JP4984759B2 - 半導体記憶装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体記憶装置に関し、特に、記憶素子を集積した半導体記憶部及びその記憶素子を選択するためのデコーダ回路を備える半導体記憶装置に関する。
半導体記憶装置の記憶素子を選択するためのデコーダ回路は、アドレス線又はアドレスの組合せによって表される信号を伝えるプリデコード線を受けて、上記の記憶素子に接続しているワード線を選択するための回路である。従って、デコーダ回路の高速化を実現できれば、半導体記憶装置の高速化が実現できる。
しかし、高速化に適したパルス信号を受信するデコーダ回路(例えば、特許文献1)においては、サイクル毎に信号線の充電、放電が必要になることから、デコーダ回路の高速化によって、デコーダ回路の消費電流は増加する。
一方、論理状態がサイクル内において一回の充電又は放電しか伴わないデータ型信号を受信するデコーダ回路(例えば、特許文献2)においては、一のデータ信号の論理が、十分に非選択状態となってから、他のデータ信号の論理を選択状態にしないと多重選択を起こすことになる。そのことは、一のデータ信号の選択状態から、他のデータ信号の選択状態に移行する場合に、タイミングをとる必要があることから、デコーダ回路のスピードが低下する原因となっている。
特開平11−102586号公報 特開平7−73674号公報
以上に述べた従来技術には、信号線の充電、放電が頻繁に行われることによる消費電流の増加、及び、ワード線選択時のスピードの低下という問題点がある。
本発明の半導体記憶装置は、メモリセルと、前記メモリセルに接続するワード線と、前記ワード線を駆動するワードドライバ回路と、前記ワードドライバ回路を選択するためのデコード信号を出力する複数のデコーダ回路からなるデコーダ回路群と、前記デコーダ回路と前記ワードドライバ回路を接続するデコーダ線と、前記デコーダ線を前記デコーダ回路と非導通電状態にするとともに、前記デコーダ回路群に属する前記デコーダ回路に対応する前記ワードドライバ回路の前記デコーダ線同士をイコライズするイコライズ回路と、を備えることを特徴とする。
本発明において、デコーダ線同士をイコライズする回路によって、Hレベルを有するデコーダ線から、他のデコーダ線に電荷が供給されるため、デコーダ信号のLレベルの電圧が上昇する。従って、ワードドライバ回路を選択する際に変化する、デコーダ信号の論理振幅が減少するため、デコーダ線を駆動するデコーダ回路の消費電流が減少する。
以下、本発明の実施例1について説明する
実施例1は、記憶素子に接続するワード線を駆動するワードドライバ回路と、ワードドライバ回路を選択するためのデコーダ線と、を備える半導体記憶装置であって、デコーダ線をフローティング状態にした後、デコーダ線をイコライズする回路をさらに有するものに関する。そして、実施例1を図1乃至図5を用いて説明する。
図1は、実施例1の半導体記憶装置を示した図である。そして、図1は、メモリセルアレイ1、ワードドライバ2、ワード線3、メモリセル4、ビット線5、デコーダ線6、ロウデコーダ回路7、コントロール信号8、コントロール回路9、アドレス信号線10、クロック信号11、データ線12、出力回路13、データ出力線14、及び、イコライズ及びフローティング回路32を示す。
メモリセルアレイ1はメモリセル4が行列状に配置されているものである。
メモリセル4はSRAM(Static Random Memory)の記憶素子である。例えば、上記の記憶素子は、6個のトランジスタによって構成されており、1ビットの情報を記憶する。そして、ワード線3とビット線5によって、上記の記憶素子は選択される。
ワード線3はメモリセルアレイ1の列方向に延在し、列方向に配置されているメモリセル4に接続している。また、メモリセルアレイ1の外側で、ワード線3を駆動するワードドライバ2と接続している。
ビット線5はメモリセルアレイ4の行方向に延在し、行方向に配置されているメモリセル4に接続している。
ワードドライバ2は、デコーダ線6が入力され、デコーダ線6に伝わる信号の論理レベルの組合せが所定の組合せになると選択状態となり、ワード線3を活性化する。
ロウデコーダ回路7は、複数のデコーダ群から構成されている。また、上記のデコーダ群は複数のデコーダから構成されている。そして、ロウデコーダ回路7は、アドレス信号10が入力され、アドレス信号10の論理レベルの組合せが所定の組合せになると、所定のデコーダを活性化し、上記のデコーダに接続されているデコーダ線6に信号を出力する。
デコーダ線6は、ロウデコーダ回路7を構成するデコーダ群の内の一つのデコーダ各々に接続する信号線である。
イコライズ及びフローティング回路32は、コントロール信号8を受けて、デコーダ線6をデコーダからフローティング状態にし、同一のデコーダ群に属するデコーダ線6同士をイコライズする回路である。なお、図3において、イコライズ及びフローティング回路32を詳細に説明する。
アドレス信号10は、半導体記憶装置の外部端子を通じて入力される複数のアドレスから構成されている。そして、アドレスは、データを引き出したいメモリセル7を指定するための信号である。
コントロール回路9は、クロック信号11が入力され、コントロール信号8を出力する。
クロック信号11は、実施例1の半導体記憶装置を動作させるのに必要な同期信号である。
コントロール信号8は、クロック信号11に同期した信号であり、ロウデコーダ回路7、イコライズ及びフローティング回路32、及び、出力回路13に対して出力される。そして、コントロール信号8はロウデコーダ回路7がデコーダ線6に信号を出力するための制御信号となる。さらに、コントロール信号8は、出力回路13がデータ出力線8からデータを出力するための制御信号となる。加えて、コントロール信号8はイコライズ及びフローティング回路32に動作をさせるためのイコライズ信号33となる。
データ線12は、メモリセルアレイ1中のメモリセル4から読み出されたデータを、出力回路13へ伝達する信号線である。
出力回路13は、データ出力線14から、コントロール信号8に同期して、データ線12から伝達されたデータを出力する回路である。
データ出力線14は、データを半導体記憶装置の外部に出力するために、出力回路13と外部端子とに接続されている。
図2は実施例1の半導体記憶装置のロウデコーダ回路7及びワードドライバ2の詳細を示す図である。図2は、ワードドライバ2、P型MOSトランジスタ21、22、インバータ23、24、25、及び、N型MOSトランジスタ26、27、28、を示す。また、図2はデコーダ線6、イコライズ及びフローティング回路32、イコライズ信号33、ロウデコーダ回路7、及び、デコーダ群34、35、36を示す。
ワードドライバ2は、デコーダ線6を受けてワード線を活性化する活性化信号を出力する活性化信号出力部と、活性化信号出力部からの活性化信号を保持する信号保持部から構成されている。
デコード部は、高電位電源と低電位電源間に直列に接続されているP型MOSトランジスタ21、N型MOSトランジスタ26、N型MOSトランジスタ27、及び、N型MOSトランジスタ28から構成されている。そして、P型MOSトランジスタ21とN型MOSトランジスタ26は、ゲートへの信号線を共有しており、その信号線は、ロウデコータ回路7のデコーダ群34から出力されるデコーダ線6と接続している。また、N型MOSトランジスタ27、及び、N型MOSトランジスタ28のゲートに接続する信号線は、それぞれ、デコード線と接続している。そして、N型MOSトランジスタ27、28のゲートは、デコーダ群35、36、それぞれから出力される、一本のデコード線6と接続する。
信号保持部は、デコード部のP型MOSトランジスタ21とN型MOSトランジスタ26の間から出力される信号を保持するP型MOSトランジスタ22、及び、ワード線を駆動するためのインバータ23、24、25から構成されている。
ロウデコーダ回路7は、複数のデコーダ群34、35、36から構成されており、デコーダ群34、35、36は複数のデコーダ、例えば、n個のデコーダから構成されている。また、上記のデコーダはデコード線6と接続している。
そして、ロウデコーダ回路7にアドレス信号線10からアドレスが入力されると、各デコーダ群において、複数のデコーダの内の一つが活性化し、上記のデコーダに接続されているデコーダ線6に信号が出力される。
なお、デコーダ群34から出力される信号はパルス信号である。また、デコーダ群35、36から出力される信号はパルス信号又はデータ型信号である。
イコライズ及びフローティング回路32は、イコライズ信号33を受けて、デコーダ線6をデコーダからフローティング状態にし、同一のデコーダ群に属するデコーダ線6同士をイコライズする回路である。なお、図3において、イコライズ及びフローティング回路32を詳細に説明する。
図3は、ロウデコーダ回路7のデコーダ群35に接続されているイコライズ及びフローティング回路56を示す図である。そして、図3は、デコーダ線6、ロウデコーダ回路7のデコーダ群35に接続されているイコライズ及びフローティング回路56、イコライズ信号33、トランスファーゲート41、42、43、44、45、46、47、及び、インバータ40、48、49、50、51、52、53、54、55を示す。
すなわち、図3は、4個のデコーダを備えるデコーダ群35に対するイコライズ及びフローティング回路56が、ロウデコーダ回路7とデコーダ線6の間に配置されていることを示す図である。
イコライズ及びフローティング回路56を構成するイコライズ回路はトランスファーゲート41、42、43、及び、インバータ40から構成されている。そして、イコライズ回路は、イコライズ信号33を受けると、トランスファーゲート41、42、及び、43が導通し、ロウデコーダ回路7の同一デコーダ群に属するデコード線6間をショートして、デコード線6間の電圧の平均化(イコライズ)を行う。
ここで、トランスファーゲート41、42、及び、43は、P型MOSトランジスタとN型MOSトランジスタが並列に接続されたものである。そして、トランスファーゲート41、42、及び、43のN型MOSトランジスタのゲートには、イコライズ信号33が供給されている。一方、トランスファーゲート41、42、及び、43のP型MOSトランジスタのゲートには、インバータ40によって、イコライズ信号33の反転論理信号が供給されている。
なお、上記では、デコーダ線6間を導通させるため、トランスファーゲートを使用したが、イコライズ信号がHレベルになったときに、オンするスイッチであってもよい。
また、イコライズ及びフローティング回路56を構成するフローティング回路はトランスファーゲート44、45、46、47、及び、インバータ40から構成されている。そして、フローティング回路は、イコライズ信号56を受けると、トランスファーゲート41、42、及び、43が非導通となり、デコーダ群35のデコーダから出力されるデコード線30を、そのデコーダから切り離して、フローティングにする回路である。
ここで、トランスファーゲート44、45、46、及び、47はP型MOSトランジスタとN型MOSトランジスタが並列に接続されたものである。そして、トランスファーゲート44、45、46、及び、47のP型MOSトランジスタのゲートには、イコライズ信号33が供給されている。一方、トランスファーゲート44、45、46、及び、47のN型MOSトランジスタのゲートには、インバータ40によって、イコライズ信号33の反転論理信号が供給されている。
なお、上記では、デコーダとデコーダ線6間を導通させるため、トランスファーゲートを使用したが、イコライズ信号がLレベルになったときに、オンするスイッチであってもよい。
そして、インバータ48、49、50、51、52、53、54、及び、55はデコード線6を駆動するデコーダ群35を構成するインバータである。
図4A及び図4Bは、図3に示すイコライズ及びフローティング回路56を使用しなかった場合、デコーダ線6及びワード線に伝わる信号線の波形を示す。また、上記の信号線が上記のような波形を示す場合の消費電流について示す図である。
そして、図4A及び図4Bは、デコーダ群P0の0番デコーダ線の信号60、デコーダ群P1の0番デコーダ線の信号61、デコーダ群P1の1番デコーダ線の信号62、デコーダ群P2の0番デコーダ線の信号63、デコーダ群P2の1番デコーダ線の信号64、0番ワード線65、1番ワード線66、及び、消費電流67を示す。
図4Aは、デコーダ群が発生する信号のすべてがパルス信号であることを示す。そして、
デコーダ群P0の0番デコーダ線の信号60、デコーダ群P1の0番デコーダ線の信号61、及び、デコーダ群P2の0番デコーダ線の信号63が、時刻t1から論理レベルがグランドレベルからHレベルに変化し、時刻t2に論理レベルがHレベルからグランドレベルに変化する、パルス信号であることを示す。その結果、ワードドライバ回路が、0番ワード線65に、時刻t1から論理レベルがグランドレベルからHレベルに変化し、時刻t2に論理レベルがHレベルからグランドレベルに変化するパルス信号を、発生することを示す。
ここで、グランドレベルは、L論理として認識されるが、グランドレベルの電位は接地電位である。一方、後に示すLレベルは、L論理として認識されるが、Lレベルの電位は高電位電源の電位をデコーダ線の本数nで除した電位である。さらに、Hレベルは、H論理として認識されるが、Hレベルの電位は高電位電源の電位である。
なお、上記のデコーダ線の信号のすべてがパルス信号である場合には、ワードドライバ2において、パルスが重なった場合のみ、ワード線が立ち上がるため、デコーダ線の信号のパルス幅を確保しさえすれば、デコーダ線の信号間のマージンをとる必要がない。そうすると、デコーダ線の信号をパルス信号とする場合には、ワード線を立ち上げる周期を短くすることができるため、デコーダの高速な動作が可能である。
ここで、デコーダ線において論理レベルがHレベルからグランドレベルに変化したことによる、ロウデコーダ回路の消費電流を「1」とする。そうすると、図4Aは、時刻t1において、3本のデコーダ線の信号が変化しているため、ロウデコーダ回路が消費する消費電流67は「3」であることを示す。また、図4Aは、時刻t2において、3本のデコーダ線の信号が変化しているため、ロウデコーダ回路が消費する消費電流67は「3」であることを示す。従って、時刻t1から時刻t2間にロウデコーダ回路が消費する消費電流は「6」である。
図4Bは、デコーダ群P0が発生する信号はパルス信号であるが、その他のデコーダ群が発生する信号はデータ型信号であることを示す。そして、デコーダ群P0の0番デコーダ線の信号60が、時刻t1から論理レベルがグランドレベルからHレベルに変化し、時刻t2に論理レベルがHレベルからグランドレベルに変化する、パルス信号であることを示す。また、デコーダ群P1の0番デコード線の信号61、及び、デコーダ群P2の0番デコーダ線の信号63は、時刻t0に、論理レベルがグランドレベルからHレベルに変化するデータ信号であることを示す。さらに、デコーダ群P1の1番デコーダ線の信号62、及び、デコーダ群P2の1番デコーダ線の信号64は、時刻t0に、論理レベルがHレベルからグランドレベルに変化するデータ信号であることを示す。その結果、ワードドライバ回路は、0番目のワード線65に、時刻t1に、論理レベルがグランドレベルからHレベルに変化し、時刻t2に論理レベルがHレベルからグランドレベルに変化するパルス信号を、発生することを示す。
なお、上記のようにデコーダ群P0が発生する信号はパルス信号であり、その他のデコーダ線の信号がデータ型信号である場合には、ワードドライバ2にデコーダ群P0が発生するパルスが到達するときに、他のデコーダ線の信号の論理が決定されていなければならない。そうすると、所定のワード線が立ち上がるためには、デコーダ群P0のデコーダ線の信号と、他のデコーダ線の信号との間にマージンをとる必要がある。従って、デコーダ線の信号の一つをパルス信号とし、他のデコーダ線の信号をデータ型信号とするときには、ワード線を立ち上げる周期を短くすることは容易ではない。従って、デコーダの高速な動作は容易ではない。
ここで、図4Bは、時刻t0から時刻t1において、5本のデコーダ線の信号が変化しているため、ロウデコーダ回路が消費する消費電流67は「5」であることを示す。また、図4Bは、時刻t2において、1本のデコーダ線の信号が変化しているため、ロウデコーダ回路が消費する消費電流67は「1」であることを示す。従って、時刻t0から時刻t2間にロウデコーダ回路が消費する消費電流は「6」である。
図5A及び図5Bは、図3に示すイコライズ及びフローティング回路56を使用した場合、デコーダ線30及びワード線に伝わる信号線の波形を示す。また、上記の信号線が上記のような波形を示す場合の消費電流について示す図である。
そして、図5A及び図5Bは、デコーダ群P0の0番デコーダ線の信号70、デコーダ群P1の0番デコーダ線の信号71、デコーダ群P1の1番デコーダ線の信号72、デコーダ群P2の0番デコーダ線の信号73、デコーダ群P2の1番デコーダ線の信号74、イコライズ信号75、0番ワード線76、1番ワード線77、及び、消費電流78を示す。
図5Aは、0番ワード線76が各デコード群のデコーダ線によって、選択されることを示す。
イコライズ信号75はパルス幅twを有し、時刻t2に入力される信号である。
すべてのデコーダ群のデコーダ線の信号はパルス信号である。すなわち、デコーダ群P0の0番デコーダ線の信号70は、時刻t1において、グランドレベルからHレベルに変化し、時刻t2において、Hレベルからグランドレベルに変化する信号である。また、デコーダ群P1の0番デコーダ線の信号71、及び、デコーダ群P2の0番デコーダ線の信号73は、時刻t1において、グランドレベルからHレベルに変化する信号であり、時刻t2において、HレベルからLレベルに変化する信号である。
なお、デコーダ群P0に属するデコーダは、パルス信号を発生する。一方、デコーダ群P1のデコーダ、及び、デコーダ群P2のデコーダはデータ型信号を発生する。しかし、上記のようにデコーダ線の信号がパルス信号となるのは、デコーダ群P0がワードドライバに対してパルス信号を出力した後、イコライズ回路とフローティング回路56を使用すると、デコーダ群P1のデコーダ線、及び、デコーダ群P2のデコーダ線の電圧が平均化(イコライズ)するためである。
ここで、上記のLレベルは、Hレベルの電圧をnで除した電圧となる。なぜなら、イコライズ信号75が入力されることにより、イコライズ回路とフローティング回路が動作すると、フローティング回路が各デコーダからデコーダ線をフローティング状態とするとともに、同一デコーダ群に属するn本のデコーダ線間がイコライズされる。同一のデコーダ群に属するn本のデコーダ線うち、Hレベルの電圧を有していた一本のデコーダ線に属する電荷がn本のデコーダ線で共有されることになるため、すべてのデコーダ線の電圧はHレベルの電圧をnで除した電圧となる。
その結果、各デコーダ群のデコーダ線によって選択された0番ワード線76の論理レベルは、時刻t1においてグランドレベルからHレベルに変化し、時刻t2においてHレベルからグランドレベルに変化する。
さらに、図5Aは、時刻t1において、3本のデコーダ線の信号が変化しているため、ロウデコーダ回路が消費する消費電流78は「3」であることを示す。
一方、図5Aは、時刻t2において、ロウデコーダ回路が消費する消費電流78は「1」であることを示す。デコーダ群P0の0番デコーダ線の信号70の論理レベルを、Hレベルからグランドレベルに変化させるために、ロウデコーダ回路は電流を消費するためである。なお、その他のデコーダ群のデコーダ線の論理レベルがLレベルとなるのは、イコライズによってなされるため、そのことによって、ロウデコーダ回路は電流を消費しない。
図5Bは、1番ワード線77が各デコード群のデコーダ線によって、選択されることを示す。
イコライズ信号75は図5Aのイコライズ信号75と同様である。
すべてのデコーダ群のデコーダ線の信号はパルス信号である。すなわち、デコーダ群P0の0番デコーダ線の信号70は、時刻t1において、グランドレベルからHレベルに変化し、時刻t2において、Hレベルからグランドレベルに変化する信号である。
また、デコーダ群P1の0番デコーダ線の信号71は、時刻t1において、Lレベルからグランドレベルに変化し、時刻t2において、グランドレベルからLレベルに変化する信号である。デコーダ群P1の1番デコーダ線の信号72は、時刻t1において、LレベルからHレベルに変化し、時刻t2において、HレベルからLレベルに変化する信号である。デコーダ群P2の0番デコーダ線の信号73は、時刻t1において、Lレベルからグランドレベルに変化する信号であり、時刻t2において、グランドレベルからLレベルに変化する信号である。デコーダ群P2の1番デコーダ線の信号74は、時刻t1において、LレベルからHレベルに変化し、時刻t2において、HレベルからLレベルに変化する信号である。
なお、デコーダ群P0に属するデコーダは、パルス信号を発生する。一方、デコーダ群P1のデコーダ、及び、デコーダ群P2のデコーダはデータ型信号を発生する。しかし、すべてのデコーダ群のデコーダ線の信号はパルス信号となるのは、図5Aと同様な理由による。
ここで、上記のLレベルは、Hレベルの電圧をnで除した電圧である点も同様である。
その結果、各デコーダ群のデコーダ線によって選択された1番ワード線77の論理レベルは、時刻t1においてグランドレベルからHレベルに変化し、時刻t2においてHレベルからグランドレベルに変化する。
さらに、図5Bにおいて、時刻t1において、ロウデコーダ回路が消費する消費電流78は(5−4/N)であることを示す。消費電流78が(5−4/N)になるのは、以下の理由による。まず、デコーダ群P0において、デコーダ線の内の一本の信号をグランドレベルからHレベルに変化させるため、ロウデコーダ回路の消費電流は「1」である。次に、デコーダ群P1において、デコーダ線の内の一本の信号を、Hレベルの電圧をn等分した電圧に等しいLレベルからHレベルするため、ロウデコーダ回路の消費電流は「1−1/n」である。また、デコーダ群P1において、残りの(n−1)本の信号をLレベルからグランドレベルにするため、残りのロウデコーダ回路の消費電流は「(n−1)/n」である。そして、デコーダ群P2において、上記と同様に計算すると、ロウデコーダ回路の消費電流は、「1−1/n」と「(n−1)/n」とが加算されたものとなる。従って、デコーダ群P0、デコーダ群P1、及び、デコーダ群P2において、ロウデコーダ回路が消費する電流は、5−4/Nとなる。
加えて、図5Bは、時刻t2において、ロウデコーダ回路が消費する消費電流78は「1」であることを示す。デコーダ群P0の0番デコーダ線の信号70の論理レベルを、Hレベルからグランドレベルに変化させるために、ロウデコーダ回路は電流を消費するためである。なお、その他のデコーダ群のデコーダ線の論理レベルがLレベルとなるのは、イコライズによってなされるため、そのことによって、ロウデコーダ回路は電流を消費しない。 従って、時刻t1から時刻t2の間において、ロウデコーダ回路が消費する消費電流は「6−4/n」となる。
ところで、図5Bにおいて、デコーダ群35とデコーダ群36に接続するデコーダ線の信号の論理振幅は、時刻t1においては、LレベルとHレベルであることから、論理振幅は小さくなっている。そうすると、デコーダ群34に接続するデコーダ線の信号のパルス中に占める、信号立ち上げ期間を短くすることができる。従って、同一デコーダ線上のパルス間隔を短くできる。その結果、ワード線を立ち上げる周期を短くすることができるため、デコーダの高速な動作が可能である。
以上より、図5A及び図5Bで説明したように、イコライズ及びフローティング回路を使用する半導体回路には以下の効果がある。
(1)図4A及び図4Bで説明した、イコライズ及びフローティング回路を使用しなった場合に、ロウデコーダ回路が消費する消費電流が「6」であったことを考慮すると、イコライズ及びフローティング回路を使用した場合には、ロウデコーダ回路が消費する消費電流を低減することができる。
(2)図4Aで説明したデコーダ線の信号の論理振幅は、グランドレベルとHレベルの間であるため、論理振幅は大きい。そうすると、イコライズ及びフローティング回路を使用しなった場合に、同一のデコーダ線においてパルス信号の間隔を短くすることが容易ではない。一方、図5Bで説明したデコーダ線の論理振幅は小さいため、イコライズ及びフローティング回路を使用した場合は、同一のデコーダ線においてパルス信号の間隔を短くすることが容易である。そうすると、イコライズ及びフローティング回路を使用した場合は、デコーダの高速な動作が可能である。
以下に本発明の特徴を付記する。
(付記1)
メモリセルと、
前記メモリセルに接続するワード線と、
前記ワード線を駆動するワードドライバ回路と、
前記ワードドライバ回路を選択するためのデコード信号を出力する複数のデコーダ回路からなるデコーダ回路群と、
前記デコーダ回路と前記ワードドライバ回路を接続するデコーダ線と、
前記デコーダ線を前記デコーダ回路と非導通電状態にするとともに、前記デコーダ回路群に属する前記デコーダ回路に接続する前記デコーダ線同士をイコライズするイコライズ回路と、を備えることを特徴とする半導体記憶装置。
(付記2)
メモリセルと、
前記メモリセルに接続するワード線と、
前記ワード線を駆動するワードドライバ回路と、
前記ワードドライバ回路を選択するための第1デコード信号を出力する複数の第1デコーダ回路からなる第1デコーダ回路群と、
前記ワードドライバ回路を選択するための第2デコード信号を出力する複数の第2デコーダ回路からなる第2デコーダ回路群と、
前記第1デコーダ回路と前記ワードドライバ回路を接続する第1デコーダ線と、
前記第2デコーダ回路と前記ワードドライバ回路を接続する第2デコーダ線と、
前記第2デコーダ線を前記第2デコーダ回路と非導通電状態にするとともに、前記第2デコーダ回路群に属する前記第2デコーダ回路に接続する前記第2デコーダ線同士をイコライズするイコライズ回路と、を備えることを特徴とする半導体記憶装置。
(付記3)
前記第1デコード信号はパルス信号であることを特徴とする付記2に記載した半導体装置。
(付記4)
前記第1デコード信号が前記ワードドライバ回路に出力された後に、前記イコライズ回路が動作して、前記第2デコーダ線のイコライズがされることを特徴とする付記3に記載した半導体記憶装置。
(付記5)
接地電位を有する接地電位電源と、
高電位を有する高電位電源と、を備え、
前記第1デコード信号は、L論理状態の時は、前記接地電位であり、H論理状態の時は前記高電位あり、
前記第2デコード信号は、L論理状態の時は、前記接地電位又は前記高電位を前記第2デコーダ線の個数で除した電位であり、H論理状態の時は、前記高電位であることを特徴とする付記4に記載した半導体記憶装置。
(付記6)
前記第1デコーダ回路群は、外部からのアドレス信号によって活性化した前記複数の第1デコーダ回路の内の一つから前記第1デコーダ線に前記第1デコード信号を出力し、
前記第2デコーダ回路群は、外部からのアドレス信号によって活性化した前記複数の第2デコーダ回路の内の一つから前記第2デコーダ線に前記第2デコード信号を出力することを特徴とする付記5に記載した半導体記憶装置。
(付記7)
前記ワードドライバ回路は、ワード線を活性化する活性化信号を出力する活性化信号出力部を備え、
前記活性化信号出力部は、前記第1デコーダ線と、前記第2デコーダ線とが接続され、
同時に、前記第1デコード信号と、前記第2デコード信号とがH論理状態の時に、前記ワード線を活性化する活性化信号を出力することを特徴とする付記6に記載した半導体記憶装置。
(付記8)
前記第1デコーダ群、前記第2デコーダ群、及び、前記イコライズ回路に制御信号を出力するコントロール回路を備え、
前記コントロール回路は外部からのクロック信号に応じて前記制御信号を出力し、
前記第1デコーダ回路は前記制御信号に応じて前記第1デコード信号を出力し、
前記第2デコーダ回路は前記制御信号に応じて前記第2デコード信号を出力し、
前記イコライズ回路は前記制御信号に応じて前記第2デコーダ線を前記第2デコーダ回路と非導通電状態にするとともに、前記第2デコーダ回路群に属する前記第2デコーダ回路に接続する前記第2デコーダ線同士をイコライズする付記2に記載した半導体記憶装置。
(付記9)
前記セルアレイから読み出されたデータを外部に出力する出力回路を備え、
前記出力回路は、前記制御信号に応じて、前記データを出力することを特徴とする付記2に記載した半導体記憶装置。
(付記10)
前記イコライズ回路は、
前記第2デコーダ線を前記第2デコーダ回路と非導通電状態にするフローティング回路と、
前記第2デコーダ線同士をイコライズするショート回路と、を備えることを特徴とする付記2から付記9の内の一に記載された半導体記憶装置。
(付記11)
前記フローティング回路は、一方の端子が前記第2デコーダ回路の出力と接続し、他方の端子が前記第2デコーダ線に接続されており、P型MOSトランジスタと、N型MOSトランジスタからなるトランスファーゲートであり、
前記ショート回路は、一方の端子が一の前記第2デコーダ線と接続し、他方の端子が他の前記第2デコーダ線に接続されており、P型MOSトランジスタと、N型MOSトランジスタからなるトランスファーゲートであることを特徴とする付記10に記載された半導体記憶装置。
本願発明は低消費電流を実現した半導体記憶装置を提供できる。
図1は、実施例1の半導体記憶装置を示した図である。 図2は実施例1の半導体記憶装置のロウデコーダ回路7及びワードドライバ2の詳細を示す図である。 図3は、ロウデコーダ回路7のデコーダ群35に接続されているイコライズ及びフローティング回路56を示す図である。 図4A及び図4Bは、図3に示すイコライズ及びフローティング回路56を使用しなかった場合、デコーダ線6及びワード線に伝わる信号線の波形を示す。 図5A及び図5Bは、図3に示すイコライズ回路とフローティング回路を使用した場合、デコーダ線30及びワード線に伝わる信号線の波形を示す。
符号の説明
1 メモリセルアレイ
2 ワードドライバ
3 ワード線
4 メモリセル
5 ビット線
6 デコーダ線
7 ロウデコーダ回路
8 コントロール信号
9 コントロール回路
10 アドレス信号線
11 クロック信号
12 データ線
12 出力回路
14 データ出力線
21、22 P型MOSトランジスタ
23、24、25 インバータ
26、27、28 N型MOSトランジスタ
32 イコライズ及びフローティング回路
33 イコライズ信号
34、35、36 デコーダ群
41、42、43、44、45、46、47 トランスファーゲート
40、48、49、50、51、52、53、54、55 インバータ
56 イコライズ及びフローティング回路
60、70 デコーダ群P0の0番デコーダ線の信号
61、71 デコーダ群P1の0番デコーダ線の信号
62、72 デコーダ群P1の1番デコーダ線の信号
63、73 デコーダ群P2の0番デコーダ線の信号
64、74 デコーダ群P2の1番デコーダ線の信号
65、76 0番ワード線
66、77 1番ワード線
67、78 消費電流
75 イコライズ信号

Claims (8)

  1. メモリセルと、
    前記メモリセルに接続するワード線と、
    前記ワード線を駆動するワードドライバ回路と、
    前記ワードドライバ回路を選択するためのデコード信号を出力する複数のデコーダ回路からなるデコーダ回路群と、
    前記デコーダ回路と前記ワードドライバ回路を接続するデコーダ線と、
    前記デコーダ線を前記デコーダ回路と非導通電状態にするとともに、前記デコーダ回路群に属する前記デコーダ回路に対応する前記ワードドライバ回路の前記デコーダ線同士をイコライズするイコライズ回路と、
    を備えることを特徴とする半導体記憶装置。
  2. メモリセルと、
    前記メモリセルに接続するワード線と、
    前記ワード線を駆動するワードドライバ回路と、
    前記ワードドライバ回路を選択するための第1デコード信号を出力する複数の第1デコーダ回路からなる第1デコーダ回路群と、
    前記ワードドライバ回路を選択するための第2デコード信号を出力する複数の第2デコーダ回路からなる第2デコーダ回路群と、
    前記第1デコーダ回路と前記ワードドライバ回路を接続する第1デコーダ線と、
    前記第2デコーダ回路と前記ワードドライバ回路を接続する第2デコーダ線と、
    前記第2デコーダ線を前記第2デコーダ回路と非導通電状態にするとともに、前記第2デコーダ回路群に属する前記第2デコーダ回路に対応する前記ワードドライバ回路の前記第2デコーダ線同士をイコライズするイコライズ回路と、
    を備えることを特徴とする半導体記憶装置。
  3. 前記第1デコード信号はパルス信号であることを特徴とする請求項2に記載した半導体装置。
  4. 前記第1デコード信号が前記ワードドライバ回路に出力された後に、前記イコライズ回路が動作して、前記第2デコーダ線のイコライズがされることを特徴とする請求項3に記載した半導体記憶装置。
  5. 接地電位を有する接地電位電源と、
    高電位を有する高電位電源と、を備え、
    前記第1デコード信号は、L論理状態の時は、前記接地電位であり、H論理状態の時は前記高電位あり、
    前記第2デコード信号は、L論理状態の時は、前記接地電位又は前記高電位を前記第2デコーダ回路の個数で除した電位であり、H論理状態の時は、前記高電位であることを特徴とする請求項4に記載した半導体記憶装置。
  6. 前記第1デコーダ回路群は、外部からのアドレス信号によって活性化した前記複数の第1デコーダ回路の内の一つから前記第1デコーダ線に前記第1デコード信号を出力し、
    前記第2デコーダ回路群は、外部からのアドレス信号によって活性化した前記複数の第2デコーダ回路の内の一つから前記第2デコーダ線に前記第2デコード信号を出力することを特徴とする請求項5に記載した半導体記憶装置。
  7. 前記ワードドライバ回路は、ワード線を活性化する活性化信号を出力する活性化信号出力部を備え、
    前記活性化信号出力部は、前記第1デコーダ線と、前記第2デコーダ線とが接続され、
    同時に、前記第1デコード信号と、前記第2デコード信号とがH論理状態の時に、前記ワード線を活性化する活性化信号を出力することを特徴とする請求項6に記載した半導体記憶装置。
  8. 前記第1デコーダ群、前記第2デコーダ群、及び、前記イコライズ回路に制御信号を出力するコントロール回路を備え、
    前記コントロール回路は外部からのクロック信号に応じて前記制御信号を出力し、
    前記第1デコーダ回路は前記制御信号に応じて前記第1デコーダ信号を出力し、
    前記第2デコーダ回路は前記制御信号に応じて前記第2デコーダ信号を出力し、
    前記イコライズ回路は前記第2デコーダ線を前記第2デコーダ回路と非導通電状態にするとともに、前記第2デコーダ回路群に属する前記第2デコーダ回路に対応する前記ワードドライバ回路の前記第2デコーダ線同士をイコライズすることを特徴とする請求項2に記載した半導体記憶装置。
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