JP6815846B2 - 試料観察装置 - Google Patents

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本発明は、試料観察装置に関し、特に、コヒーレントラマン散乱(Coherent Raman Scattering:CRS)を利用した試料観察装置に関する。
CRSを利用すると試料の形状、生体内分子の3次元分布、組成等を観察することが可能である。CRSにはコヒーレントアンチストークスラマン散乱(Coherent Anti−Stokes Raman Scattering:CARS)と誘導ラマン散乱(Stimulated Raman Scattering:SRS)がある。CRSの中でも特にSRSを利用するとスペクトル歪みなく、定量的な観察が可能である。このようなSRSを利用した計測装置では、互いに波長が異なる2つの光パルス(2波長光パルス)を試料に同時に照射してSRSを誘起する。2つの光パルスの光周波数の差が試料の分子振動数と一致すると、それら光パルスの集光点にて誘導ラマン散乱が生じる。そして、試料を透過した2波長光パルスのうち、光周波数が高い、すなわち波長が短い光パルスの強度が減少し(誘導ラマンロス)、光周波数が低い、すなわち波長が長い光パルスの強度が増大する(誘導ラマンゲイン)。この誘導ラマンロスまたは誘導ラマンゲイン(以下、ともにSRS信号という場合がある)を検出することによって、試料の分子の振動情報を反映した分子振動イメージングを行うことができる。また、2波長光パルスの光周波数を変化させることによって、光周波数に対するSRS信号の依存性(ラマンスペクトル)の検出が可能であり、試料の組織構造や組成の特定が可能である。
SRS信号検出の際のノイズには熱雑音等の電気回路に固有の検出系ノイズ、検出器への入射光パワーに依存するショットノイズ、過剰ノイズがある。パワーが小さい場合には検出系ノイズ、光パワーが増大するにつれてショットノイズ、過剰ノイズが支配的になる。検出系ノイズはパワーに依存せず一定のノイズであり、ショットノイズは検出器に入射する光パワーの平方根、過剰ノイズは光パワーに比例するノイズ成分である。過剰ノイズが支配的になる場合、パワーを上げても感度が向上しないため、ノイズ除去部を用いることが有効である。ノイズ除去の例として特許文献1に開示された装置が提案されている。
特許文献1では繰り返し周波数が2:1である2つのファイバレーザを同期させて、試料へ同軸に集光することでSRS検出が可能なSRS検出装置の構成を開示している。本件では検出光を発振するファイバレーザの後段にノイズ除去部である遅延合波光路を導入し、ファイバレーザ光の過剰ノイズを除去して高感度化を図っている。
また、ノイズ成分に応じて制御を切り替える方法として特許文献2に開示された装置が提案されている。特許文献2では信号のノイズ成分に応じて放射線源の放射線量を変更、または検出系の増幅率を変更可能な放射線撮像装置の構成を開示している。
特許第5623652号 特開2008―212644
特許文献1に開示された装置では、検出系入射パワーが小さい場合にノイズ除去部のノイズ除去効果が機能せず、逆に光損失の影響が大きくなって感度が低下するという課題がある。
また、特許文献2に開示された装置では潤沢な光源パワーが必要である、感度の最適化のために光源や検出系の複数個所の制御が必要であることから装置が大型化、複雑化するという課題がある。
本発明の一側面としての試料観察装置は、光源からの光のノイズを除去する除去部と、前記除去部を通過した光で試料を照射する照射部と、前記試料からの光を検出する検出部と、前記除去部のノイズ除去率を制御する制御部と、前記検出部は、前記試料を透過した光を検出する第1の検出素子と、前記試料で散乱した光を検出する第2の検出素子と、を有し、前記制御部は、前記第2の検出素子を使用する場合の前記ノイズ除去率よりも、前記第1の検出素子を使用する場合の前記ノイズ除去率の方が、大きくなるように、前記ノイズ除去率を制御することを特徴とする。
本発明のその他の側面については、以下で説明する実施の形態で明らかにする。
より良い感度で試料を観察することができる試料観察装置を提供できる。
実施例1における試料観察装置の構成を示すブロック図である。 実施例1におけるノイズ除去部の構成を示すブロック図である。 実施例1におけるノイズ特性の例を示す模式図である。 実施例2における試料観察装置の構成を示すブロック図である。 実施例3における試料観察装置の構成を示すブロック図である。 実施例3におけるノイズ除去部の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1のSRS顕微鏡としての走査型顕微鏡の構成を示す。
図1において、101、102は光源、103はパルス同期制御手段である。104はノイズ除去部、105は光路長調整素子、106、109はミラーである。107はダイクロイックミラー(合波素子)、108は光偏向素子(走査手段)である。110、113は対物レンズ(照射光学系(照射部)、検出光学系)、111は試料、112は試料駆動ステージ(試料移動手段)である。114は非検出光カットフィルタである。115は光検出素子(光検出部)であり、116はロックインアンプである。117はコンピュータ(制御部)である。なお、各構成部品を結ぶ太い直線および矢印付き直線はそれぞれ、光路および電気配線を表す。
光源101、102はパルス発振レーザであり、それぞれポンプ光とストークス光を発振する。光源101にはErファイバレーザ、Erファイバアンプ、PPLN(periodically poled lithium niobate)を組み合わせたファイバレーザ光源を用いる。ファイバレーザをシード光源として用いる場合、シード光源自体の出力が低く、ファイバアンプを使用する必要があるために一般的に強度ノイズが増大する。シード光源をパルス発振半導体レーザとしても同様である。したがって高感度のSRS検出には特許文献1のようなノイズ除去手段を用いることが必要である。光源102にはTi:Sapphireレーザ、OPO(Optical Parametric Oscillator)等の固体レーザやYbファイバレーザ等のファイバレーザを用いる。感度と波数分解能の両立の観点から、光源101、102のパルス幅は数100fs〜数psとすることが好ましい。なお、高感度検出のために光源101、102の繰り返し周波数の比は2:1となるように設定する。
光源102の発振波長を変更することで広範囲のラマンスペクトル計測が可能である。例えば、光源101、102の発振波長をそれぞれ790nm、1030nm±15nmとすると、脂質領域に対応する約2800〜3100cm−1におけるSRS計測が可能である。光源101、102の発振波長を変更するのでなく、広帯域光源や広帯域化手段と可変波長フィルタ等の波長選択手段を組み合わせて波長を変更してもよい。光源の繰り返し周波数は高速検出と光検出器115の応答速度の観点から10〜100MHz程度とするとよい。
パルス同期制御手段103は光源101、102のパルス発振タイミングを同期する。パルス同期制御手段103にはパルスタイミングのずれを検知して少なくとも一方の光源の共振器長を制御する、あるいは電気的に同期した発振制御信号を用いて光源を制御する等の一般的な方法を用いればよい。パルスタイミングずれの測定には二光子吸収や和周波発生を誘起するフォトダイオードや非線形結晶を利用する等の手法を用いる。
ノイズ除去部104はλ/2板とその回転機構(移動機構)、偏波保持型のビームスプリッタ(PBS)、ミラーからなる遅延合波光路からなる。図2にノイズ除去部104の構成図を示す。201はλ/2板、202は回転機構、203、204はPBS、205、206はミラーである。このとき、PBS203、204で反射される遅延光路側の光路長は光源101の繰り返し周期と略一致させる。これにより、λ/2板201の回転角度を調節して透過光路と遅延光路の光パワー(平均パワー)を等しくすることでSRS検出帯域である光源102の繰り返し周波数帯域のノイズを除去できる。ノイズ除去部104透過光路と遅延光路の光パワーの調整は、RFスペクトルアナライザにてSRS検出帯域のノイズを実際に測定して最小化することによって行うと、より厳密なノイズ除去が可能となる。回転機構202には自動回転ステージを用いる。
回転機構202はλ/2板201の角度を変更することによって、PBS203の分岐比を変更することができる。試料111自体の特性(反射率、吸収係数、散乱係数、等)によって光検出素子115に入射するパワーは変動し得る。一方で検出感度自体も光検出素子115に入射するパワーによって変更する。図3に光源、検出系ノイズ特性の模式図を示す。横軸は検出系入射パワー、縦軸はノイズの2乗である。ノイズは低パワーの領域(a)では検出回路の熱雑音等の検出器固有の検出系ノイズ、中パワーの領域(b)ではフォトン数の平方根に比例するショットノイズ、高パワーの領域(c)ではフォトン数に比例する過剰ノイズがそれぞれ支配的になる。PSH、PEXはそれぞれショットノイズの下限パワー、過剰ノイズの下限パワーである。このとき、ノイズ除去部104で除去できるのは過剰ノイズ成分である。したがってa、bの領域ではノイズ除去は不要である。そこで本実施例では検出系のノイズ成分に応じてノイズ除去部104のノイズ除去特性(ノイズ除去率)を変更する。具体的には図3a、bの領域ではλ/2板201を回転し、入射光がPBS203を透過する成分のみにして、ノイズ除去部104の透過パワーが最大となるようにする。また、図3cの領域ではλ/2板201を回転し、ノイズ除去部104の透過光路と遅延光路のパワーがPBS204で合波された後に等しくして、ノイズ除去部104の透過光のノイズが最小となるようにする。これによりノイズ除去が必要でない領域ではパワーを最大化することで感度を増大し、ノイズ除去が必要である領域ではノイズ除去を行うことで感度を最大化できる。したがって試料111の特性によらず、光検出素子115の入射パワーによってノイズ除去部104の特性を変更することでより良い感度を得ることが可能な装置を構成することができる。なお、図3の特性は基準とする試料を用いてSRS検出時のサンプリングレート、積算時間、等の測定条件に即して予め測定しておくことが好ましい。測定は検出光を検出系(光検出素子、ロックインアンプ)で受光して、信号の検出帯域に応じた時間幅の強度ばらつき(標準偏差)を算出すればよい。また、aまたはcの領域ではλ/2板201のそれぞれの場合の回転角度が決まるが、bの領域でのλ/2板201の回転角度をその間の角度として連続的に変化させてもよい。
検出系入射パワーをモニターする場合にはSRS検出には用いない光検出素子115のDC成分を利用するとよい。このとき図3の横軸は光検出素子115のDC電流値または電圧値としてノイズ特性を取得しておく。光検出素子115のDC出力を用いずに反射率が既知のフィルタ等を介して別のパワーメーターで光検出素子115に入射するパワーを間接的に測定してもよい。
また、図3の実際の測定結果で領域の判断が難しい場合は、例えば検出系ノイズと過剰ノイズ領域の近似直線を延長した交点にあたるパワーを閾値にしてノイズ除去部104の特性を切り替えるようにすることもできる。なお、閾値は検出系ノイズと過剰ノイズの中間と考えられる領域であれば適宜任意の値に設定してよい。
図1に戻り、その他の構成要素について説明する。
光路長調整素子105は、試料111上でのポンプ光とストークス光のタイミングが一致するように光路長を調整する。光路長調整素子105には手動または自動ステージとミラーを組み合わせた素子やファイバ型のディレイラインを用いる。
ミラー106およびダイクロイックミラー107は、光源101からの光を光源102からの光に合波する。光偏向素子108は、試料111上で集光点の走査を行うために、合波された両光の射出角度を偏向する。光偏向素子108としては、ガルバノミラーを2つ用いる。高速走査のためにレゾナントミラーやポリゴンミラーと組み合わせて用いてもよい。両光の集光点が試料111上で2次元に走査されることで試料111の形状や組成を反映した、分子振動情報の2次元分布が画像(SRS画像)として取得できる。
ミラー109は、ダイクロイックミラー107で合波されたポンプ光およびストークス光を対物レンズ111に導く。対物レンズ110は、入射した両光を試料111上の同一スポットに集光するとともに試料111から入射光路側へ散乱される光を採光する。光偏向素子108の走査時における試料111上の光量分布を均一にし、画像周辺部での光量低下を防ぐためには、光偏向素子108のガルバノミラー面と対物レンズ110の入射瞳面とを共役関係とするリレーレンズ対(走査光学系)を挿入する。試料111は試料駆動ステージ112上に設置されている。試料駆動ステージ112は、XYZ方向に駆動することで、集光点の走査領域に試料111を移動させる。
対物レンズ113は、試料111からの光を光検出素子115に集光する。試料111からの散乱光を高効率に集光するために対物レンズ113の開口数は、対物レンズ110よりも大きくすることが好ましい。非検出光カットフィルタ114はバンドパスフィルタまたはショートパスフィルタであり、SRSが誘起されたポンプ光のみを検出するためにストークス光をカットする。
光検出素子115は、入射した光パルスを電気信号に変換する。光検出素子115には高速シリコンフォトダイオードを用いる。ロックインアンプ116は、光検出素子115からの電気信号中から、光源102の繰り返し周波数でSRS信号(誘導ラマンロス)をロックイン検出する。ロックイン検出の参照信号には例えば光源102の光を受光するセンサを用意し、その出力信号を用いる。
コンピュータ117は光検出素子115の出力を読み出し、出力に応じてノイズ除去部104にノイズ除去の変更を指示する信号を送出する。また、コンピュータ117は、ロックイン検出されたSRS信号を読み出し、適宜SRS信号に対する信号処理を行って試料111に関する分子振動情報を画像化したSRS画像データ(2次元画像データ)を生成し、ディスプレイに表示する。画像化する際、光偏向素子108からの信号をデータ収録開始のトリガー信号として用いる。また、コンピュータ117は試料駆動ステージ112を制御して、試料111における観察部位を3次元的に設定することができる。また、コンピュータ117は、取得した各波長のSRS画像データに対して主成分分析、独立成分分析等といったスペクトル分析手法を適用し、特徴的な成分に注目して疑似カラー化してディスプレイ上に表示してもよい。
本実施例では、光偏向素子108を用いて試料111上で集光点の2次元走査を行う場合について説明した。しかし、1軸のガルバノミラーによる走査とその走査方向に直交する方向への試料駆動ステージ112の駆動とを組み合わせて集光点の2次元走査を行ってもよい。また、試料駆動ステージ112のみを2次元面内で駆動してもよい。また、画像化する必要がなければ、光偏向素子108を走査せずに、試料111上の1点におけるラマンスペクトル計測を行えばよい。
また、本実施例では、光源の繰り返し周波数を逓倍化したロックイン検出の方式を説明したが、外部変調器を用いて変調する方式を採用してもよい。その場合、ノイズ除去帯域が変調周波数帯域となるようにノイズ除去部104の遅延光路の光路長を調整する。また、誘導ラマンロスではなく誘導ラマンゲインを検出するように適宜構成を変更してもよい。
また、SRS信号ではなくCARS信号を計測するように装置を構成してもよい。これは本実施例では非検出光カットフィルタ114をCARS信号の波長帯のみを透過するフィルタへ変更することでCARS信号を検出できる。
また、CRS計測に限定せず、本実施例の手法によって、多光子吸収、多光子蛍光を計測する試料観察装置を構成してもよい。
本実施例によれば、検出系の入射パワーに応じてノイズ除去部の特性を変更することで試料の特性によらずより良い感度を得ることが可能な試料観察装置、コヒーレントラマン散乱信号取得装置および顕微鏡を提供することができる。
次に、図4を用いて、本発明の実施例2について説明する。本実施例では、光検出素子への入射パワーが比較的高い透過計測配置と入射パワーが弱くなる後方散乱計測配置とでノイズ除去部の特性を変更する。
図4に本実施例における誘導ラマン散乱顕微鏡の構成を示す。401〜407、409〜417、422は図1の101〜107、108〜116、117と同じである。408は反射光分岐素子、418はレンズ、419は非検出光カットフィルタ、420は光検出素子(第2の検出素子)、421はロックインアンプである。
図4の構成では試料412の透過光計測と同時に試料412からの反射光を含む後方散乱光計測を可能とする。反射光分岐素子408にはSRS検出の場合、入射光を中心穴で透過させ、後方散乱光を分岐する穴空きミラー、CARS検出等の場合、後方散乱光に応じたダイクロイックミラーを用いる。後者の場合、非検出光カットフィルタ419は不要である。反射光分岐素子408で分岐した光はレンズ418、非検出光カットフィルタ419を介して光検出素子420(第2の検出素子)で受光し、ロックインアンプ421でロックイン検出を行う。
このとき、例えば生体試料等の後方散乱光を計測する場合、光検出素子420(第2の検出素子)で検出可能な後方散乱光のパワーは弱く、試料ダメージを考慮すると入射パワーを上げることもできない。そのため、光検出素子420(第2の検出素子)に入射するパワーはほとんどの場合、図3aまたはbの領域である。したがって、本実施例では、光検出素子416(第1の検出素子)による透過光計測ではノイズ除去部をオンにし、ノイズ最小とし、光検出素子420(第2の検出素子)による後方散乱光計測ではノイズ除去部をオフにし、光検出素子420(第2の検出素子)への入射パワーを最大とする。これにより、透過光計測ではノイズを除去した高感度計測が、後方散乱光計測では後方散乱光パワーを最大化した高感度計測がそれぞれ可能となる。なお、本実施例では入射パワーの異なる計測方式によってノイズ除去部の特性を切り替えるため、光検出素子からのモニター信号はなくてもよいが、適宜実施例1と同様に光検出素子入射パワーのモニター信号によってノイズ除去部の特性を変更してもよい。
また、透過光を計測する光検出素子416(第1の検出素子)と後方散乱光を計測する光検出素子420(第2の検出素子)は同一のものを用いてもよいが、入射する光パワーに応じて回路構成を変更するとよりよい。具体的には入射パワーの弱い光検出素子420(第2の検出素子)では熱雑音を抑え、検出系ノイズをより低減するために負荷抵抗の値を小さくする。一方で光検出素子416(第1の検出素子)では比較的パワーが強く、検出系ノイズが支配的ではないため、光検出素子が飽和しないように負荷抵抗の値は大きくしておく。これらの変更により後方散乱光計測の感度をさらに向上させることができる。
本実施例によれば、透過計測、後方散乱光計測を両立し、かつより良い感度で計測できる試料観察装置、コヒーレントラマン散乱信号取得装置および顕微鏡を提供することができる。
次に、図5を用いて、本発明の実施例3について説明する。本実施例では、ノイズ除去部としてバランス検出素子を用いる。
図5に本実施例における誘導ラマン散乱顕微鏡の構成を示す。501〜517は図1の101〜117と同じであるが、ノイズ除去部の構成が異なる。518は差動増幅回路である。
図6にノイズ除去部504の構成を示す。601はλ/2板、602は回転機構、603はPBS、604は光検出素子である。ノイズ除去部504は一般的なバランス検出法を用いるために検出光のパワーを一部分岐して光検出素子604で受光する。受光した光信号は光検出素子515からの光信号と差分増幅するために差動増幅回路518へ接続する。差動増幅回路518では両信号の差分をとり、微小信号のみを増幅するため、共通の強度ノイズ成分を相殺することができる。一方で試料511からの光パワーが弱い場合には検出系ノイズが支配的になるため、バランス検出のために分岐した光パワーは損失にしかならない。そこで本実施例では試料511からの光パワーが弱い場合にはλ/2板601を回転させてPBS603での反射成分を最小にして透過光を最大化する。これにより、光検出素子515への光パワーが弱い場合にパワーを増大して感度を向上させることができる。なお、光源の出射光をP偏光としておけば回転機構602は並進機構としてλ/2板601を回転させるのでなく、光路から退避させてもよい。このとき、λ/2板601の初期回転角度はノイズ最小となるようにしておく。
本構成は実施例2と同様の後方散乱光計測を行う場合にも同様に適用できる。また、本構成はSRS顕微鏡に限定されず、OCT等、バランス検出を行う試料観察装置で同様に適用することができる。また、用いる光源はパルス光源でなくても同様に適用できる。
本実施例によれば、一般のバランス検出構成においても検出系の入射パワーに応じてノイズ除去部の特性を変更することで試料の特性によらずより良い感度を得ることが可能な試料観察装置、コヒーレントラマン散乱信号取得装置および顕微鏡を提供できる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
光源 101
除去部 104
制御部 107
照射部 110
試料 111
検出部 115

Claims (6)

  1. 光源からの光のノイズを除去する除去部と、
    前記除去部からの光で試料を照射する照射部と、
    前記試料からの光を検出する検出部と、
    前記除去部のノイズ除去率を制御する制御部と、を有し、
    前記検出部は、前記試料を透過した光を検出する第1の検出素子と、前記試料で散乱した光を検出する第2の検出素子と、を有し、
    前記制御部は、前記第2の検出素子を使用する場合の前記ノイズ除去率よりも、前記第1の検出素子を使用する場合の前記ノイズ除去率の方が大きくなるように、記ノイズ除去率を制御することを特徴とする試料観察装置。
  2. 前記光源からの光は、パルス光であることを特徴とする請求項1に記載の試料観察装置。
  3. 前記除去部は、λ/2板と、偏波保持型のビームスプリッタと、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の試料観察装置。
  4. 前記除去部は、前記λ/2板を移動する移動機構を有することを特徴とする請求項に記載の試料観察装置。
  5. 前記移動機構は、前記λ/2板を回転させる回転機構又は前記λ/2板を光路から退避させる並進機構であることを特徴とする請求項に記載の試料観察装置。
  6. 前記検出部は、前記試料においてコヒーレントラマン散乱が誘起された光を検出することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の試料観察装置。
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