JP4978094B2 - 出力バッファ回路 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置の出力バッファ回路に係り、詳しくはスリーステート型の出力バッファ回路に関するものである。近年の半導体装置では、低消費電力化を図るため、内部回路は半導体装置外部の信号レベルに比べて低いレベルの信号を扱うように構成されている。すなわち、内部回路の動作電源電圧は、半導体装置外部の信号レベルに比べて低く設定されている。このため、半導体装置では、内部回路の信号レベルを外部の信号レベルに変換するレベルコンバータを有する出力バッファ回路が備えられている。
2種類の電源電圧で動作する従来の半導体装置の出力バッファ回路100を図12に従って説明する。
出力バッファ回路100は、半導体装置の内部回路(図示略)からデータ入力信号Aと、制御入力信号Cとが入力され、それら入力信号A,Cに基づいて、Hレベル、Lレベル及びハイインピーダンスの3値を出力するスリーステート型で構成されている。
この出力バッファ回路100は、大きく分けて、入力信号A,Cの信号レベルを変換して出力するレベルコンバータ部110と、レベルコンバータ部110から入力される信号に基づいて出力信号OUTを外部出力端子EXに出力する出力回路130とから構成されている。
レベルコンバータ部110は、第1レベルコンバータ110aと第2レベルコンバータ110bとから構成されている。第1レベルコンバータ110aには、半導体チップコア側の電源電位VDLで動作するコア回路からデータ入力信号Aが入力されるとともに、データ入力信号Aの反転信号Aバーが入力される。これら信号A,Aバーは、一方がグランドレベル(Lレベル)、他方が半導体チップコア側の電源電位VDL(Hレベル)となる信号である。第1レベルコンバータ110aは、グランドレベルから半導体チップコア側の電源電位VDLまでの振幅を有する信号A,Aバーを、グランドレベルから外部出力インターフェース電源電位VDHまでの振幅にレベル変換して信号Bとして出力回路130に出力する。
詳しくは、データ入力信号AがHレベル、反転信号AバーがLレベルとなれば、トランジスタTN11がオフされるとともに、トランジスタTN12がオンされる。トランジスタTN12がオンされると、トランジスタTP11は、そのゲートがグランドと接続されるためオンされる。トランジスタTP11がオンされると、トランジスタTP12は、そのゲートが外部出力インターフェース電源電位と接続されるためオフされる。このとき、トランジスタTN11,TP11間のノードN11の電位は外部出力インターフェース電源電位VDHレベルとなり、ノードN11から出力回路130に外部出力インターフェース電源電位VDHレベル(Hレベル)の信号Bが出力される。
反対に、データ入力信号AがLレベル、反転信号AバーがHレベルとなれば、トランジスタTN11がオンされるとともに、トランジスタTN12がオフされる。トランジスタTN11がオンされると、トランジスタTP12は、そのゲートがグランドに接続されるためオンされる。トランジスタTP12がオンされると、トランジスタTP11は、そのゲートが外部出力インターフェース電源電位VDHと接続されるためオフされる。このとき、ノードN11の電位はグランドレベルとなり、ノードN11から出力回路130にグランドレベル(Lレベル)の信号Bが出力される。
同様に、第2レベルコンバータ110bには、内部回路から制御入力信号Cとその反転信号Cバーが入力される。第2レベルコンバータ110bは、グランドレベルから半導体チップコア側の電源電位VDLまでの振幅を有する信号C,Cバーを、グランドレベルから外部出力インターフェース電源電位VDHまでの振幅にレベル変換して信号Dとして出力回路130に出力する。
出力回路130は、論理制御回路140と最終段バッファ150とから構成されている。論理制御回路140は、レベルコンバータ部110から入力される信号B,Dに基づいて、最終段バッファ150のトランジスタTP50,TN50に外部出力インターフェース電源電位VDHレベルあるいはグランドレベルの信号E,Fをそれぞれ出力する。
詳しくは、信号Dが外部出力インターフェース電源電位VDHレベル(制御入力信号Cが半導体チップコア側の電源電位VDLレベル)の場合には、信号BがHレベルであろうとLレベルであろうと、トランジスタTP50にHレベル(外部出力インターフェース電源電位VDHレベル)の信号Eが入力され、トランジスタTN50にLレベル(グランドレベル)の信号Fが入力される。このとき、両トランジスタTP50,TN50が共にオフされるため、トランジスタTP50,TN50間のノードN50はハイインピーダンスに設定される。
一方、信号Dがグランドレベル(制御入力信号Cがグランドレベル)であって、信号Bが外部出力インターフェース電源電位VDHレベル(データ入力信号Aが半導体チップコア側の電源電位VDLレベル)の場合には、トランジスタTP50にLレベルの信号Eが入力され、トランジスタTN50にLレベルの信号Fが入力される。このとき、トランジスタTP50がオンされ、トランジスタTN50がオフされるため、ノードN50から外部出力インターフェース電源電位VDH(Hレベル)の出力信号OUTが外部出力端子EXに出力される。
また、信号Dがグランドレベルであって、信号Bがグランドレベル(データ入力信号Aがグランドレベル)の場合には、トランジスタTP50にHレベルの信号Eが入力され、トランジスタTN50にHレベルの信号Fが入力される。このとき、トランジスタTP50がオフされ、トランジスタTN50がオンされるため、ノードN50からはグランドレベル(Lレベル)の出力信号OUTが外部出力端子EXに出力される。
なお、このようなスリーステート型の出力バッファ回路としては、例えば特許文献1が知られている。
特開平10−285013号公報
ところが、このような出力バッファ回路100では、各レベルコンバータ110a,110b内の寄生容量が異なると、電源立ち上げ時に、第1レベルコンバータ110aから出力される信号Bと、第2レベルコンバータ110bから出力される信号Dとの間に、信号遅延Skew(図13(b)参照)が発生する。とくに、第1レベルコンバータ110aの寄生容量が第2レベルコンバータ110bのそれに比べて大きくなると、図13(b)に示すように、信号Dに対して信号Bが遅延する。ここで、このような寄生容量の大きさは、各レベルコンバータ110a,110bを構成するトランジスタ等の素子の配置位置によって変わる配線長や上層レイヤの電源配線の種類に依存して変動する。そして、上記信号遅延Skewによって、出力信号OUTとして図13(d)に示すような誤作動信号SHが発生することが本発明者らによって明らかにされた。
以下に、電源立ち上げ時に、Lレベルのデータ入力信号A及びLレベルの制御入力信号Cが入力された場合に発生する誤作動信号SHについて説明する。
図13(a)に示すように、電源立ち上げ時には、半導体チップコア側の電源電位VDL及び外部出力インターフェース電源電位VDHがそれぞれ所定の傾きで立ち上がる。また、Hレベルとなる反転信号Aバー,Cバーは、半導体チップコア側の電源電位VDLの立ち上がりレベルに追従して上昇する。このとき、反転信号Aバー,Cバーの信号レベルがそれぞれトランジスタTN11,TN21のしきい値を超えるまでは、図13(b)に示すように、各レベルコンバータ110a,110bから出力される信号B,Dの信号レベルが外部出力インターフェース電源電位VDHの立ち上がりに追従して上昇する。そして、反転信号Aバー,CバーがそれぞれトランジスタTN11,TN21のしきい値を超えると、同トランジスタTN11,TN21がオンされて、信号B,Dはグランドレベル(Lレベル)まで立ち下がる。しかし、前述のように、第1レベルコンバータ110aの寄生容量が第2レベルコンバータ110bのそれに比べて大きくなると、信号Dに対して信号Bが遅延して立ち下がる。この信号B,Dで発生した信号遅延Skewは、バッファ内レーシングによってその遅延を保持したまま、最終段バッファ150のトランジスタTP50,TN50に入力される。すると、図13(c)に示すように、トランジスタTP50,TN50に入力される信号E,Fが共にLレベルになるタイミングが生じる。これにより、PチャネルMOSトランジスタTP50がオンされて、NチャネルMOSトランジスタTN50がオフされるため、図13(d)に示すように、出力信号OUTとして外部出力インターフェース電源電位VDHの立ち上がりレベルに追従するHレベルの誤作動信号SHが一瞬発生し、電源立ち上げ初期動作状態における誤作動の原因となるおそれがある。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、電源立ち上げ時における誤作動信号の発生を抑制することのできる出力バッファ回路を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、グランド基準電位と半導体チップコア側の電源電位とを振幅範囲とするデータ入力半導体チップコア側の電源電位とグランド基準電位とを振幅範囲とするデータ入力信号に基づいて、前記半導体チップコア側の電源電位とは異なる電圧に設定された外部出力インターフェース電源電位と前記グランド基準電位とを振幅範囲とする第1信号を出力する第1レベルコンバータと、前記半導体チップコア側の電源電位と前記グランド基準電位とを振幅範囲とする制御入力信号に基づいて、前記外部出力インターフェース電源電位と前記グランド基準電位とを振幅範囲とする第2信号を出力する第2レベルコンバータと、前記第1信号と前記第2信号とに基づいて、前記グランド基準電位(ローレベル)、前記外部出力インターフェース電源電位(ハイレベル)及びハイインピーダンスの3値を出力信号として出力する出力回路とを備えた出力バッファ回路において、電源立ち上げ時において、前記第2信号に対する前記第1信号の立ち下がり遅延を補償するタイミング調整回路を備えたものである。
前述したように、第1信号及び第2信号は、データ入力信号及び制御入力信号に基づいて、共にグランド基準電位の信号レベルが出力される場合であっても、電源立ち上げ時においては外部出力インターフェース電源電位の立ち上がりレベルに追従してその信号レベルが上昇する。そして、第1信号及び第2信号は、所定時間経過後にグランド基準電位まで立ち下がる。ここで、所定時間は、第1及び第2レベルコンバータが安定して動作するまでの時間である。上記構成によれば、タイミング調整回路によって、このときの第2信号に対する第1信号の遅延の発生を抑制することができる。従って、グランド基準電位の第1及び第2信号が出力されるはずにも関わらず、外部出力インターフェース電源電位の第1信号とグランド基準電位の第2信号とが出力されることを抑制することができるため、第2信号に対する第1信号の遅延によって発生する可能性のある誤作動信号の発生を好適に抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、前記タイミング調整回路は、電源立ち上げ時における前記第1信号の立ち下がりを進相させるようにタイミングを調整する第1調整回路を含むものである。
この構成によれば、第1調整回路によって第1信号を速く立ち下げることができるため、第2信号に対する第1信号の遅延の発生を好適に抑制することができる。従って、第2信号に対する第1信号の遅延によって発生する可能性のある誤作動信号の発生を好適に抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、前記外部出力インターフェース電源電位は、前記半導体チップコア側の電源電位よりも高い電圧に設定され、前記第1調整回路は、電源立ち上げ時に、データ入力信号に基づいたハイレベルの信号が入力される第1レベルコンバータの入力側トランジスタのゲート端子と、前記第1信号が出力される第1レベルコンバータの出力端子との間に接続される容量素子を含むものである。
この構成によれば、電源立ち上げ時において、第2信号は、半導体チップコア側の電源電位よりも高い電圧に設定された外部出力インターフェース電源電位の立ち上がりレベルに追従してその信号レベルが上昇する。また、入力側トランジスタに入力されるHレベルの信号は、半導体チップコア側の電源電位の立ち上がりレベルに追従してその信号レベルが上昇する。従って、第2信号は、入力側トランジスタに入力されるHレベルの信号よりも速く信号レベルが上昇する。そして、容量素子によって、第2信号の信号レベルの変化を速やかにHレベルの信号の信号レベルに反映させることができる。これによって、Hレベルの信号は、その信号レベルが従来に比べて速やかに上昇するため、早期に入力側トランジスタをオンさせて、第1レベルコンバータを安定に動作させることができる。従って、各レベルコンバータの寄生容量の違いによって第1信号の伝達時間が長くなったとしても、第2信号に対する第1信号の遅延の発生を抑制することができる。その結果、第2信号に対する第1信号の遅延によって発生する可能性のある誤作動信号の発生を好適に抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、前記第1調整回路は、前記第1信号が出力される前記第1レベルコンバータの出力端子にゲートとドレインとが接続され、ソースが前記グランド基準電位側に接続される第1のNチャネルMOSトランジスタを含むものである。
この構成によれば、電源立ち上げ時において、外部出力インターフェース電源電位の立ち上がりレベルに追従する第1信号がしきい値に達することによって、第1のNチャネルMOSトランジスタがオンされる。これによって、第1レベルコンバータの出力端子がグランド基準電位と接続されるため、出力端子の電位、すなわち第1信号の信号レベルがグランド基準電位に引き下げられる。この第1信号の信号レベルの引き下げは、第1及び第2レベルコンバータの動作が安定する前に起こるため、第2信号よりも速く第1信号をグランド基準電位に立ち下げることができる。これによって、第2信号に対する第1信号の遅延の発生を抑制することができるため、第2信号に対する第1信号の遅延によって発生する可能性のある誤作動信号の発生を好適に抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、前記第1調整回路は、前記第1のNチャネルMOSトランジスタのソースと前記グランド基準電位との間に接続される高抵抗素子を含むものである。
この構成によれば、電源レベルが安定した状態での動作時に、Hレベルの第1信号が出力されても、高抵抗素子によって出力端子からグランド基準電位に向かう電流パスが発生することを好適に抑制することができる。
請求項6に記載の発明は、前記第1調整回路は、ゲートが前記第1レベルコンバータの出力端子に接続され、ドレインが前記第1のNチャネルMOSトランジスタのソースに接続され、ソースが前記低電位側電源に接続されて、高オン抵抗値を有する第2のNチャネルMOSトランジスタを含むものである。
この構成によれば、電源レベルが安定した状態での動作時に、Hレベルの第1信号が出力されても、第2のNチャネルMOSトランジスタによって出力端子からグランド基準電位に向かう電流パスが発生することを好適に抑制することができる。
請求項7に記載の発明は、前記タイミング調整回路は、電源立ち上げ時における前記第2信号の立ち下がりを遅相させるようにタイミングを調整する第2調整回路を含むものである。
この構成によれば、第2調整回路によって第2信号の立ち下がりを遅延させることができるため、第2信号に対する第1信号の遅延の発生を好適に抑制することができる。従って、第2信号に対する第1信号の遅延によって発生する可能性のある誤作動信号の発生を好適に抑制することができる。
請求項8に記載の発明は、前記第2信号を出力する前記第2レベルコンバータの出力端子は、出力回路のインバータ回路に接続され、前記第2調整回路は、前記インバータ回路と並列に接続される容量素子を含むものである。
この構成によれば、容量素子によって第2信号の立ち下がりを遅延させることができるため、第2信号に対する第1信号の遅延の発生を好適に抑制することができる。従って、第2信号に対する第1信号の遅延によって発生する可能性のある誤作動信号の発生を好適に抑制することができる。
請求項9に記載の発明は、前記第2調整回路は、前記第2レベルコンバータの出力端子と前記外部出力インターフェース電源電位との間に接続される容量素子を含むものである。
この構成によれば、容量素子によって第2信号の立ち下がりを遅延させることができるため、第2信号に対する第1信号の遅延の発生を好適に抑制することができる。従って、第2信号に対する第1信号の遅延によって発生する可能性のある誤作動信号の発生を好適に抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、電源立ち上げ時における誤作動信号の発生を抑制することが可能な出力バッファ回路を提供することができる。
(第一実施形態)
以下、本発明を具体化した第一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
図1に示すように、出力バッファ回路1は、大きく分けて、半導体装置の内部回路(図示略)から入力される入力信号の信号レベルを変換して出力するレベルコンバータ部10と、レベルコンバータ部10から入力される信号に基づいて出力信号OUTを外部出力端子EXに出力する出力回路30と、タイミング調整回路T1とから構成されている。
レベルコンバータ部10は、内部回路から入力されるデータ入力信号Aに基づいて、そのデータ入力信号Aをレベル変換して出力回路30に出力する第1レベルコンバータ10aと、内部回路から入力される制御入力信号Cに基づいて、その制御入力信号Cをレベル変換して出力回路30に出力する第2レベルコンバータ10bとから構成されている。
第1レベルコンバータ10aは、第1入力回路11と第1レベルコンバータ回路21とを備えている。第1入力回路11は、第1及び第2インバータ回路11a,11bから構成されている。各インバータ回路11a,11bの電源端子は、それぞれ半導体チップコア側の電源電位VDLとグランド基準電位に接続される。第1インバータ回路11aは、データ入力信号Aが入力され、そのデータ入力信号Aを論理反転し半導体チップコア側の電源電位VDL(Hレベル)又はグランドレベル(Lレベル)の信号AIを出力する。第2インバータ回路11bは、第1インバータ回路11aから信号AIが入力されて、その信号AIを論理反転し半導体チップコア側の電源電位VDL(Hレベル)又はグランドレベル(Lレベル)の信号ATを出力する。従って、第1入力回路11は、振幅がグランドレベルから半導体チップコア側の電源電位VDLまでの相補な信号AT,AIを出力する。
第1レベルコンバータ回路21には、信号AI及び信号ATが入力される。第1インバータ回路11aから出力される信号AIは、NチャネルMOSトランジスタTN11のゲートに供給され、第2インバータ回路11bから出力される信号ATは、NチャネルMOSトランジスタTN12のゲートに供給される。両トランジスタTN11,TN12のソースはグランドに接続される。
トランジスタTN11のドレインは、PチャネルMOSトランジスタTP11のドレインに接続され、トランジスタTN12のドレインは、PチャネルMOSトランジスタTP12のドレインに接続される。PチャネルMOSトランジスタTP11,TP12のソースは外部出力インターフェース電源電位VDHに接続される。
トランジスタTN11,TP11間のノードN11は、トランジスタTP12のゲートに接続され、トランジスタTN12,TP12間のノードN12は、トランジスタTP11のゲートに接続される。また、ノードN11は、出力回路30に接続され、このノードN11から外部出力インターフェース電源電位VDH(Hレベル)又はグランドレベル(Lレベル)の信号Bが出力回路30に出力される。すなわち、第1レベルコンバータ回路21は、グランドレベルから半導体チップコア側の電源電位VDLまでの振幅を有する相補な信号AT,AIを、グランドレベルから外部出力インターフェース電源電位VDHまでの振幅にレベル変換して、信号Bとして出力回路30に出力する。
第2レベルコンバータ10bは、第2入力回路12と第2レベルコンバータ回路22とを備えている。第2入力回路12は、第1及び第2インバータ回路12a,12bから構成されている。各インバータ回路12a,12bの電源端子は、それぞれ半導体チップコア側の電源電位VDLとグランド基準電位に接続されている。第1インバータ回路12aは、制御入力信号Cが入力され、その制御入力信号Cを論理反転し半導体チップコア側の電源電位VDL(Hレベル)又はグランドレベル(Lレベル)の信号CIを出力する。第2インバータ回路12bは、第1インバータ回路12aから信号CIが入力されて、その信号CIを論理反転し半導体チップコア側の電源電位VDL(Hレベル)又はグランドレベル(Lレベル)の信号CTを出力する。従って、第2入力回路12は、振幅がグランドレベルから半導体チップコア側の電源電位VDLまでの相補な信号CT,CIを出力する。
第2レベルコンバータ回路22には、信号CI及び信号CTが入力される。第1インバータ回路12aから出力される信号CIは、NチャネルMOSトランジスタTN21のゲートに供給され、第2インバータ回路12bから出力される信号CTは、NチャネルMOSトランジスタTN22のゲートに供給される。両トランジスタTN21,TN22のソースはグランドに接続される。
トランジスタTN21のドレインは、PチャネルMOSトランジスタTP21のドレインに接続され、トランジスタTN22のドレインは、PチャネルMOSトランジスタTP22のドレインに接続される。トランジスタTP21,TP22のソースは外部出力インターフェース電源電位VDHに接続される。
トランジスタTN21,TP21間のノードN21は、トランジスタTP22のゲートに接続され、トランジスタTN22,TP22間のノードN22は、トランジスタTP21のゲートに接続される。また、ノードN21は、出力回路30に接続され、このノードN21から外部出力インターフェース電源電位VDH(Hレベル)又はグランドレベル(Lレベル)の信号Dが出力回路30に出力される。すなわち、第2レベルコンバータ回路22は、グランドレベルから半導体チップコア側の電源電位VDLまでの振幅を有する相補な信号CT,CIを、グランドレベルから外部出力インターフェース電源電位VDHまでの振幅にレベル変換して、信号Dとして出力回路30に出力する。
タイミング調整回路T1は、第1レベルコンバータ回路21のトランジスタTN11のゲート端子と、出力回路30に接続される第1レベルコンバータ回路21における出力端子との間に接続されるコンデンサC1によって構成されている。なお、タイミング調整回路T1とトランジスタTN11のゲート端子との接続点をノードN13とし、タイミング調整回路T1と第1レベルコンバータ回路21の出力端子との接続点をノードN14とする。このタイミング調整回路T1は、電源立ち上げ時において、第2レベルコンバータ10bから出力される信号Dに対する第1レベルコンバータ10aから出力される信号Bの信号遅延Skewの発生を抑制するように機能する。
出力回路30は、論理制御回路40及び最終段バッファ50から構成されている。論理制御回路40は、5つのインバータ回路41,42,43,44,45と、それらインバータ回路41〜45とそれぞれ接続されるNOR回路46及びNAND回路47とを備えている。なお、図示は省略するが、インバータ回路41〜45の電源端子は、それぞれ外部出力インターフェース電源電位VDHとグランド基準電位とに接続される。
インバータ回路41は、第1レベルコンバータ10aから信号Bが入力され、その信号Bを論理反転して、論理反転された信号BIをNOR回路46の入力端子に出力するとともに、信号BIをNAND回路47の入力端子に出力する。インバータ回路42は、第2レベルコンバータ10bから信号Dが入力され、その信号Dを論理反転して、論理反転された信号DIをインバータ回路43に出力するとともに、信号DIをNAND回路47の入力端子に出力する。インバータ回路43は、インバータ回路42から信号DIが入力され、その信号DIを論理反転して信号Dと同等の信号レベルを有する信号DTをNOR回路46の入力端子に出力する。
NOR回路46は、入力端子に入力される信号BI及び信号DTに基づいて、信号Eをインバータ回路44に出力する。インバータ回路44は、NOR回路46から信号Eが入力され、その信号Eを論理反転して反転信号Eバーを最終段バッファ50に出力する。
NAND回路47は、入力端子に入力される信号BI及び信号DIに基づいて、信号Fをインバータ回路45に出力する。インバータ回路45は、NAND回路47から信号Fが入力され、その信号Fを論理反転して反転信号Fバーを最終段バッファ50に出力する。
最終段バッファ50は、PチャネルMOSトランジスタTP50とNチャネルMOSトランジスタTN50とを備えている。インバータ回路44から入力される反転信号Eバーは、PチャネルMOSトランジスタTP50のゲートに供給され、インバータ回路45から出力される反転信号Fバーは、NチャネルMOSトランジスタTN50のゲートに供給される。トランジスタTP50は、そのソースが外部出力インターフェース電源電位VDHに接続され、ドレインがトランジスタTN50のドレインに接続される。トランジスタTN50のソースはグランドに接続される。
トランジスタTP50.TN50間のノードN50は、外部出力端子EXと接続され、このノードN50から出力信号OUTが出力される。
次に、このように構成された出力バッファ回路1の各電源の電圧レベルが安定した状態における動作について図2に従って説明する。
まず、Lレベルのデータ入力信号A及びLレベルの制御入力信号Cが入力される場合について説明する。
Lレベルのデータ入力信号が入力されると、信号AIがHレベル、信号ATがLレベルとなり、トランジスタTN11がオンされるとともに、トランジスタTN12がオフされる。トランジスタTN11がオンされると、トランジスタTP12は、そのゲートがグランドと接続されるためオンされる。トランジスタTP12がオンされると、トランジスタTP11は、そのゲートが外部出力インターフェース電源電位VDHと接続されるためオフされる。このとき、トランジスタTN11,TP11間のノードN11の電位がグランドレベルとなり、ノードN11からグランドレベル(Lレベル)の信号Bがインバータ回路41に出力される。
一方、Lレベルの制御入力信号Cが入力されると、信号CIがHレベル、信号CTがLレベルとなり、トランジスタTN21がオンされるとともに、トランジスタTN22がオフされる。トランジスタTN21がオンされると、トランジスタTP22は、そのゲートがグランドと接続されるためオンされる。トランジスタTP22がオンされると、トランジスタTP21は、そのゲートが外部出力インターフェース電源電位VDHと接続されるためオフされる。このとき、トランジスタTN11,TP11間のノードN21の電位がグランドレベルとなり、ノードN21からグランドレベル(Lレベル)の信号Dがインバータ回路42に出力される。
インバータ回路41にLレベルの信号B、インバータ回路42にLレベルの信号Dが入力されると、NOR回路46には、Hレベルの信号BIとLレベルの信号DTとが入力されるとともに、NAND回路47には、Hレベルの信号BIとHレベルの信号DIとが入力される。すると、NOR回路46からインバータ回路44にLレベルの信号Eが出力され、インバータ回路44からPチャネルMOSトランジスタTP50にHレベルの信号Eバーが出力される。また、NAND回路47からインバータ回路45にLレベルの信号Fが出力され、インバータ回路45からNチャネルMOSトランジスタTN50にHレベルの信号Fバーが出力される。
そして、Hレベルの信号Eバーに応答してPチャネルMOSトランジスタTP50がオフされ、Hレベルの信号Fバーに応答してNチャネルMOSトランジスタTN50がオンされる。これによって、トランジスタTP50,TN50間のノードN50の電位がグランドレベル(Lレベル)となり、ノードN50からLレベルの出力信号OUTが外部出力端子EXに出力される。
次に、時刻t1からデータ入力信号AがLレベルからHレベルに立ち上がると、信号AIがLレベル、信号ATがHレベルとなり、トランジスタTN11がオフされるとともに、トランジスタTN12がオンされる。すると、トランジスタTP11がオンされ、トランジスタTP12がオフされる。このとき、ノードN11の電位が外部出力インターフェース電源電位VDHレベル(Hレベル)となり、ノードN11からHレベルの信号Bがインバータ回路41に出力される。なお、信号AIがHレベルからLレベルに立ち下がる瞬間(時刻t1)には、信号BもLレベルであり、ノードN13,N14間で電位差が生じないため、コンデンサC1は充放電されない。また、信号BがLレベルからHレベルに立ち上がる瞬間(時刻t2)には、第1レベルコンバータ回路21の各トランジスタの動作が既に確定して、第1レベルコンバータ回路21が安定に動作しているため、第1レベルコンバータ回路21に入出力される信号B,Dの信号レベルはコンデンサC1の影響をほとんど受けない。
そして、Hレベルの信号BとLレベルの信号Dが出力回路30に入力されると、NOR回路46からインバータ回路44を介してLレベルの信号Eバーが出力され、NAND回路47からインバータ回路45を介してLレベルの信号Fバーが出力される。これらLレベルの信号Eバー,Fバーにそれぞれ応答して、PチャネルMOSトランジスタTP50がオンされ、NチャネルMOSトランジスタTN50がオフされる。これによって、ノードN50の電位が外部出力インターフェース電源電位VDHレベル(Hレベル)となり、ノードN50からHレベルの出力信号OUTが外部出力端子EXに出力される。
次に、時刻t3から制御入力信号CがLレベルからHレベルに立ち上がると、信号CIがLレベル、信号CTがHレベルとなり、トランジスタTN21がオフされるとともに、トランジスタTN22がオンされる。すると、トランジスタTP21がオンされ、トランジスタTP22がオフされる。このとき、ノードN21の電位が外部出力インターフェース電源電位VDHレベル(Hレベル)となり、ノードN21からHレベルの信号Dがインバータ回路41に出力される。
そして、Hレベルの信号BとHレベルの信号Dが出力回路30に入力されると、NOR回路46からインバータ回路44を介してHレベルの信号Eバーが出力され、NAND回路47からインバータ回路45を介してLレベルの信号Fバーが出力される。これらHレベルの信号EバーとLレベルの信号Fバーにそれぞれ応答して、PチャネルMOSトランジスタTP50及びNチャネルMOSトランジスタTN50が共にオフされる。これによって、ノードN50はハイインピーダンスに設定される。
次に、時刻t4からデータ入力信号AがHレベルからLレベルに立ち下がると、信号AIがHレベル、信号ATがLレベルとなり、トランジスタTN11がオンされるとともに、トランジスタTN12がオフされる。すると、トランジスタTP12がオンされ、トランジスタTP11がオフされる。このとき、ノードN11の電位がグランドレベル(Lレベル)となり、ノードN11からLレベルの信号Bがインバータ回路41に出力される。なお、前述のように、信号BがHレベルからLレベルに立ち下がる瞬間(時刻t5)には、第1レベルコンバータ回路21の各トランジスタの動作が既に確定して、第1レベルコンバータ回路21が安定に動作しているため、第1レベルコンバータ回路21から出力される信号Bの信号レベルはコンデンサC1の影響をほとんど受けない。
そして、Lレベルの信号BとHレベルの信号Dが出力回路30に入力されると、NOR回路46からインバータ回路44を介してHレベルの信号Eバーが出力され、NAND回路47からインバータ回路45を介してLレベルの信号Fバーが出力される。これらHレベルの信号EバーとLレベルのFバーにそれぞれ応答して、PチャネルMOSトランジスタTP50及びNチャネルMOSトランジスタTN50がともにオフされる。これによって、ノードN50はハイインピーダンスに設定される。
次に、上記出力バッファ回路1の電源立ち上げ時の動作について図3に従って説明する。なお、Lレベルのデータ入力信号A及びLレベルの制御入力信号Cが第1及び第2レベルコンバータ10a,10bにそれぞれ入力される場合について説明する。
図3(a)に示すような電源立ち上げ時においては、半導体チップコア側の電源電位VDL及び外部出力インターフェース電源電位VDHがそれぞれ所定の傾きで立ち上がる。なお、半導体チップコア側の電源電位VDLは、外部出力インターフェース電源電位VDHよりも緩やかな傾きで立ち上がる。
このとき、第1入力回路11にLレベルのデータ入力信号Aが入力されると、第1レベルコンバータ回路21のトランジスタTN11には、半導体チップコア側の電源電位VDLレベルの信号AIが入力され、トランジスタTN12にはグランドレベルの信号ATが入力される。また、第2入力回路12にLレベルの制御入力信号Cが入力されると、第2レベルコンバータ回路22のトランジスタTN21には、半導体チップコア側の電源電位VDLレベルの信号CIが入力され、トランジスタTN22にはLレベルの信号CTが入力される。
ここで、トランジスタTN12,TN22については、Lレベルの信号AT,CTによってオフされる。一方、トランジスタTN11,TN21については、前述したように半導体チップコア側の電源電位VDLが安定した状態で入力されるとオンされるが、電源立ち上げ時においては信号AI,CIの電位がそれぞれのトランジスタTN11,TN21のしきい値電圧Vthを超えるまではオンされない。従って、信号AI,CIの信号レベルが上昇してトランジスタTN11,TN21がオンされるまでは、第1及び第2レベルコンバータ回路21,22は不活性領域で不安定な動作をする。すなわち、不活性領域において、第1及び第2レベルコンバータ回路21,22は、Lレベルの信号A,Cが入力されているにも関わらず、図3(c)に示すように、外部出力インターフェース電源電位VDHの立ち上がりレベルに追従して上昇する信号B,Dを出力する。そして、信号AI,CIが各トランジスタTN11,TN21のしきい値電圧Vthを超えると、各レベルコンバータ回路21,22が動作され、外部出力インターフェース電源電位VDHの立ち上がりレベルに追従していた信号B,Dがグランドレベルまで立ち下げられる。
しかし、第1レベルコンバータ10aの寄生容量が第2レベルコンバータ10bのそれに比べて大きくなると、信号Bの伝達時間が長くなり、信号Bが信号Dよりも遅く立ち下がることとなる。この信号遅延によって、信号Eバー,Fバーが共にLレベルとなるタイミングが生じることになるため、外部出力インターフェース電源電位VDHの立ち上がりレベルに追従するHレベルの誤作動信号SHが発生する。
そこで、本実施形態の出力バッファ回路1では、信号Dに対する信号Bの信号遅延Skewの発生を抑制するために、第1レベルコンバータ回路21のノードN13(入力側)とノードN14(出力側)との間にタイミング調整回路T1を設けるようにした。このタイミング調整回路T1によれば、不活性領域において、ノードN14(信号B)の電位をノードN13(信号AI)の電位に反映させることができる。
詳述すると、不活性領域において、信号AIの信号レベルは、半導体チップコア側の電源電位VDLの立ち上がりレベルに追従する。また、この半導体チップコア側の電源電位VDLは、外部出力インターフェース電源電位VDH(不活性領域における信号B)の立ち上がりよりも緩やかな傾きで立ち上がるため、ノードN13とノードN14との間の電位差は常に変動する。従って、タイミング調整回路T1のコンデンサC1を通じてノードN14の電位の変化をノードN13に速やかに反映させることができる。すなわち、図3(b)に示すように、ノードN13の電位、つまり信号AIの信号レベルを、外部出力インターフェース電源電位VDHの立ち上がりレベルに追従させて上昇させることができる。
これによって、信号AIは、半導体チップコア側の電源電位VDLの立ち上がりレベルに追従する信号CIよりも速やかにその信号レベルが上昇する。そのため、信号AIが信号CIよりも速く、具体的には時刻t11においてトランジスタTN11のしきい値電圧Vthに達し、トランジスタTN11をオンさせることができる。これによって、トランジスタTP11,TN11間のノードN11からグランドレベル(Lレベル)の信号Bが出力される。すなわち、図3(c)に示すように、時刻t11において、信号Bは、外部出力インターフェース電源電位VDHの立ち上がりレベルからグランドレベルに立ち下げられる。
その後、図3(b)に示すように、時刻t12において信号CIがトランジスタTN21のしきい値電圧Vthに達することになる。従って、信号Dの立ち下がりよりも、時刻(t12−t11)分だけ信号Bを速く立ち下げることができる。そのため、第1レベルコンバータ10aの寄生容量が第2レベルコンバータ10bのそれに比べて大きく、信号Bの伝達時間が長くなったとしても、信号Dに対する信号Bの信号遅延Skewの発生を抑制することができる。
これにより、電源立ち上げ時に、信号BがHレベルであって信号DがLレベルとなるタイミングがなくなるため、図3(d)に示すように、インバータ回路44から出力されるEバーがLレベルに立ち下がることがない。すなわち、従来の出力バッファ回路100のように信号Eバー,Fバーが共にLレベルとなるタイミングが発生しなくなる。従って、図3(e)に示すように、タイミング調整回路T1を備えた本実施形態の出力バッファ回路1では、出力信号OUTとして誤作動信号SHが発生されない。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)コンデンサC1からなるタイミング調整回路T1を、第1レベルコンバータ回路21の入力側(ノードN13)と出力側(ノードN14)との間に設けた。このタイミング調整回路T1によって、電源立ち上げ時における信号Bの電位の変化を信号AIの電位に反映させることができるため、第1レベルコンバータ回路21のトランジスタTN11を外部出力インターフェース電源電位VDHの立ち上がりレベルに応じてオンさせることができる。従って、半導体チップコア側の電源電位VDLの立ち上がりレベルに応じてオンされるトランジスタTN21よりも速くトランジスタTN11をオンさせることができる。これにより、信号Dに対する信号Bの信号遅延Skewの発生を抑制することができる。従って、電源立ち上げ時に、信号Eバー,Fバーが共にLレベルとなるタイミングがなくなるため、誤作動信号SHの発生を好適に抑制することができる。
また、このように信号Bの信号遅延Skewの発生を抑制することができるため、半導体チップコア側の電源電位VDLと外部出力インターフェース電源電位VDHとの立ち上げ順序の自由度を向上させることができる。
(2)タイミング調整回路T1をコンデンサC1のみで構成した。タイミング調整回路T1をこのような単純な構成としたため、このタイミング調整回路T1の追加による出力バッファ回路1のサイズの増大を極力抑制することができる。
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態について、図4及び図5を参照して説明する。この実施形態では、タイミング調整回路T2が上記第1の実施形態と異なっている。すなわち、本実施形態の出力バッファ回路2は、先の第一実施形態のタイミング調整回路T1に代えてタイミング調整回路T2を備えた。以下、このタイミング調整回路T2を中心に説明する。なお、先の図1〜図3に示した部材と同一の部材にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての詳細な説明は省略する。
図4に示すように、タイミング調整回路T2は、第2レベルコンバータ回路22のノードN21と接続されるインバータ回路42と並列に接続されるコンデンサC2から構成されている。すなわち、コンデンサC2は、インバータ回路42の入力端子と出力端子との間に接続される。なお、コンデンサC2とインバータ回路42の入力端子との接続点をノードN40とし、コンデンサC2とインバータ回路42の出力端子との接続点をノードN41とする。このタイミング調整回路T2は、電源立ち上げ時において、第2レベルコンバータ10bから出力される信号Dを遅延させることによって、その信号Dに対する信号Bの信号遅延Skewの発生を抑制するように機能する。
次に、このように構成された出力バッファ回路2の電源立ち上げ時の動作について図5に従って説明する。
図5(a)に破線で示すように、電源立ち上げ時においては、半導体チップコア側の電源電位VDL及び外部出力インターフェース電源電位VDHがそれぞれ所定の傾きで立ち上がる。半導体チップコア側の電源電位VDLは外部出力インターフェース電源電位VDHよりも緩やかな傾きで立ち上がる。
Lレベルのデータ入力信号A及びLレベルの制御入力信号Cが第1入力回路11及び第2入力回路12にそれぞれ入力されると、半導体チップコア側の電源電位VDLレベルに追従して信号レベルが上昇する信号AI,CIがトランジスタTN11,TN21のゲートにそれぞれ供給される。この信号AI,CIが各トランジスタTN11,TN21のしきい値電圧Vthを超えるまでは、図5(a)に示すように、信号B,Dの信号レベルが外部出力インターフェース電源電位VDHの立ち上がりレベルに追従して上昇する。そして、信号AI,CIが各トランジスタTN11,TN21のしきい値電圧Vthを超えると、レベルコンバータ回路21,22が動作して、信号B,Dがグランドレベルに立ち下がる。
信号Dの信号レベルが外部出力インターフェース電源電位VDHの立ち上がりレベルに追従して上昇すると、ノードN40とノードN41との間に電位差が生じるため、インバータ回路42に並列に接続されたコンデンサC2に電荷が蓄積され、図5(b)に示すように、コンデンサの両端電圧V1が上昇する。そして、時刻t13において、信号CIがトランジスタTN21のしきい値電圧Vthに達して、信号Dがグランドレベルに立ち下げられると、充電されていたコンデンサC2の両端電圧V1が放電され、図5(c)に示すように、ノードN40における電位の立ち下がりに遅延が生じる。すなわち、ノードN40の電位は、コンデンサC2の両端電圧V1の放電が完了する時刻t14においてグランドレベルまで立ち下がる。
タイミング調整回路T2によれば、第1レベルコンバータ10aの寄生容量が第2レベルコンバータ10bのそれに比べて大きく、図5(a)のように信号Bの伝達時間が長くなったとしても、コンデンサC2の両端電圧V1の放電時間(時刻t13から時刻t14)分遅延させて信号Dを立ち下げることができる。そのため、信号Bを信号Dよりも速くグランドレベルに立ち下げることができる。
これにより、図5(c)に示すように、電源立ち上げ時に、信号BがHレベルであって信号D(ノードN40の電位)がLレベルとなるタイミングがなくなるため、インバータ回路44から出力されるEバーがLレベルに立ち下がることがない。すなわち、従来の出力バッファ回路100のように信号Eバー,Fバーが共にLレベルとなるタイミングが発生しなくなる。従って、タイミング調整回路T2を備えた本実施形態の出力バッファ回路2では、出力信号OUTとして誤作動信号SHが発生されない。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)コンデンサC2から構成されるタイミング調整回路T2を、第2レベルコンバータ回路22のノードN21と接続されるインバータ回路42と並列に接続した。このタイミング調整回路T2によって、コンデンサC2の両端電圧V1の放電時間分だけ、電源立ち上げ時における信号Dの立ち下がりを遅らせることができる。従って、各レベルコンバータ10a,10b内の寄生容量により信号Dに比べて信号Bの伝達時間が長いとしても、信号Bを信号Dよりも速くグランドレベルに立ち下げることができる。これにより、電源立ち上げ時に、信号Eバー,Fバーが共にLレベルとなるタイミングがなくなるため、誤作動信号SHの発生を好適に抑制することができる。なお、信号Dの遅延時間は、コンデンサC2の容量を変更することによって容易に変更することができる。
(2)タイミング調整回路T2をコンデンサC2のみで構成した。タイミング調整回路T2をこのような単純な構成としたため、このタイミング調整回路T2の追加による出力バッファ回路2のサイズの増大を極力抑制することができる。
(第三実施形態)
以下、本発明の第三実施形態について、図6を参照して説明する。この実施形態では、タイミング調整回路T3が第一及び第二実施形態と異なっている。すなわち、本実施形態の出力バッファ回路3は、先の第一及び第二実施形態のタイミング調整回路T1,T2に代えてタイミング調整回路T3を備えている。以下、このタイミング調整回路T3を中心に説明する。なお、先の図1〜図5に示した部材と同一の部材にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての詳細な説明は省略する。
図6に示すように、タイミング調整回路T3は、インバータ回路42の入力端子(ノードN40)と外部出力インターフェース電源電位VDHとの間に接続されるコンデンサC3から構成されている。
このように構成された出力バッファ回路3では、電源立ち上げ時において、信号CIがトランジスタTN21のしきい値電圧Vthに達して信号DがLレベルに立ち下げられるタイミングが、コンデンサC3によって遅延される。これによって、信号Dに対する信号Bの信号遅延Skewの発生を好適に抑制することができる。その結果、出力信号OUTとして誤作動信号SHが発生されることが抑制される。
(1)インバータ回路42の入力端子(ノードN40)と外部出力インターフェース電源電位VDHとの間にコンデンサC3を設けた。このコンデンサC3によれば、電源立ち上げ時における信号Dの立ち下がりを遅延させることができる。従って、信号Dに対する信号Bの信号遅延Skewの発生を好適に抑制することができる。その結果、出力信号OUTとして誤作動信号SHが発生されることが抑制される。
(2)タイミング調整回路T3をコンデンサC3のみで構成した。タイミング調整回路T3をこのような単純な構成としたため、このタイミング調整回路T3の追加による出力バッファ回路3のサイズの増大を極力抑制することができる。
(第四実施形態)
以下、本発明の第四実施形態について、図7を参照して説明する。この実施形態では、タイミング調整回路T4が第一〜第三実施形態と異なっている。すなわち、本実施形態の出力バッファ回路4は、先の第一〜第三実施形態のタイミング調整回路T1〜T3に代えてタイミング調整回路T4を備えている。以下、このタイミング調整回路T4を中心に説明する。なお、先の図1〜図6に示した部材と同一の部材にはそれぞれ同一の符号を付して示し、それら各要素についての詳細な説明は省略する。
図7に示すように、タイミング調整回路T4は、第1レベルコンバータ回路21のノードN11と接続されるインバータ回路41の入力端子に、ゲートとドレインが接続されるNチャネルMOSトランジスタTN40と、そのトランジスタTN40のソースとグランドとの間に接続された高抵抗素子Rとから構成されている。ここで、高抵抗素子Rは、トランジスタTP11がオンされたときのオン抵抗よりも十分大きな抵抗値に設定されている。なお、トランジスタTN40のゲートとインバータ回路41の入力端子との接続点をノードN42とし、トランジスタTN40のドレインとインバータ回路41の入力端子との接続点をノードN43とする。また、ノードN11とノードN42とノードN43とは、同一ノードである。このタイミング調整回路T3は、電源立ち上げ時において、第1レベルコンバータ10aから出力される信号B(外部出力インターフェース電源電位VDHの立ち上がりレベルに追従する不定動作信号)を強制的にグランドレベルに立ち下げることによって、信号Dに対する信号Bの信号遅延Skewの発生を抑制するように機能する。
次に、このように構成された出力バッファ回路4の電源立ち上げ時の動作について説明する。
先の第二及び第三実施形態と同様に、電源立ち上げ時においては、半導体チップコア側の電源電位VDL及び外部出力インターフェース電源電位VDHがそれぞれ所定の傾きで立ち上がり、信号AI,CIが各トランジスタTN11,TN21のしきい値電圧Vthを超えるまでは、信号B,Dの信号レベルが外部出力インターフェース電源電位VDHの立ち上がりレベルに追従して上昇する。
信号Bが外部出力インターフェース電源電位VDHの立ち上がりレベルに追従して上昇し、その電位がタイミング調整回路T4のトランジスタTN40のしきい値電圧を超えると、トランジスタTN40がオンされて、高抵抗素子Rを通じてノードN43の電位が強制的にグランドレベルまで引き下げられる。ノードN43の電位がグランドレベルに引き下げられると、トランジスタTP12は、そのゲートがグランドに接続されることになるためオンされる。トランジスタTP12がオンされると、トランジスタTP11は、そのゲートが外部出力インターフェース電源電位VDHに接続されるためオフされる。これによって、第1レベルコンバータ回路21が安定して動作するようになる。従って、信号BはLレベル(グランドレベル)が維持される。
このように信号Bの電位がトランジスタTN40のしきい値電圧に達したときに、タイミング調整回路T4によって、信号Bが強制的にグランドレベルまで引き下げられるため、先の第一〜第三実施形態と同様に、信号Dよりも信号Bを速く立ち下げることができる。従って、信号Dに対する信号Bの信号遅延Skewの発生を抑制することができる。その結果、出力信号OUTとして誤作動信号SHが発生されることが抑制される。
また、タイミング調整回路T4は、各電源の電圧レベルが安定した後にHレベルの信号BがノードN42,N43に出力されると、Hレベルの信号BによってトランジスタTN40がオンされる。しかし、このとき、高抵抗素子Rの抵抗値がトランジスタTP11のオン抵抗に比べて十分高い値であるため、ノードN42,N43は、高抵抗素子RによってHレベルの電位を維持することができる。また、この高抵抗素子Rの抵抗値が小さいと、高抵抗素子Rを通じてグランドに向かって直流電流が一瞬流れることになるが、高抵抗とすることによって、その直流電流が流れることが抑制される。これによって、タイミング調整回路T4の追加による消費電流の増大を好適に抑制することができる。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)NチャネルMOSトランジスタTN40と高抵抗素子Rとから構成されるタイミング調整回路T2を、インバータ回路41の入力端子とグランドとの間に設けた。このタイミング調整回路T4によれば、外部出力インターフェース電源電位VDHの立ち上がりレベルに追従して上昇する信号BがトランジスタTN40のしきい値電圧を超えたときに、信号Bを強制的にグランドレベルに立ち下げることができる。従って、信号Bをより速く立ち下げることができるため、信号Dに対する信号Bの信号遅延Skewの発生を抑制することができる。その結果、出力信号OUTとして誤作動信号SHが発生されることを好適に抑制することができる。
(2)NチャネルMOSトランジスタTN40のソースとグランドとの間に高抵抗素子Rを設けた。これによれば、電源レベルが安定した後にHレベルの信号BがノードN42,N43に入力されたときに、高抵抗素子Rを通じてグランドに向かって流れる可能性のある直流電流が流れることを好適に抑制することができる。これによって、タイミング調整回路T4の追加による消費電流の増大を好適に抑制することができる。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記第一実施形態のタイミング調整回路T1をコンデンサC1で構成するように具体化したが、容量素子であればとくにコンデンサに制限されない。例えば、図8に示すように、タイミング調整回路T1をトランジスタ素子で構成したゲート容量G1で構成するようにしてもよい。これによっても、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
・上記第二実施形態のタイミング調整回路T2をコンデンサC2で構成するように具体化したが、容量素子であればとくにコンデンサに制限されない。例えば、図9に示すように、タイミング調整回路T2をトランジスタ素子で構成したゲート容量G2で構成するようにしてもよい。これによっても、第二実施形態と同様の効果を得ることができる。
・上記第三実施形態のタイミング調整回路T3をコンデンサC3で構成するように具体化したが、容量素子であればとくにコンデンサに制限されない。例えば、図10に示すように、タイミング調整回路T3をトランジスタ素子で構成したゲート容量G3で構成するようにしてもよい。これによっても、第三実施形態と同様の効果を得ることができる。
・図11に示すように、第四実施形態のタイミング調整回路T4の高抵抗素子RをNチャネルMOSトランジスタTN41に変更してもよい。ここで、このNチャネルMOSトランジスタTN41は、トランジスタTP11のオン抵抗値よりも十分高いオン抵抗値(高オン抵抗値)を有するように設定されている。これによれば、第四実施形態と同様の効果を得ることができる。
・上記第四実施形態のタイミング調整回路T4における高抵抗素子Rを省略するようにしてもよい。
・上述した各実施形態のタイミング調整回路T1〜T4を様々に組み合わせて、出力バッファ回路に追加するようにしてもよい。例えば、第一実施形態のタイミング調整回路T1と第二実施形態のタイミング調整回路T2とを備えた出力バッファ回路を構成するようにしてもよい。また、第三実施形態の変形例のタイミング調整回路T3と第四実施形態の変形例のタイミング調整回路T4とを備えた出力バッファ回路を構成するようにしてもよい。さらには、第一実施形態のタイミング調整回路T1と、第二実施形態のタイミング調整回路T2と、第四実施形態のタイミング調整回路T4とを備えた出力バッファ回路を構成するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、電源立ち上げ時において、信号Bを信号Dよりも速く立ち下げるようにしたが、信号Bと信号Dが同時に立ち下がるようにしてもよい。
・上記第二〜四実施形態における外部出力インターフェース電源電位VDHを、半導体チップコア側の電源電位VDLよりも低い電圧に設定するようにしてもよい。
第一実施形態の出力バッファ回路を示す回路図。 第一実施形態の電源レベル安定時の動作を示す波形図。 (a)〜(e)は、それぞれ第一実施形態の電源立ち上げ時の動作を示す波形図。 第二実施形態の出力バッファ回路を示す回路図。 (a)〜(c)は、それぞれ第二実施形態の電源立ち上げ時の動作を示す波形図。 第三実施形態の出力バッファ回路を示す回路図。 第四実施形態の出力バッファ回路を示す回路図。 別例のタイミング調整回路を示す回路図。 別例のタイミング調整回路を示す回路図。 別例のタイミング調整回路を示す回路図。 別例のタイミング調整回路を示す回路図。 従来の出力バッファ回路を示す回路図。 (a)〜(d)は、それぞれ従来の電源立ち上げ時の動作を示す波形図。
符号の説明
A データ入力信号
B 第1信号
C 制御入力信号
D 第2信号
T1,T4 タイミング調整回路(第1調整回路)
T2,T3 タイミング調整回路(第2調整回路)
C1〜C3 コンデンサ(容量素子)
G1〜G3 ゲート容量(容量素子)
TN11 NチャネルMOSトランジスタ(入力側トランジスタ)
TN40 第1のNチャネルMOSトランジスタ
TN41 第2のNチャネルMOSトランジスタ
R 高抵抗素子
42 インバータ回路

Claims (9)

  1. 半導体チップコア側の電源電位とグランド基準電位とを振幅範囲とするデータ入力信号に基づいて、前記半導体チップコア側の電源電位とは異なる電圧に設定された外部出力インターフェース電源電位と前記グランド基準電位とを振幅範囲とする第1信号を出力する第1レベルコンバータと、
    前記半導体チップコア側の電源電位と前記グランド基準電位とを振幅範囲とする制御入力信号に基づいて、前記外部出力インターフェース電源電位と前記グランド基準電位とを振幅範囲とする第2信号を出力する第2レベルコンバータと、
    前記第1信号と前記第2信号とに基づいて、前記グランド基準電位(ローレベル)、前記外部出力インターフェース電源電位(ハイレベル)及びハイインピーダンスの3値を出力信号として出力する出力回路とを備えた出力バッファ回路において、
    電源立ち上げ時において、前記第2信号に対する前記第1信号の立ち下がり遅延を補償するタイミング調整回路を備えたことを特徴とする出力バッファ回路。
  2. 前記タイミング調整回路は、電源立ち上げ時における前記第1信号の立ち下がりを進相させるようにタイミングを調整する第1調整回路を含むことを特徴とする請求項1に記載の出力バッファ回路。
  3. 前記外部出力インターフェース電源電位は、前記半導体チップコア側の電源電位よりも高い電圧に設定され、
    前記第1調整回路は、電源立ち上げ時に、データ入力信号に基づいたハイレベルの信号が入力される第1レベルコンバータの入力側トランジスタのゲートと、前記第1信号が出力される第1レベルコンバータの出力端子との間に接続される容量素子を含むことを特徴とする請求項2に記載の出力バッファ回路。
  4. 前記第1調整回路は、前記第1信号が出力される前記第1レベルコンバータの出力端子にゲートとドレインとが接続され、ソースが前記グランド基準電位側に接続される第1のNチャネルMOSトランジスタを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の出力バッファ回路。
  5. 前記第1調整回路は、前記第1のNチャネルMOSトランジスタのソースと前記グランド基準電位との間に接続される高抵抗素子を含むことを特徴とする請求項4に記載の出力バッファ回路。
  6. 前記第1調整回路は、ゲートが前記第1レベルコンバータの出力端子に接続され、ドレインが前記第1のNチャネルMOSトランジスタのソースに接続され、ソースが前記グランド基準電位に接続されて、高オン抵抗値を有する第2のNチャネルMOSトランジスタを含むことを特徴とする請求項4に記載の出力バッファ回路。
  7. 前記タイミング調整回路は、電源立ち上げ時における前記第2信号の立ち下がりを遅相させるようにタイミングを調整する第2調整回路を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の出力バッファ回路。
  8. 前記第2信号を出力する前記第2レベルコンバータの出力端子は、出力回路のインバータ回路に接続され、
    前記第2調整回路は、前記インバータ回路と並列に接続される容量素子を含むことを特徴とする請求項7に記載の出力バッファ回路。
  9. 前記第2調整回路は、前記第2レベルコンバータの出力端子と前記外部出力インターフェース電源電位との間に接続される容量素子を含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の出力バッファ回路。
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