JP3962941B2 - ズームレンズ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、簡単な構造でマクロ撮影を実施できる廉価なズームレンズ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のズームレンズ装置には、通常撮影距離で被写体を撮影するノーマル撮影モードからマクロ撮影モードに切り換えられると、ズームレンズがテレ端位置から更に前方に繰り出されてマクロ専用の焦点距離に移動されるとともに、その焦点距離でピントが合う位置にフォーカスレンズが移動されるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のズームレンズ装置は、マクロ撮影モードに切り換えられると、ズームレンズがテレ端位置から更に前方に繰り出される構造なので、ズームレンズ装置が大型になるという欠点があった。また、ズームレンズの繰り出し量を少なくするために、テレ端をマクロ専用に設定した場合には、通常撮影時におけるテレ端が短くなるので、高倍率の撮影ができないという欠点もあった。
【0004】
近距離撮影では、被写界深度が浅くなるために、AFの段数を増やす必要があるが、そのためにはレンズの停止精度を上げて、停止位置を細かく制御しなければならず、大きなコストアップとなる。このため被写界深度を深くするために、プログラムシャッタを用いて小絞りにして撮影することも考えられるが、プログラムシャッタでは高精度に羽根の動きを制御しなければならないためにコストがかかること、及びプログラムシャッタで小絞りにすると、それに連動してシャッタ秒時も速くなるために、ストロボによって主要被写体を適正露光にできても、自然光による背景描写はアンダーとなって良好な写真を得られない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造でマクロ撮影を実施できる廉価なズームレンズ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、ズームレンズ装置のテレ端とワイド端との間にある複数のズーム段のうちテレ端に近い所定のズーム段がマクロ撮影モード専用のズーム段に設定され、該マクロ撮影モード専用のズーム段における絞り口径が、他のズーム段における絞り口径よりも小さく設定されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記目的を達成するために、複数のズーム段が設定されたズームレンズと、被写体を近接撮影するマクロ撮影モードを選択する選択手段と、
前記選択手段でマクロ撮影モードが選択されると、テレ端とワイド端との間にある複数のズーム段のうちテレ端に近いマクロ撮影専用のズーム段に前記ズームレンズを移動させる駆動手段と、ズーム段に応じて絞り口径を変更させるとともに前記マクロ撮影専用のズーム段における絞り口径が他のズーム段の絞り口径よりも小さくなるように絞りの開放量を規制する開放規制手段を有するレンズシャッターと、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、ズームレンズ装置のテレ端及びワイド端以外の所定のズーム段における絞り口径を、他のズーム段における絞り口径よりも小さく設定し、この所定のズーム段をマクロ撮影モードを選択した時のみ使用するようにした。即ち、本発明は、テレ端とワイド端との間にある所定のズーム段をマクロ撮影モード専用のズーム段に設定するとともに、このマクロ撮影モード時の絞り口径を小さくして被写界深度を深くしたので、高精度なレンズ位置制御が不要になり、簡単な構造でマクロ撮影を実施できる。また、奥行きのある被写体でもピントが合い、AF精度を厳しく要求する必要がない。更に、ストロボフル発光でも適正露光に近い値を得ることができるので、ストロボの調光もしなくて済む。また、テレ端をマクロ専用に設定しないので、通常撮影時に高倍率の撮影が可能になる。
【0009】
また、本発明では、マクロ撮影モードに設定される所定のズーム段を、同じ鏡胴の動きでも画角の変化がワイド側より小さいテレ端に近いズーム段に設定したので、通常撮影時において、例えばファインダーの像変化が所定のズーム段が抜けたような感覚を撮影者に与えない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係るズームレンズ装置の好ましい実施の形態について説明する。
【0011】
図1に示すズームレンズ装置10は、移動筒12、直進ガイド筒14、後群用カム筒16、後群レンズ枠18、回転筒20、及び固定筒22等で構成された2群ズームレンズ装置である。
【0012】
このズームレンズ装置10は、モータ(駆動手段に相当)24の駆動力で回転筒20を回転させることにより、図2乃至図4に示す前群レンズ26と後群レンズ19とを互いのレンズ群間の距離を変化させながら光軸P方向に移動させて変倍を行い、その変倍状態で前群レンズ26と後群レンズ28とを前記変倍時の変化とは異なるレンズ群間となるように光軸P方向に移動させることによりピント合わせを行うように構成されている。
【0013】
図1の回転筒20には、外周に雄へリコイドねじ30とその雄ヘリコイドねじ30の山間に突出して形成されたギア部32とが形成されている。ギア部32には、モータ24の駆動力が円筒ギア34を介して伝達される。雄ヘリコイドねじ30には、固定筒22の内周に形成された雌ヘリコイドねじ36が螺合されている。回転筒20は、雄ヘリコイドねじ30と雌ヘリコイドねじ36とのリードに従って固定筒22に対して回転されながら光軸P方向に移動される。回転筒20の内面には、雌ヘリコイドねじ38が形成されている。雌ヘリコイドねじ38には、移動筒12の外周に形成された雄へリコイドねじ40が螺合されている。
【0014】
移動筒12には、図2の如く前群レンズ26とレンズシャッター42とが固定されている。また、移動筒12の内周には、光軸Pと平行な直進ガイド溝44が形成され、この直進ガイド溝44には、直進ガイド筒14の外周前端側に設けた第1ガイド突起部46が係合されている。よって、移動筒12は、回転筒20の回転作用と直進ガイド筒14の回転止めの作用とによって、ヘリコイドねじ38、40のリードに従い、回転筒20に対し光軸P方向に直進移動される。
【0015】
直進ガイド筒14には、図1の如く外周後端側に第2ガイド突起48が形成されている。第2ガイド突起48は、回転筒20の内周に、光軸Pを中心とする回転方向に沿って設けられた環状溝50に回転自在に係合される。直進ガイド筒14は、回転筒20の内部でカメラ本体に対して回転止めされた状態で回転筒20と一緒に光軸P方向に移動される。
【0016】
後群用カム筒16には、外周後端にフランジ部52が形成されている。フランジ部52は、直進ガイド筒14の内周に光軸Pを中心とする回転方向に沿って環状に設けた溝54に回転自在に係合される。後群用カム筒16は、直進ガイド筒14に回転自在に支持される。後群用カム筒16には、カム面を持ったカム溝56が形成され、このカム溝56には、後群レンズ枠18に突設されたカムフォロワー58が係合されている。これらカムフォロワー58は、カム溝56に貫通されて直進ガイド筒14に光軸Pと平行に形成された直進ガイド開口60に係合される。これらカム溝56、カムフォロワー58、及び直進ガイド開口60は、光軸Pを中心とする回転方向の3分割位置にそれぞれ設けられている。なお、図2乃至図4の符号62はフイルム面、符号64は前カバーである。
【0017】
図1に示す回転筒20の後端面66には、光軸Pを中心とする回転方向の一部に切欠部68が形成されている。切欠部68には、図5の如く後群用カム筒16の後端面70に設けられたL字状のアーム72の折曲先端部が係合されている。アーム72は、切欠部68の内部で光軸Pを中心とする周方向に遊びを持って係合される。切欠部68とアーム72との遊びが後群用カム筒16の空転域であり、また、切欠部68とアーム72とが空転域をもった連係部を構成している。変倍時には、モータ24が回転筒20を回転させ、さらに空転域を超えると、後群用カム筒16が回転される。合焦時には、モータ24が回転筒20を空転域内で回転させる。図5に示した矢印方向は、テレ端方向にモータ24を駆動したときに回転筒20が回転する方向を示している。
【0018】
後群用カム筒16は、切欠部68のうち光軸Pを中心とする回転方向に沿った2つの壁68a、68bの何れか一方がアーム72に押されることで、回転筒20の回転力が伝達されて直進ガイド筒14に対して回転される。図5では、回転筒20のテレ端方向への回転を後群用カム筒16に伝達する壁68aがテレ方向回転伝達壁、逆側がワイド方向回転伝達壁68bとなっている。なお、後群レンズ枠18には、後群レンズ28が支持されている。
【0019】
変倍時には、回転筒20とともに後群用カム筒16が回転筒20と同方向に回転するため、前群レンズ26が回転筒20の変位と移動筒12の変位との合成により光軸P方向に移動され、且つ、後群レンズ28は回転筒20の変位とカム溝56のカムの変位との合成により光軸P方向に移動される。合焦時においては、後群用カム筒16は回転されないので、前群レンズ26が回転筒20の変位と移動筒12の変位との合成により光軸P方向に移動され、且つ、後群レンズ28が回転筒20の変位により光軸P方向に移動される。
【0020】
直進ガイド筒14には、開放規制手段を構成するカム板74が内面に取り付けられている。直進ガイド筒14は、変倍時に回転筒20とともに光軸P方向に進退移動される。カム板74は、直進ガイド筒14の進退移動によってレンズシャッター42の外周に形成した切欠部76内で移動される。
【0021】
図6に示すように、レンズシャッター42のシャッタ機構は、2枚のシャッタ羽根78、80、直動型ソレノイド82、及びカム板74に係合する開放開口規制部材84等から構成され、これらはシャッタ開口88が形成されたシャッタ地板90に取り付けられている。なお、カム板74と開放開口規制部材84とによって、本発明の開放規制手段が構成されている。
【0022】
シャッタ羽根78、80は、穴92、94を介してシャッタ地板90に回動自在に支持されている。また、シャッタ羽根78、80の穴92、94の近傍には、図7の如く長孔96、98が形成され、この長孔96、98に羽根レバー100のピン101が係合されている。羽根レバー100は、軸102を介してシャッタ地板90に回動自在に支持され、また、羽根レバー100とシャッタ地板90とに掛け渡されたスプリング104の付勢力によって、軸102を中心に図7上反時計回り方向に付勢されている。この付勢力で羽根レバー100が図7上反時計回り方向に回動されると、ピン101に押されてシャッタ羽根78、80が、穴92、94を中心に、シャッタ開口88(図6参照)を閉鎖した閉位置から開放位置に向けて回動する。これにより、レンズシャッター42が開放される。
【0023】
一方、図7の如く羽根レバー100の軸102を挟んだ反対側には、突片106が一体形成され、この突片106に鉄心83が当接される。鉄心83は、ソレノイド82と鉄心83との間に介在されたスプリング108の付勢力によってソレノイド82から突出する方向に付勢されて突片106に押圧接触され、この付勢力によって羽根レバー100の図7上反時計回り方向の回動が規制されている。これにより、シャッタ羽根78、80が閉位置に保持される。ソレノイド82、鉄心83、及びスプリング108によってプランジャーが構成される。
【0024】
鉄心83は、ソレノイド82に電流が流れると、図6上左方向に移動され筒状のソレノイド83内に収納される。これにより、シャッタ羽根78、80の回動規制が解除されるので、シャッタ羽根78、80が開放位置に向けて回動し、開放開口規制部材84で規制された絞り口径に対応する位置まで回動する。
【0025】
開放開口規制部材84は、カム板74と共にシャッタ羽根78、80の最大開口径を規制する部材であり、開放規制レバー110及びカムレバー112から構成される。
【0026】
開放規制レバー110は、軸114を介してシャッタ地板90に回動自在に支持されるとともに、シャッタ羽根78の先端に形成された突起部79が当接するレバー部116が形成されている。このレバー部116に突起部79が当接することにより、シャッタ羽根78の回動が規制され、同時に羽根レバー100の回動も規制されるので、シャッタ羽根80の回動も同様に規制される。よって、シャッタ羽根78、80の最大開口が規制される。
【0027】
開放規制レバー110には、図6の如くギア部118が形成され、このギア部118にカムレバー112側のギア部120が噛合されている。カムレバー112は、軸122を介してシャッタ地板90に回動自在に支持される。また、カムレバー112には、カムレバー112を図6上反時計回り方向に回動付勢するスプリング113の付勢力が開放規制レバー110を介して伝達されているので、カムレバー112に形成されたカムピン124がカム板74のカム面126に押圧当接されている。したがって、カム面126に対するカムピン124の位置が変更されると、カムレバー112及び開放規制レバー110が回動されてレバー部116の位置が変更される。よって、シャッタ羽根78、80の最大開口がカム面126に応じて変更される。
【0028】
カム板74は図5の如く、後群用カム筒16の内側で切欠部76の内部に入り込むように直進ガイド筒14に固定されている。カムピン124は、ズームレンズ装置10の沈胴位置から、後述するマクロ撮影モード位置までの間でカム面126との係合が継続され、マクロ撮影モード位置を越えたテレ端位置では、カム面126との係合が解除される(図8参照)。なお、本実施の形態では、沈胴式のズームレンズ装置10について説明するが、本発明のズームレンズ装置は沈胴式に限定されるものではない。
【0029】
カム面126は、カム溝128の光軸P方向に沿った一方側の縁に形成されており、カムレバー112の回転中心に合わせて6段のズーム段Z1〜Z6に対応するカム面126A〜126Fが形成されている。
【0030】
これらのカム面126A〜126Fは、マクロ撮影モードのズーム段Z5に対応するカム面126Eを除いて、ワイド端からテレ端に向けた直進ガイド筒14と移動筒12との光軸P方向に沿った相対的な変位によりカムピン124へ押圧量を徐々に少なくする形状となっている。これにより、シャッタ羽根78、80の最大開口径は、ワイド端からテレ端に向けて徐々に大きくなるように規制される。
【0031】
また、マクロ撮影モードのズーム段Z5に対応するカム面126Eでは、シャッタ羽根78、80の最大開口径が、他のカム面よりも小さく設定されているので、ズーム段Z5での撮影においては、被写界深度が他のズーム段よりも深くなっている。これにより、ズーム段Z5において、高精度なレンズ位置制御が不要なマクロ撮影が可能になる。
【0032】
図5に示すように、直進ガイド筒14の後端面には、導体パターン部材134が取り付けられている。後群用カム筒16には、後端面70に摺動子136が取り付けられている。摺動子136は、図9の如く導体パターン部材134に摺動する2つのブラシ136a、136bが取り付けられている。導体パターン部材134には、アース用パターン140、第1パターン142、第2パターン144、及び沈胴位置用パターン146が設けられている。ブラシ136a、136bは、電気的に接続されている。アース用パターン140は、アースに接続されており、沈胴位置とテレ端との間での変倍に応じて後群用カム筒16が回転したときにブラシ136bが摺動する軌跡上に沿って円弧状に形成されている。
【0033】
第1パターン142と第2パターン144とには、信号検出部150から所定の電圧が印加されており、ワイド端とテレ端との間での変倍に応じて後群用カム筒16が回転したときにブラシ136aが摺動する軌跡上に、複数の変倍停止位置用の信号部148が変倍位置に応じた後群用カム筒16の回転位置Z1〜Z6ごとに形成されている。これらの信号部148は、ワイド端Z1の時の後群用カム筒16の回転位置に設けた信号部148を1番としたときに偶数番目の信号部148が第1パターン142に、また奇数番自の信号部148が第2パターン144に形成されている。本実施形態では、図9に示したZ6の位置がテレ端時の後群用カム筒16の回転位置となり、Z5の位置がマクロ撮影モード時の後群用カム筒16の回転位置となる。
【0034】
このZ5の位置は、マクロ撮影モードが選択されないノーマル撮影モード時には使用されず、マクロボタン152からマクロ撮影モードが選択された時にのみ自動的にZ5の位置に後群用カム筒16が移動され、その位置で停止される。Z5の位置において、レンズシャッター42の絞り口径は、図8の如く他のズーム段Z1〜Z4、Z6における絞り口径よりも小さく設定され、前述の如く被写界深度が深くなっている。
【0035】
沈胴位置用パターン146は、それ自身が信号部をなしており、ワイド端Z1の時の後群用カム筒16の回転位置に設けた信号部148よりもワイド端に向けての後群用カム筒16の回転方向に寄った側で、且つブラシ136aの摺動軌跡上に配置され、信号検出部150からの定電圧のプルアップにより、後群用カム筒16の回転位置が沈胴位置に応じた位置となった時点でブラシ136aが接触して信号検出部150に低レベルの信号を出力する。
【0036】
信号検出部150は、沈胴位置用パターン146及び信号部148、148…の有無に対応した二値信号をコントローラ154に出力する。二値信号は、信号部なし、即ち、ブラシ136aが沈胴位置用パターン146、又は信号部148に接触していないときに入力される「1」(高レベル)の信号と、信号部有り、即ち、ブラシ136aが沈胴位置用パターン146、又は信号部148に接触したときに得られる「0」(低レベル)の信号とである。以下、第1パターン142から得られる信号を出力信号A、また第2パターン144から得られる信号を出力信号B、さらに、沈胴位置用パターン146から得られる信号を出力信号Hpとし、高レベル信号から低レベル信号に変化する信号を立ち下がり信号、また逆を立ち上がり信号として説明する。
【0037】
コントローラ154には、ドライバ158を介して変倍用のモータ24が接続されている。モータ24の出力軸には、ロータリーエンコーダ156が設けられている。ロータリーエンコーダ156は、モータ24の回転角を検出してコントローラ154にフィードバックする。コントローラ154は、モータ24の回転角を読み取って合焦駆動等でのモータの駆動停止を制御する。
【0038】
コントローラ154は、変倍操作部158に設けられたズームボタンの操作に応答してモータ24を駆動させる。ズームボタンは、焦点距離をテレ端に向けて連続的に可変するためのテレ側ズームボタンとワイド側に向けて可変するためのワイド側ズームボタンとで構成されている。
【0039】
コントローラ154には、ROM162、RAM164及びマクロボタン152等が接続されている。ROM162には、変倍位置と被写体輝度との組み合わせに応じたシャッタ羽根78、80の開閉時間、変倍位置と被写体距離との組み合わせに応じた前群レンズ26の移動量、及びカメラを制御するためのプログラム等が記憶されている。RAM164は、測距機構166から得た被写体距離や測光機構168から得た被写体輝度、及びROM162から読み出したシャッタ羽根78、80の開閉時間等の値を一時的に記憶するためのものである。
【0040】
プログラムには、変倍操作に応じて変倍用のモータ24の駆動を制御するテレ端方向駆動、及びワイド端方向駆動用のプログラム、シャッタレリーズ後にズームレンズ装置10を変倍位置から被写体距離に応じた合焦位置に駆動する合焦駆動用プログラム、露光完了後にズームレンズ装置10を合焦位置から変倍位置に戻す待機駆動用プログラム、後群用カム筒16の回転位置がズレたか否かを検出し、ズレたときに元の変倍位置に戻すエラー処理用プログラム、及びマクロボタン152が押されてマクロ撮影モードに設定された時にズームレンズ装置10をズーム段Z5に移動させるマクロプログラム等がある。
【0041】
コントローラ154は、変倍時に得られる出力信号A及び出力信号Bの立ち下がり信号を順番に検出するごとに、その時点の変倍位置を例えば「Z1(ワイド位置)〜Z6(テレ位置)」のうちの何れであるかを特定する。テレ端からワイド端に向けての変倍時には、モータ24の回転方向の違いで変倍位置を特定することができる。特定した変倍位置は、その都度RAM164に書き換えて記憶する。
【0042】
テレ端方向駆動、及びワイド端方向駆動用のプログラムは、変倍操作完了後にその直前の変倍位置に対応した信号部148が偶数番目か奇数番目か、即ちその直前の変倍位置に対応した信号部から得られた出力信号が出力信号Aか否かを判断することによってモータ24の駆動制御が異なる2つのフローで構成されている。
【0043】
合焦駆動用プログラムも、その時点の変倍位置に対応した信号部148が偶数番目か奇数番目か、即ち信号部から出力信号Aが得られるか否かを判断することによってモータ24の駆動制御が異なる2つのフローで構成されている。
【0044】
待機駆動用プログラムでは、合焦後にブラシ136aが第1パターン142、又は第2パターン144の信号部148から外れた状態となるため、これをその時点の変倍位置に対応した信号部148にまで戻す制御であり、元の変倍位置に対応した信号部148が偶数番目か奇数番目か、即ち、その信号部148から得られる出力信号が出力信号Aか否かを判断することによってモータ24の駆動制御が異なる2つのフローで構成されている。
【0045】
エラー処理用プログラムは、変倍、合焦、露光及びフイルム給送等の作動が行われていない待機状態中に一定時間毎に実行される。待機中には、ブラシ136aが信号部148のうちの何れかに接触した状態となる。しかしながら、空転域を介して駆動伝達される後群用カム筒16は鏡筒に加わる外乱力により回転位置がずれる恐れがある。
【0046】
エラー処理用プログラムでは、その時点に入力される出力信号A又は出力信号Bの二値信号を読み取ることで、後群用カム筒16の回転位置がずれているか否かを判断し、ずれている場合には元の変倍位置に対応した回転位置まで後群用カム筒16を戻すようにモータ24の駆動を制御する。この制御は、元の変倍位置に対応した信号部148が偶数番目か奇数番目か、即ちその信号部148から得られる出力信号が出力信号Aか否かによってモータ24の駆動制御が異なる2つのフローで構成されている。
【0047】
マクロプログラムでは、ブラシ136aがマクロ撮影モードに対応するZ5の信号部148に接触する位置に後群用カム筒16が移動するように、モータ24の駆動を制御する。マクロ撮影モードでの撮影において、測距機構166(図9参照)が被写体までの距離が近接撮影距離の範囲外であることを検知したにもかかわらず、撮影者が撮影を行うと、ズーム段を、ズーム段Z5以外のズーム段に変更して撮影するように、コントローラ154がモータ24を制御する。この時、変更されるズーム段は、ズーム段Z5に隣接する広角側のズーム段が好ましい。
【0048】
他の例として、マクロモードでAFがマクロ範囲外の距離であった時、AF信号を無視してフォーカスをマクロ範囲内にする。これはAFの中抜け等があった場合を助けるためで、この時のピントの位置はマクロ範囲のセンター位置に設定するのが好ましい。
【0049】
なお、前記近接撮影距離の範囲は、以下の条件によって制限される。即ち、Z5において小絞りにするため、ストロボ光が遠くまで届かず、また通常のフイルム感度では自然光による撮影も期待できないため、遠距離側の撮影範囲はストロボの到達範囲に制限される。また、ピント合わせのために後群レンズ28が変位軌跡D(図11参照)上で移動できる範囲は、空転域で許容される回転筒20の回転量で決定される。したがって、近接撮影のためにレンズのフォーカス移動領域を大きくしようとしても、この制約によってその移動領域を確保できない場合には、撮影距離範囲のうちの遠距離側を制限しなければならない。
【0050】
コントローラ154は、電源スイッチ170のONに応答してズームレンズ装置10が沈胴位置からワイド端に移動するようにモータ24の駆動を制御する。この制御は、テレ端方向にモータ24を駆動した後に、出力信号Aを監視し、出力信号Aの立ち下がり信号を得ることでモータ24の駆動を停止する。これにより、ブラシ136aが第2パターン144の1番目の信号部148に接触し、且つ、回転筒20の切欠部68では、図5の如くテレ方向回転伝達壁68aにアーム72が当接した状態となる。
【0051】
本実施の形態のカメラでは、任意の変倍位置に変倍したときのレンズ停止位置がワイド端側から変倍したときとテレ端側から変倍したときとで空転域の分で異なるため、前述した待機状態ではブラシ136aが第1パターン142、又は第2パターン144の信号部148に接触したときに、必ず切欠部68のテレ方向回転伝達壁68aにアーム72が当接した状態となるように前述したプログラムが組まれている。
【0052】
また、本実施の形態では、合焦時に同じ被写体距離でも変倍位置ごとで前群及び後群レンズ26、28の移動量が異なるため、被写体距離ごとのレンズ移動量に対応したモータ駆動パルスを変倍位置ごとに複数用意してROM162に記憶している。これらのモータ駆動パルスは、全て空転域内の回転量となっている。
【0053】
次に、ズームレンズ装置10の作用を図に基づいて説明する。ズームレンズ装置10の初期状態は、図2に示した沈胴位置の状態となっており、ブラシ136aが沈胴位置用パターン146に位置している。ズームレンズ10が沈胴位置からワイド位置まで移動する期間では、撮影が行われない。このため、その期間に対応したカム面126は図8の如く、光軸Pを中心とする回転方向に変位のない形状となっている。
【0054】
コントローラ154は、電源スイッチ170のONに応答してテレ端方向に空転域を超える回転分でモータ24を駆動する。この駆動は、回転筒20に伝達され、回転筒20は、回転駆動が伝達されることで、ヘリコイドねじ30、36のリードに従って固定筒22に対し光軸P方向に移動する。また、回転筒20が回転することで移動筒12は、直進ガイド筒14の直進ガイドの作用により、ヘリコイドねじ38、40のリードに従って回転筒20に対し光軸P方向に移動する。これにより、前群レンズ26は、回転筒20の変位と移動筒12の変位との合成変位分で光軸P方向に移動する。
【0055】
直進ガイド筒14、後群用カム筒16、及び後群レンズ枠18は、回転筒20と一緒に光軸P方向に移動する。そして、回転筒20の回転駆動は、テレ方向回転伝達壁68aがアーム72を光軸Pを中心とする回転方向に押すことで後群用カム筒16に伝達される。後群用カム筒16は、回転筒20の内部で回転することでカム溝56のカムの変位分だけ回転筒20に対し、後群レンズ枠18を光軸P方向に移動させる。これにより後群レンズ28は、回転筒20の変位に加えてカム溝56のカムの変位により光軸P方向に移動し、前群レンズ26と間の間隔が変更される。
【0056】
後群用カム筒16が回転すると、直進ガイド筒14に設けた信号部148の列とアース用パターン140とに沿って摺動子136が摺動する。この間、コントローラ154は、出力信号Bを監視し、最初に得られる出力信号Bの立ち下がり信号を得た時点でモータ24の駆動を停止する。これにより、後群用カム筒16は、ブラシ136aが第2パターン144の1番目の信号部148に接触した回転位置となる。コントローラ154は、最初に得た出力信号Bの立ち下がり信号を得た時点で変倍位置がワイド端であることを特定し、この情報をRAM164に記憶する。これにより、コントローラ154は、次にワイド端に向けての変倍操作を検出しても現時点の変倍位置がワイド端であるため、この操作を無効にすることができる。
【0057】
ワイド位置に向けた変倍中に開放開口規制部材84のカムピン124は、移動筒12と直進ガイド筒14との光軸P方向に沿った相対的な変位によりカム面126に沿って摺動する。そして、ズームレンズ装置10がワイド位置に変倍されたときには、カムピン124がカム面126のカム面126Aに当接した状態となる。
【0058】
電源ON後に、テレ端に向けての変倍操作が行われると、コントローラ154は、テレ方向駆動用プログラムを実行する。これにより、空転域を超えた回転量でテレ端方向にモータ24が駆動し、この駆動中の出力信号を監視する。
【0059】
ブラシ136aが「Z2、Z3、Z4・・・」の回転位置にある信号部148を通過するごとにコントローラ154には、出力信号A、出力信号Bの順で立ち下がり信号と立ち上がり信号とが順番に入力される。このうち一方の信号を得るごとに、コントローラ154はRAM164に記憶した変倍位置の情報を書き換えていく。したがって、RAM164には、変倍操作が完了する直前の変倍位置の情報が常に書き込まれている。したがって、変倍操作部158での変倍操作完了に応答してコントローラ154は、RAM164に書き込まれた変倍位置の情報を読み出し、読み出した変倍位置に応じた信号部148が偶数番目か奇数番目かによってモータ24の駆動を停止するタイミングとなる出力信号A、Bのうちの何れを監視するかを判断する。
【0060】
例えば偶数番目の「Z2」である場合には、コントローラ154は、出力信号Bの立ち下がり信号を監視し、その信号を検出した時点でモータ24の駆動を停止する。これにより、ブラシ136aが第2パターン144の「Z3」の信号部に接触した状態となる。このとき、アーム72が切欠部68のテレ方向回転伝達壁68aに当接した状態となっている。
【0061】
ワイド端方向に変倍操作を行った場合には、ワイド方向駆動プログラムが実行される。このプログラムは、単にモータ24を逆転したのでは、テレ方向回転伝達壁68aとは逆側のワイド方向回転伝達壁68bにアーム72が当接した状態となり、テレ端方向に変倍操作を行ったときと比べてレンズ停止位置に空転域の分だけズレが生じる。したがって、このワイド端方向駆動プログラムでは、変倍操作が完了した時点で、ワイド端方向に向けてのモータ24の駆動を継続し、後群用カム筒16の回転位置がブラシ136aが次に変倍位置に対応した信号部148を通過した位置となった時点でモータ24の駆動を一旦停止する。その後、今度は逆にテレ端方向に向けてブラシ136aが先の信号部148に接触する位置までモータ24を空転域を超える回転量で駆動する。これにより、ワイド端・テレ端のどちらの方向で変倍を行っても、連係部の形態がテレ方向回転伝達壁68aにアーム72が当接した一定な形態となり、したがってレンズ停止位置を等しくすることができる。
【0062】
図10は、モータ24の回転量に対する前群及び後群レンズ26、28の光軸P方向への変位量を示している。変倍駆動により前群レンズ26は同図に示す直線Aに沿って移動し、また、後群レンズ28は、曲線Bに沿って移動する。そして、これらのレンズ群26、28は、通常撮影状態において、各変倍位置(Z1〜Z6)のうち、マクロ撮影モードに使用されるZ5の位置を除く何れかの位置で停止する。なお、変倍位置は、これらの変倍軌跡上の任意の位置に制限なく設定することもできる。
【0063】
シャッタボタン172の半押し操作を行うと、コントローラ154は測光機構168と測距機構166とを作動する。測光機構168と測距機構166とから得られた被写体輝度及び被写体距離の情報は、RAM164に記憶される。そのままシャッタボタン172の全押し操作を行うことで、コントローラ154は合焦駆動プログラムを実行する。合焦駆動プログラムは、現時点の出力信号を読み取り、低レベルの信号が出力信号A又はBのうちの何れかから得られるかを識別する。
【0064】
識別後、その出力信号A又はBの立ち上がり信号を検出する位置まで、空転城を超える回転分でテレ端方向にモータ24を駆動し、立ち上がり信号を検出した時点で所定パルス分だけ同方向にモータ24を駆動してから停止する。変倍位置での待機状態では、テレ方向回転伝達壁68aにアーム72が当接しているから、合焦駆動でテレ端方向にモータ24が駆動すると、回転筒20の駆動が直ぐに後群用カム筒16に伝達され、後群用カム筒16の回転と一緒にブラシ136aが回転して、ブラシ136aが信号部148から外れる。ブラシ136aが外れた時点でコントローラ154に立ち上がりの信号が入力され、これを受けてから一定パルス分だけモータ24を同方向に駆動した後に駆動を停止する。これにより、ブラシ136aはその時点の変倍位置に対応した信号部148から図5に示す矢印方向に所定角度分だけ回転した位置に移動する。このとき、アーム72には、テレ方向回転伝達壁68aが当接した状態となる。
【0065】
その後、コントローラ154は、被写体距離を読み出し、その時点の変倍位置と被写体距離とに基づいたモータ駆動パルスをRAM164から読み出す。その後、空転域内の回転量でワイド端方向にモータ24を駆動し、この駆動中にロータリーエンコーダ156から得られるパルスをカウントして、カウント値が読み出したモータ駆動パルスの値に一致した時点でモータ24の駆動を停止する。合焦時のモータ24の駆動パルスは、空転域内の回転量であるため、合焦動作後にはアーム72がテレ方向回転伝達壁68aから離れた状態となる。勿論アーム72はワイド方向回転伝達壁68bにも当接せず、また、ブラシ136aは、空転域内の回転であるため信号部148からテレ端方向にずれた状態のままとなっている。
【0066】
合焦時のズームレンズ装置10の動きは、最初にモータ24が空転域を超える回転量でテレ端方向へ駆動され、その後空転域内の回転量でワイド方向に駆動されるから、図11に示すように、最初にテレ端方向へ駆動した時点で前群及び後群レンズ26、28は変倍位置Znから各変倍軌跡A、Bを通って点線Cで示した位置に移動し、その後空転域内の回転量でワイド端方向に回転するから、前群レンズ26は、変倍軌跡Aを通ってG1に移動するのに対し、後群レンズ28は、回転筒20の変位分だけの移動となるため、回転筒20とカム溝56のカムとの合成変位となった変倍軌跡Bとは異なり、回転筒20の変位軌跡Dを通って点G2に移動する。これにより、前群及び後群レンズ26、28が変倍時とは異なる間隔で移動してその時点の被写体距離に合焦する。ここで、合焦は、至近から無限大に向けてピントが合う方向で行われる。
【0067】
被写体距離がinfである場合にレンズ位置がE(G1、G2)となるとすれば、被写体距離が通常至近距離やそれよりも更に近いマクロ至近距離の場合は、それぞれモータ24の回転量がF、Gのような位置となり、レンズ間隔がより大きい位置でレンズを停止させる。
【0068】
上述のようにマクロ至近距離で撮影する場合には、通常の至近距離撮影よりもさらにレンズ間隔を大きくした位置に後群レンズ28をセットする必要があるが、その場合、変位軌跡Dの開始位置が点Lでは所望のレンズ間隔を確保できない場合もありうる。そのときには、カム曲線をJのように部分的に変形して、変位軌跡Dの開始位置を点Kに変更することにより、Z5でのレンズセットを全体的に至近側にシフトすることも可能である。なお、制御の仕方によっては、無限大から至近に向けたピントを合わせる動作とすることもできる。
【0069】
合焦駆動プログラムの実行後には、露出制御プログラムが実行される。このプログラムにより、コントローラ154は、被写体輝度と写真フイルムの感度とに応じてシャッタ機構を作動させる。
【0070】
コントローラ154のシャッタ機構の作動は、変倍位置と被写体輝度とに応じたシャッタ羽根78、80の開閉時間をROM162から読み出し、RAM164に記憶する。そして、レンズシャッター42のソレノイド82への通電を開始する。その後、コントローラ154は、予め設定された開放時間経過後に、ソレノイド82への通電を停止する。
【0071】
図12に示すように、ワイド端で規制される最大開口径をR1、変倍位置と被写体輝度とに応じたシャッタ羽根78、80の開閉時間をT1とすると、時間T2のときにシャッタ羽根78、80が最大開口径R1となる。このとき、シャッタ羽根72の突起部79がレバー部116に当接し、最大開口径がR1に規制される。
【0072】
コントローラ154は、シャッター羽根78、80の開放時間が予め設定された開閉時間T1と一致した時点でソレノイド82への通電を停止する。これにより、鉄心83がスプリング108の付勢力により突出して羽根レバー100を押すので、シャッタ羽根78、80が閉じられる。これにより、図12に示す時間T3となった時点でシャッタ羽根78、80が閉じ位置となり、時間T2、T1のそれぞれとR1との各交点を通ってT3に向かう直線に囲まれた面積が露光量となる。
【0073】
なお、被写体輝度が高輝度の場合には、図12に示すように、ワイド端で規制する最大開口径R1まで到達しない時間T4でシャッタ羽根78、80を閉じる場合もある。
【0074】
図8に示したように、開放口径規制部材84が規制するシャッタ羽根78、80の最大開口径は、変倍がワイド端からテレ端方向に向けて行われることに応答して徐々に大きくなるが、変倍がZ5の位置で、カム面126Eは、カムピン124をマクロ撮影モードに応じた開き位置に規制する。即ち、レンズシャッター42の絞り口径が最小口径に規制される。
【0075】
このように、ズームレンズ装置10では、テレ端及びワイド端以外の所定のズーム段Z5における絞り口径を、他のズーム段における絞り口径よりも小さく設定し、この所定のズーム段Z5を、被写体を近接撮影するマクロ撮影モードを選択した時のみ使用するようにした。
【0076】
要するに、本実施の形態のズームレンズ装置10は、テレ端とワイド端との間にあるズーム段Z5をマクロ撮影モード専用のズーム段に設定するとともに、このマクロ撮影モード時の絞り口径を小さくて被写界深度を深くしたので、高精度なレンズ位置制御が不要になり、ズームレンズ装置10を大型化したりコストアップしたりすることなく、マクロ撮影を行うことができる。
【0077】
また、被写界深度を深くしてマクロ撮影を実施するので、奥行きのある被写体でもピントを合わすことができる。更に、AF精度を厳しく要求する必要がなくなり、ストロボの調光もしなくて済むので、ストロボフル発光でも適正露光に近い値を得ることができる。
【0078】
また、ズームレンズ装置10は、マクロ撮影モードに設定されるズーム段Z5を、同じ鏡胴の動きでも画角の変化がワイド側より小さいテレ端に近いズーム段に設定したので、通常撮影時において、ファインダの像変化が所定のズーム段が抜けたような感覚を撮影者に与えることはない。
【0079】
更に、3倍以上の高倍率ズームレンズ装置では、レンズ設計上において開放開口規制部材84を設ける必要がある。本実施の形態では、既存の開放開口規制部材84に、マクロ撮影モード時の絞り口径を小さくする機能を付加したので、部品点数の削減、コンパクト化、及びコストダウン等において効果がある。
【0080】
また、高感度フイルム(例えば、ISO800以上)をユーザーが選択した場合には、マクロズーム段Z5も通常撮影で使用可能に設定する。この場合、高感度フイルムと小絞りとでバランスのよい撮影が可能となる。
【0081】
本実施の形態では、1個のモータ24でズームとフォーカスの両方を行うズームレンズ装置10を例示したが、それぞれ別個の駆動源を用いてもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上のように本発明に係るズームレンズ装置によれば、ズームレンズ装置のテレ端及びワイド端以外の所定のズーム段における絞り口径を、他のズーム段における絞り口径よりも小さく設定し、この所定のズーム段を、マクロ撮影モードを選択した時のみ使用するようにしたので、高精度なレンズ位置制御が不要で、ズームレンズ装置を大型化したりコストアップしたりすることなく、マクロ撮影を行うことができる。
【0083】
また、本発明では、マクロ撮影モードに設定される所定のズーム段を、同じ鏡胴の動きでも画角の変化がワイド側より小さいテレ端に近いズーム段に設定したので、通常撮影時において、撮影者はファインダの像変化が所定のズーム段が抜けたような感覚を受けることなく、被写体を撮影することができる。
【0084】
更に、本発明では、近接撮影時に開口規制部材によって小絞りにするので、シャッタ秒時は自然光に応じて独立に制御でき、良好な背景描写を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ズームレンズ装置の組立斜視図
【図2】ズームレンズ装置の沈胴位置の状態を示した断面図
【図3】ズームレンズ装置のワイド端の状態を示した断面図
【図4】ズームレンズ装置のテレ端の状態を示した断面図
【図5】切り欠き部とアームとの関係及び導体パターン部材と摺動子との関係を示した説明図
【図6】レンズシャッターの構造図
【図7】レンズシャッターの組立斜視図
【図8】変倍位置に対するレンズシャッターの絞り口径の遷移図
【図9】摺動子と導体パターン部材との関係を示した説明図
【図10】変倍時における前群及び後群レンズの光軸方向への移動を示した図
【図11】合焦時のレンズの動きを示した図
【図12】シャッタ羽根の開閉時間を示した図
【符号の説明】
10…ズームレンズ装置、12…移動筒、14…直進ガイド筒、16…後群用カム筒、18…後群レンズ枠、20…回転筒、22…固定筒、24…モータ、42…レンズシャッター、70…カム板、78、80…シャッタ羽根、82…ソレノイド、84…開放開口規制部材、124…カムピン、126…カム面

Claims (3)

  1. ズームレンズ装置のテレ端とワイド端との間にある複数のズーム段のうちテレ端に近い所定のズーム段がマクロ撮影モード専用のズーム段に設定され、該マクロ撮影モード専用のズーム段における絞り口径が、他のズーム段における絞り口径よりも小さく設定されていることを特徴とするズームレンズ装置。
  2. 前記所定のズーム段は、被写体を近接撮影するマクロ撮影モードを選択した時のみ使用されるズーム段であることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ装置。
  3. 複数のズーム段が設定されたズームレンズと、
    被写体を近接撮影するマクロ撮影モードを選択する選択手段と、
    前記選択手段でマクロ撮影モードが選択されると、テレ端とワイド端との間にある複数のズーム段のうちテレ端に近いマクロ撮影専用のズーム段に前記ズームレンズを移動させる駆動手段と、
    ズーム段に応じて絞り口径を変更させるとともに前記マクロ撮影専用のズーム段における絞り口径が他のズーム段の絞り口径よりも小さくなるように絞りの開放量を規制する開放規制手段を有するレンズシャッターと、
    を備えたことを特徴とするズームレンズ装置。
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