JP2005195998A - レンズ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 小型化することのできるレンズ駆動装置を提供する。
【解決手段】 鏡筒13は移動レンズを収容している。カム筒14は鏡筒13の外側に回動可能に設けられ、回動に伴って移動レンズ11を光軸方向に案内するカム構造を内側に備えている。形上記憶合金線16は、線長の変化によってカム筒14を回動させるようにカム筒14の外側に螺旋状に巻き付けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】 鏡筒13は移動レンズを収容している。カム筒14は鏡筒13の外側に回動可能に設けられ、回動に伴って移動レンズ11を光軸方向に案内するカム構造を内側に備えている。形上記憶合金線16は、線長の変化によってカム筒14を回動させるようにカム筒14の外側に螺旋状に巻き付けられている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、カムを備えたレンズ駆動装置に関するものである。
従来より、カム式のレンズ駆動装置は例えばズーム機能付きカメラ装置に備えられている。この種のレンズ駆動装置は、駆動源としてDCモータまたはステッピングモータ等のモータと、モータの回転力が減速機構を介して伝えられるカムとを備え、カムにならってレンズを移動させている(例えば特許文献1参照)。
また、レンズの光軸に沿うように配置された形状記憶合金製のばねを備え、ばねの伸縮でレンズを移動するレンズ駆動装置が提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開平11−174311号公報(第2−3ページ、図1)
特開平9−127398号公報(第2−3ページ、図5)
しかしながら、従来のカムによるレンズ駆動装置は、カムを機能させるためにモータおよびその減速機構が必要であり、それらのスペースの確保が必要とされると共に、モータ等の機構が複雑であり、そのために、装置の小型化が容易でなかった。また、従来の形状記憶合金製のばねを備えるレンズ駆動装置は、カム機構には適合していなかった。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、小型化が可能なレンズ駆動装置を提供することにある。
本発明のレンズ駆動装置は、移動レンズを収容した鏡筒と、前記鏡筒の外側に回動可能に設けられ、回動に伴って前記移動レンズを光軸方向に案内するカム構造を内側に備えたカム筒と、線長の変化によって前記カム筒を回動させるように前記カム筒の外側に巻き付けられた形状記憶合金線とを備えている。
この構成により、形状記憶合金線をカム筒に巻き付けることで線長を長くでき、したがって小さい歪み率でも線長変化量を大きくでき、線長の変化によりカム筒を回動し、カム筒の回動によりレンズを移動できる。鏡筒の外にカム筒を被せ、カム筒に線材を巻き付けるという簡単でスペースをとらない構成でもってレンズを移動できるので、レンズ駆動装置の小型化が可能である。好ましくは、形状記憶合金線はカム筒に複数周回巻き付けられ、これにより線長を長くでき、さらに形状記憶合金線はカム筒に螺旋状に巻き付けられることが好ましく、線長を好適に長くすることができる。
また、本発明のレンズ駆動装置において、前記移動レンズはレンズ保持枠に保持されており、前記レンズ保持枠からはガイドピンが突出しており、前記鏡筒は、光軸方向に延びるように設けられ前記ガイドピンが貫通する長穴を有し、前記カム筒のカム構造は、前記ガイドピンが挿入されたカム溝を有する。
この構成により、カム筒の回動に伴って、移動レンズを鏡筒の長穴に沿って直線的に、かつ、カム溝の設定通りに移動させることができ、移動レンズの好適に移動させることができる。
本発明のレンズ駆動装置は、カム筒の外側に螺旋溝を設け、この螺旋溝に形状記憶合金線を巻き付けてもよい。この構成により、螺旋溝に形状記憶合金線を納めるのでさらなる小型化が図れる。
また、螺旋溝にUターン部を設け、Uターン形状にしてもよい。この構成により、形状記憶合金線をUターンさせるので、形状記憶合金線の両端を互いに近くに位置させることができ、形状記憶合金線に電源を接続する構成を簡単にでき、装置の簡素化とそれによる小型化を図れる。
また、形状記憶合金線の線長変化による回動方向と反対方向にカム筒を付勢する付勢手段を設けてもよい。この構成により、形状記憶合金線と付勢手段という簡単な構成でカム筒を両方向に回動することができ、レンズ駆動装置の簡素化と小型化が可能である。
また、本発明のレンズ駆動装置は、前記形状記憶合金線に電流を供給するレンズ駆動回路と、前記レンズ駆動回路に制御信号を送るコントローラと、前記コントローラに接続され、前記コントローラから前記レンズ駆動回路に送られる制御信号を変化させて、前記レンズ駆動回路から前記形状記憶合金に供給される電流を変化させる可変抵抗器とを備えた構成を有する。
この構成により、コントローラに可変抵抗器を接続した簡単な制御構成でレンズの位置を制御でき、装置の簡素化とそれによる小型化が可能になる。
また、本発明のレンズ駆動装置において、前記レンズ駆動回路は前記形状記憶合金線に対してPWM通電を行い、前記可変抵抗器は、抵抗値の変化によってPWM通電のパルス間隔を変化させる。
この構成により、可変抵抗器の抵抗値を変えることで、レンズを所望の位置に移動させることができる。
また、本発明のカメラ装置は、上記のレンズ駆動装置を備える。この構成により、本発明の利点がカメラ装置で得られ、カメラ装置の小型化が可能になる。
本発明は、鏡筒の外側にカム筒を設け、カム筒に形状記憶合金線を巻き付けたことにより、簡単な構成でもってレンズを移動でき、簡素化と小型化が可能であるという効果を有するレンズ駆動装置を提供することができるものである。
以下、本発明の実施の形態のレンズ駆動装置について、図面を用いて説明する。
図1および図2は、本発明の実施の形態のレンズ駆動装置の斜視図であり、図3は正面図である。
図1〜図3において、レンズ駆動装置10は、第1移動レンズ11および図示されない第2移動レンズを収容した鏡筒13と、鏡筒13の外側に回動可能に設けられたカム筒14を備えている。カム筒14は、回動に伴って移動レンズを光軸方向に案内するカム構造を内側に備えている。カム筒14の外側には、線長の変化によってカム筒14を回動させるように螺旋状に形状記憶合金線16が巻き付けられている。形状記憶合金線16は、カム筒14の先端付近でUターンしており、両端が鏡筒13の根本付近で固定されている。また、カム筒14の根本付近には、付勢手段としてのスプリング18が取り付けられている。スプリング18は、形状記憶合金線16の線長変化によるカム筒14の回動方向と反対方向にカム筒14を付勢するように取り付けられている。
本実施の形態では、形状記憶合金線16は、カム筒14の外周の2重の螺旋溝20に沿って巻き付けられている。螺旋溝20は、カム筒14の根本付近から始まり、カム筒14を約4周しながら先端へ向かう。そして、螺旋溝20は、先端付近でUターンして、カム筒14の根本へ戻る。螺旋溝20のUターン部には突起22が設けられており、形状記憶合金線16の中央部が突起22にかけられている。形状記憶合金線16は螺旋溝20に埋まっており、カム筒14の外周面からははみ出していない。形状記憶合金線16の両端にはかしめピン24、26がかしめられており、かしめピン24、26が、鏡筒13のベース部の板に設けられた取付穴28、30に圧入固定されている。
形状記憶合金線16は、形状記憶合金からなる線材である。記憶熱処理された形状記憶合金は、低温で変形させても、高温にすると記憶された元の形に戻る性質を持っている。本実施の形態では、形状記憶合金線16は加熱により収縮し、これによりカム筒14は鏡筒13に対して前方から見て時計回りに回動する。
ただし、形状記憶合金は、繰り返し利用できる曲げ方向、ねじり方向、長さ方向の運動ひずみが1%前後と小さい。そこで、本実施の形態は、形状記憶合金線16を螺旋状に巻き付けることで、線長を長くしている。これにより、線長変化量が大きくなり、カム筒14の回動量も大きくなっている。
なお、本実施の形態では、直線状の形状記憶合金線16がカム筒14に巻き付けられている。ただし、本発明はこれに限定されず、例えば、コイル状に成形加工した形状記憶合金線がカム筒に巻き付けられてもよい。
また、スプリング18は下記のようにして取り付けられている。すなわち、カム筒14の根本付近には、突起32が設けられており、突起32と鏡筒13のベース部の板に設けられたばね掛け部34との間にスプリング18が取り付けられている。スプリング18は、形状記憶合金線16によるカム筒14の回動方向と反対方向に、すなわち、前方から見て反時計方向にカム筒14を付勢している。これにより、常温では、形状記憶合金線16のたるみがなく、さらに形状記憶合金線16がスプリング18の張力で伸ばされている。
図4はカム筒14を外した状態のカメラ駆動装置10の斜視図であり、図5はカム筒14の内側を示しており、図6はカメラ駆動装置10の分解図である。これらの図を参照して、カメラ駆動装置10の各部の詳細構成を説明する。
図4において、鏡筒13は、内部構成が見えるように想像線で示されている。鏡筒13は、ベース部40と、ベース部40から前方へ突き出す円筒部42とで構成されている。
ベース部40には、撮像部44と固定レンズ46が収容されている。撮像部44はCCD等の撮像素子を有し、ベース部40に固定されており、そして、撮像部44の前側に固定レンズ46が固定されている。
鏡筒13の円筒部42には、前述のように第1移動レンズ11と第2移動レンズ12が収容されている。第1移動レンズ11が前方側に、第2移動レンズ12が後方側に位置しており、両レンズは下記のように光軸方向にスライド可能に備えられている。
すなわち、第1移動レンズ11は第1レンズ保持枠52に保持されている。第1レンズ保持枠52は円環形状を有し、円環の内側に第1移動レンズ11が固定されている。第1レンズ保持枠52の外径は鏡筒13の円筒部42の内径にほぼ等しく、第1レンズ保持枠52は円筒部42にスライド可能に挿入されている。
第1レンズ保持枠52からはガイドピン54が突出している。図示されないが、ガイドピン54は2本であり、もう一本のガイドピン54は180度反対側に備えられている。ガイドピン54は、円筒部42の前方の半部に光軸方向に設けられた長穴56を貫通しており、長穴56に沿ってスライド可能である。このような構成により、第1移動レンズ11は、第1レンズ保持枠52と共に、円筒部42の前方の半部にて、回転することなく光軸方向にスライド可能である。
第2移動レンズ12も同様の構成により鏡筒13に保持されている。すなわち、第2移動レンズ12は、円環型の第2レンズ保持枠58の内側に保持されており、第2レンズ保持枠58は、鏡筒13の円筒部42の内径にほぼ等しい外径を有し、円筒部42に挿入されている。そして、第2レンズ保持枠58からは、180度離れた位置で2本のガイドピン60が突出しており、ガイドピン60は、円筒部42の後方の半部に光軸方向に設けられた長穴62を貫通しており、長穴62に沿ってスライド可能である。このような構成により、第2移動レンズ12は、第2レンズ保持枠58と共に、円筒部42の後方の半部にて、回転することなく光軸方向にスライド可能である。
その他、鏡筒13の円筒部42の先端付近と根本付近には、カム筒14を取り付けるための円周溝64、66が設けられている。
次に、図5に示すように、カム筒14は分割構造を有し、上カム70と下カム72で構成されている。上カム70と下カム72は半円筒であり、これらが組み合わされることで円筒形のカム筒14が形成される。カム筒14の内径は鏡筒13の円筒部42の外径にほぼ等しく設定されている。
図示のように、上カム70の内周面74および下カム72の内周面76には、第1カム溝78および第2カム溝80が設けられている。第1カム溝78は前方の半部に設けられ、第2カム溝80は後方の半部に設けられている。上カム70と下カム72が鏡筒13の回りに装着され、カム筒14が形成されるとき、第1レンズ保持枠52のガイドピン54が第1カム溝78にスライド可能に挿入され、第2レンズ保持枠58のガイドピン60が第2カム溝80にスライド可能に挿入される。
上記の第1カム溝78は、上カム70および下カム72の前方の半部にて、鏡筒13の長穴56と光軸方向に同じ範囲に、光軸に対して斜めに設けられている。そして、第1カム溝78は、カム筒14が時計方向に回動すると第1レンズ保持枠52が第1移動レンズ11と共に後方(鏡筒13の円筒部42の根本側)に移動し、反時計方向に回動すると前方に移動するように設けられている。
また、第2カム溝80は、上カム70および下カム72の後方の半部にて、鏡筒13の長穴62と光軸方向に同じ範囲に、光軸に対して斜めに設けられている。そして、第2カム溝80は、カム筒14が時計方向に回動すると第2レンズ保持枠58が第2移動レンズ12と共に前方に移動し、反時計方向に回動すると後方に移動するように設けられている。
次に、図6を参照すると、上カム70と下カム72は、鏡筒13の外周面に上下から装着され、接着等により互いに結合され、これによりカム筒14が形成される。鏡筒13の円周溝64、66には、金属線材で成形した止め輪82、84が嵌められる。止め輪82、84がカム筒14の両側に位置し、カム筒14は光軸方向に移動することなく、鏡筒13に回動可能に装着される。
また、上カム70および下カム72にはそれぞれ溝86、88が設けられている。上カム70と下カム72が合わさると、溝70、72が切れ目無く連続し、2重の螺旋溝が形成される。そして、熱処理した形状記憶合金線16は、図1を用いて既に説明したように、下カム72の突起22に掛けられ、螺旋溝に沿って巻き付けられ、両端のかしめピン24、26が鏡筒13のベース部40の板部90に設けられた取付穴28、30に圧入固定される。また、スプリング18は、上カム70の突起32に取り付けられている。
次に、図7は、本実施の形態のレンズ駆動装置10が備えられるカメラ装置92を示している。カメラ装置92は、想像線で示されるハウジング94を備え、ハウジング94にレンズ駆動装置10が収容されている。図示されないが、カメラ装置90は、レンズ駆動装置10以外にも、撮像素子、画像処理回路、電源回路、パンチルト機構等の構成を備える。カメラ装置92は例えば監視カメラまたはモニタリングカメラである。モニタリングカメラは、インターネット等のネットワーク経由で、離れた場所の映像を提供するために用いることができる。
図8は、レンズ駆動装置10の制御装置を示している。制御装置100は、レンズ駆動回路102、コントローラ104および可変抵抗器106を有する。
コントローラ104は、レンズ駆動回路102に接続されており、PWM制御信号を生成し、レンズ駆動回路102に出力する。レンズ駆動回路102は、形状記憶合金線16の両端のかしめピン24、26と接続されており、コントローラ104から供給されるPWM制御信号に従って形状記憶合金線16に対してPWM通電を行う。形状記憶合金線16は、PWM通電によってジュール熱を生じ、このジュール熱で加熱されて収縮し、これによりカム筒14が回動する。
可変抵抗器106は、コントローラ104に外付けされている。可変抵抗器106の抵抗値が変化すると、PWM制御信号が変化し、レンズ駆動回路106から形状記憶合金線16に供給される電流が変化する。
図9はレンズ駆動回路102からのパルス出力を示しており、同図を用いて可変抵抗器106の機能を説明する。
図9において、パルス幅cは、コントローラ104に内蔵されたボリュームによって設定され、固定されている。そして、可変抵抗器106の抵抗値を変えると、パルス間隔dが変化する。これにより形状記憶合金線16への通電時間が変わり、供給電力が変化する。抵抗値が増大すると、パルス間隔が大きくなり、供給電力は小さくなる。抵抗値を小さくするとパルス間隔が短くなって供給電力が増大する。
図10は、可変抵抗器106の抵抗値、パルス間隔、形状記憶合金線16への供給電力およびカム筒14の変位(回動角度)の関係を示している。図示のように、抵抗値を小さくすると、パルス間隔が小さくなり、供給電力が大きくなる。そして、供給電力が大きくなる程、形状記憶合金線16の温度が上昇し、形状記憶合金線16の収縮量が大きくなり、カム筒14の回動量も大きくなる。
図10の例では、電力a〜bの間で、供給電力に応じてカム筒14が変位する。電力bが供給されると、形状記憶合金線16は記憶した長さまで縮み、それ以上は縮まない。そこで、電力がaからbの間で変化するように、可変抵抗器106の抵抗値の可変範囲が設定されている。
可変抵抗器106は、図示されないが、ズームボタンおよびワイドボタンと回路を介して接続されている。ボタンが押されている間は可変範囲内で抵抗値が連続的に変化し、ボタンから指を離すと抵抗値の変化が止まる。可変抵抗器106等は、ズームボタンを押されたときは抵抗値が小さくなり、ワイドボタンが押されたときは抵抗値が増大するように構成されている。
次に、以上に説明したレンズ駆動装置10の動作を説明する。まず、既に説明した図1、図2、図3および図4は、広角撮影のときのレンズ駆動装置10を示しており、この状態がレンズ駆動装置10の標準状態である。可変抵抗器106の抵抗値が十分に大きく、形状記憶合金線16へのPWM通電は行われておらず、形状記憶合金線16は常温である。スプリング18の引張り力で形状記憶合金線16は伸長している。そして、第1レンズ保持枠52の2本のガイドピン54は、第1カム溝78の時計方向の終端に突き当たっており、また、第2レンズ保持枠58の2本のガイドピン60も、第2カム溝80の時計方向の終端に突き当たっており、カム筒14の回動が規制されている。これにより、第1移動レンズ11は可動範囲の最も前方に位置し、第2移動レンズ12は可動範囲の最も後方に位置し、図4に示すように両レンズの距離が最大になっている。
なお、本実施の形態では、常温の範囲が適当に設定され、この常温の範囲では、上記のようにカム終端の回動規制が生じるように、スプリング18、形状記憶合金線16等の仕様が設定されている。
上記の広角撮影状態からズームボタンがユーザに操作されると、可変抵抗器106の抵抗値が小さくなり、コントローラ104がPWM制御信号をレンズ駆動回路106に送り、レンズ駆動回路106が形状記憶合金線16にPWM通電を行う。形状記憶合金線16は電流供給を受けて、ジュール熱を生じ、これにより加熱され、温度が上昇して収縮する。形状記憶合金線16が短くなるのに伴い、カム筒14がスプリング18の付勢力に打ち勝って時計方向に回動する。カム筒14が回動すると、第1レンズ保持枠52の2本のガイドピン54は第1カム溝78内を移動し、鏡筒13の長穴56内を後退する。また、第2レンズ保持枠58の2本のガイドピン60は第2カム溝80内を移動し、鏡筒13の長穴62内を前進する。これにより、第1移動レンズ11が後退し、第2移動レンズ12が前進し、両レンズの距離が小さくなる。
図11、図12および図13は、第1移動レンズ11および第2移動レンズ12が可動範囲の途中まで移動した状態を示している。形状記憶合金線16の線長は、上記の広角撮影時の長さと記憶された長さとの中間まで短くなっている。カム筒14は広角撮影状態から約60度時計回りに回動し、第1レンズ保持枠52の2本のガイドピン54は第1カム溝78の途中に位置し、第2レンズ保持枠58の2本のガイドピン60は第2カム溝80の途中に位置し、これにより、第1移動レンズ11および第2移動レンズ12も可動範囲の途中に位置している。このとき、レンズ駆動装置10は広角撮影と望遠撮影の中間の状態にある。
上記の中間状態からさらにズームボタンが押されると、可変抵抗器106の抵抗値がさらに小さくなり、可変範囲の最小になる。これにより、供給電力が増大し、形状記憶合金線16は、記憶熱処理で記憶した長さまで収縮する。カム筒14はさらに時計方向に回動し、第1移動レンズ11および第2移動レンズ12もさらに近づく。
図14、図15および図16は、上記のように形状記憶合金線16が記憶した長さまで収縮したときのレンズ駆動装置10を示している。カム筒14は広角撮影状態から約120度時計回りに回動しており、第1移動レンズ11および第2移動レンズ12が可動範囲で最も近づいている。このとき、レンズ駆動装置10は望遠撮影の状態にある。
なお、望遠撮影の状態では、第1レンズ保持枠52のガイドピン54および第2レンズ保持枠58のガイドピン60が第1カム溝78および第2カム溝80の反時計方向の終端に突き当たってもよい。形状記憶合金線16が記憶した長さまで収縮する前に上記突当てを発生させるようにカム溝形状等の仕様が設定される。これにより、望遠側でもカム筒14の回動が規制される。
また、レンズ駆動装置10は、ワイドボタンが押されると、上記の動作と逆方向に動作する。可変抵抗器106の抵抗値が増大し、供給電力が低下し、形状記憶合金線16の温度が低下する。カム筒14はスプリング18の引張り力で反時計方向に回動し、第1移動レンズ11が前進し、第2移動レンズ12が後退し、両者の距離が大きくなる。
ワイドボタンを押し続けると、可変抵抗器106の抵抗値は最大になり、電流供給が停止する。形状記憶合金線16は常温に戻り、第1レンズ保持枠52のガイドピン54および第2レンズ保持枠58のガイドピン60が第1カム溝78および第2カム溝80の時計方向の終端に突き当たり、レンズ駆動装置10のレンズ配置は広角撮影の状態になる。
以上の動作説明で示されたように、ユーザは、ズームボタンを押し下げることで、レンズ配置を望遠撮影状態に近づけることができ、ズームボタンを押し続けると、レンズ配置は望遠撮影状態に達する。また、ユーザは、ワイドボタンを押し下げることで、レンズ配置を広角撮影状態に近づけることができ、ワイドボタンを押し続けると、レンズ配置は広角撮影状態に達する。また、ユーザは、ファインダまたは液晶画面等を見ながらボタンを操作し、広角撮影と望遠撮影の間の所望の撮影範囲が得られるときにボタンを離し、レンズを停止できる。このようにして、レンズ駆動装置10は、レンズを広角側の終端と望遠側の終端だけでなく中間の任意の場所に位置するようにレンズ位置を制御できる。
以上に説明したように、本発明の実施の形態のレンズ駆動装置10によれば、鏡筒13にカム筒14を被せ、カム筒14に形状記憶合金線16を巻き付けており、このような構成により形状記憶合金線16の線長を長くでき、小さい歪み率でも線長変化量を大きくでき、線長の変化によりカム筒14を回動し、カム筒14の回動によりレンズを移動できる。鏡筒13の外にカム筒14を被せ、カム筒14に線材を巻き付けるという簡単でスペースをとらない構成でもってレンズを移動できるので、レンズ駆動装置10の小型化が可能である。好ましくは、上記の実施の形態のように、形状記憶合金線16はカム筒14に複数周回巻き付けられ、これにより線長を長くでき、さらに形状記憶合金線16はカム筒14に螺旋状に巻き付けられることが好ましく、線長を好適に長くすることができる。
また、本実施の形態によれば、第1移動レンズ11および第2移動レンズ12が第1レンズ保持枠52および第2レンズ保持枠58に保持され、第1レンズ保持枠52および第2レンズ保持枠58からガイドピン54、60が突出し、ガイドピン54、60が鏡筒13の長穴56、62を貫通してカム筒14の内周面の第1カム溝78および第2カム溝80にスライド可能に挿入されているので、カム筒14の回動に伴って第1移動レンズ11および第2移動レンズ12を直線的に、すなわち回転せずにスライド移動させ、かつ、第1カム溝78および第2カム溝80の設定通りに移動させることができ、第1移動レンズ11および第2移動レンズ12の好適に移動させることができる。
また、本実施の形態によれば、カム筒14の外側に螺旋溝20を設け、この螺旋溝20に形状記憶合金線16を巻き付けており、この構成により、螺旋溝20に形状記憶合金線16が納められるので、さらなる小型化が図れる。
また、本実施の形態によれば、螺旋溝20にUターン部を設けられており、形状記憶合金線16がUターンするので、形状記憶合金線16の両端を近くに位置させることができ、形状記憶合金線16に電源を接続する構成を簡単にでき、装置の簡素化とそれによる小型化を図れる。
また、本実施の形態によれば、形状記憶合金線16の線長変化による回動方向と反対方向にカム筒を付勢する付勢手段としてスプリング18を設けたので、形状記憶合金線16と付勢手段という簡単な構成でカム筒14を両方向に回動することができ、レンズ駆動装置10の簡素化と小型化が可能である。
また、本実施の形態によれば、コントローラ104に可変抵抗器106を接続した簡単な制御構成でレンズの位置を制御でき、装置の簡素化とそれによる小型化が可能になる。従来技術に見られるようなレンズの位置センサとフィードバック回路を設ける構成と比べると、回路ブロックの構成が簡単でよく、スペースを節約でき、小型化が図れる。
また、本実施の形態によれば、レンズ駆動回路102が形状記憶合金線16に対してPWM通電を行い、可変抵抗器106が抵抗値の変化によってPWM通電のパルス間隔を変化させるように構成されており、可変抵抗器106の抵抗値を変えることでレンズを所望の位置に移動させることができる。
また、本実施の形態のカメラ装置92によれば、上記のレンズ駆動装置10を備えたことにより、カメラ全体の小型化も可能になる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施の形態を変形可能なことはもちろんである。
例えば、上記の実施の形態では、ユーザのボタン操作に応じて可変抵抗器106の抵抗値が変化したが、可変抵抗器106の抵抗値が自動的に変更されてもよく、これによりレンズも自動的に移動する。
以上のように、本発明にかかるレンズ駆動装置は、簡単な構成でもってレンズを移動でき、簡素化と小型化が可能であるという効果を有し、監視カメラやモニタリングカメラ等として有用である。
10 レンズ駆動装置
11 第1移動レンズ
12 第2移動レンズ
13 鏡筒
14 カム筒
16 形状記憶合金線
18 スプリング
20 螺旋溝
52 第1レンズ保持枠
54 ガイドピン
56 長穴
58 第2レンズ保持枠
60 ガイドピン
62 長穴
78 第1カム溝
80 第2カム溝
92 カメラ装置
100 制御装置
102 レンズ駆動回路
104 コントローラ
106 可変抵抗器
11 第1移動レンズ
12 第2移動レンズ
13 鏡筒
14 カム筒
16 形状記憶合金線
18 スプリング
20 螺旋溝
52 第1レンズ保持枠
54 ガイドピン
56 長穴
58 第2レンズ保持枠
60 ガイドピン
62 長穴
78 第1カム溝
80 第2カム溝
92 カメラ装置
100 制御装置
102 レンズ駆動回路
104 コントローラ
106 可変抵抗器
Claims (5)
- 移動レンズを収容した鏡筒と、
前記鏡筒の外側に回動可能に設けられ、回動に伴って前記移動レンズを光軸方向に案内するカム構造を内側に備えたカム筒と、
線長の変化によって前記カム筒を回動させるように前記カム筒の外側に巻き付けられた形状記憶合金線と、
を備えたことを特徴とするレンズ駆動装置。 - 前記移動レンズはレンズ保持枠に保持されており、前記レンズ保持枠からはガイドピンが突出しており、前記鏡筒は、光軸方向に延びるように設けられ前記ガイドピンが貫通する長穴を有し、前記カム筒のカム構造は、前記ガイドピンが挿入されたカム溝を有することを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
- 前記形状記憶合金線に電流を供給するレンズ駆動回路と、
前記レンズ駆動回路に制御信号を送るコントローラと、
前記コントローラに接続され、前記コントローラから前記レンズ駆動回路に送られる制御信号を変化させて、前記レンズ駆動回路から前記形状記憶合金に供給される電流を変化させる可変抵抗器と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のレンズ駆動装置。 - 前記レンズ駆動回路は前記形状記憶合金線に対してPWM通電を行い、前記可変抵抗器は、抵抗値の変化によってPWM通電のパルス間隔を変化させることを特徴とする請求項3に記載のレンズ駆動装置。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載のレンズ駆動装置を備えるカメラ装置。
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