JP4981460B2 - レーザ顕微鏡 - Google Patents

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本発明は、レーザ顕微鏡に関するものである。
従来、異なる波長のレーザ光を結合して出射するレーザ光源からのレーザ光の一部をビームスプリッタにより分離して、交換可能なフィルタにより波長を選択し、選択された波長のレーザ光を光検出器により受光して、その波長のレーザ光の強度を検出し、検出信号に基づいて、レーザ光の強度調節を行うレーザ顕微鏡が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このレーザ顕微鏡においては、光検出器の位置から対物レンズまでの波長毎の透過率や反射率を考慮することで、対物レンズから出射されるレーザ光の強度を知ることができる。
特開平11−231222号公報
しかしながら、レーザ光の伝送経路に、ブロードバンドのシングルモード伝送が可能なPCF(Photonic Crystal
Fiber)を用いる場合にはPCFから出射されるレーザ光の開口数(NA)が波長に比例するという関係がある。このため、PCFから出射されるレーザ光をコリメートレンズを用いて略平行光にする場合には、長波長のレーザ光のビーム径が短波長のレーザ光のビーム径より大きくなってしまうという不都合がある。
また、多光子励起を目的とした近赤外の極短パルスレーザ光を出射する高出力のレーザ光源を用いた場合、導光する光学系の熱レンズ効果によってもレーザ光のビーム径が変化する。レーザ光源のパワーが大きいほど、また、波長が近赤外領域に近いほど熱レンズ効果を起こし易く、ビーム径の変化が大きく現れる。
この場合において、レーザ光の波長が変更されたり、熱レンズ効果が発生したりしてレーザ光のビーム径が変化すると、ビーム径が対物レンズの瞳径より大きくなってしまうことがある。
ビーム径が対物レンズの瞳径より大きくなると、レーザ光の外側部分が対物レンズの瞳によりけられてしまうため、実際に対物レンズの先端から出射されるレーザ光の強度は、光検出器に入射されるレーザ光の強度より減少してしまい、正確な強度を知ることができなくなってしまうという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、レーザ光の波長や強度が変化しても、対物レンズの先端から出射されるレーザ光の強度を簡易にかつ精度よく検出することができ、精度よく設定された強度のレーザ光を標本に照射することができるレーザ顕微鏡を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、多光子励起観察用のレーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を走査するスキャナと、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を標本に照射し、該標本において発生した蛍光を集光する対物レンズと、レーザ光とレーザ光の照射により励起された蛍光とを分岐するダイクロイックミラーと、前記レーザ光源と前記対物レンズとの間であって、前記スキャナ及び前記ダイクロイックミラーの前記レーザ光源側に配置され、前記レーザ光源からのレーザ光の一部を分岐するビームスプリッタと、該ビームスプリッタにより分岐されたレーザ光の光量を検出する光量検出手段と、該光量検出手段と前記ビームスプリッタとの間に配置され、光束径を制限する絞り装置とを備え、前記絞り装置がその開口径を変更可能に設けられ、前記対物レンズが交換可能に設けられ、光軸上に配置された前記対物レンズの瞳位置の開口径に合わせて前記絞り装置の開口径を調節する調節装置が設けられているレーザ顕微鏡を提供する。
本発明によれば、レーザ光源から発せられたレーザ光が対物レンズにより標本に照射されることにより、標本に含まれる蛍光物質が励起され蛍光が発生する。この蛍光を検出することにより、標本の蛍光画像を観察することができる。レーザ光源から発せられたレーザ光の一部がビームスプリッタにより分岐され、光量検出手段により検出される。これにより、対物レンズから標本に対して照射されるレーザ光の強度を把握できる。
この場合において、レーザ光源から出射されるレーザ光が多光子励起観察用のレーザ光である場合、導光する光学系の熱レンズ効果等により、レーザ光の光束径が変化する。そして、レーザ光の光束径が拡大した場合には、対物レンズから出射されるレーザ光の光束径が、ビームスプリッタから対物レンズを含む光路上に配置される絞り要素、例えば、対物レンズの瞳等によって制限される場合がある。
本発明によれば、ビームスプリッタによって分岐されたレーザ光の光束径が所定の径寸法より大きい場合には、光量検出手段とビームスプリッタとの間に配置された絞り装置によりその光束径が制限された後に、光量検出手段により検出される。したがって、絞り装置を上記絞り要素に一致させておくことにより、熱レンズ効果等が発生して、光束径が変動しても、対物レンズから照射されるレーザ光の光量を、光量検出手段により正確に検出することができる。
また、絞り装置がその開口径を変更可能としているので、対物レンズが交換された場合に、絞り装置の開口径を変更して、異なる開口径の対物レンズに対しても、同様に、対物レンズから標本に照射されるレーザ光の光量を精度よく検出することができる。
さらに、調節装置を設けることで、対物レンズが交換されると調節装置の作動により絞り装置の開口径が調節されるので、光軸上に配置される対物レンズの種類にかかわらず、対物レンズから標本に照射されるレーザ光の光量を精度よく検出することができる。
また、本発明は、異なる波長のレーザ光を出射可能なレーザ光源と、前記レーザ光を走査するスキャナと、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を標本に照射し、該標本において発生した蛍光を集光する対物レンズと、レーザ光とレーザ光の照射により励起された蛍光とを分岐するダイクロイックミラーと、前記レーザ光源と対物レンズとの間であって、前記スキャナ及び前記ダイクロイックミラーの前記レーザ光源側に配置され、前記レーザ光源からのレーザ光の一部を分岐するビームスプリッタと該ビームスプリッタにより分岐されたレーザ光の光量を検出する光量検出手段と、該光量検出手段と前記ビームスプリッタとの間に配置され、光束径を制限する絞り装置とを備え、前記絞り装置が、その開口径を変更可能に設けられ、前記対物レンズが交換可能に設けられ、光軸上に配置された前記対物レンズの瞳位置の開口径に合わせて前記絞り装置の開口径を調節する調節装置が設けられているレーザ顕微鏡を提供する。
本発明によれば、レーザ光源から発せられたレーザ光が対物レンズにより標本に照射されることにより、標本に含まれる蛍光物質が励起され蛍光が発生する。レーザ光源から複数の波長のレーザ光を出射することにより、複数の波長帯域の蛍光を検出することが可能となり、標本のより詳細な蛍光観察を行うことができる。
この場合において、レーザ光源から出射されるレーザ光が広い波長帯域に及ぶ場合、導光する光学系、例えば、フォトニッククリスタルファイバ(PCF)の出射開口数が波長に比例するために、レーザ光の光束径が変化する。
本発明によれば、ビームスプリッタによって分岐されたレーザ光の光束径が所定の径寸法より大きい場合には、光量検出手段とビームスプリッタとの間に配置された絞り装置によりその光束径が制限された後に、光量検出手段により検出される。したがって、絞り装置を、対物レンズの瞳等の光路上の絞り要素に一致させておくことにより、光束径が変動しても、対物レンズから照射されるレーザ光の光量を、光量検出手段により正確に検出することができる。
また、絞り装置がその開口径を変更可能としているので、対物レンズが交換された場合に、絞り装置の開口径を変更して、異なる開口径の対物レンズに対しても、同様に、対物レンズから標本に照射されるレーザ光の光量を精度よく検出することができる。
さらに、調節装置を設けることで、対物レンズが交換されると調節装置の作動により絞り装置の開口径が調節されるので、光軸上に配置される対物レンズの種類にかかわらず、対物レンズから標本に照射されるレーザ光の光量を精度よく検出することができる。
上記発明においては、前記ビームスプリッタが、前記対物レンズにより集光された光を結像する結像レンズと、前記対物レンズとの間に配置されることが好ましい。
このようにすることで、レーザ光源からのレーザ光の光束径が制限される対物レンズに近い位置で光量検出用のレーザ光を分岐でき、対物レンズから照射されるレーザ光の光量をより正確に検出することが可能となる。
また、上記発明においては、前記絞り装置が、前記対物レンズの瞳位置と光学的に等価な位置に配置されていることが好ましい。
このようにすることで、レーザ光の光束径が制限される対物レンズの瞳と同じ条件で検出するレーザ光の光束径に制限を付与することができ、対物レンズから標本に照射されるレーザ光の光量をより精度よく検出することができる。
また、上記発明においては、前記ビームスプリッタが、前記レーザ光源と前記対物レンズとの間の光路に挿脱可能に設けられていることとしてもよい。
このようにすることで、光量の検出時には、光路上にビームスプリッタを配置してレーザ光を分岐し、観察時にはビームスプリッタを光路上から外すことで、標本に照射するレーザ光の無駄をなくすことができる。
また、上記発明においては、前記絞り装置が、前記対物レンズの瞳位置の開口形状とほぼ同一の開口形状を有することとしてもよい。
このようにすることで、対物レンズの瞳位置における制限と同一の条件で検出用のレーザ光の光束径を制限することができ、対物レンズから標本に照射されるレーザ光の光量をより精度よく検出することができる。
また、上記発明においては、前記絞り装置の開口径が、前記対物レンズと前記ビームスプリッタとの間に配置される光学系の倍率を、対物レンズの瞳位置の開口径に乗算した寸法であることとしてもよい。
このようにすることで、対物レンズとビームスプリッタとの間に拡大あるいは縮小光学系が備えられていても、対物レンズから標本に照射されるレーザ光の光量を精度よく検出することができる。
また、上記発明においては、レーザ光を走査するスキャナと、レーザ光とレーザ光の照射により励起された蛍光とを分岐するダイクロイックミラーとを備え、前記ビームスプリッタが前記スキャナ及び前記ダイクロイックミラーの前記光源側に配置されていることが好ましい。
本発明によれば、レーザ光の波長や強度が変化しても、対物レンズの先端から出射されるレーザ光の強度を簡易にかつ精度よく検出することができ、精度よく設定された強度のレーザ光を標本に照射することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るレーザ顕微鏡1について、図1を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るレーザ顕微鏡1は、図1に示されるように、レーザ光源2と、顕微鏡本体3と、レーザ光源2と顕微鏡本体3とを接続するフォトニッククリスタルファイバのようなシングルモードファイバ4と、制御ユニット5とを備えている。
レーザ光源2は、第1の光源ユニット6と、第2の光源ユニット7とを備えている。
第1の光源ユニット6は、複数の波長λ(例えば、458nm,488nm,514.5nm)のレーザ光Lを同時に発振可能なアルゴンレーザ光源8と、波長λ(例えば、405nm)のレーザ光Lを発振するレーザダイオード9と、これらアルゴンレーザ光源8およびレーザダイオード9から出射されたレーザ光L,Lを合波するダイクロイックミラー10と、音響光学素子11とを備えている。図中符合12はミラーである。
音響光学素子11は、制御ユニット5からの信号に基づいて、顕微鏡本体3に向けて出射するレーザ光Lの波長選択、強度変調およびオンオフのスイッチングを行うようになっている。
また、第2の光源ユニット7は、690〜1040nmの広範囲にわたり、最適化されたフェムト秒のレーザ光Lを発振するチタンサファイアレーザ光源(高出力のレーザ光源)13と、制御ユニット5からの信号に基づいて顕微鏡本体3に向けて出射するレーザ光Lの強度変調とオンオフのスイッチングとを行う音響光学素子14とを備えている。
第1の光源ユニット6からのレーザ光Lはシングルモードファイバ4を介して顕微鏡本体3に導かれ、第2の光源ユニット7からのレーザ光Lは空間光路を介して直接顕微鏡本体3に導かれるようになっている。
前記顕微鏡本体3は、第1の光源ユニット6および第2の光源ユニット7からのレーザ光L,Lを同一の光路上に入射させるミラー15およびダイクロイックミラー16と、レーザ光源2からのレーザ光L,Lを2次元的に走査するスキャナ17と、該スキャナ17により走査されたレーザ光L,Lを集光する瞳投影レンズ18と、該瞳投影レンズ18により集光され中間像を結像したレーザ光L,Lを略平行光に変換する結像レンズ19と、該結像レンズ19により略平行光に変換されたレーザ光L,Lを集光して標本Aに照射する一方、標本Aから戻る蛍光Fを集光する対物レンズ20と、該対物レンズ20により集光され、結像レンズ19、瞳投影レンズ18およびスキャナ17を介して戻る蛍光Fをレーザ光L,Lの光路から分岐するダイクロイックミラー21と、該ダイクロイックミラー21により分岐された蛍光Fを検出する光検出ユニット22とを備えている。
光検出ユニット22は、ダイクロイックミラー21によりレーザ光L,Lから分岐された蛍光Fを集光する集光レンズ23と、該集光レンズ23の焦点位置に配置される共焦点ピンホール24と、該共焦点ピンホール24を通過した蛍光Fを略平行光にするコリメートレンズ25と、略平行光となった蛍光Fを波長毎に分岐するダイクロイックミラー26と、該ダイクロイックミラー26により分岐された蛍光Fを波長毎に検出する光電子増倍管のような複数の光検出器27,28とを備えている。
図中、符号29,30はミラー、符号31はバリアフィルタである。共焦点ピンホール24は、対物レンズ20の焦点面と光学的に共役な位置に配置されている。
また、瞳投影レンズ18と結像レンズ19との間には、ダイクロイックミラー36が設けられ、結像レンズ19により集光された蛍光Fのうち、チタンサファイアレーザ光源13からのレーザ光Lにより励起された蛍光Fを分岐するようになっている。分岐された蛍光Fは光検出器37により検出されるようになっている。
前記対物レンズ20は、ターレット32に配置された複数の対物レンズ20の内から倍率等に応じて1つの対物レンズ20が選択されるようになっている。選択された対物レンズ20の情報は、制御ユニット5に送られるようになっている。
また、本実施形態においては、前記ダイクロイックミラー16,21間に、レーザ光源2からのレーザ光L,Lの一部を分岐するビームスプリッタ33が配置されている。また、ビームスプリッタ33により分岐されたレーザ光L,Lを検出するフォトダイオードのような光量検出器34が設けられている。さらに、本実施形態においては、ビームスプリッタ33と光量検出器34との間に、可変絞り(絞り装置)35が配置されている。
前記制御ユニット5は、光源ユニット6,7の音響光学素子11,14に対し、光源8,9,13からのレーザ光L,L,Lの波長選択およびオンオフのスイッチングの指令を出力するようになっている。また、制御ユニット5は、光量検出器34により検出されたレーザ光L,Lの光量情報を受けて、音響光学素子11,14を制御して、光源ユニット6,7から出射されるレーザ光L,Lの強度変調を行うようになっている。
また、制御ユニット5は、対物レンズ20を搭載したターレット32から送られてくる対物レンズ20の情報に基づいて、絞り装置35の開口径を調節するようになっている。好ましくは、絞り装置35の開口径は、対物レンズ20の瞳径に瞳投影レンズ18と結像レンズ19の倍率を乗じた値に設定されている。また、絞り装置35の開口形状は、対物レンズ20の瞳位置に配置される絞りの形状と同一であることが好ましい。
このように構成された本実施形態に係るレーザ顕微鏡1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係るレーザ顕微鏡1を用いて標本Aを観察するには、まず、第1の光源ユニット6からレーザ光L(またはレーザ光L)を出射させる。出射されたレーザ光L,Lは音響光学素子11により調整されたレーザ光Lとしてシングルモードファイバ4を介して顕微鏡本体3に入射される。顕微鏡本体3においては、レーザ光Lはミラー15およびダイクロイックミラー16により反射された後、スキャナ17により2次元的に走査されて瞳投影レンズ18、結像レンズ19および対物レンズ20を介して、ステージ38上の標本Aに照射される。
レーザ光Lを照射されることにより標本Aにおいて発生した蛍光Fは、対物レンズ20により集光された後、結像レンズ19、ダイクロイックミラー36、瞳投影レンズ18およびスキャナ17を介して戻り、ダイクロイックミラー21によりレーザ光Lの光路から分岐される。分岐された蛍光Fは集光レンズ23により集光され、共焦点ピンホール24を通過したもののみが、ミラー29、コリメートレンズ25、ダイクロイックミラー26(およびミラー30)を介して光検出器27(または光検出器28)により検出される。ダイクロイックミラー21により分離されきれずに蛍光Fとともに透過したレーザ光Lは、バリアフィルタ31により遮断される。
共焦点ピンホール24を設けているので、対物レンズ20の焦点面から発せられた蛍光Fのみが共焦点ピンホール24を通過でき、光検出器27により検出される。したがって、光検出器27により検出された蛍光Fの強度と該蛍光Fが検出された時点におけるスキャナ17の走査位置情報とに基づいて、焦点面に沿って標本A内の所定深さに2次元的に広がる平面における鮮明な蛍光画像を取得することができる。
また、標本Aの多光子励起観察を行う場合には、第2の光源ユニット7のチタンサファイアレーザ光源13からレーザ光Lを出射させる。出射されたレーザ光Lは音響光学素子14により調整されたレーザ光Lとして、顕微鏡本体3に入射される。顕微鏡本体3においては、レーザ光Lはダイクロイックミラー16を透過した後、スキャナ17により2次元的に走査されて瞳投影レンズ18、結像レンズ19および対物レンズ20を介して、ステージ38上の標本Aに照射される。
レーザ光Lを照射されることにより標本Aにおいて発生した蛍光Fは、対物レンズ20により集光された後、結像レンズ19を介して戻り、ダイクロイックミラー36によりレーザ光Lの光路から分岐される。分岐された蛍光Fは光検出器37により検出される。
多光子励起観察においては、レーザ光Lの集光位置においてのみ蛍光Fが発生するので、光検出器37により検出された蛍光Fの強度と該蛍光Fが検出された時点におけるスキャナ17の走査位置情報とに基づいて、焦点面に沿って標本A内の所定深さに2次元的に広がる平面における鮮明な多光子蛍光画像を取得することができる。
この場合において、ダイクロイックミラー16,21間に配置されたビームスプリッタ33により、光源ユニット6,7からのレーザ光L,Lの一部が分岐されて光量検出器34により検出される。したがって、ビームスプリッタ33の透過率が既知であれば、検出されたレーザ光L,Lの光量に基づいて、対物レンズ20から標本Aに照射されるレーザ光L,Lの強度を正確に認識することが可能となる。さらに、本実施形態においては、ビームスプリッタ33と光量検出器34との間に配置された絞り装置35の作動により、レーザ光L,Lの光束径が所定以上となった場合に光量検出器34に入射されるレーザ光L,Lの光束径が制限される。
絞り装置35の開口径は、対物レンズ20の瞳径に瞳投影レンズ18と結像レンズ19の倍率を乗じた値に設定されているので、絞り装置35に入射されたレーザ光L,Lに対する光量検出器34に入射されるレーザ光L,Lの割合を、対物レンズ20に入射されたレーザ光Lに対する標本に入射されるレーザ光L,Lの割合と等しくすることができる。すなわち、対物レンズ20に入射されるレーザ光L,Lの光束径が、対物レンズ20の瞳径より大きくなると、光束の外周部分が瞳位置に配置されている絞りによりけられて、実際に標本Aに照射されるレーザ光L,Lの光量は対物レンズ20への入射光量より少なくなる。本実施形態においては、標本Aに照射されるレーザ光L,Lが対物レンズ20の瞳位置に配された絞りにより制限されるのと同様に、光量検出器34に入射されるレーザ光L,Lの光量を絞り装置35により制限することで、現実に標本Aに照射されるレーザ光L,Lの光量を精度よく把握することができるという利点がある。
例えば、ターレット32を固定して対物レンズ20を変更しない場合であっても、光源ユニット6から出射されるレーザ光Lの波長に比例してシングルモードファイバ4から出射される際のレーザ光Lの開口数が変化するので対物レンズ20に入射されるレーザ光Lの光束径が変化する。また、高出力のチタンサファイアレーザ光源13から出射されるレーザ光Lは、対物レンズ20までの間に通過する光学系の熱レンズ効果により、その光束径が変動する。
本実施形態においては、このような場合においても、対物レンズ20の瞳位置において光束径が制限されるのと同じ割合で、光量検出器34に入射されるレーザ光L,Lの光束径を絞り装置35が制限するので、標本Aに照射されるレーザ光L,Lを正確に把握することができるという利点がある。
そして、光量検出器34により検出されたレーザ光L,Lの光量は、制御ユニット5に送られ、該光量情報に基づいて音響光学素子がフィードバック制御されることにより、所望の光量のレーザ光L,Lを正確にかつ安定的に標本Aに照射することができる。
また、チタンサファイアレーザ光源13は、波長帯域690〜1040nmにおいて波長可変であるので、レーザ光Lの波長を変更して、標本Aからの蛍光輝度値を取得することにより、標本Aの励起スペクトルを取得することができる。この励起スペクトルを取得する際には、波長を変更しても、対物レンズ20から出射されるレーザ光Lの光量が一定である必要がある。
本実施形態によれば、波長を変更してレーザ光Lの光束径が変化することにより、対物レンズ20から出射されるレーザ光Lの光量の変動が生じても、対物レンズ20から出射される光量を正確に測定でき、その測定結果を用いて音響光学素子14を制御することによりレーザ光Lの光量を一定にできる。その結果、標本Aの励起スペクトルを正確に取得することができる。
また、本実施形態においては、ターレット32から送られてくる対物レンズ20の情報に基づいて、制御ユニット5が絞り装置35の開口径を調節するので、瞳径の異なる対物レンズ20が使用されても、当該対物レンズ20により制限される光束径の割合と同じ割合で、光量検出器34により検出されるレーザ光L,Lの光束径を制限し、標本Aに照射されるレーザ光L,Lの光量を常に精度よく設定することができる。
なお、本実施形態においては、ダイクロイックミラー16,21間において、ビームスプリッタ3により光量検出用にレーザ光L,Lの一部を分岐したが、これに代えて、図2に示されるように、対物レンズ20の直前において分岐したレーザ光L,Lを用いて光量測定を行うこととしてもよい。このようにすることで、対物レンズ20の瞳位置と光学的に等価な位置に絞り装置35を配置することができ、他の光学系の影響を受けることなく、より精度よく対物レンズ20から標本Aに照射されるレーザ光L,Lの光量を測定することができる。
また、本実施形態においては、絞り装置35として可変絞りを採用したが、これに代えて、対物レンズ20毎に用意された開口部と、該開口部を切り替えるターレット式あるいはスライド式の切替機構(図示略)とを有するものを採用してもよい。また絞り装置35として対物レンズを採用してもよい。
また、ビームスプリッタ33は、レーザ光L,Lの光路に対して挿脱可能に設けられていることが好ましい。このようにすることで、光量測定時にはビームスプリッタ33を光路に挿入し、標本Aの観察時にはビームスプリッタ33を光路から取り外して、レーザ光源2からの全てのレーザ光L.Lを効率よく観察に使用することができる。この場合、ビームスプリッタ33に代えて、ミラーを採用することとしてもよい。
また、絞り装置35をビームスプリッタ33と光量検出器34との間に配置したが、これに代えて、ビームススプリッタ33の前段に配置してもよい。このようにすることで、光量検出器34の前段に配置する場合と比較して、絞り装置35において発生したフレアが光量検出器に入射されてしまう不都合を防止し、光量検出の精度を向上することができるという利点がある。
また、本実施形態においては、瞳径の異なる対物レンズ20に対応するために、可変絞りからなる絞り装置35を採用したが、これに代えて、所定の開口径を有する固定絞りと、該固定絞りに入射させるレーザ光L3,L5の光束径を変化させるズーム機構(図示略)とを採用することにしてもよい。
また、レーザ光L,L,Lを変調するAOMやAOTFのような音響光学素子に代えて、電気光学素子や磁気光学素子を採用してもよい。
また、本実施形態においては、対物レンズ20の瞳位置に配置される絞り要素により光束径が制限される場合について説明したが、これに代えて、瞳位置以外の金枠等により光束径が制限される場合には、該金枠等と等価な位置に絞り装置35を配置することにしてもよい。
本発明の一実施形態に係るレーザ顕微鏡の全体構成を示すブロック図である。 図1のレーザ顕微鏡の変形例を示す図である。
符号の説明
A 標本
,L,L,L,L レーザ光
1 レーザ顕微鏡
5 制御ユニット(調節装置)
8 アルゴンレーザ光源(レーザ光源)
9 レーザダイオード(レーザ光源)
13 チタンサファイアレーザ光源(レーザ光源)
19 結像レンズ
20 対物レンズ
33 ビームスプリッタ
34 光量検出器(光量検出手段)
35 絞り装置

Claims (4)

  1. 多光子励起観察用のレーザ光を出射するレーザ光源と
    前記レーザ光を走査するスキャナと、
    前記レーザ光源から出射されたレーザ光を標本に照射し、該標本において発生した蛍光を集光する対物レンズと
    レーザ光とレーザ光の照射により励起された蛍光とを分岐するダイクロイックミラーと、
    前記レーザ光源と前記対物レンズとの間であって、前記スキャナ及び前記ダイクロイックミラーの前記レーザ光源側に配置され、前記レーザ光源からのレーザ光の一部を分岐するビームスプリッタと、
    該ビームスプリッタにより分岐されたレーザ光の光量を検出する光量検出手段と、
    該光量検出手段と前記ビームスプリッタとの間に配置され、光束径を制限する絞り装置とを備え、
    前記絞り装置がその開口径を変更可能に設けられ、
    前記対物レンズが交換可能に設けられ、
    光軸上に配置された前記対物レンズの瞳位置の開口径に合わせて前記絞り装置の開口径を調節する調節装置が設けられているレーザ顕微鏡。
  2. 異なる波長のレーザ光を出射可能なレーザ光源と、
    前記レーザ光を走査するスキャナと、
    前記レーザ光源から出射されたレーザ光を標本に照射し、該標本において発生した蛍光を集光する対物レンズと
    レーザ光とレーザ光の照射により励起された蛍光とを分岐するダイクロイックミラーと、
    前記レーザ光源と対物レンズとの間であって、前記スキャナ及び前記ダイクロイックミラーの前記レーザ光源側に配置され、前記レーザ光源からのレーザ光の一部を分岐するビームスプリッタと
    該ビームスプリッタにより分岐されたレーザ光の光量を検出する光量検出手段と、
    該光量検出手段と前記ビームスプリッタとの間に配置され、光束径を制限する絞り装置とを備え、
    前記絞り装置が、その開口径を変更可能に設けられ、
    前記対物レンズが交換可能に設けられ、
    光軸上に配置された前記対物レンズの瞳位置の開口径に合わせて前記絞り装置の開口径を調節する調節装置が設けられているレーザ顕微鏡。
  3. 前記ビームスプリッタが、前記レーザ光源と前記対物レンズとの間の光路に挿脱可能に設けられている請求項1又は請求項2に記載のレーザ顕微鏡。
  4. 前記絞り装置の開口径が、前記対物レンズと前記ビームスプリッタとの間に配置される光学系の倍率を、対物レンズの瞳位置の開口径に乗算した寸法である請求項1又は請求項2に記載のレーザ顕微鏡。
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