JP6768289B2 - 走査型顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、走査型顕微鏡に関する。
レゾナントスキャナやガルバノスキャナを利用して照射光を集光点(スポット)に集光し、スポットで試料を走査する走査型顕微鏡は、照射光を試料に照射することで発生する蛍光やラマン散乱光を検出するために利用されている。厚みがあり光の透過率が小さい試料を評価する際は、試料内で多重散乱した散乱光又は蛍光を射出光として、照射光の照射に利用した対物レンズを通して検出する反射型の顕微鏡を用いる。
特に、非線形光学過程を利用した走査型顕微鏡では、照射する光強度に対する非線形性から、試料内で多重散乱した散乱光又は蛍光に含まれる情報はスポットで発生したものとみなされる。そのため、スポットで試料内を2次元又は3次元に走査することで、試料に関する2次元又は3次元の情報が得られる。非線形光学過程として、多光子励起蛍光、第二次高調波発生、コヒーレントアンチストークスラマン散乱や誘導ラマン散乱などがある。
反射型の顕微鏡の場合、照射光が試料内で多重散乱した散乱光のうち、対物レンズの視野内でかつ対物レンズの開口数の範囲内に射出されたものが検出される。得られる射出光は照射光に比べて光強度が小さいため、光路が一致又は近接している照射光から射出光を効率よく分離して検出する必要がある。
その方法としては、特許文献1には、特定の波長の光のみを透過するダイクロイックミラーを利用することで、波長の違いによって、コヒーレントアンチストークスラマン散乱によって生じた射出光と照射光とを分離することが記載されている。
また、非特許文献1には、固体レーザとYbファイバレーザを同期させて試料へ同軸に集光することで、誘導ラマン散乱(Stimulated Raman Scattering:SRS)観察が可能な顕微鏡が記載されている。非特許文献1では、試料に照射光を導く対物レンズを通過した試料からの射出光を、λ/4板と偏光ビームスプリッタ(Polarizing Beam Splitter:PBS)とを用いて照射光の光路から分離し、検出器に伝送している。
特許4954452号公報
Nature Photonics,Vol.8,p.153−159,2014.
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、非特許文献1に示されるような誘導ラマン散乱光の検出には利用できない。誘導ラマン散乱を計測するには照射光と同一の波長の光を検出するため、ダイクロイックミラーを用いても照射光の光路と射出光の光路とを分離することができないためである。
また、多重散乱した光は偏光が解消されているため、非特許文献1のような偏光ビームスプリッタを用いた構成では、射出光の2分の1程度が照射光と分離されて検出器に導光される。つまり、非特許文献1に記載の方法では、試料からの射出光の取得効率が制限される。
本発明はかかる課題に鑑みてなされたもので、照射光を試料に照射することで生じる試料からの射出光を従来よりも高効率に取り出すことができる走査型顕微鏡を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての走査型顕微鏡は、光源からの照射光により試料を走査する走査手段と、前記光源と前記走査手段との間の、前記照射光の光路上に配置され、前記照射光を透過する透過部と、前記照射光により走査された試料からの射出光を反射する、前記透過部とは異なる反射部と、を有する分離手段と、前記走査手段からの前記照射光を前記試料に集光する第1の光学系と、前記走査手段からの前記照射光を前記第1の光学系に導く第2の光学系と、前記反射部により反射された前記射出光を検出する検出手段と、前記反射部により反射された前記射出光を前記検出手段の受光面に導く第3の光学系と、を有し、前記第1の光学系は、前記試料からの前記射出光を前記第2の光学系に導き、前記第2の光学系は、前記走査手段と前記第1の光学系の入射瞳とが共役になるように配置され、前記第3の光学系は、前記走査手段と前記検出手段の受光面とが共役になるように配置され、前記分離手段は、前記光路上において、前記第1の光学系の入射瞳から、前記走査手段よりも遠い位置に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の一側面としての走査型顕微鏡は、光源からの照射光により試料を走査
する走査手段と、前記光源と前記走査手段との間の、前記照射光の光路上に配置され、前記照射光を反射する反射部と、前記照射光により走査された試料からの射出光を透過する、前記反射部とは異なる透過部と、を有する分離手段と、前記走査手段からの前記照射光を前記試料に集光する第1の光学系と、前記走査手段からの前記照射光を前記第1の光学系に導く第2の光学系と、前記反射部により反射された前記射出光を検出する検出手段と、前記反射部により反射された前記射出光を前記検出手段の受光面に導く第3の光学系と、を有し、前記第1の光学系は、前記試料からの前記射出光を前記第2の光学系に導き、前記第2の光学系は、前記走査手段と前記第1の光学系の入射瞳とが共役になるように配置され、前記第3の光学系は、前記走査手段と前記検出手段の受光面とが共役になるように配置され、前記分離手段は、前記光路上において、前記第1の光学系の入射瞳から、前記走査手段よりも遠い位置に配置されていることを特徴とする。
本発明は、照射光を試料に照射することで生じる試料からの射出光を従来よりも高効率に取り出すことができる。
第1の実施形態の走査型顕微鏡の構成を説明する模式図。 第1の実施形態の走査型顕微鏡の光路分離手段の構成を説明する模式図。 第2の実施形態の走査型顕微鏡の構成を説明する模式図。 第2の実施形態の走査型顕微鏡の光路分離手段の構成を説明する模式図。 第3の実施形態の走査型顕微鏡の構成を説明する模式図。 (a)第3の実施形態の走査型顕微鏡における第1の光パルスの光強度の時間プロファイル。(b)第3の実施形態の走査型顕微鏡における第2の光パルスの光強度の時間プロファイル。
(第1の実施形態)
本実施形態の走査型顕微鏡100(以下、「顕微鏡100」と呼ぶ)の構成について、図1を参照して説明する。図1は、顕微鏡100の構成を説明する模式図である。顕微鏡100は、光源を1つ有する走査型顕微鏡で、例えば、多光子励起蛍光顕微鏡又は第二次高調波発生顕微鏡等である。本実施形態の顕微鏡100は、光源1が出力する光を集光点(スポット)に集光して、試料7内(試料7表面を含む)を2次元に走査しながら試料7からの射出光の光強度を検出することで、試料7の画像を取得することができる。なお、以降の説明では、光源1から試料7に照射される光束を「照射光」、試料7に照射された後に試料7から射出した光を「射出光」と呼ぶ。「射出光」は、試料7内で多重散乱して試料7から射出した光で、後方散乱光等を含む。
顕微鏡100は、光源1と、分離手段2と、走査手段3と、レンズ4、5(第2の光学系)と、光学系6(第1の光学系)と、レンズ8、9(第3の光学系)と、検出手段(検出器)10と、を有する。
光源1は、試料7に照射する照射光101を出力する。光源1が出力する照射光101は平行ビームである。光源1からの照射光101は、分離手段2に入射する。
分離手段2は、光源1からの照射光101を透過させ、試料7からの射出光を反射することにより、光源1からの照射光101の光路と試料7からの射出光の光路とを分離する。分離手段2についての詳細は、後述する。
分離手段2を透過した照射光101は、走査手段3で反射する。走査手段3は、光源1と光学系6との間の照射光101の光路上に配置されている。走査手段3は、照射光のスポットの試料7内における位置を変更することにより、照射光101により試料7を走査するための構成である。走査手段3は、走査手段3から射出する照射光101の方向を変更して(偏向して)、照射光101の光学系6に対する入射角を変更する光偏向素子を含む。例えば、走査手段3は、ガルバノスキャナとレゾナントスキャナとを有し、照射光101が進行する向きを直交する2方向に変える。なお、走査手段3の構成は上述の構成に限らず、高速走査のためにレゾナントミラーやポリゴンミラーと組み合わせてもよいし、2つのミラーを利用せずMEMSスキャナなど1枚のミラーを用いて構成してもよい。
走査手段3で偏向された照射光101は、レンズ4、5を通して、光学系6に入射する。レンズ4、5は、走査手段3と光学系6の入射瞳とが共役となるように配置する。走査手段3と光学系6の入射瞳とを共役にすることにより、照射光101が光学系6に遮光されて光強度が変化することなく、試料7に集光される。なお、本明細書における「走査手段3と光学系6の入射瞳とが共役」とは、完全に共役でなくてもよく、略共役の関係も含むものとする。例えば、走査手段3を2つのミラーで構成した場合、光学系6の入射瞳に共役な位置が、2つのミラーの間(例えば2つのミラーの一方のミラー上又は2つのミラーの中間位置)であれば、「走査手段3と光学系6の入射瞳とが共役」に含むものとする。
レンズ4、5による光学系の倍率は、光学系6の入射瞳と、光学系6に入射する照射光101のビームのサイズが同等になるように選択する。そうすれば、光学系6により集光された照射光101のスポットのサイズを最小化させ、得られる散乱光強度の画像の空間分解能を向上することができる。
光学系6は、照射光101を試料7内のスポットに導き、且つ、試料7から光学系6側へ射出される射出光を採光して走査手段3に導く光学系である。本実施形態では、対物レンズを用いるが、これに限らず、ミラーを含んでいてもよい。試料7内に集光された照射光は、試料7において多重散乱し、試料7から射出される。試料7から射出された射出光は光学系6に再入射され、走査手段3に導かれる。
試料7からの射出光は、走査手段3を介して分離手段2に到達する。試料7からの射出光のうち試料7における照射光101のスポットの位置と異なる位置から射出した光が、分離手段2で反射する。このように、分離手段2を用いることにより、照射光101の光路と射出光の光路とを分離することができる。
分離手段2の構成について、図2を参照して説明する。図2は、分離手段2の構成を説明する模式図である。本実施形態の分離手段2は、その中心部に照射光101が透過する透過領域(透過部)21を有する。また、分離手段2は、透過部21の周囲には、試料7からの射出光を反射する反射領域(反射部)22を有する。反射部32は、光を反射する反射ミラーを有し、効率よく射出光を検出するため、反射部32として金属蒸着膜又は射出光の波長において反射率が高くなるよう設計した誘電体多層膜が施されている。透過部21は、反射ミラーに物理的に空けた穴(開口)等でもよいし、平板の一部の領域に反射部材が施されないようにして構成してもよい。後者の場合、透過部21に、照射光101の透過率が高くなるような反射防止膜を施してもよい。
照射光101の光が偏光している場合、照射光101の偏光の光を透過し、直交する偏光の光を反射する偏光素子で透過部21を構成してもよい。この場合、反射部32に加えて、透過部21でも射出光の一部を反射させることができるため、より効率よく射出光を検出することが可能となる。なお、分離手段2の外形及び透過部21の形状は、図2では円形となっているが、任意の領域に広がる射出光を反射できる形状であればよい。例えば、射出光を反射させる方向に長軸をもった楕円等でもよい。
透過部21のサイズは、照射光101が直進する方向を法線とした面内において、照射光101のビーム径以上とする。この条件を満たさないと、照射光101が分離手段2で完全に透過できず、光強度が低下する恐れがある。また、照射光101の一部が分離手段2を透過せずに試料7に照射されると、試料7に集光した照射光のスポットが小さくなるため、顕微鏡100で得られる画像の空間分解能が損なわれる恐れがある。
分離手段2における射出光の光路について、試料7の様々な位置から光学系6に再入射する射出光に含まれる複数の光線のうちの1つである射出光103の光路を例にとって説明する。
射出光103は、試料7のスポットの位置と異なる位置から射出するため、光学系6の入射瞳の位置において、光学系6に対する照射光101の入射角と異なる角度で射出される。光学系6の入射瞳の位置と走査手段3とが共役に配置されているため、射出光103は、走査手段3に対する照射光101の入射角度とは異なる角度で走査手段3から射出される。そのため、走査手段3と離して配置した分離手段2の反射部32で反射される。反射部22で反射した射出光103は、レンズ8、9を介して検出器10に入射する。
このように、試料7内における照射光101のスポットの位置と異なる位置から射出された試料7からの射出光は、光学系6及び走査手段3を介して分離手段2に到達し、分離手段2で反射される。すなわち、本実施形態の分離手段2は、試料7内における照射光101のスポットの位置と異なる位置からの射出光を反射することにより、照射光101の光路と射出光の光路とを分離する構成となっている。そのため、分離手段2は、光学系6の像面とフーリエ変換の関係にない位置に配置されている。すなわち、分離手段2は、光学系6の入射瞳と共役でない位置に配置されている。また、分離手段2は光源1と走査手段3の間に配置する必要がある。分離手段2を走査手段3と光学系6との間に置いた場合、走査手段3により照射光101の方向を変更した際に、照射光101が透過部21を透過できないためである。
分離手段2の位置は、走査手段3から遠いほど、集光したスポットの近傍で発生した射出光を反射部22で反射することが出来る。一方で、分離手段2が走査手段3から遠い位置に配置されるほど、試料7内のある領域で発生した射出光を反射するためには、反射部22をより大きくすることが必要となる。よって、射出光の取得効率を上げるには、分離手段2を走査手段3から遠い位置に配置し、且つ、分離手段2の外形のサイズを分離手段2と走査手段3の距離に比例させて大きくすることが好ましい。
検出器10は、射出光103を含む射出光に感度を持ち、入射した光の強度に応じた電圧を出力する検出手段である。ここでは、検出器10は、試料7からの射出光を検出する。走査手段3と検出器10の受光面とが共役になるようにそれぞれを配置することが望ましい。共役に配置することにより、検出器10の受光面に照射される射出光の位置が、走査手段3の偏向角度によらず一定となる。そのため、受光面外に射出光が照射されることを低減でき、かつ受光面内の受光感度むらの影響を低減して検出を行うことができる。
なお、「走査手段3と検出器10の受光面とが共役」とは、完全に共役でなくてもよく、略共役の関係も含むものとする。例えば、走査手段3が2つのミラーを有する場合、検出器10の受光面(検出面)に共役な位置が、2つのミラーの間(例えば一方のミラー上又は2つのミラーの中間位置)であれば、「走査手段3と検出器10の受光面とが共役」に含むものとする。
コンピュータ11は、走査手段3の制御信号と検出器10が出力する信号とを用いて、2次元画像のデータを取得する。具体的には、コンピュータ11は、射出光の強度の2次元の画像のデータを取得できる。取得した2次元画像のデータは、不図示の表示部で画像として表示する。
上述したように、顕微鏡100は、光源1と走査手段3との間の照射光101の光路に分離手段2を配置している。試料7に照射光101が照射されると、試料7内で発生した散乱光、蛍光又は高調波発生光などが多重散乱し、試料7から射出光として射出される。分離手段2は、照射光101を透過し、射出光を反射する構成となっているため、分離手段2を用いれば、照射光101の光路と射出光の光路とを分離して、射出光を取り出すことができる。分離手段2は、ダイクロイックミラーを使うことなく光路を分離するため、蛍光や高調波発生光だけでなく、照射光101の波長と同じ波長の射出光も検出することができる。また、偏光によって分離を行う構成と比較して、分離手段2に到達した射出光の大部分を検出器10に導くことが可能である。そのため、本実施形態の顕微鏡100によれば、試料7からの射出光を従来よりも効率よく検出することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態の走査型顕微鏡300(以下、「顕微鏡300」と呼ぶ)について、図3を参照して説明する。図3は、顕微鏡300の構成を説明する図である。本実施形態の顕微鏡300は、試料7からの射出光と照射光101とを分離する分離手段12の構成が第1の実施形態と異なる。具体的には、第1の実施形態の分離手段2は射出光を反射して取り出すのに対し、本実施形態の分離手段12は、照射光101を反射し、射出光を透過させることにより射出光を取り出す。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。第1の実施形態と同様の構成については、図3において同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図4は、分離手段12の構成を説明する模式図である。分離手段12は、中心部に照射光101を反射する反射領域(反射部)42を有し、反射部42の外周に、試料7からの射出光が透過する透過領域(透過部)41を有する。光源1からの照射光101は、分離手段12で反射して走査手段3に導かれる。射出光103を含む試料7からの射出光は、光学系6、レンズ4、5及び走査手段3を介して分離手段12に到達し、分離手段12の透過部41を透過する。透過部41を透過した射出光は、レンズ8、9を介して検出器10に入射して検出される。
このように、試料7内における照射光101のスポットの位置と異なる位置から射出された試料7からの射出光は、光学系6、レンズ4、5及び走査手段3を介して分離手段2に到達し、分離手段12を透過する。すなわち、本実施形態の分離手段12は、試料7内における照射光101のスポットの位置と異なる位置からの射出光を透過させることにより、照射光101の光路と射出光の光路とを分離する構成となっている。そのため、分離手段12は、光学系6の入射瞳と共役でない位置に配置されている。
反射部42は、第1の実施形態の反射部22と同様に、照射光101の波長の光を反射するよう平板の中心部に反射部材を設けて構成する。透過部41は、射出光を効率よく検出するために反射防止膜を設けることが望ましい。
分離手段12は透過部41としての部材を有さず、射出光が空気中等の空間を伝搬する構成であってもよい。この場合、空間を透過部41とみなす。照射光101の光が偏光である場合、その偏光の光を反射し、且つ照射光101の偏光と直交する偏光の光を透過する偏光素子を用いて反射部42を構成することが好ましい。この場合、透過部41に加えて、反射部42でも射出光の一部を透過させることができるため、より効率の良い検出が可能となる。
分離手段12の透過部41の形状は、図4では円形となっているが、散乱光が広がる範囲を覆う形状であればよい。例えば、散乱光を透過させる方向に長軸をもった楕円としてもよい。
反射部42のサイズは、照射光101の分離手段12への入射方向を法線とした面内において、照射光101のビーム径以上とする。この条件を満たさないと、照射光101が分離手段12で完全に反射されず光強度が低下する恐れがある。また、照射光101の一部が分離手段12で反射されずに試料7に照射すると、試料7に集光した照射光101のスポットが大きくなるため、顕微鏡300で得られる画像の空間分解能が損なわる恐れがある。
本実施形態においても、走査手段3と検出器10の受光面とが共役になるように、走査手段3及び検出器10を配置する。
上述したように、顕微鏡300は、光源1と走査手段3との間の照射光101の光路に分離手段12を配置している。試料7に照射光101が照射されると、試料7内のスポットで発生した散乱光、蛍光あんたは高調波発生光が多重散乱し、試料7から射出光として射出される。分離手段12は、照射光101を反射し、射出光を透過させる構成となっているため、分離手段2を用いれば、照射光101の光路と射出光の光路とを分離して、射出光を取り出すことができる。分離手段12は、ダイクロイックミラーを使うことなく光路を分離するため、蛍光や高調波発生光だけでなく、照射光101の波長と同じ波長の射出光も検出することができる。また、偏光によって分離を行う構成と比較して、分離手段12に到達した射出光の大部分を検出器10に導くことが可能である。そのため、本実施形態の顕微鏡300によれば、試料7からの射出光を従来よりも効率よく検出することができる。
(第3の実施形態)
本実施形態の走査型顕微鏡500(以下、「顕微鏡500」と呼ぶ)について、図5を参照して説明する。図5は、顕微鏡500の構成を説明する模式図である。本実施形態の顕微鏡500は、誘導ラマン散乱(Stimulated Raman Scattering、以下SRS)顕微鏡である。
コヒーレントラマン散乱(CRS;Coherent Raman Scattering:CRS)を利用すると、生体内分子の3次元分布や体内組成を観察することが可能である。CRSの1つであるSRSを利用すると、スペクトル歪みなく、定量的な観察が可能である。SRSは、非線形光学過程の一つであり、2つの異なる波長の光の強度の積に比例して発生する。
SRSを効率よく発生させるためには、2つの光源51、52が射出する波長の異なる2つの光パルス501、502を試料7の同一の集光点(スポット)に集光し、且つこれら2つの光パルス501、502を同時に試料に照射させる。2つの光パルス501、502の光周波数の差が試料の分子の固有振動数と一致すると、スポットでSRSが生じる。その結果、試料7を透過した2つの照射光501、502のうち、波長が短い光パルス(ポンプ光)の強度が減少し(誘導ラマンロス)、波長が長い光パルス(ストークス光)の強度が増大する(誘導ラマンゲイン)。SRSをより効率よく発生させるため、パルス時間幅が1〜10ピコ秒の短パルスレーザを利用するのが望ましい。
顕微鏡500は、第1の光源51と第2の光源52との2つの光源、合波部53、及び分光部54を有する点が第1の実施形態と異なるが、その他の構成は顕微鏡100と同様である。第1の実施形態と同様の構成には、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
第1の光源51は、波長λ1の第1の光パルス(第1の照射光、ポンプ光)501を出力する。第2の光源52は、波長λ1より長い波長λ2の光パルス(第2の照射光、ストークス光)502を出力する。具体的には、第1の光源51は、中心波長800ナノメートル、パルス周期12.5ナノ秒の光パルスを出力する固体レーザ(チタンサファイアレーザ)とする。例えば、Spectra−Physics社のMai Taiが利用できる。第2の光源52は、中心波長1030ナノメートル、パルス周期25ナノ秒の光パルスを出力するイッテルビウムドープファイバレーザとする。
図6(a)は第1の光源51が射出する第1の照射光501の試料7の集光点におけるパルス列を表し、図6(b)は第2の光源52が射出する第2の照射光502の試料7の集光点におけるパルス列を表す。図6(a)と図6(b)は、共に横軸が時間(t)を表し、縦軸は光強度を表している。
SRSによる散乱光を検出するため、第1の照射光501の光パルス列の繰り返し周期と第2の照射光502の光パルス列の繰返し周期との比は、1:2とする。繰り返し周期の比を1:2とし、2つの波長の照射光501、502を同時に試料に照射するためには、例えば、第1の光源51又は第2の光源52をモードロックレーザとして構成し、その共振器長を制御すればよい。共振器長の変更により繰り返し周期が変更され、試料7に光パルスが照射されるタイミングを調整することができる。
図6(a)及び図6(b)に示すように、波長の異なる2つの照射光501、502が、タイミングが一致した状態で試料7内の同一地点に集光されると、波長差に応じてSRSにより照射光501の光強度に変調が生じる。つまり、図6(a)におけるパルス31、33、35の強度は小さくなり、パルス32、34の強度は変化しない。この強度変調は、試料を透過した光だけでなく、多重散乱し、照射した方向に射出した光にも生じる。この隣接したパルス同士の強度の差は微小であるため、ロックインアンプなどの同期検波手段により計測する。
計測した強度変調の大きさがSRS信号に対応し、レーザビームの集光点に含まれる分子の情報が反映される。例えば、前記集光点に含まれる分子振動の共振周波数と2つの照射光501、502の光周波数の差(c/λ1−c/λ2)が一致したとき、SRS信号が大きくなる。なお、cは光速である。2つの照射光501、502の光周波数の差(c/λ1−c/λ2)を変化させながら、SRS信号を取得することでラマンスペクトルを取得できる。ラマンスペクトルを得るためには、2つの照射光501、502の少なくとも一方の波長を変化させる。ラマンスペクトルから試料7にどのような分子が含まれるか推定できる。また、SRS顕微鏡500は、自発ラマン散乱を利用した顕微鏡と同等のスペクトルを取得することができる。SRSの散乱効率は自発ラマン散乱の散乱効率より非常に大きいため、SRS顕微鏡500は自発ラマン散乱を利用した顕微鏡より短い時間でラマンスペクトルを取得することができる。
第1の照射光501及び第2の照射光502は、合波部53としてのダイクロイックミラーにより同軸に合波された後、走査手段3で反射される。走査手段3は、第1の実施形態と同様に、例えばガルバノスキャナとレゾナントスキャナで構成され、直交する2方向に第1の照射光501及び第2の照射光502が進行する向きを変える。レゾナントスキャナ(スキャン周波数8kHz)とガルバノスキャナ(スキャン周波数15Hz)を利用すれば、500ラインの画像を毎秒30フレーム取得することができる。
走査手段3で偏向された第1の照射光501及び第2の照射光502は、レンズ4、5を通して光学系6に入射する。このとき、走査手段3と光学系6の入射瞳とが略共役となるようにレンズ4、5を配置することで、走査手段3で第1の照射光501及び第2の照射光502が偏向しても、遮光により光量が変化することなく試料7に集光する。
レンズ4、5による光学系の倍率は、光学系6の入射瞳と第1の照射光501及び第2の照射光502のサイズが同等になるように選択する。そうすれば、光学系6により集光したスポットのサイズを最小化させ、SRS信号を検出する空間分解能を向上させることができる。また、集光により光強度を大きくすることでSRS信号が大きくなるので、SRS信号を検出するSN比も向上する。光学系6は、SRS信号を検出する空間分解能と信号対雑音比の観点から、大きい開口数(NA)が望ましい。
試料7は、不図示の2つのカバーガラスやスライドガラスに挟まれて配置されている。走査手段3によって第1の照射光501及び第2の照射光502が偏向されることにより、試料7上で集光したスポットが2次元走査される。このようにして試料7上の各位置からの射出光を検出してSRS信号を得ることにより、SRS信号が2次元画像化される。SRS信号は、集光したスポット近傍でのみ生じるため、不図示のステージにより試料7を光軸方向に移動させることで3次元画像を得ることもできる。
第1の照射光501を構成する光パルス列は、第1の照射光501と第2の照射光502との波長差に応じてSRSにより光強度に変調を受ける。第1の照射光501及び第2の照射光502のそれぞれの光パルス列は、試料7において多重散乱し、試料7内のスポットとは異なる位置から光学系6に再入射する。そして、射出光は、走査手段3で反射した後、分離手段2で反射され、レンズ8、9を介して検出器10に導かれる。
検出器10の直前には、分光部54が配置されている。分光部54は、特定の波長範囲の光を抽出するフィルタで、具体的には、バンドパスフィルタ又はショートパスフィルタ等を用いることができる。本実施形態では、分光部54に入射した射出光のうち、波長λ2の光はカットされ、波長λ1の射出光が抽出されて検出器10に入射して検出される。その結果、分光部54に入射した射出光のうち、SRSにより光強度に変調を受けた第1の照射光501の波長の射出光が検出器10に入射して検出される。
走査手段3と検出器10の受光面とが共役になるようにそれぞれを配置することが望ましい。共役に配置することにより、検出器10の受光面に照射される射出光の位置が、走査手段3の偏向角度によらず一定となる。そのため、受光面外に射出光が照射されることを低減でき、かつ受光面内の受光感度むらの影響を低減して検出を行うことができる。
コンピュータ56は、走査手段3の制御信号と信号取得回路55の出力信号(SRS信号)とを用いて、試料7のSRS信号に関する2次元画像のデータを取得し、それを不図示の表示部に表示する。コンピュータ56は、不図示のステージで試料7を光学系6の光軸方向に移動させて取得したSRS信号から、3次元画像のデータを取得することもできる。また、コンピュータ56は、第1の光源51及び第2の光源52の少なくとも一方の波長を変化させて取得したSRS信号を用いてラマンスペクトルを取得することもできる。
ここで、分離手段2における射出光の光路について、試料7の様々な位置から光学系6に再入射する射出光に含まれる複数の光線のうちの1つである射出光503の光路を例にとって説明する。集光したスポットとは異なる位置から射出して、光学系に再入射した射出光503は、光学系6の瞳位置において、第1の照射光501及び第2の照射光502の入射角度とは異なる角度で射出される。
光学系6の瞳位置と走査手段3とは、共役に配置されているため、射出光503は第1の照射光501及び第2の照射光502の入射角度とは異なる角度で走査手段3から射出される。よって、射出光503は、走査手段3と離して配置した分離手段2で反射される。このように、試料7に照射する第1の照射光501及び第2の照射光502の光路と、射出光503の光路とを分離することができる。
ここで、光学系6、レンズ4及びレンズ5の焦点距離をそれぞれ3mm、100mm及び200mmとした場合の、集光スポットから0.1mm離れた位置で発生した射出光503を例にとって分離手段2に必要な外形サイズを考察する。この射出光503の走査手段3への入射角及び射出角は、第1の照射光501及び第2の照射光502の走査手段3への入射角及び射出角と約0.067ラジアン(0.1/3×200/100)異なる。分離手段2を走査手段3から200mm離し、第1の照射光501及び第2の照射光502に対して45度傾けて配置した場合について述べる。この場合、射出光503は分離手段2の中心から短軸方向に約13.4mm(0.067×200)、長軸方向に約19mm(0.067×200×√2)離れた位置を通過する。よって、分離手段2の外形サイズを直径38mm以上とすれば、第1の照射光501及び第2の照射光502の光路と射出光503の光路とを分離し、射出光503を検出することができる。分離手段2を配置する角度は45度に限らず、90度に近づけてよい。その場合、分離手段2の外形サイズをより小さくできる。
続いて、分離手段2の透過部21のサイズを考察する。対物レンズ6の瞳サイズを7mmとすると、走査手段3上の対物レンズ6の瞳の共役像のサイズは3.5mmである。走査手段3上で3.5mm以上のビームは対物レンズ6を透過しないため、透過部21のサイズは第1の照射光501及び第2の照射光502の入射方向から見て3.5mmより大きくする必要はない。よって、第1の照射光501及び第2の照射光502のビームサイズが3mmだとすると、透過部21のサイズは第1の照射光501及び第2の照射光502の入射方向から見て3.0mm以上3.5mm以下とすることが望ましい。
分離手段2を第1の照射光501及び第2の照射光502に対して45度傾けて配置する場合、透過部21は、分離手段2の正面から見て、短軸方向(図5の紙面の垂直方向)が3.0以上3.5mm以下、長軸方向が短軸方向の√2倍の楕円形状とする。
次に、集光スポットと射出光の射出位置の間の距離が前述の0.1mmより小さい0.01mmの場合の射出光503について考察する。このとき、射出光503の走査手段3への入射角及び射出角は、第1の照射光501及び第2の照射光502の走査手段3への入射角及び射出角と約0.0067ラジアン(0.01/3×200/100)異なる。分離手段2を走査手段3から200mm離し、第1の照射光501及び第2の照射光502に対して45度傾けて配置した場合について述べる。この場合、射出光503は分離手段2の中心から短軸方向に約1.34mm(0.0067×200)、長軸方向に約1.9mm(0.0067×200×√2)離れた位置を通る。よって、射出光503は透過部21を透過してしまい、検出器10で検出することができない。
このような場合、透過部21のサイズを小さくしたり、分離手段2を走査手段3から離れた位置に配置したりすることが好ましい。透過部21のサイズを小さくすると、試料7内におけるスポットのサイズが大きくなり、SRS信号を検出する空間分解能が低下するおそれがあるため、分離手段2の位置を走査手段3からより離すことが好ましい。一方で、分離手段2が走査手段3から遠い位置に配置されるほど、試料7内のある領域で発生した射出光を反射するためには、反射部22をより大きくすることが必要となる。よって、射出光の取得効率を上げるには、分離手段2を走査手段3から遠い位置に配置し、且つ、分離手段2の外形のサイズを分離手段2と走査手段3の距離に比例させて大きくすることが好ましい。
なお、本実施形態のように分離手段2を利用する構成に限らず、第2の実施形態のように分離手段12を利用することもできる。
本実施形態の顕微鏡500によれば、2つの光源51、52を用いる構成の場合でも、分離手段2によって第1の照射光101の光路及び第2の照射光502の光路と射出光の光路とを分離することができる。本実施形態の顕微鏡500によれば、照射光101の波長と射出光の波長とが同じであっても光路を分離することができる。また、偏光によって分離を行う構成と比較して、分離手段2に到達した射出光の大部分を検出器10に導くことが可能である。そのため、本実施形態の顕微鏡500によれば、試料7からの射出光を従来よりも効率よく検出することができる。
本実施形態と異なる方法として、光学系6の瞳位置で光路を分離する方法も考えられるが、本実施形態の方が効率がよい。これは、多重散乱により射出光が特定の角度に集中していないため瞳上の特定の領域で効率よく分離することができないためである。また、光利用効率の観点で本実施形態は照射光を遮光することなくそのまま試料に照射させることができる。
なお、本実施形態の検出器10が検出する射出光は、ストークス光でもポンプ光でもよい。さらに、SRS信号ではなくCARS(Coherent Anti−Stokes Raman Scattering)信号を計測するように装置を構成してもよい。例えば、分光部54をCARS信号の波長帯のみを透過するフィルタへ変更することでCARS信号を検出できる。この場合、検出器10には光電子増倍管を用いればよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
例えば、上述の実施形態では、分離手段2、12に平板状のミラーを用いていたが、曲面を有するミラーを用いることも可能である。曲面を有するミラーを用いる場合は、走査手段3と検出器10の受光面とが共役となるよう、曲面及びレンズ8、9を設計する。
上述の各実施形態では、走査手段3を用いて試料7内(試料7の表面を含む)の2次元走査を行っている。しかし、試料7の走査方法はこれに限らず、1軸のガルバノミラーによる走査と、試料7を支持するステージ(不図示)のガルバノミラーの走査方向の垂直方向の駆動と、を組み合わせて2次元走査を行ってもよい。さらに、ステージ(不図示)を2次元面内で駆動してもよい。さらに、試料7の画像を取得する必要がなければ、走査手段3による集光点の走査を行わずに、試料7内の1点のみを観察すればよい。
検出器10が射出光を検出する方式としては、変調器を用いずに繰り返し周波数がn:m(n、mは整数)となる光源を用いてロックイン検出を行う方式に限らず、強度変調器を用いたロックイン検出方式を採用してもよい。
また、上述の各実施形態は、CRS計測、光源が1つの多光子顕微鏡等に限定せず、光源を複数有する多光子吸収、多光子蛍光を計測する顕微鏡等にも適用できる。また、上述の各実施形態では、試料7からの射出光の計測を行う構成を示したが、試料7への光を照射するための構成をプローブ化して、顕微鏡の一形態である内視鏡を構成してもよい。
1 光源
2 分離手段
3 走査手段
6 光学系
10 検出器

Claims (14)

  1. 光源からの照射光により試料を走査する走査手段と、
    前記光源と前記走査手段との間の、前記照射光の光路上に配置され、前記照射光を透過する透過部と、前記照射光により走査された試料からの射出光を反射する、前記透過部とは異なる反射部と、を有する分離手段と、
    前記走査手段からの前記照射光を前記試料に集光する第1の光学系と、
    前記走査手段からの前記照射光を前記第1の光学系に導く第2の光学系と、
    前記反射部により反射された前記射出光を検出する検出手段と、
    前記反射部により反射された前記射出光を前記検出手段の受光面に導く第3の光学系と、を有し、
    前記第1の光学系は、前記試料からの前記射出光を前記第2の光学系に導き、
    前記第2の光学系は、前記走査手段と前記第1の光学系の入射瞳とが共役になるように配置され、
    前記第3の光学系は、前記走査手段と前記検出手段の受光面とが共役になるように配置され
    前記分離手段は、前記光路上において、前記第1の光学系の入射瞳から、前記走査手段よりも遠い位置に配置されていることを特徴とする走査型顕微鏡。
  2. 光源からの照射光により試料を走査する走査手段と、
    前記光源と前記走査手段との間の、前記照射光の光路上に配置され、前記照射光を反射する反射部と、前記照射光により走査された試料からの射出光を透過する、前記反射部とは異なる透過部と、を有する分離手段と、
    前記走査手段からの前記照射光を前記試料に集光する第1の光学系と、
    前記走査手段からの前記照射光を前記第1の光学系に導く第2の光学系と、
    前記反射部により反射された前記射出光を検出する検出手段と、
    前記反射部により反射された前記射出光を前記検出手段の受光面に導く第3の光学系と、を有し、
    前記第1の光学系は、前記試料からの前記射出光を前記第2の光学系に導き、
    前記第2の光学系は、前記走査手段と前記第1の光学系の入射瞳とが共役になるように配置され、
    前記第3の光学系は、前記走査手段と前記検出手段の受光面とが共役になるように配置され
    前記分離手段は、前記光路上において、前記第1の光学系の入射瞳から、前記走査手段よりも遠い位置に配置されていることを特徴とする走査型顕微鏡。
  3. 前記分離手段は、前記第1の光学系の像面とフーリエ変換の関係にない位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の走査型顕微鏡。
  4. 前記分離手段は、前記照射光の前記試料における集光点と異なる位置から射出された前記射出光を反射することを特徴とする請求項1又は3に記載の走査型顕微鏡。
  5. 前記透過部のサイズは、前記照射光のビーム径以上であることを特徴とする請求項1に記載の走査型顕微鏡。
  6. 前記分離手段は、前記照射光の前記試料内における集光点と異なる位置から射出された前記射出光を透過するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の走査型顕微鏡。
  7. 前記反射部のサイズは、前記照射光のビーム径以上であることを特徴とする請求項2に記載の走査型顕微鏡。
  8. 前記光源を第1の光源、前記照射光を第1の照射光とすると、
    前記第1の照射光と異なる波長の第2の照射光を出力する第2の光源と、
    前記第1の照射光と前記第2の照射光とを合波する合波部と、を有し、
    前記第1の光学系は、前記合波部で合波された前記第1の照射光及び前記第2の照射光を前記試料に集光することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の走査型顕微鏡。
  9. 前記分離手段は、前記合波部と前記第1の光学系との間の前記第1の照射光の光路上に配置されており、
    前記分離手段と前記検出手段との間に配置されており、前記射出光から前記第1の照射光の波長の光を抽出するフィルタを有することを特徴とする請求項8に記載の走査型顕微鏡。
  10. 前記射出光は、前記試料でコヒーレントラマン散乱された散乱光を含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の走査型顕微鏡。
  11. 前記射出光は、前記試料で誘導ラマン散乱された散乱光を含むことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の走査型顕微鏡。
  12. 前記射出光は、前記試料で後方散乱された散乱光を含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の走査型顕微鏡。
  13. 前記走査手段は2つのミラーを有し、
    前記2つのミラーのうちの一方のミラー上、又は、前記2つのミラーの中間位置と、前記第1の光学系の入射瞳と、が共役であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の走査型顕微鏡。
  14. 前記走査手段は2つのミラーを有し、
    前記2つのミラーのうちの一方のミラー上、又は、前記2つのミラーの中間位置と、前記検出手段の受光面と、が共役であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の走査型顕微鏡。
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