JP5071204B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、タイヤ内面に熱可塑性樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムをタイヤ周方向に内貼りして両端部をスプライスしたインナーライナー層を有するタイヤにおいて、そのインナーライナー層のスプライス部の低温時の耐久性を向上するようにした空気入りタイヤに関する。
一般に、チューブレスの空気入りタイヤは、タイヤ内面の空気透過防止用のインナーライナーがブチル系ゴムで形成されているが、ブチル系ゴムは比重が大きいためタイヤ軽量化の手法の一つとして、このインナーライナーに熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂エラストマー組成物からなる熱可塑性樹脂フィルムが使用されるようにしたものがある。しかしながら、そのインナーライナー層の形態として円筒状の熱可塑性フィルムを使用するのではなく、帯状の熱可塑性樹脂フィルムをタイヤ周方向に内貼りし、その両端部をオーバーラップスプライスして形成したものでは、熱可塑性樹脂フィルムの接着力が低いために、スプライス部が目開きを起こしやすいという問題があった。
この対策として、特許文献1や2は、熱可塑性樹脂フィルムのスプライス部の両端部間に、粘接着剤やタック部材を介在させる方法を提案している。しかし、これらの方法では、熱可塑性樹脂フィルムのスプライス部の接着性は向上するが、雪氷路などを低温条件下
にタイヤが走行した場合は、このスプライス部からクラックが発生するということがあり、低温時の耐久性に劣るという問題があった。
国際公開第96/34736号パンフレット 特開2007−261137号公報
本発明の目的は、熱可塑性樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムのタイヤ周方向の両端部をオーバーラップスプライスさせるようにインナーライナー層を形成した空気入りタイヤにおいて、そのスプライス部の低温時の耐久性を向上するようにした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成する本発明の空気入りタイヤは、タイヤ内面に熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性樹脂エラストマー組成物からなる熱可塑性樹脂フィルムをタイヤ周方向に延長するように内貼りすると共に、その周方向両端部をオーバーラップスプライスしてインナーライナー層を形成した空気入りタイヤにおいて、前記インナーライナー層のスプライス部のタイヤ径方向内側を補助ゴムシートで覆うと共に、その補助ゴムシートを、ブタジエンゴム40〜90重量%とジエン系ゴム10〜60重量%からなるゴム成分を含むゴム組成物で構成したことを特徴とする。
上記構成において、前記ジエン系ゴムとしては、天然ゴムが好ましい。また、インナーライナー層は、熱可塑性樹脂フィルムの外側にタイゴム層を積層した構成及び/又は熱可塑性樹脂フィルムの内側に保護ゴム層を積層した構成にしたものがよい。補助ゴムシートの厚さとしては、0.2〜1.0mmにするとよい。
本発明の空気入りタイヤによれば、熱可塑性樹脂フィルムからなるインナーライナー層のタイヤ周方向の両端部をオーバーラップスプライスした構成において、そのスプライス部のタイヤ径方向内側を補助ゴムシートで覆い、この補助ゴムシートをブタジエンゴム40〜90重量%とジエン系ゴム10〜60重量%からなるゴム成分を含むゴム組成物で構成するようにしたので、インナーライナー層のスプライス部の接着性を向上するばかりでなく、低温条件下においてもスプライス部の可撓性を高く維持するためクラックの発生を防止し、低温時耐久性を向上することができる。
図1は、本発明の空気入りタイヤの実施形態の一例を示すタイヤ子午線方向の断面図である。
図1において、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。ビード部3に埋設された左右一対のビードコア4間にカーカス層5が装架され、その両端部がそれぞれビードコア4の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。トレッド部1においては、カーカス層5の外側に、上下一対のベルト層12がタイヤ1周にわたって配置されている。空気入りタイヤの最内側には、インナーライナー層6が内貼りされ、タイヤ周方向に延長しその両端部をオーバーラップスプライスしている。このインナーライナー層6は、熱可塑性樹脂フィルム7とタイゴム層8とから構成されている。タイゴム層8は、カーカス層5と熱可塑性樹脂フィルム7の間の接着層として配置されている。
図2(A)(B)は、インナーライナー層の周方向のスプライス部における、図1のX−X矢視に相当する断面の拡大図であり、(A)は加硫前の説明図、(B)は加硫後の説明図である。
図2(A)に示すように、加硫前の未加硫タイヤにおいては、インナーライナー層6は、熱可塑性樹脂フィルム7の外側にタイゴム層8を積層して構成され、このインナーライナー層6のタイヤ周方向の両端部が、オーバーラップスプライスされている。このスプライス部10をタイヤ径方向内側から、熱可塑性樹脂フィルム7の両端部に跨るように補助ゴムシート11が被覆している。この補助ゴムシート11は、ブタジエンゴム40〜90重量%とジエン系ゴム10〜60重量%からなるゴム成分を含むゴム組成物から構成されている。
このようにスプライス部10を補助ゴムシート11で覆った未加硫タイヤを加硫すると、図2(B)に示すように、スプライス部と補助ゴムシートとが一体化する。補助ゴムシート11は、スプライス部10の目開きを防ぐように接着性を向上するだけでなく、ブタジエンゴムを含むジエン系ゴムからなるゴム成分で構成されているため、雪氷路を走行するときのような低温条件下でもスプライス部の可撓性を高く維持するため、クラックの発生を防止し、タイヤ耐久性を向上することができる。
補助ゴムシート11は、上述のように、スプライス部10のタイヤ径方向の内側面を覆うように配置することが重要であり、スプライス部10の合わせ面の間に介在させたのではクラックの発生を抑制する効果が低下する。これは熱可塑性樹脂フィルム7はゴムと比べて剛性が高いため、スプライス部10におけるタイヤ径方向外側に位置する熱可塑性樹脂フィルムの端部がタイヤ走行時に補助ゴムシート11に応力集中を与え、クラックを発生させるようになるからである。
補助ゴムシートの厚さは、特に制限されるものではないが、好ましくは0.2〜1.0mmにするとよい。補助ゴムシートの厚さが0.2mm未満であると、未加硫タイヤを成形するときの作業性が悪化すると共に、スプライス部の接着性を確保しながら低温時のクラック発生を防止する効果が十分に得られない。また、補助ゴムシートの厚さが1.0mmを超えると、タイヤユニフォミティが低下する。
図3(A)(B)は、本発明の空気入りタイヤの他の実施形態を示すインナーライナー層のスプライス部における図1のX−X矢視に相当する断面の拡大図であり、(A)は加硫前の説明図、(B)は加硫後の説明図である。
この実施形態では、インナーライナー層6は、熱可塑性樹脂フィルム7の外側にタイゴム層8が積層し、内側に保護ゴム層9が積層して構成されている。このインナーライナー層6は、タイヤ周方向の両端部がオーバーラップスプライスされ、そのスプライス部10を補助ゴムシート11がタイヤ径方向内側から覆うように配置されている。このように熱可塑性樹脂フィルム7の内側に保護ゴム層9を積層することにより、補助ゴムシート11と保護ゴム層9の親和性が高くなるためスプライス部の接着性を一層高くすると共に、低温時の可撓性をより高くしてクラックの発生を防止しタイヤ耐久性を向上することができる。また、熱可塑性樹脂フィルム7の内側に保護ゴム層9を積層することにより、タイヤ製造時及びリム組み時における熱可塑性樹脂フィルムの傷付きを防止する。
本発明において、補助ゴムシートを構成するゴム組成物は、そのゴム成分がブタジエンゴム40〜90重量%とジエン系ゴム10〜60重量%からなるため、インナーライナー層のスプライス部の接着性と低温時可撓性とを両立することができる。ブタジエンゴムの配合量は40〜90重量%であり、好ましくは40〜80重量%である。ブタジエンゴムが40重量%未満であると、低温時の可撓性が不十分になり、低温走行時のクラックの発生を防止することができない。また、ブタジエンゴムが90重量%を超えると、補助ゴムシートの成形性が困難になり、ゴムシートの表面を平滑にすることができず、インナーライナー層のスプライス部への貼り合わせが困難になる。
補助ゴムシートのゴム成分を構成するジエン系ゴムとしては、ブタジエンゴムを除くタイヤ用ゴム組成物に使用できるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴム等を例示することができる。好ましくは天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴムであり、とりわけ天然ゴムが好ましく、補助ゴムシートに粘着性を付与することができる。これらジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。ブタジエンゴムを除くジエン系ゴムの配合量は10〜60重量%であり、好ましくは20〜50重量%である。ジエン系ゴムが10重量%未満であると、補助ゴムシートの成形性が困難になり、ゴムシートの表面を平滑にすることができず、インナーライナー層のスプライス部への貼り合わせが困難になる。また、ジエン系ゴムが60重量%を超えると、低温時の可撓性が不十分になり、低温走行時のクラックの発生を防止することができない。
補助ゴムシートを構成するゴム組成物には、タイヤ用ゴム組成物に通常使用される配合剤を必要に応じて配合することができる。配合剤としては、例えば、補強充填剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、活性剤、可塑剤、滑剤等が挙げられ、本発明の目的に反しない限り、それぞれ従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明で使用するタイゴム層及び保護ゴム層を構成するゴム組成物には、タイヤ用ゴム組成物に通常使用されるゴム組成物を使用することができる。ゴム成分としては、好ましくは、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等がよい。また、補助ゴムシートの組成物と同様に、一般的な配合剤を必要に応じて配合することができる。
熱可塑性樹脂フィルムを形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えば、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕及びそれらのN−アルコキシアルキル化物、例えば、ナイロン6のメトキシメチル化物、ナイロン6/610共重合体のメトキシメチル化物、ナイロン612のメトキシメチル化物、ポリエステル系樹脂〔例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、(メタ)アクリロニトリル/スチレン共重合体、(メタ)アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリメタクリレート系樹脂〔例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル〕、ポリビニル系樹脂〔例えば、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PDVC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体(ETFE)〕、セルロース系樹脂〔例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体〕、イミド系樹脂〔例えば、芳香族ポリイミド(PI)〕等を好ましく用いることができる。
また、本発明で使用する熱可塑性樹脂フィルムを形成する熱可塑性エラストマー組成物は、上述した熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドして構成することができる。
熱可塑性エラストマー組成物を構成するエラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR、高シスBR及び低シスBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー〕、含ハロゲンゴム〔例えば、Br−IIR、CI−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレンゴム(M−CM)〕、シリコンゴム〔例えば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム〕、含イオウゴム〔例えば、ポリスルフィドゴム〕、フッ素ゴム〔例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム〕、熱可塑性エラストマー〔例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ボリアミド系エラストマー〕等を好ましく使用することができる。
熱可塑性エラストマー組成物において、特定の熱可塑性樹脂とエラストマーとの組成比は、特に限定されるものではなく、フィルムの厚さ、耐空気透過性、柔軟性のバランスで適宜決めればよいが、好ましい範囲は重量比で10/90〜90/10、より好ましくは20/80〜85/15である。
本発明において、熱可塑性エラストマー組成物には、上記必須ポリマー成分に加えて、第三成分として相溶化剤などの他のポリマーを混合することができる。他のポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂とエラストマーとの相溶性を改良するため、材料の成型加工性をよくするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等があり、これに用いられる材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、SBS、ポリカーボネート(PC)等を例示することができる。
このようにして得られる熱可塑性エラストマー組成物のフィルムは、熱可塑性樹脂のマトリクス中にエラストマーが不連続相として分散した構造のものが好ましい。かかる状態の分散構造をとることにより、ヤング率を1〜500MPaの範囲に設定し、タイヤ構成部材として適度な剛性を付与することが可能になる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
補助ゴムシートの成形、評価
表1に示す配合からなる10種類のゴム組成物(実施例1〜5、比較例1〜5)を、それぞれ硫黄及び加硫促進剤を除く配合成分を秤量し、1.7Lのバンバリーミキサーで4分間混練し、温度160℃でマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを1.7Lのバンバリーミキサーに供し、硫黄及び加硫促進剤を加え混合し、ゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物を、それぞれ厚さ0.5mmのゴムシートに成形した。このゴムシートを成形するときの成形加工性及びシート表面の平滑性を以下の基準により3段階で評価し、その結果を表1に示した。
◎:成形加工性が良好でありシート表面が平滑であった。
○:成形加工が可能でありシート表面に凹凸が若干あるが実用上問題ないレベル。
×:成形加工が困難でありシート成形できないか、シート表面の凹凸が大きかった。
空気入りタイヤの製造、評価
図1のタイヤ構造でタイヤサイズ195/65R15の空気入りタイヤを、熱可塑性樹脂フィルムとタイゴム層との積層体をインナーライナー層にし、上記により得られたゴムシートを補助ゴムシートを用いて、図2のように、インナーライナー層のスプライス部を内側から覆うように構成した9種類の空気入りタイヤ(実施例1〜5、比較例1,3〜5)を製造した。なお、比較例2のゴム組成物は、シート成形ができず、所望する補助ゴムシートを得ることができなかったため、空気入りタイヤを製造することはできなかった。
また、熱可塑性樹脂フィルムは、ナイロン6/66共重合体(東レ社製アラミンCM6001)を40重量部、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(エクソンモービルケミカル社製MDX90−10)を60重量部、亜鉛華(正同化学工業社製酸化亜鉛3種)を1重量部、ステアリン酸(日本油脂社製ビーズステアリン酸)を1重量部、をブレンドした組成物を用いて成形した厚さ0.1mmの帯状フィルムを使用した。
得られた空気入りタイヤのスプライス部の低温時耐久性を以下の方法で評価した。
低温時耐久性
得られた空気入りタイヤを、リム(15×6J)に装着し、JATMAイヤーブックに記載の正規空気圧を充填し、−35℃の雰囲気下にて、30日間の間欠走行を低温時耐久性試験として行なった。間欠走行は、40km/hにて20分間走行した後に40分間停止する走行サイクルの繰返しを30日間継続した。この条件で走行試験を行なった後、タイヤ内側のインナーライナー層のスプライス部にクラックが発生したか否かを目視観察し、以下の基準により評価し、その結果を表1に示した。
◎:スプライス部にクラックが全く認められない。
×:スプライス部にクラックが発生した。
なお、表1において使用した原材料の種類を下記に示す。
BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol 1220
NR:天然ゴム、STR−20
SBR:スチレン−ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol 1502
カーボンブラック:新日化カーボン社製HTC#G
亜鉛華:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
ステアリン酸:日本油脂社製ビーズステアリン酸
粘着付与剤:日立化成社製ヒタノール1502
プロセスオイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入り微粉硫黄
加硫促進剤:三新化学社製サンセラーCM
本発明の空気入りタイヤの実施形態の一例を示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図1のX−X矢視図の拡大図である。 本発明の空気入りタイヤの実施形態の他の例を示す図2に相当する拡大図である。
符号の説明
6 インナーライナー層
7 熱可塑性樹脂フィルム
8 タイゴム層
9 保護ゴム層
10 スプライス部
11 補助ゴムシート

Claims (5)

  1. タイヤ内面に熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂とエラストマーとをブレンドした熱可塑性樹脂エラストマー組成物からなる熱可塑性樹脂フィルムをタイヤ周方向に延長するように内貼りすると共に、その周方向両端部をオーバーラップスプライスしてインナーライナー層を形成した空気入りタイヤにおいて、
    前記インナーライナー層のスプライス部のタイヤ径方向内側を補助ゴムシートで覆うと共に、その補助ゴムシートを、ブタジエンゴム40〜90重量%とジエン系ゴム10〜60重量%からなるゴム成分を含むゴム組成物で構成した空気入りタイヤ。
  2. 前記ジエン系ゴムが天然ゴムである請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記インナーライナー層を、前記熱可塑性樹脂フィルムの外側にタイゴム層を積層した構成にした請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記インナーライナー層を、前記熱可塑性樹脂フィルムの内側に保護ゴム層を積層した構成にした請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記補助ゴムシートの厚さが、0.2〜1.0mmである請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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