JP5618085B2 - 3軸球面モータ - Google Patents

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Description

本発明は、3自由度の回転を球ロータに発生させる3軸球面モータに関する。
1つで、3自由度の回転(いわゆる、x軸方向、y軸方向、及び、z軸方向への回転)を発生させる3軸球面モータは、例えば、工業用内視鏡カメラの角度制御、マイクロロボットの関節駆動など、幅広い産業的用途が想定される。
よって、従来、複数の方式による3軸球面モータが開発されている。
具体的には、圧電材料を球体に押しつけ、高周波数・超音波領域における変形を作用させることによる摩擦駆動で球を回転させる、圧電式球面モータが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、他の方式として、電磁力で球ロータを回転させる、電磁式球面モータが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
これらとは別に、回転方向が2軸(x軸及びy軸)方向に限定されるが、磁歪素子を利用した球面モータが提案されている(特許文献3を参照)。
特開2003−70272号公報 特開2009−100636号公報 特開2009−130988号公報
しかしながら、圧電式球面モータでは、共振変形を利用するため、高電圧・高周波数を発生させるための電源が必要となり小型化が難しい。
また、電磁式球面モータでは、コイルや保持機構を含め、構成が複雑とならざるを得ず、モータの小型化が難しいという課題がある。
一方、特許文献3に示される方法では、モータの小型化は可能であるが、球面モータの回転軸が2軸しかなく、回転方向の自由度が限られるという課題がある。
そこで、本発明は、従来よりも小型化が容易な3軸球面モータを提供することを目的とする。
本発明のある局面に係る3軸球面モータは、磁性体により形成された固定部と、柱状に形成され、N極又はS極のいずれかの磁極を有する一端が前記固定部上の面である固定面に対して固定されている永久磁石と、U字形状に形成された磁歪材料である複数の駆動体と、球状に形成された磁性体である球ロータとを備え、前記複数の駆動体は、前記永久磁石の周囲を取り囲み、前記U字形状をした面である正面が前記永久磁石と対面するように、前記U字形状の2本の足の端が前記固定面に対して固定され、前記球ロータは、前記永久磁石の端のうち前記固定面に固定されていない他端の磁力により保持され、かつ、前記複数の駆動体の正面のうち、前記U字形状の2本の足を繋ぐ梁構造に相当する部分である駆動面の全てに対して接触するように保持され、前記複数の駆動体の各々が有する2本の足の各々には、コイルが巻かれている。
この構成によると、固定部、駆動体及び球ロータは全て磁性体であるため、永久磁石が発生させる磁場は、各駆動体の内部に磁束を発生させる。その結果、磁歪材料である各駆動体は常に伸びた状態となる。また、駆動体の2本の足に巻かれたコイルに電流を流すと、電流の向きに対応して、永久磁石により生じる磁束と(1)同じ向き、又は、(2)異なる向きのいずれかの磁束が駆動体の内部に生じる。ここで同じ向きの磁束が生じた足は、磁束が増加する結果さらに伸びる。一方、異なる向きの磁束が生じた足は、磁束が減少する結果、縮む。このように、各駆動体が有するU字形状の2本の足の長さが、各々独立に伸縮することにより、3軸球面モータが備える各駆動体は、球面ロータに対して、x軸、y軸、z軸の3軸いずれの方向にも回転させることが可能なトルクをかけることができる。また、従来技術と比較し、高周波数の電源等が不要であり、また、構成もシンプルである。よって、従来よりも小型化が容易な3軸球面モータを提供できる。
具体的には、前記複数の駆動体の各々は、前記2つのコイルに各々逆方向の磁束を生じさせる向きの電流である第1駆動電流が前記2つのコイルの各々へ流されると、前記球ロータの中心を通り、当該駆動体の長手方向に平行な軸である第1軸を中心にして前記球ロータを回転させるとしてもよい。
このように、U字形状に形成された駆動体の一方の足を縮め、他方の足を伸ばすことで、駆動体は、固定面に対して水平方向のトルクを球面ロータに加えることができる。また、駆動体の双方の足を同時に縮め、又は伸ばすことで、固定面に対して垂直方向のトルクを球面ロータに加えることができる。その結果、3軸球面モータは、球面ロータを3軸いずれの方向にも回転させることができる。
また、前記複数の駆動体の長さは、前記駆動面が、前記球ロータの外周で前記球ロータと接触するよう定められるとしてもよい。
このように、加圧部を備えることで、3軸球面モータは、各駆動体を球ロータにより強く押しつけることができる。その結果、各駆動体と球ロータとの間の摩擦力が上がり、各駆動体は球ロータへより効率よく大きなトルクをかけることができる。
また、前記駆動面の各々が、前記球ロータへ押しつけられるように、前記複数の駆動体の各々に対して圧力を加える加圧部をさらに備えるとしてもよい。
この構成によると、3軸球面モータは、球ロータの回転をより安定して制御することができる。
また、前記永久磁石の端のうち前記固定面に固定されていない他端と、前記球ロータとの間に、スペーサをさらに備え、前記スペーサは、前記球ロータと接する側の面に凹部を有し、前記球ロータは、前記凹部の縁に接して保持されるとしてもよい。
スペーサにより、球ロータに働く吸引力及び垂直抗力が減少する。その結果、より効率よく球ロータを回転させることができる。さらに、球ロータに働く吸引力の向きを最適な方向へと調整することができるため、より安定して回転させることができる。
また、前記複数の駆動体の数は4つであり、前記永久磁石を中心に、前記固定面に対して90度等配に固定されるとしてもよい。
具体的には、前記複数の駆動体のうち、対面する2つの駆動体は、一方の駆動体が有する前記2つのコイルへ前記2つのコイルに同方向の磁束を生じさせる向きの電流である前記第2駆動電流が流され、他方の駆動体が有する前記2つのコイルへ前記第2駆動電流とは位相が反転している第3駆動電流が流されると、前記球ロータの中心を通り、各駆動体が有する一方の足から他方の足へと向かう方向に平行な軸である第2軸を中心にして、前記球ロータを回転させ、前記第2駆動電流は、ノコギリ状の波形を有するとしてもよい。
さらにまた、前記複数の駆動体の各々が有する前記2つのコイルへ前記第1駆動電流が流されると、当該駆動体は、前記第1軸を中心にして前記球ロータを回転させ、前記第1駆動電流は、ノコギリ状の波形を有し、前記球ロータの回転方向は、前記駆動体が有する2本の足のうち、前記第1駆動電流により長さが伸びる側の足から、前記第1駆動電流により長さが縮む側の足へと向かう方向であってもよい。
ここで、駆動電流がノコギリ形状をしているため、屈曲動作は、元に戻る動作と比較し、緩慢となる。その結果、駆動体と球ロータとの接点におけるスリップの量は、屈曲動作時と比較し、元に戻る動作時の方が大きくなる。このスリップ量の差分が、第1駆動電流の1周期分に対応する、球ロータの回転量となる。このような第1駆動電流を連続的にコイルに流すことで、3軸球面モータは球ロータを同一方向へ連続して回転させることが可能となる。
より具体的には、前記加圧部は、中心に対して等配位置に固定された前記複数の駆動体を、当該複数の駆動体の外側から前記中心の方向へと締め付ける金具としてもよい。
この構成によると、駆動体と球ロータとの間の摩擦力が大きくなり、3軸球面モータは、効率よく大きなトルクで球ロータを回転させることができる。
以上より、本発明は、従来よりも小型化が容易な3軸球面モータを提供できる。
本発明の実施の形態及び変形例に係る3軸球面モータの構成例を示す第1の外観図である。 本発明の実施の形態及び変形例に係る3軸球面モータの構成例を示す第2の外観図である。 本発明の実施の形態1及び2並びに変形例に係る駆動体が、球ロータを回転させる仕組みを説明する概念図である。 本発明の実施の形態1及び2並びに変形例における駆動電流の波形の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1及び2並びに変形例に係る駆動体に作用する磁束の向きを説明する概念図である。 本発明の実施の形態1及び2並びに変形例において、x軸を中心に球ロータを回転させる場合の、3軸球面モータの動きを説明する概念図である。 本発明の実施の形態1及び2並びに変形例において、y軸を中心に球ロータを回転させる場合の、3軸球面モータの動きを説明する概念図である。 本発明の実施の形態1及び2並びに変形例において、z軸を中心に球ロータを回転させる場合の、3軸球面モータの動きを説明する概念図である。 本発明の実施の形態の変形例における加圧部の一例を示す外観図である。 本発明の実施の形態1及び2並びに変形例における他のの駆動電流の波形の例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る3軸球面モータの構成例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るスペーサの効果を説明する図である。 本発明の実施の形態1及び2における駆動体間の距離の一例を示す図である。
以下、本発明に係る3軸球面モータの実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の実施の形態に係る3軸球面モータ100の構成を説明する。
図1は、本実施の形態に係る3軸球面モータ100の構成例を示す第1の外観図である。3軸球面モータ100の大きさは、例えば、縦、横、奥行きのいずれも数mm以内とすることができる。
図1に示されるように、3軸球面モータ100は、球ロータ202と、永久磁石204と、固定部206と、駆動体A1と、駆動体A2と、駆動体B1と、駆動体B2とを備える。
球ロータ202は、球状に形成された磁性体である。
3軸球面モータ100は、球ロータ202を、3軸(すなわち、x軸、y軸、z軸)の任意の方向に回転するよう制御することができる。例えば、球ロータ202の先端にカメラを取り付けると、ユーザはカメラの向きを3軸方向に自由に制御することができる。
球ロータ202は、後述する永久磁石204の端のうち固定面に固定されていない他端との間に働く磁力により保持され、かつ、複数の駆動体の正面のうち、U字形状の2本の足を繋ぐ梁構造に相当する部分である駆動面の全てに対して接触するように保持される。ここで、駆動体の正面とは、駆動体が有する側面のうちU字形状をした面である。
球ロータ202の材料は、いわゆる磁性体であればよく、例えば鉄、ニッケル等の合金等を使用することが考えられる。球ロータ202の大きさは、例えば直径が1mm〜数mm程度とすることが考えられる。
永久磁石204は、柱状に形成された永久磁石である。永久磁石204は、N極又はS極のいずれかの磁極を有する一端が、固定部206上の面である固定面に対して固定されている。
固定面に固定される磁極の向きは、N極及びS極のいずれでもよいが、本実施の形態においては、図1に示されるように、S極側が固定面に固定されている。
固定部206は、磁性体により形成される、固定用の治具である。固定部206の形状は任意の形状でよいが、図1に示されるように、球ロータ202を挟み込めるように複数の駆動体及び永久磁石204を固定可能な固定面を有する必要がある。
駆動体A1、駆動体A2、駆動体B1、及び、駆動体B2は、各々、U字形状に形成された磁歪材料である。磁歪材料は、磁場を受けると、長さが伸び、磁場が消えると元の長さに戻るという性質を有する。各駆動体の材料には、駆動体は良好な加工性と,曲げ変形や,圧力に対する耐性を備える延性を持つ材料を使用することが望ましい。具体的には、Fe−Ga合金(Galfenol)やFe−Co合金(パーメンジュール)等を使用することが考えられる。
複数の駆動体(本実施の形態においては、駆動体A1、駆動体A2、駆動体B1、及び、駆動体B2)は、永久磁石204の周囲を取り囲み、U字形状をした面である正面が永久磁石204の方向を向くように、U字形状の2本の足の端が固定面に対して固定される。ここで、「U字形状をした正面」とは、駆動体が有するU字形状を視認できる方向から見た面を意味する。
なお、各駆動体は、永久磁石204を中心にして、等配位置に固定されることが好ましい。
また、複数の駆動体の長さは、駆動面が、球ロータ202の外周で球ロータ202と接触するよう定められることが好ましい。したがって、固定部206を下にして3軸球面モータ100を正面からみたとき、固定部206に接合されていない駆動体の端部が、球ロータの外周位置よりも上側まであることが好ましい。
3軸球面モータ100は、少なくとも3つの駆動体を備えることで、3軸方向に球ロータ202を回転させることが可能であるが、本実施の形態に係る3軸球面モータ100は、4つの駆動体(すなわち、駆動体A1、駆動体A2、駆動体B1、及び、駆動体B2)を備える。具体的には、図1に示されるように、4つの駆動体が、永久磁石204を中心に、固定部206の固定面に対して90度等配に固定される。
また、各駆動体の2本の足の各々には、コイル300が巻かれている。このコイルに後述する駆動電流を流すと、各駆動体の内部に磁束が生じる。この磁束の向きにより、各駆動体の2本の足は、各々独立に伸縮する。この伸縮運動により、各駆動体は球ロータ202へ特定方向のトルクをかけ、球ロータ202を回転させる。より詳細には、後述する。
なお、以後、駆動体の2本の足に巻かれるコイルを総称する符号としてコイル300を使用する。
図2は、本実施の形態にかかる3軸球面モータ100の構成例を示す第2の外観図である。なお、図2(a)は平面図であり、図2(b)は正面図である。
図2(a)を参照して、各駆動体は、駆動体A1と、駆動体A2とが対面し、駆動体B1と駆動体B2とが対面するように、固定部206に固定されている。球ロータ202は、4つの駆動体で挟み込まれている。球ロータ202と各駆動体は、駆動面と、接点742で接している。
なお、図2(a)及び図2(b)に示されるように、3軸球面モータ100は、駆動面の各々が、球ロータ202へ押しつけられるように、複数の駆動体の各々に対して圧力を加える加圧部208をさらに備えることが望ましい。
加圧部208により、駆動面と球ロータ202とがより強く接するように加圧することで、駆動面と球ロータ202との間に働く摩擦力が大きくなり、その結果、各駆動体はより大きなトルクで球ロータ202を回転させることができる。
なお、本実施の形態において、加圧部208は、図2に示されるように、中心に対して等配位置に固定された駆動体A1、駆動体A2、駆動体B1及び駆動体B2を、これら複数の駆動体の外側から中心方向へと締め付ける金具として実現している。しかし、加圧部208の機構や形状については、特に制限はない。例えば、加圧部208の材質として、金属以外にも、弾性体であるビニール線、又は、ゴム等を使用してもよい。
なお、図2(b)において、加圧部208は、各駆動体の端部のうち固定部206とは反対側の端部をまとめて締め付けることで、各駆動体を球ロータ202に密着させているが、他の場所を締め付けてもよい。例えば、各駆動体の端部のうち固定部206に固定されている他端部をまとめて締め付けてもよく、又は、各駆動体の中間部をまとめて締め付けてもよい。すなわち、加圧部208は、駆動面と球ロータ202との間に生じる摩擦力が大きくなるように、複数の駆動体の各々に対して圧力を加えれば、その方法は問わない。
図3は、各駆動体が、球ロータ202を回転させる仕組みを説明する概念図である。なお、説明のため、以下では駆動体A1を例にとり説明するが、他の駆動体についても同様である。
図3(a)及び図3(b)に示されるように、U字形状を有する駆動体A1の2本の足には、各々コイル302及びコイル304が巻かれている。また、図1を参照して、永久磁石204は、磁束が球ロータ202を吸着するN極側から、球ロータ202、駆動体A1、及び、固定部206の各々を貫通し、永久磁石204のS極側に戻るような磁場を発生させている。その結果、駆動体A1が有する2本の足の各々には、球ロータ202側から、固定部206側へ向かう、z軸方向の磁束が生じている。
よって、磁歪材料である駆動体A1は、永久磁石204によるこの磁束により、常時、伸張している。
ここで、図3(a)を参照して、各駆動体が、球ロータ202をx軸、又はy軸を中心に回転させる仕組みを説明する。
いま、これら駆動体A1が有するコイル302及びコイル304に対して、同じ向きに電流が流されたとする。なお、これ以後、コイル300に流される電流を総称して駆動電流といい、特に、各駆動体が有するコイル300に含まれる2つのコイルに流される駆動電流であって、電流の向きが2つのコイル間で同じ駆動電流を第2駆動電流という。すなわち、第2駆動電流により、2つのコイルに同方向の磁束が生じる。
第2駆動電流により、駆動体A1の2本の足には、各々同じ向きの磁束が生じる。ここで、第2駆動電流により駆動体A1内部に生じる磁束と、永久磁石204により駆動体A1内部に生じる磁束との向きが、同一となる向きに第2駆動電流が流されるとする。その結果、駆動体A1の2本の足の内部に生じる磁束が増加し、駆動体A1の2本の足(すなわち、足321及び足323)は、各々、長手方向へ、より伸張する。また、固定部206は動かないように固定されている。よって、駆動体A1の伸びは、駆動面により接している球ロータ202を回転させる力として働く。
ここで、第2駆動電流の波形を、図4に示される期間tにおける電流波形のようにノコギリ状の波形とすると、電流と磁歪は比例するため、電流の時間波形と、各駆動体における磁歪の時間波形の様子は同等と見なすことができる。そのため、電流の緩慢な立ち上がり時には、これに対応して駆動体A1も穏やかに伸びる。よって、駆動体A1の駆動面の変位とともに、球ロータ202は回転する。
その後、図4に示される期間tにおける電流波形のように、第2駆動電流を急激に減少させると、これに対応して駆動体A1も急激に縮む。このとき、球ロータ202は駆動体A1の急な縮みに追従できず、球ロータ202と駆動体A1の駆動面との間に「すべり」が生じる。その結果、期間t及びtを含む1周期において、球ロータ202は、すべりの角度分だけ進むことになる。これを連続的に繰り返すことにより、駆動体A1は、球ロータ202を同一方向に回転させることができる。
次に、図3(b)を参照して、各駆動体が、球ロータ202を、z軸を中心に回転させる仕組みを示す。
いま、これら駆動体A1が有するコイル302及びコイル304に対して、図3(b)に示されるように、互いに逆向きの駆動電流が流されたとする。なお、以後、各駆動体が有するコイル300に含まれる2つのコイルに流される駆動電流であって、電流の向きがコイル間で逆向きとなる駆動電流を第1駆動電流という。すなわち、第1駆動電流により、コイル302及びコイル304に、各々反対方向の磁束が生じる。
第1駆動電流により、駆動体A1が有する2本の足には、各々逆向きの磁束が生じる。よって、第1駆動電流により生じる一方の磁束は、永久磁石204により生じる磁束を減少させる向きに生じ、他方の磁束は、永久磁石204により生じる磁束を増加させる向きに生じる。具体的には、図3(b)に示される例では、コイル302が、永久磁石204によって生じる磁束と同じ向きの磁束を足321内部に生じさせる結果、足321は、より伸張する。一方、コイル304が、永久磁石204によって生じる磁束を減少させる向きの磁束を足323内部に生じさせる結果、足323は、コイル304に第1駆動電流が流される前よりも縮む。
よって、固定部206は動かないように固定されているため、駆動体A1は、足321から足323へ向かう向きに湾曲する。この駆動体A1の湾曲は、駆動面により接している球ロータ202を、z軸を中心に回転させる力として働く。
ここでも、第1駆動電流の波形を、図4に示される期間tにおける電流波形のようにノコギリ状の波形とすると、電流の緩慢な立ち上がり時には、これに対応して駆動体A1も穏やかに屈曲する。よって、駆動体A1の駆動面の変位とともに、球ロータ202はz軸を中心に回転する。
その後、図4に示される期間tにおける電流波形のように、第1駆動電流を急激に減少させると、これに対応して駆動体A1の湾曲は急激に戻る。このとき、球ロータ202は駆動体A1の急な戻りに追従できず、球ロータ202と駆動体A1の駆動面との間にすべりが生じる。その結果、期間t及びtを含む1周期において、球ロータ202は、すべりの角度分だけ進むことになる。これを連続的に繰り返すことにより、駆動体A1は、球ロータ202を同一方向に回転させることができる。
すなわち、複数の駆動体の各々が有する2つのコイルの各々へ、ノコギリ状の波形を有し、2つのコイルに同方向の磁束を生じさせる向きの電流である第2駆動電流が流されると、各駆動体は、球ロータ202の中心を通り、各駆動体が有する一方の足から他方の足へと向かう方向に平行な軸である第2軸を中心にして球ロータ202を回転させる。
また、複数の駆動体の各々が有する2つのコイルの各々へ、ノコギリ状の波形を有し、2つのコイルに逆方向の磁束を生じさせる第1駆動電流が流されると、各駆動体は、球ロータ202の中心を通り、駆動体の長手方向に平行な軸である第1軸を中心にして球ロータ202を回転させる。
ここで、第1駆動電流がノコギリ形状をしているため、屈曲動作は、元に戻る動作と比較し、緩慢となる。その結果、駆動体と球ロータ202との接点におけるスリップの量は、屈曲動作時と比較し、元に戻る動作時の方が大きくなる。このスリップ量の差分が、第1駆動電流の1周期分に対応する、球ロータの回転量となる。
このような第1駆動電流を連続的にコイルに流すことで、3軸球面モータ100は球ロータ202を同一方向へ連続して回転させることが可能となる。
図5は、本実施の形態に係る駆動体A1に作用する磁束の向きを説明する概念図である。
図5(a)に示されるように、コイル302及びコイル304に駆動電流が流されていない場合には、駆動体A1が有する足321及び足323には、永久磁石204が発生させる磁束のみが、同じ向きに作用する。その結果、足321及び足323は、まったく磁束が作用していない場合と比較し、定常的に伸びた状態となる。
図5(b)は、コイル302及びコイル304に対して、第2駆動電流が流されている場合の磁束のイメージを示す。このとき、第2駆動電流は、永久磁石204が発生させる磁束と同じ向きの磁束をコイル302及びコイル304の内部に発生させる向きに流されているものとする。
コイル302及びコイル304が発生させる磁束が、永久磁石204が発生させる磁束を増加させた結果、足321及び足323は、図5(a)に示される場合よりもさらに伸びた状態となる。この状態で、第2駆動電流を急速に逆転させると、足321及び足323の長さは、図5(a)に示される定常状態における長さまで縮む。
なお、図示していないが、コイル302及びコイル304に、永久磁石204が発生させる磁束と逆向きの磁束を発生させる第3駆動電流が流された場合には、コイル302及びコイル304が発生させる磁束が、永久磁石204が発生させる磁束を減少させる向きに発生する。その結果、足321及び足323は、図5(a)に示される場合よりも縮んだ状態となる。この状態で、駆動電流を急速に逆転させると、足321及び足323の長さは、図5(a)に示される定常状態における長さに戻る。
図5(c)は、コイル302には、永久磁石204が発生させる磁束と同じ向きの磁束を発生させる駆動電流が流され、コイル304には、永久磁石204が発生させる磁束とは逆向きの磁束を発させる駆動電流が流されている場合の磁束のイメージを示す。足321が発生させる磁束が、永久磁石204が発生させる磁束を増加させた結果、足321は、図5(a)に示される場合よりもさらに伸びた状態となる。一方、足323が発生させる磁束が、永久磁石204が発生させる磁束を減少させるため、足323は、図5(a)に示される場合よりも縮んだ状態となる。この状態で、駆動電流を急速に逆転させると、足321及び足323の長さは、図5(a)に示される定常状態における長さに戻る。
以上、駆動体A1について説明した駆動電流の操作を、他の駆動体(駆動体A2、駆動体B1、及び、駆動体B2)についても行うことで、3軸球面モータ100は、より大きな回転トルクを球ロータ202に対して発生させることができる。
次に、図6〜図8を参照して、各回転方向における3軸球面モータ100の動きをより詳細に説明する。
図6は、x軸を中心に球ロータ202を回転させる場合の、3軸球面モータ100の動きを説明する概念図である。x軸を中心に球ロータ202を回転させる場合、
・ステップ1:駆動体B1が伸び、駆動体B2が縮む(又は、駆動体B1が縮み、駆動体B2が伸びる)
・ステップ2:駆動体B1及びB2が元の長さに戻る
という動作を、ステップ1では駆動面がスリップしないように緩慢に、ステップ2では駆動面がスリップするよう急激に、繰り返せばよい。
そのためには、駆動体B1には、ノコギリ状の波形をもつ第2駆動電流を流し、駆動体B2には、第2駆動電流と位相が反転した駆動電流である第3駆動電流を流せばよい。
例えば、永久磁石204が駆動体B1の内部に発生させる磁束の向きと同じ向きに、駆動体B1に巻かれたコイル300が駆動体A1の内部に磁束を生じさせるよう、第2駆動電流の向きを決定した場合には、第2駆動電流が流されることにより駆動体B1が伸び、第3駆動電流が流れることにより駆動体B2が縮む。その結果、ステップ1における駆動体B1の駆動面と球ロータ202との接点は、ステップ2において、駆動体B1の伸び方向へ回転する。また、ステップ1における駆動体B2の駆動面と球ロータ202との接点は、ステップ2において、駆動体B2の縮み方向へ回転する。
なお、駆動体B1に巻かれたコイル300が生じさせた磁束は、球ロータ202、駆動体B2、固定部206を通り、駆動体B1へ環流する。また、駆動体B2に巻かれたコイル300が生じさせた磁束も、球ロータ202、駆動体B1、固定部206を通り、駆動体B2へ環流する。すなわち、対面する駆動体間で、閉磁気回路が構成されるため、低起磁力(すなわち、小さい駆動電流)で駆動体を駆動することができる。
図7は、y軸を中心に球ロータ202を回転させる場合の、3軸球面モータ100の動きを説明する概念図である。y軸を中心に球ロータ202を回転させる場合、
・ステップ1:駆動体A1が伸び、駆動体A2が縮む(又は、駆動体A1が縮み、駆動体A2が伸びる)
・ステップ2:駆動体A1及びA2が元の長さに戻る
という動作を、ステップ1では駆動面がスリップしないように緩慢に、ステップ2では駆動面がスリップするよう急激に、繰り返せばよい。
そのためには、駆動体A1には、ノコギリ状の波形をもつ第2駆動電流を流し、駆動体A2には、第2駆動電流と位相が反転した駆動電流である第3駆動電流を流せばよい。
例えば、永久磁石204が駆動体A1の内部に発生させる磁束の向きと同じ向きに、駆動体A1に巻かれたコイル300が駆動体A1の内部に磁束を生じさせるよう、第2駆動電流の向きを決定した場合には、第2駆動電流が流されることにより駆動体A1が伸び、第3駆動電流が流れることにより駆動体A2が縮む。その結果、ステップ1における駆動体A1の駆動面と球ロータ202との接点は、ステップ2において、駆動体A1の伸び方向へ回転する。また、ステップ1における駆動体A2の駆動面と球ロータ202との接点は、ステップ2において、駆動体A2の縮み方向へ回転する。
すなわち、複数の駆動体のうち、対面する2つの駆動体は、一方の駆動体が有する2つのコイルへ第2駆動電流が流され、他方の駆動体が有する2つのコイルへ第2駆動電流とは位相が反転している第3駆動電流が流されると、第2軸を中心にして、球ロータを回転させる。
なお、駆動体A1に巻かれたコイル300が生じさせた磁束は、球ロータ202、駆動体A2、固定部206を通り、駆動体A1へ環流する。また、駆動体A2に巻かれたコイル300が生じさせた磁束も、球ロータ202、駆動体A1、固定部206を通り、駆動体A2へ環流する。すなわち、対面する駆動体間で、閉磁気回路が構成されるため、低起磁力(すなわち、小さい駆動電流)で駆動体を駆動することができる。
なお、上記図6及び図7において、閉磁気回路を構成する複数の駆動体のすべてがコイル300を備えずともよく、少なくとも1つの駆動体の2つの足に、各々コイルが巻かれていればよい。ただし、全ての駆動体にコイル300が巻かれている方が、球ロータ202の回転トルクを大きくできるため好ましい。
次に、図8は、z軸を中心に球ロータ202を回転させる場合の、3軸球面モータ100の動きを説明する概念図である。z軸を中心に球ロータ202を回転させる場合、
・ステップ1:全ての駆動体の各々が有する2本の足のうち、一方の足が伸び、他方の足が縮む。その結果、全ての駆動体が特定方向に湾曲する。このとき、球の中心から見て全ての駆動体の湾曲方向は同一となる必要がある。
・ステップ2:全ての駆動体の各々が有する2本の足の長さが元に戻る。
という動作を、ステップ1では駆動面がスリップしないように緩慢に、ステップ2では駆動面がスリップするよう急激に、繰り返せばよい。
そのためには、全ての駆動体の各々が有する2つのコイルへ、ノコギリ状の波形をもつ第1駆動電流を流せばよい。
例えば、駆動体A1、駆動体A2、駆動体B1、駆動体B2の各々が有する2本の足のうち、球ロータ202の中心から見て左側の足に巻かれたコイルに、永久磁石204が各駆動体の内部に生じさせる磁束の向きと逆の磁束を生じさせ、右側の足に巻かれたコイルに、永久磁石204と同方向の磁束を生じさせる第1駆動電流が流されるとする。
このとき、第1駆動電流の定義より、各駆動体が有する他方の(すなわち、球ロータ202の中心から見て右側の)足に巻かれたコイルには、永久磁石204が各駆動体の内部に生じさせる磁束の向きと同じ向きの磁束を生じさせる電流が第1駆動電流として流れる。
その結果、球ロータ202の中心から見て左側の足は縮み、右側の足は伸びる。これにより、ステップ1における各駆動体の駆動面と球ロータ202との接点は、ステップ2において、z軸を中心に、球ロータ202の中心から見て右から左へ回転する。
なお、第1駆動電流の起磁力で生じた磁束はU字形状の一方の足から、他方の足、及び、固定部206を通り、環流する。このように閉磁気回路が構成されることにより、低起磁力で駆動体を駆動することができる。
なお、全ての駆動体が有するコイルについて、第1駆動電流の位相は一致していることが望ましい。例えば、各々の駆動体が有する2つのコイルのうち、球ロータ202の中心から見て右側のコイルの位相が、全ての駆動体について一致し、同様に、球ロータ202の中心から見て左側のコイルの位相も、全ての駆動体について一致していることが好ましい。これにより、全ての駆動体の屈曲するタイミングが一致し、球ロータ202により大きな回転トルクをかけることが可能となる。
すなわち、複数の駆動体の各々が有する2つのコイルへ第1駆動電流が流されると、各駆動体は、第1軸を中心にして球ロータ202を回転させる。ここで、第1駆動電流は、ノコギリ状の波形を有している。このとき、球ロータ202の回転方向は、駆動体が有する2本の足のうち、第1駆動電流により長さが伸びる側の足から、第1駆動電流により長さが縮む側の足へと向かう方向となる。
以上述べた本実施の形態に係る3軸球面モータ100は、永久磁石、固定部、駆動体のみで球ロータを回転させることができ、従来技術と比較しシンプルな構成で3軸球面ロータを実現することができる。よって、小型化が容易という利点が生じる。また、構成がシンプルであり、高周波数の電源等を使用しないため、耐久性にも優れる。さらに、磁歪素子の発生応力は極めて大きく、従来技術と比較して大きな回転トルクを発生させることができる。
(変形例)
なお、前述のように3軸球面モータ100は、加圧部208を備えることにより、駆動面と球ロータ202との間に働く摩擦力を高め、より大きなトルクで球ロータ202を回転させることができる。
しかし、加圧部208は、必ずしも複数の駆動体とは別の治具とする必要はない。本実施の形態に係る3軸球面モータ100の変形例として、例えば、駆動体と加圧部を一体として実現してもよい。
図9は、本変形例における加圧部208の一例を示す外観図である。図9に示されるように、本変形例に係る3軸球面モータ100は、上端部(すなわち、固定部206に固定されている端部とは反対側の端部)が環状に連結されるように一体として形成された駆動体を備える。
ここで、駆動体A1、駆動体A2、駆動体B1及び駆動体B2が連結される環の直径をより小さくし、また、下端部の固定部206への固定位置をより中心方向に絞るほど、各駆動面は、より強く球ロータ202に押しつけられる。よって、駆動体の環の直径及び固定部206への固定位置を調整することで、別途治具を付け加えることなく、加圧機構を有する3軸球面モータ100を実現できる。このように、駆動体と加圧部とを一体として実現することにより、3軸球面モータ100の大きさをより小型・軽量化することが可能となる。
(実施の形態2)
次に、図11を参照し、本発明の他の実施の形態に係る3軸球面モータ100について説明する。
図11は、本発明の実施の形態2に係る3軸球面モータ100の構成例を示す図である。なお、図11(a)は平面図であり、図11(b)は駆動体A2方向から見た正面図であり、図11(c)はA−A’断面図である。
図11に示されるように、本実施の形態に係る3軸球面モータ100は、永久磁石204の端のうち固定面に固定されていない他端と、球ロータ202との間に、スペーサ212をさらに備えている。スペーサの材料は、磁性体又は非磁性体である。
ここでスペーサ212は、球ロータ202と接する側の面に凹部を有し、球ロータ202は、凹部の縁に接して保持される。このスペーサ212は、球ロータ202を回転させる際に生じる、球ロータ202と永久磁石204との間の摩擦力を減少させる効果を有する。詳細は、後述する。
また、本実施の形態に係る駆動体は、図11に示されるように、駆動面に相当する部分の厚みを減らすような段加工が施されている。この段加工により、3軸球面モータ100の外径をより小さくすることができる。
また、本実施の形態に係る加圧部208は、図11(a)に示されるように、リング形状ではなく、途中で切れ目があるΩ字形状である。加圧調整用線として糸などを使用し、切れ目を締め付ける力を調整することにより、加圧部208が駆動面を球ロータ202へ押しつける加圧力を調整することができる。
次に、図12を参照して、駆動面により球ロータ202へトルク810が加えられる場合の、本実施の形態に係るスペーサ212の効果を説明する。なお、他の方向へトルクが加えられる場合も同様である。
図12(a)は、3軸球面モータ100がスペーサ212を備えない場合の、球ロータ202と永久磁石204との間に生じる力の向き及び大きさを示す概念図である。
図12(a)に示されるように、永久磁石204の磁力により、垂直方向に吸引力(吸着力)811が生じ、同時に、垂直抗力821が生じる。さらに、垂直抗力821の大きさに比例する摩擦力812が生じる。
一方、図12(b)は、3軸球面モータ100がスペーサ212を備える場合の、球ロータ202と永久磁石204との間に生じる力の向き及び大きさを示す。
図12(b)に示されるように、球ロータ202は、スペーサ212と、スペーサ212が有する凹部の縁で線接触する。その結果、永久磁石204による吸引力813が生じ、同時に、垂直抗力822が生じる。さらに、垂直抗力の大きさに比例する摩擦力814が生じる。
このとき、吸引力813は吸引力811よりも小さくなる。これは、永久磁石204による吸引力が、垂直抗力と接線力に分散するためである。また、摩擦に寄与する垂直抗力も減少する(なお、垂直抗力の大きさは、球ロータ202がスペーサ212に対して接する位置によって変化する)。以上、吸引力及び垂直抗力が減少することにより、摩擦力814は、摩擦力812よりも小さくなる。
さらに、スペーサ212の材料が磁性体である場合には、磁束が球ロータ202を通らなくなるため、吸引力を減少させる効果を奏する。
その結果、同じ大きさのトルク810であっても、実施の形態1と比較して、より効率よく球ロータ202を回転させることができる。
さらにまた、スペーサ212の凹部の大きさ(例えば、凹部を円形状とした場合は、その直径)を調整することで、吸引力(の反力)813の向きを、最適な方向へと調整することができる。
その結果、実施の形態1と比較して、球ロータ202の回転の安定性をより高めることができる。
以上、本発明の実施の形態1及び2並びにその変形例に係る3軸球面モータについて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、前述のとおり、3軸球面モータ100は必ずしも4つの駆動体を備える必要はない。3軸球面モータ100は、3つ以上の駆動体を備えることにより、同様の発明の効果を奏することができる。その際、各駆動体は、球ロータ202を中心に、これを取り囲むように、等配位置で固定部206に固定されることが好ましい。例えば、駆動体が3つであれば、各駆動体は、球ロータ202を中心に、かつ、球ロータ202と接するように、120度等配で固定部206の固定面に固定されることが好ましい。
なお、駆動体の数及び形状にかかわらず、各駆動体は、U字形状の正面が永久磁石204の方向(すなわち、球ロータ202の方向)を向くように、固定部206の固定面に固定される。いいかえると、各駆動体は、U字形状の2本の足の側面が、ともに球ロータ202に相対する向きで、固定部206の固定面に固定される。
なお、上記の実施の形態1及び2並びにその変形例において使用する駆動電流の波形は、図4に示される形状に限られない。例えば、図10(a)又は図10(b)に示される形状であってもよい。すなわち、駆動電流が有するノコギリ状の波形とは、周期性を有する波形であって、1周期(例えば図10(b)における時間T)のうちに電流が増加する時間(例えば図10(b)における時間T)と減少する時間(例えば図10(b)における時間T)とを交互に含み、かつ、電流が増加する時間Tが、電流が減少する時間Tよりも長い電流であればよい。
なお、加圧部208を不要とするために、駆動体の配置を図13(a)に示されるように工夫してもよい。すなわち、例えば駆動体A1と駆動体A2(又は、駆動体B1と駆動体B2)のように、対面する駆動体の側面であって、球ロータ202に接する側面間の距離が、球ロータ202の直径よりも短くなるように、各駆動体を固定部206へ固定してもよい。その結果、図13(b)に示されるように、各駆動体の弾性変形による弾性力で、各駆動体は球ロータ202を加圧し、加圧部208を備えた場合と同様の発明の効果を奏する。
なお、上記の実施の形態1及び2並びにその変形例において、駆動体の形状であるU字形状は、必ずしも厳密な意味でU字でなくともよい。例えば、V字であってもよい。すなわち、2本の柱状構造と、2本の柱状構造を連結する梁構造から構成されるU字類似の形状を含む形状を、ここではU字形状とよぶ。なお、2本の柱状構造及び梁構造の形状は、それぞれ柱状形状であればよく、角柱、円柱等、断面の形状を問わない。
なお、上記各図において、各構成要素の角部及び辺を直線的に記載している箇所については、製造上の理由により、角部及び辺が丸みを帯びたものも本発明に含まれる。
また、上記実施の形態1及び2に係る3軸球面モータ、及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。
本発明は、球面モータに適用でき、特に3自由度の回転を球ロータに発生させる3軸球面モータに適用できる。
100 3軸球面モータ
202 球ロータ
204 永久磁石
206 固定部
208 加圧部
300、302、304 コイル
321、323 足
702、704、706 軌道
742 接点
A1、A2、B1、B2 駆動体

Claims (9)

  1. 磁性体により形成された固定部と、
    柱状に形成され、N極又はS極のいずれかの磁極を有する一端が前記固定部上の面である固定面に対して固定されている永久磁石と、
    U字形状に形成された磁歪材料である複数の駆動体と、
    球状に形成された磁性体である球ロータとを備え、
    前記複数の駆動体は、前記永久磁石の周囲を取り囲み、前記U字形状をした面である正面が前記永久磁石と対面するように、前記U字形状の2本の足の端が前記固定面に対して固定され、
    前記球ロータは、前記永久磁石の端のうち前記固定面に固定されていない他端の磁力により保持され、かつ、前記複数の駆動体の正面のうち、前記U字形状の2本の足を繋ぐ梁構造に相当する部分である駆動面の全てに対して接触するように保持され、
    前記複数の駆動体の各々が有する2本の足の各々には、コイルが巻かれている
    3軸球面モータ。
  2. 前記複数の駆動体の各々は、前記2つのコイルに各々逆方向の磁束を生じさせる向きの電流である第1駆動電流が前記2つのコイルの各々へ流されると、前記球ロータの中心を通り、当該駆動体の長手方向に平行な軸である第1軸を中心にして前記球ロータを回転させる
    請求項1に記載の3軸球面モータ。
  3. 前記複数の駆動体の長さは、前記駆動面が、前記球ロータの外周で前記球ロータと接触するよう定められる
    請求項2に記載の3軸球面モータ。
  4. 前記駆動面の各々が、前記球ロータへ押しつけられるように、前記複数の駆動体の各々に対して圧力を加える加圧部をさらに備える
    請求項3に記載の3軸球面モータ。
  5. 前記永久磁石の端のうち前記固定面に固定されていない他端と、前記球ロータとの間に、スペーサをさらに備え、
    前記スペーサは、前記球ロータと接する側の面に凹部を有し、
    前記球ロータは、前記凹部の縁に接して保持される
    請求項4に記載の3軸球面モータ。
  6. 前記複数の駆動体の数は4つであり、前記永久磁石を中心に、前記固定面に対して90度等配に固定される
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の3軸球面モータ。
  7. 前記複数の駆動体のうち、対面する2つの駆動体は、一方の駆動体が有する前記2つのコイルへ前記2つのコイルに同方向の磁束を生じさせる向きの電流である前記第2駆動電流が流され、他方の駆動体が有する前記2つのコイルへ前記第2駆動電流とは位相が反転している第3駆動電流が流されると、前記球ロータの中心を通り、各駆動体が有する一方の足から他方の足へと向かう方向に平行な軸である第2軸を中心にして、前記球ロータを回転させ、
    前記第2駆動電流は、ノコギリ状の波形を有する
    請求項6に記載の3軸球面モータ。
  8. 前記複数の駆動体の各々が有する前記2つのコイルへ前記第1駆動電流が流されると、当該駆動体は、前記第1軸を中心にして前記球ロータを回転させ、
    前記第1駆動電流は、ノコギリ状の波形を有し、
    前記球ロータの回転方向は、前記駆動体が有する2本の足のうち、前記第1駆動電流により長さが伸びる側の足から、前記第1駆動電流により長さが縮む側の足へと向かう方向である
    請求項6に記載の3軸球面モータ。
  9. 前記加圧部は、中心に対して等配位置に固定された前記複数の駆動体を、当該複数の駆動体の外側から前記中心の方向へと締め付ける金具である
    請求項8に記載の3軸球面モータ。
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