JP4825785B2 - 段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法 - Google Patents

段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4825785B2
JP4825785B2 JP2007328548A JP2007328548A JP4825785B2 JP 4825785 B2 JP4825785 B2 JP 4825785B2 JP 2007328548 A JP2007328548 A JP 2007328548A JP 2007328548 A JP2007328548 A JP 2007328548A JP 4825785 B2 JP4825785 B2 JP 4825785B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin layer
photocrosslinkable resin
opening
screen printing
photocrosslinkable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007328548A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009151069A (ja
Inventor
裕二 豊田
宗利 入沢
安生 金田
邦弘 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2007328548A priority Critical patent/JP4825785B2/ja
Publication of JP2009151069A publication Critical patent/JP2009151069A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4825785B2 publication Critical patent/JP4825785B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)

Description

本発明は、異なる転写厚を印刷できる段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法に関する。
近年の電子機器の小型、多機能化に伴い、電子基板の高密度化や配線パターンの微細化が進められており、電子基板への電子部品の高密度実装化が広く行われている。この電子基板への電子部品の高密度実装化においては、電子基板面に電子部品を実装するためにクリーム半田を印刷し、半田端子に電子部品を搭載した後にリフロー炉で加熱して半田付けを行う。上記クリーム半田の印刷方法としては、スクリーン印刷による工程が広く用いられている。一般的に、スクリーン印刷は、パターン状に複数の開口部が形成されたスクリーン印刷用マスクを印刷すべき被印刷基板の上面にセットし、スクリーン印刷用マスク上にクリーム半田等のペースト材を供給してスキージによって掻き寄せることによって、ペースト材を開口部を通してパターン状に転写印刷する方法である。スクリーン印刷用マスクのスキージと接触する面をスキージ面、被印刷基板と接触する面をプリント面と称する。
高密度実装化に伴い、電子基板に搭載する部品も微細化している。より微細な部品を実装する場合、部品の端子間のピッチも細かくなり、印刷すべきペースト材のパターンも高密度かつ高精細となってくる。そのため、開口部の厚みの薄いスクリーン印刷用マスクが必要となる。すなわち、開口部の厚みが厚いスクリーン印刷用マスクを用いると、ペースト材の転写量が多くなり過ぎ、隣接端子間のブリッジ(短絡)が発生してしまう危険が生じたり、開口部のアスペクト比(開口部の厚みと開口径との比)が高くなりすぎペースト材の抜け不良が発生したりする問題が生ずる。
一方、高密度実装が行われる電子基板においても、微細化が困難なコネクター等の大型部品が微細な部品とともに搭載される場合(混載基板)が多い。表面実装において大型部品を信頼性良く電子基板上に接続固定するためには、ある程度以上のペースト材が必要となり、よって、スクリーン印刷用マスクの開口部もある程度以上の厚みが必要となる。
従って、上記のような混載基板の場合、微細な部品の端子部には転写厚を薄く、大型部品の端子部には転写厚を厚く印刷できるようなスクリーン印刷用マスクが求められている。その要望に応えるものとして、部分的に開口部の厚みを変えたスクリーン印刷用マスク(段差付きスクリーン印刷用マスクと呼ぶ)が知られている。例えば、メタルプレートにあらかじめ部分的にハーフエッチングを行って部分的に薄くしておいてから、レーザ加工等をおこなって開口し、部分的に開口部の厚みを変える方法が知られている。また、通常の板厚一定のメタルマスクに、開口のある樹脂層を貼り合わせて一部の開口部の厚みを厚くして、転写厚を部分的に変える技術も開示されている(例えば、特許文献1)。また、通常の板厚一定のメタルマスクに光架橋性樹脂層を形成した後に、公知のフォトリソグラフィーの手法により、パターン露光を行って、一部の開口部周辺に光架橋性樹脂層を残すことで、一部の開口部の厚みを厚くして、転写厚を部分的に変える技術も知られている。この技術によれば、任意の製法で作製したスクリーン印刷用マスクに適用でき、かつ、所望の場所に所望の厚みを付与することができるという特長がある。
このフォトリソグラフィーによる方法を図7により説明する。まず、複数の開口部2を有するスクリーン印刷用マスク1を準備する(図7(a))。次に光架橋性樹脂層3をスクリーン印刷用マスク1のプリント面に開口部2をふさぐように形成する(図7(b))。続いて、スクリーン印刷用マスク1の厚みを増加させたい位置(厚み増加領域100)の開口部以外の領域に透過部パターンを形成したフォトマスク10を用意し、光架橋性樹脂層3と重ね合わせて、露光処理20を行うことで、厚み増加領域に硬化光架橋性樹脂層4を形成する(図7(c))。次に現像処理を行って、未硬化の光架橋性樹脂層3の除去を行って、部分的に開口部の厚みを変えた段差付きスクリーン印刷用マスクができあがる(図7(d)または(e))。
このような段差付きスクリーン印刷用マスクを用いて印刷した場合の模式図を図8に示す。スクリーン印刷用マスク1に硬化光架橋性樹脂層4を部分的に付与した段差付きスクリーン印刷用マスク11(図8(a))のプリント面を被印刷基板5に重ね合わせ、スキージ面にペースト材8をのせ、スキージ7で掻き取ることで開口部にペースト材を充填してスクリーン印刷を行う(図8(b))。この際、厚み増加領域では転写厚は厚く、それ以外の領域では薄くなる。
しかし、この方法では、図7(c)において寸法精度の高いフォトマスクを作製する必要があり、手間となっていた。また、このフォトマスクを用いて、スクリーン印刷用マスクのパターンに合わせて正確に露光を行うためには、高精度な位置合わせを行う必要があるが、実際上位置ずれなくパターンを露光することは難しく、結果として、図7(e)に示すように位置ずれが発生してしまう。このような位置ずれXが発生した段差付きスクリーン印刷用マスクでスクリーン印刷を行うと、図8(d)に示すように、欠けや転写量不足等が発生し、良好なスクリーン印刷ができないのが現状である。
これを、図9を用いて更に説明する。図9(a)は、硬化光架橋性樹脂層を付与した段差付きスクリーン印刷用マスクを硬化光架橋性樹脂層4面から見た透視図であり、スクリーン印刷用マスク1の開口部2のエッジ部19の位置と、硬化光架橋性樹脂層4の開口部2のエッジ部29の位置とがずれている。距離Xは、スクリーン印刷用マスク1の開口部2の重心位置18と、硬化光架橋性樹脂層4の開口部2の重心位置28との位置ずれを表している。また、図9(b)は、図9(a)の線A−A’で切断した段差付きスクリーン印刷用マスクの断面図である。このように、スクリーン印刷用マスク1と硬化光架橋性樹脂層4の開口部2がお互いにずれた断面形状であると、ペースト材を適正な位置に印刷することができない。さらに、スクリーン印刷用マスク1の開口部2の一部分が、硬化光架橋性樹脂層4の鍔によって塞がれているため、ペースト材転写量が減少するという結果も招いてしまう。よって、印刷位置精度や転写性を良くするために、スクリーン印刷用マスクと硬化光架橋性樹脂層の開口部とに位置ずれがないことが要求されているが、上述の方法では解決されていなかった。
特開2006−66811号公報
本発明の課題は、スクリーン印刷用マスクの一部の開口部の厚みを増加させるために、部分的に硬化光架橋性樹脂層を形成して、異なる転写厚を印刷できる段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法において、光架橋性樹脂層とスクリーン印刷用マスクの位置ずれのない作製方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
(1)厚みの異なる開口部を有する段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法において、スクリーン印刷用マスクのプリント面に光架橋性樹脂層をラミネートする工程、開口部の光架橋性樹脂層をセルフアライメントで除去する工程、パターン露光及び現像を行って厚み増加領域以外の光架橋性樹脂層の除去を行う工程を含む段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法を見いだした。
(2)開口部の光架橋性樹脂層をセルフアライメントで除去する工程が、スキージ面から光架橋性樹脂層除去液を供給して開口部の光架橋性樹脂層を除去する工程である上記(1)記載の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法、
(3)開口部の光架橋性樹脂層をセルフアライメントで除去する工程が、開口部以外の光架橋性樹脂層の上に更に光架橋性樹脂層開口用電着樹脂層を形成した後に、プリント面側から光架橋性樹脂層除去液を供給して開口部の光架橋性樹脂層を除去する工程である上記(1)記載の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法、
(4)開口部の光架橋性樹脂層をセルフアライメントで除去する工程が、開口部の光架橋性樹脂層を薄膜化させた後に光架橋性樹脂層除去液を供給して開口部の光架橋性樹脂層を除去する工程である上記(1)記載の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法を見いだした。
(1)本発明の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法では、スクリーン印刷用マスクに硬化光架橋性樹脂層を位置ずれなく付与して、部分的に開口部の厚みを変更することにより、場所毎に異なる転写厚のペースト材を良好にスクリーン印刷することのできる段差付きスクリーン印刷用マスクを作製することができる。
また、発明(1)における開口部の光架橋性樹脂層をセルフアライメントで除去する工程が、プリント面とは反対側のスキージ面から光架橋性樹脂層除去液を供給して開口部の光架橋性樹脂層を除去する工程である発明(2)、開口部以外の光架橋性樹脂層の上に更に光架橋性樹脂層開口用電着樹脂層を形成した後に、プリント面側から光架橋性光架橋性樹脂層除去液を供給して開口部の光架橋性樹脂層を除去する工程である発明(3)、及び、開口部の光架橋性樹脂層を薄膜化させた後に、光架橋性樹脂層除去液を供給して開口部の光架橋性樹脂層を除去する工程である発明(4)では、パターン露光等の手段を用いずに、予め作製された開口部を有するスクリーン印刷用マスクの品質を悪化させることなく、湿式処理によって簡便にかつ精度良く、セルフアライメントで開口部の光架橋性樹脂層を除去することができる。
以下、本発明の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法について詳細に説明する。電子基板上へのクリーム半田等のペースト材のスクリーン印刷を例に説明するが、本発明の趣旨に反しない限り、以下の例に限定されるものではない。
本発明(1)の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法について図1を用いて説明する。まず、複数の開口部2を有するスクリーン印刷用マスク1を準備する(図1(a))。次に光架橋性樹脂層3をスクリーン印刷用マスク1のプリント面に開口部2をふさぐように形成する(図1(b))。続いて、スクリーン印刷用マスク1の開口部2の光架橋性樹脂層をセルフアライメントで位置ずれなく除去する(図1(c))。次に、厚み増加領域100に任意の方法で露光処理20を行い、厚み増加領域100の光架橋性樹脂層3を硬化させ、硬化光架橋性樹脂層4を形成する(図1(d))。この際、開口部2の光架橋性樹脂層はすでに除去されているため、厚み増加領域全体を、開口部2も含めて露光することができ、図7(c)で示したような寸法精度の正確なフォトマスクの準備や、その位置合わせ作業は不要となる。次に現像処理を行って、未硬化の光架橋性樹脂層3の除去を行って、部分的に開口部の厚みを変えた段差付きスクリーン印刷用マスクが、開口部の位置ずれなく精度良くできあがる(図1(e))。
本発明に係わるスクリーン印刷用マスクは、片面にペースト材をのせ、スキージで掻き寄せることでペースト材を被印刷基板に転写することができるものであれば、いずれの方式で作製したスクリーン印刷用マスクであっても使用することができる。エマルジョン型スクリーン印刷用マスク、ソリッドマスク、サスペンドマスク、メタルマスク(エッチング法、レーザ法、アディティブ法、機械加工法)等、いずれのものも使用可能である。また、例えば、段差付きスクリーン印刷用マスク(本発明の方法で作製したものも含む)をスクリーン印刷用マスクとして用い、更に光架橋性樹脂層を付与して、部分的に厚みを変更することもできる。
また、スクリーン印刷用マスクの開口部のパターンについても特に制限はなく、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、菱形、台形等の四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等の多角形、その他、ひょうたん形、ダンベル形等の不定形等が挙げられる。
本発明に係わる光架橋性樹脂層としては、光照射前には、光架橋性樹脂層除去液に対して可溶であり、光照射後に硬化し、光架橋性樹脂層除去液に不溶もしくは難溶となるものであればいずれのものも使用可能である。カルボキシル基を含有するバインダーポリマー、分子内に少なくとも1個の重合可能なエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、及び、光重合開始剤を含むことが好ましい。カルボキシル基を含有するバインダーポリマーとしては、光重合性化合物と共に光架橋可能な重合体であればよく、特に制限されないが、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂の有機高分子が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、光架橋性樹脂層除去液にアルカリ水溶液を用いた場合、樹脂層除去液への溶解性が高いことから、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリレートを主成分とし、これにエチレン性不飽和カルボン酸及びその他の共重合可能なエチレン性不飽和基を有する単量体(以下、重合性単量体という)を共重合させてなるアクリル系重合体であればより好ましい。
光架橋性樹脂層として、市販の回路形成用ドライフィルムや、ソルダーレジスト形成用ドライフィルム、感光性ポリイミドフィルム、スクリーン印刷用直間法フィルム等の光架橋性樹脂フィルムの光架橋性樹脂層も使用可能である。
本発明に係わる光架橋性樹脂層には、必要に応じて、上記以外の成分を含有させてもよい。このような成分としては、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤(染料、顔料)、光発色剤、熱発色防止剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱硬化剤、表面張力調整剤、撥水剤及び撥油剤等が挙げられ、各々0.01〜20質量%程度含有することができる。これらの成分は1種を単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に係わる光架橋性樹脂層は、必要に応じて、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル等のエステル類、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶剤又はこれらの混合溶剤を含有してもよい。
本発明に係わる光架橋性樹脂層の厚みt(図1参照)は、スクリーン印刷用マスクに対して、どの程度の厚みを増加させるかによって決めることができ、1〜200μmであるのが好ましく、さらに好ましくは5〜100μmの範囲で調整可能である。この光架橋性樹脂層の厚みは、印刷すべき被印刷基板に対して、厚み増加領域において、適正な転写量のペースト材が転写印刷されるように、スクリーン印刷用マスクの板厚を考慮して決定される。
本発明に係わる光架橋性樹脂層のラミネートとは、すでにシート状に形成されている光架橋性樹脂層シートを用いて、スクリーン印刷用マスクのプリント面に圧着させることをいう。密着性が確保され、かつ、熱や圧力によってスクリーン印刷用マスクに歪みが発生することがなく、均一な厚みでのラミネートができるのであれば、いずれの方法でも使用可能である。好ましくは、熱ロールを用いてラミネートを行う。温度は、40〜150℃、より好ましくは、60〜120℃である。圧力は、熱ロールでのラミネートの場合には、線圧力で、1〜100N/cmの範囲、より好ましくは5〜50N/cmの範囲である。このラミネート工程により、開口部を有するスクリーン印刷用マスクのプリント面に厚みの均一な光架橋性樹脂層を良好に形成することが可能となる。
本発明の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法において、開口部の光架橋性樹脂層は位置合わせの作業を必要としないセルフアライメントで除去される。本発明の樹脂付きスクリーン印刷用マスクの作製方法におけるセルフアライメントで除去するとは、位置合わせの作業をせずに、開口部の樹脂層の除去を行う事をいう。開口部を有するスクリーン印刷用マスクの開口形状を基準として、ラミネートした樹脂層の開口部の除去を行う。除去方法としては、樹脂層除去液による湿式処理を用いる。湿式処理を用いる事で、スクリーン印刷用マスクの厚み、寸法の大小にかかわらず、良好に均一に樹脂層の除去を生産性良く行う事ができる。開口部を有するスクリーン印刷用マスクの開口部形状を基準として、ラミネートした光架橋性樹脂層の開口部の除去を行う。除去方法としては、光架橋性樹脂層除去液による湿式処理を用いる。湿式処理を用いることで、スクリーン印刷用マスクの板厚、寸法の大小にかかわらず、良好かつ均一に高い生産性で光架橋性樹脂層の除去を行うことができる。セルフアライメントで除去された光架橋性樹脂層の開口部は、スクリーン印刷用マスクの開口部形状に対して、重心位置のずれを少なくすることができる。重心位置のずれ(図9(a)の距離X)は5μm以内、好ましくは3μm以内とすることができる。
厚み増加領域の露光に関しては、厚み増加領域の光架橋性樹脂層の硬化が行われて、光架橋性樹脂層除去液に不溶もしくは難溶になるものであれば、いずれの露光方式、露光量も可能である。光源としては、各種レーザ光源の他、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。露光量は、5mJ/cm2から1J/cm2の範囲、好ましくは50mJ/cm2から1J/cm2の範囲である。また、後述のように追加の照射によって、ペースト材やスクリーン印刷工程での洗浄液に対する耐久性を向上させる効果も期待できる。
図2に示すように、厚み増加領域100以外の領域の光架橋性樹脂層3に光が当たらないように遮光板41等で遮光した状態で全面に露光処理20をおこなっても良いし(図2(a))、また、光源の光線を平行光もしくは疑似平行光として露光処理20を行い、厚み増加領域100内のみに光が当たるようにしても良い(図2(b))。また、厚み増加領域100以外の開口部を遮光板41で遮光した状態で、スキージ面から露光処理20を行って、プリント面の回り込みの露光によって厚み増加領域の光架橋性樹脂層3の露光を行っても良い(図2(c))。いずれにしても、簡便な遮光もしくは露光の手段により、精度良く厚み増加領域100を形成することができる。厚み増加領域100の外周の境界の位置ずれは印刷性には大きな影響を及ぼさない。
また、境界領域の露光をぼやかして、漏れ光を利用することで、図2(d)に示すように、厚み増加領域とそれ以外の領域との境界部分の硬化光架橋性樹脂層エッジ部にテーパー43を形成しても良い。境界領域の露光をぼやかして、漏れ光を利用するには、厚み増加領域(露光領域)から遮光領域へかけて徐々に露光量が減るような構成にできればいずれの方法でも可能であるが、例えば、図2(a)において、遮光板41と光架橋性樹脂層3との間の隙間を広げることにより実施できる。すなわち漏れ光を利用することで、厚み増加領域の境界領域において、硬度度合いが徐々に減少する領域ができ、すなわち、硬化光架橋性樹脂層の厚みも徐々低下することになり図2(d)に示すようなテーパー43が形成できる。テーパー43をつけることにより、印刷時(図8(b))のエッジ部にかかる負荷を軽減することができるため、段差付きスクリーン印刷用マスクの変形や損傷等の危険性を低減でき、好ましい。
発明(1)において、開口部の光架橋性樹脂層をセルフアライメントで除去する方法である発明(2)を図3で説明する。開口部2を有するスクリーン印刷用マスク1(図3(a))に光架橋性樹脂層3をラミネートにより形成した後(図3(b))、スキージ面側から光架橋性樹脂層除去液を供給して開口部2の光架橋性樹脂層3を除去する(図3(c))。光架橋性樹脂層除去液の供給に先立って、光架橋性樹脂層3のプリント面側にはマスキング層31を設ける必要があり、開口部以外の領域の光架橋性樹脂層3は、マスキング層31があるために除去されることはない。続いて、マスキング層31を除去する(図3(d))。
マスキング層31は、光架橋性樹脂層3をラミネートした後に形成することもできるが、あらかじめ、光架橋性樹脂層3と一体として形成しておき、ラミネートによって、光架橋性樹脂層3と共にスクリーン印刷用マスク1に熱圧着する方法が、生産性の点からも好ましい。
本発明に係わる光架橋性樹脂層除去液としては、光架橋性樹脂層を溶解又は分散可能な液であり、使用する光架橋性樹脂層の組成に見合った液を使用する。光架橋性樹脂層除去液は、マスキング層及び光架橋性樹脂層開口用電着樹脂層(本発明(3)の場合、詳細後述)を溶解しない液か、あるいは、マスキング層及び光架橋性樹脂層開口用電着樹脂層を溶解する液であっても、光架橋性樹脂層を適正量分だけ溶解する条件において、マスキング層及び光架橋性樹脂層開口用電着樹脂層が膨潤したり、形状が変化したりすることがない液を使用する。また、スクリーン印刷用マスクに対しても、溶解や膨潤、形状変化等を起こさせない光架橋性樹脂層除去液を使用する。一般的には、アルカリ水溶液が有用に使用され、例えば、ケイ酸アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸化物、リン酸又は炭酸アルカリ金属塩、リン酸又は炭酸アンモニウム塩等の無機塩基性化合物の水溶液、エタノールアミン、エチレンジアミン、プロパンジアミン、トリエチレンテトラミン、モルホリン等の有機塩基性化合物を使用することができる。光架橋性樹脂層除去液は、ディップ処理装置、両面シャワースプレー装置、片面シャワースプレー装置等を利用することができる。光架橋性樹脂層の除去は、光架橋性樹脂層除去液による処理に続いて、水洗や酸処理を行うことによって、速やかに停止させることができる。
光架橋性樹脂層除去液として2種類の液の組み合わせ(光架橋性樹脂層除去液A及び光架橋性樹脂層除去液B)を用いて、2段階処理を行って光架橋性樹脂層の除去を行うことができる。まず、光架橋性樹脂層除去液Aで処理を行うと、光架橋性樹脂層成分はミセルを形成した後で不溶化し、光架橋性樹脂層除去液A中に溶解拡散することが防止される。次いで、光架橋性樹脂層除去液Bを供給すると、不溶化されたミセルが溶解再分散されて、光架橋性樹脂層が除去される。このようにして光架橋性樹脂層の除去を行うと、より均一に開口がなされる。
光架橋性樹脂層除去液Aとしては、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物のうち少なくともいずれか1種を含み、無機アルカリ性化合物の含有量が5〜20質量%である水溶液が好適に用いられる。光架橋性樹脂層除去液Aの無機アルカリ性化合物の含有量は、より好ましくは7〜20質量%、さらに好ましくは10〜20質量%である。無機アルカリ性化合物の含有量が5質量%未満では、ミセルが不溶化し難く、光架橋性樹脂層除去液A中でミセルが溶解拡散しやすくなってしまうことがある。また、20質量%を超えると、析出が起こりやすく、液の経時安定性、作業性に劣る。光架橋性樹脂層処理液AのpHは9〜13の範囲とすることが好ましい。また、界面活性剤、消泡剤等を適宜添加することもできる。
光架橋性樹脂層除去液Bとしては、光架橋性樹脂層除去液Aの処理で生成した不溶化ミセルを溶解再分散させ、かつ、溶解再分散後は、光架橋性樹脂層除去液Bのみによる処理ではそれ以上、絶縁性光架橋性樹脂層の除去が進行しないか、もしくは進行しにくい液であればいずれの液も使用可能である。好ましくは、水または、pH6〜10の範囲の酸またはアルカリ性の水溶液が好適に用いられる。また、界面活性剤、消泡剤等を適宜添加することもできる。
本発明において、光架橋性樹脂層を除去するための処理条件(温度、スプレー圧、時間)は、光架橋性樹脂層の溶解の程度に合わせて適宜調整される。具体的には、処理温度は10〜50℃、より好ましくは15〜40℃、さらに好ましくは15〜35℃である。また、両面シャワースプレー装置、または片面シャワースプレー装置を使用する場合、スプレー圧は0.05〜0.5MPaとするのが好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.3MPaである。
発明(2)で用いることができるマスキング層としては、光架橋性樹脂層除去液に対して不溶性又は難溶性である樹脂や金属等を使用することができる。樹脂としては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラールの様なビニルアセタール樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン及びその塩化物、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンイソフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル変性アルキッド樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエステル誘導体等の樹脂が利用できる。汎用性の点から、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等を好適に使用することができる。金属としては、銅やアルミニウム等を使用できる。マスキング層としては、簡便性や面内膜厚の均一性の点から金属よりも樹脂を用いるのがより好ましい。マスキング層は、フィルム形状として、光架橋性樹脂層と一体化して基板上に形成するようにすれば、工程上、簡便で安定に光架橋性樹脂層とマスキング層の形成ができるので好ましい。アルカリ水溶液を光架橋性樹脂層除去液として使用する場合、マスキング層の酸価は、光架橋性樹脂層の酸価の十分の一以下、好ましくは百分の一以下である樹脂を好適に使用することができる。
発明(1)において、開口部の光架橋性樹脂層をセルフアライメントで除去する別の方法である発明(3)を図4で説明する。開口部2を有するスクリーン印刷用マスク1(図4(a))に光架橋性樹脂層3をラミネートにより形成した後(図4(b))、プリント面側から荷電樹脂粒子の電着を行い、光架橋性樹脂層開口用電着樹脂層33を形成する(図4(c))。
光架橋性樹脂層開口用電着樹脂層33は、スクリーン印刷用マスクのプリント面の光架橋性樹脂層に対向するように現像電極を設置し、スクリーン印刷用マスクのプリント面と現像電極との間に荷電樹脂粒子を分散させた液を充填し、適正な電界を現像電極とスクリーン印刷用マスクとの間に印加することで、荷電樹脂粒子をスクリーン印刷用マスクのプリント面の光架橋性樹脂層に電着させて、形成することができる。現像電極に印加する電圧をバイアス電圧と称する。
荷電樹脂粒子は、非開口部の表面に向かってより大きな電界を受け、非開口部の光架橋性樹脂層3表面の荷電樹脂粒子付着量が、開口部2の光架橋性樹脂層3表面の荷電樹脂粒子付着量よりも多くなる。電着条件(荷電樹脂粒子の電荷及び印加電圧、処理時間、樹脂粒子分散液供給量等)を制御することで、荷電樹脂粒子付着量をコントロールすることができる。開口部2の光架橋性樹脂層3表面では、光架橋性樹脂層3が完全に被覆されない不十分な荷電樹脂粒子付着量とし、非開口部の光架橋性樹脂層3表面では、光架橋性樹脂層3を完全に被覆するのに十分な量の樹脂粒子付着量が得られるように設定する。その結果、光架橋性樹脂層除去液を供給することにより、光架橋性樹脂層開口用電着樹脂層33によって覆われていない開口部2の光架橋性樹脂層3のみ除去される(図4(d))。その後、光架橋性樹脂層開口用電着樹脂層33を除去しても良い(図4(e))。
発明(3)に用いられる荷電樹脂粒子は、正または負に帯電した樹脂製の粒子で、液体に分散させた状態で電着される。液体としては、水や電気絶縁性液体を使用することができる。水を使用した場合、荷電樹脂粒子は、適当な酸価を有する高分子を主成分とし、有機アミン等で中和されて、水中において帯電したコロイド粒子を形成する。電気絶縁性液体を使用した場合、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラールの様なビニルアセタール樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびその塩化物、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンイソフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル変性アルキッド樹脂、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエステル誘導体等の樹脂が、粒子状態で電気絶縁性液体中に分散されている。樹脂粒子には電荷制御剤を含有させることができ、その荷電は、電着時のバイアス電圧の正負に応じて正、負を使い分ける必要がある。このような電気絶縁性液体中に荷電樹脂粒子を分散させた液としては、電子写真用湿式トナーを好適に用いることができる。
発明(3)に係わる光架橋性樹脂層開口用電着樹脂層は、光架橋性樹脂層除去液に対して不溶性または難溶性であり、電着法に使用可能な樹脂であればいずれであってもよい。開口部の光架橋性樹脂層上は被覆せずに、開口部以外の光架橋性樹脂層上には緻密な光架橋性樹脂層開口用電着樹脂層を形成させるためには、荷電樹脂粒子の粒子径は0.1〜5μmの範囲が好ましい。0.1μm未満であると、電着に時間がかかり、開口部以外の光架橋性樹脂層上への付着量が少なくなり、また、5μmより大きいと、開口部の光架橋性樹脂層への付着が早くなり、いずれの場合も、開口部の光架橋性樹脂層を被覆せずに、開口部以外の光架橋性樹脂層上に緻密な光架橋性樹脂層開口用電着樹脂層を形成させることが難しくなる場合がある。
発明(1)において、開口部の光架橋性樹脂層をセルフアライメントで除去する別の方法である発明(4)を図5で説明する。開口部2を有するスクリーン印刷用マスク1(図5(a))に光架橋性樹脂層3をラミネートにより形成した後(図5(b))、開口部2の光架橋性樹脂層3を薄膜化させる(図5(c))。次に光架橋性樹脂層除去液を供給して、薄膜化された開口部2の光架橋性樹脂層3の除去を行う(図5(d))。
光架橋性樹脂層の薄膜化は、熱処理、加圧処理、減圧処理等によって行うことができる。熱処理の場合では、光架橋性樹脂層の種類にもよるが、40〜150℃、より好ましくは、60〜120℃で処理を行う。また、熱処理で薄膜化を行う際に、スキージ面にも光架橋性樹脂層やマスキングテープ等をラミネートして、開口部内の空気を密閉状態とし、その空気の熱膨張を利用して、開口部の光架橋性樹脂層を薄膜化することもできる。開口部の光架橋性樹脂層の膜厚を薄くした後に光架橋性樹脂層除去液による処理を行うことで、開口部の光架橋性樹脂層を除去することができる。光架橋性樹脂層除去液は、プリント面から供給しても良いし、スキージ面から供給しても良い。
本発明の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法では、厚み増加領域以外の光架橋性樹脂層の除去を行った後に、紫外線照射処理や加熱処理により耐性化処理を施すことで、ペースト材やスクリーン印刷工程での洗浄液に対する耐久性を向上させることができる。紫外線照射処理は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の光源を用いて活性光を照射する。光量は、0.5〜20J/cm2であることが好ましく、1〜10J/cm2であることがより好ましい。光量が0.5J/cm2未満では、樹脂層中の光重合性化合物に未反応の不飽和基が残存し、十分な硬度の樹脂層が得られない傾向がある。一方、20J/cm2を超えると、樹脂層中の光架橋反応は飽和に達するため、これ以上の光量は不要である。
また、紫外線照射処理の後に加熱処理による耐性化処理を施すことによって、さらに耐久性を向上させることもできる。加熱処理は、光架橋性樹脂中に微量に残存した未反応の光重合性化合物の蒸発を促し、他方では、架橋反応も進行し、さらに高密度な三次元架橋を形成させることができる。加熱温度は、120〜180℃であるのが好ましく、150〜180℃であるのがさらに好ましい。加熱時間は、10〜90分間行うのが好ましい。
また、図においては、メタルマスク等のメッシュ層を有しないスクリーン印刷用マスクでの例を説明したが、メッシュ層を有するスクリーン印刷用マスクを用いた場合も同様にして、段差付きスクリーン印刷用マスクを作製することができる。
本発明に段差付きスクリーン印刷用マスクは、いかなるスクリーン印刷にも使用することが可能であるが、通常は、剛性のある枠に取り付けて用いられる。例えば、剛性のある金属製の枠にまずメッシュ(紗)を貼り付け、そのメッシュの中央部に、段差付きスクリーン印刷用マスクのプリント面と反対側のスキージ面の外周部を接着剤によって貼り付ける。続いて、接着部以外の内側のメッシュを切り取ることによって、枠付きのスクリーン印刷用マスクを作製することができる。また、本発明の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法では、枠にすでに取り付けられた状態のスクリーン印刷用マスクを用いて、段差付きスクリーン印刷用マスクを作製することもできる。
(実施例1)
板厚80μmのステンレス板(SUS304)に、YAGレーザを用いて、厚み増加領域においては開口径300μmの円形開口部を複数個形成し、厚み増加領域以外においては開口径100μmの円形開口部を複数個形成し、スクリーン印刷用マスクとしてレーザ法によるメタルマスクを作製した。このメタルマスクにラミネータを用いて、表1に示す成分よりなる光架橋性樹脂層(膜厚30μm)及び25μmのマスキング層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムをメタルマスクのプリント面に熱圧着し、光架橋性樹脂層及びマスキング層(支持体フィルム)を形成した。
Figure 0004825785
次に、光架橋性樹脂層除去液Aとして、10質量%炭酸ナトリウム水溶液(25℃)を、光架橋性樹脂層除去液Bとして水を、順にシャワースプレーでメタルマスクのスキージ面側より当てて、開口部の光架橋性樹脂層の除去を行った。その後、マスキング層の除去を行った。続いて、厚み増加領域以外の領域を遮光した状態で、紫外線照射(1J/cm2)を行い、その後、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)で処理を行って、厚み増加領域以外の光架橋性樹脂層の除去を行い、段差付きスクリーン印刷用マスクを得た。その後、紫外線処理(1J/cm2)及び加熱処理(160℃、1時間)を行い、耐洗浄液性を向上させた。
できあがった段差付きスクリーン印刷用マスクを顕微鏡にて観察したところ、厚み増加領域内の開口部周辺に位置ずれなく、光架橋性樹脂層が形成されていた。厚みを計測したところ、厚み増加領域の開口部の厚みが110μm、厚み増加領域以外の開口部の厚みが80μmであった。
(実施例2)
スクリーン印刷用マスクとして、実施例1と同様にしてレーザ法によるメタルマスクを作製した。このメタルマスクにラミネータを用いて、表1に示す成分よりなる光架橋性樹脂層(膜厚30μm)及び25μmのマスキング層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムをメタルマスクのプリント面に熱圧着し、光架橋性樹脂層及びマスキング層(支持体フィルム)を形成した。
続いて、マスキング層の除去を行った後、荷電樹脂粒子を分散させた電子写真用湿式トナーを用いてプリント面の光架橋性樹脂層に電着を行った。現像電極をプリント面に対向して設置し、プリント面と現像電極との間に電子写真用湿式トナーを充満させ、メタルマスクに対して50Vの電界を現像電極に印加して、プリント面へ荷電樹脂粒子の電着を行った。開口部以外の光架橋性樹脂層上への光架橋性樹脂層開口用電着樹脂層の厚みは1μmであった。その後加熱して光架橋性樹脂層開口用電着樹脂層をフィルム化し、プリント面側から光架橋性樹脂層除去液(1質量%炭酸ナトリウム水溶液(25℃))をシャワースプレーにより供給し、開口部の光架橋性樹脂層の除去を行った。
続いて、厚み増加領域以外を遮光した状態で、紫外線照射(1J/cm2)を行った。その後、光架橋性樹脂層開口用電着樹脂層を研磨により除去した後、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)で処理を行って、厚み増加領域以外の光架橋性樹脂層の除去を行い、段差付きスクリーン印刷用マスクを得た。その後、紫外線処理(1J/cm2)及び加熱処理(160℃1時間)を行い、耐洗浄液性を向上させた。
できあがった段差付きスクリーン印刷用マスクを顕微鏡にて観察したところ、厚み増加領域内の開口部周辺に位置ずれなく、光架橋性樹脂層が形成されていた。厚みを計測したところ、厚み増加領域部の開口部の厚みが110μm、厚み増加領域以外の領域の開口部の厚みが80μmであった。
(実施例3)
スクリーン印刷用マスクとして、実施例1と同様にしてレーザ法によるメタルマスクを作製した。このメタルマスクにラミネータを用いて、表1に示す成分よりなる光架橋性樹脂層(膜厚35μm)及び25μmのマスキング層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムをメタルマスクのプリント面に熱圧着し、光架橋性樹脂層及びマスキング層(支持体フィルム)を形成した。また、メタルマスクのスキージ面に光架橋性樹脂層(膜厚5μm)及び25μmのマスキング層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムを熱圧着した。
次に、室温25℃に放置した後に、80℃に上昇させることで、光架橋性樹脂層の樹脂を軟化させると同時に、開口部内の空気を膨張させ、開口部の光架橋性樹脂層の厚みを薄膜化させた。続いて、両面のマスキング層の除去を行った。スキージ面及びプリント面の開口部の光架橋性樹脂層の厚みを測定したところ、3μmと薄膜化していた。
次いで、光架橋性樹脂層除去液(1質量%炭酸ナトリウム水溶液(25℃))をプリント面とスキージ面両側からシャワースプレーにより供給し、スキージ面の光架橋性樹脂層及びプリント面の開口部の光架橋性樹脂層の除去を行った。プリント面の光架橋性樹脂層の厚みは30μmとなっていた。
続いて、スキージ面側より、紫外線照射(10J/cm2)を行った。ただし、その際、厚み増加領域以外の開口部のスキージ面側には遮光フィルムをおいて、厚み増加領域以外の光架橋性樹脂層は硬化しないようにした。また、開口部を通った紫外線が厚み増加領域以外まで回り込まないようにするため、プリント面側に遮光板を設置した。ただし、厚み増加領域の開口部周辺には光が回り込むようにするため、プリント面と遮光板との間に200μmの間隙をつくって配置した。
続いて、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)で処理を行って、厚み増加領域以外の光架橋性樹脂層の除去を行い、段差付きスクリーン印刷用マスクを得た。その後、加熱処理(160℃1時間)を行い、耐洗浄液性を向上させた。
できあがった段差付きスクリーン印刷用マスクを顕微鏡にて観察したところ、厚み増加領域内の開口部周辺に位置ずれなく、光架橋性樹脂層が形成されていた。厚みを計測したところ、厚み増加領域部の開口部の厚みが110μm、厚み増加領域以外の領域の開口部の厚みが80μmであった。
(実施例4)
実施例1で作製した段差付きスクリーン印刷用マスクをスクリーン印刷用マスクとして用い、新たに表1に示す成分よりなる光架橋性樹脂層(膜厚20μm)及び25μmのマスキング層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムをプリント面に熱圧着し、光架橋性樹脂層及びマスキング層(支持体フィルム)を形成した。
次に、光架橋性樹脂層除去液Aとして、10質量%炭酸ナトリウム水溶液(25℃)を、光架橋性樹脂層除去液Bとして水を、それぞれシャワースプレーでメタルマスクのスキージ面側より当てて、開口部の光架橋性樹脂層の除去を行った。その後、マスキング層の除去を行った。
続いて、厚み増加領域として、追加厚み増加領域を設け、その追加厚み増加領域以外を遮光した状態で、紫外線照射(1J/cm2)を行い、その後、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)で処理を行って、追加厚み増加領域以外の光架橋性樹脂層の除去を行い、段差付きスクリーン印刷用マスクを得た。その後、紫外線処理(1J/cm2)及び加熱処理(160℃1時間)を行い、耐洗浄液性を向上させた。
できあがった段差付きスクリーン印刷用マスクの概略図を図6(b)に示す。図6(a)には、本実施例で使用したスクリーン印刷用マスク1’(実施例1で作製)を示す。本実施例での厚み増加領域(追加厚み増加領域101)に更に20μmの硬化光架橋性樹脂層4’が形成されている。顕微鏡にて観察したところ、追加厚み増加領域101内の開口部周辺に位置ずれなく、硬化光架橋性樹脂層4’が形成されていた。厚みを計測したところ、80μm(領域a)、100μm(領域b)、110μm(領域c)、130μm(領域d)の4種類の厚みを持った良好な段差付きスクリーン印刷用マスクが得られた。
(比較例)
スクリーン印刷用マスクとして、実施例1と同様にしてレーザ法によるメタルマスクを作製した。このメタルマスクにラミネータを用いて、表1に示す成分よりなる光架橋性樹脂層(膜厚30μm)及び25μmのマスキング層(支持体フィルム、材質:ポリエステル)で形成された樹脂フィルムをメタルマスクのプリント面に熱圧着し、光架橋性樹脂層及びマスキング層(支持体フィルム)を形成した。
次に、厚み増加領域内の開口部及び厚み増加領域以外の領域を遮光部とするフォトマスクを製作し、メタルマスクのプリント面側に重ね合わせ、ずれをできるだけ少なくするように位置あわせを行った後、紫外線照射(1J/cm2)を行った。その後、マスキング層を除去した後、光架橋性樹脂層除去液(1質量%炭酸ナトリウム水溶液(25℃))により処理を行い、未照射部の光架橋性樹脂層の除去を行って、段差付きスクリーン印刷用マスクを得た。その後、紫外線処理(1J/cm2)及び加熱処理(160℃1時間)を行い、耐洗浄液性を向上させた。
できあがった段差付きスクリーン印刷用マスクを顕微鏡にて観察したところ、厚み増加領域内の開口部周辺に硬化光架橋性樹脂層の位置ずれが見られた。位置ずれの大きな所では50μmものずれが見られた。厚みを計測したところ、厚み増加領域部の開口部の厚みが110μm、厚み増加領域以外の領域の開口部の厚みは80μmであった。
本発明の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法は、各開口部に異なる厚みを持つことを必要とする広範なスクリーン印刷の用途に適用可能であり、例えば、ペースト材として、導電性材料、絶縁性材料、色材、封止材料、接着材料、レジスト材料、処理薬剤等を、スクリーン印刷によって任意の基材上にパターン形成を行う用途に適用可能である。
本発明の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法を表す断面図。 本発明の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法を表す断面図。 本発明の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法を表す断面図。 本発明の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法を表す断面図。 本発明の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法を表す断面図。 本発明の段差付きスクリーン印刷用マスクを表す断面図。 従来の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法を表す断面図。 段差付きスクリーン印刷用マスクを用いたスクリーン印刷工程の説明図。 スクリーン印刷用マスクの開口部と硬化光架橋性樹脂層の開口部とのずれを表す説明図。
符号の説明
1 スクリーン印刷用マスク
1’ 実施例4で使用したスクリーン印刷用マスク
2 開口部
3 光架橋性樹脂層
4 硬化光架橋性樹脂層
4’ 実施例4で形成した硬化光架橋性樹脂層
5 被印刷基板
7 スキージ
8 ペースト材
10 フォトマスク
18 スクリーン印刷用マスクの開口部の重心位置
19 スクリーン印刷用マスクの開口部のエッジ部
20 露光処理
28 光架橋性樹脂層の開口部の重心位置
29 光架橋性樹脂層の開口部のエッジ部
31 マスキング層
33 光架橋性樹脂層開口用電着樹脂層
41 遮光板
43 テーパー
100 厚み増加領域
101 追加厚み増加領域

Claims (4)

  1. 厚みの異なる開口部を有する段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法において、スクリーン印刷用マスクのプリント面に光架橋性樹脂層をラミネートする工程、開口部の光架橋性樹脂層をセルフアライメントで除去する工程、パターン露光及び現像を行って厚み増加領域以外の光架橋性樹脂層の除去を行う工程を含むことを特徴とする段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法。
  2. 開口部の光架橋性樹脂層をセルフアライメントで除去する工程が、スキージ面から光架橋性樹脂層除去液を供給して開口部の光架橋性樹脂層を除去する工程である請求項1記載の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法。
  3. 開口部の光架橋性樹脂層をセルフアライメントで除去する工程が、開口部以外の光架橋性樹脂層の上に更に光架橋性樹脂層開口用電着樹脂層を形成した後に、プリント面側から光架橋性樹脂層除去液を供給して開口部の光架橋性樹脂層を除去する工程である請求項1記載の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法。
  4. 開口部の光架橋性樹脂層をセルフアライメントで除去する工程が、開口部の光架橋性樹脂層を薄膜化させた後に光架橋性樹脂層除去液を供給して開口部の光架橋性樹脂層を除去する工程である請求項1記載の段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法。
JP2007328548A 2007-12-20 2007-12-20 段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法 Expired - Fee Related JP4825785B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007328548A JP4825785B2 (ja) 2007-12-20 2007-12-20 段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007328548A JP4825785B2 (ja) 2007-12-20 2007-12-20 段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009151069A JP2009151069A (ja) 2009-07-09
JP4825785B2 true JP4825785B2 (ja) 2011-11-30

Family

ID=40920275

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007328548A Expired - Fee Related JP4825785B2 (ja) 2007-12-20 2007-12-20 段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4825785B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101891949B1 (ko) * 2010-09-28 2018-08-27 미쓰비시 세이시 가부시키가이샤 솔더 레지스트 패턴의 형성 방법
WO2012115006A1 (ja) * 2011-02-21 2012-08-30 シャープ株式会社 スクリーンおよび太陽電池の製造方法
WO2013042241A1 (ja) * 2011-09-22 2013-03-28 三洋電機株式会社 光起電力装置の製造方法
JP6202123B2 (ja) * 2016-03-18 2017-09-27 東京プロセスサービス株式会社 スクリーン印刷版の製造方法
CN110225652A (zh) * 2019-07-08 2019-09-10 上海朗骥电子科技有限公司 一种元器件内置型电路板用印刷金属板及其应用
EP3839626B1 (fr) * 2019-12-18 2023-10-11 Nivarox-FAR S.A. Procede de fabrication d'un composant horloger

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1142867A (ja) * 1997-07-28 1999-02-16 Process Lab Micron:Kk スクリーン印刷用マスク、その製造方法および使用方法
JP3085661B2 (ja) * 1997-10-09 2000-09-11 株式会社ナカニシ バーホルダー
WO2007083606A1 (ja) * 2006-01-23 2007-07-26 Sharp Kabushiki Kaisha 印刷用マスクおよびこれを用いた太陽電池の製造方法
JP2008162197A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Murakami:Kk スクリーンマスクおよびその製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009151069A (ja) 2009-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5084723B2 (ja) 樹脂付きスクリーン印刷用マスクの製造方法および樹脂付きスクリーン印刷用マスク
JP4825785B2 (ja) 段差付きスクリーン印刷用マスクの作製方法
WO2014199890A1 (ja) 配線基板の製造方法
US20070181994A1 (en) Circuit board manufacturing method and circuit board
JP2005268797A (ja) テープ配線基板の製造方法
JP2011192692A (ja) ソルダーレジストパターンの形成方法
KR102076479B1 (ko) 배선 기판의 제조 방법
KR20200000700U (ko) 프린트 배선판
JP5255545B2 (ja) ソルダーレジストの形成方法
JP2009107208A (ja) スクリーン印刷用マスク及びスクリーン印刷用マスクの作製方法
KR20140005664U (ko) 프린트 배선판
JP2009241301A (ja) スクリーン印刷用マスク
JP2006259095A (ja) 光架橋性樹脂組成物
JP6603155B2 (ja) ソルダーレジストパターンの形成方法
JP5249890B2 (ja) ソルダーレジストの形成方法
TWI675256B (zh) 阻焊劑圖型之形成方法
JP4676376B2 (ja) 回路基板の製造方法
JP5323442B2 (ja) パターン形成方法
JP2015206862A (ja) 感光性ポリイミドパターンの形成方法
JP2004214254A (ja) 電子写真方式によるプリント配線板の作製方法
JP3686717B2 (ja) はんだペースト印刷用マスク
JP2015015289A (ja) プリント配線板の製造方法
JP2017033989A (ja) ソルダーレジスト層の形成方法
JP5161841B2 (ja) 樹脂付きスクリーン印刷用マスクの作製方法
Barbucha et al. Laser direct imaging of the printed electrical circuits on PCB

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100520

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110819

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110830

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110912

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4825785

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140916

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees