JP7478479B2 - 光検出装置、および光検出方法 - Google Patents

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Description

本開示は、ラマン散乱を検出する光検出装置、および光検出方法に関する。
ラマン散乱を検出する光検出装置として、コヒーレントラマン散乱顕微鏡が知られている。コヒーレントラマン散乱顕微鏡とは、2つ以上のパルスレーザ光を試料に照射し、その結果試料から発せられるラマン散乱光を観察することにより、試料内の物質を分析する装置である。特に、時間分解型のコヒーレントラマン散乱顕微鏡は、標識を用いずに、細胞や生体組織由来のバックグラウンドを回避しながら、特異的な分子振動を持つ小分子薬剤などの信号を高いコントラストで画像化することが可能である。このような技術は一般に、ラマン分光技術と総称され、ラマン分光技術による微量物質の検出は、分析装置における基本技術としての重要性が高く、多くの技術開発が行われてきた。一方、昨今の医療技術の進歩と共に、微量物質検出技術の医療診断技術への応用が試みられており、当該医療診断技術の分野においてもより一層の微量物質の検出感度の向上が求められるようになってきている。
従来、コヒーレントラマン散乱顕微鏡は、観察に用いる入射レーザ光の振幅を変調して試料に入射させ、入射光に対する透過光または反射散乱光を光検出器で検出し、それを復調することでラマン信号を検出する振幅変調型コヒーレントラマン散乱顕微鏡が一般的である。この振幅変調型コヒーレントラマン散乱顕微鏡では、水や脂質などの生体自身に含まれる分子振動持続時間の短い、強いラマン信号を検出することで、細胞や組織の形態情報を高速に画像化できる。
振幅変調型コヒーレントラマン散乱顕微鏡に関連する従来技術として、例えば特開2010-048805号公報に開示された顕微撮像システムが知られている。特開2010-048805号公報に係る顕微撮像システムは、コヒーレントラマン効果のひとつとして知られる誘導ラマン散乱(Stimulated Raman Scattering:SRS)を用いた光検出装置である。特開2010-048805号公報に係る顕微撮像システム10は、ポンプ(励起)ビームとして使用される中心周波数ωのレーザパルス列20と、ストークスビームとして使用される中心周波数ωのレーザパルス列16の2つのレーザパルス列を用いている。ストークスビームは変調器で振幅変調され、励起ビームとストークスビームは結合器25で結合された後、サンプル22に照射される。サンプル22を透過した透過光は光検知器36に送られ、光検知器36からの検知信号から振幅変調成分を検知することによって、誘導ラマン散乱に基づく画像を取得する。
特開2010-048805号公報
従来のポンプ光およびプローブ光を用いたコヒーレントラマン散乱顕微鏡の問題点は、ポンプパルスとプローブパルスとの間の非線形四光波混合によって引き起こされる非共鳴背景信号の発生である。つまり、分子振動を励起する光パルスとそれを検出するための光パルスが時間的に重なっている場合には、分子振動とは関係のない非線形光学効果によるバックグラウンド(非共鳴バックグラウンド)が信号に重畳されてしまうため、検出可能な試料の濃度が制限されてしまうという問題である。例えば、生体試料中に分布する低分子のコヒーレントラマン信号を検出する際には、生体自身に多量に含まれる水や脂質などから生じる非共鳴背景信号が検出限界の著しい低下を招く場合があった。
上記問題を回避するため、従来、ポンプパルスの偏光とプローブパルスの偏光とを直交させる方法、波形整形技術でプローブパルスの立ち上がり時間を速くする方法等の手法が用いられていた。しかしながら、前者の偏光の直交性を利用したバックグラウンド低減法は、生体試料自体で発生する複屈折や偏光解消の影響を受けやすく、それによって実質的な検出限界が制限されていた。
また、後者のプローブパルスの波形を整形する方法は、非共鳴背景信号がポンプパルスとプローブパルスが時間的に重なっている時だけ発生することに着目し、ポンプパルスとプローブパルスの時間的な重なりを最小限にすることにより非共鳴背景信号の低減を図ったものである。しかしながら、ポンプパルスとプローブパルスの時間的な重なりを小さくすることにより、目的の低分子からの信号強度の低下も招くため、SRS信号対非共鳴背景信号のコントラスト比には限界があった。そのため、新たな原理による非共鳴背景信号の除去が望まれていた。
本開示の実施形態は、以上のような背景に鑑みてなされたものであり、簡易な構成により非共鳴背景信号を効果的に低減することが可能な光検出装置、および光検出方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1態様に係る光検出装置は、光源パルス光を発生するレーザ光源と、前記光源パルス光を励起光、第1のプローブ光、および第2のプローブ光に分岐する分岐部と、前記励起光と、前記第1のプローブ光および前記第2のプローブ光との間の相対的な光路長差を変調する光路長変調を実行する第1の変調部と、前記第1のプローブ光を位相変調する第2の変調部と、前記励起光、前記第1のプローブ光および前記第2のプローブ光が合波された合波光を試料に照射して、発生した誘導ラマン散乱信号を検出する検出部と、を含むものである。
また、第2態様に係る光検出装置は、第1態様に係る光検出装置において、前記第1のプローブ光と前記第2のプローブ光との間の遅延時間が固定値であるものである。
また、第3態様に係る光検出装置は、第1態様または第2態様に係る光検出装置において、前記第1の変調部は、前記励起光、前記第1のプローブ光、および前記第2のプローブ光のいずれかの単位波長に相当する長さの整数倍で前記光路長変調を実行するものである。
また、第4態様に係る光検出装置は、第1態様から第3態様のいずれかの態様に係る光検出装置において、前記励起光を光軸方向に折り返すミラーをさらに含み、前記光路長変調は、前記ミラーを光軸方向に予め定められた振幅で往復移動させて行うものである。
また、第5態様に係る光検出装置は、第1態様から第4態様のいずれかの態様に係る光検出装置において、前記光路長変調の変調波形が、立ち上がり時間より立ち下り時間の短い鋸歯状波形であるものである。
また、第6態様に係る光検出装置は、第1態様から第5態様のいずれかの態様に係る光検出装置において、前記検出部は、前記第1のプローブ光および前記第2のプローブ光によるヘテロダイン干渉の結果、前記第1のプローブ光を位相変調の結果、前記第2のプローブ光の波長に現れる誘導ラマン信号とのヘテロダイン干渉により振幅変調信号を誘導ラマン散乱信号に対応する信号としてサンプリングしつつロックイン検出することにより誘導ラマン散乱信号を検出し、前記光路長変調の変調周波数は、前記サンプリングのサンプリング周波数より高い周波数であるものである。
上記目的を達成するために、第7態様に係る光検出方法は、励起光、第1のプローブ光および第2のプローブ光が合波された合波光を試料に照射して、発生した誘導ラマン散乱信号を検出する光検出方法であって、前記第1のプローブ光を位相変調し、前記励起光と、前記第1のプローブ光および前記第2のプローブ光との間の相対的な光路長差を変調して前記誘導ラマン散乱信号を検出するものである。
本開示の実施形態によれば、簡易な構成により非共鳴背景信号を効果的に低減することが可能な光検出装置、および光検出方法を提供することが可能となる。
実施の形態に係る光検出装置の構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態に係る光検出装置におけるパルス光の、時間軸上の特徴を説明するための図である。 実施の形態に係る光検出装置におけるパルス光の、周波数軸上の特徴を説明するための図である。 実施の形態に係る光検出装置における、光路長変調の変調波形を示す図である。 実施の形態に係る光検出装置における、光変調器の位相変調波形を示す図である 実施の形態に係る光検出装置における、コヒーレントラマン信号の光強度変動を示す図である。 実施の形態に係る光検出装置における、非共鳴背景信号の光強度変動を示す図である。 実施の形態に係る光検出装置において実行される非共鳴背景信号低減処理の流れを示すフローチャートである。 光路長変調を実行しない場合のコヒーレントラマン信号とモニタ出力のスペクトルを示す図である。 光路長変調を実行した場合のコヒーレントラマン信号とモニタ出力のスペクトルを示す図である。
以下、図面を参照して、本開示を実施するための形態について詳細に説明する。以下では、本開示に係る光検出装置、および光検出方法を、誘導ラマン散乱の検知手段として位相変調を用いる位相変調型コヒーレントラマン散乱顕微鏡を用いた光検出装置、および光検出方法に適用した形態を例示して説明する。位相変調型コヒーレントラマン散乱顕微鏡は、パルスレーザ光源の出力をポンプ光と位相変調プローブ光およびリファレンスプローブ光の3つに分け、時間的に先に入射するポンプ光と、その後に続く時間的に重なった位相変調プローブ光とリファレンスプローブ光との間の相対位相を変調する。その結果生じたラマン信号光とリファレンスプローブ光との干渉による光強度の変調を光検出器で検出して復調する。この位相変調型コヒーレントラマン散乱顕微鏡では、ポンプ光とプローブ光の相対的な時間差を利用することにより、分子振動の持続時間が比較的長い低分子を高いコントラストで選択的に検出できる。その結果、例えば生体試料を対象に、無標識で分子種を同定しながら濃度分布を可視化するコヒーレントラマン散乱顕微鏡の有用性を飛躍的に高めることができる。
図1を参照して、本実施の形態に係る光検出装置10について説明する。図1に示すように、光検出装置10は、光源11、波形整形部12、PBS(Polarizing Beam Splitter:偏光ビームスプリッタ)13、励起パルス光調整部40、リファレンスプローブパルス光調整部41、位相変調プローブパルス光調整部42、顕微鏡25、受光部43、および制御部44を含んで構成されている。
光源11は、SRS信号を生成させるための励起光Leとプローブ光(リファレンスプローブ光Lr、および位相変調プローブ光Lp)を発生するレーザ光源である。本実施の形態では、パルス状の励起光(励起パルス光Pe)、およびプローブ光(リファレンスプローブパルス光Pr、および位相変調プローブパルス光Pp)を用いており、光源11はこれらのパルス光の元となる光源パルス光Psを発生する。そのため、光源11からのレーザ光は、励起光Le、リファレンスプローブ光Lr、および位相変調プローブ光Lpの3つに分割される。本実施の形態に係る光源パルス光Ps、そして励起パルス光Peは超短パルス光(フェムト秒パルス光)とされている。本実施の形態に係る光源パルス光Psの、中心波長は一例として790nm、パルス繰り返し周波数は一例として80MHzとされている。
励起パルス光調整部40は、入射された励起パルス光Peの調整を行う部位、リファレンスプローブパルス光調整部41は、入射されたリファレンスプローブパルス光Prの調整を行う部位、位相変調プローブパルス光調整部42は、入射された位相変調プローブパルス光Ppの調整を行う部位である。顕微鏡25は、励起光およびプローブ光を試料に照射させる部位である。受光部43は、試料で発生したラマン信号光を受光し、制御部44は光検出装置10の全体を統括制御する。以下、各々の部位について詳細に説明する。
本実施の形態に係る光検出装置10では、光源11に広帯域の光源パルス光Psを発生する超短パルスレーザを用いている。本実施の形態では光源11の一例として、近赤外の広帯域フェムト秒レーザを用いている。より具体的には、図1に示すように、光源11の一例として、中心波長が790nmのチタンサファイアレーザを用い、パルス幅を15fs(femtosecond)以下としている。ただし、光源11の波長、パルス幅はこれに限定されるものではなく、光検出装置10の設計内容等に応じて適切な値に設定してよい。なお、本実施の形態では、光源11から出射される光源パルス光Psを予め定められた方向の直線偏光としている。しかしながら、光源パルス光Psの偏光態様はこれに限られず、例えば円偏光、楕円偏光等であってもよい。
波形整形部12は、光源パルス光Psを補償して所望の特性を満たすようにする部位である。すなわち波形整形部12は、一例として図示を省略する分散補償光学素子、SLM(Spatial Light Modulator:空間光変調器)等を含んで構成され、後述する対物レンズ32下での照射光のパルス幅が一例として15fsになるように適切に分散補償される。なお、本実施の形態では、分散補償光学素子の一例として、誘電体多層膜により高い反射率と負の2次分散補償を与えるチャープミラーを用い、SLMの一例として液晶空間光変調器を用いている。
PBS13は、光源11で発生したレーザ光を励起光Leとプローブ光(リファレンスプローブ光Lr、位相変調プローブ光Lp)に2分割する光学素子である。
励起パルス光調整部40は、λ/4波長板14、およびエンドミラー15を備えている。図1において、励起光Leの光路は、光源11→波形整形部12→PBS13→1/4波長板14→エンドミラー15→1/4波長板14→PBS13→ミラー29となっている。1/4波長板14は、励起光Leを一旦円偏光に変換し、エンドミラー15で反射させた後の偏光方向を光源パルス光Psの偏光方向とは異なる方向とすることによりPBS13で反射されるようにしている。エンドミラー15は励起光Leの光軸方向に可動とされ、励起パルス光Peに与える遅延時間を調整し、プローブパルス光との間の時間差を設定する。本実施の形態に係るエンドミラー15にはさらにピエゾ素子(図示省略)が取り付けられており、該ピエゾ素子によって光軸方向に微小変動が可能なように構成されている。この微小変動の詳細については後述する。
リファレンスプローブパルス光調整部41は、分散補償器36、および波長走査部24を備え、波長走査部24はバンドパスフィルタ18、1/4波長板19、およびエンドミラー20を含んで構成されている。リファレンスプローブ光Lrの光路は、光源11→波形整形部12→PBS13→バンドパスフィルタ16(図1では、「DM」と表記)→分散補償器36→バンドパスフィルタ18→1/4波長板19→エンドミラー20→1/4波長板19→バンドパスフィルタ18→分散補償器36→バンドパスフィルタ16→PBS13→ミラー29となっている。
1/4波長板19の機能は1/4波長板14と同様である。図1に示すように、バンドパスフィルタ18は予め定められた回転軸を中心に回転可能とされた、リファレンスプローブパルス光Prの中心周波数を設定するチューナブルフィルタである。本実施の形態では、バンドパスフィルタ18の可変範囲を、リファレンスプローブパルス光Prの中心波長を、一例として790nmから870nmの範囲で選択可能なように構成している。エンドミラー20は、主として、バンドパスフィルタ18の回転に伴うリファレンスプローブパルス光Prの遅延の変動を補償する。波長走査部24は、後述する制御部44に接続され、バンドパスフィルタ18、およびエンドミラー20は制御部44によって制御される。分散補償器36は、後述の光変調器21の分散に相当する分散をリファレンスプローブパルス光Prに与える光学素子である。
位相変調プローブパルス光調整部42は、光変調器21(図1では、「EOM1」と表記)、バンドパスフィルタ35(図1では、「BPF」と表記)、1/4波長板22、およびエンドミラー23を含んで構成されている。位相変調プローブ光Lpの光路は、光源11→波形整形部12→PBS13→バンドパスフィルタ16→光変調器21→バンドパスフィルタ35→1/4波長板22→エンドミラー23→1/4波長板22→バンドパスフィルタ35→光変調器21→バンドパスフィルタ16→PBS13→ミラー29となっている。すなわち、本実施の形態では、PBS13により励起光Leとプローブ光(リファレンスプローブ光Lr、位相変調プローブ光Lp)に分岐され、バンドパスフィルタ16によりリファレンスプローブ光Lrと位相変調プローブ光Lpとに分岐される。
光変調器21は、位相変調プローブ光Lpを位相変調する位相変調器であり、本実施の形態では、一例としてEOM(Electro Optic Modulator)を用いている。光変調器21は図示を省略する駆動回路に接続され、該駆動回路は制御部44に接続されている。本実施の形態では、光変調器21による位相変調を、一例として65kHzの鋸歯状波形(のこぎり波)の変調信号によって行っている。バンドパスフィルタ35は、位相変調プローブパルス光Ppの中心周波数を設定するチューナブルフィルタである。本実施の形態では、位相変調プローブ光Lpの波長を、一例として758nmとしている。1/4波長板22の機能は1/4波長板14と同様である。また、エンドミラー23は、リファレンスプローブパルス光Prと位相変調プローブパルス光Ppとの間の時間的な配置関係を調整する。なお、本実施の形態ではエンドミラー15、20、23によって遅延を調整する形態を例示して説明するが、これに限られず光学遅延を可変にできる機構であれば他の光学素子、例えば光遅延線等を用いた形態としてもよい。
ここで、リファレンスプローブパルス光Pr、および位相変調プローブパルス光Ppは、立ち上がりが速く立下りが遅い非対称の波形とされ、励起パルス光Peから予め定められた時間だけ遅延するように配置される(図2A)。本実施の形態では、リファレンスプローブパルス光Prと位相変調プローブパルス光Ppとは中心波長が異なる略同一の波形(互いに近似した波形)とされた上で、時間的に重畳されている。
図1に示すように、上述の励起光Le、リファレンスプローブ光Lr、および位相変調プローブ光Lpはミラー29で折り返された後同軸状に合波されて合波光Lgとされ、ミラー37、38を介して、顕微鏡25に導入される。この際、励起パルス光Peとプローブパルス光の相対遅延時間は、励起パルス光調整部40のエンドミラー15の光軸方向位置により調整が可能である。ここで、ミラー29、37、および38は光路を変換するための素子であり、図1に示す構成に限定されるものではない。
顕微鏡25は光学顕微鏡であり、対物レンズ32、ステージ34、および折り返し用のミラー30、31を含んで構成されている。ステージ34には試料33が載置され、対物レンズ32に入射された合波光Lgが試料33に照射される。試料33は例えば薬剤が浸透された生体細胞である。試料33に合波光Lgが照射されると、SRS過程に基づいて、例えば薬剤分子の分子振動に起因するSRS信号が生成される。
受光部43は、偏光子(ポラライザ)26、ロングパスフィルタ27、受光器28を含んで構成されている。
偏光子26は励起光Leの偏光方向と異なる方向(例えば、直交する方向)の偏光軸を有し、合波光Lgから励起光Leを除去する。ロングパスフィルタ27は、励起光Leが除去され、リファレンスプローブ光Lr、位相変調プローブ光Lpを含む合波光Lgから位相変調プローブ光Lpを除去するフィルタである。これは、本実施の形態ではリファレンスプローブ光Lrの波長の方が位相変調プローブ光Lpの波長よりも長く設定されていることによる。受光器28はリファレンスプローブ光Lrを受光して電気信号に変換する。受光器28には、例えばシリコンフォトダイオードが用いられる。受光器28は制御部44に接続されており、受光器28における受光信号は制御部44に送られる。なお、本実施の形態でロングパスフィルタ27を用いるのは、上記のようにリファレンスプローブ光Lrの波長を位相変調プローブ光Lpの波長より長く設定しているからである。リファレンスプローブ光Lrの波長と位相変調プローブ光Lpの波長の関係に特に制限はないので、リファレンスプローブ光Lrの波長を位相変調プローブ光Lpの波長より短く設定した場合にはロングパスフィルタ27の代わりにショートパスフィルタを用いればよい。
すなわち、顕微鏡25を通過した後は、励起パルス光Pe、リファレンスプローブパルス光Pr、および位相変調プローブパルス光Ppのレーザパルスのうち、励起パルス光Peは偏光子26で、位相変調プローブパルス光Ppはロングパスフィルタ27で各々ブロックされ、リファレンスプローブパルス光Prだけが受光器28まで通過する。リファレンスプローブパルス光Prの光強度は光検出器で電流に変換され、リファレンスプローブパルス光Prに重畳された光強度変調成分がロックインアンプで検出される。ロックインアンプで検出された光強度変調成分が試料33におけるラマン散乱に由来する信号成分、すなわちSRS信号である。SRS信号はサンプル(本実施の形態では、一例として薬剤)の濃度に比例した信号となる。なお、図1では偏光子26、ロングパスフィルタ27の順で配置する形態を例示して説明したが、この順序は逆であってもよい。なお、ロックインアンプは制御部44によって構成される。
制御部44は光検出装置10を統括制御する部位であり、図示を省略するCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含んで構成されている。制御部44はまた、試料33において発生したSRS光を含むリファレンスプローブ光Lrから、SRS光の周波数成分を抽出する光検出処理を行う。制御部44はさらに、後述する本実施の形態に係る非共鳴背景信号低減処理を実行する。
制御部44は、さらに、光変調器21の駆動回路(信号発生器を含む。図示省略)、受光器28、および波長走査部24等に接続されている。制御部44の内部に、あるいは外付けで、光変調器21の駆動電圧を変えて位相変調を行うための電気信号を発生する信号発生器(シグナルジェネレータ)や高電圧アンプが設けられる場合もある。この場合制御部44は、当該信号発生器を制御して、光変調器21を変調するための駆動電圧の波形制御等を行う。制御部44は、一般的なパーソナル・コンピュータ等を用いて構成することができる。
制御部44は駆動回路を介して光変調器21を駆動するとともに受光器28からの振幅変調信号を受けてロックインアンプを構成し、ヘテロダイン干渉により振幅変調されたリファレンスプローブパルス光PrからSRS信号を抽出する。より具体的には、リファレンスプローブ光Lrおよび位相変調プローブ光Lpによるヘテロダイン干渉の結果、リファレンスプローブパルス光Prに施された振幅変調信号をSRS信号に対応する信号としてロックイン検出する。
制御部44にはさらに波長走査部24が接続され、制御部44は波長走査部24に含まれるバンドパスフィルタ18の回転、およびエンドミラー20の移動を制御している。また、制御部44はエンドミラー15に取り付けられたピエゾ素子に接続され、当該ピエゾ素子を駆動してエンドミラー15を光軸方向に微小変動させる。
以上のように、本実施の形態に係る光検出装置、および光検出方法では、励起光Leによって励起された分子振動により発生する物質応答(瞬時的な屈折率変化)を時間遅延したプローブ光の強度変調に変換し、変調周波数に同期した光強度変調成分をロックインアンプなどの復調器を用いて検出している。
次に、図2Aから図2B、および図3Aから図3Dを参照して、本実施の形態に係る光検出装置、および光検出方法における、非共鳴背景信号の低減方法について説明する。図2Aは光検出装置10におけるパルス光の時間軸上の特徴を説明するための図、図2Bは周波数軸上の特徴を説明するための図である。図3Aから図3Dは、光検出装置10における非共鳴背景信号低減の原理を説明する図である。
光検出装置10では、励起光とプローブ光の相対遅延を、光の波長に相当する時間程度の振幅で変調することにより、非共鳴背景信号を低減する。そのため、光検出装置10では、エンドミラー15をエンドミラー15に取り付けられたピエゾ素子で駆動し、励起光Leの光路長を周期的に変動させる。当該変調は、例えば300Hz程度の周波数ののこぎり波で行う。光路長の変調振幅は、例えば位相変調プローブ光Lp(一例として、波長758nm)の1波長分の遅延に相当する移動量に設定する。
ここで、本実施の形態では、エンドミラー15の光軸方向の位置を周期的に変動させて励起光Leの光路長を変化させる形態を例示して説明するが、励起光Leとプローブパルス光の相対的な光路長(遅延時間)が変化すればよいので、励起光Le側の光路長を固定し、プローブ光側の光路長を変化させてもよい。以下、以下励起光Leとプローブ光の相対的な光路長を変化させることを「光路長変調」という。なお、本実施の形態では、光路長変調を行う機構としてピエゾ素子を例示して説明するが、これに限られず、例えばステッピングモータを搭載したミラー保持機構の形態としてもよいし、複数の光偏向素子(ガルバノミラー)を連動させて駆動する機構の形態としてもよい。また、光路長変調の変調波形は、のこぎり波に限られず、周期的な波形であればよいので、例えば正弦波でもよい。しかしながら、のこぎり波は不連続点での位相差が2πとなるように構成することができるので、この観点からはのこぎり波を用いることが好ましい。また、本実施の形態では、光路長変調の変調周波数を約300Hzとする形態を例示して説明するが、数kHz以上の変調周波数であればより好ましい。ただし、光路長変調の変調周波数は、光変調器21による位相変調の変調周波数以下であることが好ましい。
図2Aは各パルスの時間波形と分子振動振幅の関係を示しており、図2A<1>は励起パルス光Peとリファレンスプローブパルス光Pr、位相変調プローブパルス光Ppの時間的関係、すなわち入射タイミングを示している。図2A<1>に示すように、リファレンスプローブパルス光Prと位相変調プローブパルス光Ppとは時間的に重複し、励起パルス光Peから遅延時間τprだけ遅れている。つまり、本実施の形態では、パルス幅の短い励起光Leで複数の分子振動を励起し、2つのプローブ光を用いてその振動をヘテロダイン検出している。なお、本実施の形態では、遅延時間τprを一例として500fsとしている。しかしながら遅延時間τprは500fsに限られず、検出対象等に応じて適宜に設定してよい。
ここで、図2A<1>では、便宜的に励起パルス光Peとプローブパルス光が時間的に十分離れているように描いているが、実際は励起パルス光Peと各プローブパルス光は裾を引いており、その裾同士が重なっている領域で非共鳴背景信号が発生する。
なお、図2A<1>に示すリファレンスプローブパルス光Prと位相変調プローブパルス光Ppにおいて、各々の包絡線(エンベロープ)がリファレンスプローブパルス光Prと位相変調プローブパルス光Ppを示している。一方包絡線の内部に示されたパルス状の波形は、リファレンスプローブパルス光Prと位相変調プローブパルス光Ppとの周波数差によるビート信号を概念的に表している。図2A<1>に示すように、本実施の形態では、リファレンスプローブパルス光Prおよび位相変調プローブパルス光Ppとして時間的に非対称な波形を用いており、リファレンスプローブパルス光Prおよび位相変調プローブパルス光Ppの立ち上がり時間は一例として0.4ps、立下り時間は一例として1.9psとされている。
一方、図2A<2>、<3>は分子振動振幅を示しおり、図2A<2>は試料(本実施の形態では、一例として薬剤を用いている)の分子振動を、図2A<3>は背景分子振動を各々示している。図2A<2>に示すように、試料の振動は励起パルス光Peの位置から始まってプローブパルス光のほぼ終了の位置まで継続する比較的長寿命の振動となっている。これに対し、図2A<3>に示すように背景分子振動は、試料の分子振動と比較して短寿命であり、プローブパルス光の立ち上がり位置付近においてほぼ消滅している。換言すると、励起パルス光Peとプローブパルス光との遅延時間τprは、背景分子振動が収まるころにプローブパルス光が立ち上がるように設定されている。
次に、図2Bを参照して、励起パルス光Pe、リファレンスプローブパルス光Pr、および位相変調プローブパルス光Ppの周波数(波長)特性について説明する。図2B<1>は励起パルス光Peの光出力周波数特性を、<2>はリファレンスプローブパルス光Pr、および位相変調プローブパルス光Ppの光出力周波数特性を、<3>はリファレンスプローブパルス光Pr、および位相変調プローブパルス光Ppの群遅延周波数特性を、各々示している。なお、図2B<1>~<3>の横軸(角周波数ω)のスケールは一致している。
図2B<1>に示すように、本実施の形態では励起パルス光Peとして超短パルス光を用いているので、励起パルス光Peは広い帯域幅を有する。先述したように、励起パルス光Peの中心波長は約790nm、パルス幅は約15fsである。
これに対しリファレンスプローブパルス光Prはバンドパスフィルタ18によって、位相変調プローブパルス光Ppはバンドパスフィルタ16によって、励起パルス光Peの帯域特性の一部が切り取られることにより、リファレンスプローブパルス光Prおよび位相変調プローブパルス光Ppの光出力周波数特性は、図2B<2>に示すように帯域制限を受けている。本実施の形態に係るリファレンスプローブパルス光Prの中心波長は、一例として790nm~870nm、帯域幅は約20nm、位相変調プローブパルス光Ppの中心波長は、一例として約758nm、帯域幅は約18nmとされている。すなわち、本実施の形態ではリファレンスプローブパルス光Prの帯域幅と位相変調プローブパルス光Ppの帯域幅とを略等しくなるように設定している。ここで、リファレンスプローブパルス光Prの中心波長範囲である790nm~870nmと、位相変調プローブパルス光Ppの中心波長758nmの差分が波長走査範囲となり、試料の分子振動の検出範囲に対応する。換言すると、本実施の形態に係る光検出装置10では80nmの波長走査(分光スキャン)範囲を有する。むろんリファレンスプローブパルス光Prおよびの位相変調プローブパルス光Ppの中心波長、波長走査範囲は一例であって、光検出装置10の設計条件等に応じて適切な値に設定してよい。なお、リファレンスプローブパルス光Prの中心波長の走査は、上述したように、バンドパスフィルタ18の回転によって行われる。
一方、図2B<3>に示すように、リファレンスプローブパルス光Prおよび位相変調プローブパルス光Ppの遅延周波数特性には、励起パルス光Peとの間の固定的な遅延時間τprが共通に与えられる。本実施の形態ではさらに、各々バンドパスフィルタ18、16の通過に起因する非線形チャープが、各々リファレンスプローブパルス光Prおよび位相変調プローブパルス光Ppに付与されている。本実施の形態では、リファレンスプローブパルス光Prの非線形チャープの形状と位相変調プローブパルス光Ppの非線形チャープの形状とが略同じ形状となるように設定する。
ここで、上述したように、リファレンスプローブパルス光Prの中心周波数と位相変調プローブパルス光Ppの中心周波数とは異なる。以下、リファレンスプローブパルス光Prの中心周波数と位相変調プローブパルス光Ppの中心周波数との間の差分を「周波数差Ω」という。
上記構成により、リファレンスプローブパルス光Prおよび位相変調プローブパルス光Ppの各々は、図2A<1>に示すように、時間的に伸長された非対称な波形となる。略等しい帯域幅のパルスに略等しい量のチャープが与えられると、時間的に広がった非対称パルスの差周波は時間にかかわらず一定の周波数になる。この差周波はプローブ光の中心周波数の差、すなわち周波数差Ωに等しくなる。励起光Leで励起された分子振動のうち、この一定の周波数差Ωに一致した振動成分だけが、プローブ光の光強度変調に変換される。
すなわち、励起パルス光Pe、リファレンスプローブパルス光Pr、および位相変調プローブパルス光Ppの3つのパルスレーザ光が試料33に照射されると、まず励起パルス光Peで複数の分子振動が同時に励起され、その後リファレンスプローブパルス光Pr、および位相変調プローブパルス光Ppによる誘導ラマン散乱過程によりプローブ光間のエネルギーの授受が行われる。この際、位相変調プローブパルス光Ppにかけた位相変調がリファレンスプローブパルス光Pr(と位相変調プローブパルス光Pp)の光強度変調に変換される。検出される周波数は、リファレンスプローブパルス光Prと位相変調プローブパルス光Ppとの周波数差Ωで決まる。一方、周波数分解能はパルス幅の逆数で決まるため、チャープを強くかけた方がより分子の識別能は向上することになる。
次に、光検出装置10における非共鳴背景信号低減の原理について説明する。以下の説明では、励起パルス光Peとプローブパルス光の相対的な遅延時間τprに対する出力応答の違いに注目する。なお、励起パルス光Peの遅延は0とする。
まず、励起パルス光Peの電場Epumpは以下に示す(式1)で、位相変調プローブパルス光Ppの電場EPMは以下に示す(式2)で、リファレンスプローブパルス光Prの電場ELOは以下に示す(式3)で各々表される。ここで、(式1)から(式3)において、ωは周波数を、φは位相を、各々示している。なお、以下の説明では、数式における斜体の文字を斜体でない文字で表記する。








このとき、非共鳴背景信号ANRは、τpr>>tにおいて、以下に示す(式4)で表現される。


ただし、


ここで、χ(3)は、3次の非線形感受率を表している。
(式4)に示すように、非共鳴背景信号ANRの位相項には周波数ωPMと遅延時間τprの積が残る。tの依存性は光検出器の応答時間が遅いことから時間平均されて式には現れない。
一方、コヒーレントラマン信号Asigは、以下に示す(式6)で表現される。


ただし、


Ω=ωPMLO
である。
(式6)に示すように、コヒーレントラマン信号Asigの位相項にはプローブ光の差周波数(ωPMLO)と遅延時間τprの積が残る。
以上から、遅延時間τprの変化に対する出力信号の位相の感度は、非共鳴背景信号ANRの場合ωPM、コヒーレントラマン信号Asigの場合(ωPMLO)となることがわかる。ここで、ωPMは(ωPMLO)と比較して十分大きな値、例えば1桁大きい値となることに着目し、遅延時間(τpr)軸上で、例えばプローブパルス光の1波長分ずらすような移動平均をとることで、コヒーレントラマン信号Asigの強度の低下を抑制しつつ、非共鳴背景信号ANRの成分を大きく低減することが可能となる。
つまり、遅延時間軸上でプローブ光の1波長分ずらすような移動平均をとることで、ωPMτprの依存性をもつ非共鳴背景信号ANRは、ωPMτpr=±πの範囲(すなわち、値としては±1の範囲)の全域で変動することになり、変調周期にわたって平均をとれば平滑化されて非共鳴背景信号ANRはゼロレベルまでキャンセルすることが可能となる。一方、目的とするコヒーレントラマン信号Asigは、(ωPMLO)τpr=±π/10程度の範囲での変動となって光路長変調による信号強度の変動は微小なものとなっている。したがって、光路長変調を行った場合のコヒーレントラマン信号Asigは、光路長変調を行わない場合コヒーレントラマン信号Asigと大差のない大きさとなる。
図3Aから図3Dを参照して、上記非共鳴背景信号低減の原理についてより詳細に説明する。
図3Aは、光路長変調の変調波形ΔZ(t)を示している。すなわち、図3Aは、ピエゾ素子の駆動によるエンドミラー15(励起光Leの折返しミラー)の位置Z(t)の変化を示している。図3Aに示すように、光検出装置10では、立ち上がり時間より立ち下り時間の短いのこぎり波の変調波形を用いて光路長変調を行っている。本実施の形態では、光路長変調の変調周波数fを約300Hzとしているが、これに限られず数kHz以上の周波数としてもよい。ただし、光路長変調の周波数fは、光変調器21による位相変調の変調周波数以下とするのが好ましい。なお、光路長変調の変調波形はのこぎり波に限られず、例えば正弦波でもよい。
ここで、遅延時間τprの変化量である相対遅延変化量Δτprと、エンドミラー15の変位ΔZとの関係は、以下に示す(式8)で表される。
Δτpr=2ΔZ/c ・・・ (式8)
ただし、cは光速である。
このとき、非共鳴背景信号ANRの位相項が2πの整数倍になるように、光路長変調(すなわち、励起光Leの光路長の変調)を行うことを考える。このとき、(式8)を用いると、ωPMΔτprについて、以下に示す(式9)が成立する。
ωPMΔτpr=2πc/λPM・2ΔZ/c=2πn ・・・ (式9)
ただし、記号「・」は乗算を示し、λPMは位相変調プローブ光Lpの波長、nは整数である。
(式9)から、以下に示す(式10)を満たすように光路長変調を行い、時間平均をとれば、非共鳴背景信号ANRをキャンセルすることができる。
2ΔZ=nλPM ・・・ (式10)
図3Bから図3Dを参照し、光路長変調を実行した場合の、コヒーレントラマン信号Asig、および非共鳴背景信号ANRの波形を用いて、非共鳴背景信号ANRの発生が抑制される理由について説明する。同図では、光路長変調の変調全幅を、位相変調プローブ光Lpの半波長の整数倍(同図では、理解のしやすさからn=1としている)として光路長変調を行っている。なお、光路長変調の基準とする光の波長は、ωPMΔτprをキャンセルしたので位相変調プローブパルス光Ppの波長であることが望ましい。
図3Bは、光変調器21の位相変調波形φPM(t)を示している。図3Bに示すように、本実施の形態では位相変調波形φPM(t)を、周波数fPMが約100kHzののこぎり波としている。なお、図3Bでは立ち上がり時間より立ち下り時間の方が速いのこぎり波を例示しているが、これとは逆に立ち下り時間より立ち上がり時間の方が速いのこぎり波(例えば、図3Bに示す波形と線対称の波形)であってもよい。
図3Cは、コヒーレントラマン信号Asigの光強度変動を示している。図3Cに示すように、光路長変調によってコヒーレントラマン信号Asigの波形は実線と破線の間を往復する。実線と破線の位相差ΔφRamanは、分子振動周波数ΩRamanに比例する。すなわち、以下に示す(式11)が成立する。
ΔφRaman=(ΩRamanΔτpr)/2<π ・・・(式11)
つまり、励起光Leの光路長変調によってコヒーレントラマン信号Asigの波形は若干位相がずれるが、ほとんど変化しないことがわかる。
図3Dは、非共鳴背景信号ANRの光強度変動を示している。図3Dに示すように、光路長変調によって非共鳴背景信号ANRの波形は実線と破線の間を往復する。実線と破線の位相差ΔφNRは、位相変調プローブ光Lpの周波数ωPMに比例する。すなわち、以下に示す(式12)が成立する。
ΔφNR=(ωPMΔτpr)/2=π ・・・(式12)
すなわち、励起光Leの光路長変調によって非共鳴背景信号ANRの波形は位相が逆転し、キャンセルされる。
次に、図4を参照して、光検出装置10の制御部44によって実行される非共鳴背景信号低減処理について説明する。図4は、非共鳴背景信号低減処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。本非共鳴背景信号低減処理プログラムは、図示を省略するROM等の記憶装置に記憶されており、CPUが該ROM等から読み出し、RAM等に展開して実行する。
ステップS100で、光源11の電源を投入して光源11をオンとする。
ステップS101で、光変調器21の駆動回路(図示省略)を動作させ、光変調器21による位相変調をオンとする。
ステップS102で、エンドミラー15に取り付けられているピエゾ素子の駆動回路(図示省略)を動作させ、光路長変調をオンとする。なお、本実施の形態では位相変調、光路長変調の順でオンさせる形態を例示して説明するが、この順序は逆であってもよい。
ステップS103で、ロックイン検出に基づくコヒーレントラマン信号(SRS信号)のサンプリングを行う。
ステップS104で、信号検出時間が経過したか(すべてのサンプリングポイントでのサンプリングが完了したか)を判定し、当該判定が否定判定となった場合にはステップS103に戻りサンプリングを継続する。一方、肯定判定となった場合にはステップS105に移行する。
ステップS105で、それまでにサンプリングした検出信号を用いて信号処理を行い、コヒーレントラマン信号Asigのスペクトラムを算出する。その後、本非共鳴背景信号低減処理プログラムを終了する。
ここで、ロックインアンプによる信号検出のサンプリング周波数fsam(つまり、1サンプル当たりの信号積算時間の逆数)、光変調器21による位相変調の周波数fPM、光路長変調の周波数fの関係について説明する。これらの周波数の設定方法には、以下の2つのケースが想定される。
<ケース1>
sam>f
<ケース2>
>fsam
ケース1の場合は、非共鳴背景信号の光路長変調成分が信号出力に重畳されるため、信号取得後に時系列の出力信号をフーリエ変換し、光路長変調周波数の成分を除去するフィルタリングを行う。一方、ケース2の場合は、ロックインアンプの積算時間内に非共鳴背景信号の平滑化が行われるため、信号出力をそのまま検出すれば良い。光検出装置10では、いずれのケースの周波数設定を用いてもよいが、信号処理の簡素化という観点からはケース2による設定が好ましい。
次に、図5Aおよび図5Bを参照して、本実施の形態に係る光検出装置、および光検出方法の実施例について説明する。図5Aは光路長変調を実行しない場合のコヒーレントラマン信号Asig(SRS信号)とモニタ出力のスペクトルを、図5Bは光路長変調を実行した場合のコヒーレントラマン信号Asig(SRS信号)とモニタ出力のスペクトルを、各々示している。いずれの場合も、光変調器21による位相変調を行っている。なお、モニタ出力とは、光源レーザのノイズ計測用の出力で、光源11のノイズで決まるベースラインである。
本実施例の実施条件は以下の通りである。
・試料:酢酸(ラマンピーク:893cm-1
・位相変調
変調波形:のこぎり波、変調周波数:65kHz
・光路長変調
変調波形:正弦波、変調周波数:300Hz、変調振幅:位相変調プローブ光Lpの1波長分の遅延に相当する長さ
(実際上は、励起光Leと位相変調プローブ光Lpのスペクトル干渉をモニタして、ピエゾ素子入力電圧の振幅の最適値を設定する。)
・ロックインアンプ
積算時間:300ms、サンプリング周波数:3.3Hz
・遅延時間τpr:1.2ps
図5Aおよび図5Bにおいて、コヒーレントラマン信号Asigのピークが酢酸のラマンピーク(893cm-1)に対応している。図5Aに示す光路長変調なしの場合は、非共鳴背景信号ANRのためにベースラインが、約8μV一様に浮いている。そのベースラインに、振幅が約24μVのコヒーレントラマン信号Asigが重畳しているので、SRS信号対背景信号の比の劣化が見られる。一方、図5Bに示す光路変調ありの場合は、非共鳴背景信号ANRに起因するベースラインの浮きがほぼ完全に除去されている。その結果、コヒーレントラマン信号Asigが同じ24μV程度であっても、SRS信号対背景信号の比が著しく向上していることがわかる。
以上詳述したように、本実施の形態に係る光検出装置、および光検出方法は、位相変調に加えて、励起パルス光と検出パルス光(プローブパルス光)の相対的な時間差(遅延)を光の1波長分の光路長(またはその整数倍)に相当する時間だけ繰り返し変化させる構成を備えている。この遅延時間の変調(光路長の変調)により、分子振動の信号(コヒーレントラマン信号)はほぼ減衰させることなく、非共鳴背景信号の複素振幅だけを選択的に平滑化してゼロに近づけることができる。その結果、より低い濃度まで分子濃度を定量することが可能となる。すなわち、試料の複屈折の影響を含む非共鳴背景信号の影響を低減させ、例えば、従来極めて困難であったmM(ミリモーラー)未満の低濃度薬剤の検出が可能となっている。
なお、上記実施の形態では、1つの励起パルス光Peを用いる形態を例示して説明したが、これに限られず複数の励起パルス光Peを用いる形態としてもよい。励起パルス光Peを複数用いると、試料に対する励起パワーを徐々に高くすることができる。
2020年3月2日に出願された日本国特許出願2020-035276号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
10 光検出装置
11 光源
12 波形整形部
13 PBS
14 1/4波長板
15 エンドミラー
16 バンドパスフィルタ
18 バンドパスフィルタ
19 1/4波長板
20 エンドミラー
21 光変調器
22 1/4波長板
23 エンドミラー
24 波長走査部
25 顕微鏡
26 偏光子
27 ロングパスフィルタ
28 受光器
29、30、31 ミラー
32 対物レンズ
33 試料
34 ステージ
35 バンドパスフィルタ
36 分散補償器
37、38 ミラー
40 励起パルス光調整部
41 リファレンスプローブパルス光調整部
42 位相変調プローブパルス光調整部
43 受光部
44 制御部
Le 励起光
Lr リファレンスプローブ光
Lp 位相変調プローブ光
Lg 合波光
Pr リファレンスプローブパルス光
Pp 位相変調プローブパルス光
Ps 光源パルス光
Pe 励起パルス光
Pp 位相変調プローブパルス光
Pr リファレンスプローブパルス光
τpr 遅延時間
Ω 周波数差

Claims (7)

  1. 光源パルス光を発生するレーザ光源と、
    前記光源パルス光を励起光、第1のプローブ光、および第2のプローブ光に分岐する分岐部と、
    前記励起光と、前記第1のプローブ光および前記第2のプローブ光との間の相対的な光路長差を変調する光路長変調を実行する第1の変調部と、
    前記第1のプローブ光を位相変調する第2の変調部と、
    前記励起光、前記第1のプローブ光および前記第2のプローブ光が合波された合波光を試料に照射して、発生した誘導ラマン散乱信号を検出する検出部と、
    を含み、
    前記第1のプローブ光と前記第2のプローブ光との間の遅延時間が固定値であり、
    前記第1の変調部は、前記励起光、前記第1のプローブ光、および前記第2のプローブ光のいずれかの単位波長に相当する長さの整数倍に対応する前記光路長差で前記光路長変調を実行する光検出装置。
  2. (削除)
  3. (削除)
  4. 前記励起光を光軸方向に折り返すミラーをさらに含み、
    前記光路長変調は、前記ミラーを光軸方向に予め定められた振幅で往復移動させて行う 請求項1に記載の光検出装置。
  5. 前記光路長変調の変調波形が、立ち上がり時間より立ち下り時間の短い鋸歯状波形である
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光検出装置。
  6. 前記検出部は、前記第1のプローブ光および前記第2のプローブ光によるヘテロダイン干渉の結果、前記第1のプローブ光を位相変調の結果、前記第2のプローブ光の波長に現れる誘導ラマン信号とのヘテロダイン干渉により振幅変調信号を誘導ラマン散乱信号に対応する信号としてサンプリングしつつロックイン検出することにより誘導ラマン散乱信号を検出し、
    前記光路長変調の変調周波数は、前記サンプリングのサンプリング周波数より高い周波数である
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光検出装置。
  7. 励起光、第1のプローブ光および第2のプローブ光が合波された合波光を試料に照射して、発生した誘導ラマン散乱信号を検出する光検出方法であって、
    前記第1のプローブ光を位相変調し、
    前記励起光と、前記第1のプローブ光および前記第2のプローブ光との間の相対的な光路長差を変調して前記誘導ラマン散乱信号を検出することを含み、
    前記第1のプローブ光と前記第2のプローブ光との間の遅延時間が固定値であり、
    前記光路長差の変調では、前記励起光、前記第1のプローブ光、および前記第2のプローブ光のいずれかの単位波長に相当する長さの整数倍に対応する前記光路長差で変調する
    光検出方法。
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