JP4994940B2 - レーザ走査型顕微鏡 - Google Patents

レーザ走査型顕微鏡 Download PDF

Info

Publication number
JP4994940B2
JP4994940B2 JP2007124829A JP2007124829A JP4994940B2 JP 4994940 B2 JP4994940 B2 JP 4994940B2 JP 2007124829 A JP2007124829 A JP 2007124829A JP 2007124829 A JP2007124829 A JP 2007124829A JP 4994940 B2 JP4994940 B2 JP 4994940B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical system
observation
laser light
wavelength
multiphoton
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007124829A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008281708A (ja
Inventor
純一 岡田
牧男 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2007124829A priority Critical patent/JP4994940B2/ja
Publication of JP2008281708A publication Critical patent/JP2008281708A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4994940B2 publication Critical patent/JP4994940B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Microscoopes, Condenser (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Description

本発明は、レーザ走査型顕微鏡に関するものである。
従来、蛍光色素を選択することで、レーザ光の波長を自動的に選択するレーザ走査型顕微鏡が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このレーザ走査型顕微鏡によれば、蛍光色素に対する励起波長の関係やレーザ光の発振波長の調節等の知識のないユーザも、簡単に使用することができるという利点がある。
特開2003−15045号公報
しかしながら、レーザ走査型顕微鏡においては、蛍光色素が選択された場合に、調節されるべき項目はレーザ光の波長選択のみではなく、種々の設定を調節する必要がある。特に、連続レーザ光を照射することにより行われる共焦点観察および超短パルスレーザ光を照射することにより行われる多光子励起観察の両方を行うことができるレーザ走査型顕微鏡においては、その調節は複雑となり、単にレーザ光の波長を自動調整しただけでは、適正な観察を行うことはできないという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、ユーザにかかる負担をさらに軽減して、より適正な蛍光観察を行うことができるレーザ走査型顕微鏡を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、超短パルスレーザ光を出射するパルスレーザ光源を含む多光子励起照明光学系と、連続レーザ光を出射する連続レーザ光源を含む1光子励起照明光学系と、これら照明光学系から出射されたレーザ光を2次元的に走査して標本に照射する走査光学系と、標本に対してレーザ光を照射することにより、標本から発生する蛍光を前記走査光学系より前記標本側で検出する多光子蛍光観察光学系、および、前記走査光学系よりも前記1光子励起照明光学系側で検出する共焦点観察光学系と、蛍光色素および多光子観察か1光子観察かの観察方法を選択入力する入力部と、前記蛍光色素および多光子励起観察もしくは1光子励起観察に対応づけて前記照明光学系および前記観察光学系の設定を記憶する記憶部と、前記入力部により入力された蛍光色素および観察方法に対応して前記記憶部に記憶されている設定に前記照明光学系および前記観察光学系を設定する設定制御部と、を備え、前記記憶部が、前記多光子励起照明光学系に関する設定として、少なくとも、パルスレーザ光の波長、および、分散補償光学系の設定値を含み、前記1光子励起照明光学系に関する設定として、少なくとも、連続レーザ光源から出射させる連続レーザ光の波長の設定値を含み、前記多光子蛍光観察光学系に関する設定として、少なくとも、照明光路から多光子観察光路へ分岐する部分に配置されているダイクロイックミラーの種類、バリアフィルターの切替、および光検出回路設定を含み、前記共焦点観察光学系に関する設定として、少なくとも、照明光路から共焦点観察光路へ分岐する部分に配置されているダイクロイックミラーの種類、ピンホールの開口径、バリアフィルタの切替、および光検出器の検出回路設定が含まれるレーザ走査型顕微鏡を提供する。
本発明によれば、設定制御部の作動により、入力部から入力された蛍光色素および観察方法に対応する照明光学系および観察光学系の設定が記憶部内から読み出され、照明光学系および観察光学系が設定される。照明光学系の設定としては、レーザ光源から発せられるレーザ光の波長、多光子励起観察光学系においては、アライメント光学系、波面調整光学系、ビーム系調整光学系、ネガティブチャープ、調光手段等の設定等が挙げられる。また、観察光学系の設定としては、共焦点観察光学系においては、検出される蛍光を分離する励起ダイクロイックミラーおよび蛍光を波長毎に分離する分光ダイクロイックミラーの波長特性、共焦点ピンホールの開口径、バリアフィルタの特性および光検出器の検出回路設定等が挙げられる。
上記発明においては、前記共焦点観察光学系が、開口量を変更可能な共焦点ピンホールを備え、前記入力部から観察方法として多光子蛍光観察が選択された場合に、前記多光子蛍光観察光学系および前記共焦点ピンホールを開放した共焦点観察光学系により標本から発生する蛍光を検出することとしてもよい。
このようにすることで、共焦点観察光学系を利用して多光子蛍光観察を行うことができる。これにより、多光子蛍光観察光学系の検出チャネルを越える数の波長の多光子蛍光を検出する場合に、共焦点観察光学系の検出チャネルを割り当てて検出することができる。
また、上記発明においては、前記記憶部に、蛍光色素の励起波長に対する励起効率のプロファイル情報が記憶され、前記入力部から、励起波長が重複する複数の蛍光色素が入力された場合に、前記記憶部に記憶されている各蛍光色素のプロファイル情報が交差する波長に前記レーザ光の波長を設定することとしてもよい。
このようにすることで、複数の蛍光色素を最も効率的に励起することが可能となり、1つの波長のレーザ光によって、複数の蛍光色素を同時励起して観察することができる。
本発明によれば、ユーザにかかる負担をさらに軽減して、より適正な蛍光観察を行うことができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡1について、図1〜図5を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡1は、図1に示されるように、超短パルスレーザ光(以下、パルスレーザ光またはレーザ光という。)を出射するパルスレーザ光源2を備える多光子励起照明光学系3と、連続レーザ光を出射する連続レーザ光源4を備える1光子励起照明光学系5と、多光子励起照明光学系3または1光子励起照明光学系5のいずれかから出射されたレーザ光を2次元的に走査する走査光学系6と、該走査光学系6により走査されたレーザ光を標本Sに集光する対物レンズ7と、レーザ光が照射されることにより、標本Sから発生した蛍光を検出する多光子蛍光観察光学系8および共焦点観察光学系9と、各種設定を記憶する記憶部10と、蛍光色素の種類および観察方法を入力する入力部11と、前記各光学系3,8,9を制御する制御部12とを備えている。
前記多光子励起照明光学系3は、パルスレーザ光源2と、該パルスレーザ光源2から出射されるパルスレーザ光の光軸調整を行うアライメントミラー13と、パルスレーザ光の波長選択および強度調整を行う音響光学素子からなる調光素子14と、該調光素子14から出射されたパルスレーザ光の光軸調整を行うアライメントミラー15と、パルスレーザ光の負の分散を付与する分散補償光学系16と、レーザ光を略平行光にしてその光束径を調節するコリメート光学系17と、多光子励起照明光学系3からの出力となるパルスレーザ光の最終的な光軸調整を行うアライメントミラー18とを備えている。
分散補償光学系16は、λ/2板19と、相互に間隔調整可能に設けられた一対のグレーティング20a,20bと、該グレーティング20a,20b対から出射されるレーザ光の出射位置を調節するアライメントミラー20cと、λ/4板21とを備えている。グレーティング20a,20b対は、一対のグレーティング20a,20bの間隔を調節することにより、レーザ光に付与する負分散量を調節することができるようになっている。ミラー20cは、グレーティング20a,20b対の移動により光路が変動しても、分散補償光学系16から出射されるレーザ光の出射位置および角度が変化しないように調節するようになっている。
前記1光子励起照明光学系5は、連続レーザ光源4により構成されている。
前記多光子励起照明光学系3と1光子励起照明光学系5の光路は、ダイクロイックミラー22によって合流されている。
走査光学系6は、例えば、相互に交差する軸線回りに揺動させられる2枚のガルバノミラー(図示略)を対向させてなる、いわゆる近接ガルバノミラーからなるスキャナ6aと、該スキャナ6aにより走査されたレーザ光を集光する瞳投影レンズ6bとを備えている。
前記多光子蛍光観察光学系8は、落射観察光学系8Aと、透過観察光学系8Bとを備えている。
落射観察光学系8Aは、前記対物レンズ7と瞳投影レンズ6bとの間の光路に挿脱可能に設けられたダイクロイックミラー23と、該ダイクロイックミラー23が光路に挿入された状態で、反射される多光子蛍光を波長毎に分岐するダイクロイックミラー24と、多光子蛍光に含まれるパルスレーザ光を遮断するバリアフィルタ25と、多光子蛍光をそれぞれ検出する光検出器26とを備えている。
また、透過観察光学系8Bは、前記標本Aを挟んで対物レンズ7と対向する位置に配置されたコンデンサレンズ27と、該コンデンサレンズ27により集光された多光子蛍光を反射する光路に挿脱可能なミラー28と、該ミラー28により反射された多光子蛍光を波長毎に分岐するダイクロイックミラー29と、多光子蛍光に含まれるパルスレーザ光を遮断するバリアフィルタ30と、多光子蛍光をそれぞれ検出する光検出器31とを備えている。
前記共焦点観察光学系9は、前記1光子励起照明光学系5とスキャナ6aとの間に配置され、スキャナ6aを介して戻る蛍光を分岐するダイクロイックミラー32と、分岐された蛍光を集光する共焦点レンズ33と、該共焦点レンズ33により集光された光を通過させる調節可能な開口を有する共焦点ピンホール34と、該共焦点ピンホール34を通過した蛍光を集光する集光レンズ35と、蛍光を波長毎に分岐するダイクロイックミラー36およびミラー37と、バリアフィルタ38と、光検出器39とを備えている。
前記記憶部10には、選択可能な蛍光色素の種類および観察方法(多光子観察か1光子観察か等)と対応づけて、多光子励起照明光学系3、1光子励起照明光学系5、多光子蛍光観察光学系8および共焦点観察光学系9の各種設定が記憶されている。
多光子励起照明光学系3に関しては、記憶部10に記憶される設定には、パルスレーザ光源2から出射させるパルスレーザ光の波長、各アライメントミラー13,15の角度、調光素子14により選択するパルスレーザ光の波長および強度、λ/2板19の調整、分散補償光学系16のグレーティング20a,20b対およびアライメントミラー20cの位置調整、λ/4板21の調整、コリメート光学系17による光束径の調整、アライメントミラー18の角度等の設定値が含まれている。
1光子励起照明光学系5に関しては、記憶部10に記憶される設定には、連続レーザ光源4から出射させる連続レーザ光の波長の設定値が含まれている。
多光子蛍光観察光学系8に関しては、記憶部10に記憶される設定には、ダイクロイックミラー23,28の種類、バリアフィルタ25,30の切替、光検出器26,31の検出回路設定が含まれている。
共焦点観察光学系9に関しては、ダイクロイックミラー32,36の種類、共焦点ピンホール34の開口径、バリアフィルタ38の切替、光検出器39の検出回路設定が含まれている。
入力部11から入力される蛍光色素の種類および観察方法は、例えば、図2に示されるように、画面上に表示されたアイコンP1〜P5を選択することにより行われる。図2に示される例では、同じ蛍光色素に対して観察方法毎にアイコンP1〜P5が用意されているので、ユーザは、アイコンP1〜P5を選択するだけで、蛍光色素の種類および観察方法を入力することができるようになっている。図中「2P」は二光子励起観察用であることを意味している。
制御部12は、蛍光色素の種類および観察方法が入力部11から入力されると、これらの蛍光色素の種類および観察方法をキーとして記憶部10内を検索し、対応して記憶されている各種設定を読み出すようになっている。そして、制御部12は、読み出した設定を多光子励起照明光学系3、1光子励起照明光学系5、多光子蛍光観察光学系8または共焦点観察光学系9に適用するようになっている。
このように構成された本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡1を用いて標本Aの蛍光観察を行うには、まず、図3に示されるように、ユーザは、入力部11を操作して蛍光色素の種類と観察方法とを選択する(ステップS1)。
制御部12は、入力部11から入力された蛍光色素および観察方法に基づいて記憶部10内のデータベースを検索し、対応して記憶されている各部の設定データを読み出す(ステップS2)。読み出されるデータには、各部の設定データの他、入力された蛍光色素を励起するのに適したレーザ光の波長、当該レーザ光により蛍光色素が励起されることにより発せられる蛍光の波長も含まれている。
そして、制御部12は、入力された観察方法が、共焦点観察であるか多光子励起観察であるかを判断し(ステップS3)、判断の結果、共焦点観察である場合には、1光子励起照明光学系5および共焦点観察光学系9の設定が行われ(ステップS4)、多光子励起観察が入力された場合には、多光子励起照明光学系3および多光子蛍光観察光学系8の設定が行われる(ステップS5)。
ここで、入力された観察方法が共焦点観察である場合について、図4を参照して、さらに詳細に説明する。
まず、1光子励起照明光学系5の設定を行う(ステップS11)。
すなわち、ステップS2において記憶部10から読み出された、入力された蛍光色素を励起するのに適した連続レーザ光の波長を連続レーザ光源4に設定する(ステップS11)。これにより、1光子励起照明光学系5に対する設定が終了する。
次に、共焦点観察光学系9の設定を行う(ステップS12〜S17)。
まず、標本Aから発生した蛍光を分岐するための蛍光波長に適合したダイクロイックミラー(励起ダイクロイックミラー)32を光路上に設定する(ステップS12)。次いで、共焦点ピンホール34の開口径を十分に小さく絞り、光軸の調整を行う(ステップS13)。
そして、読み出された蛍光波長を検出するために必要なダイクロイックミラー(分光ダイクロイックミラー)36の切り替えを行い(ステップS14)、読み出された波長のレーザ光を効果的に遮断できるバリアフィルタ38に切り替える(ステップS15)。その後、読み出された蛍光波長を検出するのに適した光検出器39の検出回路設定が行われる(ステップS16)。これにより、共焦点観察用の各部の設定が終了する。
一方、入力された観察方法が多光子励起観察である場合について、図5を参照して、さらに詳細に説明する。
まず、多光子励起照明光学系3の設定を行う(ステップS21〜S31)。
すなわち、ステップ2において記憶部10から読み出された、入力された蛍光色素を励起するのに適したパルスレーザ光の波長をパルスレーザ光源2に設定する(ステップS21)。パルスレーザ光源2の波長が変更された場合には、出力が安定するのを待って、次の設定が行われる(ステップS22)。
パルスレーザ光源2から出射されるパルスレーザ光の波長が変更されると、パルスレーザ光源2からのパルスレーザ光の光軸が変動するので、アライメントミラー13を揺動させて、光軸調整を行う(ステップS23)。そして、調光素子14を調節することにより、パルスレーザ光の波長を選択し、その強度を調節する(ステップS24)。調光素子14は、音響光学素子により構成されているので、パルスレーザ光の波長選択および強度調整を行うことにより、出射されるパルスレーザ光の光軸が変動する。
そこで、アライメントミラー15を揺動させて光軸調整を行う(ステップS25)。
その後、λ/2板19を調節することにより、パルスレーザ光の偏光方向を調整し(ステップS26)、分散補償光学系16のグレーティング20a,20b対を調節することにより、パルスレーザ光に付与する負分散量を調整し(ステップS27)、グレーティング20a,20b対の調整によりずれた光軸をアライメントミラー20cを並進移動させることで調節する(ステップS28)。そして、λ/4板21を調節することによりパルスレーザ光を円偏光に変換する(ステップS29)。
次いで、コリメート光学系17を調節することにより、パルスレーザ光の光束径が、対物レンズ7の瞳を満たすように調整され(ステップS30)、アライメントミラー18の調節により、最終的に多光子励起照明光学系3から出射させるパルスレーザ光の光軸調整を行う(ステップS31)。
これにより、多光子励起照明光学系3の各部の設定が終了する。
次に、多光子蛍光観察光学系8の設定を行う(ステップS32〜S36)。
多光子蛍光観察光学系8は、落射観察光学系8Aおよび透過観察光学系8Bを備えているので、両方を使用する場合について説明する。
まず、標本Aから発生した多光子蛍光を分岐するための蛍光波長に適合したダイクロイックミラー(励起ダイクロイックミラー)32を光路上に設定する(ステップS32)。これにより、場合によっては、共焦点観察光学系9の光検出器39を多光子蛍光観察用に流用することが可能となる。
次いで、標本Aから発生した多光子蛍光を分岐するための蛍光波長に適合したダイクロイックミラー23を光路上に設定する(ステップS33)。
そして、記憶部10から読み出された蛍光波長を検出するために必要なダイクロイックミラー(分光ダイクロイックミラー)24,29の切り替えを行い(ステップS34)、読み出された波長のレーザ光を効果的に遮断できるバリアフィルタ25,30に切り替える(ステップS35)。その後、読み出された蛍光波長を検出するのに適した光検出器26,31の検出回路設定が行われる(ステップS36)。これにより、多光子蛍光観察用の各部の設定が終了する。
このようにして、各部の設定が行われた後に、共焦点観察または多光子励起観察のいずれかが行われる。
共焦点観察が行われる場合には、連続レーザ光源4から出射された連続レーザ光がスキャナ6aにより2次元的に走査され、瞳投影レンズ6bによって集光され、対物レンズ7によって標本A上に集光される。連続レーザ光源4から出射される連続レーザ光の波長は、入力された蛍光色素の種類に適したものが記憶部10から読み出されて設定されているので、標本Aに含有されている蛍光色素を効率的に励起して所望の波長の蛍光を発生させることができる。
連続レーザ光が照射されることにより標本Aにおいて発生した蛍光は、対物レンズ7、瞳投影レンズ6b、スキャナ6aを介して戻り、ダイクロイックミラー32により分岐されて共焦点観察光学系9に入射される。ダイクロイックミラー32は、入力された蛍光色素の種類に応じた蛍光波長に適したものが記憶部10から読み出されて設定されているので、蛍光を効率的に分岐して検出させることができる。
ダイクロイックミラー32により分岐された蛍光は、共焦点レンズ33によって集光され、共焦点ピンホール34を通過させられたものが集光レンズ35により集光され、ダイクロイックミラー36によって波長毎に分岐されて光検出器39により検出される。共焦点ピンホール34の開口径は、共焦点観察用に十分に小さく設定されているので、標本Aにおける連続レーザ光の集光位置において発生した蛍光のみが共焦点ピンホール34を通過させられて光検出器39により検出される。
これにより、対物レンズ7の焦点面に広がる標本Aのスライス画像を高い分解能で取得して鮮明な蛍光画像を観察することができる。この場合において、本実施形態によれば、入力された蛍光色素の種類に適したダイクロイックミラー32の波長設定および光検出器39の検出回路設定が行われているので、共焦点ピンホール34を通過した微弱な蛍光を精度よく波長毎に分岐して無駄なく検出することができる。
なお、入力部11からの入力として、蛍光画像の分解能を指定できる場合には、これに合わせて共焦点ピンホール34の開口径を調節可能とすることにしてもよい。この場合には、共焦点ピンホール34の開口径を増大させると、分解能は低下するが、明るい蛍光画像を取得することができる。
また、多光子蛍光観察が行われる場合には、パルスレーザ光源2から出射されたパルスレーザ光が、アライメントミラー13により光軸調整され、調光素子14により調光され、アライメントミラー15により光軸調整され、分散補償光学系16により負分散を付与され、コリメート光学系17により光束径を調整され、アライメントミラー18によって光軸調整されてダイクロイックミラー22によりスキャナ6aに指向される。パルスレーザ光源2から出射されるパルスレーザ光の波長は、入力された蛍光色素の種類に適したものが記憶部10から読み出されて設定されているので、標本Aに含有されている蛍光色素を効率的に励起して所望の波長の多光子蛍光を発生させることができる。
分散補償光学系16に入射される前にλ/2板19の調節が行われることで、負分散の付与を効率的に行うことができる。分散補償光学系16のグレーティング20a,20b対がパルスレーザ光の波長に合わせて調節されるので、対物レンズ7の先端から十分に短いパルス幅の超短パルスレーザ光を出射させることができる。また、コリメート光学系17によりパルスレーザ光の光束径が対物レンズ7の瞳を満たすように設定されることにより、対物レンズ7の性能を十分に発揮させた高い開口数のパルスレーザ光を標本Aに照射させることができる。これにより、パルスレーザ光によって多光子励起現象を発生させる光軸方向の長さを短くして、分解能の高い多光子蛍光画像を取得することができる。
標本Aにおいてパルスレーザ光が集光された位置から発生した多光子蛍光のうち、対物レンズ7方向に出射された多光子蛍光は、対物レンズ7により集光された直後に、ダイクロイックミラー23,24により波長毎に分解されて光検出器26により検出される。ダイクロイックミラー23,24は、入力された蛍光色素の種類に応じた蛍光波長に適したものが記憶部10から読み出されて設定されているので、多光子蛍光を効率的に分岐して検出させることができる。
一方、標本Aにおいてパルスレーザ光が集光された位置から発生した多光子蛍光のうち、標本Aを透過してコンデンサレンズ27方向に出射された多光子蛍光は、コンデンサレンズ27により集光された直後に、ミラー28により反射され、ダイクロイックミラー29によって波長毎に分解されて光検出器31により検出される。
これにより、対物レンズ7の焦点面に広がる標本Aのスライス画像を高い分解能で取得して鮮明な多光子蛍光画像を観察することができる。この場合において、本実施形態によれば、入力された蛍光色素の種類に適したダイクロイックミラー23,24,29の波長設定、バリアフィルタ25,30の設定および光検出器26,31の検出回路設定が行われているので、多光子蛍光を精度よく波長毎に分岐して無駄なく検出することができる。
また、入力部11から多数種の蛍光色素が入力され、多光子蛍光観察が選択された場合には、検出される蛍光波長が多くなり、場合によっては、多光子蛍光観察光学系8のみでは検出しきれないこともある。そのような場合には、共焦点観察光学系9の共焦点ピンホール34を最大限に開放し、また、ダイクロイックミラー32,36およびバリアフィルタ38の設定を調節する。このようにすることで、多光子蛍光観察光学系8の光検出器26,31のみでは検出しきれない数の波長の多光子蛍光を共焦点観察光学系9を流用して検出することができる。
このように、本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡1によれば、蛍光色素および観察方法を入力するだけで、記憶部10に記憶された各部の設定が読み出されて設定されるので、入力された蛍光色素に適したレーザ光の波長で、蛍光色素から発生する蛍光を効率的に検出して、鮮明で明るい蛍光画像を取得することができる。したがって、ユーザが蛍光色素やレーザ走査型顕微鏡1の設定に関する詳細な知識を持ち合わせていなくても、適正な蛍光観察を行うことができる。その結果、ユーザにかかる負担をさらに軽減することができるという効果がある。
なお、本実施形態においては、蛍光色素の種類を入力してこれに適した励起波長のレーザ光を照射するよう設定することとした。この設定には、蛍光色素毎に異なる励起波長のレーザ光を照射することが含まれることはもちろんのことであるが、単一の励起波長で異なる複数の蛍光色素を励起することができる場合に、この励起波長を選択することとしてもよい。
この場合、例えば、図6に示されるように、異なる蛍光色素D1,D2が相互に重なる励起効率の波長特性(プロファイル情報)を有する場合に、それぞれの励起効率の波長特性を記憶部10に記憶しておき、図中に鎖線で示される最大励起効率となる励起波長λ,λを選択する代わりに、実線で示されるように励行効率特性が交差する励起波長λを選択することにすればよい。このようにすることで、単一の励起波長λのレーザ光によって、複数の蛍光色素D1,D2を比較的大きな励起効率で同時に励起することができる。したがって、同時性を要求される蛍光観察を簡易に行うことができる。
また、本実施形態においては、多光子励起照明光学系3と1光子励起照明光学系5とを有するレーザ走査型顕微鏡1を例示して説明したが、これに代えて、図7に示されるように、多光子励起照明光学系3と同様の構成からなる多光子励起刺激光学系3′を有するレーザ走査型顕微鏡1′を採用してもよい。図中、多光子励起刺激光学系3′において多光子励起照明光学系3と構成を共通とする箇所には「′(ダッシュ)」を付して同一符号を使用し、説明を省略する。
この場合、記憶部10には、入力される蛍光色素に適した波長の刺激用のレーザ光の波長を含む多光子励起刺激光学系3′の各部の設定が記憶されていることとすればよい。
また、本実施形態においては、入力部11からの蛍光色素の種類および観察方法の入力方法として、蛍光色素に対して観察方法毎に用意されたアイコンP1〜P5を選択する方法を例示したが、これに代えて、観察方法の情報を含まない蛍光色素のアイコンを、観察方法毎に用意されたボックスに割り当てることで、蛍光色素および観察方法を入力することにしてもよい。また、蛍光色素および観察方法を含むアイコンを光検出器に割り当てることにしてもよい。
本発明の一実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡の全体構成を示すブロック図である。 図1のレーザ走査型顕微鏡の入力部による蛍光色素および観察方法の入力の一例を示す図である。 図1のレーザ走査型顕微鏡による各部の設定手順を説明するフローチャートである。 図3の設定手順の内、共焦点観察用の設定手順を示すフローチャートである。 図3の設定手順の内、多光子蛍光観察用の設定手順を示すフローチャートである。 多数の蛍光色素を単一の励起波長で励起する場合の励起波長の選択方法を説明する励起効率の波長特性を示すグラフである。 図1のレーザ走査型顕微鏡の変形例であって、刺激用照明光学系を有するレーザ走査型顕微鏡の全体構成を示すブロック図である。
符号の説明
A 標本
1,1′ レーザ走査型顕微鏡
2 パルスレーザ光源
3 多光子励起照明光学系
4 連続レーザ光源
5 1光子励起照明光学系
6 走査光学系
8 多光子蛍光観察光学系
9 共焦点観察光学系
10 記憶部
11 入力部
12 制御部(設定制御部)
34 共焦点ピンホール

Claims (3)

  1. 超短パルスレーザ光を出射するパルスレーザ光源を含む多光子励起照明光学系と、
    連続レーザ光を出射する連続レーザ光源を含む1光子励起照明光学系と、
    これら照明光学系から出射されたレーザ光を2次元的に走査して標本に照射する走査光学系と、
    標本に対してレーザ光を照射することにより、標本から発生する蛍光を前記走査光学系より前記標本側で検出する多光子蛍光観察光学系、および、前記走査光学系よりも前記1光子励起照明光学系側で検出する共焦点観察光学系と、
    蛍光色素および多光子観察か1光子観察かの観察方法を選択入力する入力部と、
    前記蛍光色素および多光子励起観察もしくは1光子励起観察に対応づけて前記照明光学系および前記観察光学系の設定を記憶する記憶部と、
    前記入力部により入力された蛍光色素および観察方法に対応して前記記憶部に記憶されている設定に前記照明光学系および前記観察光学系を設定する設定制御部と、を備え、
    前記記憶部が、
    前記多光子励起照明光学系に関する設定として、少なくとも、パルスレーザ光の波長、および、分散補償光学系の設定値を含み、
    前記1光子励起照明光学系に関する設定として、少なくとも、連続レーザ光源から出射させる連続レーザ光の波長の設定値を含み、
    前記多光子蛍光観察光学系に関する設定として、少なくとも、照明光路から多光子観察光路へ分岐する部分に配置されているダイクロイックミラーの種類、バリアフィルターの切替、および光検出回路設定を含み、
    前記共焦点観察光学系に関する設定として、少なくとも、照明光路から共焦点観察光路へ分岐する部分に配置されているダイクロイックミラーの種類、ピンホールの開口径、バリアフィルタの切替、および光検出器の検出回路設定が含まれるレーザ走査型顕微鏡。
  2. 前記共焦点観察光学系が、開口量を変更可能な共焦点ピンホールを備え、
    前記入力部から観察方法として多光子蛍光観察が選択された場合に、前記多光子蛍光観察光学系および前記共焦点ピンホールを開放した共焦点観察光学系により標本から発生する蛍光を検出する請求項1に記載のレーザ走査型顕微鏡。
  3. 前記記憶部に、蛍光色素の励起波長に対する励起効率のプロファイル情報が記憶され、
    前記入力部から、励起波長が重複する複数の蛍光色素が入力された場合に、前記記憶部に記憶されている各蛍光色素のプロファイル情報が交差する波長に前記レーザ光の波長を設定する請求項1に記載のレーザ走査型顕微鏡。
JP2007124829A 2007-05-09 2007-05-09 レーザ走査型顕微鏡 Expired - Fee Related JP4994940B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007124829A JP4994940B2 (ja) 2007-05-09 2007-05-09 レーザ走査型顕微鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007124829A JP4994940B2 (ja) 2007-05-09 2007-05-09 レーザ走査型顕微鏡

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008281708A JP2008281708A (ja) 2008-11-20
JP4994940B2 true JP4994940B2 (ja) 2012-08-08

Family

ID=40142589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007124829A Expired - Fee Related JP4994940B2 (ja) 2007-05-09 2007-05-09 レーザ走査型顕微鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4994940B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5185151B2 (ja) * 2009-02-09 2013-04-17 オリンパス株式会社 顕微鏡観察システム
JP5616588B2 (ja) * 2009-04-16 2014-10-29 オリンパス株式会社 顕微鏡

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4027546B2 (ja) * 1999-10-21 2007-12-26 オリンパス株式会社 顕微鏡システム
JP4693972B2 (ja) * 2000-09-29 2011-06-01 オリンパス株式会社 レーザ顕微鏡
JP4914542B2 (ja) * 2001-07-04 2012-04-11 オリンパス株式会社 走査型顕微鏡装置
JP2003021791A (ja) * 2001-07-06 2003-01-24 Nikon Corp 顕微鏡システム
JP4804665B2 (ja) * 2001-08-09 2011-11-02 オリンパス株式会社 レーザ顕微鏡
JP2004109374A (ja) * 2002-09-17 2004-04-08 Olympus Corp 電動光学顕微鏡
JP4804726B2 (ja) * 2004-06-16 2011-11-02 オリンパス株式会社 走査型光学観察装置
JP4878751B2 (ja) * 2004-12-10 2012-02-15 オリンパス株式会社 顕微鏡用照明装置および蛍光顕微鏡装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008281708A (ja) 2008-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4869734B2 (ja) 多光子励起走査型レーザ顕微鏡
JP5485289B2 (ja) 分解能増進顕微鏡法
US7394063B2 (en) Microscope for investigating the lifetime of excited states in a sample
EP1857853A2 (en) Illuminating device
US7480046B2 (en) Scanning microscope with evanescent wave illumination
US20060097188A1 (en) Method for microscopy, and microscope
JP5307439B2 (ja) レーザ顕微鏡
JP6206684B2 (ja) 分光器及び顕微鏡システム
US20110043907A1 (en) Fluorescence microscope
EP1959291A2 (en) Laser scanning microscope
JP3164989B2 (ja) 試料観察方法および多波長光光学顕微鏡
JP4262319B2 (ja) 走査型レーザ顕微鏡
JP2016537674A (ja) エバネッセント照明及び点状ラスタスキャン照明のための顕微鏡
JP4994940B2 (ja) レーザ走査型顕微鏡
US10317659B2 (en) Laser microscope
JP2005189290A (ja) 走査型レーザー顕微鏡
JP4583723B2 (ja) 試料を染色した蛍光試薬のレーザ走査顕微鏡を用いた判別方法
JP4981460B2 (ja) レーザ顕微鏡
JP5096760B2 (ja) 顕微鏡用照明装置および蛍光顕微鏡装置
JP4869749B2 (ja) 走査型顕微鏡
JP2006284701A (ja) 顕微鏡用照明装置および蛍光顕微鏡装置
JP4878751B2 (ja) 顕微鏡用照明装置および蛍光顕微鏡装置
JP4567324B2 (ja) レーザー走査型共焦点顕微鏡
JP4633386B2 (ja) 走査型レーザ顕微鏡及びそれを用いたデータ取得方法
JP2006162994A (ja) 全反射蛍光顕微鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100405

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120417

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120509

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150518

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4994940

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150518

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees