JP4779351B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、乗用車用として好適な空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは、転がり抵抗を悪化させることなく、空気漏れを効果的に抑制することを可能にした空気入りラジアルタイヤに関する。
従来、カーカス層を備えた乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、空気漏れを抑制するためにタイヤ最内面に配置されたインナーライナー層を厚くしたり、インナーライナー層に空気透過度が小さい材料を使用することが行われている。しかしながら、インナーライナー層を厚くする場合、タイヤ重量の増加やそれに伴う転がり抵抗の悪化を招くことになる。
一方、インナーライナー層に空気透過度が小さい材料を使用する場合は、タイヤ重量の増加を伴うことなく空気漏れを抑制することができる(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、カーカス層をビードコアの廻りにタイヤ内側から外側へ折り返した構造を有する空気入りラジアルタイヤでは、インナーライナー層を透過した空気がカーカス層に到達すると、その空気がカーカス層の折り返し部分を経てカーカス層の端部まで急速に伝播されてしまう。なぜなら、一般に撚りコードであるカーカスコードの空気透過度は周辺ゴム組成物のそれに比べて非常に大きいからである。
従って、空気漏れを効果的に抑制するには空気漏れに対する寄与が大きいサイドウォール領域に空気透過度が小さい材料を配置することが有効である(例えば、特許文献2参照)。ところが、一般にサイドウォール領域に使用されるジエン系ゴムに比べて損失係数が高いブチルゴムを屈曲変形が大きいサイドウォール領域の全域に配置した場合、転がり抵抗の悪化が顕著になるという問題がある。
また、ビード部のチェーファー等とカーカス層との間に空気透過度が小さい材料を配置するという手法(例えば、特許文献3参照)も提案されているが、この手法では前述したように空気がカーカス層の折り返し部分を介してタイヤ外表面に伝播するのを効果的に抑制することが難しい。
特開平11−123907号公報 特開2000−190713号公報 特開昭62−139705号公報
本発明の目的は、転がり抵抗を悪化させることなく、空気漏れを効果的に抑制することを可能にした空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りラジアルタイヤは、一対のビード部間にカーカス層を装架し、該カーカス層をビードコアの廻りにタイヤ内側から外側へ折り返し、前記ビード部にビードトウを覆うように有機繊維織物からなるチェーファーを埋設した空気入りラジアルタイヤにおいて、前記カーカス層の折り返し部分のタイヤ幅方向外側であって少なくとも折り返し部分に対応する領域に空気透過係数が3×10-12 〜4×10-10 cc・cm/cm2・sec ・cmHgとなる空気漏れ抑制層を配置し、前記チェーファーのタイヤ幅方向外側の端部が前記カーカス層の折り返し部分と前記空気漏れ抑制層との間に位置するように前記空気漏れ抑制層を前記チェーファーのタイヤ幅方向外側に配置したことを特徴とするものである。
本発明では、カーカス層の折り返し部分のタイヤ幅方向外側であって少なくとも折り返し部分に対応する領域に空気漏れ抑制層を配置するので、カーカス層の折り返し部分に伝播された空気がタイヤ外表面に漏出するのを効果的に抑制することができる。しかも、空気漏れ抑制層はカーカス層の折り返し部分に対応する領域に選択的に配置すれば良いので、空気漏れ抑制層を構成する材料の損失係数が高い場合であっても、転がり抵抗の悪化を最小限に抑制することができる。
本発明において、空気漏れ抑制層の厚さは0.2〜1.5mmとすることが好ましい。また、空気漏れ抑制層の上端からカーカス層の端部までの距離は10mm以下とすることが好ましい。これにより、転がり抵抗の悪化をより確実に回避しながら良好な空気漏れ抑制効果を得ることが可能になる。
空気漏れ抑制層の構成材料としては、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、水素化ニトリルゴム、エポキシ化天然ゴムから選ばれた少なくとも1種を使用することができる。或いは、空気漏れ抑制層の構成材料として、熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とを混練してなる熱可塑性エラストマー組成物を使用しても良い。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態からなる乗用車用空気入りラジアルタイヤを示すものである。図1において、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4はタイヤ径方向に配向する複数本の有機繊維コードから構成されている。有機繊維コードとしては、ナイロンコードやポリエステルコード等を使用することができる。カーカス層4は、ビード部3に埋設されたビードコア5及びビードフィラー6を包み込むようにタイヤ内側から外側へ折り返されている。つまり、カーカス層4はビードコア5を境として本体部分4aと折り返し部分4bとを形成している。また、ビード部3にはビードトウを覆うように有機繊維織物からなるチェーファー7が埋設されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には、複数層のベルト層8がタイヤ全周にわたって埋設されている。これらベルト層8はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、その補強コードが層間で互いに交差するように配置されている。また、ベルト層8のエッジ部周辺には有機繊維コードをタイヤ周方向に対して実質的に0°で巻回してなるベルトカバー層9が設けられている。
上記空気入りラジアルタイヤにおいて、カーカス層4の折り返し部分4bのタイヤ幅方向外側であって少なくとも折り返し部分4bに対応する領域には空気漏れ抑制層10が配置されている。つまり、図1において、少なくともカーカス層4の端部位置Aから折り返し最下点Bまでの範囲に空気漏れ抑制層10が配置されている。空気漏れ抑制層10はチェーファー7のタイヤ幅方向外側に位置している。なお、カーカス層4の端部位置Aはビードヒール側からタイヤ断面高さの20〜75%の範囲に設定されている。
上記のような範囲に空気漏れ抑制層10を配置することにより、タイヤ内に充填された空気がカーカス層4の折り返し部分4bを介してタイヤ外表面に漏出するのを効果的に抑制することができる。しかも、空気漏れ抑制層10はカーカス層4の折り返し部分4bに対応する領域に選択的に配置すれば良いので、空気漏れ抑制層10を構成する材料の損失係数が高い場合であっても、転がり抵抗の悪化を最小限に抑制することができる。
空気漏れ抑制層10の空気透過係数は、3×10-12 〜4×10-10 cc・cm/cm2・sec ・cmHgの範囲、より好ましくは、3×10-12 〜1.5×10-10 cc・cm/cm2・sec ・cmHgの範囲に設定されている。この空気透過係数はJIS K7126「プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法(A法)」に準じた測定方法により、気体として空気を用いて測定したものである。この空気透過係数が4×10-10 cc・cm/cm2・sec ・cmHgを超えると空気漏れ抑制効果が不十分になる。また、タイヤ構成材料で空気透過係数を3×10-12 cc・cm/cm2・sec ・cmHg未満にすることは技術的に困難である。
空気漏れ抑制層10の厚さは、0.2〜1.5mmの範囲、より好ましくは、0.5〜1.0mmの範囲に設定されている。空気漏れ抑制層10の厚さが0.2mm未満であると空気漏れ抑制効果が不十分になり、逆に1.5mmを超えると転がり抵抗を悪化させる要因となる。
空気漏れ抑制層10は、少なくともカーカス層4の折り返し部分4bに対応する領域、即ち、空気漏れの経路となる領域に選択的に配置することが必要であるが、転がり抵抗の悪化を回避するために空気漏れ抑制層10の上端からカーカス層4の端部までの距離Dを10mm以下にすることが望ましい。この距離Dが10mmを超えてもそれ以上の空気漏れ抑制効果を期待することはできず、転がり抵抗を悪化させるだけである。
空気漏れ抑制層10の構成材料としては、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、エポキシ化天然ゴムから選ばれた少なくとも1種を使用することができる。上記ゴムはタイヤ構成材料として好適であって空気透過度が低い材料である。
ハロゲン化ブチルゴムを使用する場合、従来不可能とされてきたハロゲン化ブチルゴムとジエン系ゴムとの加硫接着(共加硫)を実現するために、ハロゲン化ブチルゴムにグラフトすると共に、加硫時の熱によりジエン系ゴムと反応するチオール基(−SH)を生成する化合物をゴムコンパウンド中に配合することが望ましい。このような加硫接着用の化合物としては、例えば、下記化学式(1)又は化学式(2)で示される化合物を使用することが望ましい。
Figure 0004779351
Figure 0004779351
空気漏れ抑制層10の構成材料として、ハロゲン化ブチルゴムを使用し、そのゴムコンパウンド中に上記加硫接着用の化合物を配合した場合、空気漏れ抑制層10と周辺ゴムとの接着性を改善することができる。そのため、通常、インナーライナー層の接着に使用されるタイゴムを省き、タイゴムに起因する転がり抵抗の悪化を回避することができる。
また、空気漏れ抑制層10の構成材料として、熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とを混練してなる熱可塑性エラストマー組成物を使用することも可能である。
本発明で使用される熱可塑性エラストマー組成物の熱可塑性樹脂成分としては、ヤング率が500MPa超、好ましくは500〜3000MPaの任意の熱可塑性樹脂を用いることができ、その配合量は樹脂及びエラストマーを含むポリマー成分の合計重量当り10重量%以上、好ましくは20〜85重量%である。
そのような熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕、ポリエステル系樹脂〔例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリブチレンテレフタレート/テトラメチレングリコール共重合体、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂〔例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)〕、ポリビニル系樹脂〔例えば酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)〕、イミド系樹脂〔例えば芳香族ポリイミド(PI)〕などを挙げることができる。
本発明で使用される熱可塑性エラストマー組成物のエラストマー成分としては、ヤング率が500MPa以下の任意のエラストマー又は該エラストマーの分散性や耐熱性などの改善のために補強剤、充填剤、架橋剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤などの配合剤を必要量添加したエラストマー組成物を用いることができ、その配合量は樹脂及びエラストマーを含むポリマー成分の合計重量当り10重量%以上、好ましくは10〜80重量%である。
そのようなエラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水素添加物〔例えばNR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBR及び低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)〕、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー、含ハロゲンゴム〔例えばBr−IIR、Cl−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHC,CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM)〕、シリコーンゴム(例えばメチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム)、含イオウゴム(例えばポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えばビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー)などを挙げることができる。
これら熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分との組成比は、フィルムの厚さや柔軟性のバランスで適宜決めればよいが、好ましい範囲は10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜85/15である。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物には、上記必須成分に加えて第三成分として、相溶化剤などの他のポリマー及び配合剤を混合することができる。他のポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分との相溶性を改良するため、材料のフィルム成形加工性を良くするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等であり、これに用いられる材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、SBS、ポリカーボネート等が挙げられる。
上記熱可塑性エラストマー組成物は、予め熱可塑性樹脂とエラストマー(ゴムの場合は未加硫物)とを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相を形成する熱可塑性樹脂中にエラストマー成分を分散させることにより得られる。エラストマー成分を加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマーを動的に加硫させても良い。また、熱可塑性樹脂またはエラストマー成分への各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加しても良いが、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。熱可塑性樹脂とエラストマーの混練に使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が挙げられる。中でも樹脂成分とゴム成分の混練およびゴム成分の動的加硫には2軸混練押出機を使用するのが好ましい。さらに、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であれば良い。また、混練時の剪断速度は2500〜7500sec-1であるのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10分、また加硫剤を添加した場合には、添加後の加硫時間は15秒から5分であるのが好ましい。上記方法で作製された熱可塑性エラストマー組成物は、樹脂用押出機による成形またはカレンダー成形によってフィルム化される。フィルム化の方法は、通常の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーをフィルム化する方法によれば良い。
このようにして得られる熱可塑性エラストマー組成物の薄膜は、熱可塑性樹脂のマトリクス中にエラストマーが不連続相として分散した構造をとる。かかる状態の分散構造を採ることにより、ヤング率を50〜500MPaの範囲に設定し、タイヤの補強層として適度な剛性を付与することが可能になる。
上記熱可塑性エラストマー組成物はシート又はフィルムに成形して単体でタイヤ内部に埋設することが可能であるが、隣接するゴムとの接着性を高めるために接着層を積層しても良い。この接着層を構成する接着用ポリマーの具体例としては、分子量100万以上、好ましくは300万以上の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)等のアクリレート共重合体類及びそれらの無水マレイン酸付加物、ポリプロピレン(PP)及びそのマレイン酸変性物、エチレンプロピレン共重合体及びそのマレイン酸変性物、ポリブタジエン系樹脂及びその無水マレイン酸変性物、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)、フッ素系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂などを挙げることができる。これらは常法に従って例えば樹脂用押出機によって押し出してシート状又はフィルム状に成形することができる。接着層の厚さは特に限定されないが、タイヤ軽量化のためには厚さが少ない方がよく、5μm〜150μmが好ましい。
タイヤサイズ185/65R14で、一対のビード部間にカーカス層を装架し、該カーカス層をビードコアの廻りにタイヤ内側から外側へ折り返した乗用車用層空気入りラジアルタイヤにおいて、ビード部の構造だけを種々異ならせた従来例、比較例1〜2及び実施例1〜3のタイヤをそれぞれ製作した。
従来例は、ビード部に空気漏れ抑制層を付加していないものである(図2参照)。比較例1は、ビードフィラーとカーカス層の本体部分との間に空気漏れ抑制層を配置したものである(図3参照)。比較例2は、ビードフィラーとカーカス層の折り返し部分との間に空気漏れ抑制層を配置したものである(図4参照)。実施例1〜3は、カーカス層の折り返し部分のタイヤ幅方向外側であって折り返し部分に対応する領域に空気漏れ抑制層を配置したものである(図1参照)。また、空気漏れ抑制層の厚さ(mm)及び空気透過係数(cc・cm/cm2・sec ・cmHg)は表1の通りである。
これら試験タイヤについて、下記の試験方法により、空気漏れ及び転がり抵抗を評価し、その結果を表1に示した。
空気漏れ:
各試験タイヤをリムサイズ14×5・1/2 Jのホイールに組み付け、初期圧力200kPa、室温21℃、無負荷条件にて3ヶ月間放置した。内圧の測定は4日毎とし、測定圧力Pt、初期圧力P0、経過日数tとして、Pt/P0=exp(−αt)に回帰してα値を求めた。得られたα値を用い、t=30(日)を代入し、1ヶ月当たりの圧力低下率β(%/月)を下式(1)より求めた。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほど空気漏れが少ないことを意味する。
β=〔1−exp(−αt)〕×100 ・・・(1)
転がり抵抗:
各試験タイヤをリムサイズ14×5・1/2 Jのホイールに組み付け、室内ドラム試験機を用い、空気圧200kPa、荷重4kN、速度80km/hの条件で走行させ、その際の転がり抵抗を測定した。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほど転がり抵抗が小さいことを意味する。
Figure 0004779351
この表1から判るように、実施例1〜3のタイヤでは、転がり抵抗を悪化させることなく、従来例に比べて空気漏れを効果的に抑制することができた。これに対して、比較例1〜2のタイヤでは従来例と同程度の空気漏れを生じていた。つまり、比較例1〜2ではタイヤ内に充填された空気がカーカス層に到達すると、その空気がカーカス層の折り返し部分を介してタイヤ外表面に伝播されてしまう。しかしながら、実施例1〜3のタイヤではカーカス層の折り返し部分の外側に空気漏れ抑制層を設けているので、そのような空気の伝播を遮断することができる。
本発明の実施形態からなる乗用車用空気入りラジアルタイヤを示す子午線半断面図である。 従来例の乗用車用空気入りラジアルタイヤを示す子午線半断面図である。 比較例1の乗用車用空気入りラジアルタイヤを示す子午線半断面図である。 比較例2の乗用車用空気入りラジアルタイヤを示す子午線半断面図である。
符号の説明
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
4a 本体部分
4b 折り返し部分
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 チェーファー
8 ベルト層
9 ベルトカバー層
10 空気漏れ抑制層

Claims (6)

  1. 一対のビード部間にカーカス層を装架し、該カーカス層をビードコアの廻りにタイヤ内側から外側へ折り返し、前記ビード部にビードトウを覆うように有機繊維織物からなるチェーファーを埋設した空気入りラジアルタイヤにおいて、前記カーカス層の折り返し部分のタイヤ幅方向外側であって少なくとも折り返し部分に対応する領域に空気透過係数が3×10-12 〜4×10-10 cc・cm/cm2・sec ・cmHgとなる空気漏れ抑制層を配置し、前記チェーファーのタイヤ幅方向外側の端部が前記カーカス層の折り返し部分と前記空気漏れ抑制層との間に位置するように前記空気漏れ抑制層を前記チェーファーのタイヤ幅方向外側に配置した空気入りラジアルタイヤ。
  2. 前記空気漏れ抑制層の厚さを0.2〜1.5mmとした請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. 前記空気漏れ抑制層の上端から前記カーカス層の端部までの距離を10mm以下とした請求項1又は請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. 前記空気漏れ抑制層をブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、水素化ニトリルゴム、エポキシ化天然ゴムから選ばれた少なくとも1種から構成した請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 前記空気漏れ抑制層を熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分とを混練してなる熱可塑性エラストマー組成物から構成した請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. 前記空気漏れ抑制層をハロゲン化ブチルゴムから構成し、そのゴムコンパウンド中に下記化学式(1)又は化学式(2)で示される化合物を配合した請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
    Figure 0004779351
    Figure 0004779351
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