JP5705825B2 - コヒーレント反ストークスラマン分光法 - Google Patents

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Description

本発明は、物質に関する情報を得るためにその物質を電磁放射によってプロ―ビングする分野に関するものである。
コヒーレント反ストークスラマン分光法(CARS)は、生体細胞などの物質の特性を調査するための既知の技術である。通常のCARSシステムにおいて、サンプルは、ポンプビーム及びストークスビームを照射され、反ストークス放射を発することによって応答する。次に、CARSの物理特性に関する(量子力学的記述に対立するものとしての)古典的記述を簡単に挙げる。
共振周波数ωの振動モードを有する分子を考える。ポンプビームの周波数ω及びストークスビームの周波数ωがω−ω=ωであるような周波数であるとき、分子は、周波数ω=ω+ωのCARSビームを形成する放射を発することによって応答し、検出される。
既存のCARSシステムは、ポンプビーム及びストークスビームを別々のパルスレーザを用いて提供する。これらのビームは、光学的に整合されてターゲットサンプル内の同一ボリュームに入射されなければならず、2つのレーザからのパルスは、そのボリュームへ同時に到着しなければならない。このタイプのCARSシステムは、上述されたレーザ放射の発射の空間的及び時間的な整合を達成するために専門的な配慮を必要とし、多くの場合、この整合が容易に(例えば物理的な衝撃によって)乱れえるという点で、不安定である。しかしながら、例えばPhysical Chemistry Chemical Physics 10, 609 (2008)及びそこで引用された文献で報告されているように、ポンプビーム及びストークスビームの両方を1つのレーザ光源を使用して提供することが知られている。
分析下におけるサンプル内の、共振周波数ωを有する着目振動モードをターゲットにするためには、ポンプビーム及びストークスビームを正確に調整し、ω−ω=ωを達成する必要がある。通常、この調整は、回折格子や液晶アレイなどを使用して広帯域レーザ発光から所望のプロ―ビングCARS周波数を選択することによって達成される。このような調整構成は、やはり、扱いにくく混乱しやすい恐れがある。
本発明は、コヒーレント反ストークスラマン分光法(CARS)に関するものである。探査光のポンプビーム及びストークスビームを生成するために、1つの光源が使用されてよい。ポンプビーム及びストークスビームは、生成されるCARS光のなかで様々な効果を生み出すために、様々なやり方でチャープされてよい。探査光のパルスの成分は、同一装置内で複数の調査が実施されることを可能にするために、そのほかの成分に相対的に遅延されてよい。複数の調査から差分の結果を得るために、フーリエ解析が使用されてよい。本発明は、以下で参照にするべき添付の特許請求の範囲に定められている。
CARSシステムを概略的に示したブロック図である。 図2は、図1のCARSシステムにおいて使用される広帯域レーザの強度−周波数グラフである。 図3は、図1のCARSシステムにおけるレーザの、フィルタリング適用後における強度−周波数グラフである。 図4は、図1のCARSシステムにおける様々なパルスの周波数−時間グラフである。 図1のCARSシステムにおけるパルスの、図4に付随するものと異なる動作パラメータ下における様々なグラフを提供している。 図1のCARSシステムの一変形を概略的に示したブロック図である。 図6のCARSシステムにおける様々なパルスの強度−時間グラフである。 CARS光のパルスの、それぞれ補正前及び補正後におけるグラフを示している。 図6のCARSシステムの一変形を概略的に示したブロック図である。 図9のCARSシステムにおけるパルス複製ユニットを概略的に示したブロック図である。 図10のパルス複製ユニットにおけるパルスの偏光を示したグラフである。 図10のパルス複製ユニットにおけるパルスの偏光を示したグラフである。 図10のパルス複製ユニットの効果を示したグラフである。 図9のCARSシステムの顕微鏡における光電子増倍管からの出力信号を処理するための回路を概略的に示したブロック図である。
次に、例示として、添付の図面を参照にして本発明の特定の実施形態が説明される。
図1は、チャープユニット12を含むCARSシステムを示している。チャープユニット12は、レーザ14からの広帯域光に変更を加え、顕微鏡16内でターゲットサンプル(不図示)からCARS光を誘起させるために顕微鏡16に発射される探査光を形成する。レーザ14は、10fs未満の時間幅のパルスの形をとって700〜950nmの波長範囲に及ぶ広帯域光で構成される直線偏光を発する。顕微鏡16は、標準的な共焦点蛍光顕微鏡である。次に、チャープユニット12の特性が論じられる。
チャープユニット12において、レーザからの光は、ダイクロイックビームスプリッタ18に入射する。ビームスプリッタ18は、レーザ光を、レーザ発光に含まれる異なる周波数サブバンドをそれぞれ含む2つのビーム20,22に分割する。ビーム20をストークス光と呼び、ビーム22をポンプビームと呼ぶ。ダイクロイックビームスプリッタ18から、ストークス光20は、分散ガラスブロック24を通過し、コーナーキューブタイプの再帰反射器26で反射され、ダイクロイックビームスプリッタ18で再び反射され、更なる分散ガラスブロック28を通過し、顕微鏡16に入る。ダイクロイックビームスプリッタ18から、ポンプビーム22は、分散ガラスブロック30を通過し、コーナーキューブタイプの再帰反射器32で反射し、ダイクロイックビームスプリッタ18を通過し、分散ガラスブロック28を通過し、顕微鏡16に入る。ダイクロイックビームスプリッタ18は、ポンプビーム22及びストークスビーム24が同一の光路を進んで顕微鏡16に入るように配置される。
再帰反射器32は、リニアモータ34上に搭載される。モータ34は、ポンプビーム22のなかのパルスがレーザ14から顕微鏡16まで進むのにかかる時間を短くする又は長くするために、レーザ14からの光路に沿って前後に動かすことができる。ガラスブロック24,28,30は、レーザパルスに分散を生じさせる。要するに、これらのブロックは、異なる周波数のレーザパルスをそれぞれ異なる時間だけ遅延させる。ガラスブロック24,28,30が生じさせるように設計された分散の量については、後ほど説明される。
図2は、レーザ14からのパルスのスペクトルを示しており、図3は、ダイクロイック
ビームスプリッタ18のフィルタリング効果を示している。図3では、比較の目的で図2のスペクトルが破線で重ねられており、ストークスビーム20及びポンプビーム22のスペクトルは、それぞれ38及び36で示されている。ダイクロイックビームスプリッタ18を通過するレーザパルスは、「ストークスパルス」と「ポンプパルス」とに分けられる。ストークスパルスは、レーザパルスのうちスペクトル38を有する部分であり、ストークスビーム20の一部を成す。ポンプパルスは、レーザパルスのうちスペクトル36を有する部分であり、ポンプビーム22の一部を成す。
図4は、同一レーザパルスから派生されるストークスパルス40とポンプパルス42とのペアに対するガラスブロック24,28,30の効果を示している。図4は、パルス40,42を、ターゲットサンプルに印加するために顕微鏡16に入るときの形で示している。ガラスブロック24,28は、ストークスパルス40に対し、該パルスの周波数が対時間において特定の勾配で線形チャープを示すような累積的な分散効果を有するように設計される。ガラスブロック30,28は、ポンプパルス42に対し、該パルスの周波数が対時間においてストークスパルスのチャープの勾配と実質的に等しい勾配で線形チャープを示すような累積的な分散効果を有するように設計される。図4からわかるように、ストークスパルス40及びポンプパルス42の最も低い周波数成分が、顕微鏡に同時に到達する。この整合は、再帰反射器32の位置を調節し、ポンプパルス42がスプリッタ18に戻るのにかかる時間をストークスパルス40がスプリッタ18に戻るのにかかる時間に相対的に調節することによって達成される。
図4は、ストークスパルス40及びポンプパルス42に応答してターゲットサンプルによって発せられるCARS光のパルス44も示している。ストークスパルス40とポンプパルス42との間の瞬時周波数差(IFD)は、常に一定である。CARSパルス44は、IFDに等しい共振周波数ωを持つターゲットサンプルにおける振動モードに対応している。CARSパルス44は、ターゲットサンプル内の一振動モードに対応しているので、顕微鏡16内で単純な光電子増倍管(不図示)によって十分に検出されえる。顕微鏡16は、また、レーザ14のバンド幅内の周波数を持つサンプルから発せられる任意の光を阻止するためのフィルタ(不図示)も含む。
図5は、ポンプビーム22が進むのにかかる時間をモータ34を使用して変化させることによる効果を示している。参照を容易にするために、図5は、46で示される図3のスペクトルの再現と、48で示される図4のグラフの再現とを含む。グラフ48では、ストークスパルス40とポンプパルス42との間のタイミングの関係がτによって示されており、これは、チャープされたポンプパルス42の低周波数側の端が顕微鏡16に到着してからストークスパルス40の高周波数側の端が顕微鏡16に到着するまでに経過する時間の尺度である。グラフ48には、IFDも示されている。50で示されたグラフは、再帰反射器32を動かしてτを減少させることによる効果を示している。τが減少されると、IFDは、なおも一定ではあるが、より低い値を有することが明らかである。この状況で生成されるCARSパルスは、52で示されている。
したがって、再帰反射器32は、ユーザが調査しようとしているターゲットサンプルの振動モードの共振周波数ωに対応するようにIFDを調整するために、必要に応じ、ポンプビーム22の経路に沿って後方又は前方へ動かすことができる。所望の共振周波数ωの選択は、モータ34の操作によって比較的容易に達成され、再帰反射器32の使用は、モータ34によって課される動きの僅かな不規則性が光ビームの整合不良を引き起こす事態を阻止する。
図6は、図1のCARSシステム10の一変形であるCARSシステム54を示している。図1から引き継がれた図6の構成要素は、同じ参照符号を維持しており、それらの特
性及び目的の詳細な説明は、繰り返されない。ビームスプリッタ56は、レーザ14の出力の一部をチャープユニット12から逸らして、ミラー58で反射し次いでレンズ60によってサファイア板又は高屈折率液体などの非線形要素62内の小ボリュームへ集束されるビームを形成する。非線形要素62内の焦点ボリュームから現れる光は、非線形要素62内における三次混合プロセス(例えば光カー(Kerr)効果)の結果として生じる。非線形要素62内の焦点ボリュームから現れる光は、次いで、レンズ64によってビームの形に集束しなおされる。レンズ64からのビームは、次いで、ミラー66で反射し、参照ビームとして顕微鏡68に入る。
顕微鏡68は、チャープユニット12からのストークスパルス及びポンプパルスをサンプル72内の一ボリュームへ集束させるための対物レンズ70を含む。更なる対物レンズ74が、サンプル72内のターゲットボリュームからのCARSパルス光を収集し、それを、ビームの形でビームスプリッタ76上へ投射する。ビームスプリッタ76には、非線形要素62からの参照ビームも入射する。
対物レンズ74からの光の一部(理想は半分)が、ビームスプリッタ76からプリズム78へ透過し、参照ビームからの光の一部が、ビームスプリッタ76からプリズム78へ反射する。プリズム78から現れるビームは、レンズ80によって集束され、偏光ビームスプリッタ82によって2つの直交偏光成分に分けられる。偏光成分は、次いで、レンズ80の像面内にあるそれぞれのラインスキャンカメラ84,86によって検出される。プリズム78は、ビームスプリッタ76から受信された光のなかに波長分散を生じさせ、レンズ80は、その波長分散を、各ラインスキャンカメラ84,86に沿った一連の位置へ平行移動させる。
対物レンズ74からの光の一部(理想は半分)が、ビームスプリッタ76によってプリズム88へ反射し、参照ビームからの光の一部が、ビームスプリッタ76からプリズム88へ透過する。プリズム88から現れるビームは、レンズ90によって集束され、偏光ビームスプリッタ92によって2つの直交偏光成分に分けられる。偏光成分は、次いで、レンズ90の像面内にあるそれぞれのラインスキャンカメラ94,96によって検出される。プリズム88は、ビームスプリッタ76から受信された光のなかに波長分散を生じさせ、レンズ90は、その波長分散を、各ラインスキャンカメラ94,96に沿った一連の位置へ平行移動させる。ラインスキャンカメラ86,96へ進む偏光成分は、平行偏光を有する。
CARS光と参照ビームとの間の干渉は、各ラインスキャンカメラ84,86,94,96上にスペクトル強度干渉稿を形成する。同じ偏光を受信するカメラのペア(例えばカメラ84,94)からの像を互いに差し引くとは、その偏光についての干渉稿(スペクトル干渉図形)が分離され、またCARS光及び参照ビームの個別スペクトルが排除される(CARS光及び参照ビームの個々のスペクトルは、不要な参照ビーム又はCARS光をブロックすることによって、ラインスキャンカメラ84,86,94,96上において検出することができる)。スペクトル干渉図形から、スペクトル分光法によって、CARS光のスペクトル振幅及びスペクトル位相を取り出すことができる(J. Opt. Soc. Am. B 12, 2467 (1995))。このためには、基準パルスとCARS信号との間に実質的な時間的重複が無いように、参照ビームのパルスの到着時間を、対応するCARSパルスよりも前になるように(光路長によって)調節しなければならない。(通常、図6に示されたシステムでは、基準パルスと対応するCARSパルスの始まりとの間の時間として約0.5psが使用されると考えられる。これよりも大幅に短い値を選ぶと、重複が生じ、これよりも大幅に長い値を選ぶと、所定のスペクトル解像度について干渉図形からCARSを取り出すことができる時間的範囲が短くなる。)したがって、顕微鏡68は、サンプル72内のターゲットボリュームからのCARS光についての振幅情報及び位相情報を再生させるこ
とができる。この能力によって、次に説明されるように、チャープユニット12に対して特定の調節がなされたときに更に高度な測定が行われることを可能になる。
具体的には、ガラスブロック24,28,30は、ストークスビーム及びポンプビームがともになおも線形チャープを示してはいるがストークスビームパルスの周波数の変化率がポンプビームパルスの周波数の変化率と大きく異なるように、再設計される。サンプル物質に印加されるピークパワーを低減させるために、ストークスビームパルスは僅かにチャープされるだけである。一方で、ポンプビームパルスは強くチャープされて、ポンプビームパルスの周波数が振動の位相緩和時間に匹敵する比較的長い期間にわたってサンプルに到着するようにする。チャープユニット12に対するこれらの変更による効果は、図7に示されている。また、この図は、ポンプビームに対してこれまでよりも小さい周波数サブバンドを使用するようにダイクロイックビームスプリッタ18を再設計する選択肢も示している。このサブバンドは、レーザ14の出力周波数のバンドの上端に位置しており、レーザ14の出力周波数のバンドのうち比較的大きい中央のサブバンドが顕微鏡16内でサンプルの照射に使用されないようになっている。これにより、サンプル物質が受けるパワーが低減し、その結果、サンプル物質が損傷するリスクが小さくなる。
図7は、ストークスビーム及びポンプビームに使用されることになったレーザ14の出力バンドのサブバンドをグラフ98で示している。破線は、図3と同様に、レーザ14の出力周波数のバンドを表わしている。ポンプビームに割り当てられた調節後のサブバンドは、99で示されている。サブバンド99と、ストークスビームに使用されるサブバンド36との間のギャップは、図3におけるサブバンド38と36との間のギャップよりも広くなっていることが明らかであり、これは、ダイクロイックビームスプリッタ18の随意の再設計を通じて達成されるサンプルへの印加パワーの減少を表わしている。図7は、また、レーザ14からの同一パルスから派生されるストークスパルス102及びポンプパルス104がとることになる変更後の形態を示したグラフ100も提供している。
ストークスパルス102及びポンプパルス104が同時に到着しはじめるように再帰反射器32を位置決めすることによって、IFDは、ストークスパルス102のパルス幅の間に最大値IFDmaxから最小値IFDminの範囲にわたって変化することが明らかである。IFDが一定の範囲にわたって変化するので、ポンプパルス及びストークスパルスは、ゆえに、サンプル物質の、IFDmaxからIFDminまでの範囲内の様々な共振周波数を有する様々な振動モードからCARS光を励起させることができる。したがって、パルス102,104に応答して生成されるCARS光は、サンプル物質内のそれぞれ異なる共振周波数に関連したCARSパルス106〜110の集合で構成される。各CARSパルス106〜110は、その振動モードのコヒーレンス時間によって決定される期間にわたって持続する。振動コヒーレンス時間は、パルス106、パルス108、パルス110の順で短くなる。
ストークスパルス102及びポンプパルス104に応答して対物レンズ74によって収集されるCARS光は、図8のグラフ112にも再度示されている。顕微鏡68は、CARS光をその振幅及び位相の形で検出するので、ポンプパルス104のチャープに起因するパルス106〜110の傾斜を平らにするために、顕微鏡68によって検出されるCARS光を表わす数学的データに、OPTICS LETTER 31, 1543 (2006)に記載されるような数学的手法を適用することができる。これにより、グラフ114に示されるようなスペクトルを再生でき、サンプル内において励起された異なる振動モードを区別することができる。パルス106〜110は、それぞれ平らにされて、パルス116〜120になっている。具体的には、経時的CARS変化のスペクトルを振幅及び位相の形で取り出すことができ、これらは、CARS強度のみを測定するのとは対照的に、線形分解によって化学組成を見出すために使用することができる。
別のCARSシステム122が、図9に示されている。CARSシステム122は、CARSシステム10の一変形であり、レーザ14とチャープユニット12との間に、パルス複製ユニット124が挿入されている。パルス複製ユニット124は、図10に更に詳しく示されている。
図10に示されるように、レーザ14からのビームは、パルス複製ユニット124に入り、半波長板126を通過する。レーザビームは、次いで、偏光ビームスプリッタ128へ進み、該スプリッタは、レーザビームを直交偏光成分に分割する。これらの成分の一方は、偏光ビームスプリッタ128を第2の偏光ビームスプリッタ130へ透過する「透過成分」である。もう一方の成分は、反射して分散ガラスブロック132を通り、次いでミラーペア134によって第2の偏光ビームスプリッタ130へ反射する「反射成分」である。半波長板126は、入力されるレーザビームの直線偏光を回転させ、偏光ビームスプリッタ128によって生成される透過成分及び反射成分に対して所望の相対強度を与えるように方向付けられる。第2の偏光ビームスプリッタは、透過成分を透過させるとともに反射成分を反射させ、それらを同じ方向に進ませるように方向付けられる。再結合されたレーザビーム偏光は、次いで、偏光ビームスプリッタ130から半波長板136へ進む。偏光ビームスプリッタ128,130、ガラスブロック132、及びミラーペア134は、レーザビームの反射成分をレーザビームの透過成分に相対的に量Tだけ遅延させる第1の遅延アーム138を構成する。更に、反射成分は、遅延アーム138において、ガラスブロック132の特性によって決定される度合いの分散を受ける。この分散による効果は、後ほど説明される。
半波長板136から、レーザビームは、アーム138の構成と類似した構成を有する更なる遅延アーム140へ進む。半波長板136は、偏光ビームスプリッタ144によって生成される直交偏光成分に対して所望の相対強度を与えるように方向付けられる。遅延アーム140は、ミラーペア142へ進むレーザビームの成分に対し、真っ直ぐに偏光ビームスプリッタ144,146を通って進む成分に相対的にTの遅延を課する。更に、ガラスブロック148を通って進むレーザビームの成分は、更なる分散を受ける。第2の遅延アーム140を経た後、レーザビームは、4分の1波長板150を通って進み、次いで、チャープユニット12に入る。
レーザ14は、パルスを発する。図11a〜11hは、パルス複製ユニット124がレーザ14からの任意のパルスに及ぼす効果を示している。図11a〜11hの各図は、強度−時間グラフをペアで示している。各ペアにおいて、上側のグラフは、偏光ビームスプリッタ128によって生成される反射成分の偏光に平行な偏光における強度を示しており、下側のグラフは、偏光ビームスプリッタ128の透過成分に平行な直交偏光における強度を示している。図11a〜11hに示された2つの直交偏光を、これ以降、「基準偏光」と呼ぶ。図11a〜11hの各図において、上側及び下側のグラフの時間軸は、共通のゼロ時刻に揃えられている。説明を容易にするために、更に、偏光ビームスプリッタ128,144の透過成分の偏光を平行であると想定し、偏光ビームスプリッタ128,144によって生成される反射成分の偏光を平行であると想定する。
図11aは、レーザ14からの任意のパルスに応答した半波長板126の出力を示している。半波長板126は、到着するレーザパルスの強度が基準偏光の間で等しく分割されて直交偏光パルス151,153が得られるように、そのレーザパルスの直線偏光を回転させるように位置決めされる。図11bは、ブロック132に向かう偏光ビームスプリッタ128の出力を、すなわちパルス151のみを示している。図11cは、スプリッタ130に向かう偏光ビームスプリッタ128の出力を、すなわちパルス153のみを示している。図11dは、偏光ビームスプリッタ130の出力を、すなわち、パルス153と、
時間Tだけ遅れたパルス151とを示している。
偏光ビームスプリッタ130からの光は、半波長板136に向かって進む。半波長板136は、図11eに示されるように、パルス153を基準偏光の間で等しく分けてパルス152,154を形成するように角度付けられる。同様に、遅延パルス151も、やはり図11eに示されるように、パルス158,160に等しく分けられる。図11fは、ブロック148に向かう偏光ビームスプリッタ144の出力を、すなわちパルス154,158のみを示している。図11gは、スプリッタ146に向かう偏光ビームスプリッタ144の出力を、すなわちパルス152,156のみを示している。図11hは、偏光ビームスプリッタ146の出力を、すなわち、パルス152,156と、時間Tだけ遅れたパルス154,158とを示している。遅延T,Tは、4つのパルスが全てレーザ14のパルス繰り返し期間TREP内に収まるように制約される(1/TREPは、レーザがパルスを発する速さである)。
4分の1波長板150は、パルス152〜158の直線偏光を回転偏光に変換し、これにより、パルス152〜158がサンプルに印加されるに際し、それらが誘発するCARS応答が、時間平均されたときにパルスの偏光とサンプルの構造との間の特定の向きに無関係になる。
図11a〜11hを単純に維持するために、これらの図では、ブロック132〜148による分散効果を示そうとしていない。しかしながら、図12は、その分散による効果のみならず、チャープユニット12のなかのダイクロイックビームスプリッタ18がパルス152〜158に及ぼす効果も示している。したがって、図12は、ダイクロイックビームスプリッタ18によってパルス152がストークスパルス152aとポンプパルス152bとに分割されることを示している。同様に、パルス154〜158は、それぞれのストークスパルス154a〜158aとそれぞれのポンプパルス154b〜158bとに分割される。
パルス154は、ガラスブロック148によって分散され、したがって、図12では、破線でつながれたパルス154a,154bによって示されるように「前のめり」である。この分散の結果、ポンプパルス154bの始まりは、ストークスパルス154aの始まりに対して僅かに遅延される。この遅延は、パラメータτ(図5及び対応する説明を参照せよ)の大きさを変化させ、したがって、遅延がない場合にパルス154a,154bが可調節式再帰反射器32の現行位置とガラスブロック24,28,30によって導入される分散とにしたがってターゲットにすると考えられるIFDの大きさを変化させる。言い換えると、ストークスパルス154aの開始とポンプパルス154bの開始との間の遅延は、パルス154がターゲットにする共振周波数ωを調節する。
同様に、ポンプパルス156bの開始は、ガラスブロック132による分散によってストークスパルス156aの開始に対して遅延され、ポンプパルス158bの開始は、ガラスブロック132,148による分散によってストークスパルス158aの開始に対して遅延される。したがって、4つのパルス152〜158は、全て、それらの分散の度合いが異なるゆえに、サンプル内の異なる共振周波数をターゲットにする。図が複雑にならないように、ガラスブロック24,28,30によるパルス152a〜158bのチャープ、及びミラー26,32へのルートの光路差による遅延効果は、図12には示されていない。しかしながら、レーザ14からのパルスの繰り返し期間TREPは、図12にも再度示されている。
前述のように、顕微鏡16は、光電子増倍管を使用して、サンプルからのCARSパルスを検出する。光電子増倍管は、受信されたCARS光の強度を電気信号I(t)に変換
する。152〜158は、それぞれ、対応するCARS光パルスを生成することができ、これらのCARSパルスは、電気信号I(t)内で瞬時だと見なすことができるように、この光電子増倍管の時間分解能と比べて短くなっている。したがって、ノイズなどを無視すると、信号I(t)は、TREPごとに繰り返す一連のデルタ関数の形を有する。信号I(t)は、したがって、フーリエ級数として表わすことができる。
Figure 0005705825
遅延アーム138,140は、2T=4T=TREPとなるように設計される。その結果、持続時間TREPのI(t)期間内に繰り返すデルタ関数のセットは、
Figure 0005705825
である。ここで、A〜Aは、パルス152〜158によってそれぞれトリガされる(一見瞬時に見える)CARSパルスの時間平均信号である。数学的には、以下のように示すことができる。
Figure 0005705825
これら4つの連立方程式から、4つのCARSパルス152〜158の振幅A,A,A,Aを再生させることができる。
図13は、光電子増倍管信号I(t)を処理してa/2、a,b,aを導くための顕微鏡16内の電子回路160を示している。光電子増倍管からの信号I(t)は、入力ライン162に印加される。入力ライン164は、レーザ14内のフォトダイオード(不図示)から得られる電気信号を受信する。該電気信号は、レーザ14のパルス周波数(フォトダイオードのバンド幅によって制限される。該バンド幅は、明確にすることのみを目的として挙げるならば、通常は約500MHzである、すなわち8ωである)で繰り返されるデルタ関数で構成される。したがって、ライン164に印加される電気信号も、やはり、I(t)内に含まれるのと同じ周波数のフーリエ級数である。
回路160は、複数のハイパスフィルタ166〜172を含む。フィルタ166,168は、ω/2未満の周波数(ω=2π/TREPであることが思い起こされる)をブロックし、フィルタ170,172は、3ω/2未満の周波数をブロックする。回路160は、また、複数のローパスフィルタ174〜188も含む。フィルタ174〜180は、ω/2を超える周波数をブロックし、フィルタ182,184は、3ω/2を超える周波数をブロックし、フィルタ186,188は、5ω/2を超える周波数をブロックする。回路は、また、フィルタ182から出る信号をTREP/4だけ遅延させてその信号をπ/2ラジアンだけ位相シフトさせるための遅延ライン190も含む。
回路160は、また、周波数ダウン変換をそれぞれ実施するよう構成された複数のミキサ192〜196を含む。回路160に供給される信号は、kを(ゼロを含む)整数としたときに、kωの関係を満たすような周波数のみを含む。したがって、ミキサ192の出力は、aに比例するダウン変換成分を含み、ミキサ194の出力は、bに比例するダウン変換成分を含み、ミキサ196の出力は、aに比例するダウン変換成分を含む。a,b,aに対する比例定数は、ミキサ192〜196の損失と、ライン164上における信号の振幅とによって決定される。したがって、図9〜13に関して説明されるCARSシステムは、追加の光学素子を伴わずに様々な測定を時間的に多重化することができるという点で、有用である。
係数aは、CARSパルス高さAの大きさとAの大きさとの間の差の尺度であり、したがって、次に説明されるように、差分測定法で使用することができる。
例えば、パルス152に応答して生成されるCARSパルスを考える。前述のように、このCARSパルスは、パルス152の対応するIFDによってターゲットにされる共振周波数(fと呼ぶ)を持つ振動モードからのCARS光を含む。しかしながら、CARSパルスは、顕微鏡16の焦点ボリューム内にある物質の、fよりも大きい共振周波数を有するあらゆる振動モードからの非共鳴CARS光も、また、純粋に電子的な寄与からの非共鳴CARS光も含む。この非共鳴CARS光は、共振周波数fの振動モードからのCARS光である所望のCARS信号を覆い隠す傾向がある背景CARS信号である。
水は、生体細胞の支配的成分であるので、水からの背景CARS信号は、調査中の細胞の一特徴の振動モードから誘発される共鳴CARS信号を支配する、すなわち覆い隠す恐れがある。この問題に取り組むために、以下のように、係数aの差分的特性を活用することができる。
振幅AのCARS応答を引き出すパルス152は、調査対象とされる細胞タイプの膜内の着目振動モードの共振周波数であるfのIFDをチャープユニット12によって与えられると考える。また、振幅AのCARS応答を引き出すパルス154は、共振周波数がf>fであって水のなかにも調査中の細胞タイプのなかにも見出されることを予期されないような振動モードをターゲットにすると想定する。
最初、顕微鏡の焦点ボリュームが水のみを含むとき、半波長板126は、CARSパルス振幅A,Aが実質的に等しく尚且つa(フィルタ176の出力信号)が実質的にゼロであるようにピーク152,156の振幅を変更するように調節される。この状況では、CARSパルス振幅A,Aは、完全に非共鳴CARS光に由来する。次いで、焦点ボリューム内に、サンプル物質が配される。したがって、フィルタ176の出力信号を生じさせるいかなる変化も、共振周波数fを有する着目振動モードからの共鳴CARS光に帰せられる。言い換えると、半波長板126を調節することによるフィルタ176の出力信号のゼロ化は、実際のサンプルの調査に顕微鏡が使用されるときに、水からの非共
鳴CARS背景信号を補正する効果を有する。4つのパルスは、全て、同一レーザパルスから派生されるので、従来のような強度変動は示さず、平衡信号aの形に完全に抑えられ、したがって、信号のショットノイズによってのみ制限される。これは、物質組成における僅かな変化の高感度検出を可能にする。同様な議論は、係数a2,3にも当てはまり、したがって、合計3つの平衡信号が抽出される。
(パルス152〜158が全て、チャープユニット12によって同じIFDを与えられるように、)ガラスブロック132,148を取り除くことによって、CARSシステム122は、次に説明されるように、他の測定を実施するように適応させることができる。
4つのパルス152〜158のビーム方向は、全て、ビームスプリッタ146,130の傾き/傾斜によって僅かに異ならせることができる。すると、顕微鏡は、パルスを、サンプル内の複数の横方向に変位した焦点ボリュームへ集束させる。したがって、パルス152〜158に応答して生成されるCARSパルスは、サンプル内の異なる場所に関する。焦点ボリュームのサイズに匹敵する横変位を使用すると、係数aは、(A,Aがサンプル内の異なる場所に関するものであるゆえに、)サンプル内におけるCARS応答の空間的勾配を表わすようになる。同様な議論は、係数a2,3にも当てはまる。
また、4分の1波長板150を取り除き、半波長板に置き換えることも可能である。これらの状況下では、パルス152,156は、パルス複製ユニット124から第1の偏光で現れ、パルス154,158はパルス複製ユニット124から、第2の直交偏光で現れる。ここで、パルス152〜158によって誘発されるCARSパルスは、それぞれ振幅A〜Aを有することを思い出されたい。したがって、係数a=A−A+A−Aは、パルス152〜158の第1および第2の偏光に対するサンプルのCARS応答の差の尺度である。ゆえに、例えば脂質膜などにおいて、CARS光の複屈折性をもたらすサンプル物質の空間的順序付けを探査することが可能である(J. Raman Spectrosc. 34, 642 - 650 (2003)を参照せよ)。この追加の半波長板は、もちろん、パルス152〜158の2つの直交偏光をサンプル物質に相対的に回転させるために回転させることができる。
当該技術に熟達した読者ならば、説明されたCARSシステムの様々な変更形態が明らかである。例えば、以下のものがある。
パルス複製ユニット124のなかで非偏光ビームスプリッタを使用することができる(ただし、各遅延アーム138,140の出力におけるビームの再結合の際に、強度損失が発生するであろう)。
偏光ビームスプリッタ82,92を省き、レンズ80,90からの光をそれぞれの1つのラインスキャンカメラ上に集束させることができる(ただし、CARS光に関する偏光情報が失われるであろう)。
82,92の代わりに、2本のラインを伴う1つのカメラを偏光ディスプレーサと併せて使用することができる。
2本のラインを伴うラインスキャンカメラを(偏光ディスプレーサと併せずに)又は4本のラインを伴うラインスキャンカメラを(偏光ディスプレーサと併せて)使用して、ビームスプリッタ76の両方の出力を1本の分散ビーム経路に導くことができる。
プリズム78,88を回折格子に交換することができる。
パルス複製ユニット124がレーザのパルス繰り返し期間TREP内に製造する遅延パルスの数と、配置とを、(相伴う回路160の調節とともに)変更することができる。これは、遅延ユニット138,140の数を変更することによって、レーザパワーの損失を伴うことなく達成することができる。n回の繰り返しの間に、合計2個のパルスと、それぞれの電気信号とが生成される。
ビームスプリッタ76に入射する参照ビームを、(レーザの特性に応じて)レーザ14から直接提供し、そうして、非線形要素62及びレンズ60,64の必要性を排除することができる。

Claims (14)

  1. サンプルを調査するための装置であって、
    パルス光を発する光源と、
    前記光源からの光のパルスを、時間的に分離された複数の派生光パルスに変換するための変換手段と、
    各派生光パルスを、前記派生光パルスの周波数のサブセットで構成される第1の探査パルスと、それらの周波数の別のサブセットで構成される第2の探査パルスとに分離するための分離手段と、
    各派生光パルスの前記第1及び第2の探査パルスをチャープするためのチャープ手段と、
    各派生光パルスのチャープされた第1及び第2の探査パルスを時間的に重複する形で前記サンプルに印加するための方向付け手段と、
    前記サンプルからそこでの各派生パルスのチャープされた第1及び第2の探査パルスの相互作用によって誘起される誘起光を検出するための検出手段と、
    を備える装置。
  2. 請求項1に記載の装置であって、
    前記チャープ手段は、各派生光パルスの第1の探査パルスを、そのなかの少なくとも一周波数バンドにわたって第1の実質的に線形の分散を導入することによってチャープするように設定され、かつ、各派生光パルスの第2の探査パルスを、そのなかの少なくとも一周波数バンドにわたって第2の実質的に線形の分散を導入することによってチャープするように設定される、装置。
  3. 請求項2に記載の装置であって、
    前記第1及び第2の実質的に線形の分散は、実質的に同じ、対周波数の遅延変化率を有する、装置。
  4. 請求項3に記載の装置であって、
    前記検出手段は、前記検出された誘起光を対時間で記録する信号を生成し、前記装置は、更に、少なくとも1つの量を計算するための計算手段を備え、前記少なくとも1つの量は、前記信号を表わすフーリエ級数の個々の係数を少なくとも示す、装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の装置であって、
    前記変換手段は、前記光源からの前記パルスを、前記サンプルに到達するために異なる長さの経路を進む複数の部分に分けるための分割手段を含む、装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の装置であって、更に、
    第1の派生光パルスの進む方向と、第2の派生光パルスの進む方向との間に差を生じさせて、前記第1の派生光パルスの前記チャープされた第1及び第2の探査パルスが前記サンプル内の第1の場所から光を誘起させ尚且つ前記第2の派生光パルスの前記チャープされた第1及び第2の探査パルスが前記サンプル内の異なる場所から光を誘起させるようにする、偏向手段を備える装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の装置であって、
    前記方向付け手段は、前記派生光パルスの全てについて、前記チャープされた第1の探査パルスの先頭の前記サンプルへの到着と、前記チャープされた第2の探査パルスの先頭の前記サンプルへの到着との間の期間に対して共通の調節を行うための、調節手段を含む、装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の装置であって、
    前記チャープ手段は、前記第1及び第2の探査パルスによって走行される経路において分散ガラスを含む、装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の装置であって、
    前記検出手段は、前記サンプルから誘起される光を、その振幅及び位相の形で検出するように設定される、装置。
  10. 請求項9に記載の装置であって、
    前記検出手段は、更に、前記サンプルから誘起される光の、その振幅及び位相の形での記録をもとに、前記サンプルから誘起される光のスペクトルを推定するように設定された、処理手段を含む、装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の装置であって、
    前記光源は、広帯域パルスレーザを含む、装置。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の装置であって、
    前記検出手段は、前記前記サンプルから誘起される前記光のなかのCARS光を区別するための区別手段を含む、装置。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載の装置であって、
    前記検出手段は、所定の直線偏光で前記サンプルから誘起される光を区別するように設定される、装置。
  14. サンプルを調査する方法であって、
    光源からパルス光を提供することと、
    前記光源からの光のパルスを、時間的に分離された複数の派生光パルスに変換することと、
    各派生光パルスを、前記派生光パルスの周波数のサブセットで構成される第1の探査パルスと、それらの周波数の別のサブセットで構成される第2の探査パルスとに分離することと、
    各派生光パルスの前記第1及び第2の探査パルスをチャープすることと、
    各派生光パルスのチャープされた第1及び第2の探査パルスを時間的に重複する形で前記サンプルに印加することと、
    前記サンプルからそこでの各派生パルスのチャープされた第1及び第2の探査パルスの相互作用によって誘起される誘起光を検出することと、
    を備える方法。
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