JP4876671B2 - 燃料電池の特性測定装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池の電気的特性を測定する際に用いて最適な燃料電池の特性測定装置及び方法に関する。
燃料電池の内部損失を測定するための手法の1つとして、損失をインピーダンスに置き換えて測定する交流インピーダンス法(交流法)がある。交流インピーダンス法では、動作状態の燃料電池に電子負荷装置やバイポーラ電源を用いて微小の交流電流を負荷として重畳させ、その際の電池電圧を観測することで各周波数における内部インピーダンスが測定される。電池の負荷電流に重畳する交流電流周波数を変化させながら測定を行い、燃料電池の等価回路となる内部インピーダンスを実数部と虚数部に分けて演算し、コール・コール・プロット図(Cole-Cole Plot)を描くことで、電池内部の特性が定量的に把握される。
例えば特許文献1に記載されている装置では、最初に、予め定められた測定周波数F1、F2及びF3の交流信号を燃料電池セルに対して印加してインピーダンスを測定する。複素平面上で得られたこれらインピーダンスに対し、抵抗値が夫々取得され、更にこれら抵抗値から、劣化診断要素が生成される。劣化診断要素は、周波数F1、F2及びF3に対する抵抗値を夫々R1、R2及びR3とすると、R1、R2−R1、及びR3−2R2+R1として規定されており、この劣化診断要素の値を、異なる時刻に得られた劣化診断要素の値と比較することによって、燃料電池の劣化が診断される。
ここで図7を参照して、従来の燃料電池のインピーダンス計測手法について具体的に説明する。従来の燃料電池のインピーダンス計測では、燃料電池に対して、振幅Iac、周波数fの交流電流を重畳させた直流電流値Idcを印加し、そのときの、燃料電池の端子電圧の周波数応答性(ゲイン、フェーズ)を測定する。周波数を変えながら順次インピーダンス計測を行い、重畳交流電流の周波数に対する燃料電池端子電圧の応答特性を測定していた。また、燃料電池端子電圧の応答特性から、燃料電池の等価回路モデルへのフィッティングを行い、燃料電池を等価回路でモデル化を行っている。
特開2005−285614号公報
上記周波数特性を測定する際には、一般的には高周波数から低周波数方向に周波数を落としながら、燃料電池端子電圧の応答性を測定していくが、等価回路モデルにフィッティングするためには、コンデンサ成分が無視できるような、非常に遅い、例えば1Hz以下での応答性を測定する必要がある。この低い周波数領域では、燃料電池の発電で発生する生成水の排出の周波数帯域と近くなる場合があり、生成水によるガス流路詰まりや圧力損失の増加、一時的な燃料不足、酸化剤不足等により、端子電圧が不安定となり、その結果インピーダンス計測の誤差、バラツキが大きくなり、再現性も悪くなる。このため、燃料電池の等価回路において、コンデンサと並列に配置された直流抵抗のフィッティングの精度が下がる原因となっていた。
また、上記、生成水による発電不安定要素がない場合であっても、1Hz以下の周波数までその応答特性を取得するためには、非常に長い試験時間がかかる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、燃料電池の電気的特性の測定を高速且つ安定に行うことができる燃料電池の特性測定装置及び方法を提供することを目的とする。より具体的には、インピーダンス計測における低周波数のインピーダンス特性、即ち、等価回路におけるコンデンサ成分が無視でき、直流抵抗のみと考えられる領域でのインピーダンス特性を素早く、かつ、安定に取得することができる燃料電池の特性測定装置及び方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、燃料電池の特性を測定する装置において、所定の直流電流に所定の交流成分を重畳した電流を燃料電池から出力させる負荷制御手段と、燃料電池から異なる2値の出力電流を出力させた時の各出力電圧値を計測する計測手段と、計測された出力電流2値の変化量Δiと出力電圧2値の変化量Δvを求め、その割り算値Δv/Δiを、当該燃料電池の0Hz近傍でのインピーダンス値に決定する決定手段とを備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、さらに、前記重畳する交流成分の周波数を変化させながら燃料電池のインピーダンス値を計測するインピーダンス計測手段と、計測されたインピーダンス値に基づいて、燃料電池に対応する所定の等価回路の回路定数を求める演算手段とを備え、その演算手段において、0Hz近傍のインピーダンス値として、インピーダンスの実数部Z’を前記割り算値の絶対値|Δv/Δi|、虚数部Z”を0とする拘束条件を適用することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記インピーダンス計測手段が、前記交流成分の周波数を高い方から低い方へと変化させながらインピーダンスを計測し、前記演算手段が、インピーダンス値の計測毎に等価回路の回路定数を求める演算を行い、さらに、前記演算手段が求めた等価回路定数の変化量が設定値以下となるか否かの判定を行い、設定値以下となった場合に、インピーダンス計測を終了して、回路定数を決定する判定手段を備えることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記判定手段が、所定の周波数以下になっても前記等価回路定数の変化量が設定値以下とならないことや前記等価回路定数の変化量が増加傾向にあることを検知した場合には、その旨を出力することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、燃料電池の特性を測定する方法において、所定の直流電流に所定の交流成分を重畳した電流を燃料電池から出力させる負荷制御過程と、燃料電池から異なる2値の出力電流を出力させた時の各出力電圧値を計測する計測過程と、計測された出力電流2値の変化量Δiと出力電圧2値の変化量Δvを求め、その割り算値Δv/Δiを、当該燃料電池の0Hz近傍でのインピーダンス値に決定する決定過程とを含んでいることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、燃料電池の特性を測定する装置において、交流インピーダンスの測定前にその試験条件で開回路電圧を測定又は演算するとともに、電流−電圧特性を測定する手段と、開回路電圧から電流−電圧特性を引算したものを電流変化に対して微分する手段と、その結果をインピーダンス計測を行う電流値での当該燃料電池の0Hz近傍でのインピーダンス値として決定する手段とを備えることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、燃料電池の特性を測定する方法において、交流インピーダンスの測定前にその試験条件で開回路電圧を測定又は演算するとともに、電流−電圧特性を測定する過程と、開回路電圧から電流−電圧特性を引算したものを電流変化に対して微分する過程と、その結果をインピーダンス計測を行う電流値での当該燃料電池の0Hz近傍でのインピーダンス値として決定する過程とを含んでいることを特徴とする。
本発明によれば、周波数f≒0Hz付近(低周波数領域)において、交流信号に対する応答性を測定する必要がなく、直流成分のみでインピーダンス特性を測定できるため、測定の高速化が可能となる。また、交流信号に対する応答性を測定する必要がないので、燃料電池の発電で発生する生成水による一時的な流路閉塞、あるいは圧力損失の増加が起因となる燃料ガス不足、あるいは酸化ガス不足による燃料電池端子電圧の不安定性(インピーダンス計測でのバラツキ、再現性低下の要因)を除去した測定が可能である。つまり、本発明によれば、インピーダンス計測における低周波数のインピーダンス特性、即ち、等価回路におけるコンデンサ成分が無視でき、直流抵抗のみと考えられる領域でのインピーダンス特性を素早く、かつ、安定に取得することができる。
以下、図面を参照して本発明による燃料電池の特性測定装置の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態の構成を示すブロック図である。なお、図1では、燃料電池100に対する燃料ガスおよび酸化ガスの供給系および排出系等は図示を省略している。
本実施の形態の特性測定装置は、燃料電池100と電子負荷装置200とインピーダンス計測器300からなる。インピーダンス計測器300は、内部にCPU(中央処理装置)、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク等の記憶装置や、各種入出力インターフェースを備え、フラッシュメモリ等に記録されている所定のプログラムを実行することで各部の制御や、外部装置との信号の入出力を行う。燃料電池100と電子負荷装置200と電流計測部302は、結線11によって電気的に直列に接続されている。電圧計測部303は結線12によって燃料電池100に並列に接続され、その両端電圧(端子電圧)を測定する。電子負荷制御部301は、電子負荷装置200に対して、直流電流値と、重畳交流電流の振幅と周波数を指示・設定し、燃料電池100に対する負荷の制御を行う。
インピーダンス計測器300においてインピーダンスの計測は、低周波数領域と高周波数領域とに分けて異なる2つの手法で行われる。低周波数領域(周波数f≒0Hz)では、まず、電子負荷制御部301によって電子負荷装置200を制御し、所定の直流電流Idcに所定の交流成分を重畳した電流を燃料電池100に対して負荷電流として印加し、電流計測部302と電圧計測部303で計測された交流波形を低周波数領域インピーダンス算出部310に取り込む。次に、低周波数領域インピーダンス算出部310は、取り込んだ交流波形から、燃料電池100から異なる2値の出力電流を出力させた時の各出力電圧値を求め、その求めた出力電流2値の変化量(偏差)Δiと出力電圧2値の変化量(偏差)Δvとからその割り算値Δv/Δiを求め、燃料電池100の周波数0Hz近傍でのインピーダンス値に決定する。
ここで、上記、低周波数領域(周波数f≒0Hz)でのインピーダンス計測について図2を参照して詳細に説明する。図2は、燃料電池の電流−電圧特性(破線)を示している。本実施の形態では、低周波数領域(周波数f≒0Hz)でのインピーダンス測定を、非常に遅い電流変化に対する電圧変化を測定して求めるのではなく、所定の電流Idcの近傍でのΔiおよびΔvの割り算値Δv/Δiから求めている。実際には、例えば、図7を参照して説明したようなインピーダンス測定における重畳交流振幅Iacを用いてIdc−Iacにおける燃料電池の端子電圧(V−)とIdc+Iacにおける端子電圧(V+)を測定し、下式によってインピーダンスの実数部Z’と虚数部Z”を決定する。
Figure 0004876671
一方、高周波数領域のインピーダンスの計測は、周波数を変化させながら電子負荷装置200によって燃料電池100の出力電流に交流電流を重畳させた負荷を印加し、そのときに電流計測部302と電圧計測部303で計測された交流波形をインピーダンス計測部304に取り込み、その電流の交流分に対する電圧の交流分の応答という形で周波数fでのゲインとフェーズを求める、という手法で行う。高周波数領域のインピーダンス計測の際、電子負荷制御部301は、高い周波数から低い周波数へとあらかじめ定められた複数の値で周波数を離散的に変化させる指示を出し、インピーダンス計測部304は、それらの各周波数で電流及び電圧の計測波形を取り込み、フーリエ演算などを用いて演算によってインピーダンスを求める。この周波数fを変えて順次ゲインとフェーズを測定することによって、燃料電池100の交流インピーダンス特性が得られる。得られたゲイン、フェーズの結果を複素平面上に表したものを、図3に計測結果の一例として示す。図3において、丸印(○)が高周波数領域のインピーダンス計測手法による計測値を示している。また、星印(☆)で示した値が上記低周波数領域のインピーダンス計測手法で算出されたものである。
他方、等価回路フィッティング部305は、高周波数領域のインピーダンスの計測において、設定された周波数が所定の周波数fs以下となった場合に、過去に計測された複数の計測結果に基づいて、あらかじめ定めた所定の等価回路の回路定数を求める演算を行う。等価回路フィッティング部305は、その際、周波数0Hz近傍のインピーダンス値として、インピーダンスの実数部Z’を低周波数領域インピーダンス算出部310で決定された上記割り算値の絶対値|Δv/Δi|とし、虚数部Z”を0とする拘束条件を適用する。すなわち、図3に示す例では、高周波数領域での複数の計測値(丸印)と、低周波数領域での算出値(星印)との両方に基づいて、等価回路の各回路定数を求める演算処理が行われることになる。
図4は、本実施の形態で用いる燃料電池の等価回路の一例を示している。抵抗Rmは溶液抵抗に、Ca,Ccは電気二重層容量に、Ra,Rcは反応抵抗に、それぞれ対応している。ただし、図4に示す等価回路は、燃料電池の等価回路の一例であって、等価回路の構成はこれに限らず、より複雑なものや、あるいはより単純なものであってもよい。この場合、等価回路フィッティング部305は、インピーダンス計測結果の複数の実測値に基づき、図4に示すような等価回路を表すモデル式から求められるインピーダンスの計算結果と、インピーダンスの実測値との誤差が最も小さくなるように、等価回路の各回路定数を求める演算処理を行う。例えば最小2乗法のような既知の手法を用いることができる。
判定部306は、インピーダンス計測部304による複数の異なる計測結果に基づいて、等価回路フィッティング部305で求められた複数の回路定数の差分(回路定数の変化量)が所定の設定値以下であるか否かを判定する。例えば、各定数Rm,Ca,Cc,Ra,Rcのそれぞれについて、それまでの複数の計測結果に基づいて推定された値と、最新の計測結果までを含めた複数の計測結果に基づいて推定された値の差を求め、それが所定の値(例えば0.01mΩあるいは0.1F)以下であった否かを判定する。さらに、判定部306は、判定の結果が設定値以下であった場合には、インピーダンス計測を終了するための指示を出力するとともに、最新の計測結果(最も低い周波数での計測結果)を用いて求められた回路定数に、計測結果の最終値を決定する処理を行う。そして、その結果は、所定の出力装置(図示省略)に出力される。
図3に示すように、電子負荷制御部301は、周波数fが無限大(∞)に近い値(実際には例えば10kHz)から、あらかじめ定めたステップで周波数を減少させながら、燃料電池100の直流出力電流に交流分を重畳するような電流制御を行い、インピーダンス計測部304が各周波数でインピーダンスを計測する。そして、交流分の周波数が設定値fs以下となった場合に、等価回路フィッティング部304が、等価回路の回路定数を求める演算を開始する。等価回路フィッティング部304が演算を開始した後、判定部306は、回路定数の差分の判定を開始し、差分が所定の値以下となったところで、電子負荷制御部301等の各部に対して計測を終了する旨の指示を出力する。
次に図5を参照して、図1のインピーダンス計測器300の処理について詳細に説明する。なお、この例では、周波数f(i)(i=0,1,2,…)にあらかじめ所定の複数の測定周波数の値が設定されていて、燃料電池100の等価回路として図5に示す5個の定数Rm,Ca,Cc,Ra,Rcからなるモデルを用いるものとする。また、燃料電池100の直流出力電流の値Idcについては、図示してない他のルーティンにおいて設定されているものとする。
操作者によって図示していない所定の操作子が操作されたとすると、インピーダンス計測器300は、直流電流Idcに所定の振幅Iacおよび周波数の交流分を重畳して燃料電池100の負荷とするような制御を行い、Idc−Iacにおける燃料電池の端子電圧(V−)とIdc+Iacにおける端子電圧(V+)を測定し、上記の式によってインピーダンスの実数部Z’と虚数部Z”を決定する(ステップS00)。
インピーダンス計測器300は、次に、周波数設定カウンタiとフィッティング回数カウンタjの初期化(i=0,j=0)を行い、測定処理を開始する(ステップS000)。インピーダンス計測器300は、周波数f(i)において、対象燃料電池100のインピーダンス計測を実施し、インピーダンスの実数部Z’(i)、虚数部Z”(i)を取得する(ステップS001)。
次に、等価回路フィッティング開始判定が行われ(ステップS002)、設定周波数f(i)が所定の周波数fs以下の場合には、ステップS00で算出された値と、ステップS001でこれまでに計測された値とに基づいて、等価回路モデルへのフィッティングが実施され(ステップS003)、そうでない場合にはカウンタiがインクリメントされて(i=i+1)、次の設定周波数でインピーダンス計測が行われる(ステップS0021からステップS001)。
ステップS003では等価回路モデルへのフィッティングの結果が、変数Res(j)に記憶される(ステップS004)。変数Res(j)は、複数の計測結果から求められた回路定数の推定値Rm,Ra,Ca,Rc,Ccを要素とする多次元の配列変数である。
次に、フィッティング定数差分判定を開始するか否かが判定され(ステップS005)、カウンタjが1より大きい場合にはフィッティング結果比較のための演算が行われ(ステップS006)、他方、1以下の場合はカウンタjがインクリメントされて(ステップS0051)、ステップS0021及びステップS001〜S005の処理が繰り返して行われる。
ステップS006では、フィッティング結果の比較のため、カウンタjとj−1におけるフィッティング結果Res(j)とRes(j−1)の差が求められる。次に、フィッティング結果Res(j)の差分判定として、ステップS006で求めた各要素(各回路定数Rm,Ra,Ca,Rc,Cc)の差分(変化量)があらかじめ定めた設定値以下であるか否かが判定される(ステップS007)。各要素の差分が設定値以下であった場合には、フィッティング結果Res(j)を電流値Idcでの等価回路モデル定数に決定する処理が行われ(ステップS008)、他方、いずれかの要素の差分値が設定値を超えていた場合にはステップS0051でカウンタjがインクリメントされ、ステップS0021でカウンタiがインクリメントされ、そして他の周波数f(i)においてインピーダンス計測ならびにフィッティングおよびその結果の判定処理が行われる(ステップS001〜S007)。
本実施の形態では、既定周波数fs以下の周波数となったところで、まず既定周波数fsまでの交流インピーダンスデータから等価回路モデルへのフィッティングを行って回路定数を求め、その後は周波数の測定終了毎にそれ以前の交流インピーダンスデータからフィッティングを行い、その変化量が設定値以下となったところで、回路定数を決定し、測定を終了する。これによれば、高周波数領域のインピーダンス計測において、比較的低い周波領域での測定を省略することができるので、測定回数を減少させ、さらに比較的低い周波領域での測定における電気化学的反応による測定ばらつきの影響を低減することが期待できる。さらに、等価回路モデルへのフィッティング結果の差分が所定の設定以下となったところで回路定数を決定するので、測定回数を減じたことによる精度の低下も一定の範囲に抑えることができると期待できる。すなわち、本実施の形態によれば、高精度かつ短時間の測定を行うことができ、さらに生成水による測定バラツキへの影響を排除した、燃料電池の特性測定を行うことが可能となるのである。
以上のように、本実施の形態によれば、低周波数領域(f≒0Hz付近)において、交流信号に対する応答性を測定する必要がなく、直流成分のみで、インピーダンス特性を測定できるため、測定の高速化が可能となる。また、燃料電池の発電で発生する生成水による一時的な流路閉塞、あるいは圧力損失の増加が起因となる燃料ガス不足、あるいは酸化ガス不足による燃料電池端子電圧の不安定性(インピーダンス計測でのバラツキ、再現性低下の要因)を除去した測定が可能である。
上述したように、本実施の形態では、燃料電池のインピーダンス特性の測定のはじめに、低周波数(f≒0Hz)でのインピーダンス計測を行い、その後、周波数を変化させながらでのインピーダンス計測(高周波数から低周波数へ)を行う。また、周波数fs以下の比較的低い周波数領域(測定前に指定)に入ったら、インピーダンス計測結果が出る度に、等価回路モデルへのフィッティングを行う。その際に、低周波数(f≒0Hz)でのインピーダンスの実数部Z’として最初に測定した値で拘束を与えて、等価回路モデルの定数の変化が設定値以下となったら、定数の収束と判断し、インピーダンス計測を終える。これによれば、低周波数の最後までインピーダンス計測を実施し、等価回路へのフィッティングを行わなくてもよい。生成水による低周波数領域での測定バラツキ、再現性の低下を除去することが可能となる。
なお、上記構成において、図1の判定部306で、あらかじめ設定した所定の周波数以下になっても等価回路定数の変化量があらかじめ定めた設定値以下とならないことや、等価回路定数の変化量が増加傾向にあることを検知した場合には、その旨を出力するような機能を追加することも可能である。すなわち、低周波数(f≒0)の拘束条件を加えたフィッティングにおいて、その回路定数が収束せずしないもしくは発散していく場合には、生成水によるフラッディング(flooding)などの不具合が発生していると判断し、その旨を表示したり、自動的に測定を停止するような処理を行うことができる。このようにすれば、フラッディングなどが発生するような環境条件でのインピーダンス測定を行うことがなくなる。
次に、図6を参照して、本発明の他の実施の形態について説明する。本実施の形態は、図1と同様の構成を用いて、上記の実施の形態とは異なる手法で低周波数領域(f≒0)でのインピーダンス値を算出するものである。
本実施の形態では、まず、交流インピーダンスの測定前にその試験条件(温度、圧力、湿度などのインピーダンス測定を行いたい環境条件)における開回路電圧Voc(破線)を測定、もしくは、演算するとともに、図6に示すような電流−電圧特性(実線)を測定する。
次に、低周波数領域(f≒0)での電流依存性を考慮した燃料電池100の抵抗値R(i)と電圧値Vxとの関係を表す式(式(1))に基づいて、開回路電圧Vocから、電流−電圧特性の測定で得られた各電流での電圧Vxを引算したものを、電流値Ixに対して微分し(式(2))、その結果R(i)を低周波数(f≒0)でのインピーダンスの実数部Z’とする。
Figure 0004876671
そして、本実施の形態においても、求めたインピーダンス値を上記の実施の形態と同様にフィッティング時の拘束条件として用いる。
すなわち、本実施の形態では、交流インピーダンスの測定前にその試験条件(温度、圧力、湿度など)における開回路電圧を測定もしくは演算し、また電流−電圧特性を測定する。そして、開回路電圧から電流−電圧特性を引算したものを電流変化に対して微分する。その結果を、インピーダンス計測を行う電流値Ixでの当該燃料電池の0Hz近傍でのインピーダンス値として決定する。このインピーダンス値は、インピーダンス計測を行う電流値での低周波数側の拘束条件として用いることができる。
この実施の形態によれば、上記の実施の形態と同様に、低周波数領域(f≒0)での測定を省略することができるので、計測の高速化および安定化の効果が期待できる。また、電流−電圧特性の測定において、電流ピッチを小さくしておけば、上記の実施の形態で直流電流Idcの近傍電流での電圧変化Δvを線形と置いた場合よりも精度が向上すると考えられる。
なお、本発明の実施の形態は、上記のものに限定されず、さらに他の変更を行うことが可能である。例えば、図4のステップS007の判定処理においてすべての回路定数に対して比較を行うのではなく、特定の回路定数に限定することが可能である。特定の回路定数(例えばRaのみとか、Rcのみとか)の差分(変化量)が所定の範囲内にあるときに、そのときの値ですべての回路定数を決定するようにする。
また、本発明の構成は、図1に示す各構成を含むもの、燃料電池100以外の構成からなるもの、インピーダンス計測器300のみからなるもの等として考えることができる。さらに、インピーダンス計測器300において、例えば電流計測部302および電圧計測部303を汎用の計測器から構成し、電子負荷制御部301、インピーダンス計測部304、等価回路フィッティング部305、判定部306、および低周波数領域インピーダンス算出部310を汎用のコンピュータを用いて構成することも可能であり、その場合には、本発明の構成を電子負荷制御部301、インピーダンス計測部304、等価回路フィッティング部305、判定部306および低周波数領域インピーダンス算出部310からなるものととらえることが可能であり、また、電子負荷制御部301、インピーダンス計測部304、等価回路フィッティング部305、判定部306および低周波数領域インピーダンス算出部310の各機能をプログラムによって実現し、それを実現するソフトウェアプログラムを製品として販売することも可能である。その際、プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、あるいは通信回線を介して配布することが可能である。
本発明の燃料電池の特性計測装置の実施の形態のブロック図。 図1の構成によるインピーダンス計測手法の一例を説明するために用いる電流−電圧特性図。 図1の構成によるインピーダンス計測手法の一例を説明するための複素平面図。 燃料電池の等価回路モデルの一例を示す図。 図1の機能を説明するためのフローチャート。 本発明の燃料電池の特性計測装置の他の実施の形態を説明するために用いる電流−電圧特性図。 燃料電池の交流インピーダンス計測手法を説明するための図。
符号の説明
100…燃料電池、200…電子負荷装置、300…インピーダンス計測器、301…電子負荷制御部(負荷制御手段)、302…電流計測部(計測手段)、303…電圧計測部(計測手段)、304…インピーダンス計測部(インピーダンス計測手段)、305…等価回路フィッティング部(演算手段)、306…判定部(判定手段)、310…低周波数領域インピーダンス算出部(計測手段,決定手段)









Claims (7)

  1. 燃料電池の特性を測定する装置において、
    所定の直流電流に所定の交流成分を重畳した電流を燃料電池から出力させる負荷制御手段と、
    燃料電池から異なる2値の出力電流を出力させた時の各出力電圧値を計測する計測手段と、
    計測された出力電流2値の変化量Δiと出力電圧2値の変化量Δvを求め、その割り算値Δv/Δiを、当該燃料電池の0Hz近傍でのインピーダンス値に決定する決定手段と
    を備えることを特徴とする燃料電池の特性測定装置。
  2. さらに、前記重畳する交流成分の周波数を変化させながら燃料電池のインピーダンス値を計測するインピーダンス計測手段と、
    計測されたインピーダンス値に基づいて、燃料電池に対応する所定の等価回路の回路定数を求める演算手段とを備え、
    その演算手段において、0Hz近傍のインピーダンス値として、インピーダンスの実数部Z’を前記割り算値の絶対値|Δv/Δi|、虚数部Z”を0とする拘束条件を適用する
    ことを特徴とする請求項1記載の燃料電池の特性測定装置。
  3. 前記インピーダンス計測手段が、前記交流成分の周波数を高い方から低い方へと変化させながらインピーダンスを計測し、
    前記演算手段が、インピーダンス値の計測毎に等価回路の回路定数を求める演算を行い、
    さらに、前記演算手段が求めた等価回路定数の変化量が設定値以下となるか否かの判定を行い、設定値以下となった場合に、インピーダンス計測を終了して、回路定数を決定する判定手段を備える
    ことを特徴とする請求項2記載の燃料電池の特性測定装置。
  4. 前記判定手段が、所定の周波数以下になっても前記等価回路定数の変化量が設定値以下とならないことや前記等価回路定数の変化量が増加傾向にあることを検知した場合には、その旨を出力する
    ことを特徴とする請求項3記載の燃料電池の特性測定装置。
  5. 燃料電池の特性を測定する方法において、
    所定の直流電流に所定の交流成分を重畳した電流を燃料電池から出力させる負荷制御過程と、
    燃料電池から異なる2値の出力電流を出力させた時の各出力電圧値を計測する計測過程と、
    計測された出力電流2値の変化量Δiと出力電圧2値の変化量Δvを求め、その割り算値Δv/Δiを、当該燃料電池の0Hz近傍でのインピーダンス値に決定する決定過程と
    を含んでいることを特徴とする燃料電池の特性測定方法。
  6. 燃料電池の特性を測定する装置において、
    交流インピーダンスの測定前にその試験条件で開回路電圧を測定又は演算するとともに、電流−電圧特性を測定する手段と、
    開回路電圧から電流−電圧特性を引算したものを電流変化に対して微分する手段と、
    その結果をインピーダンス計測を行う電流値での当該燃料電池の0Hz近傍でのインピーダンス値として決定する手段と
    を備えることを特徴とする燃料電池の特性測定装置。
  7. 燃料電池の特性を測定する方法において、
    交流インピーダンスの測定前にその試験条件で開回路電圧を測定又は演算するとともに、電流−電圧特性を測定する過程と、
    開回路電圧から電流−電圧特性を引算したものを電流変化に対して微分する過程と、
    その結果をインピーダンス計測を行う電流値での当該燃料電池の0Hz近傍でのインピーダンス値として決定する過程と
    を含んでいることを特徴とする燃料電池の特性測定方法。
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