JP4990421B2 - 路車協調型安全運転支援装置 - Google Patents

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Description

この発明は、次世代の安全技術として注目を集め実証実験が進められている、ナビゲーション等の車載装置に用いて好適な路車協調型安全運転支援装置に関する。
ドライバが視認困難な位置にある自動車、二輪車、歩行者等に関する障害物情報を路側に配置されたセンサで検出し、その検出情報を車載装置(路車協調型安全運転支援装置)へ提供し、車載装置が、ドライバに対して注意喚起を促すことのできる路車協調型安全運転支援システムが研究されており、実用化されつつある。この場合、車載装置は、道路に設けられた光ビーコン路側機や狭域無線通信(DSRC:Dedicated Short Range Communication)路側機から安全運転支援用データ(DSSS:Driving Safety Support System)を受信し、自車両の運転状況と路側センサが検出した障害物情報等に関するDSSSデータの内容を解析し、ドライバに対して注意喚起を行う。
ところで、従来の路車協調型安全運転支援装置は、画像と音声とを出力することでドライバへ注意喚起を行っている。特に、画像で注意喚起を行おうとすれば、例えば、VICS(Vehicle Information and Communication System)(登録商標;以下記載を省略する)のように、「歩行者注意」等の標識からなる簡易図形をナビゲーション画面上に走行する道路の近傍に表示することで注意喚起が行なわれる。このため、道路形状が複雑な場合、あるいは、施設情報の案内等複数のサービスが同一交差点上に描画される場合、ドライバは、ドライバが注意の対象とすべき道路や、歩行者あるいは対向車両等の障害物を容易に把握することができないといった課題を有する。
一方、従来、車々間通信を利用し、この車々間通信で取得した対向車両等の情報をナビゲーション地図上に描画してドライバに注意喚起を行ない、対向車両等が検出されなかった場合は、危険と判断した道路をナビゲーション地図上に描画する危険情報提供装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−256986号公報
上記した特許文献1に開示された技術によれば、上記した課題は解決されるが、取得した対向車両等の位置情報の精度が悪い場合、誤った障害物の位置をドライバに提示するため誤操作につながる危険性がある。又、同特許文献1の図10に示されるように、個々の車両、または車群を「点」として地図上に描画するため、車両の数が多い場合にドライバが即座に状況を把握できず、注視が必要になる。更に、車両が検出されなかった場合に危険領域の描画を行うが、この場合、車両が存在しない場合と通信機異常により車両を検出できなかった場合との区別がつかないという課題がある。
この発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、注意喚起すべき障害物に関する情報の視認性を高めると共に、路側センサの位置精度誤差による影響の低減が可能な、路車協調型安全運転支援装置を提供することを目的とする。
この発明は、1以上の路側機との通信により注意喚起画面を表示する路車協調型安全運転支援装置であって、前記路側機から対象検知エリアに属する障害物を含む安全運転支援情報を受信する路側機情報受信部と、自車位置を含む車両運転状態情報を検知する車両状態検知部と、前記路側機情報受信部で受信した安全運転支援情報と前記車両状態検知部で検知した車両運転状態情報とを解析してドライバへの注意喚起が必要か否かを判定し、注意喚起が必要と判定された場合、前記障害物が位置する対象検知エリアを抽出し、前記抽出した対象検知エリアを対応する地図情報に重畳して前記注意喚起画面を表示するよう表示装置を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、路側機情報受信部で受信した安全運転支援情報と車両状態検知部で検知した車両運転状態情報とを解析してドライバへの注意喚起が必要と判定された場合、障害物が位置する対象検知エリアを対応する地図情報に重畳した注意喚起画面を表示する。このため、ドライバは、例えば、衝突回避のために注意喚起が必要なエリアを把握でき、又、点表示ではなくエリア表示されることによって位置センサの精度誤差による影響を低減することができる。
路車協調型安全運転支援システムを実現する通信インフラの一例を示した図である。 この発明の実施の形態1に係る路車協調型安全運転支援装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1の制御部が実行するプログラムの構造を機能展開して示したブロック図である。 この発明の実施の形態1の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1により生成される注意喚起画面の一例を示す図である。 この発明の実施の形態2の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2により生成される注意喚起画面の一例を示す図である。 この発明の実施の形態3の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3により生成される注意喚起画面の一例を示す図である。 この発明の実施の形態4により生成される注意喚起画面の一例を示す図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、路車間通信による安全運転支援システムを実現する通信インフラの一例を示した図である。図1によれば、光ビーコンを連携させたインフラにより路車間通信を実現している。具体的に、路側に設置された画像センサ10は、カメラで撮影した対象検知エリアの映像から車両や歩行者を含む障害物に関する映像を画像処理により切り出し、その障害物の速度や位置等に関する情報を算出して路側機20に送信する。これを受けた路側機20は、画像センサ10から受信した障害物情報に、交差点の形状データ、交差点で稼動する交通信号の灯色情報等を含むDSSSデータを付加して光ビーコンヘッダ21から送信する。そして、光ビーコンヘッダ21の通信領域22を走行した車両は、路車協調型安全運転支援装置(車載装置30)がそのDSSSデータを受信することでマルチメディアを使用した注意喚起画面情報を生成して表示し、ドライバに注意喚起を行う。
図2は、この発明の実施の形態1に係る路車協調型安全運転支援装置の構成を示すブロック図である。図2によれば、車載装置30は、GPS(Global Positioning System)アンテナ31と、GPSレシーバ32と、車両状態検知部33と、路側機情報受信部34と、制御部35と、地図データ記憶部36と、表示部37と、音声出力部38と、スピーカ39とにより構成される。
GPSレシーバ32は、GPSアンテナ31と接続され、GPS衛星から、緯度、経度、時間の測位情報を受信して制御部35へ出力する。車両状態検知部33は、自車位置を含む車両運転状態情報を検知して制御部35へ出力する。車両状態検知部33は、例えば、速度センサ、加速度センサ、ブレーキセンサ等に繋がっている。路側機情報受信部34は、図1に示した路側機20から対象検知エリアに属する障害物を含む安全運転支援情報(DSSS)を受信して制御部35へ出力する。
制御部35は、路側機情報受信部34で受信した安全運転支援情報と、車両状態検知部33で検知した車両運転状態情報とを解析してドライバへの注意喚起が必要か否かを判定し、注意喚起が必要と判定された場合、障害物が位置する対象検知エリアを抽出し、抽出した対象検知エリアを対応する地図情報に重畳した注意喚起画面を表示する機能を有する。このため、制御部35は、例えば、図3に示すように、受信データ解析部351と、自車両情報取得部352と、対象道路情報抽出部353と、予測演算部354と、描画部355と、を含み構成される。
なお、図3に示す制御部35が有する構成は、制御部35が実行するプログラムの構造を機能展開して示したものであって、制御部35のハードウエアを示すものではない。制御部35は、ハードウエア的にはマイクロプロセッサにより構成され、内蔵され又は外付けされるメモリに記録されたプログラムを順次読み取って実行することにより上記した機能を実現するものである。
受信データ解析部351は、路側機情報受信部34から取得されるDSSSデータを解析することより、対向車等の他車両、自転車、歩行者等の障害物情報、ならびに画像センサ10の検知エリアに関する情報を抽出して予測演算部354へ引き渡す。自車両情報取得部352は、GPSレシーバ32や車両状態検知部33で検知された、自車両の現在位置を含む、車速、操舵角等の運転状態に関する情報を取得して予測演算部354へ引き渡す。対象道路情報抽出部353は、受信データ解析部351によって解析される障害物情報、及び自車両情報取得部352で取得される自車両の現在位置のそれぞれとリンクして、自車両の進行方向に対して障害物が位置する注意喚起を要する地図道路を取得して予測演算部354へ引き渡す。
予測演算部354は、受信データ解析部351、自車両情報取得部352、対象道路情報抽出部353、のそれぞれから得られる情報に基づき、例えば、自車両と、他車両等障害物の交差点における予測通過時刻に関する予測演算を行ない、その演算結果を比較することにより注意喚起の有無判定を行うと共に、ここで注意喚起要と判定された場合に、抽出した対象検知エリアを対応する地図情報に重畳した注意喚起画面情報を生成して描画部355による描画処理を起動する。描画部355は、予測演算部354により生成された注意喚起画面情報を不図示の表示メモリに展開し、表示部37の表示タイミングに同期して表示メモリから描画された注意喚起画面情報を読み出し、表示部37に出力する。このことにより、表示部37は、図5以降に例示された注意喚起画面をモニタ上に表示することができる。尚、表示メモリは、描画部355に内蔵されるか外付けされ、あるいは表示部37が内蔵してもよい。
説明を図2に戻す。地図データ記憶部36には道路等の地図データの他、施設情報等が格納されている。地図データ記憶部36は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブやHDD(Hard Disc Drive)に装填される、DVDやHD等の大容量記憶デバイスである。表示部37は、制御部35により生成される情報を表示する表示デバイスであり、
例えば、後述する図5、図7、図9、図10に画面構成の一例が示される注意喚起画面を表示する。表示部37は、多数の画素(複数色の発光素子の組み合わせ)を縦横にマトリクス状に配置して構成される、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)等の発光デバイスを用いて構成される。音声出力部38は、制御部35により生成される経路案内情報や注意喚起情報等の音声をスピーカ39に出力する。
以下、図4に示すフローチャートを参照しながら、図1〜図3に示す路車協調型安全運転支援装置の動作について詳細に説明する。
車載装置30は、イグニッションスイッチがONされたことを契機に自車両情報を取得する。車両状態検知部33は、車両の各部に実装されたセンサを介し、車速、操舵角等の車両の運転状況を監視している。又、GPSレシーバ32は、自車両の位置測位に必要な、緯度、経度、時間に関する情報を受信する。制御部35は、自車両情報取得部352が、GPSレシーバ32から現在位置情報、車両状態検知部33から車両の運転状況に関する情報を取得して予測演算部354に引き渡す(ステップST101)。
続いて、車両が光ビーコンの通信領域22に侵入すると、路側機情報受信部34は、路側機20から光ビーコンヘッダ21を介してDSSSデータを受信する(ステップST102“YES”)。これを受けて制御部35は、受信データ解析部351によるDSSSデータの解析処理を起動する。ここで、受信データ解析部351は、受信したDSSSデータから他車両を含む障害物情報、およびその対象検知エリアを抽出して予測演算部354へ引き渡す(ステップST103)。続いて、制御部35は、対象道路情報抽出部353が、受信データ解析部351によって解析される障害物情報、及び自車両情報取得部352で取得される自車両の現在位置のそれぞれとリンクして、自車両の進行方向に対して障害物が位置する、例えば、交差点、右左折、一次停止、あるいは分岐点等、注意喚起を要する道路情報を取得して予測演算部354へ引き渡す(ステップST104)。
次に、自車両情報取得部352から現在位置と車速等に関する情報を取得し、受信データ解析部351から障害物情報や対象検知エリア情報を取得し、対象道路情報抽出部353から注意喚起を要する、例えば交差点の道路情報を取得した予測演算部354は、自車両と障害物との間の危険予測演算を行う(ステップST105)。具体的に、予測演算部354は、検知エリアで切り出された対象道路に位置する他車両各々の予測通過時刻を算出し、自車両の現在位置と交差点との距離と自車両の速度とに応じてその交差点までの予測走行時間を算出する。予測演算部354は更に、現在時刻に対する交差点での予測通過時刻を算出する。予測演算部354は、対象道路に位置する他車両についても同様、現在位置と交差点までの予測通過時刻を算出する。そして、自車予測走行時刻と他車予測通行時刻との絶対値の差分を計算し、その差分が閾値範囲内にある他車両を判定する。そして、その交差点において、自車両と他車両とが互いに交差する方向に走行するか否かを受信データ解析部351で解析された各々の車両の進行方向に基づき判定し、自車両と交差する方向に走行する他車両がある場合には、自車両とその他車両との間に衝突の可能性ありと認識して注意喚起要と判定する。
上記の手順で注意喚起要と判定されると(ステップST106“YES”)、予測演算部354は、対象検知エリアを地図上に重畳した注意喚起画面情報を生成して描画部355に引き渡す(ステップST107)。これを受けた描画部355は、予測演算部354で生成された注意喚起画面情報を不図示の表示メモリに描画(ビットマップ展開)し、表示部37の表示タイミングに同期して表示メモリに描画した注意喚起画面情報を読み出し、表示部37に、例えば、図5にその画面構成の一例を示す注意喚起画面を表示する(ステップST108)。
図5によれば、表示部37の表示領域371に描画された地図372上に、障害物(例えば、横断歩行者)が位置する画像センサ10の対象検知エリア373及び374が表示される。このとき同時に音声出力部38を介してスピーカ39から音声による注意喚起も行われる。
上述した実施の形態1に係る路車協調型安全運転支援装置(車載装置30)によれば、制御部35は、路側機情報受信部34で受信した安全運転支援情報(DSSS)と車両状態検知部33で検知した車両運転状態情報とを解析してドライバへの注意喚起が必要か否かを判定し、注意喚起が必要と判定された場合、障害物が位置する対象検知エリアを抽出し、抽出した対象検知エリアを対応する地図情報に重畳した注意喚起画面を表示する。このため、ドライバは、例えば、衝突回避のために注意喚起が必要なエリアを容易に把握でき、又、このとき、点表示ではなくエリア表示されることによって路側センサの位置精度誤差による影響を低減することができる。
なお、表示部37に、注意喚起を要する対象検知エリアを表示するにあたり、検出された障害物の数や速度等によって表される衝突危険度に応じて他の路側機による検知エリアとは別の表示形態で強調表示しても良い。この場合、制御部35は、路側機情報受信部34で受信した安全運転支援情報(DSSS)を解析して得られる障害物の数および/または車速と車両状態検知部33で検知された車速をパラメータとし、その程度に応じて衝突危険度を段階的に割り当て、抽出した対象検知エリアを、判定した衝突危険度に応じて、例えば、色により区別して表示することが考えられる。このため、運転手は色を認識するだけで危険度の把握も可能になる。尚、表示形態を、色に変えて、濃淡、点滅、模様等により強調表示することも可能である。
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2に係る路車協調型安全運転支援装置の動作を示すフローチャートである。以下に説明する実施の形態2に係る路車協調型安全運転支援装置は、実施の形態1同様、図2に示す車載装置30、ならびに図3に示す制御部35と同じ構成を用いることとする。以下、図6のフローチャートを参照しながら実施の形態2に係る路車協調型安全運転支援装置の動作について、実施の形態1との差異に着目して説明する。
自車両情報取得部352が位置情報及び車両状態に関する情報を取得し、受信データ解析部351が路側機情報受信部34から受信したDSSSデータを解析し、予測演算部354が注意喚起のための危険予測演算を行うまでの動作(ステップST201〜ST205)は、実施例1のステップST101〜ST105のそれぞれと同じであり、又、ステップST206の注意喚起要判定処理において、注意喚起要と判定された場合対象検知エリアを地図上に重畳した注意喚起画面情報を生成して表示メモリに描画し、表示部37に注意喚起画面を表示する動作(ステップST206“YES”〜ST208)は、実施例1のステップST106“YES”〜ST108と同じであるため、重複説明を回避する意味で詳細な説明を省略する。
ステップST206の注意喚起要判定処理において、予測演算部354が、画像センサ10の対象検知エリア内に障害物が位置せず、このため注意喚起不要と判定した場合(ステップST206“NO”)、その対象検知エリアを他の検知エリアとは別色で表示する表示情報を生成して描画部355に引き渡す。これを受けた描画部355は、予測演算部354で生成された表示情報を不図示の表示メモリに描画(ビットマップ展開)し、表示部37の表示タイミングに同期して表示メモリに描画した表示情報を読み出し、表示部37に、例えば、図7にその画面構成の一例を示す注意喚起画面を表示する(ステップST209)。
図7によれば、表示部37の表示領域371に描画された地図372上に、障害物(例えば、横断歩行者)が位置しない場合でも、画像センサ10の対象検知エリア375を他の検知エリア376とは別の色で表示する。これにより、障害物が存在しない場合でも、画像センサ10の検知エリアをドライバに提供して注意喚起することが可能である。
上述した実施の形態2に係る路車協調型安全運転支援装置によれば、制御部35は、路側機情報受信部34で受信した安全運転支援情報(DSSS)と車両状態検知部33で検知した車両運転状態情報とを解析してドライバへの注意喚起が必要か否かを判定し、注意喚起が不要と判定された場合でも抽出した対象検知エリアを他の検知エリアとは別の表示形態で表示することにより注意喚起が可能である。尚、表示形態を、色ではなく、濃淡、模様、点滅等により他と区別することも可能である。
実施の形態3.
上述した実施の形態2によれば、対象検知エリアに障害物が存在しない場合にもその検知エリアを他の検知エリアと別の色で描画するが、この場合、障害物が存在しない場合と、画像センサ10を含む路側機20側の通信異常等により障害物の存在を検出できなかった場合との区別ができない。このため、以下に説明する実施の形態3では、実施の形態2同様、図2の車載装置30と、図3の制御部35とほぼ同じ構成を用いるが、受信データ解析部351が通信異常を検知すると、予測演算部354が抽出した対象検知エリアを、他の検知エリアとは別の色で描画するための表示情報を生成することで、通信異常により障害物を検出できなかった場合と区別して表示することに差異がある。
図8は、この発明の実施の形態3に係る路車協調型安全運転支援装置の動作を示すフローチャートである。以下、図8のフローチャートを参照しながら、実施の形態3に係る路車協調型安全運転支援装置の動作を、実施の形態2との差異に着目して説明する。
制御部35において、受信データ解析部351が画像センサ10を含む路側機20側の通信異常を検知しない限りは(ステップST304“YES”)、実施の形態2同様、予測演算部354が、自車両情報取得部352から取得した車両状態に関する情報、受信データ解析部351が解析したDSSSデータに基づき、注意喚起のための危険予測演算を行う(ステップST306)。そして、注意喚起要と判定された場合(ステップST307“YES”)、対象検知エリアを地図上に重畳した注意喚起画面情報を生成して表示メモリに描画し、表示部37に注意喚起画面を表示する(ステップST307“YES”〜ST309)。又、予測演算部354が、画像センサ10の対象検知エリア内に障害物が位置せず、このため注意喚起不要と判定した場合、その対象検知エリアを他の検知エリアとは別色で表示する表示情報を生成して描画部355に引き渡し、これを受けた描画部355は、予測演算部354で生成された表示情報を不図示の表示メモリに描画(ビットマップ展開)し、表示部37の表示タイミングに同期して表示メモリに描画した表示情報を読み出して表示部37に表示する(ステップST307“NO”、ST310)。
受信データ解析部351が通信異常または側路機異常を検知すると(ステップST304“NO”)、予測演算部354は、抽出した対象検知エリアを、他の検知エリアとは別の色で描画するための表示情報を生成して描画部355に引き渡す。これを受けて描画部355は、予測演算部354で生成された表示情報を不図示の表示メモリに描画(ビットマップ展開)し、表示部37の表示タイミングに同期して表示メモリに描画した表示情報を読み出し、例えば、図9にその画面構成の一例を示す注意喚起画面を表示する(ステップST310)。
図9によれば、表示部37の表示領域371に描画された地図データ372上に、障害物が存在しないと判定された対象検知エリア375が所定の色で表示されているが、それとは別に、通信異常が検知された対象検知エリア377が、所定の色で表示された対象検知エリア375とは別の目立つ色で強調表示されている。これにより、ドライバは、障害物が存在しない場合と通信異常が検知された場合とで抽出された対象検知エリアの区別が可能になる。
上述した実施の形態3に係る路車協調型安全運転支援装置によれば、制御部35は、路側機情報受信部34で受信した安全運転支援情報を解析して画像センサ10を含む路側機20側の異常を検知した場合、抽出した対象検知エリアを他の検知エリアとは別の表示形態で強調表示する。このため、ドライバは、障害物が存在しない場合と、通信異常により障害物の存在を検出できなかった場合との区別が可能になり、誤操作を防止できるため安全運転に貢献できる。
実施の形態4.
図10(a)は、この発明の実施の形態4に係る路車協調型安全運転支援装置により表示される注意喚起画面構成の一例を示す図である。以下に説明する実施の形態4でも上述した実施の形態1〜3同様、図2に示した車載装置30の構成と、図3に示した制御部35の構成とほぼ同じ構成を用いることとするが、予測演算部354が、実施の形態1、2、3のいずれかに従い生成される注意喚起画面に、VICS画面で知られている標識画像を合成した表示情報を生成し、描画部355がこれを描画し、表示する構成としたことに差異がある。
図10(a)によれば、表示部37の表示領域371に描画された地図データ372上に、障害物が存在する対象検知エリア374が表示されており、更に、「歩行者注意」の標識画像378が合成表示されている。
上述した実施の形態4に係る路車協調型安全運転支援装置によれば、制御部35は、路側機情報受信部34で受信した安全運転支援情報を解析して抽出される対象検知エリアの近傍に更なる注意喚起の標識画像を表示する。このため、ドライバは、衝突回避のために注意喚起が必要なエリアを把握でき、又、エリア表示されることによって位置センサの精度誤差による影響を低減することができる他に、標識画像も合わせて表示するため、状況把握が容易になる。尚、図10(b)に示されるように、地図データ372上に対象検知エリアを描画せず、交差点形状とそのエリアを標識画像379上に描画しても同じ効果が得られる。
尚、上述した制御部35が有する機能は、全てをソフトウェアによって実現しても、あるいは少なくともその一部をハードウエアで実現してもよい。例えば、制御部35が、路側機情報受信部34で受信した安全運転支援情報と車両状態検知部33で検知した車両運転状態情報とを解析してドライバへの注意喚起が必要か否かを判定し、注意喚起が必要と判定された場合、障害物が位置する対象検知エリアを抽出し、抽出した対象検知エリアを対応する地図情報に重畳して注意喚起画面を表示するデータ処理は、1または複数のプログラムによりコンピュータ上で実現しても良く、また、少なくとも一部をハードウエアで実現してもよい。
又、上述した実施の形態1〜4によれば、路側に設置される光ビーコンを用いて障害物が位置する対象検知エリアを抽出して注意喚起画面を生成しているが、DSRC車載装置等の無線装置で代替してもよい。この場合、DSRC路側機からDSSSデータを受信する毎に注意喚起判定を行い、都度、注意喚起画面を更新することになる。
この発明の路車協調型安全運転支援装置は、VICS画面のように標識画像を表示することなく、注意喚起の対象となる対向車や歩行者等の障害物が位置するエリアを地図データ上に描画した注意喚起画面とするものであり、ドライバに対してリアルタイムに最適な運転支援情報を提供するDSSSに適用される。

Claims (5)

  1. 1以上の路側機との通信により注意喚起画面を表示する路車協調型安全運転支援装置であって、
    前記路側機から対象検知エリアに属する障害物を含む安全運転支援情報を受信する路側機情報受信部と、
    自車位置を含む車両運転状態情報を検知する車両状態検知部と、
    前記路側機情報受信部で受信した安全運転支援情報と前記車両状態検知部で検知した車両運転状態情報とを解析してドライバへの注意喚起が必要か否かを判定し、注意喚起が必要と判定された場合、前記障害物が位置する対象検知エリアを抽出し、前記抽出した対象検知エリアを対応する地図情報に重畳して前記注意喚起画面を表示するよう表示装置を制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする路車協調型安全運転支援装置。
  2. 前記制御部は、
    前記路側機情報受信部で受信した安全運転支援情報を解析して得られる障害物の数および/または車速と前記車両状態検知部で検知された車速とをパラメータとした衝突危険度を判定し、前記抽出した対象検知エリアを前記判定した衝突危険度に応じて他の検知エリアとは別の表示形態で強調表示するよう表示装置を制御することを特徴とする請求項1記載の路車協調型安全運転支援装置。
  3. 前記制御部は、
    前記路側機情報受信部で受信した安全運転支援情報を解析した結果、前記抽出された検知エリア内に障害物が位置しないと判定した場合、前記抽出した対象検知エリアを他の検知エリアとは別の表示形態で表示するよう表示装置を制御することを特徴とする請求項1記載の路車協調型安全運転支援装置。
  4. 前記制御部は、
    前記路側機情報受信部で受信した安全運転支援情報を解析して前記路側機の異常を検知した場合、前記抽出した対象検知エリアを他の検知エリアとは別の表示形態で前記異常を表示するよう表示装置を制御することを特徴とする請求項1記載の路車協調型安全運転支援装置。
  5. 前記制御部は、
    前記路側機情報受信部で受信した安全運転支援情報を解析して抽出される前記対象検知エリアの近傍に更なる注意喚起の標識画像を表示するよう表示装置を制御することを特徴とする請求項1記載の路車協調型安全運転支援装置。
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