JPH06138027A - 光エコー顕微鏡 - Google Patents

光エコー顕微鏡

Info

Publication number
JPH06138027A
JPH06138027A JP4284701A JP28470192A JPH06138027A JP H06138027 A JPH06138027 A JP H06138027A JP 4284701 A JP4284701 A JP 4284701A JP 28470192 A JP28470192 A JP 28470192A JP H06138027 A JPH06138027 A JP H06138027A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
light
microscope
echo
inspected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4284701A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Furusawa
明 古澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP4284701A priority Critical patent/JPH06138027A/ja
Priority to US08/120,874 priority patent/US5589936A/en
Priority to EP93114757A priority patent/EP0588301A2/en
Publication of JPH06138027A publication Critical patent/JPH06138027A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単純な構成の光エコー顕微鏡を提供する。 【構成】 光源手段(A)と、光変調光学系(B)と、
光学顕微鏡(C)と、検出器12と、ロックインアンプ
13と、電気信号処理装置40と、データ処理装置50
と、制御手段30とを有する。光変調光学系(B)は、
光分割器2と、光合波器3と、第1の直交反射面6a,
6bと、第2の直交反射面7a, 7bと、図示省略した
可動ステージに固定された第1のコーナーキューブ4a
と、変位器4bと、位相変調手段5と、コーナーキュー
ブ5aと、圧電素子5bと、交流駆動電源5cとを有す
る。光学顕微鏡(C)は、半透過鏡10と、光トラップ
14と、対物レンズ系11からなる照射光学系とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば物質の物理化学
的な性質の差を光学的に観察できる光エコー顕微鏡に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、レーザー光で試料を走査して得
られた光情報を用いて試料を観察するレーザー走査顕微
鏡が知られている。しかし、従来のレーザー走査顕微鏡
によって得られる試料の情報は、通常の光学顕微鏡の画
像から得られる情報と比較すると質的に大差ないもので
あった。これに対して、本出願人は特願平3−3035
0号の明細書において、通常の光学顕微鏡では得られな
い試料の物理化学的な性質の差異に関する情報を得るこ
とができる顕微鏡として光エコー顕微鏡を提案した。光
エコー顕微鏡は、原理的には試料にレーザー光を照射し
て、試料中に含まれているそのレーザー光と共鳴しうる
光吸収体における光エコーによる光学的位相緩和時間
(一般に、「T2緩和時間」又は「横緩和時間」と呼ば
れている時間である)を測定する物である。光エコーの
現象については、例えば、「超高速光技術」(矢島達男
編、丸善、平成2年3月発行)に記載されている。
【0003】特願平3−30350号明細書において
は、光エコー測定とレーザー走査顕微鏡と組み合わせて
そのレーザー光と試料とを2次元的に、さらには3次元
的に相対的に走査して、得られた位相緩和時間を2次元
的又は3次元的にマッピングすることにより、試料の物
理化学的な性質の分布状態を明らかにすることができる
と述べた。また、同時に通常のレーザー走査顕微鏡とし
ての画像も得ることができるとした。
【0004】例えば、レーザー光と共鳴し得る色素を、
結晶質と非晶質とが混在するポリマー中に分散した場
合、結晶質中と非晶質中とでは光学的位相緩和時間が異
なることを利用することにより、結晶質相と非晶質相と
がどのような形で混在するのかを光エコー顕微鏡により
観察することができる。また、固体の場合には、その光
学的位相緩和時間は蓄積フォトンエコーのヘテロダイン
検出により容易に測定することができる。さらに、光位
相変調によるヘテロダイン検出法も使用できる。
【0005】本発明で利用している光エコーの光位相変
調によるヘテロダイン検出法については、本出願人によ
る特願平2−253011号の明細書に開示されてい
る。以下、特願平2−253011号明細書により測定
法を述べる。
【0006】本測定は、パルス光を用い、基本的には誘
導フォトンエコーという現象を利用している。
【0007】よく知られているように、物質の光励起状
態はその密度行列の運動法的式(Liovilleの法
定式)で表現でき、便宜的に密度行列の対角成分の緩和
時間をT1 時間(縦緩和時間)、非対角成分の緩和時間
をT2 時間(横緩和時間)と呼んで区別している。縦緩
和とは、光励起状態がエネルギーの放出をともなって緩
和する過程を意味すると考えられており、横緩和とは入
射光によって物質中にもたらされた電気的分極の振動の
コヒーレンシーが乱されてゆく過程も示すと考えられて
いる。
【0008】光エコー(フォトンエコー)という現象
は、3次の非線形光学効果の一種であると考えられる
が、その中の誘導フォトンエコーについて図2により説
明する。物質をエネルギー共鳴的に適当なパルス光で励
起する場合を考える。まずt1 時にE1 のパルス光を照
射し、続いてt2 時にE2 のパルス光を照射する。次に
3 時に第3のパルスE3 を照射すると、(t3 +t2
−t1 =t3 +τ)時に今度は逆に物質から光が放射さ
れてくる。これが誘導フォトンエコー光である。そし
て、誘導フォトンエコー光の強度は、exp(−4τ/
2)に比例して減衰する。従って、光エコー顕微鏡で
は、τを変えながら強度測定をして、物質ごと、または
状態ごとに異なるT2を求めるものである。
【0009】先のLiovilleの方程式を、回転波
近似、及び弱励起光近似による摂動展開により計算する
と、3次の非線形分極波すなわちエコー波が求まる。
【0010】フォトンエコーは、3次の非線形光学現象
の一種でり、一般にはその効果は小さい。再生励起光に
対してフォトンエコー光強度は数桁弱いのが普通であ
る。このような微弱光を検出するのに、光の干渉を利用
すると検出精度が上がることが知られている。
【0011】この場合、微弱光(フォトンエコー光)
は、位相特性の既知の光波(プローブ光E4 )と干渉さ
せて、微弱光の強度及び位相の変化を増幅して観測(測
定)する。このとき、微弱光の強度又は周波数をなんら
かの方法で変調し、合成光(エコー光とプローブ光との
合成光)出力中の同期成分だけを増幅してコントラスト
を上げることが一般に行われている。
【0012】光エコーとプローブ光の干渉により得られ
る光の信号強度は、書込時の遅延時間t21(=t2
1)と読出時の遅延時間t43(=t4−t3)との僅か
な差により、大きく変化する。これは、光干渉の極めて
優れた特長である反面欠点でもある。
【0013】本発明においては、遅延時間t21と遅延時
間t43とを、10~10 secの精度で一致させなければ
ならない。この時間は、光路長に変換すると、10~2μ
mに相当する。従って、エコー光をプローブ光との干渉
により検出する装置では、10~2μm程度の機械的精度
が要求されることになり、これを現在の技術力で成し遂
げようとすると、極めて高価で大掛かりな装置が必要に
なる。そのために、本発明では、以下のようにしてい
る。
【0014】t42−t21を、光の1周期以上変調する
と、エコー光とプローブ光との合成光の強度もそれと同
期して変調することが判る。ここで、t43即ち励起光と
プローブ光との遅延時間を同期して振動させることを考
える。これは励起光に対しプローブ光を相対的に位相変
調したことと同等である。この時に、位相変調周波数の
偶数倍の変調成分のみが残ることが判る。
【0015】従って、励起光とプローブ光を相対的に周
波数fで位相変調し、エコー光とプローブ光との合成光
を光電変換して得られる電信信号からfの偶数倍(2
倍、4倍、6倍・・・・・・)の成分だけを抽出すれ
ば、エコー光を安定に高精度で検出器することができる
訳である。
【0016】特願平2−253011号の明細書で述べ
た実施例においては、光源としては、再生励起光光源プ
ローブ光光源とを兼用したものであり、モード同期YA
Gレーザーの高調波励起キトンレッド色素レーザであ
る。繰り返し周波数82MHzのパルス光を出力する。
キトンレッド色素レーザーからは全ての波長選択素子を
取り外した。その結果、中心波長620nm、スペクト
ル幅400cm~1(相関時間37fsecフェムト秒に
相当)のインコヒーレント光が得られる。
【0017】図2に、t1,t2,t3,t4の関係を示
す。t1とt3、t2とt4が80MHzで繰り返され、t
1とt2、t3とt4の間が遅延手段によって例えば、5p
secという遅延時間に設定される。t1とt2、t3
4の間は位相変調手段によって、位相変調が加えられ
る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】その本出願人の先願に
係わる光エコー顕微鏡は、基本構成として共焦点型レー
ザー顕微鏡であった。共焦点型レーザー走査顕微鏡は、
走査手段および光学系の共焦点配置などが必要であり装
置が複雑になる。先願の光エコー顕微鏡においても装置
が複雑になるという問題点があった。
【0019】本発明はかかる点に鑑み、簡便な光エコー
顕微鏡を提供することを第1の目的とする。
【0020】ところで、人間組織・細胞の病理状態を光
学的に検査できる光学的病理検査装置に関して、一般
に、光学顕微鏡やレーザー走査顕微鏡を用いた光学的病
理組織・細胞診断法が知られている。これらの従来法で
は、主に被検試料の色素染色による可視化・形態観察お
よび染色の程度・分布から病理診断を行っている。従っ
て、被検試料の分子レベルでの構造およびダイナミクス
に関する情報は得られず、分子レベルでの病理診断はほ
とんど不可能であった。特に、発病初期などに見られる
非常に微妙な変化−分子レベルでの構造・組成変化を検
出し診断する必要のあるものには、従来法では不十分な
場合があった。これは、生物組織・細胞のミクロな多様
性が正常・病理状態に大きく影響を与えるためと考えら
れる。
【0021】従来の光学的病理検査法では、被検試料の
分子レベルでの構造・組成変化を検出し診断する必要が
ある場合、その能力が不十分であった。
【0022】本発明はかかる点に鑑み、被検物質の分子
レベルでの構造・組成変化を検出し得る光学的病理検査
装置を提供することを第2の目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るために、本発明は、光エコーにより被検物体を観察す
る光エコー顕微鏡において、光を供給するレーザー光源
と、該光源からの光を2光束に分割する光分割器と、該
光分割器により分岐された2光束の一方の光路中に配置
された光遅延器と、該2光束のうちの一方の光を所定の
周波数で位相変調するための位相変調器と、該2光束を
合波する光合成器と、該合波された光束を被検物体上に
導いて光スポットを形成するための照射光学系と、前記
被検物体からの光を検出する光検出器と、前記光検出器
の出力信号から前記位相変調器の変調周波数の偶数倍の
変調成分を抽出して、遅延時間に応じた光エコーの強度
を出力する信号処理手段とを有する。
【0024】ここで、レーザー光源は、被検物体に対し
て注目する光吸収帯の光学的位相緩和時間よりも短い時
間コヒーレンスを有することが望ましい。
【0025】照射光学系により光学顕微鏡の視野内の被
検物体の1点に、前記光合成器通過後の合波された2光
束を集光し、被検物体からの光を光検出器及び信号処理
手段により解析する。信号処理手段からの出力信号は光
遅延器による遅延時間に対して記録する。
【0026】本発明による光エコー顕微鏡では、光学顕
微鏡による観察と光エコー測定による被検物体の解析
が、同時に或いは切り替えで行うことができる。つま
り、光学顕微鏡の対物光学系と光エコー測定における照
射光学系は共通とする。
【0027】上記第2の課題を解決するために、上記光
エコー顕微鏡を光学的病理検査装置に適用するものであ
る。
【0028】
【作用】かかる本発明の光エコー顕微鏡によれば、従来
の光学顕微鏡視野内の1点の光エコーを観測することが
でき、光エコーを観測した正確な位置およびそのまわり
の形態観測ができる。
【0029】さらに、同一出願人の先願による光エコー
顕微鏡に比べ、構造を単純にすることができる。つま
り、先願の光エコー顕微鏡は共焦点型顕微鏡であった
が、本願の光エコー顕微鏡では、従来の光学顕微鏡を用
いて、光学顕微鏡の視野内の光エコーを観測するもので
ある。
【0030】上記第2の課題を解決するために、上記光
エコー顕微鏡を光学的病理検査装置に適用すると、分子
レベルでの構造・組成変化を反映する物理量である、光
学的位相緩和時間(T2)が利用できる。本発明に係る
光エコー測定では、病理的には試料にレーザー光を照射
して、試料中に含まれるそのレーザー光と共鳴し得る光
吸収体から放射される光エコーにより光学的位相緩和時
間が測定される。
【0031】
【実施例】以下、本発明による光エコー顕微鏡の一実施
例につき図1を参照して説明する。
【0032】図1は本実施例の光エコー顕微鏡の概略の
構成を示し、この1図に示すように、本例の光学系は大
別すると、それぞれ点線で囲まれた3つの部分、即ち、
光源手段(A)と、光変調光学系(B)と、光学顕微鏡
(C)と、光検出器である検出器12と、ロックインア
ンプ13と、電気信号処理装置40と、データ処理装置
50と、制御手段30とを有する。ロックインアンプ1
3と、電気信号処理装置40と、データ処理装置50
と、制御手段30とは、信号処理手段を構成する。
【0033】光変調光学系(B)は、光分割器2と、光
合成器である光合波器3と、第1の直交反射面6a, 6
bと、第2の直交反射面7a, 7bと、図示省略した可
動ステージに固定された第1のコーナーキューブ4a
と、光遅延器である変位器4bと、位相変調器である位
相変調手段5と、コーナーキューブ5aと、圧電素子5
bと、交流駆動電源5cとを有する。
【0034】光学顕微鏡(C)は、半透過鏡10と、光
トラップ14と、対物レンズ系11からなる照射光学系
とを有する。
【0035】本例の光源手段(A)は、レーザー光源1
そのものであり、このレーザー光源1は80MHzのモ
ード同期アルゴンイオンレーザー励起による色素レーザ
ーである。レーザー光源1としては、その外に、マルチ
モード半導体レーザー、モード同期半導体レーザー、発
光ダイオード又は固体レーザー等を使用することができ
る。レーザー光源1から発生される光は、像面上で点と
みなせる空間コヒーレンスを有し、且つ被検物体の注目
する光吸収帯の光学的な位相緩和時間よりも短い時間コ
ヒーレンスを有することが望ましい。
【0036】図1において、レーザー光源1で発生され
たレーザー光を光変調光学系(B)の入力側の光分割器
2に入射させ、この光分割器2でそのレーザー光を2つ
の光束に分割する。また、光変調光学系(B)の出力側
には、そのように分岐された2つの光束を合波する光合
波器3を配置する。光分割器2及び光合波器3は共に偏
光ビームスプリッターであるが、代わりに偏光特性がほ
とんど無いか或いは全く無い半透鏡なども用いることが
できる。それら光分割器2と光合波器3との間に並列に
第1の直交反射面6a, 6bと第2の直交反射面7a,
7bとを配する。このように光源手段(A)からの光を
2分して再び合波する光学系としては、マイケルソン干
渉計やマッハツェンダー干渉計等に類する2光路干渉光
学系が好適である。
【0037】光分割器2の分割面を透過した光束は、第
1の直交反射面の一方の反射面6aで反射された後に、
図示省略した可動ステージに固定された第1のコーナー
キューブ4aに向かう。このコーナーキューブ4aで反
射された光束が第1の直交反射面の第1の直交反射面の
他方の反射面6bで反射されて光合波器3に入射する。
4bはその可動ステージを介してコーナーキューブ4a
を変位させる変位器を示し、コーナーキューブ4a、可
動ステージ及び変位器4bより光遅延手段4が構成され
ている。この変位器4bを用いてコーナーキューブ4a
を移動させることにより、一方の光束に所定量だけ遅延
を生じさせることができる。ここで、コーナーキューブ
4aの代わりに、2枚の鏡或いは直角プリズム等を用い
ても良い。
【0038】光分割器2の分割面で反射された光束は、
第2の直交反射面の一方の反射面7aで反射された後
に、位相変調手段5に入射する。位相変調手段5として
は、一般に電気光学結晶を用いたものがよく知られてい
るが、本実施例においては、一端が固定され他端にコー
ナーキューブ5aが固定された圧電素子5bを用いてい
る。そして、交流駆動電源5cにより圧電素子5bに所
定の周波数fの交流電圧を印加することによって、周波
数fの位相変調手段を構成している。ここで、コーナー
キューブ5bの代わりに分散の小さな直角プリズム等を
用いても良い。位相変調手段5を通過した光束は、第2
の直交反射面7bで反射されて光合波器3に入射する。
【0039】本実施例では、光分割器2の透過光路上に
光遅延手段4を、反射光路上に位相変調手段5を配置し
たが、これに限らず、逆の配置でも可能であり、また光
遅延手段と位相変調手段とを共に一方の光路上に配置す
ることも可能である。
【0040】これら光分割器2、光合波器3、光遅延手
段4及び位相変調手段5により光変調光学系(B)が構
成されている。この光変調光学系(B)内の2光束が光
合波器3で合波されて、光学顕微鏡(C)の半透鏡10
に向かう。
【0041】光学顕微鏡(C)において、光軸に45°
の傾斜角で斜設された半透過鏡10で反射された光変調
光学系(B)からの光束は、対物レンズ系11からなる
照射光学系により、被検物体20上に集光され光スポッ
トが形成される。被検物体20の光スポット形成部にお
ける蛍光若しくは燐光による発光、照射レーザー光の反
射、回折若しくは散乱等をうまく検出できるよう、光電
子増倍管よりなる検出器12を配置する。検出器12の
前には必要に応じてフィルターを挿入する。ここで、検
出器12の位置は、図の位置に限定されるものではな
く、透過光を検出する配置であっても良い。
【0042】検出器12は光電変換により入射光量に応
じた信号を出力し、この検出器12から出力される信号
のなかから位相変調周波数の2倍の変調成分のみがロッ
クインアンプ13により増幅される。増幅された信号
は、光遅延器4による遅延時間に応じて、電気信号処理
装置40を介してデータ処理装置50の中に蓄えられ解
析される。尚、光変調光学系(B)からの光のうち半透
過鏡10を透過する光が、集光光学系に入射して迷光を
生ずるのを防止するために、光トラップ14が配置され
ている。また、被検物体を入れる試料室21は必要に応
じて冷却できる。
【0043】光学顕微鏡による形態観察は、光エコー測
定と同時に或いは切り替えにより行うことができる。
【0044】以上の如き本実施例の光エコー顕微鏡によ
り、例えば、ローダミン640またはテキサスレッドな
る色素を用いて生体組織を染色して観察する場合、レー
ザー光源1のレーザー光として波長が600nm付近の
レーザー光を選択し、位相変調器5の位相変調周波数を
20KHzとした。光学顕微鏡による形態観察と共に、
顕微鏡視野内の1点にレーザービームを照射し、光遅延
器4のステージ位置を走査しながら40KHzの電気信
号のみをロックインアンプ13により増幅記録すると、
その点における光学的位相緩和時間が得られ、形態情報
と共に生体組織についてより詳しい情報が得られた。
【0045】次に、本発明による光学的病理検査装置の
一実施例につき図3を参照して説明する。図3は本実施
例の光学的病理検査装置の概略の構成を示し、この1図
に示すように、本例の光学系は大別すると、それぞれ点
線で囲まれた2つの部分、即ち、光源手段(A)、光変
調光学系(B)と、光検出器である検出器9と、ロック
インアンプ31と、電気信号処理装置40と、データ処
理装置50と、制御手段30とを有する。ロックインア
ンプ31と、電気信号処理装置40と、データ処理装置
50と、制御手段30とは、信号処理手段を構成する。
【0046】光変調光学系(B)は、光分割器2と、光
合成器である光合波器3と、第1の直交反射面6a, 6
bと、第2の直交反射面7a, 7bと、図示省略した可
動ステージに固定された第1のコーナーキューブ4a
と、光遅延器である変位器4bと、位相変調器である位
相変調手段5と、コーナーキューブ5aと、圧電素子5
bと、交流駆動電源5cとを有する。
【0047】本例の光源手段(A)は、レーザー光源1
そのものであり、このレーザー光源1は80MHzのモ
ード同期アルゴンイオンレーザー励起による色素レーザ
ーである。レーザー光源1としては、その外に、マルチ
モード半導体レーザー、モード同期半導体レーザー、発
光ダイオード又は固体レーザー等を使用することができ
る。レーザー光源1から発生される光は、像面上で点と
みなせる空間コヒーレンスを有し、且つ被検物体の注目
する光吸収帯の光学的な位相緩和時間よりも短い時間コ
ヒーレンスを有することが望ましい。
【0048】図3において、レーザー光源1で発生され
たレーザー光を光変調光学系(B)の入力側の光分割器
2に入射させ、この光分割器2でそのレーザー光を2つ
の光束に分割する。また、光変調光学系(B)の出力側
には、そのように分岐された2つの光束を合波する光合
波器3を配置する。光分割器2及び光合波器3は共に偏
光ビームスプリッターであるが、代わりに偏光特性がほ
とんど無いか或いは全く無い半透鏡なども用いることが
できる。それら光分割器2と光合波器3との間に並列に
第1の直交反射面6a,6bと第2の直交反射面7a,
7bとを配する。このように光源手段(A)からの光を
2分して再び合波する光学系としては、マイケルソン干
渉計やマッハツェンダー干渉計等に類する2光路干渉光
学系が好適である。
【0049】光分割器2の分割面を透過した光束は、第
1の直交反射面の一方の反射面6aで反射された後に、
図示省略した可動ステージに固定された第1のコーナー
キューブ4aに向かう。このコーナーキューブ4aで反
射された光束が第1の直交反射面の第1の直交反射面の
他方の反射面6bで反射されて光合波器3に入射する。
4bはその可動ステージを介してコーナーキューブ4a
を変位させる変位器を示し、コーナーキューブ4a、可
動ステージ及び変位器4bより光遅延手段4が構成され
ている。この変位器4bを用いてコーナーキューブ4a
を移動させることにより、一方の光束に所定量だけ遅延
を生じさせることができる。ここで、コーナーキューブ
4aの代わりに、2枚の鏡或いは直角プリズム等を用い
ても良い。
【0050】光分割器2の分割面で反射された光束は、
第2の直交反射面の一方の反射面7aで反射された後
に、位相変調手段5に入射する。位相変調手段5として
は、一般に電気光学結晶を用いたものがよく知られてい
るが、本実施例においては、一端が固定され他端にコー
ナーキューブ5aが固定された圧電素子5bを用いてい
る。そして、交流駆動電源5cにより圧電素子5bに所
定の周波数fの交流電圧を印加することによって、周波
数fの位相変調手段を構成している。ここで、コーナー
キューブ5bの代わりに分散の小さな直角プリズム等を
用いても良い。位相変調手段5を通過した光束は、第2
の直交反射面7bで反射されて光合波器3に入射する。
【0051】本実施例では、光分割器2の透過光路上に
光遅延手段4を、反射光路上に位相変調手段5を配置し
たが、これに限らず、逆の配置でも可能であり、また光
遅延手段と位相変調手段とを共に一方の光路上に配置す
ることも可能である。
【0052】これら光分割器2、光合波器3、光遅延手
段4及び位相変調手段5により光変調光学系(B)が構
成されている。この光変調光学系(B)内の2光束が光
合波器3で合波され、適当なレンズ系8を通して試料室
21中の被検試料20に照射される。試料室21は必要
に応じて冷却できる。
【0053】被検試料20の光スポット形成部における
蛍光若しくは燐光による発光、照射レーザー光の反射、
回折若しくは散乱等をうまく検出できるよう、光電子増
倍管よりなる検出器10を配置する。検出器10の前に
は必要に応じてフィルターを挿入する。ここで、検出器
10の位置は、図の位置に限定されるものではなく、透
過光を検出する配置にあっても良い。
【0054】検出器10は光電変換により入射光量に応
じた信号を出力し、この検出器10から出力される信号
のなかから位相変調周波数の2倍の変調成分のみがロッ
クインアンプ11により増幅される。増幅された信号
は、光遅延器4による遅延時間に応じて、電気信号処理
装置40を介してデータ処理装置50の中に蓄えられ解
析される。
【0055】以上の如き本実施例の光学的病理検査装置
により、被検試料としてローダミン640染色人肝臓組
織の正常組織および腫瘍組織を用いて検査を行ったとこ
ろ、両者を明確に区別することができた。即ち、人肝臓
組織の正常・異常を区別でき、非常に高感度な病理検査
が可能であった。染色色素としては、テキサスレッドお
よびその誘導体を用いても同様な結果が得られた。被検
試料としては、組織試料に限らず細胞試料であっても可
能であった。ここで、実験条件は試料温度5ケルビン、
レーザー光源1のレーザー光として波長が600nm付
近のレーザー光であり、位相変調器5の位相変調周波数
は20kHzであった。光遅延器4のステージ位置を走
査しながら40kHzの電気信号のみをロックインアン
プ11により増幅記録すると、光学的位相緩和時間が得
られ、その情報を基に客観的な検査結果を出すことがで
きた。
【0056】第2の実施例によれば、非常に高感度な光
学的病理検査装置を提供できる。本光学的病理検査装置
を用いれば、従来の病理検査装置では検出できなかった
組織・細胞における微妙な変化を検出でき、非常に高感
度な病理検査が可能になる。
【0057】
【発明の効果】本発明は単純な構成の光エコー顕微鏡を
提供する。本発明の光エコー顕微鏡を用いれば、光学顕
微鏡による形態観察と共に光エコー測定による被検物体
の物理化学情報を得ることができる。また、本発明によ
れば、光エコー測定部分を容易に従来の光学顕微鏡に組
み込むことができ、光エコー顕微鏡の利用分野を広げる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光エコー顕微鏡の実施例を示す構
成図である。
【図2】光エコー顕微鏡の測定原理の説明図である。
【図3】本発明による光学的病理検査装置の実施例を示
す構成図である。
【符号の説明】
1 光源 2 光分割器 3 光合波器 4 光遅延手段 5 光変調手段 11 対物光学系 12 光検出器 30 制御手段 40 電気信号処理装置 50 データ処理装置
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】 光エコー顕微鏡
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば物質の物理化学
的な性質の差を光学的に観察できる光エコー顕微鏡、及
び人間組織・細胞の病理状態を光学的に検査できる光学
的病理検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、レーザー光で試料を走査して得
られた光情報を用いて試料を観察するレーザー走査顕微
鏡が知られている。しかし、従来のレーザー走査顕微鏡
によって得られる試料の情報は、通常の光学顕微鏡の画
像から得られる情報と比較すると質的に大差ないもので
あった。これに対して、本出願人は特願平3−3035
0号公報において、通常の光学顕微鏡では得られない試
料の物理化学的な性質の差異に関する情報を得ることが
できる顕微鏡として光エコー顕微鏡を提案した。光エコ
ー顕微鏡は、原理的には試料にレーザー光を照射して、
試料中に含まれているそのレーザー光と共鳴しうる光吸
収体における光エコーによる光学的位相緩和時間(一般
に、「T2緩和時間」又は「横緩和時間」と呼ばれてい
る時間である)を測定する物である。光エコーの現象に
ついては、例えば、「超高速光技術」(矢島達男編、丸
善、平成2年3月発行)に記載されている。
【0003】特願平3−30350号公報においては、
光エコー測定とレーザー走査顕微鏡と組み合わせてその
レーザー光と試料とを2次元的に、さらには3次元的に
相対的に走査して、得られた位相緩和時間を2次元的又
は3次元的にマッピングすることにより、試料の物理化
学的な性質の分布状態を明らかにすることができると述
べた。また、同時に通常のレーザー走査顕微鏡としての
画像も得ることができるとした。
【0004】例えば、レーザー光と共鳴し得る色素を、
結晶質と非晶質とが混在するポリマー中に分散した場
合、結晶質中と非晶質中とでは光学的位相緩和時間が異
なることを利用することにより、結晶質相と非晶質相と
がどのような形で混在するのかを光エコー顕微鏡により
観察することができる。また、固体の場合には、その光
学的位相緩和時間は蓄積フォトンエコーのヘテロダイン
検出により容易に測定することができる。さらに、光位
相変調によるヘテロダイン検出法も使用できる。
【0005】本発明で利用している光エコーの光位相変
調によるヘテロダイン検出法については、本出願人によ
る特願平2−253011号公報に開示されている。以
下、特願平2−253011号公報により測定法を述べ
る。
【0006】本測定は、パルス光を用い、基本的には誘
導フォトンエコーという現象を利用している。
【0007】よく知られているように、物質の光励起状
態はその密度行列の運動法的式(Liovilleの法
定式)で表現でき、便宜的に密度行列の対角成分の緩和
時間をT1 時間(縦緩和時間)、非対角成分の緩和時間
をT2 時間(横緩和時間)と呼んで区別している。縦緩
和とは、光励起状態がエネルギーの放出をともなって緩
和する過程を意味すると考えられており、横緩和とは入
射光によって物質中にもたらされた電気的分極の振動の
コヒーレンシーが乱されてゆく過程も示すと考えられて
いる。
【0008】光エコー(フォトンエコー)という現象
は、3次の非線形光学効果の一種であると考えられる
が、その中の誘導フォトンエコーについて図2により説
明する。物質をエネルギー共鳴的に適当なパルス光で励
起する場合を考える。まずt1 時にE1 のパルス光を照
射し、続いてt2 時にE2 のパルス光を照射する。次に
3 時に第3のパルスE3 を照射すると、(t3 +t2
−t1 =t3 +τ)時に今度は逆に物質から光が放射さ
れてくる。これが誘導フォトンエコー光である。そし
て、誘導フォトンエコー光の強度は、exp(−4τ/
2)に比例して減衰する。従って、光エコー顕微鏡で
は、τを変えながら強度測定をして、物質ごと、または
状態ごとに異なるT2を求めるものである。
【0009】先のLiovilleの方程式を、回転波
近似、及び弱励起光近似による摂動展開により計算する
と、3次の非線形分極波すなわちエコー波が求まる。
【0010】フォトンエコーは、3次の非線形光学現象
の一種でり、一般にはその効果は小さい。再生励起光に
対してフォトンエコー光強度は数桁弱いのが普通であ
る。このような微弱光を検出するのに、光の干渉を利用
すると検出精度が上がることが知られている。
【0011】この場合、微弱光(フォトンエコー光)
は、位相特性の既知の光波(プローブ光E4 )と干渉さ
せて、微弱光の強度及び位相の変化を増幅して観測(測
定)する。このとき、微弱光の強度又は周波数をなんら
かの方法で変調し、合成光(エコー光とプローブ光との
合成光)出力中の同期成分だけを増幅してコントラスト
を上げることが一般に行われている。
【0012】光エコーとプローブ光の干渉により得られ
る光の信号強度は、書込時の遅延時間t21(=t2
1)と読出時の遅延時間t43(=t4−t3)との僅か
な差により、大きく変化する。これは、光干渉の極めて
優れた特長である反面欠点でもある。
【0013】本発明においては、遅延時間t21と遅延時
間t43とを、10~13 secの精度で一致させなければ
ならない。この時間は、光路長に変換すると、10~2μ
mに相当する。従って、エコー光をプローブ光との干渉
により検出する装置では、10~2μm程度の機械的精度
が要求されることになり、これを現在の技術力で成し遂
げようとすると、極めて高価で大掛かりな装置が必要に
なる。そのために、本発明では、以下のようにしてい
る。
【0014】t43−t21を、光の1周期以上変調する
と、エコー光とプローブ光との合成光の強度もそれと同
期して変調することが判る。ここで、t43即ち励起光と
プローブ光との遅延時間を同期して振動させることを考
える。これは励起光に対しプローブ光を相対的に位相変
調したことと同等である。この時に、位相変調周波数の
偶数倍の変調成分のみが残ることが判る。
【0015】従って、励起光とプローブ光を相対的に周
波数fで位相変調し、エコー光とプローブ光との合成光
を光電変換して得られる電信信号からfの偶数倍(2
倍、4倍、6倍・・・・・・)の成分だけを抽出すれ
ば、エコー光を安定に高精度で検出することができる訳
である。
【0016】特願平2−253011号公報で述べた実
施例においては、光源としては、再生励起光光源プロー
ブ光光源とを兼用したものであり、モード同期YAGレ
ーザーの高調波励起キトンレッド色素レーザである。繰
り返し周波数82MHzのパルス光を出力する。キトン
レッド色素レーザーからは全ての波長選択素子を取り外
した。その結果、中心波長620nm、スペクトル幅4
00cm~1(相関時間37fsecフェムト秒に相当)
のインコヒーレント光が得られる。
【0017】図2に、t1,t2,t3,t4の関係を示
す。t1とt3、t2とt4が82MHzで繰り返され、t
1とt2、t3とt4の間が遅延手段によって例えば、5p
secという遅延時間に設定される。t1とt2、t3
4の間は位相変調手段によって、位相変調が加えられ
る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】その本出願人の先願に
係わる光エコー顕微鏡は、基本構成として共焦点型レー
ザー顕微鏡であった。共焦点型レーザー走査顕微鏡は、
走査手段および光学系の共焦点配置などが必要であり装
置が複雑になる。先願の光エコー顕微鏡においても装置
が複雑になるという問題点があった。
【0019】本発明はかかる点に鑑み、簡便な光エコー
顕微鏡を提供することを第1の目的とする。
【0020】ところで、人間組織・細胞の病理状態を光
学的に検査できる光学的病理検査装置に関して、一般
に、光学顕微鏡やレーザー走査顕微鏡を用いた光学的病
理組織・細胞診断法が知られている。これらの従来法で
は、主に被検試料の色素染色による可視化・形態観察お
よび染色の程度・分布から病理診断を行っている。従っ
て、被検試料の分子レベルでの構造およびダイナミクス
に関する情報は得られず、分子レベルでの病理診断はほ
とんど不可能であった。特に、発病初期などに見られる
非常に微妙な変化−分子レベルでの構造・組成変化を検
出し診断する必要のあるものには、従来法では不十分な
場合があった。これは、生物組織・細胞のミクロな多様
性が正常・病理状態に大きく影響を与えるためと考えら
れる。
【0021】従来の光学的病理検査法では、被検試料の
分子レベルでの構造・組成変化を検出し診断する必要が
ある場合、その能力が不十分であった。
【0022】本発明はかかる点に鑑み、被検物質の分子
レベルでの構造・組成変化を検出し得る光学的病理検査
装置を提供することを第2の目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るために、本発明は、光エコーにより被検物体を観察す
る光エコー顕微鏡において、光を供給するレーザー光源
と、該光源からの光を2光束に分割する光分割器と、該
光分割器により分岐された2光束の一方の光路中に配置
された光遅延器と、該2光束のうちの一方の光を所定の
周波数で位相変調するための位相変調器と、該2光束を
合波する光合成器と、該合波された光束を被検物体上に
導いて光スポットを形成するための照射光学系と、前記
被検物体からの光を検出する光検出器と、前記光検出器
の出力信号から前記位相変調器の変調周波数の偶数倍の
変調成分を抽出して、遅延時間に応じた光エコーの強度
を出力する信号処理手段とを有する。
【0024】ここで、レーザー光源は、被検物体に対し
て注目する光吸収帯の光学的位相緩和時間よりも短い時
間コヒーレンスを有することが望ましい。
【0025】照射光学系により光学顕微鏡の視野内の被
検物体の1点に、前記光合成器通過後の合波された2光
束を集光し、被検物体からの光を光検出器及び信号処理
手段により解析する。信号処理手段からの出力信号は光
遅延器による遅延時間に対して記録する。
【0026】上記第2の課題を解決するために、本発明
は、光エコーにより被検物体を観察する光学的病理検査
装置において、光を供給するレーザー光源と、該光源か
らの光を2光束に分割する光分割器と、該光分割器によ
り分岐された2光束の一方の光路中に配置された光遅延
器と、該2光束のうちの一方の光を所定の周波数で位相
変調するための位相変調器と、該2光束を合波する光合
成器と、該合波された光束を被検物体上に導いて光スポ
ットを形成するための照射光学系と、前記被検物体から
の光を検出する光検出器と、前記光検出器の出力信号か
ら前記位相変調器の変調周波数の偶数倍の変調成分を抽
出して、遅延時間に応じた光エコーの強度を出力する信
号処理手段とを有することとしたものである。
【0027】
【作用】かかる本発明の光エコー顕微鏡によれば、従来
の光学顕微鏡視野内の1点の光エコーを観測することが
でき、光エコーを観測した正確な位置およびそのまわり
の形態観測ができる。
【0028】さらに、同一出願人の先願による光エコー
顕微鏡に比べ、構造を単純にすることができる。つま
り、先願の光エコー顕微鏡は共焦点型顕微鏡であった
が、本願の光エコー顕微鏡では、従来の光学顕微鏡を用
いて、光学顕微鏡の視野内の光エコーを観測するもので
ある。
【0029】上記第2の課題を解決するための、本発明
に係る光学的病理検査装置によれば、分子レベルでの構
造・組成変化を反映する物理量である、光学的位相緩和
時間(T2)が利用できる。本発明に係る光エコー測定
では、試料にレーザー光を照射して、試料中に含まれる
そのレーザー光と共鳴し得る光吸収体から放射される光
エコーにより光学的位相緩和時間が測定され、被検試料
の病理状態を検査できる。
【0030】
【実施例】以下、本発明による光エコー顕微鏡の一実施
例につき図1を参照して説明する。
【0031】図1は本実施例の光エコー顕微鏡の概略の
構成を示し、この1図に示すように、本例の光学系は大
別すると、それぞれ点線で囲まれた3つの部分、即ち、
光源手段(A)と、光変調光学系(B)と、光学顕微鏡
(C)と、光検出器である検出器12と、ロックインア
ンプ13と、電気信号処理装置40と、データ処理装置
50と、制御手段30とを有する。ロックインアンプ1
3と、電気信号処理装置40と、データ処理装置50
と、制御手段30とは、信号処理手段を構成する。
【0032】光変調光学系(B)は、光分割器2と、光
合成器である光合波器3と、第1の直交反射面6a, 6
bと、第2の直交反射面7a, 7bと、図示省略した可
動ステージに固定された第1のコーナーキューブ4a
と、光遅延器である変位器4bと、位相変調器である位
相変調手段5とを有する。位相変調手段5は、コーナー
キューブ5aと、圧電素子5bと、交流駆動電源5cと
を有する。
【0033】光学顕微鏡(C)は、半透過鏡10と、光
トラップ14と、対物レンズ系11からなる照射光学系
とを有する。
【0034】本例の光源手段(A)は、レーザー光源1
そのものであり、このレーザー光源1は80MHzのモ
ード同期アルゴンイオンレーザー励起による色素レーザ
ーである。レーザー光源1としては、その外に、マルチ
モード半導体レーザー、モード同期半導体レーザー、発
光ダイオード又は固体レーザー等を使用することができ
る。レーザー光源1から発生される光は、像面上で点と
みなせる空間コヒーレンスを有し、且つ被検物体の注目
する光吸収帯の光学的な位相緩和時間よりも短い時間コ
ヒーレンスを有することが望ましい。
【0035】図1において、レーザー光源1で発生され
たレーザー光を光変調光学系(B)の入力側の光分割器
2に入射させ、この光分割器2でそのレーザー光を2つ
の光束に分割する。また、光変調光学系(B)の出力側
には、そのように分岐された2つの光束を合波する光合
波器3を配置する。光分割器2及び光合波器3は共に偏
光ビームスプリッターであるが、代わりに偏光特性がほ
とんど無いか或いは全く無い半透鏡なども用いることが
できる。それら光分割器2と光合波器3との間に並列に
第1の直交反射面6a, 6bと第2の直交反射面7a,
7bとを配する。このように光源手段(A)からの光を
2分して再び合波する光学系としては、マイケルソン干
渉計やマッハツェンダー干渉計等に類する2光路干渉光
学系が好適である。
【0036】光分割器2の分割面を透過した光束は、第
1の直交反射面の一方の反射面6aで反射された後に、
図示省略した可動ステージに固定された第1のコーナー
キューブ4aに向かう。このコーナーキューブ4aで反
射された光束が第1の直交反射面の他方の反射面6bで
反射されて光合波器3に入射する。4bはその可動ステ
ージを介してコーナーキューブ4aを変位させる変位器
を示し、コーナーキューブ4a、可動ステージ及び変位
器4bより光遅延手段4が構成されている。この変位器
4bを用いてコーナーキューブ4aを移動させることに
より、一方の光束に所定量だけ遅延を生じさせることが
できる。ここで、コーナーキューブ4aの代わりに、2
枚の鏡或いは直角プリズム等を用いても良い。
【0037】光分割器2の分割面で反射された光束は、
第2の直交反射面の一方の反射面7aで反射された後
に、位相変調手段5に入射する。位相変調手段5として
は、一般に電気光学結晶を用いたものがよく知られてい
るが、本実施例においては、一端が固定され他端にコー
ナーキューブ5aが固定された圧電素子5bを用いてい
る。そして、交流駆動電源5cにより圧電素子5bに所
定の周波数fの交流電圧を印加することによって、周波
数fの位相変調手段を構成している。ここで、コーナー
キューブ5aの代わりに分散の小さな直角プリズム等を
用いても良い。位相変調手段5を通過した光束は、第2
の直交反射面7bで反射されて光合波器3に入射する。
【0038】本実施例では、光分割器2の透過光路上に
光遅延手段4を、反射光路上に位相変調手段5を配置し
たが、これに限らず、逆の配置でも可能であり、また光
遅延手段と位相変調手段とを共に一方の光路上に配置す
ることも可能である。
【0039】これら光分割器2、光合波器3、光遅延手
段4及び位相変調手段5により光変調光学系(B)が構
成されている。この光変調光学系(B)内の2光束が光
合波器3で合波されて、光学顕微鏡(C)の半透鏡10
に向かう。
【0040】光学顕微鏡(C)において、光軸に45°
の傾斜角で斜設された半透過鏡10で反射された光変調
光学系(B)からの光束は、対物レンズ系11からなる
照射光学系により、被検物体20上に集光され光スポッ
トが形成される。被検物体20の光スポット形成部にお
ける蛍光若しくは燐光による発光、照射レーザー光の反
射光、透過光、回折光若しくは散乱光等をうまく検出で
きるよう、光電子増倍管よりなる検出器12を配置す
る。検出器12の前には必要に応じてフィルターを挿入
する。ここで、検出器12の位置は、図の位置に限定さ
れるものではなく、透過光を検出する配置であっても良
い。
【0041】検出器12は光電変換により入射光量に応
じた信号を出力し、この検出器12から出力される信号
のなかから位相変調周波数の2倍の変調成分のみがロッ
クインアンプ13により増幅される。増幅された信号
は、光遅延器4による遅延時間に応じて、電気信号処理
装置40を介してデータ処理装置50の中に蓄えられ解
析される。尚、光変調光学系(B)からの光のうち半透
過鏡10を透過する光が、集光光学系に入射して迷光を
生ずるのを防止するために、光トラップ14が配置され
ている。また、被検物体を入れる試料室21は必要に応
じて冷却できる。
【0042】光学顕微鏡による形態観察は、光エコー測
定と同時に或いは切り替えにより行うことができる。
【0043】光エコー顕微鏡により被検物の複数の場所
を観察するには試料室を手動または機械により移動させ
れば良い。検出器を移動させることとしてももちろん良
い。
【0044】以上の如き本実施例の光エコー顕微鏡によ
り、例えば、ローダミン640またはテキサスレッドな
る色素を用いて生体組織を染色して観察する場合、レー
ザー光源1のレーザー光として波長が600nm付近の
レーザー光を選択し、位相変調器5の位相変調周波数を
20KHzとした。光学顕微鏡による形態観察と共に、
顕微鏡視野内の1点にレーザービームを照射し、光遅延
器4のステージ位置を走査しながら40KHzの電気信
号のみをロックインアンプ13により増幅記録すると、
その点における光学的位相緩和時間が得られ、形態情報
と共に生体組織についてより詳しい情報が得られた。
【0045】次に、本発明による光学的病理検査装置の
一実施例につき図3を参照して説明する。図3は本実施
例の光学的病理検査装置の概略の構成を示し、この1図
に示すように、本例の光学系は大別すると、それぞれ点
線で囲まれた2つの部分、即ち、光源手段(A)、光変
調光学系(B)と、光検出器である検出器9と、ロック
インアンプ31と、電気信号処理装置40と、データ処
理装置50と、制御手段30とを有する。ロックインア
ンプ31と、電気信号処理装置40と、データ処理装置
50と、制御手段30とは、信号処理手段を構成する。
【0046】光変調光学系(B)は、光分割器2と、光
合成器である光合波器3と、第1の直交反射面6a, 6
bと、第2の直交反射面7a, 7bと、図示省略した可
動ステージに固定された第1のコーナーキューブ4a
と、光遅延器である変位器4bと、位相変調器である位
相変調手段5とを有する。位相変調手段5は、コーナー
キューブ5aと、圧電素子5bと、交流駆動電源5cと
を有する。
【0047】本例の光源手段(A)は、レーザー光源1
そのものであり、このレーザー光源1は80MHzのモ
ード同期アルゴンイオンレーザー励起による色素レーザ
ーである。レーザー光源1としては、その外に、マルチ
モード半導体レーザー、モード同期半導体レーザー、発
光ダイオード又は固体レーザー等を使用することができ
る。レーザー光源1から発生される光は、像面上で点と
みなせる空間コヒーレンスを有し、且つ被検物体の注目
する光吸収帯の光学的な位相緩和時間よりも短い時間コ
ヒーレンスを有することが望ましい。
【0048】図3において、レーザー光源1で発生され
たレーザー光を光変調光学系(B)の入力側の光分割器
2に入射させ、この光分割器2でそのレーザー光を2つ
の光束に分割する。また、光変調光学系(B)の出力側
には、そのように分岐された2つの光束を合波する光合
波器3を配置する。光分割器2及び光合波器3は共に偏
光ビームスプリッターであるが、代わりに偏光特性がほ
とんど無いか或いは全く無い半透鏡なども用いることが
できる。それら光分割器2と光合波器3との間に並列に
第1の直交反射面6a,6bと第2の直交反射面7a,
7bとを配する。このように光源手段(A)からの光を
2分して再び合波する光学系としては、マイケルソン干
渉計やマッハツェンダー干渉計等に類する2光路干渉光
学系が好適である。
【0049】光分割器2の分割面を透過した光束は、第
1の直交反射面の一方の反射面6aで反射された後に、
図示省略した可動ステージに固定された第1のコーナー
キューブ4aに向かう。このコーナーキューブ4aで反
射された光束が第1の直交反射面の他方の反射面6bで
反射されて光合波器3に入射する。4bはその可動ステ
ージを介してコーナーキューブ4aを変位させる変位器
を示し、コーナーキューブ4a、可動ステージ及び変位
器4bより光遅延手段4が構成されている。この変位器
4bを用いてコーナーキューブ4aを移動させることに
より、一方の光束に所定量だけ遅延を生じさせることが
できる。ここで、コーナーキューブ4aの代わりに、2
枚の鏡或いは直角プリズム等を用いても良い。
【0050】光分割器2の分割面で反射された光束は、
第2の直交反射面の一方の反射面7aで反射された後
に、位相変調手段5に入射する。位相変調手段5として
は、一般に電気光学結晶を用いたものがよく知られてい
るが、本実施例においては、一端が固定され他端にコー
ナーキューブ5aが固定された圧電素子5bを用いてい
る。そして、交流駆動電源5cにより圧電素子5bに所
定の周波数fの交流電圧を印加することによって、周波
数fの位相変調手段を構成している。ここで、コーナー
キューブ5bの代わりに分散の小さな直角プリズム等を
用いても良い。位相変調手段5を通過した光束は、第2
の直交反射面7bで反射されて光合波器3に入射する。
【0051】本実施例では、光分割器2の透過光路上に
光遅延手段4を、反射光路上に位相変調手段5を配置し
たが、これに限らず、逆の配置でも可能であり、また光
遅延手段と位相変調手段とを共に一方の光路上に配置す
ることも可能である。
【0052】これら光分割器2、光合波器3、光遅延手
段4及び位相変調手段5により光変調光学系(B)が構
成されている。この光変調光学系(B)内の2光束が光
合波器3で合波され、適当なレンズ系8を通して試料室
21中の被検試料20に照射される。試料室21は必要
に応じて冷却できる。
【0053】被検試料20の光スポット形成部における
蛍光若しくは燐光による発光、照射レーザー光の反射
光、透過光、回折光若しくは散乱光等をうまく検出でき
るよう、光電子増倍管よりなる検出器9を配置する。検
出器9の前には必要に応じてフィルターを挿入する。こ
こで、検出器9の位置は、図の位置に限定されるもので
はなく、透過光を検出する配置にあっても良い。
【0054】検出器9は光電変換により入射光量に応じ
た信号を出力し、この検出器9から出力される信号のな
かから位相変調周波数の2倍の変調成分のみがロックイ
ンアンプ31により増幅される。増幅された信号は、光
遅延器4による遅延時間に応じて、電気信号処理装置4
0を介してデータ処理装置50の中に蓄えられ解析され
る。
【0055】以上の如き本実施例の光学的病理検査装置
により、被検試料としてローダミン640染色人肝臓組
織の正常組織および腫瘍組織を用いて検査を行ったとこ
ろ、両者を明確に区別することができた。即ち、人肝臓
組織の正常・異常を区別でき、非常に高感度な病理検査
が可能であった。染色色素としては、テキサスレッドお
よびその誘導体を用いても同様な結果が得られた。被検
試料としては、組織試料に限らず細胞試料であっても可
能であった。ここで、実験条件は試料温度5ケルビン、
レーザー光源1のレーザー光として波長が600nm付
近のレーザー光であり、位相変調器5の位相変調周波数
は20KHzであった。光遅延器4のステージ位置を走
査しながら40KHzの電気信号のみをロックインアン
プ31により増幅記録すると、光学的位相緩和時間が得
られ、その情報を基に客観的な検査結果を出すことがで
きた。
【0056】第2の実施例によれば、非常に高感度な光
学的病理検査装置を提供できる。本光学的病理検査装置
を用いれば、従来の病理検査装置では検出できなかった
組織・細胞における微妙な変化を検出でき、非常に高感
度な病理検査が可能になる。
【0057】
【発明の効果】本発明は単純な構成の光エコー顕微鏡を
提供する。本発明の光エコー顕微鏡を用いれば、光学顕
微鏡による形態観察と共に光エコー測定による被検物体
の物理化学情報を得ることができる。また、本発明によ
れば、光エコー測定部分を容易に従来の光学顕微鏡に組
み込むことができ、光エコー顕微鏡の利用分野を広げる
ことができる。
【0058】また、被検物質の分子レベルでの構造・組
成変化を検出し得る光学的病理検査装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光エコー顕微鏡の実施例を示す構
成図である。
【図2】光エコー顕微鏡の測定原理の説明図である。
【図3】本発明による光学的病理検査装置の実施例を示
す構成図である。
【符号の説明】 1 光源 2 光分割器 3 光合波器 4 光遅延手段 5 光変調手段 11 対物光学系 12 光検出器 30 制御手段 40 電気信号処理装置 50 データ処理装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光エコーにより被検物体を観察する光エコ
    ー顕微鏡であって、 光を供給するレーザー光源と、 該レーザー光源からの光を2光束に分割する光分割器
    と、 該光分割器により分岐された2光束の一方の光路中に配
    置される光遅延器と、 該2光束のうちの一方の光を所定の周波数で位相変調す
    るための位相変調器と、 該2光束を合波する光合成器と、 該合波された光束を被検物体上に導いて光スポットを形
    成するための照射光学系と、 前記被検物体からの光を検出する光検出器と、 前記光検出器の出力信号から前記位相変調器の変調周波
    数の偶数倍の変調成分を抽出して、遅延時間に応じた光
    エコーの強度を出力する信号処理手段とを有することを
    特徴とする光エコー顕微鏡。
  2. 【請求項2】前記レーザー光源は、被検物体に対して注
    目する光吸収帯の光学的位相緩和時間よりも短い時間コ
    ヒーレンスを有することを特徴とする請求項1記載の光
    エコー顕微鏡。
  3. 【請求項3】前記光エコー顕微鏡は、光学顕微鏡を有
    し、 前記照射光学系は、光学顕微鏡の視野内の被検物体の1
    点に前記合波された光束を集光し、 前記光検出器及び前記信号処理手段は、被検物体からの
    光を検出し、処理することを特徴とする光エコー顕微
    鏡。
  4. 【請求項4】請求項3記載の光エコー顕微鏡において、 前記照射光学系は、光学顕微鏡の対物光学系であること
    を特徴とする光エコー顕微鏡。
  5. 【請求項5】被検物体に対して注目する光吸収帯の光学
    的位相緩和時間よりも短い時間コヒーレンスを有する光
    を供給する光源手段、該光源手段からの光を2光束に分
    割する光分割器と、 該光分割器により分岐された2光束の一方の光路中に配
    置された光遅延器と、該2光束のうちの一方の光を所定
    の周波数で位相変調するための位相変調器と、 該2光束を合波する光合成器と、 該合波された光束を被検物体上に導いて光スポットを形
    成するための照射光学系と、 前記被検物体からの光を検出する光検出器の出力信号か
    ら前記位相変調器の変調周波数の偶数倍の変調成分を抽
    出する信号処理手段とを有することを特徴とする光エコ
    ー顕微鏡。
JP4284701A 1992-09-14 1992-10-22 光エコー顕微鏡 Pending JPH06138027A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4284701A JPH06138027A (ja) 1992-09-14 1992-10-22 光エコー顕微鏡
US08/120,874 US5589936A (en) 1992-09-14 1993-09-10 Optical measuring apparatus for measuring physichemical properties
EP93114757A EP0588301A2 (en) 1992-09-14 1993-09-14 Optical measuring apparatus

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24463792 1992-09-14
JP4-244637 1992-09-14
JP4284701A JPH06138027A (ja) 1992-09-14 1992-10-22 光エコー顕微鏡

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06138027A true JPH06138027A (ja) 1994-05-20

Family

ID=26536827

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4284701A Pending JPH06138027A (ja) 1992-09-14 1992-10-22 光エコー顕微鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06138027A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5648221A (en) * 1993-06-14 1997-07-15 Nikon Corporation Optical inspection method

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5648221A (en) * 1993-06-14 1997-07-15 Nikon Corporation Optical inspection method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5649828B2 (ja) レーザ顕微鏡装置
US7667848B2 (en) Imaging apparatus for infrared rays nonlinear molecular vibrational microscopy
KR100829439B1 (ko) 적외선 사광파 혼합 편광 이미징 장치
CN104359892B (zh) 一种不同模态分子振动光谱检测与成像装置
JP5329449B2 (ja) 顕微鏡イメージングを実行する方法
US7256894B2 (en) Method and apparatus for performing second harmonic optical coherence tomography
US5589936A (en) Optical measuring apparatus for measuring physichemical properties
DK2979080T3 (en) Device and method for stimulated raman detection
US11885745B2 (en) Fluorescence enhanced photothermal infrared spectroscopy and confocal fluorescence imaging
WO2014061147A1 (ja) Cars顕微鏡
JP2006195240A (ja) 断層画像化装置
CN111122535A (zh) 一种对分子振动模式的高光谱快速成像测量系统
JP7478452B2 (ja) 光検出装置、光検出方法
WO2008081374A2 (en) Reflection or single scattering spectroscopy and imaging
WO2022181320A1 (ja) 円偏光照射器、分析装置及び顕微鏡
JPH06138027A (ja) 光エコー顕微鏡
JPH05273129A (ja) 光エコー顕微鏡
JP2734786B2 (ja) 光エコー顕微鏡
JP2017036925A (ja) 光学測定装置及び光学測定方法
JPH06331545A (ja) 光学的検査装置
US11982621B2 (en) Autofluorescence photothermal characterization systems and methods
JPH06331537A (ja) 光学的検査装置
JPH0815155A (ja) 光学的検査方法および光学的検査装置
JPH0783917A (ja) 光エコー検査用染色色素及び光学的検査方法
Peng Fourier Multiplexed Fluorescence Lifetime Imaging