JP5028665B2 - 筆記用紙 - Google Patents

Description

この発明は、請求項１の範囲に記載されたような読取又は筆記用の罫線を含む筆記用紙に関する。

特に、手書きのメモを用紙に書く場合、用紙には、平行な水平罫線、及び場合によっては正方形模様等の格子模様を形成するよう垂直な平行罫線が設けられていることが望ましい。読取に際しても、用紙はこのような罫線を有することが望ましい。

用紙上に文書及び絵を複写する場合、複写物上にこのような罫線が見えることは大抵、望ましいことではない。その一方で、読取及び筆記の間に罫線が筆者を効果的に補助するように、罫線は、用紙面上に形成された罫線の背景に対して鮮明なコントラストを有することが望ましい。従来の、暗色罫線を有する実質的に白い用紙では、標準のオフィスコピー機及びスキャナーを用いた場合、かかる罫線は、複写物上にメモ書きよりも鮮明に複写される。

罫線を明るい色彩にした場合、それらに要求される基本的な機能、すなわち、筆記を真直ぐな行に保持するために補助するという機能は達成されない。見易い罫線を提供し、なおかつ手書きの用紙を複写する際に複写物上にこれら罫線が複写されることを防止するためには、白い用紙に、旧式の標準のコピー機が認識困難な比較的コントラストの強い色彩（青色）の罫線を与えることであることは知られている。

それゆえ、この発明の目的の一つは、優れた読字人間工学をもたらす、罫線を有する紙を提供することである。さらなる目的は、標準のコピー機／スキャナーを用いた際に罫線が複写物に容易に転写されないよう鮮明でありながらも明るい罫線を提供することである。

この目的は、この発明により達成される。

この発明は、添付の請求項１に規定されている。

この発明の実施形態は、添付の従属請求項に記載されている。

この発明は、基本的には、用紙の罫線が、「無着色の」紙表面部分により形成される一方で、残余の紙表面が、均一に延び、かつ非常に明るい「着色」を有することを意味する。罫線は、用紙の表面積の極一部を示している。着色は、十分に明るく、それゆえ罫線に対する又は基準に対するコントラストによって標準のコピー機又はスキャナーのセンサーデバイスにより認識されることはない。明るい着色は、用紙上の比較的広範な領域に延びることから、穏やかで落ち着いた背景として、人間の目により容易に認識され得る一方で、無着色の紙領域は、罫線と背景との間、すなわち着色表面と無着色表面との間の色差が非常に小さくても、顕著なコントラストとして認識される。罫線間の色差は、非常に小さくても、人間の目には容易に認識され得て、それは罫線が非常に小さい色差（無着色又は白色）を有している場合も同様であり、その一方で、通常の感度を有するコピー機には、背景表面が罫線に対して対比色を有していることを認識するのが困難である。コピー機及びスキャナーの限界感度は、通常、ほこり等が複写物上に写りこまないような値に設定される。

タイプ用のＡ４サイズの白色の用紙には、一辺の長さが５ｍｍの正方形状をなす塗りつぶされた枡が設けられている。この枡は、１ｍｍの相対距離を隔てて行と列とが直交するよう並べられている。従って、各枡間の距離は、等距離模様の、１ｍｍの幅を有する互いに直交する色彩のない罫線を定める。明るい罫線と用紙のより暗い部分との差、すなわちＬａｂ色空間におけるΔＥは、１〜１８の範囲内、好ましくは２〜１０の範囲内である。かかる範囲内の低領域では、標準のオフィス用コピー機及び標準のオフィス用スキャナーは、枡の色彩及び黒度を認識することはできない一方で、人間の目は、はっきりと罫線を認識することができる。

紙の表面上に実質的に白色の罫線を有するこの発明の用紙において、残余部分は、明色の色調又は灰色の色調（低い色差を有する）を有し、かかる白色の罫線は、全ての場所において、実質的に白色の背景上に対応する色彩の付された罫線に比べてより鮮明に認識される。用紙の罫線は、白色であり、用紙の背景の色調は、非常に小さな色差を有していることから、実質的に白い罫線上又は色調のある背景上に黒色の描線が描かれた場合においても、かかる描線は、この発明の紙に対して鮮明な対比効果を有する。その一方で、白い紙上の色彩の付された罫線は、たとえ白い紙表面と色彩の付された部分との色差が同じ場合でも、この発明の紙模様の背景に対して黒色の描線よりも小さい差を有することから、色彩の付された罫線模様を有する白色の紙上に描かれた黒色の描線は、より認識するのが困難となる。

この発明によれば、色彩のある領域は、色彩のない領域よりもかなり大きくすることが重要である。例えば、色彩のない罫線は、最大でも色彩のある領域の２０％にすべきである。

白い背景上に暗色罫線を有する従来の用紙と比較して、この発明は、人間の目にとって、たとえ描線が細い場合でも、実質的な色差を有する用紙上の描線に対してより鮮明なコントラスト及びより顕著な差をもたらす。この発明の用紙に色彩のある線で筆記したものを複写する場合、かかる筆記は、鮮明に複写される一方で、色調のある背景は、標準のオフィスコピー機／スキャナーには認識されない。

なお、黒色及び白色も色彩として見られるものとする。「紙」は、筆記に用いる薄いシート状の材料を意味する。「用紙」は、セルロースを含む必要はなく、筆記可能な薄いシート状の製品を作ることができる任意の材料を意味する。

Claims (3)

1. 読取又は筆記用の罫線を有する筆記用紙において、
   前記用紙は、背景領域と、前記背景領域に配置される罫線とを具え、
   前記罫線は実質的に白色である無着色の紙表面部分により形成され、前記背景領域は明色の色調又は灰色の色調の着色を有し、
   前記罫線と前記背景領域との間の、ＣＩＥ規格―Ｌａｂ色空間のΔＥで定義される色差が、１〜１８の間にあることを特徴とする筆記用紙。
2. 前記ΔＥは、２〜１０の間にある、請求項１に記載の筆記用紙。
3. 前記背景領域は、均一に延び、かつ非常に明るい着色を有する、請求項１又は２に記載の筆記用紙。