JPH0720299Y2 - キップドレーサッシの外部ハンドル構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、内倒し，内開き機構を有するサッシのうち、
内倒し，内開きの順に機能する、所謂キップドレーサッ
シを室外側から操作可能にする外部ハンドル構造の改良
に関するものである。

〈従来の技術〉 内倒し，内開き機能を有するサッシには、内開き，内倒
しの順に機能するものと、反対に、内倒し，内開きの順
に機能するものの２種類があり、従来は前者の順で操作
されるものが主流であった。しかし近年来使い勝手上、
後者の内倒し，内開きの順に機能するキップドレーサッ
シの方が安全であるとされ、需要が多くなっている。

これは、内倒し，内開き機能を有するサッシの主な目的
が内倒しによる自然換気にあり、内開きはガラス清掃の
際などのメンテナンスの場合に良く使われるためと思わ
れる。

このような内倒し，内開き機能を有するサッシでは、ハ
ンドルを回すと最初に内開きが機能するので、外部ハン
ドルを取付けた場合でも、同様に機能することになる。

〈考案が解決しようとする課題〉 上記した内倒し，内開きの順に機能するキップドレーサ
ッシにおいては、外部ハンドルを取付けると、操作勝手
上、最初に内倒しが機能することになるが、この場合障
子を支えながらハンドルを操作する必要があるため、こ
のような操作は困難とされている。

そこで、室内側のハンドルと外部ハンドルとを連動させ
ることが考えられるが、この場合、常時使用する室内ハ
ンドルに大きな抵抗を生じることになるため、サッシの
機能に支障が出るなどの問題があった。

本考案は上記のような問題を解消するためになされたも
ので、室内からの操作では通常通り、内倒し，内開きの
機能を有し、外部からの操作に際しては内開きだけが機
能するようにして、非常用外部進入口を兼ねることがで
きるようにしたキップドレーサッシの外部ハンドル構造
を得ることを目的とするものである。

〈課題を解決するための手段〉 上記課題を解決するため、本考案に係るキップドレーサ
ッシの外部ハンドル構造は、内倒し，内開きの順に機能
するキップドレーサッシにおいて、障子の縦框に外部ハ
ンドルと連動する掛金と内倒し時にのみ接触するじゃま
板材を設置し、外部操作時には、内開き機能のみとした
ことを特徴とするものである。

〈作用〉 本考案に係るキップドレーサッシの外部ハンドル構造
は、上記のように構成されているので、外部ハンドルを
内倒し位置に操作した際に、外部ハンドルと連動する掛
金がじゃま板材と接触し、障子が内倒しになるのを阻止
する。従って、室内からの操作では従来通り、内倒し，
内開きの順に機能させることができるが、外部操作で
は、内開き機能のみとすることができる。

〈実施例〉 以下に本考案の実施例を第１図乃至第４図に基づいて説
明する。

図において、１は外部ハンドル、２は掛金、３は方立部
材、４は障子の縦框、５はじゃま板材、６はローラピ
ン、７はスライドレバー、８はスライドピンであり、外
部ハンドル１は方立部材３の外部側に設けられ、スライ
ドレバー７とスライドピン８を介して係合され、外部ハ
ンドル１の回動によってスライドレバー７をスライドさ
せることができるようになっている。

掛金２はスライドレバー７の先端に取付けられ、外部ハ
ンドル１の操作に連動してスライドレバー７とともに動
くようになっている。

ローラピン６は障子の締り装置と連動するもので、通常
は室内ハンドルで操作されて動き、障子の締り装置を解
除するものであり、このローラピン６は通常は上記の掛
金２とは接触しない位置に取付けられているが、外部ハ
ンドル１を操作して掛金２を上方へスライドさせたと
き、掛金２と接触して押上げられ、締り装置を解除でき
るようになっているため、外部ハンドル１は室内ハンド
ルとは非連動で締り装置を解除することができる。

また、じゃま板材５は障子の縦框４においてローラピン
６より外部ハンドル１側に配置され、外部ハンドル１を
内倒し位置に回動させたとき掛金２と当接して障子が内
倒しになるのを阻止するようになっている。第２図のＡ
は閉鎖位置、Ｂは内倒し位置、Ｃは内開き位置を示す。
以上の構成によると、外部ハンドル１は第４図に示すよ
うに閉鎖位置Ab,内倒し位置Bb,内開き位置Cbに90度づつ
回動される。この際、スライドレバー７及び掛金２はス
ライドピン８を介して第３図に示すように閉鎖位置Aa,
内倒し位置Ba,内開き位置Caに夫々スライドされ、内倒
し位置Baでは、掛金２がじゃま板材５に接触するため、
障子の内倒しは阻止されるが、内開き位置Caでは掛金２
とじゃま板材５との接触が離れるため、障子を内開きす
ることができる。

尚、外部ハンドル１を回動して掛金２を内倒し位置Baに
スライドさせたとき、ローラピン６が掛金２によって押
上げられ、障子の締り装置は解除去れ、内開き可能な状
態とされる。

従って、上記構成によると外部ハンドル１により室内ハ
ンドルとは内開きだけを機能させることができるように
なる。

〈考案の効果〉 以上に説明したように、本考案に係るキップドレーサッ
シの外部ハンドル構造によると、内倒し，内開きの順に
機能するキップドレーサッシにおいて、室内側からの操
作とは別に外部ハンドルによって内倒しを阻止し、内開
きだけ機能するようにすることができるため、室内側か
らの機能に何ら支障を及ぼすことなく、キップドレーサ
ッシに非常用外部進入口を兼ねさせることができるとい
う効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す横断面図、 第２図は、同側面図、 第３図は、外部ハンドル操作時の掛金の動作説明図、 第４図は、外部ハンドルの動きを示す正面図である。 尚、図中１は外部ハンドル,2は掛金,3は方立部材,4は縦
框,5はじゃま板材,6はローラピン,7はスライドレバー,8
はスライドピンである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ハンドル操作により障子の締り装置を解除
   して、障子を閉鎖状態から内倒し、内開きの順に可動さ
   せるキップドレーサッシにおいて、 前記障子を支持する方立部材には、90°毎の回動により
   スライドレバーをスライドさせる外部ハンドルと、 前記スライドレバーの先端に一体的に設けられた掛金
   と、 前記障子の縦框に設けられ、かつ前記掛金に対して前記
   外部ハンドル側に配置されるとともに、前記外部ハンド
   ルを内倒しの位置に回動させた際に前記掛金と当接する
   じゃま板材と、 前記障子の縦框に設けられ、前記掛金のスライドにより
   障子の締り装置を解除させるローラピンとからなること
   を特徴とするキップドレーサッシの外部ハンドル構造。