JP2002014386A - ズームレンズ装置 - Google Patents

ズームレンズ装置

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JP2002014386A JP2000194599A JP2000194599A JP2002014386A JP 2002014386 A JP2002014386 A JP 2002014386A JP 2000194599 A JP2000194599 A JP 2000194599A JP 2000194599 A JP2000194599 A JP 2000194599A JP 2002014386 A JP2002014386 A JP 2002014386A
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zoom lens
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、簡単な構造でマクロ撮影を実施でき
る廉価なズームレンズ装置を提供する。 【解決手段】本発明のズームレンズ装置10は、テレ端
及びワイド端以外の所定のズーム段Z5における絞り口
径を、他のズーム段における絞り口径よりも小さく設定
し、この所定のズーム段Z5を、マクロ撮影モードを選
択した時のみ使用するようにした。即ち、マクロ撮影モ
ード時の絞り口径を小さくて被写界深度を深くしたの
で、簡単な構造でマクロ撮影を実施できる廉価なズーム
レンズ装置を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、簡単な構造でマク
ロ撮影を実施できる廉価なズームレンズ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のズームレンズ装置には、通常撮影
距離で被写体を撮影するノーマル撮影モードからマクロ
撮影モードに切り換えられると、ズームレンズがテレ端
位置から更に前方に繰り出されてマクロ専用の焦点距離
に移動されるとともに、その焦点距離でピントが合う位
置にフォーカスレンズが移動されるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のズームレンズ装置は、マクロ撮影モードに切り換え
られると、ズームレンズがテレ端位置から更に前方に繰
り出される構造なので、ズームレンズ装置が大型になる
という欠点があった。また、ズームレンズの繰り出し量
を少なくするために、テレ端をマクロ専用に設定した場
合には、通常撮影時におけるテレ端が短くなるので、高
倍率の撮影ができないという欠点もあった。
【0004】近距離撮影では、被写界深度が浅くなるた
めに、AFの段数を増やす必要があるが、そのためには
レンズの停止精度を上げて、停止位置を細かく制御しな
ければならず、大きなコストアップとなる。このため被
写界深度を深くするために、プログラムシャッタを用い
て小絞りにして撮影することも考えられるが、プログラ
ムシャッタでは高精度に羽根の動きを制御しなければな
らないためにコストがかかること、及びプログラムシャ
ッタで小絞りにすると、それに連動してシャッタ秒時も
速くなるために、ストロボによって主要被写体を適正露
光にできても、自然光による背景描写はアンダーとなっ
て良好な写真を得られない。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、簡単な構造でマクロ撮影を実施できる廉価な
ズームレンズ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、ズームレンズ装置のテレ端及びワイド端
以外の所定のズーム段における絞り口径が、他のズーム
段における絞り口径よりも小さく設定されていることを
特徴とする。
【0007】また、本発明は、前記目的を達成するため
に、複数のズーム段が設定されたズームレンズと、被写
体を近接撮影するマクロ撮影モードを選択する選択手段
と、前記選択手段でマクロ撮影モードが選択されると、
テレ端及びワイド端以外の所定のズーム段に前記ズーム
レンズを移動させる駆動手段と、ズーム段に応じて絞り
口径を変更させるとともに前記所定のズーム段における
絞り口径が他のズーム段の絞り口径よりも小さくなるよ
うに絞りの開放量を規制する開放規制手段を有するレン
ズシャッターと、を備えたことを特徴とする。
【0008】本発明によれば、ズームレンズ装置のテレ
端及びワイド端以外の所定のズーム段における絞り口径
を、他のズーム段における絞り口径よりも小さく設定
し、この所定のズーム段をマクロ撮影モードを選択した
時のみ使用するようにした。即ち、本発明は、テレ端と
ワイド端との間にある所定のズーム段をマクロ撮影モー
ド専用のズーム段に設定するとともに、このマクロ撮影
モード時の絞り口径を小さくして被写界深度を深くした
ので、高精度なレンズ位置制御が不要になり、簡単な構
造でマクロ撮影を実施できる。また、奥行きのある被写
体でもピントが合い、AF精度を厳しく要求する必要が
ない。更に、ストロボフル発光でも適正露光に近い値を
得ることができるので、ストロボの調光もしなくて済
む。また、テレ端をマクロ専用に設定しないので、通常
撮影時に高倍率の撮影が可能になる。
【0009】また、本発明では、マクロ撮影モードに設
定される所定のズーム段を、同じ鏡胴の動きでも画角の
変化がワイド側より小さいテレ端に近いズーム段に設定
したので、通常撮影時において、例えばファインダーの
像変化が所定のズーム段が抜けたような感覚を撮影者に
与えない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に従って本発明に
係るズームレンズ装置の好ましい実施の形態について説
明する。
【0011】図1に示すズームレンズ装置10は、移動
筒12、直進ガイド筒14、後群用カム筒16、後群レ
ンズ枠18、回転筒20、及び固定筒22等で構成され
た2群ズームレンズ装置である。
【0012】このズームレンズ装置10は、モータ(駆
動手段に相当)24の駆動力で回転筒20を回転させる
ことにより、図2乃至図4に示す前群レンズ26と後群
レンズ19とを互いのレンズ群間の距離を変化させなが
ら光軸P方向に移動させて変倍を行い、その変倍状態で
前群レンズ26と後群レンズ28とを前記変倍時の変化
とは異なるレンズ群間となるように光軸P方向に移動さ
せることによりピント合わせを行うように構成されてい
る。
【0013】図1の回転筒20には、外周に雄へリコイ
ドねじ30とその雄ヘリコイドねじ30の山間に突出し
て形成されたギア部32とが形成されている。ギア部3
2には、モータ24の駆動力が円筒ギア34を介して伝
達される。雄ヘリコイドねじ30には、固定筒22の内
周に形成された雌ヘリコイドねじ36が螺合されてい
る。回転筒20は、雄ヘリコイドねじ30と雌ヘリコイ
ドねじ36とのリードに従って固定筒22に対して回転
されながら光軸P方向に移動される。回転筒20の内面
には、雌ヘリコイドねじ38が形成されている。雌ヘリ
コイドねじ38には、移動筒12の外周に形成された雄
へリコイドねじ40が螺合されている。
【0014】移動筒12には、図2の如く前群レンズ2
6とレンズシャッター42とが固定されている。また、
移動筒12の内周には、光軸Pと平行な直進ガイド溝4
4が形成され、この直進ガイド溝44には、直進ガイド
筒14の外周前端側に設けた第1ガイド突起部46が係
合されている。よって、移動筒12は、回転筒20の回
転作用と直進ガイド筒14の回転止めの作用とによっ
て、ヘリコイドねじ38、40のリードに従い、回転筒
20に対し光軸P方向に直進移動される。
【0015】直進ガイド筒14には、図1の如く外周後
端側に第2ガイド突起48が形成されている。第2ガイ
ド突起48は、回転筒20の内周に、光軸Pを中心とす
る回転方向に沿って設けられた環状溝50に回転自在に
係合される。直進ガイド筒14は、回転筒20の内部で
カメラ本体に対して回転止めされた状態で回転筒20と
一緒に光軸P方向に移動される。
【0016】後群用カム筒16には、外周後端にフラン
ジ部52が形成されている。フランジ部52は、直進ガ
イド筒14の内周に光軸Pを中心とする回転方向に沿っ
て環状に設けた溝54に回転自在に係合される。後群用
カム筒16は、直進ガイド筒14に回転自在に支持され
る。後群用カム筒16には、カム面を持ったカム溝56
が形成され、このカム溝56には、後群レンズ枠18に
突設されたカムフォロワー58が係合されている。これ
らカムフォロワー58は、カム溝56に貫通されて直進
ガイド筒14に光軸Pと平行に形成された直進ガイド開
口60に係合される。これらカム溝56、カムフォロワ
ー58、及び直進ガイド開口60は、光軸Pを中心とす
る回転方向の3分割位置にそれぞれ設けられている。な
お、図2乃至図4の符号62はフイルム面、符号64は
前カバーである。
【0017】図1に示す回転筒20の後端面66には、
光軸Pを中心とする回転方向の一部に切欠部68が形成
されている。切欠部68には、図5の如く後群用カム筒
16の後端面70に設けられたL字状のアーム72の折
曲先端部が係合されている。アーム72は、切欠部68
の内部で光軸Pを中心とする周方向に遊びを持って係合
される。切欠部68とアーム72との遊びが後群用カム
筒16の空転域であり、また、切欠部68とアーム72
とが空転域をもった連係部を構成している。変倍時に
は、モータ24が回転筒20を回転させ、さらに空転域
を超えると、後群用カム筒16が回転される。合焦時に
は、モータ24が回転筒20を空転域内で回転させる。
図5に示した矢印方向は、テレ端方向にモータ24を駆
動したときに回転筒20が回転する方向を示している。
【0018】後群用カム筒16は、切欠部68のうち光
軸Pを中心とする回転方向に沿った2つの壁68a、6
8bの何れか一方がアーム72に押されることで、回転
筒20の回転力が伝達されて直進ガイド筒14に対して
回転される。図5では、回転筒20のテレ端方向への回
転を後群用カム筒16に伝達する壁68aがテレ方向回
転伝達壁、逆側がワイド方向回転伝達壁68bとなって
いる。なお、後群レンズ枠18には、後群レンズ28が
支持されている。
【0019】変倍時には、回転筒20とともに後群用カ
ム筒16が回転筒20と同方向に回転するため、前群レ
ンズ26が回転筒20の変位と移動筒12の変位との合
成により光軸P方向に移動され、且つ、後群レンズ28
は回転筒20の変位とカム溝56のカムの変位との合成
により光軸P方向に移動される。合焦時においては、後
群用カム筒16は回転されないので、前群レンズ26が
回転筒20の変位と移動筒12の変位との合成により光
軸P方向に移動され、且つ、後群レンズ28が回転筒2
0の変位により光軸P方向に移動される。
【0020】直進ガイド筒14には、開放規制手段を構
成するカム板74が内面に取り付けられている。直進ガ
イド筒14は、変倍時に回転筒20とともに光軸P方向
に進退移動される。カム板74は、直進ガイド筒14の
進退移動によってレンズシャッター42の外周に形成し
た切欠部76内で移動される。
【0021】図6に示すように、レンズシャッター42
のシャッタ機構は、2枚のシャッタ羽根78、80、直
動型ソレノイド82、及びカム板74に係合する開放開
口規制部材84等から構成され、これらはシャッタ開口
88が形成されたシャッタ地板90に取り付けられてい
る。なお、カム板74と開放開口規制部材84とによっ
て、本発明の開放規制手段が構成されている。
【0022】シャッタ羽根78、80は、穴92、94
を介してシャッタ地板90に回動自在に支持されてい
る。また、シャッタ羽根78、80の穴92、94の近
傍には、図7の如く長孔96、98が形成され、この長
孔96、98に羽根レバー100のピン101が係合さ
れている。羽根レバー100は、軸102を介してシャ
ッタ地板90に回動自在に支持され、また、羽根レバー
100とシャッタ地板90とに掛け渡されたスプリング
104の付勢力によって、軸102を中心に図7上反時
計回り方向に付勢されている。この付勢力で羽根レバー
100が図7上反時計回り方向に回動されると、ピン1
01に押されてシャッタ羽根78、80が、穴92、9
4を中心に、シャッタ開口88(図6参照)を閉鎖した
閉位置から開放位置に向けて回動する。これにより、レ
ンズシャッター42が開放される。
【0023】一方、図7の如く羽根レバー100の軸1
02を挟んだ反対側には、突片106が一体形成され、
この突片106に鉄心83が当接される。鉄心83は、
ソレノイド82と鉄心83との間に介在されたスプリン
グ108の付勢力によってソレノイド82から突出する
方向に付勢されて突片106に押圧接触され、この付勢
力によって羽根レバー100の図7上反時計回り方向の
回動が規制されている。これにより、シャッタ羽根7
8、80が閉位置に保持される。ソレノイド82、鉄心
83、及びスプリング108によってプランジャーが構
成される。
【0024】鉄心83は、ソレノイド82に電流が流れ
ると、図6上左方向に移動され筒状のソレノイド83内
に収納される。これにより、シャッタ羽根78、80の
回動規制が解除されるので、シャッタ羽根78、80が
開放位置に向けて回動し、開放開口規制部材84で規制
された絞り口径に対応する位置まで回動する。
【0025】開放開口規制部材84は、カム板74と共
にシャッタ羽根78、80の最大開口径を規制する部材
であり、開放規制レバー110及びカムレバー112か
ら構成される。
【0026】開放規制レバー110は、軸114を介し
てシャッタ地板90に回動自在に支持されるとともに、
シャッタ羽根78の先端に形成された突起部79が当接
するレバー部116が形成されている。このレバー部1
16に突起部79が当接することにより、シャッタ羽根
78の回動が規制され、同時に羽根レバー100の回動
も規制されるので、シャッタ羽根80の回動も同様に規
制される。よって、シャッタ羽根78、80の最大開口
が規制される。
【0027】開放規制レバー110には、図6の如くギ
ア部118が形成され、このギア部118にカムレバー
112側のギア部120が噛合されている。カムレバー
112は、軸122を介してシャッタ地板90に回動自
在に支持される。また、カムレバー112には、カムレ
バー112を図6上反時計回り方向に回動付勢するスプ
リング113の付勢力が開放規制レバー110を介して
伝達されているので、カムレバー112に形成されたカ
ムピン124がカム板74のカム面126に押圧当接さ
れている。したがって、カム面126に対するカムピン
124の位置が変更されると、カムレバー112及び開
放規制レバー110が回動されてレバー部116の位置
が変更される。よって、シャッタ羽根78、80の最大
開口がカム面126に応じて変更される。
【0028】カム板74は図5の如く、後群用カム筒1
6の内側で切欠部76の内部に入り込むように直進ガイ
ド筒14に固定されている。カムピン124は、ズーム
レンズ装置10の沈胴位置から、後述するマクロ撮影モ
ード位置までの間でカム面126との係合が継続され、
マクロ撮影モード位置を越えたテレ端位置では、カム面
126との係合が解除される(図8参照)。なお、本実
施の形態では、沈胴式のズームレンズ装置10について
説明するが、本発明のズームレンズ装置は沈胴式に限定
されるものではない。
【0029】カム面126は、カム溝128の光軸P方
向に沿った一方側の縁に形成されており、カムレバー1
12の回転中心に合わせて6段のズーム段Z1〜Z6に
対応するカム面126A〜126Fが形成されている。
【0030】これらのカム面126A〜126Fは、マ
クロ撮影モードのズーム段Z5に対応するカム面126
Eを除いて、ワイド端からテレ端に向けた直進ガイド筒
14と移動筒12との光軸P方向に沿った相対的な変位
によりカムピン124へ押圧量を徐々に少なくする形状
となっている。これにより、シャッタ羽根78、80の
最大開口径は、ワイド端からテレ端に向けて徐々に大き
くなるように規制される。
【0031】また、マクロ撮影モードのズーム段Z5に
対応するカム面126Eでは、シャッタ羽根78、80
の最大開口径が、他のカム面よりも小さく設定されてい
るので、ズーム段Z5での撮影においては、被写界深度
が他のズーム段よりも深くなっている。これにより、ズ
ーム段Z5において、高精度なレンズ位置制御が不要な
マクロ撮影が可能になる。
【0032】図5に示すように、直進ガイド筒14の後
端面には、導体パターン部材134が取り付けられてい
る。後群用カム筒16には、後端面70に摺動子136
が取り付けられている。摺動子136は、図9の如く導
体パターン部材134に摺動する2つのブラシ136
a、136bが取り付けられている。導体パターン部材
134には、アース用パターン140、第1パターン1
42、第2パターン144、及び沈胴位置用パターン1
46が設けられている。ブラシ136a、136bは、
電気的に接続されている。アース用パターン140は、
アースに接続されており、沈胴位置とテレ端との間での
変倍に応じて後群用カム筒16が回転したときにブラシ
136bが摺動する軌跡上に沿って円弧状に形成されて
いる。
【0033】第1パターン142と第2パターン144
とには、信号検出部150から所定の電圧が印加されて
おり、ワイド端とテレ端との間での変倍に応じて後群用
カム筒16が回転したときにブラシ136aが摺動する
軌跡上に、複数の変倍停止位置用の信号部148が変倍
位置に応じた後群用カム筒16の回転位置Z1〜Z6ご
とに形成されている。これらの信号部148は、ワイド
端Z1の時の後群用カム筒16の回転位置に設けた信号
部148を1番としたときに偶数番目の信号部148が
第1パターン142に、また奇数番自の信号部148が
第2パターン144に形成されている。本実施形態で
は、図9に示したZ6の位置がテレ端時の後群用カム筒
16の回転位置となり、Z5の位置がマクロ撮影モード
時の後群用カム筒16の回転位置となる。
【0034】このZ5の位置は、マクロ撮影モードが選
択されないノーマル撮影モード時には使用されず、マク
ロボタン152からマクロ撮影モードが選択された時に
のみ自動的にZ5の位置に後群用カム筒16が移動さ
れ、その位置で停止される。Z5の位置において、レン
ズシャッター42の絞り口径は、図8の如く他のズーム
段Z1〜Z4、Z6における絞り口径よりも小さく設定
され、前述の如く被写界深度が深くなっている。
【0035】沈胴位置用パターン146は、それ自身が
信号部をなしており、ワイド端Z1の時の後群用カム筒
16の回転位置に設けた信号部148よりもワイド端に
向けての後群用カム筒16の回転方向に寄った側で、且
つブラシ136aの摺動軌跡上に配置され、信号検出部
150からの定電圧のプルアップにより、後群用カム筒
16の回転位置が沈胴位置に応じた位置となった時点で
ブラシ136aが接触して信号検出部150に低レベル
の信号を出力する。
【0036】信号検出部150は、沈胴位置用パターン
146及び信号部148、148…の有無に対応した二
値信号をコントローラ154に出力する。二値信号は、
信号部なし、即ち、ブラシ136aが沈胴位置用パター
ン146、又は信号部148に接触していないときに入
力される「1」(高レベル)の信号と、信号部有り、即
ち、ブラシ136aが沈胴位置用パターン146、又は
信号部148に接触したときに得られる「0」(低レベ
ル)の信号とである。以下、第1パターン142から得
られる信号を出力信号A、また第2パターン144から
得られる信号を出力信号B、さらに、沈胴位置用パター
ン146から得られる信号を出力信号Hpとし、高レベ
ル信号から低レベル信号に変化する信号を立ち下がり信
号、また逆を立ち上がり信号として説明する。
【0037】コントローラ154には、ドライバ158
を介して変倍用のモータ24が接続されている。モータ
24の出力軸には、ロータリーエンコーダ156が設け
られている。ロータリーエンコーダ156は、モータ2
4の回転角を検出してコントローラ154にフィードバ
ックする。コントローラ154は、モータ24の回転角
を読み取って合焦駆動等でのモータの駆動停止を制御す
る。
【0038】コントローラ154は、変倍操作部158
に設けられたズームボタンの操作に応答してモータ24
を駆動させる。ズームボタンは、焦点距離をテレ端に向
けて連続的に可変するためのテレ側ズームボタンとワイ
ド側に向けて可変するためのワイド側ズームボタンとで
構成されている。
【0039】コントローラ154には、ROM162、
RAM164及びマクロボタン152等が接続されてい
る。ROM162には、変倍位置と被写体輝度との組み
合わせに応じたシャッタ羽根78、80の開閉時間、変
倍位置と被写体距離との組み合わせに応じた前群レンズ
26の移動量、及びカメラを制御するためのプログラム
等が記憶されている。RAM164は、測距機構166
から得た被写体距離や測光機構168から得た被写体輝
度、及びROM162から読み出したシャッタ羽根7
8、80の開閉時間等の値を一時的に記憶するためのも
のである。
【0040】プログラムには、変倍操作に応じて変倍用
のモータ24の駆動を制御するテレ端方向駆動、及びワ
イド端方向駆動用のプログラム、シャッタレリーズ後に
ズームレンズ装置10を変倍位置から被写体距離に応じ
た合焦位置に駆動する合焦駆動用プログラム、露光完了
後にズームレンズ装置10を合焦位置から変倍位置に戻
す待機駆動用プログラム、後群用カム筒16の回転位置
がズレたか否かを検出し、ズレたときに元の変倍位置に
戻すエラー処理用プログラム、及びマクロボタン152
が押されてマクロ撮影モードに設定された時にズームレ
ンズ装置10をズーム段Z5に移動させるマクロプログ
ラム等がある。
【0041】コントローラ154は、変倍時に得られる
出力信号A及び出力信号Bの立ち下がり信号を順番に検
出するごとに、その時点の変倍位置を例えば「Z1(ワ
イド位置)〜Z6(テレ位置)」のうちの何れであるか
を特定する。テレ端からワイド端に向けての変倍時に
は、モータ24の回転方向の違いで変倍位置を特定する
ことができる。特定した変倍位置は、その都度RAM1
64に書き換えて記憶する。
【0042】テレ端方向駆動、及びワイド端方向駆動用
のプログラムは、変倍操作完了後にその直前の変倍位置
に対応した信号部148が偶数番目か奇数番目か、即ち
その直前の変倍位置に対応した信号部から得られた出力
信号が出力信号Aか否かを判断することによってモータ
24の駆動制御が異なる2つのフローで構成されてい
る。
【0043】合焦駆動用プログラムも、その時点の変倍
位置に対応した信号部148が偶数番目か奇数番目か、
即ち信号部から出力信号Aが得られるか否かを判断する
ことによってモータ24の駆動制御が異なる2つのフロ
ーで構成されている。
【0044】待機駆動用プログラムでは、合焦後にブラ
シ136aが第1パターン142、又は第2パターン1
44の信号部148から外れた状態となるため、これを
その時点の変倍位置に対応した信号部148にまで戻す
制御であり、元の変倍位置に対応した信号部148が偶
数番目か奇数番目か、即ち、その信号部148から得ら
れる出力信号が出力信号Aか否かを判断することによっ
てモータ24の駆動制御が異なる2つのフローで構成さ
れている。
【0045】エラー処理用プログラムは、変倍、合焦、
露光及びフイルム給送等の作動が行われていない待機状
態中に一定時間毎に実行される。待機中には、ブラシ1
36aが信号部148のうちの何れかに接触した状態と
なる。しかしながら、空転域を介して駆動伝達される後
群用カム筒16は鏡筒に加わる外乱力により回転位置が
ずれる恐れがある。
【0046】エラー処理用プログラムでは、その時点に
入力される出力信号A又は出力信号Bの二値信号を読み
取ることで、後群用カム筒16の回転位置がずれている
か否かを判断し、ずれている場合には元の変倍位置に対
応した回転位置まで後群用カム筒16を戻すようにモー
タ24の駆動を制御する。この制御は、元の変倍位置に
対応した信号部148が偶数番目か奇数番目か、即ちそ
の信号部148から得られる出力信号が出力信号Aか否
かによってモータ24の駆動制御が異なる2つのフロー
で構成されている。
【0047】マクロプログラムでは、ブラシ136aが
マクロ撮影モードに対応するZ5の信号部148に接触
する位置に後群用カム筒16が移動するように、モータ
24の駆動を制御する。マクロ撮影モードでの撮影にお
いて、測距機構166(図9参照)が被写体までの距離
が近接撮影距離の範囲外であることを検知したにもかか
わらず、撮影者が撮影を行うと、ズーム段を、ズーム段
Z5以外のズーム段に変更して撮影するように、コント
ローラ154がモータ24を制御する。この時、変更さ
れるズーム段は、ズーム段Z5に隣接する広角側のズー
ム段が好ましい。
【0048】他の例として、マクロモードでAFがマク
ロ範囲外の距離であった時、AF信号を無視してフォー
カスをマクロ範囲内にする。これはAFの中抜け等があ
った場合を助けるためで、この時のピントの位置はマク
ロ範囲のセンター位置に設定するのが好ましい。
【0049】なお、前記近接撮影距離の範囲は、以下の
条件によって制限される。即ち、Z5において小絞りに
するため、ストロボ光が遠くまで届かず、また通常のフ
イルム感度では自然光による撮影も期待できないため、
遠距離側の撮影範囲はストロボの到達範囲に制限され
る。また、ピント合わせのために後群レンズ28が変位
軌跡D(図11参照)上で移動できる範囲は、空転域で
許容される回転筒20の回転量で決定される。したがっ
て、近接撮影のためにレンズのフォーカス移動領域を大
きくしようとしても、この制約によってその移動領域を
確保できない場合には、撮影距離範囲のうちの遠距離側
を制限しなければならない。
【0050】コントローラ154は、電源スイッチ17
0のONに応答してズームレンズ装置10が沈胴位置か
らワイド端に移動するようにモータ24の駆動を制御す
る。この制御は、テレ端方向にモータ24を駆動した後
に、出力信号Aを監視し、出力信号Aの立ち下がり信号
を得ることでモータ24の駆動を停止する。これによ
り、ブラシ136aが第2パターン144の1番目の信
号部148に接触し、且つ、回転筒20の切欠部68で
は、図5の如くテレ方向回転伝達壁68aにアーム72
が当接した状態となる。
【0051】本実施の形態のカメラでは、任意の変倍位
置に変倍したときのレンズ停止位置がワイド端側から変
倍したときとテレ端側から変倍したときとで空転域の分
で異なるため、前述した待機状態ではブラシ136aが
第1パターン142、又は第2パターン144の信号部
148に接触したときに、必ず切欠部68のテレ方向回
転伝達壁68aにアーム72が当接した状態となるよう
に前述したプログラムが組まれている。
【0052】また、本実施の形態では、合焦時に同じ被
写体距離でも変倍位置ごとで前群及び後群レンズ26、
28の移動量が異なるため、被写体距離ごとのレンズ移
動量に対応したモータ駆動パルスを変倍位置ごとに複数
用意してROM162に記憶している。これらのモータ
駆動パルスは、全て空転域内の回転量となっている。
【0053】次に、ズームレンズ装置10の作用を図に
基づいて説明する。ズームレンズ装置10の初期状態
は、図2に示した沈胴位置の状態となっており、ブラシ
136aが沈胴位置用パターン146に位置している。
ズームレンズ10が沈胴位置からワイド位置まで移動す
る期間では、撮影が行われない。このため、その期間に
対応したカム面126は図8の如く、光軸Pを中心とす
る回転方向に変位のない形状となっている。
【0054】コントローラ154は、電源スイッチ17
0のONに応答してテレ端方向に空転域を超える回転分
でモータ24を駆動する。この駆動は、回転筒20に伝
達され、回転筒20は、回転駆動が伝達されることで、
ヘリコイドねじ30、36のリードに従って固定筒22
に対し光軸P方向に移動する。また、回転筒20が回転
することで移動筒12は、直進ガイド筒14の直進ガイ
ドの作用により、ヘリコイドねじ38、40のリードに
従って回転筒20に対し光軸P方向に移動する。これに
より、前群レンズ26は、回転筒20の変位と移動筒1
2の変位との合成変位分で光軸P方向に移動する。
【0055】直進ガイド筒14、後群用カム筒16、及
び後群レンズ枠18は、回転筒20と一緒に光軸P方向
に移動する。そして、回転筒20の回転駆動は、テレ方
向回転伝達壁68aがアーム72を光軸Pを中心とする
回転方向に押すことで後群用カム筒16に伝達される。
後群用カム筒16は、回転筒20の内部で回転すること
でカム溝56のカムの変位分だけ回転筒20に対し、後
群レンズ枠18を光軸P方向に移動させる。これにより
後群レンズ28は、回転筒20の変位に加えてカム溝5
6のカムの変位により光軸P方向に移動し、前群レンズ
26と間の間隔が変更される。
【0056】後群用カム筒16が回転すると、直進ガイ
ド筒14に設けた信号部148の列とアース用パターン
140とに沿って摺動子136が摺動する。この間、コ
ントローラ154は、出力信号Bを監視し、最初に得ら
れる出力信号Bの立ち下がり信号を得た時点でモータ2
4の駆動を停止する。これにより、後群用カム筒16
は、ブラシ136aが第2パターン144の1番目の信
号部148に接触した回転位置となる。コントローラ1
54は、最初に得た出力信号Bの立ち下がり信号を得た
時点で変倍位置がワイド端であることを特定し、この情
報をRAM164に記憶する。これにより、コントロー
ラ154は、次にワイド端に向けての変倍操作を検出し
ても現時点の変倍位置がワイド端であるため、この操作
を無効にすることができる。
【0057】ワイド位置に向けた変倍中に開放開口規制
部材84のカムピン124は、移動筒12と直進ガイド
筒14との光軸P方向に沿った相対的な変位によりカム
面126に沿って摺動する。そして、ズームレンズ装置
10がワイド位置に変倍されたときには、カムピン12
4がカム面126のカム面126Aに当接した状態とな
る。
【0058】電源ON後に、テレ端に向けての変倍操作
が行われると、コントローラ154は、テレ方向駆動用
プログラムを実行する。これにより、空転域を超えた回
転量でテレ端方向にモータ24が駆動し、この駆動中の
出力信号を監視する。
【0059】ブラシ136aが「Z2、Z3、Z4・・
・」の回転位置にある信号部148を通過するごとにコ
ントローラ154には、出力信号A、出力信号Bの順で
立ち下がり信号と立ち上がり信号とが順番に入力され
る。このうち一方の信号を得るごとに、コントローラ1
54はRAM164に記憶した変倍位置の情報を書き換
えていく。したがって、RAM164には、変倍操作が
完了する直前の変倍位置の情報が常に書き込まれてい
る。したがって、変倍操作部158での変倍操作完了に
応答してコントローラ154は、RAM164に書き込
まれた変倍位置の情報を読み出し、読み出した変倍位置
に応じた信号部148が偶数番目か奇数番目かによって
モータ24の駆動を停止するタイミングとなる出力信号
A、Bのうちの何れを監視するかを判断する。
【0060】例えば偶数番目の「Z2」である場合に
は、コントローラ154は、出力信号Bの立ち下がり信
号を監視し、その信号を検出した時点でモータ24の駆
動を停止する。これにより、ブラシ136aが第2パタ
ーン144の「Z3」の信号部に接触した状態となる。
このとき、アーム72が切欠部68のテレ方向回転伝達
壁68aに当接した状態となっている。
【0061】ワイド端方向に変倍操作を行った場合に
は、ワイド方向駆動プログラムが実行される。このプロ
グラムは、単にモータ24を逆転したのでは、テレ方向
回転伝達壁68aとは逆側のワイド方向回転伝達壁68
bにアーム72が当接した状態となり、テレ端方向に変
倍操作を行ったときと比べてレンズ停止位置に空転域の
分だけズレが生じる。したがって、このワイド端方向駆
動プログラムでは、変倍操作が完了した時点で、ワイド
端方向に向けてのモータ24の駆動を継続し、後群用カ
ム筒16の回転位置がブラシ136aが次に変倍位置に
対応した信号部148を通過した位置となった時点でモ
ータ24の駆動を一旦停止する。その後、今度は逆にテ
レ端方向に向けてブラシ136aが先の信号部148に
接触する位置までモータ24を空転域を超える回転量で
駆動する。これにより、ワイド端・テレ端のどちらの方
向で変倍を行っても、連係部の形態がテレ方向回転伝達
壁68aにアーム72が当接した一定な形態となり、し
たがってレンズ停止位置を等しくすることができる。
【0062】図10は、モータ24の回転量に対する前
群及び後群レンズ26、28の光軸P方向への変位量を
示している。変倍駆動により前群レンズ26は同図に示
す直線Aに沿って移動し、また、後群レンズ28は、曲
線Bに沿って移動する。そして、これらのレンズ群2
6、28は、通常撮影状態において、各変倍位置(Z1
〜Z6)のうち、マクロ撮影モードに使用されるZ5の
位置を除く何れかの位置で停止する。なお、変倍位置
は、これらの変倍軌跡上の任意の位置に制限なく設定す
ることもできる。
【0063】シャッタボタン172の半押し操作を行う
と、コントローラ154は測光機構168と測距機構1
66とを作動する。測光機構168と測距機構166と
から得られた被写体輝度及び被写体距離の情報は、RA
M164に記憶される。そのままシャッタボタン172
の全押し操作を行うことで、コントローラ154は合焦
駆動プログラムを実行する。合焦駆動プログラムは、現
時点の出力信号を読み取り、低レベルの信号が出力信号
A又はBのうちの何れかから得られるかを識別する。
【0064】識別後、その出力信号A又はBの立ち上が
り信号を検出する位置まで、空転城を超える回転分でテ
レ端方向にモータ24を駆動し、立ち上がり信号を検出
した時点で所定パルス分だけ同方向にモータ24を駆動
してから停止する。変倍位置での待機状態では、テレ方
向回転伝達壁68aにアーム72が当接しているから、
合焦駆動でテレ端方向にモータ24が駆動すると、回転
筒20の駆動が直ぐに後群用カム筒16に伝達され、後
群用カム筒16の回転と一緒にブラシ136aが回転し
て、ブラシ136aが信号部148から外れる。ブラシ
136aが外れた時点でコントローラ154に立ち上が
りの信号が入力され、これを受けてから一定パルス分だ
けモータ24を同方向に駆動した後に駆動を停止する。
これにより、ブラシ136aはその時点の変倍位置に対
応した信号部148から図5に示す矢印方向に所定角度
分だけ回転した位置に移動する。このとき、アーム72
には、テレ方向回転伝達壁68aが当接した状態とな
る。
【0065】その後、コントローラ154は、被写体距
離を読み出し、その時点の変倍位置と被写体距離とに基
づいたモータ駆動パルスをRAM164から読み出す。
その後、空転域内の回転量でワイド端方向にモータ24
を駆動し、この駆動中にロータリーエンコーダ156か
ら得られるパルスをカウントして、カウント値が読み出
したモータ駆動パルスの値に一致した時点でモータ24
の駆動を停止する。合焦時のモータ24の駆動パルス
は、空転域内の回転量であるため、合焦動作後にはアー
ム72がテレ方向回転伝達壁68aから離れた状態とな
る。勿論アーム72はワイド方向回転伝達壁68bにも
当接せず、また、ブラシ136aは、空転域内の回転で
あるため信号部148からテレ端方向にずれた状態のま
まとなっている。
【0066】合焦時のズームレンズ装置10の動きは、
最初にモータ24が空転域を超える回転量でテレ端方向
へ駆動され、その後空転域内の回転量でワイド方向に駆
動されるから、図11に示すように、最初にテレ端方向
へ駆動した時点で前群及び後群レンズ26、28は変倍
位置Znから各変倍軌跡A、Bを通って点線Cで示した
位置に移動し、その後空転域内の回転量でワイド端方向
に回転するから、前群レンズ26は、変倍軌跡Aを通っ
てG1に移動するのに対し、後群レンズ28は、回転筒
20の変位分だけの移動となるため、回転筒20とカム
溝56のカムとの合成変位となった変倍軌跡Bとは異な
り、回転筒20の変位軌跡Dを通って点G2に移動す
る。これにより、前群及び後群レンズ26、28が変倍
時とは異なる間隔で移動してその時点の被写体距離に合
焦する。ここで、合焦は、至近から無限大に向けてピン
トが合う方向で行われる。
【0067】被写体距離がinfである場合にレンズ位
置がE(G1、G2)となるとすれば、被写体距離が通
常至近距離やそれよりも更に近いマクロ至近距離の場合
は、それぞれモータ24の回転量がF、Gのような位置
となり、レンズ間隔がより大きい位置でレンズを停止さ
せる。
【0068】上述のようにマクロ至近距離で撮影する場
合には、通常の至近距離撮影よりもさらにレンズ間隔を
大きくした位置に後群レンズ28をセットする必要があ
るが、その場合、変位軌跡Dの開始位置が点Lでは所望
のレンズ間隔を確保できない場合もありうる。そのとき
には、カム曲線をJのように部分的に変形して、変位軌
跡Dの開始位置を点Kに変更することにより、Z5での
レンズセットを全体的に至近側にシフトすることも可能
である。なお、制御の仕方によっては、無限大から至近
に向けたピントを合わせる動作とすることもできる。
【0069】合焦駆動プログラムの実行後には、露出制
御プログラムが実行される。このプログラムにより、コ
ントローラ154は、被写体輝度と写真フイルムの感度
とに応じてシャッタ機構を作動させる。
【0070】コントローラ154のシャッタ機構の作動
は、変倍位置と被写体輝度とに応じたシャッタ羽根7
8、80の開閉時間をROM162から読み出し、RA
M164に記憶する。そして、レンズシャッター42の
ソレノイド82への通電を開始する。その後、コントロ
ーラ154は、予め設定された開放時間経過後に、ソレ
ノイド82への通電を停止する。
【0071】図12に示すように、ワイド端で規制され
る最大開口径をR1、変倍位置と被写体輝度とに応じた
シャッタ羽根78、80の開閉時間をT1とすると、時
間T2のときにシャッタ羽根78、80が最大開口径R
1となる。このとき、シャッタ羽根72の突起部79が
レバー部116に当接し、最大開口径がR1に規制され
る。
【0072】コントローラ154は、シャッター羽根7
8、80の開放時間が予め設定された開閉時間T1と一
致した時点でソレノイド82への通電を停止する。これ
により、鉄心83がスプリング108の付勢力により突
出して羽根レバー100を押すので、シャッタ羽根7
8、80が閉じられる。これにより、図12に示す時間
T3となった時点でシャッタ羽根78、80が閉じ位置
となり、時間T2、T1のそれぞれとR1との各交点を
通ってT3に向かう直線に囲まれた面積が露光量とな
る。
【0073】なお、被写体輝度が高輝度の場合には、図
12に示すように、ワイド端で規制する最大開口径R1
まで到達しない時間T4でシャッタ羽根78、80を閉
じる場合もある。
【0074】図8に示したように、開放口径規制部材8
4が規制するシャッタ羽根78、80の最大開口径は、
変倍がワイド端からテレ端方向に向けて行われることに
応答して徐々に大きくなるが、変倍がZ5の位置で、カ
ム面126Eは、カムピン124をマクロ撮影モードに
応じた開き位置に規制する。即ち、レンズシャッター4
2の絞り口径が最小口径に規制される。
【0075】このように、ズームレンズ装置10では、
テレ端及びワイド端以外の所定のズーム段Z5における
絞り口径を、他のズーム段における絞り口径よりも小さ
く設定し、この所定のズーム段Z5を、被写体を近接撮
影するマクロ撮影モードを選択した時のみ使用するよう
にした。
【0076】要するに、本実施の形態のズームレンズ装
置10は、テレ端とワイド端との間にあるズーム段Z5
をマクロ撮影モード専用のズーム段に設定するととも
に、このマクロ撮影モード時の絞り口径を小さくて被写
界深度を深くしたので、高精度なレンズ位置制御が不要
になり、ズームレンズ装置10を大型化したりコストア
ップしたりすることなく、マクロ撮影を行うことができ
る。
【0077】また、被写界深度を深くしてマクロ撮影を
実施するので、奥行きのある被写体でもピントを合わす
ことができる。更に、AF精度を厳しく要求する必要が
なくなり、ストロボの調光もしなくて済むので、ストロ
ボフル発光でも適正露光に近い値を得ることができる。
【0078】また、ズームレンズ装置10は、マクロ撮
影モードに設定されるズーム段Z5を、同じ鏡胴の動き
でも画角の変化がワイド側より小さいテレ端に近いズー
ム段に設定したので、通常撮影時において、ファインダ
の像変化が所定のズーム段が抜けたような感覚を撮影者
に与えることはない。
【0079】更に、3倍以上の高倍率ズームレンズ装置
では、レンズ設計上において開放開口規制部材84を設
ける必要がある。本実施の形態では、既存の開放開口規
制部材84に、マクロ撮影モード時の絞り口径を小さく
する機能を付加したので、部品点数の削減、コンパクト
化、及びコストダウン等において効果がある。
【0080】また、高感度フイルム(例えば、ISO8
00以上)をユーザーが選択した場合には、マクロズー
ム段Z5も通常撮影で使用可能に設定する。この場合、
高感度フイルムと小絞りとでバランスのよい撮影が可能
となる。
【0081】本実施の形態では、1個のモータ24でズ
ームとフォーカスの両方を行うズームレンズ装置10を
例示したが、それぞれ別個の駆動源を用いてもよい。
【0082】
【発明の効果】以上のように本発明に係るズームレンズ
装置によれば、ズームレンズ装置のテレ端及びワイド端
以外の所定のズーム段における絞り口径を、他のズーム
段における絞り口径よりも小さく設定し、この所定のズ
ーム段を、マクロ撮影モードを選択した時のみ使用する
ようにしたので、高精度なレンズ位置制御が不要で、ズ
ームレンズ装置を大型化したりコストアップしたりする
ことなく、マクロ撮影を行うことができる。
【0083】また、本発明では、マクロ撮影モードに設
定される所定のズーム段を、同じ鏡胴の動きでも画角の
変化がワイド側より小さいテレ端に近いズーム段に設定
したので、通常撮影時において、撮影者はファインダの
像変化が所定のズーム段が抜けたような感覚を受けるこ
となく、被写体を撮影することができる。
【0084】更に、本発明では、近接撮影時に開口規制
部材によって小絞りにするので、シャッタ秒時は自然光
に応じて独立に制御でき、良好な背景描写を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ズームレンズ装置の組立斜視図
【図2】ズームレンズ装置の沈胴位置の状態を示した断
面図
【図3】ズームレンズ装置のワイド端の状態を示した断
面図
【図4】ズームレンズ装置のテレ端の状態を示した断面
【図5】切り欠き部とアームとの関係及び導体パターン
部材と摺動子との関係を示した説明図
【図6】レンズシャッターの構造図
【図7】レンズシャッターの組立斜視図
【図8】変倍位置に対するレンズシャッターの絞り口径
の遷移図
【図9】摺動子と導体パターン部材との関係を示した説
明図
【図10】変倍時における前群及び後群レンズの光軸方
向への移動を示した図
【図11】合焦時のレンズの動きを示した図
【図12】シャッタ羽根の開閉時間を示した図
【符号の説明】
10…ズームレンズ装置、12…移動筒、14…直進ガ
イド筒、16…後群用カム筒、18…後群レンズ枠、2
0…回転筒、22…固定筒、24…モータ、42…レン
ズシャッター、70…カム板、78、80…シャッタ羽
根、82…ソレノイド、84…開放開口規制部材、12
4…カムピン、126…カム面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ズームレンズ装置のテレ端及びワイド端
    以外の所定のズーム段における絞り口径が、他のズーム
    段における絞り口径よりも小さく設定されていることを
    特徴とするズームレンズ装置。
  2. 【請求項2】 前記ズームレンズ装置は、複数のズーム
    段が設定されるとともにズーム段に応じて絞り口径が変
    更されるズームレンズ装置であることを特徴とする請求
    項1に記載のズームレンズ装置。
  3. 【請求項3】 前記所定のズーム段は、被写体を近接撮
    影するマクロ撮影モードを選択した時のみ使用されるズ
    ーム段であることを特徴とする請求項1に記載のズーム
    レンズ装置。
  4. 【請求項4】 前記所定のズーム段は、テレ端に近いズ
    ーム段であることを特徴とする請求項3に記載のズーム
    レンズ装置。
  5. 【請求項5】 複数のズーム段が設定されたズームレン
    ズと、 被写体を近接撮影するマクロ撮影モードを選択する選択
    手段と、 前記選択手段でマクロ撮影モードが選択されると、テレ
    端及びワイド端以外の所定のズーム段に前記ズームレン
    ズを移動させる駆動手段と、 ズーム段に応じて絞り口径を変更させるとともに前記所
    定のズーム段における絞り口径が他のズーム段の絞り口
    径よりも小さくなるように絞りの開放量を規制する開放
    規制手段を有するレンズシャッターと、 を備えたことを特徴とするズームレンズ装置。
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