JP5061989B2 - フレームガーニッシュの取付構造 - Google Patents

Description

本発明は、自動車のドアウィンドーフレームに取り付けられるフレームガーニッシュの取付構造に関する。

自動車の左右ドアのドアウィンドーフレーム１０１は、図９に示すように、これらのドア１０２の上半部に上下動可能に配設されたドアウィンドーガラス１０３の周縁を囲繞して窓枠状に形成される。そして、特許文献１の記載のように、ドアウィンドーガラス１０３前後の境界付近にフレームガーニッシュ１０４が取り付けられている。フレームガーニッシュ１０４は、図９及び１０に示すように、鉛直方向に長い略板状をしている。
自動車のドアウィンドーは、車両前部側に位置する傾斜部と、ドアウィンドーガラス１０３の上縁に沿って位置する上辺部１０１ｂと、車両後部側に位置すると共に車両のセンターピラーに重なる略鉛直方向に長い鉛直部１０１ａとを囲繞して窓枠状に形成されている（図１１参照）。ドアウィンドーフレーム１０１の鉛直部１０１ａは、この鉛直部１０１ａの上部に貫穿される係止穴１０１ｃと、下部に貫穿される受容穴１０１ｄとを有する。そして鉛直部１０１ａには、フレームガーニッシュ１０４が取り付けられるようになっている。

すなわち、図１１に示すように、ドアウィンドーフレーム１０１の内側上部には、板面に対して略垂直に突出し、ドアウィンドーフレーム１０１の鉛直部１０１ａの係止穴１０１ｃに挿入してフレームガーニッシュ１０４を係止するための係入部１０４ａが形成されている。
フレームガーニッシュ１０４の板面の内側下部には、ドアウィンドーフレーム１０１の鉛直部１０１ａの受容穴１０１ｄに挿入されるボス１０４ｂが該板面に対して略垂直に凸設されている。このように構成されたフレームガーニッシュ１０４は、この内側下部のボス１０４ｂをドアウィンドーフレーム１０１の鉛直部１０１ａの受容穴１０１ｄに挿入され、この内側上部の係入部１０４ａをドアウィンドーフレーム１０１の鉛直部１０１ａの係止穴１０１ｃに係入することで、ドアウィンドーフレーム１０１に対して取り付けられる。こうして、ドアウィンドーフレーム１０１は、フレームガーニッシュ１０４によってその外装が装飾される。

また、図１２及び１３に示すように、ドアウィンドーフレーム１０１の車室側の側面には、ドアウィンドーフレーム１０１の窓枠形状に沿って、ゴム状材質から成るシーリング用のドアウェザーストリップ１０５が固設される。ドアウェザーストリップ１０５は、ドアウィンドーフレーム１０１の窓枠形状に沿った部分を有する枠形状に形成される。ところが、ドアウェザーストリップ１０５の幅は、ドアウィンドーフレーム１０１の鉛直部１０１ａに対応する鉛直部分１０５ａの幅が、上部１０５ｂが幅広に形成されているものの、主たる鉛直部分１０５ａは幅広部分の半分程の幅に形成されている。このため、ドアウィンドーフレーム１０１の車室側の側面は、上部がドアウェザーストリップ１０５の幅広部分によって覆われて、ドアウィンドーフレーム１０１の係止穴１０１ｃとこの係止穴１０１ｃに係入されたフレームガーニッシュ１０４の係入部１０４ａとは隠されるものの、ドアウィンドーフレーム１０１の下部に貫穿された受容穴１０１ｄとこの受容穴１０１ｄに挿入されて車室側に飛び出したフレームガーニッシュ１０４に凸設されたボス１０４ｂとは、ドアウェザーストリップ１０５によって覆い隠されることなく車室側に露出している。

実開平０２−０２６９２７号公報

以上述べたように、従来のフレームガーニッシュの取り付け構造１００では、ドアウェザーストリップ１０５によって部粉的に覆い隠されるに過ぎないため、ドアウィンドーフレーム１０１の車室側面の見栄えに劣るという問題があった。そこで、ドアウェザーストリップ１０５の鉛直部分１０５ａの幅を広く形成することによって、ドアウィンドーフレーム１０１の下部に貫穿された受容穴１０１ｄやこの受容穴１０１ｄに挿入されたボス１０４ｂを覆い隠すという手段によって見栄えを改善するということも考えられる。しかしながら、この手段によれば、幅広の鉛直部分を有するドアウェザーストリップを成形するための金型費用が嵩むことに加え、ドアウェザーストリップを成形するのに必要な材料量が増えてコスト高になるという問題がある。

本発明は、上記問題点に鑑みて創作されたものであり、ウェザーストリップの変更を要せず、単純な構造にして簡単に取付可能で且つ優れた見栄えを呈し得るフレームガーニッシュの取付構造を提供することを目的とする。

本発明は、自動車のドアウィンドーフレームに取り付けられるフレームガーニッシュの取付構造であって、ドアウィンドーフレームは、車両のセンターピラーに重なる略鉛直方向に長い鉛直部を含んでドアウィンドーガラスの周縁を囲繞する窓枠状に形成され、鉛直部は、上部に貫穿された係止穴と、鉛直部の下部において表裏に貫通した貫穿穴の前後を鉛直部の下端から適宜の高さまで切り込んで形成された穴付片部が、クランク断面状に折り曲げられて形成された略鉛直下向きに差し込み可能な差込穴と、を有し、一方、フレームガーニッシュは、鉛直方向に長い略板状の本体と、板面の内側上部に板面に対して略垂直に突出し係止穴に挿入されて係止する係入部と、板面の下部に略鉛直下向きに突出して形成され差込穴に差し込まれる差込部と、を備え、差込部が、差込穴に差し込まれつつ、係入部が係止穴に挿入されて係止されることによって、ドアウィンドーフレームの鉛直部に対してフレームガーニッシュが取り付けられることを特徴とする。

本発明によれば、フレームガーニッシュの取付構造を、ドアウィンドーフレームの鉛直部の上部に係止穴を貫穿し、且つ、下部に、略鉛直下向きに差し込み可能な差込穴を形成すると共に、鉛直方向に長い略板状のフレームガーニッシュの板面の内側上部に、この板面に対して略垂直に突出しドアウィンドーフレームの係止穴に挿入して係止する係入部を形成し、下部に、略鉛直下向きに突出しドアウィンドーフレームの差込穴に差し込まれる差込部を形成する。ドアウィンドーフレームの鉛直部をこのような構成とすることで、フレームガーニッシュの差込部をドアウィンドーフレームの差込穴に差し込みつつ、フレームガーニッシュの係入部をドアウィンドーフレーム係止穴に挿入して係止して、ドアウィンドーフレームの鉛直部に対してフレームガーニッシュを取り付けることができる。したがって、ウェザーストリップを変更することなく、また車重の増量をもたらすこともなく、殆どコストアップを招かずに、簡便に取付可能で且つ良好な見栄えを呈するフレームガーニッシュの取付けが可能になる。また、フレームガーニッシュの取付作業中に、フレームガーニッシュの横方向への動きを防止できるので、固定位置のばらつきを改善して見栄えを向上することができ、さらに作業効率も向上させることが可能となる。

以下、本発明の好ましい実施の形態を、図１〜図８を参照しながら詳細に説明する。本実施形態に係るフレームガーニッシュの取付構造１は、車両２の左右側部に取り付けられたドアのドアウィンドーフレーム３の外装カバー用として、ドアウィンドーフレーム３の鉛直部の外側表面に、フレームガーニッシュ５を簡便に取り付けるためのものである。なお、図中におけるＵｐ、Ｆｒ、ＬＨは、それぞれ上方、前方、左方を表している。

本実施形態の車両２は、図１に示すように、車室の左側前部に取り付けられる左前部ドア７と、車幅方向においてこの左前部ドア７に対向する位置に取り付けられる右前部ドア（図示省略）と、左前部ドア７の直後部位に取り付けられる左後部ドア８と、車幅方向においてこの左後部ドア８に対向する部位に取り付けられる右後部ドア（図示省略）とを有する。これら左前部ドア７と左後部ドア８との境界部位及び右前部ドアと右後部ドアとの境界部位、即ち車両２の前後方向におけるほぼ中央部位の左右の側部には、図２に示すように、それぞれ略鉛直方向に長く延びたセンターピラー９が備えられる。

本実施形態のフレームガーニッシュの取付構造１は、左前部ドア７、右前部ドア及び左後部ドア８、右後部ドアにそれぞれ固設されるドアウィンドーフレーム３におけるそれぞれの対応するセンターピラー９に重なる略鉛直方向に長い鉛直部３ａと、それらの鉛直部３ａにそれぞれ取り付けられるフレームガーニッシュ５とから構成される。
なお、以下、本実施形態においては、図２に示すように、左前部ドア７のドアウィンドーフレーム３の鉛直部３ａにおけるフレームガーニッシュ取付構造１を例に当該発明のフレームガーニッシュの取付構造について説明する。

左前部ドア７は、車室の左前部の下半を開閉自在に閉止するものであり、左前部ドア７の前端部が車両２に対してヒンジ連結されて取り付けられる。左前部ドア７は、車室外側に配設されるアウタパネル７ａと、車室内側に配設されるインナパネル７ｂとを有する（図４参照）。左前部ドア７の上方には、上下動可能にドアウィンドーガラス６（ただし、図４には示していない。）が配設され、その下動時にはドアウィンドーガラス６が左前部ドア７の内部に格納されるように構成される。

ドアウィンドーフレーム３は、左前部ドア７の上部に固設され、左前部ドア７の上方に位置して、ドアウィンドーガラス６の周縁を窓枠状に囲繞するものである。ドアウィンドーフレーム３は、センターピラー９に重なる略鉛直方向に長く延びた鉛直部３ａと、この鉛直部３ａの上端から左前部ドア７の前上端に向かって緩やかな下降曲線を描きながら傾斜して延びた傾斜部３ｂ（図１参照）と、から構成される。

鉛直部３ａは、図３に示すように、鉛直部３ａの上端部周辺に、車室内外に貫通して穿設される係止穴３ｃを有する。鉛直部３ａの下端部は、図４に示すように、左前部ドア７のインナパネル７ｂに固設される。鉛直部３ａの下端中央部周辺には、ドアウィンドーフレーム３の表裏に亘って貫穿され、後述するフレームガーニッシュ５の下端部に形成される差込部５ｂ（図７参照）を、略鉛直下向きに差し込み可能な差込穴３ｄを有する。
なお、この差込穴３ｄは、図５及び図６に示すように、鉛直部３ａの下部において表裏に貫通した貫穿穴の前後を前記鉛直部３ａの下端から適宜の高さまで切り込んで形成される穴付片部３ｅを、断面クランク状に折り曲げることで作出される。すなわち、鉛直部３ａの下部を切り込んで形成された内側に差込穴３ｄを有する穴付片部３ｅは、ドアウィンドーフレーム３が略鉛直下向きに伸びる途中でドアウィンドーフレーム３から切り離されて谷折りに曲げられ、さらに山折りに折り曲げられている。そして、差込穴３ｄと差し込み穴３ｄを取り囲む片部は、ともにクランク形状を呈している。このようにして穴付片部３ｅが断面クランク状を有していることで、フレームガーニッシュ５の差込部５ｂはドアウィンドーフレーム３にラップ範囲Ｌを保って固定されることになる（図４参照）。穴付片部３ｅの断面クランク形状により、フレームガーニッシュ５の差込部５ｂは差込穴３ｄに差し込まれたとき、穴の中で横方向に動くことがない。したがって、フレームガーニッシュ５がばらつきなく、ドアウィンドーフレーム３に固定されることになり、フレームガーニッシュ５の見栄えが改善されることになる。

フレームガーニッシュ５は、図７に示すように、略鉛直方向に長く、ドアウィンドーフレーム３の鉛直部３ａの幅より若干幅が広い略板状の部材であり、幅方向の両端部がそれぞれ内側に丸められ、ドアウィンドーフレーム３の側部及び外面部を覆うように構成される。フレームガーニッシュ５の板面の内側上部には、この板面に対して略垂直に突出し、ドアウィンドーフレーム３の上部に貫穿される係止穴３ｃに挿入して係止する係入部５ａが形成される。フレームガーニッシュ５の下部には、略鉛直下向きに突出して、ドアウィンドーフレーム３の下端部周辺に作出される差込穴３ｄに差し込まれる差込部５ｂが形成される。

ドアウィンドーフレーム３の鉛直部３ａと、フレームガーニッシュ５とは、それぞれ以上のように形成され、フレームガーニッシュ５をドアウィンドーフレーム３に取り付ける際には、先ずフレームガーニッシュ５の内側の幅方向両端に、略上端から略下端に亘って両面テープ５ｃ、５ｃを貼着しておき、フレームガーニッシュ５の下端部に形成された差込部５ｂを、ドアウィンドーフレーム３の下端部周辺に作出された差込穴３ｄに差し込む。次いで、フレームガーニッシュ５の上端部周辺の内側に形成された係入部５ａを、ドアウィンドーフレーム３の上端部周辺に貫穿された係止穴３ｃに挿入して係止し、最後にフレームガーニッシュ５の下部から上部に至るようにフレームガーニッシュ５の内側表面に貼着した両面テープ５ｃ、５ｃをドアウィンドーフレーム３の外側表面に貼着して、ドアウィンドーフレーム３の鉛直部３ａに対するフレームガーニッシュ５の取付けを完了する。
前述したように穴付片部３ｅが断面クランク状となっているために、フレームガーニッシュ５の差込部５ｂがドアウィンドーフレーム３にラップＬを保って固定される。したがって、フレームガーニッシュ５の差込部５ｂが横方向に動かず、フレームガーニッシュ５が、ドアウィンドーフレーム３に横方向へのばらつきなく固定されることになる。

ここで、ドアウィンドーフレーム３の車室側の側面には、このドアウィンドーフレーム３の窓枠形状に沿って、ゴム状材質から成るシーリング用のドアウェザーストリップ１０が固設される。このドアウェザーストリップ１０は、概ねドアウィンドーフレーム３の窓枠形状に沿った部分を有する枠形状に形成される。そして、ドアウィンドーフレーム３の鉛直部３ａに対応する鉛直部分１０ａの幅は、上部１０ｂが幅広に形成され、この幅広に形成された上部１０ｂ以下の部分である主たる鉛直部分１０ａは、幅広部分の半分程の幅に形成される。

ドアウィンドーフレーム３の車室側の側面における上部は、図８に示すように、ドアウェザーストリップ１０（図８では示さず）の幅広に形成された上部によって覆われ、ドアウィンドーフレーム３の係止穴３ｃとこの係止穴３ｃに係入されたフレームガーニッシュ５の係入部５ａとは隠される。他方、ドアウェザーストリップ１０の鉛直部分１０ａの下部は、幅広に形成された上部１０ｂに比較して細身であるものの、フレームガーニッシュ５の下端部周辺は、左前部ドア７の内部においてドアウィンドーフレーム３の差込穴３ｄに差し込まれているため、差込部５ｂ周辺が外部に露出しないように構成され、これによってフレームガーニッシュ５の取付けのばらつきが少なく、取付部分周辺が優れた見栄えを呈するようになる。

以上説明したように、本発明のフレームガーニッシュの取付構造は、フレームガーニッシュの下端に下方に突出した差込部を形成すると共に、ドアウィンドーフレームの下端部周辺に、差込部を略鉛直下方に差し込み可能な差込穴を作出したことで、フレームガーニッシュのドアウィンドーフレームに対する取付けを、フレームガーニッシュ差込部をドアウィンドーフレームの下端部の差込穴に差し込んで成されるように構成したものであって、その主旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。

本実施形態の車両中央部周辺の左側面を描いた側面図である。 図１におけるＡ−Ａ線に沿った断面図である。 図１におけるＢ−Ｂ線に沿った断面図である。 図１におけるＣ−Ｃ線に沿った断面図であって、本実施形態のフレームガーニッシュ取付構造の下部構成を示す。 本実施形態のフレームガーニッシュの下端部周辺の斜視図である。 図５におけるＤ−Ｄ線に沿った断面図である。 本実施形態のフレームガーニッシュの構成を示す内側表面の図である。 本実施形態のフレームガーニッシュ取付構造の構成を示す図であって、ドアウィンドーフレームの鉛直部の内側の構成を示す図である。 一般的な車両の中央部周辺の左側面を描いた側面図である。 従来のフレームガーニッシュの取付構造の構成を示す図であって、左前部ドアのドアウィンドーフレームの鉛直部の縦断面図である。 従来のフレームガーニッシュ取付構造の構成を示す図であって、ドアウィンドーフレームの鉛直部の内側の構成を示す図である。 図１１におけるＥ−Ｅ線に沿った断面図である。 図１１におけるＦ−Ｆ線に沿った断面図である。

符号の説明

１ フレームガーニッシュ取付構造
２ 車両
３ ドアウィンドーフレーム
３ａ ドアウィンドーフレームの鉛直部
３ｂ ドアウィンドーフレームの傾斜部
３ｃ ドアウィンドーフレームの係止穴
３ｄ ドアウィンドーフレームの差込穴
３ｅ ドアウィンドーフレームの穴付片部
５ フレームガーニッシュ
５ａ 係入部
５ｂ 差込部
５ｃ 両面テープ
６ ドアウィンドーガラス
７ 左前部ドア
７ａ アウタパネル
７ｂ インナパネル
８ 左後部ドア
９ センターピラー
１０ ドアウェザーストリップ
１０ａ ドアウェザーストリップの鉛直部分
１０ｂ ドアウェザーストリップの上部
１００ 取付構造
１０１ ドアウィンドーフレーム
１０１ａ 鉛直部
１０１ｂ 上辺部
１０１ｃ 係止穴
１０１ｄ 受容穴
１０２ ドア
１０３ ドアウィンドーガラス
１０４ フレームガーニッシュ
１０４ａ 係入部
１０４ｂ ボス
１０５ ドアウェザーストリップ
１０５ａ 鉛直部分
１０５ｂ 上部

Claims (1)

1. 自動車のドアウィンドーフレームに取り付けられるフレームガーニッシュの取付構造であって、
   上記ドアウィンドーフレームは、車両のセンターピラーに重なる略鉛直方向に長い鉛直部を含んでドアウィンドーガラスの周縁を囲繞する窓枠状に形成され、
   上記鉛直部は、上部に貫穿された係止穴と、下部において表裏に貫通した貫穿穴の前後を鉛直部下端から適宜の高さまで切り込んで形成された穴付片部がクランク断面状に折り曲げられて形成された略鉛直下向きに差し込み可能な差込穴と、を有し、
   上記フレームガーニッシュは、鉛直方向に長い略板状の本体と、板面の内側上部に上記板面に対して略垂直に突出し上記係止穴に挿入されて係止する係入部と、上記板面の下部に略鉛直下向きに突出して形成され上記差込穴に差し込まれる差込部と、を備え、
   上記差込部が、上記差込穴に差し込まれつつ、上記係入部が上記係止穴に挿入されて係止されることによって、上記ドアウィンドーフレームの上記鉛直部に対して上記フレームガーニッシュが取り付けられることを特徴とする、フレームガーニッシュの取付構造。

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