JPH05273129A - 光エコー顕微鏡 - Google Patents

光エコー顕微鏡

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JPH05273129A
JPH05273129A JP9864392A JP9864392A JPH05273129A JP H05273129 A JPH05273129 A JP H05273129A JP 9864392 A JP9864392 A JP 9864392A JP 9864392 A JP9864392 A JP 9864392A JP H05273129 A JPH05273129 A JP H05273129A
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JP
Japan
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light
optical
laser
pulse
light source
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Application number
JP9864392A
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Inventor
Hirotada Watanabe
博忠 渡辺
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 染色された生体材料又は無染色の生体材料等
の光エコーを検出する。 【構成】 レーザー光源1からの光を2分する光分割器
2と、2分された一方の光を遅延させる光遅延手段4
と、他方の光を変調する光変調手段5と、これら2つの
光を合波して被検物体20上に光スポットを形成する光
学系3,11,12と、被検物体20からの光を光電変
換する検出器15とを有する。レーザー光源1のレーザ
ー光として、モードロックYAGレーザーの光パルスの
第2高調波をパルス圧縮して得たサブピコ秒の緑色超短
パルスを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば物質の物理化学
的な性質の差を光学的に観察できる光エコー顕微鏡に関
する。
【0002】
【従来の技術】通常の光学顕微鏡に対して、レーザー光
で試料を走査して得られた光情報を用いて試料を観察す
るレーザー走査顕微鏡が知られている。この内の共焦点
型レーザー走査顕微鏡は、照明系の焦点位置に試料を配
置してその焦点位置に光スポットを形成し、試料からの
光(反射光又は透過光等)をピンホールを介して受光素
子上に集光して光の強度を検出するものである。その共
焦点型レーザー走査顕微鏡によって得られる観察画像
は、非常に浅い焦点深度を有していることから、その光
スポットを光軸方向に走査することによって、所謂セク
ショニング効果による無限に深い焦点深度が得られると
いう利点を有している。しかし、従来の共焦点型レーザ
ー走査顕微鏡によって得られる試料の情報は、通常の光
学顕微鏡の画像から得られる情報と比較すると質的に大
差ないものであった。
【0003】これに対して、本出願人は特願平3−30
350号において、通常の光学顕微鏡では得られない試
料の物理化学的な性質の差異に関する情報を得ることが
できる顕微鏡として光エコー顕微鏡を提案した。光エコ
ー顕微鏡は、原理的には試料にレーザー光を照射して、
試料中に含まれているそのレーザー光と共鳴しうる光吸
収体における光エコーによる光学的位相緩和時間(一般
に、「T2緩和時間」又は「横緩和時間」と呼ばれてい
る緩和時間である)を測定するものである。実際には、
そのレーザー光を用いて試料を2次元的に、更には3次
元的に相対的に走査して、得られた位相緩和時間を2次
元的又は3次元的にマッピングすることにより、試料の
物理化学的な性質を明らかにすることができる。また、
同時に通常のレーザー走査顕微鏡としての走査画像をも
得ることができる。
【0004】例えば、レーザー光と共鳴しうる色素を、
結晶質と非晶質とが混在するポリマー中に分散した場
合、結晶質中と非晶質中とでは光学的位相緩和時間が異
なることを利用することにより、結晶質相と非晶質相と
がどのような形で混在するのかを光エコー顕微鏡により
観察することができる。また、固体の場合には、その光
学的位相緩和時間は蓄積フォトンエコーのヘテロダイン
検出により容易に測定することができる。特に共焦点型
レーザー走査顕微鏡において、その照明系の焦点位置に
おける光エコーを簡便に測定する方法として、例えば光
位相変調によるヘテロダイン検出法が使用でき、光エコ
ーの光位相変調によるヘテロダイン検出法については、
本出願人による特願平2−253011号に開示されて
いる。
【0005】また、上述の本出願人の先願に係る光エコ
ー顕微鏡は、光源として時間コヒーレンスを短くできる
色素レーザー等を用いている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般的
に用いられている色素レーザーの発振波長は600nm
付近であり、生体材料の染色に用いられている色素の吸
収帯(530nm付近)やタンパク質中のアミノ酸の吸
収帯(270nm付近)と一致していない。また、これ
らの吸収帯と一致するような発振波長を持つ従来の光パ
ルスは、時間コヒーレンスが長いため光エコー顕微鏡の
光源として使用できない。そのために光エコー顕微鏡に
より測定できる生体材料と染色用色素との組み合わせの
種類、即ち試料の種類は限られたものとなっていた。
【0007】本発明は斯かる点に鑑み、染色された生体
材料又は無染色の生体材料等の物理化学的な性質の差を
光学的に観察できる光エコー顕微鏡を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による光エコー顕
微鏡は、例えば図1に示す如く、像面上で点光源とみな
せる空間コヒーレンスと所定の時間コヒーレンスとを有
する光を発生するレーザー光源(1)と、このレーザー
光源からの光を2光束に分割する光分割器(2)と、こ
の分割された2光束の一方の光路中に配置された光遅延
器(4)と、その分割された2光束の内の一方又は両方
の光束を所定の周波数で変調(位相変調又は強度変調)
する光変調器(5)と、その分割された2光束を合波す
る光合波器(3)と、この合波された光束を被検物体
(20)上に導いて光スポットを形成する照射光学系
(11,12)と、その被検物体上に形成されたその光
スポットをその被検物体に対して相対的に走査する走査
手段(30,31)と、その被検物体からの光を光検出
器(15)に導く集光光学系(13)と、その光検出器
(15)の出力信号からその光変調器(5)の変調周波
数の所定の変調成分を抽出する信号処理手段(16)と
を有する。
【0009】そして、例えば図3に示すように、そのレ
ーザー光源(1)を、ネオジウムの発光スペクトルで発
振してパルス光LP1を発生するモード同期方式のレー
ザー装置(例えばモードロックYAGレーザ61、モー
ドロックYLFレーザ等)と、その発生されたパルス光
の第2高調波LP3を発生する第2高調波発生装置(6
3)と、その発生された第2高調波LP3をパルス圧縮
してパルス幅がサブピコ秒の緑色超短パルスLPを発生
するパルス圧縮光学系(64)とより構成し、その緑色
超短パルスLPをその光分割器(2)に供給するように
したものである。
【0010】また、その光変調器(5)が位相変調器で
ある場合には、信号処理手段(16)は光検出器(1
5)の出力信号からその光変調器(5)の変調周波数の
偶数倍の周波数の変調成分を抽出する。一方、その光変
調器(5)が強度変調器である場合には、光分割器
(2)により分割された2光束をそれぞれ強度変調する
ように図示なき強度変調器を光分割器(2)と光合波器
(3)の間に挿入し、信号処理手段(16)は光検出器
(15)の出力信号からその光変調器(5)の変調周波
数の和、差又は2つの光束の各変調周波数の整数倍の周
波数の和、差の内の何れかの変調成分を抽出する。
【0011】この場合、例えば図1及び図4に示すよう
に、そのレーザー光源(1)とその光分割器(2)との
間に第2の第2高調波発生装置(65)を配置し、その
レーザー光源(1)から発生されるその緑色超短パルス
LPの第2高調波LP4をその光分割器(2)に供給す
るようにしてもよい。
【0012】
【作用】斯かる本発明によれば、ネオジウムの発光スペ
クトルは波長1064nmの近傍であるため、パルス光
LP1の第2高調波LP3の波長は緑色の532nmの
近傍になる。従って、その第2高調波LP3をパルス圧
縮することにより、緑色超短パルスLPが得られる。斯
かる緑色超短パルスLPの波長帯は、生体材料を染色す
る際によく用いられる染料であるエオシンやローダミン
6G、更には血液に含まれるヘモグロビンの吸収帯とよ
く一致する。従って、それらの染料で染色された種々の
生体材料又は無染色の血液に対しても光エコーの測定が
可能となる。
【0013】また、その緑色超短パルスLPの第2高調
波LP4は、波長が266nmの近傍の紫外超短パルス
となる。この紫外超短パルスの波長帯は、タンパク質に
含まれるトリプトファンなどのアミノ酸の吸収波長とよ
く一致している。従って、その第2高調波LP4を用い
るこにより、タンパク質の生体材料に対して無染色で光
エコーの測定を行うことができる。
【0014】次に、本発明は被検物体(20)中に存在
するレーザ光源(1)からの光と共鳴しうる光吸収体の
光エコーによる光学的な位相緩和時間の分布を測定する
ものであるが、この測定原理につき説明する。また、以
下の説明は光変調器(5)が一方の光束を位相変調する
ものとしている。
【0015】先ず、従来のレーザー走査顕微鏡において
は、光源として時間コヒーレンスの長い、即ち極めて狭
い発振スペクトル幅を有するレーザー光源(例えばHe
−Neレーザー、CWアルゴンレーザー等)が用いられ
てきた。それに対して、本発明の光エコー顕微鏡では、
被検物体(20)の光学的な位相緩和時間を測定すると
いう手法のために、光源として広い発振スペクトルを有
するレーザー光源(1)を用いている。
【0016】例えば図1に示すように、レーザー光源
(1)からの光は、光分割器(2)により2分され、そ
の内の何れか一方の光束の光路長が光遅延器(4)によ
り順次変化する。それと並行して、その2分された光束
の何れか一方の光束の位相が光変調器(5)により例え
ば周波数fで変調される。この場合、光路長が変化して
いる光束の位相を変調してもよい。その後、2分された
光束は光合波器(3)で合波され、この合波された光束
が照明光学系(11,12)により被検物体(20)上
に光スポットとして集束される。この被検物体(20)
の光スポットからの反射光又は透過光等が集光光学系
(13)により光検出器(15)に導かれ、光検出器
(15)は2つの光束の干渉による強度変化に対応する
信号を出力する。
【0017】被検物体(20)が光エコーを生ずる物理
化学的性質を有している場合には、光エコーは光変調器
(5)における位相変調の変調周波数fの2倍、4倍、
‥‥等の偶数倍の周波数成分として検出されることが分
かっている。そこで、信号処理手段(16)において、
光検出器(15)の出力信号からその変調周波数fの偶
数倍の変調成分を抽出することにより、光エコーを検出
することができる。そして、光遅延器(4)を用いて2
分された一方の光束の光路長を変化させて、2つの光束
の光路長の差を順次変化させながら、その光エコーの変
化を記録することにより、被検物体(20)の光学的な
位相緩和時間を計測することができる。
【0018】更に、走査手段(30,31)により、光
スポットと被検物体(20)とを相対的に2次元的に又
は厚さ方向も含めて3次元的に走査しつつ、各部での位
相緩和時間を計測することにより、被検物体(20)の
表面又は内部の光エコーによる光学的な位相緩和時間の
分布を計測することができる。これにより、被検物体
(20)の表面又は内部の物理化学的な性質の差を光学
的に観察することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明による光エコー顕微鏡の第1実
施例につき図1及び図3を参照して説明する。図1は本
実施例の光エコー顕微鏡の概略の構成を示し、この図1
に示すように、本例の光学系は、大別すると図1中のそ
れぞれ点線で囲まれた3つの部分、即ち光源手段
(A)、光変調光学系(B)及び共焦点型レーザー走査
顕微鏡(C)から構成する。本例の光源手段(A)は、
レーザー光源1そのものである。レーザー光源1から発
生される光は、像面上で点とみなせる空間コヒーレンス
を有し、且つ被検物体の注目する光吸収体の光学的な位
相緩和時間よりも短い時間コヒーレンスを有することが
望ましい。
【0020】図3は、そのレーザー光源1の構成を示
し、この図3において、61は82MHzのモード同期
YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レ
ーザーであり、このモード同期YAGレーザー61は波
長1064nmでパルス幅100ps程度の光パルスL
P1を発生する。62は、光ファイバー及びグレイティ
ング(回折格子)より構成される波長1064nm用の
パルス圧縮光学系を示し、その発生された光パルスLP
1をパルス圧縮光学系62により、パルス幅が10ps
程度の光パルスLP2に変換する。63は、入射光の第
2高調波を発生する結晶よりなる第2高調波発生装置
(second harmonic generator :SHG)を示し、パル
ス圧縮後の光パルスLP2をその第2高調波発生装置6
3に入射して、波長が半分の532nmに変換されると
同時にパルス幅も5ps程度に変換された光パルスLP
3を得る。
【0021】64は、光ファイバー及びプリズム対から
なる波長532nm用のパルス圧縮光学系を示し、その
光パルスLP3をパルス圧縮光学系64に入射して、こ
のパスル圧縮光学系64より波長が532nm(緑色)
でパルス幅がサブピコ秒の緑色超短パルスLPを得る。
本例ではこの緑色超短パルスLPを図1の光変調光学系
(B)に供給する。その緑色超短パルスLPを用いるこ
とにより、エオシン等で染色した生体材料や血液を試料
とした測定が可能となる。
【0022】なお、図3のモード同期YAGレーザー6
1の代わりに、ネオジウム(Nd)の発光スペクトルで
発光する他のレーザー、例えばモード同期型のYLF
(イットリウム・リチウム・フルオライド)レーザー等
を使用することができる。また、必ずしもネオジウムの
発光スペクトルを使用しなくとも、要は発振波長が10
64nmの近傍で、第2高調波の波長が532nmの近
傍になるモード同期型のレーザーであれば使用すること
ができる。また、図3において、パルス圧縮光学系62
及64はどちらか1個のパルス圧縮光学系にまとめるこ
ともできる。
【0023】図1に戻り、レーザー光源1で発生された
緑色超短パルスLPを光変調光学系(B)の入力側の光
分割器2に入射させ、この光分割器2でそのパルスLP
を2個の光束に分割する。また、光変調光学系(B)の
出力側には、そのように分岐された2つの光束を合波す
る光合波器3を配置する。光分割器2及び光合波器3は
共に偏光ビームスプリッターであるが、代わりに偏光特
性が殆ど無いか或いは全く無い半透鏡なども用いること
ができる。それら光分割器2と光合波器3との間に並列
に第1の直交反射面6a,6bと第2の直交反射面7
a,7bとを配置する。
【0024】光分割器2の分割面を透過した光束は、第
1の直交反射面の一方の反射面6aで反射されて図示省
略した可動ステージに固定された第1のコーナーキュー
ブ4aに向い、このコーナーキューブ4aで反射された
光束が第1の直交反射面の他方の反射面6bで反射され
て光合波器3に入射する。4bはその可動ステージを介
してコーナーキューブ4aを変位させる変位器を示し、
コーナーキューブ4a、可動ステージ及び変位器4bよ
り光遅延手段4が構成されている。この変位器4bを用
いてコーナーキューブ4aを移動させることにより、一
方の光束に所定量だけ遅延を生じさせることができる。
【0025】また、光分割器2の分割面で反射された光
束は、第2の直交反射面の一方の反射面7aで反射され
て第2のコーナーキューブ5aに向い、このコーナーキ
ューブ5aで反射された光束が第2の直交反射面の他方
の反射面7bで反射されて光合波器3に入射する。その
コーナーキューブ5aを圧電素子5bの一端に固定し、
この圧電素子5bの他端を動かない基板に固定し、圧電
素子5bを交流駆動源5cにより振動させる。これらコ
ーナーキューブ5a、圧電素子5b及び交流駆動源5c
により位相変調手段5が構成されている。
【0026】位相変調手段5は、電気光学効果を有する
結晶を用いて構成してもよいが、本実施例においては、
一端が固定され他端にコーナーキューブ5aが固定され
た圧電素子5bを用いて構成している。そして、交流駆
動源5cにより圧電素子5bに周波数fの交流電圧を印
加することによって、変調周波数fの位相変調手段5を
構成している。これら光分割器2、光合波器3、光遅延
手段4の一部及び位相変調手段5の一部等により光変調
光学系(B)が構成されている。
【0027】本実施例では、光分割器2を透過した光束
の光路上に光遅延手段4を、光分割器2で反射された光
束の光路上に位相変調手段5をそれぞれ配置したが、こ
れに限らず、逆の配置も可能である。また、光遅延手段
4と位相変調手段5とを共に一方の光路上に配置するこ
とも可能である。この光変調光学系(B)内の2個の光
束が光合波器3で合波されて共焦点型レーザー走査顕微
鏡(C)の半透過鏡10に向かう。
【0028】共焦点型レーザー走査顕微鏡(C)におい
て、光軸に45°の傾斜角で斜設された半透過鏡10を
透過した光束は走査手段30、第1の対物レンズ11及
び第2の対物レンズ12を経て外部の被検物体20に入
射する。この場合、対物レンズ11及び12からなる照
射光学系により被検物体20上にレーザー光の光スポッ
トが形成される。被検物体20の光スポット形成部にお
ける散乱又は蛍光若しくは燐光による発光等で上方に戻
された光は、第2の対物レンズ12、第1の対物レンズ
11及び走査手段30を経て半透過鏡10に戻る。この
半透過鏡10により反射された光は、集光レンズ13及
び遮光板14のピンホール開口を介して光電子増倍管よ
りなる検出器15の受光面に入射する。
【0029】集光レンズ13及びピンホール開口を有す
る遮光板14から集光光学系が構成され、被検物体20
の光スポット形成部と遮光板14のピンホール開口とは
ほぼ共役である。遮光板14のピンホール開口は、照射
光学系の焦点位置(光スポット形成面)からの散乱光又
は蛍光若しくは燐光による発光のみを検出するための空
間フィルターとして機能している。また、半透過鏡10
の集光レンズ13と反対側の方向に光トラップ17を配
置する。この光トラップ17は、光変調光学系(B)の
光合波器3から半透過鏡10に供給された光のうち半透
過鏡10で反射された光が、集光レンズ13を含む集光
光学系に入射して迷光が生ずるのを防止する。
【0030】検出器15は光電変換により入射光量に応
じた信号を出力し、この検出器15から出力される信号
をロックインアンプ16に供給する。ロックインアンプ
16は、その供給された信号の中から位相変調手段5の
変調周波数fの2倍の周波数成分のみを増幅して電気信
号処理装置40に供給する。なお、光エコーは位相変調
周波数fの偶数倍の周波数成分の信号として検出される
ので、ロックインアンプ16は、検出器15から供給さ
れる信号の中から例えば変調周波数fの4倍、6倍、8
倍等の偶数倍の周波数成分のみを増幅して電気信号処理
装置40に供給するようにしてもよい。
【0031】また、走査手段30は、照射光学系による
光スポットを被検物体20上で走査するものである。こ
の走査手段30は光学的な反射或いは屈折による光走査
手段として周知のものを用いることができ、走査駆動手
段31からの駆動信号により走査手段30が光束を走査
することにより、光スポットが所定の速度で被検物体2
0上を走査する。走査手段30はいわば空間変調器であ
る。ただし、光スポットと被検物体20とを相対的に走
査する手段としては、その他に、被検定物体20を保持
したステージを照射光学系に対して相対的に移動する装
置を採用してもよい。また、試料としての被検物体20
は、必要に応じて試料を冷却保持するための試料室21
に収納されている。
【0032】更に、本実施例の光エコー顕微鏡には、制
御手段32、電気信号処理装置40及びデータ処理装置
50を設ける。制御手段32は、交流駆動源5c、変位
器4b及び走査駆動手段31の動作を制御すると共に、
変位器4bにおける変位量(光束の遅延時間に対応する
量)及び走査制御手段31用の走査信号を電気信号処理
装置40にも供給する。電気信号処理装置40は、ロッ
クインアップ16から供給される信号を、走査駆動手段
31の走査信号により得られる照射光学系の光スポット
の位置と光遅延器4による遅延時間とに対応して内蔵さ
れた記録再生手段に記録し、必要に応じてその記録再生
手段から所望の信号を再生する。また、電気信号処理装
置40は、必要に応じて記録再生手段から再生した信号
をデータ解析装置50に供給する。データ解析装置50
は、照射光学系による光スポットの形成される被検物体
20内の所望の計測点に対して、光変調光学系(B)に
おける一方の光束の遅延時間の変化による、ロックイン
アンプ16の出力信号の変化量の分析を行う。また、こ
のデータ解析装置50は、解析結果を付属のCRTディ
スプレイに画像として表示する。
【0033】走査手段30によるレーザービーム走査と
光遅延手段4による光路長の走査は、必要に応じ任意の
組合わせで行うことが可能であるが、被検物体20上で
の光スポットの相対的走査速度は、上述の位相変調手段
5による位相変調に対して十分に遅いことが必要であ
る。
【0034】以上の如き本実施例の光エコー顕微鏡によ
り、例えば、エオシン又はローダミン6G等の染料を用
いて生体組織を染色して観察する場合、又は血液を無染
色で観察する場合、緑色超短パルスLPの波長である5
32nmはそれら染料の吸収帯及びヘモグロビンの吸収
帯と一致しており好都合である。そして、位相変調手段
5の位相変調周波数fを20kHzとして、走査手段3
0により被検物体20上で光スポットを所定の位置に設
定して、光遅延手段4の遅延時間を変化させた。この状
態で、ロックインアンプ16で40kHzの電気信号の
みを増幅し、これにより得られた信号を記録することに
より、被検物体20のレーザー焦点位置における光学的
な位相緩和時間が得られた。同様に走査手段30で光ス
ポットの位置を走査することにより、被検物体20上又
は内部の各空間点における光学的な位相緩和時間が得ら
れ、生体組織についての詳しい情報が得られた。
【0035】次に、本発明の他の実施例につき説明す
る。この実施例は、図1の例のレーザー光源1を図4の
光源系で置き換えたものである。図4は本例の光源系を
示し、この図4において、1は図1のレーザー光源その
ものであり、このレーザー光源1から波長が532nm
でパルス幅が5ps程度の緑色超短パルスLPが発生さ
れる。65は、入射光の第2高調波を発生する結晶より
なる第2の第2高調波発生装置(SHG)を示し、その
緑色超短パルスLPをその第2高調波発生装置65に供
給して、波長が266nmの紫外超短パルスLP4を得
る。この場合、その第2高調波発生装置65の次にパル
ス圧縮光学系を配置してパルス幅を更に小さくしてもよ
い。その紫外超短パルスLP4を図1の光変調光学系
(B)の光分割器2に供給する。他の構成は図1と同様
である。
【0036】本例においては、紫外超短パルスLP4の
波長266nmは、トリプトファンなどのアミノ酸の吸
収波長と一致している。従って、トリプトファンなどの
アミノ酸を含む生体材料(例えばタンパク質)を無染色
で光エコー方式で観察することができる。
【0037】図2は、本発明による第2実施例の構成を
示す概略構成図である。この実施例は図1に示した構成
の光エコー顕微鏡とは、共焦点型の集光光学系を持たな
いレーザー走査顕微鏡(C)を有する点、また透過型で
ある点で構成を異にしている。そして、照射光学系によ
る光スポットの走査は、被検物体20を収納する試料室
21を図示なきステージを走査駆動手段33より移動さ
せることによって行う。その他の構成は同様であるた
め、前記第1実施例の構成と同等の機能を有する部材に
は、同一の符号を付した。被検物体20からの透過光、
散乱光、及び発光は、集光レンズ18により検出器15
上に集光され、検出器15の出力信号のなかから位相変
調周波数の2倍の変調成分のみがロックインアップ16
により増幅されて電気信号処理装置40及びデータ解析
装置50により所望の処理がなされる。
【0038】このような第2実施例の構成によっても、
被検物体の光エコーを検出することができ、被検物体の
物理化学的情報を得ることができる。尚、上記の実施例
においては、いずれも検出器15において、照射光と同
一波長の光エコーを検出することとしたが、被検物体か
ら発する蛍光の光エコーを検出することも可能である。
この場合、検出器に至る光路上に蛍光の波長域のみを透
過するフィルタを設けることにより蛍光の光エコーのみ
を検出することができることは言うまでもない。
【0039】また、図1の例では光変調器として位相変
調手段5が使用されているが、光分割器2で2分された
光束の一方又は両方を強度変調するようにしてもよい。
この場合には、光分割器2により分割された2光束をそ
れぞれ強度変調するように図示なき強度変調器を光分割
器2と光合波器3との間に挿入し、ロックインアンプ1
6では、検出器15の出力信号からその強度変調器の変
調周波数の和、差又は(両方の光束を異なる変調周波数
で強度変調する場合には)2つの光束の各変調周波数の
整数倍の周波数の和、差の内の何れかの変調成分を抽出
する。
【0040】なお、本発明は上述実施例に限定されず本
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得るこ
とは勿論である。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、染色された生体材料や
無染色のタンパク質についても試料とすることができる
ようになり、光エコー顕微鏡の利用分野が大幅に広がる
利点がある。また、緑色超短パルスの第2高超波、即ち
紫外超短パルスを使用する場合には、波長帯がトリプト
ファン等のアミノ酸の吸収帯とほぼ一致しているため、
アミノ酸を含む生体材料を無染色で観察できる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光エコー顕微鏡の第1実施例を示
す構成図である。
【図2】本発明による光エコー顕微鏡の第2実施例を示
す構成図である。
【図3】図1におけるレーザー光源の詳細な構成を示す
ブロック図である。
【図4】本発明の他の実施例の光源系の構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 レーザー光源 2 光分割器 3 光合波器 4 光遅延手段 5 位相変調手段 11,12 対物レンズ 13 集光レンズ 15 検出器 20 被検物体 30 走査手段 40 電気信号処理装置 50 データ解析装置 61 モード同期YAGレーザー 62 1064nm用のパルス圧縮光学系 63 第2高調波発生装置 64 532nm用のパルス圧縮光学系 65 第2高調波発生装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像面上で点光源とみなせる空間コヒーレ
    ンスと所定の時間コヒーレンスとを有する光を発生する
    レーザー光源と、該レーザー光源からの光を2光束に分
    割する光分割器と、該分割された2光束の一方の光路中
    に配置された光遅延器と、前記分割された2光束の内の
    一方又は両方の光束を所定の周波数で変調する光変調器
    と、前記分割された2光束を合波する光合波器と、該合
    波された光束を被検物体上に導いて光スポットを形成す
    る照射光学系と、前記被検物体上に形成された前記光ス
    ポットを前記被検物体に対して相対的に走査する走査手
    段と、前記被検物体からの光を光検出器に導く集光光学
    系と、該光検出器の出力信号から前記光変調器の変調周
    波数の所定の変調成分を抽出する信号処理手段とを有
    し、 前記レーザー光源を、ネオジウムの発光スペクトルで発
    振してパルス光を発生するモード同期方式のレーザー装
    置と、前記発生されたパルス光の第2高調波を発生する
    第2高調波発生装置と、前記発生された第2高調波をパ
    ルス圧縮してパルス幅がサブピコ秒の緑色超短パルスを
    発生するパルス圧縮光学系とより構成し、前記緑色超短
    パルスを前記光分割器に供給する事を特徴とする光エコ
    ー顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記レーザー光源と前記光分割器との間
    に第2の第2高調波発生装置を配置し、前記レーザー光
    源から発生される前記緑色超短パルスの第2高調波を前
    記光分割器に供給する事を特徴とする請求項1記載の光
    エコー顕微鏡。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5648221A (en) * 1993-06-14 1997-07-15 Nikon Corporation Optical inspection method
JP2002048980A (ja) * 2000-06-17 2002-02-15 Leica Microsystems Heidelberg Gmbh 走査顕微鏡
WO2009016806A1 (ja) * 2007-07-27 2009-02-05 Nikon Corporation マルチフォトンレーザ走査顕微鏡装置
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CN102621121A (zh) * 2012-04-24 2012-08-01 福建师范大学 生物组织内源性成分的多模式多光子显微成像装置

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