JP2003307833A - 感光性樹脂組成物およびスクリーン印刷用版 - Google Patents

感光性樹脂組成物およびスクリーン印刷用版

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JP2003307833A JP2003035523A JP2003035523A JP2003307833A JP 2003307833 A JP2003307833 A JP 2003307833A JP 2003035523 A JP2003035523 A JP 2003035523A JP 2003035523 A JP2003035523 A JP 2003035523A JP 2003307833 A JP2003307833 A JP 2003307833A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高精細なパターンを形成すること
が可能なスクリーン印刷用版の製版に用いることが可能
な感光性樹脂組成物、および高精細なパターンの形成が
可能なスクリーン印刷用版を提供することを主目的とす
る。 【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、
アルカリ可溶性アクリル共重合体、多官能アクリルアク
リレートモノマー、熱により架橋する熱架橋性化合物、
および重合開始剤を有することを特徴とする感光性樹脂
組成物、および紗と、紗の隙間に充填され紗の表面を平
坦化させる平坦化層と、上記平坦化層の被印刷物側の表
面に形成されたバッククッション層とを有し、上記バッ
ククッション層の硬度が、針侵入硬度で30〜65の範
囲内であることを特徴とするスクリーン印刷用版を提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細パターンを形
成することが可能なスクリーン印刷用版およびこのスク
リーン印刷用版の製版に用いることが可能な感光性樹脂
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばスクリーン印刷用版の製版
用感光剤等の水現像可能な感光性材料として、多数の感
光性樹脂材料が提案されてきた。しかしながら、水現像
可能な感光性樹脂材料として用いられる基材樹脂は、親
水性基を備えた水溶性の樹脂が用いられるために、十分
な耐水性を備えた硬化画像が得られる感光性樹脂材料と
ならなかった。
【0003】特に、水現像可能な感光性樹脂材料中に
は、水現像性を良好なものとするために、水溶性の化合
物や界面活性剤、或いは、親水性基を持つ自己乳化可能
な化合物等が用いられている。その結果、現像の光硬化
後においても親水性基が残り、十分な耐水性を持たせる
ことはできなかった。
【0004】また、捺染用に用いる場合には、捺染糊に
含まれる顔料や染料の画像への染み込みが生じたり、反
応性染料を使用する場合には、画像を構成する水溶性ポ
リマーの水酸基と反応性染料との反応による画像の汚染
が生じるため、綺麗な染色を行ない難い等の問題を解消
することが難しかった。この様な欠点を改善するため
に、従来から硬化特性や耐水性の良い硬化剤として重ク
ロム酸塩類が多用されてきた。
【0005】さらに、一般的に感光性樹脂材料は安価で
引火性がなく、全工程が水処理できる等の利点のため、
カゼインやポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーの
水溶液に、該水溶性ポリマーに対して重クロム酸アンモ
ニウムを3〜15重量%添加して感光性をもたせた水溶
性のネガタイプのエッチング用レジストが使用されてい
る。またこれらのエッチング用レジストは、感光剤とし
て重クロム酸アンモニウム等の重クロム酸塩及び硬膜剤
として無水クロム酸を使用するため、強靭なレジスト硬
化膜を形成することができる。そのためレジスト膜はフ
ォトエッチング法によって量産化する高速エッチング条
件(例えば45%塩化第二鉄液、80℃20分間)にも
耐えることができる。しかしながら処理廃液中に含まれ
る六価クロムは有害物質であるため、排水基準も厳しく
規制されている。六価クロムを使用しない水溶性レジス
ト(以下ノークロム水溶性レジストと称する)として
は、例えば特公昭41−7100号、米国特許第269
2826号、特開平7−244374号公報を挙げるこ
とができ、これらにはカゼインとアジド化合物を含む感
光性組成物が開示されている。また、特公昭56−20
541号、特公昭57−6098号公報等にはポリビニ
ルアルコールとジアゾ樹脂を含む水溶性レジスト、及び
その硬膜剤や処理方法が提案されている。さらに、特公
昭54−12331号公報には側鎖にエチレン性不飽和
結合を有する水溶性アクリル系合成樹脂とアントラキノ
ンスルホン酸塩及び/又は水溶性アジド化合物を含む水
溶性レジストが、特開平10−3107号公報には側鎖
にエチレン性不飽和結合を有するポリビニルアルコール
と光重合開始剤を含む水溶性感光性組成物等が提案され
ているが、いずれも硬化保護膜が破壊されてしまうので
実用に至っていないのが現状である。
【0006】しかしながら、重クロム酸塩類を用いた感
光液や感光膜は、6価クロムに毒性が有り、工業的に使
用するためには、製版時の排水や使用済み製品の回収等
の環境破壊を十分に配慮して実施しなければならないた
めに、事実上工業的な実施が難しいのが現状である。さ
らに、ロータリースクリーンを用いた捺染においては、
その装置の性能上から、一段と優れた耐水性及び耐溶剤
性が要求されるため、現在でもポリ酢酸ビニルの鹸化
物、ポリ酢酸ビニルエマルジョン及び重クロム酸塩から
なる感光性樹脂組成物が用いられている。
【0007】一方、ジアゾ樹脂を用いた感光液や感光膜
は、上記重クロム酸塩類と同様に良好な耐水性及び耐溶
剤性を示すものが得られるが、ジアゾ樹脂を感光液に添
加した感光液や感光膜は経時変化が大きく、安定した品
質の硬化画像が得られ難いことから、感光液をスクリー
ンメッシュに塗布する直前にジアゾ樹脂を感光液に添加
しなければならなかった。
【0008】例えば、ジアゾ樹脂と感光液とを混合した
ものは、1週間で画像に影響を及ぼすこととなる。ま
た、ジアゾ樹脂と感光液との混合物を塗布後に乾燥させ
たものは、暗反応が起こるために、露光させなくても2
〜3週間で架橋反応が生じて画像に影響がある。従っ
て、感光液をスクリーンメッシュに塗布する毎に、感光
液に一定な割合のジアゾ樹脂を調合して添加しなければ
ならないため、製膜に時間がかかり作業性に劣る等の欠
点を有していた。さらに、より一層改良された耐水性に
優れる水現像可能な感光性樹脂組成物が求められてい
る。また、一般印刷に多用されているフラットスクリー
ン印刷においても、安全性や脱環境破壊の趨勢から、印
刷時に用いられるインキとして水性インキが使用される
傾向にあり、より一層の耐水性及び耐溶剤性に優れた感
光液や感光膜が求められるようになった。
【0009】また、従来の硬化保護膜形成用の感光性樹
脂は、露光後の現像において有機溶剤を使用するもので
あり、取り扱いおよび廃液処理の点で煩雑であり、経済
性、安定性に欠けるものであり、このような問題を解決
するために、光硬化性樹脂に酸性基を導入し、露光後の
現像をアルカリ現像とすることを可能とした光硬化性樹
脂が開発されている。そして、このようなアルカリ可溶
性光硬化性樹脂として、例えば重量平均分子量が約2,
000のo−クレゾールノボラックエポキシアクリレー
ト等が知られているが、アルカリ可溶性を規定するカル
ボン酸基、また、硬化性を規定するアクリロイル基をモ
ノマー単位として有することから樹脂中におけるカルボ
ン酸基やアクリロイル基の割合が一定となるものであ
る。
【0010】そこで、感光性樹脂組成物中のラジカル重
合性基密度向上のために、低分子多官能アルコールのア
クリロイル変性物質、例えば6官能アルコールであるジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)
などを多数導入することも考えられるが、粘度が低下し
すぎ、コーティング適性を損なうという問題があり、ま
た、スクリーン印刷用の版の製版に用いた場合には、著
しい硬化収縮の為に塗膜に亀裂が生じたり、紗や基材密
着不良を引き起こすという問題がある。
【0011】また、一般に(メタ)アクリロイル基等の
ラジカル反応性基を導入する方法として、例えばウレタ
ンアクリレートの調製方法としては、ジオール類にジイ
ソシアネートを反応させて、ジイソシアネート基を過剰
とすることで反応物の末端にイソシアネート基を残し、
このイソシアネート基を2−ヒドロキシルエチルメタク
リレートとを反応させ、末端にメタクロイル基等のラジ
カル重合性基を導入する方法が知られているが、導入さ
れるメタクロイル基は原理的には両末端にしか導入され
ない。さらに、(メタ)アクリロイル基を2個以上有す
る化合物を一部含有させてラジカル重合させる方法も考
えられるが、ラジカル反応性基の含有量を制御すること
はできず、また、ゲル化等の問題もある。
【0012】このように、光硬化性樹脂におけるカルボ
キシル基等のアルカリ可溶性基や(メタ)アクリロイル
基等のラジカル重合性基を、その硬化性、アルカリ可溶
性等を考慮して制御することは困難であり、また、感光
性樹脂組成物において、硬化性、水溶液可溶性と共にス
クリーン印刷用版の製版塗膜性にも優れるものは得られ
ていない。
【0013】一方、スクリーン印刷は、ポスター、プリ
ント配線、服地プリント、陶磁器やガラス製品、金属や
プラスチックへの印刷等、スクリーン印刷は多くの業界
で幅広く利用されている。その印刷方法は、へら状又は
棒状の部品であるスキージでインク等をステンシルスク
リーン等の網目に押し当て、通過させて、被印刷体の表
面にパターンを転写する印刷である。
【0014】さらにスクリーン印刷は、プリント回路基
板印刷等の精密印刷に用いられているが、近年、プリン
ト配線の高密度化に伴って、スクリーン印刷版による高
精細印刷技術の向上が要望されている。一般に、スクリ
ーン印刷用原版は、ナイロン、ポリエステル等の屈曲性
高分子からなる繊維等を製織してなるスクリーン紗を、
紗張り機を用いて四方に引張り、この引張った状態で該
スクリーン紗をアルミニウム製の固定枠に接着固定する
ことにより製造されるものである。
【0015】スクリーン印刷用原版において、紗張りさ
れたスクリーン紗は常時、当初のテンションを維持でき
る訳ではなく、時間の経過に伴い次第にテンションが低
下する。スクリーン紗の経時変化によるテンション落ち
は、或る時間の範囲だけ進行し、それ以後はほぼ安定す
るのが通常である。上記テンション落ちの度合いはスク
リーン紗の材質によって異なるが、スクリーン紗のテン
ション落ちの度合いが大きいと、印刷寸法精度が低下
し、且つ耐久性を劣化させるという問題がある。高精度
印刷を実現するためには、現状におけるスクリーン紗の
経時変化によるテンション落ちを極力最小なものに止め
る必要があるが、いまだ有効な解決策は提案されていな
い。このように、従来のスクリーン印刷版においては、
印刷寸法精度及び耐久性の点で未だ不充分であり、高精
度印刷に向けた技術開発が望まれている。
【0016】さらに従来、スキージの材料としてはウレ
タンゴム、シリコーンゴムが用いられていた。ウレタン
ゴムは、機械的強度、耐溶剤性に優れ、スキージに適し
た材料であるが、N−メチルピロリドン、ジメチルホル
ムアルデヒド等の高極性溶剤に対しては充分な耐溶剤性
を有しておらず、膨潤、硬度低下が大きく、N−メチル
ピロリドン、ジメチルホルムアルデヒド等を溶剤とする
インク、ペーストを用いるスクリーン印刷のスキージに
用いることはできなかった。
【0017】しかしながら、スクリーン印刷を用いた方
法では、ストライプパターンの微細化および高精度化の
ためには版構造を最適化する必要がある。さらにこれと
組み合わせるインク特に、インク組成とインキレオロジ
ーを最適化する必要がある。
【0018】版の構造として、メッシュが歪まないこと
およびスキージ圧による印刷時の紗ブリッジ構造を最適
化することが重要となるが、さらには微細なストライプ
パターンを形成するためには、メッシュ角度およびメッ
シュの開口率を上げる必要があり、引張り強度が強くか
つ細い線径のメッシュで構成する必要がある。しかし、
現状市販品のメッシュ構成の線径で、最小のものは限定
された特殊用途として18〜38μmで、現存する最小
線径である。さらには、この線径で紗構成し印刷圧およ
びスキージ等への耐刷力は限界となる因子が多く、同時
にインキに依存せざるを得ない。ただし、現状スクリー
ン印刷レベルでは印刷パターン面が大きくなればなるほ
どインキへの流動性制御の限界も生じ80〜100μm
が限界範囲とならざるを得ない。そこで新規な版構成お
よび紗構成の実現が必要となる。
【0019】ストライプパターンの大型化に対しては、
インキの排出限界がありこれをどう回避して断線のない
ストライプパターンを形成するかの課題が生じる。
【0020】インキの排出量を限界値に近づけると、イ
ンキを押し出す力のみならず紗には歪まない程度の弱い
印圧で印刷せねばならず、インキ排出量とのトレードオ
フが生じてパターン断線が生じる問題が起こる。
【0021】スキージに関しても、紗圧力および印圧と
の関係が生じ、最適な材料構成および製造条件が必要と
なる。特に最適な材料構成とするために、例えば通常用
いられることの多いウレタンゴムとしては、その機械的
強度、耐溶剤性等から、一般にエチレングリコールとア
ジピン酸とを重合することにより得られるポリエチレン
アジペートエステルをポリオール成分とし、ポリイソシ
アネートと反応させてなるウレタンが用いられている。
【0022】これに対し、特開昭59−129155号
広報及び特公平4−36859号公報では、耐溶剤性を
向上させ、使用インク中に各種溶剤に対して安定なスキ
ージを提供することを目的に、アジピン酸の代わりにコ
ハク酸を重合させたポリエステルを用いてなるスキージ
が提案されている。しかしながら、エチレングリコール
とコハク酸とを重合することにより得られるポリエステ
ルよりなるウレタンは、N−メチルピロリドン、ジメチ
ルホルムアルデヒド等に対しては充分な耐溶剤性を示さ
なかった。シリコーンゴムは、N−メチルピロリドン、
ジメチルホルムアルデヒド等の高極性溶剤を含む種々の
溶剤に対して、優れた耐溶剤性を示すが、機械的強度に
劣り、寿命が短いという問題点があった。
【0023】さらには、スクリーン紗の目転写の問題か
らインキパターンの断面形状としては表面凹凸をいかに
避けるかの課題が生じる。
【0024】さらに、ストライプパターンの両端面は、
メッシュ構成からくるメッシュ跡が印刷され、くびれ等
のシャギーが生じるため、いかにストレート性の高い高
精細パターンを実現させるかの課題が生じる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、高精細なパターンを形成
することが可能なスクリーン印刷用版の製版に用いるこ
とが可能な感光性樹脂組成物、および高精細なパターン
の形成が可能なスクリーン印刷用版を提供することを主
目的とするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、請求項1に記載するように、アルカリ可
溶性アクリル共重合体、多官能アクリルアクリレートモ
ノマー、熱により架橋する熱架橋性化合物、および重合
開始剤を有することを特徴とするスクリーン印刷用版製
版用の感光性樹脂組成物を提供する。
【0027】本発明においては、感光性樹脂組成物中に
熱により架橋する熱架橋性化合物を含有することから、
フォトマスク等を用いたパターン露光を行ない現像した
後に、さらに加熱処理を行うことにより、得られた感光
性高分子中に光による架橋の他に熱による架橋が形成さ
れる。したがって、例えば比較的厚い膜厚の層を形成す
る場合であっても、熱による架橋により十分な物性を有
する感光性高分子層をスクリーン印刷用版に形成するこ
とが可能となる。
【0028】上記請求項1に記載された発明において
は、請求項2に記載するように、上記熱により架橋する
熱架橋性化合物が、2官能以上のブロックイソシアネー
ト化合物であることが好ましい。このように2官能以上
のブロックイソシアネート化合物を用いることにより、
パターン露光後の現像時のきれがよく、シャープなパタ
ーンを形成することが可能であり、かつ得られる感光性
高分子層の物性も良好となるからである。
【0029】上記請求項1または請求項2に記載された
発明においては、請求項3に記載するように、上記アル
カリ可溶性アクリル共重合体が、下記化学式(1)で示
されるモノマー成分を5モル%〜55モル%の範囲内で
有し、かつ下記化学式(2)で示されるモノマー成分を
1モル%〜75モル%の範囲内で有し、酸価が5mgK
OH/g〜400mgKOH/gの範囲内であり、さら
にポリスチレン換算重量平均分子量が10,000〜
1,000,000の範囲内であることが好ましい。
【0030】
【化5】
【0031】(ここで、Rは、水素または炭素数1〜5
のアルキル基を示す。Rは、芳香族もしくは脂環式化
合物である。) 露光後に得られる感光性高分子層の物性、特にスクリー
ン印刷用の版の製版材料として必要とされる物性を得る
ためには、上述したような条件を満たすことが好ましい
からである。
【0032】上記請求項3に記載された発明において
は、請求項4に記載するように、エポキシアクリレート
樹脂組成物を全樹脂組成物中3重量%〜25重量%の範
囲内で含有することが好ましい。エポキシ骨格を導入す
ることによりパターン解像性及び現像性(エッジがシャ
ープでかつ、現像残りが少ない)を良好とするものであ
り、適度なアクリレートとの距離を空間的に採ることが
できることで、現像性に寄与する−COOH基、あるい
は−OH基が十分に作用できるためと推定される。ま
た、このようにエポキシアクリレート樹脂組成物を上述
した範囲内で用いることにより、例えばスクリーン印刷
用版の製版材料として用いた場合に、他の層との密着性
を向上させることができるからである。
【0033】また、上記請求項3または請求項4に記載
された発明においては、請求項5に記載するように、下
記化学式(3)で示される化合物を全樹脂組成物中3重
量%〜35重量%の範囲内で含有することが好ましい。
【0034】
【化6】
【0035】(ここで、Xはメチル基もしくは水素原子
を示し、Rはアルキル基もしくはヒドロキシアルキル
基を示す。) 上記エポキシアクリレート樹脂組成物に替えて、もしく
は加えて上記化学式(3)で示される化合物を上記範囲
内で用いることにより、密着性を向上させると同時に良
好な現像性を得ることができるからである。
【0036】上記請求項3から請求項5までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項6に記載
するように、上記アルカリ可溶性アクリル共重合体が、
下記化学式(4)で示されるモノマー成分を1モル%〜
75モル%の範囲内で有し、上記化学式(1)で示され
るモノマー成分のカルボキシル基および下記化学式
(4)で示されるモノマー成分の水酸基の合計量の5モ
ル%〜95モル%の範囲内に(メタ)アクリロイルアル
キルイソシアネート化合物が結合したものであることが
好ましい。
【0037】
【化7】
【0038】(ここで、Rは、水素または炭素数1〜5
のアルキル基を示す。Rは、エチレン基、プロピレン
基もしくはブチレン基である。) このようにアルカリ可溶性アクリル共重合体に上記化学
式(4)で示されるモノマー成分を含有することによ
り、アルカリ可溶性アクリル共重合体に水酸基を導入す
ることが可能となる。このようにして導入された水酸基
と上記(メタ)アクリロイルアルキルイソシアネート化
合物とを反応させることにより、アルカリ可溶性アクリ
ル共重合体分子中に比較的長い側鎖が導入されるため立
体障害的な要因によりアルカリ可溶性アクリル共重合体
分子が伸びた状態で反応に供することが可能となる。こ
れにより、上記アルカリ可溶性アクリル共重合体分子中
の官能基が反応に寄与する率を大幅に向上させることが
可能となるからである。
【0039】上記請求項3から請求項6までのいずれか
の請求項に記載された発明においては、請求項7に記載
するように、上記アルカリ可溶性アクリル共重合体が、
下記化学式(5)で示されるモノマー成分を3モル%〜
40モル%の範囲内で有することが好ましい。
【0040】
【化8】
【0041】(ここで、Rは、水素または炭素数1〜5
のアルキル基を示す。Rは、炭素数1〜12のアルキ
ル基、ベンジル基、およびフェニルエチル基である。) このモノマー成分は、アルカリ可溶性アクリル共重合体
のアルカリ現像性を抑制する成分であり、アルカリ可溶
性アクリル共重合体の酸価を最適値とするために導入さ
れるものである。
【0042】本発明はさらに、請求項8に記載するよう
に、紗と、紗の隙間に充填され紗の表面を平坦化させる
平坦化層と、上記平坦化層の被印刷物側の表面に形成さ
れたバッククッション層とを有することを特徴とするス
クリーン印刷用版を提供する。
【0043】本発明においては、このようにバッククッ
ション層を形成することにより、スクリーン印刷後にこ
のバッククッション層の反発性により、非常に良好な版
離れがなされる。これによりインクの裏回り付着といっ
た不具合を防止することができることから、スクリーン
印刷に際して非常に高い解像性を発揮することが可能で
あり、高精細なパターンをスクリーン印刷法により印刷
することを可能とするものである。
【0044】上記請求項8に記載された発明において
は、請求項9に記載するように、上記バッククッション
層の硬度が、針侵入硬度で30〜65の範囲内であるこ
とが好ましい。
【0045】このようにバッククッション層を上述した
範囲内の硬度とすることにより、上記バッククッション
層の反発性を最適値とすることができるからである。
【0046】上記請求項8または請求項9に記載された
発明においては、請求項10に記載するように、上記バ
ッククッション層と平坦化層との間に第1接着層を有す
ることが好ましい。上記バッククッション層は、所定の
硬度を有する必要性があることから、紗に充填・形成さ
れている平坦化層との密着性に乏しい場合がある。ま
た、平坦化層の材料や物性等にも依存するものではある
が、バッククッション層はスクリーン印刷時の転写に際
して、裏回り防止のためには被印刷物に対して平行に密
着する必要がある。このような必要性に対処するために
は、上述したように第1接着層を形成することが好まし
いのである。
【0047】上記請求項10に記載された発明において
は、請求項11に記載するように、上記第1接着層の硬
度が、針侵入硬度で30未満であることが好ましい。上
述したバッククッション層を被印刷物に平行に密着させ
るためには、上述した範囲の硬度を有する材料が好まし
いからであり、さらにこのような硬度を有する材料を紗
とバッククッション層との間に形成することにより、イ
ンクの転写時にクッションとしての役割を果たすことが
できるからである。
【0048】上記請求項8から請求項11までのいずれ
かの請求項に記載された発明においては、請求項12に
記載するように、上記平坦化層が第1接着層と同一の材
料で形成されているものであってもよい。第1接着層を
別途設ける工程が不要であることから、工程上有利とな
るからである。
【0049】上記請求項8から請求項12までのいずれ
かの請求項に記載された発明においては、請求項13に
記載するように、上記平坦化層の被印刷物と逆側の表面
に感光性高分子層が形成されていることが好ましい。こ
のように、被印刷物と逆側の表面に感光性高分子層を形
成することにより、現像時の解像性を向上させることが
可能となる。また、耐溶剤性および耐刷力が向上し、さ
らにはインキ再付着防止能を有するスクリーン印刷用版
とすることができるからである。
【0050】上記請求項8から請求項13までのいずれ
かの請求項に記載の発明においては、請求項14に記載
するように、上記感光性高分子層と平坦化層の間に第2
接着層が形成されていることが好ましい。感光性高分子
層と平坦化層との密着性を向上させるためである。
【0051】上記請求項13または請求項14に記載さ
れた発明においては、請求項15に記載するように、上
記感光性高分子層が、上記請求項1から請求項7までの
いずれかの請求項に記載のスクリーン印刷用版製版用感
光性樹脂組成物をパターン状に硬化させたものであるこ
とが好ましい。上述したようなスクリーン印刷用版製版
用の感光性樹脂組成物は、解像性に優れ、かつ耐溶剤性
および耐刷力が良好な材料であり、感光性高分子層の材
料として好ましいものだからである。
【0052】また、請求項9から請求項15までのいず
れかの請求項に記載された発明においては、請求項16
に記載するように、上記バッククッション層が、上記請
求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載のス
クリーン印刷用版形成用感光性樹脂組成物をパターン状
に硬化させたものであることが好ましい。上記スクリー
ン印刷用版形成用感光性樹脂組成物の組成を調整してバ
ッククッション層として必要な硬度とすることにより、
現像時の解像度が良好なバッククッション層とすること
ができるからである。
【0053】上記請求項8から請求項15までのいずれ
かの請求項に記載の発明においては、請求項17に記載
するように、上記バッククッション層に、ドライフィル
ムレジストを用いるものであってもよい。バッククッシ
ョン層は比較的膜厚が厚いことから、塗工液を塗布して
形成するよりもこのようなドライフルムを用いることが
好ましい場合があるからである。
【0054】上記請求項8から請求項17までのいずれ
かの請求項に記載された発明においては、請求項18に
記載するように、上記紗がメタル紗であり、このメタル
紗の被印刷物側の面が、研削されて平坦化されているこ
とが好ましい。上述したように、バッククッション層は
印刷時に被印刷物と平行に密着する必要がある。したが
って、このように被印刷物側の面を研削して平坦化する
ことにより、その表面に形成されるバッククッション層
が、被印刷物に対して平行に密着することが可能である
ので、印刷時のインキの裏面回りを防止することが可能
であり、より高精細なパターンを形成することが可能と
なるからである。
【0055】上記請求項8から請求項18までのいずれ
かの請求項に記載の発明においては、請求項19に記載
するように、紗に用いられるスクリーンメッシュが、筒
状のロータリースクリーンシリンダーであることが好ま
しい。連続的な印刷が可能であり、効率的であるからで
ある。
【0056】また、本発明は請求項20に記載するよう
に、開口幅の異なる少なくとも2枚の紗を有することを
特徴とするスクリーン印刷用版を提供する。本発明によ
れば、スクリーン印刷用版が、少なくとも上記2枚以上
の紗を有することにより、開口部内のインキの流動性を
制御することが容易となり、高精細なパターンをスクリ
ーン印刷法により印刷することが可能となるからであ
る。
【0057】上記請求項20に記載の発明においては、
請求項21に記載するように、上記紗が、メタル紗であ
ることが好ましい。これにより、より高精細なパターン
を印刷可能となるからである。
【0058】上記請求項20または請求項21に記載の
発明においては、請求項22に記載するように、上記紗
が、開口幅が1μm〜30μmの範囲内であることが好
ましい。上記範囲内より開口幅が狭い場合には、インキ
が目詰まり等を起こす可能性があるからであり、また上
記範囲内より開口幅が広い場合には、高精細なパターン
を形成することが困難となるからである。
【0059】本発明は、また請求項23に記載するよう
に、紗の隙間に感光性材料を充填して、紗の両面を平坦
化させる平坦化層形成工程と、上記平坦化層が形成され
た紗の一表面に感光性樹脂組成物を塗布し、パターン露
光を行うことにより、パターン状に感光性高分子層を形
成する感光性高分子層形成工程と、上記平坦化層が形成
された紗の他の表面にポジ型感光性材料を塗布した後、
上記感光性高分子層側から露光することにより上記ポジ
型感光性材料をパターニングしてバッククッション層と
するバッククッション層形成工程とを有することを特徴
とするスクリーン印刷用版の製造方法を提供する。
【0060】このような製造方法とすることにより、感
光性高分子層とバッククッション層とを一枚のフォトマ
スクでパターニングすることが可能であり、工程の効率
化、コストダウンの面で好ましいからである。
【0061】上記請求項23に記載された発明において
は、請求項24に記載するように、上記感光性高分子層
形成用の感光性樹脂組成物が、請求項7記載のスクリー
ン印刷用版製版用感光性樹脂組成物であることが好まし
い。上述したスクリーン印刷用版製版用感光性樹脂組成
物は現像時の解像性が良好であることから、高精細なパ
ターンを有するスクリーン印刷用版を製造するに際し
て、好ましいからである。
【0062】本発明はまた、請求項25に記載するよう
に、上記請求項8から請求項22までのいずれかの請求
項に記載のスクリーン印刷用版を用いることを特徴とす
る微細パターン形成体の製造方法を提供する。このよう
な製造方法によれば、従来のスクリーン印刷では得るこ
とができなかった高精細なパターンをスクリーン印刷法
で形成することが可能であり、例えばフォトリソグラフ
ィ法によるパターニング法と比較して、工程が簡略であ
りかつ現像液に用いられる溶剤等の処理が不要である等
の利点を有するものである。
【0063】本発明はさらに、請求項26に記載するよ
うに、基材上に、スクリーン印刷法により形成された1
μm〜70μmの範囲内の幅のラインからなる機能層の
微細パターンが形成されていることを特徴とする微細パ
ターン形成体、もしくは請求項27に記載するように、
基材上に、スクリーン印刷法により形成された3μm〜
80μmの範囲内の直径を有するドットからなる機能層
の微細パターンが形成されていることを特徴とする微細
パターン形成体を提供する。これらのパターンは従来の
スクリーン印刷では到底形成することができなかった高
精細なパターンであり、例えば機能面で高精細なパター
ンを必要とするプリント配線板等の用途の他、自然な画
質の印刷物を提供することができる等、視覚面で改良さ
れた印刷物とすることが可能となる。
【0064】
【発明の実施の形態】本発明は、上述したように、感光
性樹脂組成物、スクリーン印刷用版、スクリーン印刷用
版の製造方法、また例えばプラズマディスプレイ、色素
増感電池、プリント印刷基板、電磁波吸収パターン、セ
ラミクスコンデンサ等に用いることが可能な微細パター
ン形成体の製造方法、およびそれらの微細パターン形成
体を含むものである。これらについて、項目を分けて説
明する。
【0065】A.感光性樹脂組成物 本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性アクリル
共重合体、多官能アクリルアクリレートモノマー、熱に
より架橋する熱架橋性化合物、および重合開始剤を有す
ることを特徴とするものである。
【0066】本発明においては、このように架橋成分と
して、光により架橋する多官能アクリルアクリレートモ
ノマーの他に熱により架橋する熱架橋性化合物を含むも
のである。したがって、露光後に加熱処理を行うことに
より、露光のみでは不十分であった架橋密度を加熱によ
り上げることが可能であり、最終的に得られる感光性高
分子の物性を向上させることが可能となる。また、比較
的膜厚な層を形成する場合には、露光と逆側の部分では
十分に露光されない可能性がある。このような厚い膜厚
を有する感光性高分子を形成する場合であっても、露光
後に加熱処理を行うことにより、要求される物性に必要
な架橋密度を得ることが可能であるという利点を有する
ものである。
【0067】以下、このような感光性樹脂組成物の各成
分についてそれぞれ説明する。
【0068】a.アルカリ可溶性アクリル共重合体 本発明の感光性樹脂組成物に用いられるアルカリ可溶性
アクリル共重合体は、後述する熱架橋性化合物と結合す
るような活性水素を有するもの、具体的には−OH基、
−COOH基、−NH基、および−SH基等の官能基
を有するものであれば特に限定されるものではないが、
現像性や硬度等の物性を得るためには、以下のような組
成および特性を有するものが好適に用いられる。
【0069】(モノマー成分)本発明に用いられるアル
カリ可溶性アクリル共重合体は、少なくとも下記化学式
(1)に示されるモノマー成分を含有するものであるこ
とが好ましい。
【0070】
【化9】
【0071】ここで、上記化学式(1)におけるR(化
学式(2)、(4)、および(5)も同様である。)
は、水素、または炭素数1〜5のアルキル基であり、ア
ルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基
等が例示される。
【0072】この化学式(1)で示されるモノマー成分
は、アルカリ水溶液現像性に寄与する成分であり、この
構造単位を導入するために使用されるモノマー成分とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、2−カルボキシ−1
−ブテン、2−カルボキシ−1−ペンテン、2−カルボ
キシ−1−ヘキセン、2−カルボキシ−1−ヘプテン等
が例示される。この化学式(1)で示されるモノマー成
分の含有量は、アルカリ可溶性アクリル共重合体に要求
されるアルカリ可溶性の程度により調整され、5モル%
〜55モル%の範囲内、特に10モル%〜45モル%の
範囲内、中でも15モル%〜35モル%の範囲内とする
ことが好ましい。
【0073】また、本発明に用いられるアルカリ可溶性
アクリル共重合体は、少なくとも下記化学式(2)に示
されるモノマー成分を含有するものであることが好まし
い。
【0074】
【化10】
【0075】ここで、上記化学式(2)中のRは、フ
ェニル基、ナフチル基等の芳香族および脂環式化合物が
例示される。この構造単位を導入するために使用される
単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等であ
り、また、芳香族環は塩素、臭素等のハロゲン原子、メ
チル基、エチル基等のアルキル基、アミノ基、ジアルキ
ルアミノ基等のアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、
スルフォン酸基、燐酸基等で置換されていてもよい。
【0076】この化学式(2)で示されるモノマー成分
は、本発明に用いられるアルカリ可溶性アクリル共重合
体に硬度等の機械的な物性を向上させる成分であり、後
述するようにスクリーン印刷用版として用いる場合には
特に重要なモノマー成分となる。
【0077】本発明においては、化学式(2)で示され
るモノマー成分の含有量は、本発明の感光性樹脂組成物
が要求される物性等に応じて調整され、1モル%〜75
モル%の範囲内、特に5モル%〜70モル%の範囲内、
中でも10モル%〜65モル%の範囲内とすることが好
ましい。
【0078】本発明においては、さらに下記化学式
(4)で示されるモノマー成分を添加してもよい。
【0079】
【化11】
【0080】ここで、上記化学式(4)中のRは、エ
チレン基、プロピレン基、ブチレン基等を挙げることが
できる。
【0081】この化学式(4)で示されるモノマー成分
としては具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4
−ヒドロキシブチルメタクリレート等を挙げることがで
きる。
【0082】この一般式(4)で示されるモノマー成分
は、後述するように水酸基を介して(メタ)アクリロイ
ルアルキルイソシアネート化合物と反応し、(メタ)ア
クリロイル基が導入されるモノマー成分であり、その含
有量は得られる共重合体に要求される光重合性の程度に
より調整され、1モル%〜75モル%の範囲内、特に3
モル%〜70モル%の範囲内、中でも5モル%〜65モ
ル%の範囲内で含有されることが好ましい。
【0083】さらに、本発明は必要に応じて下記化学式
(5)で示されるモノマー成分を添加してもよい。
【0084】
【化12】
【0085】ここで、上記化学式(5)中のRとして
は、炭素数1〜12のアルキル基、ベンジル基、フェニ
ルエチル基等のアラルキル基が例示される。
【0086】具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘ
キシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メ
タ)アクリル酸ジシクロペンタニルオキシエチル、(メ
タ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸ベンジ
ル、(メタ)アクリル酸フェニルエチル等の(メタ)ア
クリル酸のエテスル類を挙げることができる。
【0087】この化学式(5)で示されるモノマー成分
は、アルカリ可溶性アクリル共重合体をアルカリ現像型
のスクリーン印刷版の感光性高分子層とする際に、アル
カリ現像性を抑制する成分であり、その含有量は、本発
明の感光性樹脂組成物を硬化させて得られる感光性高分
子層の特性に応じて調整され、3モル%〜40モル%の
範囲内、特に5モル%〜35モル%の範囲内、中でも7
モル%〜31モル%の範囲内で含有されることが好まし
い。
【0088】(アルカリ可溶性アクリル共重合体の分子
量および酸価)上述したようなモノマー成分を重合させ
て得られるアルカリ可溶性アクリル共重合体の分子量と
しては、ポリスチレン換算重量平均分子量(以下、単に
「重量平均分子量」または「Mw」という。)で、1
0,000〜1,000,000の範囲であることが好
ましく、特に20,000〜100,000の範囲のも
のとされることが好ましい。
【0089】重量平均分子量が上記範囲より小さいと現
像性が良すぎてパターン露光時のパターン形状を制御し
にくく、また、パターンが作製できる場合も最終的な膜
厚が減る(膜減り)等の問題が生じる。一方上記範囲よ
り大きいとレジスト化した時の粘度が高くなりすぎ塗工
適性が低下し、さらに現像性が悪くなりパターンが抜け
にくくなるなどの問題が生じるからである。
【0090】また、本発明に用いられるアルカリ可溶性
アクリル共重合体の酸価としては、5mgKOH/g〜
400mgKOH/gの範囲内、好ましくは、10mg
KOH/g〜200mgKOH/gの範囲内であること
が好ましい。酸価はアルカリ現像性と関係する値である
ことから、酸価が上記範囲より低い場合は現像性が悪化
する可能性があり、さらに基板等への密着性が乏しい等
の問題が生じる可能性が生じる。また、酸価が上記範囲
より高い場合は、現像性が良すぎてパターン露光時のパ
ターン形状を制御しにくい等の問題が生じる可能性があ
る。
【0091】一方、本発明に用いられるアルカリ可溶性
アクリル共重合体において、化学式(4)に由来する水
酸基は、必ずしも残す必要はなく、水酸基価としては0
mgKOH/g〜200mgKOH/gの範囲内とする
ことができるが、残す場合には、溶剤に対する溶解性を
調節するのに有効である。
【0092】(アルカリ可溶性アクリル共重合体の製造
方法)上述した化学式(1)、(2)、(4)および
(5)で示されるモノマー成分は、それぞれ例示したも
のを単独でも、また混合して使用してもよい。
【0093】このような化学式(1)、(2)、(4)
および(5)で示されるモノマー成分を有する特定の重
合体を製造するために用いられる重合用溶媒としては、
水酸基、アミノ基等の活性水素を有しない溶媒が好まし
く、例えばテトラヒドロフラン等のエーテル類;ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチ
ルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルセロソル
ブアセテート等のセロソルブエステル類やプロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸−3−メ
トキシブチル等が挙げられ、芳香族炭化水素類、ケトン
類、エステル類等も用いることができる。
【0094】また、重合開始剤としては、一般的にラジ
カル重合開始剤として知られているものを使用すること
ができ、その具体例としては、2,2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メ
トキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化
合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシ
ド、tert−ブチルペルオキシピバレート、1,1’
−ビス−(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサ
ン等の有機過酸化物、および過酸化水素が挙げられる。
ラジカル重合開始剤として過酸化物を使用する場合に
は、これと還元剤とを組み合わせてレドックス型重合開
始剤として使用してもよい。
【0095】このようなアルカリ可溶性アクリル共重合
体の製造方法においては、重量平均分子量を調節するた
めに、分子量調節剤を使用することができ、例えば、ク
ロロホルム、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類、n
−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、
n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカ
プタン、チオグリコール酸等のメルカプタン類、ジメチ
ルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサント
ゲンジスルフィド等のキサントゲン類、ターピノーレ
ン、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
【0096】また、得られるアルカリ可溶性アクリル共
重合体は、上述した化学式(1)、(2)、(4)およ
び(5)で示されるモノマー成分のランダム共重合体お
よびブロック共重合体のいずれであってよい。
【0097】ランダム共重合体の場合には、各モノマー
成分、触媒からなる配合組成物を、溶剤を入れた重合槽
中に80〜110℃の温度条件で2〜5時間かけて滴下
し、熟成させることにより重合させることができる。
【0098】((メタ)アクリロイルアルキルイソシア
ネート化合物の付加)本発明においては、上記アルカリ
可溶性アクリル共重合体に(メタ)アクリロイルアルキ
ルイソシアネート化合物を付加することが好ましい。こ
れは、以下の理由によるものである。
【0099】すなわち、露光後アルカリ現像液に対する
溶解部と不溶解部の差を大きくとることによりエッジが
シャープなパターンを形成することができる(γ曲線が
立つ)こと、さらには、版としての耐インク溶剤性が向
上し、版感材の弾性を持たせる構造により、版表面のし
わやクラックが発生しにくく、版保存安定性及び印刷寿
命が良好となる、といった理由によるものである。
【0100】本発明において用いられる(メタ)アクリ
ロイルアルキルイソシアネート化合物としては、(メ
タ)アクリロイル基が炭素数2〜6のアルキレン基を介
してイソシアネート基(−NCO)と結合したもので、
具体的には2−アクリロイルエチルイソシアネート、2
−メタクリロイルエチルイソシアネート等が例示され
る。2−メタクリロイルエチルイソシアネートは、昭和
電工(株)製、商品名「カレンズMOI」として市販さ
れている。
【0101】上記アルカリ可溶性アクリル共重合体と上
記(メタ)アクリロイルアルキルイソシアネート化合物
との反応は、上記(メタ)アクリロイルアルキルイソシ
アネート化合物を少量の触媒の存在下、上記アルカリ可
溶性アクリル共重合体溶液中に滴下することにより行な
われる。触媒としてはラウリン酸ジブチル錫等が挙げら
れ、また、p−メトキシフェノール、ヒドロキノン、ナ
フチルアミン、tert−ブチルカテコール、2,3−ジ−
tert−ブチルp−クレゾール等の重合禁止剤が必要に応
じて使用される。
【0102】上記(メタ)アクリロイルアルキルイソシ
アネート化合物は、上述したアルカリ可溶性アクリル共
重合体の内、化学式(3)で示されるモノマー成分の−
OH基とは付加してウレタン結合により結合し、また、
化学式(1)のモノマー成分の−COOH基とは、その
一部が炭酸ガスを放出してアミド結合により結合する。
【0103】このような化学式(1)および(3)で示
されるモノマー成分を有するアルカリ可溶性アクリル共
重合体と(メタ)アクリロイルアルキルイソシアネート
化合物との反応生成物の一例を、下記化学式(6)に示
す。
【0104】
【化13】
【0105】(式中、R、Rは、上述したもの同様で
あり、R′は炭素数2〜6のアルキレン基である。a
+aは、化学式(1)のaと、また、c+cは、
化学式(3)のcとそれぞれ同義である。) (メタ)アクリロイルアルキルイソシアネート化合物
は、化学式(3)のモノマー成分における水酸基との反
応が、化学式(1)のモノマー成分におけるカルボキシ
ル基との反応に比して20倍近くの反応速度を有する。
そのため、(メタ)アクリロイル基は化学式(3)のモ
ノマー成分に主として導入される。また、化学式(1)
のモノマー成分にはそのカルボキシル基に一部(メタ)
アクリロイル基が導入されるが、ほとんどのカルボキシ
ル基が残存することとなる。
【0106】本発明においては、上記アルカリ可溶性ア
クリル共重合体中の化学式(1)で示されるモノマー成
分のカルボキシル基および化学式(4)で示されるモノ
マー成分の水酸基の合計量の5モル%〜95モル%の範
囲内、好ましくは10モル%〜85モル%の範囲内で
(メタ)アクリロイルアルキルイソシアネート化合物が
結合し、(メタ)アクリロイル基が導入されることが好
ましい。導入量が上記範囲より少ない場合は光硬化性が
低く、塗膜密着性、レジスト特性の改善効果が小さい。
また、導入量が上記範囲より高い場合は、粘度の上昇等
の加工性の面で不具合が生じ、さらに現像性等に問題が
生じる可能性がある。
【0107】また、上記アルカリ可溶性アクリル共重合
体中の化学式(1)で示されるモノマー成分のカルボキ
シル基を100とした場合に、(メタ)アクリロイルア
ルキルイソシアネート化合物はその内の5〜95の範囲
内、特に10〜50の範囲内で反応していることが好ま
しい。
【0108】さらに、上記アルカリ可溶性アクリル共重
合体中の化学式(3)で示されるモノマー成分の水酸基
を100とした場合に、(メタ)アクリロイルアルキル
イソシアネート化合物はその内の5〜95の範囲内、特
に10〜50の範囲内で反応していることが好ましい。
【0109】(アルカリ可溶性アクリル共重合体の例
示)次に、本発明に適したアルカリ可溶性アクリル共重
合体について例示する。下記の表に示すアルカリ可溶性
アクリル共重合体は、いずれも、化学式(4)で示され
るモノマー成分を2−ヒドロキシエチルメタアクリレー
ト(HEMA)とし、また、化学式(1)で示されるモ
ノマー成分をアクリル酸(AA)とし、そのカルボキシ
ル基または水酸基を介して2−メタクリロイルエチルイ
ソシアネート(昭和電工(株)製「カレンズMOI」)
とそれぞれ一部が反応した生成物を構成単位とするもの
であり、さらに化学式(2)で示されるモノマー成分と
してスチレン(St)を用い、化学式(5)で示される
モノマー成分としてベンジルメタクリレート(BzM
A)を用いたものである。
【0110】下記の表1に各モノマー成分の組成(モル
%)と、アクリロイル基含有量(モル%)、酸価(mg
KOH/g)、スチレン換算重量平均分子量(Mw)を
示す。
【0111】
【表1】
【0112】b.多官能アクリルアクリレートモノマー 本発明のアルカリ可溶性アクリル共重合体には、多官能
アクリルアクリレートモノマーが添加される。
【0113】このような2官能以上の多官能光重合性ア
クリレートモノマーとしては、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリト
ールペンタアクリレート(DPPA)、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート(PETTA)、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート(TMPTA)のエチ
レンオキシド3モル付加物、エチレンオキシド6モル付
加物、プロピレンオキシド3モル付加物、プロピレンオ
キシド6モル付加物等を挙げることができる。
【0114】本発明においては、上記多官能アクリルア
クリレートモノマーは、感光性樹脂組成物中に固形分比
3重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜20重量
%の範囲内で含有される。上記範囲より含有量が多いと
粘度が低くなりすぎ塗布乾燥後の塗膜安定性が不充分な
ため、露光、現像適性を損なう等の問題が生じる可能性
があるからである。一方、上記範囲より少ない場合は、
現像の未露光部の抜けが悪くなる等の問題が生じる可能
性があるからである。
【0115】c.熱により架橋する熱架橋性化合物 本発明においては、上記光により架橋する多官能アクリ
ルアクリレートモノマーに加えて、熱により架橋する熱
架橋性化合物を添加するところに特徴を有するものであ
る。
【0116】このように熱架橋性化合物を添加すること
により、例えば露光後に得られる感光性高分子層の膜厚
が厚い場合等においては、全体的に架橋密度を向上させ
ることが困難であるが、本発明においては、このような
熱架橋性化合物を含有するものであるので、露光後加熱
処理を行うことにより、架橋密度を増加させることが可
能となり、最終的に得られる感光性高分子層の各種特性
および物性を向上させることができる。
【0117】上記熱架橋性化合物としては、加熱あるい
は熱線を照射することにより上記アルカリ可溶性アクリ
ル共重合体中の−OH基、−COOH基、−NH、お
よび−SH等の活性水素を持つ基と反応することができ
る官能基を有する化合物、好ましくは2個以上の官能基
を有する化合物である。
【0118】このような官能基の具体例としては、例え
ば、アルデヒド基、イソシアネート基、アルコキシ基、
グリシジル基、エチレン性不飽和基、アミノ基、ジエス
テル類等を挙げることができ、このような官能基を有す
る熱架橋性化合物として、具体的には、例えば、チオ尿
素、メラミン、ベンゾグアミン等のアミノ化合物、メチ
ロール化メラミン、ブチロール化メラミン、メチロール
アクリルアミド等のアルコキシ化合物、グリオキザー
ル、グルタールアルデヒド等のジアルデヒド化合物、ブ
ロックイソシアネート化合物、コバルト、チタン、ジル
コニウム、モリブデン等の金属キレート化合物、アクリ
ロイル基、メタアクリロイル基、Sクリルアミド基、ビ
ニルエーテル基等のエチレン性不飽和基含有化合物等を
挙げることができる。さらに、これらの化合物を共存さ
せることで、より効果的に使用できる。
【0119】本発明においては、これらの熱架橋性化合
物の中でも、特にブロックイソシアネート化合物が好ま
しい。これは、ブロックイソシアネート化合物を用いた
場合は、本発明の感光性樹脂組成物を長期安定性に優れ
たものとすることができるからである。
【0120】(ブロックイソシアネート化合物)本発明
に用いられるブロックイソシアネート化合物は、イソシ
アネート化合物のイソシアネート基をブロック剤(例え
ば、活性水素を有するカプロラクタム、活性メチレン、
オキシム等の化合物)によりマスクしたものであり、常
温では安定であるが加熱(通常120℃以上)するとブ
ロック剤が解離して活性なイソシアネート基が再生され
るものである。また、架橋材として用いられるものであ
ることから、イソシアネート基が2個以上有するものが
用いられる。
【0121】このようなブロックイソシアネート化合物
の具体例としては、2,6−トリレンジイソシアネート
(2,6−トリレンジイソシアネート)、2,4トリレ
ンジイソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネー
ト)、4,4−ジフェニールメタンジイソシアネート、
1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−キシレンジ
イソシアネート、m−テトラメチルキシレンジイソシア
ネート等の芳香族ジイソシアネート、メチルヘキサメチ
レンジイソシアネート、2,2,4トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート、2,4,4トリメチルヘキサ
メチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、水素添加4,4’ジフェ
ニールメタンジイソシアネート、水素添加m−キシレン
ジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、トリフ
ェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフ
ェニルイソシアネート、トリレンジイソシアネートのト
リメチロールプロパンアダクト体やイソシアヌレート
体、ポリメリックメタンジイソシアネート、その他プレ
ポリマーイソシアネート類等の多官能芳香族イソシアネ
ート化合物等を挙げることができる。
【0122】これらのイソシアネート化合物にブロック
剤でマスクしたブロックイソシアネート化合物は単独或
いは併用して用いることができる。上記ブロックイソシ
アネート化合物は、感光性樹脂組成物中のスチリルピリ
ジニウム基又はスチリルキノリウム基を含有する水可溶
性の鹸化度50モル%以上の酢酸ビニル重合体鹸化物か
らなる分散媒成分中に乳化分散して微細に分散した乳化
ブロックイソシアネート化合物であることが好ましい。
その結果、安定した感光性樹脂組成物が得られる。ま
た、単独では乳化しない化合物でも、他の化合物と混合
して乳化させても良く、更に、有機溶媒(疎水性が好ま
しい)に溶解して使用しても良い。分散媒成分中に、乳
化・分散したブロックイソシアネート化合物には、相溶
するポリマーやプレポリマーを混合して使用しても良
く、この様なポリマーやプレポリマーは、必ずしも−O
H基、−COOH基、−NH基、−SH基等を持ち、
イソシアネート基と反応性に富んだ化合物である必要は
ない。但し、水に難溶性で、乳化・分散特性の良いもの
が好ましい。
【0123】d.重合開始剤 本発明においては、さらに重合開始剤が用いられる。こ
のような光重合開始剤としては、2−メチル−1−〔4
−メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノ
ン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4
−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,2′−
ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テ
トラフェニル−1,2′−ビイミダゾール、2,4−ジ
エチルチオキサントン、4,4−ビスジエチルアミノベ
ンゾフェノン等を挙げることができる。このような重合
開始剤は、感光性樹脂組成物中に固形分比0.1重量%
〜20重量%の範囲で含有されることが好ましい。
【0124】さらに、上記重合性化合物を光照射により
速やかに反応させる為には、別の光重合開始剤や増感剤
あるいは色素を添加することが一般的である。この様な
光重合開始剤は上記重合性化合物に溶解あるいは相溶
し、均一に混合される事が好ましい。この様な光重合性
開始剤としてはベンゾフェノン、ベンゾインアルキルエ
ーテル、ミヒラーズケトン、ベンジル、ベンジルジアル
キルエーテル、ターシャルブチルアントラキノン等のア
ントラキノン類、クロロチオキサントン、イソプロピル
チオキサントン等のチオキサントン誘導体等が挙げられ
る。さらに、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエ
ステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等
の光重合促進剤を混合しても良い。これらは、ベンゾフ
ェノン系やチオキサントン系を用いた場合の重合硬化速
度を速める上で効果的である。上記光重合性開始剤は、
エチレン性不飽和基を有する化合物100重量部に対し
て、一般に1〜10重量部の割合で配合される。
【0125】(光重合開始剤を含有するエチレン性不飽
和基を有する化合物)エチレン性不飽和基を持つ化合物
に光重合開始剤を溶解または混合して使用すると、この
混合物は光により重合して高分子化する。また、同時に
水性分散媒成分及び分散質とグラフト重合架橋もおこ
り、硬化物の耐水・耐溶剤性を向上させる。エチレン性
不飽和基を持つ化合物としては水に不溶で容易に乳化で
きるものが好ましい。
【0126】上記エチレン性不飽和基を有する化合物と
しては、アクリロイル基、メタアクリロイル基、アリル
基、ビニルエーテル基、アクリルアミド基、メタアクリ
ルアミド基等のエチレン性不飽和基を1個以上有するも
ので、水に不溶性或いは難溶性のものが好ましく、特に
好ましくはアクリロイル基、メタアクリロイル基を1個
以上有する化合物である。この様な化合物としては、具
体的には、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ
ート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ジブロムヘオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,8ジ
ブロムネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート
等のタカアルコール多価アクリレート類、2,2−ビス
(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、
2,2−(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパ
ン、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン系のエポキ
シ樹脂のアクリル酸又はメタクリル酸付加物等のエポキ
シアクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジ
ルエーテルのアクリル酸又はメタアクリル酸との付加
物、トリヘキサメチレンジイソシネートと2価アルコー
ルの(メタ)アクリルモノ酸エステルとの反応で得られ
るウレタン(メタ)アクリル化合物等が挙げられる。
【0127】これらの化合物は単独あるいは2種以上を
併用して用いることができる。この様なエチレン性不飽
和基を有する化合物成分の配合量は、感光性樹脂組成物
中の固形分100重量部に対して、0.5〜70重量
部、好ましくは1〜50重量部とすることが望ましい。
【0128】エチレン性不飽和基を有する化合物成分の
配合量が上記範囲未満では現像時の耐水性向上効果が現
れ難い傾向があり、上記範囲を超過すると現像性が悪く
再現性の良い画像が得られ難い傾向がある。
【0129】e.その他の添加剤 (エポキシアクリレート樹脂組成物)本発明において
は、その他に他の層との密着性を向上させるためにエポ
キシアクリレート樹脂組成物を添加してもよい。
【0130】本発明において用いることができるエポキ
シアクリレート樹脂組成物としては、オルソクレゾール
ノボラック型、ビスフェノールAノボラック型、フェノ
ールノボラック型、ビスフェノールA型のエポキシ樹
脂、クレゾールノボラック型のエポキシ樹脂等を挙げる
ことができる。
【0131】このようなエポキシアクリレート樹脂組成
物は、感光性樹脂組成物中に固形分比1重量%〜20重
量%、好ましくは3重量%〜15重量%で含有されるこ
とが好ましい。エポキシ樹脂の含有量が上記範囲より少
ない場合は、得られる感光性高分子層に十分な密着性を
付与することができず、一方、エポキシアクリレート樹
脂組成物の含有量が上記範囲を越えると、光硬化に供し
ないエポキシアクリレート樹脂組成物量が多くなりす
ぎ、感光性樹脂組成物の保存安定性、現像適性が低下す
るので好ましくない。
【0132】また、エポキシアクリレート樹脂組成物
は、感光性樹脂組成物の乾燥塗膜のタックを除去するた
めにも有効であり、添加量3重量%程度で十分な効果が
発現する。
【0133】本発明においては、上記エポキシアクリレ
ート樹脂組成物に替えて、もしくは上記エポキシアクリ
レート樹脂組成物と共に用いることにより、密着性を向
上させ、かつ現像性をも向上させる、下記化学式(3)
で示される成分を添加することが好ましい。
【0134】
【化14】
【0135】(ここで、Xはメチル基もしくは水素原子
を示し、Rはアルキル基もしくはヒドロキシアルキル
基を示す。) このような化合物は、密着性の向上に加えて、側鎖にカ
ルボン酸を有するものであることから、アルカリ水に溶
解させることが可能であり、現像性を向上させることが
できる。
【0136】このような化合物としては、具体的には、
NKエステルシリーズとして、ビスフェノールAのEO
付加品、A−BPEシリーズ、水添ビスフェノールAの
PO付加品、A−BPPシリーズ(以上、いずれも新中
村化学(株))、ビスフェノールAのPO付加品、ライ
トアクリレートシリーズBP−4PA(共栄社油脂
(株))、ビスフェノールAのECH変性エビクリルシ
リーズ(ダイセル工業(株))、エポリードPB、エポ
フレンド、Uvacure1502、Uvacure1
561、Uvacure1562(以上、いずれもダイ
セルUCB(株))、DCRシリーズ(大日本印刷
(株)用試作品)(日本触媒(株))、SANBO A
R,G(三宝化学)等を挙げることができる。
【0137】上記化学式(3)で示される成分は、感光
性樹脂組成物中に固形分比3重量%〜35重量%、好ま
しくは5重量%〜31重量%の範囲内で含有されること
が好ましい。上記範囲より少ない場合は、アルカリ現像
液に対する膜浸透性が高く、露光、現像後の解像された
パターンが、泳ぎや部分的な欠損を生じる。また、上記
範囲より多い場合には、アルカリ現像液に対する膜浸透
性は高まるが、皮膜形成能が高まり、膜ひずみによるク
ラックやしわが発生しやすくなるからである。
【0138】(シランカップリング剤)本発明の感光性
樹脂組成物には、さらにシランカップリング剤を樹脂層
とスクリーン繊維あるいはメタル基材との密着性改善を
目的として添加してもよい。
【0139】このようなシランカップリング剤として
は、ビニルシラン、アクリルシラン、エポキシシラン、
アミノシラン等を挙げることができる。
【0140】より具体的には、ビニルシランとして、ビ
ニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエ
トキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルト
リメトキシシラン等を使用することができる。また、ア
クリルシランとしては、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン等を挙げることができる。エポキシシ
ランとしては、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジエトシキシラン等を挙げることができる。さら
に、アミノシランとしては、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジトリメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン等を使用することができる。その他のシランカップ
リング剤として、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−
クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメ
チルジエトキシシラン等を使用することができる。添加
量は、シランカップリング剤を、直接水溶液として加水
分解させた溶液を塗布し、密着性改善を行う場合は、
0.1重量%〜10重量%の範囲内で使用することが可
能であり、樹脂あるいは感光性組成物に添加して使用す
る場合は、0.01重量%〜5重量%の範囲内で使用す
ることが可能である。上記範囲より少ない場合には密着
力が弱く、上記範囲より高い場合には、感光性組成物の
感度低下や、透明性を損ない、ひどい場合には乳化状態
となり、パターン形成が不可能となるからである。
【0141】(疎水性重合体粒子)本発明の感光性樹脂
組成物においては、凝集や沈殿を起こさないものであれ
ば疎水性重合体粒子を別添加使用することができる。こ
の様な疎水性重合体粒子が分散された感光性樹脂組成物
は、疎水性重合体粒子の平均粒子径が50μm以下、特
に15μm以下であることが好ましい。
【0142】このように疎水性重合体粒子を添加するこ
とにより、形成された画像の耐水性を改善し、その結果
として、光硬化画像の解像性の向上と、水性インキや水
性ペーストを用いた印刷での耐刷性を向上させることが
できるからである。
【0143】この様な疎水性重合体粒子成分の配合量
は、感光性樹脂組成物中の固形分100重量部に対し
て、固形分として5〜95重量部、好ましくは20〜8
5重量部とすることが望ましい。疎水性重合体粒子成分
の配合量が上記範囲未満では硬化膜への耐水性向上効果
が現れ難い傾向があり、上記範囲を超過すると現像性が
悪く再現性の良い画像が得られ難い傾向がある。この様
な疎水性重合体粒子成分は、重合工程中により得られる
エマルジョンをそのまま、或いは、高分子重合体を水及
び水を主たる分散媒に分散された高分子重合体の分散液
が用いられる。これらの疎水性重合体粒子成分は、合成
された高分子化合物及び天然高分子化合物でも良い。
【0144】上記疎水性重合体粒子としては、例えば、
ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/エチレン共重合体、酢酸
ビニル/アクリル酸エステル共重合体(ここでアクリル
酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アク
リル酸2‐エチルヘキシル等がある。)、(メタ)アク
リル酸重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、メタク
リル酸メチル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル
/ブタジエン共重合体、クロロプレン重合体、イソプレ
ン重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
スチレン、シリコ―ン樹脂、ポリエチレン、ポリウレタ
ン、フッ素樹脂等を挙げることができる。これら疎水性
重合体粒子は、重合工程中により得られるポリ酢酸ビニ
ルエマルジョン、エチレン・酢酸ビニルコポリマーエマ
ルジョン、酢酸ビニル・アクリルコポリマーエマルジョ
ン、エチレン・酢酸ビニル・アクリル3元共重合エマル
ジョン、塩化ビニル・酢酸ビニルエマルジョン、アクリ
ルエマルジョン、スチレン・ブタジエンラテックスエマ
ルジョン、MBRラテックスエマルジョン、アクリロニ
トリル・ブタジエンゴムラテックスエマルジョン、クロ
ロプレンゴムラテックスエマルジョン、塩化ビニリデン
エマルジョン等を挙げることができる。合成高分子ディ
スパージョンとしては、ポリエチレンディスパージョ
ン、ポリオレフィンアイオノマーディスパージョン、ウ
レタンアイオノマーディスパージョン等が有用である。
また、合成高分子微粉体や精製スターチを分散したもの
も使用できる。
【0145】(乾燥溶媒)本発明の感光性樹脂組成物
は、平坦性を良好とするため乾燥溶媒としてジエチレン
グリコールジメチルエーテル、3−メトキシブチルアセ
テート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、3−メチル−3−メトキシブタノール等を複数
組み合わせ使用し、固形分濃度0.5重量%〜5.0重
量%添加できる。
【0146】(その他)本発明の感光性樹脂組成物は、
さらにこの種の感光性樹脂組成物に通常含まれる添加剤
成分を任意に添加することができる。この様な任意の添
加剤成分としては、例えば、上記感光性樹脂組成物中の
固形分100重量部に対して0.5重量部以下の乳化安
定剤を、熱により架橋する架橋性化合物や光重合可能な
エチレン性不飽和基を含有する化合物の溶解補助剤とし
て、それら100重量部に対して30重量部以下の水と
混和性のない有機溶剤を、さらには、染料、顔料等の画
像を見易くする着色剤、消泡剤等を通常添加される範囲
内で添加することができる。また、増量剤あるいはタッ
ク防止剤として無機粉体を感光性樹脂組成物中の固形分
100重量部に対して30重量部以下の範囲内で添加す
ることができる。
【0147】任意成分としてはさらに、必要に応じて光
重合開始剤や光重合促進剤を溶解混合した光重合性化合
物を添加して乳化したり、また、必要に応じて疎水性高
分子重合体分散液や着色剤・消泡剤を混合したり、必要
に応じて、光架橋剤であるジアゾ化合物を添加して混合
することにより、さらに改良された本発明の感光性樹脂
組成物が得られる。
【0148】なお、各成分の添加順序は上記順番に固定
されるものでなく、凝集・分離・析出等の混合時の問題
が生じない範囲で添加順序を変更することができる。但
し、ブロックイソシアネート化合物は水溶液中での安定
性が良くないために、液中の保存安定性が低下し易い。
したがって、使用直前に添加することが好ましい。 f.用途 この様な本発明の感光性樹脂組成物は、各種用途に応じ
て、アルミニウム、ニッケル、ステンレス等の金属板
や、合成樹脂板、半導体基板、石材等の任意の基材上に
塗布し、乾燥して積層するか、各種スクリーンメッシュ
(ポリアミド、ポリエステル、ステンレス等のメッシ
ュ)、ロータリースクリーンシリンダー等の表裏面又は
表面に塗布し、乾燥することにより形成された、例えば
1〜1000μmの乾燥厚の感光性樹脂材料に、紫外線
等からなる活性光を、例えば、紫外線の場合には波長3
00〜450nm範囲の照射エネルギー量が10mj/
cm2以上となるようにマスク等により所定のパターン
を通して照射して照射部分を硬化させた後、非照射部分
の未硬化の部分をスプレー水等により除去すれば、レリ
ーフ画像或いは画像膜が形成される。
【0149】さらに、この形成されたレリーフ画像或い
は画像膜を50〜220℃、好ましくは120〜200
℃の雰囲気中で加熱処理、或いは、近赤外線、遠赤外
線、マイクロ波等を照射処理することにより、更に画像
膜の硬化反応が進行し、耐水・耐溶剤性に優れた画像膜
となる。
【0150】したがって、この様な感光性樹脂組成物を
使用したスクリーン印刷や凸版印刷等の各種印刷版や、
各種エッチングレジスト、サンドブラストエッチング等
のレジスト膜等の用途に利用することができる。
【0151】本発明においては、中でもスクリーン印刷
用版製版用として用いることが好ましい。このようにス
クリーン印刷用版製版用感光性樹脂組成物として用いれ
ば、解像性が良好であり、かつ耐刷性が良好であるとい
う利点を活かすことができるからである。
【0152】以下、本発明の感光性樹脂組成物の好まし
い用途であるスクリーン印刷用版の製造方法およびスク
リーン印刷用版について説明する。
【0153】(スクリーン印刷用版の製造方法)本発明
の感光性樹脂組成物の好ましい用途としてのスクリーン
印刷用版の製造方法について、以下に詳細に記載する。
【0154】(1)塗布・乾燥工程 用途に応じて、アルミニウム、ステンレス、鋼鉄等の金
属製の棒状素材を正方形或いは長方形に製作したフラッ
トスクリーン型枠に、各種スクリーンメッシュで紗張り
したフラットスクリーン版に、フラットスクリーン版用
バケットで、常法に従って上記感光性樹脂組成物を塗布
及び乾燥工程を繰り返し、所定の厚みで積層するか、或
いは、エレクトロフォーミング法により形成された金属
製のロータリースクリーンシリンダー上に、リング状バ
ケットで、常法に従って上記感光性樹脂組成物の塗布及
び乾燥工程を1回又は数回繰り返すことにより、乾燥膜
厚が一般に0.5〜1,000μm、好ましくは1〜4
00μm、特に好ましくは1〜200μmの厚さの感光
性樹脂組成物よりなる感光性樹脂膜が形成される。この
ようにして得られた感光性樹脂組成物よりなる感光性樹
脂膜の表裏両面へは、該感光膜保護のためにオーバーコ
ート層を形成することもできる。これによってスクリー
ン印刷用PS版を得ることができる。
【0155】スクリーン印刷用版を得るに際して、感光
液を直接塗布する方法と感光液をポリエチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリエステル等のプラスチックフィルム上に
塗布・乾燥して5〜1,000μmの感光膜を得ておい
て、この感光膜を、水或いは感光液を塗布したスクリー
ン上に転写する方法(いわゆる直間法と呼ばれる方法)
がある。本発明の感光性樹脂組成物はこの様な方法で感
光膜を形成することができる。
【0156】(2)露光工程 上記型枠に張られたスクリーンに感光性樹脂組成物より
なる感光膜をネガフィルム又はポジフィルムよりなるフ
ィルムを介して紫外線、可視光線、アルゴンレーザー等
の光線を照射して露光することにより、該フィルムに画
像が描かれていて光を透過しない部分の裏面側の感光性
樹脂層中の樹脂固形分未架橋部分が未露光となり硬化し
ない。一方、該フィルムに画像が描かれていない部分の
裏面側の感光性樹脂層中のモノマーと樹脂架橋基が露光
されて光反応を起こし光架橋することにより硬化して、
この部分の感光性樹脂層に潜像画像を形成させることが
できる。露光は、一般に出力1〜15KW、好ましくは
2〜6KWの超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライ
ド含有高圧水銀灯等の光源を使用でき、一般に0.1〜
2m、好ましくは0.2〜1.5mの距離から、一般に
3秒〜20分間、好ましくは5秒〜5分間照射すること
により行われる。さらに、感剤のパターンエッジをシャ
ープに解像させることができるアライナーやステッパー
露光を行うことがより好ましい。
【0157】(3)現像工程 この露光された潜像画像を有する感光性樹脂層に、水、
アルカリ水溶液、又は、酸水溶液をスプレーにより吹き
付けることによって、架橋硬化部分と未架橋部分の溶解
度差を利用し未架橋物質を除去することにより、画像が
形成されたスクリーン印刷用版が得られる。現像は、一
般に1〜10分間行われる。しかし、ここで得られるス
クリーン印刷用版の感光性樹脂層は水に対して難溶性で
はあり、現像作業に耐え、十分な画像再現性が得られる
耐水性を有しているが、水性インキや捺染糊を使用した
印刷に耐えられないため、更なる耐水性を付与するため
に、本発明においては次の加熱処理工程を行うことが好
ましい。
【0158】(4)加熱処理工程 (a)加熱処理 上記現像により得られたスクリーン印刷用版は、一般に
乾燥するために40℃程度に乾燥されるのが普通である
が、本発明においては上記乾燥温度よりも高い上記架橋
性化合物が架橋反応を起こす温度、具体的な加熱処理温
度としては、一般に50〜220℃、好ましくは100
〜220℃、特に好ましくは130〜200℃の温度で
加熱処理工程に付することが重要である。このような加
熱処理の時間としては、一般に0.5〜4時間、好まし
くは1〜2.5時間である。このような加熱処理は、加
熱又は熱線を照射することにより行われる。上記加熱
は、一般にオーブン等の加熱炉内で、或いは、熱風を循
環送風する乾燥炉等の熱風加熱炉等により行われるのが
普通である。上記熱線としては、近赤外線、遠赤外線、
マイクロ波等を挙げることができる。
【0159】(b)架橋 この様な加熱処理工程に付することにより、スクリーン
印刷用版の感光性樹脂層中の光架橋した水に難溶性の架
橋性化合物よりなる樹脂成分が反応することにより高分
子化したり、架橋することにより分散質を水不溶性とす
ると共に、該水不溶性成分が光架橋したカルボキシル残
基に残存する水酸基と反応して親水性基である水酸基を
減少して水不溶化又は難溶化させたり、水酸基と反応す
ることにより光架橋した樹脂成分物と架橋してより巨大
な分子とすることにより更に一段と不溶化させることが
できる。
【0160】(スクリーン印刷用版) (1)構造 この様にして得られたスクリーン印刷用版は、上記感光
性樹脂組成物を用いて塗布、露光、現像、加熱又は熱線
処理することにより製造されたものであることから、型
枠に張られたスクリーンメッシュに部分的に樹脂層が一
定の厚みで形成されて画像が形成されており、この樹脂
層自体は光架橋された樹脂成分物中に熱により架橋され
た水不溶性成分を分散させたような状態のものであり、
この熱により架橋された水不溶性成分と光架橋された樹
脂物とが架橋して一体化されて、水や有機溶剤に不溶な
状態や膨潤し難い状態となっており、耐水性、有機溶剤
性、耐刷性に優れたスクリーン印刷用版となっている。 (2)種類 この様なスクリーン印刷用版は、フラットスクリーン印
刷機やロータリースクリーン印刷機を用いてスクリーン
印刷する際に用いられる、通常のフラットスクリーン印
刷版やロータリースクリーンシリンダーに感光性樹脂組
成物を塗布、乾燥したロータリースクリーン印刷版とし
て使用した場合も耐水性、有機溶剤性、耐刷性に優れた
ものとなる。中でも、ロータリースクリーンシリンダー
を用いたロータリースクリーン印刷版として使用するこ
とが特に有用である。
【0161】(3)用途 この様なスクリーン印刷用版は、上記フラットスクリー
ン印刷版の感光膜面上にスクリーン印刷用のインキを載
置し、この感光膜面をスキージで強く擦り、スクリーン
紗を被印刷体に接触させながら摺動させることによっ
て、この感光膜面の細孔にインキを透過させて、該感光
膜の裏面側の被印刷体に被着させて画像や文字等を印刷
することができる。具体的には、プリント基板等の工業
部品の印刷、或いは、Tシャツやハンカチーフ等の捺染
や、陶磁器、ガラス、広告看板、ポスター、エンドレス
捺染、壁装床材等建築内装材等への生活に密着した製品
への印刷等に幅広く適用することができる。
【0162】g.その他 本発明の感光性樹脂組成物を露光、アルカリ現像した後
においても、感光性樹脂組成物中には未反応の酸性基が
残存しているが、本発明では、感光性樹脂組成物中に含
有されるエポキシアクリレート樹脂組成物が、この残存
酸性基と加熱処理によって反応するため、形成された保
護膜中にはアルカリと反応可能な酸性基が存在せず、し
たがって、得られる感光性高分子層は優れた耐アルカリ
性を備えたものとなる。この感光性樹脂組成物の塗布膜
に対する露光とアルカリ現像を完了した後に行う加熱処
理(ポストベーク)は、通常、120〜250℃、5〜
90分程度の条件で行うことができる。この加熱処理に
より、感光性樹脂組成物中に含有されるエポキシ樹脂
が、残存する酸性基と反応することになる。
【0163】B.スクリーン印刷用版 次に、本発明のスクリーン印刷用版について説明する。
本発明のスクリーン印刷用版は2つの態様がある。第1
の態様としては、紗と、紗の隙間に充填され紗の表面を
平坦化させる平坦化層と、上記平坦化層の被印刷物側の
表面に形成されたバッククッション層とを有し、上記バ
ッククッション層が所定の硬度を有することを特徴とす
るものであり、第2の態様としては、開口幅の異なる少
なくとも2枚の紗を有することを特徴とするもの(以
下、第2の態様とする)である。
【0164】以下、それぞれの態様についてわけて説明
する。
【0165】(第1の態様)まず、本発明のスクリーン
印刷用版における第1の態様について説明する。本発明
のスクリーン印刷用版における第1の態様は、紗と、紗
の隙間に充填され紗の表面を平坦化させる平坦化層と、
上記平坦化層の被印刷物側の表面に形成されたバックク
ッション層とを有し、上記バッククッション層が所定の
硬度を有することを特徴とするものである。
【0166】本態様においては、所定の硬度を有するバ
ッククッション層を平坦化層の被印刷物側の表面に形成
したものであるので、印刷時にバッククッション層の弾
性を利用して良好な版離れを実現することができる。
【0167】図1は、このような本態様のスクリーン印
刷用版の一例を示すものである。メタル製の紗1の周囲
にはこのメタル紗1の隙間を充填する平坦化層2が形成
されている。この平坦化層2の被印刷物側の表面には、
第1接着層3を介してバッククッション層4が形成され
ている。一方、上記平坦化層2の被印刷物と反対側の表
面には、第2接着層5を介して感光性高分子層6が形成
されている。
【0168】上記平坦化層2、第1接着層3、バックク
ッション層4、第2接着層5、および感光性高分子層6
のいずれもが、同一のパターンでパターニングされ、貫
通孔7が形成されており、印刷時にはこの貫通孔7にイ
ンクが充填されて被印刷物に転写されることにより、ス
クリーン印刷がなされる。
【0169】この例に示すような本態様のスクリーン印
刷版が、従来のスクリーン印刷版と比較して高精細なパ
ターンを形成するのに有利である点について、従来のス
クリーン印刷版と比較して説明する。
【0170】図3は従来のスクリーン印刷版を示すもの
である。このような従来のスクリーン印刷版は、紗11
に乳剤12が付着した構成となっている。このような従
来のスクリーン印刷版を用いてスクリーン印刷をした場
合は、まず版離れが紗の張力に由来する力によるもので
あることから、良好であるとはいえない。したがって、
スキージによりインクを貫通孔7に充填した際に、スク
リーン印刷用版が被印刷物に密着する時間が比較的長く
なる。このため、転写されたインクaが裏回りしてしま
い、解像度が良好なパターンを形成することができな
い。
【0171】また、乳剤12の膜厚は紗の厚みと比較し
てそれほど厚く形成されていないことから、乳剤12の
被印刷物側の面は、紗の凹凸に応じて若干の凹凸を生じ
てしまう。このようなスクリーン印刷版を用いてスクリ
ーン印刷を行った場合は、インクの被印刷物への転写時
に、乳剤表面と被印刷物表面の間に微細な隙間が生じる
可能性がある。したがって、この隙間にインクが滲み出
てしまい、結果として高精細なパターンの形成を妨げる
ことになる。
【0172】図1に示すように、本態様のスクリーン印
刷版は、所定の硬度のバッククッション層4が平坦化層
2の被印刷物側に形成されていることから、版離れがこ
のバッククッション層の弾性を利用したものとなる。こ
のため、極めて短時間で版離れが行われることから、イ
ンクaが裏回りする可能性が少ない。さらに、バックク
ッション層4は平坦化層2上に第1接着層3を介して、
かつ所定の膜厚で形成されたものであるので、転写時に
紗1の凹凸に影響されることなく平坦性を維持すること
ができる。また、バッククッション層4は転写時に被印
刷物表面と平行となるように形成されている。したがっ
て、転写時にインクが裏回りする可能性を極めて小さく
することが可能であり、その結果高精細なパターンを形
成することが可能となるのである。
【0173】以下、このような本態様のスクリーン印刷
用版について、各構成毎に詳細に説明する。なお、本態
様のスクリーン印刷用版は、フラットスクリーン版であ
っても、シリンダー状のスクリーン版であってもよい。
【0174】a.バッククッション層 上述したように、本態様のスクリーン印刷用版の第1の
特徴は、被印刷物側の面にバッククッション層が形成さ
れている点にある。
【0175】本態様においては、このバッククッション
層の硬度が、針侵入硬度で、30〜65の範囲内、特に
33〜60の範囲内、中でも35〜55の範囲内である
ことが好ましい。硬度が上記範囲より小さい場合は、版
離れが悪くなり、インクの裏回りが生じる可能性が生じ
ることから好ましくない。一方、硬度が上記範囲より高
い場合は、バッククッション層が紗の動きに追従するこ
とができずにクラック等が生じる可能性があることから
好ましくない。
【0176】また、このバッククッション層の膜厚とし
ては、1μm〜150μmの範囲内、特に3μm〜10
0μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より膜
厚が薄い場合は、バッククッション層としての機能を発
揮することができず版離れが悪くなり、インクの裏回り
等が生じる可能性があることから好ましくない。一方上
記範囲より膜厚が厚い場合は、フォトリソグラフィー法
によるパターン形成時にパターン精度を維持することが
困難となり、結果的に高精細なパターンを形成すること
ができなる可能性があることから好ましくない。
【0177】このようなバッククッション層の形状は、
図1に示す例でも明らかなように、平坦化層と同様のパ
ターンで貫通孔が形成され、同一にパターニングがなさ
れたものである。この際、平坦化層の被印刷物側と反対
側の表面に感光性高分子層が形成されている場合は、こ
の感光性高分子層とも同一にパターニングがなされたも
のである。
【0178】また、バッククッション層は表面が平滑で
あることが好ましい。表面に凹凸がある場合は、転写時
に凹部にインクがにじみ出てしまう可能性があり、好ま
しくないからである。
【0179】さらに、本態様においては、バッククッシ
ョン層は、被印刷物に密着した際に、被印刷物表面とバ
ッククッション層表面とが平行になるように形成されて
いることが好ましい。転写時に平行とならない場合は、
隙間が生じるということであり、その隙間にインクが滲
み出て、高精細なパターンを形成することができなくな
る可能性があるからである。
【0180】このようなバッククッション層を形成する
ための材料としては、上述した感光性樹脂組成物を用い
ることが可能である。この場合、上述したモノマー成分
(2)の含有量等を調整することにより、必要な硬さを
得ることができる。
【0181】また、その他の材料としては、解像性の良
好な化学増幅型レジストとして、ポリヒドロキシスチレ
ンとの共重合体(日立化成(株))、ポジ型半導体レジ
ストとして、OFPRシリーズ、OFPR−800(東
京応化(株))、AZシリーズ(ヘキスト(株))、N
R−ポリマー(三菱レーヨン(株))、カチオン硬化樹
脂、エポリードPB,セロキサイド2021P(以上、
いずれもダイセルUCB(株))を使用したUV153
0、UV1534、UV1533、Uvacure15
61、1562、1502、1591等を挙げることが
できる。
【0182】また、本態様におけるバッククッション層
は、ドライフィルムレジストを用いて形成することも可
能である。このバッククッション層は所定の膜厚を有す
るものであることから、工程面で有利なドライフィルム
レジストを用いることが好ましいのである。
【0183】b.紗 本態様に用いられる紗としては、特に限定されるもので
はないが、高精細なパターンを得ることを目的とするも
のであることから、メタル紗、さらには、スクリーン紗
の張力を高め、高開口率を保持した高張力ステンレスス
クリーン紗、レーザパンチングされた金属メッシュ紗、
メタルコンビネーション紗、電鋳法により金属ニッケル
等を析出させ、プレート状としたアルファスクリーン
紗、メッキスクリーン紗、メタルマスクを紗に構成する
レーザーメタルマスク紗、アディティブメタルマスク
紗、エッチングメタルマスク紗等を挙げることができ
る。
【0184】本態様においては、中でもメタル紗が好適
に用いられる。このようにメタル紗が用いられた場合
は、紗の被印刷物側面を研削して平坦化することが好ま
しい。すなわち、例えば図2に示すようにメタル紗21
の一方の表面側を、研磨剤でポリッシング後、薄膜化さ
れたことにより、おれ強度が低下してしまわないよう強
度を維持するために、よりをかける目的で、カレンダー
平滑処理を施す等の方法により平坦化するのである。
【0185】このように平坦化された面が被印刷物側と
なるようにして紗を配置し、平坦化層を形成してその上
にバッククッション層を設けることにより、バッククッ
ション層表面を平滑とすることが可能となるからであ
る。
【0186】このような紗の平滑処理は、メッシュ間距
離に依存するが、メタル紗のワイヤの直径の3分の1程
度までであれば研削して平坦化することが可能である。
【0187】c.平坦化層 本態様においては、上記紗には、その隙間に充填された
平坦化層が形成されている。この平坦化層は、従来のス
クリーン印刷版に用いられていた乳剤と同様のものであ
ってもよいが、これに限定されるものではなく、紗の凹
凸をなるべく平滑化することができるような材料および
膜厚で形成されていることが好ましい。
【0188】このような平坦化層の膜厚は、紗構成の線
径や、紗の膜厚にもよるが、14μm〜50μmの範囲
内であることが好ましい。
【0189】また、このような平坦化層を形成する材料
は、上述したように従来のスクリーン印刷で用いられて
いる乳剤、具体的には、水系エマルジョン感剤、例えば
ポリエステル−アクリル水系エマルジョン、水系エポキ
シ樹脂にゴム弾性乳化共重合体を硬化剤と共に配合した
エポキシ樹脂水系乳剤、エポキシ樹脂に高ニトリルのア
クリロニトリル・ブタジエン共重合体を結合させた変性
エポキシ乳化重合体系乳剤を用いることができるが、こ
れに限定されるものではなく、その他、スチレン・ブタ
ジエン乳化共重合系、エチレン・酢酸ビニル乳化共重合
体系、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル
・ブタジエン乳化共重合体系の乳剤等を用いることがで
きる。
【0190】d.第1接着層 本態様においては、上記平坦化層とバッククッション層
との間に第1接着層を形成してもよい。このように第1
接着層を形成することにより、バッククッション層と平
坦化層との密着性を向上させることができるからであ
る。さらに、第1接着層を後述するように低硬度の材料
で形成することにより、転写時にバッククッション層の
クッションとしての役割を果たすことが可能となり、バ
ッククッション層の版離れをより良好とすることが可能
であり、かつ転写時におけるバッククッション層と被印
刷物とを隙間なく密着させることができるといった効果
を奏する。
【0191】また、スクリーン印刷版用の接着材料とし
て、パターニング性、平滑性の他に、スクリーンインキ
溶剤に対する耐溶剤性も必要である。特にインキ乾燥性
と関係して、耐グリコール系溶剤性は必須である。例え
ば、プロピレングリコール・メチルエーテル(PGM)
中に3時間浸漬して、少なくとも一定の接着強度を保持
可能であることが必要である。この場合の接着強度とし
て、PGMに3時間浸漬した後の接着力強度の値が、7
kg(25mm×25mm□)以上である。一般には、
接着部位に対して、ポリエステル粘着テープ(商品名セ
ロテープ(登録商標))等の粘着テープで剥離しないこ
とである。
【0192】このような第1接着層の硬度は、上述した
ように比較的低い方が好ましく、具体的には針侵入硬度
で30未満、好ましくは10〜28の範囲内、特に15
〜25の範囲内であることが好ましい。上記範囲より硬
度が高い場合は、上述したようなバッククッション層の
クッションとしての役割を果たすことができないことか
ら好ましくなく、上記範囲より硬度が低い場合は、強度
面で問題が生じる可能性があるから好ましくない。
【0193】本態様における第1接着層の膜厚は、1μ
m〜100μmの範囲内、特に3μm〜70μmの範囲
内とすることが好ましい。また、この第1接着層も当然
のことながら上記バッククッション層および平坦化層と
同一のパターンでパターニングされ貫通孔が形成されて
いることが好ましい。
【0194】また、上記平坦化層が上記第1接着層と同
一の材料で形成されていてもよい。具体的には、上記平
坦化層の膜厚を厚く形成し、用いる材料を選択すること
により、適当な硬度範囲であり、かつバッククッション
層との密着性が良好な材料で形成されるのであれば、上
記第1接着層と平坦化層とは同一であってもよいのであ
る。
【0195】本態様においては、上記第1接着層を形成
する材料としては、上述したように、バッククッション
層と平坦化層との密着性が良好であり、かつ所定の硬度
範囲とすることができる材料であれば特に限定されるも
のではないが、具体的には、ウレタンアクリレート、ポ
リエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、
シリコンアクリレート等のアクリル型、および不飽和ポ
リエステル・スチレン系、ポリエン・スチレン系等の非
アクリル系が挙げられるが、中でもUV硬化速度、物性
の選択幅の広さから、アクリル型が好ましい。さらに
は、弾性力の面から、オリゴマーのような適度な分子量
のもの、質量平均分子量(Mw)が5000〜1500
0程度のものが好ましい。
【0196】e.感光性高分子層 本態様においては、上記平坦化層の被印刷物側と逆側の
表面に、感光性高分子層を形成してもよい。このように
感光性高分子層を形成することにより、従来のスクリー
ン印刷版と比較して、格段にスクリーン印刷版を高精細
に形成することが可能となるからである。また、感光性
高分子層の材料を選択することにより、耐溶剤性を向上
させ、さらに耐刷性を向上させることができるので、ス
クリーン印刷版の寿命を大幅に向上させることが可能と
なる。
【0197】このような感光性高分子層を構成する材料
としては、上述したような本態様の感光性樹脂組成物を
用いることが好ましい。
【0198】この感光性高分子層の膜厚としては、0.
1μm〜100μmの範囲内、特に1μm〜50μmの
範囲内であることが好ましい。
【0199】f.第2接着層 本態様においては、さらに上記感光性高分子層と平坦化
層との間に、第2接着層を形成してもよい。これは感光
性高分子層と平坦化層との密着性を向上させるために形
成するものである。
【0200】この第2接着層は、上記第1接着層と同様
の材料を用いることができ、また膜厚も同程度で形成さ
れることが好ましい。
【0201】g.その他の層 インクに直接接する面に、感光性高分子層のひび割れ
や、耐溶剤性を向上させるための湿潤保湿層や、インク
のレオロジー特性に併せて、感光性高分子層を2層以上
の複層として、それぞれのパターン解像性を異なる開口
率として、インキ通過孔を変化させた層としても良い。
さらには、アライメントマーク情報等を明確に判読・区
別するための着色感光層(赤外線吸収剤や紫外線吸収剤
を含む)を設けても良い。
【0202】(第2の態様)次に、本発明のスクリーン
印刷用版における第2の態様について説明する。本発明
のスクリーン印刷用版における第2の態様としては、開
口幅の異なる少なくとも2枚の紗を有することを特徴と
するものである。
【0203】本態様によれば、スクリーン印刷用版が、
開口幅の異なる少なくとも2枚以上の紗を有することか
ら、開口部内でのインキの流動性を調整することが容易
となり、高精細なパターンをスクリーン印刷法により印
刷することが可能となる。
【0204】このような本態様のスクリーン印刷用版の
一例を図4に示す。本態様のスクリーン印刷用版は、被
印刷物側に形成される被印刷側紗11と、その被印刷側
紗11と反対側に形成される表面側紗12との開口幅が
異なるものである。これにより、貫通孔7内でのインキ
の流動性を調整することが可能となり、インキの抜け等
を良くすることが可能となるのである。
【0205】これらの開口幅の異なる紗は、2枚以上で
あれば、その枚数は特に限定されるものではなく、3枚
以上であってもよいが、本態様においては、2枚である
ことが好ましい。紗の枚数が多くなると、紗の張力が強
くなり、印刷時に被印刷物への密着が困難となるからで
ある。
【0206】また、これらの開口幅の異なる2枚以上の
紗における開口幅は、1μm〜30μmの範囲内である
ことが好ましい。上記範囲内より開口幅が狭い場合に
は、インキが目詰まり等を起こす可能性があるからであ
り、また上記範囲内より開口幅が広い場合には、高精細
なパターンを形成することが困難となるからである。
【0207】これらの紗の種類は、特に限定されるもの
ではなく、スクリーン印刷用版に通常用いられている紗
も用いることが可能であるが、本態様においては、より
高精細なパターンの形成が可能であるという点から、メ
タル紗であることが好ましい。紗がメタル紗であること
により、紗の張力が高く、印刷時の版離れがよいことか
ら、高精細なパターンを形成することが可能となるから
である。
【0208】このようなスクリーン印刷用版は、2枚以
上の異なる開口幅を有する紗をそれぞれ別に形成し、そ
れらの紗を重ねることにより得ることができる。これに
より、それぞれの紗の開口幅の比等を調整することが可
能となる。また例えば被印刷物側の紗と表面側の紗との
厚みを異なるものとすることも可能である。これによ
り、貫通孔内部におけるインキの流動性等をより調整す
ることが可能となり、高精細なパターンを形成すること
ができるのである。この際、それぞれの紗の間は、接着
されていなくてもよいが、本態様においては、接着層等
により接着されていることが好ましい。この接着層とし
ては、上述した第1の態様における第1接着層の項で説
明した材料等を用いることが可能であるので、ここでの
説明は省略する。
【0209】それぞれの紗の形成方法としては、通常の
スクリーン印刷用版の形成と同様に形成することも可能
であり、この場合、開口幅の調整は、乳剤により行うこ
とができる。また、この際乳剤として、上述した第1態
様における平坦化層の項で説明した材料等を用いること
も可能である。
【0210】しかしながら、本態様においては、紗がメ
タル紗であることが好ましく、この場合の紗の形成方法
として、金属板に、レーザにより貫通孔を形成する方
法、またはエッチングにより貫通孔を形成する方法等で
あることが好ましい。これにより、通常スクリーン印刷
用版に用いられている乳剤を用いることなく紗を形成す
ることができ、2枚以上の紗を重ねた際に、それぞれの
紗の開口部を密着させることが可能となる。よって高精
細なパターンの形成が可能となるからである。また、こ
れらの方法を用いることにより、従来のスクリーン印刷
用版より細かい貫通孔を形成することができることから
も、高精細なパターンを形成することが可能となるから
である。
【0211】この際に、用いることが可能な金属板とし
ては、通常メタル紗に用いることが可能な材料で、エッ
チング加工が可能な金属であれば、特に限定されるもの
ではなく、特に高精細さを必要とする場合には線膨張係
数の小さなインバー材やSUS系合金などが好ましい。
さらに、異なる材質の金属を組み合わせて用いることも
できる。
【0212】また、金属板にレーザにより、開口部を形
成する方法において、用いることが可能なレーザとして
は、出力の大きなレーザで、レーザアブレーション能力
を有するものであれば特に限定はされないが、具体的に
はYAG、高出力Arレーザ等が挙げられる。
【0213】また、エッチングにより開口部を形成する
場合には、通常のフォトリソグラフィー法を用いること
ができる。
【0214】ここで、2枚以上の開口幅の異なる紗にお
ける開口幅の比は、印刷を行うインキの粘度特性により
適宜選択される。本発明においては、この最も印刷物に
近い位置に形成される被印刷物側紗の開口幅を1とした
場合に、最も表面に近い位置に形成される表面側紗の開
口幅が、0.1〜10の範囲内、中でも0.5〜3.0
の範囲内であることが好ましい。この開口比が小さい場
合には、インキ充填が十分に行われず、かすれやインキ
詰まりを起こす場合があるからである。また、開口比が
大きい場合には、被印刷物側での版づまりや、インキの
版裏まわり等を起こし、印刷汚れの原因となる場合があ
るからである。
【0215】ここで、本実施態様のスクリーン印刷用版
に用いられるインキの流動特性は、インキの粘度が20
〜300Pa・sの範囲内であり、かつTI(チキソト
ロピックインデックス)値が200〜400の範囲内で
あり、さらに動的粘度特性を示すTanδ値が5〜10
程度であることが好ましい。
【0216】このTI値とは、回転粘度計ダブルコーン
型(径25mm)にて3回転粘度(η)と、10回転
粘度(η10)とを測定した値の比(η/η10)で
ある。測定は、温度25℃、測定試料0.3mlで行っ
た。また、Tanδ(G′′(損失弾性率)/G′(貯
蔵弾性率))は動的粘弾性測定装置レオメータにより測
定した値である。測定は、温度25℃で行った。
【0217】また、動的粘度特性を示すTanδ値は、
角周波数ωが0.1rad/sがインキを版から転移
後、基板上にて静止している状態に、また角周波数ωが
100rad/sをインキがメッシュパターンを通過し
ている状態に近いものとして定義したものである。この
場合、角周波数ωが0.1rad/sでTanδが5.
1〜8.0の範囲内、ωが100rad/sでTanδ
が0.7〜1.9の範囲内となるチキソ性の高い流動特
性を有するインキが好適に用いられる。
【0218】なお、ここで上記紗の張力が硬くて復元力
が得られない場合には、上述した第1の態様に用いられ
るバッククッション層等を形成してもよい。
【0219】また、本態様のスクリーン印刷用版は、フ
ラットスクリーン版であってもシリンダー状のスクリー
ン印刷用版であってもよい。
【0220】C.スクリーン印刷用版の製造方法 本発明におけるスクリーン印刷用版の製造方法は、紗の
隙間に感光性材料を充填して、紗の両面を平坦化させる
平坦化層形成工程と、上記平坦化層が形成された紗の一
表面に感光性樹脂組成物を塗布し、パターン露光を行う
ことにより、パターン状に感光性高分子層を形成する感
光性高分子層形成工程と、上記平坦化層が形成された紗
の他の表面にポジ型感光性材料を塗布した後、上記感光
性高分子層側から露光することにより上記ポジ型感光性
材料をパターニングしてバッククッション層とするバッ
ククッション層形成工程とを有することを特徴とするも
のである。
【0221】本発明の製造方法によれば、フォトマスク
を介した露光が1回で済むことから工程的に有利であ
り、コストダウンを図ることが可能であるという利点を
有する。
【0222】本発明においては、感光性樹脂組成物を用
い、この感光性樹脂組成物に対してまずパターン露光を
行い、現像することによりパターン状に形成された感光
性高分子層が形成される。ここで、平坦化層は予め形成
されていることから、この際同様にしてパターン状に形
成される。
【0223】そして、上記感光性高分子層と逆側の面に
バッククッション層を形成するためのポジ型の感光性材
料を塗布する。そして、すでにパターン状に形成されて
いる感光性高分子層側から全面にわたって露光すること
により、上記感光性高分子層が無い部分が露光されるこ
とから、ポジ型感光性材料は上記感光性高分子層が無い
部分のみ除去することができ、これによりスクリーン印
刷用版とすることができるのである。
【0224】本発明においては、感光性高分子層を形成
する感光性樹脂組成物は、上述した本発明の感光性樹脂
組成であることが好ましい。現像性が良好でありかつ耐
溶剤性および耐刷性が良好だからである。
【0225】なお、本発明におけるバッククッション層
等の各構成に関しては、上記「B.スクリーン印刷用
版」で説明したものと同様であるので、ここでの説明は
省略する。また、スクリーン印刷用版の一般的な製法に
関しては、上記「A.感光性樹脂組成物」の「スクリー
ン印刷版の製造方法」の欄に記載された方法を用いるこ
とができる。
【0226】D.微細パターン形成体の製造方法および
微細パターン形成体 本発明においては、上述したようなスクリーン印刷版を
用いてスクリーン印刷を行うことにより、従来のスクリ
ーン印刷版では達成することができなかった、高精彩な
微細パターンを基材上に形成することが可能となった。
【0227】本発明の微細パターン形成体に用いられる
基材としては、特に限定されるものではなく、表面が平
滑なものであればいかなるものも用いることができる。
本発明の微細パターン形成体は、このような基材上にス
クリーン印刷法により形成された機能層の微細パターン
が形成されてなるものである。
【0228】本発明でいう微細パターンとは、幅が1μ
m〜90μmの範囲内、特に10μm〜70μmの範囲
内であるラインからなるパターンか、もしくは直径が3
μm〜80μmの範囲内、特に12μm〜60μmの範
囲内であるドットからなるパターンを示すものである。
【0229】また、本発明でいう機能層とは、このよう
な微細パターンを必要とする機能層であり、例えばプリ
ント配線版であれば導電層であり、EL素子であれば発
光層であり、カラーフィルタであれば着色層とすること
ができる。
【0230】本発明の微細パターン形成体としては、例
えば微細パターンとして障壁が形成されたプラズマディ
スプレイ、微細パターンとして引き出し電極が形成され
た色素増感電池、プリント印刷基板、電磁波吸収パター
ン、セラミクスコンデンサ等が挙げられる。
【0231】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の
特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一
な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかな
るものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0232】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに説明す
る。 A.感光性樹脂組成物 (アルカリ可溶性アクリル共重合体Aの合成) 組成 ・ベンジルメタクリレート 264g(15モル%) ・スチレン 385g(37モル%) ・アクリル酸 216g(30モル%) ・2−ヒドロキシエチルメタクリレート 234g(18モル%) 上記組成をアゾビスイソブチロニトリル5gと共に65
0gの酢酸−3−メトキシブチルに溶解した溶液を、酢
酸−3−メトキシブチル1000gを入れた重合槽中
に、100℃で、6時間かけて滴下し、重合させ重合体
溶液を得た。
【0233】この重合体溶液の固形分は40重量%、粘
度は1050mPa・s(30℃、B型粘度計)であ
り、重合体の酸価は152mgKOH/g、水酸基価は
90mgKOH/g、重量平均分子量はポリスチレン換
算で37,000であった。得られたアルカリ可溶性ア
クリル共重合体は、スチレン単位15モル%、ベンジル
メタクリレート単位37モル%、アクリル酸単位30モ
ル%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート単位18モ
ル%からなるものである。
【0234】次に、得られた重合体溶液に、 ・2−メタクロイルエチルイソシアネート 270g ・ラウリン酸ジブチル錫 1g ・酢酸−3−メトキシブチル 2230g という組成の混合物を5時間かけて滴下した。
【0235】反応の進行はIR(赤外線吸収スペクト
ル)によりモニターしつつ、2200cm-1のイソシア
ネート基によるピークが消失した時点とした。
【0236】得られた反応溶液の固形分は26重量%、
粘度は500mPa・s(30℃、B型粘度計)であ
り、重合体は、酸価は120mgKOH/g、水酸基価
は5mgKOH/g、重量平均分子量はポリスチレン換
算で45,000であり、また(メタ)アクリロイル基
を17モル%含有していた。 (アルカリ可溶性アクリル共重合体Cの合成) 組成 ・スチレン 540g(52モル%) ・アクリル酸 216g(30モル%) ・2−ヒドロキシエチルメタクリレート 234g(18モル%) 上記組成の混合物をアゾビスイソブチロニトリル5gと
共に650gの酢酸−3−メトキシブチルに溶解した溶
液を、酢酸−3−メトキシブチル1000gを入れた重
合槽中に、100℃で、6時間かけて滴下し、重合させ
重合体溶液を得た。
【0237】この重合体溶液の固形分は40重量%、粘
度は950mPa・s(30℃、B型粘度計)であり、
重合体の酸価は150mgKOH/g、水酸基価は90
mgKOH/g、重量平均分子量はポリスチレン換算で
38,000であった。
【0238】得られた共重合体は、スチレン単位52モ
ル%、アクリル酸単位30モル%、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート単位18モル%からなるものである。
【0239】次に、得られた重合体溶液に、 ・2−メタクロイルエチルイソシアネート 270g ・ラウリン酸ジブチル錫 1g ・酢酸−3−メトキシブチル 2230g という組成の混合物を5時間かけて滴下した。
【0240】反応の進行はIR(赤外線吸収スペクト
ル)によりモニターしつつ、2200cm-1のイソシア
ネート基によるピークが消失した時点とした。
【0241】得られた反応溶液の固形分は25重量%、
粘度は490mPa・s(30℃、B型粘度計)であ
り、重合体は、酸価は120mgKOH/g、水酸基価
は5mgKOH/g、重量平均分子量はポリスチレン換
算で45,000であり、また(メタ)アクリロイル基
を14.5モル%含有していた。
【0242】(感光性樹脂組成物の製造) [実施例1]厚み1.1mmのガラス基板(旭硝子
(株)製AL材)上に、下記の組成の感光性樹脂をスピ
ンコーティング法により塗布(塗布厚み1.5μm)
し、その後、70℃のオーブン中で30分間乾燥した。
次いで、所定のパターンのフォトマスクを介して塗布面
に水銀ランプを用いて露光を行い、水によるスプレー現
像を1分間行って、形成硬化画素を形成すべき領域にス
クリーン評価用パターンを形成した。さらに、その後、
150℃で30分間加熱して硬化処理を施した。
【0243】次に、下記の組成の感光性樹脂を用いて、
上記パターン形成と同様の工程で、スクリーン評価用パ
ターンを形成した。 ・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社製、SR399) 9.1重量部 ・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、エピ コート180S70) 5.2重量部 ・2−メチル−1−〔4−メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノ ン−1 1.8重量部 ・2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェ ニ ル−1,2′−ビイミダゾール 1.3重量部 ・ジエチレングリコールジメチルエーテル 29.6重量部 ・3−メトキシブチルアセテート 6.2重量部 このような組成の混合物を室温で攪拌・混合し、本発明
の感光性樹脂組成物を調製した。
【0244】(露光・現像工程)感光性樹脂組成物の塗
布膜から100μmの距離にフォトマスクを配置してプ
ロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ラ
ンプを用いてスクリーン樹脂層のパターン形成領域に相
当する領域にのみ紫外線を10秒間照射した。次いで、
0.05%炭酸水素ナトリウム水溶液(液温23℃)中
に1分間浸漬して水溶液現像し、感光性樹脂組成物の塗
布膜の未硬化部分のみを除去した。
【0245】その後、基板を180℃の雰囲気中に30
分間放置することにより加熱処理を施して保護膜を形成
し、本発明の版およびスクリーン評価用パターンを得
た。さらに上述配合の感光性樹脂組成物100gに対し
て、ブロックイソシアネート(日本ポリウレタン工業
(株)製コロネート2513)35g混合し、ホモミキ
サーで10分間攪拌したところ、薄い黄色の乳白色の液
体(感光性樹脂組成物)が得られた。この液状の感光性
樹脂組成物を用い、スクリーン印刷用版作成の常法に従
いポリエステル150メッシュ(紗厚77μm、線径4
8μm、空間率51.3%)に感光性樹脂溶液14μm
の厚さに塗布し、テストパターンを描画したポジフィル
ムを密着して、2kw超高圧水銀灯で距離1Mで露光
し、スプレーガンで水をスプレーして未露光部を洗い流
したところ、硬化した感光膜で形成されたテストパター
ン画像が得られた。次に、この画像(版)を熱風オーブ
ンに入れ、180℃、90分の加熱処理を行った。得ら
れたスクリーン印刷用版の評価を下記の方法に従い実施
した。その結果を表2に示す。
【0246】[実施例2]実施例1における感光性樹脂
組成物に代えて、下記で調製した感光性樹脂組成物を同
様に使用した以外は同様にして版およびスクリーン評価
用パターンを作成した。 (感光性樹脂組成物の調製) ・上記で合成したアルカリ可溶性アルキル共重合体(3)(固形分25%) 46.8重量部 ・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社製、SR399) 9.1重量部 ・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、エピ コート180S70) 5.2重量 部 ・2−メチル−1−〔4−メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノ ン−1 1.8重量 部 ・2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニ ル−1,2′−ビイミダゾール 1.3重量 部 ・ジエチレングリコールジメチルエーテル 29.6重量部 ・3−メトキシブチルアセテート 6.2重量部 上記組成の混合物を室温で攪拌・混合し、本発明の感光
性樹脂組成物を調製した。
【0247】上述した感光性樹脂100gに、ブロック
イソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製コロネ
ート2513)35g、酢酸ビニルエマルジョン(ヘキ
スト合成(株)製MA−206)240gを混合して液
状の感光性樹脂組成物を作成し、実施例1同様にスクリ
ーン印刷用版を作成し、評価した。その結果を表2に示
す。
【0248】(耐アルカリ性、保護膜の表面状態、ダイ
ナミック硬度)1%水酸化ナトリウム水溶液(液温23
℃)中に試料を24時間浸漬した後、引き上げ、保護膜
の硬度をダイナミック硬度計(島津ダイナミック超微小
硬度計DUH−201S、押し込み荷重一定試験:三角
圧子:115°、荷重:5mN、負荷速度定数:6、保
持時間:5sec)で測定し、また外観を下記の評価基
準で評価した。なお、ダイナミック硬度とは、針侵入硬
度を示すものである。
【0249】外観の評価基準 ○:硬化保護膜に変化がみられない。 △:硬化保護膜の表面に荒れ、気泡を生じる。 ×:硬化保護膜の一部乃至全部が剥離する。
【0250】(現像性、エッジ形状)0.05%水酸化
カリウム水溶液(23℃)に1分間浸漬して未露光部分
を完全に除去したときの保護膜パターンの外周形状を下
記の基準で評価した。 ○:外周形状が直線性を保ち、うねり、しわ等がみられ
ない。 ×:外周形状に直線性がみられず、うねり、しわ等が生
じている。
【0251】(タック性)露光、現像処理後の表面のタ
ックを見て、下記の基準で評価した。 ○:タックがない。 ×:タックがある。
【0252】(レベリング性)乾燥塗布後の表面状態を
観測し、下記の基準で評価した。 ○:平坦になっている。 ×:平坦性に欠け、表面が柚子肌状になっている。
【0253】(密着性)クロスカット後に、粘着テープ
(3M製、No.610)にて引き剥がし試験を行な
い、下記の基準で評価した。 ○:正方形の各目に剥がれがない。 ×:正方形の各目に剥がれが生じた。
【0254】(感光液の安定性試験)恒温槽にて感光液
を25℃にし、B型粘度計を使用し、粘度測定を行っ
た。その感光液をポリエチレン製瓶に詰め、温度30
℃、湿度70%の環境試験機に入れ、10日後に取り出
し、B型粘度計を使用し、25℃の時の粘度を測定し
た。
【0255】(グレースケール感度)スクリーン版作成
の常法に従いポリエステル150メッシュ(紗厚77μ
m、線径48μm、空間率51.3%)に感光性樹脂層
を14μmの厚さに塗布し、大日本印刷(株)製の解像
力チャートとKodak PhotographicS
tep Tablet No.2フィルム(以下グレース
ケールと称する)を真空密着して、2kw超高圧水銀灯
で波長300nm以上の光を500mJ/cm2の光量
で露光を行った。露光後、スプレー現像機で水をスプレ
ーして未露光部を洗い流したところ、硬化した感光膜で
形成されたテストパターン画像が得られた。この画像の
パターン部分を観察し、レジスト感度はグレースケール
の残りが4.5段(以下グレースケール感度を2段上げ
るには露光量が2倍必要である。)と高感度であった。
【0256】(解像度試験)グレースケール感度評価に
使用した版を利用し、適正露光時間でのパターンの解像
可能な最小の線幅を観察し、ライン線幅を解像度として
決定した。
【0257】(保存安定性試験)スクリーン版作成の常
法に従いポリエステル150メッシュ(紗厚77μm、
線径48μm、空間率51.3%)に感光性樹脂層14
μmの厚さに塗布した。この版を、温度40℃、湿度7
0%の環境試験機に入れ、5日後に取り出し、上述グレ
ースケール感度変化をみた。テストパターンを描画した
ポジフィルムを密着して、2kw超高圧水銀灯で距離1
mで、露光時間を変化させて露光し、スプレーガンで水
をスプレーして未露光部を洗い流したところ、硬化した
感光膜で形成されたテストパターン画像が得られた。こ
の画像のパターン部分を観察し、適正露光時間でのパタ
ーンの抜け性を観察した。
【0258】評価 ○・・・解像可能な最小の線幅が同じであった。 △・・・解像可能な最小の線幅が25μm未満で増し
た。 ×・・・解像可能な最小の線幅が25μm以上増した。
【0259】(耐水膨潤試験)スクリーン版作成の常法
に従いポリエステル紗150メッシュ(紗厚77μm、
線径48μm、空間率51.3%)に14μmの厚さに
塗布し、30×30mmの升目ポジフィルムを使用し、
4kw超高圧水銀灯で距離1mで、上記算出の適正露光
時間にて露光し、スプレーガンで水をスプレーして未露
光部を洗い流したところ、硬化した感光膜で形成された
画像が得られた。その画像をパターン部分に沿って30
×30mmの切片に切断し、耐水膨潤試験に供した。
試験方法試験切片を40℃にて24時間乾燥し、重量測
定(W0)を行った。この切片を室温で24時間水に浸
積した後、重量測定(W1)を行った。また、30×3
0mmのスクリーンの重量測定(W2)も行った。
【0260】[実施例3]実施例1の感光性樹脂溶液1
00gに、ブロックイソシアネート(日本ポリウレタン
工業製コロネート2513)35g、酢酸ビニルエマル
ジョン(ヘキスト合成MA−206)85g、光重合開
始剤ジエチルチオキサントン(日本化薬(株)製KAY
ACUREDETX)0.2gと重合促進剤としてアミ
ン化合物(日本化薬(株)製KAYACURE−EP
A)0.1gを溶解混合したアクリレートオリゴマー
(新中村化学(株)製TMPTA)を7g混合して液状
の感光性樹脂組成物を作成し、実施例1同様にスクリー
ン印刷用版を作成し、評価した。その結果を表2に示
す。
【0261】[実施例4]実施例1の感光性樹脂溶液1
00gにブロックイソシアネート(日本ポリウレタン工
業製コロネート2513)35g、酢酸ビニルエマルジ
ョン(ヘキスト合成(株)製MA−206)240g、
10%ジアゾ水溶液5gを混合して液状の感光性樹脂組
成物を作成し、実施例1同様にスクリーン印刷用版を作
成し、評価した。その結果を表2に示す。
【0262】[実施例5]実施例1の感光性樹脂溶液1
00gに、ブロックイソシアネート(日本ポリウレタン
工業製コロネート2513)35g混合し、ホモミキサ
ーで10分間攪拌したところ、薄い黄色の乳白色の液体
(感光性樹脂組成物)が得られた。この液状の感光性樹
脂組成物を用い、スクリーン印刷用版作成の常法に従い
ポリエステル150メッシュに15μmの厚さに塗布
し、テストパターンを描画したポジフィルムを密着し
て、4kw超高圧水銀灯で距離1Mで露光し、スプレー
ガンで水をスプレーして未露光部を洗い流したところ、
硬化した感光膜で形成されたテストパターン画像が得ら
れた。この画像(版)を熱風オーブンに入れ、180
℃、90分の加熱処理を行った。加熱処理後のスクリー
ン印刷用版の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0263】[実施例6:ロータリースクリーン印刷]
上記実施例1の感光性樹脂(液状の感光性樹脂組成物)
で、次の工程によってロータリースクリーン版を作成
し、印刷を行った。
【0264】(1)感光層塗布 エレクトロフォーミング法で製作されたロータリースク
リーンシリンダー−ロータリースクリーンRM75(ス
トーク社製、開口率40%、75メッシュ)を中性洗剤
で洗浄、水洗し、40℃の熱風乾燥機で乾燥する。乾燥
したシリンダーを自動塗布機(ストーク社製AC−20
00型)に取り付け、回転塗布した。
【0265】(2)乾燥 感光性樹脂組成物を塗布した上記のロータリースクリー
ンシリンダーを縦状態で熱風乾燥機に入れ、40℃、1
時間乾燥する。
【0266】(3)露光 感光性樹脂組成物を塗布・乾燥したロータリースクリー
ンシリンダーを露光機に載せ、画像用フィルムを巻き付
け、図柄のつながり部分を合わせ、セロテープ(登録商
標)で固定し、レーザ露光機(ストーク社製)にてダイ
レクトレーザ彫刻した。
【0267】(4)現像 ロータリスクリーンシリンダーを水槽に3分間浸積した
後、直ちに回転式、内部スプレー型の現像機で現像した
後、ロータリースクリーンシリンダーを取り出して、水
スプレーによって内外部を洗浄し、室内で縦置きし、1
0分間水を切り、熱風乾燥機で40℃/30分間乾燥す
る。
【0268】(5)熱処理 40℃に暖められた熱風循環乾燥炉にロータリースクリ
ーンシリンダーを入れ、170℃に昇温し、170℃で
90分間熱処理を行った。
【0269】(6)印刷 印刷装置に版を取り付け、綿布を1000m印刷した。
【0270】 (7)印刷機ロータリー印刷機(ストークエクセル社製
RSCあるいは小型試作用にRSIユニット)を用い
た。リピートステップ1/8インチ、印刷速度80m/
分で印刷できた。この結果、現在市販の重クロム酸塩を
用いた従来品の感光性樹脂組成物から製造したロータリ
ースクリーン版と同等以上の印刷結果が得られ、重クロ
ム酸塩を使用しなくても安全性が高く、環境破壊のない
感光性樹脂組成物を提供することができた。インキ汚染
性の有無 は1,000m印刷後のロータリースクリー
ンシリンダーを水洗後、乾燥し、インキの汚染性を観察
した。染料汚染が無く、感光層も磨耗が認められず、
印刷画像の滲みのない色と色の境界線がはっきりしてい
る印刷物であった。
【0271】[実施例7]実施例1と同一方法で作成し
た感光性樹脂組成物を用い、実施例1と同様にスクリー
ン印刷を作成した。次に、このスク林印刷用版を遠赤外
照射装置(汎用反射板付き遠赤外ヒーター500W6
本、ヒーター表面温度約500℃)を平行にセットし、
遠赤外ヒーター面とスクリーン印刷用版との距離を約1
00mmに保ちながら、自動移動できるコンベアーで移
動しながら照射する。その時、スクリーン印刷用版の感
光性樹脂組成物層の表面温度は170℃である。移動速
度100mm/minで、3分間照射して、得られたス
クリーン印刷用版を下記の方法に従い評価し、熱風によ
る熱処理と同等の効果が得られた。 さらに、UV露光
による硬化条件を以下のようにした。UV露光機(ヒュ
ージョン社製)面とスクリーン印刷用版との距離を約1
00mmに保ちながら、自動移動できるコンベアーで移
動しながら照射する。その時、スクリーン印刷用版の感
光性樹脂組成物層の表面温度は80℃である。移動速度
40mm/minで、1分間照射して、得られたスクリ
ーン印刷用版を下記の方法に従い評価し、熱風による熱
処理と同等の効果が得られた。
【0272】[比較例1]実施例1における感光性樹脂
組成物に代えて、下記で調製した感光性樹脂組成物を同
様に使用した以外は同様にして製版した。
【0273】 (感光性樹脂組成物の調製) ・o−クレゾールノボラックエポキシアクリレート(水酸基の50%を無水フタ ル酸と反応したもの) 8.8重量部 ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8.8重量部 ・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂 2.0重量部 ・開始剤(イルガキュア−369) 0.4重量部 ・酢酸−3−メトキシブチルアルコール 80重量部 上記組成の混合物を室温で攪拌・混合し、感光性樹脂組
成物を調製した。
【0274】得られた各スクリーン版用の硬化保護膜に
ついて、上述したような条件で、タック性、レベリング
性、耐アルカリ性、密着性、現像性、エッジ形状、表面
状態、およびダイナミック硬度を評価した。
【0275】[比較例2]実施例1の感光性樹脂溶液1
00gに、光重合開始剤ジエチルチオキサントン(日本
化薬(株)製KAYACUREDETX)0.2gと重
合促進剤としてアミン化合物(日本化薬(株)製KAY
ACUREEPA)0.1gを溶解混合したアクリレー
トオリゴマー(新中村化学(株)製TMPTA)を7g
乳化・混合して 評価した。その結果を表2に示す。
【0276】[比較例3]実施例1の感光性樹脂溶液1
00gに、酢酸ビニルエマルジョン(ヘキスト合成
(株)製MA−206)240g、10%ジアゾ水溶液
10gを混合して感光液を作成し、実施例1同様にスク
リーン印刷用版を作成し、評価した。その結果を表2に
示す。
【0277】[比較例4]実施例2において、感光液と
して重クロム酸塩型の感光液を用いて実施した以外は実
施例2と同様に実施した。その結果を表2に示す。
【0278】
【表2】
【0279】[比較例5]実施例1において、遠赤外線
の処理あるいはUV露光硬化処理をしなかった以外は実
施例7と同様に実施した。遠赤外線の処理あるいはUV
露光硬化処理をしなかったため、熱風による熱処理と同
等の効果は得られず、パターン部の版剥離や欠損が生じ
た。
【0280】B.スクリーン印刷用版 [実施例:スクリーン印刷用版の製造]方形アルミダイ
キャスト型枠に、メッシュ数が590、線径が13μ
m、スクリーン厚が18〜20μm、スクリーン角度が
33.2°である320角ステンレススクリーンST5
90CALH(東京プロセス(株)製DNP特注品)を
紗として使用し、紗張り機を使用して張力を高め、28
00〜3000N/mmとなるように固定した。乳剤
は、感光性アクリル酢酸ビニルエマルジョンをウェット
で10μm、乾燥膜厚で4μmとなるように塗布し、目
止め処理を施した。乾燥機により70℃で1.5時間乾
燥させた後、必要なパターンのついたクロムマスクを使
用し、大日本スクリーン製UVアライナー(DNP仕様
品)にて両面一括露光を行った。露光後、クロロピルア
ルコールを3%添加した、1%テトラメチルヒドロキシ
アンモニウム(TMAH)を露光面にスプレーし、現像
を行った。
【0281】さらに、インキ搭載側上面に、感光性樹脂
組成物として、ポジレジストOFPR(東京応化(株)
製)をダイコートにより、膜厚3μmに塗布し、大版ホ
ットプレートにより60℃で3分プリベークした後、U
V露光を行い、OFPR用現像液を使用して開口パター
ンを作成した。顕微鏡による確認から、最小オープニン
グは、17μmであった。
【0282】また、別のスクリーン版には、下記に示す
組成の感光性樹脂組成物を使用し、上記と同様に露光、
現像処理を行った。顕微鏡による確認から、最小オープ
ニングは、8μmであった。
【0283】さらに、裏面には下記に示す感光性樹脂組
成物を膜厚5μmになるように塗布した。上述同様の現
像、露光によって、必要パターンに追従するバッククッ
ション層を設けた。
【0284】また、各感光性樹脂のパターン形成後は、
それぞれ完全硬化させるために、さらに120℃におい
て、5時間乾燥を行った。 (感光性樹脂組成物の合成) ・アルカリ可溶性アクリル共重合体A 35重量部 ・ブロックイソシアネート 8重量部 ・TMPTA:DPHA(多官能アクリレートモノマー) 15重量部 ・イルガキュアー907(チバガイギー製) 0.9重量部 ・TAZ107(みどり化学(株)製) 0.1重量部 ・PGMEA 41重量部 上記組成の混合物を室温で攪拌・混合し、本発明の感光
性樹脂組成物を調製した。 (バッククッション層用感光性樹脂組成物の合成) ・感光性エポキシアクリレートDCR−43(日本触媒(株)製DNP試作品) 1重量部 ・DPHA(ダイセル工業(株)製) 3重量部 ・イルガキュアー907(チバガイギー製) 0.005重量部 ・PGMEA 15重量部 上記組成の混合物を室温で攪拌・混合し、本発明の感光
性樹脂組成物を調製した。
【0285】[実施例:微細パターン形成]微細パター
ンの形成において、印刷機は日本ニューロング(株)製
DNP改造機(CCD位置読み取り及び版OFF制御技
術改良機)を使用し、スクリーン版は上述のものを使用
した。印刷条件は、スキージ速度を250mm/s、ス
キージ圧を20kg、オフコンタクト距離を3.0mm
とした。インキは下記の組成のものを使用した。 ・ブルー顔料(C.I.pigment Blue15:6,塩基性置換基誘導 体処理フタロシアニンブルー) 20重量部 ・バイオレット顔料(C.I.pigment Violet23、ロジン誘導 体処理ジオキサジンバイオレット) 3重量部 ・分散剤(ゼネカ(株)製ソルスパース24000) 12重量部 ・バインダ:スチレン/アクリル酸/エポキシ変性アクリレート共重合体 6.0重量部 ・開始剤:2−(2´−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2 量体 1.0重量部 ・モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 3.0重量部 ・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 38重量部 ・イソホロン 12重量部 これを、ニーダならびにビーズミルを併用し、機械分散
してスクリーン印刷用インクに調合した。
【0286】このインキで185μmPETフィルム上
に印刷し、15μm独立細線を形成することができた。
連続印刷の結果、スクリーン紗の目ズマリもなく300
0枚連続印刷を可能とした。
【0287】[実施例8]インバー材0.3mm厚さの両
面に、感光性樹脂である重クロム酸増感剤(フィッシュ
グルー:DNP製)を25μm程度塗布した。次に、テ
ストマスクパターン(フォトマスク解像評価チャート:
DNP製)を用いて、メタルハライドランプ(2kW超
高圧水銀灯)により露光を行った。上記テストマスクパ
ターンは、1μmから30μmまで1μm単位で増加す
るパターンと、30μmから100μmまで5μm単位
で増加するパターンとが形成されたものである。
【0288】続いて、上記インバー材の両面にエッチン
グ液をスプレーし、現像を行い、上記開口部が形成され
たインバー材からなる紗を形成した。さらに、上記と同
様にインバー材からなる紗をもう一枚形成した。
【0289】次に、これらのインバー材からなる紗を、
上面の紗の開口幅が20μm、下面の紗の開口幅が15
μmとなるように、上記2枚のインバー材からなる紗を
接着剤により張り合わせた後、方形枠に固定し、本発明
のスクリーン印刷用版とした。
【0290】このスクリーン印刷用版を用いて、印刷を
行ったところ、上記の開口部において、12μm幅で精
度良く印刷することができた。
【0291】
【発明の効果】本発明の感光性樹脂組成物は、感光性樹
脂組成物中に熱により架橋する熱架橋性化合物を含有す
ることから、フォトマスク等を用いたパターン露光して
現像した後に、さらに加熱処理を行うことにより、得ら
れた感光性高分子中に光による架橋の他に熱による架橋
が形成される。したがって、例えば比較的厚い膜厚のも
のを形成する場合であっても、熱による架橋により十分
な物性を有する感光性高分子層を形成することが可能と
なるといった効果を奏する。
【0292】また、本発明のスクリーン印刷用版は、こ
のように紗の被印刷物側の表面に所定の硬度を有するバ
ッククッション層を有するものであるので、スクリーン
印刷後にこのバッククッション層の反発性により、非常
に良好な版離れがなされる。これによりインクの裏回り
付着といった不具合を防止することができることから、
スクリーン印刷に際して非常に高い解像性を発揮するこ
とが可能であり、高精細なパターンをスクリーン印刷法
により印刷することを可能とするといった効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスクリーン印刷版の一例を示す概略断
面図である。
【図2】本発明のスクリーン印刷版に用いられるメタル
紗の一例を示す概略断面図である。
【図3】従来のスクリーン印刷版を示す概略断面図であ
る。
【図4】本発明のスクリーン印刷版に用いられるメタル
紗の他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 …… 紗 2 …… 平坦化層 3 …… 第1接着層 4 …… バッククッション層 5 …… 第2接着層 6 …… 感光性高分子層
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA04 AB06 AC01 AD01 BC13 BC42 BC53 BC86 BD43 CA00 CB13 CB14 CB45 CB55 CB56 CC17 FA17 FA29 2H096 AA19 BA05 BA06 EA02 GA08 HA01 2H114 AB05 EA02 GA11

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ可溶性アクリル共重合体、多官
    能アクリルアクリレートモノマー、熱により架橋する熱
    架橋性化合物、および重合開始剤を有することを特徴と
    するスクリーン印刷用版製版用の感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記熱により架橋する熱架橋性化合物
    が、2官能以上のブロックイソシアネート化合物である
    ことを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ可溶性アクリル共重合体
    が、下記化学式(1)で示されるモノマー成分を5モル
    %〜55モル%の範囲内で有し、かつ下記化学式(2)
    で示されるモノマー成分を1モル%〜75モル%の範囲
    内で有し、酸価が5mgKOH/g〜400mgKOH
    /gの範囲内であり、さらにポリスチレン換算重量平均
    分子量が10,000〜1,000,000の範囲内で
    あることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    感光性樹脂組成物。 【化1】 (ここで、Rは、水素または炭素数1〜5のアルキル基
    を示す。Rは、芳香族もしくは脂環式化合物であ
    る。)
  4. 【請求項4】 エポキシアクリレート樹脂組成物を全樹
    脂組成物中3重量%〜25重量%の範囲内で含有するこ
    とを特徴とする請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 下記化学式(3)で示される化合物を全
    樹脂組成物中3重量%〜35重量%の範囲内で含有する
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の感光
    性樹脂組成物。 【化2】 (ここで、Xはメチル基もしくは水素原子を示し、R
    はアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基を示す。)
  6. 【請求項6】 前記アルカリ可溶性アクリル共重合体
    が、下記化学式(4)で示されるモノマー成分を1モル
    %〜75モル%の範囲内で有し、 前記化学式(1)で示されるモノマー成分のカルボキシ
    ル基および下記化学式(4)で示されるモノマー成分の
    水酸基の合計量の5モル%〜95モル%の範囲内に(メ
    タ)アクリロイルアルキルイソシアネート化合物が結合
    したものであることを特徴とする請求項3から請求項5
    までのいずれかの請求項に記載の感光性樹脂組成物。 【化3】 (ここで、Rは、水素または炭素数1〜5のアルキル基
    を示す。Rは、エチレン基、プロピレン基もしくはブ
    チレン基である。)
  7. 【請求項7】 前記アルカリ可溶性アクリル共重合体
    が、下記化学式(5)で示されるモノマー成分を3モル
    %〜40モル%の範囲内で有することを特徴とする請求
    項3から請求項6までのいずかの請求項に記載の感光性
    樹脂組成物。 【化4】 (ここで、Rは、水素または炭素数1〜5のアルキル基
    を示す。Rは、炭素数1〜12のアルキル基、ベンジ
    ル基、およびフェニルエチル基である。)
  8. 【請求項8】 紗と、紗の隙間に充填され紗の表面を平
    坦化させる平坦化層と、前記平坦化層の被印刷物側の表
    面に形成されたバッククッション層とを有することを特
    徴とするスクリーン印刷用版。
  9. 【請求項9】 前記バッククッション層の硬度が、針侵
    入硬度で30〜65の範囲内であることを特徴とする請
    求項8に記載のスクリーン印刷用版。
  10. 【請求項10】 前記バッククッション層と平坦化層と
    の間に第1接着層を有することを特徴とする請求項8ま
    たは請求項9に記載のスクリーン印刷用版。
  11. 【請求項11】 前記第1接着層の硬度が、針侵入硬度
    で30未満であることを特徴とする請求項10に記載の
    スクリーン印刷用版。
  12. 【請求項12】 前記平坦化層が第1接着層と同一の材
    料で形成されていることを特徴とする請求項8から請求
    項11までのいずれかの請求項に記載のスクリーン印刷
    用版。
  13. 【請求項13】 前記平坦化層の被印刷物と逆側の表面
    に感光性高分子層が形成されていることを特徴とする請
    求項8から請求項12までのいずれかの請求項に記載の
    スクリーン印刷用版。
  14. 【請求項14】 前記感光性高分子層と平坦化層の間に
    第2接着層が形成されていることを特徴とする請求項8
    から請求項13までのいずれかの請求項に記載のスクリ
    ーン印刷用版。
  15. 【請求項15】 前記感光性高分子層が、請求項1から
    請求項7までのいずれかの請求項に記載のスクリーン印
    刷用版製版用感光性樹脂組成物をパターン状に硬化させ
    たものであることを特徴とする請求項13または請求項
    14に記載のスクリーン印刷用版。
  16. 【請求項16】 前記バッククッション層が、請求項1
    から請求項7までのいずれかの請求項に記載のスクリー
    ン印刷用版形成用感光性樹脂組成物をパターン状に硬化
    させたものであることを特徴とする請求項8から請求項
    15までのいずれかの請求項に記載のスクリーン印刷用
    版。
  17. 【請求項17】 前記バッククッション層に、ドライフ
    ィルムレジストを用いることを特徴とする請求項8から
    請求項15までのいずれかの請求項に記載のスクリーン
    印刷用版。
  18. 【請求項18】 前記紗がメタル紗であり、このメタル
    紗の被印刷物側の面が、研削されて平坦化されているこ
    とを特徴とする請求項8から請求項17までのいずれか
    の請求項に記載のスクリーン印刷用版。
  19. 【請求項19】 紗に用いられるスクリーンメッシュ
    が、筒状のロータリースクリーンシリンダーであること
    を特徴とする請求項8から請求項18までのいずれかの
    請求項に記載のスクリーン印刷用版。
  20. 【請求項20】 開口幅の異なる少なくとも2枚の紗を
    有することを特徴とするスクリーン印刷用版。
  21. 【請求項21】 前記紗が、メタル紗であることを特徴
    とすることを特徴とする請求項20に記載のスクリーン
    印刷用版。
  22. 【請求項22】 前記紗が、開口幅が1μm〜30μm
    の範囲内であることを特徴とする請求項20または請求
    項21に記載のスクリーン印刷用版。
  23. 【請求項23】 紗の隙間に感光性材料を充填して、紗
    の両面を平坦化させる平坦化層形成工程と、 前記平坦化層が形成された紗の一表面に感光性樹脂組成
    物を塗布し、パターン露光を行うことにより、パターン
    状に感光性高分子層を形成する感光性高分子層形成工程
    と、 前記平坦化層が形成された紗の他の表面にポジ型感光性
    材料を塗布した後、前記感光性高分子層側から露光する
    ことにより前記ポジ型感光性材料をパターニングしてバ
    ッククッション層とするバッククッション層形成工程と
    を有することを特徴とするスクリーン印刷用版の製造方
    法。
  24. 【請求項24】 前記感光性高分子層形成用の感光性樹
    脂組成物が、請求項7記載のスクリーン印刷用版製版用
    感光性樹脂組成物であることを特徴とする請求項23に
    記載のスクリーン印刷用版の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記請求項8から請求項22までのい
    ずれかの請求項に記載のスクリーン印刷用版を用いるこ
    とを特徴とする微細パターン形成体の製造方法。
  26. 【請求項26】 基材上に、スクリーン印刷法により形
    成された1μm〜90μmの範囲内の幅のラインからな
    る機能層の微細パターンが形成されていることを特徴と
    する微細パターン形成体。
  27. 【請求項27】 基材上に、スクリーン印刷法により形
    成された3μm〜80μmの範囲内の直径を有するドッ
    トからなる機能層の微細パターンが形成されていること
    を特徴とする微細パターン形成体。
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