JP4524371B2 - 磁気情報記録印刷物及びその真偽判別方法 - Google Patents

磁気情報記録印刷物及びその真偽判別方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4524371B2
JP4524371B2 JP2000322431A JP2000322431A JP4524371B2 JP 4524371 B2 JP4524371 B2 JP 4524371B2 JP 2000322431 A JP2000322431 A JP 2000322431A JP 2000322431 A JP2000322431 A JP 2000322431A JP 4524371 B2 JP4524371 B2 JP 4524371B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
pattern
information recording
magnetic pattern
printed matter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000322431A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002127648A (ja
Inventor
誠二 丸山
朝生 福浦
Original Assignee
独立行政法人 国立印刷局
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 独立行政法人 国立印刷局 filed Critical 独立行政法人 国立印刷局
Priority to JP2000322431A priority Critical patent/JP4524371B2/ja
Publication of JP2002127648A publication Critical patent/JP2002127648A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4524371B2 publication Critical patent/JP4524371B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、銀行券、諸証券、株券、切符や定期券等の通行券、有料道路等の回数券、旅券、収入印紙、各種チケット、その他有価証券などに使用されるセキュリティ彩紋模様に関して、目視によって任意パターンの磁気が付与されていることを、第三者が識別することを不可能にすると共に任意の磁気特性検出装置を用いることによって、磁気的に真偽を判別できるセキュリティ性に優れた磁気情報記録印刷物及びその真偽判別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
銀行券、株券、或いはその他有価証券は金銭的価値を有するために、その価値を保証・維持するために、偽造防止及び改竄防止技術を施す必要がある。そのため、このような印刷物には、バーコード等の特定の磁気パターンを磁気インキによって形成することで、偽造防止及び改竄防止効果並びに機械処理による真偽判別方法の向上を図ることが一般的に行われている。
【0003】
最近ではこのような印刷物のセキュリティ性を更に向上させるために、印刷物に付与された磁気パターンを第三者が目視で認識できないようにするために、その磁気パターンを暗濃色系の隠蔽層で完全に隠蔽するような隠蔽層を設けること、或いは、その磁気パターンと同色系のダミーパターンを用いる方法が行われている。
【0004】
それらの例として、特開平5-208576号公報に、支持体上に形成された磁気パターン層及び上記磁気パターンを隠蔽する着色隠蔽層からなる磁気媒体が提案されている。また、特開平1-269227号公報、特開平2-98498号公報及び特開平3-252901号公報には、磁性パターンの所定の位置に磁気特性の異なるパターンを形成することで真偽判別に利用している提案が示されている。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
しかし、単純に磁気パターンを付与した磁気情報記録印刷物或いは上記磁気パターンを第三者に不可視にした磁気情報記録印刷物において、その磁気パターンを形成するために使用される磁気材料粉末は、γ-Fe2O3、Fe3O4、Co含有酸化鉄、CrO2、メタル粉、Baフェライト等の粉末が代表例として挙げられる。これらの粉末は、可視光域に強い吸収を持ち、磁気粉末が黒色、黒灰色或いは茶褐色を呈するため、磁気パターンにある程度の機械処理可能なS/N比を持つ磁気強度を持たせようとすると、磁気パターン自体が黒色、黒灰色或いは茶褐色等の暗濃色系を呈してしまう。そのため、磁気パターンを不可視にするためには、上記磁気パターンより濃色の隠蔽層或いは磁気パターン同様の濃色のダミーパターンを用いる必要があり、最終的な製品の磁気パターン印刷部分は濃色のパターンとなり、第三者は、その色彩的情報から磁気的判定場所を概ね推測して、一般に流通している磁性材料を利用することで、本物と類似の磁気特性を付与することが可能になり、偽造防止としては抑制効果が小さいと考えられる。
【0006】
そこで、印刷物上に形成された磁気パターンについて、第三者に簡単に、磁気的判定場所を概ね推測させず、且つ、仮に、第三者が磁気パターンの付与箇所を推測し、コンピュータ、スキャナー等を利用した各種画像処理及び抽出技術を用いることで偽造を試みても、そのオリジナルを忠実に再現することを不可能にし、更に、一般に流通している磁性材料を利用することで、本物と類似の磁気特性を付与することを不可能にする必要があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、印刷基材用紙の色に対する色差ΔEが小さい磁気パターン上に、所定の色彩の彩紋模様等をオーバープリントすることで、上記磁気パターンに対してその上層に形成された彩紋模様のアイキャッチ性を高くすることで、上記彩紋模様の下層に形成された上記磁気パターンを相対的に目視によって認識し難くすることによって、上記磁気パターンを100%被覆するような隠蔽層を用いずとも、上記磁気パターン層が非視認化できることを見出した。
【0008】
すなわち、白色又は淡明色の支持体用紙上に支持体用紙色と類似色の磁気パターン及び上記磁気パターンの上層に少なくとも一部分が重複することで上記磁気パターンを非視認化する彩紋模様からなる磁気情報記録印刷において、上記磁気パターンが少なくとも白色の磁性材料粉末を分散したインキにより形成されたものであり、上記磁気パターンを面積率で10%〜90%被覆するような隠蔽層を用いることによって、上記磁気パターンが目視によって認識することを難しくしたことを特徴とする上記磁気情報記録印刷物である。
【0009】
更に、白色又は淡明色の支持体用紙上に支持体用紙色と類似色の磁気パターン及び上記磁気パターンの上層に少なくとも一部分が重複することで上記磁気パターンを非視認化する彩紋模様からなる磁気情報記録印刷において、上記磁気パターンのCIE−L*a*b*のL*値が、上記彩紋模様のCIE−L*a*b*のL*値より大きく、上記磁気パターンと上記彩紋模様のCIE−L*a*b*のL*の差が少なくとも10であり、且つ、上記磁気パターンのCIE−L*a*b*のL*値が少なくとも50を示すことによって、上記磁気パターンより上記彩紋模様を相対的に強い刺激として認識させることで、上記磁気パターンが目視によって認識することを難しくしたことを特徴とする上記磁気情報記録印刷物である。
【0010】
なお、表面に1層当たり均一な0.1nm〜100nmの厚みの金属及び金属酸化物が複数層被覆加工されることで白色化された磁性材料粉末が分散されたインキによって白色又は淡明色の上記磁気パターンを形成することを特徴とする磁気情報記録印刷物である。
【0011】
更に、上記磁気情報記録印刷物に付与されている磁気強度を少なくとも検出することによって、真偽判別の手段とすることを特徴とする磁気情報記録印刷物の真偽判別方法である。
【0012】
すなわち、本発明における磁気情報記録印刷物は、従来の磁性パターンを隠蔽した印刷物と比較すると、磁気パターンが支持体用紙に対して色差が小さいことによって、上記磁気パターンを上記磁気パターンより暗濃色又は同色系のインキによって100%被覆するような隠蔽層を用いずとも、或いは、上記磁気パターンと同色系のダミーパターンを用いずとも、上記磁気パターンを非視認化することを可能にした磁気情報記録印刷物である。
【0013】
したがって、上記手段によって得られた磁気情報記録印刷物は、その印刷物上に形成された磁気パターンについて、第三者に簡単に、磁気的判定場所を概ね推測させず、且つ、仮に、第三者が磁気パターンの付与箇所を推測し、コンピュータ、スキャナー等を利用した各種画像処理及び抽出技術を用いることで偽造を試みても、そのオリジナルを忠実に再現することを不可能にし、更に、一般に流通している磁性材料を利用することで、本物と類似の磁気特性を付与することを不可能にしている。
【0014】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明における磁気情報記録印刷物は、機械処理等に利用される磁気パターンの印刷位置を第三者に推測させることを非常に困難にしているとともに、上記磁気パターンをカムフラージュするための印刷模様が、黒、黒灰色、茶褐色等の暗濃色系インキによって、完全に隠蔽する必要が無く、製品全体のデザインやイメージに調和の取れた印刷模様によってカムフラージュすることができること、且つ、任意の画像処理及び抽出技術によって、オリジナルに忠実に磁気パターン及び視覚的イメージを再現した偽造印刷物を製造することを非常に困難にしたことが特徴である。
【0015】
本発明の磁気情報記録印刷物は、銀行券、諸証券、株券、切符や定期券等の通行券、有料道路等の回数券、旅券、収入印紙、各種チケット、その他有価証券などに使用される彩紋模様に関して、上記彩紋模様部分に目視によって任意パターンの磁気が付与されていることを、第三者が識別不可能であると共に任意の磁気特性検出装置を用いることによって、磁気的に真偽を判別できるセキュリティ性に優れた磁気情報記録印刷物である。
【0016】
但し、本発明の磁気情報記録印刷物において、白色又は淡明色以外の支持体用紙を利用した場合、すなわち、例として青色の基材用紙の場合、磁気パターンを藍色等の暗濃色系にすることで、何ら隠蔽技術を用いずとも、磁気パターンを非視認化することができる。しかし、支持体用紙色が白色又は淡明色以外であると言うことは、通常の印刷用支持体用紙色では希であり、何か特別な機能が付与されていることを、第三者が推測することを促してしまい、安全性としてはその効果が低下することは当然である。したがって、本発明の磁気情報記録印刷物は、白色又は淡明色を示す支持体用紙の場合に適用される。
【0017】
また、本発明の磁気情報記録印刷物の磁気パターンのCIE−L*a*b*のL*値が上記彩紋模様のCIE−L*a*b*のL*値より小さい場合は、磁気パターンの方がより濃色となり、彩紋模様で非視認化することは難しく、その結果、その磁気パターンを完全に隠蔽し被覆する隠蔽層が必要になってくる。したがって、本発明の磁気情報記録印刷物は、支持体用紙上に形成された磁気パターン層の色彩が磁気パターンを隠蔽する彩紋模様より、CIE−L*a*b*のL*値で大きい場合に有効である。
【0018】
更に、上記磁気パターンと上記彩紋模様のCIE−L*a*b*のL*値の差が小さく、大きくとも10である場合は、上記磁気パターンと上記彩紋模様の視覚的なコントラストの差が小さく、人は両者を認識してしまい、上記彩紋模様の下層の磁気パターンの存在を隠蔽することが不可能になる。
【0019】
また、上記磁気パターンのCIE−L*a*b*のL*値が約50より低い値を示す場合は、支持体用紙の色彩が白色又は淡明色を示す場合、上記磁気パターンと支持体用紙のコントラストが大きく、何れの彩紋模様を利用することによっても、上記磁気パターンの存在を隠蔽することが難しくなる。
【0020】
本発明に利用される磁性材料粉末とは、特に、粒子径0.5μm〜20μm の範囲内にある磁性材料を被覆核として、SiO2、Ag、TiO2で被覆加工することでCIE-LabのL*が60以上、a*が-5〜5、b*が-10〜15にしたものが好ましいが、特にこれに制限されるものではない。
【0021】
すなわち上記磁性材料の被覆核となる磁性材料は、一般に磁気信号の機械的読み取り処理方法に利用されるような磁気印刷パターンを形成する磁性印刷インキに用いることのできる磁性材料であれば良く、一般的な、ウエタイト(FeO)、マグネタイト(Fe3O4)、鉄鉱(Fe2O3)、ヘマタイト(α-Fe2O3)、マグヘマタイト(γ-Fe2O3)のような酸化鉄材料、Co含有酸化鉄、CrO2、鉄等のメタル粉、Baフェライト等の磁性材料が考えられる。しかし、上記磁性材料の被覆核となる磁性材料は、これに制限されるものではなく、磁性を有し、印刷インキ用顔料として利用可能であればどのような材料及び形状をしたものでも構わない。
【0022】
また、上記核となる磁性材料の周囲に被覆する材料はSiO2、Ag、TiO2が好ましいが、これに制限されるものではなく、その材料としては、有機顔料或いは二酸化ジルコニウム、二酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化タルタン、酸化インジウム、酸化錫、酸化錫-酸化インジウムの混合物、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、金属材料としては、アルミニウム、チタン、ニッケル、鉄等の金属単体或いは合金等の無機材料が挙げられるが、上記に記した材料に制限されるものではない。
【0023】
また、上記核磁性材料を上記被覆材料によって被覆加工する方法は、金属アルコキシドの加水分解によるゾル−ゲル法によって行うのが最も好ましいが、被覆加工する手段はこれに制限されるものでなく、蒸着、スパッタリング、コーティング法、メッキ法等の表面処理を施す手段であれば何れでも構わない。
【0024】
更に、本発明で被覆加工した材料のそれぞれの幾何学的厚みは、SiO2が10〜100nm、Agが10〜100nm、TiO2が10nm以上としたものが好ましいが、各種材料の厚みはこれに制限されるものではなく、それぞれの被覆層の数は1層以上であっても良く、最終的に、得られた磁性材料が白色系であり、且つ磁気特性を示すことが可能であれば、どのような構成をとっていても構わない。
【0025】
また、本発明の磁気パターンをカムフラージュする彩紋模様に利用されるインキ皮膜の色はCIE-L*値で70以下であれば何れの色でも良く、このインキに使用される顔料の種類は、青色粉体として、群青、紺青(プルシアンブルー)、コバルトブルー等の無機粉体及びフタロシアニンブルー系、スレン系、アゾ系、アントラキノン系のC.I.ピグメントブルーに属する有機顔料、または、赤色顔料として、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド等の無機顔料及びアゾ系、キナクリドン系、ペリレン系、レーキレッド等のC.I.ピグメントレッドに属する有機顔料、黄色クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー等の無機顔料及びキノフタロン系、アゾイソインドリン系等のC.I.ピグメントイエローに属する有機顔料、紫色顔料としては、コバルト紫、マンガン紫等の無機粉体及びオキサジン系、アゾ系、アントラキノン系等のC.I.ピグメントバイオレットに属する有機顔料、緑色顔料としては、クロムグリーン、コバルトグリーン等の無機顔料及びフタロシアニン系等のC.I.ピグメントグリーンに属する有機顔料、白色顔料としては、酸化チタン顔料、体質顔料としては、硫酸バリウム、アルミナ白、酸化珪素、燐酸カルシウム及び炭酸カルシウム系顔料を用いることができる。また、これらの粉体を数色組み合わせて任意の色調を有する色料を調整することもできる。その他、一般の印刷で使用するオフセットインキ、グラビアインキ等の公知の有色インキも有色材料として用いることができる。
【0026】
更に、本発明で使用するインキ用バインダーとなるワニスは、前記顔料等を分散し、印刷面を形成するものであって、その種類については、特に制限はなく、公知の塗料用及びインキ用樹脂を用いることができる。このようなインキワニス用として用いる樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂を基本樹脂に、必要に応じてアミノ樹脂またはイソシアーネート化合物等の架橋剤を混合してなる熱可塑性樹脂を挙げることができる。更に、エポキシ環、オキセタニル基、アクリロイル基及びメタクリロイル基を有する紫外線、即ち、UV硬化性及び電子線、即ち、EB硬化性樹脂が存在する。その他にも、常温で乾燥又は硬化する2液型ポリウレタン樹脂、2液型シリコン樹脂など塗料用樹脂等も使用できる。これらのワニスは、1種類単独で使用しても良いし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
【0027】
上記磁気パターン及び彩紋模様等のカムフラージュ層を得る方法は、皮膜を形成する手段で有れば全てを利用することができる。特に、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、凹版印刷、フレキソ印刷法、その他公知の印刷方式をはじめ、板金塗装等に用いられるスプレー方式、プレス方式等皮膜を形成する方法であれば全てを利用できる。
【0028】
【実施例】
粒子径0.5μm〜20μm の範囲内にあるFe2O3系の磁性材料を被覆核として、SiO2、Ag、TiO2で被覆加工することでCIE-L*a*b*のL*が70以上、a*が-2〜2、b*が0〜15にした磁性材料Aを25重量%、白顔料を13重量%、体質顔料を17重量%及びワニスを45重量%配合した特殊磁性インキを作製する。
【0029】
次に、上記特殊磁性インキを使用して、図1に示すように銀行券や株券等に利用される用紙に類似したクリーム色の色彩を呈する印刷基材用紙(1)に画線幅1mm、画線長15mmの磁気パターン(2)をピッチ3.0mmで5本をオフセット印刷した磁気情報記録印刷物中間体(3)を作製する。このときの上記磁気パターンを構成するインキ皮膜の厚みは約1〜2μmであった。
【0030】
また、磁気パターンを構成するインキ皮膜層の分光反射率(4)及び印刷基材の分光反射率(5)を図2に示す。このとき、上記特殊磁性インキによる上記磁気パターン(2)と印刷基材用紙(1)の色差ΔEは4.9であり、磁気情報記録印刷物中間体(3)では、印刷した上記磁気パターン(2)は、当然第三者には認識可能である。
【0031】
しかし、図3に示すように、印刷基材用紙(1)に上記特殊磁性インキによる磁気パターン(2)を印刷した上記磁気情報記録印刷物中間体(3)上に、更に、一般的なセキュリティ印刷物等で用いられているような彩紋模様(6)を通常の墨インキでオフセット印刷を行い、最終的に作製された本発明の磁気情報記録印刷物(7)は、一見しただけでは、その彩紋模様の下に磁気パターンが印刷されていることを識別することは不可能である。
【0032】
また、仮に、そこに上記磁気パターン(2)が印刷されていることが、第三者に推測され、各種画像処理及び抽出手段によって、偽造の目的で上記磁気パターン(2)を抽出しようとしても、上層に彩紋模様(6)が施されていることによって、上記彩紋模様(6)の複雑な模様によって、分断された上記磁気パターン(2)を容易にオリジナル同様に忠実に再現及び抽出することは困難である。更に、上記磁気パターンの形状をより複雑な任意の模様にすることによって、その偽造防止効果は向上する。
【0033】
このとき、上記磁気情報記録印刷物(7)上の上記磁気パターン(2)を上記彩紋模様(6)で隠蔽した部分の任意の線上a-a’を接触式磁気検出ヘッドを移動させることによって、得られた信号波形(8)を図4に示す。明らかに、良好なS/N比を有する信号が得られていることが確認できる。したがって、この磁気信号が、この磁気情報記録印刷物の真偽判別に利用できることが確認された。
【0034】
次に、上記本発明の磁気情報記録印刷物(7)と比較する目的で、黒色の鉄粉が主な構成成分である磁性材料を25重量%、白顔料を13重量%、体質顔料を17重量%及びワニスを45重量%配合した一般的な黒色系の磁性インキを作製する。
【0035】
次に、上記一般的な黒色磁性インキを使用して、図5に示すように、銀行券や株券等に利用される用紙に類似したクリーム色の色彩を呈する印刷基材用紙(1)に画線幅1mm、画線長15mmの磁気パターン(9)をピッチ3.0mmで5本をオフセット印刷した比較目的の磁気情報記録印刷物中間体(10)を作製した。
【0036】
このときの磁気パターンを構成するインキ皮膜の厚みは約1〜2μmであった。更に、磁気パターンを構成するインキ皮膜層の分光反射率(11)及び印刷基材の分光反射率(5)を図6に示した。このとき、上記黒色系の一般的な磁性インキによる磁気パターンと印刷基材の色差ΔEは30.7であり、上記比較目的の磁気情報記録印刷物中間体(10)では、上記印刷した磁気パターン(9)は、当然第三者には認識可能である。
【0037】
また、図7に示すように、印刷基材用紙(1)に上記黒色系の一般的な磁性インキによる磁気パターン(8)を印刷した上記比較目的の磁気情報記録印刷物中間体(10)上に、更に、一般的なセキュリティ印刷物製品で用いられているような彩紋模様(6)を通常の墨インキでオフセット印刷を行った場合、最終的に作製された比較目的の磁気情報記録印刷物(12)も、当然、一見しただけで、その彩紋模様の下に磁気パターンが印刷されていることを容易に識別することが可能であり、容易に、第三者が磁気パターンを識別可能となってしまい、比較的簡単に偽造されてしまう可能性がある。
【0038】
このように、従来までの暗濃色系磁気パターンのカムフラージュ方法においては、上記磁気パターンを隠蔽する画線は、磁気パターンを完全に隠蔽するような暗濃色系の隠蔽層に制限され、最終製品としてのデザイン及びイメージに大きな影響を与えていた。しかし、本実施例の手段によって得られる磁気情報記録印刷物の磁気パターンは、彩紋模様等の隠蔽率が小さい画線によってもカムフラージュ可能になり、デザインやイメージに与える影響が非常に小さい新しい磁気情報記録印刷物とすることが可能になる。
【0039】
【発明の効果】
すなわち、本発明によって得られる磁気記録情報印刷物は、白色又は淡明色の支持体用紙上に支持体用紙色と類似色の磁気パターン及び上記磁気パターンの上層に少なくとも一部分が重複することで上記磁気パターンを非視認化する彩紋模様からなる磁気情報記録印刷において、上記磁気パターンを100%被覆するような隠蔽層を用いずとも、上記磁気パターンが目視によって認識することを難しくしたことを特徴とする磁気情報記録印刷物であり、その磁気パターン上に通常の有価証券等で利用されるような彩紋模様を任意の色彩によって印刷することによって、機械処理等に利用される磁気パターンの印刷位置を第三者に推測させることを非常に困難にしているとともに、上記磁気パターンをカムフラージュするための印刷模様が、黒、黒灰色或いは茶褐色等の暗濃色系インキによって、完全に隠蔽する必要がなく、また、磁気パターンと同色系の暗濃色系インキによって、ダミーパターンを用いる必要がなく、製品全体のデザインやイメージに調和の取れた印刷模様によってカムフラージュすることができることが特徴である。また、仮に、そこに磁気パターンが印刷されていることが、第三者に推測され、コンピュータ及びスキャナによって各種画像処理及び抽出手段によって、偽造の目的で上記磁気パターンを抽出しようとしても、上層に彩紋模様が施されていることによって、上記彩紋の複雑な模様によって、分断された上記磁気パターンを容易にオリジナル同様に忠実に再現及び抽出することは困難である。更に、上記磁気パターンの形状を複雑な模様にすることで、より一層その効果を向上させることができる。すなわち、本発明における磁気情報記録印刷物は、従来の磁性パターンを隠蔽する印刷物と比較すると、第三者は、磁気的判定場所を概ね推測して、一般に流通している磁性材料を利用することで、本物と類似の磁気特性を付与することを困難にしており、真券に忠実な偽造券を製造することを非常に困難にしている新しい磁気情報記録印刷物である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における磁気情報記録刷物中間体を示す図。
【図2】特殊磁性インキによるインキ皮膜層の分光反射率及び印刷基材用紙の分光反射率を示す。
【図3】本発明の磁気情報記録印刷物を示す。
【図4】本発明の実施例における磁気情報記録印刷物上の磁気パターンから得られる信号を示す。
【図5】実施例において用いた比較目的の磁気情報記録印刷物中間体を示す図。
【図6】一般的な黒色系磁性インキによるインキ皮膜層の分光反射率及び印刷基材用紙の分光反射率を示す。
【図7】実施例において用いた比較目的の磁気情報記録印刷物を示す。
【符号の説明】
1 印刷基材用紙
2 磁気パターン
3 磁気情報記録印刷物中間体
4 磁気パターンを構成するインキ皮膜層の分光反射率
5 印刷基材の分光反射率
6 彩紋模様
7 磁気情報記録印刷物
8 信号波形
9 磁気パターン
10 比較目的の磁気情報記録印刷物中間体
11 磁気パターンを構成するインキ皮膜層の分光反射率
12 比較のための磁気情報記録印刷物
a 接触式磁気検出ヘッドを移動させる始点
a` 接触式磁気検出ヘッドを移動させる終点

Claims (4)

  1. 白色又は淡明色の支持体用紙上に支持体用紙色と類似色の磁気パターン及び上記磁気パターンの上層に少なくとも一部分が重複することで上記磁気パターンを非視認化する彩紋模様からなる磁気情報記録印刷において、上記磁気パターンが少なくとも白色の磁性材料粉末を分散したインキにより形成されたものであり、上記磁気パターンを面積率で10〜90%被覆するような隠蔽層を用いることによって、上記磁気パターンが目視によって認識することを難しくしたことを特徴とする磁気情報記録印刷物。
  2. 白色又は淡明色の支持体用紙上に支持体用紙色と類似色の磁気パターン及び上記磁気パターンの上層に少なくとも一部分が重複することで上記磁気パターンを非視認化する彩紋模様からなる磁気情報記録印刷において、上記磁気パターンのCIE−L*a*b*のL*値が、上記彩紋模様のCIE−L*a*b*のL*値より大きく、上記磁気パターンと上記彩紋模様のCIE−L*a*b*のL*値の差が少なくとも10であり、且つ、上記磁気パターンのCIE−L*a*b*のL*値が少なくとも50を示すことによって、上記磁気パターンより上記彩紋模様を相対的に強い刺激として認識させることで、上記磁気パターンが目視によって認識することを難しくしたことを特徴とする請求項1記載の磁気情報記録印刷物。
  3. 表面に1層当たり均一な0.1nm〜100nmの厚みの金属及び金属酸化物が複数層被覆加工されることで白色化された磁性材料粉末が分散されたインキによって白色又は淡明色の上記磁気パターンを形成することを特徴とする請求項1又は2記載の磁気情報記録印刷物。
  4. 上記磁気情報記録印刷物に付与されている磁気強度を少なくとも検出することによって、真偽判別の手段とすることを特徴とする前記請求項1、2又は3記載の磁気情報記録印刷物の真偽判別方法。
JP2000322431A 2000-10-23 2000-10-23 磁気情報記録印刷物及びその真偽判別方法 Expired - Fee Related JP4524371B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000322431A JP4524371B2 (ja) 2000-10-23 2000-10-23 磁気情報記録印刷物及びその真偽判別方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000322431A JP4524371B2 (ja) 2000-10-23 2000-10-23 磁気情報記録印刷物及びその真偽判別方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002127648A JP2002127648A (ja) 2002-05-08
JP4524371B2 true JP4524371B2 (ja) 2010-08-18

Family

ID=18800313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000322431A Expired - Fee Related JP4524371B2 (ja) 2000-10-23 2000-10-23 磁気情報記録印刷物及びその真偽判別方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4524371B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106782044A (zh) * 2017-02-23 2017-05-31 河南李烨包装科技有限公司 一种特磁材料码防伪标识

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4569818B2 (ja) * 2004-05-31 2010-10-27 Dic株式会社 磁気記録媒体及びその製造方法
SE528578C2 (sv) * 2005-04-13 2006-12-19 Whitelines Ab Skrivpapper med stödlinjer
US9892585B2 (en) * 2009-08-25 2018-02-13 Xerox Corporation Magnetic watermarking of a printed substrate by metameric rendering

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58101385A (ja) * 1981-12-10 1983-06-16 Tdk Corp 消去不能な磁気カ−ド
JPH0470394A (ja) * 1990-07-02 1992-03-05 Dainippon Printing Co Ltd 偽造防止印刷物
JPH0625948U (ja) * 1992-08-25 1994-04-08 共同印刷株式会社 赤外線バーコードを有する情報記録媒体
JPH07114624A (ja) * 1993-10-15 1995-05-02 Toppan Printing Co Ltd 磁気記録媒体及びその読み取り方法
JPH0899485A (ja) * 1994-09-30 1996-04-16 Toppan Printing Co Ltd カード及びその真偽判定方法
JPH10312487A (ja) * 1997-05-14 1998-11-24 Kyodo Printing Co Ltd 磁気カード及びその真偽判別方法
JPH1186283A (ja) * 1997-09-04 1999-03-30 Mitsubishi Paper Mills Ltd 情報記録媒体
JP2000293129A (ja) * 1999-04-07 2000-10-20 Fujitsu Ltd 表示特性認識装置、表示特性認識プログラム記憶媒体、表示特性調整装置および表示特性調整プログラム記憶媒体

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58101385A (ja) * 1981-12-10 1983-06-16 Tdk Corp 消去不能な磁気カ−ド
JPH0470394A (ja) * 1990-07-02 1992-03-05 Dainippon Printing Co Ltd 偽造防止印刷物
JPH0625948U (ja) * 1992-08-25 1994-04-08 共同印刷株式会社 赤外線バーコードを有する情報記録媒体
JPH07114624A (ja) * 1993-10-15 1995-05-02 Toppan Printing Co Ltd 磁気記録媒体及びその読み取り方法
JPH0899485A (ja) * 1994-09-30 1996-04-16 Toppan Printing Co Ltd カード及びその真偽判定方法
JPH10312487A (ja) * 1997-05-14 1998-11-24 Kyodo Printing Co Ltd 磁気カード及びその真偽判別方法
JPH1186283A (ja) * 1997-09-04 1999-03-30 Mitsubishi Paper Mills Ltd 情報記録媒体
JP2000293129A (ja) * 1999-04-07 2000-10-20 Fujitsu Ltd 表示特性認識装置、表示特性認識プログラム記憶媒体、表示特性調整装置および表示特性調整プログラム記憶媒体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106782044A (zh) * 2017-02-23 2017-05-31 河南李烨包装科技有限公司 一种特磁材料码防伪标识

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002127648A (ja) 2002-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6987868B1 (en) Genuine/counterfeit discriminating method, genuine/counterfeit discrimination object, and genuine/counterfeit discriminating device
JP4568914B2 (ja) 真偽判別可能な情報担持体
RU2481961C2 (ru) Защитный элемент для ценного документа
CA2451548C (en) Security element
US10023000B2 (en) Security threads and stripes
JP2017521281A (ja) 光学可変磁気セキュリティスレッド及びストライプ
JP3398758B2 (ja) 偽造防止用情報担持体
CA2791199A1 (en) Security element having aligned magnetic pigments
CN101244679A (zh) 利用同色异谱磁性配对油墨实现防伪的方法
JP4235968B2 (ja) 真偽判別印刷物及び真偽判別方法
JP4192233B2 (ja) フリップフロップ性又はカラー・フリップフロップ性を有する偽造防止印刷物
JP4601733B2 (ja) 偽造防止印刷媒体
JP4524371B2 (ja) 磁気情報記録印刷物及びその真偽判別方法
JP2003302519A (ja) 真贋判定機能を有するフィルム、及びそれを使用した真贋判定機能を有したシート状物
EP2606474B1 (de) Verifikation von sicherheitselementen mit fenster und weiterer information
JP4192241B2 (ja) 偽造防止用情報担持体
JPH09240133A (ja) 印刷物
JP4296311B2 (ja) 偽造防止用紙、その真偽判別方法並びに真偽判別装置
CN114585519A (zh) 热敏转印介质及信息记录体
JPH11254870A (ja) スクラッチオフ籤券
JP4296310B2 (ja) 偽造防止用紙、その真偽判別方法並びに真偽判別装置
JP2537000Y2 (ja) カード
JPH0380428A (ja) 磁気カード
JP4202559B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2004142129A (ja) 真贋判定機能を有するフィルム、及びそれを使用した真贋判定機能を有したシート状物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070501

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080731

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100423

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100423

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130611

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees