JP4878751B2 - 顕微鏡用照明装置および蛍光顕微鏡装置 - Google Patents

顕微鏡用照明装置および蛍光顕微鏡装置 Download PDF

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この発明は、顕微鏡用照明装置および蛍光顕微鏡装置に関するものである。
従来、サブピコ秒オーダーの短パルスレーザ光を標本に照射し、標本の多光子吸収による化学反応または蛍光を検出するレーザ走査型の顕微鏡装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この顕微鏡装置は、レーザ光源から発せられる短パルスレーザ光を、シングルモードファイバを介して顕微鏡本体に伝播する方式のもので、レーザ光源とシングルモードファイバとの間に配置された分散補償光学系を備えている。分散補償光学系は、手動または電動により内部の回折格子またはプリズムを移動させることで、分散補償量を変化させることができるようになっている。
特開平10−68889号公報
しかしながら、特許文献1の顕微鏡装置においては、レーザ光源から発せられる短パルスレーザ光の波長が変化する場合の光ファイバの特性変化については何ら言及されていない。
レーザ光源から送られてきた短パルスレーザ光は、例えば、カップリングレンズによってシングルモードファイバの端面に結像させられることによりシングルモードファイバ内に入射される、また、シングルモードファイバ内を伝播してきた短パルスレーザ光は、シングルモードファイバの出射端から発せられた後にコリメートレンズによって平行光とされ、その後、対物レンズに向かう光軸に入射される。
この場合において、仮にレーザ光源から発せられる短パルスレーザ光の波長が変化する場合には、シングルモードファイバの入射側の開口数およびカップリングレンズの焦点位置が変化し、シングルモードファイバへの結合効率が低下して、標本に照射される短パルスレーザ光の光量が低下し、その結果、得られる蛍光量も低下して、明るい蛍光画像を得ることができないという不都合がある。
また、シングルモードファイバの出射側においても開口数およびコリメートレンズの焦点位置が変化するため、コリメートレンズから出射される短パルスレーザ光が平行光とならずに顕微鏡本体内に導入され、標本における結像位置が変動してしまう不都合がある。また、コリメートレンズから出射される短パルスレーザ光のビーム径が変動してしまう不都合もある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、レーザ光を用いて蛍光観察を行う際に、波長が変化しても光ファイバへの結合効率を低下させることなく、均一なビーム径の平行光として顕微鏡本体に入射させることができる顕微鏡用照明装置および蛍光顕微鏡装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の参考例としての発明は、レーザ光を出射するレーザ光源と、該レーザ光源からのレーザ光を顕微鏡本体に導く光ファイバと、該光ファイバの両端に対向して配置され、前記レーザ光源から発せられるレーザ光の波長に基づいて、光軸方向に移動可能な少なくとも1つのレンズを備える2組のズーム光学系とを備える顕微鏡用照明装置を提供する。
本発明によれば、レーザ光源から発せられたレーザ光が、入射端に配されるズーム光学系を通過させられた後に光ファイバに入射され、光ファイバ内を伝播して出射端から出射された後に、出射端に配されるズーム光学系を経て顕微鏡本体に入射される。各ズーム光学系においては、レンズを光軸方向に移動させることによって、その入射光または出射光の開口数を変化させることができる。
したがって、レーザ光源から発せられるレーザ光の波長が変更されたときは、光ファイバへの入射端側へのズーム光学系を作動させて、光ファイバに入射するレーザ光の開口数を光ファイバに最適な値に設定することで、結合効率を最適化して、レーザ光を効率よく伝播させることができる。また、光ファイバからの出射端側のズーム光学系を作動させて、光ファイバの出射端から出射されるレーザ光の開口数に関わらず、一定したビーム径の平行光を顕微鏡本体に入射させることができる。
上記発明においては、前記レーザ光源から発せられるレーザ光の波長に基づいて前記レンズの光軸方向位置を調節する制御装置を備えることとしてもよい。
このように構成することで、制御装置の作動により、レーザ光の波長が変化したときには、2組のズーム光学系を自動的に作動させて、光ファイバに最適な開口数でレーザ光を入射させ、光ファイバから出射されるレーザ光のビーム径を一定に維持することができる。
本発明は、レーザ光を出射するレーザ光源と、該レーザ光源からのレーザ光を顕微鏡本体に導く光ファイバと、該光ファイバの出射端に対向して配置され、前記レーザ光源から発せられるレーザ光の波長に基づいて、光軸方向に移動可能な少なくとも1つのレンズを備える1組のズーム光学系と、前記光ファイバの出射端から前記波長に応じた開口数で出射されたレーザ光を前記ズーム光学系から一定のビーム径の平行光で出射させるように、前記レーザ光の波長に基づいて、前記ズーム光学系のレンズの光軸方向位置を調節する制御装置とを備える顕微鏡用照明装置を提供する。
上記発明においては、前記光ファイバの入射端に対向して配置され、前記レーザ光源から発せられるレーザ光の波長に基づいて、光軸方向に移動可能な少なくとも1つのレンズを備える1組のズーム光学系を備え、前記制御装置が、前記レーザ光の波長に基づいて、前記光ファイバの入射端に対向して配置されたズーム光学系のレンズの光軸方向位置を調節することとしてもよい。
また、上記発明においては、前記レーザ光源が、極短パルスレーザ光を出射する極短パルスレーザ光源と、該極短パルスレーザ光源から発せられる極短パルスレーザ光の分散を補償する分散補償光学系とを備え、該分散補償光学系が、前記極短パルスレーザ光源から発せられる極短パルスレーザ光の波長に基づいて、分散補償量を調節可能であることとしてもよい。
このように構成することで、極短パルスレーザ光源から発せられた極短パルスレーザ光は分散補償光学系を通過させられることによりその分散量を補償される。極短パルスレーザ光源から発せられる極短パルスレーザ光の波長が変化したときは、分散補償光学系の分散補償量を調節することにより、標本において効率的に多光子励起効果を奏する極短パルスレーザ光を顕微鏡本体に入射させることができる。
例えば、一般的に、レーザ光が光学系を通過する場合、波長が短いほど媒質中での速度は遅く、波長が長いほど媒質中での速度は速くなる。そのため、短パルスレーザのように単一波長ではなく、レーザ光のパルス幅と相関を持つ波長幅を有する光が光学系を通過する場合、波長によって通過時間に差が生じる結果、パルス幅が太る。また、レーザ光の波長が変化した場合、パルス幅の太る程度も異なってくる。したがって、分散補償光学系により、レーザ光の長波長成分を短波長成分より遅らせ、かつ、レーザ光の波長に応じてその遅らせる程度を変更することにより、レーザ光の波長が変化した場合でも標本到達時に極短パルスを実現することができる。
また、上記発明においては、前記光ファイバの出射端に対向して配置されるズーム光学系が、空間フィルタを備えることが好ましい。
このように構成することで、空間フィルタの作動により、顕微鏡本体に導入するレーザ光のガウス分布の純度を向上して空間ビーム品質を向上させ、その結果、ノイズの少ない蛍光画像を得ることができる。
さらに、上記発明においては、前記空間フィルタが、前記レンズと、前記レーザ光源から発せられるレーザ光の波長に基づいて光軸方向に移動可能なピンホール部材とを備えることとしてもよい。
このようにすることで、ズーム機構のレンズによる結像位置に一致するようにピンホール部材を配置して、光ファイバから出射されたレーザ光に含まれるノイズを効率的に除去することができ、得られる蛍光画像におけるノイズを低減することができる。
また、本発明は、上記いずれかの顕微鏡用照明装置と、該顕微鏡用照明装置から入力されたレーザ光を走査させるスキャナ、該スキャナにより走査されたレーザ光を標本に入射させるとともに、標本において発生した蛍光を集光する対物レンズ、および、該対物レンズにより集光された蛍光を検出する光検出器を有する顕微鏡本体とを備える蛍光顕微鏡装置を提供する。
本発明によれば、顕微鏡用照明装置から送られてくるレーザ光が、スキャナによって走査され、対物レンズによって標本に集光される。標本において発生した蛍光は、対物レンズおよびスキャナを介して戻る途中で分岐され、光検出器により検出される。これにより蛍光画像を得ることができる。この場合において、顕微鏡用照明装置からは最適な結合効率によって光ファイバに入射され、一定のビーム径の平行光束となったレーザ光が顕微鏡本体に入射されるので、光検出器によって、明るく、かつ、分解能の高い蛍光画像が取得されることになる。
また、本発明として、少なくともファイバの出射側に一組のズーム光学系を設けるようにしてもよい。このようにしても、レーザ光の波長に応じてこのズーム光学系を作動させることにより、光ファイバ出射端から出射されるレーザ光の開口数に関わらず、一定したビーム径の平行光を顕微鏡本体に入射させることができる。
本発明によれば、レーザ光を用いて蛍光観察を行う際に、波長が変化しても光ファイバへの結合効率を低下させることなく、均一なビーム径の平行光として顕微鏡本体に入射させることができる。したがって、照射するレーザ光の波長を切り替えても、明るく、かつ、焦点位置の一致した照明を照射することができる。
以下、本発明の第1の実施形態に係る顕微鏡用照明装置1および蛍光顕微鏡装置2について、図1〜図13を参照して説明する。
本実施形態に係る蛍光顕微鏡装置2は、顕微鏡用照明装置1と、顕微鏡本体3と、画像表示装置4とを備えている。
本実施形態に係る顕微鏡用照明装置1は、図1に示されるように、レーザ光源5と、分散補償光学系6と、出力調整用光学系7と、アライメント調整光学系8と、第1のズーム光学系9と、光ファイバ10と、第2のズーム光学系11と、制御装置12とを備えている。
レーザ光源5は、例えば、700〜1000nmの波長帯域の極短パルスレーザ光を出射可能な極短パルスレーザ光源である。
分散補償光学系6は、プリズム対、グレーティング対あるいはプリズム対およびグレーティング対の両方からなるもの等、任意の構成でよい。例えば、プリズム対の場合、プリズムどうしの距離を調節することによって分散補償量を変更することができるようになっている。
出力調整用光学系7は、例えば、音響光学素子、電気光学素子、偏光板、可変NDフィルタ等からなり、分散補償光学系6から出射された極短パルスレーザ光の光量を調節することができるようになっている。
アライメント調整光学系8は、例えば、光軸に対して垂直な2軸の傾き角を調節できる2枚の反射ミラーおよびビーム位置検出光学系により構成され、出力調整用光学系7から出射された極短パルスレーザ光の光束の中心位置が光軸に一致するように調節することができるようになっている。アライメント調整光学系8の他に、第1のズーム光学系または光ファイバ10の入射端10aを光軸に対して垂直な2軸と平行に動かすことにより、レーザ光の光束の中心位置と光ファイバ10の入射端10aの中心位置とを一致させるように調節することもできる。アライメント調整光学系8から出射された極短パルスレーザ光は、その光束の中心位置が光軸に一致させられ、かつ、所定の光量を有している。
第1のズーム光学系9は、複数のレンズ9a,9bを備えている。図1においては、説明を簡略にするために2つのレンズ9a,9bを例示している。これらのレンズ9a,9bは、直動機構9cに取り付けられ、それぞれ、光軸方向に沿って直線移動させられるようになっている。前段のレンズ9aは、極短パルスレーザ光を集光して中間像を結像させ、後段のレンズ9bは、中間像を結像した極短パルスレーザ光を再度集光して、光ファイバ10の入射端10aに再結像させるように構成されている。
光ファイバ10は、例えば、フォトニッククリスタルファイバのような広波長帯域で単一モードを維持できるシングルモードファイバである。例えば、光ファイバのコア径が約40μmの大口径のフォトニッククリスタルファイバを使用することにより、光ファイバの非線形効果によるパルス幅の広がりが低減された、広波長帯域で単一モードの極短パルスレーザ光を光ファイバから出射することができる。
第2のズーム光学系11も、第1のズーム光学系9と同様、複数のレンズ11a,11bと、該レンズ11a,11bを光軸方向に移動させる直動機構11cとを備えている。前段のレンズ11aは、光ファイバ10の出射端10bから出射され、次第に広がる極短パルスレーザ光を集光して中間像を結像させ、後段のレンズ11bは、中間像を結像した極短パルスレーザ光を再度集光して、一定のビーム径の平行光に変換するように構成されている。
制御装置12は、後述する顕微鏡本体3から入力される波長指令信号S1に基づいて、極短パルスレーザ光源5、分散補償光学系6、第1のズーム光学系9および第2のズーム光学系11を駆動するようになっている。極短パルスレーザ光源5に対しては、出射すべき極短パルスレーザ光の波長を指示し、その波長の極短パルスレーザ光を出射させるようになっている。分散補償光学系6に対しては、極短パルスレーザ光源5から出射される極短パルスレーザ光の波長を指示し、各プリズム等を移動させて、指示された波長の極短パルスレーザ光に対する分散補償量に設定するようになっている。
また、第1のズーム光学系9に対しては、極短パルスレーザ光源5から発せられる極短パルスレーザ光の波長を指示し、光ファイバ10に対する最適な開口数で、光ファイバ10の入射端10aに一致する位置に極短パルスレーザ光を結像させるように、各レンズ9a,9bを光軸方向に移動させるようになっている。
第2のズーム光学系11に対しても、極短パルスレーザ光源5から発せられる極短パルスレーザ光の波長を指示し、光ファイバ10の出射端10bから波長に応じた開口数で出射される極短パルスレーザ光を、一定のビーム径の平行光に変換するように、各レンズ11a,11bを光軸方向に移動させるようになっている。
前記顕微鏡本体3は、筐体13内に、第2のズーム光学系11から出射されてきた極短パルスレーザ光を2次元的に走査するスキャナ14と、走査された極短パルスレーザ光を集光して中間像を結像させる瞳投影レンズ15と、中間像を結像した極短パルスレーザ光を集光する結像レンズ16と、結像レンズ16から発せられた極短パルスレーザ光を集光して標本Aに再結像させる対物レンズ17と、標本Aにおいて発生し、対物レンズ17、結像レンズ16、瞳投影レンズ15およびスキャナ14を介して戻る蛍光を分岐するダイクロイックミラー18と、集光レンズ19と、分岐された蛍光を撮像する光検出器20とを備えている。
スキャナ14は、例えば、互いに直交する2本の軸線回りに揺動させられる2枚のガルバノミラー(図示略)を近接配置してなる、いわゆる近接ガルバノミラーにより構成されている。
光検出器19は、例えば、光電子増倍管(PMT:Photo Multiplier Tube)である。
また、顕微鏡本体3には、図示しない波長選択スイッチが設けられており、顕微鏡用照明装置1に対して、出射すべき極短パルスレーザ光の波長を指示する波長指令信号S1を出力するようになっている。
このように構成された本実施形態に係る顕微鏡用照明装置1および蛍光顕微鏡装置2の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る蛍光顕微鏡装置2を用いて標本Aを観察するには、顕微鏡本体3に設けられた図示しない波長選択スイッチを操作して、顕微鏡用照明装置1の制御装置12に対して波長指令信号S1を出力する。
波長指令信号S1が入力されると、制御装置12は、極短パルスレーザ光源5、分散補償光学系6、第1のズーム光学系9および第2のズーム光学系11を駆動する。極短パルスレーザ光源5は、制御装置12から指示された波長の極短パルスレーザ光を出射するよう切り替えられる。分散補償光学系6は、極短パルスレーザ光源5から出射される極短パルスレーザ光の波長に合わせて適正な分散補償量に設定される。
また、第1のズーム光学系9は、光ファイバ10に最適な開口数で、光ファイバ10の入射端10aに一致する位置に極短パルスレーザ光を結像させるように、極短パルスレーザ光の波長に応じて、直動機構9cを作動させ各レンズ9a,9bを光軸方向に移動させる。さらに、第2のズーム光学系11も、光ファイバ10の出射端10bから波長に応じた開口数で出射される極短パルスレーザ光を、一定のビーム径の平行光に変換するように、直動機構11cを作動させ各レンズ11a,11bを光軸方向に移動させる。
これにより、極短パルスレーザ光源5から出射される極短パルスレーザ光の波長がいかなる場合であっても、その波長に合わせた所定の分散補償量により分散が補償され、光ファイバ10に対する最適な開口数で極短パルスレーザ光が光ファイバ10に入射され、また、光ファイバ10の出射端10bから出射された光が、一定のビーム径の平行光となるように調整される。
極短パルスレーザ光が適正に分散補償されることで、標本Aにおける多光子励起効果を効率的に発生させることができる。また、光ファイバ10に入射される極短パルスレーザ光の開口数を最適化することで、結合効率を低下させることなく効率的に光ファイバ10に伝播させることができる。さらに、顕微鏡本体3に入射させる極短パルスレーザ光のビーム径を一定にすることで、極短パルスレーザ光の波長に関わらず、対物レンズ17先端の標本Aに対する極短パルスレーザ光の焦点位置を一致させることができる。
その結果、本実施形態に係る顕微鏡用照明装置1によれば、出射する極短パルスレーザ光の波長に関わらず、標本到達時に極短パルスを実現し、効率的な多光子励起効果を発生させることができ、結合効率を向上して光強度の低下を防止し、かつ、ビーム径を調整して顕微鏡本体3における焦点位置を合致させる極短パルスレーザ光を出射することができる。
一方、本実施形態に係る蛍光顕微鏡装置2によれば、標本Aにおいて多光子励起効果を効率的に発生させて、明るい蛍光画像を取得することができるとともに、対物レンズ17による結像位置が極短パルスレーザ光の波長によって変動することを防止して、顕微鏡本体3をその都度調節しなくても分解能の高い蛍光画像を得ることができるという利点がある。
なお、本実施形態に係る顕微鏡用照明装置1および蛍光顕微鏡装置2においては、レーザ光源として、700〜1000nmの波長帯域の極短パルスレーザ光を出射可能な極短パルスレーザ光源5を採用したが、これに加えて、図2に示されるように、所定の波長のレーザ光を出射可能な1以上のレーザ光源21〜23を制御装置12によって切替可能に設けることにしてもよい。
図2に示す例では、例えば、波長633nmのレーザ光を出射可能なヘリウムネオンレーザ光源21、波長543nmのレーザ光を出射可能なヘリウムネオンレーザ光源22および、波長457nm,488nm,515nmのレーザ光を出射可能なアルゴンイオンレーザ光源23を、それぞれ、ダイクロイックミラー24〜27を介して、極短パルスレーザ光源5の光路に接続することにしている。図中符号28は、出力調整用光学系である。光ファイバ10には、例えば、フォトニッククリスタルファイバのような広波長帯域で単一モードを維持できる光ファイバを使用する。
これらのレーザ光源21〜23からのレーザ光は1光子励起による蛍光観察に使用するため、分散補償する必要がないので、分散補償光学系6を介することなくアライメント調整光学系8に入射されるようになっている。
このように構成された顕微鏡用照明装置1によっても、出射するレーザ光の波長に関わらず、極短パルスレーザ光については、効率的な多光子励起効果を発生させるために、分散量を補償され、波長の異なる全ての全てのレーザ光について結合効率を向上して光強度の低下を防止し、かつ、ビーム径を調整して顕微鏡本体3における焦点位置を合致させることができる。
さらに、図3に示されるように、第2のズーム光学系11において、空間フィルタ29を構成することにしてもよい。
空間フィルタ29は、第2のズーム光学系11の光ファイバ10側に配されるレンズ11aの後段に、該レンズ11aによって集光されたレーザ光を通過させるピンホール部材30を配置することによって構成されている。ピンホール部材30も、直動機構11cにより、光軸方向に沿ってその位置を調整可能とされている。
このように構成された顕微鏡用照明装置1によれば、光ファイバ10を通過後のレーザ光をピンホール部材30に通過させることによって整形し、ガウス分布の純度を向上することができる。例えば、光ファイバ10にフォトニッククリスタルファイバを使用した場合には、入射するレーザ光の波長が短波長になるほど光ファイバ10より出射されるレーザ光のプロファイルはファイバコア周辺のエアホールを避けるような六角形状となる。したがって、このようなプロファイルを持つレーザ光を空間フィルタ29に通過させることにより、プロファイル周辺部の光が除去され、プロファイルは円形形状に近くなる。その結果、顕微鏡本体3に入射されるレーザ光の空間ビーム品質が向上し、標本Aにおいて発生する蛍光のノイズを低減して鮮明な蛍光画像を得ることができるという利点がある。
本発明の一実施形態に係る顕微鏡用照明装置および蛍光顕微鏡装置を示す全体構成図である。 図1の顕微鏡用照明装置の変形例を示す全体構成図である。 図1の顕微鏡用照明装置の他の変形例を示す全体構成図である。
符号の説明
A 標本
1 顕微鏡用照明装置
2 蛍光顕微鏡装置
3 顕微鏡本体
5,21〜23 レーザ光源
6 分散補償光学系
9 第1のズーム光学系(ズーム光学系)
9a,9b,11a,11b レンズ
10 光ファイバ
11 第2のズーム光学系(ズーム光学系)
12 制御装置
14 スキャナ
17 対物レンズ
19 光検出器
29 空間フィルタ
30 ピンホール部材

Claims (6)

  1. レーザ光を出射するレーザ光源と、
    該レーザ光源からのレーザ光を顕微鏡本体に導く光ファイバと、
    該光ファイバの出射端に対向して配置され、前記レーザ光源から発せられるレーザ光の波長に基づいて、光軸方向に移動可能な少なくとも1つのレンズを備える1組のズーム光学系と、
    前記光ファイバの出射端から前記波長に応じた開口数で出射されたレーザ光を前記ズーム光学系から一定のビーム径の平行光で出射させるように、前記レーザ光の波長に基づいて、前記ズーム光学系のレンズの光軸方向位置を調節する制御装置とを備える顕微鏡用照明装置。
  2. 前記光ファイバの入射端に対向して配置され、前記レーザ光源から発せられるレーザ光の波長に基づいて、光軸方向に移動可能な少なくとも1つのレンズを備える1組のズーム光学系を備え、
    前記制御装置が、前記レーザ光の波長に基づいて、前記光ファイバの入射端に対向して配置されたズーム光学系のレンズの光軸方向位置を調節する請求項1に記載の顕微鏡用照明装置。
  3. 前記レーザ光源が、極短パルスレーザ光を出射する極短パルスレーザ光源と、該極短パルスレーザ光源から発せられる極短パルスレーザ光の分散を補償する分散補償光学系とを備え、
    該分散補償光学系が、前記極短パルスレーザ光源から発せられる極短パルスレーザ光の波長に基づいて、分散補償量を調節可能である請求項1または請求項2に記載の顕微鏡用照明装置。
  4. 前記光ファイバの出射端に対向して配置されるズーム光学系が、空間フィルタを備える請求項1から請求項のいずれかに記載の顕微鏡用照明装置。
  5. 前記空間フィルタが、前記レンズと、前記レーザ光源から発せられるレーザ光の波長に基づいて光軸方向に移動可能なピンホール部材とを備える請求項に記載の顕微鏡用照明装置。
  6. 請求項1から請求項のいずれかに記載の顕微鏡用照明装置と、
    該顕微鏡用照明装置から入力されたレーザ光を走査させるスキャナ、該スキャナにより走査されたレーザ光を標本に入射させるとともに、標本において発生した蛍光を集光する対物レンズ、および、該対物レンズにより集光された蛍光を検出する光検出器を有する顕微鏡本体とを備える蛍光顕微鏡装置。
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