JP2005083332A - 駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 狭いスペースに配置可能で、十分な出力を得ることができ、応答性が良好で消費電力も少ない駆動装置を提供する。
【解決手段】 駆動装置は、形状記憶合金ワイヤ2と、形状記憶合金ワイヤ2を付勢するバネ4と、形状記憶合金ワイヤ2の形状変化から回転出力を得る回転部材8と、これらを支持する基台6とを有している。基台6上には、形状記憶合金ワイヤ2を折り曲げるための折曲部材51,52,53が立設されている。形状記憶合金ワイヤ2を、折曲部材51,52,53により折り曲げた状態で回転部材8の周囲に配置することにより、狭いスペースに十分な長さの形状記憶合金ワイヤ2を配置することができ、十分な出力を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、形状記憶合金を利用して可動部品を駆動(移動又は回転等)する駆動装置に関する。
携帯用の小型機器等においては、可動部品の駆動を行う駆動装置はできるだけ狭いスペースに配置することが必要である。このような駆動装置として、形状記憶合金ワイヤにより爪部材を駆動してカメラの操作ダイヤルを回転させるもの(例えば、特許文献1参照)、超音波モータによりレンズ駆動用の円筒カムを回転させるもの(例えば、特許文献2参照)、あるいは形状記憶合金ワイヤによりレンズ駆動用のアクチュエータを回転させるもの(例えば、特許文献3参照)が知られている。また、渦巻き状の形状記憶合金により回転軸を回転させるようにした駆動装置も知られている(例えば、特許文献4、5及び6参照)。
特開平11−344754号公報(第5頁、第4図) 特開平09−043476号公報(第2−3頁、第2図) 特開2002−244015号公報(第4−5頁、第1図) 特開平09−268969号公報(第2−3頁、第1図) 特開平10-288679号公報(第2−3頁、第1図) 特開平07-103129号公報(第3−4頁、第1図)
しかしながら、形状記憶合金製のワイヤの変位量(すなわち全長の伸び量)は、一般にワイヤ全長の3%〜5%程度である。そのため、特許文献1及び特許文献3に記載された駆動装置のように形状記憶合金ワイヤを直線状に配置したのでは、設置スペースとの関係上、形状記憶合金ワイヤの全長をあまり長くできないため、十分な変位量が得られないという問題がある。また、特許文献2に記載された駆動装置のように超音波モータを用いたのでは、形状記憶合金を利用した駆動装置よりも広い設置スペースが必要になるという問題がある。
また、特許文献4〜6のように渦巻き状の形状記憶合金を用いた場合、渦巻き形状のために駆動装置の小型化が難しくなるという問題がある。また、渦巻き状の形状記憶合金の曲率を変化させて回転出力を得ているため、形状記憶合金の伸縮量に対して小さな回転出力しか得られず、従って消費電力が大きい、あるいは高い応答性が得られないという問題がある。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、狭いスペースに配置可能で、十分な出力を得ることができ、応答性が良好で消費電力も少ない駆動装置を提供することにある。
この発明に係る駆動装置は、長尺状の形状記憶合金部材と、前記形状記憶合金部材の変位から回転出力を得る回転部材と、前記形状記憶合金部材を、その変位を抑制する方向に付勢する付勢部材と、前記形状記憶合金部材を折り曲げるための折曲部材と、前記形状記憶合金部材、前記付勢部材、前記回転部材及び前記折曲部材を支持する基台とを備えて構成される。前記形状記憶合金部材は、前記折曲部材により折り曲げられた状態で、前記回転部材の周囲に配置されている。
本発明によれば、形状記憶合金部材を折り曲げた状態で回転部材の周囲に配置しているため、狭いスペースに十分な長さの形状記憶合金部材を配置することができ、その結果、十分な変位量を得ることができる。更に、渦巻き状の形状記憶合金部材を用いた場合と比較して、消費電力が少なく、応答性が良好である。
実施の形態1.
図1(a)は、この発明の実施の形態1に係る駆動装置1の基本構成を示す斜視図である。駆動装置1は、略四角形の水平な上面を有する基台6と、この基台6上に設けられた略円柱状の回転部材8とを有している。以下、駆動装置1の構造の説明においては、図1に矢印で示すように前、後、左及び右を定義する。但し、これら前、後、左及び右は、あくまで説明の便宜のためのものであり、駆動装置1の向きを限定するものではない。
基台6の上面には、略円柱状のピンからなる3つの折曲部材51,52,53が立設されている。折曲部材51は、基台6の上面の右後方の角部近傍に立設されており、折曲部材52は、基台6の上面の左後方の角部近傍に立設されている。折曲部材53は、基台6の上面の左前方の角部近傍に立設されている。
駆動装置1は、さらに、形状記憶合金からなるワイヤ、すなわち形状記憶合金ワイヤ(形状記憶合金部材)2を有している。この形状記憶合金ワイヤ2の一端は、接続端子21を介して、基台6の上面において回転部材8の前側に立設されたピン6aに固定されている。形状記憶合金ワイヤ2は、折曲部材53,52,51により略90度ずつ折り曲げられ、上面視で略矩形状に巻かれている。形状記憶合金ワイヤ2の先端部は、回転部材8の右側の領域に達し、移動体3に固定されている。移動体3は、例えば板状の部材であり、その後端に上記の形状記憶合金ワイヤ2が固定され、前端にバネ(付勢部材)4が固定されている。バネ4は、例えばコイルバネであり、その軸方向が前後方向とほぼ一致するように配置されている。バネ4の後端には上記の移動体3が固定され、バネ4の前端は、接続端子22を介して、上記ピン6aの右側に隣接して立設されたピン6bに固定されている。すなわち、形状記憶合金ワイヤ2、移動体3及びバネ4は直列に連結され、ピン6a,6bの間で張架支持されている。
ピン6a,6bには、通電回路7に接続されている。通電回路7は、ピン6a,6b及び接続端子21,22を介して、形状記憶合金ワイヤ2、移動体3及びバネ4に電流を流すものである。ピン6a,6b、接続端子21,22、形状記憶合金ワイヤ2、移動体3及びバネ4は、いずれも導電性部材により構成されている。形状記憶合金ワイヤ2に電流が流れることにより、形状記憶合金ワイヤ2がジュール熱により変形し、収縮する。なお、通電回路7は、形状記憶合金ワイヤ2の両端に接続しても良いし、形状記憶合金ワイヤ2の固定端(ピン6a側の端部)と移動体3とに接続してもよい。接続端子21,22は、例えばピン6a,6bに係合する丸穴を形成した金属片(いわゆる丸型の接続端子)であるが、形状記憶合金ワイヤ2等を張架支持でき且つ導通を確保できるものであればよい。
なお、この実施の形態1及び後述する実施の形態2〜8では、形状記憶合金ワイヤ2の一端を基台6に固定するために丸型の接続端子21と基台6上に立設したピン6aとを用いているが、他の固定方法を用いてもよい。また、バネ4の一端を基台6に固定するために丸型の接続端子22と基台6上に立設したピン6bとを用いているが、他の固定方法を用いてもよい。さらに、バネ4は、引張りコイルバネに限定されるものではなく、例えば圧縮コイルバネ、ねじりコイルバネ、板バネ、ゴム等の弾性部材であってもよい。バネ4の材質は、金属などの導電性材料に限定されるものではない。材質が導電性材料でない場合には、形状記憶合金ワイヤ2の両端間に通電回路を接続することで、形状記憶合金ワイヤ2に通電を行うことができる。
回転部材8は、鉛直方向の中心軸線の周りに回転可能に構成されている。回転部材8の円筒状の外周面から右側に突出するように、レバー9が取り付けられている。レバー9は、回転部材8の円筒面の下端部(基台6側の端部)近傍から半径方向外側に水平に突出する水平突出部90と、この水平突出部90から上方に延在する鉛直延在部91,92とを有している。鉛直延在部91,92は、水平突出部90の突出方向に一定の間隔を開けて互いに対向しており、鉛直延在部91,92の間には上方に開口したスリット部93が形成されている。レバー9の前方には、上述した移動体3及びバネ4が位置しており、形状記憶合金ワイヤ2は、レバー9のスリット部93を通って移動体3に固定されている。
通電回路7が形状記憶合金ワイヤ2に電流を流し、形状記憶合金ワイヤ2が収縮すると、形状記憶合金ワイヤ2に固定された移動体3がバネ4の弾性力に抗して後方に移動し、レバー9を後方に付勢する。これにより、回転部材8がその中心軸の回りに反時計回り(図1に矢印CCWで示す)に回転する。移動体3に固定された形状記憶合金ワイヤ2がレバー9のスリット部93の間を通っているため、衝撃などにより移動体3がレバー9から外れることを防止できる。
折曲部材51,52,53には、形状記憶合金ワイヤ2の巻き回しを容易にするための段差部100が形成されている。図1(b)は、図1(a)において円Aで囲んだ部分を拡大して示す図である。図1(b)に示すように、折曲部材(ここでは折曲部材53のみ示す)の下側部分が上側部分よりも大径に構成され、これらの間に段差部100が形成されている。
図2(a)は、駆動装置1の具体的な構成例を示す斜視図である。図2(a)に示すように、駆動装置1は、図1を参照して説明した形状記憶合金ワイヤ2、移動体3、バネ4からなるユニットを上下に2組ずつ有している。上側のユニット1aに属する各構成要素を、形状記憶合金ワイヤ2a、移動体3a及びバネ4aとする。下側のユニット1bに属する各構成要素を、形状記憶合金ワイヤ2b、移動体3b及びバネ4bとする。
上側のユニット1aの形状記憶合金ワイヤ2a、移動体3a及びバネ4aは、図1を参照して説明した形状記憶合金ワイヤ2、移動体3及びバネ4と同様に構成されている。また、形状記憶合金ワイヤ2aに通電するための通電回路7aは、図1を参照して説明した通電回路7と同様に構成されている。
下側ユニット1bの形状記憶合金ワイヤ2bの一端は、図示しない接続端子を介して、基台6の上面において回転部材8の後側に立設されたピン6c(図3(d)〜(f))に固定されている。基台6の右前方の角部近傍には、もう一つのピン状の折曲部材54が立設されている。形状記憶合金ワイヤ2bは、折曲部材52,53,54によりそれぞれ略90度ずつ折り曲げられ、上面視で略矩形状に巻かれている。形状記憶合金ワイヤ2bの先端部は、回転部材8の右側の領域に達し、移動体3bに固定されている。移動体3bの前端には上記の形状記憶合金ワイヤ2bが固定され、後端にバネ4bが固定されている。バネ4bは、例えばコイルバネであり、その軸方向が前後方向と一致するように配置されている。バネ4の前端には上記の移動体3bが固定され、バネ4bの後端は、接続端子24を介して、回転部材8の後方に立設されたピン6dに固定されている。ピン6c,6dには、通電回路7bが接続されている。なお、移動体3a,3bは板状部材として図示されているが、特に板状に限定するものではない。
レバー9は、図1を参照して説明したように、回転部材8の円筒状の外周面から右側に突出するように形成されており、その鉛直延在部91,92は、回転部材8の下端部近傍から上端部近傍まで延在している。上側ユニット1aの移動体3a及びバネ4aはレバー9の前方に配置され、下側ユニット1bの移動体3b及びバネ4bはレバー9の後方に配置されている。形状記憶合金ワイヤ2a,2bは、いずれもレバー9のスリット部93を通過して、移動体3a,3bに固定されている。すなわち、移動体3aはレバー9に前方から当接可能であり、移動体3bはレバー9に後方から当接可能となっている。また、形状記憶合金ワイヤ2bの巻きパターンと、形状記憶合金ワイヤ2aの巻きパターンとは、回転部材8を中心として前後対称である。
尚、折曲部材52,53は、形状記憶合金ワイヤ2a,2bを軸方向(上下方向)に位置ずれしないように保持するガイド溝101,102を有している。図2(b)は、図2(a)において円Bで囲んだ部分を拡大して示す図である。ガイド溝101は、図2(b)に示すように、折曲部材(ここでは折曲部材53のみ示す)の略円周方向に形成された溝である。ガイド溝102も同様に構成されている。また、折曲部材51には、形状記憶合金ワイヤ2aを保持する図示しないガイド溝が形成され、折曲部材54には、形状記憶合金ワイヤ2bを保持するガイド溝103が形成されている。これらのガイド溝も、図2(b)に示したガイド溝101と同様に構成されている。
次に、この実施の形態1に係る駆動装置1の動作について説明する。図3(a)〜(c)は、上側のユニット1aの動作を示す模式図である。通電回路7aが形状記憶合金ワイヤ2aに電流を流していない状態では、図3(a)に示すように、形状記憶合金ワイヤ2aは伸びた状態にあり、バネ4aの付勢力により、ピン6a,6bの間で撓み無く張架されている。このときのレバー9の位置は、後述する前端位置(図3(e)及び(f))である。
通電回路7aが形状記憶合金ワイヤ2aに電流を流し、形状記憶合金ワイヤ2aが収縮すると、図3(b)に示すように、形状記憶合金ワイヤ2aに固定された移動体3aがバネ4aの弾性力に抗して後方に移動し、レバー9を後方に付勢する。その結果、レバー9が取り付けられた回転部材8は、反時計周りに回転する。
通電回路7aが通電を停止すると、形状記憶合金ワイヤ2aが元の長さに戻るため、図3(c)に示すように、移動体3aはバネ4aの付勢力によりレバー9から離間して前方に移動する。レバー9は、図3(b)に示した位置(後端位置とする。)に留まり、回転部材8も図3(b)に示した回転位置に留まる。
図3(d)〜(f)は、下側のユニット1bの動作を示した図である。通電回路7bが形状記憶合金ワイヤ2bに電流を流していない状態では、図3(d)に示すように、形状記憶合金ワイヤ2bは伸びた状態にあり、バネ4bの付勢力により、ピン6c,6dの間で撓み無く張架されている。このときのレバー9の位置は、上述した後端位置(図3(b)及び(c))である。
通電回路7bが形状記憶合金ワイヤ2bに電流を流し、形状記憶合金ワイヤ2bが収縮すると、図3(e)に示すように、形状記憶合金ワイヤ2bに固定された移動体3bがバネ4bの弾性力に抗して前方に移動し、レバー9を前方に付勢する。その結果、レバー9が取り付けられた回転部材8は、時計周りに回転する。
通電回路7bが通電を停止すると、形状記憶合金ワイヤ2bが元の長さに戻るため、図3(f)に示すように、移動体3bはバネ4bの付勢力によりレバー9から離間して後方に移動する。レバー9は、図3(e)に示した位置(前端位置とする。)に留まり、回転部材8も図3(e)に示した回転位置に留まる。
なお、図3(a)に示した状態では移動体3aがレバー9に当接していることが好ましく、図3(d)に示した状態では移動体3bがレバー9に当接していることが好ましい。移動体3a,3bの動作に応じて、速やかにレバー9を移動させることができるからである。但し、図3(a)において移動体3aがレバー9から離間し、図3(d)において移動体3bがレバー9から離間するよう構成することも可能である。
このように、この実施の形態1に係る駆動装置によれば、形状記憶合金ワイヤ2a,2bを、折曲部材51〜54により折り曲げながら回転部材8の周囲に配置したので、狭いスペースに長い形状記憶合金ワイヤ2a,2bを配設することができ、十分な回転出力を得ることが可能になる。また、形状記憶合金ワイヤ2a,2bの伸縮を利用して回転出力を得ているため、渦巻き状の形状記憶合金を用いた駆動装置のように曲率の変化を利用する場合と比較して、消費電力を少なく抑えることができる。
また、図2(a)に示すように、形状記憶合金ワイヤ2a,2bをレバー9に対して略対称に配置し、移動体3a,3bがレバー9に両方向から当接するようにしたので、簡単な構成で回転部材8を時計回り方向及び反時計回り方向に回転させることができる。また、形状記憶合金ワイヤ2a,2bへの通電を解除した状態で、レバー9を前端位置又は後端位置で停止させておくことができるため、形状記憶合金ワイヤ2a,2bへの通電時間を短縮することができる。その結果、消費電力を低減し、また形状記憶合金ワイヤ2a,2bの劣化を抑制することができる。
さらに、レバー9が回転部材8の下端部近傍から突出し、上方に開口するスリット部93を有しているため、形状記憶合金ワイヤ2a,2bをスリット部93に上方から挿入することができ、従って、上側ユニット1a及び下側ユニット1bを取り付ける作業が容易になる。
また、折曲部材51〜54に形状記憶合金ワイヤ2を巻き付けるためのガイド溝101〜103を形成することにより、形状記憶合金ワイヤ2a,2bの巻き付けが容易になる。加えて、形状記憶合金ワイヤ2a,2bが位置ずれして互いに接触し、ショートの原因となることを防止できる。
尚、図1〜図3に示した構成では、形状記憶合金ワイヤ2a,2bを通電により変位させたが、形状記憶合金ワイヤ2a,2bを外部からの加熱により変位させてもよい。この場合も、狭いスペースに長い形状記憶合金ワイヤ2a,2bを配置することができるため、十分な回転出力を得ることができる。また、渦巻き状の形状記憶合金を用いた場合と比較して、高い熱応答性が得られる。
また、ピン6a,6bの間には、形状記憶合金ワイヤ2aに過大な張力が加わらないようにするための公知の過負荷防止用バネを設けてもよいし、形状記憶合金ワイヤ2aに過大な電流が流れないようにするための公知の過電流防止用バネ接点を設けてもよい。ピン6c,6dについても同様である。また、ガイド溝101,102(図2(a))の代わりに、段差部を設けてもよい。
図4は、この実施の形態1の変形例に係る駆動装置1Aを示す斜視図である。この変形例に係る駆動装置1Aは、図1〜3に示したレバー9の代わりに、回転部材8の円筒状の外周面の右側及び左側にそれぞれ取り付けられたレバー9a,9bを備えている。左側のレバー9bは、回転部材8の下端部近傍に取り付けられている。一方、右側のレバー9aは、回転部材8の比較的上方(鉛直方向中心よりも上方)の位置に取り付けられ、右側のレバー9aの下側に形状記憶合金ワイヤ2を配置するスペースが形成されている。
下側の形状記憶合金ワイヤ2bの一端は、接続端子24を介して、基台6の上面において回転部材8の前側に立設されたピン6dに固定されている。この形状記憶合金ワイヤ2bは、折曲部材54,51,52により略90度ずつ折り曲げられ、上面視で略矩形状に巻かれている。形状記憶合金ワイヤ2bの他端部は、回転部材8の左側の領域において移動体3bの後端に固定されている。移動体3bの前端にはバネ4bの一端が固定されており、バネ4bの他端は、接続端子23を介して、回転部材8の前方に立設されたピン6cに固定されている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
通電回路7aが形状記憶合金ワイヤ2aに通電すると、形状記憶合金ワイヤ2aの収縮により移動体3aがバネ4aの弾性力に抗してレバー9aを後方に付勢し、回転部材8を反時計回りに回転させる。一方、通電回路7bが形状記憶合金ワイヤ2bに通電すると、形状記憶合金ワイヤ2bの収縮によりバネ4bの弾性力に抗して移動体3bがレバー9bを後方に付勢し、回転部材8を時計回りに回転させる。
この変形例に係る駆動装置1Aによっても、実施の形態1と同様、形状記憶合金ワイヤ2a,2bを折曲部材51〜54により折り曲げながら回転部材8の周囲に配置することにより、狭いスペースに長い形状記憶合金ワイヤ2a,2bを配設することができ、従って十分な回転出力を得ることができる。
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2に係る駆動装置10の基本構成を示す斜視図である。図5において、実施の形態1に係る駆動装置1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。
実施の形態2に係る駆動装置10は、実施の形態1で説明した折曲部材51〜54の代わりに、基台6上の回転部材8の周囲に設けられた略四角柱のブロックである折曲部材15を有しており、この折曲部材15には、形状記憶合金ワイヤ2を折り曲げるための突起である接触部151,152,153,154が形成されている。接触部151,152,153,154は、折曲部材15の右後方、左後方、左前方及び右前方の各角部に形成されている。接触部151,152,153,154は、いずれも、鉛直方向の中心軸線を有する円筒面の一部をなす接触面を有しており、これらの接触面に形状記憶合金ワイヤ2a,2bが接触して折り曲げられるよう構成されている。
なお、折曲部材15は基台6とは別部材であり、基台6に対する取り付け位置を調節できるよう構成されている。折曲部材15の中央部には、回転部材8を収容するための略円筒状の空洞部150が形成されている。また、折曲部材15の右側には、回転部材8のレバー9を折曲部材15外に突出させるための切欠き部155が形成されている。回転部材8及びそのレバー9は、実施の形態1(図1(a))と同様に構成されている。
折曲部材15の前面には、水平前方に突出するピン158が設けられている。折曲部材15の右前方の接触部154には水平板155が取り付けられ、この水平板155には上方に突出するピン156が設けられている。形状記憶合金ワイヤ2の一端は、折曲部材15の前方の領域で、接続端子23を介してピン158に固定されている。形状記憶合金ワイヤ2の他端は、折曲部材15の右側において移動体3に固定されている。実施の形態1で説明したように、移動体3にはバネ4の一端が取り付けられ、バネ4の他端は接続端子24を介してピン156に固定されている。ピン156,158は通電回路7(図1(a))に接続されている。
すなわち、この実施の形態2に係る駆動装置10では、形状記憶合金ワイヤ2、移動体3及びバネ4は直列に連結されてピン156,158の間で張架されており、形状記憶合金ワイヤ2は、接触部151,152,153により略90度ずつ折り曲げられた状態で折曲部材15の周囲に巻かれている。形状記憶合金ワイヤ2に固定された移動体3は、折曲部材15の切欠き部155においてレバー9に前方から当接可能となっている。
このように構成することにより、形状記憶合金ワイヤ2、移動体3、バネ4及び折曲部材15を一つのサブアセンブリとして組み立て、回転部材8と基台6とをもう一つのサブアセンブリとして組み立て、これら2つのサブアセンブリを組み合わせることにより、駆動装置10を製造することが可能になる。
図6は、実施の形態2に係る駆動装置10の具体的な構成例を示す分解斜視図である。図6に示すように、駆動装置10は、図5を参照して説明した形状記憶合金ワイヤ2、移動体3及びバネ4からなるユニットを上下に2組ずつ有している。上側のユニット10aに属する各構成要素を、形状記憶合金ワイヤ2a、移動体3a及びバネ4aとする。下側のユニット10bに属する各構成要素を、形状記憶合金ワイヤ2b、移動体3b及びバネ4bとする。
折曲部材15は、上側の折曲部材15aと下側の折曲部材15bとに分割可能に構成されている。下側の折曲部材15bの周囲には形状記憶合金ワイヤ2b、移動体3b及びバネ4bが配置されており、上側の折曲部材15aの周囲には形状記憶合金ワイヤ2a、移動体3a及びバネ4aが配置されている。下側のユニット10bの形状記憶合金ワイヤ2b、移動体3b及びバネ4bは、図5を参照して説明した形状記憶合金ワイヤ2、移動体3及びバネ4と同様に構成されている。
上側ユニット10aの形状記憶合金ワイヤ2aの一端は、接続端子(図示せず)を介して、上側の折曲部材15aの背面に立設されたピン(図示せず)に固定されている。更に、形状記憶合金ワイヤ2aは、上側の折曲部材15aの接触部152,153,154により略90度ずつ折り曲げられ、上側の折曲部材15aの周囲に矩形状に巻かれている。形状記憶合金ワイヤ2aの他端は、上側の折曲部材15aの右側において、移動体3aに固定されている。実施の形態1で説明したように、移動体3aにはバネ4aの一端が固定されている。バネ4aの他端は、接続端子22を介して、折曲部材15の接触部151に取り付けられた水平板157に立設されたピン159に固定されている。形状記憶合金ワイヤ2aの一端が固定された上記のピン(図示せず)及びバネ4aの一端が固定されたピン159には、通電回路7b(図2(a))が接続されている。
この実施の形態2に係る駆動装置10を組み立てる際には、上側ユニット10a及び下側ユニット10bをそれぞれ独立したサブアセンブリとして組み立て、さらに回転部材8及び基台6を独立したサブアセンブリ(サブアセンブリ10cとする。)として組立てる。下側ユニット10bをサブアセンブリ10cに上方から組み合わせ、更に、上側ユニット1aを下側ユニット10bに上方から組み合わせることにより、駆動装置10が完成する。レバー9のスリット部93が上方に開口しているため、組み立ての際、形状記憶合金ワイヤ2a,2bをスリット部93に容易に挿入することができ、組み立てを容易に行うことができる。
さらに、この実施の形態2に係る駆動装置10によると、以下のような調整が可能になる。すなわち、形状記憶合金ワイヤ2aの全長のばらつき、ピン156,158の配設位置のばらつき、あるいは折曲部材15aの各接触部151〜154の形状や寸法のばらつきによっては、移動体3aの回転部材8に対する相対位置がばらつく可能性がある。しかしながら、この実施の形態2に係る駆動装置10によれば、形状記憶合金ワイヤ2a、移動体3a及びバネ4aが折曲部材15aにより支持された構成となっているため、上側の折曲部材15aを矢印Aで示すように平行移動させ、あるいは矢印Bで示すように回転させることにより、移動体3aの回転部材8に対する相対位置を調整することができる。同様に、下側の折曲部材15bを平行移動あるいは回転させることにより、移動体3bの回転部材8に対する相対位置を容易に調整することができる。
なお、基台6と折曲部材15bとは、上述した相対位置の調整ののち、例えば接着剤、溶剤、超音波等を用いた溶着等により固定することができる。同様に、折曲部材15a,15bは、上述した相対位置の調整ののち、例えば接着剤、溶剤、超音波等を用いた溶着等により固定することができる。
このように、実施の形態2に係る駆動装置10によれば、形状記憶合金ワイヤ2a(2b)、移動体3a(3b)、バネ4a(4b)及び折曲部材15a(15b)を含むサブアセンブリと、回転部材8及び基台6を含むサブアセンブリ10cとを組み合わせて駆動装置10を製造することが可能になるため、製造工程を簡単にすることができる。また、移動体3a(3b)と回転部材8との相対位置関係が調整可能となる。
また、接触部151〜154の形状記憶合金ワイヤ2a(2b)に接触する面を曲面(特に、円筒面)とすることにより、形状記憶合金ワイヤ2への応力集中を避け、曲がり癖などが付きにくくすることができる。これにより、駆動装置10の動作の信頼性が向上する。
なお、上記の説明では、形状記憶合金ワイヤ2a(2b)を3箇所で折り曲げるようにしたが、折り曲げる箇所は3箇所に限らず、4箇所、6箇所あるいは8箇所等であっても良い。また、四角柱状の折曲部材に限らず、三角柱、六角柱あるいは八角柱の折曲部材を用いても良い。
また、上記の説明では、接触部151〜154を折曲部材15に形成した突起により構成したが、実施の形態1で説明したようなピン形状の折曲部材を基台6とは別の支持部材に立設することも可能である。この場合も、当該支持部材によって、形状記憶合金ワイヤ2a(2b)、移動体3a(3b)及びバネ4a(4b)が支持されるため、サブアセンブリとして組み立てることができる。また、当該支持部材を基台6に対して位置調整することで、移動体3a(3b)と回転部材8との相対位置関係の調整が可能となる。
実施の形態3.
図7は、この発明の実施の形態3に係る駆動装置20の基本構成を示す斜視図である。実施の形態3に係る駆動装置20は、形状記憶合金ワイヤ2の巻き方向を反転している点において、実施の形態1に係る駆動装置10と異なるものである。図7において、実施の形態1に係る駆動装置1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。
実施の形態1に係る駆動装置1において、より全長の長い形状記憶合金ワイヤ2を使用する場合には、移動体3及びバネ4の上側又は下側に、形状記憶合金ワイヤ2を配置するスペースを設けることが可能であるが、この場合、駆動装置の上下方向の寸法を小さくすることが難しい。そこで、この実施の形態3に係る駆動装置20では、形状記憶合金ワイヤ2の巻き方向を反転させることにより、駆動装置の上下方向の寸法を抑制しつつ、全長の長い形状記憶合金ワイヤ2を用いることができるようにしている。
基台6上において円筒部材8の前側には柱26が立設されており、この柱26から水平前方に水平ピン27が突出している。また、基台6の上面の右後方には、形状記憶合金ワイヤ2の一端を固定するためのピン28が立設されている。形状記憶合金ワイヤ2は、その一端が接続端子21を介してピン28に固定されており、折曲部材52,53により略90度ずつ折り曲げられるように巻かれている。さらに、形状記憶合金ワイヤ2は、回転部材8の前方において水平ピン27に巻き付けられて巻き方向が反転したのち、折曲部材53,52,51により略90度ずつ折り曲げられるように(すなわち逆方向に)巻かれる。形状記憶合金ワイヤ2の他端は、円筒部材8の右側領域で移動体3に固定されている。実施の形態1(図1(a))と同様、移動体3にはバネ4の一端が固定され、バネ4の他端は、接続端子22を介して、円筒部材8の前側に立設されたピン29に固定される。
このように、実施の形態3に係る駆動装置20によれば、形状記憶合金ワイヤ2の巻き方向を反転する構成により、駆動装置20の上下方向の寸法を大きくすることなく、全長の長い形状記憶合金ワイヤ2を使用することが可能になり、より大きな回転出力を得ることができる。
なお、実施の形態1の図2(a)に示した装置構成と同様に、この実施の形態3に係る駆動装置20においても、形状記憶合金ワイヤ2、移動体3及びバネ4を上下に2組設けることが可能である。
実施の形態4.
図8(a)は、この発明の実施の形態4に係る駆動装置30の基本構成を示す斜視図である。図8(b)は、駆動装置30を図8(a)に示す矢印B方向から見た背面図である。図8(a)に示すように、この実施の形態4に係る駆動装置30は、実施の形態2(図5)で説明した駆動装置に、実施の形態3で説明したように形状記憶合金ワイヤ2の巻き方向を反転させる構成を適用したものである。実施の形態2に係る駆動装置10の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。
実施の形態2で説明したように、回転部材8の周囲に形成された折曲部材15の4つの角部には、それぞれ円筒面を有する接触部151,152,153,154が形成されている。折曲部材15の前面には、ピン301が水平前方に突出形成されており、折曲部材15の背面には、もう一つのピン302(図8(b))が水平前方に突出形成されている。形状記憶合金ワイヤ2の一端は、折曲部材15の背面に立設されたピン302(図8(b))に、接続端子21を介して固定されている。形状記憶合金ワイヤ2は、折曲部材15の接触部152,153により略90度ずつ折り曲げられ、折曲部材15の前面に立設されたピン301に巻き付けられて巻き方向が反転したのち、接触部153,152,151により略90度ずつ折り曲げられるように巻かれる。形状記憶合金ワイヤ2の他端は、実施の形態2(図5)と同様に、回転部材8の右側の領域で移動体3に固定され、移動体3にはバネ4の一端が固定される。バネ4の他端は、接続端子22を介して、折曲部材15の接触部154に取り付けられた水平板155に立設されたピン156に固定される。
この実施の形態4によれば、実施の形態3と同様、形状記憶合金ワイヤ2の巻き方向を反転することにより、駆動装置20の上下方向の寸法を小さく抑えつつ、形状記憶合金ワイヤ2の全長を長くすることができる。
また、実施の形態2と同様、形状記憶合金ワイヤ2、移動体3、バネ4及び折曲部材15をサブアセンブリとして組み立てておき、回転部材8及び基台6を含むサブアセンブリと組み合わせることにより駆動装置20を製造することが可能になるため、製造工程を簡単にすることができる。また、折曲部材15の位置調整により、移動体3と回転部材8との相対位置関係を調整することが可能となる。また、折曲部151〜153の形状記憶合金ワイヤ2に接触する面を曲面(円筒面)とすることにより、形状記憶合金ワイヤ2への応力集中を避け、曲がり癖などが付きにくくすることができ、駆動装置10の動作の信頼性を向上することができる。
なお、実施の形態1の図2(a)に示した装置構成と同様に、この実施の形態4に係る駆動装置においても、形状記憶合金ワイヤ2、移動体3及びバネ4を上下に2組設ける構成が可能である。
図8(c)は、実施の形態4の各接触部の変形例(接触部35とする。)示す斜視図であり、図8(a)において円Aで囲んだ部分に対応している。形状記憶合金ワイヤ2の折り曲げに伴う応力集中を抑制し、曲がり癖などが付かないようにするためには、接触部35の接触面(形状記憶合金ワイヤ2に接触する面)である円筒面の直径が形状記憶合金ワイヤ2の線径の約20〜40倍であることが好ましい。この場合、形状記憶合金ワイヤ2の接触部35との接触長さが長くなり、接触抵抗が増加する。そこで、この実施の形態4では、接触抵抗の増加による形状記憶合金ワイヤ2の変位量の減少を防止するため、図8(c)に示すように、接触部35の表面に凹凸を形成し、複数の接触面(すなわち凸部の表面)355において形状記憶合金ワイヤ2に接触するようにしている。このようにすれば、形状記憶合金ワイヤ2と接触部35との接触長さが短くなるため、形状記憶合金ワイヤ2と接触部35との接触抵抗を小さく抑えることができ、その結果、形状記憶合金ワイヤ2の変位量を十分に大きくすることができる。接触部35の凹凸は、例えば、形状記憶合金ワイヤ2の巻き方向に直交する方向に延在する凸条と溝部とで構成することができる。なお、図8(c)に示した接触部35の形状は、実施の形態2の駆動装置10(図5)にも適用することができる。
実施の形態5.
図9(a)は、この発明の実施の形態5に係る駆動装置40の基本構成を示す平面図である。実施の形態1に係る駆動装置1(図1(a))の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。実施の形態5に係る駆動装置40は、実施の形態1において説明した移動体3(図1(a))を有しておらず、形状記憶合金ワイヤ2とレバー49とが直接に連結され、また、バネ4とレバー49とが直接に連結されている。
レバー49は、回転部材8の円筒状の外周面から右側に突出するように設けられている。このレバー49は、実施の形態1で説明したレバー9(図1(a))と同一形状を有していても良いし、異なる形状を有していても良い。形状記憶合金ワイヤ2の一端は、基台6上で回転部材8の前側に立設されたピン6a(図9では四角形の記号で示す。)に、図示しない接続端子を介して固定されている。形状記憶合金ワイヤ2は、折曲部材53,52,51により略90度ずつ折り曲げられ、上面視で矩形状に巻かれている。形状記憶合金ワイヤ2の他端は、レバー49の背面に直接固定されている。レバー49の前面にはバネ4の後端が直接固定され、バネ4の前端は、図示しない接続端子を介して、ピン6aに隣接して立設されたピン6b(図9では四角形の記号で示す。)に固定されている。ピン6a,6bには、通電回路7が接続されている。通電回路7から供給された電流は、バネ4及びレバー49を介して形状記憶合金ワイヤ2を流れる。なお、レバー49は、少なくともバネ4と形状記憶合金ワイヤ2との間の部分が導電性部材により構成されているものとする。
図9(b)は、形状記憶合金ワイヤ2に通電回路7により電流を流したときの駆動装置40の状態を示す平面図である。形状記憶合金ワイヤ2が通電により収縮すると、形状記憶合金ワイヤ2に接続されたレバー49がバネ4の付勢力に抗して後方に移動し、回転部材8が反時計回り方向に回転する。通電回路7による通電を停止すると、形状記憶合金ワイヤ2が伸びるため、バネ4の付勢力により、図9(a)に示すようにレバー49がもとの位置に復帰し、従って回転部材8が時計周りに回転して元の回転位置(図9(a))に復帰する。
この実施の形態5によれば、実施の形態1と同様、形状記憶合金ワイヤ2を折り曲げながら回転部材8の周囲に配置したので、狭いスペースに長い形状記憶合金ワイヤ2を配設することができ、これにより十分な回転出力を得ることが可能になる。また、形状記憶合金ワイヤ2を上下に2組設けなくとも、回転部材8を時計回り及び反時計回りに回転させることができる。
図10は、実施の形態5の変形例を示す平面図である。この変形例では、回転部材8の円筒状の外周面から右方向及び左方向にそれぞれレバー49a,49bが突出している。形状記憶合金ワイヤ2は、一端が上述したピン6aに固定され、折曲部材53,52,51により略90度ずつ折り曲げられている。形状記憶合金ワイヤ2の他端は、右側のレバー49aの背面に直接固定されている。一方、回転部材8の左側にはバネ4が設けられている。バネ4の一端は左側のレバー49bの背面に直接固定され、バネ4の他端はレバー49bの後方に立設されたピン6bに固定されている。
形状記憶合金ワイヤ2が通電により収縮すると、形状記憶合金ワイヤ2に接続されたレバー49aが、レバー49bに接続されたバネ4の付勢力に抗して後方に移動し、回転部材8が反時計回り方向に回転する。通電回路7による通電を停止すると、形状記憶合金ワイヤ2が伸びるため、レバー49bに接続されたバネ4の付勢力により、レバー49がもとの位置に復帰し、従って回転部材8が時計周りに回転して元の回転位置に復帰する。
この変形例によっても、実施の形態5と同様、狭いスペースに長い形状記憶合金ワイヤ2を配置することができる。また、実施の形態5と比較して、バネ4の配置をより自由に選択できるため、設計の自由度が増す。
実施の形態6.
図11は、この発明の実施の形態6に係る駆動装置50の基本構成を説明する平面図である。実施の形態1に係る駆動装置1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。実施の形態6に係る駆動装置50は、実施の形態1(図1(a))のようなレバー9を有さず、代わりに、回転部材8の外周面に沿って多数の突起58を備えている。
実施の形態1と同様、形状記憶合金ワイヤ2は、回転部材8の前側に立設されたピン6aに一端が固定され、折曲部材53,52,51により略90度ずつ折り曲げられるよう巻かれている。形状記憶合金ワイヤ2の他端は、回転部材8の右側の領域において移動体55に固定されている。この移動体55は、回転部材8側に突出する爪部(凸部)56を有している。爪部56は、その前方に傾斜面56aを有しており、当該傾斜面56aよりも後方に、前後方向に対して直交する係合面56bを有している。移動体55の前端にはバネ4の一端が固定され、このバネ4の他端は、回転部材8の前側に立設されたピン6bに固定されている。
回転部材8に形成された突起58は先端が尖っており、回転部材8の略接線方向に延在する当接面58aと、回転部材8の半径方向に延在する係合面58bとを有している。回転部材8の回転方向を反時計回りとすると、各突起58において、当接面58aは係合面58bよりも回転方向において前方に位置している。隣り合う突起58の間に、上記の爪部56と係合する凹部58cが形成されている。爪部56が凹部58cに係合している状態で、爪部56の係合面56bと突起58の係合面58bとが互いに当接する。
形状記憶合金ワイヤ2に通電回路7により電流を流すと、形状記憶合金ワイヤ2の収縮により、移動体55はバネ4の付勢力に抗して後方に移動する。このとき、移動体55の爪部56が回転部材8の凹部58cに係合し、爪部56の係合面56bが突起58の係合面58bに当接して後方に付勢し、これにより回転部材8が反時計回りに回転する。一方、通電回路7による通電を停止すると、形状記憶合金ワイヤ2の長さが伸びる(元の長さに戻る)ため、バネ4の付勢力により移動体55が前方に移動して元の位置に復帰する。このとき、移動体55の爪部56の傾斜面56aが突起58の当接面58aに摺接しながら移動するため、回転部材8は時計回りに回転しない。すなわち、移動体55のみが元の位置に復帰する。従って、通電回路7による通電を繰り返すことによって、回転部材8を間欠的に所望の回転角度だけ回転させることができる。また、通電回路7による通電を停止すれば、その位置で回転部材8を停止させることができる。
このように、実施の形態6に係る駆動装置50によれば、小型で且つ簡単な装置構成で、回転部材8を所望の回転角度だけ回転させることができる。また、通電を停止することにより回転部材8を所望の回転位置で停止させることができるため、形状記憶合金ワイヤ2への通電時間を最小限に抑えることできる。
実施の形態7.
図12及び図13は、それぞれこの発明の実施の形態7に係る駆動装置60を示す側断面図及び分解斜視図である。この実施の形態7に係る駆動装置60は、実施の形態1で説明した回転部材8を、撮像装置(カメラ等)のレンズ枠61に適用したものである。実施の形態1に係る駆動装置1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。
駆動装置60は、レンズ62をその光軸方向に駆動し、レンズ62の焦点を通常撮影用の標準位置と接写撮影用の接写位置との間で切り替えるものである。レンズ62は略円筒状のレンズ枠61の内側で保持されている。このレンズ枠61の外周面にはネジ部61aが形成されている。レバー69は、レンズ枠61の外側に固定された環状部68と、環状部68から半径方向に突出する水平突出部90と、水平突出部90から上方に延在する鉛直延在部91,92とを有している。レバー69の鉛直延在部91,92の間には、スリット部93が形成されている。環状部68は、その内側に、レンズ枠61のネジ部61aに係合するネジ部68aを有している。
レバー69の環状部68の底面には、円周方向に一定間隔をあけて、4つのカムフォロア65が配置されている。また、基台66の上面において、環状部68のカムフォロア65に対応する位置には、4つのカム67が形成されている。カム67は、基台66の上面から緩やかに上昇する傾斜面67aと、この傾斜面67aの最も高い位置から更に水平に延びる水平面67bとを有している。
レンズ枠61及び環状部68を外側から囲むように、略円筒状のキャップ63が設けられている。キャップ63は、その底面において基台66に固定されている。キャップ63は、その周壁の下側に切欠き部63aを有している。アーム69の水平突出部90は、切欠き部63aを通ってキャップ63の外部に突出し、鉛直延在部91,92(及びその間のスリット部93)はキャップ63の外側に位置している。キャップ63の内側には、環状部68を下方に付勢するバネ64が設けられており、これによりカムフォロア65とカム67とが確実に係合するようになっている。基台66には、レンズ62により集光された光を通すための開口601が形成されており、この開口601の下側には撮像素子602が配置されている。
なお、レンズ枠61とレバー69の環状部68とは、レンズ62の焦点調整の後で互いに固定されるものである。すなわち、環状部68に対してレンズ枠61を光軸Xの回りに回転させると、ネジ部61a,68aの螺合によりレンズ枠61が光軸Xの方向に移動し、レンズ62と撮像素子602との間隔が変化するため、焦点調整が行われる。焦点調整が完了した後、接着剤、溶剤、超音波等を用いた溶着等によりレンズ枠61と環状部68とが互いに固定される。
図13に示すように、基台66の4つの角部近傍には、実施の形態1で説明した折曲部材51,52,53,54が立設されている。これら折曲部材51,52,53,54には、例えば実施の形態1の図2(a)に示した形状記憶合金ワイヤ2a,2bが巻かれており、移動体3a,3b(図2(a))がレバー69に前方及び後方からそれぞれ当接可能となっている。移動体3a,3b(図2(a))の何れかによりレバー69が付勢されて光軸Xの周りに回転すると、カムフォロア65とカム67との係合により、レバー69は更に光軸Xの方向にも移動する。その結果、レバー69の環状部68に固定されたレンズ枠61が光軸Xの方向に移動し、レンズ62が光軸Xの方向に移動する。なお、レンズ枠61は、実施の形態1の構成に限らず、他の実施の形態の構成によって駆動してもよい。
カメラ等の撮像装置においては、略円筒状のレンズ枠61は、略四角形の撮像素子枠(基台66)に取り付けられるのが一般的である。この実施の形態6によれば、略円筒状のレンズ枠61の周囲に形状記憶合金ワイヤ2を配置することが可能になり、略四角形の撮像素子枠の余剰スペースを利用できるため、撮像装置の小型化に資することができる。
以上説明したように、実施の形態6に係る駆動装置60によれば、撮像装置においてレンズ枠61の周囲に生じる余剰スベースを利用して形状記憶合金ワイヤ2を配設することができる。従って、小型の撮像装置において、形状記憶合金を利用したレンズ駆動が可能になる。
なお、駆動装置60において、レバー69の環状部68の底面にカムフォロア65を形成し、基台66上にカム67を形成したが、レバー69の環状部68の底面にカム67を形成し、基台66上にカムフォロア65を形成してもよい。カムフォロア65とカム67の数は、特に限定するものではないが、それぞれ3個以上であることが好ましい。また、レンズ62の駆動目的は、標準撮影と接写撮影との切り替えに限らず、他の目的であってもよい。
実施の形態8.
図14及び図15は、この発明の実施の形態8に係る駆動装置70を示す断面図及び斜視図である。実施の形態1に係る駆動装置1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。この実施の形態8は、実施の形態1で説明した回転部材8を、カメラのレンズ枠を軸方向に移動させるカム環78に適用したものである。
カム環78は、円筒状の部材であって、その側壁にカム溝701を有するものである。カム環78の内側には、レンズ72を保持するレンズ枠71が設けられている。また、カム環78の内側には、レンズ枠71を光軸Xの方向に案内するガイドシャフト81,82が設けられている。レンズ枠71は、ガイドシャフト81に摺動可能に係合する係合部73を有している。また、レンズ枠71は、係合部73と反対の側に回転止め部74を有している。この回転止め部74の先端は二股に分かれており、その間にガイドシャフト82を挟み込むことにより、レンズ枠71の回転を規制している。レンズ枠71は、さらに、カム環78のカム溝701に係合するカムピン75を備えている。カム環78は、基台76上に形成された環状の突起77の内側で回転可能に支持されている。また、基台76には、レンズ72により集光された光を通過させるための開口84が形成されており、この開口84の下側には撮像素子83が配置されている。
図15に示すように、カム環78の周囲には、折曲部材51,52,53が立設されている。これら折曲部材51,52,53には、実施の形態1で説明したように形状記憶合金ワイヤ2が巻かれており、その一端は、基台76上において回転部材78の前側に立設されたピン6aに固定され、他端は移動体3に固定されている。移動体3にはバネ4の一端が固定され、バネ4の他端は、上述したピン6aに隣接して立設されたピン6bに固定されている。通電回路7により形状記憶合金ワイヤ2に電流を流すと、移動体3がレバー79を後方に付勢し、カム環78が反時計回りに回転する。カム環78の回転に伴い、カムピン75とカム溝701との係合により、レンズ枠73(及びレンズ72)が光軸Xの方向に移動する。
なお、図15では1本の形状記憶合金ワイヤ2のみを示しているが、図2(a)に示したように2本の形状記憶合金ワイヤ2a,2b(図2(a))を設けることにより、回転部材78を時計回り及び反時計回りに回転駆動することができ、その結果、レンズ72を光軸Xに沿って往復運動させることができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態8に係る駆動装置によれば、レンズ枠71の周囲の狭いスペースに配置した形状記憶合金を用いてレンズ駆動を行うことが可能になり、カメラの小型化に資することができる。
最後に、上述した実施の形態2,4における具体的な構成に関する実験結果について説明する。
図16は、実施の形態2で説明した駆動装置10(図5)の折曲部材15の形状についての実験方法を示す概略図である。この実験では、形状記憶合金ワイヤ2の一端を、基台6に立設したピン6aに接続端子21を介して固定し、その形状記憶合金ワイヤ2を、POM(ポリオキシメチレン)で形成した折曲部材15(図16では略三角柱とする)の周囲に360度巻き付ける。形状記憶合金ワイヤ2の他端は、バネ4を介して、もう一方のピン6bに固定する。形状記憶合金ワイヤ2の変位量は、形状記憶合金ワイヤ2の特定の点の位置変化を測定することにより測定可能であるが、今回の実験ではバネ4と形状記憶合金ワイヤ2との結合部分の変位量を測定する。
図17は、測定に用いた折曲部材15の形状を示す平面図である。図17(a)に示すように、三角柱状の折曲部材15の周囲に形状記憶合金ワイヤ2を360度巻き付け、その3つの角部に形成される接触部(それぞれ符号15cで示す。)により形状記憶合金ワイヤ2を折り曲げる。形状記憶合金ワイヤ2の長さは50mm、線径は約60μmとする。形状記憶合金ワイヤ2の一端が固定されたピン6aと折曲部材15の中心との距離cは約8mmとする。また、バネ4の付勢力は、形状記憶合金ワイヤ2が収縮していない状態(初期状態)において0.39N(40gf)とし、通電回路7(図5)により形状記憶合金ワイヤ2に流す直流電流は140mAとする。
また、図17(b)に示すように、四角柱からなる折曲部材15に形状記憶合金ワイヤ2を360度巻き付け、4つの角部に形成される接触部15cにより形状記憶合金ワイヤ2を折り曲げる。その他の条件は、図17(a)と同様である。また、図17(c)に示すように、六角柱状の折曲部材15に形状記憶合金ワイヤ2を360度巻き付け、その6つの角部に形成される接触部15cにより形状記憶合金ワイヤ2を折り曲げる。その他の条件は、図17(a)と同様である。また、図17(d)に示すように、略円柱状の外周面に多数の凹凸を設けた折曲部材15に形状記憶合金ワイヤ2を360度巻き付け、その外周面の凸部に形成される接触部15cにより形状記憶合金ワイヤ2を折り曲げる。ピン6aと折曲部材15の中心との距離cは約6mmとする。その他の条件は、図17(a)と同様である。
さらに、三角柱状の折曲部材15については、図18(a)〜(d)に示すように、接触部15cをなす円筒面の半径Rを、0.5mm、1.6mm、2.5mm及び3.3mmの4通りに変化させている。折曲部材15の全周に対する接触部15cの長さ(形状記憶合金ワイヤ2に接触する長さ)の比を、接触比率とする。図18(a)〜(d)のそれぞれについて、接触比率は、10%,33%,50%,66%となる。隣り合う接触部15cの間隔は、図18(A)〜(D)のそれぞれについて、9.4mm,7.1mm,5.2mm,3.3mmである。
同様に、四角柱状の折曲部材15については、図19(a)〜(d)に示すように、接触部15cをなす円筒面の半径Rを、0.5mm、1.6mm、2.5mm及び3.3mmの4通りに変化させることにより、接触比率を10%,33%,50%,66%の4通りに変化させる。隣り合う接触部15cの間隔は、図19(a)〜(d)のそれぞれについて、7.1mm,5.3mm,3.9mm,2.7mmとなる。
また、六角柱状の折曲部材15についても、図20(a)〜(d)に示すように、接触部15cをなす円筒面の半径Rを、0.5mm、1.6mm、2.5mm及び3.3mmの4通りに変化させることにより、接触比率を10%,33%,50%,66%の4通りに変化させる。隣り合う接触部15cの間隔は、図20(a)〜(d)のそれぞれについて、4.7mm,3.6mm,2.6mm,1.8mmとなっている。
略円柱状の折曲部材15については、図21(a)に示すように、折曲部材15を直径10mmの円柱とし、その外周面に1.56mmの配設ピッチで凹凸を形成し、各凸部の長さ(形状記憶合金ワイヤ2の巻き付け方向の寸法)を0.52mmとし、各凹部の長さ1.05mmとすることにより、接触比率33%を得た。さらに、図21(b)に示すように、折曲部材15を直径10mmの円柱とし、その外周面に1.56mmの配設ピッチで凹凸を形成し、各凸部の長さを0.78mmとし、各凹部の長さを0.78mmとすることにより、接触比率50%を得た。また、図21(c)に示すように、折曲部材15を直径10mmの円柱とし、その外周面に1.56mmの配設ピッチで凹凸を形成し、各凸部の長さを1.05mmとし、各凹部の長さ0.52mmとすることにより、接触比率66%を得た。また、図21(d)に示すように、凹凸のない直径10mmの円柱に形状記憶合金ワイヤ2を巻き付けることにより、接触比率100%を得た。
図22及び表1に、三角柱、四角柱、六角柱及び円柱形状の折曲部材15(図18〜121)について実験を行った結果得られた接触比率と変位量比率との関係を示す。ここで、変位量比率とは、図16に示した実験方法で、形状記憶合金ワイヤ2を折り曲げずに直線状に配置して通電(140mA)した場合の変位量を100%としたものである。
Figure 2005083332
図22及び表1から、形状記憶合金ワイヤ2の変位量は、折曲部材15の形状(三角柱、四角柱、六角柱又は略円柱)には依存せず、接触比率に依存することが分かる。さらに、接触比率が小さいほど、大きな変位量が得られることが分かる。
ここで、折曲部材15を樹脂で作成した場合、各接触部15cの長さ(形状記憶合金ワイヤ2の巻き付け方向の寸法)が小さくなるほど、形状記憶合金ワイヤ2の熱により溶け易くなる可能性があるため、折曲部材15の各接触部15cの長さはある程度長い方が好ましい。従って、接触比率を小さくしつつ、各接触部15cの長さを長くするためには、辺数の少ない多角形が好ましいことが分かる。
次に、実施の形態4の変形例として説明した接触部35(図8(c))についての実験結果を説明する。図23は、実施の形態4の変形例として説明した接触部35(図8(c))についての実験方法を示す概略図である。この実験では、図16に示した実験方法と同様、形状記憶合金ワイヤ2の一端を、基台6に立設したピン6aに接続端子21を介して固定し、その形状記憶合金ワイヤ2を、POMで形成した折曲部材15の周囲に360度巻き付ける。形状記憶合金ワイヤ2の他端は、バネ4を介して、もう一方のピン6bに固定する。形状記憶合金ワイヤ2の変位量は、形状記憶合金ワイヤ2の特定の点の位置変化を測定することにより測定可能であるが、今回の実験ではバネ4と形状記憶合金ワイヤ2との結合部分の変位量を測定する。形状記憶合金ワイヤ2の長さは50mm、線径は約60μmとする。形状記憶合金ワイヤ2の一端が固定されたピン6aと折曲部材15の中心との距離cは約8mmとする。また、バネ4の付勢力は、形状記憶合金ワイヤ2が収縮していない状態(初期状態)において0.39N(40gf)とし、通電回路7(図5)により形状記憶合金ワイヤ2に流す電流は140mAとする。
図24(a)〜(d)は、測定に用いた折曲部材15の形状を示す平面図である。図24(a)に示す折曲部材15は、図19(b)を参照して説明したものであり、接触比率は33%である。図24(d)に示す折曲部材15は、図19(d)を参照して説明したものであり、接触比率は66%である。図24(b)に示す折曲部材15は、図24(d)に示した接触比率66%の折曲部材15の各接触部15cに2つの凹部を形成することにより、それぞれ3つの凸部からなる接触部35を構成し、接触比率を33%にしたものである。また、図24(c)に示す折曲部材15は、図24(d)に示した接触比率66%の折曲部材15の各接触部15cに3つの凹部を形成することにより、それぞれ5つの凸部からなる接触部35を構成し、接触比率を33%にしたものである。
図25及び表2に、図24(a)〜(d)のそれぞれに対応する変位量比率を示す。変位量比率は、上述したように、形状記憶合金ワイヤ2を折り曲げずに直線状に配置して通電(140mA)した場合の変位量(2.10mm)を100%としたものである。
Figure 2005083332
図25及び表2から、折曲部材15の接触部35に凹凸を形成した場合(図24(b)及び(c))には、凹凸を形成しない場合(図24(d))に比べ、高い変位量比率が得られていることが分かる。すなわち、折曲部材15の接触部35に凹凸を形成して接触比率を小さくすることにより、形状記憶合金ワイヤ2の変位量を大きく改善できることが分かる。
本発明は、携帯用機器(例えば携帯電話端末)に設けられたダイヤルの自動回転、あるいは携帯用機器に搭載された小型カメラのレンズ駆動など、形状記憶合金を利用して対象物を駆動する用途に適用できる。
この発明の実施の形態1に係る駆動装置の基本構成を示す斜視図(a)及びその一部を拡大して示す図(b)である。 この発明の実施の形態1に係る駆動装置の具体的な構成を示す斜視図(a)及びその一部を拡大して示す図(b)である。 この発明の実施の形態1に係る駆動装置の動作を説明する平面図である。 この発明の実施の形態1に係る駆動装置の変形例を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る駆動装置の基本構成を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る駆動装置の具体的な構成を示す分解斜視図である。 この発明の実施の形態3に係る駆動装置の基本構成を示す斜視図である。 この発明の実施の形態4に係る駆動装置の基本構成を示す斜視図(a)、背面図(b)及び部分拡大図(c)である。 この発明の実施の形態5に係る駆動装置の2つの状態を平面図(a)(b)である。 この発明の実施の形態5に係る駆動装置の動作前及び動作時の状態を示す平面図である。 この発明の実施の形態6に係る駆動装置の構成を示す平面図である。 この発明の実施の形態7に係る駆動装置の側断面図である。 この発明の実施の形態7に係る駆動装置の分解斜視図である。 この発明の実施の形態8に係る駆動装置の側断面図である。 この発明の実施の形態8に係る駆動装置の斜視図である。 この発明の実施の形態2の折曲部材の具体的形状についての実験方法を示す概略図である。 図16に示した実験に用いる折曲部材の形状を説明するための平面図である。 図16に示した実験に用いる三角柱状の折曲部材を説明するための平面図である。 図16に示した実験に用いる四角柱状の折曲部材を説明するための平面図である。 図16に示した実験に用いる六角柱状の折曲部材を説明するための平面図である。 図16に示した実験に用いる略円柱状の折曲部材を説明するための平面図である。 この発明の実施の形態2についての実験結果を示すグラフである。 この発明の実施の形態4の折曲部材の具体的形状についての実験方法を示す概略図である。 図23に示した実験に用いる折曲部材の形状を説明するための平面図である。 この発明の実施の形態4についての実験結果を示すグラフである。
符号の説明
1 駆動装置、 2,2a,2b 形状記憶合金ワイヤ、 3,3a,3b 移動体、 4,4a,4b バネ、 51,52,53,54 折曲部材、 6 基台、 6a,6b ピン、 7,7a,7b 通電回路、 8 回転部材、 9 レバー、 10 駆動装置、 15 折曲部材、 151,152,153,154 接触部、 20 駆動装置、 27 水平ピン, 28,29 ピン、 30 駆動装置、 301 ピン、 40 駆動装置、 49,49a,49b レバー、 50 駆動装置、 55 移動体、 56 爪部、 58 突起、 58c 凹部、 60 駆動装置、 61 レンズ枠、 62 レンズ、 64 バネ、 65 カムフォロア、 66 基台、 67 カム、 68 環状部、 69 レバー、 70 駆動装置、 71 レンズ枠、 72 レンズ、 78 カム環、 81,82 ガイドシャフト。

Claims (20)

  1. 長尺状の形状記憶合金部材と、
    前記形状記憶合金部材の変位から回転出力を得る回転部材と、
    前記形状記憶合金部材を、その変位を抑制する方向に付勢する付勢部材と、
    前記形状記憶合金部材を折り曲げるための折曲部材と、
    前記形状記憶合金部材、前記付勢部材、前記回転部材及び前記折曲部材を支持する基台とを備え、
    前記形状記憶合金部材を、前記折曲部材により折り曲げた状態で、前記回転部材の周囲に配置したことを特徴とする駆動装置。
  2. 前記回転部材の外側に、前記形状記憶合金部材の変位を前記回転部材に伝達するためのレバーが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記形状記憶合金部材に、前記レバーに当接可能な移動体が取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
  4. 前記レバーが、前記形状記憶合金部材を挿通するスリット部を備え、前記スリット部が前記基台側と反対の側に開口していることを特徴とする請求項2又は3に記載の駆動装置。
  5. 前記レバーが、前記回転部材の基台側から突出するように設けられていることを特徴とする請求項2から4までのいずれかに記載の駆動装置。
  6. 2つの前記形状記憶合金部材が、前記回転部材の周囲に、互いに略対称に配置されていることを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の駆動装置。
  7. 前記形状記憶合金部材の一端が前記回転部材に固定されており、前記形状記憶合金部材の他端が前記基台に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  8. 前記形状記憶合金部材に、移動体が取り付けられており、
    前記移動体及び前記回転部材の一方が凸部を有し、他方が前記凸部に係合可能な凹部を有し、
    前記移動体が一の方向に移動するときには前記凸部と前記凹部とが係合し、前記移動体が逆方向に移動するときには前記凸部と前記凹部とが係合しないよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  9. 前記折曲部材が、前記回転部材の周囲に設けられたピンにより構成されていることを特徴とする請求項1から8までのいずれかに記載の駆動装置。
  10. 前記折曲部材が、前記回転部材の周囲に設けられ、前記形状記憶合金部材に接触する突起を有していることを特徴とする請求項1から8までのいずれかに記載の駆動装置。
  11. 前記突起の前記形状記憶合金部材に接触する面が、円筒面の一部をなしていることを特徴とする請求項10に記載の駆動装置。
  12. 前記折曲部材が、複数の接触面を含むことを特徴とする請求項1から11までのいずれかに記載の駆動装置。
  13. 前記形状記憶合金部材が、前記折曲部材により折り曲げられた状態で一定の方向に巻かれ、更に巻き方向を反転して逆方向にも巻かれていることを特徴とする請求項1から12までのいずれかに記載の駆動装置。
  14. 前記折曲部材が、前記基台とは別体として構成され、前記基台に対する相対位置が可変であることを特徴とする請求項1から13までのいずれかに記載の駆動装置。
  15. 前記折曲部材が、前記形状記憶合金部材を位置決めするための溝部又は段差部を有することを特徴とする請求項1から14までのいずれかに記載の駆動装置。
  16. 前記回転部材が、レンズを保持するレンズ枠であることを特徴とする請求項1から15までのいずれかに記載の駆動装置。
  17. 前記回転部材が、レンズを保持するレンズ枠であり、
    前記レンズ枠に、前記形状記憶合金部材の変形を前記レンズ枠に伝達するためのレバーと、前記レバーの移動を前記レンズの光軸方向の移動に変換するカム部とが設けられ、
    前記基台に、前記レンズ枠を覆うキャップが設けられ、
    前記キャップ内に、前記レンズ枠を前記基台側に押圧するバネが設けられ、
    前記基台に、前記レンズの射出光束を通過させる開口部が形成され、
    前記開口部を通過した前記射出光束が入射する位置に、撮像素子が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  18. 前記レンズ枠及び前記レバーは、互いに螺合するネジ部をそれぞれ有していることを特徴とする請求項17に記載の駆動装置。
  19. 前記回転部材が、カム環であることを特徴とする請求項1から15までのいずれかに記載の駆動装置。
  20. 前記カム環が、カム溝を有し、
    前記カム環の内側に、前記カム環の回転軸の方向に移動可能で、且つ前記カム溝に係合するカムフォロアを有する可動部材を備えたことを特徴とする請求項19に記載の駆動装置。
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