JP2006330542A - 駆動機構、レンズ駆動機構、及び撮像装置 - Google Patents

駆動機構、レンズ駆動機構、及び撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡素かつ小型の構成で、形状記憶合金の過大な伸びを防止するとともに、駆動対象物の任意位置への停止やサーボ制御等のような高度な動作を行うことができる形状記憶合金を用いた駆動技術を提供する。
【解決手段】レンズ駆動機構100を搭載する撮像装置をユーザーが地面等に落下させると、その衝撃力により、SMA30の延伸方向に対して、SMA30とコイルスプリング31とによる保持部材10に対する駆動力以外の慣性力Fが保持部材10に作用する。このとき、移動端固定領域19に作用する慣性力を、保持部材10とストッパー22との当接によって、ストッパー22と部位20cとを介して固定端固定領域29に伝達する。このような構成により、SMA30の両端である移動端部30aと固定端部30bとの距離が変化しないようにする。
【選択図】図2

Description

本発明は、形状記憶合金を用いて部材を駆動させる技術に関する。
形状記憶合金(SMA)の通電加熱によるSMAの伸縮を利用して、手振補正レンズ等の駆動対象物を駆動させる駆動機構が従来から知られている。
例えば、図9(a)に模式的に示した撮像装置に用いられる駆動機構では、回動軸121を中心として回動する回動部材110を駆動させるために、SMA130及びコイルスプリング131を用いている。SMA130は、その固定端130aを固定部材120に、移動端130bを回動部材110に取り付けられている。また、コイルスプリング131は、一端を回動部材110に取り付けられ、SMA130の張力を増加させる方向に回動部材110に対して引張力を付与している。なお、固定部材120は、ねじ固定部124によって撮像装置本体等に固定されている。
そして、撮像装置本体に別途設けられたジャイロ機構(不図示)等によって、手振れに起因する撮像装置の移動方向及び移動量が検出される。一方、フォトリフレクタ等を利用したサーボ制御により、SMAを適宜伸縮させて、回動部材110に取り付けられた補正レンズALを駆動させることで、手振れ補正を実現することができる。
なお、SMA130は、制御回路(不図示)による通電によって温度が上昇すると、記憶長さに戻ろうとして縮む。このときに生じる引張力と、コイルスプリング131の引張力との大小関係を制御することで、補正レンズALを回動軸121を中心として回動させることができる。範囲140は、回動部材110の通常駆動範囲である。固定部材120に設けられたストッパー122は、回動部材110が通常駆動範囲を超えないように回動部材110と当接して、回動部材110の回動量を規制することで、SMA130の伸びを制限し、SMA130を破断等から保護している。
このような構成で、落下等の衝撃を受けた場合、質量と衝撃加速度に応じた衝撃慣性力が各部材に作用する。回動部材110に作用する衝撃慣性力Fはストッパー122で受け止められ、ストッパー122及び固定部材120の剛性が十分高ければ、ストッパー122及び固定部材120はほとんど変形しないため、SMA130の伸びも非常に小さい。
しかし、小型機器では、各部材も小型化が指向され、衝撃時に変形が生じないような剛性が十分高いストッパー122及び固定部材120を構成することは困難である。よって、実際には固定部材120等の変形によってストッパー122の位置が変位し、SMA130の伸びが発生してしまう。
図9(a)で示した構成では、図9(b)に示すように、ストッパー122と固定部材120のねじ固定部124とを繋ぐ腕部125が変形し、SMA130の移動端130bには変形変位d0が生じてしまう。このとき、SMA130の固定端130aはほとんど変位しないため、SMA130の長さは、変形がない場合の当接状態における長さLよりも変形変位d0だけ過大に伸ばされることになる。この過大な伸びにより、SMA130が許容応力を超えた場合にはSMA130にダメージ(破断や性能劣化等)を与えてしまい、駆動機構の故障を招く。
このような問題点を考慮して、SMAを用いた種々の装置が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
例えば、特許文献1では、SMAとバイアスばねでフィルタを回転駆動させるフィルタ駆動装置が開示されている。このフィルタ駆動装置では、移動対象の部材であるフィルタを設定位置に位置決めするストッパーを有する。そして、ストッパーがバイアスばねの力に抗してSMAの伸びを制限する役割を果たしており、通常駆動状態でのSMAの過大な伸びを防止することができる。
また、例えば、特許文献2では、SMAが中間レバーと緩衝バネを介して負荷レバーを動かすアクチュエータが開示されている。このアクチュエータでは、中間レバーと負荷レバーとの間に設けられた緩衝バネが負荷レバーのストロークを吸収することにより、負荷レバーにかかる外力がSMAに直接伝わらないようにすることができるため、SMAを保護することができる。
また、例えば、特許文献3では、中間レバーから負荷レバーへの動力伝達が摩擦・摺動・係合によって行われるアクチュエータが開示されている。このアクチュエータでは、摩擦を与える付勢バネを備える。そして、中間レバーと負荷レバーとの間の摺動・係合部が緩衝機構となって負荷レバーのストロークを吸収することにより、負荷レバーにかかる外力がSMAに直接伝わらないようにすることができるため、SMAを保護することができる。
このような技術に関する先行技術文献としては、以下のようなものがある。
特開2001−141973号公報 特開2002−268748号公報 特開2004−100537号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、ストッパーにフィルター保持部材が当接すれば、それでSMAの伸びが止まるが如く示されているが、小型機器では、衝撃時や使用者からの異常な外力でも変形しないような高い剛性をストッパーに持たせることは困難である。したがって、実際には、ストッパーの変形によりSMAに過大な伸びが発生し、SMAにダメージを与えるという不都合が生じる。特にSMAはその物性から数%程度の伸びしか許容できないため、剛性のみで伸びを防止しようとするとストッパー及び固定部材の大型化やSMAの長寸法化を招き、駆動機構の小型化を実現することができない。
また、特許文献2、3の両技術では、ともに、中間レバーとバネ等からなる緩衝機構を必要とするため、駆動機構全体が比較的複雑となり、機構の小型化も困難である。また、機構上、駆動範囲内での任意位置への停止ができない。更に、SMAの変位と負荷レバーの移動量との関係が1対1ではないため、サーボ制御ができず、駆動対象の部材の位置を一端と他端の2つの位置に切り替えながら駆動させる機構(2位置切替機構)等の限られた用途への適用に限られる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡素かつ小型の構成で、形状記憶合金の過大な伸びを防止するとともに、駆動対象物の任意位置への停止やサーボ制御等のような高度な動作を行うことができる形状記憶合金を用いた駆動技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、所定の装置に固定される固定部と、駆動対象物を保持する保持部との間に架設された形状記憶合金の伸縮を利用して、前記固定部に対する前記駆動対象物の相対的な位置を変更するように、当該駆動対象物を駆動させる駆動機構であって、前記形状記憶合金が前記保持部に対して与える力に抗する力を、前記保持部に対して与えることで、前記固定部に対する前記駆動対象物の相対的な位置を変更する抗力付与手段と、前記形状記憶合金の延伸方向に対して、前記形状記憶合金と前記抗力付与手段とによる前記駆動対象物に対する駆動力以外の外力が前記保持部に作用した場合、前記保持部のうちの前記形状記憶合金を固定する第1の固定領域に作用する外力を、前記固定部のうちの前記形状記憶合金を固定する第2の固定領域に伝達する作用伝達部とを備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の駆動機構であって、前記作用伝達部が、前記固定部と前記保持部とは異なる部材によって構成されることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の駆動機構であって、前記保持部のうちの前記第1の固定領域近傍と当接することで前記駆動対象物の駆動範囲を制限するストッパーを備え、前記作用伝達部が、前記ストッパーと、前記形状記憶合金の長手方向に対して略平行でかつ、前記第2の固定領域と前記ストッパーとを連結する連結部とを有することを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の駆動機構であって、前記ストッパーが、前記固定部に設けられ、前記連結部が、前記固定部に含まれることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項3に記載の駆動機構であって、前記連結部が、前記固定部とは異なる別部材を用いて構成されることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項1または請求項2に記載の駆動機構であって、前記保持部に設けられ、前記固定部のうちの前記第2の固定領域近傍と当接することで前記駆動対象物の駆動範囲を制限するストッパーを備え、前記作用伝達部が、前記ストッパーと、前記形状記憶合金の長手方向に対して略平行でかつ、前記第1の固定領域と前記ストッパーとを連結する連結部とを有することを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項6に記載の駆動機構であって、前記連結部が、前記保持部に含まれることを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項2に記載の駆動機構であって、前記作用伝達部が、前記保持部のうちの前記第1の固定領域近傍と、前記固定部のうちの前記第2の固定領域近傍との間に架設された紐状部材を含み、前記紐状部材が、長手方向に引っ張られた緊張状態となると、前記駆動対象物の駆動範囲を制限するストッパーとして働き、前記緊張状態が解除されると、前記保持部に対して力を及ぼさないことを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の駆動機構であって、前記外力が、前記所定の装置に対する衝撃によって生じる前記駆動対象物に係る慣性力であることを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項1に記載の駆動機構であって、前記作用伝達部が、前記駆動力以外の外力による前記第1の固定領域の移動によって前記形状記憶合金が伸縮するのを減縮または打ち消すように、前記第1の固定領域に作用する外力を前記第2の固定領域に伝達することを特徴とする。
また、請求項11の発明は、所定の装置に固定される固定部と、駆動対象物を保持する保持部との間に架設された形状記憶合金の伸縮を利用して、前記固定部に対する前記駆動対象物の相対的な位置を変更するように、当該駆動対象物を駆動させる駆動機構であって、前記保持部と当接することで前記駆動対象物の駆動範囲を制限するストッパーを備え、前記保持部が、前記形状記憶合金を固定する第1の固定領域と、前記ストッパーと当接する当接領域とを有し、前記当接領域が、前記駆動対象物と前記保持部とを含む移動体の重心位置と、前記第1の固定領域との間に位置することを特徴とする。
また、請求項12の発明は、請求項1から請求項11のいずれかに記載の駆動機構と、当該駆動機構によって駆動される前記駆動対象物に含まれるレンズと、を備えることを特徴とするレンズ駆動機構である。
また、請求項13の発明は、請求項12に記載のレンズ駆動機構を備えることを特徴とする撮像装置である。
請求項1から請求項10のいずれに記載の発明によっても、形状記憶合金の延伸方向に対して、形状記憶合金と抗力付与手段とによる駆動対象物に対する駆動力以外の外力が駆動対象物を保持する保持部に作用した場合、保持部のうちの形状記憶合金を固定する領域に作用する外力を、固定部のうちの形状記憶合金を固定する領域に伝達するような構成により、形状記憶合金の両端である移動端と固定端との距離が変化しないようにすることができるため、簡素かつ小型の構成で、形状記憶合金の過大な伸びを防止するとともに、駆動対象物の任意位置への停止やサーボ制御等のような高度な動作を行うことができる。
特に、請求項2に記載の発明によれば、保持部のうちの形状記憶合金を固定する領域に作用する外力を固定部のうちの形状記憶合金を固定する領域に伝達する作用伝達部を、固定部と保持部とは異なる部材によって構成することで、駆動機構を構成する部材の形状を全体として簡略化することができるため、部材の製造を簡単に行うことができる。
また、請求項8に記載の発明によれば、作用伝達部が、形状記憶合金の架設箇所の近傍に、架設された紐状部材を含み、当該紐状部材が、長手方向に引っ張られた緊張状態となると、駆動対象物の駆動範囲を制限するストッパーとして働き、緊張状態が解除されると、保持部に対して力を及ぼさないような構成とすることで、作用伝達部が小型となるため、駆動機構の小型化を実現することができる。
また、請求項10に記載の発明によれば、駆動力以外の外力による第1の固定領域の移動によって形状記憶合金が伸縮するのを減縮または打ち消すように、第1の固定領域に作用する外力を第2の固定領域に伝達するような構成とすることで、形状記憶合金の過大な伸びを防止することができる。
また、請求項11に記載の発明によれば、保持部のうちのストッパーと当接する領域が、駆動対象物と保持部とを含む移動体の重心位置と、保持部のうちの形状記憶合金を固定する領域との間に位置するような構成により、駆動力以外の外力によって、形状記憶合金が引き延ばされる方向に力が働かないようにすることができるため、簡素かつ小型の構成で、形状記憶合金の過大な伸びを防止するとともに、駆動対象物の任意位置への停止やサーボ制御等のような高度な動作を行うことができる。
また、請求項12に記載の発明によれば、請求項1から請求項11のいずれかに記載の発明と同様な効果を得ることができる。
また、請求項13に記載の発明によれば、請求項1から請求項11のいずれかに記載の発明と同様な効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置1の概略構成を示す断面模式図である。
図1に示すように、撮像装置1は、被写体からの光を撮影レンズユニット2を介して撮像装置本体3に導くことで、被写体に係る撮影画像を得ることができるように構成される。撮影レンズユニット2の光軸L上には、複数の撮影レンズからなるレンズ群が配設される。
また、撮像装置本体3には、手振れに起因する撮像装置1の移動方向及び移動量を検出するジャイロ機構等の手振れ検出部(不図示)が設けられている。そして、この手振れ検出部による検出結果に応じて、手振れ補正用の撮影レンズ(手振れ補正レンズ)5を適宜駆動させることで手振れを補正するレンズ駆動機構100が搭載されている。
図2は、第1実施形態に係るレンズ駆動機構100を示す模式図である。
レンズ駆動機構100は、手振れ補正レンズ5を駆動対象物としており、主に、手振れ補正レンズ5、保持部材10、固定部材20、ワイヤ状の形状記憶合金(SMA)30、及びコイルスプリング31を備えて構成される。なお、図2及び図2以降の図では、各部材が、平面上で記載されているが、実際には、各部材が相互に過度に干渉し合わないように、図中奥行き方向に適宜ある程度ずらされて配置される。
保持部材10は、その一端側に設けられた輪状の部位によって手振れ補正レンズ5を保持しており、その他端側において回動軸21により固定部材20に対して回動自在に保持されている。なお、保持部材10は、固定部材20を基準として回動するため、本明細書中では、適宜「回動部材」とも称する。
固定部材20は、主に、略直線状でかつ棒状の3つの部位20a〜20cを有し、部位20bの一端に部位20aが部位20bに対して直交するように連結され、部位20bの他端に部位20cが部位20bに対して直交するように連結されたようなコの字状の形状を有している。そして、固定部材20は、撮像装置1に含まれる撮影レンズユニット2の本体に対して、部位20aを貫通するネジ23により固定されている。
また、固定部材20の部位20cの先端部にはストッパー22が設けられている。
また、レンズ駆動機構100は、固定部材20を基準として、回動軸21によって回動自在に保持される保持部材10を駆動させるために、SMA30の伸縮と、コイルスプリング31の引張力を利用している。
SMA30は、加熱および冷却による相変態により、長手方向に伸縮するワイヤ状の部材である。このSMA30は、その一端(以下「移動端部」とも称する)30aが保持部材(回動部材)10に対して取り付けられ、その他端(以下「固定端部」とも称する)30bが固定部材20に対して取り付けられている。つまり、SMA30は、保持部材10と固定部材20との間に架設されている。そして、SMA30の長手方向と、固定部材20に含まれる部位20cとは略平行となっている。なお、ここでは、SMA30を加熱するために通電する制御回路(通電制御回路)が設けられるが、図が複雑化するのを防ぐために記載を省略している。
保持部材10及び固定部材20に対してSMA30を固定する手法としては、かしめや圧入等といった一般的な手法を用いることができる。また、本明細書では、保持部材10のうち、SMA30を固定する領域を「移動端固定領域19」と、固定部材20のうち、SMA30を固定する領域「固定端固定領域29」と称する。
コイルスプリング31は、その一端が保持部材10に取り付けられ、その他端が例えば撮像装置1に含まれる撮影レンズユニット2の本体に固定される弾性部材である。このコイルスプリング31は、SMA30の張力を増加させる方向に保持部材10に対して引張力を与えている。つまり、コイルスプリング31は、SMA30が保持部材10に対して与える力に抗する引張力を保持部材10に対して与えている。
そして、保持部材10に対するSMA30の引張力が小さな場合には、コイルスプリング31の引張力が保持部材10を図中下側に引張り、保持部材10のうちの移動端固定領域19の近傍とストッパー22とが当接する。当該当接により、ストッパー22は、手振れ補正レンズ5の駆動範囲を制限する。
このような構成により、SMA30が通電加熱によって縮むと、コイルスプリング31の引張力に抗して、手振れ補正レンズ5を図面上方側に移動させるように、固定部材20を基準として、保持部材10を回動させることができる。一方、SMA30の通電加熱が終了すると、SMA30が冷却により引張力が減少するため、コイルスプリング31の引張力により、手振れ補正レンズ5を図面下方側に移動させるように、固定部材20を基準として、保持部材10を回動させることができる。このようにして、レンズ駆動機構100では、SMA30の伸縮を利用して、固定部材20に対する手振れ補正レンズ5の相対的な位置を適宜変更するように、手振れ補正レンズ5を駆動させることができる。
そして、撮像装置本体3に搭載された手振れ検出部によって、手振れに起因する撮像装置1の移動方向及び移動量が検出される。一方、フォトリフレクタ等を用いて、手振れ補正レンズ5の現在位置を検出することができる。このようにして、検出される撮像装置1の移動方向及び移動量と、手振れ補正レンズ5の現在位置とを用いたサーボ制御により、手振れ補正レンズ5を駆動することで、手振れ補正が実現される。具体的には、SMA30は、通電制御回路を通じた通電により温度を上昇させると、記憶長さに戻ろうとして縮む。このときに生じる引張力と、コイルスプリング31の引張力との大小関係を制御することで、手振れ補正レンズ5を回動軸21を中心として回動させることができる。なお、範囲40は、保持部材10の通常駆動範囲である。
ここで、レンズ駆動機構100に対して、SMA30を伸ばすような方向の衝撃が加わった場合について、図2(b)を参照しつつ説明する。ここで言う衝撃は、SMA30の長手方向にあたる延伸方向に対して、SMA30とコイルスプリング31とによる保持部材10に対する駆動力以外の外的要因による力(外力)であり、例えば、レンズ駆動機構100を搭載する撮像装置1がユーザーの手から地面に落下した際の衝撃や、ユーザーによる撮像装置1の取り扱いが荒い場合に生じる衝撃等が挙げられる。
この衝撃により保持部材10には加速度(衝撃加速度)と手振れ補正レンズ5の質量等に応じた慣性力が働く。ここでは、説明を簡略化するために、手振れ補正レンズ5に係る慣性力Fのみを考え、その他の各部材の質量に係る慣性力は小さいものとして無視する。
図2(b)に示すように、手振れ補正レンズ5に対して慣性力Fが働くと、保持部材10は図中の反時計回りに回動しようとする。このとき、固定部材20に突設されたストッパー22は、回動に抵抗すべく、保持部材10と当接し、保持部材10から力(当接力)を受ける。この当接力は、ストッパー22が設けられた固定部材20の部位20cによって固定端固定領域29に伝達される。
つまり、慣性力Fが保持部材10に対して作用した場合、移動端固定領域19を図中下側に押し下げる外力(慣性力)が、ストッパー22と、ストッパー22と固定端固定領域29とを連結する部位20cとによって、固定端固定領域29に対して伝達される。別の観点から言えば、ストッパー22の位置が変位すると、その変位に連動して部位20cによって固定端固定領域29が引っ張られる。
そして、固定部材20のネジ23によって撮像装置1に対して固定される部位20aとSMA30が固定される固定端固定領域29とを繋ぐ部位20bによって構成される腕部25に変形が生じる。つまり、ストッパー22と保持部材10とが当接している状態で、保持部材10がストッパー22を押すことにより、腕部25が変形する。
なお、ここでは、当接力によってストッパー22が大きく変形したりすることのないように、慣性力Fにより形状が変形する腕部25の剛性よりも、当接力を受けるストッパー22の剛性の方が大きくなるように、固定部材20及びストッパー22の剛性が調整されているものとする。
そして、図2(b)に示すように、腕部25に変形が生じると、保持部材10が図中の反時計回りに回動するため、SMA30の移動端部30aには、SMA30の長さを増大させる方向に変位d1が生じる。この変位d1は、図9で示した従来技術における変位d0とほぼ同じ量である。これに対し、SMA30の固定端部30bには、腕部25の変形により、SMA30を短くする方向に変位d2が生じる。この変位d2は、従来技術では生じなかった変位である。つまり、ここでは、ストッパー22と固定端固定領域29との距離が長くならないように、部位20cによってストッパー22と固定端固定領域29とが連結されている。
そして、衝撃前のSMA30の長さをLとして、手振れ補正レンズ5に対して慣性力Fが働いた時の、第1実施形態におけるSMA30の長さLtと、従来技術におけるSMA130の長さLsとは、以下の式(1),(2)で示すことができる。
Ls=L+d0 ・・・(1)。
Lt=L+d1−d2・・・(2)。
ここでは、d0とd1とはほぼ同量であるため、SMAの伸び量は第1実施形態に係るSMA30の方が従来技術に係るSMA130よりも小さく、SMAの過大な伸びを効果的に防止することができる。なお、SMAの過大な伸びを防止する観点から言えば、変位d2はできるだけ大きい方が好ましい。
そして、ここでは、d1>d2の関係にある場合には、SMAの伸びを減縮することができ、d1≒d2の関係にある場合には、SMAの伸びをほぼ打ち消すことができる。換言すれば、部位20cによってストッパー22と固定端固定領域29とが連結されているため、慣性力による移動端固定領域19の移動でSMA30が伸縮するのを、減縮または打ち消すように、移動端固定領域19に作用する慣性力を固定端固定領域29に伝達することができる。
以上のように、第1実施形態に係るレンズ駆動機構100では、レンズ駆動機構100を搭載する撮像装置1をユーザーが地面等に落下させると、その衝撃力により、SMA30の延伸方向に対して、SMA30とコイルスプリング31とによる保持部材10に対する駆動力以外の慣性力Fが保持部材10に作用する。このとき、移動端固定領域19に作用する慣性力を、保持部材10とストッパー22との当接により、ストッパー22と部位20cとを介して、固定端固定領域29に伝達する。このような構成により、SMA30の両端である移動端部30aと固定端部30bとの距離が変化しないようにすることができる。
換言すれば、保持部材10が通常の駆動範囲45を超えることでSMA30の長さが過大に伸ばされそうになると、SMA30の長さの増大を低減するように固定端固定領域29が変位する。このため、SMA30の許容応力を超えるような過大な伸びを防止でき、SMA30に破断や性能の劣化等といったダメージが与えられないように、保護することができる。
したがって、簡素かつ小型の構成で、SMA30の過大な伸びを防止するとともに、手振れ補正レンズ5の任意位置への停止やサーボ制御等のような高度な動作を行うことができる。
つまり、第1実施形態に係るレンズ駆動機構100では、衝撃時や使用者からの異常な外力でもSMA30にダメージを与えることのない積極的なSMAの保護機能が設けられている。そして、固定部材20が積極的に変形してSMA30の伸びを低減するように構成され、SMA30の過大な伸びを防止可能となった。
<第2実施形態>
第1実施形態に係るレンズ駆動機構100では、慣性力Fが手振れ補正レンズ5に与えられた場合に、移動端固定領域19に掛かる外力(慣性力)を、保持部材10からストッパー22に対する当接力、及び部位20cによる引張力によって、固定端固定領域29に対して伝達することで、SMA30の過大な伸びを防止した。これに対して、第2実施形態に係るレンズ駆動機構100Aでは、移動端固定領域19に掛かる外力(慣性力)を、固定端固定領域29に対して伝達する構成が異なっている。
以下、図3を参照しつつ、第2実施形態に係るレンズ駆動機構100Aのうち、第1実施形態に係るレンズ駆動機構100と異なる点について説明する。なお、第2実施形態に係るレンズ駆動機構100Aでは、第1実施形態に係るレンズ駆動機構100と同様となる部分が多いため、同様な部分には適宜レンズ駆動機構100と同様な符号を付して、説明を省略する。
図3(a)に示すように、レンズ駆動機構100Aでは、固定部材20Aが、第1実施形態に係る固定部材20から部位20cが取り除かれたL字状の部材となり、保持部材10Aが、SMA30の長手方向と略平行である腕部10Aaが延設され、腕部10Aaの先端部近傍にストッパー22Aが突設されたものとなっている。
そして、保持部材10Aに対するSMA30の引張力が小さな場合には、コイルスプリング31の引張力が保持部材10Aを図中下側に引張り、固定部材20Aのうちの固定端固定領域29の近傍とストッパー22Aとが当接する。当該当接により、ストッパー22Aは、手振れ補正レンズ5の駆動範囲を制限する。また、第1実施形態に係るレンズ駆動機構100と同様に、SMA30及びコイルスプリング31により、固定部材20Aを基準として、保持部材10Aを回動させることができる。
ここで、レンズ駆動機構100Aに対して、SMA30を伸ばすような方向の衝撃が加わった場合について、図3(b)を参照しつつ説明する。なお、ここでは、第1実施形態と同様に、説明を簡略化するために、手振れ補正レンズ5に係る慣性力Fのみを考え、その他の各部材の質量に係る慣性力は小さいものとして無視する。
図3(b)に示すように、手振れ補正レンズ5に対して慣性力Fが働くと、保持部材10Aは図中の反時計回りに回動しようとする。このとき、保持部材10Aに突設されたストッパー22Aは、回動に抵抗すべく、固定部材20Aの固定端固定領域29近傍と当接し、固定部材20Aに対して力(当接力)が付与される。そして、当該当接力が固定端固定領域29に伝達される。
つまり、慣性力Fが保持部材10Aに対して作用した場合、移動端固定領域19を図中下側に押し下げる外力(慣性力)が、移動端固定領域19とストッパー22Aとを連結する腕部10Aa、及びストッパー22Aによって、固定端固定領域29に対して伝達される。
そして、固定部材20Aのネジ23によって撮像装置1に対して固定される部位20aと、SMA30が固定される固定端固定領域29とを繋ぐ部位20bによって構成される腕部25に変形が生じる。つまり、ストッパー22Aと固定部材20Aとが当接している状態で、ストッパー22Aが腕部25の先端部近傍を押すことにより、腕部25が変形する。なお、ここでも、腕部25の剛性よりもストッパー22Aの剛性の方が大きくなるように、固定部材20A及びストッパー22Aの剛性が調整されているものとする。
そして、図3(b)に示すように、腕部25に変形が生じると、第1実施形態と同様に、保持部材10Aが図中の反時計回りに回動するため、SMA30の移動端部30aには、SMA30の長さを増大させる方向に変位d1が生じ、SMA30の固定端部30bには、腕部25の変形により、SMA30を短くする方向に変位d2が生じる。
このような変位d2の発生により、SMAの伸び量は第2実施形態に係るSMA30の方が、従来技術に係るSMA130よりも小さく、SMAの過大な伸びを効果的に防止することができる。
以上のような構成により、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
<第3実施形態>
第1及び第2実施形態に係るレンズ駆動機構100,100Aでは、慣性力Fが手振れ補正レンズ5に与えられた場合に、移動端固定領域19に掛かる外力(慣性力)を、固定端固定領域29に対して伝達することで、SMA30の過大な伸びを防止した。これに対して、第3実施形態に係るレンズ駆動機構100Bでは、移動端固定領域19に掛かる外力(慣性力)を、固定端固定領域29に対して伝達する構成が異なっている。
以下、図4を参照しつつ、第3実施形態に係るレンズ駆動機構100Bについて説明する。なお、第3実施形態に係るレンズ駆動機構100Bのうち、第1実施形態に係るレンズ駆動機構100と同様な部分については、同様な符号を付して説明を省略する。
図4(a)に示すように、レンズ駆動機構100Bでは、固定部材20Bが、ネジ23によって撮像装置1に対して固定される直線状かつ棒状の部位20Baと、直線状かつ棒状の部位20Bbとを備えて構成される。また、固定部材20Bは、部位20Baが部位20Bbの長手方向中央付近に連結されたようなT字状の形態を有する。更に、後述する変形を容易とするために、部位20Baのうちの部位20Bbに対して連結される領域付近に大きなくびれ部KBが設けられている。
また、保持部材10Bは、回動軸21により固定部材20Bの部位20Baに対して回動自在に保持される。そして、保持部材10Bは、回動軸21によって固定部材20Bに対して回動自在に保持される直線状かつ棒状の部位10Bbと、部位10Bbの一端に対して連結されて手振れ補正レンズ5を保持する輪状の部位10Baと、部位10Bbの他端に対して部位10Bbに対して略垂直に連結されてストッパー22Bが突設される部位10Bcとを備えて構成される。
SMA30は、その一端(移動端部)30aが、保持部材10Bの部位10Bbに対して、その他端(固定端部)30bが、固定部材20Bの部位20Bbの一端側に取り付けられることで、保持部材10Bと固定部材20Bとの間に架設されている。具体的には、SMA30は、保持部材10Bの移動端固定領域19と、固定部材20Bの固定端固定領域29との間に架設されている。
コイルスプリング31は、その一端が保持部材10Bに取り付けられ、その他端が例えば撮像装置1に含まれる撮影レンズユニット2の本体に固定される弾性部材である。
そして、保持部材10Bに対するSMA30の引張力が小さな場合には、コイルスプリング31の引張力が保持部材10Bを図中反時計回りに回動するように引張り、固定部材20Bに含まれる部位20Bbのうちの固定端固定領域29とは反対側の端部の領域28とストッパー22Bとが当接する。当該当接により、ストッパー22Bは、手振れ補正レンズ5の駆動範囲を制限する。また、SMA30の伸縮制御及びコイルスプリング31により、固定部材20Bを基準として、保持部材10Bを回動させることができる。
ここで、レンズ駆動機構100Bに対して、SMA30を伸ばすような方向の衝撃が加わった場合について、図4(b)を参照しつつ説明する。なお、ここでは、第1実施形態と同様に、説明を簡略化するために、手振れ補正レンズ5に係る慣性力Fのみを考え、その他の各部材の質量に係る慣性力は小さいものとして無視する。
図4(b)に示すように、手振れ補正レンズ5に対して慣性力Fが働くと、保持部材10Bは図中の反時計回りに回動しようとする。このとき、保持部材10Bに突設されたストッパー22Bは、回動に抵抗すべく、固定部材20Bの領域28と当接し、固定部材20Bに対して力(当接力)を付与する。そして、当該当接力が領域28に伝達される。
つまり、慣性力Fが保持部材10Bに対して作用した場合、移動端固定領域19を図中下側に押し下げる外力(慣性力)が、保持部材10Bの部位10Bb、ストッパー22B、及び固定部材20Bの部位20Bbによって、固定端固定領域29に対して伝達される。
そして、固定部材20Bのネジ23によって撮像装置1に対して固定される部位20Baと、部位20Bbとが連結される部分で変形が生じる。つまり、ストッパー22Bと固定部材20Bとが当接している状態で、ストッパー22Bが固定部材20Bの領域28を押すことで、固定部材20Bが変形する。なお、ここでは、固定部材20Bのくびれ部KBの剛性よりも保持部材10Bや部位20Bbやストッパー22Bの剛性の方が大きくなるように、保持部材10B、固定部材20B及びストッパー22Bの剛性が調整されているものとする。
そして、図4(b)に示すように、固定部材20Bに変形が生じると、保持部材10Bが図中の反時計回りに回動するため、SMA30の移動端部30aには、SMA30の長さを増大させる方向に変位d1が生じ、SMA30の固定端部30bには、固定部材20Bの変形により、SMA30を短くする方向に変位d2が生じる。
このような変位d2の発生により、SMAの伸び量は第3実施形態に係るSMA30の方が、従来技術に係るSMA130よりも小さく、SMAの過大な伸びを効果的に防止することができる。
以上のような構成により、第1及び第2実施形態と同様な効果を得ることができる。
<第4実施形態>
第1実施形態に係るレンズ駆動機構100では、慣性力Fが保持部材10に対して作用した場合、保持部材10からストッパー22に掛かる力を、固定端固定領域29に対して伝達する部位が固体部材20に含まれる部位20cであった。これに対して、第4実施形態に係るレンズ駆動機構100Cでは、保持部材10からストッパー22に掛かる力を固定端固定領域29に対して伝達する部位(「作用伝達部」とも称する)が固体部材20Cにも保持部材10にも含まれない異なる部材によって構成されている。
以下、図5を参照しつつ、第4実施形態に係るレンズ駆動機構100Cのうち、第1実施形態に係るレンズ駆動機構100と異なる点について説明する。なお、第4実施形態に係るレンズ駆動機構100Cでは、第1実施形態に係るレンズ駆動機構100と同様となる部分が多いため、同様な部分には同様な符号を付して、説明を省略する。
図5(a)に示すように、レンズ駆動機構100Cでは、固定部材20Cが、第1実施形態に係る固定部材20から部位20cが取り除かれたL字状の部材となり、部位20cの代わりに、連結用部材40が設けられている。連結用部材40は、その一端側が回動軸26によって固定部材20の固定端固定領域29付近に回動自在に保持され、その他端側にストッパー22が突設されている。
そして、保持部材10に対するSMA30の引張力が小さな場合には、コイルスプリング31の引張力が保持部材10を図中下側に引張り、保持部材10のうちの移動端固定領域19の近傍とストッパー22とが当接する。当該当接により、ストッパー22は、手振れ補正レンズ5の駆動範囲を制限する。また、第1実施形態に係るレンズ駆動機構100と同様に、SMA30及びコイルスプリング31により、固定部材20Cを基準として、保持部材10を回動させることができる。
ここで、レンズ駆動機構100Cに対して、SMA30を伸ばすような方向の衝撃が加わった場合について、図5(b)を参照しつつ説明する。なお、ここでは、第1実施形態と同様に、説明を簡略化するために、手振れ補正レンズ5に係る慣性力Fのみを考え、その他の各部材の質量に係る慣性力は小さいものとして無視する。
図5(b)に示すように、手振れ補正レンズ5に対して慣性力Fが働くと、保持部材10は図中の反時計回りに回動しようとする。このとき、連結用部材40に突設されたストッパー22は、回動に抵抗すべく、保持部材10と当接し、保持部材10から力(当接力)を受ける。この当接力は、ストッパー22が設けられた連結用部材40及び回動軸26によって固定端固定領域29に伝達される。
つまり、慣性力Fが保持部材10に対して作用した場合、移動端固定領域19を図中下側に押し下げる外力(慣性力)が、ストッパー22と、連結用部材40と、回動軸26とによって、固定端固定領域29に対して伝達される。換言すれば、連結用部材40が、回動軸26及びストッパー22を介して、外力を移動端固定領域19から固定端固定領域29に対して伝達可能に、保持部材10と固定部材20Cとを連結する。
そして、固定部材20のネジ23によって撮像装置1に対して固定される部位20aと、SMA30が固定される固定端固定領域29とを繋ぐ部位20bによって構成される腕部25に変形が生じる。つまり、ストッパー22と保持部材10とが当接している状態で、連結用部材40が回動軸26を介して腕部25の先端部近傍を引っ張ることにより、腕部25が変形する。なお、ここでも、腕部25の剛性よりもストッパー22の剛性の方が大きくなるように、固定部材20C及びストッパー22の剛性が調整されているものとする。
そして、図5(b)に示すように、腕部25に変形が生じると、第1実施形態と同様に、保持部材10が図中の反時計回りに回動するため、SMA30の移動端部30aには、SMA30の長さを増大させる方向に変位d1が生じ、SMA30の固定端部30bには、腕部25の変形により、SMA30を短くする方向に変位d2が生じる。
このような変位d2の発生により、SMAの伸び量は第4実施形態に係るSMA30の方が、従来技術に係るSMA130よりも小さく、SMAの過大な伸びを効果的に防止することができる。
以上のような構成により、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
また、第4実施形態に係るレンズ駆動機構100Cでは、保持部材10のうちのSMA30を固定する移動端固定領域19に作用する外力を固定端固定領域29に伝達する部位を、固定部材20Cと保持部材10とは異なる連結用部材40によって構成する。このため、レンズ駆動機構100Cを構成する部材の形状を全体として簡略化することができるため、部材の製造を簡単に行うことができる。
また、保持部材10と固定部材20Cと連結用部材40とを別部材としているため、部材同士が干渉し合わないように構成するための配置を行い易い。その結果、レンズ駆動機構100Cを構成する部材の製造の簡素化にも資する。
<第5実施形態>
第1実施形態に係るレンズ駆動機構100では、慣性力Fが保持部材10に対して作用した場合、移動端固定領域19に掛かる力を固定端固定領域29に対して伝達する部位が、固体部材20に含まれる部位20cであった。これに対して、第5実施形態に係るレンズ駆動機構100Dでは、移動端固定領域19にかかる力を固定端固定領域29に対して伝達する部位が、固体部材20Dにも保持部材10にも含まれない異なる部材である紐状の部材によって構成されている。
以下、図6を参照しつつ、第5実施形態に係るレンズ駆動機構100Dのうち、第1実施形態に係るレンズ駆動機構100と異なる点について説明する。なお、第5実施形態に係るレンズ駆動機構100Dでは、第1実施形態に係るレンズ駆動機構100と同様となる部分が多いため、同様な部分には同様な符号を付して、説明を省略する。
図6(a)に示すように、レンズ駆動機構100Dでは、固定部材20Dが、第1実施形態に係る固定部材20から部位20cが取り除かれたL字状の部材となり、部位20cの代わりに、紐状の部材(紐状部材)50が設けられている。紐状部材50は、その一端側が固定部材20Dの固定端固定領域29付近に取り付けられ、その他端側が保持部材10の移動端固定領域19付近に取り付けられている。つまり、紐状部材50が、移動端固定領域19近傍と、固定端固定領域29近傍との間に架設されている。また、紐状部材50は、ストッパーとしての役割も果たす。
そして、保持部材10に対するSMA30の引張力が小さな場合には、コイルスプリング31の引張力が保持部材10を図中下側に引張り、紐状部材50が保持部材10に対して引張力(抵抗力)を加えた緊張状態となる。当該緊張状態により、紐状部材50は、手振れ補正レンズ5の駆動範囲を制限する。一方、SMA30が、コイルスプリング31による引張力に打ち勝って、保持部材10を回動軸21を中心として図中の時計回りに回動させると、紐状部材50の緊張状態が解除され、紐状部材50が保持部材10に対して引張力を及ぼさない状態となる。つまり、このように緊張状態が解除されることで、紐状部材50は、SMA30の伸縮による保持部材10の回動を阻害しない状態となる。
また、第1実施形態に係るレンズ駆動機構100と同様に、SMA30及びコイルスプリング31により、固定部材20Dを基準として、保持部材10を回動させることができる。
ここで、レンズ駆動機構100Dに対して、SMA30を伸ばすような方向の衝撃が加わった場合について、図6(b)を参照しつつ説明する。なお、ここでは、第1実施形態と同様に、説明を簡略化するために、手振れ補正レンズ5に係る慣性力Fのみを考え、その他の各部材の質量に係る慣性力は小さいものとして無視する。
図6(b)に示すように、手振れ補正レンズ5に対して慣性力Fが働くと、保持部材10は図中の反時計回りに回動しようとする。このとき、紐状部材50は、回動に抵抗すべく、緊張状態となり、保持部材10の移動端固定領域19付近から付与される引張力を固定部材20Dの固定端固定領域29付近に伝達する。つまり、慣性力Fが保持部材10に対して作用した場合、移動端固定領域19を図中下側に押し下げる外力(慣性力)が、紐状部材50によって、固定端固定領域29に対して伝達される。
そして、固定部材20Dのネジ23によって撮像装置1に対して固定される部位20aと、SMA30が固定される固定端固定領域29とを繋ぐ部位20bによって構成される腕部25に変形が生じる。つまり、紐状部材50が緊張状態で、紐状部材50が、腕部25の先端部近傍を引っ張ることにより、腕部25が変形する。
そして、図6(b)に示すように、腕部25に変形が生じると、第1実施形態と同様に、保持部材10が図中の反時計回りに回動するため、SMA30の移動端部30aには、SMA30の長さを増大させる方向に変位d1が生じ、SMA30の固定端部30bには、腕部25の変形により、SMA30を短くする方向に変位d2が生じる。
このように変位d2の発生により、SMAの伸び量は第5実施形態に係るSMA30の方が、従来技術に係るSMA130よりも小さく、SMAの過大な伸びを効果的に防止することができる。
以上のような構成により、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
また、第5実施形態に係るレンズ駆動機構100Dでは、保持部材10のうちのSMA30を固定する移動端固定領域19に作用する外力を固定端固定領域29に伝達する部位を、固定部材20Dと保持部材10とは異なる紐状部材50によって構成する。そして、この紐状部材50は、緊張状態となると保持部材10に対して引張力を加え、保持部材10の駆動範囲を制限するストッパーとして働く。さらに、紐状部材50は、緊張状態が解除されると、保持部材10に対して引張力を及ぼさない状態となる。このような構成により、レンズ駆動機構100Dの構成を簡略化することができる。また、レンズ駆動機構100Dを構成する部材の形状を全体として簡略化することができるため、部材の製造を簡単に行うことができる。更に、紐状部材50は小型の部材であるため、レンズ駆動機構100Dの小型化を実現することができる。
また、部材同士が干渉し合わないように構成するための配置を行い易い。したがって、レンズ駆動機構100Dを構成する部材の製造の簡素化に資する。
<第6実施形態>
第1から第5実施形態に係るレンズ駆動機構100,100A〜100Dでは、移動端固定領域19に作用する外力を、固定端固定領域29に伝達することで、SMA30の両端である移動端部30aと固定端部30bとの距離が変化しないようにした。これに対して、第6実施形態のレンズ駆動機構100Eでは、保持部材と、保持部材の駆動範囲を制限するストッパーと、SMAとが配置される位置関係を工夫することで、レンズ駆動機構100Eに対して衝撃力等の外力が加わった場合でも、SMAが過大な伸びを生じないようにしている。
以下、図7を参照しつつ、第6実施形態に係るレンズ駆動機構100Eのうち、第1実施形態に係るレンズ駆動機構100と異なる点について説明する。なお、第6実施形態に係るレンズ駆動機構100Eでは、第1実施形態に係るレンズ駆動機構100と同様となる部分が多いため、同様な部分には同様な符号を付して、説明を省略する。
図7(a)に示すように、レンズ駆動機構100Eでは、固定部材20Eが、第1実施形態に係る固定部材20から部位20cが取り除かれたL字状の部材となっている。そして、SMA30が、固定部材20Eの部位20bに取り付けられている。
また、保持部材10は、回動軸21によって固定部材20Eに対して回動自在に保持される直線状かつ棒状の部位10Eaと、部位10Eaの一端に対して連結されて手振れ補正レンズ5を保持する輪状の部位10Ebとを備えて構成される。また、部位10Eaは、部位10Ebが連結される側とは反対側の端部付近において、回動軸21によって固定部材20Eに対して回動自在に保持される。
そして、部位10Eaでは、その長手方向において、回動軸21によって固定部材20Eに対して回動自在に保持される領域(以下「回動軸保持領域」とも称する)17と、SMA30が取り付けられて固定される領域(移動端固定領域)19と、ストッパー22Eと当接する位置の近傍領域(以下「ストッパー当接領域」とも称する)18と、部位10Ebと連結する領域(以下「輪状部位連結領域」とも称する)16とが、順にほぼ等間隔に配置されている。
なお、コイルスプリング31は、その一端が保持部材10の移動端固定領域19の近傍に取り付けられ、その他端が例えば撮像装置1に含まれる撮影レンズユニット2の本体に固定されている。また、ストッパー22Eは、例えば撮像装置1に含まれる撮影レンズユニット2の本体に固定されている。
そして、保持部材10に対するSMA30の引張力が小さな場合には、コイルスプリング31の引張力が保持部材10を図中下側に引張り、保持部材10のうちの移動端固定領域19と輪状部位連結領域16との略中間に配置されるストッパー当接領域18とストッパー22Eとが当接する。
また、保持部材10と手振れ補正レンズ5とが一体の移動体70となって、SMA30の伸縮により、固定部材20Eに対する相対的な位置関係が変更される。そして、ここで、手振れ補正レンズ5の重量が保持部材10よりも遙かに大きいものとし、例えば、移動体70の重心が輪状部位連結領域16よりも手振れ補正レンズ5側にあるものとする。つまり、レンズ駆動機構100Eでは、保持部材10のうちのストッパー22Eと当接するストッパー当接領域18が、手振れ補正レンズ5と保持部材10とを含む移動体70の重心位置と、移動端固定領域19との間に位置している。
また、第1実施形態に係るレンズ駆動機構100と同様に、SMA30及びコイルスプリング31により、固定部材20Eを基準として、保持部材10を回動させることができる。
ここで、衝撃力等の外力がレンズ駆動機構100Eに対して加わった場合について、図7(b)を参照しつつ説明する。なお、ここでは、第1実施形態と同様に、説明を簡略化するために、手振れ補正レンズ5に係る慣性力Fのみを考え、その他の各部材の質量に係る慣性力は小さいものとして無視する。
図7(b)に示すように、手振れ補正レンズ5に対して図中下側に慣性力Fが働くと、保持部材10は図中の反時計回りに回動しようとする。このとき、保持部材10がストッパー22Eに対して当接し、保持部材10は回動を規制される。そして、部位(以下「腕部」とも称する)10Eaは、慣性力Fと当接力とによって、ストッパー22Eと当接するストッパー当接領域18付近を支点として、手振れ補正レンズ5側が図中下方に撓むように弾性変形する。そして、当該弾性変形による反力により、腕部10Eaのうちの回動軸21側では、回動軸保持領域17とストッパー当接領域18とが略固定された状態で、移動端固定領域19付近が図中上方に撓むように弾性変形する。
このように、移動端固定領域19付近が図中上方に撓むように弾性変形することで、SMA30の移動端部30aにおいて、SMA30の長さが短くなる方向に変位d3が生じる。このような変位d3の発生により、SMA30の過大な伸びを効果的に防止することができる。
なお、ここでは、当接力によってストッパー22Eが大きく変形したりすることのないように、慣性力Fにより形状が変形する腕部10Eaの剛性よりも、当接力を受けるストッパー22Eの剛性の方が大きくなるように、保持部材10及びストッパー22Eの剛性が調整されているものとする。
以上説明したように、第6実施形態に係るレンズ駆動機構100Eでは、手振れ補正レンズ5の駆動範囲を制限するストッパー22Eと当接するストッパー当接領域18が、手振れ補正レンズ5と保持部材10とを含む移動体70の重心位置と、移動端固定領域19との間に位置する。このような構成により、SMA30とコイルスプリング31とによって及ぼされる駆動力以外の外力によって、SMA30の長さの増大を低減するように、保持部材10上のうちのSMA30によって引張力が付与される移動端固定領域19が変位される。つまり、SMA30が引き延ばされる方向に力が働かないようにすることができるため、SMA30の許容応力を超えるような過大な伸びを防止することができ、SMA30を保護することができる。
したがって、簡素かつ小型の構成で、SMA30の過大な伸びを防止するとともに、駆動対象物である手振れ補正レンズ5の任意位置への停止やサーボ制御等のような高度な動作を行うことができる。
<第7実施形態>
第6実施形態に係るレンズ駆動機構100Eでは、保持部材10と、ストッパー22Eと、SMA30とが配置される位置関係を工夫することで、レンズ駆動機構100Eに対して衝撃力等の外力が加わった場合でも、SMA30が過大な伸びを生じないようにした。この第6実施形態に係るレンズ駆動機構100Eに対して、第7実施形態に係るレンズ駆動機構100Fでは、保持部材10と、ストッパー22Fと、SMA30とが配置される位置関係が異なっている。
以下、図8を参照しつつ、第7実施形態に係るレンズ駆動機構100Fのうち、第6実施形態に係るレンズ駆動機構100Eと異なる点について説明する。なお、第7実施形態に係るレンズ駆動機構100Fでは、第6実施形態に係るレンズ駆動機構100Eと同様となる部分が多いため、同様な部分には同様な符号を付して、説明を省略する。
図8(a)に示すように、固定部材20Fは、第6実施形態に係る固定部材20Eと同様な構成となる。一方、保持部材10Fは、手振れ補正レンズ5を保持する輪状の部位(輪状部位)10Faを備え、更に、輪状部位10Faのうちの手振れ補正レンズ5を保持する面の反対側の面(外面)において第1の腕部10Fbと第2の腕部10Fcとが突設されている。
第1の腕部10Fbは、略直線状かつ棒状の部位であり、輪状部位10Faに対して連結される領域(第1輪状部位連結領域)16Fa側とは反対側の端部付近において回動軸21によって固定部材20Fに対して回動自在に保持される。
また、第2の腕部10Fcは、輪状部位10Faのうちの第1の腕部10Fbが設けられる側に対して略反対側の外面に突設されている。そして、第2の腕部10Fcは、輪状部位10Faに対して連結される領域(第2輪状部位連結領域)16Fb側とは反対側の端部付近においてSMA30が取り付け固定される領域(移動端固定領域)19Fを有する。また、第2の腕部10Fcでは、輪状部位10Faに対して連結する第2輪状部位連結領域16Fbと、ストッパー22Eと当接する位置の近傍領域(ストッパー当接領域)18Fと、移動端固定領域19Fとが略等間隔に配置されている。
なお、コイルスプリング31は、その一端が保持部材10Fの移動端固定領域19の近傍に取り付けられ、その他端が例えば撮像装置1に含まれる撮影レンズユニット2の本体に固定されている。また、ストッパー22Fは、例えば撮像装置1に含まれる撮影レンズユニット2の本体に固定されている。
そして、保持部材10Fに対するSMA30の引張力が小さな場合には、コイルスプリング31の引張力が保持部材10Fを図中下側に引張り、保持部材10Fのうちの移動端固定領域19Fと第2輪状部位連結領域16Fbとの略中間に配置されるストッパー当接領域18Fとストッパー22Fとが当接する。
また、保持部材10Fと手振れ補正レンズ5とが一体の移動体70Fとなって、SMA30の伸縮により、固定部材20Fに対する相対的な位置関係が変更される。
そして、ここで、手振れ補正レンズ5の重量が保持部材10Fよりも遙かに大きいものとすると、例えば、移動体70Fの重心が手振れ補正レンズ5付近となる。つまり、レンズ駆動機構100Fでは、保持部材10Fのうちのストッパー22Fと当接するストッパー当接領域18Fが、手振れ補正レンズ5と保持部材10Fとを含む移動体70Fの重心位置と、移動端固定領域19Fとの間に位置している。
また、第6実施形態に係るレンズ駆動機構100Eと同様に、SMA30及びコイルスプリング31により、固定部材20Fを基準として、保持部材10Fを回動させることができる。
ここで、衝撃力等の外力がレンズ駆動機構100Fに対して加わった場合について、図8(b)を参照しつつ説明する。なお、ここでは、第6実施形態と同様に、説明を簡略化するために、手振れ補正レンズ5に係る慣性力Fのみを考え、その他の各部材の質量に係る慣性力は小さいものとして無視する。
図8(b)に示すように、手振れ補正レンズ5に対して図中下側に慣性力Fが働くと、保持部材10Fは図中の反時計回りに回動しようとする。このとき、保持部材10Fがストッパー22Fに対して当接し、保持部材10Fは回動を規制される。そして、保持部材10Fは、回動軸21によって固定部材20Fに対して回動自在に保持される領域(回動軸保持領域)17Fとストッパー当接領域18Fとがほぼ固定された状態で、輪状部位10Faが図中下方に撓むように変形する。
このとき、第2の腕部10Fcに着目すると、第2の腕部10Fcは、慣性力Fと当接力とによって、ストッパー22Fと当接するストッパー当接領域18F付近を支点として、手振れ補正レンズ5側が図中下方に撓むように弾性変形する。そして、当該弾性変形に対する反力により、第2の腕部10Fcは、移動端固定領域19F付近が図中上方に撓むように弾性変形する。
このように、移動端固定領域19F付近が図中上方に撓むように弾性変形することで、SMA30の移動端部30aにおいて、SMA30の長さが短くなる方向に変位d3が生じる。このような変位d3の発生により、SMA30の過大な伸びを効果的に防止することができる。
なお、ここでは、当接力によってストッパー22Fが大きく変形したりすることのないように、慣性力Fにより形状が変形する第1及び第2の腕部10Fb,10Fcの剛性よりも、当接力を受けるストッパー22Fの剛性の方が大きくなるように、保持部材10F及びストッパー22Fの剛性が調整されているものとする。
以上のような構成により、第6実施形態と同様な効果を得ることができる。
<変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
◎例えば、上述した実施形態では、SMAがワイヤ状のものであったが、これに限られず、例えば、SMAは帯状のもの等、他の形状であっても良い。但し、ワイヤ状のものの方が、電力消費量が少なくて済み、加熱、冷却を迅速に行うことができるため、駆動対象を迅速に駆動させることができる。また、レンズ駆動機構の小型化にも有利である。
◎また、上述した実施形態では、撮像装置の手振れ補正レンズを駆動させるレンズ駆動機構を例に挙げて説明したが、これに限られず、本発明に係る駆動機構を、例えば、MDプレーヤーやPDA等といった携帯式等の各種小型機器の駆動機構に適用しても良い。
撮像装置や携帯電話機等、各種小型機器等は、小型化が指向されており、更に、携帯式であることが多いため、誤って落としてしまうといった場面も多い。よって、撮像装置等の各種小型機器等では、本発明に係る駆動機構を適用することは、極めて有効的である。
◎また、第6,第7実施形態に係るレンズ駆動機構100E,100Fでは、保持部材10,10Fの棒状の部位がストッパー22E,22Fと当接することで、駆動範囲を制限したが、これに限られず、例えば、保持部材10,10Fに突起部を設けて、当該突起部と、撮影レンズユニット2等に固定された種々の形状のストッパーとが当接することで、駆動範囲が制限されるようにしても良い。
撮像装置の概略構成を示す模式図である。 第1実施形態に係るレンズ駆動機構を示す模式図である。 第2実施形態に係るレンズ駆動機構を示す模式図である。 第3実施形態に係るレンズ駆動機構を示す模式図である。 第4実施形態に係るレンズ駆動機構を示す模式図である。 第5実施形態に係るレンズ駆動機構を示す模式図である。 第6実施形態に係るレンズ駆動機構を示す模式図である。 第7実施形態に係るレンズ駆動機構を示す模式図である。 撮像装置に用いられるレンズ駆動機構を示す模式図である。
符号の説明
1 撮像装置
5 手振れ補正レンズ
10,10A,10B,10F 保持部材
10Aa,10Ba〜10Bc,10Ea,10Eb,10Fa〜10Fc 部位
18E,18F ストッパー当接領域
19,19F 移動端固定領域
20,20A,20B,20C,20D,20E,20F 固定部材
20a,20b,20c,20Ba,20Bb 部位
21,26 回動軸
22,22A,22B,22E,22F ストッパー
29,29F 固定端固定領域
30 形状記憶合金
31 コイルスプリング
40 連結部材
50 紐状部材
70,70F 移動体
100,100A〜100F レンズ駆動機構
F 慣性力

Claims (13)

  1. 所定の装置に固定される固定部と、駆動対象物を保持する保持部との間に架設された形状記憶合金の伸縮を利用して、前記固定部に対する前記駆動対象物の相対的な位置を変更するように、当該駆動対象物を駆動させる駆動機構であって、
    前記形状記憶合金が前記保持部に対して与える力に抗する力を、前記保持部に対して与えることで、前記固定部に対する前記駆動対象物の相対的な位置を変更する抗力付与手段と、
    前記形状記憶合金の延伸方向に対して、前記形状記憶合金と前記抗力付与手段とによる前記駆動対象物に対する駆動力以外の外力が前記保持部に作用した場合、前記保持部のうちの前記形状記憶合金を固定する第1の固定領域に作用する外力を、前記固定部のうちの前記形状記憶合金を固定する第2の固定領域に伝達する作用伝達部と、
    を備えることを特徴とする駆動機構。
  2. 請求項1に記載の駆動機構であって、
    前記作用伝達部が、
    前記固定部と前記保持部とは異なる部材によって構成されることを特徴とする駆動機構。
  3. 請求項1または請求項2に記載の駆動機構であって、
    前記保持部のうちの前記第1の固定領域近傍と当接することで前記駆動対象物の駆動範囲を制限するストッパー、
    を備え、
    前記作用伝達部が、
    前記ストッパーと、
    前記形状記憶合金の長手方向に対して略平行でかつ、前記第2の固定領域と前記ストッパーとを連結する連結部と、
    を有することを特徴とする駆動機構。
  4. 請求項3に記載の駆動機構であって、
    前記ストッパーが、
    前記固定部に設けられ、
    前記連結部が、
    前記固定部に含まれることを特徴とする駆動機構。
  5. 請求項3に記載の駆動機構であって、
    前記連結部が、
    前記固定部とは異なる別部材を用いて構成されることを特徴とする駆動機構。
  6. 請求項1または請求項2に記載の駆動機構であって、
    前記保持部に設けられ、前記固定部のうちの前記第2の固定領域近傍と当接することで前記駆動対象物の駆動範囲を制限するストッパー、
    を備え、
    前記作用伝達部が、
    前記ストッパーと、
    前記形状記憶合金の長手方向に対して略平行でかつ、前記第1の固定領域と前記ストッパーとを連結する連結部と、
    を有することを特徴とする駆動機構。
  7. 請求項6に記載の駆動機構であって、
    前記連結部が、
    前記保持部に含まれることを特徴とする駆動機構。
  8. 請求項2に記載の駆動機構であって、
    前記作用伝達部が、
    前記保持部のうちの前記第1の固定領域近傍と、前記固定部のうちの前記第2の固定領域近傍との間に架設された紐状部材を含み、
    前記紐状部材が、
    長手方向に引っ張られた緊張状態となると、前記駆動対象物の駆動範囲を制限するストッパーとして働き、前記緊張状態が解除されると、前記保持部に対して力を及ぼさないことを特徴とする駆動機構。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の駆動機構であって、
    前記外力が、
    前記所定の装置に対する衝撃によって生じる前記駆動対象物に係る慣性力であることを特徴とする駆動機構。
  10. 請求項1に記載の駆動機構であって、
    前記作用伝達部が、
    前記駆動力以外の外力による前記第1の固定領域の移動によって前記形状記憶合金が伸縮するのを減縮または打ち消すように、前記第1の固定領域に作用する外力を前記第2の固定領域に伝達することを特徴とする駆動機構。
  11. 所定の装置に固定される固定部と、駆動対象物を保持する保持部との間に架設された形状記憶合金の伸縮を利用して、前記固定部に対する前記駆動対象物の相対的な位置を変更するように、当該駆動対象物を駆動させる駆動機構であって、
    前記保持部と当接することで前記駆動対象物の駆動範囲を制限するストッパー、
    を備え、
    前記保持部が、
    前記形状記憶合金を固定する第1の固定領域と、
    前記ストッパーと当接する当接領域と、
    を有し、
    前記当接領域が、
    前記駆動対象物と前記保持部とを含む移動体の重心位置と、前記第1の固定領域との間に位置することを特徴とする駆動機構。
  12. 請求項1から請求項11のいずれかに記載の駆動機構と、当該駆動機構によって駆動される前記駆動対象物に含まれるレンズと、を備えることを特徴とするレンズ駆動機構。
  13. 請求項12に記載のレンズ駆動機構を備えることを特徴とする撮像装置。
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