JP2013011939A - 運転支援装置 - Google Patents

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俊和 阿式
Takeshi Watanabe
武司 渡邊
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Abstract

【課題】簡易に演算処理することができ、かつ、運転者からの信頼感の高い運転支援装置を提供する。
【解決手段】運転支援装置は、自車両の周辺の他車両の車両情報と自車両が走行する路線の周囲の路線情報とを取得する情報取得手段11と、前記車両情報及び前記路線情報から、自車両の周辺に運転者の視認を遮るものがあるかどうか判断する周辺判断手段13と、前記車両情報から、前記他車両のうち前記運転者の視認を遮るものによって視認できないものがあるかどうかを判断する視認可否判断手段と、視認できない他車両が存在する場合には、それを運転者に通知する通知手段16とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は運転支援装置に関する。
従来から、車両の衝突を未然に防ぐべく、車両に搭載される運転支援装置が提案されている。運転支援装置としては、例えば、自動車の走行環境を各種の検出要素をもって正確に認識したもとで、一次及び二次危険度に基づいて潜在危険度を得、それに応じて、運転者に潜在危険に対する注意を喚起させるに効果的な警報を発するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−65295号公報(要約、段落0053等参照)
特許文献1に記載された運転支援装置によれば、潜在危険に対する注意を喚起させるのに適切な警報を発することができる。しかしながら、潜在危険に対する潜在危険度を求めるために、逐次衝突危険度を算出することで複雑な演算処理を行わなければならないという問題がある。
また、二輪車は死角に入りやすく、かつ、すり抜けなどにより死角から不意に飛び出してくることもあるので、潜在危険度が低かったとしても通知されることが望ましい。他方で、潜在危険度が低いもの、例えば目視可能な車両まで運転者に通知するとすれば通知が多すぎる。これらの結果、運転者のシステムに対する不信感が増大するという問題がある。
そこで、本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、簡易に演算処理することができ、かつ、運転者からの信頼感の高い運転支援装置を提供しようとするものである。
本発明の運転支援装置は、自車両の周辺の他車両の車両情報と自車両が走行する路線の周囲の路線情報とを取得する情報取得手段と、前記車両情報及び前記路線情報から、自車両の周辺に運転者の視認を遮るものがあるかどうか判断する周辺判断手段と、前記車両情報から、前記他車両のうち前記運転者の視認を遮るものによって視認できないものがあるかどうかを判断する視認可否判断手段と、前記視認できない他車両が存在する場合には、それを運転者に通知する通知手段とを備えることを特徴とする。本発明では、前記車両情報及び前記路線情報から、自車両の周辺に運転者の視認を遮るものがあるかどうか判断する周辺判断手段と、前記車両情報から、前記他車両のうち前記運転者の視認を遮るものによって視認できない車両があるかどうかを判断する視認可否判断手段を有することで、複雑な演算処理を行わずに、車両情報と路線情報から簡易に視認できない車両があることを判断することができ、簡易に運転支援を行うことができる。他方で、視認できない車両がある場合にのみ通知を行い、目視可能な車両は通知しないことで、運転者のシステムに対する信頼感を向上させることができる。
前記路線情報から、自車両と前記視認できない他車両とが物理的に隔てられた状態にあるかどうかを判断する車両関係判断手段をさらに備えたことが好ましい。このような車両と前記視認できない他車両とが物理的に隔てられた状態にあれば、衝突する可能性が極めて低いと言えるからである。
本発明の運転支援装置では、簡易に、かつ正確に運転支援を行うべく、前記車両情報が前記他車両の現在位置を示す位置情報であることや、前記車両情報にはさらに前記他車両の車種情報が含まれることが好ましい。
前記周辺判断手段は、前記車種情報から、自車両の周辺に二輪車が存在すると判断した場合に、前記自車両の周辺に視認を遮るものがあるかどうかを判断することが好ましい。特に、二輪車は視認できない状態から予期せずに飛び出してくることも考えられるからである。
本発明の好適な実施形態としては、前記周辺判断手段は、前記車種情報から、大型車が自車両の周辺に存在すると判断した場合には、該大型車を視認を遮るものであると判断することが挙げられる。
本発明の運転支援装置によれば、簡易に処理することができ、かつ、運転者からの信頼感の高い運転支援を行うことができるという優れた効果を奏し得る。
実施形態にかかる運転支援装置を説明するためのブロック図。 実施形態にかかる運転支援装置の作動状態を説明するための模式図。 実施形態にかかる運転支援装置の作動を説明するためのフローチャート。 実施形態にかかる運転支援装置の作動状態を説明するための模式図。 実施形態にかかる運転支援装置の作動状態を説明するための模式図。
本発明の運転支援装置の実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の運転支援装置1は、車両Iに搭載されているものであり、車両Iの運転状況を支援して、他車両との衝突を防止すべく運転者に注意を喚起するためのものである。
例えば、本実施形態の運転支援装置1による運転支援が必要な運転状況とは、図2に示すように、車両Iである自車両Iの後方に大型車B1が存在し、かつ、そのさらに後方に二輪車M1が存在する場合である。このような場合には、大型車B1が運転者の視認を遮る(即ち死角を形成する)ので、後方に二輪車M1が存在することを車両Iの運転者は確認することができない。
このような場合に、本実施形態の運転支援装置1は、運転者に大型車B1の後方に二輪車が存在することを通知するものである。
図1に戻り、運転支援装置1の構成について説明する。運転支援装置1は、情報取得手段11を有する。情報取得手段11は、自車両の周辺の他車両の車両情報を取得する。ここで、車両情報とは、本実施形態では、他車両の車種情報と位置情報である。車種情報とは、車両が四輪車であるか二輪車であるかどうか、また、四輪車である場合、トラックなどの大型車であるか又は普通車であるかどうかを示す情報である。位置情報とは、他車両の現在位置を示す情報である。また、周辺とは、本実施形態のように情報取得手段11が路車間通信により車両情報を取得するものである場合には、自車と通信可能な距離(例えば自車から300m程度の範囲内)範囲を周辺という。
本実施形態では、情報取得手段11としては、路車間通信により車両情報を取得する。路車間通信とは、道路に設けられたセンサーが取得した情報を、道路に設けられた通信手段によって車両に送信して通信を行うものをいう。即ち、情報取得手段11は、道路に設けられたセンサーが取得した他車両の車両情報を受信できる受信装置を有する。
さらに、情報取得手段11は、路線情報を取得する。路線情報とは、自車両が走行している路線の周辺の建物等の情報など路線の周辺にある他車両以外の対象の情報である。本実施形態では、情報取得手段11は、予め車両が有する地図情報記録部12から路線情報としての地図情報を取得する。
図2に示す場合では、情報取得手段11は、路車間通信により、車種情報が大型車を示す他車両(大型車B1)の位置情報と、車種情報が二輪車を示す車両(二輪車M1)の位置情報とを得る。また、情報取得手段11は、地図情報記録部12から自車両周辺の路線情報を取得するが、図2に示す場合では特に取得する路線情報はない。
また、図1に戻り、運転支援装置1は、自車両の周辺に運転者の視界を遮るもの、つまり死角を形成するものがあるかどうか判断する周辺判断手段13を有する。死角を形成するものとは、一般に車両の運転者にとって見ることのできない位置を形成するもの、つまり、ビルや曲がり角等の地理的に形成されるもの、また、車列、トラック等の大型車(自車両よりも大型の普通車を含んでもよい)等の他車両により形成されるものを意味する。
周辺判断手段13は、このような自車両に対して死角を形成するものがあるかどうかを、情報取得手段11が取得した車両情報及び地図情報から判断する。即ち、自車両周辺の地図情報から、死角を形成するビル等があるかどうかを判断すると共に、車両情報から、自車両に対して死角を形成する他車両があるかどうかを判断する。
具体的には、周辺判断手段13は、地図情報と自車両の位置情報から死角を形成するビル等があるかどうかを判断する。また、周辺判断手段13は、他車両の車種情報にトラック等の大型車を示す情報が含まれていれば、大型車が周辺に存在して自車両に対して死角を形成していると判断することができる。さらには、情報取得手段11から得られた他車両の位置情報から、車列が形成されているかどうかも判断することができる。即ち、複数の他車両の位置情報が一方向において略同一である場合には、他車両が列状に位置していると判断することができる。
例えば、図2に示す場合では、周辺判断手段13は、他車両の位置情報から、自車両Iの後方には大型車B1が存在するのでこれを死角を形成するものであると判断し、自車両の周辺に死角を形成するものがあると判断する。また、周辺判断手段13は、地図情報から死角を形成するビル等はないと判断する。
さらに、周辺判断手段13は、自車両周辺に二輪車があるかどうかを判断する。具体的には、周辺判断手段13は、情報取得手段11から得られた他車両の車種情報から自車両の周辺に二輪車があるかどうかを判断する。このように特に二輪車があるかどうかを判断するのは、二輪車は死角に入りやすく、また、死角からの予期せぬ飛び出しが考えられるからである。
例えば、図2に示す場合では、周辺判断手段13は、周辺の他車両の車種情報から、二輪車が存在すると判断する。
図1に戻り、運転支援装置1は、死角存在判断手段(視認可否判断手段)14を有する。死角存在判断手段14は、周辺判断手段13が死角が存在すると判断した場合に、その死角に他車両が存在するかどうかを判断する。具体的には、死角存在判断手段14は、その死角の位置情報と他車両の位置情報とから、他車両が死角に存在するかどうかを判断する。死角を形成するものがビル等の地理的要因であれば、地図情報からその死角となるものの位置情報を取得する。本実施形態では、他車両としては特に二輪車が死角に存在しているかどうかを判断する。
例えば、図2に示す場合では、死角存在判断手段14は、死角を形成する大型車B1の位置情報と、二輪車M1の位置情報から、大型車B1の後方に二輪車M1が存在すると判断する。
運転支援装置1は、衝突判断手段(車両関係判断手段)15を有する。この衝突判断手段15は、情報取得手段11が取得した路線情報から、死角に位置する他車両と自車両との衝突が起こりうる状態にあるかどうか、即ち自車両と他車両とが物理的に隔てられているかどうかを判断する。例えば、衝突判断手段15は、死角に位置する他車両が分離帯によって隔てられた隣接路線にいる場合には衝突の物理的な可能性が低いと判断しているのである。
具体的には、衝突判断手段15は、地図情報と他車両の位置情報から、他車両が自車両とは物理的に隔てられた場所に位置しているかを判断することにより衝突が物理的に起こりうる状態にあるかどうかを判断する。即ち、本実施形態では、衝突判断手段15は、自車両及び他車両の走行状態によらず、物理的に地図情報から衝突が起こるかどうかについて判断している。死角に位置する他車両と自車両との衝突が起こりうる可能性が低い状態とは、他には例えば、対象が高低差のある対向車線にいる場合や、壁によって隔てられた隣接路線にいる場合等が挙げられる。本実施形態では、衝突判断手段15は、特に死角に存在する二輪車と自車両とが物理的に隔てられて衝突のおそれがあるかどうかを判断する。
例えば、図2に示す場合には、衝突判断手段15は、死角に位置する他車両の位置情報と地図情報とを比較し、物理的に隔てられていない自車両Iと同一車線に二輪車M1があることから死角に存在する他車両と衝突のおそれがあると判断する。
運転支援装置1は、死角に他車両が存在することを運転者に通知する通知手段16を有する。図2に示す場合では、死角である大型車B1の後方に二輪車M1が存在するので、通知手段16は車両の運転席前方に設置された画像表示装置の画面に大型車の後方に二輪車が存在する旨が表示される。
このように、本実施形態では、運転支援装置1は、死角に他車両が存在する場合には、これを運転者に通知することで、運転者の注意を喚起して運転の支援を行うことができる。この場合に、複雑な演算処理を行わずに、車両情報と路線情報のみから死角に他車両が存在するかどうかを判断することができるので、簡易な演算処理により運転支援を行うことができる。他方で、死角に他車両が存在する場合にのみ通知を行い、目視可能な車両は通知しないことで、運転者のシステムに対する信頼感を向上させることができる。
また、本実施形態では、特に死角に二輪車が存在する場合には必ず通知を行うことで、運転者は二輪車等の死角からの予期せぬ飛び出しに対処することができる。即ち、他車両が二輪車である場合には、大型車の死角に入りやすいため、運転者はその存在に気付きにくい。また、二輪車は渋滞などでは車両間をすりぬけて移動することも多いために、運転者にとっては死角からの飛び出しになりやすい。本実施形態ではこのような死角からの予期せぬ飛び出しを行う可能性のある二輪車を検出し全て運転者に通知することができるので、死角に存在する二輪車の急な飛び出しがあったとしても、運転者がすぐに反応することができ、運転者のシステムに対する信頼感を向上させることができる。
さらに、運転支援装置1は、衝突判断手段15を有することで物理的に自車両と他車両とが隔てられており衝突のおそれが低い場合には、通知を行わない。これにより無駄な通知を減少させてより運転者のシステムに対する信頼感を高めている。さらに、この場合の判断を路線情報である地図情報から行うことで、衝突の可能性を、逐次演算処理することなく簡易に判断することができる。
なお、本発明では自車両が取得した他車両それ自体の車両情報や路線情報から簡易に自車両にとって死角となるものがあるかどうかを判断している。即ち、他車両からさらに別の他車両の情報を車車間通信で得ているのではなく、自車両が取得した他車両それ自体の車両情報から死角となるものがあるかどうかを判断しているのである。他車両からさらに別の他車両の情報を車車間通信で得ることも考えられるが、他車両からみても死角にある車両情報を得ることができない場合も考えられるので、本実施形態のように自車両自体が他車両の検出を行い、この検出された他車両の車両情報を自ら取得することが好ましいのである。
このように、本実施形態における運転支援装置1は、他車両が有する情報によらず、自車両で得た情報により簡易に演算処理することができ、かつ、運転者からの信頼感の高いシステムを提供することができるものである。
このような運転支援装置1による運転支援のフローチャートについて、図1及び図3を用いて説明する。
図3に示すように、運転支援装置1が作動を開始すると(スタート)、まず、ステップS1へ進む。ここで、運転支援装置1は、イグニッションキーがオン状態とされることにより作動を開始する。
ステップS1では、情報取得手段11により、車両情報及び地図情報を取得する。ステップS2へ進む。
ステップS2では、情報取得手段11により得られた車両情報における車種情報から、周辺判断手段13が周辺の車両に二輪車が含まれるかどうかを判断する。二輪車が含まれる場合(YES)、ステップS3へ進む。二輪車が含まれない場合(NO)は、後述するステップS7へ進む。
ステップS3では、周辺判断手段13が、死角を形成するものがあるかどうかを、車両情報及び地図情報から判断する。死角を形成する物があれば(YES)、ステップS4へ進む。死角を形成するものがなければ(NO)、後述するステップS7へ進む。
ステップS4では、死角存在判断手段14が二輪車が死角に含まれているかどうかを判断する。二輪車が死角に含まれている場合には(YES)、ステップS5へ進む。二輪車が死角に含まれていない場合には(NO)、ステップS7へ進む。
ステップS5では、衝突判断手段15が、地図情報から衝突の可能性があるかどうかを判断する。ここでいう衝突の可能性とは、上述したように自車両と前記死角に含まれる他車両とが物理的に隔てられた状態にあるかどうかにより判断される。衝突の可能性があると判断した場合には(YES)、ステップS6へ進む。衝突の可能性がないと判断した場合には(NO)、ステップS7へ進む。
ステップS6では、衝突の可能性があると判断しているので、通知手段16が運転者に通知を行う。
ステップS7では、衝突の可能性はないと判断しているので、運転者への通知を行わない。
このように、本実施形態では死角に他車両が存在するかどうかを簡易に判定することができるので、各処理を簡易に行うことができる。かつ、衝突の物理的な可能性がある場合にのみ通知を行うことができるので、より運転者からの信頼感を高めることができる。
本実施形態の運転支援装置を用いれば、例えば、図4のような場合にも適切に運転者の注意を喚起することができる。
即ち、図4に示す場合では、情報取得手段11は、路車間通信により、車種情報が普通車である各車両(普通車B2)の位置情報と、車種情報が二輪車である車両(二輪車M2)の位置情報とを得る。また、情報取得手段11は、地図情報記録部12から地図情報を取得する。そして、周辺判断手段13は、車両Iの側方には普通車B2の車列が二列存在するので、これを死角を形成するものであると判断し、自車両の周辺に死角を形成するものがあると判断する。さらに、周辺判断手段13は、車両Iの周辺に二輪車が存在すると判断する。
次いで、死角存在判断手段14は、普通車B2の位置情報と、二輪車M2の位置情報から、死角である普通車B2の車列間に二輪車M2が存在すると判断する。そして、衝突判断手段15は、死角に位置する二輪車M2の位置情報と地図情報とを比較して、自車両と二輪車M2とを物理的に隔てるものはなく両者は衝突可能状態にあると判断する。通知手段16は、運転者に車列の間に二輪車がいることを画像表示装置の画面に表示して運転者に注意を喚起する。
このように、図4に示す場合でも、運転支援装置1は、車列である死角に二輪車が存在することを運転者に通知することで、運転者の注意を喚起して運転の支援を行うことができ、運転者のシステムに対する信頼感を向上させることができる。この場合に、複雑な演算処理を行わずに、車両情報と地図情報のみから車列である死角に二輪車が存在するかどうかを判断することができるので、簡易に運転支援を行うことができる。他方で、車列である死角に二輪車が存在する場合にのみ通知を行っているので、物理的に衝突の可能性がない場合や二輪車であっても目視可能な車両が存在する場合には通知しないことで、運転者のシステムに対する信頼感をさらに向上させることができる。
このように、本実施形態における運転支援装置1は、簡易に演算処理することができ、かつ、運転者からの信頼感の高いシステムを提供することができるものである。
また、図5に示すような場合であっても、本実施形態の運転支援装置1は有効である。
図5に示す場合には、情報取得手段11は、路車間通信により、車種情報が二輪車である車両(二輪車M3)の位置情報を取得する。また、情報取得手段11は、地図情報記録部12から地図情報を取得する。
そして、周辺判断手段13は、地図情報から、自車両Iの側方には二つの建物(ビルb1及びビルb2)が存在するので、これを死角を形成するものであると判断し、自車両Iの周辺に死角を形成するものがあると判断する。さらに、周辺判断手段13は、自車両Iの周辺に二輪車M3が存在すると判断する。
次いで、死角存在判断手段14は、二輪車M3の位置情報と死角であるビルb1、b2の位置情報から、二輪車M3が死角に存在すると判断する。そして、衝突判断手段15は、死角に位置する二輪車M3の位置情報と地図情報とを比較して、自車両Iと二輪車M3とを隔てるものはなく両者は衝突可能状態にあると判断する。通知手段16は、ビル間に二輪車M3がいることを画像表示装置の画面に表示して運転者に注意を喚起する。
このような場合であっても、運転支援装置1は、ビル間の見通しの悪いT字路に二輪車M3が存在することを運転者に通知することで、運転者の注意を喚起して運転の支援を行うことができる。この場合に、複雑な演算処理を行わずに、路線情報である地図情報から二つのビルが死角を形成することを簡易に判断できるので、簡易に運転支援を行うことができ、運転者のシステムに対する信頼感を向上させることができる。また、ビル間の死角に二輪車が存在する場合にのみ通知を行い、物理的に衝突の可能性がない場合や二輪車であっても目視可能な車両が存在する場合には通知しないことで、運転者のシステムに対する信頼感をさらに向上させることができる。
このように、本実施形態における運転支援装置1は、簡易に演算処理することができ、かつ、運転者からの信頼感の高いシステムを提供することができるものである。
上述した実施形態では、死角に存在している他車両が二輪車である場合のみを説明したが、これに限定されない。死角に存在している他車両が二輪車以外であっても死角に存在する物があれば通知を行うようにしてもよい。
本実施形態では、通信手段としての路車間通信を行うことができるものを示したが、これに限定されず、車車間通信を行うことができる通信手段であってもよい。車車間通信とは、他車両にも通信手段が設けられ、この他車両と自車両との間で行われる情報を送受信する通信をいう。このような車車間通信により、各車両からその車両の車両情報が送信されるように構成してもよい。この場合に、他車両からさらに別の他車両の車両情報が送信されるとすれば、通信量が多くなり、運転支援装置の演算処理が大幅に増加するが、本実施形態では車車間通信により得られるのは各車両自体の車両情報であるので、演算処理数も抑制できる。また、車車間通信を行う場合には、車車間通信の信号(車両情報)が直接波か回折波かどうかで他車両が死角に存在するかどうかを判断してもよい。
また、情報取得手段11は、車両に搭載された撮像手段であってもよい。この場合の撮像手段は、運転者が視認することができないものも含めて撮影可能であるように構成されているものが好ましい。撮像手段としてはビデオカメラなどが挙げられ、ビデオカメラから得られた画像情報から各種車両情報を抽出するように構成されていてもよい。この場合には、撮像手段から地図情報を得てもよい。
例えば、本実施形態では情報取得手段11が、車両情報を取得するために路車間通信を受信する受信装置を備え、さらに路線情報を取得するために地図情報記録部12から路線情報である地図情報を取得したが、車両情報を受信装置から得ると共に路線情報を撮像手段から得てもよい。また、撮像手段のみを有し、撮影された画像から周辺の車両情報及び路線情報を得るように構成してもよい。この場合には、周辺とは、情報取得手段としての撮像手段が自車両から撮像することが可能な範囲をいう。さらに、車車間通信により車両情報を得て、さらに撮像手段により路線情報を得ても良い。
なお、自車両の周辺とは、通信手段等によらず自車両から一定距離(200m程度)内を意味していても良い。
なお、本実施形態のように地図情報記録部12から地図情報を得る場合には地図情報の更新が必要である点において撮像手段からの路線情報を得る方が好ましいが、撮像手段からの路線情報は画像からの処理が必要になる点において地図情報記録部から地図情報を得る方が好ましいといえる。従って、演算処理の早さを向上する場合には地図情報を用い、最新の路線情報に対応したい場合には画像情報を用いる。
通知手段は本実施形態では画像表示装置であったが、これに限定されない。例えば音声による通知手段であってもよい。
本実施形態は、イグニッションキーをオン状態とすることにより運転支援を開始し、運転支援を継続的に行うことができるものであるが、これに限定されない。イグニッションキーをオン状態とし、運転支援を開始した後に、例えば、周辺に車両がいないと判断された場合や曲がり角のない一本道に自車両が存在する場合には運転支援を中止し、その後運転支援を再開するように構成してもよい。
1 運転支援装置
11 情報取得手段
12 地図情報記録部
13 周辺判断手段
14 死角存在判断手段
15 衝突判断手段
16 通知手段

Claims (6)

  1. 自車両の周辺の他車両の車両情報と自車両が走行する路線の周囲の路線情報とを取得する情報取得手段と、
    前記車両情報及び前記路線情報から、自車両の周辺に運転者の視認を遮るものがあるかどうか判断する周辺判断手段と、
    前記車両情報から、前記他車両のうち前記運転者の視認を遮るものによって視認できない車両があるかどうかを判断する視認可否判断手段と、
    前記視認できない他車両が存在する場合には、それを運転者に通知する通知手段とを備えることを特徴とする運転支援装置。
  2. 前記路線情報から、自車両と前記視認できない他車両とが物理的に隔てられた状態にあるかどうかを判断する車両関係判断手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
  3. 前記車両情報が前記他車両の現在位置を示す位置情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の運転支援装置。
  4. 前記車両情報にはさらに前記他車両の車種情報が含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の運転支援装置。
  5. 前記周辺判断手段は、前記車種情報から、自車両の周辺に二輪車が存在すると判断した場合に、前記自車両の周辺に視認を遮るものがあるかどうかを判断することを特徴とする請求項4に記載の運転支援装置。
  6. 前記周辺判断手段は、前記車種情報から、大型車が自車両の周辺に存在すると判断した場合には、該大型車を視認を遮るものであると判断することを特徴とする請求項4又は5に記載の運転支援装置。
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