JP2008126437A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルムをタイヤ構成部材として用いるにあたって、フィルムに起因する故障を防止して耐久性を向上するようにした空気入りタイヤ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム11をタイヤ構成部材として用い、該フィルム11の少なくとも幅方向端部11eから幅方向内側に向かって10mmまでの端部領域Xに該フィルム11を挟み込むように2層のゴム層12を積層し、これらフィルム11とゴム層12との積層体を含む未加硫タイヤを成形し、そのタイヤを加硫する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルムをタイヤ構成部材として用いた空気入りタイヤ及びその製造方法に関し、更に詳しくは、フィルムに起因する故障を防止して耐久性を向上するようにした空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
近年、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルムを空気透過防止層としてタイヤ内面に配置することが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
しかしながら、このようなフィルムをタイヤ構成部材として用いた場合、その切断端部が周囲の接着し難い部材と直接接触したり、或いは、通常のゴム材料よりも硬いフィルムが周囲の部材を突っ付いたりすると、それらの部分がクラック等の故障の起点となり、タイヤの耐久性が低下するという問題がある。
特開平8−217923号公報 特開平11−199713号公報
本発明の目的は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルムをタイヤ構成部材として用いるにあたって、フィルムに起因する故障を防止して耐久性を向上するようにした空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤの製造方法は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルムをタイヤ構成部材として用い、該フィルムの少なくとも幅方向端部から幅方向内側に向かって10mmまでの端部領域に該フィルムを挟み込むように2層のゴム層を積層し、これらフィルムとゴム層との積層体を含む未加硫タイヤを成形し、該タイヤを加硫することを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルムをタイヤ構成部材として用い、該フィルムの少なくとも幅方向端部から幅方向内側に向かって10mmまでの端部領域に該フィルムを挟み込むように2層のゴム層を積層したことを特徴とするものである。
本発明では、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルムをタイヤ構成部材として用いるにあたって、該フィルムの少なくとも端部領域に該フィルムを挟み込むようにゴム層を積層し、これらフィルムとゴム層との積層体を含む未加硫タイヤを成形し、該タイヤを加硫することにより、フィルムの切断端部が周囲の接着し難い部材と直接接触したり、或いは、通常のゴム材料よりも硬いフィルムが周囲の部材を突っ付いたりするのを防止する。これにより、フィルムに起因する故障を防止して空気入りタイヤの耐久性を向上することができる。
本発明において、前記端部領域におけるゴム層の各々の平均厚さTrは前記端部領域におけるフィルムの平均厚さTfの1.5倍以上であることが好ましい。実数値としては、前記端部領域におけるゴム層の各々の平均厚さTrが0.05mm〜2.5mmであることが好ましい。これにより、フィルムの端部をゴム層によって十分に覆うことができる。一方、空気入りタイヤにおいて、フィルムの幅方向端部でのゴム層の最小厚さは加硫状態で0.03mm〜2.0mmであると良い。
また、ゴム層の未加硫状態でのムーニー粘度は30〜100であることが好ましい。これにより、ゴム層の未加硫状態での流動性を確保し、フィルムの端部をより確実に覆うことが可能になる。ムーニー粘度はJIS K6300−1に準拠して測定されるムーニー粘度ML(1+4)100℃である。
上記ゴム層はフィルムの少なくとも端部領域に積層することが必要であるが、この端部領域を含むフィルムの全域にわたってゴム層を積層することが好ましい。これにより、フィルムとゴム層との積層体の取り扱いが容易になる。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示し、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架され、そのカーカス層4の端部がビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層6が埋設されている。これらベルト層6は補強コードがタイヤ周方向に対して傾斜し、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。
上記空気入りタイヤにおいて、カーカス層4とベルト層6との間には補強層7が配置されている。また、カーカス層4の内側には空気透過防止層8が配置されている。これら補強層7及び空気透過防止層8は、いずれも、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルムと、該フィルムの少なくとも端部領域に該フィルムを挟み込むように積層されたゴム層との積層体から構成されている。ここで、フィルムの幅方向とはタイヤ成形時のタイヤ軸方向と一致するものである。本実施形態では補強層7及び空気透過防止層8に上記フィルムを用いた場合について説明するが、他のタイヤ構成部材に上記フィルムを適用することも可能である。勿論、補強層7及び空気透過防止層8のいずれか一方だけに上記フィルムを適用することも可能である。
図2はタイヤ中に埋設されたフィルムとゴム層との積層体を示すものである。図2において、11はフィルムであり、12はゴム層であり、Wはフィルム11の幅方向を示す。フィルム11の少なくとも幅方向端部11eから幅方向内側に向かって10mmまでの端部領域Xには該フィルム11を挟み込むように2層のゴム層12が積層されている。図2では端部領域Xを含むフィルム11の全域にわたってゴム層12が連続的に延在するように積層されている。
次に、上述した空気入りタイヤの製造方法について説明する。図3はタイヤ構成部材として用いるフィルムとゴム層との積層体を示し、図4は図3の積層体が加硫時に変形した状態を示すものである。熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム11をタイヤ構成部材として用いる場合、図3に示すように、フィルム11の少なくとも幅方向端部11eから幅方向内側に向かって10mmまでの端部領域Xに該フィルム11を挟み込むように2層のゴム層12を積層する。図3ではフィルム11の幅よりもゴム層12の幅の方が大きくなっている。このようにして得られたフィルム11とゴム層12との積層体を含む未加硫タイヤを成形し、そのタイヤを加硫する。
加硫工程においては、図4に示すように、フィルム11とゴム層12との積層体が隣接するタイヤ構成部材A,Bに挟み込まれ、ゴム層12がフィルム11の幅方向端部11eを覆うように変形する。なお、タイヤ構成部材A,Bのいずれか一方は加硫ブラダーであっても良い。
熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム11はタイヤ構成部材として有用であるが、その端部(特に切断された端部)が周囲の接着し難い部材と直接接触したり、或いは、その端部が周囲の部材を突っ付いたりすると、それらの部分がクラック等の故障の起点となり、タイヤの耐久性を低下させる要因となる。これに対して、フィルム11の少なくとも端部領域Xをゴム層12で覆うことにより、上記不都合を解消し、タイヤの耐久性を向上することができる。
空気入りタイヤの製造方法において、端部領域Xにおけるゴム層12の各々の平均厚さTrを端部領域Xにおけるフィルム11の平均厚さTfの1.5倍以上、より好ましくは、1.5倍〜20倍に設定する。実数値としては、端部領域Xにおけるゴム層12の各々の平均厚さTrを0.05mm〜2.5mmの範囲に設定する(図3参照)。これにより、フィルム11の幅方向端部11eをゴム層12により十分に覆うことができる。ここで、ゴム層12の平均厚さTrが小さ過ぎるとフィルム11の幅方向端部11eの被覆が不十分になり、逆に大き過ぎると必要以上の重量増加を招くことになる。
一方、空気入りタイヤにおいて、フィルム11の幅方向端部11eでのゴム層12の最小厚さTrmin は0.03mm〜2.0mmの範囲に設定する(図2参照)。この最小厚さTrmin はフィルム11の幅方向端部11eを起点として測定されるゴム層12の厚さの最小値である。これにより、フィルム11の幅方向端部11eをゴム層12により十分に覆して耐久性を向上することができる。ここで、ゴム層12の最小厚さTrmin が小さ過ぎるとフィルム11の幅方向端部11eの被覆が不十分になり、逆に大き過ぎると必要以上の重量増加を招くことになる。
空気入りタイヤの製造方法において、ゴム層12の未加硫状態でのムーニー粘度は30〜100の範囲とする。これにより、ゴム層12の未加硫状態での流動性を確保し、フィルム11の端部11eをより確実に覆うことが可能になる。
フィルム11とゴム層12とを積層するにあたって、両者の間に接着剤を塗布しても良い。また、フィルム11を挟み込む上下のゴム層12は、配合、厚さ、幅を互いに異ならせても良い。ゴム層12はフィルム11の少なくとも端部領域Xに積層することが必要であるが、その積層構造は図3に限定されるものではなく、例えば、図5〜図8のような積層構造としても良い。
図5では、フィルム11の全域にわたって2層のゴム層12を積層し、これらゴム層12の幅を互いに異ならせている。図6では、フィルム11の全域にわたって2層のゴム層12を積層し、これらゴム層12の端部を斜めに切断している。図7では、フィルム11の全域にわたって2層のゴム層12を積層し、これらゴム層12の幅をフィルム11の幅と一致させている。図8では、フィルム11の少なくとも端部領域Xを覆うようにゴム層12をフィルム11の両端部だけに選択的に積層している。特に、図3,図5〜図7のようにフィルム11の全域にわたってゴム層12を積層した場合、フィルム11とゴム層12との積層体の取り扱いが容易になる。つまり、フィルム11の単体は厚さが5μm〜1000μmであって特に500μm以下の極めて薄いときは皺を生じ易く取り扱いが困難であるが、上記のような積層体とすることで、その取り扱いが容易になる。
上記空気入りタイヤにおいて、フィルム11とゴム層12との積層体を空気透過防止層8に適用し、かつフィルム11の全域にわたってゴム層12を積層した場合、生産性を向上する効果が得られる。つまり、熱可塑性を有するフィルムがタイヤ内面に露出しているる場合、加硫後にブラダーをタイヤ内面から引き剥がす際にフィルム表面に傷が形成され易いため、タイヤを十分に冷却してからブラダーの剥離を行う必要がある。これに対して、熱可塑性を有するフィルムをゴム層で完全に覆うようにした場合、上記不都合を生じることがないため、加硫機内でのタイヤの冷却時間を短縮し、その生産性を向上することができる。
以下に、本発明で使用されるフィルムについて説明する。このフィルムは、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物から構成することができる。
本発明で使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕、ポリエステル系樹脂〔例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリブチレンテレフタレート/テトラメチレングリコール共重合体、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂〔例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)〕、ポリビニル系樹脂〔例えば酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)〕、イミド系樹脂〔例えば芳香族ポリイミド(PI)〕などを挙げることができる。
本発明で使用されるエラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水素添加物〔例えばNR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBR及び低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)〕、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー、含ハロゲンゴム〔例えばBr−IIR、Cl−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHC,CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM)〕、シリコーンゴム(例えばメチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム)、含イオウゴム(例えばポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えばビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー)などを挙げることができる。
本発明で使用される熱可塑性エラストマー組成物において、熱可塑性樹脂成分(A)とエラストマー成分(B)との組成比は、フィルムの厚さや柔軟性のバランスで適宜決めればよいが、好ましい範囲は10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜85/15(重量比)でである。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物には、上記必須成分(A)及び(B)に加えて第三成分として、相溶化剤などの他のポリマー及び配合剤を混合することができる。他のポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分との相溶性を改良するため、材料のフィルム成形加工性を良くするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等であり、これに用いられる材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、SBS、ポリカーボネート等が挙げられる。
上記熱可塑性エラストマー組成物は、予め熱可塑性樹脂とエラストマー(ゴムの場合は未加硫物)とを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相を形成する熱可塑性樹脂中にエラストマー成分を分散させることにより得られる。エラストマー成分を加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマーを動的に加硫させても良い。また、熱可塑性樹脂またはエラストマー成分への各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加しても良いが、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。熱可塑性樹脂とエラストマーの混練に使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が挙げられる。中でも樹脂成分とゴム成分の混練およびゴム成分の動的加硫には2軸混練押出機を使用するのが好ましい。さらに、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であれば良い。また、混練時の剪断速度は2500〜7500sec-1であるのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10分、また加硫剤を添加した場合には、添加後の加硫時間は15秒から5分であるのが好ましい。上記方法で作製された熱可塑性エラストマー組成物は、樹脂用押出機による成形またはカレンダー成形によってフィルム化される。フィルム化の方法は、通常の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーをフィルム化する方法によれば良い。
このようにして得られる熱可塑性エラストマー組成物の薄膜は、熱可塑性樹脂のマトリクス中にエラストマーが不連続相として分散した構造をとる。かかる状態の分散構造を採ることにより、ヤング率を1〜500MPaの範囲に設定し、タイヤ構成部材として適度な剛性を付与することが可能になる。
上記熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物はシート又はフィルムに成形して単体でタイヤ内部に埋設することが可能であるが、隣接するゴムとの接着性を高めるために接着層を積層しても良い。この接着層を構成する接着用ポリマーの具体例としては、分子量100万以上、好ましくは300万以上の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)等のアクリレート共重合体類及びそれらの無水マレイン酸付加物、ポリプロピレン(PP)及びそのマレイン酸変性物、エチレンプロピレン共重合体及びそのマレイン酸変性物、ポリブタジエン系樹脂及びその無水マレイン酸変性物、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)、フッ素系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂などを挙げることができる。これらは常法に従って例えば樹脂用押出機によって押し出してシート状又はフィルム状に成形することができる。接着層の厚さは特に限定されないが、タイヤ軽量化のためには厚さが少ない方がよく、5μm〜150μmが好ましい。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線半断面図である。 タイヤ中に埋設されたフィルムとゴム層との積層体を示す断面図である。 タイヤ構成部材として用いるフィルムとゴム層との積層体を示す断面図である。 図3の積層体が加硫時に変形した状態を示す断面図である。 タイヤ構成部材として用いるフィルムとゴム層との積層体の変形例を示す断面図である。 タイヤ構成部材として用いるフィルムとゴム層との積層体の変形例を示す断面図である。 タイヤ構成部材として用いるフィルムとゴム層との積層体の変形例を示す断面図である。 タイヤ構成部材として用いるフィルムとゴム層との積層体の変形例を示す断面図である。
符号の説明
1 トレッド部
2 サイドウォール
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ベルト層
7 補強層
8 空気透過防止層
11 フィルム
11e 幅方向端部
12 ゴム層
X 端部領域

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルムをタイヤ構成部材として用い、該フィルムの少なくとも幅方向端部から幅方向内側に向かって10mmまでの端部領域に該フィルムを挟み込むように2層のゴム層を積層し、これらフィルムとゴム層との積層体を含む未加硫タイヤを成形し、該タイヤを加硫することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記端部領域における前記ゴム層の各々の平均厚さTrが前記端部領域における前記フィルムの平均厚さTfの1.5倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記端部領域における前記ゴム層の各々の平均厚さTrが0.05mm〜2.5mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記ゴム層の未加硫状態でのムーニー粘度が30〜100であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記端部領域を含む前記フィルムの全域にわたって前記ゴム層を積層したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂にエラストマーをブレンドした熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルムをタイヤ構成部材として用い、該フィルムの少なくとも幅方向端部から幅方向内側に向かって10mmまでの端部領域に該フィルムを挟み込むように2層のゴム層を積層したことを特徴とする空気入りタイヤ。
  7. 前記フィルムの幅方向端部での前記ゴム層の最小厚さが加硫状態で0.03mm〜2.0mmであることを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記端部領域を含む前記フィルムの全域にわたって前記ゴム層を積層したことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の空気入りタイヤ。
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