JP5996665B2 - Cars顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、光学顕微鏡の高性能化に関する。
光学顕微鏡は言うまでも無く自然科学、工学、産業分野において無くてはならない観察ツールである。特に近年は、照明光源としてレーザを用いたより高機能な顕微鏡が先端技術開発において必須となりつつある。その代表例が蛍光共焦点顕微鏡であり、蛍光試薬との組み合わせにより生体試料中の特定物質の分布を観察する手段として医学、生物学の分野において広く普及している。更に近年の高性能な短パルスレーザ光源の登場とあいまって、非線形光学効果を用いた非線形光学顕微鏡の技術発展と、医学、生物学分野におけるニーズの高まりが著しい。非線形光学顕微鏡(あるいは非線形顕微鏡)の例として、二光子蛍光顕微鏡(非特許文献1)、SHG顕微鏡(非特許文献2)、コヒーレントアンチストークスラマン散乱(CARS)顕微鏡(非特許文献3)、誘導ラマン散乱(SRS)顕微鏡(非特許文献4)などが知られている。例えば二光子蛍光顕微鏡は、試料に照射するレーザ光として試料の吸収が小さい波長域を選択することができ、従来の蛍光共焦点顕微鏡と比較して深部のイメージングが可能である。SHG顕微鏡は試料からの第二高調波を観察する顕微鏡であり、コラーゲンなどの繊維構造や、細胞膜など特定の構造体を選択的に検知することができる。CARS顕微鏡は励起光とストークス光の2種類のレーザ光を試料に照射し、これらの光の差周波が試料分子の固有振動に共鳴した結果生じるアンチストークス光を観測する顕微鏡である。アンチストークス光の波長、強度分布により試料中の特定物質の分布を観測することができ、蛍光顕微鏡に代わるラベルフリー、非侵襲な顕微鏡として注目されている。SRS顕微鏡はCARS顕微鏡と同様に励起光、ストークス光を試料に照射し、物質の固有振動を上記2種類の光の強度変化として観測する顕微鏡であり、CARS顕微鏡と同様に非侵襲な顕微鏡である。このように、非線形光学顕微鏡は従来の顕微鏡では実現不可能であった様々な高機能な観察手段を提供する。
ここでCARS顕微鏡の動作原理について説明する。CARSは3次の分極による発光であり、CARSを発生させるためには、励起光、ストークス光、プローブ光が必要とされる。一般的には、光源の数を少なくするために、プローブ光は励起光で代用される。この場合、誘起される3次の分極は
Figure 0005996665
で表される。ここに、Χr(3)(ωAS)は3次の電気感受率の分子振動の共鳴項であり、Χnr (3)は非共鳴項である。また、励起光およびプローブ光の電場をEPで表し、ストークス光の電場はESで表されている。非共鳴項は周波数依存性がない。数1のESの肩についたアスタリスクは複素共役を示す。CARS光の強度は以下のように表される。
Figure 0005996665
CARS光が発生する機構を分子のエネルギー準位図(図14)を用いて説明する。本図は共鳴項のプロセスを示している。1401は分子の振動基底状態を表し、1402は振動励起状態を表す。周波数ωpの励起光と周波数ωSのストークス光を同時に照射する。このとき分子は中間状態1403を介して、1402のある振動励起準位に励起される。この励起状態にある分子に周波数ωPのプローブ光を照射すると、中間状態1404を介して周波数ωASのCARS光を発生しながら、分子は振動基底状態に戻る。このときのCARS光の周波数はωAS=2ωP−ωSと表される。
この共鳴CARS光は、図14から明らかなように、励起光とストークス光の周波数の差ωp−ωsが観測試料のある振動励起状態に一致する場合にのみ発生する。(但しここではプランク単位系を採用しており、プランク定数は1としている。)従って、ストークス光として広帯域な光源を用いた場合、発生するCARS光も広帯域な光となるが、振動励起状態に対応する波長において鋭いピークを持つスペクトルを有する。このスペクトルはラマンスペクトルと呼ばれ、試料中の分子の振動励起状態の分布を反映しており、分子種の同定に用いることができる。
数1の非共鳴項に関係する一つのプロセスを図15に示す。ストークス光の周波数が振動励起状態ではなく、中間状態1405を介したプロセスとなる。周波数ωPの励起光と周波数ω’pのプローブ光の同時照射により電子等の関与する1405の中間状態が励起され、さらに周波数ω’sのストークス光により、中間状態1406を介して周波数ωASの非共鳴のCARS光が発生する。この非共鳴のCARS光は振動励起状態と無関係に発生するため、広帯域なストークス光を使用した場合は、強度の波長依存性を持たない広帯域な非共鳴CARS光が発生する。これらの共鳴CARS光と非共鳴CARS光とは互いにコヒーレントであり、干渉することになる。実際に試料の分子種の同定に必要なのは共鳴CARS光のスペクトル、すなわちラマンスペクトルであるため、取得したCARS光のスペクトルからラマンスペクトルを取得する信号処理が必要である。この信号処理についてはいくつかの方法が知られており(非特許文献5参照)、たとえば、強度スペクトルから位相スペクトルを回復する方法である最大エントロピー法では数学的な計算を行い、共鳴項の複素部分を求める。
なお、励起光、ストークス光、CARS光の周波数の関係は図16のように図示される。所定の周波数を持った励起光と、それより小さな周波数領域にあるストークス光が試料に入射され、励起光よりも大きな周波数領域にCARS光が発生する。
CARS顕微鏡は、上記のようにして求められたラマンスペクトルを、励起光、ストークス光を集光する位置を変化させて複数測定を行い、結果的に分子種ごとの空間分布の画像を取得する。
W.Denk et al., "Two-Photon Laser Scanning Fluorescence Microscopy," Science, Volume 248, Issue 4951, pp. 73-76(1990) P. J. Campagnola et al., "Second-harmonic imaging microscopy for visualizing biomolecular arrays in cells, tissues and organisms," Nature Biotechnology 21, 1356 - 1360 (2003) M. Okuno et al., "Quantitative CARS Molecular finger printing of living Cells," Angewandte Chemie International Edition 49,6773-6777(2010) B. G. Saar et al., "Video-Rate Molecular Imaging in Vivo with Stimulated Raman Scattering," Science Vol.330 1368(2010) J. P. R. Day, K. F. Domke, G. Rago, H. Kano, H. Hamaguchi, E. M. Vartiainen, and M. Bonn "Quantitative Coherent Anti-Stokes Scattering (CARS) Microscopy," J. Phys. Chem. B, Vol. 115, 7713-7725(2011)
上に述べた蛍光共焦点顕微鏡、非線形光学顕微鏡の共通点は、試料の物質種や特定の構造の分布を可視化するというものである。逆に、試料の光学的特性、すなわち屈折率や透過率などの基本的な情報は得ることができない。細胞などの生体試料を観察する際には、非線形光学顕微鏡や蛍光共焦点顕微鏡で得られる物質分布の情報だけでなく、屈折率や透過率の情報がより詳細な試料の解析に必要となる場合がある。このため従来はこれらの顕微鏡観察の際に、古くから用いられている明視野顕微鏡や位相差顕微鏡などが補助的に併用されてきた。しかしながらこれらの顕微鏡観察は定量的な屈折率、透過率分布を与えるものではなく、飽く迄サンプルの形状を把握する程度の補助的なものでしかなかった。
上記課題に鑑み、本発明の目的は、試料の物質種や特定の構造の分布と、屈折率や透過率などの光学的特性の定量分布を与える顕微鏡を提供することにある。
本発明の目的を達成するために以下の手段を用いた。
(1)短パルスレーザなどの光源と、光源からの出力光光束を第一の励起光束と第二の励起光束とに分割するビームスプリッタなどの第一の光分割手段と、前記第二の励起光束が入力され、ストークス光束を出力するフォトニック結晶ファイバなどのストークス光源と、前記第一の励起光束と前記ストークス光束を合波し、合波光束を生成するダイクロイックミラーなどの合波手段と、前記合波光束を試料中に集光する対物レンズなどの第一の集光手段と、前記試料中より発生する、合波光束とは異なる波長のCARS光を検出する分光器などの第一の検出器と、前記第一の検出器にCARS光を導く分光器などの第二の集光手段と、前記第一の励起光束と前記ストークス光束のうち少なくとも一方の光束の一部を参照光束として分岐する無偏光ビームスプリッタなどの第二の光分割手段と、試料からの光束と前記参照光束とを合波し、干渉光を生成する無偏光ビームスプリッタなどの第二の合波手段と、前記干渉光を検出する分光器などの第二の検出器と、を備えることとした。
これにより、CARS光の検出により試料中の物質種の定量分布を取得し、かつ試料の屈折率分布を取得することができ、試料から従来よりも多くの情報を取得することが可能となる。
(2)(1)において、前記ストークス光源は、前記ストークス光束の波長を連続的に可変とする光パラメトリック発振器などであるとした。
これにより、CARS光を検出する検出器や干渉光を検出する検出器において波長を分光することが不要になり、簡素な構成の検出器を構成することが可能である。
(3)(1)において、前記ストークス光源は、前記第二の励起光束に比べて波長が広帯域な前記ストークス光束を生成するフォトニック結晶ファイバなどであることとした。
これにより、CARS光を検出する検出器において分光器を用いて複数の波長の情報を同時に取得することができ、データ取得の高速化に寄与する。
(4)(2)または(3)において、前記参照光束と前記試料からの光束とがそれぞれストークス光を含むこととした。
これにより、試料の光軸方向の屈折率分布を一括して測定することができ、データ取得の高速化に寄与する。
(5)(4)において、前記ストークス光の光束径が、前記合波手段にて合波された励起光の光束径よりも小さいこととした。
これにより、CARS信号を高い効率で生成することと、試料の光軸方向の屈折率分布をより広い範囲で一括取得することを両立することが可能である。
(6)(4)において、前記第一のストークス光の光束径を可変とする位相変調素子などの光束可変手段を有することとした。
これにより、CARS信号を高い効率で生成すること、干渉光を高い効率で生成すること、試料の光軸方向の屈折率分布をより広い範囲で一括取得することを両立することが可能である。
(7)(1)において、前記参照光の偏光を任意に可変とするλ/4板などの第一の偏光変換手段と、前記ストークス光の偏光を任意に可変とするλ/4板などの第二の偏光変換手段と、を有することとした。
これにより、干渉光の検出により試料の屈折率分布だけでなく複屈折の分布も測定することが可能となり、試料からより多くの情報を取得することが可能となる。
(8)(4)において、前記第一の検出器と前記第二の検出器が同一の分光器であることとした。
これにより、通常大型となる分光器の点数を減らすことができ、顕微鏡の簡素化に寄与する。
(9)(1)において、励起光束の照射により試料中より発生するSHGを検出する第三の検出器と、二光子蛍光を第4の検出器の少なくとも一方を備えることとした。
これにより、試料からより多くの情報を取得することが可能となる。
観察対象に対して従来よりも詳細の情報を取得することが可能な光学顕微鏡を提供することができる。
本発明の基本的な実施形態を表す図 励起光とストークス光のビーム形状を表す図 ストークス光のビーム径を切り替える実施形態を表す図 液晶位相変調器の詳細図 ストークス光のビーム径を切り替える実施形態におけるデータ取得のブロック図 ストークス光のビーム径を切り替える別の実施形態を表す図 波長掃引光源を用いた実施形態を表す図 試料から複屈折の情報を取得する実施形態を表す図 試料からのストークス光の反射光を分光せずに検出する実施形態を表す図 試料からの励起光の反射光を分光せずに検出する実施形態を表す図 試料からの励起光・ストークス光の合波光束の反射光を分光せずに検出する実施形態を表す図 CARS信号とOCT信号を同一の分光器で取得する実施形態を表す図 図1の構成の一部を光ファイバで置き換えた場合の構成図 共鳴CARS光の発生を表すエネルギーダイアグラム 非共鳴CARS光の発生を表すエネルギーダイアグラム 励起光、ストークス光、CARS光の周波数の関係を表す図 試料に入射する光と逆方向に発生するCARS光を検出する場合の構成図 ストークス光として広帯域レーザ光源を用いる場合の構成図 ストークス光として、励起光源と別のレーザ光源の光をフォトニック結晶ファイバに入射して得られるスーパーコンティニューム光を用いる場合の構成図 励起光、ストークス光のほかにプローブ光を用いる場合の構成図 励起光、ストークス光の集光位置をガルバノミラーを用いて走査する場合の構成図 CARS信号、OCT信号のほかにSHG,二光子蛍光を検出する実施形態を表す図 SHG,二光子蛍光のエネルギーダイアグラム SGH,二光子蛍光の透過成分を検出する構成図
図1は本発明の光学顕微鏡の基本的な実施形態を表すものである。以下、本図に従って動作を説明する。
コンピュータ11からの指示によりドライバ10を通して発光制御される短パルスレーザ光源101から出射したレーザ光は、ビームスプリッタ102により、励起光である透過光と反射光に2分割される。反射光は集光レンズ103によりフォトニック結晶ファイバ104に結合され、ファイバ内部で広帯域なスーパーコンティニューム光が生成される。生成されたスーパーコンティニューム光はコリメートレンズ105により平行光とされた後、ロングパスフィルタ106を通過して短パルスレーザ光源の波長とそれより短い波長の成分が遮断され、無偏光ビームスプリッタ107によりストークス光である透過光と参照光である反射光に分岐される。このうちストークス光は上記励起光とダイクロイックミラー108により合波される。ここでダイクロイックミラー108は励起光の波長とそれより短い波長域の光を反射し、励起光よりも長い波長域の光を透過する性質を有する。従って励起光は反射し、ストークス光は透過して結果的に合波される。この合波光束は対物レンズ109により試料110の一点に集光され、試料の集光箇所に存在する分子の共鳴振動を反映したCARS光が生成される。CARS光はコンデンサレンズ111により平行光とされ、ショートパスフィルタ112を通過して同軸成分である励起光とストークス光が遮断された後、分光器113に入射してスペクトルが検出信号として出力される。この検出信号は非共鳴バックグラウンドを除去するための所定の信号処理が施され、試料中の分子の共鳴スペクトル(ラマンスペクトル)に相当する信号が得られる。以後はこの出力信号をCARS信号と呼ぶ。CARS信号の取得の詳細は非特許文献3に記載されている。
一方、ストークス光は集光位置付近で試料の屈折率分布に応じて反射光を生じる。この反射光は試料に入射したストークス光の光路と同軸に逆方向に進み、ダイクロイックミラー108を通過した後に無偏光ビームスプリッタ107を反射する。(透過成分も生じるがここでは無視する)また、参照光はミラー114を反射して逆向きの光路を辿り、ビームスプリッタ107を透過する(反射する成分もあるがここでは無視する)。すると参照光と試料からのストークス光の反射光が同軸となって干渉光となり分光器115に入射して波長スペクトルが検出信号として出力される。この検出信号はフーリエ変換され、試料中のストークス光が照射されている領域のうち、焦点深度内の屈折率分布を表す信号となって出力される。これは光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography OCT)として知られる計測方法により得られる信号に等しく、以後はOCT信号と呼ぶ。OCTの測定原理は例えば非特許文献6などに述べられている。
ここで、コンピュータ11は試料110が搭載されたピエゾステージ12の位置を変位させる信号を送り、試料の各位置より発生する上記CARS信号とOCT信号を取得する。このように繰り返し取得されたOCT信号とCARS信号はコンピュータ11に送られ、試料の位置情報と合わせて画像データに変換され、モニタ13に画像が表示される。このとき、一連のOCT信号により試料の屈折率分布の画像が表示され、一連のCARS信号により試料の分子種ごとの分布画像が表示される。試料なお、ピエゾステージ12を走査する方向は取得したい情報によって1次元、2次元、3次元のいずれであっても構わない。例えば3次元的に走査すると、各分子種と屈折率の3次元分布画像が得られる。これらの画像データは定量的なデータとして扱うことが可能のため、画像の元となる数値データはコンピュータ11に保存される。
ここで、励起光とストークス光のビーム径について、図2を用いて説明する。本実施例において、励起光のビーム径は、ストークス光のビーム径よりも大きく設定され、励起光のビーム径は、対物レンズ109の有効径と同程度以上に設定されている。従って、図2(a)のように励起光は対物レンズ109の有効径内のいたるところに光量が分布しており、ストークス光は有効径内の中心付近のみに光量が分布している状態となっている。このとき励起光は対物レンズ109の開口数で決まる回折限界のスポットサイズ程度に集光されるのに対し、ストークス光は実質的により小さな開口数のレンズで集光されたのと同等になる。従って、焦平面(集光位置)におけるスポットサイズは開口数に反比例するため、図2(b)のように励起光のスポットサイズはストークス光のスポットサイズよりも小さくなっている。また、焦点深度は開口数の二乗に反比例するため、図2(c)のように、ストークス光の焦点深度は励起光の焦点深度より長い。さて、CARS光の強度は、励起光強度の二乗に比例し、ストークス光強度に比例する。従って、CARS光は励起光とストークス光が重なっている領域のみから出射される。通常は励起光とストークス光をともに高い開口数で集光するため、励起光の焦点深度内の領域とストークス光の焦点深度内の領域は概ね一致し、それらの領域のみからCARS光が発光するが、本実施例の場合にも同程度の狭い領域のみからCARS光が発光するため、焦点位置をピエゾステージ12を用いて走査することにより1次元、2次元、または3次元の分子種の定量分布を取得することができる。なお、ストークス光の焦平面上での広がりが励起光より大きいことから、ストークス光の焦点深度内のエネルギー密度は励起光と同等の開口数で集光したときよりも小さくなり、その分CARS信号の発生効率が制限されるが、上述のようにCARS光の生成効率は励起光強度の二乗に比例するため、十分な強度の励起光を入射することで十分な強度のCARS光を生成することが可能である。一方、ストークス光の反射光は、上述のように焦点深度内の(光軸方向の位置を変数とした)屈折率分布の測定に用いられる。ここでストークス光の焦点深度は、ストークス光の開口数を小さく設定した分大きくなっており、開口数を小さく設定したことにより、より大きい範囲の屈折率分布を測定することが可能である。逆に、励起光の開口数は効率的にCARS光を生成するためには通常1前後とされ、同程度の開口数でストークス光を集光すると、焦点深度がストークス光の波長と同程度となり、一度の測定で取得できる屈折率分布の(光軸方向の)範囲が著しく狭くなるだけでなく、焦点深度が小さいために反射光量が著しく小さくなり、屈折率分布の測定が困難になる。このように、ストークス光の開口数を励起光よりも小さく設定することで、効果的に屈折率分布の測定を行うことができ、かつCARS信号も十分な分解能と感度で取得することが可能である。
本実施例では既に上に述べたように、細胞などの試料の分子種の分布と屈折率分布を画像として取得することが可能である。さらに、これらの画像を連続して取得することにより、細胞などの経時的な変化をタイムラプス画像として取得することが可能である。この場合、複数の画像データがコンピュータ11内に保存され、それらを時間変化としてモニタ13に動画表示もしくはコマ送り画像表示をする。またそれらの経時変化の画像をまとめて1つのデータとしてコンピュータ11内に保存する。
本実施例ではコリメートレンズ105の焦点距離を調節することによりストークス光のビーム径を励起光のビーム径よりも小さくして相対的に小さな開口数を実現したが、実質的な開口数を小さくする方法はこれに限らず、例えばコリメートレンズ105の直後に開口制限を設けることでビーム径を開口のサイズまで小さくして実質的に小さな開口数を実現してもよい。また、ビーム径の定義は例えば半値全幅としてもよいし、励起光、ストークス光がガウシアンビームに近い場合はガウス関数でフィットした時の、ピーク値のe^-2の幅としてもよい。いずれの場合も励起光とストークス光の定義は揃えるべきである。
なお、本実施例はフォトニック結晶ファイバを除き、自由空間上に光学系を配置する構成となっているが、実装形態として一部を光ファイバで置き換えて構わない。たとえば図13は、図1の構成と同様の機能を、光ファイバを用いて構成した実施形態である。この場合、短パルスレーザ光源101として出力が光ファイバを導波するものを使用し、ビームスプリッタ102,無偏光ビームスプリッタ107の代わりにそれぞれファイバカプラ1601,1602が使用され、フォトニック結晶ファイバ104への光の入出力は光ファイバを直接接合することで行われている。以下の実施例に対しても同様に、光学系の一部を光ファイバで置き換えても構わない。
本実施例では広帯域な光を生成する手段としてフォトニック結晶ファイバを用いたが、同様のスーパーコンティニューム光を生成可能な高非線形ファイバを用いてもよい。
本実施例ではCARS光として励起光、ストークス光と同一の進行方向に出射する成分を検出する、いわば透過型の構成となっているが、CARS光は励起光、ストークス光と逆方向に出射する成分も存在し、反射型の構成も可能である。この場合、図17のように、対物レンズ109により発生したCARS光が平行光とされ、ダイクロイックミラー1701によりCARS光のみが反射されて分光器113により検出される。ダイクロイックミラー1701は励起光、ストークス光の波長成分を透過し、CARS光の波長成分を反射する性質を有している。従って、ダイクロイックミラー108からの励起光、ストークス光は透過し、試料から反射したストークス光は透過、CARS光は反射するため、このような構成でCARS信号とOCT信号の取得が可能である。但し、ダイクロイックミラー1701の代わりに無偏光ビームスプリッタなどを用いてもよい。この場合は分光器115,113において所望の波長成分以外の光が入射することになるが、これらの分光器においては波長成分が分離されて検出されるために、不要な成分を除去することができる。
本実施例ではストークス光として励起光源の一部をフォトニック結晶ファイバ104に入射して発生するスーパーコンティニューム光を用いたが、実際はこの限りではなく、例えば図18のように、フェムト秒レーザ1801の出力を用いても良い。なお、短パルス光源101とフェムト秒レーザ1801のパルス発光のタイミングが同時となるようドライバ10で制御されている。
さらに、フォトニック結晶ファイバに104入射する光は励起光源と同一である必要はなく、例えば図19のように、別の短パルスレーザ光源1901を用意し、ドライバ10により短パルスレーザ光源101と同期して(同一のタイミングで)発光させたものをフォトニック結晶ファイバ104に入射してもよい。
本実施例では試料に入射する光は励起光、ストークス光のみであったが、冒頭に述べたようにCARS光は一般に励起光、ストークス光、プローブ光の3種類の光を入射することにより得られるため、図20のように追加で短パルスレーザ光源2001を用意し、短パルスレーザ光源と同期して発光させたものをプローブ光として追加で試料に照射してもよい。この場合、プローブ光の周波数は任意であり、ダイクロイックミラー2002,108により励起光、ストークス光と合波されて、試料の一点に集光される。ただし合波の方法としてはダイクロイックミラー2002の代わりに無偏光ビームスプリッタなどを用いても良い。
また、本実施例では励起光、ストークス光の集光位置の走査のためにピエゾステージ12を用いたが、走査方法はこの限りではなく、例えば面内方向に走査する場合は図21のように対物レンズ109の前段に配置されたガルバノミラー2101を用いて走査を行っても良い。ガルバノミラーは2つのミラーから構成され、それぞれが外部からの駆動制御により回転し、結果的に2つのミラーを反射したレーザ光の光軸方向を2次元的に走査することができる素子である。また、試料の深さ方向の走査としては、対物レンズ109を光軸方向にピエゾステージ等に搭載して深さ方向に走査してもよい。
M. Wojtkowski et al., "Full range complex spectral optical coherence tomography technique in eye imaging," Optics Letters, Vol. 27, Issue 16, pp. 1415-1417 (2002)
本実施例は、実施例1におけるCARS信号の検出とOCT信号の検出とを時分割的に行う別の実施形態である。本実施例の構成図を図3に示す。本構成の実施例1との違いは、ストークス光の光路中のコリメートレンズ105の直後に液晶開口素子301が挿入されている点である。液晶開口素子は図4のような構造となっており、液晶変調素子401と、ポラライザ402が一体となった構成になっている。液晶変調素子401は所定の円形開口の外側の領域が、駆動電圧の有無によって入射光の偏光(ここでは水平偏光とする)を90度回転させるか、変化させないかの選択が可能である。また円形開口内の領域は駆動電圧に関係なく入射光が偏光を変えずにそのまま通過する。また、ポラライザ402は水平偏光を通過し、垂直偏光を遮光するものである。このため、電圧駆動がなされていないとき(駆動電圧が0Vのとき)は、入射光はそのまま通過し、電圧駆動されているとき(ここでは駆動電圧が5Vのときとする)は円形開口領域内の光が通過する。すなわち、駆動電圧の有無によりストークス光のビーム径、ひいては実質的な開口数を変化させることが可能である。本実施例では本素子を用いて、図5のような手順に従ってデータ取得を行う。すなわち、電圧を0Vに設定してストークス光の開口数が高い状態でCARS信号の取得を行い、その後電圧を5Vに設定してストークス光の開口数を下げた状態でOCT信号の取得を行う。そして、集光位置を変化させて同様の信号取得を繰り返すことで、CARS信号による化学種毎の分布とOCT信号による屈折率分布を取得する。本実施例によれば、CARS信号を取得する際のストークス光の開口数が高く、実施例1に比べて高効率でCARS信号を得ることができる。
本実施例の方法は必ずしも液晶変調素子401を用いる必要はなく、例えば図6に示すような構成を用いても実現可能である。この場合、コリメートレンズ105を通過したストークス光は液晶λ/2板601を通過した後に偏光ビームスプリッタ602に入射する。ここで液晶λ/2板は駆動電圧0Vのときに入射光の偏光(ここでは水平偏光)を変えず、駆動電圧5Vのときに入射光の偏光を90度回転させる(すなわち垂直偏光にする)素子である。偏光ビームスプリッタ602は水平偏光を透過、垂直偏光を反射するため、駆動電圧が0Vのときはストークス光は偏光ビームスプリッタ602を透過し、駆動電圧が5Vのときはストークス光は偏光ビームスプリッタ602を反射する。偏光ビームスプリッタ602からの透過光は実施例1と同様に無偏光ビームスプリッタ107により二分割されたのち、偏光ビームスプリッタ603を透過して試料110に照射され、反射光が分光器115によりOCT信号として検出される。ここで、ストークス光のビーム径は対物レンズ109の有効径よりも小さく設定されており、実施例1と同様に低い開口数で試料に照射されている。一方、偏光ビームスプリッタ602からの反射光はロングパスフィルタ106を通過した後にビームエキスパンダ603でビーム径が拡大された後、偏光ビームスプリッタ604を反射して試料110に照射され、励起光とともにCARS光を生成し、このCARS光が実施例1と同様に分光器113により検出される。ここでビームエキスパンダ603によりストークス光のビーム径は対物レンズの有効径よりも同程度以上とされ、高い開口数で試料110に集光される。従って、液晶λ/2板601が実質的に液晶変調素子401と同様の役割を果たしており、図5のブロック図に従い、CARS信号とOCT信号を取得することが可能である。
本実施例は、ストークス光として波長掃引光源を用いる場合の実施形態である。本実施例の構成図を図7に示す。本実施例の構成は基本的に実施例1と同一であるが、ストークス光として、光パラメトリック発振器701の出力を用いる点と、CARS光とストークス光を検出するのが分光器ではなく、受光する全光量を電気信号に変換する検出器である点が異なる。光パラメトリック発振器701は、励起光の波長を変換する作用を持ち、出力される光の波長を連続的にチューニングすることが可能である。データ取得の際には連続的に波長掃引を行い、ある時点での設定波長に対する検出器702,703の出力を、実施例1の分光器113,115のある波長の出力信号に対応づけてデータを取得する。このような波長掃引光源をもちいたCARS信号、OCT信号の取得はそれぞれ非特許文献7に、非特許文献8に述べられている。
S, Begin et al., "Coherent anti-Stokes Raman scattering hyperspectral tissue imaging with a wavelength-swept system," Biomedical Optics Express, Vol. 2, Issue 5, pp. 1296-1306 (2011) Y. Yasuno et al., "Three-dimensional and high-speed swept-source optical coherence tomography for in vivo investigation of human anterior eye segments," Optics Express, Vol. 13, Issue 26, pp. 10652-10664 (2005)
本実施例は、OCT検出により試料の複屈折の状態を調べる別の実施形態である。本実施例の構成を図8に示す。本実施例では、液晶λ/2板801、液晶λ/4板802がコリメートレンズ105と無偏光ビームスプリッタ107の間に挿入され、液晶λ/4板803、液晶λ/8板804が無偏光ビームスプリッタ107とミラー114の間に挿入されている。ここで、液晶λ/2板801、液晶λ/4板802、液晶λ/4板803、液晶λ/8板804の駆動電圧の組み合わせにより、参照光とストークス光の反射光の(合波される直前の)偏光状態を水平偏光、垂直偏光、45度直線偏光、右円偏光のいずれかに設定可能である。本実施例ではこれらの偏光状態の組み合わせ計4×4=16通りの測定を行い、それぞれの取得データから以下の演算により複屈折分布を合成する。
Figure 0005996665
ここで、H,V,D,Rはそれぞれ水平偏光、垂直偏光、45度直線偏光、右円偏光を表しており、最初の添え字は参照光の偏光状態、2番目の添え字はとストークス光の反射光の偏光状態を表す。例えばIHVならば参照光の偏光状態がHでストークス光の偏光状態がVの場合のOCT信号の出力である。この測定の原理の詳細は特許文献1で述べられている。数3で表される行列はミュラー行列として知られているものであり、この行列自体が複屈折を定量的に表したものである。実際の測定では、励起光とストークス光を所定が所定の集光位置に設定されている状態で上記16通りのOCT測定を行い、またCARS信号としてはストークス光が水平偏光(励起光と同一の偏光状態)の時のみ検出(計4通りの組み合わせ)を行い、それらの信号の和を所望のCARS信号とする。そしてこれら16通りの組み合わせの測定が終了したのち、集光位置を変化させて同様の測定を繰り返す。このようにしてOCT信号による複屈折の分布と、CARS信号による分子種の分布を取得することが可能である。
特許第4045140号
本実施例は、試料に照射された光の反射光を分光せずに検出する別の実施形態である。本実施例の構成図を図9に示す。基本的に実施例1との違いは、ストークス光の開口数が励起光と同程度に設定されている点と、試料からのストークス光の反射光が分光器ではなく総光量を検出する検出器901によって検出される点である。この場合、上に述べたようにストークス光の開口数が高い分、焦点深度内の領域が狭くなるために反射光量が小さくなるが、異なる物質間の界面(たとえば細胞膜など)からの反射光はこのような構成においても十分な強度で反射光を生じるため、反射光を取得可能である。従って、集光位置を走査することにより、CARS信号による分子種の分布とともに、観測する試料の界面分布(たとえば細胞の輪郭など)を可視化することが可能である。なお、このような反射光の検出においては、必ずしも光源が広帯域である必要はなく、例えば図10のように励起光を無偏光ビームスプリッタ107で2分割し、試料からの励起光の反射光をミラー114からの反射光と干渉させて検出しても同様の信号を取得することが可能である。或は図11のごとく、励起光とストークス光を合波した光束を用いて同様の検出を行ってもよい。また、ストークス光は必ずしも広帯域である必要はなく、例えばフォトニック結晶ファイバ104の代わりに実施例3のパラメトリック発振器を用い、波長掃引することなく固定の波長で用いても構わない。
本実施例は、実施例1における分光器113,115を共通化した実施形態である。本実施例の構成図を図12に示す。本実施例の場合、実施例1と同様に生成された干渉光がCARS光とダイクロイックミラー1201により合波され、分光器113に入射する。CARS光と干渉光(ストークス光)のスペクトルは基本的に重なりが生じないため、分光器の出力のうち所定の波長領域でCARS信号を、別の波長領域でOCT信号を取得することが可能である。
本実施例は、CARS信号、OCT信号に加え、SHG、二光子蛍光を同時に取得する実施形態である。本実施例の構成を図22に示す。本実施例においては、励起光を試料に集光して照射する際、CARS光の他にSHG、二光子蛍光が発生する。本実施例ではSHG,二光子蛍光の発光のうち反射成分、すなわち励起光と逆方向に進む発光成分を、対物レンズ109で平行光とし、これらの光束はダイクロイックミラー2201で反射し、ダイクロイックミラー2202に入射する。ここでダイクロイックミラー2202はSHGの波長成分を反射、二光子蛍光の波長成分を透過する性質があり、SHGと二光子蛍光が分離される。分離されたSHGと二光子蛍光の光束はそれぞれ別の検出器2203,2204で検出される。このため、実施例1と同様、試料中の集光位置を走査することにより、CARS顕微鏡イメージ、OCTイメージ、SHGイメージ、2光子蛍光イメージをそれぞれ取得することが可能である。
SHGと2光子蛍光のエネルギーダイアグラムを図23に示す。SHGは入射光が実順位を介さずに(すなわち吸収を伴わずに)2倍の周波数(すなわち波長が半分)の光を発する過程である。二光子蛍光は入射した光が二光子吸収過程により吸収され、緩和過程の後に蛍光を発する過程であり、蛍光の周波数は入射光の周波数の2倍よりやや小さくなる。これらはそれぞれ試料の構造と分子種に応じて選択的に発光するため、生体試料などの観察に用いられている。CARS信号、OCT信号と併せてこれらのイメージを取得することにより、試料からより多くの情報を取得可能である。(二光子蛍光、SHGの詳細についてはそれぞれ非特許文献1、非特許文献2を参照のこと。)
なお、本実施例ではSHG、二光子蛍光のいずれのイメージも取得するが、いずれか一方を省略しても構わない。また、本実施例ではSHG,二光子蛍光ともに反射型の構成であるが、CARS信号と同様、励起光と同一方向に発する成分(透過成分)も含まれるため、図24のような構成により、対物レンズ111の後段にダイクロイックミラー2401を配置し、SHGと二光子蛍光の透過成分を検出してもよい。この場合、ダイクロイックミラー2401はCARS信号の波長成分は透過し、SHG、2光子蛍光の波長成分は反射するものである。
101:短パルスレーザ光源、102:ビームスプリッタ、103:集光レンズ、104:フォトニック結晶ファイバ、105:コリメートレンズ、106:ロングパスフィルタ、107:無偏光ビームスプリッタ、108:ダイクロイックミラー、109:対物レンズ、110:試料、111:コンデンサレンズ、112:ショートパスフィルタ、113:分光器、114:ミラー、115:分光器、301:液晶変調素子、401:液晶λ/2板、402:ポラライザ、601:液晶λ/2板、602:偏光ビームスプリッタ、603:ビームエキスパンダ、604:偏光ビームスプリッタ、701:光パラメトリック発信器、702:検出器、703:検出器、801:液晶λ/2板、802:液晶λ/4板、803:液晶λ/4板、804:液晶λ/8板、901:検出器、1201:ダイクロイックミラー、1601:ファイバカプラ、1602:ファイバカプラ、1701:ダイクロイックミラー、1801:フェムト秒レーザ、1901:短パルスレーザ光源、2001:短パルスレーザ光源、2002:ダイクロイックミラー、2101:ガルバノミラー、2201:ダイクロイックミラー、2202:ダイクロイックミラー、2203:検出器、2204:検出器、2401:ダイクロイックミラー

Claims (13)

  1. 光源と、
    光源からの出力光光束を第一の励起光束と第二の励起光束とに分割する第一の光分割手段と、
    前記第二の励起光束が入力され、ストークス光束を出力するストークス光源と、
    前記第一の励起光束と前記ストークス光束を合波し、合波光束を生成する合波手段と、
    前記合波光束を試料中に集光する第一の集光手段と、
    前記試料中より発生する、合波光束とは異なる波長のCARS光を検出する第一の検出器と、
    前記第一の検出器にCARS光を導く第二の集光手段と、
    前記第一の励起光束と前記ストークス光束のうち少なくとも一方の光束の一部を参照光束として分岐する第二の光分割手段と、
    試料からの光束と前記参照光束とを合波し、干渉光を生成する第二の合波手段と、
    前記干渉光を検出する第二の検出器と、
    を有することを特徴とするCARS顕微鏡。
  2. 前記ストークス光源は、前記ストークス光束の波長を連続的に可変とすることを特徴とする請求項1に記載のCARS顕微鏡。
  3. 前記ストークス光源は、前記第二の励起光束に比べて波長が広帯域な前記ストークス光束を生成することを特徴とする請求項1に記載のCARS顕微鏡。
  4. 前記参照光束と前記試料からの光束とがそれぞれストークス光を含むことを特徴とする請求項2または3に記載のCARS顕微鏡。
  5. 前記ストークス光束の光束径が、前記合波手段にて合波された励起光の光束径よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載のCARS顕微鏡。
  6. 前記ストークス光の光束径を可変とする光束可変手段を有することを特徴とする請求項4に記載のCARS顕微鏡。
  7. 前記参照光の偏光を任意に可変とする第一の偏光変換手段と、
    前記ストークス光の偏光を任意に可変とする第二の偏光変換手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載のCARS顕微鏡。
  8. 前記第一の検出器と前記第二の検出器が同一の分光器であることを特徴とする請求項4に記載CARS顕微鏡。
  9. 励起光束の照射により試料中より発生するSHGを検出する第三の検出器と、二光子蛍光を第4の検出器の少なくとも一方を備えること特徴とする請求項1に記載のCARS顕微鏡。
  10. 前記第二の光分割手段と前記第二の合波手段とは、同一無偏光ビームスプリッタであることを特徴とする請求項1記載のCARS顕微鏡。
  11. 前記ストークス光束の開口数は、前記合波手段にて合波された励起光の開口数とほぼ同一であることを特徴とする請求項1記載のCARS顕微鏡。
  12. 励起光を生成する手段と、
    ストークス光を生成する手段と、
    前記励起光と前記ストークス光とを合波して、試料に照射する手段と、
    前記試料から発生したCARS光を検出するCARS光検出器と、
    前記励起光または前記ストークス光の一部を分岐して参照光を生成する手段と、
    前記参照光と前記試料からの光とを合波し、干渉光を生成する手段と、
    前記干渉光を検出する干渉光検出器と、
    を有することを特徴とするCARS顕微鏡。
  13. 前記CARS光と前記干渉光とは、時分割で検出されることを特徴とする請求項12記載のCARS顕微鏡。
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