JP5039794B2 - 形状記憶合金駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、形状記憶合金(SMA)材料を可動要素の移動を駆動するアクチュエータとして使用するSMA駆動装置に関する。
本発明は、例えば携帯電話やモバイルデジタルデータ処理および/または送信デバイスなどの携帯型電子デバイスで使用されうる小型カメラで使用されるタイプの、カメラレンズエレメントの駆動に特に応用される。
近年、PDA(ポータブルデジタルアシスタント)および携帯電話と呼ばれることもある携帯情報端末が爆発的に普及するとともに、イメージセンサーを採用するコンパクトデジタルカメラ装置を組み込んだデバイスが増えつつある。このようなデジタルカメラ装置が、比較的小さな画像感知領域を備えるイメージセンサーを使用して小型化されるときに、1つまたは複数のレンズを備える、その光学系も、それに応じて小型化される必要がある。
合焦またはズームを行うために、光軸に沿ってカメラレンズエレメント(lens element)の移動を駆動するある種の駆動機構がこのような小型カメラの密閉環境内に収納されなければならない。カメラレンズエレメントは小さいので、駆動機構は、それに対応して小さな移動範囲内で正確な駆動を行わせることができなければならない。それと同時に、全体としてカメラ装置の小型化が望まれている場合には、アクチュエータ機構は、それ自体コンパクトである。実際の問題として、以上の点から、適用できる駆動機構の種類は限られる。
さまざまな他の小さな物体の駆動機構についても同様の考慮がなされる。
既存のカメラの大半は、さまざまな種類のよく知られている電気コイルモーターを利用しているが、多くの他の駆動機構は、レンズ系の小型駆動ユニットとして提案されている。他のこのような駆動機構としては、一般に電気活性デバイスと呼ばれる、圧電材料、電歪材料、または磁歪材料に基づくトランスデューサがあり、一実施例は、国際公開第02/103451号で説明されているようなカメラレンズ用のアクチュエータとして使用されうる国際公開第01/47041号で開示されているらせんコイル型圧電ベンダータイプの湾曲構造を含むアクチュエータである。
提案されている他の種類の駆動機構では、SMA材料をアクチュエータとして使用する。SMAアクチュエータは、加熱されるとカメラレンズエレメントの移動を駆動するように配置される。駆動は、SMAアクチュエータがマルテンサイト相とオーステナイト相との間で変化しSMAアクチュエータの応力と歪みが変化する、活性温度範囲内のSMAアクチュエータの温度の制御によって行うことができる。低温では、SMAアクチュエータは、マルテンサイト相にあるが、高温では、SMAアクチュエータは、オーステナイト相に変わり、SMAアクチュエータの接触を引き起こす変形をもたらす。SMAアクチュエータの温度は、SMAアクチュエータに電流を選択的に通して加熱し相変化を引き起こすことにより変化しうる。相変化は、SMA結晶構造の転移温度の統計的バラツキのせいで一定範囲内の温度で生じる。SMAアクチュエータは、収縮が可動要素(movable element)の移動を駆動するように配置される。
SMA材料を小型カメラのカメラレンズエレメントなどの小さな物体用のアクチュエータとして使用する場合、これには、本質的にリニア作動をする、単位質量当たりの出力が高い、安価な商品である、比較的小さなコンポーネントであるという利点がある。
SMA材料をアクチュエータとして使用することにはこれらの理論的な利点があるにも関わらず、実際には、SMA材料の性質上生じる制限により、特に、小型デバイスにおいては、SMAアクチュエータを設計し、製造することが難しい。
本発明の第1および第2の態様は、SMAアクチュエータを延命することに関係する。
本発明の第1の態様によれば、加熱すると光軸に沿ってカメラレンズエレメントの移動を駆動してイメージセンサー上のカメラレンズエレメントの焦点を変えるように配置されたSMAアクチュエータを備えるカメラレンズ駆動装置を制御する方法が提供されるが、ただし、このSMAアクチュエータは収縮時に抵抗が極大抵抗から極小抵抗に減少するカーブ(curve)に沿って長さとともに抵抗が変化する特性を有し、
この方法の間、SMAアクチュエータは、電流をその中に通すことにより加熱され、カメラレンズエレメントの移動は、SMAアクチュエータの抵抗を測定し、SMAアクチュエータの測定抵抗をフィードバック信号として使用して電流を変化させて測定抵抗を所望の値に駆動することにより制御され、
この方法は、
SMAアクチュエータを加熱し、測定抵抗を監視して、極大抵抗および極小抵抗を検出することと、検出された極大抵抗の抵抗値と検出された極小抵抗の抵抗値との間の差以下である抵抗範囲の大きさを導出して記憶することとを含む予備較正動作を実行することと、
予備較正動作よりも頻繁に、
SMAアクチュエータを加熱し、その抵抗を監視して極大抵抗を検出することと、
検出された極大抵抗の抵抗値であるまたは所定のデクリメントだけ低い上限ターゲット抵抗値、および上限ターゲット抵抗値から記憶されている抵抗範囲の大きさを引いた値に等しい下限ターゲット抵抗値を導出することと、
SMAアクチュエータを、測定抵抗が上限ターゲット抵抗値から下限ターゲット抵抗値まで変化するように加熱し、イメージセンサーによって出力される画像信号の合焦品質を監視し、合焦品質が許容可能レベルにある抵抗値を記憶することとを含む焦点検出動作を実行することとを含む。
さらに、本発明の第1の態様によれば、類似の方法を実行する制御システムが実現される。
本発明の第1の態様は、較正動作が実行され、この較正動作においてSMA材料が、極大抵抗および極小抵抗を検出し、それからSMAアクチュエータが制御される抵抗の範囲の限界値としてその後の焦点検出動作で使用されるターゲット抵抗の上限および下限を導出するように加熱される制御技術に関する。
本発明の第1の態様は、収縮範囲の上限でSMAアクチュエータを作動させる機会を減らすことによりSMAアクチュエータを延命することができるという理解に基づく。これは、以下の理由による。範囲の上限において、とりわけ極小抵抗よりも高い場合に、さらに加熱すると、さらに収縮させることができるが、SMA材料の大半は、マルテンサイト相からオーステナイト相へと転換してしまう。所定の温度における不完全転移のこの不均一効果は、SMA結晶構造の転移温度の統計的バラツキのせいで生じる。このポイントを過ぎてワイヤから著しいさらなる変位が要求された場合、比較的少数のSMA結晶がこの負荷を受ける。材料のこれらの部分は、比較的重い負荷を受けることになり、結果として構造物への損傷をもたらす。この領域内でSMAアクチュエータを繰り返し作動させると、この損傷は、SMAアクチュエータの所望の寿命に到達する前にワイヤが破砕するか、またはその性能が仕様から外れることになるところまで悪化しうる。
したがって、本発明の第1の態様は、SMAアクチュエータを収縮範囲の上限で作動させる機会を減らす。特に、これは、予備較正動作を実行して極大抵抗および極小抵抗を検出することにより達成される。次いで、それらの差以下の抵抗範囲の大きさが導出され、記憶される。これ以降、焦点検出動作において、抵抗が変化する上限ターゲット値および下限ターゲット値は、焦点検出動作時に検出された極大抵抗の抵抗値から、また記憶されている抵抗範囲の大きさを使用して導出される。したがって、焦点検出動作において、SMAアクチュエータは、損傷の危険性が増大する極小抵抗を超えて加熱されることはない。
予備較正動作は、焦点検出動作に比べてそれほど頻繁には実行されない。実際、予備較正動作は、焦点検出動作に比べてかなり低い頻度で実行されうる。例えば、予備較正動作は、電力が供給されるか、または装置のスイッチがオンにされたときにのみ実行されうるが、典型的には焦点検出動作は、電力が供給されてから切断されるまで、または装置のスイッチがオンにされてからオフにされるまでの間、多数回実行される。したがって、SMAアクチュエータは、焦点検出動作が実行される毎に極小抵抗に達する状況と比較して極小抵抗を超えて加熱されることはあまり頻繁でない。
本発明の第2の態様によれば、加熱すると可動要素の移動を駆動するように配置されたSMAアクチュエータを備える形状記憶合金駆動装置を制御する方法が提供されるが、ただし、このSMAアクチュエータは収縮時に抵抗が極大抵抗から極小抵抗に減少するカーブに沿って長さとともに抵抗が変化する特性を有し、SMAアクチュエータは電流をその中に通すことにより加熱され、
この方法は、SMAアクチュエータを加熱し、SMAアクチュエータの抵抗を測定し、SMAアクチュエータの測定抵抗をフィードバック信号として使用して測定抵抗をターゲット値に調整することで電流の電力を変化させることと、
測定抵抗を監視して極小抵抗を検出し、抵抗極小検出に応じて、電流の電力を即座に低減することとを含む。
さらに、本発明の第2の態様によれば、類似の方法を実行する制御システムが実現される。
本発明の第2の態様は、収縮範囲の上限でSMAアクチュエータを作動させる機会を減らすことによりSMAアクチュエータを延命することができるという理解に基づく。これは、本発明の第1の態様に関して上で説明されている理由によるものである。
したがって、本発明の第2の態様は、SMAアクチュエータを収縮範囲の上限で作動させる機会を減らす。これは、測定される抵抗を監視して極小抵抗を検出することとにより行われる。抵抗極小が検出されたときに、電流の電力が即座に低減される。その後、極小抵抗よりも低いターゲット値の探索は行われない。したがって、SMAアクチュエータが抵抗極小で、またはそれを超えて加熱される程度は、最小にされ、これにより、SMAアクチュエータが延命される。
本発明のいくつかの態様は、可動要素の位置の制御に関する。SMAアクチュエータの抵抗を位置の尺度として使用することが望ましい。抵抗のこのような使用には、SMAアクチュエータを加熱する電流を供給するために必要な制御回路を補助する付加的電子コンポーネントを単純に備えるだけで、正確である、また実装するのに直接的でありコンパクトであるというかなり大きな利点がある。対照的に、可動要素の位置の直接的測定は、小型デバイスとの関連ではかさばる位置センサーを必要とすることになる。また、SMAアクチュエータの温度の測定は、十分な精度で実行することが困難である。
SMAアクチュエータの抵抗に影響を及ぼすファクターは、以下のとおりである。加熱に対する抵抗を増大する効果は、温度とともに抵抗が増大することであり、さらにオーステナイト相はマルテンサイト相に比べて高い抵抗を有することである。しかし、対抗する効果は、SMAアクチュエータが加熱して収縮したときに、幾何学的形状の変化は、長さの減少および断面積の増大を伴って、抵抗を減少させる傾向を有することである。これは、著しく大きな効果を有し、抵抗を増大させる効果を急速に打ち消し、その結果、収縮期間の大半において温度が上昇するとともにSMAアクチュエータの抵抗が減少する。したがって、SMAは、収縮時に抵抗が極大抵抗から極小抵抗に減少するカーブに沿って抵抗が長さとともに変化するという特性を有する。
SMA材料のこの特性により、測定抵抗に基づく制御は、典型的には、収縮が生じ始めたということを示すものとして極大抵抗が検出されるまでSMAアクチュエータを加熱することを伴う。これ以降、可動要素の位置は、例えばSMAアクチュエータの測定抵抗をフィードバック信号として使用し測定抵抗をターゲット値に調整することにより、極大抵抗と極小抵抗との測定抵抗差を位置の尺度として使用してSMAアクチュエータの収縮範囲内で制御されうる。これにより、位置の正確な制御が行われる。
極大抵抗は、個々の駆動装置に対する収縮開始の信頼性および反復性のある尺度を実現する。これは、例えば可動要素がカメラレンズエレメントである場合に位置の正確な制御が要求される用途にとって重要であり、その場合、位置が合焦またはズームを制御する。例えば、極大抵抗値を記録することができ、次いで、この抵抗値に基づき、焦点ゾーン位置を計算する。この場合、第1の焦点ゾーンにおける温度が、極大が生じた温度より高くなるようにオフセットが適用され、その後の焦点ゾーンは、抵抗の減分単位(温度の増分単位に対応する)で第1の焦点ゾーンからオフセットされる。
しかし、極大抵抗における可動要素の位置のバラツキにより、作動中に可動要素の位置にそれに対応するバラツキが生じる。駆動装置の製造および組み立てに固有の許容誤差の結果、異なる駆動装置間でのようにSMAアクチュエータの抵抗が極大抵抗であるときに可動要素の絶対位置に関する不確定性が生じる。許容誤差は、駆動装置を慎重に設計することにより改善されうるけれども、許容誤差は、決して完全には取り除けない。
本発明の第3の態様は、可動要素の不確定の絶対位置のこのような問題を軽減することに関する。
本発明の第3の態様によれば、形状記憶合金駆動装置が実現され、この装置は、
支持構造と、
可動要素の移動をガイドするサスペンションシステムによって支持構造上に支持される可動要素と、
支持構造と可動要素との間に接続された形状記憶合金アクチュエータであって、形状記憶合金アクチュエータは加熱されて収縮したときに支持構造に相対的に可動要素の前記移動を駆動し、収縮時に抵抗が極大抵抗から極小抵抗に減少するカーブに沿って長さとともに抵抗が変化する特性を有する形状記憶合金アクチュエータと、
可動要素の移動を制限し、前記カーブ上の極大抵抗に対応する長さ以下である最大長を超えて形状記憶合金アクチュエータが非加熱状態で伸長するのを妨げるように配置されたエンドストップとを備える。
エンドストップは、SMAアクチュエータが伸長するのを制限する。したがって、SMAアクチュエータの非加熱状態にある可動要素の位置は、エンドストップの位置によって固定される。この位置は、前記カーブ上の極大抵抗に対応する長さ以下のSMAアクチュエータの長さに対応する。したがって、エンドストップは、移動要素を効果的に持ち上げて、SMAアクチュエータの歪みを低減する。SMAアクチュエータを加熱しているときに、可動要素をエンドストップから離す応力がSMAアクチュエータ内で十分なものとなるまで、可動要素の移動を駆動する収縮を引き起こすことなく相転換が最初に発生する。その後、エンドストップが存在していないとしても移動は駆動される。この配置は、可動要素の移動範囲の開始位置が、エンドストップの位置によって制御されるという利点を有する。エンドストップは、支持構造に相対的な可動要素の位置に対する全体的な最大許容誤差についてSMAアクチュエータの長さが前記カーブ上の極大抵抗に対応する長さ以下となるように位置決めされうる。エンドストップは、比較的よい許容誤差で位置決めされうるので、これにより、可動要素の移動範囲の絶対開始位置に対する許容誤差が大幅に改善される。
しかし、極大抵抗を検出したときの可動要素の位置のバラツキにより、その後の作動時に可動要素の位置にそれに対応するバラツキが生じる。この結果、極大抵抗に対応する可動要素の位置が変化する可能性があるときに、特に高い周囲温度において位置制御が変わりやすいことがある。
それに加えて、周囲温度が十分に高く、抵抗がすでに極大値を超えてしまっているという危険性もある。この場合、第1の位置ゾーン(カメラレンズエレメントの場合には焦点ゾーン)の位置が変化する。これは、ある温度範囲にわたって、制御可能な位置が絶対アクチュエータ位置に関して変化しうることを意味する。これは望ましいことではない。例えば、カメラレンズエレメントのオートフォーカスアルゴリズムの場合に、画質に関係なくカメラが近似的遠焦点(無限遠の焦点)位置に移動することが望ましければ、これは、その温度範囲にわたって妥当な精度でアクチュエータが絶対位置に設定されることを必要とする。
本発明の第4の態様は、可動要素の不確定の絶対位置のこのような問題を軽減することに関する。
本発明の第4の態様によれば、加熱すると可動要素の移動を駆動するように配置されたSMAアクチュエータを備える形状記憶合金駆動装置を制御する方法が提供されるが、ただし、このSMAアクチュエータは収縮時に抵抗が極大抵抗から極小抵抗に減少するカーブに沿って長さとともに抵抗が変化する特性を有し、
この方法の間、SMAアクチュエータは、電流をその中に通すことにより加熱され、そしてSMAアクチュエータの抵抗が測定され、
この方法は、
SMAアクチュエータを加熱し、SMAアクチュエータの測定抵抗を監視して極小抵抗を検出する第1のステップと、
SMAアクチュエータの測定抵抗をフィードバック信号として使用して電流の電力を変化させ測定抵抗を極小抵抗の抵抗値よりも所定のインクリメントだけ高いターゲット値に調整する第2のステップとを含む。
さらに、本発明の第4の態様によれば、類似の方法を実行する制御システムが実現される。
そこで、ターゲット値の基準として極大抵抗の抵抗値を使用する代わりに、本発明のこの態様では、極小抵抗の検出を伴い、次いで極小抵抗の抵抗値よりも高い所定のインクリメントであるターゲット値を使用することによりこれを基準として使用する。これは、基準として使用された極小抵抗の抵抗値としたがってさらにターゲット値は、周囲温度とともに変化しないという意味で信頼性および反復性があるという利点を有する。これは、観察されているとおり、極小抵抗での可動要素の位置が、極大抵抗での可動要素の位置と比較して安定しているからである。特に、この位置は、周囲温度とともに変化することはない。これは、極小抵抗でのSMAの温度は、周囲温度範囲から十分に外れており、したがって、極小抵抗に対応するアクチュエータ位置も、作動温度範囲にわたって変化しないからである。これにより、可動要素の正確な位置決めが可能になり、多くの用途において有利である。例えば、可動レンズエレメントがカメラレンズエレメントである場合、これにより正確な合焦制御が可能である。
本発明の第5の態様は、測定抵抗を位置の尺度として使用してSMAアクチュエータを制御する場合に発生しうると考えられている障害状態を回避することに関する。
本発明の第5の態様によれば、加熱すると可動要素の移動を駆動するように配置されたSMAアクチュエータを備える形状記憶合金駆動装置を制御する方法が提供されるが、ただし、このSMAアクチュエータは収縮時に抵抗が極大抵抗から極小抵抗に減少するカーブに沿って長さとともに抵抗が変化する特性を有し、
この方法の間、SMAアクチュエータは、電流をその中に通すことにより加熱され、そしてSMAアクチュエータの抵抗が測定され、
この方法は、
SMAアクチュエータを加熱し、SMAアクチュエータの測定抵抗を監視して極大抵抗を検出する第1のステップと、
極大抵抗を検出した後、SMAアクチュエータの測定抵抗をフィードバック信号として使用して電流を変化させ測定抵抗を検出された極大抵抗の抵抗値よりも所定のデクリメントだけ低いターゲット値に調整する第2のステップと、
前記第2のステップと同時に、供給される電流および測定抵抗を監視して、供給される電流の減少が、測定抵抗の減少に付随して生じ、また第1のステップに戻るその条件を検出したことに応じて付随して生じるという条件を検出するステップとを含む。
さらに、本発明の第5の態様によれば、類似の方法を実行する制御システムが実現される。
第1のステップは、極大抵抗が検出されるまでSMAアクチュエータを加熱することを伴う。これは、収縮が生じ始めたことを示す指標として使用される。これ以降、可動要素の位置は、特に測定抵抗をフィードバック信号として使用し測定抵抗をターゲット値に調整することにより、極大抵抗と極小抵抗との測定抵抗差を位置の尺度として使用してSMAアクチュエータの収縮範囲内で制御されうる。これにより、位置の正確な制御が行われる。したがって、第2のステップは、初期ターゲット値を検出された極大抵抗よりも所定のデクリメントだけ低く設定することを伴う。
しかし、この制御は、状況によっては、結果として障害状態をもたらしうることは理解されている。特に、障害状態は、測定抵抗をフィードバック信号として使用する制御ループでは、ターゲット値に到達しようとしてSMAアクチュエータが最小レベルに冷却されるまで電流が減らされるという状態である。
この障害状態に対する理由は、以下のように理解されている。非加熱状態にあるSMAアクチュエータの平衡位置は、一般に、固定位置と考えられる。例えば、駆動装置がSMAアクチュエータに逆らって働くバイアス機構を組み込むよくあるケースでは、静止位置は、SMAアクチュエータおよびバイアス機構内で発生する力が平衡する位置であるとみなされる。
しかし、実際には、静止位置は、駆動装置の振動または衝撃の影響を受ける可能性がある。特に、このような外力は、ときには、通常平衡位置を超えてSMAアクチュエータを引き伸ばすという効果を有する。このような状況では、SMAアクチュエータを加熱する第1のステップは適切に実行され、極大抵抗が検出される。これに関して、第2のステップにおいて、検出された極大抵抗の抵抗値よりも所定のデクリメントだけ低いターゲット値が設定され、第2のステップでは、SMAアクチュエータの測定抵抗をフィードバック信号として使用して電流の変化が行われる。
障害状態は、第2のステップのターゲット値が、SMAアクチュエータがその通常平衡位置を超えて引き伸ばされていない場合に生じるであろう極大抵抗の抵抗値よりも大きい場合に発生する。これは、引き伸ばしの程度が、ターゲット値を導出するために使用される所定のデクリメントに関して十分に大きい場合である。この場合、第2のステップでは、最初に電流を印加してSMAアクチュエータを加熱すると抵抗の予想される減少が生じるが、これは、加熱によってSMAアクチュエータが収縮するからである。しかし、ターゲット値に近づくにつれ、または典型的な制御ループのオーバーシュートが生じた場合に、電流が減少する。通常、この場合、測定抵抗をターゲット値に到達させるという予想される挙動が生じる。
しかし、SMAアクチュエータが通常の平衡位置を超えてまだ引き伸ばされる上述の場合には、電力が増大したときでも測定抵抗の減少を引き起こすSMAアクチュエータの収縮がまだある。これにより、電力のさらなる低減が促進されうる。最終的に、制御は、SMAアクチュエータが最小レベルに冷却される上述の障害状態に到達する。
この障害状態を回避するために、第2のステップにおいて、供給される電流および測定抵抗が監視され、供給される電流の減少に測定抵抗の減少が付随する状態を検出する。これは、SMAアクチュエータが測定抵抗のターゲット値で通常の平衡位置を超えてまだ引き伸ばされるという上述の状態を示す。その場合、制御は第1のステップに戻る。そこで、再び電流を印加し、新たな極大抵抗が検出されるまでSMAアクチュエータを加熱する。次に、SMAはさらに、また平衡位置に近い長さから収縮する。
したがって、障害状態は、SMAアクチュエータが平衡位置よりも低い位置に収縮するようなときまで第1および第2のステップを反復して回避される。これ以降、作動は通常どおり続けられる。
本発明の第6の態様は、可動要素が合焦動作を行うことを意図されているカメラレンズエレメントである特定の場合に関する。
このようなカメラレンズエレメント(lens element)の場合、移動の範囲が、焦点範囲をもたらす。典型的には、SMAアクチュエータは、カメラレンズエレメントをセンサー要素(sensor element)から遠ざける移動を駆動する。したがって、カメラレンズエレメントの移動の範囲の初期位置は、原理上、遠視野合焦を実現するように設計され、例えば、無限遠から過焦点距離までの範囲内にある物体の画像がイメージセンサー上に結像される。
しかし、駆動装置の製造および組み立てに固有の許容誤差の結果、異なる駆動装置間でのようにSMAアクチュエータの抵抗が極大抵抗であるときにカメラレンズエレメントの絶対位置に関する不確定性が生じる。許容誤差は、駆動装置を慎重に設計することにより改善されうるけれども、許容誤差は、決して完全には取り除けない。つまり、カメラレンズ駆動装置の合焦を正しく設定するのは困難である。
本発明の第6の態様は、焦点を適切に設定するこのような問題を軽減することに関する。
本発明の第6の態様によれば、カメラレンズ駆動装置を製造する方法が提供され、この方法は、
所定の位置にイメージセンサーを取り付けるように配置された支持構造と、カメラレンズエレメントの光軸に沿ってキャリアの移動をガイドするサスペンションシステムによって支持構造上で支持されているキャリアおよびキャリアに相対的にレンズホルダーの位置を調節できるようにキャリアに取り付けられている少なくとも1つのレンズを保持するレンズホルダーを備えるカメラレンズエレメントと、支持構造とカメラレンズエレメントとの間に接続され、加熱により収縮したときに前記所定の位置から離れる方向のカメラレンズエレメントの前記移動を駆動するように配置されている形状記憶合金アクチュエータとを組み立てることと、
SMAアクチュエータが周囲温度よりも高い所定の温度まで加熱されたときにイメージセンサー上の少なくとも1つのレンズにより無限遠から過焦点距離までの範囲の距離にある物体の画像の合焦を行うようにキャリアに相対的にレンズホルダーの位置を調節することとを含む。
したがって、本発明の第6の態様では、サスペンションシステムによって支持されているキャリアを備えるカメラレンズエレメント、およびキャリアに相対的にレンズホルダーの位置を調節できるようにキャリアに取り付けられているレンズホルダーを使用する。これにより、駆動装置を組み立てた後にカメラレンズエレメントが備える合焦を調節することができる。このような調節により、異なる駆動装置間でのように支持構造に相対的にカメラレンズエレメントの位置的なバラツキをもたらす製造許容誤差があるにも関わらず合焦を適切に設定することができる。
しかし、SMAアクチュエータを使用する場合にはさらなる考慮事項が適用されることが理解されている。特に、駆動がSMAアクチュエータの温度変化によって駆動されるという事実から生じる問題が潜在する。これは、駆動装置を使用しているときに周囲温度が高いと、SMAアクチュエータが製造時の状態と比較して非加熱状態において収縮する可能性があることを意味する。遠視野焦点が製造時の温度に基づいて設定されている場合、これの結果として、より高い周囲温度で使用したときに、遠視野焦点の近くで焦点範囲の一部が喪失する可能性がある。しかし、この問題については本発明の第6の態様において、SMAアクチュエータが周囲温度よりも高い所定の温度に加熱されたときに遠視野焦点が得られるようにキャリアに相対的にレンズホルダーの位置の調節を実行することにより取り組んでいる。これは、調節を実行するか、またはSMAアクチュエータがそのような加熱時に収縮するという事実を考慮して調節を実行するときに実際にSMAアクチュエータを加熱することにより行われうる。その結果、合焦は、予測されるすべての周囲温度において遠視野焦点までずっと延長する範囲にわたって実現されうる。
SMAアクチュエータの抵抗を位置の尺度として使用する場合、制御回路は駆動信号をSMAアクチュエータに供給し、またSMAアクチュエータの抵抗の測定を検出するセンサー回路を備える。しかし、制御回路とSMAアクチュエータとの間の電気的接続部に関連する問題がある。特に、このような電気的接続部は、抵抗の測定精度を下げる電気抵抗を持つ。これは、特に、いくつかの応用分野(例えば、光学用途または他の精密機器用途)において当てはまり、その場合、SMAアクチュエータデバイスの電気端子をその用途の基材にハンダ付けするのは望ましいことでないが、それは、ハンダ付けプロセスでの加熱により潜在的損傷が引き起こされたり、またはハンダ付けプロセスでフラックスの放出が生じるからである。このような用途では、ハンダの代わりに、電気的接続部として導電性接着剤(例えば、銀充填エポキシ)を使用して電気端子に電気的に接続することが知られている。しかし、このような導電性接着剤による接続は、ハンダによる接続と比べて変化する、きわめて大きな電気抵抗を有し、そのような接続の抵抗も同様に著しい温度係数を持ちうる。高精度駆動の抵抗測定に基づき位置制御を実行する場合、変化しうる、温度依存の接着部の抵抗は、アクチュエータの精度に重大な問題を引き起こす。
本発明の第7の態様によれば、形状記憶合金アクチュエータと、
制御回路であって、
形状記憶合金アクチュエータへの電気的接続部を有し、形状記憶合金ワイヤを通じて駆動信号を伝え、形状記憶合金ワイヤを収縮させるように作動可能な駆動回路と、
駆動回路の電気的接続部から分離している形状記憶合金アクチュエータへの電気的接続部を有する、電圧を検出するように配置されたセンサー回路であって、制御回路はセンサー回路によって検出された電圧に基づき形状記憶合金によって渡される駆動信号を制御するように配置されている、センサー回路とを備える制御回路とが実現される。
駆動回路からの別の電気的接続部によってセンサー回路を形状記憶合金アクチュエータに接続し、電圧を検出するセンサー回路を使用することにより、電気的接続部の抵抗の影響は大幅に低減されうる。特に、センサー回路は、駆動電流よりも小さい電流を引き込むように容易に、また都合よく設計されうる。この方法で、電気的接続部間で低下する電圧は、典型的には、かなり程度まで低減される。そのため、変化する、潜在的に高い抵抗を持つ電気的接続部が存在する場合であっても、SMAアクチュエータの高精度の位置制御が行われる。
本発明の第8の態様は、制御システムが、収縮を起こさせるほど十分には形状記憶合金アクチュエータを加熱しない選択的に第1の駆動信号である駆動信号、および収縮を起こさせるほど十分に形状記憶合金アクチュエータを加熱する第2の駆動信号を供給するように配置されているカメラレンズ駆動装置に関する。これは、カメラレンズエレメントを2つの位置に、恐らく限られた数の他の位置にも駆動することを意図されている基本制御システムである。典型的には、これらの位置のうちの1つが、公称的に、無限遠の焦点および他のクロースフォーカスまたは「マクロ」フォーカスを定める。このような制御システムは焦点位置の範囲にわたって連続的変化をもたらすシステムに比べて実装がかなり簡単になるという利点を有する。
装置の機械的設計により、SMAアクチュエータが収縮しない場合にカメラレンズエレメントの位置を固定することは簡単である。しかし、装置には、第2の駆動信号が収縮を起こさせるほど十分に形状記憶合金アクチュエータを加熱したときにカメラレンズエレメントの位置が変化する可能性があるという問題がある。一貫した第2の駆動信号であっても、SMAアクチュエータが収縮する程度も時期も異なる。
本発明の第8の態様によれば、カメラレンズ駆動装置が実現され、この装置は、
支持構造と、
光軸に沿って支持構造に相対的に可動要素の移動をガイドするサスペンションシステムによって支持構造上に支持されるカメラレンズエレメントと、
支持構造と可動要素との間に接続された形状記憶合金アクチュエータであって、加熱すると形状記憶合金アクチュエータの収縮により可動要素の前記移動が駆動される、形状記憶合金アクチュエータと、
駆動信号を形状記憶合金アクチュエータに供給するように配置された制御システムであって、駆動信号は選択的に、収縮を起こさせるほど十分には形状記憶合金アクチュエータを加熱しない第1の駆動信号および収縮を起こさせるほど十分に形状記憶合金アクチュエータを加熱する第2の駆動信号であり、制御回路は周囲温度を示す温度信号を受信し、周囲温度の上昇につれ加熱を減らす形で温度信号に応じて第2の駆動信号を変化させるように配置される、制御システムとを備える。
SMAアクチュエータの収縮の著しい変動は、周囲温度の変動によって引き起こされることは理解されている。これにより、SMAアクチュエータの冷却速度が変化し、したがって、所定の駆動信号により駆動されたときにSMAアクチュエータの温度が変化する。
そこで、周囲温度を示す温度信号を利用する。携帯電話などの携帯型電子デバイスでは、そのような信号は頻繁に利用可能であり、例えば、ある程度任意の、ただし必ずしも均等目盛でない単位で内部周囲温度を表す単純なデジタル数として利用可能である。第2の駆動信号は、温度信号に応じて変化し、周囲温度が上昇すると加熱を減らす。そこで、周囲温度の変動の結果生じる変動をある程度補正することが行われる。実際、粗分解能を有する温度信号を使用した場合でも、ある周囲温度範囲にわたって位置決めの反復性の著しい改善が得られることがわかっている。さらに、電流源の電子回路をよけいに複雑にする必要もなく、電流源を制御するプロセッサによるごくわずかの処理量で済む。
本発明のさまざまな態様およびその特徴は、任意の組み合わせで一緒に使用されうる。
そこで、理解を深めるために、本発明の一実施形態について、付属の図面を参照しつつ、非制限的な実施例を使って説明する。
SMA駆動機構を組み込んだカメラの略断面図である。 カメラの詳細斜視図である。 カメラの分解斜視図である。 カメラのSMAアクチュエータの斜視図である。 カメラの詳細断面図である。 カメラの全体的制御機構の略図である。 制御回路の図である。 収縮時のSMAの抵抗−長さの特性を示すグラフである。 制御回路に利用可能な3つの回路実装を示す図である。 制御回路に利用可能な3つの回路実装を示す図である。 制御回路で実装される制御アルゴリズムの流れ図である。 図11の制御アルゴリズムを使用する、時間の経過によるSMAの抵抗を示すグラフである。 代替え制御アルゴリズムの流れ図である。 制御アルゴリズムの一部として実装される「ラチェッティング」法の流れ図である。 代替え制御アルゴリズムの流れ図である。 修正代替え制御アルゴリズムの流れ図である。 図11の制御アルゴリズムを使用する、時間の経過によるSMAの抵抗を示すグラフである。 SMAアクチュエータの取り付け部材の修正形態の斜視図である。 修正形態の制御回路の図である。
まず最初に、SMA駆動装置を組み込んだカメラ1の構造について説明する。カメラ1は、携帯電話、メディアプレーヤー、またはポータブルデジタルアシスタントなどの携帯型電子デバイスに組み込まれるものである。
カメラ1は、図1に簡略化して示されている。カメラ1は、CCD(電荷結合素子)またはCMOS(相補形金属酸化膜半導体)デバイスとすることができるイメージセンサー4が取り付けられているベース部3を有する支持構造2を備える。支持構造2は、さらに、イメージセンサー4が取り付けられているベース部3の前側から突き出ている環状壁5を備える。支持構造2は、プラスチック製としてよい。
カメラ1は、さらに、1つまたは複数のレンズ8からなるレンズ系7を保持するレンズエレメント6を備える。例えば、レンズ系7は、図1では、2つのレンズ8からなるものとして示されているが、一般には、単一レンズ8または複数のレンズ8を必要に応じて備え、光学性能と低価格との望ましいバランスをとるようにできる。カメラ1は、典型的には直径が最大で10mmのレンズ系7のレンズ8を備える小型カメラである。
レンズエレメント6は、レンズ系7の光軸Oがイメージセンサー4に垂直になるように配置される。この方法で、レンズ系7は、イメージセンサー4上に光を集束させる。
レンズエレメント6は、支持構造2の環状壁5とレンズエレメント6との間に接続されている2つのサスペンション要素(suspension element)10からなるサスペンションシステム9によって支持構造2上に吊されている。サスペンションシステム9は、光軸Oに沿ってレンズエレメント6の移動をガイドする。レンズエレメント6のこのような移動は、イメージセンサー4上に形成される画像の焦点を変える。
次に、支持構造2のベース部3を省いた詳細斜視図である図2を参照しつつカメラ1の詳細な構造について説明する。
レンズエレメント6は、レンズキャリア20とレンズキャリア20の内側に形成された雌ネジ22でレンズキャリア20の内側に取り付けられているレンズホルダー21を備える2部構成となっている。典型的には、レンズホルダー21の直径は6.5mmである。レンズキャリア20の下側リムには、後述の金属リング14が固定されている。レンズキャリア20は、レンズエレメント6を吊すためにサスペンションシステム9に接続されている。レンズホルダー21は、レンズ系7の1つまたは複数のレンズ8を取り付ける。レンズキャリア20とレンズホルダー21は両方とも、成形プラスチックで作ることができる。
次に、レンズエレメント6用のサスペンションシステム9について詳述する。サスペンションシステム9は、それぞれが切断整形された鋼鉄またはベリリウム銅などの各単一シート状材料から形成された2つのサスペンション要素10を備える。可能な選択肢の1つは、高い降伏応力を備えるという利点を有する高圧延グレード302オーステナイト鋼である。サスペンション要素10は、キャリア20の対向端に取り付けられる。サスペンション要素10のうちの1つのみが図2にわかりやすく示されているが、サスペンション要素10は両方とも、以下のように同一の構造を有する。
それぞれのサスペンション要素10は、レンズキャリア20に接続された内側リング11を備える。特に、内側リング11は、レンズホルダー21の外周に広がるようにレンズキャリア20のそれぞれの端面に接続される。
それぞれのサスペンション要素10は、さらに、支持構造2に接続された外側リング12を備える。特に、外側リング12は、支持構造2の環状壁5の端面の周囲に広がり、その端面に接続される。
最後に、それぞれのサスペンション要素10は、内側リング11と外側リング12との間にそれぞれ延びる4つの湾曲部13を備える。そこで、湾曲部13は、対向端部のところでレンズエレメント6および支持構造2に結合される。光軸Oに沿って見たときに、湾曲部13は、光軸Oの半径方向に対し傾斜している。そのため、湾曲部13は、光軸の周りに広がる。湾曲部13は、レンズキャリア20の周りの、光軸Oを中心として回転対称となる異なる半径方向位置に配置される。さらに、湾曲部13は、光軸Oに垂直な方向では幅よりも小さい光軸Oに沿った厚み(つまり、サスペンション要素10を作った材料のシートの厚さ)を有する。サスペンションシステム9は、適切な幅、厚さ、および長さの適切な個数の湾曲部13を持ち、光軸Oに沿って、またそれに垂直に、所望の剛性度を持つように設計されている。湾曲部13は、典型的には、25μmから100μmまでの範囲の厚さを有する。湾曲部13の個数は、サスペンション要素10内の湾曲部13の個数を変えることにより、および/または追加のサスペンション要素10を備えることにより変えることができる。
湾曲部13は、さらに、光軸Oに沿って見たときにその長さに沿って湾曲し、曲率が交互に変わる3つの領域を持つ。そのような曲率を湾曲部13に導入することにより、一定度の歪み逃しが構造に加えられる。湾曲部13が可塑的に変形する傾向が低減され、その代わりに湾曲部13は、弾性的に曲がる傾向を有する。中心領域と反対の曲率を持つ外側領域を導入することにより、力の不平衡が減じ、内側リング11と外側リング12との連結部に発生する応力が低減される。そのため、湾曲部13は、材料破壊を起こすことなく平面方向により柔軟になる。これは、半径方向および軸方向の剛性を受け入れがたいほど損なうことなく達成される。これにより、サスペンションシステム9は、湾曲部13に対し永久的な損傷を引き起こすことなく機械的衝撃によって起こされる光軸Oの半径方向のレンズエレメント6の変位を受け入れることができる。この方向の変位を制限するために、カメラ1には、レンズエレメント6と支持構造2の壁5との間に例えば50μm以下のオーダーの小さな間隙を設け、支持構造2の壁5が最大変位を制限するストッパーとして機能するようにする。
この効果を最大にするために、湾曲部13の3つの領域は、好ましくは等しくない長さおよび曲率を有し、特に中心領域は外側領域に比べて大きな長さと小さい曲率を有する。有利には、中心領域は、例えば、3つの領域の長さの比が1:2.5:1となる、外側領域の長さの少なくとも2倍である長さを有する。有利には、中心領域は、例えば、それぞれの領域の長さと曲率の比が実質的に同じで、それぞれの領域によって定められる角度が実質的に同じになる、外側領域の曲率の最大半分である曲率を有する。
適宜、それぞれの平行な湾曲部の幅を減じることによりサスペンションシステム9が光軸の半径方向により柔軟になるようにするために、それぞれの湾曲部13は平行な湾曲部の群からなるように修正されうる。この技術で実際に制限となるのは、平行な湾曲部を製造しうる際に合わせる最小の幅である。
2つのサスペンション要素10は、レンズエレメント6と支持構造2との間に結合されている湾曲部13を使って支持構造2上にレンズエレメント6を吊す。この構成により、湾曲部13は、屈曲またはたわみによる光軸Oに沿ったレンズエレメント6の移動に対応できる。レンズエレメント6が、光軸Oに沿って移動するときに、内側リング11は、外側リング12に相対的に光軸Oに沿って移動し、その結果湾曲部13が曲がる。
湾曲部13が、その幅よりも小さい光軸Oに平行な厚さを有するので、湾曲部13は、その幅の方向に曲がるのと比べて厚さ方向に曲がる場合により柔軟である。したがって、湾曲部13により、サスペンションシステム9は、光軸Oに垂直な支持構造2に相対的なレンズエレメント6の移動に対する剛性度に比べて、光軸Oに沿った支持構造2に相対的なレンズエレメント6の移動に対する剛性度の方が低い。
さらに、2つのサスペンション要素10は、光軸Oに沿って相隔てて並び、そのため、光軸Oに垂直なレンズエレメント6の移動に対する抵抗は、さらに、レンズエレメント6の傾きに対する抵抗ともなる。
レンズエレメント6の軸外れ移動および傾斜に対するこのような抵抗が望ましいのは、そのような軸外れ移動および傾斜が、イメージセンサー4に画像を結像する際にレンズ系7の光学性能を低下させる可能性があるからである。
支持構造2、レンズキャリア20(金属リング14を含む)、サスペンション要素10、および2つの補強材要素(stiffener element)15は、図3を参照しつつこれから説明するように部分組み立て品として製造される。これらのコンポーネントは、図3に示されているように積み重ねで配置される。支持構造2およびレンズキャリア20上に形成される位置決めピン16は、サスペンション要素10内に形成される開口17内に配置される。完全な積み重ねはジグで圧縮されるが、接着剤が、積み重ねの上部と底部の両方で、位置決めピン16のそれぞれの端部に施される。好ましい接着剤は、UV硬化性も有するシアノアクリレートである。毛管作用により、接着剤が位置決めピン16の周りに染み込み、異なる層を支持構造2およびレンズキャリア20に結合する。接着剤が硬化した後、部分組み立て品をジグから取り外すことができる。接着剤の代わりに、ジョイントを形成して熱かしめを位置決めピン16に施し、各部を機械的に保持するプラスチックヘッドを形成することも可能である。
それぞれの補強材15は、それぞれサスペンション要素の内側リング11および外側リング12に適合し、剛性を持たせる2つのリング18を備える。2つのリング18は、部分組み立て品が組み立てられた後でしか取り外されないスプルー19によって連結される。スプルー19を使用することで、補強材15のリング18のジグによる取り付けに関する組み立てがやりやすくなり、コンポーネント数も少なくて済み、したがって部品コストも低減される。スプルー19が取り外されると、外部荷重により支持構造2に相対的に上方にレンズキャリア20を移動できる。
それに加えて、カメラ1は、図4に分離して例示されているSMAアクチュエータ30を備える。SMAアクチュエータ30は、それぞれの端部で、それぞれの取り付け部材32に機械的に、また電気的に接続されているSMAワイヤ31片を備え、これはそれぞれ細長い金属片、例えば真鍮片として形成される。特に、取り付け部材32は、それぞれ、SMAワイヤ31片上に圧着される。必ず適切な電気的接続部となるように、SMAアクチュエータ30の製造時に、圧縮する前にSMAワイヤ31上に自然に形成する酸化物被膜が取り除かれる。
製造時に、SMAアクチュエータ30は、カメラ1の残り部分と別に部分組み立て品として作られる。特に、SMAアクチュエータ30は、取り付け部材32を適所に保持し、ぴんと張ったSMAワイヤ31片を取り付け部材32上に配置し、次いで、取り付け部材32をSMAワイヤ31片上に圧着することにより製造される。次いでSMAアクチュエータ30は、以下のような配置でカメラ1内に組み立てられる。
2つの取り付け部材32は、それぞれ支持構造2の環状壁5の外側に取り付けられ、SMAワイヤ31片を支持構造2に接続するように適所に固定される。図2に示されているように、取り付け部材32は、例えば接着剤、壁5のスウエージ加工、または他の何らかの手段により環状壁5内に設けられた陥凹部40内に取り付けられる。
さらに、SMAワイヤ31片は、レンズエレメント6に固定された金属リング14の一体部分である保持要素(retaining element)41上にフックされ、レンズエレメント6の外側に向かって突き出ている。SMAワイヤ31片と接触している保持要素41の表面は、SMAワイヤの最大曲率が減じるように湾曲させることができる。
カメラ1では、取り付け部材32は、光軸Oを中心とする対角線上の対向点に配置される。保持要素41は、光軸Oを中心とする2つの取り付け部材32の間の中間に配置される。光軸に沿って見ると、SMAワイヤ31の長さ部(lengths)42は、カメラ1の側面に沿って互いに90°に延びている。組み立てた後、平衡状態において、SMAワイヤ31片は、少量の接着剤で適所に保持され、これにより、作動中または落下試験時に保持要素41上の保持を確実なものとすることができる。これは、組み立て許容誤差をなくしやすいようにSMAワイヤの循環使用の後に実行することができる。
保持要素41は、SMAワイヤ31片が圧着される取り付け部材32の部分よりイメージセンサー4に近い光軸Oに沿った位置に配置される。その結果、保持要素41のいずれかの側のSMAワイヤ31片の半分によって形成されるSMAワイヤ31の2つの長さ部42は、光軸Oに対し鋭角をなして保持される。組み立て時に保持要素41上で滑ることができれば、SMAワイヤ31の2つの長さ部42に対する等しい長さおよび張力を得やすくなる。
SMAワイヤ31の長さ部42は、特にイメージセンサー4から離れる方向にレンズエレメント6をバイアスする方向に、光軸Oに沿った成分を有する張力を加えるようにカメラ1内で張力をかけた状態に保持される。そのため、SMAワイヤ31の長さ部42の加熱がない場合、レンズエレメント6は、移動の範囲内でイメージセンサー4に最も近い位置にある。カメラ1は、この位置が遠視野焦点または過焦点に対応するように設計されるが、これは特にオートフォーカス機能が用意されている場合にカメラ1の最も普通の設定である。
それに加えて、SMAワイヤ31のそれぞれの個別の長さ部42により、光軸Oに垂直な成分を有する張力が加えられる。これらの力の成分のいくつかは、ワイヤの2つの長さ部42の対称配置によって平衡するが、保持要素41には光軸Oの半径方向の力の正味成分が残り、これは、レンズエレメント6を傾斜させる傾向を持つ。しかし、傾斜は、十分に小さくなるようにサスペンションシステム9の抵抗を受け、多くのレンズおよびイメージセンサーに適したものとなる。
次に、支持構造2に相対的に光軸Oに沿ってレンズエレメント6の移動を駆動するカメラ1の作動について説明する。
SMA材料は、加熱するとSMA材料の収縮を引き起こす固体の相変化を受けるという特性を有する。低温で、SMA材料はマルテンサイト相に入る。高温で、SMAはオーステナイト相に入り、SMA材料の収縮を引き起こす変形を誘発する。相変化は、SMA結晶構造の転移温度の統計的バラツキのせいで一定範囲の温度にわたって生じる。そこで、SMAワイヤ31の長さ部42に対し加熱を行うと、長さが縮む。
カメラ1において、SMAワイヤ31の長さ部42は張力をかけて配置され、イメージセンサー4から離れるようにレンズエレメント6を移動する方向でレンズエレメント6と支持構造2との間の光軸Oに沿って正味張力を発生する。この力は、光軸Oに沿って反対方向にサスペンションシステム9によって加えられるバイアス力に対抗して働く。湾曲部13は、SMAワイヤ31の長さ部42からの張力に応じて曲がる。製造されたときの湾曲部13は、光軸Oの半径方向に見てまっすぐである。曲がると、湾曲部13は、わずかに湾曲を生じる可能性があるけれども、一般的にはまっすぐのままである。したがって、湾曲部13が曲がると、SMAワイヤ31の長さ部42によって加えられる張力から反対方向にカメラレンズエレメント6がバイアスする。言い換えると、サスペンションシステム9は、SMAワイヤ31の長さ部42に対する受動的バイアス機構としてだけでなく、カメラレンズエレメント6を吊り、その移動をガイドする機能としても作用する機能を提供する。
収縮しないSMAワイヤ31の非加熱状態では、SMAワイヤ31には張力がかかっており、これにより、レンズエレメント6はSMAワイヤ31がない場合の静止位置から離れる方向に変位する。この状態では、レンズエレメント6は、移動の範囲内でイメージセンサー4に最も近い位置にある。カメラ1は、この位置が遠視野焦点または過焦点に対応するように設計されるが、これは特にオートフォーカス機能が用意されている場合にカメラ1の最も普通の設定である。
中に生じる応力が増大するようにSMAワイヤ31の長さ部42を加熱すると、SMAワイヤ31の長さ部42は収縮してイメージセンサー4からレンズエレメント6を離すように移動する。SMAワイヤの材料がマルテンサイト相からオーステナイトに転移する温度の範囲にわたってSMAワイヤ31の温度が上昇すると、レンズエレメント6は移動の範囲内で移動する。
逆に、中に生じる応力が減少するようにSMAワイヤ31の長さ部42を冷却すると、湾曲部13によってもたらされるバイアスにより、SMAワイヤ31の長さ部42が膨張し、レンズエレメント6をイメージセンサー4に向けて移動する。
光軸Oに沿って支持構造2に相対的なレンズエレメント6の移動を最大にするために、サスペンションシステム9の湾曲部13の全体的剛性度は、好ましくは、(a)SMA材料のオーステナイト相で生じるSMAワイヤ31の長さ部42の全体的剛性度から(b)SMA材料のマルテンサイト相で生じるSMAワイヤ31の長さ部42の全体的剛性度までの範囲内であり、より好ましくは値(a)と(b)の幾何学的平均である。
湾曲部13とSMAワイヤ31の長さ部42の剛性度の合計によって与えられる、光軸Oに沿った支持構造2に相対的なレンズエレメント6の移動に対する全体的な剛性度は、カメラ1が向きを変えるときに重力下で支持構造2に相対的なレンズエレメント6の移動を最小にするのに十分な大きさであることが望ましい。典型的なレンズ系では、この移動は、望ましくは、最大50μmに制限され、典型的な小型カメラについては、このことは、全体的な剛性度が少なくとも100N/m、好ましくは少なくとも120N/mであるべきであることを意味する。
湾曲部13は、レンズエレメント7が軸外れ運動および傾斜に対応できる程度に基づき、光軸Oに垂直な方向に支持構造2に相対的なレンズエレメント6の移動に対して所望の剛性度をもたらす適切な幅を備えるように設計される。SMAワイヤ31の長さ部42の剛性度も、考慮されるが、通常は、寄与度は小さい。
他の設計上の考慮事項は、湾曲部13およびSMAワイヤ31の長さ部42で生じる最大応力がそれぞれの材料に対する過剰な応力とならないようにすることである。
光軸Oに沿った支持構造2に相対的なレンズエレメント6の変位度は、SMAワイヤ31の長さ部42内に発生する応力に依存し、また光軸Oに対してSMAワイヤ31の長さ部42がなす鋭角に依存する。SMAワイヤ内に発生しうる歪みは、相変化の物理的現象によって制限される。光軸Oに対しSMAワイヤ31の長さ部42がなす鋭角のため、SMAワイヤの長さ部42は、長さが変化すると向きも変わる。これにより、光軸Oに沿ったレンズエレメント6の変位度が、光軸Oに沿って解決されるSMAの長さ部42の長さの変化より高くなるように移動が効果的に連動する。一般に、鋭角は、任意の値をとりうるが、図2の実施例では約70°である。
光軸Oに沿った支持構造2に相対的なレンズエレメント6の位置は、SMAワイヤ31の長さ部42の温度の制御により制御されうる。作動中、SMAワイヤ31の長さ部42の加熱は、電流を通して抵抗加熱を行うことにより行われる。冷却は、電流を通すのを中止し、周囲への伝導によりSMAワイヤ31の長さ部42を冷ますことによりなされる。電流は、さらに以下で説明される制御回路50により制御される。
SMAワイヤ31は、好適な任意のSMA材料、例えば、ニチノールまたは他のチタン合金SMA材料で作ることができる。有利には、SMAワイヤ31片の材料組成および前処理は、(a)通常作動時に予想される周囲温度よりも高い、典型的には70℃を超える温度範囲にわたって、(b)位置制御の程度を最大にするためできる限り広く、相変化が生じるように選択される。
レンズエレメント6の高速駆動は多くの用途、例えば、オートフォーカス機能が備えられている場合に、望ましい。駆動の応答速度は、SMAワイヤ31の長さ部42の冷却によって制限される。冷却は、SMAワイヤ31の長さ部42の厚さを減らすことにより高速化できる。考慮すべきカメラおよびワイヤのサイズに関して、冷却時間は、ワイヤ直径とともにほぼ直線的に変化する。このような理由から、SMAワイヤ31の長さ部42の厚さは、望ましくは、最大35μmであり、これにより、カメラ1でオートフォーカスを適用する場合に許容可能な応答が得られる。
図5は、わかりやすくするためにレンズホルダー21を省くことを除いて、カメラ1の詳細を示している。次に、図2に示されているものを超えるカメラ1の追加コンポーネントについて説明する。
カメラ1は、支持構造2の壁5にクリップされ、接着されているスクリーニングカン44を有する。壁5は、さらに、支持構造2のベース部3にも接着される。光軸Oに沿った方向で、レンズエレメント6とスクリーニングカン44との間、およびレンズエレメント6とベース部3との間に間隙があり、光軸Oに沿ったレンズエレメント6を十分移動させることが可能であり、これによりイメージセンサー4上に画像を結像し、その一方で、サスペンションシステム9またはSMAワイヤ31の長さ部42を損傷するであろう大きさの移動を妨げる。したがって、スクリーニングカン44およびベース部3は、光軸に沿ってレンズエレメント6の移動に対するエンドストップを効果的に形成する。
実際、ベース部3は、図1に概略が示されている以上の複雑さを有する構造を持つ。特に、ベース部3は、中央開口45を有し、その背後にイメージセンサー4が取り付けられる。イメージセンサー4を取り付けるため、ベース部3は、開口45の背後に、また開口45の領域の外側に形成される出っ張り45を有する。出っ張り46には、画像回路基板47が取り付けられ、その上に、イメージセンサー4が、光軸Oに沿って光を受け取るために開口45に面し、また開口45と位置を揃えるように形成される。適宜、開口45は、画質を改善するために、またイメージセンサー4にほこりが付くのを防止するためのシールとしても、赤外線フィルターを装着することができる。
ベース部3は、さらに、出っ張り46の外側に配置され、後方に突き出る、突起壁48を備える。駆動回路基板49は、突起壁48に取り付けられ、駆動回路50がその駆動回路基板上に形成される。代替えの態様として、駆動回路50がその下側に取り付けられている、両面を有する画像回路基板47を使用することも可能である。他の代替えの態様では、制御回路50をイメージセンサー4と同じチップに集積化する。それとは別に、同じ処理機能を、カメラ1の外部の電子デバイス内にあるが、他の目的のためにすでに存在している他のプロセッサによって実行することができる。
カメラ1と同じ構造のカメラは、カメラ1に適用可能な構造および製造に関する追加の開示を含む同一出願人の国際特許出願番号PCT/GB07/001050において説明されている。したがって、国際特許出願番号PCT/GB07/001050は、参照により本明細書に組み込まれる。
次に、制御回路50の性質およびこの回路により実行される制御について説明する。
全体的な制御機構の略図が図6に示されている。制御回路50は、SMAワイヤ31片に接続されており、制御回路50は、電流をそのワイヤに流して、レンズエレメント6を移動し、イメージセンサー4上に形成される画像の焦点を変えるSMAワイヤ31片の温度を制御する。イメージセンサー4の出力は、制御回路50に送られ、焦点の品質の尺度を決定するために処理される。
制御回路50は、図7に示されている。制御回路50は、圧着を用いてSMAワイヤ31片に電気的に接続する取り付け部材32のそれぞれに接続される。制御回路50と取り付け部材32との間の電気的接続部55は、導電性接着剤(例えば、銀充填エポキシ)によって形成される。制御回路50をSMAアクチュエータ30にハンダ付けすることは望ましくないが、それは、ハンダ付けプロセスにおける加熱により損傷が引き起こされる可能性があるか、またはハンダ付けプロセスによりフラックスの放出が引き起こされるからである。
制御回路50は、2つの取り付け部材32の間に電流を流す。制御回路50は、中を流れる電流の電力を変化させることによりSMAワイヤ31片の加熱の程度を制御する。制御回路50は、レンズエレメント6の位置の尺度として使用されるSMAワイヤ31片の抵抗に応じて電流の電力を変化させる。温度センサーによって測定される温度などの位置の他の測定または位置センサーによって出力されるレンズエレメント6の位置の直接測定を使用することが可能であるが、抵抗センサーは、制御回路50内の追加コンポーネントだけで実装されるためカメラのパッケージサイズを大きくしないという点で有利である。
抵抗の使用の背後にある物理的現象は以下のとおりである。
SMAを加熱すると、ほとんどの材料の場合のように温度とともに抵抗が増大する。これは、相変化が生じる(相転移範囲)、したがってSMAが収縮する温度の範囲内および範囲外で生じる。しかし、相転移範囲内では、2つの他の効果が生じる。第1に、オーステナイト相は、温度とともに抵抗を増大させる傾向のあるマルテンサイト相よりも高い抵抗を持つ。しかし、対抗する効果は、幾何学的形状の変化が、長さの減少および断面積の増大を伴って、温度とともに抵抗を減少させる傾向を有することである。この対抗する効果は、他の効果に比べて著しく大きい。したがって、低温から加熱するときに、相転移範囲に到達し、SMAが収縮し始めると、抵抗の最初の増大の後、幾何学的形状効果が急速に支配的になり、その結果、収縮期間の大部分において、SMAアクチュエータの抵抗は減少する。これは、収縮の程度が下がり抵抗が上昇するようにSMAのほぼすべてにおいて相変化が生じるときまで発生する。
したがって、SMAは、温度上昇に対応してSMAが収縮するときに長さが延びる、レンズエレメント6の位置xに対応する、SMAの長さに対するSMAの抵抗のグラフである、図8に示されている形のカーブに沿って、抵抗が加熱および収縮時に長さとともに変化するという特性を有する。したがって、相転移範囲では、レンズエレメント6は、SMAの収縮により位置範囲Δx間を移動する。抵抗は、位置範囲Δxの小さな最初の部分から抵抗値Rmaxを有する極大60にわたって上昇する。抵抗は、位置範囲Δxの大部分から抵抗値Rminを有する極小61にわたって下がるが、その後、位置範囲Δxの小さな最後の部分で抵抗は上昇する。
SMA材料にはこのような特性があるため、制御回路50は、以下のように測定抵抗に基づき制御を実行する。非加熱状態から、制御回路50はSMAワイヤ31片を加熱し、極大抵抗値が検出されるようにする。これは、収縮が生じ始めたことを示す指標として使用される。実際、わずかな量の収縮がすでに発生している。しかし、抵抗極大60は容易に検出できるが、位置範囲Δxの開始は容易に検出できない。そこで、抵抗極大60が使用され、これは位置範囲Δxの開始に近いので移動の喪失は大きくない。
これ以降、制御回路50は、測定抵抗を位置の尺度として使用してSMAワイヤ31片を加熱する。極小抵抗61は、位置範囲Δxの終端を示すために使用される。実際、わずかな量の収縮がまだ利用可能である。しかし、極小抵抗61は容易に検出できるが、位置範囲Δxの終端は容易に検出できない。そこで、極小抵抗61が使用される。これは位置範囲Δxの終端に近いので移動の喪失は大きくない。さらに、極小抵抗61よりも高い位置範囲Δxを使用すると、以下で詳述するようにSMAワイヤ31片の寿命が縮む可能性がある。
制御回路50は、パルス幅変調(PWM)を使用する。特に、制御回路50は、パルス幅変調電流パルス(定電流または定電圧であってよい)を印加し、デューティサイクルを変えて印加される電流の電力、したがって加熱を変える。PWMを使用すると、供給される電力の量を細かい分解能で正確に制御できるため有利である。この方法では、駆動電力が低くても高い信号対雑音比が得られる。PWMは、知られているPWM技術を使用して実装されうる。典型的には、制御回路50は、例えば5%から95%までの範囲で変化するデューティサイクルで、電流パルスを連続的に供給する。デューティサイクルが、この範囲内で低い値をとる場合、SMAワイヤ31片の平均電力は低く、したがって電流がある程度供給されていてもワイヤは冷える。逆に、デューティサイクルがこの範囲内で高い値をとる場合、SMAワイヤ31片は加熱する。抵抗は、電流パルスが通されている間、例えば、パルスの開始から短い所定の遅延後に測定される。
SMAワイヤ31片を相転移範囲よりも下の冷えている状態から加熱する間、抵抗は、サンプル間で一貫する形で、連続する加熱サイクルにおいて、図8に示されているようにして位置とともに変化する。しかし、冷却時には、抵抗は類似の形のカーブに沿って変化するが、抵抗の変動は、サンプル毎にあまり反復性がなく、加熱に比べてヒステリシスが変動しやすい。これは、全体として冷却時に位置の尺度としての抵抗の使用を妨げないが、制御の精度を落とす。この問題は、位置制御が後述のようにサンプルの加熱時にのみ実行される所定の、反復される作動にしたがって制御回路50によって回避される。
制御回路50は、以下のコンポーネントを備える。
制御回路50は、電流をSMAワイヤ31片に供給するように接続されている駆動回路53を備える。駆動回路53は、定電圧電流源または定電流電流源とすることができる。例えば、後者の場合には、定電流は、120mAのオーダーとしてよい。
制御回路50は、さらに、SMAアクチュエータ30の抵抗を検出するように配置された検出回路54を備える。
駆動回路53が定電流電流源である場合、検出回路54は、SMAワイヤ31片の抵抗の尺度であるSMAアクチュエータ30にかかる電圧を検出するように作動可能な電圧検出回路であってよい。
駆動回路53が、定電圧電流源である場合、検出回路54は、電流検出回路とすることができる。
精度を高めるために、検出回路54は、SMAアクチュエータにかかる電圧および電流を検出し、それらの比として抵抗の尺度を導出するように作動可能な電圧検出回路および電流検出回路を備えることができる。
特に電気的接続部が、ハンダに比べて電気抵抗が変動しまたきわめて大きく、さらに有意な温度係数を有する導電性接着剤によって形成されると、電気的接続部55の抵抗によって問題が生じる。検出回路54は、実際に、SMAアクチュエータ30および電気的接続部55の全抵抗を測定する。したがって、電気的接続部55の変動する、温度依存の抵抗のせいで、正確な位置制御を行おうとしたときに正確さの大きな問題が生じる。
この問題は、これから説明するように、図18に示されているようにそれぞれの取り付け部材32を修正し、また図19に示されているように制御回路を修正することにより解消される。
それぞれの取り付け部材32は、互いに隣接して配置され、間に間隙を設けて取り付け部材32の残りの部分から突き出ている2つの独立した端子33を備える。個別の電気的接続部56および57はそれぞれの端子に対し形成され、導電性接着剤によって前のように形成される。それぞれの取り付け部材32の第1の電気的接続部56は、駆動回路53に接続される。それぞれの取り付け部材32の第2の電気的接続部56は、検出回路54に接続される。さらに、検出回路54は、SMAアクチュエータ30にかかる電圧を検出するように作動可能な電圧検出回路である。これを使用して、SMAアクチュエータ30の抵抗の尺度とする。好ましくは、駆動回路53は、定電流電流源であり、SMAアクチュエータ30にかかる電圧は、抵抗の直接的な尺度であるが、それとは別に、SMAアクチュエータ30を通る電流を検出するように他の検出回路を配置することも可能である。
検出回路54は、電圧検出回路なので、駆動回路53によって供給される電流に比べてかなり小さな電流を、典型的には有意な程度で引き込む。例えば、検出回路54の入力抵抗は、典型的には、25℃でSMAアクチュエータ30の抵抗の少なくとも10倍である。これは、抵抗のせいで電気的接続部57間で降下する電圧は、電気的接続部55間で降下する電圧に比べて低いことを意味する。典型的には、電気的接続部57の抵抗の効果は、無視できるくらい小さい。したがって、検出回路54は、SMAアクチュエータ50にかかる電圧を、正確に、また電気的接続部57の抵抗と無関係に検出する。このようにして、抵抗の変動は、抵抗測定から除外することができ、したがってSMAアクチュエータ30の正確な位置制御を行うことができる。
好適なマイクロプロセッサにより実装されたコントローラ52が、パルス幅変調電流を供給するように駆動回路53を制御する。コントローラ52は、検出回路54によって測定抵抗を受け取り、それに応じてPWM制御を実行する。
制御回路50の3つの詳細回路実装が図9および10に示されている。
図9の第1の回路実装は安価であるが、性能が限定的である。特に、駆動回路53は、バイポーラトランジスタ120の単純な配置を使用して実装された定電流電流源である。電圧検出器回路54は、ダイオード121と抵抗器122の対の単純ブリッジ回路構成として形成される。
図10の第2の回路実装はより正確であるが、高価である。特に、駆動回路53は、オペアンプ124によって制御されるMOSFETトランジスタ123によって実装された定電流電流源である。検出回路125は、2つの抵抗器125のブリッジ回路構成によって実装され、その出力はオペアンプ126によって増幅される。オペアンプ126により、コントローラ52のA/Dコンバータは全ダイナミックレンジを利用できる。
制御回路50は、SMAアクチュエータの測定抵抗をフィードバック信号として使用し電流の電力を変化させて測定抵抗をターゲット値に調整する。特に、パルス幅変調電流のデューティサイクルは変化する。コントローラ52は、デューティサイクルを変えるために多くの制御アルゴリズムを実行することができる。可能な方法の1つは、デューティサイクルが検出された抵抗とターゲットの抵抗との差に比例する量だけ変化させる比例制御である。SMAワイヤ31片が活性温度領域上で加熱するときに、フィードバック制御技術で抵抗の減少が感知され使用される。フィードバック制御の安定性は、加熱時にSMAワイヤ31片それ自体の固有比例積分動作によって維持される。全体的フィードバック応答は、SMAワイヤ31片の加熱の全体の応答によって決まる。このような比例制御フィードバックループで、正確な位置制御を行える。
SMAワイヤ31片は、その応答に少し非線形性を有する場合がある。このような非線形性は、制御回路50に事前補正を組み込むことにより制限できる。オプションの1つは、事前補正が、例えば要求および要求信号の履歴に基づき駆動回路53に供給される出力信号に対するゲインまたはオフセットモディファイアからなることである。これは、SMAワイヤ31片を制御するのに存在するフィードバックが不十分である場合に最も有益である。
制御回路50は、オートフォーカスアルゴリズムを実行することができる。この場合、制御は、例えば、変調伝達関数または空間周波数応答といった画像の焦点の尺度に基づいており、変調伝達関数または空間周波数応答はイメージセンサー4からの画像信号からコントローラ52によって導出される。さまざまな好適な尺度が知られており、そのような尺度を適用することができる。
この場合、焦点の尺度の導出は低速であるという制限がある。これに対抗するため、多くの焦点位置におけるスキャン時に、焦点の尺度から決定された所望の焦点位置において、制御回路50は抵抗値を決定することができる。次いで、スキャンの終わりに、レンズエレメント6が、焦点尺度ではなくその抵抗値に基づいた同じ位置に戻される。
この場合、一次フィードバックパラメータを導出するために、イメージセンサー4からの画像信号が使用され、反復サイクルおよび寿命に対する二次パラメータとしての位置の尺度の絶対値のドリフトがあっても無関係であるが、それは単一オートフォーカスサイクルの過程で目立った変化がないからである。所定のカメラ1において、抵抗は、高温時の10Ωから低温時の12Ωまで、次いで、数100kサイクルにわたって変化しうるが、これは、高温では15Ωに、低温では20Ωに変化しうる。しかし、所定のサイクルに対し、最良の焦点は、十分な精度で特定の抵抗に対応する。したがって、絶対値に関係なく、この特定の抵抗に戻るだけでよい。
コントローラ52によって実行されうる制御アルゴリズムの一実施例は、図11に示されており、次にこれについて説明する。例えば、さらに図12を参照すると、これはレンズエレメント6の抵抗が時間とともに変化する実施例を示している。この制御アルゴリズムでは、極大抵抗60を基準として使用する。
ステップS1で、カメラ1および制御回路50に電力が供給される。SMAワイヤ31の加熱されていない状態の断片は、マルテンサイト相である。
ステップS2で、画像をキャプチャするコマンドが送られるのを待つ。コマンドを受信した後、焦点検出動作O1が実行され、その後続いて、合焦動作O2が実行される。
焦点検出動作O1は、以下のステップを含む。
ステップS3で、制御回路50は、SMAワイヤ31片を非加熱状態から加熱する。最初に、加熱は、最大デューティサイクルでパルス幅変調電流を供給する制御回路50によって行われる。したがって、抵抗はカーブ71で示されているように上昇する。加熱が続くと、極大抵抗72が生じ、これは図8の抵抗極大60に対応する。
加熱中、コントローラ52は、検出器回路54によって検出されるSMAワイヤ31片にかかる電圧をSMAワイヤ31片の抵抗の尺度として監視し、極大抵抗72を検出する。
極大抵抗72の検出後、ステップS4で、一連のターゲット値73、74が導出される。まず最初に、上限ターゲット値73が検出された極大抵抗72の抵抗値から導出される。上限ターゲット値73は、ステップS3で検出された極大抵抗72の抵抗値であってよいが、より好ましくは、その抵抗値から所定のデクリメントを引いた値であり、図8に示されているカーブの勾配が大きいほど、より正確な位置制御を行うことができる。次いで、上限ターゲット抵抗値よりも所定のデクリメントだけ低い所定の数の他のターゲット値74が導出される。図12では、わかりやすくするために、限られた数の他のターゲット値74が示されているが、一般には、ターゲット値73、74はいくつあってもよい。実際、カメラ1が特に有利なのは、多数の位置に対し正確な位置制御を行うことが可能である点である。
ターゲット値73、74は、この範囲にわたって直線的に配置されうるが、それとは別に、例えばその範囲の特定の部分に集中して不均一に分散させることも可能である。
ステップS5からS7では、一連のターゲット値73、74についてスキャニングが実行される。これは、ステップS5で、その一連のターゲット値のうちの連続するターゲット値を、SMAワイヤ31片がターゲット値のうちのその1つに合わせて加熱されるようにフィードバック制御ループに設定することにより実行される。こうして、図12では、抵抗は、それぞれターゲット値73、74のうちの1つの値のレベルで連続するプラトー75に駆動される。ターゲット値73、74が連続して減少すると、SMAワイヤ31片の温度は、単調に上昇する。
上限(初期)ターゲット値73を求める場合、ステップS5では、後述のように「ラチェッティング」法を使用することができる。
さらに、他のターゲット値74を求めるときに、ステップS5では、後述のように安全ルーチンを使用することができる。
測定抵抗がステップS5で所定のターゲット値73、74に到達した後、ステップS6で、イメージセンサーによって画像がキャプチャされ、イメージセンサー4によって出力される画像信号の焦点の品質の尺度が導出され、コントローラ52のメモリ内に記憶される。
ステップS7で、一連のターゲット値の中にターゲット値74が残っているかどうかが判定される。残っている場合、抵抗極小に検出されていないならば、この方法はステップS5に戻り、プロセスがターゲット値73、74のそれぞれについて反復される。この方法で、スキャン時にSMAワイヤ31片が加熱されると、画像信号の焦点の品質が監視される。
次に、ステップS5の一部を形成する安全ルーチンについて考察する。この一連のターゲット値73、74は、すべて、SMAワイヤ31片の予想される特性に基づき、抵抗極小61の予測される抵抗値よりも高いことが意図されている。しかし、ターゲット値が、例えばカメラ1のコンポーネントの製造許容誤差またはその寿命期間内のSMAワイヤの物理的変化のせいで、抵抗極小61の実際の抵抗値よりも低くなる危険性がある。これが生じた場合、フィードバックループの結果として、コントローラ52は、到達不可能なターゲット値74を求めようとしてSMAの加熱を継続する可能性がある。このため、SMAワイヤ31片が損傷するおそれがある。そこで、安全ルーチンがステップS5の一部として実行され、図8の抵抗極小61に対応する、抵抗極小76を検出するために測定抵抗が監視される。これが検出された場合、コントローラ52は、即座に、SMAワイヤ31片に供給される電力を低減する。次いで、新しいターゲット値78が、検出された抵抗極小74の抵抗値よりも所定のインクリメントだけ高い値に設定される。
図12は、最終の他のターゲット値74が、抵抗極小76の実際の抵抗値よりも低い一実施例を示している。この場合、最終の他のターゲット値74を求めるためにステップS5で加熱すると、極小抵抗76に到達する。このことが安全ルーチンによって検出され、電力が下げられて、これにより抵抗が他の極小抵抗77を通じて反落する。これ以降、新しいターゲット値78が、検出された極小抵抗76よりも所定のインクリメントだけ高い値に設定される。新しいターゲット値78は、SMAワイヤ31片が加熱されその抵抗が新しいターゲット値78のレベルのプラトー79になるようにフィードバック制御ループに設定される。
さらに、抵抗極小76が検出された場合、これ以降、この一連の値の中の残りのターゲット値は使用されない。同様に、検出された抵抗極小76の抵抗値は記憶され、ステップS4でその後、一連のターゲット値73、74が導出されるときに、記憶されている抵抗値よりも低いターゲット値73、74は、この一連のターゲット値から除去される。
ステップS8で、焦点品質の記憶された尺度を使用して、焦点品質が許容可能なレベルにある制御信号の焦点値を導出する。最も単純には、これは、焦点品質の最良の尺度を有する複数のテスト値のうちから1つ選択することにより行われる。代替えとして、カーブフィッティング技術(curve-fitting technique)を使用してテスト値から最良の焦点が得られる抵抗の値を予測することが可能である。したがって、焦点値は、テスト値のうちの1つである必要はない。カーブフィット(curve fit)は、M>1とするM次多項式など単純な数式であってよいか、またはその代わりに、代表的なシーンから事前に測定された曲線のライブラリから取り出した曲線への最良適合として選択してもよい。焦点値は、後から使用できるようにコントローラ52のメモリ内に記憶される。図12は、例えば記憶されている焦点値80の一実施例を示している。
ステップS5からS7の後に焦点値を決定する代わりに、別にステップS5からS7でオンザフライで決定することも可能である。
合焦動作O2は、以下のステップを含む。
ステップS9で、フライバックが発生する。特に、制御回路50は、SMAワイヤ31片を冷やしてマルテンサイト相に戻すことができる。これは、最小デューティサイクルを持つパルス幅変調電流を印加することにより実行されうるが、それとは別に、電流をまったく印加しないでも実行することが可能である。フライバック段階(flyback phase)の終わりを示すマルテンサイト相への転換は、検出器回路54によって測定された電圧を監視するコントローラ52により検出されうる。それとは別に、フライバック段階は、予想される作動条件の下でSMAワイヤ31片を冷やすことができる十分に長い時間となるように選択された所定の時間の間、単に維持するだけでよい。フライバックは、図12に曲線81で示されている。
次に、ステップS10で、制御回路50は、SMAワイヤ31片を加熱して、ステップS8で決定され記憶された焦点値に対応する位置に戻す。これは、記憶されている焦点値80がターゲット値として使用されるフィードバック制御技術を適用する制御回路52によって行われ、フィードバック信号として使用されるSMAワイヤ31片にかかっている測定された電圧は、その記憶されている焦点値80に合わせて駆動される。温度上昇は、ここでもまた、焦点検出動作O1のように、単調である。したがって、図12では、加熱の際に、抵抗はカーブ82に示されているように変化し、次いで、記憶されている焦点値80のレベルでプラトー83に駆動される。
上述のように、ステップS9を含めることにより達成されるフライバック技術の結果として、加熱サイクルで焦点値80に接近するので、こうしてSMAワイヤ31片のヒステリシスの問題は解消される。したがって、レンズエレメント6は、記憶されている焦点値80に対応する位置にあると知られる。
これで画像の合焦が適切になされると、ステップS11で、イメージセンサー4によって画像がキャプチャされる。キャプチャされた画像は、メモリに記憶される。
コントローラ52によって実行されうる代替え制御アルゴリズムの一実施例は、図13に示されており、次にこれについて説明する。
ステップS1で、カメラ1および制御回路50に電力が供給される。SMAワイヤ31の加熱されていない状態の断片は、マルテンサイト相である。
電源投入直後に、制御回路は以下のステップを含む予備較正動作O3を実行する。
ステップS31で、制御回路50は、SMAワイヤ31片を非加熱マルテンサイト状態から加熱する。最初に、加熱は、最大デューティサイクルでパルス幅変調電流を供給する制御回路50によって行われる。コントローラ52は、検出器回路54によって検出されるSMAワイヤ31片にかかる電圧をSMAワイヤ31片の抵抗の尺度として監視する。抵抗は、上述のように変化し、増大し、SMAワイヤ31片が収縮し始めた後に極大抵抗60を通り、減少し、次いで、収縮が止むと極小抵抗61に到達する。
ステップS31で加熱すると、極大抵抗60および極小抵抗61は、制御回路50によって検出される。
極大抵抗60が検出された後、加熱は、制御ループ内の連続的に低くなる抵抗の一連のターゲット値を設定することにより行われる。初期(上限)ターゲット値は、検出された極大抵抗60の抵抗値より所定のデクリメントだけ小さい値である。初期ターゲット値を求める場合、後述のように「ラチェッティング」法を使用することができる。
極小抵抗61が検出された後、加熱は停止し、SMAワイヤ31片は冷まされる。この状態で、電流がまったく印加されないか、さもなければ最小のデューティサイクルを持つパルス幅変調電流が印加される。
ステップS32で、抵抗範囲の大きさが導出される。抵抗範囲の大きさをコントローラ52のメモリ内に記憶しておき、その後、SMAワイヤ31片が加熱される際のターゲット値の範囲を導出するために使用することになる。抵抗範囲の大きさは、検出された極大抵抗の抵抗値と検出された極小抵抗の抵抗値との間の差、またはその差から、その差よりもかなり小さい所定の量を引いた値として計算される。後者は、上限および下限ターゲット値が通常極大および極小抵抗のちょうど内側に設定されるのでより典型的であり、図8に示されているカーブの勾配が大きければ大きいほど、フィードバック制御ループでより正確に位置制御を行うことができる。
ステップS2で、画像をキャプチャするコマンドが送られるのを待つ。その後、焦点検出動作O1が実行され、その後続いて、合焦動作O2が実行される。
焦点検出動作O1は、以下のステップを含む。
ステップS3で、制御回路50は、SMAワイヤ31片を非加熱状態から加熱する。これは、上述のように、図11の制御アルゴリズムのステップS3と同一である。
極大抵抗60の検出後、ステップS61で、抵抗を変えるため一連のターゲット値を導出し、そこで、極大抵抗60と極小抵抗61との間の位置を求める。これは、上述のように、ターゲット値が異なる方法で導出されることを除き図11の制御アルゴリズムのステップS6と同等である。上限ターゲット値は、ステップS3で検出された極大抵抗60の抵抗値として導出されるか、またはより好ましくは、その抵抗値から所定のデクリメントを引いた値として導出され、図8に示されているカーブの勾配が大きいほど、より正確な位置制御を行うことができる。下限ターゲット値は、上限ターゲット値からステップS32で記憶された抵抗範囲の大きさを引いた値として導出される。中間ターゲット値は、上限ターゲット値と下限ターゲット値との間の値として導出される。ターゲット値は、この範囲にわたって直線的に配置されうるが、それとは別に、例えばその範囲の特定の部分に集中して不均一に分散させることも可能である。
極小抵抗61は、焦点検出動作O1の一部では検出されないが、その値は、極大抵抗60の新たに検出された抵抗値および較正動作O3で導出された検出された極大および極小抵抗の抵抗値の間の差から効果的に予測される。その差は、カメラ1の作動期間にわたって著しくドリフトする可能性はないので、これにより十分な精度が得られる。したがって、下限ターゲット値は、極小抵抗61の抵抗値か、または少し高い値である。
これ以降、焦点検出動作O1は、上述のように、図11の制御アルゴリズムのステップS5からS8と同一であるステップS5からS8からなる。
上述のように、合焦動作O2は、図11の制御アルゴリズムの合焦動作O2と同一である。
ステップS11で、画像がイメージセンサー4によってキャプチャされる。キャプチャされた画像は、メモリに記憶される。
もちろん、図11および13の方法で実行されるさまざまなステップの順序は、単なる一例にすぎず、変えることができる。例えば、焦点検出動作O1は、合焦動作O2および画像をキャプチャするステップS11と無関係に実行されうる。
上述の「ラチェッティング」法は、図14に示されており、次に説明する。この方法は、ステップS2の一部として、および/またはステップS5の一部として使用されうる。
「ラチェッティング」法の目的は、以下のように発生しうる障害状態を回避することである。非加熱状態にあるSMAワイヤ31片の平衡位置は、一般に、固定位置と考えられ、SMAワイヤ31片で生じる力およびサスペンションシステム9からのバイアス力が平衡する位置とみなされる。
しかし、実際には、平衡位置は、ときには通常の平衡位置を超えてSMAワイヤ31片を引き伸ばす効果を有する場合のある駆動装置の振動または衝撃の影響を受ける可能性がある。このような状況では、SMAワイヤ31片を加熱した後、極大抵抗が検出され、その後、ステップS2およびS5で、ターゲット値が、検出された極大抵抗の抵抗値よりも所定のデクリメントだけ低い値に設定される。
障害状態は、ターゲット値が、SMAワイヤ31片がその通常平衡位置を超えて引き伸ばされていない場合に生じるであろう極大抵抗60の抵抗値よりも大きい場合に発生する。これは、引き伸ばしの程度が、ターゲット値を導出するために使用される所定のデクリメントに関して十分に大きい場合である。この場合、ターゲット値が求められるときに、最初に高いデューティサイクルで電流を印加してSMAワイヤ31片を加熱すると抵抗の予想される減少が生じるが、これは、加熱によってSMAワイヤ31片が収縮するからである。ターゲット値に近づくか、またオーバーシュートすると、デューティサイクルが低減される。通常、この場合、測定抵抗を減少させてターゲット値に到達させるという予想される挙動が生じる。しかし、SMAワイヤ31片が通常の平衡位置を超えてまだ引き伸ばされるので、電力が低減したときでも測定抵抗の減少を引き起こすSMAワイヤ31片の収縮がまだある。これにより、電力のさらなる低減が促進されうる。最終的に、制御回路50は、SMAワイヤ31片が最小レベルにまで冷却される障害状態に到達しうる。
「ラチェッティング」法では、この障害状態を以下のように回避する。
ステップS101で、制御回路50は、SMAワイヤ31片を加熱し、測定抵抗を監視して前のように極大抵抗を検出する。
極大抵抗を検出した後、ステップS102で、制御回路50は、ターゲット値を検出された極大抵抗の抵抗値よりも所定のデクリメントだけ低い値に設定する。これ以降、制御回路50は、測定抵抗をターゲット値に調整しようとする。これが生じている間、ステップS103で、制御回路50は供給される電流の電力および測定抵抗を監視し、供給される電流の電力の減少に測定抵抗減少が付随するという状態を検出する。これは、上述の障害状態を示す。その状態を検出したことに対する応答として、この方法は、ステップS101に戻り、そうして制御回路50はSMAワイヤ31片を加熱して、新しい極大抵抗を見つける。このサイクルは、ステップS102で設定したターゲット値が、SMAワイヤ31片がその通常平衡位置を超えて引き伸ばされていない場合に生じているであろう極大抵抗60よりも低くなるまで繰り返される。この場合、ターゲット値に到達することができ、したがって作動は通常どおり進行する。
上述のように、極大抵抗60は、個々の駆動装置に対する収縮開始の信頼性および反復性のある尺度を実現する。しかし、駆動装置の製造および組み立てに固有の許容誤差の結果、異なる駆動装置間でのようにSMAアクチュエータの抵抗が極大抵抗60であるときに可動要素の絶対位置に関する不確定性が生じる。許容誤差は、駆動装置を慎重に設計することにより改善されうるけれども、許容誤差は、決して完全には取り除けない。
この問題を解決する一方法は、ベース部3によって形成されるエンドストップの位置を変更することである。上述のように、ベース部3によって形成されるエンドストップは、衝撃によって引き起こされるレンズエレメント6の過剰な移動を防止するが、通常作動時にはレンズエレメント6と接触しない。しかし、ベース部3によって形成されるエンドストップの位置は、その代わりに、可動要素の移動を制限し、前記カーブ上の極大抵抗60に対応する長さ以上である最大長を超えてSMAワイヤ31片が非加熱状態で伸長するのを妨げるように配置できる。この場合、ベース部3によって形成されるエンドストップは、SMAワイヤ31片の伸長を制限し、SMAワイヤ31片の歪みを低減するようにレンズエレメント6を効果的に持ち上げる。SMAワイヤ31片を加熱しているときに、レンズエレメントをエンドストップから離す応力がSMAワイヤ31片内で十分なものとなるまで、収縮を引き起こすことなく相転換が最初に発生する。その後、エンドストップが存在していないとしても移動は駆動される。このことは、SMAワイヤ31片の非加熱状態にあるレンズエレメント6の位置は、エンドストップの位置によって固定されることを意味する。
この配置は、レンズエレメント6の移動範囲の開始位置が、ベース部3によって形成されるエンドストップの位置によって制御されるという利点を有する。エンドストップは、すべての製造されたカメラ1における支持構造に相対的な可動要素の位置に対する全体的な最大許容誤差についてSMAワイヤ31片の最大長が図8のカーブ上の極大抵抗60に対応する長さ以下となるように位置決めされる。エンドストップは、比較的良い許容誤差で位置決めされうるので、これにより、レンズエレメント6の移動範囲の絶対開始位置に対する許容誤差が大幅に改善される。
これは図8に例示されており、SMAワイヤ31片の長さは、レンズエレメント6の位置xが小さくなると延びること、したがってエンドストップが、図8の左方向のレンズエレメント6の移動を妨げることを示している。図8は、カーブ上で極大抵抗60に対応する長さLRMを示している。図8は、さらに、カーブ上で、極大抵抗60の抵抗Rmaxより、極大抵抗60の抵抗Rmaxと極小抵抗61の抵抗Rminとの差のそれぞれ5%および40%の量だけ低い抵抗に対応する長さLおよびL40を示している。したがって、エンドストップは、LRM以下の値であるSMAワイヤ31片の最大長を与えるように位置決めされる。
より好ましくは、エンドストップは、L以下の値(つまり、図8の右)であるSMAワイヤ31片の最大長を与えるように位置決めされうる。これは、図8に示されているカーブの勾配が大きいほど位置制御をより正確に行える位置から作動を開始するという利点を有する。
しかし、ベース部3によって形成されるエンドストップの位置を変更することには、少なくともいくつかのカメラ1のレンズエレメント6の移動の有効範囲を狭めるという効果がある。典型的には、エンドストップは、妥当な大きさの移動範囲を維持するためにL40以下の値(つまり、図8の左)であるSMAワイヤ31片の最大長を与えるように位置決めされる。しかし、代替えのアプローチでは、以下のように2部形態のレンズエレメント6によって行われる調節を利用する。
カメラ1は、最初にレンズホルダー21なしでレンズキャリア20を適所に取り付けて、レンズキャリア20の各種接続すべてが済んでからレンズホルダー21を取り付けるという方法で組み立てられる。ネジ山22を使用することで、キャリア6に相対的に、したがってイメージセンサー4に相対的に光軸Oに沿ってレンズ系7の位置を調節することが可能である。製造許容誤差により生じるレンズ系7内のレンズ8の焦点長さおよび相対的位置の変動に対応できるように組み立ての際にこのような調節が行われる。これ以降、レンズ系7は、レンズキャリア20に相対的に同じ位置に固定されたままとなる。
特に、レンズホルダー6の位置は、無限遠から過焦点距離までの範囲内の距離、つまり遠視野焦点にある物体の画像をイメージセンサー4上のレンズ系7によって結像するように調節される。
しかし、駆動が温度の変化によって駆動されるという事実から、潜在的問題が生じることが理解されている。このことは、使用しているときに周囲温度が高いと、SMAワイヤ31片が製造時の状態と比較して非加熱状態において収縮する可能性があることを意味する。遠視野焦点が製造時の温度に基づいて設定されている場合、これの結果として、より高い周囲温度で使用したときに、遠視野焦点の近くで焦点範囲の一部が喪失する可能性がある。この問題に取り組むために、SMAワイヤ31片が周囲温度よりも高い所定の温度に加熱されたときに遠視野焦点が得られるようにレンズホルダー6の位置の調節が実行される。これは、調節を実行するか、またはSMAワイヤ31片がそのような加熱時に収縮するという事実を考慮して調節を実行するときに実際にSMAワイヤ31片を加熱することにより行える。その結果、合焦は、予測されるすべての周囲温度において遠視野焦点までずっと延長する範囲にわたって実現されうる。
極大抵抗60は、個別の駆動装置に対する収縮開始の信頼性および反復性のある尺度をもたらすけれども、極大抵抗を検出したときに可動要素の位置が変化すると、その後の作動における可動要素の位置もそれに応じて変化するという問題が残っている。この結果、極大抵抗に対応する可動要素の位置が変化する可能性があるときに、特に高い周囲温度において位置制御が変わりやすいことがある。
それに加えて、周囲温度が十分に高く、抵抗がすでに極大値を超えてしまっているという危険性もある。この場合、第1の位置ゾーン(カメラレンズエレメントの場合には焦点ゾーン)の位置が変化する。これは、ある温度範囲にわたって、制御可能な位置が絶対アクチュエータ位置に関して変化しうることを意味する。これは望ましいことではない。例えば、カメラレンズエレメントのオートフォーカスアルゴリズムの場合に、画質に関係なくカメラが近似的遠焦点(無限遠の焦点)位置に移動することが望ましければ、これは、その温度範囲にわたって妥当な精度でアクチュエータが絶対位置に設定されることを必要とする。
この問題は、極小抵抗61が基準として極大抵抗の代わりに使用される制御アルゴリズムを使用することにより軽減されうる。極小抵抗61の位置は、極大抵抗62の位置と比較して安定していることが観察された。特に、この位置は、周囲温度とともに変化することはない。これは、極小抵抗でのSMAの温度は、周囲温度範囲から十分に外れており、したがって、極小抵抗に対応するアクチュエータ位置も、作動温度範囲にわたって変化しないからである。これにより、位置決めを正確に行うことができ、したがって合焦制御も正確になる。
極小抵抗61を基準として使用し、コントローラ52によって実行されうる代替え制御アルゴリズムの一実施例は、図15に示されており、次にこれについて説明する。これは、レンズをユーザーによって要求された焦点ゾーンに移動する単純な制御アルゴリズムである。
最初、SMAワイヤ31片は非加熱状態であり、したがってマルテンサイト相にある。
ステップS51で、制御回路50は、SMAワイヤ31片を非加熱状態から加熱する。最初に、加熱は、最大デューティサイクルでパルス幅変調電流を供給する制御回路50によって行われる。加熱中、SMAワイヤ31片の抵抗は、図8に示されているカーブに沿って移動する。コントローラ52は、検出器回路54によって検出されるSMAワイヤ31片にかかる電圧をSMAワイヤ31片の抵抗の尺度として監視し、極小抵抗61を検出する。
極小抵抗61を検出した後、ステップS52で、極小抵抗61の検出された抵抗値からターゲット値が導出される。特に、ターゲット値は、極小抵抗61の検出された抵抗値よりも所定のインクリメントだけ高く導出される。この所定のインクリメントの大きさは、ユーザーによって要求される焦点ゾーンに依存する。
ステップS53で、フライバックが発生する。特に、制御回路50を使用することで、SMAワイヤ31片を冷やしてマルテンサイト相に戻すことができる。これは、最小デューティサイクルを持つパルス幅変調電流を印加することにより実行されうるが、それとは別に、電流をまったく印加しないでも実行することが可能である。フライバック段階の終わりを示すマルテンサイト相への転換は、検出器回路54によって測定された電圧を監視するコントローラ52により検出されうる。それとは別に、フライバック段階は、予想される作動条件の下でSMAワイヤ31片を冷やすことができる十分に長い時間となるように選択された所定の時間の間、単に維持するだけでよい。
ステップS54で、制御回路50は、SMAワイヤ31片を加熱するが、その際に、ステップS52で導出されたターゲット値をフィードバック制御ループに設定することにより電力を制御し、これによりSMAワイヤ31片をそのターゲット値まで加熱する。極小抵抗61における位置が安定し、温度による変化がないので、SMAワイヤ31片がターゲット値に到達したときに得られる焦点は、信頼性があり、また反復性がある。
これで画像の合焦が適切になされると、ステップS55で、イメージセンサー4によって画像がキャプチャされる。キャプチャされた画像は、メモリに記憶される。
図15の制御アルゴリズムは、図16に示されているような、またこれから説明される、オートフォーカス制御アルゴリズムを構成するように修正されうる。例えば、さらに図17を参照すると、これはレンズエレメント6の抵抗が時間とともに変化する実施例を示している。
ステップS50で、カメラ1および制御回路50に電力が供給される。SMAワイヤ31の加熱されていない状態の断片は、マルテンサイト相である。
ステップS51で、制御回路50は、最大のデューティサイクルでパルス幅変調電流を供給することによりSMAワイヤ31片を加熱する。コントローラ52は、検出器回路54によって検出されるSMAワイヤ31片にかかる電圧をSMAワイヤ31片の抵抗の尺度として監視し、極小抵抗90を検出する。
極小抵抗90を検出した後、ステップS52で、極小抵抗90の検出された抵抗値から一連のターゲット値91が導出される。特に、それぞれのターゲット値91は、極小抵抗91の検出された抵抗値よりもそれぞれの所定のインクリメントだけ高く導出される。一般に、ターゲット値91はいくつあってもよい。実際、カメラ1が特に有利なのは、多数の位置に対し正確な位置制御を行うことが可能である点である。ターゲット値91は、この範囲にわたって直線的に配置されうるが、それとは別に、例えばその範囲の特定の部分に集中して不均一に分散させることも可能である。
ステップS53で、図15を参照しつつ上で説明されているようにフライバックが発生する。抵抗は、図17のカーブ92で示されているように上昇する。
ステップS56で、画像をキャプチャするコマンドが送られるのを待つ。コマンドを受信した後、焦点検出動作O3が実行され、その後続いて、合焦動作O4が実行される。
焦点検出動作O3は、以下のステップを含む。
ステップS57からS59で、一連のターゲット値91についてスキャニングが実行される。これは、ステップS57で、その一連のターゲット値91のうちの連続するターゲット値を、SMAワイヤ31片がターゲット値91のうちのその1つに合わせて加熱されるようにフィードバック制御ループに設定することにより実行される。こうして、図17では、抵抗は、それぞれターゲット値91のうちの1つの値のレベルで連続するプラトー93に駆動される。ターゲット値91が連続して減少すると、SMAワイヤ31片の温度は、単調に上昇する。
初期ターゲット値91を求める場合、ステップS57では、前述のように「ラチェッティング」法を使用することができる。
測定抵抗がステップS57で所定のターゲット値91に到達した後、ステップS57で、イメージセンサー4によって画像がキャプチャされ、イメージセンサー4によって出力される画像信号の焦点の品質の尺度が導出され、コントローラ52のメモリ内に記憶される。
ステップS59で、一連のターゲット値に残りのターゲット値91が残っているかどうかが判定される。残っている場合、この方法はステップS57に戻り、プロセスがターゲット値91のそれぞれについて反復される。この方法で、スキャン時にSMAワイヤ31片が加熱されると、画像信号の焦点の品質が監視される。
ステップS60で、焦点品質の記憶された尺度を使用して、焦点品質が許容可能なレベルにある制御信号の焦点値を導出する。最も単純には、これは、焦点品質の最良の尺度を有する複数のテスト値のうちから1つ選択することにより行われる。代替えとして、カーブフィッティング技術を使用してテスト値から最良の焦点が得られる抵抗の値を予測することが可能である。したがって、焦点値は、テスト値のうちの1つである必要はない。カーブフィットは、M>1とするM次多項式など単純な数式であってよいか、またはその代わりに、代表的なシーンから事前に測定されたカーブのライブラリから取り出したカーブへの最良適合として選択されうる。焦点値は、後から使用できるようにコントローラ52のメモリ内に記憶される。図17は、例えば記憶されている焦点値95の一実施例を示している。
ステップS57からS59の後に焦点値95を決定する代わりに、別にステップS57からS59でオンザフライで決定することも可能である。
合焦動作O4は、以下のステップを含む。
ステップS61で、ステップS53について上で説明されているようにフライバックが発生する。抵抗は、図17のカーブ96で示されているように上昇する。
次に、ステップS10で、制御回路50は、SMAワイヤ31片を加熱して、ステップS60で決定され記憶された焦点値95に対応する位置に戻す。これは、記憶されている焦点値95がターゲット値として使用されるフィードバック制御技術を適用する制御回路52によって行われ、フィードバック信号として使用されるSMAワイヤ31片にかかっている測定された電圧は、その記憶されている焦点値95に合わせて駆動される。温度上昇は、ここでもまた、焦点検出動作O3のように、単調である。したがって、図17では、加熱の際に、抵抗はカーブ97に示されているように変化し、次いで、記憶されている焦点値95のレベルでプラトー98になる。
上述のように、ステップS61を含めることにより達成されるフライバック技術の結果として、加熱サイクルで焦点値95に接近するので、こうしてSMAワイヤ31片のヒステリシスの問題は解消される。したがって、レンズエレメント6は、記憶されている焦点値95に対応する位置にあると知られる。
これで画像の合焦が適切になされると、ステップS63で、イメージセンサー4によって画像がキャプチャされる。キャプチャされた画像は、メモリに記憶される。
他の問題は、SMAワイヤ31片の寿命である。SMAワイヤは、長く使えるように電気駆動を行っている最中には慎重に取り扱われなければならない。正しく駆動されるSMAワイヤであれば、10万サイクルにも耐える。カメラ1は、通常、所定の寿命、典型的には約300,000サイクルあるいは場合によってはそれ以上の寿命を持つ必要がある。SMAワイヤの駆動が正しくない場合には、損傷し、破砕したり、または寿命が尽きる前にその性能が仕様から外れる。
次に、損傷の原因の1つについて、SMA材料の抵抗−長さカーブを示す図8を参照しつつ説明する。位置範囲Δxの上限において、とりわけ極小抵抗61よりも高い場合に、SMA材料の大半は、マルテンサイト相からオーステナイト相へと転換してしまう。所定の温度における不完全転移のこの不均一効果は、SMA結晶構造の転移温度の統計的バラツキのせいで生じる。さらに加熱すると、さらに収縮しうるが、比較的少ないSMA結晶に負荷がかかる。SMA材料のこれらの部分は、比較的重い負荷を受けることになり、結果として構造物への損傷をもたらす。この領域内で繰り返し作動させると、この損傷は、SMAアクチュエータの所望の寿命に到達する前にSMAワイヤ31片が破砕するか、またはその性能が仕様から外れることになるところまで悪化しうる。
したがって、このような損傷の危険性を制限するために、多くの技術が用いられうる。
第1のアプローチは、極小抵抗60に到達または通るのを防止することである。これは、カメラ1の変位性能を減らすことにより達成されうる。しかし、カメラ1の変位を減らすと、性能仕様が許容できないレベルに下がる可能性がある。この効果は、カメラ1内に組み立てるときにSMAワイヤ31の長さ部42の残り長さ分を減らしてその歪みを高めることにより対処されうる。SMAワイヤ31の長さ部42を縮め、静止状態の歪みを大きくする効果は、結果として、所定の温度上昇に対するワイヤの長さ縮小割合を大きくすることにつながる。この結果、所定の温度上昇に対しレンズエレメント6の公称移動が大きくなる。したがって、温度の上昇は、極小抵抗61に到達するのを妨げるレベルに制限されうる。これは、製造許容誤差の限界においてすべてのカメラ1用の安全な値になっている、極大抵抗からの抵抗の最大の変化を指定することにより行われる。
しかし、スクリーニングカン44によって形成されるエンドストップを考慮して、このアプローチを使用する場合には注意しなければならない。レンズエレメント6が加熱時にそのエンドストップと接触した場合、SMAワイヤ31片の損傷の可能性はきわめて高い。これは、最大電力駆動電流が連続的に投入される制御回路50の障害状態において発生しうる。したがって、スクリーニングカン44によって形成されるエンドストップをさらに遠くまで移動する必要がある場合があるが、それは、製品サイズが大きくなったり、湾曲部13の保護が低下したりするので望ましくない。
上述の制御アルゴリズムのステップS5の安全ルーチンは、さらに、極小抵抗が検出されるとすぐに電力を下げることにより短い期間にすぎなくてもSMAワイヤ31片が極小抵抗61よりも高い状態に曝されることのないようにする。
最大電力駆動電流が連続的に投入されうる制御回路50の故障モードがないようにすることが重要である。最大電力駆動電流を単純に、安全な(連続的)作動レベルに制限するというのは、最大加熱率を大幅に下げる可能性があるため、最適な解決手段と言えない。それとは別に、フェールセーフ機構のある電子回路に依存するのが望ましくない場合には、電力供給を絶つためにエンドストップの位置と似た位置にスイッチを導入するとよい。しかし、これは、カメラモジュール内の他の構成要素に対する損傷を防止することができない。
レンズエレメント6があまりに遠くまで移動しすぎ、SMAワイヤ31片の破損が生じるという他のケースもあり、これは、高い周囲温度で作動しているときに生じる。約50℃を超える温度などの高温で作動する場合、SMAワイヤ31片は、作動が戻って極大抵抗60を超えた後十分な冷却と収縮が決して生じない可能性がある。この場合、例えば図13のステップS5で、SMAワイヤ31片を加熱する初期段階では、加熱は、レンズエレメントがスクリーニングカン44によって形成されるエンドストップと接触しそれにより損傷を引き起こすまで、極大抵抗60を検出することなく連続的に実行されうる。
これが発生するのを防止するために、制御回路50は、最初の使用で極大抵抗60の抵抗値を検出して記憶する。抵抗が、ワイヤ加熱で減じると検出された場合(つまり、高い周囲温度のせいで)、制御回路50は、極大抵抗60の抵抗値と最大変位に対し選択された抵抗変化値の合計の抵抗値に変位を制限する。抵抗が最初の使用での加熱で減じると検出された場合、制御回路50は、制御アルゴリズムをアボートして、その代わりにSMAワイヤ31片を冷やすようにしなければならない。極大抵抗60が検出されうるような周囲温度条件となるまで、この場合が続く。
第2のアプローチでは、極小抵抗61に到達するのを許すが、これが生じる量および/または頻度を減らす。
極力小さな量だけ極小抵抗61を超えるように加熱を制限するには、高分解能のアナログ−デジタルコンバータ(ADC)を使用することによって達成されうる。これにより、測定可能な抵抗変化の増分をできる限り小さなものにできる。最下位ビット(LSB)が、この測定可能な抵抗増分のサイズを決定する。したがって、LSBは、高分解能のADCではできる限り小さくし、最小抵抗点を越えるLSBの最大許容数は、信号対雑音比(SNR)が受け入れがたいほどにならないようにして、できる限り小さくなければならない。受け入れがたいほど高いSNRだと、カメラは、極小抵抗61を越える誤りの抵抗値を誤って検出することで予測可能な挙動を示す可能性がある。
極小抵抗61を超える加熱の頻度を制限するには、カメラ1が最大および最小のワイヤ抵抗を測定し、特性化する機会を減らすことによって達成されうる。これは、予備較正動作O3を使用して抵抗範囲の大きさを導出することにより図13の代替え制御アルゴリズムで行われる。したがって、焦点検出動作O1において、SMAワイヤ31片は、極小抵抗61を超えて加熱されることはない。予備較正動作O3は、電源投入時のみ実行され、そのため、それぞれの画像キャプチャで実行される焦点検出動作O1に比べて実行頻度が低い。したがって、SMAアクチュエータは、焦点検出動作が実行される毎に極小抵抗61に達する状況と比較して極小抵抗61を超えて加熱されることはあまり頻繁でない。
それとは別に、制御回路50は、レンズエレメント6が2つの位置、つまり遠焦点位置およびマクロ位置のうちの一方の位置に駆動されるオートマクロ機能を実装することができる。遠焦点位置では、レンズエレメント6は、移動の範囲内でイメージセンサー4に最も近い位置にあり、レンズエレメント6は、イメージセンサー4上に遠視野または過焦点を形成する。マクロ位置では、レンズエレメント6は、移動の範囲内でイメージセンサー4から最も遠い位置にあり、レンズエレメント6は、イメージセンサー4上に近視野焦点を形成する。
遠焦点位置を選択するために、駆動回路50は、無電流の第1の駆動信号をSMAワイヤ31に供給する(または代替的に、消費電力を増やすため望ましくないけれども、SMAワイヤ31の収縮を引き起こすには不十分な非常に低い電流を供給する)。この場合、SMAワイヤ31は、サスペンションシステム9によって与えられるバイアス力よりも小さな力を及ぼす。SMAワイヤ31は、弛んでいてもよい。サスペンションシステム9は、移動を制限するベース部3によって形成されたエンドストップに対しレンズエレメント6をバイアスするように配置され、遠焦点位置においてレンズエレメント6の位置を決定する。カメラ1の最も一般的な設定である遠焦点位置では電力は消費されない。
マクロ位置を選択するために、駆動回路50は、十分な電力を持つ第2の駆動信号を供給して、サスペンションシステム9によって与えられるバイアス力よりも大きな力でSMAワイヤ31を収縮させ、レンズエレメント6を収縮度で決まる位置に押しやる。遠焦点位置では電力は連続的に消費される。
オートマクロ機能を実装する場合、駆動回路50は、例えば駆動回路53を例えば半導体スイッチ(例えば、FETまたはBFT)を使用する、移動の制御に単純にスイッチオン、スイッチオフされるソースとして配置することにより非常に単純に、また安価に構成されうる。検出回路54は、場合によっては省くことができる。オートマクロ機能を実装するいくつかのオプションは以下のとおりである。
最も単純な実施形態は、第2の駆動信号が固定された定電流であり、典型的にはSMAアクチュエータ30の構成に応じて10mAから100mAの範囲の大きさを持つものである。直径25μm程度のサイズの細いワイヤでは、約30から50mAの電流が典型的ではあるが、これは、電流が削減された周囲温度に応じて変わる。
カメラ1を使用できる電話などの多くの種類の携帯型電子デバイスでは、定電流源(多くの場合、プロセッサからのデジタル値によって調節可能)は、すでに利用可能であり、そのような定電流源は、VCMレンズポジショナーを駆動するために使用されることが多く、またこれは、デバイスに電子回路を付加して余分なコストをかけることなく使用されうる。この単純な実施形態は、非常に安価に実装することができるが、異なるSMAアクチュエータ30では焦点位置の反復性が劣り(ただし、固定電圧駆動の場合よりも反復性に優れる)、また周囲温度変動に対する位置決め精度が劣る。所定の周囲温度で所定の焦点位置において安定化に要する時間も、SMAワイヤ31の電気抵抗自己加熱が指数関数的に増大するため極めて長くなる。
他の実施形態では、コントローラ52は、温度センサー58からの周囲温度を示す温度信号を受信する。このような温度信号は、携帯電話システムなどの携帯型デバイス内で、ある程度任意の、ただし必ずしも均等目盛でない単位で内部周囲温度を表す単純なデジタル数として頻繁に利用可能である。コントローラ52は、駆動回路53を制御し、例えば周囲温度に応じて電流の大きさを制御することにより、第2の駆動信号の電力を変化させる。特に、第2の駆動信号の電力は、周囲温度が上昇すると減少する。このようにして、粗い分解能を有する温度信号を使用する場合でも、一定範囲の周囲温度での反復性を大幅に改善するレンズエレメント6の位置の開ループ温度補償がなされる。SMAアクチュエータ30の収縮の著しい変動は、周囲温度の変動によって引き起こされ、これが、SMAアクチュエータ30の冷却率を変え、その結果温度を変える。
温度信号の所定の値と第2の駆動信号との機能上の関係は、カメラ1の設計の前に、実験または理論またはその両方により導出される。作動中、例えば計算により、またはルックアップテーブルを使用して、この機能上の関係に従って変化させる。こうしても、駆動回路53を余計に複雑にしなくて済み、またコントローラ52による処理量もごくわずかでよい。
それとは別に、オートマクロ機能は上述のように位置の尺度としてSMAアクチュエータ30の抵抗を使用して実装することができ、これによりレンズエレメント6を所定の位置に移動する。しかし、一般に、オートマクロ機能という利点があるけれども、必然的に制御回路50の複雑さが増す。
上述の実施形態は、カメラレンズエレメントの移動を駆動するSMA駆動機構を組み込んだカメラに関するものであるが、説明されているSMA駆動機構は、カメラレンズエレメント以外に物体の移動を駆動するように同様に適合されうる。
O 光軸
O1 焦点検出動作
O2 合焦動作
O3 予備較正動作
O4 合焦動作
1 カメラ
2 支持構造
3 ベース部
4 イメージセンサー
5 環状壁
6 レンズエレメント
7 レンズ系
8 レンズ
9 サスペンションシステム
10 サスペンション要素
11 内側リング
12 外側リング
13 湾曲部
14 金属リング
15 補強材要素
16 位置決めピン
17 開口
18 リング
19 スプルー
20 レンズキャリア
21 レンズホルダー
22 雌ネジ
30 SMAアクチュエータ
31 SMAワイヤ片
32 取り付け部材
33 端子
40 陥凹部
41 保持要素
42 長さ部
44 スクリーニングカン
45 中央開口
46 出っ張り
47 画像回路基板
48 突起壁
49 駆動回路基板
50 制御回路、駆動回路
52 コントローラ
53 駆動回路
54 検出回路
55 電気的接続
58 温度センサー
60 極大抵抗
61 極小抵抗
71 カーブ
72 極大抵抗
73、74 ターゲット値
76 抵抗極小
78 新しいターゲット値
79 プラトー
80 焦点値
81 カーブ
83 プラトー
90 極小抵抗
91 ターゲット値
92 カーブ
95 焦点値
120 バイポーラトランジスタ
123 MOSFETトランジスタ
124 オペアンプ
125 検出回路
125 抵抗器
126 オペアンプ

Claims (10)

  1. 加熱してカメラレンズエレメントを光軸に沿って駆動し前記カメラレンズエレメントの焦点をイメージセンサー上に変えるように配置されたSMAアクチュエータを備えるカメラレンズ駆動装置を制御する方法であって、
    前記SMAアクチュエータが、収縮時に抵抗が極大抵抗から極小抵抗に減少するカーブに従って長さとともに抵抗が変化する特性を有し、
    前記SMAアクチュエータが通電により加熱され、
    前記カメラレンズエレメントの移動が、前記SMAアクチュエータの抵抗を測定し、前記SMAアクチュエータの測定抵抗をフィードバック信号として使用して前記電流の電力を変化させて前記測定抵抗をターゲット値に調整することによって制御され、
    前記方法が、
    前記SMAアクチュエータを加熱し、その測定抵抗を監視して前記極大抵抗および前記極小抵抗を検出する工程と、検出された極大抵抗の抵抗値と検出された極小抵抗の抵抗値との差以下である抵抗範囲の大きさを導出し記憶する工程とを含む予備較正動作を実行する工程と、
    前記予備較正動作よりも頻繁に焦点検出動作を実行する工程と、を有し、
    前記焦点検出動作が、
    前記SMAアクチュエータを加熱し、その抵抗を監視して前記極大抵抗を検出する工程と、
    前記検出された極大抵抗の前記抵抗値であるまたは所定のデクリメントだけ低い上限ターゲット抵抗値、および前記上限ターゲット抵抗値から前記記憶されている抵抗範囲の大きさを引いた値に等しい下限ターゲット抵抗値を導出する工程と、
    前記SMAアクチュエータを、前記測定抵抗が前記上限ターゲット抵抗値から前記下限ターゲット抵抗値まで変化するように加熱し、前記イメージセンサーによって出力される前記画像信号の合焦品質を監視し、前記合焦品質が許容可能レベルにある前記抵抗値を記憶する工程と、を含む方法。
  2. さらに、前記焦点検出動作の後に、その長さが前記カーブで前記極大抵抗に対応する前記長さ以上となるまで前記SMAアクチュエータを冷却する工程と、次いで前記SMAアクチュエータを加熱して前記測定抵抗を前記合焦品質が許容可能レベルである前記記憶されている抵抗値に駆動する工程とを含む合焦動作を実行する工程を含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記焦点検出動作時、前記測定抵抗が、前記イメージセンサーから出力される前記画像信号の前記合焦品質が決定される間で前記抵抗値が一定に保持される一連のターゲット値に調整される請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記カメラレンズ駆動装置に最初に電力供給されたときに、前記予備較正動作を実行する工程を含む請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記カメラレンズエレメントが最大10mmの直径を有する1つまたは複数のレンズを備える請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 加熱してカメラレンズエレメントを光軸に沿って駆動し前記カメラレンズエレメントの焦点をイメージセンサー上に変えるように配置されたSMAアクチュエータを備えるカメラレンズ駆動装置用の制御システムであって、
    前記SMAアクチュエータが収縮時に抵抗が極大抵抗から極小抵抗に減少するカーブに従って長さとともに前記抵抗が変化する特性を有し、
    前記SMAアクチュエータに通電して前記SMAアクチュエータを加熱するように作動可能な電流源と、
    前記SMAアクチュエータの前記抵抗を測定するように作動可能な検出器回路と、
    前記電流源を制御し、前記SMAアクチュエータの前記測定抵抗をフィードバック信号として使用して前記電流の電力を変化させて前記測定抵抗をターゲット値に調整するように作動可能なコントローラとを備え、
    前記コントローラが、
    前記電流源を制御して前記SMAアクチュエータを加熱し、前記SMAアクチュエータの前記測定抵抗を監視して前記極大抵抗および前記極小抵抗を検出し、前記検出された極大抵抗の前記抵抗値と前記検出された極小抵抗の前記抵抗値との間の差以下である抵抗範囲の大きさを導出し記憶する予備較正動作を実行するように作動可能であり、
    前記予備較正動作よりも頻繁に、焦点検出動作を実行するように作動可能であり、
    前記焦点検出動作では、
    前記コントローラが、前記電流源を制御して前記SMAアクチュエータを加熱し、前記SMAアクチュエータの前記測定抵抗を監視して前記極大抵抗を検出し、
    前記コントローラが、前記検出された極大抵抗の前記抵抗値であるまたは所定のデクリメントだけ低い上限ターゲット抵抗値、および前記上限ターゲット抵抗値から前記記憶されている抵抗範囲の大きさを引いた値に等しい下限ターゲット抵抗値を導出し、
    前記コントローラが、前記電流源を制御して前記SMAアクチュエータを、前記測定抵抗が前記上限ターゲット抵抗値から前記下限ターゲット抵抗値まで変化するように加熱し、前記イメージセンサーによって出力される前記画像信号の合焦品質を監視し、前記合焦品質が許容可能レベルにある前記抵抗値を記憶する、制御システム。
  7. 前記コントローラは、前記焦点検出動作の後に、前記コントローラが長さが前記カーブで前記極大抵抗に対応する前記長さ以上となるまで前記電流源を制御し前記SMAアクチュエータを冷却し、次いで前記コントローラが前記電流源を制御し前記SMAアクチュエータを加熱して前記測定抵抗を前記合焦品質が許容可能レベルである前記記憶されている抵抗値に駆動する合焦動作を実行するように作動可能である請求項6に記載の制御システム。
  8. 前記焦点検出動作時、前記測定抵抗が、前記イメージセンサーから出力される前記画像信号の前記合焦品質が決定される間に前記抵抗が一定に保持される一連のターゲット値に調整される請求項6または7に記載の制御システム。
  9. 前記カメラレンズ駆動装置に最初に電力供給されたときに、前記コントローラが前記予備較正動作を実行するように作動可能である請求項6から8のいずれか一項に記載の制御システム。
  10. 前記カメラレンズエレメントが最大10mmの直径を有する1つまたは複数のレンズを備える請求項6から8のいずれか一項に記載の制御システム。
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