JP5847821B2 - コヒーレント反ストークスラマン散乱(cars)分光法における非共鳴バックグラウンド低減のための方法および装置 - Google Patents

コヒーレント反ストークスラマン散乱(cars)分光法における非共鳴バックグラウンド低減のための方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、コヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS)分光法において得られる非共鳴バックグラウンドを低減または除去するための方法および装置に関する。
CARSは、化学分析、燃焼診断および流体診断に使用されてきた三次非線形光学的相互作用であり、現在では、(世界中の様々なグループにより)生物学的顕微鏡検査に適用されている。CARS信号は、常に非共鳴バックグラウンド(NRB)に伴って生じる。
蛍光顕微鏡検査により多数の細胞構造や細胞機能を研究できるようになったが、いくつかの固有の欠点がある。これは標的とされたタンパク質の機能を変化させ得る、蛍光染料によるタグ付きタンパク質や遺伝的に符号化された蛍光タンパク質を利用する。さらに、蛍光染料は照明下では退色し、これにより感度が制限され、また細胞内に反応種が形成される。CARSはこれらの問題を回避する。すなわち、標的分子にエネルギーを残さないパラメトリックプロセスであるため、退色の原因とならない。また、信号は振動共鳴に依存するため、タグ付けをしなくとも、化学種を特定できる。それゆえ、この10年間で活発に研究がなされ、顕微鏡検査へのCARSの適用が詳細に研究されている。
しかし、CARSはそれ自体にいくつかの欠点がある。CARSは、少なくとも2つの異なる周波数の3つのビーム(ポンプビーム、プローブビーム、およびストークスビームと呼ばれる)を試料内で結合させて四次反ストークスビームを生成する必要があるため、蛍光を用いる場合よりも実施するのに手間がかかる。また、全ての媒質が三次非線形光学応答を有するため、非共鳴バックグラウンド信号(NRB)と共に共鳴信号が常に生成される。CARSはコヒーレントなプロセスであるため、2つの信号は単に加算的ではない。つまり、これらの信号は、相対位相に依存して加算あるいは減算される。このため、ラインの形状が歪み、スペクトル分析が難しくなる。また、CARSは、ピークエネルギーの高いパルスレーザを必要とし、これらの条件下では、NRBは大きくなり、弱い共鳴信号が不明瞭になる。結果として、CARS顕微鏡検査の研究の大部分は、NRBを除去するための方法の開発に向けられてきた。
これまでのCARS顕微鏡検査の研究のほとんどは、高密度のC−H振動が、NRBとは区別され得る強い信号を送るため、脂質リッチ組織に注目していた。しかしながら、NRBによるラインの歪みや信号対バックグラウンドの減少のために、これまでのところ、CARS顕微鏡検査における当初の見込み、すなわち(自発ラマン散乱などでの)タグ付けのない化学的特異性の完全な実現は妨げられていた。
CARSは生物学では非常に有用な技術であるが、現在使用されているCARS顕微鏡の大部分は手作業により構築されたシステムである。したがって、複雑さ、費用、およびCARS顕微鏡を動作させるためには専門家の手によらねばならず、(最近まで)市販用の商品の開発は進まなかった。既存のNRB除去スキームは、空間光変調器(SLM)などの複雑な器具と共に、近トランスフォームリミットパルス(near transform limited pulse)を使用する高価なレーザシステムを必要とする。
(従来技術)
現在、NRB除去に向けた多様な取り組みが行われている。これらを分類すると主に5つ、偏光方法、時間的方法、計算手法、エピ検出、干渉方法(一部は互いに共通する)に
分けられる。
米国特許第6798507B2号明細書に、NRBに対して直角の偏光に沿ってCARS信号を検出することによって、NRBを排除しようと試みる偏光方法が記載されている。これらの方法は、光学系における欠陥が信号チャネルにNRBを漏洩させてしまうため、低信号レベル(共鳴信号は、ヘテロ方式またはホモダイン方式においてみられるように増幅されない)および大きな線形バックグラウンドという問題がある。また、信号は濃度の2乗に比例するため、感度が制限される。
時間的方法では、NRBは励起場(driving field)によって瞬間的に生成される一方、共鳴励起は一般に数ピコ秒持続するという事実を利用している。プローブパルスをポンプパルスおよびストークスパルスに対して遅延させることによって、NRBを低減させることが可能となる。これらの技術はまた、共鳴励起が時間と共に指数関数的に減衰しかつプローブされているラマンモードのディフェージング(dephasing)時間に信号が依存するため、低信号レベルという問題がある。また、信号は濃度の2乗に比例する。
さまざまな計算手法により、生CARSスペクトルからの非線形応答の位相を回復させ、その後、共鳴応答を実成分と虚数成分とに分離できるようにし、かつNRB(一般に実成分のみを有する)を除去できるよう試みられている。これらは、おおまかに、最大エントロピーモデル決定手法を使用する方法(Vartiainen et al「Direct extraction of Raman line-shapes from congested CARS spectra」、Optics Express 14(8):3622-30, 2006)、および因果性条件と組み合わせてフーリエ解析を使用する方法(例えば、Liu et al「Broadband CARS spectral phase retrieval using a time-domain Kramers-Konig transform」、Optics Letters 34(9):1363-5, 2009およびLiu et al「Fast extraction of resonant vibrational response from CARS spectra with arbitrary nonresonant background」、Journal of Raman Spectroscopy 40:726-31, 2009)に分類できる。これらは全て、NRBの独立測定(試料全体にわたって大きさおよび形態が変化し得る)、または共鳴成分に対するその平滑性および強度についての仮定のいずれかを必要とする。大きな共鳴応答は正確に回復されず、小さな共鳴は失われることがあり、これらの技術では、NRBの変動が試料の共鳴と同様のスペクトル幅を有する場合(安価なスーパーコンティニウム光源に基づくCARSシステムの場合)破綻する。
米国特許第6809814B2号明細書に記載されているように、エピ検出された(epi-detected)CARSでは、CARSの位相整合条件ゆえに、入力フィールドの波長よりも小さい物体によって信号が逆方向にのみ生成され得るという事実に依存する。この方法は、高コントラストを与えるが、これらサブ波長の物体に限定される。
さまざまな干渉方法において、NRBを排除するために、相互作用のコヒーレントな性質が利用される。これらの多くは、局部振動(LO)場とコヒーレントに混合することによって共鳴信号を増幅するという利点を有する(例えば米国特許第7586618B2号明細書、および米国特許出願公開第2010/0110426A1号明細書参照)。通常、この場合は、反ストークス信号が濃度に直線的に比例し、小さい信号が検出しやすくなるという追加的な利点が得られる。
干渉CARSシステムの大部分(特に広帯域システム)は、空間光変調器(SLM)を介したパルス整形を使用する。一部のシステムにおいては、スペクトルピークにおいてπ位相ステップで狭プローブパルスを生成することによってNRBを抑制する一方、他のシステムにおいては、逆位相のスペクトルシフトされたパルスまたは一時的に広げられたパルスを使用する(例えば米国特許出願公開第2010/0110426A1号明細書参照)。しかし、SLMは複雑かつ高価であり、SLMの向きの調整や使用には専門知識を必
要とし、SLMのスペクトル幅および分解能は、SLMの全体の幅や画素サイズによって制限される。さらに、これらの干渉システムのほとんどは、トランスフォームリミットレーザパルスを必要とする。これは、システム内の他の光学系での分散は予め補正される必要があり、このためシステムがさらに複雑になることを意味する。これは、超高速パルスを使用して広スペクトル域を提供する手法では特に問題となる。すなわちパルスが短くなるにつれ、分散は遥かに制御しにくくなる。これは、SLMにおいて考慮されることが多いものの、これによりシステムの動作がより複雑になり、測定を行う前に、予め適切に較正する必要があることを意味する。高いモード品質の出力を行う超高速レーザシステムは非常に高価となる傾向があり、維持するためには相当な専門知識を必要とすることが多い。
ヘテロシステムおよびホモダインシステムは、非共鳴バックグラウンドをLO(例えば米国特許第7586618B2号明細書またはLim et al「Single-Pulse phase-control interferometric coherent anti-Stokes Raman scattering spectroscopy」、Physical Review A 72 041803(R), 2005を参照)、または外部で生成されたLO(例えば米国特許第7586618B2号明細書を参照)のいずれかとして使用する。外部で生成されたLOは、その全スペクトル幅にわたって固定位相を有する必要があり、これは、分散を注意深く補償する必要があることを意味する。そのようなシステムはまた、試料とLOを生成する媒質との間で極めて安定している必要がある。内部で生成されたLOは、全てのビームが共通経路を有しかつ信号場に生じる分散とLOとの間に差がないため、スペクトル安定性が保証されるという利点を有する。それゆえ、内部LOを有するヘテロおよびホモダインによる干渉システムは、堅牢な高信号のNRB除去に最も期待できるオプションである。
本発明により密接な関連性のあるバックグラウンドは、Lepetit et al「Linear techniques of phase measurement by femtosecond spectral interferometry for applications in spectroscopy」、J. Opt. Soc. Am B, Vol 12, No. 12, Dec 1995(米国特許第6020963号明細書も参照)において説明されている二重直交スペクトル干渉分光法(DQSI:Dual Quadrature Spectral Interferometry)のプロセスである。これは、直線ビームが媒質を通過して媒質による影響を受けた後に、円偏光ビーム(参照場)を直線偏光ビームで干渉することによって、媒質の光応答をプローブするためのシステムである。得られるビームは、2つの正射影に分割され、分光計において分散し、かつ検出器上に像が映される。測定された射影の一方は、直線偏光ビームの実部と混合された参照ビームを有する一方、他方では、虚数部と混合される。参照ビームの位相が公知の場合、これは、直線偏光ビームの振幅および位相の双方を決定できるようにする。
Lepetitの研究をCARSに適用する可能性に関して、DQSIをマッツェンダー干渉計装置に組み込んでも、実際には、参照パルスが物体を通過することは許容されないため、共線的な構成では機能しない。それゆえ、このような配置は、CARSからのNRBの除去には適さない。さらに、CARSに内在する対称性ゆえに、円偏光ポンプビーム(すなわちφ=45°)を使用すると、三次応答の虚数成分に関する情報が与えられない。
従来技術に関連する一部分は、Lim et al(同書)に説明されているDQSI−CARSである。このシステムでは、超高速レーザからの広帯域パルスを、空間光変調器(SLM)を介して処理し、パルスの短波長端のごく一部分が、直交偏光および任意の位相を与えられるようにする。狭帯域部分はプローブビームであり、広帯域成分は、ポンプビームおよびストークスビームの双方としての機能を果たす。プローブのために生成された偏光は、ストークスビームに直交する成分のみを有し、いずれの位相も設定できる。検出はポンプ/ストークスビームに対して±45°で実施される。このシステムからのデータの分析は、三次応答の成分のうち2つを無視できるように、プローブパルスが広帯域パルスと
比較して弱いこと、およびNRBが主にポンプ/ストークスの方向に沿って方向付けられることを必要とする。注目すべきことは、広帯域パルスを使用してCARSを効果的に励起させ、ストークス光子およびポンプ光子の双方を供給するために、パルスは、全ての波長においてほぼ同じ位相を有する必要がある(すなわち近トランスフォームリミットパルスである必要がある)ことである。このため、パルスの分散を注意深く補正する必要がある。
最後に、Lu et al「Elliptically polarized coherent anti-Stokes Raman scattering
microscopy」、Optics Letters Vol 33, No. 23, December 1 2008に、楕円の特定のアスペクト比が1:31/2である楕円偏光ポンプ場を直線偏光ストークス場と共に使用するCARS顕微鏡が説明されている。ここで、生成された反ストークス放射が、ストークスビームと同じ偏光で検出される。楕円偏光に特定のアスペクト比を使用することによって非共鳴偏光を相殺するが、ラマン活性分子振動の共鳴偏光解消比が1/3に等しいときに、この技術を使用できないことを意味する。
本発明の実施形態は、CARSを実施するための単純化された装置の開発に部分的に関連する研究から生み出されたものである。本発明の実施形態は、トランスフォームリミットパルスを有しない安価なレーザシステムを使用するときでもNRBを除去できる、単純かつ堅牢なシステムを提供する。特に、共鳴CARS信号は実成分および虚数成分を有する。虚数成分は、自発ラマンスペクトルに直接関係し、これについては化学物質検知が可能な大規模なスペクトルデータベースが既に存在する。他方、NRB信号は実成分のみを有する。このため、本発明の実施形態では、CARS信号全体の虚数成分を回復することを狙いとして、直交偏光において2つのCARS信号を同時生成することによって達成する。つまり、一方が、実成分に破壊的に干渉する(すなわち実成分から減算される)虚数成分、他方が、それらに建設的に干渉する虚数成分を有する。これら2つの偏光を測定して、それらを減算することによって、信号の実部を相殺し、虚数成分のみを残す。
本発明の一実施形態では、ポンプ光子およびプローブ光子は、同一のレーザビームによって提供される。2つの直交CARS信号を生成するために、ポンプ/プローブビームEは2つの直交成分に分けられ、そのうちの一方が1/4波長だけ遅延される。これは、例えばλ/4波長板に通過させることによってポンプ/プローブビームを楕円偏光させることに等しい。ストークスビームEが所与の方向に沿って直線偏光され、その後、試料内で生成されかつ直交偏光を有する反ストークス信号が、ストークスビームに対して±45°で検出される。次いで、検出された反ストークス信号について、一方を他方から減算することでラマンスペクトルに関する虚数成分を得る。
別の実施形態では、ポンプ/プローブビームが代わりに直線偏光され、ストークスビームは楕円偏光(好適には円偏光)にされる。この場合、試料内で生成された反ストークス信号は、直線偏光ポンプ/プローブビームに対して±45°での直交偏光を有する。そこで、ここでもこれらについて一方を他方から減算することでラマンスペクトルを得る。
上記を考慮して、本発明の一態様は、コヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS)分光法において得られる非共鳴バックグラウンド信号を低減させる方法を提供し、この方法は、直線偏光を有する第1のビームを生成するステップであって、第1のビームが、ストークスビームまたはポンプ/プローブビームの一方のビームであるステップと、一方が他方に対してλ/4だけ遅延されている2つの直交成分を有する第2のビームを生成するステップであって、第2のビームが、ストークスビームまたはポンプ/プローブビームの他方のビームであるステップと、ストークスビームおよびポンプ/プローブビームを、
特性化対象の試料に向け、これから2つの直交偏光反ストークスビームを得るステップと、干渉する実成分および虚数成分をそれぞれ有する2つの直交偏光反ストークスビームを分離し、それらの信号を検出するステップと、試料のラマンスペクトルに関する信号を含む虚数成分を得て、非共鳴バックグラウンド信号を含む実成分を減少させるよう反ストークス信号を処理するステップとを含む。
好ましい実施形態では、第2のビームが楕円偏光されることで2つの直交成分が生じる。特定の実施形態では、第2のビームが楕円偏光されて、第2のビームの楕円偏光の長軸または短軸が、第1のビームの直線偏光と整列し、第1のビームに平行な第2のビームの第1の直交成分が、第1のビームに直角な第2の直交成分に対して直角位相を有する。
一実施形態では、第1のビームがストークスビームであり、第2のビームがポンプ/プローブビームである場合に、楕円偏光は、ポンプ/プローブビームの楕円偏光の第1および第2の直交成分がそれぞれ等しくもなくゼロでもない。この実施形態において好適には、楕円偏光は、ポンプ/プローブビームの第1および第2の直交成分の比が実質的にtan(π/8)または実質的にtan(3π/8)であり、反ストークス信号の虚数成分が最大にされる。
別の実施形態では、第1のビームがポンプ/プローブビームであり、第2のビームがストークスビームである場合に、楕円偏光は、ストークスビームの楕円偏光の第1および第2の直交成分がそれぞれゼロよりも大きい。この実施形態において好適には、ストークスビームが実質的に円偏光され、反ストークス信号の虚数成分が最大にされる。
本発明の実施形態では、試料内で生成される直交偏光反ストークスビームの一方が、建設的に干渉するその実成分および虚数成分を有し、直交偏光反ストークスビームの他方が、破壊的に干渉するその実成分および虚数成分を有する。
一実施形態では、第1および第2のビームが共線的に試料に向けられる。
別の実施形態では、直交反ストークスビームは、偏光ビームディスプレーサを使用して分離される。別の実施形態では、直交反ストークスビームは、ウォラストンプリズムを使用して分離される。
さらに、本発明の一部の実施形態では、直交反ストークスビームが、分光計およびCCDと、1つ以上の光電子増倍管と、1つ以上のアバランシェフォトダイオードと、1つ以上のフォトダイオードとからなる群のいずれか1つ以上を使用して検出される。
本発明の種々の好適な実施形態では、上記処理は、一方の直交反ストークス信号を他方から減算し、非共鳴バックグラウンドを含むその実成分を実質的に低減または除去することを含む。特定の実施形態では、上記処理はさらに、減算の前に、各偏光に対する感度の差を考慮するために、2つの信号を正規化することをさらに含む。
最後に、本発明の実施形態では、直交偏光反ストークスビームは、直線偏光を有する第1のビームの偏光に対し±45°の角度で検出される。これにより、ストークスビームが直線偏光される場合、反ストークスビームは、ストークスビームの偏光角のいずれかの側で、偏光角45°で検出される。同様に、ポンプ/プローブビームが直線偏光される場合、反ストークスビームは、ポンプ/プローブビームの偏光角のいずれかの側で、偏光角45°で検出される。
別の態様から、本発明はまた、コヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS)分光
法において得られる非共鳴バックグラウンド信号を低減するための装置を提供し、この装置は、直線偏光を有する第1のビームを生成するように配置された第1のビーム生成手段であって、第1のビームがストークスビームまたはポンプ/プローブビームの一方のビームである第1のビーム生成手段と、一方が他方に対してλ/4だけ遅延されている2つの直交成分を有する第2のビームを生成するように配置された第2のビーム生成手段であって、第2のビームがストークスビームまたはポンプ/プローブビームの他方のビームである第2のビーム生成手段と、ストークスビームおよびポンプ/プローブビームを、特性化対象の試料に向け、これから2つの直交偏光反ストークスビームを得るように配置された顕微鏡手段と、干渉する実成分および虚数成分をそれぞれ有する2つの直交偏光反ストークスビームを分離するように配置されたビーム分離器と、分離されたビームの信号を検出するように配置された信号検出器と、試料のラマンスペクトルに関する信号を含む虚数成分を得て、非共鳴バックグラウンド信号を含む実成分を減少させるよう反ストークス信号を処理するように配置された信号処理部を含む。
第2の態様においては、第1の態様について上記で説明したような様々な特徴や付随する利点を採用することができる。
本発明のさらなる特徴および利点については、以下の好適な実施形態の説明にて例示的に添付の図面を参照しながら示される。また、同一の構成要素に対しては同一の番号を付す。
本発明の第1の実施形態の光回路図である。 本発明の第2の実施形態の光回路図である。 第1の実施形態におけるポンプ/プローブおよびストークスビームの偏光の向きを示す図である。
本発明の実施形態によって解決される問題は、CARS信号からの非共鳴バックグラウンドの除去である。本発明の実施形態では、本質的には干渉プロセスによってこれを達成する。共鳴CARS信号は実成分および虚数成分を有する(これは単に、一方の成分(実成分)が、励起場と同位相において生成され、他方の成分(虚数成分)が直角位相において生成される。すなわち、1/4波長だけ位相シフトされていることを言う)。実成分の共鳴部のスペクトルは「分散的」であり(共鳴ではゼロを通り、共鳴の周りで奇対称である)、かつ虚数成分は共鳴ではピークに達し、偶対称である。虚数成分は自発ラマンスペクトルに直接関連し、これについては化学物質検知が可能な大規模なスペクトルデータベースが既に存在する。他方、NRB信号は実成分のみを有する。このため、回復対象の成分は、CARS信号全体の虚数成分である。
これは、本発明の実施形態において、直交偏光で2つのCARS信号を同時に生成することで達成される。すなわち、一方は、実成分に破壊的に干渉する(すなわち実成分から減算される)虚数成分を有し、他方は、建設的に干渉する虚数成分を有する。これら2つの偏光を測定し、それらを減算することによって、信号の実部を相殺し、虚数成分のみを残す、すなわち(Re+Im)−(Re−Im)=2Imである。
以下に説明する第1の実施形態では、ポンプ光子およびプローブ光子は、同じ狭帯域レーザビームによって提供される。2つの直交CARS信号を生成するために、ポンプ/プローブビームEは2つの直交成分に分割され、そのうちの一方が、図3に示すように、1/4波長だけ遅延される。これは、λ/4波長板を通過させることによってポンプ/プローブビームEを楕円偏光することに等しい。ストークスビームEは、所与の方向に
沿って直線偏光され、反ストークス信号は、ストークスビームに対して±45°で(図3のiおよびjに沿って)検出される。
理論を用いて、考えられる全ての偏光の組み合わせを考慮し、等方性媒質の対称性を用いると以下の結果が得られる。
Figure 0005847821
したがって、上式から、最大の虚数成分は、φ=67.5°または22.5°の場合に達成されることが分かる。この条件は、ポンプビームのλ/4板(後述)の軸の1つとストークスビームとを整列させ、かつ、ストークス方向に対して±67.5°または±22.5°で直線偏光ポンプビームをそれに入射させることによって、実験的に得ることができる。ここで注目すべきは、これらの方向はまた、±112.5°および±157.5°の角度でのポンプビームの入射と等価であり、必要な楕円率を生成する全ての向きが包含されていることである。また、偏光光学系と対物レンズとの間の光学系は、場の偏光状態を変化させる。このため、以下に説明する本発明の装置では、波長板および偏光子は、これらの効果を補償するような向きに配され、焦点での偏光状態が所望の状態となる(すなわち図3を参照)。また、注目すべきは、上式中のχ 1111−3χ 1212は、一般に振動共鳴においてゼロでないことである。この項は、非共鳴バックグラウンドXnrによって増幅され、かつχにおいて直線であることも注目すべきである。iおよびjに沿った実成分は、φ=67.5°の場合には小さくなるので、この構造は、信号の実部がショット雑音にあまり貢献しないため、φ=22.5°の場合よりも良好な信号対雑音を与えると考えられる。
上述の必要な偏光条件を生成するための光回路に関して、図1に、本実施形態によるCARS顕微鏡を提供するための光回路の一例を示す。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態は、レーザ光源(図示せず)、偏光光学系の特定の構成、焦点レンズ、および検出器からなる。レーザは、少なくとも2つの異なる波長の同期パルスを生成可能である必要がある。本実施形態は、狭帯域(およそ単一の波長)出力と同期した広帯域レーザパルス(広範囲の波長からなる)を有するシステムを使用する。どのようにパルスが生成されても、これらのパルスは、最終的には2つのパルス列に形成され、そのうちの一方が狭帯域であり、かつ他方よりも高エネルギーとなる。高エネルギーパルスはポンプ/プローブビームと呼ばれ、低エネルギーパルスはストークスビームを構成する。
図1に示すように、本実施形態では、上述の特徴を有するレーザ光源(図示せず)を使用してストークスビーム2を生成する。ストークスビーム2は、特定の方向に沿って直線偏光される。これは、ビームをλ/2波長板6(HWP)および直線偏光子4(LP)(配置順序はいずれでもよい)を通過させることによって達成される。x軸がストークスビームの偏光の方向に沿っており、かつビームがz軸に沿って伝搬するような座標系を選択する。また、レーザ光源は、上述の特徴を有するポンプ/プローブビーム8を発生する。ポンプ/プローブビーム8は、特定の楕円率およびストークスビームに対する向きを有する楕円偏光ビームに形成される。特に、本実施形態では、ポンプ/プローブビーム8の楕円率は、約+π/8または−π/8ラジアンであり、長半径は、x軸(φ=±22.5°)に沿って向けられているか、またはy軸(φ=±67.5°)に沿って向けられているかのいずれかである。これは、ビーム8を直線偏光子10(LP)およびλ/2板12(
HWP)に、その後λ/4板14(QWP)に通過させることによって達成される。上述のように、所望の楕円偏光条件は、ポンプビームのλ/4板の軸の1つとストークスビームとを整列させ(後述)、かつ、ストークス方向に対して±67.5°または±22.5°で直線偏光ポンプビームをそれに入射させることで、実験的に得ることができる。
したがって、この段階でストークスビーム2は直線偏光され、直線偏光の方向が座標系x軸を規定し、かつポンプ/プローブビームは楕円偏光され、その長軸はストークスビームに平行または垂直であり、楕円率は±22.5°であり、出力端において反ストークス信号の最大虚数成分が得られる。さらに後述するように、最適ではない実施形態では他の偏光角を使用してもよいが、反ストークス信号の虚数成分は最大にされない。
CARSは干渉混合プロセスであり、ポンプ/プローブビームおよびストークスビームは、撮像されている試料内で相互作用し、かつ三次非直線偏極を有するコヒーレント放射源を誘導する。CARSの後の物理的なプロセスのさらなる詳細は、論文Volkmer, A「Vibrational imaging and microspectroscopies based on coherent anti-Stokes Raman scattering microscopy」J. Phys. D: Appl. Phys. vol 38 (2005) R.59-R81に記載されている。本実施形態において上記混合を行うため、好適なダイクロイックフィルタ16でポンプ/プローブビーム8およびストークスビーム2を混合し、それらが共線となるようにする。ダイクロイックフィルタ16は、ポンプ波長とストークス波長との間の遷移波長を有し、ロングパスフィルタまたはショートパスフィルタのいずれかとすることができる(この区別は、単に、共線ビームが出射する方向を変化させるにすぎない)。
複数の共線ビーム(17)を得たら、共線ビームを好適な顕微鏡光学系18によって対象試料に焦点を合わせ、その結果得られる光(ここではCARS信号を含む)を別の顕微鏡のレンズによって集め、励起場をショートパスフィルタ20(SP)によって除去する。ここで注目すべきは、二次元の顕微鏡画像を得るために、共線ビームは、好ましくは、好適に制御された光学系(すなわちジンバルミラー)によって、もしくはビーム内で試料を動かすことによって、またはこれら2つの組み合わせによって、試料の全域にラスター走査されることである。
ショートパスフィルタ20によるフィルタリング後、残りの光は、偏光ビームディスプレーサ22(PBD)、またはウォラストンプリズム23(WP)などの偏光偏角プリズムを通過する。これらは、ストークスビーム偏光に対して±π/4ラジアンで偏光を分割するような向きに配される。その後、これら2つの直交偏光の像が検出器上に映される。本実施形態では、直交偏光は分光計24によって分散され、CCD検出器26上に像が映される。ただし、狭帯域ストークスビームを備える他の実施形態では、代わりに、光電子増倍管(PMT)またはアバランシェフォトダイオード(APD)などの点検出器28上に像が映される。
ここで考慮すべきは、2つの直交偏光を有する2つのCARS信号は、偏光の一方が、実成分に破壊的に干渉する(すなわち実成分から減算される)虚数成分を有し、かつ他方の偏光が、それらと建設的に干渉する虚数成分を有する特性を有することである。そこで、例えば適切なソフトウェアを実行するコンピュータによって(図示せず)、一度捕らえた2つの偏光を表す2つの被検出信号を処理する。適用される処理には、それぞれが生成されたCARS偏光のうちの1つを表す捕らえた各信号に対して、各偏光の感度の差を考慮した因子を乗算し、正規化信号を生成することと、その後、正規化信号の一方を他方から減算して実成分を相殺し、ラマンスペクトル含む虚数成分を保持することとが含まれる。次いで、得られたラマンスペクトルを既知のラマンスペクトルのデータベースと比較することで、試料に関する化学的および物理的構造の情報を提供できる。
本発明の実施形態の主な利点は、その単純さかつ堅牢さにあり、従来のものよりも特に単純かつ安価なレーザシステムによって、NRB補正されたCARS信号の測定が可能になることである。例えば、広域スペクトルのスーパーコンティニウムレーザを使用してもよく、特にフォトニック結晶ファイバーに基づくものを使用してもよい。
より具体的には、短レーザパルスをフォトニック結晶ファイバー(PCF)に通過させることによって、極めてスペクトルの広いパルスを発生させることができる。これは、超短パルスを生成したり一時的に圧縮したりするよりも、技術的に特に単純なプロセスであり、現在では比較的安価な市販のシステムが利用できる。しかしながら、得られるパルスはトランスフォームリミットパルスではないため、既存の干渉NRB除去技術をそれに適用することができない。本発明の実施形態では、そのようなパルスによって生成されたCARSから、単純な光学系のみを使用してNRBを除去することができる。NRBの除去が可能なのは、検出される干渉が、本質的に、同一のビームによって生成された信号間で行われ、両信号は1/4波長シフトされるだけで、同一の経路をたどるためである。本発明の実施形態は、単純でありながら、他のシステムの利点、すなわち、三次CARS応答の虚数成分のホモダイン増幅も引き継いでいる。
上述の実施形態に種々の変更を行うことで、別の実施形態を提供することもできる。
例えば、一部の実施形態では、光源で生成される偏光状態に応じて、偏光光学系のいくつか、例えば直線偏光子、半波長板、または4分の1波長板等を必須としなくともよい。本実施形態において重要なことは、ビームの相対偏光、すなわち、ストークスビームが直線偏光され、ポンプ/プローブビームが楕円偏光されることであり、これは出射時に直交CARS信号を生じるのは楕円偏光であるためである。さらに、適当な偏光角を選択することによって、CARS信号の虚数成分を最大にすることができる。
この点において、より一般的には、本発明の実施形態は、ストークスビームに平行なポンプ/プローブビームの成分が、ストークスビームに垂直な成分に対して直角位相を有するようにすることを含む。これには、ポンプ/プローブビームの楕円偏光の長軸または短軸を、ストークス偏光と整列させる必要がある。ポンプ/プローブビームの成分の振幅は、互いに等しくなく、いずれもゼロでないものとすることもできる。ここで、振幅の最適比はtan(π/8)およびtan(3π/8)である。
後者の場合について、上述の実施形態で説明したように、(ストークスビームの直線偏光の方向に対して測定される)±22.5°または±67.5°を使用する。これらの値は、楕円率角φが出射時の直交CARS信号における虚数成分を最大にするためである。このような構成が望ましいが、次善的な実施形態では、異なる角度を使用することもできる。ただし、虚数成分に付随する減少が伴うため、出力信号における信号対雑音比が低下する。例示的な外側限界において、φは、実質的に±2.5°〜実質的に±42.5°の範囲、および実質的に±47.5°〜実質的に±87.5°の範囲(すなわち最大値のいずれかの側の20°)、より好ましくは各最大値の10°以内(すなわち実質的に±12.5°〜実質的に±32.5°の範囲、および実質的に±57.5°〜実質的に±77.5°の範囲)、またはより好ましくは各最大値の5°以内(すなわち実質的に±17.5°〜実質的に±27.5°の範囲、および実質的に±62.5°〜実質的に±72.5°の範囲)、またはさらに好ましくは各最大値の2°以内(すなわち実質的に±20.5°〜実質的に±24.5°の範囲、および実質的に±65.5°〜実質的に±69.5°の範囲)の値を取り得る。しかし、理想的には、上記構成は、上述の通り角度が実質的に±22.5°または±67.5°である必要があり、これらの角度が、最大化された虚数成分を生じる。φがこれらの角度から変化すると、虚数成分は減少する。最大角度のうちの一方の側に対して20°では、直交反ストークスビームの虚数成分は、最大の17%にす
ぎない。
さらに、別の実施形態内では、レーザ光源の偏光状態に応じて、例えば空間光変調器を介する等、必要となる特定の偏光状態を生成する代替的な手法があるが、このような手法はより複雑であり、上記の好適な実施形態よりも高価な機器を必要とする。
上述の実施形態では、ダイクロイックミラーを使用して、偏光ポンプ/プローブビームおよびストークスビームを共線的に試料に向ける。他の実施形態では、ビームスプリッターまたはノッチフィルタを使用してもよい。
また、代替的な実施形態は、直交信号偏光を検出する手法が異なってもよい。一実施形態では、直線偏光子を異なる方向に向けて、上記2つの測定を連続的に行うこともできるが、偏光ビームディスプレーサまたはウォラストンプリズムを使用して信号をCCDカメラ上で分離させる上述の実施形態では、両信号が一度の照射で得られるため、より好都合である。他の種類の偏光光学系、例えばNomarskiプリズム、Nicolプリズム、偏光ビームスプリッターなどを使用して、2つの直交信号偏光を分離してもよい。
別の実施形態では、スーパーコンティニウムレーザなどの単一の広帯域光源を使用して、ポンプ/プローブビームおよびストークスビームを生成してもよい。そのような場合には、この実施形態の動作は、2つの直交偏光CARS出力ビームを生成するために直交成分を有するビームが必要となる上述のものと同一であり、上記の種々の実施形態の動作概念は、「単一ビーム」のCARS装置にも適用できる。
他の実施形態では、狭帯域レーザ光源を使用してもよく、単一波長においてCARS信号をNRBフリーで測定できる。これは、上記で実施した広帯域の場合を単純化しただけのものであり、本発明が既存の狭帯域CARSシステムに適用可能であることを示す。
上記の代替的な一実施形態では、楕円偏光されているポンプ/プローブビームの代わりに、ストークスビームを楕円偏光にすることができ、かつポンプ/プローブビームは所与の方向に沿って直線偏光される。次いで、CARS信号場が、ポンプ/プローブビームの偏光に対して±π/4ラジアンでの偏光において検出される。この例では、CARS信号は下記の式で与えられる。
Figure 0005847821
この実施形態では、ポンプ/プローブビームに平行および垂直な方向に沿ったストークスビームの成分は、互いに対して直角位相を有する必要がある。また、前因子sin(2φ)にも注目すべきである。よって、これらの成分のいずれもゼロとすることはできず、および最適な信号は、成分の大きさが等しいときに得られる(すなわちストークスビームが円偏光される)。そのような配置は、波長毎に広帯域ビームに同じ楕円偏光を与えることが(可能であるとはいえ)実験的に困難であるため、広帯域ストークスビームの場合に適しているとはいえない。しかし、狭帯域ストークスビームの場合は簡単に実施できる。
必要な光回路に関して、図1に示すものと同じ光回路を使用してもよいが、ストークスビーム光源およびポンプ/プローブビーム光源を交換する(特に狭帯域ストークスビーム光源の場合)。すなわち、ビーム2が直線偏光ポンプ/プローブビームになり、およびビーム8が楕円偏光(最適には円偏光)ストークスビームとなる。通常、円偏光ストークス
ビームを得るために、4分の1波長板14を、入射光に対して45°の角度に設定する。
本発明の主実施形態の双方(すなわち、ストークスビームが直線偏光される第1の実施形態、またはポンプ/プローブビームが直線偏光される代替的な実施形態)を、ポンプおよびプローブビームが異なる周波数を有する構成(非劣化CARS)、およびビームが共線上にない構成(例えばBOXCARSおよび広視野CARS)に適用できる。共線上にない構成に関して、偏光は、生成された反ストークスビームの伝搬方向に直角の平面において、上記で特定した偏光条件を有するように調整する。
また、本発明の実施形態の動作概念は、CARS顕微鏡検査以外の追加的な応用を有してもよい。この点において、共鳴によって励起される振動子は、励起場に対して直角位相で振動するということが一般的な結果である。そのため、本発明の上記実施形態の動作概念は、原理上、他の実施形態における電磁場を用いる任意の三次相互作用に適用できる。
特に、本発明の他の実施形態では、ポンプ/プローブビームまたはストークスビームにおいて楕円偏光を使用して、直角位相場を生じさせ、三次コヒーレント混合プロセスからの直交偏光と反対に相互作用させる実施形態の動作概念は、CARSを用いかつ非共鳴バックグラウンドの問題を有する他の領域、例えば燃焼診断、微量の固形物のスタンドオフ検出、表面増強CARS(SECARS)、およびCARS顕微鏡検査のあらゆる形態に適用される。さらに、自発ラマン散乱を使用する技術、例えば半導体ウエハー検査等にも適用され、上記動作概念により、自発ラマン散乱と同じ特性(すなわち三次応答の虚数成分)の測定を行うことができる。しかしながら、CARSプロセスは桁数が大きいため、本明細書ではCARS適用に焦点を当てる。
さらに別の実施形態を提供するための変更例として、パルスを構成する異なる波長が一時的に広がるように、ポンプビームをチャープすることができる。これによりポンプパルスがストークスパルスに重なる持続時間を長くすることができるが、これはストークスパルスも幾分チャープを有するかまたは持続時間がより長くなる場合に適用でき、これによって信号が強まる。また、ポンプビームのチャーピングにより、その瞬間スペクトル幅が小さくなり、これによって反ストークス信号のスペクトル分解能が高まる。パルスのチャーピングは、回折格子、プリズム、チャープミラー、またはグリズム等の分散性光学素子を組み合わせることによって、または単に、ガラス等の分散性媒質に十分通過させることによって達成できる。図2は、チャーピングが一対の同一の格子15によって実施される別の実施形態を示す。第1の格子は、パルスをスペクトルで分散させ、第2の格子は、パルスの波長を再コリメートし、これにより各波長が異なる光路長で他方へ進行する。一対の回折格子15を追加する以外は、図2の実施形態の構造および動作は、上述の図1と同一である。
上記の実施形態に対して、追加、削除あるいは代用によるさらなる変更を行うことができ、それらはいずれも添付の特許請求の範囲に包含される。

Claims (28)

  1. コヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS)分光法において得られる非共鳴バックグラウンド信号を低減させる方法であって、
    直線偏光を有する第1のビームを生成するステップであって、前記第1のビームが、ストークスビームまたはポンプ/プローブビームの一方のビームであるステップと、
    一方が他方に対してλ/4だけ遅延されている2つの直交成分を有する第2のビームを生成するステップであって、前記第2のビームが、前記ストークスビームまたは前記ポンプ/プローブビームの他方のビームであるステップと、
    前記ストークスビームおよび前記ポンプ/プローブビームを、特性化対象の試料に向け、これから2つの直交偏光反ストークスビームを得るステップと、
    干渉する実成分および虚数成分をそれぞれ有する前記2つの直交偏光反ストークスビームを分離し、それらの信号を検出するステップと、
    前記試料のラマンスペクトルに関する信号を含む前記虚数成分を得て、前記非共鳴バックグラウンド信号を含む前記実成分を減少させるよう前記反ストークス信号を処理するステップと、
    を含む方法。
  2. 前記第2のビームが楕円偏光されることで前記2つの直交成分が生じる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2のビームが楕円偏光されて、前記第2のビームの前記楕円偏光の長軸または短軸が、前記第1のビームの前記直線偏光と整列し、前記第1のビームに平行な前記第2のビームの第1の直交成分が、前記第1のビームに直角な第2の直交成分に対して直角位相を有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1のビームが前記ストークスビームであり、前記第2のビームが前記ポンプ/プローブビームである場合に、前記楕円偏光は、前記ポンプ/プローブビームの前記楕円偏光の前記第1および第2の直交成分がそれぞれ等しくもなくゼロでもない、請求項3に記載の方法。
  5. 前記楕円偏光は、前記ポンプ/プローブビームの前記第1および第2の直交成分の比
    an(π/8)またはtan(3π/8)であり、前記反ストークス信号の前記虚数成分が最大にされる、請求項4に記載の方法。
  6. 前記第1のビームが前記ポンプ/プローブビームであり、前記第2のビームが前記ストークスビームである場合に、前記楕円偏光は、前記ストークスビームの前記楕円偏光の前記第1および第2の直交成分がそれぞれゼロよりも大きい、請求項3に記載の方法。
  7. 前記ストークスビームが円偏光され、前記反ストークス信号の前記虚数成分が最大にされる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記第1および第2のビームが共線的に前記試料に向けられる、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記直交反ストークスビームが、偏光ビームディスプレーサまたはウォラストンプリズムを使用して分離される、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記直交反ストークスビームが、分光計およびCCDと、1つ以上の光電子増倍管と、1つ以上のアバランシェフォトダイオードと、1つ以上のフォトダイオードとからなる群のいずれか1つ以上を使用して検出される、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記処理が、一方の直交反ストークス信号を他方から減算し、前記非共鳴バックグラウンドを含むその前記実成分を低減または除去することを含む、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記処理が、前記減算の前に、各偏光に対する感度の差を考慮するために、前記2つの信号を正規化することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記直交偏光反ストークスビームが、前記直線偏光を有する前記第1のビームの前記偏光に対し±45°の角度で検出される、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の方法。
  14. コヒーレント反ストークスラマン散乱(CARS)分光法において得られる非共鳴バックグラウンド信号を低減する装置であって、
    直線偏光を有する第1のビームを生成するように配置された第1のビーム生成手段であって、前記第1のビームがストークスビームまたはポンプ/プローブビームの一方のビームである第1のビーム生成手段と、
    一方が他方に対してλ/4だけ遅延されている2つの直交成分を有する第2のビームを生成するように配置された第2のビーム生成手段であって、前記第2のビームが前記ストークスビームまたは前記ポンプ/プローブビームの他方のビームである第2のビーム生成手段と、
    前記ストークスビームおよび前記ポンプ/プローブビームを、特性化対象の試料に向け、これから2つの直交偏光反ストークスビームを得るように配置された顕微鏡手段と、
    干渉する実成分および虚数成分をそれぞれ有する前記2つの直交偏光反ストークスビームであって、一方のビームは破壊的に干渉する実成分および虚数成分を有し、他方のビームは建設的に干渉する実成分および虚数成分を有する前記2つの直交偏光反ストークスビームを分離するように配置されたビーム分離器と、
    前記分離されたビームの信号を検出するように配置された信号検出器と、
    前記試料のラマンスペクトルに関する信号を含む前記虚数成分を得て、前記非共鳴バックグラウンド信号を含む前記実成分を減少させるよう前記反ストークス信号を処理するよ
    うに配置された信号処理部であって、一方の直交反ストークス信号を他方から減算し、前記非共鳴バックグラウンドを含むその前記実成分を低減または除去するように配置された信号処理部と、
    を含む装置。
  15. 前記第2のビームが楕円偏光されることで前記2つの直交成分が生じる、請求項14に記載の装置。
  16. 前記第2のビームが楕円偏光されて、前記第2のビームの前記楕円偏光の長軸または短軸が、前記第1のビームの前記直線偏光と整列し、前記第1のビームに平行な前記第2のビームの第1の直交成分が、前記第1のビームに直角な第2の直交成分に対して直角位相を有する、請求項14に記載の装置。
  17. 前記第1のビームが前記ストークスビームであり、前記第2のビームが前記ポンプ/プローブビームである場合に、前記第2のビーム生成手段により生成された前記楕円偏光は、前記ポンプ/プローブビームの前記楕円偏光の前記第1および第2の直交成分がそれぞれ等しくもなくゼロでもない、請求項16に記載の装置。
  18. 前記楕円偏光は、前記ポンプ/プローブビームの前記第1および第2の直交成分の比がtan(π/8)またはtan(3π/8)であり、前記反ストークス信号の前記虚数成分が最大にされる、請求項17に記載の装置。
  19. 前記第1のビームが前記ポンプ/プローブビームであり、前記第2のビームが前記ストークスビームである場合に、前記第2のビーム生成手段により生成された前記楕円偏光は、前記ストークスビームの前記楕円偏光の前記第1および第2の直交成分がそれぞれゼロよりも大きい、請求項16に記載の装置。
  20. 前記第2のビーム生成手段が前記ストークスビームを円偏光し、前記反ストークス信号の前記虚数成分が最大にされる、請求項19に記載の装置。
  21. 前記第1および第2のビームを共線的に前記試料に向けるよう配置されたビーム方向付け手段をさらに含む、請求項14から請求項20のいずれか一項に記載の装置。
  22. 前記ビーム方向付け手段がダイクロイックミラーを含む、請求項21に記載の装置。
  23. 前記ビーム分離器が偏光ビームディスプレーサまたはウォラストンプリズムである、請求項14から請求項22のいずれか一項に記載の装置。
  24. 前記直交反ストークスビームが、分光計およびCCDと、1つ以上の光電子増倍管と、1つ以上のアバランシェフォトダイオードと、1つ以上のフォトダイオードとからなる群のいずれか1つ以上を使用して検出される、請求項14から請求項23のいずれか一項に記載の装置。
  25. 前記信号処理部がさらに、前記減算の前に、各偏光に対する感度の差を考慮するために、前記2つの信号を正規化する、請求項14から請求項24のいずれか一項に記載の装置。
  26. 前記直交偏光反ストークスビームが、前記直線偏光を有する前記第1のビームの前記偏光に対し±45°の角度で検出される、請求項14から請求項25のいずれか一項に記載の装置。
  27. 前記ポンプ/プローブビームをチャーピングするステップをさらに含む、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記ポンプ/プローブビームをチャーピングするため、前記ポンプ/プローブビームの経路内に配置された、分散性光学素子や媒質等のチャーピング手段をさらに含む、請求項14から請求項26のいずれか一項に記載の装置。
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