JP2010035315A - アクチュエータ - Google Patents

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智浩 太田
Yuya Hasegawa
祐也 長谷川
Katsuhiro Hirata
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Abstract

【課題】往復直進移動を可能とする構成要素の形状を変更するだけの簡単な構造で、往復直進移動に加えて回転移動を行うことを可能としたアクチュエータを提供する。
【解決手段】コイル部21と固定磁極22〜25と永久磁石26,27とがケース40の定位置に固定される。ケース40に対して往復直進移動および回転移動が可能となるように支承された出力軸11にプランジャ12が固定される。プランジャ12は可動磁極12a,12bを備える。可動磁極12a,12bと固定磁極22〜25とは、それぞれ溝部16a,16b,22a,23a,24a,25aを備える。各可動磁極12a,12bの溝部16a,16bは、出力軸11の周方向において異なる位置に形成される。コイル部21への通電により、固定磁極22〜25と可動磁極12a,12bとの間に磁力を作用させると、プランジャ12を直進移動させる推進力と回転力とが生じる。
【選択図】図1

Description

本発明は、往復直進移動と回転移動とを複合した2自由度の運動を行う可動体を備えたアクチュエータに関するものである。
従来から、電気かみそりや電動歯ブラシのような機械装置の駆動部に用いるために可動体を往復直進移動させるアクチュエータ(リニアオシレータ)が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたリニアオシレータは、磁性体からなりケースに対して往復直進移動が可能となるように支承されたプランジャ(可動体)と、プランジャに磁力を作用させて往復直進移動させる電磁駆動部とを備えている。また、ケースにはプランジャに対して往復直進移動の方向においてばね力が作用するように複数個のばねが配置されている。
電磁駆動部は、プランジャの移動方向に着磁された一対の永久磁石と、両永久磁石の間に配置されたコイル(コイル部)と、各永久磁石の各磁極にそれぞれ磁気結合された2対のヨーク(固定磁極)とを備える構成であり、プランジャを囲む円筒状に形成されている。プランジャが往復直進移動を行う方向において各永久磁石は互いに逆向きに着磁されている。また、プランジャが往復直進移動を行う方向におけるプランジャの両端間の長さ寸法は、電磁駆動部の長さ寸法よりも小さく設定されている。
コイルに電流が流れていない状態では、各永久磁石で発生する磁束は、それぞれプランジャ内を通る独立した磁路を形成する。また、プランジャは、ばねから作用するばね力が釣り合う位置で静止する。この位置は、たとえば、プランジャの往復直進移動の方向におけるプランジャの中心位置と電磁駆動部の中心位置とが一致する位置としてある。
一方、コイルに通電するとコイルにより発生する磁束は、一方の永久磁石により発生している磁束と同じ向きになり、他方の永久磁石により発生している磁束とは逆向きになるから、コイルにより発生する磁束と同じ向きの磁束を発生させている永久磁石を配置している側にプランジャが変位する。したがって、コイルに交番電流を通電することによって、プランジャを往復直進移動させることができる。
ところで、この種のアクチュエータを電動歯ブラシなどに用いる場合には、往復直進移動だけではなく回転移動(ローリング動作)を付加することが要求されることがある。往復直進移動と回転移動とを組み合わせた運動をトルネード運動と呼ぶことがある。
トルネード運動を可能にするアクチュエータとしては、上述したプランジャと同様に往復直進移動を行う振動側可動子とともに、回転移動を行うローリング側可動子を1本のシャフトの軸方向に並べて配置し、振動側可動子に往復直進移動を行わせるための電磁駆動部(振動側固定子)とは別に、ローリング側可動子に回転移動を行わせるための電磁駆動部(ローリング側固定子)を付加した構成が提案されている(特許文献2参照)。
ローリング側可動子は、シャフトに取り付けたヨークの周面に周方向に沿って複数個の溝部を形成し、各溝部内にそれぞれ平板状の永久磁石を装着した構成を有する。永久磁石は厚み方向に着磁されており、すべての永久磁石についてヨーク側が同極性になるように装着される。したがって、ローリング側可動子は、溝部を形成していない部位と永久磁石が装着された溝部の部位とで異なる極性の磁極を持つことになり、周方向において異なる磁極が交互に設けられた多極の永久磁石と等価になる。さらに、ローリング側可動子には、ねじりばね(ばね部材)が結合されており、周方向に回転したときに復帰力が作用するにしてある。
一方、ローリング側固定子は、コイル(巻線ボビンおよび巻線)の両側に固定子磁極(ローリング側ステータ)をそれぞれ配設した構成であり、ローリング側可動子を囲む円筒状に形成されている。固定子磁極の内周部にはローリング側可動子に設けた永久磁石の個数と同数個の磁極歯(磁極子)が突設されている。また、コイルの各側に配置した固定子磁極では、シャフトの軸方向から見たときに、一方の固定子磁極において隣接する一対の磁極歯の間に、他方の固定子磁極における磁極子が位置するように配置している。
さらに、ねじりばねに復帰力が生じていない初期位置では、ローリング側可動子の回転方向において隣接する磁極の間に、ローリング側固定子の周方向における磁極子の中心位置が位置するように、ローリング側可動子とローリング側固定子との位置関係が設定されている。
したがって、ローリング側固定子に設けたコイルに電流を流すと、固定子磁極の磁化の向きに応じて、ローリング側可動子とローリング側固定子との間に吸引力または反発力が生じ、ローリング側可動子に回転力が生じる。ローリング側可動子の回転の向きは、コイルに流す電流の向きにより変化し、コイルへの通電を停止すれば、ねじりばねに生じる復帰力により、ローリング側可動子が初期位置に戻るようになっている。
特許第3475949号公報 特開2004−343933号公報
上述したように、コイル部と永久磁石とを用いて電磁駆動を行うことにより往復直進移動が可能であるアクチュエータにおいて、トルネード運動を可能とするために回転移動の機能を付加しようとすると、往復直進移動を行うためのプランジャや電磁駆動部に加えて、回転移動を行うためのヨークやコイルが必要になり、往復直進移動を行うアクチュエータに比較して、部品点数が増加するとともに、シャフトの軸方向における寸法が大きくなるという問題が生じる。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、往復直進移動を可能とする構成要素の形状を変更するだけの簡単な構造で、往復直進移動に加えて回転移動を行うことを可能とし、往復直進移動を行う構成に比較して部品点数の増加したり大型化したりすることなくトルネード運動が可能になるアクチュエータを提供することにある。
請求項1の発明は、ケースの定位置に固定され固定磁極を備える固定子と、固定子に対して一つの直線上での直進往復移動と当該直線の周りでの回転移動が可能となるようにケースに支承され当該直線と交差する面内で固定磁極と対向する可動磁極を備える可動体と、固定磁極と可動磁極との一方を励磁する磁束を発生し固定磁極と可動磁極との間に前記直線に沿う方向の磁力を作用させるコイル部とを備え、固定磁極と可動磁極との少なくとも一方の対向面には前記直線に交差する面内での磁束分布を不均一にし可動体に回転方向の磁力を作用させる突部と溝部との一方が回転付与部として形成され、可動体が直進往復移動する移動範囲において前記直線に沿った位置に応じて前記直線に交差する面内における回転付与部の位置を異ならせていることを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記可動体を前記直線に沿う方向の基準位置に復帰させる復帰ばねを備えることを特徴とする。
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、前記固定磁極と前記可動磁極との一方に磁気結合された永久磁石を備え、前記コイル部への通電電流の変化に応じて可動体を基準位置から変位させることを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項3の発明において、前記固定子は、前記コイル部を備えるとともに、前記直線に沿う方向におけるコイル部の両側に前記永久磁石をそれぞれ備え、各永久磁石は、前記直線に沿う方向において逆向きに着磁され、かつ各磁極にそれぞれ前記固定磁極が結合されており、前記直線に沿う方向において前記可動磁極間の中心位置と永久磁石間の中心位置とが一致する位置を前記基準位置として、前記可動体は、前記コイル部の通電電流の向きに応じて基準位置から変位することを特徴とする。
請求項5の発明では、請求項3又は4の発明において、前記固定磁極と前記可動磁極との対向面の一方は前記永久磁石と同一面を形成するように配置され、前記回転付与部は永久磁石に跨る形で形成されていることを特徴とする。
請求項6の発明では、請求項1〜5のいずれかの発明において、前記回転付与部は、前記直線に沿って延長され、かつ前記直線に沿った位置に応じて異なる位置に形成されていることを特徴とする。
請求項7の発明では、請求項1〜5のいずれかの発明において、前記回転付与部は、前記直線に対して斜めに交差する方向に延長されていることを特徴とする。
請求項8の発明では、請求項1〜7のいずれかの発明において、前記ケースに対して前記直線の周りに回転する方向に可動である振幅制御錘と、振幅制御錘と前記ケースとの間および前記可動体と振幅制御錘との間をそれぞれ結合する共振ばねとを有し、機械系と電気回路系とを含む運動全体の共振周波数は、前記可動体の回転移動の周波数に合わせて設定されていることを特徴とする。
なお、共振周波数(最大振幅となる周波数)を可動体の回転移動の周波数に合わせるとは、両者が一致する場合のほか、実質的に共振とみなせる程度に両者の差が小さい場合も含む。
請求項1の発明の構成によれば、コイル部に通電することにより固定磁極と可動磁極との間に可動体を直進移動させる向きの力が作用するから可動体に直進往復移動を行わせることができ、しかも、固定磁極と可動磁極との少なくとも一方に回転付与部を形成していることによって、可動体の直進往復移動の間に回転方向の分力が発生して可動体を回転移動させることが可能になる。また、回転付与部は、固定磁極と可動磁極との少なくとも一方に形成され、かつ突部と溝部との一方で形成されるから、他の部材を付加することなく固定磁極と可動磁極との少なくとも一方の形状のみを変更すれば、可動体に回転運動を付与することが可能になる。すなわち、直進往復移動に回転運動であるローリングを付加することができ、電動歯ブラシなどの駆動に適した簡単な構成のアクチュエータを提供することができる。
請求項2の発明の構成によれば、復帰ばねを用いて可動体を基準位置に復帰させるから、コイル部を直流パルスで駆動することが可能である。
請求項3の発明の構成によれば、永久磁石とコイル部との磁力の相互作用によって駆動力を高めることができる。
請求項4の発明の構成によれば、永久磁石を固定子に設けるとともに、直進往復移動を行う直線に沿う方向において永久磁石と可動磁極とを2個ずつ設け、可動磁極間の中心位置と永久磁石間の中心位置とが一致する位置を基準位置としているから、コイル部の非励磁時に永久磁石の磁力によって基準位置に復帰させることができる。また、この構成によって、コイル部の通電電流の向きに応じて基準位置から変位させることができるから、可動体の変位量を大きくとることが可能になる。
請求項5の発明の構成によれば、固定磁極と可動磁極との少なくとも一方に回転付与部を形成するだけではなく、永久磁石にも回転付与部を形成しているから、可動体の移動時において固定磁極あるいは可動磁極が永久磁石に対向する領域でも回転方向の分力を途切れさせることなく作用させることができ、可動体の動作が滑らかになる。
請求項6の発明の構成によれば、回転付与部を蛇行状に形成することができるから、比較的簡単な形状で回転方向に複雑な動きを付与することができる。
請求項7の発明の構成によれば、回転付与部を直線状に形成することができるから、比較的簡単な形状で回転方向に滑らかな動きを付与することができる。
請求項8の発明の構成によれば、振幅制御錘と共振ばねとを含む機械振動系を設け、機械系と電気回路系とを含む運動全体の共振周波数を可動体の回転移動の周波数に合わせて設定していることにより、いわゆる動吸振器が構成され、機械振動系により可動体からケースに伝達される振動が制動されることで、ケースの振動を軽減することができる。また、ケースの振動が制動されることによって可動体の回転移動は相対的に増大し、可動体の回転移動が大きくなる。
以下に説明する実施形態では、ケース内に動吸振器と称する機構を備えたアクチュエータを例示するが、動吸振器を設けない構成であっても本発明の技術思想は適用することができる。
まず、本発明の基本構成を図2に従って説明する。本実施形態において説明するアクチュエータは、円筒状のケース40を備え、ケース40には、ケース40の口軸方向の直線上で往復直進移動が可能であるとともにケース40の周方向に回転移動が可能となるように可動体10が支承され、さらに、ケース40内には、可動体10を駆動するための固定子20が収納される。ケース40内には、可動体10と同様に、ケース40の口軸方向の直線上で往復直進移動が可能であるとともにケース40の周方向に回転移動が可能である振幅制御錘30が収納される。ケース40の外に磁束が漏れるのを防止する防磁効果を持たせるとともに磁気効率を高めるために、ケース40は鉄材などの磁性体により形成する。
可動体10は、ケース40の両端部に設けた軸受台41、42に支承される出力軸11と、鉄材のような磁性体により形成され出力軸11に固定されたプランジャ12とを有する。出力軸11はケース40の口軸方向に沿ったケース40の中心線上に配置され、出力軸11の両端部はケース40から突出する。また、プランジャ12は、出力軸11の軸方向に直交する断面において外周面が略円形であり、プランジャ12の軸方向における両端部には中間部よりも大径となった可動磁極12a,12bが連続一体に形成される。
プランジャ12は振幅制御錘30とともにケース40に収納され、プランジャ12と振幅制御錘30とは出力軸11の軸方向に離間して配置される。ここに、振幅制御錘30は出力軸11に固定されず、出力軸11と振幅制御錘30とは独立して移動する。
ケース40には3個のコイルばね13,14,15も収納される。コイルばね13は、ケース40の口軸方向における一端側の軸受台41とプランジャ12との間に配置され、プランジャ12を初期位置に復帰させる機能を有する。コイルばね14がプランジャ12と振幅制御錘30との間に配置されるとともに、コイルばね15がケース40の他端側の軸受台42と振幅制御錘30との間に配置されることにより、両コイルばね14,15は後述する共振ばねとして機能する。各コイルばね13,14,15の各端部はそれぞれケース40とプランジャ12と振幅制御錘30とに固定されており、各コイルばね13,14,15は、出力軸11の軸方向に伸縮する機能だけではなく、ねじりばねとしての機能も備える。なお、図に示すコイルばね13,14,15に代えて、板ばねのような他のばねを用いることも可能である。
ケース40の内部においてプランジャ12を囲む部位には、円筒状に形成された固定子20が配置される。固定子20は、円環状のコイル部21と、出力軸11の軸方向においてコイル部21の両側に配置された各一対の固定磁極22,23、24,25と、コイル部21の両側に設けた各一対の固定磁極22,23、24,25の間に配置した2個の永久磁石26,27とを備える。固定磁極22,23,24,25と永久磁石26,27とは、それぞれ板状かつ円環上に形成されている。
永久磁石26,27は出力軸11の軸方向に着磁され、かつ各永久磁石26,27は互いに逆向きに着磁されている。また、各永久磁石26,27の各磁極には、それぞれ固定磁極22,23、24,25が磁気結合される。コイル部21と固定磁極22,23,24,25と永久磁石26,27とは隙間なく密着して配置され一体化されている。
ここに、1枚の固定磁極23,24と1枚の永久磁石26,27との厚み寸法の合計は、プランジャ12に設けた各可動磁極12a,12bの出力軸11の軸方向における寸法に略一致する。また、出力軸11の軸方向におけるプランジャ12の長さ寸法は、コイル部21と2枚の固定磁極23,24と2枚の永久磁石26,27との合計寸法に略一致する。さらに、出力軸11の軸方向における固定磁極22,25の厚み寸法は、プランジャ12に設けた各可動磁極12a,12bの出力軸11の軸方向における寸法より大きくするのが望ましい。つまり、出力軸11の軸方向において、固定磁極22,25の厚み寸法は固定磁極23,24の厚み寸法よりも大きくしてある。
コイル部21に通電していない状態では、図2に示すように、可動磁極12aが固定磁極23および永久磁石26に対向し、可動磁極12bが固定磁極24および永久磁石27に対向する位置に位置する。コイル部21に通電すると、コイル部21は固定磁極23,24を励磁する磁束を発生し、固定磁極22,23,24,25とプランジャ12に設けた可動磁極12a,12bとの間に、出力軸11の軸方向に沿った磁力が作用する。
たとえば、図2に示す例では、図の上部の永久磁石26は上向きに着磁され、図の下部の永久磁石27は下向きに着磁されている。ここで、コイル部21への通電により固定磁極23をN極に励磁し、固定磁極24をS極に励磁すると、コイル部21により生じた磁束の向きは、永久磁石27の磁束の向きとは逆向きになるから、各可動磁極12a,12bは、それぞれ固定磁極22,24に対向する位置に向かって移動する。つまり、可動磁極12a,12bと固定磁極22,23,24,25との間に、プランジャ12を上向きに移動させる磁力が作用することになる。
コイル部21への通電の向きを逆向きにすれば、上述した状態とは逆に、プランジャ12を下向きに移動させる磁力が作用する。つまり、図2に示す位置を往復直進移動の基準位置とすると、コイル部21への通電の向きに応じて、プランジャ12(つまりは、可動体10)を上下に移動させることができる。すなわち、コイル部21に交番電流を通電すると、可動体10が往復直進移動する。また、コイル部21への通電を停止すれば、コイルばね13,14,15によりプランジャ12は往復直進移動の基準位置に復帰する。
ここに、出力軸11の軸方向において、プランジャ12の長さ寸法は、上下両端に位置する固定磁極22,25の間の距離寸法に略一致させるのが望ましい。また、往復直進移動の基準位置においては、プランジャ12の上端と永久磁石26の上端との位置を一致させ、プランジャ12の下端と永久磁石27の下端との位置を一致させるのが望ましい。このような寸法および位置の関係によって、上下方向における推進力を大きくすることができる。
ところで、図1、図3に示すように、可動磁極12a,12bおよび固定磁極22,23,24,25には、出力軸11の軸方向に直交する面内において、磁極面(可動磁極12a,12bの外周面と固定磁極22,23,24,25の内周面)での磁束分布を不均一にすることで可動体10に回転方向の磁力を作用させる回転付与部が形成されている。図示例において、回転付与部は出力軸11の軸方向の一直線上で延長された溝部16a,16b,22a,23a,24a,25aとして形成してある。具体的には、図3に示すように、出力軸11の周方向において多数個(図示例では16個)の溝部16a,16b,22a,23a,24a,25aを等角度間隔で形成している。
固定磁極22,23,24,25に設けた溝部22a,23a,24a,25aは、出力軸11の軸方向の一直線上に配列される(図5参照)。一方、可動磁極12a,12bに設けた両溝部16a,16bは、出力軸11の周方向における異なる位置に配置されている。図1は、図3のA−A′線で切り取った部分の斜視図であり、固定磁極22,23,24,25に設けた溝部22a,23a,24a,25aを、切り取った角度範囲の中心位置に配置している。したがって、可動磁極12a,12bは切り取った角度範囲の中心位置からずれている。
ここに、図3では可動磁極12aの溝部16aが固定磁極22(23)の溝部22a(23a)に対して左周り方向にずれている状態を示しており、この状態において可動磁極12bの溝部16bは固定磁極24(25)の溝部24a(25a)に対して右回り方向にずれることになる。言い換えると、図3の状態において、可動磁極12a,12bの溝部16a,16bは、固定磁極22,23,24,25の溝部22a,23a,24a,25aに対して対称に位置する(図4参照)。この位置を出力軸11の回転移動の基準位置とする(図6参照)。
いま、プランジャ12が往復直進移動の基準位置に位置するとすれば、永久磁石26,27の磁力により、可動磁極12aにはたとえば右回りの回転力が作用し、可動磁極12bにはたとえば左回りの回転力が作用する。このような回転力は、可動磁極12a,12bの溝部16a,16bを固定磁極22,23,24,25の溝部22a,23a,24a,25aに一致させようとする向きに作用する。ただし、回転移動の基準位置では、右回りの回転力と左回りの回転力とが相殺されている。
一方、上述のようにコイル部21に通電することにより、プランジャ12を出力軸11の軸方向において往復直進移動の基準位置から移動させると、可動磁極121,12bと固定磁極22,23,24,25との対向面積が変化するから、右回りの回転力と左回りの回転力との釣り合いが崩れ、プランジャ12を回転移動の基準位置から回転させるように回転力が作用する。
たとえば、図1の位置からプランジャ12が上向きに移動すると、永久磁石26−固定磁極22−可動磁極12a−プランジャ12−可動磁極12b−固定磁極24−ケース40−固定磁極23−永久磁石26の磁路が形成される。このとき、可動磁極12bと固定磁極24との対向面積は、可動磁極12aと固定磁極22との対向面積よりも小さくなるから、たとえば右回りの回転力が左回りの回転力よりも大きくなり、結果的にプランジャ12は右回りに回転移動する。プランジャ12が下向きに移動した場合には、上述の場合とは逆に、プランジャ12は左回りに回転移動する。
したがって、プランジャ12を往復直進移動させるためにコイル部21に交番電流を通電すると、プランジャ12は回転往復移動を行う。また、往復直進移動の場合と同様に、コイル部21への通電を停止すれば、コイルばね13,14,15により回転移動の基準位置に復帰する。
上述のように、回転付与部としての溝部16a,16bの位置を出力軸11の軸方向の位置に応じて異ならせていることにより、プランジャ12が出力軸11の軸方向に移動するとともにプランジャ12に回転移動を付与することが可能になる。上述の構成では、プランジャ12の往復直進移動を可能にするために設けられている可動磁極12a,12bおよび固定磁極22,23,24,25に、溝部16a,16b,22a,23a,24a,25aを形成するだけで、プランジャ12の回転移動が可能になるから、回転力を作用させる構成を付加しなくとも往復直進移動と回転移動(ローリング)とを組み合わせたトルネード運動が可能になる。すなわち、部品点数の増加を伴わず、かつ出力軸11の軸方向における大型化を回避しながらも出力軸11のトルネード運動が可能になる。
ところで、本実施形態では、上述したようにケース40内に振幅制御錘31を備え、振幅制御錘31はプランジャ12とケース40(軸受台42)との間でコイルばね14,15により支持されている。したがって、振幅制御錘31は、ケース40に対して出力軸11の軸方向および出力軸11の周方向に移動可能となるように支持されている。コイルばね14,15は共振ばねとして機能し、振幅制御錘31とコイルばね14,15とを含む機械振動系と電気回路系とを含む運動全体の共振周波数(最大振幅となる周波数)は、可動体10の往復直進移動および回転移動の周波数に合わせて設定されている。つまり、上記共振周波数は、可動体10のトルネード運動の周波数に一致するかまたは実質的に共振とみなせる周波数に設定される。
この種の構造は動吸振器と呼ばれている。本実施形態では、可動体10のトルネード運動における周波数に対して動吸振器は2個の共振周波数を持ち、高周波側の共振周波数においては、可動体10の移動とは逆相で移動することによって、可動体10からケース40に伝達される振動を制動する。つまり、ケースの振動を軽減することができる。言い換えると、ケース40の振動が制動されることによって可動体10の直進往復移動の振幅は相対的に増大し、また回転移動の角度も相対的に増大する。
図7は本実施形態の構造を有するアクチュエータの動作例であり、アクチュエータが往復直進移動と回転移動とを複合したトルネード運動を行うことがわかる。また、曲線Aは溝部16a,16b,22a,23a,24a,25aの深さを1mmとした場合、曲線Bは0.1mmとした場合を示しており、往復直進移動の振幅(縦軸)はほとんど変化しないが、回転角度(横軸)が変化することがわかる。
回転付与部は、上述した構成のように、可動磁極12a,12bに形成する溝部16a,16bの位置を出力軸11の周方向の異なる位置に設ける構成のほか、固定磁極22,23,24,25に設ける溝部22a,23a,24a,25aの位置を出力軸11の周方向の異なる位置に設ける構成としてもよい。また、上述の例では永久磁石26,27に溝部を形成していないが永久磁石26,27に溝部を形成してもよい。永久磁石26,27にも溝部を形成すれば、プランジャ12が直進往復移動する際に、永久磁石26.27の位置で磁束分布が大きく変化することがなく、可動磁極12a,12bが永久磁石26.27に対向する領域でも回転方向の分力を途切れさせずに作用させることができ、可動体10の動作が滑らかになる。
さらに、回転付与部として、出力軸11の軸方向に沿う一直線上で延長された溝部のほか、回転移動の与え方によって、ジグザク状ないし蛇行状の溝部や出力軸11に対して斜めに交差する方向に延長された溝部を用いることも可能である。あるいはまた、溝部に代えて突部(突条)として回転付与部を形成することも可能である。
また、プランジャ12を電磁駆動するための構成として、上述した固定子20および可動体20の構成のほか、永久磁石26、27を用いずにコイル部21に通電したときに生じる吸引力でプランジャ12を移動させ、ばね力などの復帰力によりプランジャ12を復帰させる構成を採用することも可能である。
実施形態を示す要部を切り取った斜視図である。 同上を示す縦断面図である。 同上の要部の横断面図である。 同上に用いる可動体を示す要部斜視図である。 同上に用いる固定子を示す要部斜視図である。 同上における回転付与部を示す概略平面図である。 同上の動作例を示す図である。
符号の説明
10 可動体
12a 可動磁極
12b 可動磁極
13 コイルばね(復帰ばね)
14 コイルばね(復帰ばね、共振ばね)
15 コイルばね(復帰ばね、共振ばね)
16a 溝部(回転付与部)
16b 溝部(回転付与部)
20 固定子
21 コイル部
22a 溝部(回転付与部)
22 固定磁極
23 固定磁極
23a 溝部(回転付与部)
24 固定磁極
24a 溝部(回転付与部)
25 固定磁極
25a 溝部(回転付与部)
26 永久磁石
27 永久磁石
31 振幅制御錘
40 ケース

Claims (8)

  1. ケースの定位置に固定され固定磁極を備える固定子と、固定子に対して一つの直線上での直進往復移動と当該直線の周りでの回転移動が可能となるようにケースに支承され当該直線と交差する面内で固定磁極と対向する可動磁極を備える可動体と、固定磁極と可動磁極との一方を励磁する磁束を発生し固定磁極と可動磁極との間に前記直線に沿う方向の磁力を作用させるコイル部とを備え、固定磁極と可動磁極との少なくとも一方の対向面には前記直線に交差する面内での磁束分布を不均一にし可動体に回転方向の磁力を作用させる突部と溝部との一方が回転付与部として形成され、可動体が直進往復移動する移動範囲において前記直線に沿った位置に応じて前記直線に交差する面内における回転付与部の位置を異ならせていることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記可動体を前記直線に沿う方向の基準位置に復帰させる復帰ばねを備えることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
  3. 前記固定磁極と前記可動磁極との一方に磁気結合された永久磁石を備え、前記コイル部への通電電流の変化に応じて可動体を基準位置から変位させることを特徴とする請求項1又は2記載のアクチュエータ。
  4. 前記固定子は、前記コイル部を備えるとともに、前記直線に沿う方向におけるコイル部の両側に前記永久磁石をそれぞれ備え、各永久磁石は、前記直線に沿う方向において逆向きに着磁され、かつ各磁極にそれぞれ前記固定磁極が結合されており、前記直線に沿う方向において前記可動磁極間の中心位置と永久磁石間の中心位置とが一致する位置を前記基準位置として、前記可動体は、前記コイル部の通電電流の向きに応じて基準位置から変位することを特徴とする請求項3記載のアクチュエータ。
  5. 前記固定磁極と前記可動磁極との対向面の一方は前記永久磁石と同一面を形成するように配置され、前記回転付与部は永久磁石に跨る形で形成されていることを特徴とする請求項3又は4記載のアクチュエータ。
  6. 前記回転付与部は、前記直線に沿って延長され、かつ前記直線に沿った位置に応じて異なる位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
  7. 前記回転付与部は、前記直線に対して斜めに交差する方向に延長されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
  8. 前記ケースに対して前記直線の周りに回転する方向に可動である振幅制御錘と、振幅制御錘と前記ケースとの間および前記可動体と振幅制御錘との間をそれぞれ結合する共振ばねとを有し、機械系と電気回路系とを含む運動全体の共振周波数は、前記可動体の回転移動の周波数に合わせて設定されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のアクチュエータ。
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