用いて、2段階処理を行って樹脂層の除去を行う方法を挙げることができる。まず、樹脂層除去液aで処理を行うと、樹脂層成分はミセルを形成した後で不溶化し、樹脂層除去液a中に溶解拡散することが防止される。次いで、樹脂層除去液bを供給すると、不溶化されたミセルが溶解再分散されて、樹脂層が除去される。このようにして樹脂層の除去を行うと、オフセット幅Doを所望の値に安定に制御することができる。
【0121】
樹脂層除去液aとしては、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる少なくとも1種の無機アルカリ性化合物を含み、その含有量が5〜20質量%である水溶液が好適に用いられる。樹脂層除去液a中の無機アルカリ性化合物の含有量は、7〜20質量%がより好ましく、10〜20質量%がさらに好ましい。無機アルカリ性化合物の含有量が5質量%未満では、ミセルが不溶化し難く、樹脂層除去液a中でミセルが溶解拡散しやすくなってしまうことがある。また、20質量%を超えると、析出が起こりやすく、樹脂層除去液の経時安定性、作業性に劣る。樹脂層除去液aのpHは9〜13の範囲とすることが好ましい。また、界面活性剤、消泡剤等を適宜添加することもできる。
【0122】
樹脂層除去液bとしては、樹脂層除去液aの処理で生成した不溶化ミセルを溶解再分散させ、かつ、溶解再分散後は、樹脂層除去液bのみによる処理ではそれ以上、樹脂層の除去が進行しないか、もしくは進行しにくい液であればいずれの液も使用可能である。樹脂層除去液bとしては、水そのもの、またはpH6からpH10の範囲の酸性またはアルカリ性の水溶液が好適である。具体的には、水そのもの、またはアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる少なくとも1種の無機アルカリ性化合物を含み、その含有量が3質量%以下である水溶液が好ましく、水そのもの、またはアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩から選ばれる少なくとも1種の無機アルカリ性化合物を含み、その含有量が3質量%以下である水溶液がより好ましい。水そのもの、またはアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる少なくとも1種の無機アルカリ性化合物を含み、その含有量が3質量%以下である水溶液で処理することにより、樹脂層除去液aにより不溶化したミセルの再分散性が良くなり、迅速な処理が可能となる。樹脂層除去液bには、また、界面活性剤、消泡剤等を適宜添加することもできる。
【0123】
樹脂層の開口部形状が円形である場合、オフセット幅Doは、開口部2の輪郭に沿って一定値をとることが望ましい。
【0124】
本発明の方法において、得られる樹脂付きスクリーン印刷用マスクにおける、スクリーン印刷用マスクの開口部と樹脂層の開口部とが略同形状を有しており、樹脂層の開口部面積がスクリーン印刷用マスクの開口部面積より大きく、かつ、スクリーン印刷用マスク開口部のエッジ部から、該開口部近傍の樹脂層のエッジ部までの距離をオフセット幅としたときに、スクリーン印刷用マスクの開口部輪郭における曲率半径が小さな部分のオフセット幅が、スクリーン印刷用マスクの開口部輪郭における曲率半径が大きな部分のオフセット幅よりも小さいことが好ましい。
【0125】
この場合、非円形状の樹脂層開口部において、開口部輪郭の曲率半径の小さな部分のオフセット幅が、開口部輪郭の曲率半径の大きな部分のオフセット幅よりも小さくなるように樹脂層が形成されている。
【0126】
以下、図5、図7、図19〜20を用いて、矩形の開口部を例にして、本発明の方法で得られる樹脂付きスクリーン印刷用マスクについて説明する。
【0127】
例えば、図19(a)に示すように、スクリーン印刷用マスクにおいて、開口部2が小さな曲率半径Raの角部を有する場合、ペースト材8のスクリーン印刷を行った後のスクリーン印刷用マスク1は、図20(a)に示したように、ペースト材8のつまりが発生することがある。これに対し、図19(b)のように、大きな曲率半径Rbの角部を持った開口部2を有するスクリーン印刷用マスクでは、図20(b)に示すように、ペースト材8のつまりは改善されて、転写量は安定する。
【0128】
図5(a)に示すように、スクリーン印刷用マスク1の開口部2における曲率半径が小さな部分(角部)のオフセット幅をDc、曲率半径が大きな部分(直線部)のオフセット幅をDlとすると、本発明の方法で得られる樹脂付きスクリーン印刷用マスクは、Dl>Dcとなるように樹脂層3の開口部が形成されていることが好ましい。樹脂層3の開口部をこのように形成することにより、図5(a)に示すように、スクリーン印刷用マスク1の開口部2で曲率半径が小さな部分(角部)において、被印刷基板と接触する樹脂層3の開口部の曲率半径が大きくなる。このような樹脂付きスクリーン印刷用マスク4を用いてスクリーン印刷を行うと、図7(a)及び図7(b)に示すように、図20(a)と比較して、スクリーンマスク開口部2角部におけるペースト材8のつまりが改善される。つまり、図19(b)のように、開口部2の角部が大きな曲率半径Rbを有するスクリーン印刷用マスク1と同じように、安定した転写量で転写印刷することができるようになる。
【0129】
図5(a)に示すように、Dl>Dcとなるようにするためには、例えば、上述したように、2種類の樹脂層除去液を用いて、その処理条件を適宜変更することにより行うことができる。
【0130】
また、本発明の方法においては、樹脂層3の開口部における曲率半径を制御しているので、スクリーン印刷用マスク作製時の労力と時間を低減して、良好なペースト材の抜け性を実現する樹脂付きスクリーン印刷用マスクを得ることが可能となる。
【0131】
図5、図7、図19〜20では、開口部形状が矩形である例を説明したが、多角形形状や他の非円形形状であっても、一部曲率半径の小さな部分があれば、その部分に対して、樹脂層の曲率半径をより大きくして形成することで、その曲率半径部でのペースト材のつまりの問題を改善することができる。
【0132】
次に、本発明の樹脂付きスクリーン印刷用マスクについて説明する。
本発明の樹脂付きスクリーン印刷用マスクは、上記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の方法で製造されてなることを特徴とするものである。
【0133】
本発明の樹脂付きスクリーン印刷用マスクは、いかなるスクリーン印刷にも使用することが可能であるが、通常は、剛性のある枠に取り付けて用いられる。例えば、剛性のある金属製の枠にまずメッシュ(紗)を貼り付け、そのメッシュの中央部に、作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスクの樹脂層と反対側の面の外周部を接着剤によってメッシュに貼り付ける。続いて、接着部以外の内側のメッシュを切り取ることによって、枠付きの樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製することができる。
【0134】
また、予め枠に取り付けられた状態のスクリーン印刷用マスクに、本発明の方法によって樹脂層を形成して、その一部をセルフアライメントで除去することにより、枠付きの樹脂付きスクリーン印刷用マスクを得ることもできる。
【0135】
本発明の樹脂付きスクリーン印刷用マスクは、本発明の方法で作製されたものであるため、簡便なデータ設計でも、滲み、抜け不良、異常転写といった問題なしに、適正なペースト材転写量を良好に転写印刷することができる形状を有する樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製することが可能になる。
【0136】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【実施例】
【0137】
(実施例1)
アディティブ(電鋳)用のベース基材として、板厚0.2mmのSUS304のステンレス板を用い、その表面に厚み100μmの感光性メッキレジスト層を形成した。200μm径の円形の露光領域を複数設けたフォトマスクを用いて、パターン露光及び現像処理を行うことで、200μm径の円柱状のメッキレジスト層をベース基材の表面に形成した。このメッキレジスト層を形成したベース基材をスルファミン酸ニッケルメッキ浴に浸漬し、2A/dm、浴温度45℃の条件で電気メッキを行い、厚さ80μmのニッケル層を円柱状のメッキレジスト層以外のベース基材上に形成させた。その後、メッキレジスト層を除去し、ニッケル層をベース基材から剥離することによって、スクリーン印刷用マスクとして、円形状の開口部を有したニッケル層からなるアディティブ法によるメタルマスクを得た。
【0138】
このメタルマスクにラミネータを用いて、表1に示す成分よりなる樹脂層(膜厚20μm)及び25μmのマスキング層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムをメタルマスクの一方の主表面に熱圧着し、樹脂層及びマスキング層(支持体フィルム)を形成した。
【0139】
【表1】
【0140】
次に、樹脂層除去液として、2種類の液(樹脂層除去液a及び樹脂層除去液b)を用いて、樹脂層の除去を行った。樹脂層除去液aとして、10質量%炭酸ナトリウム水溶液(25℃)を、樹脂層除去液bとして水を、それぞれシャワースプレーでメタルマスクの脂層及びマスキング層(支持体フィルム)を形成した側とは反対側の主表面側より当てて、開口部の樹脂層の除去を行った。樹脂層除去液aの処理時間を調整して、オフセット幅が5μmになるように処理を行った。その後、マスキング層の除去を行った。
【0141】
次に、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機社製、露光量:12mW/cm)を用いて、樹脂層に300秒間紫外線を照射した。更に、150℃のオーブン中で30分間加熱し、耐性化処理を施した樹脂付きスクリーン印刷用マスク(板厚100μm)を作製した。
【0142】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、オフセット幅は、均一に5μmとなっていた。また、スクリーン印刷用マスクと樹脂層との開口部形状の重心位置のずれは見られなかった。
【0143】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスク4を用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、クリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子パターンを形成することができた。
【0144】
(実施例2)
板厚80μmのステンレス板(SUS304)に、YAGレーザーで図19(a)に示すような矩形(200μm×300μm)の開口部を複数形成し、スクリーン印刷用マスクとして、レーザ法によるメタルマスクを作製した。矩形の開口部の角部の曲率半径Raは20μmであった。実施例1と同様にして、樹脂付きスクリーン印刷用マスク(板厚100μm)を作製した。ただし、樹脂層除去液aの処理時間は、図5(a)で示す直線部のオフセット幅Dlが7μmとなるように調整した。
【0145】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、スクリーン印刷用マスクと樹脂層との開口部形状の重心位置のずれは見られなかった。また、図5(a)及び(c)で示す直線部のオフセット幅Dlは7μmであり、図5(a)及び(b)で示す角部のオフセット幅Dcは5μmとなっていた。
【0146】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスク4を用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、クリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子パターンを形成できた。
【0147】
スクリーン印刷後の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を観察したところ、図7(a)及び(b)に示すように、開口部2に少量のペースト材8が残留しているのが観察されたが、良好にペースト材8の印刷転写がなされていることが確認できた。
【0148】
(比較例1)
板厚100μmのステンレス板(SUS304)を用い、樹脂層を形成していないこと以外は、実施例2と同様にしてメタルマスクに矩形の開口部を形成して、スクリーン印刷用マスク(板厚100μm)として使用した。このマスクを用いてスクリーン印刷を行ったところ、図16(b)のようなペースト材8の滲みが発生している箇所が見られた。また、ペースト材の転写量も不足していた。また、印刷を繰り返していく中で、ペースト材の転写量が増加している箇所も観察され、転写量が不安定であった。
【0149】
スクリーン印刷後のスクリーン印刷用マスクの開口部を観察したところ、図20(a)に示すように、開口部2の角部において、ペースト材8のつまりが多く観察され、この角部のペースト材8のつまりが、転写量不足や不安定な転写量の原因となっていることがわかった。
【0150】
(比較例2)
板厚80μmのステンレス板(SUS304)に、表1に示す成分よりなる樹脂層(厚み20μm)を形成した。その後、YAGレーザーで、樹脂層とステンレス板を一括開口させて、矩形(200μm×300μm)の開口部を形成させ、樹脂付きスクリーン印刷用マスクを得た。
【0151】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、樹脂層の開口部面積はステンレス板の開口部面積よりも大きいことが確認された。しかし、樹脂層が熱変形していて、オフセット幅が0μmから50μmまであり、ばらつきがあった。
【0152】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスク4を用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、樹脂層の変形に起因すると考えられるクリーム半田の滲みが発生し、良好な形状の転写印刷ができなかった。
【0153】
(実施例3)
板厚80μmのSUS304のステンレス板の両面に、感光性エッチングレジストを形成した。その後、実施例1で使用したフォトマスクパターンをネガポジ反転させたフォトマスクを用いて、200μm径の円形部分以外の領域にパターン露光を行った。その後、現像処理を行って、円形状の開口部を有するエッチングレジスト層を形成させ、続いて、エッチング処理を行って、ステンレス板に200μm径の円形の開口部を形成させた。その後、エッチングレジスト層の除去を行い、スクリーン印刷用マスクとして、エッチング法によるメタルマスクを得た。このメタルマスクに対して、実施例1と同様にして、樹脂層の形成を行い、樹脂付きスクリーン印刷用マスク(板厚100μm)を作製した。ただし、樹脂層除去液aの処理時間は、オフセット幅が10μmとなるように調整した。
【0154】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、スクリーン印刷用マスクと樹脂層との開口部形状の重心位置のずれは見られず、オフセット幅は均一で、10μmであった。
【0155】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスク4を用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、クリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子パターンの形成ができた。
【0156】
(実施例4)
実施例2でスクリーン印刷に使用した使用済みの樹脂付きスクリーン印刷用マスクを3質量%の水酸化ナトリウム水溶液で処理することで、樹脂層を剥離させた。続いて、再度、実施例2と同様にして樹脂層の形成することで、樹脂層のみを再生した樹脂付きスクリーン印刷用マスク(板厚100μm)を作製した。
【0157】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、スクリーン印刷用マスクと樹脂層との開口部形状の重心位置のずれは見られなかった。また、図5(a)及び(c)で示す直線部のオフセット幅Dlは7μm、図5(a)及び(b)で示す角部のオフセット幅Dcは5μmとなっていた。
【0158】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスク4を用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、クリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子パターンの形成ができた。
【0159】
(比較例3)
板厚80μmのSUS304のステンレス板の両面に、感光性エッチングレジスト(厚み20μm)を形成した。その後、実施例1で使用したフォトマスクパターンをネガポジ反転させたフォトマスクを用いて、200μm径の円形部分以外の領域にパターン露光を行った。その後、現像処理を行って、円形状の開口部を有するエッチングレジスト層を形成させ、続いて、エッチング処理を行って、ステンレス板に200μm径の円形の開口部を形成させた。エッチングレジスト層の除去を片面のみ行い、樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。すなわち、除去しなかった面のエッチングレジスト層を樹脂層として使用した。
【0160】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、ステンレス板と樹脂層との開口部形状の重心位置のずれは見られなかった。樹脂層のエッジ部は、スクリーン印刷用マスクの開口部エッジ部より内側に突き出していて、鍔形状をなしていた。
【0161】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスク4を用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、鍔形状に起因すると思われるペースト材8の抜け不良(転写不良)が発生した。さらに、複数枚の印刷を連続して行ったところ、エッチングレジスト層からなる樹脂層に欠けが発生し、半田端子パターンの形状が変わってしまうという印刷不良が発生した。
【0162】
(実施例5)
アディティブ(電鋳)用のベース基材として、板厚0.2mmのSUS304のステンレス板を用い、そのベース基材上にニッケルをメッキしてニッケル層(厚み60μm)を形成した。次に、ニッケル層の表面上の必要部分に感光性レジストを塗布した。所定のメッシュパターンのフォトマスクを介してパターン露光を行った後、現像処理を行って、メッシュ状の穴の部分に対応する位置のみ感光性レジストを残した。次いで、感光性レジストが残っている部分以外のニッケル層表面上に、感光性レジストの厚みを超えないように、鉄合金をメッキして、金属メッシュ層(厚み20μm)を形成した。続いて、金属メッシュ層と感光性レジスト層とで形成される面を研磨して、平坦化処理を行った。その後、ベース基材を取り除いた。ニッケル層の表面全体に感光性エッチングレジスト層を形成して、続いて、開口パターンに対応したフォトマスクを介して、パターン露光を行った後、現像処理を行って、ニッケル層表面にエッチングレジスト層を形成した。続いて、エッチング処理により、露出したニッケル層をエッチングし、200μm×100mmのスリット状の開口部を有するメタルマスク層を形成した。最後に、メッキに使用した感光性レジスト及びエッチングレジスト層を除去することで、メッシュ層及びメタルマスク層を有するソリッドマスクからなるスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0163】
続いて、メタルマスク層上に、実施例1と同様にして樹脂層の形成を行い、樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0164】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、スクリーン印刷用マスクと樹脂層との開口部形状の重心位置のずれは見られなかった。
【0165】
図8に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスク4を用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、クリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子パターンの形成ができた。
【0166】
(実施例6)
スクリーン印刷用マスクとして、実施例1と同様にして、アディティブ法によるメタルマスクを作製した。このメタルマスクにラミネータを用いて、表1に示す成分よりなる樹脂層(膜厚20μm)及び25μmのマスキング層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムをメタルマスクの片側主表面に熱圧着し、樹脂層及びマスキング層(支持体フィルム)を形成した。
【0167】
次に、マスキング層を剥離した後、電子写真用湿式トナー(電気絶縁性液体IPソルベント1620(出光石油化学社製)に、電荷制御剤を加えて正に帯電させたアクリル系樹脂粒子を分散させたエマルジョン)を用いて、バイアス電圧を印加して電着塗布を行い、メタルマスクの非開口部に相当する樹脂層上を樹脂粒子層で覆った。開口部の樹脂層上には、樹脂粒子が付着していない部位があるように、バイアス電圧を調整し、樹脂層上に電着させた。バイアス電圧値は+200Vで電着を行った。次に、70℃で2分間加熱して樹脂粒子を定着させ、電着樹脂層を形成した。
【0168】
続いて、樹脂層除去液(1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃))を第1面側からシャワースプレーにより供給することで、開口部の樹脂層の除去を行った。オフセットの値が5μmとなるように設定して、処理をおこなった。
【0169】
次に、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機社製)を用いて、電着樹脂層を介して樹脂層に300秒間紫外線を照射した。さらに、電着樹脂層をキシレンにより除去した後、150℃のオーブン中で30分間加熱し、耐性化処理を施した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0170】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、スクリーン印刷用マスクと樹脂層との開口部形状の重心位置のずれは見られず、5μmのオフセット幅をもって、均一に樹脂層が形成されていた。
【0171】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスク4を用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、クリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子パターンの形成ができた。
【0172】
(実施例7)
スクリーン印刷用マスクとして、実施例1と同様にしてアディティブ法によるメタルマスクを作製した。このメタルマスクの片側主表面(第1面という)に、ラミネータを用いて、表1に示す成分よりなる樹脂層(膜厚25μm)及び25μmのマスキング層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムを、また、メタルマスクの反対側の主表面(第2面という)に樹脂層(膜厚5μm)及びマスキング層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムを、それぞれの面に熱圧着した。
【0173】
次に、室温25℃に放置した後に、80℃に上昇させることで、樹脂層の樹脂を軟化させると同時に、開口部内の空気を膨張させ、開口部の樹脂層の厚みを薄膜化させた。続いて、両面のマスキング層の除去を行った。第1面の開口部の樹脂層の厚みを測定したところ、3μmと薄膜化していた。
【0174】
次いで、樹脂層除去液(1質量%炭酸ナトリウム水溶液(25℃))により、第1面と第2面両側からシャワースプレーにより供給し、10秒間処理を行い、第2面の樹脂層及び、第1面の開口部の樹脂層の除去を行った。開口部以外の第1面の樹脂層の厚みは20μmとなっていた。また、オフセット幅は10μmとなっていた。
【0175】
次に、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用いて、樹脂層に300秒間紫外線を照射した。さらに、150℃のオーブン中で30分間加熱し、耐性化処理を施した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0176】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、スクリーン印刷用マスクと樹脂層との開口部形状の重心位置のずれは見られず、オフセット幅も均一に10μmとなっていた。
【0177】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスク4を用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、クリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子パターンの形成ができた。
【0178】
(比較例4)
実施例2と同様にして、スクリーン印刷用マスクとして、レーザ法により作製したメタルマスクの片側主表面(第1面)に感光性レジスト(厚み20μm)を形成した。その後、矩形の遮光パターン(214μm×314μm)が形成されているフォトマスクをメタルマスクの感光性レジスト形成面と重ね合わせ、メタルマスクの開口部とフォトマスクの遮光パターンの位置合わせを行った後、露光処理を行った。ただし、フォトマスク上の矩形の遮光パターンは、図21に示すように、直線部のオフセット幅Dlが7μmとなることを目指して、メタルマスクとの位置あわせを行った。その後、現像処理を行うことで、樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0179】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、スクリーン印刷用マスクと樹脂層との開口部形状の重心位置のずれが、20μm以上ある箇所が複数箇所見られた。また、位置合わせがたまたま合い、重心位置のずれのない開口部も一部見つかった。しかし、重心位置のずれのない開口部において、直線部のオフセット幅Dlは7μm、角部のオフセット幅Dcは18μmであり、図21に示すように、Dc<Dlであった。
【0180】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスク4を用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、位置ずれに起因すると考えられる印刷位置のずれが発生し、またペースト材8の転写量も不足していて、良好な形状の半田端子パターンの形成ができなかった。
【0181】
また、スクリーン印刷後の樹脂付きスクリーン印刷用マスクを観察したところ、位置ずれがない箇所であっても、図22に示すように、開口部2の角部にペースト材8のつまりが観察され、これが転写量不足の原因の一つとなっていることがわかった。
【0182】
(実施例8)
ステンレスメッシュスクリーンにスクリーン印刷用マスク用の感光性乳剤の塗布を行い、パターン露光及び現像処理を行うことで、図10に示すようなエマルジョン型スクリーン印刷用マスクを作製した。厚みは全体で30μmとなるように設定した。その後、ラミネータを用いて、表1に示す成分よりなる樹脂層(膜厚50μm)及び25μmのマスキング層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムをこのスクリーン印刷用マスクの乳剤面(印刷面)(第1面とする)に熱圧着し、樹脂層及びマスキング層(支持体フィルム)を形成した。
【0183】
次に、実施例2と同様の方法で、樹脂層除去液を供給して、開口部の樹脂層の除去を行った。樹脂層除去液aの処理時間は、オフセット幅が30μmとなるように調整した。その後、マスキング層を除去した。
【0184】
次に、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機社製)を用いて、樹脂層に300秒間紫外線を照射した。さらに、150℃のオーブン中で30分間加熱し、耐性化処理を施した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0185】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、スクリーン印刷用マスクと樹脂層との開口部形状の重心位置のずれは見られず、オフセット幅は30μmで均一に開口がなされていた。
【0186】
図9に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスク4を用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、クリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子パターンの形成ができた。
【0187】
(比較例5)
実施例8で作製したエマルジョン型スクリーン印刷用マスクに対して樹脂層の形成は行わずに、そのままスクリーン印刷用マスクとして用いて、被印刷基板に対して、クリーム半田のスクリーン印刷を行った。クリーム半田の滲みは無かったが、スクリーン印刷用マスクの膜厚が30μmと薄いために、クリーム半田の転写量が不足していて、十分な量の半田が供給することができず、良好な半田端子パターンの形成ができなかった。
【0188】
(実施例9)
スクリーン印刷用マスクとして、実施例1と同様にしてアディティブ法によるメタルマスクを作製した。次に、15μm厚のポリイミドフィルムの両面に2.5μmの熱可塑性ポリイミド層を設けたシートを樹脂層とし、この樹脂層の片面にマスキング層として3μmの銅フィルムを貼り合わせしてシート材を形成した。このシート材を用いて、メタルマスクの片側主表面に熱可塑ポリイミド層側を接触させるようにして、熱圧着を行った。
【0189】
次に、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン33質量%、水酸化カリウム27質量%、エタノールアミン1質量%を含む水溶液を樹脂層除去液(75℃)として、この樹脂層除去液を上記樹脂層を設けた側とは反対側の主表面から供給することで、メタルマスクを浸漬し、露出している熱可塑ポリイミド層及ポリイミド層からなる樹脂層の除去を行った。処理時間を調整し、オフセット幅が15μmになるように樹脂層の除去を行った。その後、銅のエッチング処理を行って、マスキング層の除去を行った。
【0190】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、オフセット幅は、均一に15μmとなっていた。また、スクリーン印刷用マスクと樹脂層との開口部形状の重心位置のずれは見られなかった。
【0191】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスク4を用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、クリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子パターンの形成ができた。
【0192】
(実施例10)
厚さ100μmのステンレス板(SUS304)にYAGレーザーで多数の開口部を形成し、面積400×480mmのメタルマスクを作製した。
【0193】
上記メタルマスクにラミネータを用いて、表2に示す成分よりなる樹脂層(膜厚20μm)および25μmのマスク層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムを基板の片側主表面に熱圧着し、樹脂層及びマスク層(支持体フィルム)を設けた。
【0194】
【表2】
【0195】
次に、樹脂層除去液として、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の除去液を用いて、メタルマスクの樹脂層を設けた側とは反対側の主表面よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを40秒間当てて、メタルマスクの開口部上及び開口部周辺に設けられている樹脂層を部分的に溶解除去することにより、樹脂層に開口部を形成した。光学顕微鏡を用いて面内10箇所で樹脂層の開口部および開口部周辺を観察したところ、全体に渡って一定のオフセット幅を有する樹脂層開口部が形成されており、そのオフセット幅は20μmであった。
【0196】
次に、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用いて、500秒間紫外線を照射した。さらに、マスク層を除去した後、120℃のオーブン中で30分間加熱し、耐性化処理を施した樹脂付きメタルマスクを作製した。
【0197】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きメタルマスクをパレット上に載置したプリント配線基板5上にセットし、スキージ7によりクリーム半田8をスクリーン印刷したところ、樹脂付きメタルマスクとプリント配線基板の間にクリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子が形成されていた。また、印刷後に樹脂付きメタルマスクを引き上げた際のクリーム半田と樹脂付きメタルマスクの開口部の抜け性も良好で半田端子に突起や欠け、ひび割れ、抜け等は見られず、クリーム半田を印刷すべき範囲に半田端子を正確に形成することができた。
【0198】
(実施例11)
厚さ50μmのステンレス板(SUS304)にYAGレーザーで多数の開口部を形成し、面積400×480mmのメタルマスクを作製した。
【0199】
上記で作製した多数の開口部を有するメタルマスクにラミネータを用いて、表に示す成分よりなる樹脂層(膜厚10μm)および25μmのマスク層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムを基板の片側主表面に熱圧着し、樹脂層及びマスク層(支持体フィルム)を設けた。
【0200】
次に、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の除去液を用いて、メタルマスクの樹脂層を設けた側とは反対側よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを20秒間当て、メタルマスクの開口部上及び開口部周辺に設けられている樹脂層を部分的に溶解除去することにより、樹脂層に開口部を形成した。光学顕微鏡を用いて面内10箇所で開口部および開口部周辺を観察したところ、全体に渡って一定のオフセット幅をもった樹脂層開口部が形成されており、そのオフセット幅は10μmだった。
【0201】
次に、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用いて、300秒間紫外線を照射した。さらに、マスク層を除去した後、120℃のオーブン中で20分間加熱し、耐性化処理を施した樹脂付きメタルマスクを作製した。
【0202】
実施例10と同様にして、上記で作製した樹脂付きメタルマスクを用いてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、樹脂付きメタルマスクとプリント配線基板の間にクリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子が形成されていた。また、印刷後に樹脂付きメタルマスクを引き上げた際のクリーム半田と樹脂付きメタルマスクの開口部の抜け性も良好で半田端子に突起や欠け、ひび割れ、抜け等は見られず、クリーム半田を印刷すべき範囲に半田端子を正確に形成することができた。
【0203】
(実施例12)
アディティブ(電鋳)用のベース基材として、板厚0.2mmのSUS304のステンレス板を用い、その表面に100μm厚の感光性メッキレジスト層を形成させた。パターン露光及び現像処理を行うことで、印刷パターンに対応したメッキレジストパターンをベース基材の表面に形成させた。このメッキレジストパターンを形成させたベース基材をスルファミン酸ニッケルメッキ浴に浸漬し、2A/dm、浴温度45℃の条件で電気メッキを行い、厚さ80μmのニッケル層を形成させた。その後、メッキレジストパターンを除去し、ニッケル層をベース基材から剥離し、パターン状の開口部を有したニッケル層からなるアディティブ法によるメタルマスクを作製した。
【0204】
このメタルマスクにラミネータを用いて、表2に示す成分よりなる樹脂層(膜厚20μm)及び25μmのマスキング層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムをメタルマスクの片側主表面に熱圧着し、樹脂層及びマスキング層(支持体フィルム)を形成した。
【0205】
次に、樹脂層除去液として、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の樹脂層除去液を用いて、メタルマスクの樹脂層を設けた側とは反対側よりシャワースプレーを当てて、メタルマスクの開口部に接する樹脂層を部分的に溶解除去した。オフセットの値は20μmに設定し、メタルマスクの開口部のエッジより20μm外側に樹脂層の開口部のエッジが来るように処理を行った。
【0206】
次に、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用いて、500秒間紫外線を照射した。さらに、マスキング層を除去した後、120℃のオーブン中で30分間加熱し、耐性化処理を施した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0207】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、元のスクリーン印刷用マスクの開口部と樹脂層との開口部の重心位置のずれは3μm以内であった。
【0208】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、クリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子パターンを形成することができた。
【0209】
(実施例13)
厚さ80μmのステンレス板(SUS304)にYAGレーザーで多数の開口部を形成し、スクリーン印刷用マスクを作製した。これ以降は、実施例12と同様にして樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0210】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、元のスクリーン印刷用マスクと樹脂層との開口形状の重心位置のずれは3μm以内であった。
【0211】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、クリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子パターンの形成ができた。
【0212】
(比較例6)
実施例13で、厚さ100μmのステンレス板(SUS304)を用い、樹脂層を形成していないこと以外は、実施例13と同様にしてスクリーン印刷用マスクを作製した。このマスクを用いてスクリーン印刷を行ったところ、図16(b)のような滲みが発生している箇所が見られた。
【0213】
(比較例7)
厚さ80μmのステンレス板(SUS304)に表2に示す成分よりなる樹脂層(膜厚20μm)を形成した。その後、YAGレーザーで、樹脂層とステンレス板を一括開口させて、開口部を形成させた。
【0214】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、樹脂層の熱変形が見られ、輪郭のずれにおいて50μm以上のずれが発生している箇所があった。
【0215】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、樹脂層の変形に起因すると考えられるクリーム半田の滲みが発生し、良好な形状の印刷ができなかった。
【0216】
(実施例14)
厚さ80μmのSUS304のステンレス板の両面に感光性エッチングレジストを形成した。その後、両面に開口パターンに対応した露光を行い、その後現像処理及びエッチング処理を行って、開口部を有するスクリーン印刷用マスクを作製した。その後、エッチングレジスト層の除去を行った後、実施例12と同様にして樹脂層の付与を行い、樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0217】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、元のスクリーン印刷用マスクの開口部と樹脂層の開口部の重心位置のずれは3μm以内であった。
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、クリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子パターンの形成ができた。
【0218】
(実施例15)
実施例12でスクリーン印刷に使用した使用済みの樹脂付きスクリーン印刷用マスクを3質量%の水酸化ナトリウム水溶液で処理することで、樹脂層を剥離させた。続いて、再度、実施例12と同様にして樹脂層の付与を行い、樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0219】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、元のスクリーン印刷用マスクの開口部と樹脂層の開口部の重心位置のずれは3μm以内であった。
【0220】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、クリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子パターンの形成ができた。
【0221】
(比較例8)
実施例14において、エッチングレジスト層の除去を片面のみ行い、それ以降の樹脂層の付与等を行わずに、樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。すなわち、除去しなかった面のエッチングレジスト層を樹脂層として使用した。
【0222】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、元のスクリーン印刷用マスクの開口部と樹脂層の開口部の重心位置のずれは3μm以内であったが、樹脂層の輪郭は、スクリーン印刷用マスクの開口部のエッジより内側に鍔形状をなして突き出していた。
【0223】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、鍔形状に起因すると思われる抜け不良(転写不良)が発生し、かつ、複数枚の印刷を行っていくと、エッチングレジスト層からなる樹脂層に欠け等の欠陥が発生し、それにより、良好な形状の半田端子パターンの形成ができなかった。
【0224】
(実施例16)
ベース基材上にニッケルをメッキしてニッケル層を形成した。次にニッケル層の表面上の必要部分に感光性レジストを塗布して、メッシュ状の穴の部分に対応する位置のみ感光性レジストが残るように、所定のメッシュパターンのフォトマスクをあてて、露光及び現像を行った。次に、感光性レジストが残っている部分以外のニッケル層の表面上に、感光性レジストの厚みを超えないように、鉄合金をメッキして金属メッシュ層を形成した。次に、金属メッシュ層と感光性レジスト層とで形成される面を研磨して平坦にし、次に、ベース基材を取り除いた。ニッケル層の表面全体に感光性エッチングレジスト層を形成して、続いて、開口パターンに対応した露光を行い、その後現像処理を行って、ニッケル層表面にエッチングレジスト層を形成した。続いて、エッチング処理により、露出したニッケル層をエッチングし、印刷すべき開口部を有するメタルマスク層を形成した。最後に、メッキに使用した感光性レジスト及びエッチングレジスト層を除去する事で、メッシュ層及びメタルマスク層を有するスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0225】
続いて、実施例12と同様にして樹脂層の付与を行い、樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0226】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、元のスクリーン印刷用マスクの開口部と樹脂層の開口部との重心位置のずれは3μm以内であった。
【0227】
図8に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、クリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子パターンの形成ができた。
【0228】
(実施例17)
アディティブ(電鋳)用のベース基材として、板厚0.2mmのSUS304のステンレス板を用い、その表面に100μm厚の感光性メッキレジスト層を形成させた。パターン露光及び現像処理を行う事で、印刷パターンに対応したメッキレジストパターンをベース基材の表面に形成させた。このメッキレジストパターンを形成させたベース基材をスルファミン酸ニッケルメッキ浴に浸漬し、2A/dm、浴温度45℃の条件で電気メッキを行い、厚さ80μmのニッケル層を形成させた。その後、メッキレジストパターンを除去し、ニッケル層をベース基材から剥離し、パターン状の開口部を有したニッケル層からなるアディティブ法によるメタルマスクを作製した。
【0229】
このメタルマスクにラミネータを用いて、表に示す成分よりなる樹脂層(膜厚20μm)及び25μmのマスキング層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムをメタルマスクの片側主表面に熱圧着し、樹脂層及びマスキング層(支持体フィルム)を形成した。
【0230】
次に、マスキング層を剥離した後、三菱OPCプリンティングシステム用正電荷トナー(三菱製紙(株)製、「ODP−TW」)を用いて、バイアス電圧+200Vを印加して電着塗布を行い、メタルマスクの開口部以外の部分の樹脂層上をトナー粒子層で覆った。メタルマスクの開口部に位置する樹脂層部分には、トナー粒子が付着していない部位があるように樹脂層上にトナー粒子を電着させた。次に70℃で2分間加熱してトナー粒子を定着させ、電着樹脂層を形成した。
【0231】
続いて、メタルマスクの樹脂層および電着樹脂層を形成した側から樹脂層除去液をシャワースプレーにより供給する事で、開口部の樹脂層の除去を行った。オフセットの値を5μmとなるように設定して処理をおこなった。
【0232】
次に、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用いて、500秒間紫外線を照射した。さらに、電着樹脂層をキシレンにより除去した後、120℃のオーブン中で30分間加熱し、耐性化処理を施した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0233】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、元のスクリーン印刷用マスクと樹脂層との開口形状の重心位置のずれは3μm以内であった。
【0234】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、クリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子パターンの形成ができた。
【0235】
(実施例18)
アディティブ(電鋳)用のベース基材として、板厚0.2mmのSUS304のステンレス板を用い、その表面に100μm厚の感光性メッキレジスト層を形成させた。パターン露光及び現像処理を行う事で、印刷パターンに対応したメッキレジストパターンをベース基材の表面に形成させた。このメッキレジストパターンを形成させたベース基材をスルファミン酸ニッケルメッキ浴に浸漬し、2A/dm、浴温度45℃の条件で電気メッキを行い、厚さ80μmのニッケル層を形成させた。その後、レジストパターンを除去し、ニッケル層をベース基材から剥離し、パターン状の開口部を有したニッケル層からなるアディティブ法によるメタルマスクを作製した。
【0236】
このメタルマスクの一方の主表面(第1面という)に、ラミネータを用いて、表に示す成分よりなる樹脂層(膜厚25μm)及び25μmのマスキング層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムを、また、メタルマスクの反対側の主表面(第2面という)に、樹脂層(膜厚5μm)及びマスキング層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムを、それぞれ熱圧着した。
【0237】
次に、室温25℃に放置した後に、80℃に上昇させる事で、樹脂層の樹脂を軟化させると同時に、開口部内の空気を膨張させ、開口部の樹脂層の厚みを薄膜化させた。続いて両面のマスキング層の除去を行った。第1面の開口部の樹脂層の厚みを測定したところ、3μmと薄膜化していた。
【0238】
次に樹脂層除去液により、短時間の処理を行い、第2面の樹脂層及び、第1面のメタルマスク開口部の樹脂層の除去を行った。開口部以外の第1面の樹脂層の厚みは20μmとなっていた。また、オフセット幅は10μmとなっていた。
【0239】
次に、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用いて、500秒間紫外線を照射した。さらに、120℃のオーブン中で30分間加熱し、耐性化処理を施した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0240】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、元のスクリーン印刷用マスクと樹脂層との開口形状の重心位置のずれは3μm以内であった。
【0241】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、クリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子パターンの形成ができた。
【0242】
(比較例9)
実施例12と同様にして、アディティブ法により作製したメタルマスクの片側主表面(第1面)に感光性レジストを形成した。その後、開口パターンに対応したフォトマスクをメタルマスクの感光性レジスト形成面と重ね合わせ、両者の位置合わせを行った後、露光処理を行った。その後現像処理を行う事で、メタルマスクの開口部以外の領域に樹脂層を形成した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0243】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、元のメタルマスクと樹脂層との開口形状の重心位置のずれが20μm以上ある箇所があった。
【0244】
図6に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、位置ずれに起因すると考えられる印刷位置のずれが発生し、良好な形状の半田端子パターンの形成ができなかった。
【0245】
(実施例19)
ステンレスメッシュスクリーンにスクリーン印刷用マスク用の感光性乳剤の塗布を行い、パターン露光及び現像処理を行う事で、図10に示すようなエマルジョン型スクリーン印刷用マスクを作製した。厚みは30μmとなるように設定した。その後、ラミネータを用いて、表2に示す成分よりなる樹脂層(膜厚50μm)及び25μmのマスキング層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムをこのスクリーン印刷用マスクの乳剤面(印刷面)(第1面という)に熱圧着し、樹脂層及びマスキング層(支持体フィルム)を形成した。
【0246】
次に、樹脂層除去液として1質量%の炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いて、スクリーン印刷用マスクの第1面とは反対側の主表面(第2面という)側よりシャワースプレーを当てて、第1面側の開口部の樹脂層を溶解除去した。オフセット幅は30μmに設定し、スクリーン印刷用マスクの乳剤面の開口部のエッジより30μm外側に樹脂層の開口部のエッジが来るように処理を行った。
【0247】
次に、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用いて、500秒間紫外線を照射した。さらに、マスキング層を除去した後、120℃のオーブン中で30分間加熱し、耐性化処理を施した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0248】
できあがった樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部を顕微鏡にて観察した結果、元のスクリーン印刷用マスクと樹脂層との開口形状の重心位置のずれは3μm以内であった。
【0249】
図9に示すように、上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを用いて、スキージ7によりペースト材8としてクリーム半田をスクリーン印刷したところ、クリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子パターンの形成ができた。
【0250】
(比較例10)
実施例19で作製したエマルジョン型スクリーン印刷用マスクを用いて、樹脂層の付与は行わずに、被印刷基板に対して、クリーム半田をスクリーン印刷を行ったところ、クリーム半田の滲みは無かったが、スクリーン印刷用マスクの膜厚が30μmと薄いために、クリーム半田の転写量不足で、十分な量の半田が供給する事ができず、良好な半田端子パターンを形成できなかった。
【0251】
(実施例20)
アディティブ法用のベース基材として、板厚0.2mmのSUS304のステンレス板を用い、その表面に100μm厚の感光性メッキレジスト層を形成させた。パターン露光及び現像処理を行う事で、0.1mmφ、0.5mmφ、1.0mmφ、10.0mmφの4種類の異なる孔径の円形パターンに対応したメッキレジストパターンをベース基材の表面に形成させた。このメッキレジストパターンを形成させたベース基材をスルファミン酸ニッケルメッキ浴に浸漬し、2A/dm、浴温度45℃の条件で電気メッキを行い、厚さ100μmのニッケル層を形成させた。その後、メッキレジストパターンを除去し、ニッケル層をベース基材から剥離し、4種類の孔径の異なる円形パターン状の開口部を有したニッケル層からなるアディティブ法によるメタルマスクを作製した。
【0252】
上記で作製した4種類の異なる孔径の円形パターン状の開口部を有するメタルマスクにラミネータを用いて、表2に示す成分よりなる樹脂層(膜厚20μm)および25μmのマスキング層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムを基板の片側主表面に熱圧着し、樹脂層及びマスキング層(支持体フィルム)を形成した。
【0253】
次に、表3に記載の樹脂層除去液a(22℃)を用いて、基板の樹脂層およびマスキング層を形成した側とは反対側の主表面よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを30秒間当てた。第1面の開口部上及び開口部周辺の樹脂層の溶解拡散を目視で観察したところ、溶解は観察されず、樹脂層のミセルが不溶化していることが確認できた。
【0254】
【表3】
【0255】
続いて、表3に記載の樹脂層除去液b(30℃)を用いて、基板の樹脂層およびマスキング層を形成した側とは反対側よりスプレー圧0.2MPaでシャワースプレーを10秒間当てて、基板の樹脂層およびマスキング層を形成した側のメタルマスクの開口部上及び開口部周辺に存在する樹脂層の不溶化ミセルを再び可溶化させて除去した。メタルマスクの開口部及び開口部周辺を光学顕微鏡で観察したところ、メタルマスクの開口部周辺の樹脂層は、メタルマスクの開口部と同心円状に除去されていた。また、最小0.1mmφから最大10.0mmφまでの孔径の異なる円形パターン状のメタルマスクの開口部に対する樹脂層除去部の径は、メタルマスク開口部の孔径が大きくなるにつれて増加していく傾向が見られ、メタルマスク開口部の最小孔径0.1mmφと最大孔径10.0mmφに対応する樹脂層除去部の開口部における径の差は19μmだった。
【0256】
次に、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用いて、開口後の樹脂層に500秒間紫外線を照射した。さらに、マスキング層を除去した後、120℃のオーブン中で30分間加熱し、耐性化処理を施した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0257】
上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスクをパレット上に載置したプリント配線基板5上にセットし、図6に示すように、スキージ7によりクリーム半田8をスクリーン印刷したところ、4種類の孔径の異なる円形パターン状の開口部の全てについて、樹脂付きスクリーン印刷用マスクとプリント配線基板5の間にクリーム半田8の滲みはなく、良好な形状の半田端子が形成されていた。また、印刷後に樹脂付きスクリーン印刷用マスクを引き上げた際のクリーム半田8と樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部の抜け性も良好で半田端子に突起や欠け、ひび割れ、抜け等は見られず、クリーム半田8を印刷すべき範囲に半田端子を正確に形成することができた。
【0258】
(実施例21〜37)
実施例21〜27、及び実施例35〜37は、実施例20に記載の樹脂層除去液aを表3に記載の樹脂層除去液aに換えた以外は実施例20と同じ方法で4種類の孔径の異なる円形パターン状の開口部上及び開口部周辺の樹脂層を除去した。
【0259】
実施例28、30〜34は、実施例20に記載の樹脂層除去液bを表3に記載の樹脂層除去液bに換えた以外は実施例20と同じ方法で4種類の孔径の異なる円形パターン状のメタルマスク開口部上及び開口部周辺の樹脂層を除去した。
【0260】
実施例29は、実施例20に記載の樹脂層除去液bを表3に記載の樹脂層除去液bに換えただけでなく、樹脂層の処理時間を10秒から30秒に延長した以外は実施例1と同じ方法で4種類の孔径の異なる円形パターン状の開口部上及び開口部周辺の樹脂層を除去した。メタルマスクの開口部及び開口部周辺を光学顕微鏡で観察したところ、メタルマスク開口部周辺の樹脂層は、開口部と同心円状に除去されていた。メタルマスク開口部の最小孔径0.1mmφと最大孔径10.0mmφに対応する樹脂層除去部の開口部における径の差を表3に示す。
【0261】
実施例20、24〜27において、樹脂層除去液aの炭酸ナトリウムの配合量を変化させた結果、炭酸ナトリウムの配合量が増加するに従って、樹脂層除去部の径の差が小さくなる傾向があった。
【0262】
実施例20、28から29、34において、樹脂層除去液bにおける炭酸ナトリウムの配合量を変化させたが、実施例29を除いて樹脂層除去部の径の差はほとんどなかった。
【0263】
実施例29では、樹脂層除去液aを供給した後、不溶化したミセルの溶解拡散が遅く、樹脂層除去液bによる処理時間を10秒から30秒に延長することによって樹脂層を除去したところ、樹脂層除去部の径の差は実施例20、28、34に比べ拡大する傾向があった。実施例30において、樹脂層除去液bとして有機アルカリ性化合物であるテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを用いたところ、樹脂層除去液aを供給した後、不溶化したミセルは迅速に微分散されたが、同時に不溶化した部分以外の樹脂層の溶解拡散が進行し、樹脂層除去部の径の差が拡大する傾向があった。
【0264】
実施例21〜23において、炭酸ナトリウム以外のアルカリ性化合物を樹脂層除去液aに用いた場合、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムに比べ、水酸化ナトリウムを用いた系では、樹脂層除去部の径の差がやや大きくなる傾向があった。また、実施例31〜33において、炭酸ナトリウム以外のアルカリ性化合物を樹脂層除去液に用いた場合、実施例21〜23の場合と同様に、樹脂層除去液bに水酸化ナトリウムを用いた系で樹脂層除去部の径の差が拡大する傾向があった。実施例35〜37において、樹脂層除去液aにアルカリ金属炭酸塩を用いた系で、アルカリ金属としてナトリウムの換わりにカリウムを用いた場合、樹脂層除去部の径の差がわずかに増大する傾向があった。
【0265】
次に、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(ユニレックURM300、ウシオ電機製)を用いて、開口後を有する樹脂層に500秒間紫外線を照射した。さらに、マスキング層を除去した後、120℃のオーブン中で30分間加熱し、耐性化処理を施した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0266】
上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスクをパレット上に載置したプリント配線基板5上にセットし、図6に示すように、スキージ7によりクリーム半田8をスクリーン印刷したところ、4種類の孔径の異なる円形パターン状の開口部の全てについて、クリーム半田8の滲みはなく、良好な形状の半田端子が形成できた。
【0267】
(実施例38)
厚さ100μmのステンレス板(SUS304)にYAGレーザーで多数の開口部を形成し、スクリーン印刷用マスクを作製した。これ以降は、実施例20と同様にして樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。メタルマスク開口部の最小孔径0.1mmφと最大孔径10.0mmφに対応する樹脂層除去部の径の差を表3に示す。
【0268】
上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスクをパレット上に載置したプリント配線基板5上にセットし、図6に示すように、スキージ7によりクリーム半田8をスクリーン印刷したところ、4種類の孔径の異なる円形パターン状の開口部の全てについて、クリーム半田8の滲みはなく、良好な形状の半田端子が形成できた。
【0269】
(実施例39)
厚さ100μmのSUS304のステンレス板の両面に感光性エッチングレジストを形成し、両面に開口パターンに対応した露光を行い、その後現像処理を行って開口部を有するスクリーン印刷用マスクを作製した。その後、エッチングレジスト層の除去を行った後、実施例20と同様にして樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。最小孔径0.1mmφと最大孔径10.0mmφの樹脂層除去部の径の差を表3に示す。
【0270】
上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスクをパレット上に載置したプリント配線基板5上にセットし、図6に示すように、スキージ7によりクリーム半田8をスクリーン印刷したところ、4種類の孔径の異なる円形パターン状の開口部の全てについて、クリーム半田8の滲みはなく、良好な形状の半田端子が形成できた。
【0271】
(実施例40)
ベース基材上にニッケルをメッキしてニッケル層を形成した。次にニッケル層の表面上の必要部分に感光性レジストを塗布して、メッシュ状の穴の部分に対応する位置のみ感光性レジストが残るように、所定のメッシュパターンのフォトマスクをあてて、露光及び現像を行った。次に、感光性レジストが残っている部分以外のニッケル層の表面上に、感光性レジストの厚みを超えないように、鉄合金をメッキして金属メッシュ層を形成した。次に、金属メッシュ層と感光性レジスト層とで形成される面を研磨して平坦にし、ベース基材を取り除いた。ニッケル層の表面全体に感光性エッチングレジスト層を形成して、開口パターンに対応した露光を行い、その後現像処理を行ってニッケル層表面にエッチングレジスト層を形成した。続いて、エッチング処理により、露出したニッケル層をエッチングし、印刷すべき開口部を有するメタルマスク層を形成した。最後に、メッキに使用した感光性レジスト及びエッチングレジスト層を除去する事で、メッシュ層及びメタルマスク層を有するスクリーン印刷用マスクを作製した。これ以降は、実施例20と同様にして樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。最小孔径0.1mmφと最大孔径10.0mmφの樹脂層除去部の径の差を表3に示す。
【0272】
上記で作製した樹脂付きスクリーン印刷用マスクをパレット上に載置したプリント配線基板5上にセットし、図6に示すように、スキージ7によりクリーム半田8をスクリーン印刷したところ、4種類の孔径の異なる円形パターン状の開口部の全てについて、クリーム半田の滲みはなく、良好な形状の半田端子が形成できた。
【0273】
(実施例41〜60)
1.光架橋性樹脂溶液の調製
表4及び表5に示すように、カルボキシル基を含有するバインダーポリマー(A)、分子内に少なくとも1個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)を含む各成分を混合することにより、実施例41〜60で用いる各光架橋性樹脂溶液を調製した。
【0274】
表4及び表5における各成分の数値は、各成分の配合量を質量部で表したものであり、(A)成分については、溶液状態での質量部を表したものである。
【0275】
【表4】
【0276】
【表5】
【0277】
表4及び表5における、各(A)成分、(B)成分および(C)成分は以下の通りである。
【0278】
(A−1)成分;メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸を質量比64/15/21で共重合させた共重合樹脂(1−メトキシ−2−プロパノールを溶剤とした40質量%溶液)、
(A−2)成分;メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸を質量比60/15/25で共重合させた後、グリシジルメタクリレートをメタクリル酸に対し、5質量%付加反応させた共重合樹脂(1−メトキシ−2−プロパノールを溶剤とした40質量%溶液)、
(A−3)成分;メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸を質量比56/15/29で共重合させた後、グリシジルメタクリレートをメタクリル酸に対し、10質量%付加反応させた共重合樹脂(1−メトキシ−2−プロパノールを溶剤とした40質量%溶液)、
(A−4)成分;メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸を質量比62/15/23で共重合させた後、グリシジルメタクリレートをメタクリル酸に対し、20質量%付加反応させた共重合樹脂(1−メトキシ−2−プロパノールを溶剤とした40質量%溶液)、
(A−5)成分;メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸を質量比51/15/34で共重合させた後、グリシジルメタクリレートをメタクリル酸に対し、35質量%付加反応させた共重合樹脂(1−メトキシ−2−プロパノールを溶剤とした40質量%溶液)、
(A−6)成分;メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸を質量比39/15/46で共重合させた後、グリシジルメタクリレートをメタクリル酸に対し、50質量%付加反応させた共重合樹脂(1−メトキシ−2−プロパノールを溶剤とした40質量%溶液)、
(A−7)成分;メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸を質量比63/15/22で共重合させた後、グリシジルメタクリレートをメタクリル酸に対し、3質量%付加反応させた共重合樹脂(1−メトキシ−2−プロパノールを溶剤とした40質量%溶液)、
(A−8)成分;メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸を質量比32/15/53で共重合させた後、グリシジルメタクリレートをメタクリル酸に対し、60質量%付加反応させた共重合樹脂(1−メトキシ−2−プロパノールを溶剤とした40質量%溶液)。
【0279】
(B−1)2,2′−ビス−(4−メタクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン(商品名:BPE−500、新中村化学工業社製)
(B−2)トリメチロールプロパントリアクリレート(商品名:TMP−A、共栄社化学社製)
(B−3)ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート
(B−4)ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名:PE−3A、共栄社化学社製)
(B−5)ペンタエリスリトールテトラアクリレート(商品名:PE−4A、共栄社化学社製)
(B−6)ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
(B−7)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名:DPE−6A、共栄社化学社製)
(B−8)トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート
(B−9)EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(商品名:TMP−6EO−3A、共栄社化学社製)
【0280】
(C−1)2−(2′−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体
(C−2)4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
【0281】
また、(A−1)〜(A−8)成分の物性を組成とともに表6に示す。なお、表6において、MMAはメチルメタクリレート、BAはn−ブチルアクリレート、MAAはメタクリル酸、GMAはグリシジルメタクリレート、Mwは共重合樹脂の質量平均分子量、Avは共重合樹脂の酸価を表す。
【0282】
【表6】
【0283】
2.樹脂付きスクリーン印刷用マスクの作製
厚さ100μmのステンレス板(SUS304)にYAGレーザーで多数の開口部を形成し、面積400×480mmのスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0284】
25μm厚のマスキング層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)上に、1.で調製した各光架橋性樹脂溶液を均一に塗布し、乾燥させて、光架橋性樹脂層(乾燥膜厚;20μm)を設けることにより、各樹脂フィルムを得た。得られた各樹脂フィルムを上記で作製した多数の開口部を有するスクリーン印刷用マスクの片側主表面(第1面とする)に熱圧着し、樹脂層及びマスキング層を設けた。
【0285】
次に、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液(30℃)の樹脂層除去液を用いて、スクリーン印刷用マスクの樹脂層及びマスキング層を設けた側とは反対側の主表面(第2面とする)よりシャワースプレーを当てて、第1面の開口部上及び開口部周辺の樹脂層をセルフアライメントで除去した。光学顕微鏡を用いて面内10箇所で開口部および開口部周辺を観察したところ、樹脂層開口部のエッジ部にバリはなく、エッジ角度も90±5度の範囲で形成されており、良好なエッジ部形状を有していた。さらに、全面にわたって樹脂層開口部の位置ずれはなく、一定のオフセット幅(樹脂層除去幅)、厚みをもった樹脂層が形成されていた。
【0286】
次に、吸引密着機構を有する焼付用高圧水銀灯光源装置(商品名:ユニレックURM300、ウシオ電機製、12mW/cm)を用いて、300秒間紫外線を照射した。さらに、マスキング層を除去した後、150℃のオーブン中で30分間加熱し、耐性化処理を施した樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。
【0287】
(実施例61〜72)
第1面の開口部上及び開口部周辺の樹脂層をセルフアライメントで除去した後、樹脂層に耐性化処理を施す工程において、紫外線照射と加熱(温度、時間)を表7に記載の条件で行った以外は実施例46と全く同じ方法で樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製した。作製された樹脂付きスクリーン印刷用マスクは、樹脂層開口部のエッジ部にバリはなく、エッジ角度も90±5度の範囲で形成されており、良好なエッジ部形状を有していた。さらに、全面にわたって樹脂層開口部の位置ずれはなく、一定のオフセット幅(樹脂層除去幅)、厚みをもった樹脂層が形成されていた。
【0288】
【表7】
【0289】
(転写性評価)
実施例41〜72で作製された樹脂付きスクリーン印刷用マスクをパレット上に載置したプリント配線基板5上にセットし、図6に示すように、スキージ7によりクリーム半田8をスクリーン印刷した。転写性の評価結果を表8に示す。表8において、「○」は、樹脂付きスクリーン印刷用マスクとプリント配線基板の間にクリーム半田の滲みがなく、印刷後に樹脂付きスクリーン印刷用マスクを引き上げた際のクリーム半田と樹脂付きスクリーン印刷用マスクの開口部の抜け性も良好で半田端子に突起や欠け、ひび割れ、抜け等が見られず、クリーム半田を印刷すべき範囲に半田端子を正確に形成することができたものを転写性に優れるものとして示しており、「×」は、滲みや抜け性に問題のあったものは転写性に劣るものとして示している。
【0290】
(耐溶剤性評価)
実施例41〜72で作製された樹脂付きスクリーン印刷用マスクを超音波直接伝播方式のメタルマスク自動洗浄機(サワーコーポレーション製)に設置し、スクリーン印刷用マスククリーニング液(商品名:HA−1040(1−メトキシ−2−プロパノールと2−プロパノールの混合物)、化研テック製)を用いて、超音波出力40kHz、150Wにおいて3分間洗浄、5分間乾燥を10回繰り返した。クリーニング液に対する樹脂層の耐溶剤性の評価結果を表8に示す。表8において、樹脂付きスクリーン印刷用マスクの全面で樹脂層のひび割れ、破れ、膨潤の有無で耐溶剤性を評価し、何回目のクリーニングまで樹脂層の耐久性が維持されていたかを数字で表した。数字は大きい方が耐溶剤性に優れていることを意味する。
【0291】
(連続印刷性評価)
次に、実施例41〜72で作製された樹脂付きスクリーン印刷用マスクを用いて、クリーム半田をプリント配線基板に10枚連続でスクリーン印刷し、1枚目と10枚目の転写性を比較した。続いて、2−プロパノールを含ませたクリーニングペーパーで樹脂層表面をワイピングして樹脂付きスクリーン印刷用マスクをクリーニングし、クリーニング後の樹脂付きスクリーン印刷用マスクを用いて、再度クリーム半田をプリント配線基板に10枚連続でスクリーン印刷し、10枚目と20枚目の転写性を比較した。このスクリーン印刷とクリーニングの処理を99回繰り返し行い、99回目のクリーニング後の樹脂付きスクリーン印刷用マスクを用いて、クリーム半田をプリント配線基板に10枚連続でスクリーン印刷し、10枚目と1000枚目の転写性を比較した。連続印刷性の評価を表8に示す。表8において、転写性評価と同様に、クリーム半田の滲みがなく、印刷すべき範囲に半田端子を正確に形成することができるかどうかで連続印刷性を評価し、何回目のクリーニングまで良好な転写性が維持されていたかを数字で表した。数字は大きい方が連続印刷性に優れていることを意味する。
【0292】
【表8】
【0293】
表8に示されるように、実施例41〜72の樹脂付きスクリーン印刷用マスクは、開口部を有するスクリーン印刷用マスクの第1面に樹脂層及びマスキング層を形成し、スクリーン印刷用マスクの第1面とは反対側の第2面から樹脂層除去液を供給して、第1面の開口部上及び開口部周辺の樹脂層をセルフアライメントで除去して作製する樹脂付きスクリーン印刷用マスクであって、樹脂層の構成材料としてカルボキシル基を含有するバインダーポリマー(A)、分子内に少なくとも1個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)を含有する光架橋性樹脂組成物を使用し、第1面の開口部上及び開口部周辺の樹脂層をセルフアライメントで除去した後に、紫外線照射処理による耐性化処理を施すことによって、位置ずれのない良好な樹脂層開口部が形成されているだけでなく、クリーニングに対しても樹脂層のひび割れ、破れ、膨潤等がなく、優れた連続印刷性が得られることが分かった。
【0294】
実施例61と実施例69〜72を比較することにより、紫外線照射処理した後に、加熱処理による耐性化処理を施すことにより、耐溶剤性、連続印刷性が向上することが分かる。加熱処理は、120℃/30分で効果が確認され、150℃、170℃ではさらに樹脂層の架橋密度が高くなり、耐溶剤性、連続印刷性が向上した。
【0295】
実施例41〜46を比較することにより、(B)成分として、分子内に3個以上の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物を(A)成分及び(B)成分の総量に対して20〜60質量%含有し、かつ、(B)成分全体に対して60質量%以上含有させることにより、優れた耐溶剤性、連続印刷性が得られることが分かる。
【0296】
実施例46〜53を比較することにより、分子内に3個以上の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物として、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレートのうち少なくともいずれか1種を含有させることにより、特に優れた耐溶剤性、連続印刷性が得られることが分かる。また、分子内に3個以上の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物で、その構造中にポリアルキレンオキサイド基を含むものを使用した場合、ポリアルキレンオキサイド基を含まないものを使用した場合に比べ、耐溶剤性、連続印刷性に劣ることが分かる。
【0297】
実施例46と実施例54〜60を比較することにより、(A)成分として、カルボキシル基を含有するバインダーポリマーが、分子内に重合可能なエチレン性不飽和基を有し、その二重結合当量が、400〜3000であるバインダーポリマーを使用することにより、さらに耐溶剤性、連続印刷性を向上させることができることが分かる。ただし、実施例60においては、樹脂層の保存安定性が悪く、樹脂フィルムを作製してから樹脂層を除去して樹脂付きスクリーン印刷用マスクを作製するまでの間、数日で樹脂層が架橋してしまった。
【産業上の利用の可能性】
【0298】
本発明の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの作製方法及び樹脂付きスクリーン印刷用マスクは、広範なスクリーン印刷の用途に適用可能であり、例えば、ペースト材としては、導電性材料、絶縁性材料、色材、封止材料、接着材料、レジスト材料、処理薬剤等を、スクリーン印刷によって任意の基材上にパターン形成を行う用途に適用可能である。

Claims (10)

  1. 開口部を有するスクリーン印刷用マスクの一方の主表面上に、前記開口部と略同位置に開口部を有する樹脂層が設けられてなる樹脂付きスクリーン印刷用マスクを製造する方法であって、
    前記スクリーン印刷用マスクの一方の主表面上にラミネート加工によって樹脂層を被覆する工程と、
    前記スクリーン印刷用マスクの開口部と略同位置に位置する前記樹脂層の一部をセルフアライメントで除去して樹脂層に開口部を形成する工程
    とを含み、
    前記樹脂層が光架橋性樹脂からなることを特徴とする樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法。
  2. 前記開口部を有するスクリーン印刷用マスクが、アディティブ法で作製してなるメタルマスク、レーザ法で作製してなるメタルマスク、エッチング法で作製してなるメタルマスク、メッシュマスク、サスペンドマスクおよびソリッドマスクから選ばれるいずれか1種である請求項1に記載の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法。
  3. 光架橋性樹脂が、(A)カルボキシル基を含有するバインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物および(C)光重合開始剤を含有してなる請求項に記載の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法。
  4. 前記樹脂層の一部をセルフアライメントで除去する工程が、スクリーン印刷用マスクの樹脂層を設けた側とは反対側の主表面から樹脂層除去液を供給することにより行われる請求項1に記載の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法。
  5. 前記スクリーン印刷用マスクの一方の主表面上に樹脂層を被覆する工程の後、樹脂層に開口部を形成する工程の前に、樹脂層上に電着樹脂層を形成する工程をさらに含み、
    前記電着樹脂層が、前記スクリーン印刷用マスクの開口部と略同位置に位置する樹脂層部分以外の樹脂層上に被覆され、
    前記樹脂層の一部をセルフアライメントで除去する工程が、前記スクリーン印刷用マスクの樹脂層および電着樹脂層を設けた主表面側から樹脂層除去液を供給することにより行われる請求項1に記載の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法。
  6. 前記樹脂層の一部をセルフアライメントで除去する工程が、前記スクリーン印刷用マスクの開口部と略同位置に位置する前記樹脂層の一部を薄膜化させた後に樹脂層除去液を供給することにより行われる請求項1に記載の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法。
  7. 樹脂層除去液が、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる少なくとも1種を含む水溶液である請求項のいずれか1項に記載の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法。
  8. 得られる樹脂付きスクリーン印刷用マスクにおいて、樹脂層に形成される開口部の面積が前記スクリーン印刷用マスクの開口部面積よりも大きい請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法。
  9. 得られる樹脂付きスクリーン印刷用マスクにおいて、
    スクリーン印刷用マスクの開口部と樹脂層の開口部とが略同形状を有しており、
    樹脂層の開口部面積がスクリーン印刷用マスクの開口部面積より大きく、かつ、
    スクリーン印刷用マスク開口部のエッジ部から、該開口部近傍の樹脂層のエッジ部までの距離をオフセット幅としたときに、スクリーン印刷用マスクの開口部輪郭における曲率半径が小さな部分のオフセット幅が、スクリーン印刷用マスクの開口部輪郭における曲率半径が大きな部分のオフセット幅よりも小さい請求項に記載の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法。
  10. 樹脂層を構成する樹脂が光架橋性樹脂を含み、かつ、
    前記スクリーン印刷用マスクの開口部と略同位置に位置する前記樹脂層の一部をセルフアライメントで除去して樹脂層に開口部を形成する工程後に、樹脂層の耐性化処理を行う請求項1記載の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法。
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