JP2007004121A - モータ、モータ装置及びそれを用いるレンズ駆動機構 - Google Patents

モータ、モータ装置及びそれを用いるレンズ駆動機構 Download PDF

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Abstract

【課題】形状記憶合金を用いて静粛で且つ小型であっても大きな回転駆動力を発揮することが可能であり、また、円筒状(同心円状)に仕立てられることで光学系と略同軸な構成でレンズ駆動を行うことができるモータ、モータ装置及びそれを用いるレンズ駆動機構を提供する。
【解決手段】基台16と、基台16に回転自在に支持され、外縁に接触部を有し、回転力を出力するカム筒14(回転体)と、内縁に接触部を有し、カム筒14の接触部と接触を保ちながら該カム筒14の回転軸に垂直な平面において揺動する駆動ギア21(揺動環)と、駆動ギア21の姿勢を保持する平行ばね23〜26(姿勢保持手段)と、両端が基台16に固定され、駆動ギア21と当接する3本以上の線状又は帯状の形状記憶合金35〜38(伸縮アクチュエータ)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、形状記憶合金によって回転駆動力を発揮するモータ、モータ装置及びそれを用いる撮像装置のレンズ駆動機構に関する。
前記形状記憶合金(SMA;Shape Memory Alloy)は、一般的には、周囲温度の変化に伴って動作するタイプのアクチュエータとして用いられている。たとえば、給湯の湯加減を調節する弁の部分に使用されたり、外気温の変化に応じて換気口の開口度合いを変化させる用途に使用されている。このような使い方においては、SMAはコイルばね状に成型され直進往復運動機構とともに用いられることが多い。
一方、従来から、SMAに通電することで自身のジュール熱によって発熱し、動作するタイプのアクチュエータが開発されている。特許文献1は、複数の直線記憶のSMAを用いて回転系のアクチュエータを実現した電動モータである。具体的には、円盤状の基台に、周方向に等間隔に、大略コの字状の前記SMAの一端を枢支し、他端を、ロータの偏心位置にあってロータ上で回転自在の駆動回転体に周方向で等間隔に枢支する。SMAが順に伸縮を繰り返すと、前記他端と駆動回転体との距離が変化し、ロータが回転するようになっている。
特開平7−327380号公報
上述の従来技術のようなクランク機構においは、SMAは変位量が非常に小さく、実施例に示すような本数の機構では回動が困難である。また、本数が少ないと自ずとクランク径が小さくなる、つまりトルクが小さくなる。これを補うために本数を増やすと、トルクは増えるものの回転数が低下し、装置(組み立て)も複雑となりコストが嵩む。SMAの径(軸直径)を大きくすると装置の複雑さは抑えることができるが、体積と表面積との関係上、反応時間がそれ以上に長くなり、本数を増やす場合よりも速度が低下する。SMAを長くするとアクチュエータ自身のサイズが大きくなるという問題もある。
また、これらのモータは回転中心にクランクを備えているので、例えばレンズ光学系の駆動において同軸に配置できず、鏡筒の横に配置しなければならなくなり、機器としては大きなものになってしまうという問題があった。
本発明の目的は、形状記憶合金を用いて静粛で且つ小型であっても大きな回転駆動力を発揮することができ、また、円筒状に仕立てられる(組み立てられる)ことで光学系と略同軸な構成でレンズ駆動を行うことができるモータ、モータ装置及びそれを用いるレンズ駆動機構を提供することである。
本発明の請求項1に係るモータは、基台と、前記基台に回転自在に支持され、外縁に接触部を有し、回転力を出力する回転体と、内縁に接触部を有し、前記回転体の接触部と接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する揺動環と、前記揺動環の姿勢を保持する姿勢保持手段と、両端が前記基台に固定され、前記揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータとを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、外縁に接触部を有し、基台に回転自在に支持された回転体によって回転力が出力され、内縁に接触部を有する揺動環が、回転体の接触部と接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する。また、姿勢保持手段によって揺動環の姿勢が保持され、両端が基台に固定された3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータが揺動環と当接する。
請求項2に係るモータは、請求項1において、前記回転体と揺動環との接触状態を持続させる接触状態持続手段をさらに備えることを特徴とする。これによれば、接触状態持続手段によって回転体と揺動環との接触状態が持続される。
請求項3に係るモータは、請求項1又は2において、前記線状又は帯状の伸縮アクチュエータは、該伸縮アクチュエータの長手方向と垂直な方向の断面における短寸が100μm以下である形状記憶合金からなることを特徴とする。これによれば、線状又は帯状の伸縮アクチュエータが、該伸縮アクチュエータの長手方向と垂直な方向の断面における短寸が100μm以下である形状記憶合金とされる。
本発明の請求項4に係るモータ装置は、基台と、前記基台に回転自在に支持され、外縁に接触部を有し、回転力を出力する回転体と、内縁に接触部を有し、前記回転体の接触部と接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する揺動環と、前記揺動環の姿勢を保持する姿勢保持手段と、両端が前記基台に固定されるとともに中央近傍が前記揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータとを備えるモータ機構と、隣接する前記伸縮アクチュエータに順次通電する通電制御手段とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、モータ機構において、外縁に接触部を有し、基台に回転自在に支持された回転体によって回転力が出力され、内縁に接触部を有する揺動環が、回転体の接触部と接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する。また、姿勢保持手段によって揺動環の姿勢が保持され、両端が基台に固定されるとともに中央近傍が揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータが揺動環と当接する。そして、通電制御手段によって、隣接する伸縮アクチュエータに順次通電がなされる。
請求項5に係るモータ装置は、請求項4において、前記回転体と揺動環との接触状態を持続させる接触状態持続手段をさらに備えることを特徴とする。これによれば、接触状態持続手段によって回転体と揺動環との接触状態が持続される。
請求項6に係るモータ装置は、請求項4又は5において、前記回転体及び揺動環は、摩擦力によって互いに連結が可能に構成された前記接触部を備えることを特徴とする。これによれば、回転体及び揺動環が接触部において摩擦力により互いに連結される。
本発明の請求項7に係るモータは、基台と、前記基台に回転自在に支持され、外縁に接触部を有し、回転力を出力する回転体と、内縁に接触部を有し、前記回転体の接触部と接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する揺動環と、前記揺動環の姿勢を保持する姿勢保持手段と、前記回転体と揺動環との接触状態を持続させる接触状態持続手段と、両端が前記基台に固定されるとともに中央近傍が前記揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータとを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、外縁に接触部を有し、基台に回転自在に支持された回転体によって回転力が出力され、内縁に接触部を有する揺動環が、回転体の接触部と接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する。また、姿勢保持手段によって揺動環の姿勢が保持され、接触状態持続手段によって回転体と揺動環との接触状態が持続される。そして、両端が基台に固定されるとともに中央近傍が揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータが揺動環と当接する。
請求項8に係るモータは、請求項7において、前記姿勢保持手段は、前記基台と揺動環との間に少なくとも1つ設けられ、該基台と揺動環とを互いに直交方向にスライド移動自在にガイドするガイド部材及び該ガイド部材が摺動自在に嵌合される被嵌合部からなるガイド機構であることを特徴とする。これによれば、姿勢保持手段が、基台と揺動環との間に少なくとも1つ設けられ、該基台と揺動環とを互いに直交方向にスライド移動自在にガイドするガイド部材及び該ガイド部材が摺動自在に嵌合される被嵌合部からなるガイド機構とされる。
請求項9に係るモータは、請求項7において、前記接触状態持続手段は、前記回転体と揺動環との最接近位置における該回転体と揺動環との接触点で接触力を発生させるべく、該回転体と揺動環との間に又は該回転体と前記基台との間に異なる極性が対峙するように該回転体と揺動環と又は該回転体と基台とに別々に配設された磁石又は電荷保持体により構成されるものであることを特徴とする。これによれば、接触状態持続手段が、回転体と揺動環との最接近位置における該回転体と揺動環との接触点で接触力を発生させるべく、該回転体と揺動環との間に又は該回転体と前記基台との間に異なる極性が対峙するように該回転体と揺動環と又は該回転体と基台とに別々に配設された磁石又は電荷保持体により構成されたものとされる。
請求項10に係るモータは、請求項7において、前記接触状態持続手段は、前記基台と揺動環との間に少なくとも1つ設けられ、該基台と揺動環とが互いに偏心移動可能に構成された偏心軸からなる偏心移動機構であることを特徴とする。これによれば、接触状態持続手段が、基台と揺動環との間に少なくとも1つ設けられ、該基台と揺動環とが互いに偏心移動可能に構成された偏心軸からなる偏心移動機構とされる。
本発明の請求項11に係るモータ装置は、基台と、前記基台に回転自在に支持され、外縁に接触部を有し、回転力を出力する回転体と、内縁に接触部を有し、前記回転体の接触部と接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する揺動環と、前記揺動環の姿勢を保持する姿勢保持手段と、両端が前記基台に固定されるとともに中央近傍が前記揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータとを備えるモータ機構と、隣接する2本の前記伸縮アクチュエータを順次ずらしながら同時に通電する通電制御手段とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、モータ機構において、外縁に接触部を有し、基台に回転自在に支持された回転体によって回転力が出力され、内縁に接触部を有する揺動環が、回転体の接触部と接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する。また、姿勢保持手段によって揺動環の姿勢が保持され、両端が基台に固定されるとともに中央近傍が揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータが揺動環と当接する。そして、通電制御手段によって、隣接する2本の伸縮アクチュエータに順次ずらしながら同時に通電がなされる。
請求項12に係るモータ装置は、請求項11において、前記隣接する2本の伸縮アクチュエータそれぞれに通電する通電量は、該伸縮アクチュエータの変態が開始する変態開始温度以上となる第1の電流による第1通電量と、該第1の電流よりも小さい前記変態の状態と略同じ変態状態が保持可能な第2の電流による第2通電量とであることを特徴とする。これによれば、隣接する2本の伸縮アクチュエータそれぞれに通電する通電量が、該伸縮アクチュエータの変態が開始する変態開始温度以上となる第1の電流による第1通電量と、該第1の電流よりも小さい前記変態の状態と略同じ変態状態が保持可能な第2の電流による第2通電量とされる。
本発明の請求項13に係るモータ装置は、基台と、前記基台に回転自在に支持され、外縁に接触部を有し、回転力を出力する回転体と、内縁に接触部を有し、前記回転体の接触部と接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する揺動環と、前記揺動環の姿勢を保持する姿勢保持手段と、両端が前記基台に固定されるとともに中央近傍が前記揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータとを備えるモータ機構と、前記伸縮アクチュエータに関する温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段により検出された温度情報に基づいて通電間隔及び通電時間を制御しながら順次前記伸縮アクチュエータに通電する通電制御手段とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、モータ機構において、外縁に接触部を有し、基台に回転自在に支持された回転体によって回転力が出力され、内縁に接触部を有する揺動環が、回転体の接触部と接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する。姿勢保持手段によって揺動環の姿勢が保持され、両端が基台に固定されるとともに中央近傍が揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータが揺動環と当接する。そして、温度検出手段によって伸縮アクチュエータに関する温度が検出され、通電制御手段によって、温度検出手段により検出された温度情報に基づいて通電間隔及び通電時間を制御しながら順次伸縮アクチュエータに通電がなされる。
請求項14に係るモータ装置は、請求項13において、前記通電制御手段は、前記通電による伸縮アクチュエータの温度上昇に伴って前記通電間隔を広める制御を行うことを特徴とする。これによれば、通電制御手段によって、通電による伸縮アクチュエータの温度上昇に応じて通電間隔を広める制御が行われる。
請求項15に係るモータ装置は、請求項13において、前記通電制御手段は、前記通電による伸縮アクチュエータの温度上昇に伴って前記通電間隔を狭める制御を行うことを特徴とする。これによれば、通電制御手段によって、通電による伸縮アクチュエータの温度上昇に応じて通電間隔を狭める制御が行われる。
本発明の請求項16に係るモータは、基台と、前記基台に回転自在に支持され、外縁にサイクロイドギアを有し、回転力を出力する回転体と、内縁に前記サイクロイドギアの歯数よりも1歯多いサイクロイドギアを有し、前記回転体のサイクロイドギアと接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する揺動環と、前記揺動環の姿勢を保持する姿勢保持手段と、両端が前記基台に固定されるとともに中央近傍が前記揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータとを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、外縁にサイクロイドギアを有し、基台に回転自在に支持された回転体によって回転力が出力され、内縁に前記回転体のサイクロイドギアの歯数よりも1歯多いサイクロイドギアを有する揺動環が、回転体のサイクロイドギアと接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する。また、姿勢保持手段によって揺動環の姿勢が保持され、両端が基台に固定されるとともに中央近傍が揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータが揺動環と当接する。
請求項17に係るモータは、請求項16において、前記姿勢保持手段は、前記揺動環と揺動環の外周を取り囲む中間リングとの間と、該中間リングと中間リングの外周を取り囲む前記基台との間にそれぞれ少なくとも1組設けられた連結部材であり、前記1組における各連結部材は、互いに平行配置されるとともに、該連結部材の両端側が前記揺動環及び中間リング、又は中間リング及び基台に対してそれぞれ回動自在に連結されていることを特徴とする。これによれば、姿勢保持手段が、揺動環と揺動環の外周を取り囲む中間リングとの間と、該中間リングと中間リングの外周を取り囲む基台との間にそれぞれ少なくとも1組設けられた連結部材とされ、この1組における各連結部材が、互いに平行配置されるとともに、該連結部材の両端側が揺動環及び中間リング、又は中間リング及び基台に対してそれぞれ回動自在に連結される。
本発明の請求項18に係るレンズ駆動機構は、基台と、レンズを保持するとともに前記基台に回転自在に支持され、外縁に接触部を有し、回転力を出力する回転筒と、内縁に接触部を有し、前記回転筒の接触部と接触を保ちながら該回転筒の回転軸に垂直な平面において揺動する揺動環と、前記揺動環の姿勢を保持する姿勢保持手段と、前記回転筒と揺動環との接触状態を持続させる接触状態持続手段と、両端が前記基台に固定されるとともに中央近傍が前記揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータとを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、レンズを保持するとともに基台に回転自在に支持された、外縁に接触部を有する回転筒によって回転力が出力され、内縁に接触部を有する揺動環が、回転筒の接触部と接触を保ちながら該回転筒の回転軸に垂直な平面において揺動する。また、姿勢保持手段によって揺動環の姿勢が保持され、接触状態持続手段によって回転筒と揺動環との接触状態が持続される。そして、両端が基台に固定されるとともに中央近傍が揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータが揺動環と当接する。
請求項1に係る発明によれば、複数の伸縮アクチュエータを順次通電するなどして伸縮させることで、連続正逆回転可能なモータを実現することができる。また、この構成は揺動環の軌跡長さ分しか回転体が回転しない減速機構となっているので、線状又は帯状の伸縮アクチュエータすなわち例えば形状記憶合金で構成される当該線状又は帯状のアクチュエータを用いたとしても十分な力(回転体を回転駆動させる力)を得ることができる。また、このような線状又は帯状のアクチュエータすなわち断面が小さく細長い形状のアクチュエータが用いられることで、形状記憶合金のような発熱によって収縮するアクチュエータにとっては、冷却速度を速めることと出力を確保することとが同時に可能となる。このように、形状記憶合金を用いて静粛な且つ小型であっても大きな回転駆動力を発揮できるモータを実現することが可能となる。さらに、この構成においては、全ての構成部材が回転体の外側に密着して配置されることになるので、例えば回転体に光学系を配設してこの周囲のその他の構成部材とともに円筒状(同心円状)に仕立てることで、光学系と略同軸な構成でレンズ駆動を行うといったことが可能なモータを実現することができる。なお、前記全ての構成部材が回転体の外側に配置されることから、線状又は帯状のアクチュエータを外周から組み込むことができるため組立性にも優れる。
請求項2、5に係る発明によれば、接触状態持続手段による回転体と揺動環との接触状態を持続させようとする接触力、つまり揺動環の回転体に対する求心力によって、揺動環が回転体と接触を保ちながら揺動することがより確実に行えるようになり、具体的には回転体及び揺動環をギア接続するような場合に、ギア中心間距離が安定するため歯先の衝突が回避され、ひいてはスムーズな回転駆動(回転体による安定した回転力出力)が可能となる。
請求項3に係る発明によれば、伸縮アクチュエータが、その断面の短寸が100μm以下というように細い形状記憶合金とされるので、モータの小型化、軽量化を図ることができるとともに、当該形状記憶合金の冷却速度を速めることができる、すなわち形状記憶合金の反応速度(伸縮アクチュエータの伸縮速度)を高く保つことができる。
請求項4に係る発明によれば、隣接する伸縮アクチュエータを通電制御手段によって順次通電して収縮させることで、連続正逆回転可能なモータ装置を実現することができる。また、この構成は揺動環の軌跡長さ分しか回転体が回転しない減速機構となっているので、線状又は帯状の伸縮アクチュエータすなわち例えば形状記憶合金で構成される当該線状又は帯状のアクチュエータを用いたとしても十分な力(回転体を回転駆動させる力)を得ることができる。また、このような線状又は帯状のアクチュエータすなわち断面が小さく細長い形状のアクチュエータが用いられることで、形状記憶合金のような通電による発熱によって収縮するアクチュエータにとっては、冷却速度を速めることと出力を確保することとが同時に可能となる。このように、形状記憶合金を用いて静粛な且つ小型であっても大きな回転駆動力を発揮できるモータ装置を実現することが可能となる。さらに、この構成においては、全ての構成部材が回転体の外側に密着して配置されることになるので、例えば回転体に光学系を配設してこの周囲のその他の構成部材とともに円筒状(同心円状)に仕立てることで、光学系と略同軸な構成でレンズ駆動を行うといったことが可能なモータ装置を実現することができる。なお、前記全ての構成部材が回転体の外側に配置されることから、線状又は帯状のアクチュエータを外周から組み込むことができるため組立性にも優れる。
請求項6に係る発明によれば、回転体と揺動環とを摩擦連結することが可能となり、回転体と揺動環とを例えばギア連結する場合と比べて、歯丈分だけ小型化することができ、、且つ簡易な構成とすることができる(加工が容易となる)。また、摩擦連結(摩擦力)することで回転体及び揺動環間の駆動力の伝達が行えるとともに、負荷に対するトルクリミッタとしての機能を兼ね備えることができる。
請求項7に係る発明によれば、複数の伸縮アクチュエータを順次通電するなどして伸縮させることで、連続正逆回転可能なモータを実現することができる。また、この構成は揺動環の軌跡長さ分しか回転体が回転しない減速機構となっているので、線状又は帯状の伸縮アクチュエータすなわち例えば形状記憶合金で構成される当該線状又は帯状のアクチュエータを用いたとしても十分な力(回転体を回転駆動させる力)を得ることができる。また、このような線状又は帯状のアクチュエータすなわち断面が小さく細長い形状のアクチュエータが用いられることで、形状記憶合金のような発熱によって収縮するアクチュエータにとっては、冷却速度を速めることと出力を確保することとが同時に可能となる。このように、形状記憶合金を用いて静粛な且つ小型であっても大きな回転駆動力を発揮できるモータを実現することが可能となる。また、接触状態持続手段による回転体と揺動環との接触状態を持続させようとする接触力、つまり揺動環の回転体に対する求心力によって、揺動環が回転体と接触を保ちながら揺動することがより確実に行えるようになり、具体的には回転体及び揺動環をギア接続するような場合に、ギア中心間距離が安定するため歯先の衝突が回避され、ひいてはスムーズな回転駆動(回転体による安定した回転力出力)が可能となる。さらに、この構成においては、全ての構成部材が回転体の外側に密着して配置されることになるので、例えば回転体に光学系を配設してこの周囲のその他の構成部材とともに円筒状(同心円状)に仕立てることで、光学系と略同軸な構成でレンズ駆動を行うといったことが可能なモータを実現することができる。なお、前記全ての構成部材が回転体の外側に配置されることから、線状又は帯状のアクチュエータを外周から組み込むことができるため組立性にも優れる。
請求項8に係る発明によれば、姿勢保持手段をガイド部材及び被嵌合部という簡易な構成で実現することができる。
請求項9に係る発明によれば、接触状態持続手段を磁石又は電荷保持体という簡易な構成で実現することができる。
請求項10に係る発明によれば、接触状態持続手段を偏心軸という簡易な構成で実現することができるとともに、この接触状態持続手段により姿勢保持機能(姿勢保持手段)も兼ねることができる。
請求項11に係る発明によれば、伸縮アクチュエータを通電制御手段によって順次通電して収縮させることで連続正逆回転可能なモータ装置を実現することができる。しかも、この通電において隣接する2本の伸縮アクチュエータに順次ずらしながら同時に通電する方法がとられるので、この同時に通電する電流を2種類の電流、すなわち、例えば伸縮アクチュエータを形状記憶合金で構成する場合に該形状記憶合金のヒステリシスを利用して、変態が開始する変態開始温度以上となる第1の電流と、該第1の電流よりも小さい前記変態の状態と略同じ変態状態が保持可能な第2の電流とすることで、通常の第1の電流のみを伸縮アクチュエータに通電する場合と比べて省電力化を図ることができ、エネルギー効率の良いモータ装置を実現することができる。
また、この構成は揺動環の軌跡長さ分しか回転体が回転しない減速機構となっているので、前記形状記憶合金で構成される線状又は帯状のアクチュエータを用いたとしても十分な力(回転体を回転駆動させる力)を得ることができる。また、このような線状又は帯状のアクチュエータすなわち断面が小さく細長い形状のアクチュエータが用いられることで、形状記憶合金のような通電による発熱によって収縮するアクチュエータにとっては、冷却速度を速めることと出力を確保することとが同時に可能となる。このように、形状記憶合金を用いて静粛な且つ小型であっても大きな回転駆動力を発揮できるモータを実現することが可能となる。さらに、この構成においては、全ての構成部材が回転体の外側に密着して配置されることになるので、例えば回転体に光学系を配設してこの周囲のその他の構成部材とともに円筒状(同心円状)に仕立てることで、光学系と略同軸な構成でレンズ駆動を行うといったことが可能なモータ装置を実現することができる。なお、前記全ての構成部材が回転体の外側に配置されることから、線状又は帯状のアクチュエータを外周から組み込むことができるため組立性にも優れる。
請求項12に係る発明によれば、通常の第1の電流のみを用いた通電の場合と比べて、少なくとも第1の電流による第1通電量と第2の電流による第2通電量との差分量だけ省電力化を図ることができ、エネルギー効率の良いモータ装置を実現することができる。
請求項13に係る発明によれば、伸縮アクチュエータを通電制御手段によって順次通電して収縮させることで連続正逆回転可能なモータ装置を実現することができる。しかも、この通電において、温度検出手段により検出された温度情報に基づいて通電間隔及び通電時間を制御しながら順次伸縮アクチュエータに通電する方法がとられるので、例えば伸縮アクチュエータの温度上昇に伴い、各アクチュエータに順次通電する通電間隔を広めて(各アクチュエータの通電時間を短くして)省電力化を図ったり、或いは同通電間隔を狭めて(通電時間を長くして)変態動作の安定化を図ったりすることが可能となり、用途に応じて最適な駆動制御を行い得るモータ装置を容易に提供することができる。
また、この構成は揺動環の軌跡長さ分しか回転体が回転しない減速機構となっているので、前記形状記憶合金で構成される線状又は帯状のアクチュエータを用いたとしても十分な力(回転体を回転駆動させる力)を得ることができる。また、このような線状又は帯状のアクチュエータすなわち断面が小さく細長い形状のアクチュエータが用いられることで、形状記憶合金のような通電による発熱によって収縮するアクチュエータにとっては、冷却速度を速めることと出力を確保することとが同時に可能となる。このように、形状記憶合金を用いて静粛な且つ小型であっても大きな回転駆動力を発揮できるモータ装置を実現することが可能となる。さらに、この構成においては、全ての構成部材が回転体の外側に密着して配置されることになるので、例えば回転体に光学系を配設してこの周囲のその他の構成部材とともに円筒状(同心円状)に仕立てることで、光学系と略同軸な構成でレンズ駆動を行うといったことが可能なモータ装置を実現することができる。なお、前記全ての構成部材が回転体の外側に配置されることから、線状又は帯状のアクチュエータを外周から組み込むことができるため組立性にも優れる。
請求項14に係る発明によれば、伸縮アクチュエータの温度上昇に応じて、各アクチュエータに順次通電する通電間隔を広めて(各アクチュエータの通電時間を短くして)、すなわち通電開始時間を所定時間だけ遅らせるように通電制御して、モータ駆動の省電力化を図ることができる。
請求項15に係る発明によれば、伸縮アクチュエータの温度上昇に応じて、各アクチュエータに順次通電する通電間隔を狭めて(各アクチュエータの通電時間を長くして)、すなわち通電開始時間を所定時間だけ早めるように通電制御して、伸縮アクチュエータの変態動作(収縮動作)の安定化を図ることができ、ひいては精度良い回転駆動が得られるモータ装置を実現することができる。
請求項16に係る発明によれば、複数の伸縮アクチュエータを順次通電するなどして伸縮させることで、連続正逆回転可能なモータを実現することができる。また、この構成は揺動環の軌跡長さ分しか回転体が回転しない減速機構となっているので、線状又は帯状の伸縮アクチュエータすなわち例えば形状記憶合金で構成される当該線状又は帯状のアクチュエータを用いたとしても十分な力(回転体を回転駆動させる力)を得ることができる。また、内縁に回転体のサイクロイドギアの歯数よりも1歯多いサイクロイドギアを有する揺動環が回転体外縁のサイクロイドギアと接触を保ちながら揺動する構成により、回転体と揺動環との接触状態を持続させる機能も兼ね備えることができる。また、このような線状又は帯状のアクチュエータすなわち断面が小さく細長い形状のアクチュエータが用いられることで、形状記憶合金のような発熱によって収縮するアクチュエータにとっては、冷却速度を速めることと出力を確保することとが同時に可能となる。このように、形状記憶合金を用いて静粛な且つ小型であっても大きな回転駆動力を発揮できるモータを実現することが可能となる。さらに、この構成においては、全ての構成部材が回転体の外側に密着して配置されることになるので、例えば回転体に光学系を配設してこの周囲のその他の構成部材とともに円筒状(同心円状)に仕立てることで、光学系と略同軸な構成でレンズ駆動を行うといったことが可能なモータを実現することができる。なお、前記全ての構成部材が回転体の外側に配置されることから、線状又は帯状のアクチュエータを外周から組み込むことができるため組立性にも優れる。
請求項17に係る発明によれば、前記内縁に回転体のサイクロイドギアの歯数よりも1歯多いサイクロイドギアを有する揺動環を回転体外縁のサイクロイドギアと接触を保ちながら揺動させる構成において、姿勢保持手段を少なくとも合計2組の平行配置された連結部材という簡易な構成で実現することができる。
請求項18に係る発明によれば、複数の伸縮アクチュエータを順次通電するなどして伸縮させることで、レンズが保持された回転筒を連続正逆回転可能なレンズ駆動機構を実現することができる。また、この構成は揺動環の軌跡長さ分しか回転筒が回転しない減速機構となっているので、線状又は帯状の伸縮アクチュエータすなわち例えば形状記憶合金で構成される当該線状又は帯状のアクチュエータを用いたとしても十分な力(回転筒を回転駆動させる力)を得ることができる。また、このような線状又は帯状のアクチュエータすなわち断面が小さく細長い形状のアクチュエータが用いられることで、形状記憶合金のような発熱によって収縮するアクチュエータにとっては、冷却速度を速めることと出力を確保することとが同時に可能となる。このように、形状記憶合金を用いて静粛な且つ小型であっても大きな回転駆動力を発揮できるレンズ駆動機構を実現することが可能となる。また、接触状態持続手段による回転体と揺動環との接触状態を持続させようとする接触力、つまり揺動環の回転体に対する求心力によって、揺動環が回転体と接触を保ちながら揺動することがより確実に行えるようになり、具体的には回転体及び揺動環をギア接続するような場合に、ギア中心間距離が安定するため歯先の衝突が回避され、ひいてはスムーズな回転駆動(回転体による安定した回転力出力)が可能となる。さらに、この構成においては、全ての構成部材が回転筒の外側に密着して配置されることになるので、例えば回転筒に光学系を配設してこの周囲のその他の構成部材とともに円筒状(同心円状)に仕立てることで、光学系と略同軸な構成でレンズ駆動を行うといったことが可能なレンズ駆動機構を実現することができる。なお、前記全ての構成部材が回転筒の外側に配置されることから、線状又は帯状のアクチュエータを外周から組み込むことができるため組立性にも優れる。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の一形態に係るレンズ駆動機構である撮像装置用のズームユニット1の構造を示す斜視図である。このズームユニット1は、図示しないレンズを内周部に保持する玉枠11,12と、固定筒13と、カム筒14と、駆動部15とを備えて構成され、基台16上に搭載されて成る。
前記玉枠11,12は、3本の突起部11a,12bを有し、固定筒13およびカム筒14に順に収納され、前記突起部11a,12bが固定筒13の貫通溝13a,13bと、カム筒14の貫通溝14a,14bとにそれぞれ嵌合している。固定筒13は前記基台16に固定され、前記貫通溝13a,13bは、軸線方向に変位すると周方向に変位するように形成されている。一方、カム筒14の貫通溝14a,14bは軸線方向に延設され、したがって後述するようにしてカム筒14が回転駆動されることで、玉枠11,12の突起部11a,12bはカム筒14の貫通溝14a,14bと固定筒13の貫通溝13a,13bとの交点に沿ってそれぞれ移動するので、玉枠11,12の間隔が変化し、こうして光学系の焦点距離が変化可能となっている。
回転筒であり出力回転体である前記カム筒14は、回転可能に基台16に支持され、その基端側の外周面である周辺部には、接触部である歯車14cが刻設されており、この歯車14cの一部には、前記駆動部15の揺動環(揺動体)である駆動ギア21の内周面に刻設された接触部である歯車21cの一部が噛合することができる。駆動ギア21は、前記基台16上に搭載されるとともに、該駆動ギア21の外径よりも大きい内径を有するリング状の中間枠22内に収納され、一対の平行ばね23,24によって、前記中間枠22の収納空間22a内で、y方向(図1の上下方向)のみの変位が許容されている。前記中間枠22は、一対の平行ばね25,26によって、前記基台16のリング状の周壁に支持され、x方向(図1の左右方向)のみの変位が許容されている。こうして、駆動ギア21は、基台16に、姿勢を変えずに揺動する(姿勢を保持したまま揺動する)ように支持されている。
図2は、上述のように構成されるズームユニット1において、駆動部15を模式的に示す図である。前記駆動ギア21は、周方向に相互に等しい間隔で4個(すなわち中心角で90°毎に)円筒突起(円筒状突起)31〜34が立設されている。前記各円筒突起31〜34には、線又は帯状の形状記憶合金35〜38の中央部分がそれぞれ巻掛けられ、その形状記憶合金35〜38の両端には、端子39でそれぞれかしめられ、前記形状記憶合金35〜38が前記円筒突起部で屈曲される略L字状に張架されるように、固定位置である前記基台16に固定されている。
前記形状記憶合金35〜38は、長手方向と垂直な方向の断面における短寸(最も短い直径)が例えば100μm以下である所謂細い紐状のものである。この形状記憶合金35〜38は例えばNi−Ti−Cuの合金から成り、その場合、歪量は4%程度であり、該形状記憶合金35〜38の長さを40mmとすると、1.6mmのストロークを得ることができ、前記円筒突起部での屈曲角が120°で張架されていると、駆動ギア21の偏心量は1.715mm程度となり、機構を設計可能なレベルである。図1および図2の例では、円筒突起部は4箇所設けられており、前記中心角で90°ずつ離間しているけれども、3箇所や5箇所以上設けられてもよい。また、各形状記憶合金35〜38の中央部分は、円筒突起31〜34の代りに、スリーブ嵌合や弾性ヒンジなどで連結されていてもよい。
前記各形状記憶合金35〜38の両端は、前記端子39にかしめられ、その端子39は、導電体から成り、図示しない駆動回路に接続されている。こうして、各形状記憶合金35〜38には、前記駆動回路によって個別に通電可能となっている。前記各形状記憶合金35〜38には、予め所定の大きさの縮み形状が記憶されており、前記駆動回路が該形状記憶合金35〜38に通電することで該形状記憶合金35〜38が発熱し、所定の温度に達すると、記憶されている形状に復元(収縮)する。これに対して、形状記憶合金35〜38を非通電とすることで温度が低下すると、弾性率が低下する。
図3(a)〜(d)は、各形状記憶合金35〜38の通電制御の様子をそれぞれ示すタイミングチャートである。時刻t1では何れの形状記憶合金35〜38にも電流は印加されていないので、それぞれの形状記憶合金35〜38が互いを緩やかに引っ張り合いながらバランスして、前回の駆動で停止した初期状態を保っている。この状態では、駆動ギヤ21はカム筒14と連結していない。
時刻t2になると、任意の形状記憶合金(以下、形状記憶合金35で説明する)に通電が開始され、発熱すると、該形状記憶合金35は電流が供給されていない残余の形状記憶合金36〜38の弾発力に抗して、記憶されている縮み形状に向けて縮む。なお、温度によって記憶形状へ復元する大きさが異なるので、通電する電流値を制御して発熱温度を調整することで、各形状記憶合金35〜38の復元する大きさを調整することが可能である。
前記形状記憶合金35への通電は、時刻t3まで続けられ、オフされる。図2は、この時点の状態を示す。初期状態から形状記憶合金35が縮んだので、駆動ギア21は−y方向に力を受け、該駆動ギア21はカム筒14と連結する。次に、同時刻t3において、形状記憶合金36に通電が開始される。電流が供給されると、該形状記憶合金36は形状記憶合金35の時と同様に、残余の形状記憶合金35,37,38の弾発力に抗して縮む。この時点では、先に駆動ギヤ21はカム筒14に連結されているので、前記形状記憶合金36の縮む力によって、カム筒14は、図2に矢印で示すように、反時計回りに回転させられる。
前記形状記憶合金36への通電は、時刻t4まで続けられ、オフされる。以降、同様に時刻t5までは形状記憶合金37に通電し、その次に時刻t6までは形状記憶合金38に通電するという駆動を続けることで、カム筒14は反時計回りに回転し続けることができる。つまり、形状記憶合金35→形状記憶合金36→形状記憶合金37→形状記憶合金38の順で時計回りに通電を行うことで、カム筒14は反時計回りに回転する。この時のカム筒14の回転角度δは、駆動ギヤ21の歯数をZ1、カム筒14の歯数をZ2とすると、
δ=(Z1−Z2)/Z2×360°
である。
また逆に、形状記憶合金35→形状記憶合金38→形状記憶合金37→形状記憶合金36の順で反時計回りに通電を行うことで、カム筒14は時計回りに回転する。こうして、出力回転体である前記カム筒14と、前記基台16と、前記駆動部15を構成する駆動ギア21、中間枠22および形状記憶合金35〜38とを備えて、モータが構成される。本実施形態のような駆動の順番を変えるだけで回転方向を変えることができるモータは、前回の駆動で停止した位置を検出して駆動を開始する形状記憶合金を特定する必要がないので、非常に有用である。
次に、前述した内容を位相の観点で考えてみる。今、最初に形状記憶合金35に通電を開始してから再び形状記憶合金35に通電を開始するまでの時間を周期Tとすると、時刻t3,t4,t5はその周期Tを4等分した時刻に位置している。つまり、形状記憶合金35〜38への通電は、それぞれ位相が90°ずれていると言うことができる。すなわち、円筒突起部間の角度(90°)に合わせて形状記憶合金35〜38への通電タイミングを決めているということである。したがって、円筒突起部間の角度を120°に設定したならば、3本の形状記憶合金を用いて、それぞれの形状記憶合金への通電タイミング(位相)を120°ずらせば、同様の駆動が可能である。
また、それぞれの形状記憶合金35〜38への通電時間Tonは、前述の説明では周期Tを4等分した時間に一致させていたが、必ずしもそうする必要はない。通電時間Tonを短くすれば、トルクは下がるが消費電力が少なくなるので、省電力化には有効である。つまり、周期Tを4等分した時間に対して通電時間Tonをどう設定するかは任意であり、これによってモータの特性をコントロールすることが可能である。なお、カム筒14の回転速度を変えたい場合は、前述の周期Tを変えればよい。
こうして、反応速度が高く、発生力が大きい直線記憶の形状記憶合金から成る形状記憶合金35〜38の伸縮が、姿勢を変えずに揺動する駆動ギア21によって回転力に変換されて、カム筒14を回転駆動することが可能になり、小型で低コストなズームユニット1を実現することができる。このズームユニット1は、図示しないレンズ装置の鏡筒内に組み込まれるものであり、そのための構成は公知の手段を適用して、適宜設計可能なことは、言うまでもない。
上述の説明では、カム筒14の歯車14cは外歯で、駆動ギア21の歯車21cは内歯であるという想定であったけれども、必ずしもその必要はなく、傘歯などで歯車14cと駆動ギア21とが光軸方向に噛み合っている構成をとることも可能である。また、歯形も、図示のようにインボリュートである必要はなく、サイクロイドなど任意に選択されればよい。
[実施の形態2]
図4は本発明の実施の他の形態に係るレンズ駆動機構である撮像装置用のズームユニットにおける駆動部15’の構造を模式的に示す図であり、図5は図4の切断面線X−Xから見た断面図である。図4は、前述の図2に類似し、同一の構成には同一の参照符号を付して示し、また類似する構成には同一の参照符号に’を付して示す。注目すべきは、この駆動部15’では、駆動ギア21は、前記中間枠22および平行ばね23,24;25,26に代えて、支持棒41によって、基台16’上に直接支持されていることである。
前記支持棒41は、1本以上、たとえば4本設けられ、複数本設けられる場合には前記駆動ギア21の周方向に均等に設けられる。また、前記支持棒41は、x,y方向には弾性を有しているが、ねじり方向には弾性を有しない構造になっており、これによって駆動ギア21は基台16’に対してx,y方向のみの変位を許容されることになり、姿勢が変わらず揺動のみ可能となる。
このように構成してもまた、直線記憶の形状記憶合金から成る形状記憶合金35〜38の伸縮が、姿勢を変えずに揺動する駆動ギア21によって回転力に変換されて、カム筒14を回転駆動することが可能になる。
[実施の形態3]
図6は、本発明の実施の一形態に係るフォーカスレンズ駆動機構(フォーカスユニットという)の一構成例を示す斜視図である。フォーカスユニット2は、付勢スプリング(SP)51、直進ガイド円筒52、フォーカスレンズ53、円筒カム54、円環ギア55、姿勢保持ガイド56及び基台57を備えて構成される。この構成において、フォーカスレンズ53は、直進ガイド円筒52によって光軸方向にのみ移動するようにガイドされる。またフォーカスレンズ53は、光軸前方における付勢SP51によって付勢されて円筒カム54に当接(圧接)する。円筒カム54は、光軸方向にカム面541を、半径方向に外サイクロイドギア542を有しており、光軸周りに回転可能に支持されている。
円筒カム54の外周囲には円環状の円環ギア55が配設されている。円環ギア55は内サイクロイドギア551を有しており、この内サイクロイドギア551と円筒カム54の外サイクロイドギア542とがギア結合される。また、円環ギア55は姿勢保持ガイド56によって光軸周りの自転が防止されている。姿勢保持ガイド56は例えばL字型のガイド棒(ガイド部材)であり、該ガイド棒の一端側部561及び他端側部562がそれぞれ、円環ギア55、具体的には円環ギア55に設けられた支持部材552の貫通孔5521(被嵌合部)と、該円環ギア55外周を取り囲むように配設された基台57、具体的には基台57に設けられた支持部材571の貫通孔5711(被嵌合部)とに、該一端側部561及び他端側部562それぞれの軸方向に摺動自在(スライド移動可能)に嵌合(遊嵌)されている。この構成により、基台57と円環ギア55とが互いに直交方向にスライド移動自在にガイドされ、すなわち当該ガイド部材と被嵌合部とを備えた構成がガイド機構として機能し、基台57(フォーカスユニット2)に対する円環ギア55の姿勢が保持される。
円環ギア55には、光軸方向に伸びる円筒突起553が4箇所で円周方向にほぼ等ピッチ(90°ごと)で並設され、当該各円筒突起553に対して、基台57が備える形状記憶合金(SMA)からなる紐体が所定の張力を有して「へ」の字状に掛止されている。このSMAの紐体(以降、SMAと表現する)は4本設けられており(これらをSMA58a〜58dとする)、各SMA58a〜58dは、ほぼ中央部が円筒突起553と当接され、その両端部が基台57に設けられた(基台57の同図中の上端面に固定された)8箇所のSMA保持部572に接合されている。このSMA58a〜58dの前記「へ」の字は、互いに光軸周りに90°回転した形状となる。各SMA保持部572は、それぞれ図示しない駆動回路に接続されており、選択的に電流が流される。基台57は、図示しない固定部材等によって固定され、前記SMA58a〜58d及び姿勢保持ガイド56を支持している。
図7は、図6に示すフォーカスユニット2(各部が組み立てられた状態のフォーカスユニット2)を光軸方向から見た或る駆動状態を示す概略側面図である。なお、同図において付勢SP51及びSMA保持部572は図示を省略している。また、基台57の支持部材571は実際には2つの支持部材から構成されている。
図8は、SMA58a〜58dへの通電タイミングを示すタイミングチャートであり、同図における上から順に、SMA58a、SMA58b、SMA58c及びSMA58dに流す電流のタイミングチャートを示している。SMA58a〜58dには、予め所定の大きさの縮み形状が記憶されており、各SMA58a〜58dに通電することにより加熱されて所定の温度に達すると、記憶されている形状に復元するように構成されている。
ここで、図7、8及び後述の図9を用いて、フォーカスユニット2の円筒カム54と円環ギア55との駆動について説明する。図8において、時刻t1では何れのSMA58a〜58dにも電流は印加されていないので、それぞれのSMA58a〜58dが互いに緩やかに引っ張り合いながらバランスして停止した初期状態を保っている。この状態では円環ギア55は円筒カム54と連結していない。時刻t2になるとSMA58aに電流Idの通電が開始される。電流が供給されて発熱すると、SMA58aは、電流が供給されていないSMA58b、SMA58c及びSMA58dの弾撥力に抗して、記憶されている縮み形状へ向けて縮む。SMA58aへの通電は、時刻t3において一旦電流Ihに通電量を低下させた後、この電流Ihでの通電を時刻t4まで続けてオフする。初期状態からSMA58aが縮んだので、円筒突起553(SMA58aに対応する円筒突起553a)はその力を受け、その結果、円環ギア55は円筒カム54とギア連結する。
次に、同時刻t3においてSMA58bに通電が開始される。このSMA58bへの電流Idの通電開始直後の状態が前記図7に示されている。SMA58bに電流が供給されると、SMA58bはSMA58aの場合と同様に他のSMAと弾撥力に抗して縮む。この時点では円環ギア55は円筒カム54にギア連結されているので、SMA58bが縮む力によって円筒カム54は反時計回りに回転させられる。SMA58bに通電する前にSMA58aの応力がなくなると、円環ギア55はバランス位置に復帰しようとしてギア連結が外れてしまう可能性がある。SMA58aに少しだけ通電しておくとSMAのヒステリシスの関係で確実に戻りが抑えられ、ギア連結が外れることがない(後述の図9参照)。SMA58bへの電流Idの通電は、SMA58aの場合と同様、時刻t4において一旦電流Ihまで通電量を低下させながらも、この電流Ihでの通電が時刻t5まで続けらてオフされる。
以降同様に時刻t6まではSMA58cに通電し、その次には時刻t7まではSMA58dに通電するという駆動を続けることで、円筒カム54は反時計回りに回転し続けることができる。すなわち、SMA58a→SMA58b→SMA58c→SMA58dの順で時計回りに通電を行うことで、円筒カム54は反時計回りに回転する。因みに、このときの円筒カム54の回転角度δは、円環ギア55の歯数をZ1、円筒カム54の歯数をZ2とすると、δ=(Z1−Z2)/Z2×360°で与えられる。また前記の場合とは逆に、SMA58a→SMA58d→SMA58c→SMA58bの順で反時計回りに通電を行うことで、円筒カム54を時計回りに回転させることが可能となる。
ここで、前述した内容を位相の観点から考えてみる。今、最初にSMA58aに通電を開始してから再びSMA58aに通電を開始するまでの時間を周期Tとすると、時刻t3、t4、t4は周期Tを4等分した時刻に位置している。つまり、SMA58a、SMA58b、SMA58c及びSMA58dへの通電はそれぞれ位相が90°ずれていると言うことができる。すなわち、円筒突起部間の角度(90°)に合わせてSMAへの通電タイミングを決めているということである。したがって、円筒突起部間の角度を120°に設定したならば、3本のSMAを用いて、それぞれのSMAへの通電タイミング(位相)を120°ずらせば同様の駆動が可能である。
図9は、SMAの電流と変位との関係を示す電流/歪特性(ヒステリシス)であり、該特性に示す電流は前記図8での説明における電流Id、Ihに相当する。SMAは通電量を増やしていくと、或るところから急激に収縮変態する。収縮量が或る程度まで来たり、停止させられたりすると、歪は変化せず電流量のみ増加する。逆に、通電量を徐々に減らしていくと、電流増加時よりも低い電流になるまで歪が減少しない。このようなSMAのヒステリシスに基づいて、例えば符号Aで示す加熱電流Idと符号Bで示す保持電流Ihとを決定しているため、加熱時の電流よりも少ない電流で歪(接触状態)を保持することができる。
この現象(ヒステリシス)を利用すると、例えば隣接する2本のSMAを順次ずらしながら、すなわち例えばSMA58a、58b→SMA58b、58c→SMA58c、58d→SMA58d、58aというように順次2本を同時に通電するように制御することが可能となる。この場合、この隣接する2本のSMAそれぞれに通電する通電量は、該SMAの変態が開始する変態開始温度以上となる大きさの電流(第1電流)による通電量と、前記変態の状態と略同じ変態状態を保持することが可能な前記第1電流よりも小さい電流(第2電流)による通電量とすればよい。具体的には、例えばSMA58aに第1電流、SMA58bに第2電流→SMA58bに第1電流、SMA58cに第2電流→SMA58cに第1電流、SMA58dに第2電流→SMA58dに第1電流、SMA58aに第2電流というように順次電流を流すようにする。これにより、各SMAに同じ電流(前記第1電流に相当)を流す場合よりも、この第2電流に電流値を下げる分だけ節電できることになる。
また、前記現象(ヒステリシス)を利用すると、図3に示すような連続通電においては各SMAに対する通電終了後も直ちに歪みがゼロになってしまうことなく、微少電流を流していることと同じ効果がある。特に、高温状態では、通電間隔を図3の場合よりも長くしたとしても(次の通電開始時刻が前の通電終了以降の冷却時間内にくるようにしたとしても)同じ効果を得ることができる。すなわち図10に示すように、或るSMA(前記SMA58a)に対する最初の通電が終了した符号Cで示す時刻t3から所定時間(この時間を形態保持無通電時間と表現する)T1だけ遅らせて、次のSMA(SMA58b)に対する通電を開始させてもよい(つづくSMAに対する通電開始時刻も同様である)。この時間T1においては実際に通電がなされておらずとも所要の歪量は保持されている。このような通電方法であったとしても、前記図3での場合の通電方法と同様にSMA形態保持(歪量保持)効果を得ることができる。これにより、エネルギー効率の良い(省エネルギー化が図られた)装置を実現できる。
この場合、フォーカスユニット、例えばSMAに対するより正確な温度検出が可能となるよう該SMAの近傍位置には、SMAに関する温度を検出する図示しない温度センサ等の温度検出器が設けられており(この温度検出器は駆動回路に接続されている)、駆動回路は、この温度検出器により検出された温度情報に基づいてSMAに対する通電時間及び通電間隔を制御する。具体的には、温度センサにより検出されたSMA自体の温度或いはSMAの周囲の温度(環境温度)が所定の閾値温度よりも高い(このときを「高温」とする)と判定される場合に、前述の図10に示すように通電開始時間を時間T1だけ遅らせる(各アクチュエータに順次通電する通電間隔を広める又は各アクチュエータの通電時間を短くする)通電方法に切り替える通電制御が行われる。
前記温度センサにより検出された温度が所定の閾値温度(この場合の閾値温度は前記高温か否かを判定するための閾値温度と同じ温度でもよいし異なる温度でもよい)よりも低い場合(このときを「低温」とする)には、例えば図11に示すように、或るSMA(前記SMA58a)に対する最初の通電が終了した符号Cで示す時刻t3から所定時間(この時間を予備通電時間と表現する)T2だけ前の時刻で、次のSMA(SMA58b)に対する通電を開始させる(各アクチュエータに順次通電する通電間隔を狭める又は各アクチュエータの通電時間を長くする)ように通電制御してもよい。続くSMAに対する通電開始時刻も同様である。これにより、各SMAに対する通電(加熱)時間が前記図3の場合よりも時間T2分だけ長くなり、換言すればこの時間T2分だけ余裕を持って通電を開始させることが可能となるため、SMAの所要の歪量が低温状態であっても確実に得ることができるようになり、ひいては駆動部による正確な回転駆動が可能となる。
ところで、前述の説明では、円筒カム54と円環ギア55とは伝達効率が高く、摩耗に強く、静かなサイクロイドギアであるという想定であったが、これは必ずしも必要ではなく、加工が簡単で低コストなインボリュートギアであっても摩擦連結であっても問題ない。以下、このことについて詳述する。
図12は、前記実施の形態1〜3の駆動機構において、サイクロイドギア等によるギア連結の代わりに、摩擦部材すなわち円筒カム54a及び円環ギア55aによる摩擦連結を用いた場合の該当部分の一例を示す拡大斜視図である。この場合、円筒カム54aは前記サイクロイド外歯の代わりに、所要の摩擦係数を有する(摩擦力が得られる)例えばゴム材により構成されてなる、半径方向外向きに所謂山状に尖ってなる円周部(接触部)を備えている。一方、円環ギア55aは前記サイクロイド外歯の代わりに、その内周部に、前記と同様に所要の摩擦係数を有する(摩擦力が得られる)例えばゴム材により構成されてなる、前記山状の円周部と係合(摺接)するV字状の溝部(接触部、V溝555)を備えている。このような形状とするのは、摩擦部材同士の接触面積を大きくして摩擦力の向上を図るためであるが、用途によっては当該接触部は山状或いはV字状でなくその他の形状例えば平坦(平面状)に構成されたものでもよい。当該摩擦連結の利点は、(1)「歯丈分だけ小型化が可能」、(2)「加工が簡単」である。これらの利点を利用するためには摩擦部材同士の接触を高めておかなければならない。先に示したように、接触圧は、駆動力を出すSMAとは異なる位相を有したSMAへの通電により得られる。また、(3)「負荷に対してトルクリミッタとして利用可能」である。すなわち、外力が加わった場合において内部機構を保護したり、自己出力が必要以上に大きい場合に伝達力を制限して出力を抑えることができるという利点がある。なお、これら摩擦部材は、所定の樹脂(例えばゴム)等のより大きな摩擦力或いは弾力を有する材料から構成される。なお、この図12に示すような駆動体(円環ギア55a)及び被駆動体同士(円筒カム54a)の摩擦連結機構は以下の実施の形態4、5にも適用可能である。
[実施の形態4]
ところで、前記実施形態で説明したように、円筒カムと円環ギアとは互いに接触した状態となることで、SMAによる円環ギアの駆動力が円筒カムに伝達されて該円筒カムが回転するが、この円筒カムと円環ギアとの接触状態を持続(維持)することが、ひいては良好な回転駆動動作を行うために好ましい。これに関し、実施の形態4での駆動機構は、この接触状態を持続させるための手段を備えており、ここでは、この接触状態持続手段として磁石を用いた一例を説明する。
図15は、実施の形態4に係る、前記図7に示すフォーカスユニット2に対してさらに接触状態持続手段としての磁石を備えてなるフォーカスユニット2’の前記図7と同様の方向から見た模式図である。同図に示すようにフォーカスユニット2’は、円筒カム54の例えば外円周に、略等ピッチで並置された複数個の磁石544が設けられている。これら磁石は、同様に決められた磁極を半径方向に向けている。また、円環ギア55には例えば内円周に略等ピッチで並置された前記磁石544と同数の磁石557が設けられている。これら磁石は、いずれも円筒カム54の磁石544とは逆の磁極を半径方向に向けている。換言すれば、磁石544、557は、円筒カム54と円環ギア55との最接近位置における該円筒カム54と円環ギア55との接触点において、これらを互いに接触させようとする力(接触力という)、つまり互いに引き合う力を発生させるべく、円筒カム54と円環ギア55との間に(又は後述のように円筒カム54と基台57との間に)異なる極性が対峙するように別々に配設されている。
SMA58a〜58dの無通電状態では、円筒カム54と円環ギア55とは、それぞれに設けられた前記磁極が反対の複数の磁石544及び磁石557によって偏心し、或る1点、図13では符号Fで示す点で接した(円筒カム54と円環ギア55とのギアが噛み合った)状態で安定している。当該接している点に隣接するSMA(SMA58d)に通電を行うと、L字型の姿勢保持ガイド56の効果により、円環ギア55が円筒カム54の周囲に接しながら平行移動する。このとき姿勢保持ガイド56は摺動する。円環ギア55と円筒カム54とはギア結合されているため、滑ることなく円筒カム54は回転することとなる。この動作は、通電されているSMA(通電SMA)の押圧点近傍の空隙が無くなるまで続く。なお、図13における磁石は4個あり、この状態での安定点は、前記内周及び外周の磁石544、557とが対向(対面)する位置での4箇所と、これら4箇所の中間位置の4箇所の合計8箇所ある。それらの間においても磁力のベクトルは常に外側に向かっているため、円筒カム54と円環ギア55との噛み合いが外れることなない。同様に、続くSMA(SMA58c)に通電を行うと同様の運動が再現され、円筒カム54は連続的に回転する。円筒カム54の回転が進むと磁石544、557の位相がずれてくるが、磁力のベクトルは常に外側に向かっており、同様に問題は発生しない。
ところで、磁石を配置する場所は、前記実施形態では円筒カム54と円環ギア55とであるが、これに限らず例えば基台57と円環ギア55とに配置しても同様の効果が得られる。この場合、円環ギア55の外円周に略等ピッチで並置され、決められた磁極を半径方向に向けている複数個の磁石と、基台57の内円周に略等ピッチで並置され、円環ギア55の磁石とは逆の磁極を半径方向に向けている円環ギア55の磁石と同数の磁石とで構成される。円環ギア55と円筒カム54とのギアが噛み合った位置の逆側における円環ギア55の磁石と基台57の磁石とは互いに引きつけ合うため、ギアの噛み合いを強くする方向に磁力が働く。円環ギア55が円筒カム54の周囲を摺動すると、円環ギア55の磁石と基台57の磁石の近接する磁石が順次シフトしてゆく。しなしながら、磁石の個数が3個以上であれば、各磁石間の領域(中間領域)においても磁力の合力で同じようにギアの噛み合いを強くする方向に磁力が働く。また、前述した磁石の位相のずれは、この配置の場合には発生しない。なお、各SMA58a〜58dへの通電方法は、両者の場合とも前記実施の形態1において図3を用いて説明したものと同じでよい。なお、磁石の代わりに、前記磁極(磁力線)を得ることが可能な電荷保持体を用いてもよい。
[実施の形態5]
ここでは、前記実施の形態4で説明した接触状態持続手段としてクランク軸を用いた場合について説明する。図14は、実施の形態5に係る当該クランク軸を備えた場合のフォーカスユニット3における主に円筒カム、円環ギア及び基台を模式的に示す図である。この場合の円筒カム、円環ギア及び基台をそれぞれ円筒カム61、円環ギア62及び基台63とする。円筒カム61は、光軸方向にカム面を半径方向に外歯ギアを有しており(図示省略)、光軸周りに回転可能に支持されている。円筒カム61の外周囲には円環状の円環ギア62が配設されている。円筒カム61は内歯ギアを有し、円筒カム61(外歯ギア)とギア結合する。円環ギア62には、光軸方向に伸びる円筒突起(図示省略)が4箇所で円周方向に略等ピッチ(90°ごと)に並び、各突起にSMA(図示省略)が所定の張力を有して「へ」の字状に掛かっている。このSMAは4本あり、それぞれ略中央部が該円筒突起と接し、その両端が円環ギア62の外周を取り囲む固定の基台63に設けられた8箇所のSMA保持部(図示省略)に接合されている。この各SMA前記「へ」の字は、互いに光軸周りに90°回転した形状となる。SMA保持部はそれぞれ図示しない駆動回路に接続されており、選択的に電流が流される。
円環ギア62と基台63とには所謂偏心(偏芯)軸であるクランク軸64(偏心円筒突起)が複数個、例えば図14に示すように3個配設(嵌合)されており、各クランク軸64は円環ギア62と基台63との両者によってクランク回転可能に軸支されている。これにより、円環ギア62と基台63とが互いに偏心移動可能となっている。このクランク軸64によって円環ギア62の基台63に対する姿勢と軌跡とは一意に決まる。すなわち当該クランク軸64を備えた構成とすることによって回転駆動時における姿勢保持がなされる(クランク軸64を備えた構成がガイド機構として機能する)のと同時に、接触状態も持続される。
円筒カム61と円環ギア62とが接している点に隣接するSMAに通電すると、複数のクランク軸64の効果により円環ギア62が円筒カム61の周囲に接しながら平行移動する。円環ギア62と円筒カム61とはギア結合されているため、滑ることなく円筒カム61は回転する。この動作は、通電SMAの押圧点近傍の空隙が無くなるまで続く。同様に、続くSMAに通電を行うと同様の運動が再現され、円筒カム61は連続的に回転する。この場合も各SMAへの通電方法は、前記実施の形態1において図3を用いて説明したものと同じでよい。
なお、本実施の形態5では、クランク軸64を複数個(3個)用いて姿勢保持機能と接触状態持続機能とを兼ね備えた構成を実現させたが、例えば1個のクランク軸と姿勢保持ガイド等の姿勢保持手段とを用いて同様の構成を実現させてもよい。
[実施の形態6]
ここでは、前記接触状態持続手段としてサイクロイドギアを用いた場合について説明する。図15は、実施の形態6に係る当該サイクロイドギアを備えた場合のフォーカスユニット4における主に円筒カム、円環ギア及び基台を模式的に示す図である。この場合の円筒カム、円環ギア及び基台をそれぞれ円筒カム71、円環ギア72及び基台73とする。また、フォーカスユニット4は、姿勢保持ガイド74及び中間リング75を備えている。円筒カム71は、光軸方向にカム面を半径方向に外サイクロイドギアを有しており、光軸周りに回転可能に支持されている。円筒カム71の外周囲には円環状の円環ギア72が配設されている。円環ギア72は円筒カム71の外サイクロイドギア(外歯)よりも歯数が1歯多い内サイクロイドギアを有しており、円筒カム71(外サイクロイドギア)とギア結合する。
また、円環ギア72は姿勢保持ガイド74によって光軸周りの回転が防止されている。この姿勢保持ガイド74は、同図に示すように例えば2組の平行リンクレバー(連結部材、リンク部材)からなり、該平行リンクレバーが、円環ギア72と該円環ギア72の外周を取り囲む中間リング75との間と、中間リング75と該中間リング75の外周を取り囲む基台73との間にそれぞれ設けられる。ただし、各平行リンクレバーは、該平行リンクレバーの例えば両端部741において円環ギア72、基台73及び中間リング75に対してピン等を用いて回動可能に取り付けられている。
また本実施形態も同様、円環ギア72には、光軸方向に伸びる円筒突起(図示省略)が4箇所で円周方向に略等ピッチ(90°ごと)に並び、各突起にSMA(図示省略)が所定の張力を有して「へ」の字状に掛かっている。このSMAは4本あり、それぞれ略中央部が該円筒突起と接し、その両端が円環ギア72の外周を取り囲む固定の基台73に設けられた8箇所のSMA保持部(図示省略)に接合されている。この各SMA前記「へ」の字は、互いに光軸周りに90°回転した形状となる。SMA保持部はそれぞれ図示しない駆動回路に接続されており、選択的に電流が流される。
本来、1歯違いのサイクロイドギアは接点が歯数の数だけあり、この接点は、歯面の位相も「360°÷歯数」だけずれている。この関係上、両者の相対的な移動は一意に決まる。実際にはギアの軌跡は、姿勢が保持されているために接点が最低2箇所あれば決まるので、ここでのギアを、1歯違いのサイクロイドギアであり且つ一方側が2歯以上残ってなる所謂欠歯ギアとしてもよい。この場合、円環ギア72の姿勢が前記平行リンクレバーにより保持されているため、円環ギア72が平行移動しつつ円筒カム71が回転することになる。
円筒カム71と円環ギア72との接触点における接線が、円筒カム71の回転による回転円711(円筒カム71の回転軸を中心とする仮想的な円弧)上の接線に略平行となる点(接触点)で、各SMAのうちの該接線方向に最大力を発揮できるSMAに対して通電を行うと、当該1歯違いのサイクロイドギアのもつ相対的規制の効果によって円環ギア72が円筒カム71を回転させながら平行移動する。同様に、続くSMAに通電を行うと同様の運動が再現され、円筒カム71は連続的に回転する。
この実施の形態6に示すような構成であれば、前記実施の形態4、5に見られる接触状態持続機能部品を追加する必要なく、更なる小型化及び低コストが達成でき、前記実施の形態3に見られる接触状態を持続するべく別のSMAに通電することもなく、低消費電力での駆動が可能となる。したがって、各SMAへの通電方法は、前記実施の形態1において図3を用いて説明したものと同じでよい。
以上のように本発明に係るモータ(ズームユニット1及びフォーカスユニット2、2’、4)によれば、外縁に接触部を有し、基台(基台16、16’、57、73)に回転自在に支持された回転体(カム筒14、円筒カム54)によって回転力が出力され、内縁に接触部を有する揺動環(駆動ギア21、円環ギア55)が、回転体の接触部と接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する。また、姿勢保持手段(平行ばね23〜26、姿勢保持ガイド56及び貫通孔5521、5711、姿勢保持ガイド74など)によって揺動環の姿勢が保持され、両端が基台に固定された3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータ(形状記憶合金35〜38、SMA58a〜58d)が揺動環と当接する構成とされる。
これにより、複数の伸縮アクチュエータを順次通電するなどして伸縮させることで、連続正逆回転可能なモータを実現することができる。また、この構成は揺動環の軌跡長さ分しか回転体が回転しない減速機構となっているので、線状又は帯状の伸縮アクチュエータすなわち例えば形状記憶合金で構成される当該線状又は帯状のアクチュエータを用いたとしても十分な力(回転体を回転駆動させる力)を得ることができる。また、このような線状又は帯状のアクチュエータすなわち断面が小さく細長い形状のアクチュエータが用いられることで、形状記憶合金のような発熱によって収縮するアクチュエータにとっては、冷却速度を速めることと出力を確保することとが同時に可能となる。このように、形状記憶合金を用いて静粛な且つ小型であっても大きな回転駆動力を発揮できるモータを実現することが可能となる。さらに、この構成においては、全ての構成部材が回転体の外側に密着して配置されることになるので、例えば回転体に光学系を配設してこの周囲のその他の構成部材とともに円筒状(同心円状)に仕立てることで、光学系と略同軸な構成でレンズ駆動を行うといったことが可能なモータを実現することができる。なお、前記全ての構成部材が回転体の外側に配置されることから、線状又は帯状のアクチュエータを外周から組み込むことができるため組立性にも優れる。
また、接触状態持続手段(磁石544、557、クランク軸64など)によって回転体と揺動環との接触状態が持続されるので、接触状態持続手段による回転体と揺動環との接触状態を持続させようとする接触力、つまり揺動環の回転体に対する求心力によって、揺動環が回転体と接触を保ちながら揺動することがより確実に行えるようになり、具体的には回転体及び揺動環を(サイクロイドギア542等により)ギア接続するような場合に、ギア中心間距離が安定するため歯先の衝突が回避され、ひいてはスムーズな回転駆動(回転体による安定した回転力出力)が可能となる。
また、線状又は帯状の伸縮アクチュエータが、その断面の短寸が100μm以下というように細い形状記憶合金とされるので、モータの小型化、軽量化を図ることができるとともに、当該形状記憶合金の冷却速度を速めることができる、すなわち形状記憶合金の反応速度(伸縮アクチュエータの伸縮速度)を高く保つことができる。
また、姿勢保持手段が、基台と揺動環との間に少なくとも1つ設けられ、該基台と揺動環とを互いに直交方向にスライド移動自在にガイドするガイド部材(姿勢保持ガイド56)及び該ガイド部材が摺動自在に嵌合される被嵌合部(貫通孔5521、5711)からなるガイド機構とされるので、姿勢保持手段をガイド部材及び被嵌合部という簡易な構成で実現することができる。
また、図13に示すように、接触状態持続手段が、回転体(円筒カム54)と揺動環(円環ギア55)の最接近位置における該回転体と揺動環との接触点で接触力を発生させるべく、該回転体と揺動環との間に又は該回転体と前記基台との間に異なる極性が対峙するように該回転体と揺動環と又は該回転体と基台(基台57)とに別々に配設された磁石(磁石544、557)又は電荷保持体により構成されたものとされるので、接触状態持続手段を当該磁石又は電荷保持体という簡易な構成で実現することができる。
また、図14に示すように、接触状態持続手段が、基台(基台63)と揺動環(円環ギア62)との間に少なくとも1つ設けられ、該基台と揺動環とが互いに偏心移動可能に構成された偏心軸(クランク軸64、偏心円筒突起)からなる偏心移動機構とされるので、接触状態持続手段を偏心軸という簡易な構成で実現することができるとともに、この接触状態持続手段により姿勢保持機能(姿勢保持手段)も兼ねることができる。
また、図15に示すように、内縁に回転体(円筒カム71)のサイクロイドギアの歯数よりも1歯多いサイクロイドギアを有する揺動環(円環ギア72)が前記回転体外縁のサイクロイドギアと接触を保ちながら揺動する構成により、回転体と揺動環との接触状態を持続させる機能も兼ね備えることができる。
また、図15に示すように、姿勢保持手段が、揺動環と揺動環の外周を取り囲む中間リング(中間リング75)との間と、該中間リングと中間リングの外周を取り囲む基台(基台73)との間にそれぞれ少なくとも1組設けられた連結部材(姿勢保持ガイド74、平行リンクレバー)とされ、この1組における各連結部材が、互いに平行配置されるとともに、該連結部材の両端側が揺動環及び中間リング、又は中間リング及び基台に対してそれぞれ回動自在に連結されるので、前記内縁に回転体のサイクロイドギアの歯数よりも1歯多いサイクロイドギアを有する揺動環を回転体外縁のサイクロイドギアと接触を保ちながら揺動させる構成において、姿勢保持手段を少なくとも合計2組の平行配置された連結部材という簡易な構成で実現することができる。
また、本発明に係るモータ装置(ズームユニット1及びフォーカスユニット2、2’、4)によれば、モータ機構において、外縁に接触部を有し、基台(基台16、16’、57、73)に回転自在に支持された回転体(カム筒14、円筒カム54)によって回転力が出力され、内縁に接触部を有する揺動環(駆動ギア21、円環ギア55)が、回転体の接触部と接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する。また、姿勢保持手段(平行ばね23〜26、姿勢保持ガイド56及び貫通孔5521、5711、姿勢保持ガイド74など)によって揺動環の姿勢が保持され、両端が基台に固定されるとともに中央近傍が揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータ(形状記憶合金35〜38、SMA58a〜58d;通電により例えば収縮するアクチュエータという意味で通電収縮アクチュエータと表現してもよい)が揺動環と当接する。そして、通電制御手段(形状記憶合金35〜38、SMA58a〜58dに接続されている図略の駆動回路)によって、隣接する伸縮アクチュエータに順次通電がなされる。
これによれば、隣接する伸縮アクチュエータを通電制御手段によって順次通電して収縮させることで、連続正逆回転可能なモータ装置を実現することができる。また、この構成は揺動環の軌跡長さ分しか回転体が回転しない減速機構となっているので、線状又は帯状の伸縮アクチュエータすなわち例えば形状記憶合金で構成される当該線状又は帯状のアクチュエータを用いたとしても十分な力(回転体を回転駆動させる力)を得ることができる。また、このような線状又は帯状のアクチュエータすなわち断面が小さく細長い形状のアクチュエータが用いられることで、形状記憶合金のような通電による発熱によって収縮するアクチュエータにとっては、冷却速度を速めることと出力を確保することとが同時に可能となる。このように、形状記憶合金を用いて静粛な且つ小型であっても大きな回転駆動力を発揮できるモータ装置を実現することが可能となる。さらに、この構成においては、全ての構成部材が回転体の外側に密着して配置されることになるので、例えば回転体に光学系を配設してこの周囲のその他の構成部材とともに円筒状(同心円状)に仕立てることで、光学系と略同軸な構成でレンズ駆動を行うといったことが可能なモータ装置を実現することができる。なお、前記全ての構成部材が回転体の外側に配置されることから、線状又は帯状のアクチュエータを外周から組み込むことができるため組立性にも優れる。
また、接触状態持続手段(磁石544、557、クランク軸64など)によって回転体と揺動環との接触状態が持続されるので、接触状態持続手段による回転体と揺動環との接触状態を持続させようとする接触力、つまり揺動環の回転体に対する求心力によって、揺動環が回転体と接触を保ちながら揺動することがより確実に行えるようになり、具体的には回転体及び揺動環をギア接続するような場合に、ギア中心間距離が安定するため歯先の衝突が回避され、ひいてはスムーズな回転駆動(回転体による安定した回転力出力)が可能となる。
また、図12に示すように、回転体(円筒カム54a)及び揺動環(円環ギア55a)は、摩擦力によって互いに連結が可能に構成された前記接触部を備えるので、回転体と揺動環とを摩擦連結することが可能となり、回転体と揺動環とを例えばギア連結する場合と比べて、歯丈分だけ小型化することができ、、且つ簡易な構成とすることができる(加工が容易となる)。また、摩擦連結(摩擦力)することで回転体及び揺動環間の駆動力の伝達が行えるとともに、負荷に対するトルクリミッタとしての機能を兼ね備えることができる。
また、通電制御手段(形状記憶合金35〜38、SMA58a〜58dに接続されている図略の駆動回路)によって、隣接する2本の伸縮アクチュエータに順次ずらしながら同時に通電がなされるので、この通電において隣接する2本の伸縮アクチュエータに順次ずらしながら同時に通電する方法がとられるので、この同時に通電する電流を2種類の電流、すなわち、例えば伸縮アクチュエータを形状記憶合金で構成する場合に該形状記憶合金のヒステリシス(図9参照)を利用して、変態が開始する変態開始温度以上となる第1の電流(例えば図9の符号Aで示す加熱電流Id)と、該第1の電流よりも小さい前記変態の状態と略同じ変態状態が保持可能な第2の電流(符号Bで示す保持電流Ih)とすることで、通常の第1の電流のみを伸縮アクチュエータに通電する場合と比べて省電力化を図ることができ、エネルギー効率の良いモータ装置を実現することができる。
また、隣接する2本の伸縮アクチュエータそれぞれに通電する通電量が、該伸縮アクチュエータの変態が開始する変態開始温度以上となる第1の電流による第1通電量と、該第1の電流よりも小さい前記変態の状態と略同じ変態状態が保持可能な第2の電流による第2通電量とされるので、通常の第1の電流のみを用いた通電の場合と比べて、少なくとも第1の電流による第1通電量と第2の電流による第2通電量との差分量だけ省電力化を図ることができ、エネルギー効率の良いモータ装置を実現することができる。
また、温度検出手段(温度センサ)によって伸縮アクチュエータに関する温度が検出され、通電制御手段によって、温度検出手段により検出された温度情報に基づいて通電間隔及び通電時間を制御しながら順次伸縮アクチュエータに通電がなされるので、この通電において、温度検出手段により検出された温度情報に基づいて通電間隔及び通電時間を制御しながら順次伸縮アクチュエータに通電する方法がとられるので、例えば伸縮アクチュエータの温度上昇に伴い、各アクチュエータに順次通電する通電間隔を広めて(各アクチュエータの通電時間を短くして)省電力化を図ったり、或いは同通電間隔を狭めて(通電時間を長くして)変態動作の安定化を図ったりすることが可能となり、用途に応じて最適な駆動制御を行い得るモータ装置を容易に提供することができる。
また、図10に示すように、通電制御手段によって、通電による伸縮アクチュエータの温度上昇に応じて通電間隔を広める制御が行われるので、伸縮アクチュエータの温度上昇に応じて、各アクチュエータに順次通電する通電間隔を広めて(各アクチュエータの通電時間を短くして)、すなわち通電開始時間を所定時間だけ遅らせるように通電制御して、モータ駆動の省電力化を図ることができる。
また、図11に示すように、通電制御手段によって、通電による伸縮アクチュエータの温度上昇に応じて通電間隔を狭める制御が行われるので、伸縮アクチュエータの温度上昇に応じて、各アクチュエータに順次通電する通電間隔を狭めて(各アクチュエータの通電時間を長くして)、すなわち通電開始時間を所定時間だけ早めるように通電制御して、伸縮アクチュエータの変態動作(収縮動作)の安定化を図ることができ、ひいては精度良い回転駆動が得られるモータ装置を実現することができる。
また、本発明に係るレンズ駆動機構(フォーカスユニット2、2’、4)によれば、レンズ(フォーカスレンズ53)を保持するとともに基台(基台57)に回転自在に支持された、外縁に接触部を有する回転筒(円筒カム54や直進ガイド円筒52)によって回転力が出力され、内縁に接触部を有する揺動環(円環ギア55)が、回転筒の接触部と接触を保ちながら該回転筒の回転軸に垂直な平面において揺動する。また、姿勢保持手段(姿勢保持ガイド56及び貫通孔5521、5711など)によって揺動環の姿勢が保持され、接触状態持続手段(磁石544、557、クランク軸64など)によって回転筒と揺動環との接触状態が持続される。そして、両端が基台に固定されるとともに中央近傍が揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータ(SMA58a〜58d)が揺動環と当接する構成とされる。
これにより、複数の伸縮アクチュエータを順次通電するなどして伸縮させることで、レンズが保持された回転筒を連続正逆回転可能なレンズ駆動機構を実現することができる。また、この構成は揺動環の軌跡長さ分しか回転筒が回転しない減速機構となっているので、線状又は帯状の伸縮アクチュエータすなわち例えば形状記憶合金で構成される当該線状又は帯状のアクチュエータを用いたとしても十分な力(回転筒を回転駆動させる力)を得ることができる。また、このような線状又は帯状のアクチュエータすなわち断面が小さく細長い形状のアクチュエータが用いられることで、形状記憶合金のような発熱によって収縮するアクチュエータにとっては、冷却速度を速めることと出力を確保することとが同時に可能となる。このように、形状記憶合金を用いて静粛な且つ小型であっても大きな回転駆動力を発揮できるレンズ駆動機構を実現することが可能となる。また、接触状態持続手段による回転体と揺動環との接触状態を持続させようとする接触力、つまり揺動環の回転体に対する求心力によって、揺動環が回転体と接触を保ちながら揺動することがより確実に行えるようになり、具体的には回転体及び揺動環をギア接続するような場合に、ギア中心間距離が安定するため歯先の衝突が回避され、ひいてはスムーズな回転駆動(回転体による安定した回転力出力)が可能となる。さらに、この構成においては、全ての構成部材が回転筒の外側に密着して配置されることになるので、例えば回転筒に光学系を配設してこの周囲のその他の構成部材とともに円筒状(同心円状)に仕立てることで、光学系と略同軸な構成でレンズ駆動を行うといったことが可能なレンズ駆動機構を実現することができる。なお、前記全ての構成部材が回転筒の外側に配置されることから、線状又は帯状のアクチュエータを外周から組み込むことができるため組立性にも優れる。
本発明の実施の一形態に係るレンズ駆動機構である撮像装置用のズームユニットの構造を示す斜視図である。 図1に示すズームユニットの駆動部の動作を説明するための図である。 図2に示す各形状記憶合金への通電制御の様子を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の別形態に係るレンズ駆動機構である撮像装置用のズームユニットにおける駆動部の構造を模式的に示す図である。 図4の切断面線X−Xから見た断面図である。 本発明の実施の別形態に係るフォーカスレンズ駆動機構の一構成例を示す斜視図である。 図6に示すフォーカスユニットを光軸方向から見た或る駆動状態を示す概略側面図である。 図6、7に示す各SMAへの通電タイミングを示すタイミングチャートである。 前記SMAの電流と変位との関係を示す電流と変位(歪)の特性(ヒステリシス)を示す図である。 各SMAへの通電タイミングの一変形例を示すタイミングチャートである。 各SMAへの通電タイミングの一変形例を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の別形態に係るフォーカスレンズ駆動機構の一構成例を示す部分拡大斜視図である。 本発明の実施の別形態に係るフォーカスレンズ駆動機構の一構成例を示す斜視図である。 本発明の実施の別形態に係るフォーカスレンズ駆動機構の一構成例を示す部分拡大斜視図である。 本発明の実施の別形態に係るフォーカスレンズ駆動機構の一構成例を示す斜視図である。
符号の説明
1 ズームユニット(モータ、モータ装置)
2、2’、4 フォーカスユニット(モータ、モータ装置、レンズ駆動機構)
11,12 玉枠
13 固定筒
14 カム筒
14c,21c 歯車
15,15’ 駆動部
16,16’、57、63、73 基台
21 駆動ギア
22 中間枠
22a 収納空間
23,24;25,26 平行ばね(姿勢保持手段)
31,32,33,34、553 円筒突起
35,36,37,38 形状記憶合金(伸縮アクチュエータ、SMA)
39 端子
41 支持棒
53 フォーカスレンズ(レンズ)
54、54a、61、71 円筒カム(回転体、回転筒)
55、55a、62、72 円環ギア(揺動環)
52 直進ガイド円筒(回転筒)
56 姿勢保持ガイド(姿勢保持手段、ガイド部材)
74 姿勢保持ガイド(姿勢保持手段、連結部材)
58a〜58d SMA(伸縮アクチュエータ)
64 クランク軸(接触状態持続手段、偏心軸)
75 中間リング
544、557 磁石(接触状態持続手段)
552、571 支持部材
5521、5711 貫通孔(姿勢保持手段、被嵌合部)

Claims (18)

  1. 基台と、
    前記基台に回転自在に支持され、外縁に接触部を有し、回転力を出力する回転体と、
    内縁に接触部を有し、前記回転体の接触部と接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する揺動環と、
    前記揺動環の姿勢を保持する姿勢保持手段と、
    両端が前記基台に固定され、前記揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータとを備えることを特徴とするモータ。
  2. 前記回転体と揺動環との接触状態を持続させる接触状態持続手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載のモータ。
  3. 前記線状又は帯状の伸縮アクチュエータは、該伸縮アクチュエータの長手方向と垂直な方向の断面における短寸が100μm以下である形状記憶合金からなることを特徴とする請求項1又は2記載のモータ。
  4. 基台と、
    前記基台に回転自在に支持され、外縁に接触部を有し、回転力を出力する回転体と、
    内縁に接触部を有し、前記回転体の接触部と接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する揺動環と、
    前記揺動環の姿勢を保持する姿勢保持手段と、
    両端が前記基台に固定されるとともに中央近傍が前記揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータとを備えるモータ機構と、
    隣接する前記伸縮アクチュエータに順次通電する通電制御手段とを備えることを特徴とするモータ装置。
  5. 前記回転体と揺動環との接触状態を持続させる接触状態持続手段をさらに備えることを特徴とする請求項4記載のモータ装置。
  6. 前記回転体及び揺動環は、摩擦力によって互いに連結が可能に構成された前記接触部を備えることを特徴とする請求項4又は5記載のモータ装置。
  7. 基台と、
    前記基台に回転自在に支持され、外縁に接触部を有し、回転力を出力する回転体と、
    内縁に接触部を有し、前記回転体の接触部と接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する揺動環と、
    前記揺動環の姿勢を保持する姿勢保持手段と、
    前記回転体と揺動環との接触状態を持続させる接触状態持続手段と、
    両端が前記基台に固定されるとともに中央近傍が前記揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータとを備えることを特徴とするモータ。
  8. 前記姿勢保持手段は、前記基台と揺動環との間に少なくとも1つ設けられ、該基台と揺動環とを互いに直交方向にスライド移動自在にガイドするガイド部材及び該ガイド部材が摺動自在に嵌合される被嵌合部からなるガイド機構であることを特徴とする請求項7載のモータ。
  9. 前記接触状態持続手段は、前記回転体と揺動環との最接近位置における該回転体と揺動環との接触点で接触力を発生させるべく、該回転体と揺動環との間に又は該回転体と前記基台との間に異なる極性が対峙するように該回転体と揺動環と又は該回転体と基台とに別々に配設された磁石又は電荷保持体により構成されるものであることを特徴とする請求項7載のモータ。
  10. 前記接触状態持続手段は、前記基台と揺動環との間に少なくとも1つ設けられ、該基台と揺動環とが互いに偏心移動可能に構成された偏心軸からなる偏心移動機構であることを特徴とする請求項7載のモータ。
  11. 基台と、
    前記基台に回転自在に支持され、外縁に接触部を有し、回転力を出力する回転体と、
    内縁に接触部を有し、前記回転体の接触部と接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する揺動環と、
    前記揺動環の姿勢を保持する姿勢保持手段と、
    両端が前記基台に固定されるとともに中央近傍が前記揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータとを備えるモータ機構と、
    隣接する2本の前記伸縮アクチュエータを順次ずらしながら同時に通電する通電制御手段とを備えることを特徴とするモータ装置。
  12. 前記隣接する2本の伸縮アクチュエータそれぞれに通電する通電量は、該伸縮アクチュエータの変態が開始する変態開始温度以上となる第1の電流による第1通電量と、該第1の電流よりも小さい前記変態の状態と略同じ変態状態が保持可能な第2の電流による第2通電量とであることを特徴とする請求項11記載のモータ装置。
  13. 基台と、
    前記基台に回転自在に支持され、外縁に接触部を有し、回転力を出力する回転体と、
    内縁に接触部を有し、前記回転体の接触部と接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する揺動環と、
    前記揺動環の姿勢を保持する姿勢保持手段と、
    両端が前記基台に固定されるとともに中央近傍が前記揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータとを備えるモータ機構と、
    前記伸縮アクチュエータに関する温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段により検出された温度情報に基づいて通電間隔及び通電時間を制御しながら順次前記伸縮アクチュエータに通電する通電制御手段とを備えることを特徴とするモータ装置。
  14. 前記通電制御手段は、前記通電による伸縮アクチュエータの温度上昇に伴って前記通電間隔を広める制御を行うことを特徴とする請求項13記載のモータ装置。
  15. 前記通電制御手段は、前記通電による伸縮アクチュエータの温度上昇に伴って前記通電間隔を狭める制御を行うことを特徴とする請求項13記載のモータ装置。
  16. 基台と、
    前記基台に回転自在に支持され、外縁にサイクロイドギアを有し、回転力を出力する回転体と、
    内縁に前記サイクロイドギアの歯数よりも1歯多いサイクロイドギアを有し、前記回転体のサイクロイドギアと接触を保ちながら該回転体の回転軸に垂直な平面において揺動する揺動環と、
    前記揺動環の姿勢を保持する姿勢保持手段と、
    両端が前記基台に固定されるとともに中央近傍が前記揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータとを備えることを特徴とするモータ。
  17. 前記姿勢保持手段は、前記揺動環と揺動環の外周を取り囲む中間リングとの間と、該中間リングと中間リングの外周を取り囲む前記基台との間にそれぞれ少なくとも1組設けられた連結部材であり、
    前記1組における各連結部材は、互いに平行配置されるとともに、該連結部材の両端側が前記揺動環及び中間リング、又は中間リング及び基台に対してそれぞれ回動自在に連結されていることを特徴とする請求項16記載のモータ。
  18. 基台と、
    レンズを保持するとともに前記基台に回転自在に支持され、外縁に接触部を有し、回転力を出力する回転筒と、
    内縁に接触部を有し、前記回転筒の接触部と接触を保ちながら該回転筒の回転軸に垂直な平面において揺動する揺動環と、
    前記揺動環の姿勢を保持する姿勢保持手段と、
    前記回転筒と揺動環との接触状態を持続させる接触状態持続手段と、
    両端が前記基台に固定されるとともに中央近傍が前記揺動環と当接する3本以上の線状又は帯状の伸縮アクチュエータとを備えることを特徴とするレンズ駆動機構。
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