JP4954452B2 - 顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、多光子励起蛍光、コヒーレントラマン散乱光、第二高調波等を観察するための顕微鏡に関する。
従来、例えば、生体組織内の深部の観察を目的とした顕微鏡として、例えば、次の特許文献1に開示されたような多光子励起蛍光顕微鏡が知られている。
また、例えば、細胞膜を形成するコラーゲンや筋繊維、蛋白質配列等の生体組織の観察を目的とした顕微鏡として、例えば、次の特許文献2に開示されたような第二高調波の持つナノ構造依存性を利用した第二高調波顕微鏡が知られている。
また、分子生物学においては、生体内の分子、たとえばDNAやアミノ酸、細胞小器官などの活動を生きたまま観察したいという需要が多い。従来の蛍光顕微鏡や多光子励起蛍光顕微鏡を用いても、生体内の分子を観察することはある程度可能であるが、目標とする分子を蛍光色素で染色する必要がある。しかし、生体を蛍光色素で染色することは、蛍光色素に毒性が存在することや、蛍光色素によって分子の自由な運動が妨げられるなど、少なからず生体に影響を及ぼすと考えられるため好ましくない。
そこで、近年、生体内の分子の3次元分布を無染色で観察すること等を目的した顕微鏡として、例えば、次の特許文献3〜5に開示されたようなコヒーレントアンチストークスラマン散乱光を観察するコヒーレントラマン散乱顕微鏡が提案されている。
特開2000−338405号公報 特開2000−310799号公報 特表2002−520612号公報 WO02/06778A1 US2003/0011765
多光子励起蛍光顕微鏡では、波長λでパルス間隔がナノ秒、ピコ秒、或いはフェムト秒等の超短パルスレーザを蛍光物質を着色した試料に照射し、試料上の照射強度が十分に大きくなったときに、波長λの光子が同時に複数(n)個吸収される多光子吸収が生じ、試料に着色された蛍光物質がλ/nの波長で励起されλ/nよりやや長い波長の蛍光を発する現象を利用して、この蛍光を観察する。
また、第二高調波を観察する顕微鏡では、試料にレーザ光を入射したときに、試料から入射したレーザ光の2倍の振動数(半分の波長)を持つ第二高調波を発する現象を利用して、この第二高調波を観察する。
また、コヒーレントラマン散乱顕微鏡では、試料に励起光を照射したときに、照射光の光子エネルギーが試料の分子振動により非弾性散乱を受けて、物質固有の分子の振動数に相当するエネルギー分、波長がずれた散乱光を生ずる現象を利用して、このラマン散乱光を観察する。
ところで、近年、生体の顕微鏡観察においては、観察対象の関心領域に応じて、上述した観察手法を組み合わせた多様な観察が求められる傾向にある。
例えば、American journal of Pathology,Vol.159,p.983 には、表皮細胞の細胞形態形成時における、インテグリン分子の放出とコラーゲンの分化の観察を目的とする記述がある。このような観察のためには、標本としての表皮細胞に対し、細胞全体を多光子励起蛍光で、コラーゲンを第二高調波で、インテグリン分子をコヒーレントラマン散乱光で、並行して或いは選択的に観察することが望まれる。
また、例えば、Journal of Biological Chemistry,Vol.17,p.15441 には、脂肪細胞におけるインシュリン投与時の脂肪細胞からの脂質分子の放出の観察を目的とする記述がある。このような観察のためには、標本としての脂肪細胞に対し、レセプタを多光子励起蛍光で、細胞膜を第二高調波で、脂質分子をコヒーレントラマン散乱光で、並行して或いは選択的に観察することが望まれる。
また、例えば、Alcohol Health & Research World,Vol.21,p.107 には、神経細胞における細胞膜上の電位差と、それに伴うアミノ酸分子放出の観察を目的とする記述がある。このような観察のためには、標本としての神経細胞に対し、感電位色素を多光子励起蛍光で、細胞膜を第二高調波で、標的アミノ酸分子をコヒーレントラマン散乱光で、並行して或いは選択的に観察することが望まれる。
また、例えば、PNAS,Vol.99,p.14801 には、カルシウム波の放出とアクチン繊維状のミオシン分子の滑動の観察を目的とする記述がある。このような観察のためには、標本としての筋肉細胞に対し、カルシウム感受色素を多光子励起蛍光で、アクチン繊維を第二高調波で、ミオシン分子をコヒーレントラマン散乱光で、並行して或いは選択的に観察することが望まれる。
また、例えば、PNAS,Vol.100,p.7075 には、NADHの量とコラーゲン繊維の崩壊度(コラーゲン繊維の崩壊度は第二高調波とコヒーレントラマン散乱光の強度比により検出できる。)を用いた、ガン化の診断を目的とする記述がある。このような診断のためには、標本としてのガン細胞に対し、NADHを多光子励起蛍光で、コラーゲン繊維を第二高調波で、コラーゲン分子をコヒーレントラマン散乱光で、並行して或いは選択的に観察することが望まれる。
しかし、従来は、一台の顕微鏡でもって、一つの標本に対し、観察する目的に応じて、多光子励起蛍光観察、第二高調波観察、コヒーレントラマン散乱光観察の全てを並行して或いは選択的に行うことができる顕微鏡は存在しなかった。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、一台の顕微鏡でもって、一つの標本に対し、観察する目的に応じて、多光子励起蛍光観察、第二高調波観察、コヒーレントラマン散乱光観察の全てを並行して或いは選択的に行うことができる顕微鏡を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による顕微鏡は、第一の波長成分を持つ第一のパルス光を発生させる第一のパルスレーザ発生手段と、第二の波長成分を持つ第二のパルス光を発生させる第二のパルスレーザ発生手段と、前記第一のパルス光と前記第二のパルス光を合成して標本に照射可能に構成された照射手段と、前記照射手段を介して光を照射された標本からの光から、コヒーレントラマン散乱光のみを抽出するコヒーレントラマン散乱光抽出手段と、前記照射手段を介して光を照射された標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した多光子励起蛍光のみを抽出する多光子励起蛍光抽出手段と、前記照射手段を介して光を照射された標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した第二高調波のみを抽出する第二高調波抽出手段と、前記コヒーレントラマン散乱光抽出手段を介して抽出されたコヒーレントラマン散乱光を検出するコヒーレントラマン散乱光検出手段と、前記多光子励起蛍光抽出手段を介して抽出された多光子励起蛍光を検出する多光子励起蛍光検出手段と、前記第二高調波抽出手段を介して抽出された第二高調波を検出する第二高調波検出手段と、を有しており、前記コヒーレントラマン散乱光と、前記多光子励起蛍光と、前記第二高調波とを同時に検出することを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、本発明による顕微鏡は、第一の波長成分を持つ第一のパルス光を発生させる第一のパルスレーザ発生手段と、第二の波長成分を持つ第二のパルス光を発生させる第二のパルスレーザ発生手段と、前記第一のパルス光と前記第二のパルス光を合成して標本に照射可能に構成された照射手段と、前記照射手段を介して光を照射された標本からの光から、コヒーレントラマン散乱光のみを抽出するコヒーレントラマン散乱光抽出手段と、前記照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した多光子励起蛍光のみを抽出する落射多光子励起蛍光抽出手段と、前記照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した第二高調波のみを抽出する透過第二高調波抽出手段と、前記コヒーレントラマン散乱光抽出手段を介して抽出されたコヒーレントラマン散乱光を検出するコヒーレントラマン散乱光検出手段と、前記落射多光子励起蛍光抽出手段を介して抽出された多光子励起蛍光を検出する落射多光子励起蛍光検出手段と、前記透過第二高調波抽出手段を介して抽出された第二高調波を検出する透過第二高調波検出手段と、を有しており、前記コヒーレントラマン散乱光と、前記落射多光子励起蛍光と、前記透過第二高調波とを同時に検出することを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、本発明の顕微鏡は、第一の波長成分を持つ第一のパルス光を発生させる第一のパルスレーザ発生手段と、第二の波長成分を持つ第二のパルス光を発生させる第二のパルスレーザ発生手段と、前記第一のパルス光と前記第二のパルス光を合成して標本に照射可能に構成された照射手段と、前記照射手段を介して光を照射された標本からの光から、コヒーレントラマン散乱光のみを抽出するコヒーレントラマン散乱光抽出手段と、前記照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した第二高調波のみを抽出する落射第二高調波抽出手段と、前記照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した多光子励起蛍光のみを抽出する透過多光子励起蛍光抽出手段と、前記コヒーレントラマン散乱光抽出手段を介して抽出されたコヒーレントラマン散乱光を検出するコヒーレントラマン散乱光検出手段と、前記透過多光子励起蛍光抽出手段を介して抽出された多光子励起蛍光を検出する透過多光子励起蛍光検出手段と、前記落射第二高調波抽出手段を介して抽出された第二高調波を検出する落射第二高調波検出手段と、を有しており、前記コヒーレントラマン散乱光と、前記透過多光子励起蛍光と、前記落射第二高調波とを同時に検出することを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、本発明による顕微鏡は、第一の波長成分を持つ第一のパルス光を発生させる第一のパルスレーザ発生手段と、第二の波長成分を持つ第二のパルス光を発生させる第二のパルスレーザ発生手段と、前記第一のパルス光と前記第二のパルス光を合成して標本に照射可能に構成された照射手段と、前記照射手段を介して光を照射された標本からの光から、コヒーレントラマン散乱光のみを抽出するコヒーレントラマン散乱光抽出手段と、前記照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した第二高調波のみ、又は、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した多光子励起蛍光のみを切替可能に抽出する落射第二高調波多光子励起蛍光切替抽出手段と、前記照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した第二高調波のみ、又は、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した多光子励起蛍光のみを切替可能に抽出する透過第二高調波多光子励起蛍光切替抽出手段と、前記コヒーレントラマン散乱光抽出手段を介して抽出されたコヒーレントラマン散乱光を検出するコヒーレントラマン散乱光検出手段と、前記落射第二高調波多光子励起蛍光切替抽出手段を介して抽出された光を検出する落射切替抽出光検出手段と、前記透過第二高調波多光子励起蛍光切替抽出手段を介して抽出された光を検出する透過切替抽出光検出手段と、を有しており、前記コヒーレントラマン散乱光と、前記落射多光子励起蛍光又は前記透過多光子励起蛍光と、前記落射第二高調波又は前記透過第二高調波とを同時に検出することを特徴としている。
また、本発明による顕微鏡は、上記目的を達成するため、第一の波長成分を持つ第一のパルス光を発生させる第一のパルスレーザ発生手段と、第二の波長成分を持つ第二のパルス光を発生させる第二のパルスレーザ発生手段と、前記第一のパルス光と前記第二のパルス光を合成して標本に照射可能に構成された照射手段と、前記照射手段を介して光を照射された標本からの光から、コヒーレントラマン散乱光のみを抽出するコヒーレントラマン散乱光抽出手段と、前記照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した多光子励起蛍光のみを抽出する落射多光子励起蛍光抽出手段と、前記照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した第二高調波のみを抽出する落射第二高調波抽出手段と、前記コヒーレントラマン散乱光抽出手段を介して抽出されたコヒーレントラマン散乱光を検出するコヒーレントラマン散乱光検出手段と、前記落射多光子励起蛍光抽出手段を介して抽出された多光子励起蛍光を検出する落射多光子励起蛍光検出手段と、前記落射第二高調波抽出手段を介して抽出された第二高調波を検出する落射第二高調波検出手段と、前記照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した多光子励起蛍光のみを抽出する透過多光子励起蛍光抽出手段と、前記照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した第二高調波のみを抽出する透過第二高調波抽出手段と、前記透過多光子励起蛍光抽出手段を介して抽出された多光子励起蛍光を検出する透過多光子励起蛍光検出手段と、前記透過第二高調波抽出手段を介して抽出された第二高調波を検出する透過第二高調波検出手段と、を有しており、前記コヒーレントラマン散乱光と、前記落射多光子励起蛍光と、前記落射第二高調波と、前記透過多光子励起蛍光と、前記透過第二高調波とを同時に検出することを特徴としている。
また、本発明の顕微鏡においては、前記第二のパルス光の波長が、前記第一のパルス光の波長の近傍であって該第一のパルス光の波長よりも短い波長の所定波長帯域を走査され、前記コヒーレントラマン散乱光が、コヒーレントストークスラマン散乱光であるのが好ましい。
また、本発明の顕微鏡においては、前記第二のパルス光の波長が、前記第一のパルス光の波長の近傍であって該第一のパルス光の波長よりも長い波長の所定波長帯域を走査され、前記コヒーレントラマン散乱光が、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光であり、少なくとも一部の波長帯域で波長が重なり得る、前記多光子励起蛍光と前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱光とを分離する多光子励起蛍光CARS光分離手段を備えて構成してもよい。
また、本発明の顕微鏡においては、前記多光子励起蛍光CARS光分離手段が、前記多光子励起蛍光と前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱光とを時間分解で分離する時間分解分離手段を有する前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱光抽出手段で構成されているのが好ましい。
また、本発明の顕微鏡においては、前記時間分解分離手段が、斜めに光が入射したときに、透過する直線偏光の偏光方向を変えるカーゲートと、前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱光が前記カーゲートへ入射するタイミングと同じタイミングでもって、前記第二のパルス光を前記カーゲートに斜めに入射させるゲート光入射手段と、前記多光子励起蛍光を直線偏光に変換する第一の偏光部材と、前記カーゲートを透過することによって偏光方向が変えられた直線偏光を透過し、該カーゲートを透過したときに偏光方向が変わらない直線偏光を遮断する第二の偏光部材と、を有して構成されているのが好ましい。
また、本発明の顕微鏡においては、前記多光子励起蛍光CARS光分離手段が、前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱光を変調した状態で発生させる変調手段と、前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱光検出手段と前記多光子励起蛍光検出手段とを兼ねていて、前記変調されたコヒーレントアンチストークスラマン散乱光と前記多光子励起蛍光とを共に受光し、受光した光から変調成分と非変調成分とを分離して検出する検出装置とで構成されているのが好ましい。
また、本発明の顕微鏡においては、前記変調手段が、前記第一のパルス光を変調する変調器で構成され、前記検出装置が、lock−in検出器で構成されているのが好ましい。
また、本発明の顕微鏡においては、前記第一のパルス光で所定波長帯域を走査するとともに、前記第二のパルス光を多光子励起に最適な波長に固定するのが好ましい。
また、本発明の顕微鏡においては、前記第一のパルスレーザ発生手段、及び前記第二のパルスレーザ発生手段のオンオフを切替える切替手段を備えたレーザ光選択手段と、前記レーザ光選択手段を制御する制御手段を備えるのが好ましい。
また、本発明の顕微鏡においては、前記コヒーレントラマン散乱光検出手段、前記多光子励起蛍光検出手段、及び前記第二高調波検出手段を介して検出された信号を処理する画像処理装置と、前記画像処理装置で処理した画像を表示する画像表示装置と、前記標本に照射する光を2次元方向に走査する走査手段を有し、前記制御手段が、前記画像処理装置及び前記画像表示装置を介して該画像表示装置の表示画面における前記標本の関心領域が表示される位置に前記コヒーレントラマン散乱光による観察像、前記多光子励起蛍光による観察像、及び前記第二高調波による観察像のうち複数の像を並行して観察可能に或いはいずれかの像を選択して観察可能に表示するように、前記レーザ光選択手段を制御するのが好ましい。
また、本発明の顕微鏡においては、前記第一のパルスレーザ発生手段が、パルス幅がピコ秒のパルスレーザビームを発振するパルスレーザ光源であり、前記第二のパルスレーザ発生手段が、パルス幅がフェムト秒のパルスレーザビームを発振するパルスレーザ光源であるのが好ましい。
また、本発明の顕微鏡においては、前記コヒーレントラマン散乱光抽出手段は、前記照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう該標本からの光からのコヒーレントラマン散乱光のみの抽出と、前記照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう該標本からの光からのコヒーレントラマン散乱光のみの抽出と、前記照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう該標本からの光からのコヒーレントラマン散乱光と前記照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう該標本からの光からのコヒーレントラマン散乱光の両方のコヒーレントラマン散乱光のみの抽出と、を切替可能に構成されているのが好ましい。
本発明によれば、一つの標本に対し、観察する目的に応じて、多光子励起蛍光観察、第二高調波観察、コヒーレントラマン散乱光観察とを並行して或いは選択的に行うことができる顕微鏡が得られる。
実施例の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
本発明の顕微鏡によれば、第二高調波、多光子励起蛍光、コヒーレントラマン散乱光とを分離して抽出、検出することができる。
そのことを具体的に説明する前に、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光及びコヒーレントストークスラマン散乱光の発生原理について説明する。
まず、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光の発生原理は次のように説明される。図1に示すように、ポンプ光102の振動数ωPとストークス光103の振動数ωSの差が、標本内の集光位置にある分子105の固有振動数ωVと一致したときに、基底状態100にある分子105が振動数ωVで共鳴振動を起こして励起状態101となる。そして、振動数ωPであるポンプ光の一部102’が分子105の固有振動数ωVのドップラー変調を受けて、振動数ωASのコヒーレントアンチストークスラマン散乱光(CARS光)104が発生する。このとき、
ωAS=ωP+ωV=2ωP−ωS
の関係がある。
従って、ポンプ光102の振動数ωPを固定したままストークス光103の振動数ωSを走査すれば、分子105の固有振動スペクトルが観察される。その固有振動スペクトルは、分子の種類によって異なるため、複数種類の分子が同時に存在する場合においても、それぞれの分子の種類を特定することができる。
また、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光の発生強度IASは、次の式に示すように、ポンプ光の強度IPの二乗とストークス光の強度ISの積に比例する。
AS∝IP 2S
このように、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光104は、標本内におけるポンプ光とストークス光の集光位置においてのみ強く発生する。
また、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光の発生強度IASは、分子105の局所的な存在量の二乗にも比例する。従って、ポンプ光とストークス光の集光位置を標本内で空間的に走査することにより、特定の分子の標本内の空間分布を求めることが可能である。
次に、コヒーレントストークスラマン散乱光の発生原理を図2を用いて説明する。
上述したストークス光のレーザパルスの代わりにポンプ光よりも波長の短いレーザパルスを用いた場合、コヒーレントラマン散乱光の波長はポンプ光よりも長くなる。これをコヒーレントストークスラマン散乱(CSRS:Coherent Stokes Raman Scattering)光と呼ぶ。また、このときのポンプ光よりも波長の短いレーザパルスを、アンチストークス光と呼ぶ。
図2に示すように、ポンプ光102’の振動数ωPとアンチストークス光104の振動数ωASの差が、標本内の集光位置にある分子105の固有振動数ωVと一致したときに、励起状態101にある分子105が振動数ωVで共鳴振動を起こして基底状態100となる。そして、振動数ωPであるポンプ光の一部102が分子105の固有振動数ωVのドップラー変調を受けて、振動数ωSのコヒーレントストークスラマン散乱光(CSRS光)103が発生する。このとき、
ωS=ωP−ωV=2ωP−ωAS
の関係がある。
従って、ポンプ光102の振動数ωPを固定したままアンチストークス光104の振動数ωASを走査すれば、分子105の固有振動スペクトルが観察される。その固有振動スペクトルは、分子の種類によって異なるため、複数種類の分子が同時に存在する場合においても、それぞれの分子の種類を特定することができる。
このように、CSRS光は、ポンプ光よりも波長が長いことを除けば、CARS光と同様な性質を持つ。また、アンチストークス光よりも波長が長いので、アンチストークス光パルスによって励起されて生じた多光子励起蛍光との波長の重なりがほとんどないという性質を持っている。
コヒーレントラマン散乱光の発生過程に際しては、ポンプ光により、照射対象からポンプ光よりも長い波長の自家蛍光が生ずる。このため、通常の可視光領域でポンプ光よりも長い波長のコヒーレントストークスラマン散乱光を用いて観察を行おうとすると自家蛍光と重なり観察に支障を来たしやすい。
ところで、第二高調波は、ストークス光又はアンチストークス光である励起光の半分の波長である。また、多光子励起蛍光は、励起光よりも短い波長である。従って、本発明の顕微鏡において、第二高調波と、多光子励起蛍光と、コヒーレントラマン散乱光とを観察するためのポンプ光の波長帯域とが互いに重ならず、かつ、観察光の波長領域として可視光領域を有効に用いることを考慮すると、最も短い波長領域で第二高調波を用い、それよりも長い波長帯域で多光子励起蛍光を用いることが必然的に定まる。そして、これらの波長と励起光及びポンプ光とが重ならないようにすることを考慮すると、ポンプ光の波長領域は、近赤外領域になる。
このように、本発明の顕微鏡では、ポンプ光の波長領域が近赤外領域に必然的に定まる。そこで、本発明の顕微鏡において、第二のパルス光の波長が、前記第一のパルス光の波長の近傍であって該第一のパルス光の波長よりも短い波長の所定波長帯域を走査され、コヒーレントラマン散乱光が、コヒーレントストークスラマン散乱光であるように構成すれば、第二高調波、多光子励起蛍光、コヒーレントストークスラマン散乱光のそれぞれの波長が重ならないので、それぞれの波長を分離した状態で検出することができる。
また、その場合、近赤外領域で生じる自家蛍光はコヒーレントストークスラマン散乱光に比べて強度が微弱であるため、観察に支障は生じない。
一方、アンチストークスラマン散乱光は、ポンプ光よりも波長が短いため、ポンプ光による自家蛍光の影響は受けない。しかしながら、アンチストークス光の強度は、一般的に、ポンプ光やストークス光の強度に比べて例えば3〜4桁程度弱い。
そして、上述のように、多光子励起蛍光は、励起光よりも短い波長である。このため、第二高調波と、多光子励起蛍光と、コヒーレントストークスラマン散乱光とを観察するようにすると、アンチストークスラマン散乱光と多光子励起蛍光とが一部の波長帯域で波長が重なり、強度の弱いアンチストークスラマン散乱光の検出が困難になる場合が起こり得る。
そこで、本発明の顕微鏡において、第二のパルス光の波長が、第一のパルス光の波長の近傍であって該第一のパルス光の波長よりも長い波長の所定波長帯域を走査され、コヒーレントラマン散乱光が、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光であり、少なくとも一部の波長帯域で波長が重なり得る、多光子励起蛍光とコヒーレントアンチストークスラマン散乱光とを分離する多光子励起蛍光CARS光分離手段を備えれば、それぞれの波長を分離した状態で検出することができる。
このため、本発明の顕微鏡によれば、一台の顕微鏡でもって、一つの標本に対し、観察する目的に応じて、多光子励起蛍光観察、第二高調波観察、コヒーレントラマン散乱光観察の全てを並行して行うことができる。
なお、多光子励起蛍光CARS光分離手段は、多光子励起蛍光と、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光とを時間分解で分離する時間分解分離手段を有する前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱光抽出手段で構成することができる。
或いは、多光子励起蛍光CARS光分離手段は、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光を変調した状態で発生させる変調手段と、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光検出手段と多光子励起蛍光検出手段とを兼ねていて、変調されたコヒーレントアンチストークスラマン散乱光と多光子励起蛍光とを共に受光し、受光した光から変調成分と非変調成分とを分離して検出する検出装置とで構成してもよい。
また、本発明の顕微鏡では、上述のように、第二のパルス光が、第一のパルス光の波長の近傍の所定波長帯域を走査されるように構成されている。
多光子励起蛍光には吸収スペクトルがあり、ストークス光の波長を走査することにより、多光子励起蛍光の発光強度が変化する。そこで、本発明の顕微鏡のように、第二のパルス光が走査されるように構成すれば、多光子励起蛍光の発光強度が最大となるようにストークス光として用いる第二のパルス光の波長を調整でき、多光子励起蛍光を効率よく検出することができる。
また、多光子励起蛍光色素の吸収スペクトルはそれぞれ異なる。このため、第二のパルス光の波長を走査すれば、多光子励起蛍光の発光強度の変化から蛍光色素を同定することができる。
また、第二高調波は非線形効果のため、ポンプ光に比べてパルス幅が狭く尖頭出力値の高いストークス光によるものが支配的となる。そして、第二高調波の発生効率は、励起光(この場合はストークス光)の波長に依存する。そこで、第二のパルス光の波長を走査すれば、第二高調波の発生効率が最適となるように調整することができる。
また、本発明の顕微鏡においては、第一のパルス光で所定波長帯域を走査するとともに、第二のパルス光を多光子励起に最適な波長に固定してもよい。
本発明の顕微鏡において、第二のパルス光(ストークス光、又はアンチストークス光)は、多光子励起蛍光観察、第二高調波観察における励起光として機能する。ストークス光又はアンチストークス光として用いられる第二のパルス光の波長を走査した場合、吸収スペクトルが変化するため、蛍光の発光効率が変わる。一方、ポンプ光を走査させても多光子励起蛍光、第二高調波の発光効率は変化しない。このため、多光子励起蛍光、又は第二高調波の発光効率が最適となる波長をストークス光、又はアンチストークス光として用いれば、最適な発光状態の多光子励起蛍光、又は第二高調波を検出しながら、コヒーレントラマン散乱光を検出することができる。
また、励起光としてパルス幅がフェムト秒のレーザ光を用いた方が、パルス幅がピコ秒のレーザ光を用いた場合に比べて、多光子励起蛍光、及び第二高調波の発光効率が良くなる。
従って、本発明の顕微鏡においては、第一のパルスレーザ発生手段を、パルス幅がピコ秒のパルスレーザビームを発振するパルスレーザ光源で構成するとともに、第二のパルスレーザ発生手段を、パルス幅がフェムト秒のパルスレーザビームを発振するパルスレーザ光源で構成するのが好ましい。
また、本発明の顕微鏡において、照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう該標本からの光と、照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう該標本からの光のそれぞれおいて、第二高調波と多光子励起蛍光とを切替えて抽出する切替手段を備えれば、第二高調波、多光子励起蛍光を観察する場合、落射観察、透過観察のうち観察により適した光強度が得られる観察手法を選択することができる。
また、本発明の顕微鏡において、コヒーレントラマン散乱光抽出手段は、照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう該標本からの光からのコヒーレントラマン散乱光のみの抽出と、照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう該標本からの光からのコヒーレントラマン散乱光のみの抽出と、照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう該標本からの光からのコヒーレントラマン散乱光と照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう該標本からの光からのコヒーレントラマン散乱光の両方のコヒーレントラマン散乱光のみの抽出と、を切替可能に構成してもよい。このようにすれば、観察により適した光強度が得られる観察手法を選択することができる。
また、本発明の顕微鏡において、第一のパルスレーザ発生手段、及び第二のパルスレーザ発生手段のオンオフを切替える切替手段を備えたレーザ光選択手段と、前記レーザ光選択手段を制御する制御手段を備えれば、観察対象の関心領域に応じてレーザ光を選択して所望の観察手法に切替えることができる。また、観察対象の関心領域へのレーザ照射を必要最小限に抑えることができる。このため、標本へのダメージを少なく抑えることができ、また、蛍光の退色を抑えることもできる。
また、本発明の顕微鏡において、コヒーレントラマン散乱光検出手段、多光子励起蛍光検出手段、及び第二高調波検出手段を介して検出した信号を処理する画像処理装置と、画像処理装置で処理した画像を表示する画像表示装置と、標本に照射する光を2次元方向に走査する走査手段を有し、制御手段が、画像処理装置及び画像表示装置を介して該画像表示装置の表示画面における標本の関心領域が表示される位置に前記コヒーレントラマン散乱光による観察像、多光子励起蛍光による観察像、及び第二高調波による観察像のうち複数の像を並行して観察可能に或いはいずれかの像を選択して観察可能に表示するように構成すれば、一つの表示画面において観察対象の関心領域毎に、目的に応じて所望の観察手法で観察することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施例を示す図面のグラフ中、SHGは第二高調波、2−Pは多光子励起蛍光、Anti−Stokesはアンチストークス光、Pumpはポンプ光、CSRSはコヒーレントストークスラマン散乱光、Stokesはストークス光、CARSはコヒーレントアンチストークスラマン散乱光、1−Pは単光子励起蛍光を示している。これらの記号は以下の各実施例において共通である。
図3は本発明の実施例1にかかる顕微鏡の概略構成図、図4は実施例1の顕微鏡に用いるダイクロイックミラー、バンドパスフィルタの光学特性を示すグラフである。
実施例1の顕微鏡は、第一の波長成分を持つ第一のパルス光を発生させる第一のパルスレーザ発生手段1と、第二の波長成分を持つ第二のパルス光を発生させる第二のパルスレーザ発生手段2と、第一のパルス光と第二のパルス光を合成して標本4に照射する照射手段(符号省略)と、照射手段を介して照射光を照射された標本4からの光から、コヒーレントストークスラマン散乱光のみを抽出するコヒーレントストークスラマン散乱光抽出手段(符号省略)と、照射手段を介して照射光を照射された標本4からの光から、第二のパルス光の標本4への照射により発生した2光子励起蛍光のみを抽出する2光子励起蛍光抽出手段6と、照射手段3を介して照射光を照射された標本4からの光から、第二のパルス光の標本4への照射により発生した第二高調波成分の光のみを抽出する第二高調波抽出手段7と、コヒーレントストークスラマン散乱光を検出するコヒーレントストークスラマン散乱光検出手段8と、2光子励起蛍光あるいは第二高調波を検出する落射光検出手段9及び透過光検出手段10とを有して構成されている。
第一のパルスレーザ発生手段1は、第一のパルス光として、波長が例えば約900nmでパルス幅がピコ秒のパルス光を発生させるパルスレーザ光源で構成されている。
第二のパルスレーザ発生手段2は、第二のパルス光として、波長が第一のパルス光の波長の近傍であって該第一のパルス光の波長よりも短い波長である所定波長帯域(例えば、約700〜900nm)の波長でパルス幅がフェムト秒のパルス光を発生させるパルスレーザ光源で構成されている。また、第二のパルスレーザ発生手段2は、第二のパルス光の波長を上記所定波長帯域内(約700〜900nm)で走査することができるようになっている。
そして、実施例1の顕微鏡では、第一のパルス光がポンプ光、第二のパルス光がアンチストークス光として機能するようになっている。
照射手段は、ミラー11と、ハーフミラー12と、ダイクロイックミラー13,14と、ガルバノミラー15,16と対物レンズ17を有して構成されている。
ハーフミラー12は、第一のパルス光と第二のパルス光とが交差する光路上に設けられている。
ダイクロイックミラー13は、2光子励起蛍光の波長帯域(例えば、約500〜650nm)以下の波長の光を透過し、アンチストークス光の波長帯域(例えば、約700〜900nm)以上の波長の光を反射する光学特性を有している。
ダイクロイックミラー14は、ポンプ光の波長(約900nm)以下の波長の光を透過し、ポンプ光の波長よりも長い波長の光を反射する光学特性を有している。
ガルバノミラー15,16は、標本4内における照射光の集光位置を2次元方向に走査するように構成されている。
コヒーレントストークスラマン散乱光抽出手段は、照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう標本4からの光からコヒーレントストークスラマン散乱光を抽出するE−CSRS(EPI-DETECTED COHERENT STOKES RAMAN)光抽出手段(符号省略)と、照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう標本4からの光からコヒーレントストークスラマン散乱光を抽出するF−CSRS(FORWARD-DETECTED COHERENT STOKES RAMAN)光抽出手段(符号省略)とで構成されている。
E−CSRS光抽出手段は、ダイクロイックミラー14と、ミラー22と、ハーフミラー23と、分光器24と、レンズ25を有して構成されている。
分光器24は、入射光を分光素子27に導くミラー26と、グレーティング等からなる分光素子27と、分光素子27で分散された光を投影する分散投影レンズ28と、コヒーレントストークスラマン散乱光を通過させ、それ以外の光を遮断するように配置された遮光部材29を有して構成されている。
F−CSRS光抽出手段は、ダイクロイックミラー14と同様の光学特性を有するダイクロイックミラー30と、ハーフミラー23と、分光器24と、レンズ25を有して構成されている。
ハーフミラー23は、ミラー22で反射された光とダイクロイックミラー30で反射された光とが交わる光路上に配置されている。
また、ハーフミラー23は、図示省略したミラーとともに図示省略したスライダに設けられており、スライダを介してハーフミラー23を光路から外した状態と、ハーフミラー23から図示省略したミラーに切替えた状態の3つの状態に切替可能に構成されている。図3では、ハーフミラー23が光路上に配置されており、E−CSRS光とF−CSRS光の両方のCSRS光が抽出できる状態を示している。なお、ハーフミラー23を光路から外したときにはF−CSRS光のみが抽出され、図示省略したミラーに切替えたときにはE−CSRS光のみが抽出されるようになっている。
また、コヒーレントストークスラマン散乱光抽出手段において、偏光型のコヒーレントストークスラマン散乱光を抽出するP−CSRS(POLARIZATION COHERENT STOKES RAMAN)光抽出手段(符号省略)として、第一のパルスレーザ発生手段1とミラー11との間に所定の直線偏光に変換する偏光子32が、第二のパルスレーザ発生手段2とハーフミラー12との間に偏光子32で変換される直線偏光とは異なる角度の直線偏光に変換する偏光子33が、ハーフミラー23と分光器24との間にコヒーレントストークスラマン散乱光の直線偏光を透過し、非共鳴散乱光を遮断する検光子34が、それぞれスライダ等を介して着脱可能に設けられている。
P−CSRS光抽出手段を上記光路上に挿入すると、第一のパルス光と第二のパルス光をそれぞれ振動方向の異なる直線偏光に変換してから標本に照射し、更に散乱光から特定方向の直線偏光成分のみを抽出することにより、背景雑音となる非共鳴ラマン散乱成分が除去され、コヒーレントストークスラマン散乱光を高感度で検出することができる。
2光子励起蛍光抽出手段6は、2光子励起蛍光の波長帯域(例えば、約500〜650nm)の波長の光のみを透過し、それ以外の波長の光を遮断するバンドパスフィルタで構成されている。
第二高調波抽出手段7は、第二のパルスレーザ光の第二高調波の波長帯域(例えば、約350〜450nm)の波長の光のみを透過し、それ以外の波長の光を遮断するバンドパスフィルタで構成されている。
バンドパスフィルタ6,7は、それぞれ、いずれか一方をダイクロイックミラー13と落射光検出手段9との間の光路、及びダイクロイックミラー30と透過光検出手段10との間の光路に挿脱可能に設けられている。そして、バンドパスフィルタ6を挿入した場合には、2光子励起蛍光が抽出され、バンドパスフィルタ7を挿入した場合には、第二高調波が抽出されるようになっている。
検出手段8,9,10は、ディテクタで構成されている。
その他、35は対物レンズである。
このように構成された実施例1の顕微鏡の作用について説明する。なお、ここでは、便宜上、図3に示すように、偏光子32、偏光子33、検光子34、及びハーフミラー23がそれぞれ光路上の所定位置に挿入されているとともに、バンドパスフィルタ7がダイクロイックミラー13と落射光検出手段9との間の光路、バンドパスフィルタ6がダイクロイックミラー30と透過光検出手段10との間の光路にそれぞれ挿入されている場合について説明する。
実施例1の顕微鏡によれば、第一のパルスレーザ発生手段1から発せられたポンプ光は、偏光子32を経て所定方向の直線偏光成分に偏光され、ミラー11で反射されてハーフミラー12に入射する。第二のパルスレーザ発生手段2から発せられたアンチストークス光は、偏光子33を経てポンプ光とは異なる角度の直線偏光に偏光され、ハーフミラー12に入射する。ハーフミラー12で反射されたポンプ光とハーフミラー12を透過したストークス光は、同一光路上を通る光として合成される。合成された光は、ダイクロイックミラー13で反射され、ダイクロイックミラー14を透過し、ガルバノミラー15,16を介して標本4内の集光位置を2次元方向に走査され、対物レンズ17で集光されて標本4内の所定の箇所を照射する。
標本4は、ポンプ光とアンチストークス光とが照射されることによりコヒーレントストークスラマン散乱光を発する。また、標本4は、アンチストークス光を照射されることにより、アンチストークス光の半分の波長の第二高調波を発する。さらに、標本4は、アンチストークス光を照射されることにより、2光子励起現象を生じ、コヒーレントストークスラマン散乱光や第二高調波に遅れたタイミングで蛍光を発する。
照射手段を介して光を照射されることにより標本4から発する光及び標本4を透過又は反射する光のうち、反射される方向に向かう標本4からの光は、対物レンズ17、ガルバノミラー16,15を経て、ダイクロイックミラー14に入射する。ダイクロイックミラー14に入射した光のうち、コヒーレントストークスラマン散乱光がダイクロイックミラー14で反射され、コヒーレントストークスラマン散乱光よりも短い波長の光(ポンプ光、アンチストークス光、2光子励起蛍光、及び第二高調波)がダイクロイックミラー14を透過する。
ダイクロイックミラー14を透過した光は、ダイクロイックミラー13に入射する。ダイクロイックミラー13に入射した光のうち、アンチストークス光以上の波長の光(アンチストークス光、及びポンプ光)がダイクロイックミラー13で反射され、アンチストークス光よりも短い波長の光(第二高調波、及び2光子励起蛍光)がダイクロイックミラー13を透過する。
ダイクロイックミラー13を透過した光は、バンドパスフィルタ7に入射する。バンドパスフィルタ7に入射した光のうち、第二高調波のみがバンドパスフィルタ7を透過し、第二高調波以外の光(2光子励起蛍光、及びダイクロイックミラー14を極く僅かに透過したその他の波長の光)が遮断される。バンドパスフィルタ7を透過した第二高調波は、落射光検出手段9で検出される。
照射手段を介して光を照射されることにより標本4から発する光及び標本4を透過又は反射する光のうち、透過する方向に向かう標本4からの光は、対物レンズ35を経て、ダイクロイックミラー30に入射する。ダイクロイックミラー30に入射した光のうち、コヒーレントストークスラマン散乱光がダイクロイックミラー30で反射され、コヒーレントストークスラマン散乱光よりも短い波長の光(ポンプ光、アンチストークス光、2光子励起蛍光、及び第二高調波)がダイクロイックミラー30を透過する。
ダイクロイックミラー30を透過した光は、バンドパスフィルタ6に入射する。バンドパスフィルタ6に入射した光のうち、2光子励起蛍光のみがバンドパスフィルタ6を透過し、2光子励起蛍光以外の光(ポンプ光、アンチストークス光、2光子励起蛍光、第二高調波、及びダイクロイックミラー30を極く僅かに透過したその他の波長の光)が遮断される。バンドパスフィルタ6を透過した2光子励起蛍光は、透過光検出手段10で検出される。
ダイクロイックミラー14で反射された光は、ミラー22で反射され、ハーフミラー23に入射する。また、ダイクロイックミラー30で反射された光は、ハーフミラーに入射する。
ハーフミラー22で反射された光及びハーフミラー23を透過した光は、検光子34に入射する。検光子34に入射した光のうち、非共鳴散乱光が検光子34で遮断され、コヒーレントストークスラマン散乱光、及び、ダイクロイックミラー14,30を極く僅かに反射したその他の光が検光子34を通過して、分光器24のミラー26に入射する。
ミラー26に入射した光は、ミラー26で反射されて分光素子27に入射する。分光素子27に入射した光は、所定の波長分解能でもって分散されて分散投影レンズ28に入射し、分散投影レンズ28を介して分光投影される。分光投影される光のうち、コヒーレントストークスラマン散乱光以外の波長の光が遮光部材29で遮断され、コヒーレントストークスラマン散乱光が遮光部材29を通過し、検出手段8で検出される。
なお、バンドパスフィルタ6をダイクロイックミラー13と落射光検出手段9との間の光路に挿入し、バンドパスフィルタ7をダイクロイックミラー30と透過光検出手段10との間の光路に挿入した場合には、落射光検出手段9で落射照明による2光子励起蛍光が、透過光検出手段10で透過照明による第二高調波がそれぞれ検出される。
また、ハーフミラー23を光路から外したときには、F−CSRS光のみが検出手段8で検出され、図示省略したミラーに切替えたときにはE−CSRS光のみが検出手段8で検出される。
従って、実施例1の顕微鏡によれば、1台の顕微鏡でもって、一つの標本に対し、観察する目的に応じて、2光子励起蛍光観察、第二高調波観察、コヒーレントストークスラマン散乱光観察とを並行して或いは選択的に行うことができる。
なお、実施例1の顕微鏡では、バンドパスフィルタ6,7を切替え可能に構成したが、それぞれいずれかの位置に固定して設けてもよい。また、ハーフミラー23を、図示省略したスライダを介してミラーと切替可能に構成したが、いずれか一方を固定する、或いはいずれも設けない構成としてもよい。さらに、偏光子32、偏光子33、及び検光子34も同様に、固定して配置する、或いはいずれも設けない構成としてもよい。また、対物レンズ35の代わりに、コンデンサレンズを用いても良い。
図5は本発明の実施例2にかかる顕微鏡の概略構成図、図6は実施例2の顕微鏡に用いるダイクロイックミラー、バンドパスフィルタの光学特性を示すグラフである。
実施例2の顕微鏡では、ハーフミラー23がミラー22で反射した光とダイクロイックミラー30で反射した光とが交わる光路上に固定されており、F−CSRS光とE−CSRS光の両方のコヒーレントストークスラマン散乱光が抽出される構成に限定されている。
また、ダイクロイックミラー13の透過側光路には、第二のパルスレーザ光の第二高調波の波長帯域(例えば、約350〜450nm)の波長の光を透過し、第二高調波よりも長い波長の光を反射するダイクロイックミラー36aが設けられている。そして、ダイクロイックミラー36aの透過側光路には、第二のパルスレーザ光の第二高調波の波長帯域(例えば、約350〜450nm)の波長の光のみを透過し、それ以外の波長の光を遮断するバンドバスフィルタ7aと、落射第二高調波検出手段としてのディテクタ9aが設けられ、ダイクロイックミラー36aの反射側光路には、2光子励起蛍光の波長帯域(例えば、約500〜650nm)の波長の光のみを透過し、それ以外の波長の光を遮断するバンドパスフィルタ6aと、落射2光子励起蛍光検出手段としてのディテクタ10aが設けられており、落射2光子励起蛍光と落射第二高調波とを並行して検出することができるようになっている。
また、ダイクロイックミラー30の透過側光路には、ダイクロイックミラー36aと同様の光学特性を有するダイクロイックミラー36bが設けられている。そして、ダイクロイックミラー36bの透過側光路には、バンドパスフィルタ7aと同様の光学特性を有するバンドパスフィルタ7bと、落射第二高調波検出手段9aと同様に構成された透過第二高調波検出手段としてのディテクタ9bが設けられ、ダイクロイックミラー36bの反射側光路には、バンドパスフィルタ6aと同様の光学特性を有するバンドパスフィルタ6bと、落射2光子励起蛍光検出手段10aと同様に構成された透過第二高調波検出手段としてのディテクタ10bが設けられており、透過2光子励起蛍光と透過第二高調波とを並行して検出することができるようになっている。
実施例2の顕微鏡によれば、落射第二高調波、落射2光子励起蛍光、透過第二高調波、透過2光子励起蛍光、及びコヒーレントストークスラマン散乱光を一度に検出することができる。その他の作用効果は、実施例1の顕微鏡とほぼ同じである。
図7は本発明の実施例3にかかる顕微鏡の概略構成図、図8は実施例3の顕微鏡に用いるダイクロイックミラー、バンドパスフィルタの光学特性を示すグラフである。
実施例3の顕微鏡は、第一の波長成分を持つ第一のパルス光を発生させる第一のパルスレーザ発生手段1’と、第二の波長成分を持つ第二のパルス光を発生させる第二のパルスレーザ発生手段2’と、第一のパルス光と第二のパルス光を合成して標本4に照射する照射手段(符号省略)と、照射手段を介して照射光を照射された標本4からの光から、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光のみを抽出するコヒーレントアンチストークスラマン散乱光抽出手段(符号省略)と、照射手段を介して照射光を照射された標本4からの光から、第二のパルス光の標本4への照射により発生した2光子励起蛍光のみを抽出する落射2光子励起蛍光抽出手段(符号省略)と、照射手段を介して照射光を照射された標本4からの光から、第二のパルス光の標本4への照射により発生した第二高調波成分の光のみを抽出する透過第二高調波抽出手段7’と、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光を検出するコヒーレントアンチストークスラマン散乱光検出手段8’と、2光子励起蛍光を検出する落射2光子励起蛍光検出手段9’と、第二高調波を検出する透過第二高調波検出手段10’とを有して構成されている。
第一のパルスレーザ発生手段1’は、第一のパルス光として、波長が例えば約700nmでパルス幅がピコ秒のパルス光を発生させるパルスレーザ光源で構成されている。
第二のパルスレーザ発生手段2’は、第二のパルス光として、波長が第一のパルス光の波長よりも長い波長である所定波長帯域(例えば、約700〜900nm)の波長でパルス幅がフェムト秒のパルス光を発生させるパルスレーザ光源で構成されている。また、第二のパルスレーザ発生手段2’は、第二のパルス光の波長を上記所定波長帯域内(約700〜900nm)で走査することができるようになっている。
そして、実施例3の顕微鏡では、第一のパルス光がポンプ光、第二のパルス光がストークス光として機能するようになっている。
照射手段は、ミラー11と、ハーフミラー12と、ダイクロイックミラー41と、ガルバノミラー15,16と対物レンズ17とを有して構成されている。
ハーフミラー12は、第一のパルス光と第二のパルス光とが交差する光路上に設けられている。
ダイクロイックミラー41は、ポンプ光の波長(約700nm)よりも短い波長の光を透過し、ポンプ光の波長以上の波長の光を反射する光学特性を有している。
ガルバノミラー15,16は、標本4内における照射光の集光位置を2次元方向に走査するように構成されている。
コヒーレントアンチストークスラマン散乱光抽出手段は、照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう標本4からの光からコヒーレントアンチストークスラマン散乱光を抽出するE−CARS光抽出手段(符号省略)と、照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう標本4からの光からコヒーレントアンチストークスラマン散乱光を抽出するF−CARS光抽出手段(符号省略)とで構成されている。
E−CARS光抽出手段は、偏光ビームスプリッタ42と、ミラー22と、ハーフミラー23と、ダイクロイックミラー43と、ミラー44,45と、カーゲート46と、検光子47と、分光器24と、レンズ25を有して構成されている。
偏光ビームスプリッタ42は、直線偏光を反射し、直線偏光以外の光を透過又は反射する(即ち、透過する光は直線偏光以外の光に限られる。)光学特性を有しており、直線偏光でない2光子励起蛍光を抽出する落射2光子励起蛍光抽出手段としての機能も備えている。
ダイクロイックミラー43は、ダイクロイックミラー41と同様に、ポンプ光の波長(約700nm)よりも短い波長の光を透過し、ポンプ光の波長以上の波長の光を反射する光学特性を有している。
ミラー45は、光をカーゲート46に斜めに入射させるように配置されている。
カーゲート46は、ミラー45から光が斜めに入射したときに、ハーフミラー23を透過及び反射してカーゲート46に入射した光の直線偏光の偏光方向を所定方向に回転させる機能を備えている。
検光子47は、カーゲート46を透過したときに偏光方向が変えられた直線偏光を透過し、カーゲート46を透過したときに偏光方向が変わらない直線偏光を遮断する光学特性を有している。
分光器24は、入射光を分光素子27に導くミラー26と、グレーティング等からなる分光素子27と、分光素子27で分散された光を投影する分散投影レンズ28と、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光を通過させ、それ以外の光を遮断するように配置された遮光部材29を有して構成されている。
F−CARS光抽出手段は、ダイクロイックミラー48と、偏光子49と、ハーフミラー23と、ダイクロイックミラー43と、ミラー44,45と、カーゲート46と、検光子47と、分光器24と、レンズ25を有して構成されている。
ダイクロイックミラー48は、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光の波長帯域(例えば、570〜700nm)以上の波長の光を反射し、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光の波長よりも短い波長の光を透過する光学特性を有している。
偏光子49は、偏光方向がランダムな2光子励起蛍光を直線偏光に変換する光学特性を有している。
また、ミラー44、ミラー45は、ハーフミラー23を反射及び透過したコヒーレントアンチストークスラマン散乱光(E−CARS光及びF−CARS光)がカーゲート46に入射するタイミングと同じタイミングでもって、ミラー45からのストークス光をカーゲート46に入射させる調整機能を備えている。
ハーフミラー23は、ミラー22で反射した光と偏光子49を透過した光とが交わる光路上に配置されている。
また、ハーフミラー23は、図示省略したミラーとともに図示省略したスライダに設けられており、スライダを介してハーフミラー23を光路から外した状態と、ハーフミラー23から図示省略したミラーに切替えた状態の3つの状態に切替可能に構成されている。図7では、ハーフミラー23が光路上に配置されており、E−CARS光とF−CARS光の両方のCARS光が抽出できる状態を示している。なお、ハーフミラー23を光路から外したときにはF−CARS光のみが抽出され、図示省略したミラーに切替えたときにはE−CARS光のみが抽出されるようになっている。
なお、実施例3の顕微鏡では、便宜上、図示を省略したが、実施例1のP−CSRS光抽出手段と同様に、偏光型のコヒーレントアンチストークスラマン散乱光を抽出するP−CARS(POLARIZATION COHERENT ANTISTOKES RAMAN)光抽出手段として、第一のパルスレーザ発生手段1’とミラー11との間に所定の直線偏光に変換する第一の偏光子と、第二のパルスレーザ発生手段2’とハーフミラー12との間に第一の偏光子で変換される直線偏光とは異なる角度の直線偏光に変換する第二の偏光子と、ハーフミラー23と分光器24との間にコヒーレントアンチストークスラマン散乱光の直線偏光を透過し、非共鳴散乱光を遮断する検光子とを、それぞれスライダ等を介して着脱可能に設けてもよい。
P−CARS光抽出手段を光路上に挿入すると、第一のパルス光と第二のパルス光をそれぞれ振動方向の異なる直線偏光に変換してから標本に照射し、更に散乱光から特定方向の直線偏光成分のみを抽出することにより、背景雑音となる非共鳴ラマン散乱成分が除去できるため、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光を高感度で検出することができるようになる。
2光子励起蛍光抽出手段は、上述したように、直線偏光を反射し、直線偏光以外の光を透過又は反射する光学特性を有するビームスプリッタ42で構成されており、直線偏光であるポンプ光、ストークス光、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光、第二高調波を透過させず、直線偏光以外の2光子励起蛍光の波長帯域(例えば、約500〜650nm)の波長の光のみを透過させるようになっている。
第二高調波抽出手段7’は、第二のパルスレーザ光の第二高調波の波長帯域(例えば、約350〜450nm)の波長の光のみを透過し、それ以外の波長の光を遮断するバンドパスフィルタで構成されている。
このように、実施例3の顕微鏡では、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光と2光子励起蛍光とを分離するための分離手段として、ミラー44,45等の遅延光学系やカーゲート46等を有して構成される時間分解手段を備えている。
コヒーレントアンチストークスラマン散乱光と2光子励起蛍光は、波長域が一部重なり得るため、分離する必要がある。しかるに、標本では、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光はストークス光である励起光パルスの照射されている瞬間しか発生しないが、2光子励起蛍光は励起光パルスの照射から遅れて発生し、励起光パルスが消えてもしばらくは発光し続ける。そこで、カーゲート46を設けて励起光パルス(ストークス光)、及びコヒーレントアンチストークスラマン散乱光がカーゲート46に入射するタイミングと2光子励起蛍光がカーゲート46に入射するタイミングとをずらすようにすれば、カーゲート46を通過するときのコヒーレントアンチストークスラマン散乱光と2光子励起蛍光との偏光方向を異ならせることができ、異なる偏光成分ごとに分離することで、それぞれの光が分離できる。
このように構成された実施例3の顕微鏡の作用について説明する。なお、ここでは、便宜上、図示していないP−CARS光抽出手段が光路上の所定位置に挿入されてなく、かつ、CARS光ハーフミラー23が光路上の所定位置に挿入されている場合について説明する。
実施例3の顕微鏡によれば、第一のパルスレーザ発生手段1’から発せられたポンプ光は、ミラー11で反射されてハーフミラー12に入射する。第二のパルスレーザ発生手段2’から発せられたストークス光は、ハーフミラー12に入射する。ハーフミラー12で反射されたポンプ光とハーフミラー12を透過したストークス光は、同一光路上を通る光として合成される。合成された光は、ダイクロイックミラー41で反射され、ガルバノミラー15,16を介して標本4内の集光位置を2次元方向に走査され、対物レンズ17で集光されて標本4内の所定の箇所を照射する。
標本4は、ポンプ光とストークス光とが照射されることによりコヒーレントアンチストークスラマン散乱光を発する。また、標本4は、ストークス光を照射されることにより、ストークス光の半分の波長の第二高調波を発する。さらに、標本4は、ストークス光を照射されることにより、2光子励起現象を生じ、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光や第二高調波に遅れたタイミングで蛍光を発する。
照射手段を介して光を照射されることにより標本4から発する光及び標本4を透過又は反射する光のうち、反射される方向に向かう標本4からの光は、対物レンズ17、ガルバノミラー16,15を経て、ダイクロイックミラー41に入射する。ダイクロイックミラー41に入射した光のうち、ポンプ光及びストークス光がダイクロイックミラー41で反射され、ポンプ光よりも短い波長の光(コヒーレントアンチストークスラマン散乱光、2光子励起蛍光、及び第二高調波)がダイクロイックミラー41を透過する。
ダイクロイックミラー41を透過した光は、偏光ビームスプリッタ42に入射する。偏光ビームスプリッタ42に入射した光のうち、直線偏光であるコヒーレントアンチストークスラマン散乱光及び第二高調波は、偏光ビームスプリッタ42で反射される。2光子励起蛍光は、もともと偏光方向がランダムであるため、極く僅かな直線偏光成分がビームスプリッタ42で反射され、直線偏光でないほとんどの成分が偏光ビームスプリッタ42を透過する。これにより、2光子励起蛍光のみが抽出される。偏光ビームスプリッタ42を透過した2光子励起蛍光は、落射2光子励起蛍光検出手段9’で検出される。
照射手段を介して光を照射されることにより標本4から発する光及び標本4を透過又は反射する光のうち、透過する方向に向かう標本4からの光は、対物レンズ35を経て、ダイクロイックミラー43に入射する。ダイクロイックミラー43に入射した光のうち、ポンプ光及びストークス光がダイクロイックミラー43で反射され、ポンプ光よりも短い波長の光(コヒーレントアンチストークスラマン散乱光、2光子励起蛍光、及び第二高調波)がダイクロイックミラー43を透過する。
ダイクロイックミラー43を透過した光は、ダイクロイックミラー48に入射する。ダイクロイックミラー48に入射した光のうち、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光の波長帯域(約570〜700nm)以上の波長の光(互いに一部の波長領域で波長が重なる2光子励起蛍光及びアンチコヒーレントラマン散乱光)がダイクロイックミラー48で反射され、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光の波長よりも短い波長の光(2光子励起蛍光及び第二高調波)がダイクロイックミラー48を透過する。
ダイクロイックミラー48を透過した光は、バンドパスフィルタ7’に入射する。バンドパスフィルタ7’に入射した光のうち、第二高調波のみがバンドパスフィルタ7’を透過し、第二高調波以外の光(2光子励起蛍光及びダイクロイックミラー48を極く僅かに透過したその他の波長の光)が遮断される。バンドパスフィルタ7’を透過した第二高調波は、透過第二高調波検出手段10’で検出される。
偏光ビームスプリッタ42で反射された光は、ミラー22で反射され、ハーフミラー23に入射する。
また、ダイクロイックミラー48で反射された光は、偏光子49を透過する。このとき、2光子励起蛍光は、直線偏光に変換される。偏光子49を透過した光は、ハーフミラー23に入射する。
ハーフミラー22で反射された光及びハーフミラー23を透過した光は、ストークスコヒーレントラマン散乱光と2光子励起蛍光とで異なるタイミングでもってカーゲート46に入射する。
このとき、ダイクロイックミラー43で反射されたポンプ光及びストークス光は、ミラー44,45を介して、カーゲート46にストークスコヒーレントラマン散乱光が入射するタイミングと同じタイミングでカーゲート46に斜めに入射する。カーゲート46にストークス光が斜めに入射すると、カーゲート46を透過する光の偏光方向が所定方向に回転させられる(即ち、偏光方向が変わる)。
このため、カーゲート46に入射したコヒーレントアンチストークス光は、偏光方向が所定方向に回転させられてカーゲート46を透過する。
カーゲート46を透過して偏光方向が変えられたコヒーレントアンチストークス光は、検光子47を通過して、分光器24のミラー26に入射する。
ミラー26に入射した光は、ミラー26で反射されて分光素子27に入射する。分光素子27に入射した光は、所定の波長分解能でもって分散されて分散投影レンズ28に入射し、分散投影レンズ28を介して分光投影される。分光投影される光のうち、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光以外の波長の光が遮光部材29で遮断され、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光が遮光部材29を通過し、検出手段8’で検出される。
一方、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光と異なるタイミングで2光子励起蛍光がカーゲート46に入射するタイミングは、ストークス光がカーゲート46に斜めに入射するタイミングとずれている。
このため、カーゲート46に入射した2光子励起蛍光は、偏光方向を回転させられることなくカーゲート46を透過する。
カーゲート46を透過しても偏光方向が変わらない2光子励起蛍光は、検光子47で遮断される。このため、2光子励起蛍光は、検出器9’には到達しない。
これにより、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光と2光子励起蛍光は、それぞれ分離して抽出、検出されることになる。
なお、ハーフミラー23を光路から外したときには、F−CARS光のみが検出手段8’で検出され、図示省略したミラーに切替えたときにはE−CARS光のみが検出手段8’で検出される。
従って、実施例3の顕微鏡によれば、1台の顕微鏡でもって、一つの標本に対し、観察する目的に応じて2光子励起蛍光観察、第二高調波観察、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光観察とを並行して或いは選択的に行うことができる。
なお、実施例3の顕微鏡では、2光子励起蛍光を落射光で、第二高調波を透過光で検出するように構成したが、このような構成に限定されるものでなく、2光子励起蛍光を透過光で、第二高調波を落射光で検出するように構成することも勿論可能である。
また、3光子以上の多光子励起蛍光が発生する場合においても、本実施例と同様な時間分解を行うことにより、多光子励起蛍光と第二高調波を分離して検出できる。
図9は本発明の実施例4にかかる顕微鏡の概略構成図、図10は実施例4の顕微鏡に用いるダイクロイックミラー、バンドパスフィルタの光学特性を示すグラフである。
実施例4の顕微鏡も、実施例3の顕微鏡と同様、第二高調波と、2光子励起蛍光と、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光を検出する顕微鏡として構成されている。
実施例4の顕微鏡では、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光と2光子励起蛍光とを分離する手段として、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光を変調した状態で発生させる変調手段としての変調器50、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光検出手段と2光子励起蛍光検出手段とを兼ねていて、変調されたコヒーレントアンチストークスラマン散乱光と2光子励起蛍光とを共に受光し、受光した光から変調成分と非変調成分とを分離して検出する検出装置としてのlock-in検出器53を備えている。
なお、便宜上、実施例3の顕微鏡の構成と異なる点について説明することとし、実施例3と構成が同じ光学部材には同じ符号を付し、説明は省略する。
変調器50は、AOM(音響光学変調素子)又はEOM(電気光学変調素子)を用いて構成されており、ミラー11とハーフミラー12との間の光路に設けられている。
lock−in検出器53は、検出器8’に接続されており、検出器8’で受光した信号のうち、変調がかけられたAC成分と、変調がかけられていないDC成分とを分離して検出する機能を備えている。
また、実施例4の顕微鏡では、実施例3の顕微鏡におけるダイクロイックミラー43、ミラー44,45、偏光子49、カーゲート46、検光子47、検出器9’を設けていないとともに、実施例3の顕微鏡における偏光ビームスプリッタ42、ダイクロイックミラー48に代えてダイクロイックミラー51,52が設けられている。ダイクロイックミラー51は、単光子励起光の波長(例えば、約500nm)の光のみを透過し、コヒーレントアンチストークス光及び2光子励起蛍光を含めてその他の波長帯域の光を反射する光学特性を有している。また、ダイクロイックミラー52は、第二のパルスレーザ光の第二高調波の波長帯域(例えば、約350〜450nm)の波長の光を透過し、第二高調波よりも長い波長の光を反射する光学特性を有している。
また、実施例4の顕微鏡では、分光器24が、分散投影レンズ28を介して分光投影する光のうち、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光及び2光子励起蛍光以外の波長の光を遮光部材29で遮断し、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光及び2光子励起蛍光は遮光部材29を通過するように構成されている。そして、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光と2光子励起蛍光は、共に検出器8’で受光されるようになっている。
なお、実施例4の顕微鏡では、実施例1のP−CSRS光抽出手段と同様に、偏光型のコヒーレントアンチストークスラマン散乱光を抽出するP−CARS(POLARIZATION COHERENT ANTISTOKES RAMAN)光抽出手段として、第一のパルスレーザ発生手段1’とミラー11との間に所定の直線偏光に変換する偏光子54が、第二のパルスレーザ発生手段2’とハーフミラー12との間に偏光子54で変換される直線偏光とは異なる角度の直線偏光に変換する偏光子55が、ハーフミラー23と分光器24との間にコヒーレントアンチストークスラマン散乱光の直線偏光を透過し、非共鳴散乱光を遮断する検光子56が、それぞれスライダ等を介して着脱可能に設けられている。
さらに、実施例4の顕微鏡では、ダイクロイックミラー51の入射側光路に単光子励起用レーザ光源57が設けられており、通常の単光子励起蛍光も、lock−in検出器53を介して検出することができるようになっている。なお、単光子励起用レーザ光源57を設けないで構成しても勿論良い。
このように構成された実施例4の顕微鏡の作用について説明する。なお、ここでは、便宜上、偏光子54、偏光子55、検格子56、ハーフミラー23が光路上の所定位置に挿入されている場合について説明する。
実施例4の顕微鏡によれば、第一のパルスレーザ発生手段1’から発せられたポンプ光は、偏光子54を経て所定方向の直線偏光成分に偏光され、ミラー11で反射されて変調器50に入射し、変調器50を介して変調されて、ハーフミラー12に入射する。第二のパルスレーザ発生手段2’から発せられたストークス光は、第2の偏光子55を経てポンプ光とは異なる角度の直線偏光に偏光され、ハーフミラー12に入射する。ハーフミラー12で反射された変調ポンプ光とハーフミラー12を透過したストークス光は、同一光路上を通る光として合成される。合成された光は、ダイクロイックミラー41で反射され、ガルバノミラー15,16を介して標本4内の集光位置を2次元方向に走査され、対物レンズ17で集光されて標本4内の所定の箇所を照射する。
標本4は、ポンプ光とストークス光とが照射されることによりコヒーレントアンチストークスラマン散乱光を発する。また、標本4は、ストークス光を照射されることにより、ストークス光の半分の波長の第二高調波を発する。さらに、標本4は、ストークス光を照射されることにより、2光子励起現象を生じ、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光や第二高調波に遅れたタイミングで蛍光を発する。このとき、ポンプ光には変調がかかっているため、発生するコヒーレントストークスラマン散乱光にも変調がかかる。一方、ストークス光には変調がかかっていないため、発生するストークス光の第二高調波及び2光子励起蛍光には変調がかからない。
照射手段を介して光を照射されることにより標本4から発する光及び標本4を透過又は反射する光のうち、反射される方向に向かう標本4からの光は、対物レンズ17、ガルバノミラー16,15を経て、ダイクロイックミラー41に入射する。ダイクロイックミラー41に入射した光のうち、ポンプ光及びストークス光がダイクロイックミラー41で反射され、ポンプ光よりも短い波長の光(コヒーレントアンチストークスラマン散乱光、2光子励起蛍光、及び第二高調波)がダイクロイックミラー41を透過する。
ダイクロイックミラー41を透過した光は、ダイクロイックミラー51に入射する。ダイクロイックミラー51に入射した光のうち、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光、2光子励起蛍光、及び第二高調波は、ダイクロイックミラー51で反射され、ミラー22で反射されて、ハーフミラー23に入射する。
照射手段3を介して光を照射されることにより標本4から発する光及び標本4を透過又は反射する光のうち、透過する方向に向かう標本4からの光は、対物レンズ35を経て、ダイクロイックミラー52に入射する。ダイクロイックミラー52に入射した光のうち、第二のパルスレーザ光の第二高調波の波長帯域(例えば、約350〜450nm)の波長の光がダイクロイックミラー52を透過し、第二高調波よりも長い波長の光(2光子励起蛍光、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光、ポンプ光、及びストークス光)がダイクロイックミラー52で反射される。
ダイクロイックミラー52を透過した光は、バンドパスフィルタ7’に入射する。バンドパスフィルタ7’に入射した光のうち、第二高調波のみがバンドパスフィルタ7’を透過し、第二高調波以外のダイクロイックミラー52を極く僅かに透過したその他の波長の光が遮断される。バンドパスフィルタ7’を透過した第二高調波は、透過第二高調波検出手段10’で検出される。
ダイクロイックミラー52で反射された光は、ハーフミラー23に入射する。
ハーフミラー22で反射された光及びハーフミラー23を透過した光は、検光子56に入射する。検光子56に入射した光のうち、非共鳴散乱光が検光子56で遮断され、その他の光(2光子励起蛍光、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光、ポンプ光、及びストークス光)が検光子56を通過して、分光器24のミラー26に入射する。
ミラー26に入射した光は、ミラー26で反射されて分光素子27に入射する。分光素子27に入射した光は、所定の波長分解能でもって分散されて分散投影レンズ28に入射し、分散投影レンズ28を介して分光投影される。分光投影される光のうち、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光及び2光子励起蛍光以外の波長の光が遮光部材29で遮断され、コヒーレントストークスラマン散乱光及び2光子励起蛍光が遮光部材29を通過し、共に検出手段8’で受光される。このとき、検出手段8’で受光された光のうち、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光には変調がかかっており、2光子励起蛍光には、変調がかかっていない。
検出手段8’で受光された信号は、光電変換され、lock−in検出器53に送られる。
lock−in検出器53に送られた信号は、変調がかけられたAC成分の信号と、変調がかけられていないDC成分の信号とに分離して検出される。
これにより、変調がかけられたコヒーレントアンチストークスラマン散乱光と、変調がかけられていない2光子励起蛍光は、それぞれ分離して、抽出、検出されることになる。
なお、ハーフミラー23を光路から外したときには、F−CARS光のみが検出手段8’で検出され、図示省略したミラーに切替えたときにはE−CARS光のみが検出手段8’で検出される。
従って、実施例4の顕微鏡によれば、1台の顕微鏡でもって、一つの標本に対し、観察する目的に応じて2光子励起蛍光観察、第二高調波観察、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光観察とを並行して或いは選択的に行うことができる。
なお、実施例4の顕微鏡では、第二高調波を透過光で検出するように構成したが、このような構成に限定されるものでなく、第二高調波を落射光で検出するように構成することも勿論可能である。
また、実施例4の顕微鏡において、単光子励起蛍光を検出する場合には、単光子励起用レーザ光源57から所定波長(約500nm)のレーザパルスを発するようにする。単光子励起用レーザ光源57から発せられた励起光は、ダイクロイックミラー51、ダイクロイックミラー41、ガルバノミラー15,16、対物レンズ17を経て、標本4を照射する。標本4で発した単光子励起蛍光は、2光子励起蛍光と同様の光路を辿り、検出手段8’で受光され、lock−in検出器53で検出される。
このように、実施例4の顕微鏡では、上記効果に加えて、単光子励起蛍光を検出することもできるため、観察の用途がより広くなる。
なお、実施例4の顕微鏡では、検出手段8’は1チャンネルのPMT(光電子倍増管)で構成してもよいが、PMTアレイやCCDアレイからなるマルチチャンネルディテクタを用いて構成してもよい。
マルチチャンネルディテクタを用いれば、2光子励起蛍光、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光のそれぞれについてスペクトル分解することができ、分解したスペクトルから検出した照射対象の成分の分析をすることができる。
図11は本発明の実施例5にかかる顕微鏡の概略構成図、図12は実施例5の顕微鏡に用いるダイクロイックミラー、バンドパスフィルタの光学特性をグラフで示す説明図である。
実施例5の顕微鏡の光学部材の基本的な配置構成は、実施例3の顕微鏡と同じであり、パルスレーザ発生手段から発されるパルス光の波長、及びダイクロイックミラー、バンドパスフィルタ等の光学特性が異なる。
実施例5の顕微鏡では、第一のパルスレーザ発生手段1”は、第一のパルス光として波長が第二のパルス光の波長よりも短い波長である所定波長帯域(例えば、約700〜800nm)の波長でパルス幅がピコ秒のパルス光を発生させるパルスレーザ光源で構成されている。第一のパルスレーザ発生手段1”は、第一のパルス光の波長を上記所定波長帯域内(約700〜800nm)で走査することができるようになっている。
第二のパルスレーザ発生手段2”は、第二のパルス光として波長が第一パルス光の波長よりも長い波長である所定波長(約900nm)でパルス幅がフェムト秒のパルス光を発生させるパルスレーザ光源で構成されている。
また、ダイクロイックミラー41’,43’は、ポンプ光の波長帯域(約700〜800nm)よりも短い波長の光を透過し、ポンプ光の波長帯域以上の波長の光を反射する光学特性を有している。
ダイクロイックミラー48’は、実施例5とは発生する波長帯域の異なるコヒーレントアンチストークスラマン散乱光の波長帯域以上の波長の光を反射し、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光の波長帯域よりも短い波長の光を透過する光学特性を有している。
第二高調波抽出手段7”は、第二のパルスレーザ光の第二高調波の波長帯域(約450nm)の波長の光のみを透過し、それ以外の波長の光を遮断するバンドパスフィルタで構成されている。
その他の構成は、図7及び図8に示した構成と同じである。
本発明の顕微鏡では、ストークス光は、2光子励起蛍光観察、第二高調波観察における励起光となっている。ストークス光の波長を走査した場合、吸収スペクトルが変化するため、蛍光の発光効率が変わる。このため、2光子励起蛍光、第二高調波を最適な発光効率を保って観察することができない。
しかるに、実施例5の顕微鏡によれば、ポンプ光の波長を走査し、ストークス光の波長を固定する構成としたので、ポンプ光の波長を走査中に2光子励起蛍光の発光効率は変化しない。このため、2光子励起蛍光、又は第二高調波の発光効率が最適となる波長をストークス光として用いれば、最適な発光状態で2光子励起蛍光、又は第二高調波を検出しながら、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光を検出することができる。
図13は本発明の実施例6にかかる顕微鏡の概略構成図、図14は実施例6の顕微鏡に用いるダイクロイックミラー、バンドパスフィルタの光学特性を示すグラフである。
実施例6の顕微鏡は、図9及び図10に示した実施例4の顕微鏡の照射手段にレーザ光選択手段としてのレーザコンバイナ61と、制御手段としてのコントローラ62を備えて構成されており、観察対象の関心領域に応じてレーザ光を選択して観察手法を切替えることができるようになっている。
レーザコンバイナ61は、第一のパルスレーザ発生手段(ポンプ光発生手段)1’と、第一のパルスレーザ発生手段1’のオンオフを切替える切替手段としての機能と第一のパルスレーザを変調する変調手段(図9に示した実施例4の顕微鏡における変調器50)としての機能とを兼ね備えた音響光学素子63と、第二のパルスレーザ発生手段(ストークス光発生手段)2’と、第二のパルスレーザ発生手段2’のオンオフを切替える切替手段である音響光学素子64と、単光子励起用パルスレーザ発生手段65と、単光子励起用パルスレーザ発生手段65のオンオフを切替える切替手段である音響光学素子66と、これらのパルスレーザの光路を合成するための合成手段としてのミラー67、及びハーフミラー68,69を有している。
コントローラ62は、レーザコンバイナ61の音響光学素子63,64,66に接続されており、音響光学素子63,64,66によるオンオフを制御する機能を備えている。また、コントローラ62は、lock-in検出器53に接続されており、音響光学素子63,63を共にオンにするときに同期してlock−in検出器53による波長分離をオンにし、それ以外のときにlock−in検出器53をオフにするように制御する機能も備えている。
なお、実施例6の顕微鏡では、レーザコンバイナ61に単光子励起用パルスレーザ発生手段65を備えて構成したが、備えないで構成してもよい。
なお、図13では、説明の便宜上、図9に示した実施例4の顕微鏡におけるミラー22、ハーフミラー23、偏光子54,55、検光子56を省き、コヒーレントラマン散乱光は、F−CARS光のみが検出できる状態を示している。勿論、実施例6の顕微鏡においてもE−CARS光、P−CARS光を検出できるように構成することは可能である。
また、実施例6の顕微鏡では、図9及び図10に示した実施例4の顕微鏡におけるダイクロイックミラー41,52、及びバンドパスフィルタ7’に代えて、これらと光学特性が異なるダイクロイックミラー41”,52’、及びバンドパスフィルタ7’”が設けられているとともに、ダイクロイックミラー41”の透過側光路には、図9及び図10に示した実施例4の顕微鏡におけるダイクロイックミラー51、及び単光子用レーザ発生手段57に代えて、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光と波長が重ならない波長帯域の2光子励起蛍光のみを抽出するためのバンドパスフィルタ70と、2光子励起蛍光部分検出手段9”が設けられている。
ダイクロイックミラー41”は、第二高調波と2光子励起蛍光及びコヒーレントアンチストークスラマン散乱光を透過し、単光子励起光の波長、及びポンプ光の波長以上の波長の光を反射する光学特性を有している。
ダイクロイックミラー52’は、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光よりも短い波長の光を透過し、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光以上の波長の光を反射する光学特性を有している。
バンドパスフィルタ7’”は、第二高調波の波長帯域の光のみを透過し、それ以外の波長の光を遮断する光学特性を有している。
バンドパスフィルタ70は、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光と重ならない波長帯域の2光子励起蛍光のみを透過し、それ以外の波長の光を遮断する光学特性を有している。
その他の構成は、実施例4の顕微鏡とほぼ同じである。
このように構成された実施例6の顕微鏡によれば、観察対象の関心領域に応じて観察手法を切替えることができる。
例えば、第二高調波、2光子励起蛍光、及びコヒーレントラマン散乱光による観察を並行して行う場合は、コントローラ62及び音響光学素子63,64,65を介して、第一のパルスレーザ発生手段(ポンプ光発生手段)1’と、第二のパルスレーザ発生手段(ストークス光発生手段)2’をオンにし、単光子励起用パルスレーザ発生手段65をオフにするとともに、lock−in検出器53をオンにする。すると、第一のパルスレーザ発生手段1’からポンプ光が変調されて発せられ、ミラー67で反射して、ハーフミラー68に入射するとともに、第二のパルスレーザ発生手段からストークス光が発せられ、ハーフミラー68に入射する。ハーフミラー68を透過したポンプ光とハーフミラー68を透過したストークス光は、同一光路を通る光として合成され、ミラー69、ダイクロイックミラー41”、ガルバノミラー15,16、対物レンズ17を経て、標本4内の所定の箇所を照射する。
標本4は、ポンプ光とストークス光とが照射されることによりコヒーレントアンチストークスラマン散乱光を発する。また、標本4は、ストークス光を照射されることにより、ストークス光の半分の波長の第二高調波を発する。さらに、標本4は、ストークス光を照射されることにより、2光子励起現象を生じ、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光や第二高調波に遅れたタイミングで蛍光を発する。このとき、ポンプ光には変調がかかっているため、発生するコヒーレントストークスラマン散乱光にも変調がかかる。一方、ストークス光には変調がかかっていないため、発生するストークス光の第二高調波及び2光子励起蛍光には変調がかからない。
照射光を照射されることにより標本4から発する光及び標本4を透過又は反射する光のうち、反射される方向に向かう標本4からの光は、対物レンズ17、ガルバノミラー16,15を経て、ダイクロイックミラー41”に入射する。ダイクロイックミラー41”に入射した光のうち、第二高調波と2光子励起蛍光及びコヒーレントアンチストークスラマン散乱光は、ダイクロイックミラー41”を透過し、ポンプ光の波長以上の波長の光がダイクロイックミラー41”で反射される。ダイクロイックミラー41”を透過した光は、バンドパスフィルタ70に入射する。バンドパスフィルタ70に入射した光のうち、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光と重ならない波長帯域の2光子励起蛍光のみがバンドパスフィルタ70を透過し、それ以外の波長の光がバンドパスフィルタ70で遮断される。バンドパスフィルタ70を透過した光は、検出手段9”で検出される。これにより、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光と重ならない波長帯域の2光子励起蛍光が検出されることになる。
照射光を照射されることにより標本4から発する光及び標本4を透過又は反射する光のうち、透過する方向に向かう標本4からの光は、対物レンズ35を通り、ダイクロイックミラー52’に入射する。ダイクロイックミラー52’に入射した光のうち、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光よりも短い波長の光がダイクロイックミラー52’を透過し、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光以上の波長の光がダイクロイックミラー52’を反射する。
ダイクロイックミラー52’を透過した光は、バンドパスフィルタ7’”に入射する。バンドパスフィルタ7’”に入射した光のうち、第二高調波の波長帯域の光のみがバンドパスフィルタ7’”を透過し、それ以外の波長の光がバンドパスフィルタ7’”で遮断される。バンドパスフィルタ7’”を透過した第二高調波は、検出器10’で検出される。
ダイクロイックミラー52’で反射された光は、検出器24のミラー26に入射し、分散素子27、分散投影レンズ28、遮光部材29を介して、コヒーレントストークスラマン散乱光と波長が重なる2光子励起蛍光、及びコヒーレントアンチストークスラマン散乱光が、共に検出手段8’で受光される。
検出手段8’で受光された信号は、光電変換され、lock−in検出器53に送られる。lock−in検出器53に送られた信号は、変調がかけられたAC成分の信号と、変調がかけられていないDC成分の信号とに分離して検出される。これにより、変調がかけられたコヒーレントアンチストークスラマン散乱光と、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光と重なる波長帯域における変調がかけられていない2光子励起蛍光は、それぞれ分離して、抽出、検出されることになる。
このように実施例7の顕微鏡は、第二高調波、2光子励起蛍光、及びコヒーレントラマン散乱光による観察手法を並行して用いて観察することができる。しかしながら、顕微鏡観察においては、観察対象の関心領域に応じて上記観察手法のすべてを必要としない場合がある。また、レーザパルス照射手段によるレーザ光の照射は標本へダメージを与えるとともに、更には、蛍光の退色の原因にもなる。このため、レーザパルス照射手段による照射は観察手法に応じて極力少なくするのが望ましい。
しかるに、実施例6の顕微鏡によれば、レーザコンバイナ61とコントローラ62を備えて観察に必要なレーザ光を選択することができるようにしたので、観察対象の関心領域に応じた観察手法に合わせてレーザ光の照射を必要最低限に抑えることができる。
観察手法に応じたレーザ光の切替えは、コントローラ62を介して音響光学素子63,64,66を駆動することにより照射すべきレーザパルス照射手段1’,2’,65の組合せを切替えて行う。実施例6の顕微鏡における各観察手法と、それらに対応して選択されるレーザパルス発生手段及び検出手段の組合せを表1に示す。なお、表1中、CARSはコヒーレントアンチストークスラマン散乱光観察、2−Pは2光子励起蛍光観察、SHGは第二高調波観察、1−Pは単光子励起蛍光観察を示している。
表1に示すように、第二のパルスレーザ(ストークス光)発生手段2’のみをオンにすれば、第一のパルスレーザ(ポンプ光)発生手段1’をオフにしても、検出手段9”で透過2光子励起蛍光、検出手段8’で落射2光子励起蛍光、検出手段7’”で透過第二高調波が、それぞれ検出できる。なお、ポンプ光とストークス光のいずれかをオフとした場合は、lock−in検出器53もオフとなり、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光と波長が重ならない波長帯域の2光子励起蛍光又は単光子励起蛍光は、表1に示すように、検出手段8’で検出される。
このように、実施例6の顕微鏡によれば、観察対象における関心領域に応じて必要最小限のレーザ照射光量で観察手法を切替えることができる。
なお、実施例6の顕微鏡では、レーザコンバイナ61及びコントローラ62を、CARS光が検出可能な構成の顕微鏡に用いたが、実施例1又は2に示したようなCSRS光が検出可能な構成の顕微鏡に用いても良い。
図15は本発明の実施例7にかかる顕微鏡の概略構成図、図16は実施例7の顕微鏡の画像表示装置で表示される画像における各観察光の表示形態の例を示す説明図であり、(a)は各観察手法による像を全画面に表示して切替える場合、(b)は表示画面内における観察対象の関心領域毎にコヒーレントラマン散乱光、第二高調波、2光子励起蛍光の像をスキャンした場合、(c)は、表示画面内における観察対象の同一関心領域内で異なる観察手法を組み合わせてスキャンした場合を示している。
実施例7の顕微鏡は、実施例6の顕微鏡の構成に加えて、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光検出手段、2光子励起蛍光検出手段、第二高調波検出手段で検出した信号を処理する画像処理装置80と、画像処理装置80で処理された画像を表示する画像表示装置81を有している。
また、コントローラ62は、顕微鏡本体に備わるガルバノミラー15,16に接続されている。
そして、コントローラ62は、画像処理装置80及び画像表示装置81を介して画面内において所望の部位にコヒーレントアンチストークスラマン散乱光による観察像、2光子励起蛍光による観察像、第二高調波による観察像を表示するように、レーザコンバイナ61とガルバノミラー15,16とを制御する機能を備えている。
このように構成された実施例7の顕微鏡によれば、観察対象関心領域に応じて一つの表示画面で多様な観察手法を用いた観察を行うことができる。
例えば、観察手法毎にガルバノミラー15,16を介して観察対象領域全体をシーケンシャルスキャンさせることができる。このようにすれば、図16(a)に示すように、画像表示装置81の表示画面毎に2光子励起蛍光、第二高調波、CARS光又はCSRS光、単光子励起蛍光のそれぞれの像を切替えて表示することができる。
また、例えば、観察対象の関心領域毎に観察手法を切替えるとともに、ガルバノミラー15,16を介してベクトルスキャンすることができる。このようにすれば、図16(b)に示すように、画像表示装置81の表示画面内において観察対象の関心領域毎に2光子励起蛍光、第二高調波、CARS光又はCSRS光、単光子励起蛍光の像を表示することができる。
また、例えば、観察対象の関心領域毎に複数の観察手法を組み合わせて切替えるとともに、ガルバノミラー15,16を介してベクトルスキャンすることができる。このようにすれば、図16(c)に示すように、例えば、観察対象の関心領域毎にF−CARS光と第二高調波、E−CARS光と2光子励起蛍光というように、画像表示装置81の表示画面内において観察対象の関心領域毎に2光子励起蛍光、第二高調波、CARS光又はCSRS光、単光子励起蛍光のうち所望の観察光の像を組み合わせて表示することができる。
このため、実施例7の顕微鏡によれば、例えば、一つの生体標本に対し、単光子励起蛍光で表層を、2光子励起蛍光で深層を、第二高調波でコラーゲンや繊維膜を、CARS,CSRSでタンパク質や分子を同一画面内に表示させ、あるいは画面毎に切替え表示させて観察することができる。
なお、ガルバノミラー15,16による各観察光の像を得るための照射光の走査方法は、上述した観察対象領域全体のシーケンシャルスキャン、観察対象の関心領域毎のベクトルスキャンのいずれでもよい。
観察対象領域全体をシーケンシャルスキャンした場合は、観察画像のクロストークを少なくすることができる。
また、観察対象の関心領域毎にベクトルスキャンした場合には、処理速度が速くなる。
また、ベクトルスキャンとしては、ポイントスキャン、フリーラインスキャン、トルネードスキャン等のいずれも用いることができる。
さらに、観察手法に応じて、例えば、シーケンシャルスキャンの各画面毎、あるいはベクトルスキャンの各ROI毎にガルバノミラー15,16の走査速度を変えることができるようにコントローラ62で制御するとよい。
観察手法によって検出される光量が異なる。このため、観察手法に関係なく走査速度を同じにした場合には、観察手法によって検出される光量が不足し、或いは過度になる場合がある。走査速度を変えることができるようにすれば、検出される光量が調整され、各観察手法による検出光像が観察しやすくなる。
また、同様の目的のために、観察手法に応じて、ガルバノミラー15,16による走査回数を異ならせてもよい。
あるいは、観察手法に応じてレーザ光の照射出力を変えるようにしてもよい。レーザの出力は、パルスレーザ発生手段自体で調整する、或いは、音響光学素子等を用いて調整することができるようにするとよい。
更には、観察手法に応じて、パルスピッカー等を用いてレーザ光のパルスを間引くようにしてもよい。
なお、実施例7の顕微鏡は、実施例6の顕微鏡を基に画像処理装置80、画像表示装置81等を付加して構成したが、本発明の顕微鏡は、このような構成に限定されるものではなく、上記いずれの実施例の顕微鏡を基に構成してもよい。
CARSにおけるポンプ光、ストークス光、及びアンチストークス光と分子の振動数の関係を示す説明図である。 CSRSにおけるポンプ光、アンチストークス光、及びストークス光と分子の振動数の関係を示す説明図である。 本発明の実施例1にかかる顕微鏡の概略構成図である。 実施例1の顕微鏡に用いるダイクロイックミラー、バンドパスフィルタの光学特性を示すグラフである。 本発明の実施例2にかかる顕微鏡の概略構成図である。 実施例2の顕微鏡に用いるダイクロイックミラー、バンドパスフィルタの光学特性を示すグラフである。 本発明の実施例3にかかる顕微鏡の概略構成図である。 実施例3の顕微鏡に用いるダイクロイックミラー、バンドパスフィルタの光学特性を示すグラフである。 本発明の実施例4にかかる顕微鏡の概略構成図である。 実施例4の顕微鏡に用いるダイクロイックミラー、バンドパスフィルタの光学特性を示すグラフである。 本発明の実施例5にかかる顕微鏡の概略構成図である。 実施例5の顕微鏡に用いるダイクロイックミラー、バンドパスフィルタの光学特性を示すグラフである。 本発明の実施例6にかかる顕微鏡の概略構成図である。 実施例6の顕微鏡に用いるダイクロイックミラー、バンドパスフィルタの光学特性を示すグラフである。 本発明の実施例7にかかる顕微鏡の概略構成図である。 実施例7の顕微鏡の画像表示装置で表示される画像における各観察光の表示形態の例を示す説明図であり、(a)は各観察手法による像を全画面に表示して切替える場合、(b)は表示画面内における観察対象の関心領域毎にコヒーレントラマン散乱光、第二高調波、2光子励起蛍光の像をスキャンした場合、(c)は、表示画面内における観察対象の同一関心領域内で異なる観察手法を組み合わせてスキャンした場合を示している。
符号の説明
1,1’,1” 第一のパルスレーザ発生手段
2,2’,2” 第二のパルスレーザ発生手段
4 標本
6,6a,6b,7,7’,7”,7’”,7a,7b,70 バンドパスフィルタ
8,8’,9,9’,9”,9a,9b,10,10’,10a,10b 検出手段(ディテクタ)
11,13,22,26,44,45,67 ミラー
12,23,68,69 ハーフミラー
14,30,36a,36b,41,41’,41”,43,43’,48,48’,51,52,52’ ダイクロイックミラー
15,16 ガルバノミラー
17,18 対物レンズ
24 分光器
25 レンズ
27 分光手段(グレーティング)
28 分散投影レンズ
29 遮光部材
32,33,49,54,55 偏光子
34,47,56 検光子
42 偏光ビームスプリッタ
46 カーゲート
50 変調器
53 lock-in検出器
57,65 単光子励起用レーザ光発生手段
61 レーザコンバイナ
62 コントローラ
63,64,66 音響光学素子
80 画像処理装置
81 画像表示装置
100 基底状態
101 振動状態
102,102’ ポンプ光
103 ストークス光
104 アンチストークス光
105 分子

Claims (16)

  1. 第一の波長成分を持つ第一のパルス光を発生させる第一のパルスレーザ発生手段と、
    第二の波長成分を持つ第二のパルス光を発生させる第二のパルスレーザ発生手段と、
    前記第一のパルス光と前記第二のパルス光を合成して標本に照射可能に構成された照射手段と、
    前記照射手段を介して光を照射された標本からの光から、コヒーレントラマン散乱光のみを抽出するコヒーレントラマン散乱光抽出手段と、
    前記照射手段を介して光を照射された標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した多光子励起蛍光のみを抽出する多光子励起蛍光抽出手段と、
    前記照射手段を介して光を照射された標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した第二高調波のみを抽出する第二高調波抽出手段と、
    前記コヒーレントラマン散乱光抽出手段を介して抽出されたコヒーレントラマン散乱光を検出するコヒーレントラマン散乱光検出手段と、
    前記多光子励起蛍光抽出手段を介して抽出された多光子励起蛍光を検出する多光子励起蛍光検出手段と、
    前記第二高調波抽出手段を介して抽出された第二高調波を検出する第二高調波検出手段と、
    を有しており、
    前記コヒーレントラマン散乱光と、前記多光子励起蛍光と、前記第二高調波とを同時に検出することを特徴とする顕微鏡。
  2. 第一の波長成分を持つ第一のパルス光を発生させる第一のパルスレーザ発生手段と、
    第二の波長成分を持つ第二のパルス光を発生させる第二のパルスレーザ発生手段と、
    前記第一のパルス光と前記第二のパルス光を合成して標本に照射可能に構成された照射手段と、
    前記照射手段を介して光を照射された標本からの光から、コヒーレントラマン散乱光のみを抽出するコヒーレントラマン散乱光抽出手段と、
    前記照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した多光子励起蛍光のみを抽出する落射多光子励起蛍光抽出手段と、
    前記照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した第二高調波のみを抽出する透過第二高調波抽出手段と、
    前記コヒーレントラマン散乱光抽出手段を介して抽出されたコヒーレントラマン散乱光を検出するコヒーレントラマン散乱光検出手段と、
    前記落射多光子励起蛍光抽出手段を介して抽出された多光子励起蛍光を検出する落射多光子励起蛍光検出手段と、
    前記透過第二高調波抽出手段を介して抽出された第二高調波を検出する透過第二高調波検出手段と、
    を有しており、
    前記コヒーレントラマン散乱光と、前記落射多光子励起蛍光と、前記透過第二高調波とを同時に検出することを特徴とする顕微鏡。
  3. 第一の波長成分を持つ第一のパルス光を発生させる第一のパルスレーザ発生手段と、
    第二の波長成分を持つ第二のパルス光を発生させる第二のパルスレーザ発生手段と、
    前記第一のパルス光と前記第二のパルス光を合成して標本に照射可能に構成された照射手段と、
    前記照射手段を介して光を照射された標本からの光から、コヒーレントラマン散乱光のみを抽出するコヒーレントラマン散乱光抽出手段と、
    前記照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した第二高調波のみを抽出する落射第二高調波抽出手段と、
    前記照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した多光子励起蛍光のみを抽出する透過多光子励起蛍光抽出手段と、
    前記コヒーレントラマン散乱光抽出手段を介して抽出されたコヒーレントラマン散乱光を検出するコヒーレントラマン散乱光検出手段と、
    前記透過多光子励起蛍光抽出手段を介して抽出された多光子励起蛍光を検出する透過多光子励起蛍光検出手段と、
    前記落射第二高調波抽出手段を介して抽出された第二高調波を検出する落射第二高調波検出手段と、
    を有しており、
    前記コヒーレントラマン散乱光と、前記透過多光子励起蛍光と、前記落射第二高調波とを同時に検出することを特徴とする顕微鏡。
  4. 第一の波長成分を持つ第一のパルス光を発生させる第一のパルスレーザ発生手段と、
    第二の波長成分を持つ第二のパルス光を発生させる第二のパルスレーザ発生手段と、
    前記第一のパルス光と前記第二のパルス光を合成して標本に照射可能に構成された照射手段と、
    前記照射手段を介して光を照射された標本からの光から、コヒーレントラマン散乱光のみを抽出するコヒーレントラマン散乱光抽出手段と、
    前記照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した第二高調波のみ、又は、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した多光子励起蛍光のみを切替可能に抽出する落射第二高調波多光子励起蛍光切替抽出手段と、
    前記照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した第二高調波のみ、又は、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した多光子励起蛍光のみを切替可能に抽出する透過第二高調波多光子励起蛍光切替抽出手段と、
    前記コヒーレントラマン散乱光抽出手段を介して抽出されたコヒーレントラマン散乱光を検出するコヒーレントラマン散乱光検出手段と、
    前記落射第二高調波多光子励起蛍光切替抽出手段を介して抽出された光を検出する落射切替抽出光検出手段と、
    前記透過第二高調波多光子励起蛍光切替抽出手段を介して抽出された光を検出する透過切替抽出光検出手段と、
    を有しており、
    前記コヒーレントラマン散乱光と、前記落射多光子励起蛍光又は前記透過多光子励起蛍光と、前記落射第二高調波又は前記透過第二高調波とを同時に検出することを特徴とする顕微鏡。
  5. 第一の波長成分を持つ第一のパルス光を発生させる第一のパルスレーザ発生手段と、
    第二の波長成分を持つ第二のパルス光を発生させる第二のパルスレーザ発生手段と、
    前記第一のパルス光と前記第二のパルス光を合成して標本に照射可能に構成された照射手段と、
    前記照射手段を介して光を照射された標本からの光から、コヒーレントラマン散乱光のみを抽出するコヒーレントラマン散乱光抽出手段と、
    前記照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した多光子励起蛍光のみを抽出する落射多光子励起蛍光抽出手段と、
    前記照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した第二高調波のみを抽出する落射第二高調波抽出手段と、
    前記コヒーレントラマン散乱光抽出手段を介して抽出されたコヒーレントラマン散乱光を検出するコヒーレントラマン散乱光検出手段と、
    前記落射多光子励起蛍光抽出手段を介して抽出された多光子励起蛍光を検出する落射多光子励起蛍光検出手段と、
    前記落射第二高調波抽出手段を介して抽出された第二高調波を検出する落射第二高調波検出手段と、
    前記照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した多光子励起蛍光のみを抽出する透過多光子励起蛍光抽出手段と、
    前記照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう該標本からの光から、前記第二のパルス光の該標本への照射により発生した第二高調波のみを抽出する透過第二高調波抽出手段と、
    前記透過多光子励起蛍光抽出手段を介して抽出された多光子励起蛍光を検出する透過多光子励起蛍光検出手段と、
    前記透過第二高調波抽出手段を介して抽出された第二高調波を検出する透過第二高調波検出手段と、
    を有しており、
    前記コヒーレントラマン散乱光と、前記落射多光子励起蛍光と、前記落射第二高調波と、前記透過多光子励起蛍光と、前記透過第二高調波とを同時に検出することを特徴とする顕微鏡。
  6. 前記第二のパルス光の波長が、前記第一のパルス光の波長の近傍であって該第一のパルス光の波長よりも短い波長の所定波長帯域を走査され、
    前記コヒーレントラマン散乱光が、コヒーレントストークスラマン散乱光であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の顕微鏡。
  7. 前記第二のパルス光の波長が、前記第一のパルス光の波長の近傍であって該第一のパルス光の波長よりも長い波長の所定波長帯域を走査され、
    前記コヒーレントラマン散乱光が、コヒーレントアンチストークスラマン散乱光であり、
    少なくとも一部の波長帯域で波長が重なり得る、前記多光子励起蛍光と前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱光とを分離する多光子励起蛍光CARS光分離手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の顕微鏡。
  8. 前記多光子励起蛍光CARS光分離手段が、
    前記多光子励起蛍光と前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱光とを時間分解で分離する時間分解分離手段を有する前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱光抽出手段で構成されていることを特徴とする請求項7に記載の顕微鏡。
  9. 前記時間分解分離手段が、
    斜めに光が入射したときに、透過する直線偏光の偏光方向を変えるカーゲートと、
    前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱光が前記カーゲートへ入射するタイミングと同じタイミングでもって、前記第二のパルス光を前記カーゲートに斜めに入射させるゲート光入射手段と、
    前記多光子励起蛍光を直線偏光に変換する第一の偏光部材と、
    前記カーゲートを透過することによって偏光方向が変えられた直線偏光を透過し、該カーゲートを透過したときに偏光方向が変わらない直線偏光を遮断する第二の偏光部材と、
    を有して構成されていることを特徴とする請求項8に記載の顕微鏡。
  10. 前記多光子励起蛍光CARS光分離手段が、
    前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱光を変調した状態で発生させる変調手段と、
    前記コヒーレントアンチストークスラマン散乱光検出手段と前記多光子励起蛍光検出手段とを兼ねていて、前記変調されたコヒーレントアンチストークスラマン散乱光と前記多光子励起蛍光とを共に受光し、受光した光から変調成分と非変調成分とを分離して検出する検出装置とで構成されていることを特徴とする請求項7に記載の顕微鏡。
  11. 前記変調手段が、前記第一のパルス光を変調する変調器で構成され、
    前記検出装置が、lock−in検出器で構成されていることを特徴とする請求項10に記載の顕微鏡。
  12. 前記第一のパルス光で所定波長帯域を走査するとともに、前記第二のパルス光を多光子励起に最適な波長に固定したことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の顕微鏡。
  13. 前記第一のパルスレーザ発生手段、及び前記第二のパルスレーザ発生手段のオンオフを切替える切替手段を備えたレーザ光選択手段と、前記レーザ光選択手段を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の顕微鏡。
  14. 前記コヒーレントラマン散乱光検出手段、前記多光子励起蛍光検出手段、及び前記第二高調波検出手段を介して検出された信号を処理する画像処理装置と、
    前記画像処理装置で処理した画像を表示する画像表示装置と、
    前記標本に照射する光を2次元方向に走査する走査手段を有し、
    前記制御手段が、前記画像処理装置及び前記画像表示装置を介して該画像表示装置の表示画面における前記標本の関心領域が表示される位置に前記コヒーレントラマン散乱光による観察像、前記多光子励起蛍光による観察像、及び前記第二高調波による観察像のうち複数の像を並行して観察可能に或いはいずれかの像を選択して観察可能に表示するように、前記レーザ光選択手段を制御することを特徴とする請求項13に記載の顕微鏡。
  15. 前記第一のパルスレーザ発生手段が、パルス幅がピコ秒のパルスレーザビームを発振するパルスレーザ光源であり、
    前記第二のパルスレーザ発生手段が、パルス幅がフェムト秒のパルスレーザビームを発振するパルスレーザ光源であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の顕微鏡。
  16. 前記コヒーレントラマン散乱光抽出手段は、前記照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう該標本からの光からのコヒーレントラマン散乱光のみの抽出と、前記照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう該標本からの光からのコヒーレントラマン散乱光のみの抽出と、前記照射手段を介して照射された光が反射される方向へ向かう該標本からの光からのコヒーレントラマン散乱光と前記照射手段を介して照射された光が透過する方向へ向かう該標本からの光からのコヒーレントラマン散乱光の両方のコヒーレントラマン散乱光のみの抽出と、を切替可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の顕微鏡。
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