JP4804665B2 - レーザ顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、1つの波長を有するレーザビームもしくはそれぞれ波長の異なる複数のレーザビームを2次元的に走査させ、対物レンズを介してレーザビームを標本上で集光させて、この標本から得られる光を検出するレーザ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような顕微鏡を用いて観察するためには、現在では様々な蛍光試薬で標本が染色されて行なわれている。このため、複数の蛍光試薬を用いて同一の生体細胞組織(標本)を多重染色し、波長の異なる複数のレーザビームを標本上に照射して、多重蛍光観察を行なうことによって、生体細胞組織の様々な形態や機能の解析が可能となっている。
【0003】
また、単一の波長(以下、1波長という)の励起光(レーザビーム)を標本に照射して2つの異なる波長(以下、2波長という)の蛍光を発生させる、1波長励起2波長蛍光を発生させる試薬や、励起された蛍光色素のエネルギで別の蛍光色素を励起させるエナジートランスファー(Fluorescence Resonance Energy Transfer)など、1波長の励起光に対して2波長の蛍光を測定して、これら蛍光の蛍光量のレシオを求める手法も行なわれている。
【0004】
一方、近年では、超短パルスレーザにより出射されたレーザビームによる多光子励起現象を利用したレーザ顕微鏡が実用化されている。この多光子励起現象を発生させる超短パルスレーザにより標本を励起するには、近赤外波長で紫外光励起用の蛍光試薬を励起させて蛍光を発生させることができるので、標本への光障害が少なく、標本深部の観察ができるなどの利点がある。しかし、通常の共焦点光学系と同様の光学系を使って蛍光を検出するのは、幾つものレンズやミラーなどを経由させる必要があるために損失が大きく、検出光(蛍光)が非常に弱くなってしまうという欠点がある。
【0005】
このため、特開2000−330029号公報による技術は、蛍光を走査光学系および共焦点ピンホールに戻さずに分離して、短い光路で損失を少なくし、効率的に検出する顕微鏡を提案したものである。
【0006】
この技術による顕微鏡は、共焦点用のレーザ光源および光検出器と、多光子励起現象を発生させるレーザビームを出射させる超短パルスレーザ光源および光検出器とを備えているが、対物レンズと走査光学系との間に配置された波長分離ミラーは、共焦点検出用と多光子励起現象で発せられた蛍光の検出用とがそれぞれ別に用意され、この波長分離ミラーを切り替えて、共焦点を用いる場合と多光子励起現象により発せられた蛍光を検出する場合とで選択して光を検出している。
【0007】
また、例えば、1波長励起2波長蛍光を発生させる試薬としては、SNARF−1として知られているものがあり、これはpH測定用に用いられている。このSNARF−1を励起させるレーザビームの波長は530nm、発生される蛍光の波長は580nm、630nmである。また、近年、カメレオン(商標)というプローブを用いて2つの蛍光タンパク質であるCFP蛍光およびYFP蛍光のエナジートランスファーを利用するカルシウムイオン濃度測定が行なわれるようになってきている。これは、波長442nmのレーザビームでCFP蛍光を励起させ、この励起されたCFP蛍光のエネルギでYFP蛍光を励起させる手法で、CFP蛍光の波長485nm、およびYFP蛍光の波長530nmから得られる蛍光量のレシオを測定するものである。
【0008】
これらSNARF−1およびカメレオンで標本を多重染色した場合に、この標本から発せられる複数の蛍光を検出するレーザ顕微鏡の光学系について図9を用いて説明する。
【0009】
図9に示すように、レーザ光源101a,101bからそれぞれ出射されたレーザビーム103a,103bは、ダイクロイックミラー123によって合成される。この合成されたレーザビーム106は、波長分離ミラー107によって反射され、ガルバノミラー108によって2次元的に走査される。そして、このレーザビーム106は、投影レンズ109、反射ミラー110、結像レンズ112、対物レンズ113を介して標本114上に集光され、標本114が励起される。
【0010】
このレーザビーム103aによって励起された標本114からは、それぞれ異なる波長を有する蛍光115a,115bが発せられる。また、レーザビーム103bによって励起された標本114からは、同様に蛍光115c,115dが発せられる。そして、これら蛍光115a,115b,115c,115dは、対物レンズ113、結像レンズ112などを順に遡って波長分離ミラー(ダイクロイックミラー)107に入射される。
【0011】
これら蛍光115a,115bがそれぞれCFP蛍光およびYFP蛍光であり、また、蛍光115c,115dがそれぞれSNARF−1の蛍光であるとすると、検出される蛍光は、図10の1点鎖線および2点鎖線に示す特性が得られる。このため、図10には、これらCFP蛍光115a、YFP蛍光115b、およびSNARF−1の蛍光115c,115dが透過され、レーザビーム103a,103bが反射されるのに必要なダイクロイックミラー107の特性が示されている。ここで、SNARF−1の励起レーザは、波長543nmのGreen He:Neレーザとしている。
【0012】
このため、これらCFP蛍光115a、YFP蛍光115b、およびSNARF−1の蛍光115c,115dは、このダイクロイックミラー107を透過して、ミラー119によって反射され、ダイクロイックミラー124aに入射される。ダイクロイックミラー124aはCFP蛍光115aを反射、分離し、以下同様に、ダイクロイックミラー124bはYFP蛍光115bを、ダイクロイックミラー124cはSNARF−1の蛍光115cを順番に反射、分離し、最後に、SNARF−1の蛍光115dを透過、分離させる特性をそれぞれ有している。そして、これら蛍光115a,115b,115c,115dは、それぞれ共焦点レンズ120a,120b,120c,120d、ピンホール121a,121b,121c,121dを介して、フォトマルチプライヤ122a,122b,122c,122dに入射され、光電変換される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような複雑な特性を有するダイクロイックミラー107は、非常に製作が困難で、高価になり得る。また、YFP蛍光の波長530nm近傍で、蛍光が相当量カットされてしまうという不具合があり、現実的ではない。
【0014】
したがって、多重染色、特に、1波長励起2波長蛍光および/もしくはエナジートランスファーをいくつか組み合わせて行なおうとすると、複数のレーザ光源を必要とするので、複数のレーザビームと、これらレーザビームの数よりもさらに多くの蛍光とを分離させる必要がある。また、従来の1光子励起現象による共焦点レーザ走査型顕微鏡で行なおうとすると、近接するいくつものレーザビームの波長および蛍光の波長を分離させる波長分離ミラーの設計が困難で高価になる。そして、検出すべき蛍光の多くが波長分離ミラーによってカットされてしまい、明るい観察および精度の高い測定が困難であるという問題があった。
【0015】
また、特開2000−330029号公報の技術では、出射されるレーザビームおよび波長分離ミラーなどを切り替えて蛍光を検出しなければならないので、生体細胞組織の複数の形態および機能をリアルタイムで観測および測定することが困難であるという問題があった。
【0016】
本発明は、このような課題を解決するためになされ、生体細胞組織(標本)からの複数の光を同時に検出することが可能で、標本の複数の形態および機能をリアルタイムで観察および測定することが可能となる、特に、多重染色標本から発せられるそれぞれ異なる波長を有する複数の蛍光を同時に効率よく検出することができるレーザ顕微鏡を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の、互いに異なる波長の蛍光を発する複数種類の蛍光色素で染色された多重染色標本の蛍光観察を行なうレーザ顕微鏡は、それぞれ標本上で、前記複数の蛍光色素のうちの第1の蛍光色素に線形現象を発生させるのに用いる少なくとも1つのレーザ光源と、前記第1の蛍光色素とは異なる第2の蛍光色素に非線形現象を発生させるのに用いる少なくとも1つの短パルスレーザ光源とから出射されるレーザビームを合成させるレーザビーム合成光学系と、前記レーザビーム合成光学系で合成されたレーザビームを2次元的に走査させる走査光学系と、この走査光学系により走査されたレーザビームを標本上に集光させるとともに、この標本からの光が入射される対物レンズと、前記レーザビーム合成光学系と前記走査光学系との間の光軸上に配設され、合成された前記線形現象用と非線形現象用の各レーザビームから、前記レーザ光源から出射されたレーザビームによる前記標本からの線形現象による蛍光を波長に基づいて選択的に分離させる第1の波長分離ミラーと、この第1の波長分離ミラーで分離された前記第1の蛍光色素からの蛍光を検出する第1の光検出器と、前記対物レンズと前記走査光学系との間の光軸上に配設され、前記レーザ光源から出射されたレーザビームによる前記標本からの線形現象による蛍光および合成された前記線形現象用と非線形現象用の各レーザビームから、前記短パルスレーザ光源から出射されたレーザビームによる前記標本からの非線形現象による蛍光を波長に基づいて選択的に分離させる第2の波長分離ミラーと、この第2の波長分離ミラーで分離された前記第2の蛍光色素からの蛍光を検出する第2の光検出器とを備えていることを特徴とするものである。
【0020】
このような構成にすることにより、レーザ光源から出射されたレーザビームにより標本から発生した線形現象による蛍光を第1の光検出器で共焦点検出すると同時に、超短パルスレーザ光源から出射されたレーザビームにより標本から発生した非線形現象による蛍光を第2の光検出器で検出することが可能となる。
【0021】
また、上記課題を解決するために、前記第1の波長分離ミラーと前記第1の光検出器との間の光軸上に配設され、前記第1の波長分離ミラーで分離された光をさらに異なる波長の光に分離させる少なくとも1つの第3の波長分離ミラーと、前記第3の波長分離ミラーで分離された光を検出する第3の光検出器とをさらに備えていることが好ましい。
【0022】
また、上記課題を解決するために、前記第2の波長分離ミラーと前記第2の光検出器との間の光軸上に配設され、前記第2の波長分離ミラーで分離された光をさらに異なる波長の光に分離させる少なくとも1つの第4の波長分離ミラーと、前記第4の波長分離ミラーで分離された光を検出する第4の光検出器とをさらに備えていることが好ましい。
【0023】
このような構成にすることにより、レーザビームにより励起された線形現象と非線形現象により標本から発生した、異なる2つ以上の波長を有する蛍光を検出することが可能となり、複数のレシオ測定を同時に行なうことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
本実施の形態では、非線形現象、例えば2光子励起現象を利用している。この2光子励起現象は、一般に、後述の線形現象と比較して、やや高出力の長波長光で標本を励起して、この標本から前記長波長光よりも波長の短い蛍光が放出されるものである。これに対し、線形現象、例えば、1光子励起現象は、短波長光で標本を励起して、この標本から前記短波長光よりも波長の長い蛍光が放出されるものである。
【0026】
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態について図1を用いて説明する。
本実施の形態によるレーザ顕微鏡は、パルス幅が数十fsないし数百fs、繰り返し周波数が数十MHzないし数百MHzのチタンサファイアレーザーが一般に使用される、標本14上で2光子励起現象を発生させる、極短パルスレーザ等の短パルスレーザ光源(レーザ出射手段)2を備えている。このレーザ光源2から出射されたレーザビーム4は、予め偏光性を備えていてもよく、出射された後に図示しない光学系によって偏光性が付与されてもよい。この偏光性を有するレーザビーム4の光路上には、偏光ビームスプリッタからなる第1のビームスプリッタ28がこの光路に対して好ましくは45°傾けられて配設されている。なお、この第1のビームスプリッタ28は、レーザ光源2から出射され、所定の偏光性を有するレーザビーム4を所定の方向に反射させる特性を備えている。この反射されたレーザビーム4は、第1のビームスプリッタ28によって直角に反射される。
【0027】
このビーム4の光路上には、1/4波長板29が設けられ、この波長板29に入射されたビーム4は円偏光とされて、レーザビーム(以下、ビームという)6を出射させる。この出射されたビーム6の光路上には、ガルバノミラー8が設けられている。このガルバノミラー8は、入射されたビーム6を図示しない2次元(X−Y)的に偏向走査して所定の方向に反射させる。
【0028】
反射されたビーム6の光路上には、投影レンズ9、ミラー10、および結像レンズ12が順次設けられ、ビーム6がこの投影レンズ9に入射されて透過し、ミラー10で反射され、結像レンズ12に入射される。この結像レンズ12を出射されたビーム6の光路上には、ダイクロイックミラーからなる第2のビームスプリッタ11がこの光路に対して好ましくは45°傾けられて設けられている。この第2のビームスプリッタ11に入射されたビーム6は、この第2のビームスプリッタ11を透過する。なお、この第2のビームスプリッタ11の特性については後述する。
【0029】
そして、この第2のビームスプリッタを出射されたビーム6の光路上には、対物レンズ13が設けられている。この対物レンズ13の前方には、生体組織(以下、標本という)14が設けられ、この標本14上で対物レンズ13を出射されたビーム6が焦点を結ぶようになっている。
したがって、標本14上にビーム6が集光、照射されて、この標本14から反射される反射光30と、2光子励起現象(非線形現象)が生じることによる蛍光16とが発生される。
【0030】
反射光30と蛍光16とは、対物レンズ13を介して第2のビームスプリッタ(ダイクロイックミラー)11に入射される。なお、このダイクロイックミラー11は、レーザビーム4およびその反射光30を透過させ、2光子励起現象により発せられた蛍光16を反射させる特性を備えている。このため、この蛍光16のみ、第2のビームスプリッタ11でほぼ直角に反射されて、反射光30から分離される。
【0031】
反射された蛍光16の光路上には、レンズ17が設けられている。このレンズ17の前方には、フォトマルチプライヤからなる第2の光検出器18が配設されている。このレンズ17を透過した蛍光16は、第2の光検出器18に入射されて、光電変換される。
【0032】
一方、反射光30は、第2のビームスプリッタ11を透過し、結像レンズ12、ミラー10、投影レンズ9、ガルバノミラー8を経て、再び1/4波長板29に入射される。前記標本14から円偏光の状態で反射された反射光30は、1/4波長板29によって前記レーザビーム4に対して偏光方向が90°ずれた直線偏光にされる。このため、第1のビームスプリッタ(偏光ビームスプリッタ)28に再び入射され、透過される。
【0033】
この反射光30の光路上には、この反射光30を所定の方向に反射させるミラー19が設けられ、反射光30が反射される。この反射光30の光路上には、反射光30を集光させるレンズ20およびピンホール21が順に配置されている。反射光30は、レンズ20によってピンホール21に集光される。なお、このピンホール21は、前記対物レンズ13の焦点位置と共役な位置に配置され、反射光30は、ピンホール21面に結像し、焦点位置で反射された光のみがピンホール21を通過される。
このピンホール21を通過した反射光30の光路上には、フォトマルチプライヤからなる第1の光検出器22が配設されている。反射光30は、第1の光検出器22に入射されて、光電変換される。
【0034】
それぞれ光電変換された2光子励起現象により発生された蛍光16および反射光30から得られる電気信号は、図示しないコンピュータで処理され、データとして処理および/もしくは画像として構築される。
【0035】
したがって、本実施の形態によれば、共焦点反射光像と、2光子励起現象により発生された蛍光像とを同時に得ることができる。
【0036】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について図2および図3を用いて説明する。以下、同様な作用および機能を有する部材には、第1の実施の形態で用いた符号と同じ符号を使用して、詳しい説明を省略する。
レーザ顕微鏡は、それぞれ標本14上で、1光子励起現象を発生させるレーザ光源1と、2光子励起現象を発生させる、極短パルスレーザ等の短パルスレーザ光源2とを備えている。これらレーザ光源1,2の前方には、それぞれのレーザ光源1,2から出射されるレーザビーム3,4の光路に対して傾けられ、これらレーザビーム3,4を合成する機能を有するダイクロイックミラー5(レーザビーム合成光学系)が配設されている。このダイクロイックミラー5は、1光子励起現象を発生させるレーザ光源1から出射されたレーザビーム3を所定の方向に反射させ、2光子励起現象を発生させる短パルスレーザ光源2から出射されたレーザビーム4を透過させる。このため、このダイクロイックミラー5に入射されたレーザビーム3,4は合成され、1つの合成されたレーザビーム(以下、ビームという)6にされる。
【0037】
このビーム6の光路上には、ダイクロイックミラーからなる第1の波長分離ミラー7がこのビーム6に対して好ましくは45°傾けられて配設されている。この第1の波長分離ミラー7の特性については後述する。そして、入射されたビーム6は、直角に偏向される。また、このビーム6は、ガルバノミラー8によって2次元に走査され、投影レンズ9に入射される。また、この投影レンズ9によってミラー10に入射されて所定の方向に反射される。反射されたビーム6の光路上には、結像レンズ12、およびダイクロイックミラーからなる第2の波長分離ミラー11が順次設けられている。この第2の波長分離ミラー11の特性については後述する。入射されたビーム6は、この第2の波長分離ミラー11を透過し、対物レンズ13によって標本14上で焦点を結ぶようになっている。
【0038】
標本14上では、1光子励起現象を発生させるレーザビーム3で発せられた蛍光(以下、1光子励起蛍光と称する)15(線形現象)と、2光子励起現象を発生させるレーザビーム4で発せられた蛍光(以下、2光子励起蛍光と称する)16(非線形現象)とが発生される。このとき、図3の(a)に示すように、1光子励起蛍光15は、レーザビーム3が通過(透過)した領域全体から発生されるのに対し、2光子励起蛍光16は、図3の(b)に示すように、レーザビーム4の対物レンズ13の焦点位置のみから発生される。したがって、2光子励起蛍光16は、光軸方向(Z方向)の分解能を備えている。
【0039】
また、図2に示すように、1光子励起蛍光15と2光子励起蛍光16とは、対物レンズ13を介して第2の波長分離ミラー(ダイクロイックミラー)11に入射される。
【0040】
このダイクロイックミラー11は、前記レーザビーム3,4(ビーム6)、および1光子励起蛍光15を透過させ、2光子励起蛍光16を反射させる特性を備えている。このため、2光子励起蛍光16のみ、第2の波長分離ミラー11によって反射(偏向)されて、1光子励起蛍光15から分離される。
偏向された2光子励起蛍光16は、レンズ17によって第2の光検出器18に入射され、光電変換される。なお、2光子励起現象(多光子励起現象)は、対物レンズの焦点位置のみで発生されるので、検出側にピンホールを配置しなくても共焦点と同等の光軸方向の分解能を得ることができる。したがって、2光子励起蛍光16を検出するには、その発生時点でZ方向の分解能を備えているので、共焦点ピンホールは不要である。
【0041】
一方、1光子励起蛍光15は、第2の波長分離ミラー(ダイクロイックミラー)11を透過し、結像レンズ12、ミラー10、投影レンズ9、ガルバノミラー8を順次介して第1の波長分離ミラー(ダイクロイックミラー)7に入射される。
【0042】
この第1の波長分離ミラー7は、前記レーザビーム3,4(ビーム6)を反射させ、1光子励起蛍光15を透過させる特性を備えている。このため、1光子励起蛍光15は、第1の波長分離ミラー7を透過した後、ミラー19で偏向され、レンズ20に入射される。なお、1光子励起蛍光15は、Z方向の分解能を備えていないため、対物レンズ13の焦点位置と共役な位置に共焦点ピンホール21が配置されている。1光子励起蛍光15は、レンズ20によってピンホール21面に結像され、対物レンズ13の焦点位置から発生した蛍光のみがピンホール21を通過して、第1の光検出器22に入射されて光電変換される。
それぞれ光電変換された1光子励起蛍光15および2光子励起蛍光16の信号は、図示しないコンピュータで処理されて、データとして処理および/もしくは画像として構築される。
【0043】
したがって、本実施の形態によれば、1光子励起現象による共焦点蛍光像と、2光子励起現象による2光子励起蛍光像とを同時に得ることができる。
【0044】
なお、本実施の形態において、線形現象は、1光子励起蛍光15に限ることはなく、標本からの光が、入射されたレーザビームの出力にほぼ正比例して増加するものであれば、構わない。また、非線形現象は、2光子励起された蛍光16に限ることはなく、3光子励起された蛍光、ラマン光、第2高調波、第3高調波などでも構わない。
【0045】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について図4を用いて説明する。以下、同様な作用および機能を有する部材には、第1および第2の実施の形態で用いた符号と同じ符号を使用して、詳しい説明を省略する。
レーザ顕微鏡は、それぞれ標本14上で、1光子励起現象を発生させる2つのレーザ光源1a,1bと、2光子励起現象を発生させる、極短パルスレーザ等の短パルスレーザ光源2とを備えている。
レーザ光源1bから出射されるレーザビーム3bの光路上には、ミラー23aが設けられている。このミラー23aは、入射されたレーザビーム3bを所定の方向に反射させる。
【0046】
そして、これらレーザビーム3a,3bの光路上には、それぞれレーザビーム3a,3bの光路に対して傾けられ、これらレーザビーム3a,3bを合成する機能を有するダイクロイックミラー23が配設されている。このダイクロイックミラー23は、レーザビーム3aを透過させ、レーザビーム3bを所定の方向に反射させるようになっている。このため、このダイクロイックミラー23に入射されたレーザビーム3a,3bは、1つの合成されたレーザビーム3にされる。
【0047】
また、短パルスレーザ光源2から出射されたレーザビーム4と、レーザビーム3との光路上には、これらレーザビーム3,4を合成させる機能を有するダイクロイックミラー5が配設されている。このダイクロイックミラー5は、レーザビーム3を所定の方向に反射させ、レーザビーム4を透過させて、これらレーザビーム3,4を合成させる。この合成されたレーザビーム6は、第1の波長分離ミラー7、ガルバノミラー8、投影レンズ9、ミラー10、結像レンズ12、第2の波長分離ミラー11、および対物レンズ13を順に介して標本14上に集光、照射される。
【0048】
この標本14からは、1光子励起現象を発生させるレーザビーム3a,3bで発せられた蛍光15a,15b(以下、1光子励起蛍光と称する)と、2光子励起現象を発生させるレーザビーム4で発せられた蛍光(以下、2光子励起蛍光と称する)16とが発生される。
これら1光子励起蛍光15a,15bおよび2光子励起蛍光16は、対物レンズ13を介して第2の波長分離ミラー11に入射される。
【0049】
この第2の波長分離ミラー11により偏向された2光子励起蛍光16は、第2の実施の形態と同様に、レンズ17によって第2の光検出器18で検出される。
【0050】
一方、1光子励起蛍光15a,15bは、第2の波長分離ミラー11を透過し、さらに、結像レンズ12、ミラー10、投影レンズ9、ミラー8を介して第1の波長分離ミラー7に入射される。
【0051】
この第1の波長分離ミラー7は、前記レーザビーム6を反射させ、これら1光子励起蛍光15a,15bを透過させる特性を備えている。このため、1光子励起蛍光15a,15bは、第1の波長分離ミラー7を透過した後、ミラー19で偏向される。これら1光子励起蛍光15a,15bの光路上には、ダイクロイックミラーからなる第3の波長分離ミラー24が所定の角度傾けられて設けられている。この第3の波長分離ミラー24は、蛍光15aの波長と蛍光15bの波長とを互いに分離させる特性を備えている。すなわち、蛍光15aを透過し、蛍光15bを反射する特性を備えている。このため、互いに分離された蛍光15a,15bは、それぞれレンズ20a,20b、共焦点ピンホール21a,21bを介してフォトマルチプライヤ22a,22bに入射され、光電変換される。
【0052】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について図5および図6を用いて説明する。以下、同様な作用および機能を有する部材には、第1ないし第3の実施の形態で用いた符号と同じ符号を使用して、詳しい説明を省略する。
標本14は、1波長励起2波長蛍光の試薬A,Bで2重染色されている。試薬Aの励起波長に近い発振波長を有するレーザ光源1と、試薬Bの励起波長の2倍近くの発振波長を有する短パルスレーザ光源2とから、それぞれレーザビーム3とレーザビーム4とが出射され、第2および第3の実施の形態と同様に合成されたレーザビーム6が標本14上に集光、照射される。
【0053】
標本14からは、1光子励起現象を発生させるレーザビーム3で試薬Aが発せられた1光子励起蛍光15a,15bが発生され、2光子励起現象を発生させるレーザビーム4で試薬Bが発せられた2光子励起蛍光16a,16bが発生される。
【0054】
前記第2の波長分離ミラー(ダイクロイックミラー)11は、レーザビーム3,4および1光子励起蛍光15a,15bを透過させ、2光子励起蛍光16a,16bを反射させる特性を備えている。分離偏向された蛍光16a,16bは、レンズ17に入射される。このレンズ17を出射された2光子励起蛍光16a,16bの前方には、ダイクロイックミラーからなる第4の波長分離ミラー25が所定の角度傾けられて設けられている。この第4の波長分離ミラー25は、蛍光16aと蛍光16bとを互いに分離させる特性を備えている。すなわち、蛍光16aを透過させ、蛍光16bを反射させる特性を備えている。互いに分離された2光子励起蛍光16a,16bの光路上には、それぞれバンドパスフィルタ26a,26bが配設されている。これら2光子励起蛍光16a,16bは、それぞれバンドパスフィルタ26a,26bによってこれら蛍光16a,16bの波長成分のみを透過させて、フォトマルチプライヤ18a,18bで検出され、光電変換される。
【0055】
一方、第2の波長分離ミラーを透過した1光子励起蛍光15a,15bは、第3の実施の形態と同様に、第3の波長分離ミラー24に入射される。この蛍光15aは、このミラー24を透過し、蛍光15bは、反射される。これら1光子励起蛍光15a,15bは、レンズ20a,20b、共焦点ピンホール21a,21bに順次入射される。
【0056】
そして、これら1光子励起蛍光15a,15bの光路上には、それぞれバンドパスフィルタ27a,27bが配置されている。1光子励起蛍光15a,15bは、それぞれバンドパスフィルタ27a,27bによって1光子励起蛍光15a,15bの波長成分のみが透過して、フォトマルチプライヤ22a,22bで検出され、光電変換される。
【0057】
本実施の形態では、測定精度を向上させるため、1光子励起蛍光15a,15b、および2光子励起蛍光16a,16bがフォトマルチプライヤに入射される直前に前記バンドパスフィルタ26a,26b,27a,27bを設けて、ノイズ成分をカットし、それぞれの蛍光の波長成分のみを検出できるようにしている。
【0058】
そして、例えば、1波長励起2波長蛍光の試薬には、カルシウムイオン濃度測定用試薬として知られているIndo−1と、pH測定用試薬として知られているSNARF−1とがあり、これらによって標本14が多重染色されている。なお、Indo−1が励起される波長の励起極大は350nmであり、励起により発せられる蛍光の波長の蛍光極大は、480nm,405nmである。SNARF−1が励起される波長の励起極大は530nmであり、励起により発せられる蛍光の波長の蛍光極大は、630nm,580nmである。
【0059】
以下、SNARF−1をGreen He:Neレーザから波長543nmのレーザビームを出射させて励起して、発せられた蛍光を共焦点ピンホールを介してフォトマルチプライヤで検出し、Indo−1をTi:Saレーザから波長700nmの超短パルスレーザビームを出射させて2光子励起現象を発生させて、発せられた蛍光をフォトマルチプライヤで検出する場合について記載する。
【0060】
第1ないし第4の波長分離ミラー(ダイクロイックミラー)7,11,24,25の特性は、それぞれ図6の(a)ないし(d)に示すように構成されている。ここで、図6の(a)ないし(d)は、それぞれ縦軸がレーザビームおよび蛍光の透過率、横軸がこれらの波長を表している。このため、まず、第1の波長分離ミラー7は、図6の(a)に示すように、それぞれのレーザビーム3,4の波長543nm,700nmを反射させる(透過させない)特性を有し、これらレーザビーム3,4を反射させる。また、第2の波長分離ミラー11は、図6の(b)に示すように、それぞれのレーザビーム3,4の波長543nm,700nmを透過させる特性を有し、これらレーザビーム3,4を透過させる。
【0061】
多重染色標本14から発生された蛍光15a,15b,16a,16bは、それぞれ630nm,580nm,480nm,405nmの波長を有する。このため、第2の波長分離ミラーは、図6の(b)に示すように、それぞれ630nm,580nmの波長を有する蛍光15a,15bを透過させ、480nm,405nmの波長を有する蛍光16a,16bを反射させるような特性を有する。
また、第4の波長分離ミラー25は、図6の(d)に示すように、480nmの波長を有する蛍光16aを透過させ、405nmの波長を有する蛍光16bを反射させる特性を有する。
また、第1の波長分離ミラー7は、図6の(a)に示すように、それぞれ630nm,580nmの波長を有する蛍光15a,15bを透過させる特性を有する。そして、第3の波長分離ミラー24は、図6の(c)に示すように、630nmの波長を有する蛍光15aを透過させ、580nmの波長を有する蛍光15bを反射させる特性を有する。
【0062】
したがって、それぞれフォトマルチプライヤ22a,22bでSNARF−1からの蛍光15a,15bを、フォトマルチプライヤ18a,18bでIndo−1からの蛍光16a,16bを検出することができる。そして、図示しないコンピュータでそれぞれフォトマルチプライヤ22a,22bで検出される蛍光量のレシオと、フォトマルチプライヤ18a,18bで検出される蛍光量のレシオとを求めて、生体組織細胞の標本14のカルシウム濃度変化とpH変化とを同時に測定することができる。
【0063】
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態について図7を用いて説明する。本実施の形態は、第4の実施の形態の変形例である。
本実施の形態では、カメレオン(商標)というプローブを用いてカルシウムイオン濃度を測定するとともに、SNARF−1によりpH測定を同時に行なう場合について説明する。
まず、カメレオンを用いたカルシウムイオン濃度測定法について説明する。これは、2つの蛍光タンパク質であるCFP蛍光およびYFP蛍光のエナジートランスファーを利用するものである。例えば、波長442nmのビームでCFP蛍光を励起し、励起されたCFP蛍光のエネルギでYFP蛍光を励起させる手法で、CFP蛍光の波長485nm、およびYFP蛍光の波長530nmの蛍光量のレシオを測定するものである。
【0064】
カメレオンを励起させる場合、波長442nmのHe:Cdレーザを用い、共焦点ピンホールを用いてフォトマルチプライヤ22a,22bで光電変換する。また、SNARF−1を励起させる場合、波長1000nmのTi:Saレーザを用い、2光子励起現象により発せられた蛍光をフォトマルチプライヤ18a,18bで光電変換して行なう。
【0065】
なお、第1ないし第4の波長分離ミラー(ダイクロイックミラー)7,11,24,25の特性は、それぞれ図7の(a)ないし(d)に示すように構成されている。ここで、図7の(a)ないし(d)は、それぞれ縦軸がレーザビームおよび蛍光の透過率、横軸がこれらの波長を表している。このため、まず、第1の波長分離ミラー7は、図7の(a)に示すように、それぞれ波長442nm,1000nmを反射させる(透過させない)特性を有し、これらレーザビーム3,4を反射させる。また、第2の波長分離ミラー11は、図7の(b)に示すように、それぞれ波長442nm,1000nmを透過させる特性を有し、これらレーザビーム3,4を透過させる。
【0066】
多重染色標本14から発生された蛍光15a,15b,16a,16bは、それぞれ530nm,485nm,580nm,630nmの波長を有する。このため、第2の波長分離ミラーは、図7の(b)に示すように、蛍光15a,15bを透過させ、蛍光16a,16bを反射させる特性を有する。
第4の波長分離ミラー25は、図7の(d)に示すように、蛍光16aを透過させ、蛍光16bを反射させる特性を有する。
また、第1の波長分離ミラー7は、図7の(a)に示すように、蛍光15a,15bの波長を透過させる特性を有する。そして、第3の波長分離ミラー24は、図7の(c)に示すように、蛍光15aを透過させ、蛍光15bを反射させる特性を有する。
【0067】
したがって、フォトマルチプライヤ22a,22bで、励起されたCFP蛍光15bを検出することができるとともに、このCFP蛍光のエネルギを利用して励起されたYFP蛍光15aを検出することができる。また、フォトマルチプライヤ18a,18bで、SNARF−1による蛍光を検出することができる。そして、図示しないコンピュータでこれら蛍光量のレシオをそれぞれ求めて、生体組織細胞の標本14のカルシウム濃度変化とpH変化とを同時に測定することができる。
【0068】
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態について図8を用いて説明する。以下、同様な作用および機能を有する部材には、第1ないし第5の実施の形態で用いた符号と同じ符号を使用して、詳しい説明を省略する。
本実施の形態は、第1ないし第4の実施の形態の変形例である。第3の実施の形態のように、標本14上で1光子励起現象を発生させる複数(ここでは、3つ)のレーザ光源1a,1b,1cが配設されている。それぞれのレーザ光源1a,1b,1cから出射されるレーザビーム3a,3b,3cを合成し、合成されたレーザビーム3にするために、ミラー23が設けられている。
【0069】
また、標本14上で、2光子励起現象を発生させる複数(ここでは、2つ)の短パルスレーザ光源2a,2bが配設されている。それぞれの短パルスレーザ光源2a,2bから出射されるレーザビーム4a,4bを合成し、合成されたレーザビーム4にするために、ミラー32が設けられている。
【0070】
また、第4の波長分離ミラー25で分離された蛍光16bの光路上には、ダイクロイックミラー25aが配設され、蛍光16をさらに分離させるようになっている。このミラー25を透過もしくは反射されたビームの光路上には、それぞれバンドパスフィルタとフォトマルチプライヤとが順次配設されている。
【0071】
また、第3の波長分離ミラー24のさらに前方に複数(ここでは、3つ)のミラー24a,24b,24cが配置されている。2つのミラー24a,24bは、ダイクロイックミラーからなり、ミラー24cは、反射ミラーからなる。
【0072】
そして、これらミラー24a,24b,24cで反射されたビームの光路上には、共焦点ピンホールと、バンドパスフィルタと、フォトマルチプライヤとがそれぞれ順次配設されている。
【0073】
本実施の形態では、それぞれ標本上で、1光子励起現象を発生させるレーザ光源1を3つ、2光子励起現象を発生させる短パルスレーザ光源2を2つ設けたが、これらの数に限らず、ダイクロイックミラーの特性を変えれば、組み合わせも自由に変化され得る。
【0074】
なお、第1ないし第6の実施の形態においては、短パルスレーザ光源から出射されるレーザビームによって標本から発せられるのは、2光子励起現象により発生される蛍光に限らず、例えば、3光子励起現象、4光子励起現象などの多光子励起現象により発生される蛍光、さらには、ラマン光、第2高調波、第3高調波などもあり得、これら蛍光、ラマン光、第2高調波、第3高調波なども同様に検出することができる。このため、標本で非線形現象を生じさせ、この現象により発生される光であれば、同様に、検出することができる。
また、各ダイクロイックミラーの特性において、波長による透過と反射との関係は、互いに反対であっても構わない。また、共焦点検出部分は、ダイクロイックミラーで互いに異なる波長に分離する前にレンズとピンホールとを配置する構成でも構わない。さらに、走査光学系は、ガルバノミラーに限らず、レーザビームを2次元的に走査できるものであれば、他の方式でも構わない。
【0075】
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【0076】
上記説明によれば、下記の事項の発明が得られる。また、各項の組み合わせも可能である。
【0077】
[付記]
1.少なくとも1つのレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されたレーザビームを2次元に走査させる走査光学系と、
この走査光学系により走査されたレーザビームを標本上に集光、照射させるとともに、線形現象および非線形現象により、この標本から得られる(発せられる)光を入射させる対物レンズと、
前記標本から得られる光を選択的に分離させる第1のビームスプリッタと、
この第1のビームスプリッタで分離された光を検出する第1の光検出器と、
を具備したレーザ顕微鏡において、
前記対物レンズと第1のビームスプリッタとの間の光軸上に配設され、前記標本から得られる光から、前記標本にレーザビームが照射されて発せられた非線形現象による所定の光を分離させる第2のビームスプリッタと、
この第2のビームスプリッタで分離された光を検出する第2の光検出器とをさらに具備し、
前記第2のビームスプリッタは、前記レーザ光源から出射されたレーザビーム、および前記標本から得られる線形現象による光または反射光と、前記標本から得られる非線形現象による光とを分離させるように設定され、
前記第1のビームスプリッタは、前記レーザ光源から出射されたレーザビームと、前記標本からの線形現象による光または反射光とを分離させるように設定されたことを特徴とするレーザ顕微鏡。
【0078】
2.少なくとも1つの1光子励起用のレーザ光源から出射されるレーザビームと、少なくとも1つの多光子励起用のパルスレーザ光源から出射されるレーザビームとを合成させるレーザビーム合成光学系と、
前記レーザビーム合成光学系で合成された複数のレーザビームを2次元に走査させる走査光学系と、
この走査光学系により走査されたレーザビームを標本上に集光、照射させるとともに、この標本から得られる光を入射させる対物レンズと、
前記レーザビーム合成光学系と前記走査光学系との間の光軸上に配設され、前記標本から得られる光を選択的に分離させる第1の波長分離ミラーと、
この第1の波長分離ミラーで分離された光を検出する第1の光検出器と、
を具備したレーザ顕微鏡において、
前記対物レンズと第1の波長分離ミラーとの間の光軸上に配設され、前記標本から得られる光から、前記標本にレーザビームが照射されて発せられた所定の光を分離させる第2の波長分離ミラーと、
この第2の波長分離ミラーで分離された光を検出する第2の光検出器とをさらに具備し、
前記第2の波長分離ミラーは、合成された前記レーザビーム、および前記1光子励起用のレーザから出射されたレーザビームによって前記標本から得られる所定の光と、前記多光子励起用のレーザから出射されたレーザビームによって前記標本から得られる所定の光とを分離させるように設定され、
前記第1の波長分離ミラーは、合成された前記レーザビームと、前記1光子励起用のレーザから出射されたレーザビームによって前記標本から得られる所定の光とを分離させるように設定されたことを特徴とするレーザ顕微鏡。
【0079】
3.前記第1の波長分離ミラーと前記第1の光検出器との間の光軸上に配設され、前記第1の波長分離ミラーで分離された光をさらに異なる波長に分離させる少なくとも1つの第3の波長分離ミラーと、
前記第3の波長分離ミラーで分離された光を検出する第3の光検出器とをさらに具備したことを特徴とする付記項2に記載のレーザ顕微鏡。
【0080】
4.前記第2の波長分離ミラーと前記第2の光検出器との間の光軸上に配設され、前記第2の波長分離ミラーで分離された光をさらに異なる波長に分離させる少なくとも1つの第4の波長分離ミラーと、
前記第4の波長分離ミラーで分離された光を検出する第4の光検出器とをさらに具備したことを特徴とする付記項2もしくは3に記載のレーザ顕微鏡。
【0081】
この付記項4によって、1光子励起および/もしくは2光子励起での2波長蛍光検出が可能となり、複数のレシオ測定を同時に行なうことができる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、生体細胞組織(標本)からの複数の光を同時に検出することが可能で、標本の複数の形態および機能をリアルタイムで観察および測定することが可能となる、特に、多重染色標本から発せられるそれぞれ異なる波長を有する複数の蛍光を同時に効率よく検出することができるレーザ顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係わるレーザ顕微鏡の光学系を説明するための概略図。
【図2】第2の実施の形態に係わるレーザ顕微鏡の光学系を説明するための概略図。
【図3】第2の実施の形態に係わり、(a)は蛍光の発生状態を説明するための概略図、(b)は多光子励起現象により励起される蛍光の発生状態を説明するための概略図。
【図4】第3の実施の形態に係わるレーザ顕微鏡の光学系を説明するための概略図。
【図5】第4の実施の形態に係わるレーザ顕微鏡の光学系を説明するための概略図。
【図6】第4の実施の形態に係わり、(a)ないし(d)は、それぞれ図5に示す第1ないし第4の波長分離ミラーの波長透過率特性を表すグラフ。
【図7】第5の実施の形態に係わり、(a)ないし(d)は、それぞれ図5に示す第1ないし第4の波長分離ミラーの波長透過率特性を表すグラフ。
【図8】第6の実施の形態に係わるレーザ顕微鏡の光学系を説明するための概略図。
【図9】従来技術に係わるレーザ顕微鏡の光学系を説明するための概略図。
【図10】従来技術に係わるダイクロイックミラーの特性を表すグラフ。
【符号の説明】
1,2…レーザ光源、3,4…レーザビーム、5…ダイクロイックミラー、6…レーザビーム、7…第1の波長分離ミラー、8…ガルバノミラー、11…第2の波長分離ミラー、13…対物レンズ、14…標本、15…蛍光、16…蛍光、18…第2の光検出器、21…共焦点ピンホール、22…第1の光検出器
Claims (6)
- 互いに異なる波長の蛍光を発する複数種類の蛍光色素で染色された多重染色標本の蛍光観察を行なうレーザ顕微鏡であって、
それぞれ標本上で、前記複数の蛍光色素のうちの第1の蛍光色素に線形現象を発生させるのに用いる少なくとも1つのレーザ光源と、前記第1の蛍光色素とは異なる第2の蛍光色素に非線形現象を発生させるのに用いる少なくとも1つの短パルスレーザ光源とから出射されるレーザビームを合成させるレーザビーム合成光学系と、
前記レーザビーム合成光学系で合成されたレーザビームを2次元的に走査させる走査光学系と、
この走査光学系により走査されたレーザビームを標本上に集光させるとともに、この標本からの光が入射される対物レンズと、
前記レーザビーム合成光学系と前記走査光学系との間の光軸上に配設され、合成された前記線形現象用と非線形現象用の各レーザビームから、前記レーザ光源から出射されたレーザビームによる前記標本からの線形現象による蛍光を波長に基づいて選択的に分離させる第1の波長分離ミラーと、
この第1の波長分離ミラーで分離された前記第1の蛍光色素からの蛍光を検出する第1の光検出器と、
前記対物レンズと前記走査光学系との間の光軸上に配設され、前記レーザ光源から出射されたレーザビームによる前記標本からの線形現象による蛍光および合成された前記線形現象用と非線形現象用の各レーザビームから、前記短パルスレーザ光源から出射されたレーザビームによる前記標本からの非線形現象による蛍光を波長に基づいて選択的に分離させる第2の波長分離ミラーと、
この第2の波長分離ミラーで分離された前記第2の蛍光色素からの蛍光を検出する第2の光検出器と
を具備することを特徴とするレーザ顕微鏡。 - 前記第1の波長分離ミラーと前記第1の光検出器との間の光軸上に配設され、前記第1の波長分離ミラーで分離された光をさらに異なる波長の光に分離させる少なくとも1つの第3の波長分離ミラーと、
前記第3の波長分離ミラーで分離された光を検出する第3の光検出器と
をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のレーザ顕微鏡。 - 前記第2の波長分離ミラーと前記第2の光検出器との間の光軸上に配設され、前記第2の波長分離ミラーで分離された光をさらに異なる波長の光に分離させる少なくとも1つの第4の波長分離ミラーと、
前記第4の波長分離ミラーで分離された光を検出する第4の光検出器と
をさらに具備することを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載のレーザ顕微鏡。 - 線形現象に基づく蛍光と、この蛍光とは波長が異なり非線形現象に基づく観察光を発生する標本の観察を行なうレーザ顕微鏡であって、
それぞれ標本上で、前記線形現象を発生させるのに用いる少なくとも1つのレーザ光源と、前記非線形現象を発生させるのに用いる少なくとも1つの短パルスレーザ光源とから出射されるレーザビームを合成させるレーザビーム合成光学系と、
前記レーザビーム合成光学系で合成されたレーザビームを2次元的に走査させる走査光学系と、
この走査光学系により走査されたレーザビームを標本上に集光させるとともに、この標本からの光が入射される対物レンズと、
前記レーザビーム合成光学系と前記走査光学系との間の光軸上に配設され、合成された前記線形現象用と非線形現象用の各レーザビームから、前記レーザ光源から出射されたレーザビームによる前記標本からの線形現象による蛍光を波長に基づいて選択的に分離させる第1の波長分離ミラーと、
この第1の波長分離ミラーで分離された前記蛍光を検出する第1の光検出器と、
前記対物レンズと前記走査光学系との間の光軸上に配設され、前記レーザ光源から出射されたレーザビームによる前記標本からの線形現象による蛍光および合成された前記線形現象用と非線形現象用の各レーザビームから、前記短パルスレーザ光源から出射されたレーザビームによる前記標本からの非線形現象による観察光を波長に基づいて選択的に分離させる第2の波長分離ミラーと、
この第2の波長分離ミラーで分離された前記観察光を検出する第2の光検出器と
を具備することを特徴とするレーザ顕微鏡。 - 前記非線形現象に基づく観察光は、ラマン光、第2高調波、第3高調波のうちのいずれかであることを特徴とする請求項4に記載のレーザ顕微鏡。
- 前記短パルスレーザ光源からのレーザビームの波長は近赤外帯域であることを特徴とする請求項1もしくは請求項4に記載のレーザ顕微鏡。
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