JP3038608B2 - 可変焦点距離カメラ - Google Patents

可変焦点距離カメラ

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JP3038608B2
JP3038608B2 JP3047536A JP4753691A JP3038608B2 JP 3038608 B2 JP3038608 B2 JP 3038608B2 JP 3047536 A JP3047536 A JP 3047536A JP 4753691 A JP4753691 A JP 4753691A JP 3038608 B2 JP3038608 B2 JP 3038608B2
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和裕 中西
春樹 中山
義信 鮫島
岳美 宮崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、測距手段によって撮
影距離を測定し、測定した撮影距離に基づいて自動的に
合焦操作を行なう可変焦点距離カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】一眼レフカメラ以外のカメラにおいて
は、撮影レンズの光軸と、ファインダの光軸とがずれて
いるため、撮影画面とファインダ視野との間にずれ、い
わゆるパララックスが生じる。このため、このようなカ
メラにおいては、撮影すべき視野を、フィルム上の撮影
画面に一致させるように、ファインダ内に見える視野枠
の位置を変化させるパララックス補正を行なう必要があ
る。
【0003】一方、カメラでは、測距手段によって撮影
レンズから被写体までの撮影距離を測定し、この撮影距
離に基づいて自動的に合焦操作を行なうオートフォーカ
スカメラがあり、このものは手軽に撮影でき、近年その
需要は高まっている。このようなオートフォーカスカメ
ラにおいても、一眼レフ方式以外の場合には前記パララ
ックスの問題が生じ、パララックスを補正するためには
ファインダの視野を撮影画面に一致させるべく撮影距離
において視野枠を変化させる必要性がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、視野
枠を機械的に移動させてパララックス補正を行なう構造
のため、ファインダの構造が極めて複雑になり、かつ機
械的な精度のためにパララックスは完全に補正できず、
手軽な一般アマチュア用のオートフォーカスカメラに適
用することは、カメラの大きさ、重量、価格等の点で困
難であった。
【0005】このため、例えばファインダ光学系に配置
された撮影距離に対応した複数の視野枠と、視野枠を表
示させる表示手段と、測距手段によって撮影距離が測定
されると測距ゾーン情報と、焦点距離情報から表示手段
を駆動して視野枠を選択して表示する制御手段とを備
え、撮影距離に対応した視野枠の表示を行ない、このパ
ララックス補正を撮影者に知らせて撮影距離に対応した
視野枠で写し込むようにすることが考えられる。
【0006】このようにファインダ内のパララックス補
正を測距ゾーン情報と焦点距離情報から行なうようにす
ると、例えばカメラのメインスイッチがONの場合或い
はズーミング後にレリーズボタンのスイッチS1が押さ
れるまでの間は測距が行なわれないため、パララックス
補正を行なうことができない。
【0007】従って、例えば図42の(1)に示すよう
に撮影者が遠距離側で撮影した後に、近接撮影を行なう
場合があるが、このとき視野枠が遠距離撮影の状態のま
まであり、レリーズボタンのスイッチS1が押された後
に測距が行なわて図42の(2)に示す近距離での視野
枠になるため、撮影したい被写体の欠け等が生じ再度撮
影構図の変更が必要になったり、視野枠の変化が大きい
ため撮影者に違和感を与えることになる。
【0008】この発明は、このような事情に鑑みて為さ
れたもので、焦点距離情報しか得られない場合にも、適
切なパララックス補正を行なうことができ撮影者に違和
感を与えることがない可変焦点距離カメラを提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、可変焦点レンズを構成する
撮影レンズと、撮影準備操作により被写体距離を検出す
る測距手段と、該測距手段により検出された被写体距離
に基づき測距ゾーン情報を出力する測距ゾーン情報出力
手段と、前記撮影レンズの焦点距離情報を検出する焦点
距離情報検出手段と、前記撮影レンズの変倍動作に連動
して倍率を切替えるファインダ光学系と、該ファインダ
光学系に設けた複数の視野枠と、該視野枠を表示させる
ファインダ内表示手段と、を有する可変焦点レンズカメ
ラにおいて、撮影準備操作がなされた場合は前記測距ゾ
ーン情報と前記焦点距離情報により選択した前記視野枠
を表示し、撮影準備操作以前で前記焦点距離情報しか得
られない場合には、測距ゾーン情報に略中間の測距ゾー
ンの情報を用いて前記視野枠を表示する制御手段を備え
たことを特徴としている。
【0010】請求項2記載の発明は、可変焦点レンズを
構成する撮影レンズと、被写体距離を検出する測距手段
と、該測距手段により検出された被写体距離に基づき測
距ゾーン情報を出力する測距ゾーン情報出力手段と、前
記撮影レンズの焦点距離を検出する焦点距離情報検出手
段と、前記撮影レンズの変倍動作に連動して倍率を切替
えるファインダ光学系と、該ファインダ光学系に設けた
複数の視野枠と、該視野枠を表示させるファインダ表示
手段と、を有する可変焦点レンズカメラにおいて、前記
焦点距離に対応した測距ゾーンの使用回数を撮影動作に
基づき記憶する記憶手段と、測距ゾーン情報が得られな
い場合は、前記記憶手段の記憶情報に基づき、前記焦点
距離で最も使用回数の多い測距ゾーンに対応した視野枠
を表示する制御手段を備えたことを特徴としている。
【0011】請求項3記載の発明は、可変焦点レンズを
構成する撮影レンズと、被写体距離を検出する測距手段
と、該測距手段により検出された被写体距離に基づき測
距ゾーン情報を出力する測距ゾーン情報出力手段と、前
記撮影レンズの焦点距離を検出する焦点距離情報検出手
段と、前記撮影レンズの変倍動作に連動して倍率を切替
えるファインダ光学系と、該ファインダ光学系に設けた
複数の視野枠と、該視野枠を表示させるファインダ表示
手段と、を有する可変焦点レンズカメラにおいて、前記
焦点距離に対応した測距ゾーンを撮影動作に応じて記憶
する記憶手段と、前記測距ゾーン情報が得られない場合
は、前記記憶手段の記憶情報に基づき、前回の撮影に使
用した前記焦点距離における前記測距ゾーンに対応した
前記視野枠を表示する表示制御手段を備えたことを特徴
としている。
【0012】
【作用】この請求項1乃至請求項3記載の発明の可変焦
点距離カメラでは、測距手段によって撮影距離を測定
し、測定した撮影距離に基づいて自動的に合焦操作を行
なって撮影される。この撮影時に、測距手段によって撮
影距離が測定されると、制御手段で測距ゾーン情報と焦
点距離情報からファインダ光学系に配置された撮影距離
に対応した複数の視野枠から、所定の視野枠を選択して
視野枠の表示を行なう。この制御手段では、焦点距離情
報だけしか入力されない条件下では、複数の視野枠のう
ち略中間の測距ゾーン情報を用いて視野枠を表示するこ
とにより、表示パターンが確定しても表示変化の少ない
視野枠を表示する。
【0013】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1乃至図3はこの発明が適用され
るカメラを示し、図1はカメラの正面図、図2は同カメ
ラの背面図、図3は同じく平面図、図4はファインダ内
表示を示す図である。
【0014】カメラボディ カメラ1の前部の中央にはレンズ鏡胴2が設けられ、レ
ンズ鏡胴2の上方にファインダ3、測距投光窓4が配置
され、ファインダ3の側部にストロボ発光窓5、測距投
光窓4の側部に測距受光窓6が配置されている。測距投
光窓4とファインダ3の上方にはLED表示部15が3
個設けられ、このLED表示部15を所定のタイミング
で、例えば順に点滅させてセルフ撮影時に時間を知らせ
る。また、測距装置の測距位置に対応する方向のLED
表示部15を点灯させることで、ムービングターゲット
の方向をカメラ外部から確認することができる。また、
レンズ鏡胴2の上方位置に測光部16が配置されてい
る。
【0015】カメラ1の上部には大型の液晶表示部7が
設けられ、多数の撮影関連情報を表示するようになって
いる。さらに、メインスイッチ8、レリーズボタン9が
設けられている。このレリーズボタン9の押圧初期スト
ロークではスイッチS1がONとなり、その後のストロ
ークではスイッチS2がONとなる。
【0016】カメラ1の背部を構成する裏蓋にはファイ
ンダ接眼窓10、パトローネ確認窓11、各種のスイッ
チボタン12及び操作ボタン13が設けられている。こ
の操作ボタン13はその操作部13aを押圧操作するこ
とにより、ズームレンズの焦点距離を望遠側に移動さ
せ、操作部13bを押圧操作することにより広角側に移
動させる。また、操作部13dを押圧操作することによ
り、ムービングターゲットの向きを左側に変更し、操作
部13cを押圧操作することにより、ムービングターゲ
ットの向きを右側に変更する。この操作ボタン13はズ
ーミング操作とムービングターゲット操作の2つの操作
を兼用するようになっている。
【0017】撮影レンズ 撮影レンズはインナーフォーカスタイプのズームレンズ
(バリフォーカスレンズ)が使用されている。レンズ構
成は4群ズームのものが用いられている。ズーム操作は
前述した操作ボタン13の押圧操作により自動的にズー
ミング動作を行なう電動ズーム駆動方式である。
【0018】ファインダ 実像式ズームファインダを用いている。ファインダ内表
示はファインダ光路中の実像面に配置した表示用液晶に
より行なわれ、図4に示すように液晶表示方式が用いら
れる。この図4は全セグメントが点灯した状態を示して
おり、撮影レンズの焦点距離情報と測距動作により検出
される被写体距離情報に基づいて自動的に視野範囲を設
定する自動パララックス補正の視野枠20、測距位置を
変更可能な測距装置の測距位置に対応した位置を点灯さ
せるムービングターゲットマーク21、ストロボ発光マ
ーク22、測距距離表示23、手振れ警告マーク24等
が表示される。
【0019】焦点調節 測距装置として、投光素子から赤外光を投光し、投光レ
ンズを介して被写体に照射する。被写体からの反射光を
受光レンズを介して受光素子に受光し、この受光素子上
の受光する位置によって被写体距離を検知する赤外線ア
クティブ方式の測距装置が用いられている。この測距装
置は撮影レンズ光軸に対して左右に測距位置を変更でき
るようになっており、このような方式をムービングター
ゲット方式と言う。
【0020】レリーズボタン9の第1段操作のスイッチ
S1がONで測距装置を作動して測距結果を保持し、こ
の測距結果をファインダ内の測距距離表示23に表示す
る。また、所定距離より近い場合は測距表示23で警告
表示を行なう。スイッチS2がONで前記測距結果に基
づいて、フォーカスレンズを合焦駆動させる。前記測距
結果が所定距離より近い場合は、レリーズロックを作動
させ撮影動作を禁止している。
【0021】露出制御 測光装置の受光部は2分割シリコンホトダイオードで構
成され、撮影画面の中心部を測光するスポット用測光素
子と、中心部以外の周辺を測光するアベレージ用測光素
子とを有する。この2つの測光素子で検出した被写体輝
度情報とフィルム感度情報等により、被写体に適した露
光制御を行なう。
【0022】ストロボ ストロボ装置はフィルム1駒巻上げ完了、メインスイッ
チオン、レリーズボタンの押圧操作により、自動的に電
源から昇圧した電流をコンデンサに蓄積し、所定電圧ま
で充電すると充電停止を行なう。ストロボ発光選択モー
ドとしては被写体輝度情報により、ストロボの発光・非
発光を決める自動発光モード、被写体の輝度情報に拘ら
ずストロボの発光を行なう強制発光モード、被写体の輝
度情報に拘らずストロボの発光を行なわない非発光モー
ドがある。
【0023】フィルム給送 フィルムの給送は公知のモータを駆動源とするオートロ
ード方式が使用され、フィルム給送はフィルム装填後裏
蓋を閉じると開始され、4駒の空送りを行なう。また、
フィルムはスプールドライブ方式で給送され、順算式で
カウンタに駒数が表示される。巻戻しはフィルム給送時
におけるフィルム突っ張りや、最終駒の撮影終了を検知
すると自動的に行なわれ、また単独のスイッチのマニュ
アル操作によっても巻戻しが行なわれる。
【0024】レンズ鏡胴構造 図5は撮影レンズ鏡胴部の断面図、図6は撮影レンズ鏡
胴部の一部を破断した側面図、図7は撮影レンズを駆動
する機構の断面図、図8は図5のVIIIーVIII断面図、図
9は図5のIXーIX断面図、図10は図5のX ーX 断面図
でシャッタ羽根制御の信号検出手段を示す。
【0025】レンズ鏡胴2はカメラ1の本体前側に固定
される円筒形状の固定鏡胴40を有し、この固定鏡胴4
0の内周面にはレンズ光軸αと平行な方向に伸びる複数
の摺動溝41を形成してある。そして、この固定鏡胴4
0の内部には摺動溝41に沿ってレンズ光軸α方向へ移
動できる摺動突起42aを外周面に突起させた円筒形状
のフロント摺動枠42が配置され、このフロント摺動枠
42には円筒形状の可動鏡胴43が固定されている。
【0026】また、フロント摺動枠42の内周面にも同
様にレンズ光軸αと平行な方向に伸びる複数の摺動溝4
4を形成してある。このフロント摺動枠42の内部には
摺動溝44に沿ってレンズ光軸α方向へ移動できる摺動
突起45aを外周面に突起させたリヤ摺動枠45が配置
されている。リヤ摺動枠45の後側内部には3枚のレン
ズからなる第4変倍レンズ群46群が組み込まれ、この
第4変倍レンズ群46はリヤ摺動枠45の内周に螺着さ
れたリングネジ47で固定されている。
【0027】フロント摺動枠42の内部を仕切る隔壁部
42bに3枚のレンズが取付けられ、また隔壁部42b
に対向して配置されたリヤ側ホルダ48には2枚のレン
ズが取付けられ、この5枚のレンズで第3変倍レンズ群
49a群を構成している。リヤ側ホルダ48とリヤ摺動
枠45との間にはバネ50が設けられ、リヤ摺動枠45
の第4変倍レンズ群46を常に第3変倍レンズ群49a
から離れる方向へ付勢している。リヤ側ホルダ48には
2枚のシャッタ羽根51が介在され、このシャッタ羽根
51は第3変倍レンズ群49aの間に位置している。
【0028】可動鏡胴43の内部にはフロント側ホルダ
52が取付けられ、このフロント側ホルダ52の前側に
は2枚のレンズからなる第1変倍レンズ群49bを固定
するためにレンズホルダ53が螺着されている。この第
1変倍レンズ群49bと第3変倍レンズ群49aとで第
1−3変倍レンズ系49を構成し、これらは一体に移動
する。
【0029】フロント側ホルダ52の内側にはレンズ光
軸α方向へガイド溝54が形成され、このガイド溝54
には3枚のレンズで構成される第2変倍レンズ群55が
組み込まれたレンズホルダ56の突起56aが係合して
いる。このレンズホルダ56の支持部56bはスリーブ
57に摺動可能に設けられている。スリーブ57はレン
ズ光軸α方向に設けられたステンレスにより形成された
ガイドピン58にスライド自在に密着状態で挿入され、
これによりレンズのガタ付きをなくし、かつ直線性を良
くしている。このガイドピン58はフロント側ホルダ5
2の先端部とフロント摺動枠42に支持されたプレート
66との間に支持されている。
【0030】レンズホルダ56の支持部56bとフロン
ト側ホルダ52の先端部との間にはガイドピン58に挿
入したコイルバネ59が設けられ、第2変倍レンズ群5
5を常に第3変倍レンズ群49a方向へ付勢している。
フロント側ホルダ52に設けられた軸受60と、フロン
ト摺動枠42の隔壁部42bに設けられた軸受61との
間にネジ軸62が回動可能に支持され、このネジ軸62
はレンズ光軸α方向へ平行になっている。このネジ軸6
2にはレンズホルダ56の支持部56bに設けたナット
部材63が螺着され、ネジ軸52の回転でレンズホルダ
56を介して第2変倍レンズ群55がレンズ光軸α方向
へ移動可能になっている。
【0031】ネジ軸62には小歯車64が固定され、こ
の小歯車64の軸部には大歯車65が固定され、この大
歯車65は図7に示すギヤ軸67に噛み合い、大歯車6
8を介してフォーカシングモータ69の駆動ピニオン7
0に噛み合い、フォーカシングモータ69の駆動でギヤ
機構を介して第2変倍レンズ群55をレンズ光軸α方向
へ進退移動するようになっている。一方、ネジ軸62の
小歯車64にはギヤ軸71に設けられた大歯車72が噛
み合い、ギヤ軸71にはストッパ部材73の歯車73a
が噛み合っており、そのストッパ部73bがフロント摺
動枠42の隔壁部42bにストッパ部73bの軸を中心
として扇状に形成された凹部42cのストッパ部材73
の回転方向の端部に当接することで回転が規制され、第
2変倍レンズ群55の移動が規制される。これらのギヤ
機構はプレート66と、隔壁部42bにプレート75と
の間に支持されている。
【0032】フォーカシングモータ69の回転軸69a
には3枚羽根76が設けられ、この3枚羽根76に対向
して設けられたフォトインタラプタ77でフォーカシン
グモータ69の回転によりパルスLDP1を得る。ま
た、ギヤ軸71の軸上には大歯車78が設けられ、プレ
ート79に回動可能に設けられた回転軸80の小歯車8
1に噛み合い、回転軸80には1枚羽根82が設けられ
ている。この1枚羽根82と対向する位置にフォトイン
タラプタ83が設けられ、フォーカシングモータ69の
回転によりパルスLDP2を得る。
【0033】前記3枚羽根76と前記1枚羽根82は光
不透過性の樹脂であるポリアセタールにより形成され
る。ポリアセタールで形成することにより、モータの回
転軸69aに軽い圧力で圧入でき、また圧入後に回転方
向での位置調整も容易に可能とすることができる。
【0034】図9に示すように固定鏡胴40にはカム筒
90が固定鏡胴40を中心として回動可能に取付けら
れ、このカム筒90の周壁にはフロント摺動枠42及び
可動鏡胴43のレンズ光軸α方向への繰出し及び倍率変
化に応じた繰出量の補正を行なう第1補正カム溝91並
びにリヤ摺動枠45のレンズ光軸α方向への繰出し及び
倍率変化に応じた繰出量の補正を行なう第2補正カム溝
92が形成されている。フロント摺動枠42の外周面か
ら突起されるフロントカムピン93は、カム筒90の回
動運動に応じてレンズ光軸α方向に移動できるように固
定鏡胴40の周壁に形成されたレンズ光軸αと平行なス
ロット94を貫通して、第1補正カム溝91中に突出さ
れる。リヤ摺動枠45の外周面から突起されるリヤカム
ピン95はファインダ3の倍率調整レンズの移動量とフ
ロント摺動枠42及び可動鏡胴43の移動量との差を修
正するため、固定鏡胴40の周壁に形成されたレンズ光
軸αと平行なスロット96及びフロント摺動枠42の逃
げ溝97を貫通して第2補正カム溝92中に突出され
る。
【0035】前記カム筒90の基部寄りの外周面にはリ
ングギア98が固定され、このリングギア98にはカメ
ラ本体に固定するズーム駆動モータ99の駆動ピニオン
100が減速歯車列101を介して連結されている。従
って、ズーム操作されると、ズーム駆動モータ99によ
りリングギア98及びカム筒90が操作方向に応じて広
角側または望遠側に回動され、同方向に第1−3変倍レ
ンズ系49が繰出されると共に、第1−3変倍レンズ系
49の繰出し量に応じた第4変倍レンズ群46の修正位
置が自動的に決定されることになる。
【0036】また、可動鏡胴43の内部にはバリヤ10
3が備えられ、前記可動鏡胴43の広角端位置から収納
位置への移動により、前記バリヤ103を図示する開状
態から、二点鎖線で示す閉状態へ移動し、収納状態にお
ける撮影レンズの保護を行なう。
【0037】レンズの位置制御 次に、インナーフォーカスタイプのレンズ(バリフォー
カスレンズ)の位置制御について詳細に説明する。
【0038】図11はレンズ移動カーブを示しており、
横軸にズームの回転角度を、縦軸にピント面からの距離
を示している。第1−3変倍レンズ系49は第1変倍レ
ンズ群49bと第3変倍レンズ群49aとからなり、両
者は連結されており、一体に移動する。第4変倍レンズ
群46はピント面側に位置しており、ズームカム機構に
よって、第1−3変倍レンズ系49と連動し、かつ両者
間の距離を変えて繰り出す。
【0039】第2変倍レンズ群55は第1変倍レンズ群
49bと第3変倍レンズ群49aの間に位置しており、
フォーカシングアクチュエータであるフォーカシングモ
ータ69によって移動し、第1−3変倍レンズ系49ま
たは第4変倍レンズ群46との距離を変えて移動する。
第4変倍レンズ群46のズーミング制御は回転角度が広
角端から望遠端に140度で、24段階のステップ制御
が行なわれ、1ステップは略6度に設定されている。
【0040】図12はズームフォーカス原理図であり、
この図は第2変倍レンズ群55のフォーカスレンズの制
御を示している。パルスLDP1は前記したように3枚
羽根76の回転を検知するフォトインタラプタ77から
得られ、このパルスLDP1はフォーカシングの繰り出
し分解能の精度を保つため、またパルスの補正、例えば
ズーム毎の補正等ピント位置を最終的に決めるために使
用する。
【0041】パルスLDP2は1枚羽根82の回転を検
知するフォトインタラプタ83から得られ、このパルス
LDP2はズームによって移動する大まかなズームゾー
ンを決定するために、またパルスLDP1のカウントを
開始するトリガパルスとして使用される。このパルスL
DP2はパルスLDP1が54パルス入力されると、1
パルス入力されるようになっている。
【0042】両側には機械的にフォーカスレンズの移動
を規制するストップ位置が設定され、この間をフォーカ
スレンズが移動する。フォーカスレンズは収納状態では
前側のストッパ位置で停止している。パルスLDP1と
パルスLDP2によって、フォーカシングモータ69の
制御が行なわれ、これによりフォーカシングする。図に
おいて、左方向への移動がモータ逆転で、右方向への移
動がモータ正転とする。フォーカスレンズは実線で示す
位置が広角無限と、望遠無限である。破線で示す位置が
広角0.8mと、望遠0.8mであり、フォーカスレン
ズは一点鎖線で示す位置が移動初期位置であり、カメラ
の撮影待期状態で、この位置に保持される。
【0043】従って、メインスイッチがONされると、
収納状態にある鏡胴をワイド端位置までズーミング駆動
し、フォーカシングモータ69を逆転方向に通電し、L
DP2を5パルスカウントして停止する。その時、フォ
ーカシングレンズ前方の突き当てであるストップ位置か
らワイド撮影待期状態になる。これで、フォーカスレン
ズは一点鎖線で示すフォーカシングのための移動初期位
置に移動し、鏡胴がワイドの位置ではこの位置から前方
にフォーカス制御される。ズーム駆動を行ない、望遠端
に移動させた時に、フォーカスレンズは広角側移動初期
位置から望遠側移動初期位置へズームフォーカスされ
る。この状態から撮影を行なう場合は前方にフォーカス
制御される。この実施例ではインナーフォーカスを使用
しているため、望遠側と広角側では有限距離に対する合
焦位置で、フォーカスレンズの移動量が異なる。また、
広角側でフォーカスレンズが所定の位置にあった場合、
望遠側に移動すると、そのフォーカスレンズの位置が異
なる。
【0044】図13はピント位置補正原理図である。イ
ンナーフォーカスでは図13に示すようなピント位置補
正が必要になる。横軸に被写体距離が0.8m〜無限に
設定され、この被写体距離に対してオートフォーカスの
ための数値が設定されている。縦軸にはレンズ繰り出し
量が示され、広角側は約160パルス、望遠側は約18
0パルスで設定されている。
【0045】この図において、フォーカスレンズの望遠
側での移動を実線で示し、広角側での移動を一点鎖線で
示す。これによれば、広角側と望遠側で無限位置が設定
されていても、例えば1.2mの被写体にピントを合せ
る場合、望遠側と広角側では繰り出し量が異なる。広角
側では絞られた状態で制御され、特に近距離側ではさら
に絞って制御して解像力を高めようとするため、即ち、
絞り値により解像力ピークの位置が変化するため、近距
離ピント絞り時のフォーカスレンズの繰り出し量を補充
している。
【0046】ピント位置補正は被写体距離が1.2m〜
無限大までは、ドライブパルスは P1×AFZ/128で設定されるが、被写体距離が
0.8m〜1.2mの範囲では、望遠側ドライブパルス
1が P1+P2(AFZ−128)/64 で繰り出し量が補正され、また、広角側ドライブパルス
が P1+P2(AFZ−128)/64+P3 で繰り出し量が補正される。
【0047】これらのパルスデータは広角側から望遠側
までのズーミング停止位置を24段階のポジション毎
に、EEPROMに記憶されている。無限位置はパルス
LDP2及びシフトパルスで補正される。
【0048】図14はズーム位置制御のためのエンコー
ダを示す図、図15はズームスイッチタイミングチャー
トである。図14はズーム制御のための信号を得る摺動
抵抗パターンと摺動接片からなるエンコーダを示してお
り、摺動抵抗パターン300と摺動接片310とでズー
ム位置信号を得るようにしている。
【0049】摺動抵抗パターン300と摺動接片310
はズーム駆動モータ99の動力をカム筒90に伝達する
減速歯車列101が配置される部分に備えられ、摺動接
片310を減速歯車列101のギヤに固定して回転可能
にし、摺動抵抗パターン300はこの摺動接片310に
対向させてカメラ本体側に配置される。摺動接片310
はレンズの繰リ出しに応じて回転し、摺動抵抗パターン
300を摺動する。摺動抵抗パターン300は内周側か
ら第1パターン301、第2パターン302、第3パタ
ーン303及び第4パターン304からなり、摺動接片
310は第1接片311、第2接片312、第3接片3
13及び第4接片314からなっている。
【0050】第4パターン304は摺動抵抗体で構成さ
れ、広角側端部がGNDに、望遠側端部が3Vになるよ
うになっており、第1パターン301と第4パターン3
04と、第1接片311と第4接片314とで図15に
示すようなアナログ電圧のズーム位置信号ZIを得る。
このズーム位置信号ZIはA/D変換され、表−1に示
すようなEEPROMに記憶されたテーブルからズーム
ゾーンZZを得るようになっている。このテーブルには
ズームゾーンZZに応じたズーム補正値FZと測光補正
値AEが設定されている。
【0051】また、第2パターン302と第3パターン
303とでデジタルパターンを形成しており、第2接片
312と第3接片313とで、図15に示すようなズー
ムクローズ位置信号ZC、ズーム広角端信号ZW、ズー
ム望遠端信号ZT及びデジタルのズーム移動パルス信号
ZPを得る。
【0052】従って、操作ボタン13の操作でズーム操
作信号が入力されると、ズーム駆動モータ99を回転さ
せるズーム動作前に、ズーム位置信号ZIをA/D変換
して次に示す表−1のように、ズームゾーンZZを得
る。これにより、フォーカスレンズの現在位置を得る
が、ズーム広角端信号ZWまたはズーム望遠端信号ZT
が入力されると、A/D変換しないで、ゾーン位置
[0]、または[23]を得る。
【0053】そして、ズーム操作信号の入力に応じてズ
ーム駆動モータ99が駆動し、操作ボタン13を離され
た後、ズーム移動パルス信号ZPの所定の位置に停止さ
せる。このとき得られるズーム位置信号ZIをA/D変
換し、ズームゾーンZZを得る。ズーム動作前で得られ
たズームゾーンZZのフォーカスゾーンFZと、ズーム
動作後に得られたズームゾーンZZのフォーカスゾーン
FZとの差を求める。この差で得られた値だけ、ズーム
フォーカスしてフォーカスレンズ位置の変更を行なう。
【0054】表−1 ZI入力テーブル 図16の(a),(b),(c),(d)はズーミング
動作のタイミングチャートである。図16の(a),
(b)はズームアップ時のタイミングチャートを示して
いる。図16の(a)はズーム移動パルス信号ZPがO
FF時に、操作ボタン13の操作部13aの押圧操作を
解除することにより、ズームアップ信号ZUがONから
OFFになると、ズーム移動パルス信号ZPがOFFか
らONになるタイミングで、ズーム駆動モータの通電は
正転通電から逆転通電にしてズーム移動パルス信号3と
4の間のONの位置に停止制御する。
【0055】また、図16の(b)はズーム移動パルス
信号ZPがON時に、操作ボタン13の操作部13aの
押圧操作を解除することにより、ズームアップ信号ZU
がONからOFFになると、ズーム移動パルス信号ZP
のOFFを待ち、OFFからONになるタイミングで、
ズーム駆動モータ通電は正転通電から逆転通電にしてズ
ーム移動パルス信号4と5の間のONの位置に停止制御
する。
【0056】図16の(c),(d)はズームダウン時
のタイミングチャートを示している。図16の(c)は
ズーム移動パルス信号ZPがOFF時に、操作ボタン1
3の操作部13bの押圧操作を解除することにより、ズ
ームダウン信号ZDがONからOFFになると、ズーム
移動パルス信号ZPがOFFからONになるタイミング
で、ズーム駆動モータ通電は逆転通電から正転通電し、
次のズーム移動パルス信号ZPがOFFからONになる
タイミングで、ズーム駆動モータ通電を正転通電から逆
転通電にして、ズーム移動パルス信号8と9の間のON
の位置に停止制御する。
【0057】図16の(d)はズーム移動パルス信号Z
PがON時に、操作ボタン13の操作部13bの押圧操
作を解除することにより、ズームダウン信号ZDがON
からOFFになると、ズーム移動パルス信号ZPのOF
Fを待ち、OFFからONになるタイミングで、ズーム
駆動モータ通電は逆転通電から正転通電し、次のズーム
移動パルス信号ZPがOFFからONになるタイミング
で、ズーム駆動モータ通電を正転通電から逆転通電にし
て、ズーム移動パルス信号7と8の間のONの位置に停
止制御する。
【0058】このように、ズーム停止は正転ドライブ中
に、ズームアップ信号ZUまたはズームダウン信号ZD
のスイッチを入力した時点で、ズーム移動パルス信号Z
PがOFFからONになると、ただちに停止させる。こ
の正転動作でのOFFからONになる位置のみを使うこ
とで、ズーム停止位置の精度を向上することができる。
【0059】また、ズーム停止前に、ズーム移動パルス
信号ZPのスイッチがOFF状態であることを把握し、
ONになるタイミングでモータ制御を行なっており、こ
のようにON状態で制御することによるチャタリングを
なくしている。これによって、チャタリングマスク時間
中でのズーム駆動モータ99のオーバーランを短縮する
ズとができ、これで移動速度依存性の吸収、温度依存性
の吸収、機械的機構の個体差の吸収ができるため、ズー
ム駆動モータ99の停止精度を向上させている。
【0060】また、逆転中は停止前に正転側へドライブ
した後停止させており、この動作を行なうことにより機
械的機構に生じるバックラッシュを吸収することがで
き、かつ正転側に駆動するストロークは少なくともズー
ム移動パルス信号ZPのパルス幅はあるので正転側に駆
動するストロークは電圧変化が生じても一定で、モータ
停止精度を向上させることができる。
【0061】さらに、停止直前に逆通電を行なうことに
よりブレーキをかけて、停止時のオーバーランを短縮さ
せており、温度依存性の吸収ができる。また、正逆同電
位による電池電圧依存性を吸収できる。この逆通電を引
火する時間は、外気の温度、電池電圧、個体差情報によ
って制御される。
【0062】図17の(a),(b)は図16(b),
(d)のオートズームモードにおけるレンズの移動を示
し、被写体距離情報に基づき焦点距離を望遠側に2パル
ス移動させるオートズームタイミングチャートで、ズー
ム移動パルス信号ZPはOFFからONでカウントして
プラス1する。図17の(a)は正転側に2パルス移動
する例で、カウント終了時に、ズームアップ時と同様に
ただちに停止処理を行なう。
【0063】図17の(b)は逆転側に2パルス移動す
る例で、カウント終了時に、ズームダウン時と同様にズ
ーム移動パルス信号ZPのOFFを待ち、OFFからO
Nになるタイミングで、ズーム駆動モータ通電は逆転通
電から正転通電し、次のズーム移動パルス信号ZPがO
FFからONになるタイミングで、ズーム駆動モータ通
電を正転通電から逆転通電にして停止する。
【0064】このように、逆転側も正転させることで、
正転側と同様な停止処理を行なうことができ、しかも前
記したように、特別のチャタリングマスクを用いない
で、パルスカウント終了時に、ただちにズーム駆動モー
タ99を停止するため、一定の処理で迅速に停止するこ
とができ、しかもオーバーランを軽減することができ
る。従って、特に、自動的に距離を演算して、その結果
に応じてズーミング量を変えるオートズームに好適であ
る。
【0065】図18にフォーカシング駆動シーケンスを
示す。フォーカシングの停止制御は常にフォーカスレン
ズを前に繰り出す方向で、即ちフォーカシングモータ6
9の正転側で作動して停止させる。フォーカシングモー
タ69が駆動されてフォーカシングされ、最初のパルス
LDP2の立下がりをトリガとしてパルスLDP1のカ
ウントが開始され、前述した所定パルスが入力されると
フォーカシングモータ69の停止制御が開始される。
【0066】フォーカシングモータ69にショートブレ
ーキをかけて、リバースA時間t1だけ定電圧逆通電を
行ない、そして定電圧正転通電を行なう。再び、ショー
トブレーキをかけてリバースB時間t2だけ定電圧逆通
電を行ない、そして定電圧正転通電を行なう。さらに、
リバースC時間t3だけ定電圧逆通電を行ない、最後に
所定時間をかけて停止させている。
【0067】リバースA時間t1は制御パルスの数に依
存している。この制御パルスは図13に示すように、測
距結果に依存し、目標回転制御量に見合ったモータ回転
量として設定されるパルスLDP1は、無限位置を出す
ためにシフトパルスに依存している。この制御パルスの
設定は、望遠側、広角側で異なり、ズームゾーンZZ毎
に設定される。リバースA時間t1は制御パルスが多い
場合は、時間が長くなり、制御パルスが少ない場合時間
は短くなり、リバースB時間t2及びリバースC時間t
3はフォーカスレンズの移動速度に応じて、ブレーキ時
間を設定し、フォーカスレンズの移動速度に応じた停止
制御を行ない、常に一定のオーバーランで停止でき、し
かもオーバーランを軽減している。
【0068】このように、リバースA時間t1は制御パ
ルスに依存して、例えば表ー2のように設定される。
【0069】表−2 (t1)の算出 また、リバースB時間t2はショートブレーキ時間、定
電圧逆転通電を行なうリバースA時間t1及び定電圧正
転通電を行なう時間に入力される一定の例えば14パル
ス(PA )の動作時間に依存して設定される。さらに、
リバースC時間t3はショートブレーキ時間、定電圧逆
転通電を行なうリバースB時間t2及び定電圧正転通電
を行なう時間に入力される一定の例えば8パルス(PB
)の動作時間に依存して設定される。この、リバース
B時間t2、リバースC時間t3は、例えば表−3のよ
うになる。
【0070】表−3 (t2),(t3)の算出 また、リバースA時間t1及びリバースB時間t2前の
ショートブレーキ時間は、例えば200μsecの極短
時間でモータに悪影響を与えないようにし、リバース時
間C後のブレーキ時間は例えば200msecで、それ
ぞれ一定に設定され、ショートブレーキを用いてより短
時間にフォーカシングモータ69を停止させる。
【0071】このように、マイクロコンピュータ200
はフォーカシングモータ69に逆通電と正通電のブレー
キを繰返して行ない停止させる停止手段と、逆通電と正
通電のブレーキによる所定量の移動の通電に要する時間
に基づいて、次のブレーキの通電時間を設定する制御手
段とを有しており、フォーカスレンズの移動速度に応じ
たブレーキを行なうことができ、オーバーラン量を一定
にすることができ、しかもフォーカスレンズの停止を短
時間に、かつ高精度に行なうことができる。また、リバ
ースA時間t1、リバースB時間t2、リバースC時間
t3は、温度、電源電圧、個体差情報により補正を行な
っている。
【0072】シャッタ構造 シャッタ構造は図5及び図6に示すように、リヤ側ホル
ダ48にシャッタ羽根51の作動を検出するフォトイン
タラプタ102が設けられ、シャッタ羽根51に形成さ
れた切欠51b〜51eと先端部51fとで第1〜第5
のトリガ信号を得るようになっている。
【0073】シャッタ羽根51は図10に示すように、
作動ピン84の作動により駆動するようになっており、
作動ピン84は回転軸85に設けられたレバー86に固
定され、このレバー86に形成された歯部86aは直流
モータで構成されるシャッタ駆動モータ87の駆動ピニ
オン88と噛み合っている。シャッタ駆動モータ87の
駆動でレバー86を介して作動ピン84が作動し、一対
のシャッタ羽根51を開閉するようになっている。シャ
ッタ羽根51はそれぞれフロント摺動枠42の突起89
に回動可能に支持されており、作動ピン84が、その基
部51aを押動することで開閉作動する。
【0074】シャッタの駆動装置 次に、このカメラのシャッタの駆動装置について詳細に
説明する。図19はAEプログラム線図で、ISO感度
100のフィルムを使用した状態での露出制御を示して
いる。露出制御はシャッタ速度と絞りの2要素から行な
われ、シャッタ速度を横軸に、絞りを縦軸に示してい
る。フィルム感度が決まり、被写体輝度を測定すると適
正露出値であるEV値が決まり、そのEV値になるよう
にシャッタ速度と絞りが設定され、このプログラム制御
ではEV値3〜EV値18が連動範囲である。このカメ
ラはズーム制御が行なわれているため、焦点距離が変化
すると有効F値が変わり、広角側の全開でF3.5が得
られ、望遠側の全開でF8.5が得られる。広角側では
F3.5では所定の解像力が得られないためF3.8を
用いており、広角側では全開にしていない。
【0075】また、このカメラではEV値18以上を測
光手段の能力で測光できないため、望遠側ではEV値1
8としてシャッタ速度約1/300で露光制御するよう
になっているが、ISO感度400のフィルムを用いれ
ばシャッタ速度1/500で露光制御が可能になってい
る。さらに、望遠側及び広角側でのストロボ発光制御が
連動する範囲を二重線で示している。
【0076】図20の(a)〜(d)は露光量自動補正
原理図で、図20の(a)は標準シャッタの露光制御を
示し、図20の(b)はシャッタ羽根51の作動が遅い
場合の露光制御を示し、図20の(c)は標準シャッタ
の露光制御を示し、図20の(d)はシャッタ羽根51
の作動が遅い場合の露光制御を示している。
【0077】図20の(a)ではレリーズ操作でシャッ
タ羽根51を駆動する直流モータで構成されるシャッタ
駆動モータ87に所定時間t1逆通電して機械のバック
ラッシュを除き、シャッタバネを閉側の突き当て位置に
移動させ、高い電圧で所定時間t2通電してシャッタ羽
根51を開方向に駆動させ、以後所定時間t3低い電圧
で通電してシャッタ羽根51を開口する。そして、シャ
ッタ羽根51の作動で、所定の開口絞りが得られた時に
出力するトリガ信号STの立ち下りで、シャッタ駆動モ
ータ87へ所定時間t4を逆通電して、シャッタ羽根5
1を閉じ方向へ作動させて停止させる。このシャッタ駆
動モータ87の回転量に応じて指数関数的に、シャッタ
羽根51の開口面積が大きくなり、逆通電から所定の遅
延時間t5が経過するとシャッタ羽根51が閉じ所定の
露光量を得ることができる。
【0078】ところで、図20の(b)に示すように、
例えば、シャッタ駆動モータ87の回転速度上昇が遅く
なると、シャッタ羽根51の作動が遅くなるためトリガ
信号STの出力が遅くなって、その分露光量に誤差が生
じる。
【0079】従って、図20の(c),(d)に示すよ
うにシャッタ駆動モータ87に、シャッタ開口時高い電
圧と低い電圧とを印加する手段と、シャッタ羽根51の
開口作動に同期して複数のトリガ信号を得る手段と、第
1のトリガ信号ST0により全閉の初期位置からの開口
動作後は第2のトリガ信号ST1発生までの開口開始点
までは前記高い電圧で通電し、この開口開始点後は低い
電圧で通電する手段とを備えている。シャッタ羽根51
の開口作動に同期して複数のトリガ信号を得る手段の具
体的な構成は図10に示しており、第1〜第5のトリガ
信号STを得るようになっている。
【0080】これにより、図20の(c)に示すよう
に、例えばシャッタ羽根51の作動が標準の場合には、
第1のトリガ信号ST0の出力時間が短く、これに応じ
て高い電圧での通電時間t2が短い。ところで、図20
の(d)に示すように、例えばシャッタ羽根51が作動
が遅い場合には、第1のトリガ信号ST0の出力時間が
長くなり、この第1のトリガ信号ST0の出力に応じて
高い電圧での通電時間t2が長くなって、第2のトリガ
信号ST1により逆通電されるまでの所定時間t3、低
い電圧で通電する。このように、シャッタ駆動モータ8
7に印加する高い電圧の通電時間t2を変更すること
で、均一な露出量を得ることができる。従って、シャッ
タ羽根51の重量等の個体差による負荷のバラツキを吸
収し、また温度等の環境的要因による影響等を排除する
ことができ、精度が良い露光量を得ることができる。
【0081】また、シャッタ羽根51の開口作動に同期
して得えられる第1のトリガ信号ST0の出力に応じ
て、高い電圧での通電時間が自動的に設定することがで
き、特別な調整手段を用いることなくシャッタ開口動作
に応じた高い電圧を通電して、露光量の補正を行なうこ
とができる。
【0082】図21は露光量の補正を詳細を示し、図2
1の実線が図20の(c)の標準シャッタの露光量を、
破線が図20の(d)のシャッタ羽根51の作動が遅い
場合の露光量を示している。第1のトリガ信号ST0の
出力に応じて、直流モータの高い電圧の通電時間t2が
自動的に調整され、第1のトリガ信号ST0の立下がり
で低い電圧の通電が行なわれ、第2のトリガ信号ST1
の立下がりで逆通電される。
【0083】即ち、シャッタ羽根51による露光制御で
シャッタ駆動モータ87の負荷が大きい場合は、シャッ
タ羽根51の動作速度が遅く、破線で示す図20の
(d)のように実線で示す図20の(c)のシャッタ羽
根51による露光制御の場合より、露光量特性曲線の傾
きが立上がり立下り共ゆるやかであるが、高い電圧での
通電時間t2を長くすることで、露光量は略同一になる
ように補正される。
【0084】図22の(a)〜(f)はシャッタ羽根5
1の作動状態を示している。図22の(a)はモータの
起動時の状態を示しており、第1のトリガ信号ST0が
出力されるが、シャッタ駆動モータ87は回転していな
いで、この第1のトリガ信号ST0の出力で高い電圧が
通電され、これによりシャッタ駆動モータ87が駆動さ
れる。図22の(b)ではシャッタ駆動モータ87が約
70度回転し、レバー86が作動してシャッタ羽根51
が作動し、第2のトリガ信号ST1が出力され、シャッ
タ開口直前の状態になる。図22の(c)ではシャッタ
羽根51がさらに作動して第3のトリガ信号ST2が出
力され、このトリガ信号ST2をトリガとしてシャッタ
羽根51の停止制御を行ない、絞りをF5.6にする。
図22の(d)ではシャッタ羽根51がさらに作動して
第4のトリガ信号ST3が出力され、このトリガ信号S
T3をトリガとしてシャッタ羽根51の停止制御を行な
い、絞りがF3.8にする。
【0085】22の(e)では第5のトリガ信号ST4
が出力され、このトリガ信号ST4をトリガとしてシャ
ッタ羽根51の停止制御を行ない、開放絞りを形成し、
図22の(f)で示す絞りが得られる。全開時のシャッ
タ羽根51の停止制御を行なうことにより、全開時のシ
ャッタ羽根51のバウンドを防止することができるた
め、バウンドを吸収するためのシャッタ羽根51の全開
からの機械的なオーバーストロークを少なくすることが
できる。シャッタ羽根51が全開時、シャッタ駆動モー
タ87の軸は約1回転する。この実施例で示すシャッタ
駆動モータ87は、起動から1回転程度では飽和速度に
達することがなく、シャッタ開口動作はモータの起動特
性に依存している。従って、正転、逆転の応答性の高い
領域で使用することができるようになっている。
【0086】図23の(a)〜(d)はシャッタ駆動シ
ーケンスを示し、図24の(a)は通電時間テーブルを
示し、図24の(b)は制動時間テーブルを示し、また
図25はシャッタ羽根51の開口特性を示している。図
23の(a)はシャッタスピード高速時の制御で、図1
9の望遠側及び広角側の絞り値とシャッタ速度が変化す
る領域A1,A2のシャッタ駆動を示す。図23の
(b)は広角側の近距離での絞り値が一定で、シャッタ
速度が変化する領域Bのシャッタ駆動を示し、図23の
(c)は広角側の遠距離での絞り値が一定で、シャッタ
速度が変化する領域Cのシャッタ駆動を示す。図23の
(d)は望遠側の全開時の絞り値が一定で、シャッタ速
度が変化する領域Dのシャッタ駆動を示している。
【0087】シャッタ駆動モータ87は図20の(a)
〜(d)に示すようにシャッタ羽根51で出力されるト
リガ信号STで駆動される。シャッタ駆動モータ87は
シャッタ駆動開始から高い電圧が通電され、第1のトリ
ガ信号ST0の立下がりで、低い電圧を通電されて切替
えられ、開口作動が行なわれる。このシャッタ駆動モー
タ87に印加される正電圧の露光量制御テーブル通電時
間t6は、例えば図24の(a)に示すようなテーブル
1に記憶されている。
【0088】図23の(a)では第2のトリガ信号ST
1の立下がりを、図23の(b)では第3のトリガ信号
ST2の立下がりを、図23の(c)では第4のトリガ
信号ST3の立下がりを、図23の(d)では第5のト
リガ信号ST4の立下がりを、トリガとして露光制御を
行なう。図23の(a)では第2のトリガ信号ST1の
立下がりをトリガ信号として、前記テーブル2の時間経
過後に逆通電が所定時間t7行なわれて、所定時間t8
制動され、図25に示すような三角形波形のシャッタ羽
根の開口特性X1を得る。
【0089】図23の(b)〜(d)は停止制御が行な
われ、トリガ信号STを計数して、第3,第4,第5の
トリガ信号ST2,ST3,ST4の立下がりで、調整
時間t9逆通電して所定時間t10制動し、さらに所定
時間t11逆通電して再び所定時間t12制動され、図
25に示すような台形波形のシャッタ羽根51の開口特
性X2,X3,X4を得る。
【0090】この第3,第4,第5のトリガ信号の立下
がりでの逆通電する調整時間t9はEEROM等の記憶
手段に書込まれており、F値毎に調整時間t9が異な
る。また、この調整時間t9の後に行なわれる制動の所
定時間t10は、例えば図24の(b)に示すように予
め記憶されたメモリのテーブル2が用いられ、このテー
ブル2は各絞りに対応じて露光時間のテーブルをシフト
して使用し、情報を簡略化している。
【0091】また、図23の(a)〜(d)の第1のト
リガ信号ST0がストロボ制御の発光タイミングとして
用いられ、この第1のトリガ信号ST0から割込み制御
が行なわれて、ストロボ発光が行なわれる。また、スト
ロボの発光タイミングは図23の(a)〜(d)におい
て、例えば第2,第3,第4,第5のトリガ信号ST
1,ST2,ST3,ST4によって行なうこともでき
る。図23の(a)〜(d)のシャッタ駆動シーケンス
及び図24のシャッタ羽根の開口特性X1,X2,X
3,X4に示すように、第1のトリガ信号ST0からの
時間で三角波形を制御し、それ以降のトリガ信号で台形
波形を制御し、これにより露光量の制御が行なわれる。
【0092】シャッタ羽根51の開口作動に同期して絞
り値に相応するトリガ信号STを得る手段と、シャッタ
開口時に発生するトリガ信号STを絞り値情報として検
知してシャッタ駆動モータ87の駆動を停止して絞りを
形成する手段と、この直流モータのシャッタ駆動モータ
87の駆動を停止から所定時間後にシャッタ羽根51を
閉口作動して停止制御する手段とを備えている。従っ
て、シャッタ駆動モータ87の駆動によって、シャッタ
開口中に発生するトリガ信号ST1,ST2,ST3,
ST4を絞り値情報として検知し、シャッタ駆動モータ
87の駆動を停止して絞りを形成し、所定時間後に逆通
電してシャッタ羽根の閉口制御を行なう。
【0093】この第1のトリガ信号ST0からの時間で
三角波形を制御することで、時間を記憶したテーブル1
が1個でよく、また図23の(b),(c)に示すよう
に、絞りのF値が増加してもF値に応じて時間を設定す
ればよいから、テーブル1のサイズを小さくすることが
できる。また、第1のトリガ信号ST0からの時間で三
角波形を制御し、それ以降のトリガ信号で制動或いは逆
通電の時間によって台形波形を制御することで、露光優
先或いは絞り優先のプログラム制御を行なうことがで
き、しかも露出精度を向上することができる。
【0094】また、シャッタ羽根51の停止制御は図2
6の(a)〜(c)に示すようにしてもよく、シャッタ
羽根51を正確かつ安定して停止させるため、調整時間
や通電電圧を変化させることで制動効果をもたせてい
る。図26の(a)は逆通電の調整時間t14,t15
を変化させたものであり、図26の(b)は逆通電の電
圧E1を低くしたものである。また、図26の(c)は
第1回の逆通電の電圧E2を高くし、第2回の逆通電の
電圧E3を低くしている。即ち、急制動を行なうときの
加速度によって大きなバラツキが生じることがあるが、
2回目の逆通電の電圧E3を低くすることで緩やかな停
止制御を行なうことができる。
【0095】測距測光装置 カメラの測距装置は測距ポイントが可変可能になってお
り、操作ボタンの押圧操作により測距方向を段階的に左
右に変化させることができる。また、測光装置も測距装
置に一体で測光方向を変化させるようになっている。図
27は測距測光装置の平面図、図28は測距測光装置の
AーA´断面図である。
【0096】カメラの前カバー500に近接した測距投
光部501、測距受光部502及び測光部503が備え
られ、各々は測距ベース504に取付けられている。
【0097】この測距ベース504は本体に固定的に保
持したムービングターゲットベース505に設けられた
支持軸506に挿嵌さて、この支持軸506を支点とし
て左右方向へ回動可能になっており、これで測距投光部
501、測距受光部502、測光部503の方向を変更
している。支持軸506には位置規制バネ507が設け
られ、この一端部507aはムービングターゲットベー
ス505に固定されたストッパ508に、他端部507
bは測距ベース504に係止され、この位置規制バネ5
07で支持軸506の周方向及び軸方向のガタを抑えて
いる。
【0098】測距ベース504には連結ピン509が設
けられ、この連結ピン509は調整プレート510の凹
部510aに係合されている。調整プレート510はド
ラム511に固定され、ドラム511が支持軸524を
支点として左右方向へ回転すると、測距ベース504が
連動して所定角度回転される。調整プレート510には
ドラム511の支持軸524を中心として円周方向に長
孔510bが形成されており、この長孔510bにドラ
ム511のピン511fを挿入し、この位置関係を偏心
ピン511gで調整することができ、組付時に取付位置
を変化させて測距位置の調整を行なうことができる。
【0099】ドラム511の対向する位置には作動溝5
11a,511bが2段ずつ形成され、この作動溝51
1a,511bには、ムービングターゲットベース50
5の支持軸523に回動可能に設けられたムービングタ
ーゲットレバー512の両端部512a,512bに設
けた軸を中心に回動可能に取付けられた送り爪513,
514と、ムービングターゲットベース505の支持軸
515,516に回動可能に設けられた固定爪517,
518が係合する。ムービングターゲットレバー512
はその一方が押圧された場合、他方の送り爪513,5
14は作用溝511a,511bとの係合を解除し、退
避すると共に固定爪517,518の立上り部517
b,518bを押圧し、固定爪も作用溝からの解除と退
避を行なう。
【0100】固定爪517,518のドラム側には下向
きのストッパ部517a,518aが、非ドラム側には
上向きの立上り部517b,518bが形成されてい
る。支持軸515,516にはバネ519,520が設
けられ、その一端部519a,520aは固定爪51
7,518に、他端部519b,520bはムービング
ターゲットベース505に設けたストッパ521,52
2に係止され、固定爪517,518を常にドラム51
1の作用溝511a,511bに係合するように付勢し
ている。
【0101】ムービングターゲットレバー512はムー
ビングターゲットベース505の支持軸523に回動可
能に設けられている。この支持軸523に螺着した取付
軸部550には復帰バネ528が装着され、この復帰バ
ネ528の両端部528aは支持軸524に螺着した取
付軸部551の軸部551cに形成されたストッパ部5
51dに係合しており、ストッパ部512cを介してム
ービングターゲットレバー512は常に初期位置に復帰
するように付勢されている。
【0102】ドラム511の外周部には凹部511eが
形成され、この凹部511eにセンタクリック板526
のバネ部526aが係合するようになっている。センタ
クリック板526はムービングターゲットベース505
にビス527で固定され、このセンタクリック板526
の作用で、ドラム511が初期位置で保持され、測距投
光部501、測距受光部502、測光部503が回動し
ない中心位置になる。
【0103】一方、ドラム511の軸部には復帰バネ5
25が装着され、この復帰バネ525の両端部525a
はムービングターゲットレバー512の軸部に係合して
おり、この復帰バネ528でストッパ部511cを介し
てドラム511は常に初期位置へ復帰するように付勢さ
れている。
【0104】ムービングターゲットレバー512の両端
に回動可能にドラム511方向にバネ519,520に
より付勢された送り爪513,514はムービングター
ゲットレバー512の左右方向の回転で、ドラム511
の作用溝511a,511bに係合してドラム511を
1段ずつ回動させる。この送り爪513,514の下方
に固定爪517,518が位置している。
【0105】ムービングターゲットレバー512は操作
ボタン13で支持軸523を支点にして左右方向へ回動
され、このムービングターゲットレバー512の回転で
回転方向の送り爪513,514がドラム511の作用
溝511a,511bに係合して押動する。これで、ド
ラム511が回転して、回転方向の固定爪517,51
8がドラム511の次の作用溝511a,511bに係
合し、ドラム511を1段の作用溝511a,511b
分回転させて保持する。このとき、非回転方向の送り爪
513,514はムービングターゲットレバー512の
回転で固定爪517,518の立上がり部部517b,
518bに当接し、固定爪517,518をバネ51
9,520に抗して回転して非回転方向の作用爪511
a,511bとの係合を解除し、ドラム511を回動可
能にする。ムービングターゲットレバー512が初期位
置に復帰すると、固定爪517,518は送り爪51
3,514での係止が解除されるため、次段の作用溝5
11a,511bに係合してドラム511の回動を規制
するようになっている。
【0106】操作ボタン13の上下には突起13e,1
3fが左右に取付部13g,13hが設けられ、ズーミ
ング操作とムービングターゲット操作の2つの操作を兼
用するようになっている。即ち、操作ボタン13の操作
部13aを押圧操作することにより、突起13eがムー
ビングターゲットベース505に設けた弾性導電ゴムで
形成されたスイッチ552の接片部552aを押圧して
本体側の制御部と接続されたフレキシブルプリント基板
のパターンを導通状態にし、ズームレンズの焦点距離を
望遠側に移動させる。
【0107】一方、操作ボタン13の操作部13bを押
動操作することにより、突起13fが接片部552bを
押圧して本体側の制御部と接続されたフレキシブルプリ
ント基板のパターンを導通状態にし、ズームレンズの焦
点距離を広角側に移動させる。また、操作ボタン13の
操作部13dを押圧操作することにより、取付部13h
でムービングターゲットレバー512の左側が押動さ
れ、送り爪514を介してドラム511が右方向へ回動
して、測距ベース504を左方向へ回動し、測距、測光
方向を変更する。
【0108】操作ボタン13の操作部13cを押圧操作
することにより、前記と反対に取付部13gでムービン
グターゲットレバー512の右側が押動され、送り爪5
13を介してドラム511が左方向へ回動して、測距ベ
ース504を右方向へ回動し、測距、測光方向を右側に
変更する。
【0109】このドラム511に設けられたピン529
には位置検出レバー530の凹部530aが係合され、
この位置検出レバー530は支持軸531に回動可能に
設けられ、位置検出レバー530の回動で接片532が
図示しないパターン上を摺動してドラム511の回転情
報を出力し、測距制御での測距ベース504の位置情報
を得るようになっている。
【0110】支持軸531にはまた解除レバー533が
回動可能に設けられ、この解除レバー533に接片53
4が設けられ、2つの位置をクリックにより取り得るメ
インスイッチ8の操作と連動して作動する。解除レバー
533に設けられた軸部533aはドラム511の軸部
511cに回動可能に設けられた解除プレート535の
凹部535aに係合しており、解除レバー533の操作
で解除プレート535を時計・反時計方向へ回動する。
【0111】従って、メインスイッチ8をOFFする
と、このメインスイッチ8の操作で解除レバー533は
時計方向へ回動する。これで、解除プレート535が反
時計方向へ回動すると、その作動部535b,535c
が固定爪517,518のストッパ517a,518a
に当接して押動する。このため、固定爪517,518
は支持軸515,516を支点としてバネ519,52
0に抗してドラム511の作用溝511a,511bか
ら離れる方向へ回動する。これによって、ドラム511
の位置規制が解除されるため、ドラム511は復帰バネ
525によって中心の初期位置へ復帰して、ドラム51
1の凹部511eにセンタクリック板526のクリック
部526aが係合して、この初期位置に保持される。従
って、メインスイッチ8をOFFすると、常にムービン
グターゲットは中心の位置に自動的に復帰され、特別な
操作を行なうことなく、次の撮影の準備が可能になる。
【0112】測距制御 次に、ムービングターゲット情報セットについて説明す
る。図29は図27及び図28に示す測距装置からムー
ビングターゲット情報を得る概略図を示している。図2
7に示すドラム511の回転によって測距ベース504
の方向を変え、これにより位置検出レバー530の接片
532が図29のパターン0〜4に接続されると、その
パターン0〜4に応じてアナログ電圧MVIが得られ
る。このアナログ電圧MVIをA/D変換し、このA/
D値から測距方向位置情報MVZを求める。
【0113】この実施例では、測距方向位置情報MVZ
が0のとき左6.6度、MVZが1のとき左3.3度、
MVZが2のとき中央、MVZが3のとき右3.3度、
MVZが4のとき右6.6度の測距装置の振れ角である
ことを検出できる。
【0114】この測距方向位置情報MVZと、焦点距離
情報ZZとから、表−4示すムービングターゲットテー
ブルからムービングターゲット位置情報MVを選定す
る。
【0115】表−4 この選定されたムービングターゲット位置情報MVに基
づいて、図4のファインダ内表示を左から1〜13個の
LCDの内1個を選択して点灯する。
【0116】このように、ファインダ内の表示を行なう
ことで、外部からどの位置を測距しているかを容易に確
認することができる。測距装置の振れ角がこの実施例で
は撮影レンズの光軸を中心として左右に2段階切換が可
能になっており、ズーミングによる撮影レンズ光学系を
移動することで、前記光軸中心以外の振れ角で、ファイ
ンダ内のムービングターゲットフレーム表示と、測距装
置の測距ポイントにズレが起こる。このズレはズーミン
グによる焦点距離の変化に伴ってファインダ内の倍率も
変化するが、測距装置の振れ角は変化しないために起こ
るもので、この補正をファインダ内のムービングターゲ
ットマーク21の表示位置を変化させることで、測距ポ
イントとムービングターゲットマーク21の表示を対応
させることができ、これにより望遠、広角での測距範囲
の変化をなくすことができる。
【0117】さらに、パララックス補正の情報セットに
ついて説明する。パララックス補正は、撮影レンズでの
撮影範囲とファインダの撮影範囲が一致しないことを補
正するものであり、以下、このパララックス補正の実施
例を説明する。
【0118】はじめに、測距ゾーン情報と焦点距離情報
が共に得られた場合を説明する。図30の(1)〜
(3)は3種類の視野枠表示パターンを有する場合の実
施例のファインダ内表示を示し、視野枠20a,20b
の点滅により視野範囲を制御するパララックスの表示状
態は、被写体距離情報Xに基づき、測距ゾーン情報AF
Zを求め、この測距ゾーン情報AFZと、焦点距離情報
ZZから、表−5のパララックス補正テーブルから選択
される。
【0119】表−5 即ち、測距ゾーン情報AFZが0〜63の場合には焦点
距離情報ZZに関係なく図30の(1)の補正が行なわ
れ、測距ゾーン情報AFZが64〜127の場合には焦
点距離情報ZZが望遠側の場合は、図30の(2)の補
正が行なわれ、測距ゾーン情報AFZが128〜192
の場合には焦点距離情報ZZが8〜15の場合に、図3
0の(2)の補正が行なわれ、焦点距離情報ZZが16
〜23の場合に、図30の(3)の補正が行なわれる。
【0120】このように、ファインダ光学系に配置され
た撮影距離と焦点距離に対応した複数の視野枠20a,
20bと、光視野枠20a,20bを表示させるファイ
ンダ内表示手段と、測距ゾーン情報AFZと焦点距離情
報ZZからファインダ内表示手段を駆動する制御手段と
を備えており、撮影準備操作(スイッチS1を ON)
を行うことにより、測距手段を作動させて被写体距離情
報Xを検出し、この被写体距離情報Xより測距ゾーン情
報AFZを求め、この測距ゾーン情報AFZと、焦点距
離情報ZZから、表−5のパララックス補正テーブルで
示される表示パターンのいずれかを選択する。
【0121】しかし、撮影準備操作が行われないスイッ
チS1がOFFの時は、焦点距離情報ZZだけしか入力
されない条件下となり、例えば焦点距離情報ZZが0〜
7の場合には図30の視野枠(1)が選択され、焦点距
離情報ZZが8〜15の場合には図30の視野枠(1)
が選択され、焦点距離情報ZZが16〜23の場合には
図30の視野枠(2)が選択される。即ち、測距ゾーン
情報AFZが得られない場合には、全測距ゾーンのうち
略中間の測距ゾーン情報を用いて表示することにより、
撮影準備操作(スイッチS1がON)が行われて表示パ
ターンが決められても、その複数の視野枠(1)〜
(3)の表示変化の少ない視野枠を表示するようになっ
ている。
【0122】また、焦点距離情報ZZだけしか入力され
ない条件下として、例えばメインスイッチがONされた
時、或いはズーミング後レリーズボタンのスイッチS1
が押されるまでの間等がある。
【0123】また、他の実施例として、図31に示すよ
うに複数の視野枠(1)〜(5)のうち中間の視野枠を
表示するように構成することができる。この視野枠
(1)〜(5)は表−6のパララックス補正テーブルか
ら選択される。即ち、この実施例では焦点距離情報ZZ
が0〜7の場合には視野枠(2)を選択し、焦点距離情
報ZZが8〜15の場合には視野枠(3)を選択し、焦
点距離情報ZZが16〜23の場合には視野枠(4)を
選択する。この場合、メインスイッチがOFF時には焦
点距離情報ZZが0〜7の場合で視野枠(2)を選択す
る。この実施例は図38において液晶表示A,Dで行な
われ、この液晶表示A,Dではパララックス補正の視野
枠20と、ムービングターゲットマーク21の表示が行
なわれる。
【0124】表−6 また、他の実施例として、情報を書換可能な記憶手段例
えばE2PROM等を備え、焦点距離に対応した測距ゾ
ーンの使用回数を撮影動作に基づき記憶し、測距ゾーン
情報が得られない場合は、記憶手段の記憶情報に基づ
き、焦点距離で最も使用回数の多い測距ゾーンに対応し
た視野枠を表示して、記憶情報に基づいて各焦点距離で
最っとも頻度の高い撮影距離に対応する視野枠を選択し
てパララックス補正を行なうように構成することができ
る。
【0125】例えば、図31に示すような複数の視野枠
(1)〜(5)を有する場合に、表−7に示すような撮
影が行なわれたとすると、焦点距離情報ZZが0〜7の
場合には視野枠(1)を選択し、焦点距離情報ZZが8
〜15の場合には視野枠(4)を選択し、焦点距離情報
ZZが16〜23の場合には視野枠(3)を選択する。
この実施例は図38において液晶表示A,Dで行なわ
れ、この液晶表示A,Dではパララックス補正の視野枠
20と、ムービングターゲットマーク21の表示が行な
われる。
【0126】表−7 さらに、他の実施例として、情報を書換可能な記憶手段
を備え、前回に行なわれた焦点距離での撮影距離情報を
記憶し、この記憶情報に基づいて視野枠を選択してパラ
ラックス補正を行なうように構成することができる。
【0127】例えば、図31に示すような複数の視野枠
(1)〜(5)を有する場合に、焦点距離情報ZZが0
〜7の場合には視野枠(3)を表示して撮影したとき、
ズーミングで焦点距離情報ZZが16〜23になると、
視野枠(5)を選択する。この実施例は図38において
液晶表示Dで行なわれ、この液晶表示Dではパララック
ス補正の視野枠20と、ムービングターゲットマーク2
1の表示が行なわれる。
【0128】また、他の実施例として、ズーミングによ
る視野枠の変化をなるべく少なくするように構成するこ
とができる。例えば、図31に示すような複数の視野枠
(1)〜(5)を有する場合に、焦点距離情報ZZが0
〜7の場合には視野枠(3)を表示して撮影したとき、
ズーミングで焦点距離情報ZZが16〜23になると、
視野枠(3)を選択する。
【0129】また、焦点距離情報ZZが0〜7の場合に
は視野枠(1)を表示して撮影したとき、ズーミングで
焦点距離情報ZZが16〜23になると、視野枠(3)
を選択する。この実施例は図38において液晶表示Dで
行なわれ、この液晶表示Dではパララックス補正の視野
枠20と、ムービングターゲットマーク21の表示が行
なわれる。
【0130】さらに、実施例として、ズーミングの直
前、終了または途中で測距を行ない、その測距情報に基
づいて視野枠を選択するように構成することができる。
この実施例は図39〜図41において行なわれる。
【0131】図32は測距方向を可変することにより、
防塵パネル面を透過する測距光の屈折角が変化してしま
い、この変化による測距誤差を補正する方法を示してい
る。測距装置の前方に測距ユニット等を保護する防塵パ
ネル600を備え、防塵パネル600はカメラケース側
に固定されており、測距ポイントの変化によって動くこ
とがない。このため、図32に示すように投光素子60
1から被写体602へ投光される測距光は、測距方向の
振れ角αによって防塵パネル600を透過するときの屈
折が変化する。これが原因で、AFレンズ603を介し
て受光光素子604のPSD測距面に誤差xが生じ、正
確が測距結果が得られない。
【0132】このため、図31に示すように、予め下記
にようにして誤差xの振れ角θ,αによる変化を求めて
テーブルに記憶しておく。
【0133】ここで、t′は光軸とAFレンズとの距離
で求める。
【0134】次に、防塵パネル600の屈折角θ′を求
めると、 ここで、nは防塵パネル600の屈折率で、例えば略n
=1.5程度である。
【0135】この防塵パネル600の屈折による誤差x
0は で求める。
【0136】また、防塵パネル600での屈折による測
距光と、屈折しない測距光との距離x1は、 で求める。
【0137】従って、受光素子604のPSD測距面で
の誤差xは、 で求める。
【0138】このようにして、測距方向の位置情報を得
る手段と、この測距方向位置情報に基づいて測距情報を
補正する手段とを備えておき、測距方向位置情報に基づ
いて予め記憶されているテーブルから測距情報を補正す
ることで、測距方向の振れ角によって防塵パネルを透過
する測距光の屈折が変化して生じる測距誤差を除去する
ことができ、正確な測距結果を得る。測距装置の投光光
の光束も防塵パネル600による屈折が起こるが、この
補正はファインダ内ムービングターゲットマーク21を
予め前記屈折により起こる光束のズレ量分だけ調整して
おけばよい。
【0139】測光制御 次に、測光制御について説明する。図33は測光のタイ
ミングチャートである。この測光制御は図33に示すよ
うに、スポット・アベレージ測光切替信号S/A、計測
開始指令信号CA、計測スタート信号CB、計測停止信
号AEIの制御により行なわれ、測光ICの出力のスポ
ット時間SPTとアベレージ時間AVTを求める。
【0140】この測光制御ではスポット・アベレージ測
光切替信号S/AがLレベルの状態でスポット測光が行
なわれ、Hレベルの状態でアベレージ測光が行なわれ
る。測光ルーチン前のルーチンの動作が終了すると測光
ルーチンがスタートして、電源電圧の安定化のために所
定時間後に計測スタート信号CBがHレベルになり、基
準電圧に設定されたコンデンサの放電を所定時間行な
い、この時間を経時後計測開始指令信号CAをHレベル
にし、タイマTを作動すると共に、スポット測光用の測
光素子の受光する光量に応じて充電時間が変化する前記
コンデンサの充電を開始し、前記基準電圧に達すること
により、計測停止信号AEIがHレベルになり、この間
のタイマTのループ回数で、スポット測光時間SPTを
測定する。
【0141】次に、スポット・アベレージ測光切替信号
S/AをHレベルにして、電源電圧の安定化のために所
定時間後に、計測スタート信号CBをHレベルにし、基
準電圧に設定されたコンデンサの放電を所定時間行な
い、この時間を経時後、計測開始指令信号CAがHレベ
ルにすると、タイマTを作動すると共に、アベレージ測
光用の測光素子の受光光量に応じて充電時間が変化する
前記コンデンサの充電を開始し、前記基準電圧に達する
のを検知することにより、計測停止信号AEIをHレベ
ルにし、この間のタイマTのループ回数で、アベレージ
時間AVTを測定する。
【0142】次に、測光演算補正について説明する。ス
ポット測光時間SPT及びアベレージ測光時間AVTが
明るさに比例しており、それぞれの時間が長いと暗く、
短いと明るいと判断され、この測光特性を例えば、アベ
レージ測光時間AVTについて図34のグラフに示す。
【0143】図34で、縦軸に演算を容易にするためタ
イマTのループ回数から演算されたEV値を5倍した
値、EVAVを定め、横軸にアベレージ測光時間AVT
を定めると、この両者の関係は実線の標準特性で示すこ
とができる。
【0144】ところで、例えば、測光ICの外付け抵抗
やコンデンサ等のバラツキで、一点鎖線や二点鎖線で示
すような誤差特性になることがあると、この誤差特性を
標準特性に合せることで、測光演算補正が行なわれる。
【0145】しかしながら、この誤差特性を標準特性に
合せる測光補正は、例えば補正するための抵抗を設ける
等ハードで補正することは、部品点数が増加し、自動化
が困難で、また調整工数が必要である等の問題点があ
る。
【0146】ところで、図35のアベレージ測光時間A
VTとタイマTのループ回数の関係はグラフに示すよう
になっているため、アベレージ測光時間AVTを測定す
るためのタイマTのループ時間を、選択することで誤差
特性を標準特性に合せることができる。
【0147】即ち、アベレージ時間AVTを測定するた
めに、1ループ標準で248μsecのタイマをまわし
て、アベレージ測光時間AVTの間にタイマTがまわる
ループ回数で測定している。このため、例えば図34の
一点鎖線の誤差特性は1ループ232μsecのタイマ
を、また二点鎖線の誤差特性は264μsecのタイマ
を選定する。
【0148】これにより、図36のEVAVとタイマT
のループ回数の関係のグラフに示すような制御特性に合
せることができる。この測光制御は、図36に示す制御
特性が得られるテーブルで行なわれ、この制御特性は次
のように測光時間AVTからアベレージ測光値EVAV
を求めている。
【0149】EVAV=EVSFT−タイマTのループ
回数 ここで、EVSFTはシフト量を示すものでEE
PROM内のデータ(0〜127)で標準特性に対して
の上下方向のズレをシフト調整するためのものである。
また、タイマTは表−8に示すようにEEPROM内の
データEVLENによって決まるものである。
【0150】表−8 従って、EVLENを選択することにより、傾き特性の
誤差を補正し、EVSFTを選択することにより、上下
のシフト特性の誤差を補正することができ、例えば図3
4に示すように、一点鎖線で示すような誤差特性になる
ことがあると、図34のタイマT232μsecを、二
点鎖線で示すような誤差特性になることがあると、タイ
マT264μsecを選択して補正する。
【0151】このように、アベレージ測光時間AVTは
標準測光特性から外れることがあっても、ハードを調整
することをせずに、標準測光特性と一致させるようにタ
イマTのループ時間を変えることで、標準測光特性が得
られるようにしている。
【0152】また、メモリに記憶されたEVLENデー
タの選択で傾き特性の誤差を補正し、同様にEVSFT
データの選択で上下のシフト特性の誤差を補正し、図3
6の測光特性を得ているため、測光の補正のテーブルが
1個でよく、メモリ容量を削減、処理時間の短縮等の利
点を有している。
【0153】カメラの回路構成 図37はカメラの概略ブロック図である。このカメラに
はマイクロコンピュータ200が用いられ、電池201
から駆動電圧が与えられている。マイクロコンピュータ
200に情報を書換可能な記憶手段202が接続され、
さらにこのマイクロコンピュータ200には各種スイッ
チや周辺機器が接続されている。各種スイッチとして、
メインスイッチ8、操作ボタン13で作動するムービン
グスイッチ203、同様に操作ボタン13で作動するズ
ームスイッチ204のテレ側接片204aとワイド側接
片204b及びレリーズボタン9のスイッチS1及びス
イッチS2等があり、また周辺機器として、ファンダ内
表示手段205、測光手段206、測距手段207、ズ
ーム制御手段208、鏡胴位置検出手段209、レンズ
制御手段210、レンズ位置検出手段211、シャッタ
制御手段212及び給送手段213等がある。
【0154】図38はカメラの動作フローチャートを示
しており、パララックス補正は図31に基づいて行なわ
れる。ステップ1−aでメインスイッチ8の入力が判断
され、メインスイッチ8がONされると、ズーム制御手
段208でズーミングしてワイドポジションへ移動する
と(ステップ1−b)、ファインダ内表示手段205の
駆動で、液晶表示Aで変化の少ない視野枠20の表示と
ムービングターゲットマーク21の表示を行なう(ステ
ップ1−c)。そして、メインスイッチ8の入力状態を
判断しOFFされると(ステップ1−d)、ズーミング
してクローズポジションへ移動して(ステップ1−
e)、同様に液晶表示Aの表示を行ない、ステップ1−
aへ移行する(ステップ1−f)。
【0155】ステップ1−dにおいて、メインスイッチ
8がON状態にあると、ズームスイッチ204の入力状
態を判断し(ステップ1−g)、ズームスイッチ204
がONされるとズーム制御手段208でズーム動作を行
なう(ステップ1−h)。ズームスッチ204がOFF
されると(ステップ1−i)、液晶表示Dで変化の少な
い視野枠20とムービングターゲットマーク21の表示
を行ない(ステップ1−j)、タイマーで所定の時間を
設定し(ステップ1−k)、ズームスイッチ204がO
Nされると(ステップ1−l)、ステップ1−hへ移行
してズーム動作を行なう。
【0156】そして、ステップ1−lにおいて、ズーム
スイッチ204がONしないで、タイマーで設定された
時間が経過すると(ステップ1−m)、フォーカスレン
ズの移動を行ない(ステップ1−n)、ステップ1−d
へ移行する。ステップ1−gでズームスイッチ204が
OFFの場合にはレリーズボタン9のスイッチS1がO
Nされると(スイッチ1−o)、測光手段206で測光
を(ステップ1−p)、測距手段207で測距を行ない
(ステップ1−q)、測距情報を記憶し(ステップ1−
r)、さらにファインダ内の液晶表示Bで測距ゾーン情
報AFZと焦点距離情報ZZによる視野枠20及びムー
ビングターゲットマーク21の表示、さらにストロボ発
光マーク22、測距距離表示23、手振れ警告マーク2
4を行なって(ステップ1−s)、レリーズボタン9の
スイッチS2の入力を判断する(スイッチ1−t)。ス
イッチS2が入力されない場合は、液晶表示Cで液晶表
示Bの視野枠20とムービングターゲットマーク21の
表示を継続して(ステップ1−u)、ステップdへ移行
する。
【0157】ステップ1−tで、レリーズボタン9のス
イッチS2が入力されると、レンズ制御手段210でフ
ォーカシングが行なわれ(ステップ1−v)、シャッタ
制御手段212でシャッタ開閉の制御が行なわれて(ス
テップ1−w)、露光が終了すると給送手段213でフ
ィルムの巻上げのフィルム給送を行ない(ステップ1−
x)、液晶表示Cを行ない(ステップ1−u)、ステッ
プ1−dへ移行する。
【0158】図39はカメラの他の実施例の動作フロー
チャートを示している。この実施例ではズーム直前に測
距してパララックス補正を行なっており、他は図38の
実施例と同様に作動する。即ち、ステップ2−a〜2−
gまでは図38のステップ1−a〜1−gと同様に作動
し、ステップ2−gにおいて、ズームスイッチ204が
ONされると、測距を行ない(ステップ2−y)、ズー
ム動作を行なう(ステップ2−h)。そして、ステップ
2−i〜ステップ2−nまでは図38のステップ1−i
〜ステップ1−nと同様に作動し、フォーカシングレン
ズの移動を行ない、ステップ2−dへ移行する。ステッ
プ2−gでズームスイッチ204がOFFの場合にはレ
リーズボタン9のスイッチS1がONされると(スイッ
チ2−o)、測光(ステップ2−p)、測距を行ない
(ステップ2−q)、さらにファインダ内の液晶表示B
を行なって(ステップ2−s)、ステップ2−t〜2−
xで図38の1−t〜1−xと同様な作動が行なわれ
る。
【0159】図40はカメラのさらに他の実施例の動作
フローチャートを示している。この実施例ではズーム終
了後に測距してパララックス補正を行なっており、他は
図38の実施例と同様に作動する。即ち、ステップ3−
a〜3−gまでは図38のステップ1−a〜1−gと同
様に作動し、ステップ3−gにおいて、ズームスイッチ
204がONされると、ズーム動作を行なう(ステップ
3−h)。ズームスッチ204がOFFされると(ステ
ップ3−i)、測距を行ない(ステップ3−y)、液晶
表示Dの表示を行ない(ステップ3−j)、ステップ3
−k〜ステップ3−nまでは図38のステップ1−k〜
ステップ1−nと同様に作動し、フォーカシングレンズ
の移動を行ない、ステップ3−dへ移行する。
【0160】ステップ3−gでズームスイッチ204が
OFFの場合にはレリーズボタン9のスイッチS1がO
Nされると(スイッチ3−o)、測光(ステップ3−
p)、測距を行ない(ステップ3−q)、さらにファイ
ンダ内の液晶表示Bを行なって(ステップ3−s)、ス
テップ3−t〜3−xで図38の1−t〜1−xと同様
な作動が行なわれる。
【0161】図41はカメラのさらに他の実施例の動作
フローチャートを示している。この実施例ではズーム途
中に測距してパララックス補正を行なっており、他は図
38の実施例と同様に作動する。即ち、ステップ4−a
〜4−gまでは図38のステップ1−a〜1−gと同様
に作動し、ステップ4−gにおいて、ズームスイッチ2
04がONされると、ズーム動作を行ない(ステップ4
−h)、このズーム動作途中に測距を行ない(ステップ
4−y)、液晶表示Dの表示を行なう(ステップ4−
i)。ズームスッチ204がOFFされると(ステップ
4−j)、ステップ4−k〜ステップ4−nまでは図3
8のステップ1−k〜ステップ1−nと同様に作動し、
フォーカシングレンズの移動を行ない、ステップ4−d
へ移行する。
【0162】ステップ4−gでズームスイッチがOFF
の場合にはレリーズボタンのスイッチS1がONされる
と(スイッチ4−o)、測光(ステップ4−p)、測距
を行ない(ステップ4−q)、さらにファインダ内の液
晶表示Bを行なって(ステップ4−s)、ステップ4−
t〜4−xで図38の1−t〜1−xと同様な作動が行
なわれる。
【0163】
【発明の効果】前記したように、この発明の可変焦点距
離カメラは、焦点距離情報だけしか入力されない条件下
では、複数の視野枠のうち焦点距離の変化による表示変
化の少ない視野枠を選択して表示するので、例えばカメ
ラのメインスイッチがONの場合或いはズーミング後に
レリーズボタンのスイッチS1が押されるまでの間の測
距が行なわれない場合でも、適切なパララックス補正を
行なうことができ、撮影したい被写体の欠け等が生じ再
度撮影構図の変更が必要になったり、撮影者に違和感を
与えることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】カメラの正面図である。
【図2】カメラの背面図である。
【図3】カメラの平面図である。
【図4】ファインダ内表示を示す図である。
【図5】撮影レンズ鏡胴部の断面図である。
【図6】撮影レンズ鏡胴部の一部を破断した側面図であ
る。
【図7】撮影レンズを駆動する機構の断面図である。
【図8】図5のVIIIーVIII断面図である。
【図9】図5のIXーIX断面図である。
【図10】図5のX ーX 断面図でシャッタ羽根制御の
信号検出手段を示す図である。
【図11】レンズ移動カーブを示す図である。
【図12】ズームフォーカス原理図である。
【図13】ピント位置補正原理図である。
【図14】ズーム位置制御のためのエンコーダを示す図
である。
【図15】ズームスイッチタイミングチャートである。
【図16】(a)〜(d)はズーミング動作のタイミン
グチャートである。
【図17】(a),(b)は図16の(b),(d)の
オートズームモードにおけるレンズの移動を示す図であ
る。
【図18】フォーカシング駆動シーケンスを示す図であ
る。
【図19】AEプログラム線図である。
【図20】(a)〜(d)は露光量自動補正原理図であ
る。
【図21】露光量の補正を詳細に示す図である。
【図22】(a)〜(f)はシャッタ羽根の作動状態を
示す図である。
【図23】(a)〜(d)はシャッタ駆動シーケンズを
示す図である。
【図24】(a)は通電時間テーブルを示し、(b)は
制動時間テーブルを示す図である。
【図25】シャッタ羽根の開口特性を示す図である。
【図26】(a)〜(c)はシャッタ羽根の停止制御を
示す図である。
【図27】測距測光装置の平面図である。
【図28】図27の測距測光装置のAーA´断面図であ
る。
【図29】図27及び図28に示す測距装置からムービ
ングターゲット情報を得る概略図である。
【図30】(1)〜(3)はファインダ内の視野枠を示
す図である。
【図31】パララックス補正を示す図である。
【図32】測距方向を可変することによる測距情報を補
正する構造を示す図である。
【図33】測光のタイミングチャートである。
【図34】アベレージ測光特性を示す図である。
【図35】アベレージ測光時間AVTとタイマTのルー
プ回数の関係を示す図である。
【図36】EVAVとタイマTのループ回数の関係を示
す図である。
【図37】カメラの概略回路ブロック図である。
【図38】カメラの動作フローチャートである。
【図39】カメラの他の動作フローチャートである。
【図40】カメラの他の動作フローチャートである。
【図41】カメラの他の動作フローチャートである。
【図42】従来のパララックス補正を示す図である。
【符号の説明】
2 レンズ鏡胴 3 ファインダ 8 メインスイッチ 9 レリーズボタン 13 操作ボタン 20 視野枠 21 ムービングターゲットマーク 200 マイクロコンピュータ 205 ファインダ内表示手段 206 測光手段 207 測距手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03B 13/36 G03B 3/00 A (72)発明者 鮫島 義信 東京都八王子市石川町2970 コニカ株式 会社内 (72)発明者 宮崎 岳美 東京都八王子市石川町2970 コニカ株式 会社内 (56)参考文献 特開 平2−63033(JP,A) 特開 平3−100534(JP,A) 特開 昭57−204028(JP,A) 実開 昭59−141328(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 13/00 - 13/36 G02B 7/28 - 7/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変焦点レンズを構成する撮影レンズ
    と、撮影準備操作により被写体距離を検出する測距手段
    と、該測距手段により検出された被写体距離に基づき測
    距ゾーン情報を出力する測距ゾーン情報出力手段と、前
    記撮影レンズの焦点距離情報を検出する焦点距離情報検
    出手段と、前記撮影レンズの変倍動作に連動して倍率を
    切替えるファインダ光学系と、該ファインダ光学系に設
    けた複数の視野枠と、該視野枠を表示させるファインダ
    内表示手段と、を有する可変焦点レンズカメラにおい
    て、撮影準備操作がなされた場合は前記測距ゾーン情報
    と前記焦点距離情報により選択した前記視野枠を表示
    し、撮影準備操作以前で前記焦点距離情報しか得られな
    い場合には、測距ゾーン情報に略中間の測距ゾーンの情
    報を用いて前記視野枠を表示する制御手段を備えたこと
    を特徴とした可変焦点距離カメラ。
  2. 【請求項2】 可変焦点レンズを構成する撮影レンズ
    と、被写体距離を検出する測距手段と、該測距手段によ
    り検出された被写体距離に基づき測距ゾーン情報を出力
    する測距ゾーン情報出力手段と、前記撮影レンズの焦点
    距離を検出する焦点距離情報検出手段と、前記撮影レン
    ズの変倍動作に連動して倍率を切替えるファインダ光学
    系と、該ファインダ光学系に設けた複数の視野枠と、該
    視野枠を表示させるファインダ表示手段と、を有する可
    変焦点レンズカメラにおいて、前記焦点距離に対応した
    測距ゾーンの使用回数を撮影動作に基づき記憶する記憶
    手段と、測距ゾーン情報が得られない場合は、前記記憶
    手段の記憶情報に基づき、前記焦点距離で最も使用回数
    の多い測距ゾーンに対応した視野枠を表示する制御手段
    を備えたことを特徴とした可変焦点距離カメラ。
  3. 【請求項3】 可変焦点レンズを構成する撮影レンズ
    と、被写体距離を検出する測距手段と、該測距手段によ
    り検出された被写体距離に基づき測距ゾーン情報を出力
    する測距ゾーン情報出力手段と、前記撮影レンズの焦点
    距離を検出する焦点距離情報検出手段と、前記撮影レン
    ズの変倍動作に連動して倍率を切替えるファインダ光学
    系と、該ファインダ光学系に設けた複数の視野枠と、該
    視野枠を表示させるファインダ表示手段と、を有する可
    変焦点レンズカメラにおいて、前記焦点距離に対応した
    測距ゾーンを撮影動作に応じて記憶する記憶手段と、前
    記測距ゾーン情報が得られない場合は、前記記憶手段の
    記憶情報に基づき、前回の撮影に使用した前記焦点距離
    における前記測距ゾーンに対応した前記視野枠を表示す
    る表示制御手段を備えたことを特徴とした可変焦点距離
    カメラ。
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